JP3860271B2 - 調剤用薬剤払出方法 - Google Patents

調剤用薬剤払出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3860271B2
JP3860271B2 JP00731197A JP731197A JP3860271B2 JP 3860271 B2 JP3860271 B2 JP 3860271B2 JP 00731197 A JP00731197 A JP 00731197A JP 731197 A JP731197 A JP 731197A JP 3860271 B2 JP3860271 B2 JP 3860271B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispensing
medicine
drawer
drawer shelf
shelf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00731197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10201824A (ja
Inventor
司郎 大村
英明 廣部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosho Inc
Original Assignee
Tosho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosho Inc filed Critical Tosho Inc
Priority to JP00731197A priority Critical patent/JP3860271B2/ja
Publication of JPH10201824A publication Critical patent/JPH10201824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3860271B2 publication Critical patent/JP3860271B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は病院薬局等の調剤業務における調剤用薬剤払出方法に係り、例えばアンプル注射液のような容器入り薬剤を払い出すための調剤用薬剤払出装置における調剤用薬剤払出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、病院薬局等においては患者に投与する薬剤を1回分ずつ分包するために各種の薬剤分包機が用いられているが、特に大規模病院の薬局等においては全自動型の薬剤分包機が用いられ、省力化が図られている。ここで、薬剤には、錠剤、散剤、水剤のほか、注射液やカプセル、錠剤のPTP、外用薬等の多種多様なものがあるが、このうち、裸錠(裸の錠剤)については薬剤自体が取り扱い易い形態をしているので、それを自動的に払い出して分包することは比較的容易であるが、アンプルタイプやバイアルタイプの注射液、シートパックタイプの錠剤(PTP錠剤)、目薬や軟膏等の外用薬、さらには点滴等に使用する輸液パック等の薬剤については、容器の形状や材質の特殊性から破損を回避するための取り扱いが容易でなく、それらを自動払出しするために従来より種々の工夫や改良がなされている。
【0003】
図15はアンプルタイプの注射液(以下、単にアンプルという。)を対象とした従来の調剤用薬剤払出装置の外観構成を表すものである。この装置は、引き出し自在な多数の引出棚1001を備えた和箪笥型ラック1000として構成されている。各引出棚1001は、複数の薬剤カセット1001aを着脱自在に収納できるようになっている。各引出棚1001はまた、各薬剤カセット1001aに収容されたアンプルを1つずつ払い出す(ディスペンス)するための払出駆動部1001bを備えている。払出駆動部1001bは、各薬剤カセット1001aに対応した払出機構(本図では図示せず、後述する)を有する。そして、これらの払出機構がそれぞれ独立に動作することによって、各薬剤カセット1001a内のアンプルを引出棚1001の正面右側にある排出口1001cから払い出すようになっている。
【0004】
図16は、引出棚1001の正面側からみた断面構成を表すものである。この図に示したように、薬剤カセット1001aは各列につき2段に重ねることができるようになっており、この2段重ねの1列に対して1つの払出ロータ1001dが配置されている。払出ロータ1001dは円筒形状を有し、その周面には円筒軸方向に沿って深溝状の凹部1001eが形成されている。払出ロータ1001dは図示しない駆動モータによって図の矢印方向に回転駆動され、これによって薬剤カセット1001aからアンプルを1つずつ取り出して排出口1001cへと搬送するようになっている。図示のように、上下の各薬剤カセット1001aはそれぞれアンプルを1段に収容している。そして、まず、下段の薬剤カセット1001aのアンプルが順次払い出されたのち、上段の薬剤カセット1001aのアンプルが順次払い出されるようになっている。そして、払出駆動部1001bによって排出口1001cから払い出されたアンプルは、図15に示したように、中継部1002における中継搬送機構を経由して筐体最下部のセット部1003に至り、ここで、搬送コンベア1004上を搬送されてくる薬剤トレイ1005に投入されるようになっている。その他の段の引出棚についても構成および作用は同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の調剤用薬剤払出装置では、和箪笥方式の筐体における各引出棚1001ごとに払出駆動部1001bを配設していた。このため、各引出棚ごとに複数の駆動モータ等の駆動源や電気配線が必要となって構成が複雑化すると共に、コストが増大するという問題があった。また、引出棚の数と同数の払出駆動部が必要となるため、装置全体としての重量も大きくならざるを得なかった。
【0006】
この問題を解決するため、例えば、処方情報によって指示された薬剤を収容する引出棚の位置に自ら移動してその引出棚からその薬剤を取り出し、その薬剤を所定の位置に搬送するという機能を有する払出搬送機構を設ける一方、各引出棚には駆動モータや電気配線等を一切設けないように構成する方法が考えられる。この場合、各引出棚には、例えば薬剤名により50音順に上段から薬剤を配列収容しておき、処方情報に従い、該当する引出棚の位置に払出搬送機構を移動させて、その引出棚の薬剤カセットから薬剤を払い出すという動作が行われることとなる。
【0007】
ところが、このように構成した場合、各引出棚に対する払出搬送機構の移動アクセスは全くランダムに行われることから、移動行程の長い(すなわち、払出搬送機構の現在位置から遠い)引出棚に対するアクセス頻度が大きい場合には平均アクセス時間が長くなり、迅速な払出業務が困難になるという問題が生ずる。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の引出棚を有する和箪笥方式の筐体を採用すると共に、任意の引出棚の位置に自ら移動して薬剤払出を行うことができる払出搬送機構を備えた調剤用薬剤払出装置において、薬剤払出所要時間を極力短縮することができる調剤用薬剤払出方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る調剤用薬剤払出方法は、調剤用薬剤を種類ごとに収容する薬剤カセットと、この薬剤カセットを脱着自在に複数収納すると共に水平方向に引き出し可能なように上下に複数段積み重ねられた引出棚と、指示された薬剤を収容している引出棚の位置へ上下移動すると共にその引出棚に収納された薬剤カセットから指示された薬剤を取り出して所定の位置に搬送する払出搬送機構と、を備えた調剤用薬剤払出装置において、払出搬送機構の待機位置を引出棚の最下段と同位置以下に設定したものである。
【0010】
この調剤用薬剤払出方法では、払出搬送機構の初期待機位置に近い最下段の引出棚から順に払出し頻度の高い薬剤を収容することにより、払出搬送機構が目的の引出棚にアクセスするのに要する時間を短くでき、調剤用薬剤払出装置における薬剤払出処理時間が短縮化される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2は本発明の一実施の形態に係る調剤用薬剤払出装置を用いて構築した調剤用薬剤払出システムの正面から見た状態を簡略化して表すものである。ここでは、払い出し対象薬剤がアンプルやバイアル等の注射薬であるものとして説明する。このシステムは、空の薬剤トレイを多数収容する空トレイストッカ10と、複数種類の薬剤を多数収容すると共に、与えられた処方情報に基づいて必要な薬剤を払い出し、空トレイストッカ10から供給される薬剤トレイ11内にセットするという機能を有する払出ユニット20a,20bと、払出ユニット20a,20bにおいて薬剤がセットされた薬剤トレイ11を順次収納するセット済トレイストッカ30とを備えている。
【0012】
空トレイストッカ10は、多数の空の薬剤トレイ11を収容すると共に、図示しない制御部からの指令に応じて薬剤トレイ11を下から順次1つずつ最下部のトレイ搬送コンベア12に載せ、払出ユニット20a,20bに供給する機能を有する。
【0013】
払出ユニット20aおよび20bは相互に連結されている。このうち、払出ユニット20aは前段の空トレイストッカ10にも連結され、払出ユニット20bは後段のセット済トレイストッカ30にも連結されている。払出ユニット20aは、複数種類の薬剤を多数収容する複数の引出棚21と、昇降自在に配設された払出搬送機構(本図では前後搬送コンベア22bのみを図示)と、最下部の前面側に設けられたトレイ搬送コンベア23aと、運転状態やエラー情報等を表示するための表示部24と、非常停止スイッチ25と、異常時に鳴動する警報ブザー26とを備えている。
【0014】
セット済トレイストッカ30は、払出ユニット20a,20bからトレイ搬送コンベア31上を搬送されてきた薬剤セット済みの薬剤トレイ11を下から順次積み重ねるようにして収納保持する機能を有する。
【0015】
払出ユニット20bの構成は払出ユニット20aと同様である。なお、図2のシステムでは、払出ユニットを2連結として構成しているが、単一あるいは3連結以上とすることも可能である。また、空トレイストッカ10およびセット済トレイストッカ30についても、それぞれ単一として構成しているが、それぞれ2連結以上として構成することも可能である。
【0016】
図3ないし図7は、図1における払出ユニット20aの構造および作用をより詳細に表すものである。ここで、図3は正面、図4は図3におけるX−X′断面、図5は背面、図6は右側面からみた状態をそれぞれ表し、図7は払出ユニット20aの左前方から俯瞰した要部斜視図である。これらの図に示したように、払出ユニット20aは、引き出し自在な多数の引出棚21を備えた和箪笥型ラックとして構成されている。各引出棚21には複数(図示例では8個)の薬剤カセット21aを着脱自在に収納できるようになっている。
【0017】
なお、薬剤カセット21aには、高さと幅との組合せにより複数種類(高さが3種類で幅が3種類の場合には、合計9種類)のサイズが用意されている。通常、各引出棚21には同一種類の薬剤カセット21aを収納するが、引出棚21の高さと幅が許容する限り、必要に応じて、異った種類の薬剤カセット21aを同一の引出棚21の中に混在させて収納することも可能になっている。
【0018】
払出ユニット20aは、上記したように、薬剤カセット21aからアンプルを1つずつ排出させると共に、その排出されたアンプルをトレイ搬送コンベア23a上の薬剤トレイ11の所まで搬送するための払出搬送機構22を備えている。この払出搬送機構22は、薬剤カセット21aからユニットの背面側に排出されたアンプルを図の右方向に搬送する横搬送コンベア22aと、横搬送コンベア22a上を搬送されてきたアンプルをユニットの前面側へと搬送する前後搬送コンベア22bと、薬剤カセット21aからアンプルを1つずつ排出させるために往復動作を行う駆動ピン51を駆動するピン駆動部22cと、横搬送コンベア22a、前後搬送コンベア22bおよびピン駆動部22cの三者を一体に連結する基台部22dと、基台部22dのねじ部に螺合するボールねじ部22e,22fとを備えている。そして、ボールねじ部22e,22fが回転することによって払出搬送機構22全体が上下に昇降移動するようになっている。この払出搬送機構22は、初期状態(すなわち、非動作状態)においては、図3に示したように、最下段の引出棚21の位置(矢印Aの位置)に待機している。
【0019】
横搬送コンベア22a、前後搬送コンベア22bおよびボールねじ部22e,22fは、それぞれ、図示しない駆動モータによって駆動されるようになっている。ピン駆動部22cは横搬送コンベア22aの上方に配置されている。そして、各薬剤カセット21aに対応する位置の駆動ピン51が選択的に往復運動して薬剤カセット21aの後部の突き板62(図5)を押すことにより、指示された段の指示された薬剤カセット21aからアンプルが1つずつ排出されるようになっている。
【0020】
図8および図9は、図6および図7に示したピン駆動部22cの構造を詳細に表すものである。ここで、図8は側面から見た状態を表し、図9は左斜め下方から見た状態を表す。これらの図に示したように、ピン駆動部22cは、角柱状の筐体部50と、この筐体部50の軸受け孔(図示せず)に摺動自在に挿通された駆動ピン51と、コの字形の断面形状を有し駆動ピン51が貫通固着しているカム受け部材52と、カム受け部材52の内部を転がりながら摺動可能なカム部材53と、カム部材53を回転駆動する駆動モータ54とを備え、筐体部50と一体に形成された取付部56によって基台部22d(図4〜図6)に固定されている。カム部材53の端部と駆動モータ54の回転軸55との間はクランク56によって連結されている。そして、駆動モータ54が回転駆動してカム部材53がカム受け部材52の内部を転がりながら摺動すると、カム受け部材52が図の矢印Yの方向に押されるため、これと一体の駆動ピン51は筐体部50の軸受け孔によって案内され、矢印Yの方向に直線往復運動をするようになっている。ピン駆動部22cは、このような構造のピン駆動機構を等間隔で8組備えている。
【0021】
図10および図11は薬剤カセット21aの構成を表すものである。このうち、図10は払出ユニット20aに装着された場合における背面側から俯瞰した状態を表し、図11(A),(B)は、それぞれ、図10における矢印Z1,Z2の方向から見た状態を表す。これらの図に示したように、払出ユニット20aは、細長形状の外箱部60と、外箱部60の内部に固定されて多数のアンプル1を収容する細長形状の内箱部61とを備えている。内箱部61は外箱部60に対して2つの方向に傾斜して固定されている。第1の方向は矢印Z3(図10)の方向であり、払出ユニット20aに装着された状態での前面側が高く、背面側が低くなっている。第2の方向は図の矢印Z4(図10)の方向であり、矢印Z2の方向から見て右側が高く、左側が低くなっている。アンプル1は、図示のように、折り欠き部(細い方)が傾斜の高い方を向くようにセットされる。このように、外箱部60に対して内箱部61を傾斜させると共に、アンプル1を折り欠き部(細い方)を上にしてセットするようにしているのは、内箱部61内に収容した多数のアンプル1が整然と排出口に順送りされることを可能にするためである。
【0022】
図11に示したように、内箱部61の底部は、可動底板63と排出案内底板65とから構成されている。可動底板63は、突き板62と一体に構成されると共に、収容されたアンプルと直接接しながら図示しない支持板の上を摺動できるように構成されている。この可動底板63は、図示しないばね部材によって背面側に付勢されており、ピン駆動部22c(図4〜図9)の駆動ピン51を前進させて突き板62を突くと前面側に移動する一方、駆動ピン51を後退させると背面側に戻るようになっている。内箱部61はまた、順送りされるアンプル群の最先頭部(背面側方向)を規制するストッパ66を備えている。可動底板63の下方には、所定の距離を隔てて排出案内底板65が配置されている。
【0023】
可動底板63には1個のアンプル1が通過可能な大きさの排出孔63aが設けられ、その前後には、排出孔63aから排出されたアンプル1が排出案内底板65の斜面上を自由に転動して落下するのを規制するためのリブ63b,63cが設けられている。排出孔63aは、通常時(突き板62が押されておらず可動底板63が最後端側(背面側方向)に位置しているとき)においては、ストッパ66よりも背面側に位置している。排出案内底板65と可動底板63とはほぼ平行になっているが、排出案内底板65は、可動底板63との間の距離がストッパ66の前方で小さくストッパ66の後方で大きくなる段差形状を有するように構成されている。
【0024】
次に、図11ないし図14参照して薬剤カセット21aの動作を説明する。図11(A)に示したように、通常時(非動作時)において、可動底板63の排出孔63aはストッパ66よりも背面側に位置しているため、アンプル1は排出されない。ここで、ピン駆動部22cの駆動ピン51によって突き板62が押されると、図12に示したように、可動底板63が前面方向に移動する。そして、可動底板63の排出孔63aの全体がストッパ66よりも前面側に移動すると、この排出孔63aを通ってアンプル1が落下する。この時点では、アンプル1は、リブ63b,63cおよび排出案内底板65によって転がりが規制され、排出はされない。
【0025】
このとき、可動底板63と直接接する最下層のアンプルは、図12に示したように、可動底板63との間の摩擦力により可動底板63の移動方向に僅かに回転する。そして、それらのアンプルの上に接して重なっているアンプルは、最下層アンプルの回転方向と逆方向に回転する。以下同様に、上層のアンプルは下層のアンプルと逆方向に回転する。結局、薬剤カセット21aに収容されているすべてのアンプルがそれぞれに回転することとなるので、不安定に積み重なっているアンプル群のいわば「地ならし」が自動的に行われ、不安定さが解消される方向に作用する。この点が本発明の重要な特徴をなしている。
【0026】
アンプル落下後も、突き板62はピン駆動部22cの駆動ピン51によって押され続け、図13に示したように、可動底板63の排出孔63aが排出案内底板65の段差部よりも十分前方に位置するに至るまで移動する。こののち、ピン駆動部22cの駆動ピン51が元に戻ると、図示しないばね部材の復元力によって可動底板63が元の方向(背面側方向)に移動し、図14に示した位置まで戻る。これにより、アンプル1は排出案内底板65による規制がなくなり、傾斜した排出案内底板65上を転がって薬剤カセット21aから排出され、横搬送コンベア22a(図3〜図7)上に載る。これで、1つのアンプルの排出動作(ワンアクション)を完了する。
【0027】
このように、可動底板63の移動を、図12に示した位置(可動底板63の排出孔63aがストッパ66を越える位置)で終了させずに、さらに図13に示した位置まで移動させるようにしているのは、次の理由による。すなわち、図12において、1つのアンプル1が排出された後は、残ったアンプル群が不安定な積み重なり状態となっており、その状態のまま次のアンプル排出を続行すると、アンプル群の不安定な積み重なり状態が十分解消されず、あるいは益々不安定となり、やがては排出動作に支障が生ずるおそれがある。そこで、1つのアンプル1が排出された後も可動底板63をさらに前面側に移動させることにより、いわばアンプル群の「地ならし」を確実に行うようにしているのである。これにより、内箱部61内におけるアンプルの局在化を避け、安定したアンプル排出動作を継続することが可能となる。
【0028】
このように、本実施の形態では、可動底板63を摺動させることで薬剤カセット21a内のアンプルを排出すると同時にアンプル群の積み重なりの不安定さを解消するようにしているので、円滑なアンプル排出動作を連続的に行うことが可能となる。
【0029】
次に、本発明の特徴点について説明する。
【0030】
図1は、払出ユニットにおける引出棚の配列例、および払出搬送機構の初期位置(原点位置)と引出棚との関係を表すものである。この図に示したように、この払出ユニット20aには、L,M,Sの3種類の高さの引出棚21が収納可能である。このうち、Lサイズの引出棚21は最も高さが高く、L1 〜L3 の3段が配置されている。Mサイズの引出棚21は次に高さが高く、M1 〜M8 の8段が配置されている。Sサイズの引出棚21は最も高さが低く、S1 〜S6 の6段が配置されている。最下段はL1 であり、その上段にはL2 ,L3 ,M1 ,M2 ,M3 …という順序になっている。ここで、引出棚21(L1 )は、最も払出し頻度の高いアンプルを収容した薬剤カセット21aを収納しており、引出棚21(L2 )は、次に払出し頻度の高いアンプルを収容した薬剤カセット21aを収納している。以下同様に、より上段にいくほど払出し頻度が低いアンプルを収容した薬剤カセット21aを収納している。通常、引出棚21(L1 )には高さが最も高い薬剤カセット21aが収容されるが、より低い高さの薬剤カセット21aを収納することも可能である。
【0031】
このように、最下段およびその上2段の位置にLサイズの高さの引出棚21を配置すると共に、より上段にいくほど小さいサイズの引出棚21を配置するようにしたのは、次の理由による。すなわち、上記したように、払出搬送機構22の初期位置が最下段の引出棚21の位置であることを考慮すると、最下段およびその近傍に払出し頻度の高いアンプルを収容しておくことがアクセス時間を短くする上で得策であり、そのためには、引出棚21中のアンプルがなくなるまでの時間を少しでも長くすべく、できるだけ容積(収容能力)の大きい引出棚21を最下段およびその近傍に配置するのが好適だからである。
【0032】
一方、最上段から4段目までの引出棚21(S6 ,S5 ,M7 ,M8 )には、払出し頻度が比較的低いアンプルを収容した薬剤カセット21aを収納している。これは次の理由による。すなわち、通常、払出ユニット20aにアンプルを補充するのは薬剤師等であるが、人(例えば女性とする)の身長を例えば160cmとすると、目の高さは140cm程度になる。したがって、この高さより高い位置にある引出棚21にアンプルを補充する場合には、踏み台や脚立等が必要となり、極めて作業性が悪くなる。そこで、図1に示したように、人の目の高さHより低い位置の引出棚21には比較的払出し頻度の高いアンプルを収容する一方、目の高さHより高い位置の引出棚21には比較的払出し頻度の低いアンプルを収容するようにしている。
【0033】
次に、以上のような構成の調剤用薬剤払出システムにおける全体動作を説明する。
【0034】
図2において、まず、制御部(図示せず)からの指令に基づいて空トレイストッカ10から1つの空の薬剤トレイ11がトレイ搬送コンベア12上に供給される。この薬剤トレイ11はトレイ搬送コンベア12によって搬送され、払出ユニット20aのトレイ搬送コンベア23aに渡される。トレイ搬送コンベア23aによってさらに右方に搬送された薬剤トレイ11は、払出ユニット20aの右端位置に至り、そこで一旦停止する。なお、制御部によって指示された払出しアンプルが払出ユニット20a内に収容されておらず払出ユニット20b内に収容されているときには、薬剤トレイ11は上記の位置で停止せずにそのまま払出ユニット20bのトレイ搬送コンベア23bへと渡され、払出ユニット20bの右端位置で一旦停止することとなる。
【0035】
ここで、制御部は処方情報に基づくアンプルの払出しを指示する。具体的には、払出し対象のアンプルが収容されている引出棚21および払出ユニット20aのアドレスを指示する。これを受けた払出搬送機構22は、ボールねじ部22e,22fの回転駆動により、初期位置(最下段の引出棚21の位置)から目的の引出棚21の高さ位置にまで上昇移動する。そして、その引出棚21に収納された薬剤カセット21aのうち、指示されたアドレスの薬剤カセット21aに対応する駆動ピン51を駆動する。この駆動ピン51の駆動は、図8および図9で説明したように行われる。
【0036】
駆動ピン51が駆動されると、これによって薬剤カセット21aの突き板62が押される。これにより、図11〜図14で説明した動きに従って薬剤カセット21aから1つのアンプルが排出され、払出搬送機構22における横搬送コンベア22a(図3〜図7)に載る。横搬送コンベア22aに載置され搬送されたアンプルは、さらに前後搬送コンベア22bに渡されて前面側方向へと搬送され、薬剤トレイ11内に投入される。
【0037】
このように、処方情報に従って必要なアンプルが次々と払い出されて薬剤トレイ11内にセットされる。ここで、処方情報が1患者分を単位とするものであるとすると、1つの薬剤トレイ11内には1患者分のアンプルがセットされることとなる。
【0038】
ここで、図1においても説明したように、払出し対象のアンプルは、払出し頻度が高いほど、より下段の引出棚21に収容されている。一方、払出搬送機構22の待機位置は最下段の引出棚21(L1 )の位置である。したがって、本実施の形態において、処方情報を受けてから目的の引出棚21の位置に到達するのに要する平均時間(平均アクセス時間)は、例えば薬剤を上段側から50音順に配列収容した場合と比べて、はるかに小さくなる。このため、1つの処方情報に対する払出所要時間の短縮が可能となる。この点が本発明の特徴とするところである。
【0039】
さて、こうしてセットの完了した薬剤トレイ11は、トレイ搬送コンベア23aから払出ユニット20bのトレイ搬送コンベア23bを経由してセット済トレイストッカ30のトレイ搬送コンベア31へと搬送される。そして、図示しないスタック機構により、セット済トレイストッカ30の最下部から順にセット済みの薬剤トレイ11がスタックされる。
【0040】
このように、本実施の形態では、横搬送コンベア22aおよび前後搬送コンベア22bが一体に昇降自在な払出搬送機構22にピン駆動部22cを配設する一方、各引出棚21には駆動モータや電気配線等を一切設けず、薬剤カセット21aの突き板62(図10)をピン駆動部22cの駆動ピン51によって押すというワンアクションのみでアンプル排出を可能にしたので、引出棚21の構成を簡略化することができ、また、その重量も軽量化することができる。また、払出し頻度の高いアンプルほどより下段の引出棚21に収容すると共に、払出搬送機構22の待機位置を最下段の引出棚21(L1 )の位置としたので、目的の引出棚21に対する払出搬送機構22のアクセス時間が短くなり、全体としての薬剤払出所要時間を相当短縮できる。
【0041】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その均等の範囲で種々変形可能である。
【0042】
例えば、上記の実施の形態では、引出棚21の配置は下から順にL1 ,L2 ,L3 ,M1 ,M2 ,M3 ,…というようにしたが、本発明はこれに限定されることはなく、必要に応じてそれ以外の配置としてもよい。また、本実施の形態では、引出棚21の高さを例えば3種類として説明したが、それ以下あるいはそれ以上の種類を用意するようにしてもよい。なお、引出棚21の高さサイズは、収容するアンプルサイズやアンプル収容数等に応じて種々変更可能である。この場合、異なる高さサイズの引出棚21を自在に相互入れ換えできるように構成することも可能である。
【0043】
また、上記の実施の形態では、払出し対象の薬剤をアンプルとして説明したが、その他にバイアルタイプの注射液、目薬や軟膏等の外用薬、あるいは、点滴等に使用する輸液パック等の薬剤についても適用可能である。また、PTPタイプの錠剤や裸錠にも適用することも可能である。さらに、これらの各種タイプの薬剤を1つの払出ユニット20aに混在させて収容することも可能である。
【0044】
また、引出棚21には同一幅の薬剤カセット21aを8個収容可能として説明したが、より大きい幅の薬剤カセットを例えば4個収容できるようにしてもよい。さらに、異なる幅の薬剤カセットを1つの引出棚21に混在させて収容することも可能である。但し、これらの場合には、薬剤カセットの突き板62の位置がピン駆動部22cの駆動ピン51に対応する位置に来るように構成する。
【0045】
また、上記の実施の形態ではピン駆動部22cに8本の駆動ピン51を設けるようにしたが、その本数は8本に制限されず、1つの引出棚21に収納する薬剤カセット21aの数に応じて適宜変更可能である。
【0046】
なお、上記の実施の形態では、アンプルを背面側に排出させると共に、排出されたアンプルを横搬送コンベア22aおよび前後搬送コンベア22bによって前面側の薬剤トレイ11へと搬送するようにしたが、そのほか例えば、アンプルを引出棚21の側面側に排出させると共に、排出されたアンプルを前後搬送コンベア22bによって前面側の薬剤トレイ11へと搬送するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、ピン駆動部22cにおける駆動ピン51の駆動方式を、カムとクランクとを組合せた方式(図8および図9)として説明したが、本発明はこれに限定されず、他の方式としてもよい。但し、本実施の形態の駆動方式では、駆動ピン51の往復運動の速度は、端部で遅く中央部で速くなるので、駆動ピン51が突き板62を突く際の衝撃を緩和することができ、好適である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の調剤用薬剤払出方法によれば、指示された薬剤を収容する引出棚の位置に上下移動すると共にその引出棚から薬剤を取り出して所定の位置に搬送する払出搬送機構を備えた調剤用薬剤払出装置において、払出搬送機構の初期待機位置を引出棚の最下段と同位置以下に設定するようにしたので、払出搬送機構が目的の引出棚へアクセスするのに要する時間を短くできる。このため、調剤用薬剤払出装置における薬剤払出処理時間を短縮が可能となり、ひいては装置の処理能力を格段に向上させることができる。また、払出搬送機構の平均移動行程が短くなることから、その耐久性が増し、装置寿命が長くなるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る調剤用薬剤払出方法を説明するための払出ユニットの正面図である。
【図2】この調剤用薬剤払出方法が適用される調剤用薬剤払出システムの概略構成を表す正面図である。
【図3】図1における払出ユニットの正面図である。
【図4】図2のX−X′線に沿った断面構造を表す断面図である。
【図5】図1における払出ユニットの背面図である。
【図6】図1における払出ユニットの右側面図である。
【図7】薬剤カセット、搬送機構および薬剤トレイの相互の位置関係、ならびにアンプルの搬送状況を説明するための要部斜視図である。
【図8】ピン駆動部の構造を表す側面図である。
【図9】ピン駆動部の構造を表す斜視図である。
【図10】薬剤カセットの構成を表す斜視図である。
【図11】薬剤カセットの構成を表す側面図(A)および正面図(B)である。
【図12】薬剤カセットの動作状態を表す側面図である。
【図13】薬剤カセットの動作状態を表す側面図である。
【図14】薬剤カセットの動作状態を表す側面図である。
【図15】従来の調剤用薬剤払出装置の要部構造を表す外観斜視図である。
【図16】図15に示した引出棚における薬剤カセットおよび払出駆動部の構造を表す側断面図である。
【符号の説明】
10 空トレイストッカ
11 薬剤トレイ
12,23a,23b トレイ搬送コンベア
20a,20b 払出ユニット
21 引出棚
21a 薬剤カセット
22 払出搬送機構
22a 横搬送コンベア
22b 前後搬送コンベア
22c ピン駆動部
22d 基台部
22e,22f ボールねじ部
30 セット済トレイストッカ
51 駆動ピン
52 カム受け部材
53 カム部材
54 駆動モータ
60 外箱部
61 内箱部
62 突き板
63 可動底板
63a 排出孔
63b,63c リブ
65 排出案内底板
66 ストッパ

Claims (1)

  1. 調剤用薬剤を種類ごとに収容する薬剤カセットと、この薬剤カセットを脱着自在に複数収納すると共に水平方向に引き出し可能なように上下に複数段積み重ねられた引出棚と、指示された薬剤を収容している引出棚の位置へ上下移動すると共にその引出棚に収納された薬剤カセットから前記指示された薬剤を取り出して所定の位置に搬送する払出搬送機構と、を備えた調剤用薬剤払出装置を使用する調剤用薬剤払出方法において、前記払出搬送機構の待機位置を前記引出棚の最下段と同位置以下に設定したことに加えて、前記薬剤カセットには薬剤を多層に整列収納しうるものを用い、前記引出棚の最下段には容積の大きいものを配置して、この最下段の引出棚から順に払出し頻度の高い薬剤を収容することを特徴とする調剤用薬剤払出方法。
JP00731197A 1997-01-20 1997-01-20 調剤用薬剤払出方法 Expired - Fee Related JP3860271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00731197A JP3860271B2 (ja) 1997-01-20 1997-01-20 調剤用薬剤払出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00731197A JP3860271B2 (ja) 1997-01-20 1997-01-20 調剤用薬剤払出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10201824A JPH10201824A (ja) 1998-08-04
JP3860271B2 true JP3860271B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=11662467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00731197A Expired - Fee Related JP3860271B2 (ja) 1997-01-20 1997-01-20 調剤用薬剤払出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3860271B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107374088A (zh) * 2017-07-31 2017-11-24 杨龙 一种用于中药生产车间的全自动智能配药领取设备

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4546710B2 (ja) * 2003-09-26 2010-09-15 株式会社湯山製作所 薬剤払出し装置
JP4968314B2 (ja) * 2009-11-12 2012-07-04 株式会社湯山製作所 薬剤払出し装置
KR102037188B1 (ko) * 2013-02-13 2019-10-28 (주)제이브이엠 약제 불출 시스템 및 그 제어방법
KR102037187B1 (ko) * 2013-02-13 2019-10-28 (주)제이브이엠 약제 불출 시스템 및 그 제어방법
TWI683659B (zh) * 2014-05-09 2020-02-01 日商湯山製作所股份有限公司 藥劑分類裝置及藥劑分類方法
CN105962653B (zh) * 2016-06-28 2018-02-02 南京师范大学 一种通过电磁推压的智能物联网药品储物柜
CN109199859B (zh) * 2018-09-03 2021-05-28 北京工业大学 一种中药颗粒高效配药装置
JP7327809B2 (ja) * 2020-03-24 2023-08-16 株式会社タカゾノ 薬剤払出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107374088A (zh) * 2017-07-31 2017-11-24 杨龙 一种用于中药生产车间的全自动智能配药领取设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10201824A (ja) 1998-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101650090B1 (ko) 약제 불출 장치
US7121427B2 (en) Fork based transport storage system for pharmaceutical unit of use dispenser
US6883681B1 (en) Automatic dispensing system for unit medicament packages
US7461759B2 (en) Fork based transport storage system for pharmaceutical unit of use dispenser
JP4259811B2 (ja) 薬剤供給装置
JP3860271B2 (ja) 調剤用薬剤払出方法
TW201708046A (zh) 用於自動化藥物施配機的藥物饋入罐
KR20100023797A (ko) 정제 충전 장치
JP3860272B2 (ja) 調剤用薬剤払出装置
US3837528A (en) Article delivery systems for vending machines having sequentially actuated dispensers
JP2006288573A (ja) 薬品類カセット及び払出装置
JP2004345837A (ja) 医療用格納装置
JP3907768B2 (ja) 薬剤収容払出カセット
JPH10192368A (ja) 調剤用薬剤払出装置
CN113353314B (zh) 药物输送单元及包括该药物输送单元的药物输送模块
JPH07285674A (ja) アンプル払い出し装置
JP4546710B2 (ja) 薬剤払出し装置
JP4230712B2 (ja) 薬剤供給装置
JP4968314B2 (ja) 薬剤払出し装置
CN218893131U (zh) 一种自动加药装置
JP4386760B2 (ja) 薬品払出装置
JP2002272815A (ja) 薬剤払出装置
JP7493804B2 (ja) 薬剤分包機
JP3725237B2 (ja) 薬品庫
JP3725236B2 (ja) 薬品庫

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150929

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees