JP3860190B2 - 高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維 - Google Patents

高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維 Download PDF

Info

Publication number
JP3860190B2
JP3860190B2 JP2004531662A JP2004531662A JP3860190B2 JP 3860190 B2 JP3860190 B2 JP 3860190B2 JP 2004531662 A JP2004531662 A JP 2004531662A JP 2004531662 A JP2004531662 A JP 2004531662A JP 3860190 B2 JP3860190 B2 JP 3860190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cord
yarn
less
strength
spinning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004531662A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006500479A5 (ja
JP2006500479A (ja
Inventor
イク−ヒェオン クウォン
ユン−ヒュク バング
ジョング リー
デウク−ジン リー
イン−ホ リー
Original Assignee
ヒョスング コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from KR10-2003-0058348A external-priority patent/KR100488606B1/ko
Priority claimed from KR1020030058347A external-priority patent/KR100630269B1/ko
Application filed by ヒョスング コーポレーション filed Critical ヒョスング コーポレーション
Publication of JP2006500479A publication Critical patent/JP2006500479A/ja
Publication of JP2006500479A5 publication Critical patent/JP2006500479A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3860190B2 publication Critical patent/JP3860190B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/62Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyesters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/0042Reinforcements made of synthetic materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/04Carcasses the reinforcing cords of each carcass ply arranged in a substantially parallel relationship
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/04Carcasses the reinforcing cords of each carcass ply arranged in a substantially parallel relationship
    • B60C9/08Carcasses the reinforcing cords of each carcass ply arranged in a substantially parallel relationship the cords extend transversely from bead to bead, i.e. radial ply
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2933Coated or with bond, impregnation or core

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

本発明は、未延伸糸の力−変形曲線及び微細構造を調節することにより、延伸段階で延伸性を向上させた高強力ポリエチレンナフタレート繊維に関するもので、本発明により製造された産業用糸は優れた寸法安定性(dimensional stability)と強度(tenacity)を有する処理コード(treated cord)を提供する。
又、本発明は下記の物性を有し、末延伸糸が1.0g/dの初期応力に置かれた時、2%未満伸張し、50〜250g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて6.0g/d未満の応力に置かれた時、最大15%伸張する力−変形曲線を有することを特徴とするタイヤコード用ディップコード(dip cord)を提供する。
(1)6.5g/d以上の強度、(2)6%以上の伸度、(3)ゴムとの接着力10kg以上、(4)90%以上の耐疲労度、(5)2,000〜8,000デニール。
又、本発明は前記タイヤコード用ディップコードをカーカスプライに適用した高性能ラジアルタイヤを提供する。
ポリエチレン−2,6−ナフタレートは大きい(bulky)構造のナフタレート単位を有することから、ポリエチレンテレフタレートに比べ、ガラス転移温度、結晶化温度、溶融温度及び溶融粘度が高いため、紡糸時、紡糸性の向上のために、即ち、紡糸時、溶融物の溶融粘度を低めるために、ポリエチレンテレフタレートの紡糸温度(310〜320℃)より高い温度で紡糸されてきた。
しかし、高い紡糸温度での紡糸は溶融物の熱分解をもたらし、延伸作業性を低下させ、又、相当な水準の固有粘度の低下をもたらすため、ポリエチレン−2,6−ナフタレート重合体を使用して、高強力原糸を製造することは困難であった(特許文献1〜3参照)。
特許文献4は、紡糸温度を高める代わりに、紡糸速度及び紡糸ドラフト比(draft ratio)を調節し、延伸時、段階別延伸温度を調節することにより、高強度及び高弾性率のポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維を製造する方法を開示している。しかし、この方法によると、均一な紡糸が難しいばかりでなく、第1段階延伸の温度が150℃を超えるため、糸幅に隙間ができ、正常的な延伸が難しいという問題があった。
高い固有粘度(I.V.)、好ましくは固有粘度(I.V.)0.8〜1.2、又、200〜1,000m/minの低速紡糸速度範囲内では、未延伸糸のフィラメント間の繊度、配向度に対する均一性を向上させる場合のみ、高倍率の延伸が可能であり、原糸の強度がさらに向上される傾向が見られることは、産業用ポリエチレン−2,6−ナフタレートの製造分野では一般的によく知られた事実である。
これを理論的に考察してみると、産業用ポリエステル糸を製造する時、紡糸張力を増加させて未延伸糸の配向及び結晶と結晶を連結してやるタイチェイン(tie chain)の形成を増加させる時こそ、最終延伸糸の強度を高めることができ、又、さらに高強度の延伸糸を得るためには、高倍率の延伸が可能である未延伸糸微細構造を獲得しなければならない。
日本国特開昭47−35318号公報 日本国特開昭48−64222号公報 日本国特開昭50−16739号公報 日本国特許第2945130号公報
このような観点で、本発明は未延伸糸の力−変形曲線と微細構造を調節することにより、延伸段階で高い延伸性を得ることができる。
本発明は未延伸糸の力−変形曲線及び微細構造を調節することにより、延伸段階で延伸性を向上させた高強力ポリエチレンナフタレート繊維に関するもので、未延伸糸が0.3g/dの初期応力に置かれた時10%未満伸張し、10〜50g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて1.0g/d未満の応力に置かれた時、さらに少なくとも200%伸張する力−変形曲線を有し、複屈折率が0.001〜0.015になるようにする紡糸速度で糸を巻き取ることにより、延伸段階で未延伸糸の延伸性を極大化させて、物性の優れた高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維及びその製造方法を提供することにその目的がある。
又、本発明の目的は優れた寸法安定性及び強度を有するタイヤコードの製造に有用な、改善された物性を有する高強力ポリエチレンナフタレート繊維を提供することである。
本発明は、(A)エチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%を超えて含み、マンガン金属及びアンチモン金属を各々30〜70ppm及び150〜300ppm含み、マンガン/リンの重量比が2.0以下であるリンを含み、固有粘度が0.80〜1.2の範囲の固状重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートチップを290〜330℃の温度及び20〜200の紡糸ドラフト比で溶融紡糸し、溶融紡出糸を形成する工程と、(B)この溶融出糸を雰囲気温度が300〜400℃で、長さが200〜700mmである加熱区域を通過させた後、急冷固化させる工程と、(C)未延伸糸複屈折率が0.001〜0.015になるようにする紡糸速度で前記固化させた糸を巻き取り、0.3g/dの初期応力に置かれた時10%未満伸張し、10〜50g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて1.0g/d未満の応力に置かれた時、さらに少なくとも200%伸張する力−変形曲線を有する未延伸糸を得る工程と、(D)前記未延伸糸を4.0倍以上の総延伸比で多段延伸させる工程とを含む産業用ポリエチレン−2,6−ナフタレートマルチフィラメントの製造方法に関するものである。
本発明に用いられるポリエチレン−2,6−ナフタレート重合物は少なくとも85モル%のエチレン−2,6−ナフタレート単位を含有し、好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位だけで構成される。
選択的に、前記ポリエチレン−2,6−ナフタレートはエチレングリコール及び2,6−ナフタレンジカルボン酸又はこれらの誘導体以外に、一つ又はそれ以上のエステル形成成分から誘導された少量のユニットを共重合体ユニットとして編入することができる。ポリエチレンナフタレートユニットと共重合できる他のエステル形成成分の例は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールのようなグリコールと、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、スチルベンジカルボン酸、ビベンゾイック酸(bibenzoic acid)、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなジカルボン酸を含む。
本発明によるポリエチレンナフタレートチップは、好ましくはナフタレン−2,6−ジメチルカルボキシレート(NDC)とエチレングリコール原料を1.6〜2.3の重量比で190℃で溶融混合し、この溶融混合物をエステル交換反応(190〜240℃で約2〜3時間)及び縮重合反応(280〜300℃で約2〜3時間)させて固有粘度0.42〜0.70水準のローチップ(raw chip)を作った後、225〜260℃の温度及び真空下で0.80〜1.20の固有粘度及び30ppm未満の水分率を持つように固状重合して製造する。
本発明は、選択的に、エステル交換反応の際、エステル交換反応の触媒としてマンガンアセテート、カルシウムアセテート、マグネシウムアセテート、コバルトアセテート等を最終重合体中のマンガン金属としての残存量が30〜70ppmになる量で添加することができる。この量が30ppm未満であると、エステル交換反応の速度があまりにも遅くなり、70ppmを超えると、必要以上のマンガン金属が異物として作用して、固状重合及び紡糸時問題になる。
本発明は、選択的に、縮重合反応の際、重合触媒としてアンチモンアセテート、三酸化アンチモン、チタンアルコキシド、二酸化ゲルマニウム、スズアルコキシド等を最終重合体中のアンチモン金属としての残存量が150〜300ppmになる量で添加することができ、この量が150ppm未満であると、重合反応の速度が遅くなって重合効率が低下し、300ppmを超えると、必要以上のアンチモン金属が異物として作用して、紡糸延伸の作業性を低下させる。又、この際、リン酸、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリノニールフォスフェート、トリメチルフォスホアセテート等のリン化合物のようなリン系耐熱安定剤を最終重合体中のリン元素としての残存量が35〜45ppmになる量で添加することができ、マンガン/リンの重量比は2.0以下にする。マンガン/リンの重量比が2.0を超えると、固状重合の際、酸化が促進され、紡糸時、正常的な物性を収得することができないので、2.0以下に調節することが好ましい。
このように製造されたポリエチレンナフタレートチップを本発明の方法によって繊維化する。図1はこのような本発明の一つの実施形態による製造工程を概略的に図示したものである。
本発明のポリエチレンナフタレート繊維の製造方法の工程(A)で、ポリエチレンナフタレートチップをパック1及びノズル2を通して、好ましくは比較的低温の290〜320℃の紡糸温度で、好ましくは20〜200の紡糸ドラフト比(最初巻き取りローラ上での線速度/ノズルでの線速度)で低温溶融紡糸することにより、熱分解及び加水分解による重合体の粘度の低下を防止することができる。紡糸ドラフト比が20未満であると、フィラメント断面の均一性が悪くなって延伸作業性が著しく落ちたり、200を超えると、紡糸中、フィラメントの破損が発生して正常的な原糸を生産することが難しくなる。
工程(B)では、前記工程(A)の溶融紡出糸4を冷却区域3を通過させて急冷固化させる。必要によっては、ノズル2直下から冷却区域3開始点までの距離、即ち、フードの長さ(L)区間に短い加熱装置を設置することもできる。
この区域を遅延冷却区域又は加熱区域といい、この区域は200700mmの長さ及び250〜400℃の温度(空気接触表面温度)を有する。
冷却区域3では、冷却空気を吹き出す方法によって、オープン冷却(open quenching)法、円形密閉冷却(circular closed quenching)法及び紡糸型アウトフロー冷却(radial outflow quenching)法等を適用することができるが、これに制限されるものではない。次いで、冷却区域3を通過しながら固化された放出糸4を油剤付与装置5により、0.5〜1.0%にオイリングすることができる。
工程(C)では、未延伸糸複屈折率が0.001〜0.015になるようにする紡糸速度で糸を巻き取り、0.3g/dの初期応力に置かれた時10%未満伸張し、10〜50g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて1.0g/d未満の応力に置かれた時、さらに最小200%伸張する力−変形曲線を有する未延伸糸を得る。好ましい紡糸速度は200〜1,000m/minである。
本発明において、未延伸糸の微細構造を調節する因子としては未延伸糸の力−変形曲線及び複屈折率が用いられる。
特に本発明は、未延伸糸が0.3g/dの初期応力に置かれた時10%未満伸張し、10〜50g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて1.0g/d未満の応力に置かれた時、さらに最小200%伸張する力−変形曲線を有することを特徴とする。
前記力−変形曲線を有する未延伸糸は以後連続的に進行される延伸工程で延伸性を極大化することができる。
又、本発明では未延伸糸の複屈折率が前記力−変形曲線と一緒に、未延伸糸の微細構造を調節する因子として用いられる。
特に本発明では、前述したように、未延伸糸の力−変形曲線と複屈折率が前記の記載された範囲を満足する時こそ、延伸工程で優れた延伸性を得ることができる。未延伸糸の複屈折率が0.001未満であると、延伸段階で結晶化速度があまりにも遅くなり、結晶間タイチェインの形成を十分に誘導することができない。一方、複屈折率が0.015を超えると、延伸中、結晶化があまりにも急速に進行され、かえって延伸性が落ちるので、高強力糸を製造することが難しくなる。
本発明方法の工程(D)で、一番目の延伸ローラ6を通過した糸を多段のスピンドロー(spin draw)工法で、一連の延伸ローラ7,8,9及び10を通過させながら、総延伸比4.0倍以上、好ましくは4.5〜6.5の総延伸比で延伸させることにより、最終延伸糸11を得る。
紡糸の際、ノズルと冷却部の上端との距離をできるだけ狭めることが最終延伸糸で高い強力を持たせるのに有利である。しかし、紡糸の際、ノズルの下から加熱装置の下端までの距離が50mm未満になるか(実際的には、ノズル直下に長さ約50mmの紡糸ブロックが存在するので、長さ50mmの加熱装置を使用すると、ノズルの下から加熱装置の下端までの距離が100mmとなる)、又は加熱装置の下端と冷却装置の上端との距離が50〜150mmを外れると、未延伸糸の不均一が相当な水準で発生し、正常的な物性を得ることが不可能になる。
本発明の方法によって製造された延伸ポリエチレンナフタレート繊維は0.6〜0.9の固有粘度、8.5g/d以上の強度、6.0%以上の伸度、0.35以上の複屈折率、1.355〜1.375の密度、270〜285℃の融点及び1〜4%の収縮率を有する。
本発明では、前記物性を満足する高強力ポリエチレンナフタレート繊維を撚糸機で撚糸して生コードを製造した後、これを製織してディッピング(dipping)液に浸漬することにより、ポリエチレンナフタレートディップコードを提供する。
以下、本発明の撚糸、製織及びディッピング工程をより詳しく説明する。
本発明の撚糸工程をより詳しく説明する。前記方法によって製造されたポリエチレンナフタレート延伸糸の巻き取られた原糸2本を仮撚(false-twist)及び下撚(ply-twist)が同時に進行されるダイレクト撚糸機で撚糸して、タイヤコード用生コード(raw-cord)を製造する。生コードはタイヤコード用ポリエチレンナフタレート原糸に下撚(ply-twist)を加えた後、上撚(cable-twist)を加えて合撚することにより製造され、一般的に上撚と下撚は同じ撚数、又は必要によっては異なる撚数を加えて合撚する。
本発明において、重要な結果は、ポリエチレンナフタレート糸に付与する撚りの水準(撚数)によって、コードの強伸度、負荷時伸度、耐疲労度等の物性が変化することである。一般的に撚りが高い場合、強度は減少し、又、負荷時伸度、切断時伸度は増加する傾向がある。耐疲労度は撚りの増加によって向上される傾向がある。本発明のポリエチレンナフタレートタイヤコードはその撚数を上/下撚を同時に250/250TPM〜500/500TPMにして製造した。上撚と下撚を同一な数値で付与するのは、製造されたタイヤコードが回転や撚り等を示さずに、一直線上を保持しやすくすることにより、物性発現を最大化するためである。撚数が250/250TPM未満であると、生コードの切断時伸度が減少して耐疲労度が低下しやすく、500/500TPMを超えると、強力の低下が大きくなり、タイヤコード用として適切でない。
本発明では、必要によって異なる上/下撚の撚数を付与する場合もある。本発明では、上撚を350〜500TPMに調節し、下撚を300〜500TPMを調節して、各々の上/下撚の撚数が異なる生コードを製造した。上/下撚の撚数をさせるのは、生コードの持つ最適物性範囲内で、撚数が低いほど延糸費用が減少し、経済的に有利になるからである。このような撚りを評価する常数として‘撚り常数’が提案されている。
製造された生コードは製織機(weaving machine)を使用して製織し、収得された織物をディッピング液に浸漬した後、硬化して生コード表面に樹脂層が付着されたタイヤコード用ディップコードを製造する。
本発明のディッピング工程をさらに詳しく説明する。ディッピングは繊維の表面にレゾルシノール−ホルマリン−ラテックス(Resorcinol-Formaline-Latex:RFL)と呼ばれる樹脂層を含浸させることにより達成される。これは元々ゴムとも接着性が劣るタイヤコード用繊維の短所を改善するために実施される。通常のレーヨン繊維又はナイロンは1浴ディッピングを行うことが普通であり、PET繊維を使用する場合、PET繊維表面の反応基がレーヨン繊維やナイロン繊維と比べ少ないため、PET表面を先に活性化させた後、接着処理を行うようになる(2浴ディッピング)。本発明によるポリエチレンナフタレート糸は2浴ディッピングを用いる。この2浴ディッピングはタイヤコードのために、公知のディッピング浴を用いる。
前述した方法によって製造されたディップコードは、1.0g/dの初期応力に置かれた時、2%未満伸張し、50〜250g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて6.0g/d未満の応力に置かれた時、最大15%伸張する力−変形曲線を有し、下記物性を有する。
(1)6.5g/d以上の強度、(2)6%以上の伸度、(3)ゴムとの接着力10kg以上、(4)90%以上の耐疲労度、(5)2,000〜8,000の総デニール、(6)0.50〜0.85の撚り常数、(7)5.5%以下のE2.25(2.25g/dでの伸度)+FS(自由収縮率)。
他の態様において、本発明は空気入りラジアルタイヤのカーカスプライの材料として用いられるコードを前述した方法で製造し、ディップコードを1.0g/dの初期応力に置かれた時、2%未満伸張し、50〜250g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて6.0g/d未満の応力に置かれた時、最大15%伸張する力−変形曲線を有し、高温物性、形態安定性及び強力が優れたポリエチレンナフタレートディップコードに代替することにより、形態安定性及び疲労性能が向上され、又、0.65以下の扁平比(aspect ratio)を有する高性能空気入りラジアルタイヤを提供することに、その技術的課題を置いている。
特に、本発明において、カーカスプライに用いられるポリエチレンナフタレートディップコードは1.0g/d以下の応力で、伸度が2%未満になることが必要である。伸度が2%を超えると、カーカス層の過度な変形により操縦安定性が著しく減少するようになる。又、本発明では、1.0g/dより大きくして6.0g/d未満の応力に置かれた時、最大15%伸張する力−変形曲線を有することが必要である。15%を超えて伸張すると、カーカスの変形が起こりやすくなり、圧力容器としての内圧支持力が落ちる。
具体的には、図3に示したようなタイヤを製造する。さらに具体的には、本発明によって製造されたポリエチレンナフタレートディップコードを利用したカーカス層補強用コード13は2,000d〜8,000dの総デニールを有する。カーカスプライ12は少なくとも一層のカーカスプライ補強用コード13を含む。前記のカーカスプライで、ディップコードの補強密度は15〜35EPIであることが好ましい。補強密度が15EPI未満であると、カーカスプライの機械的物性が急激に落ちる。一方、35EPIを超えると、経済的面で不利になるので好ましくない。
半径方向の外側にプライターンアップ14(ply turn-up)を有するカーカスプライ12は好ましくは1層又は2層のカーカスコードを含む。カーカス補強用コード13はタイヤの円周方向の中間面に対して85〜90°の角度に配向される。図示された特定の実施例において、カーカス補強用コード13は円周方向中間面に対して90°に配列されている。プライターンアップ14の場合、タイヤの最大断面幅に対して40〜80%程度の幅を有するようにすることが選好される。プライターンアップが40%未満である場合は、タイヤ側壁の強性補完効果が低すぎる。一方、80%を超えると、タイヤ側壁の強性が高すぎて、乗車感等によくない影響を及ぼす。
以下、図3を下記のようにより詳しく説明する。
タイヤのビード(bead)領域15は各々非伸張性の環状のビードコア16(bead core)を有する。ビードコアは連続的に巻かれた単一フィラメント鋼線から作られることが好ましい。本発明の好ましい実施例において、0.95〜1.00mm直径の高強度鋼線は4×4構造を形成し、4×5構造を形成することもできる。
本発明の特定実施例において、ビード領域はビードフィラー17(bead filler)を有し、前記ビードフィラーの場合、一定水準以上の硬度を有することが必要である。特に、ショアA硬度40以上のものが好ましい。
本発明において、タイヤはベルト構造体18とキャッププライ19(cap ply)構造によってクラウン(crown)部が補強される。ベルト構造体18は二つの切断ベルトプライ20を含み、ベルトプライのコード21はタイヤの円周方向の中央面に対して約20°の角度に配向される。ベルトプライのベルトコード21は円周方向中央面と対向する方向へ、他のベルトプライのベルトコード22の方向とは反対方向に配置される。しかし、ベルト構造体18は任意の数のプライを含むことができ、好ましくは16〜24°の範囲に配置され得る。ベルト構造体18はタイヤの作動中に路面からのトレッド23(tread)の上昇を最小化するように、側方向強性を提供する役割をする。ベルトのベルトコード21,22はスチルコードから製造されており、2+2構造となっているが、任意の構造に製造することもできる。ベルト構造体18部の上部にはキャッププライ19とエッジプライ24(edge ply)が補強されている。キャッププライ19内のキャッププライコード25はタイヤの円周方向に対して平行に補強され、タイヤの高速回転による円周方向のサイズ変化を抑制する作用をする。本発明では、高温での熱収縮応力が高いキャッププライコード25を利用する。一層のキャッププライ19と一層のエッジプライ24を用いることができるが、好ましくは1層又は2層のキャッププライと1層又は2層のエッジプライが補強されることが好ましい。
又、本発明によって製造された延伸糸は通常的な処理方法により、処理コードに転換され得る。
例えば、1,500デニールの延伸糸2本を390TPM(twist/m)(一般的なポリエチレン−2,6−ナフタレート処理コードの基準撚数)で合撚(plying and cabling)してコード糸を製造した後、先に1次ディッピングタンク(1st dipping tank)で接着液〔イソシアネート+エポキシ又はPCP樹脂+RFL(レゾルシノール−ホルマリン−ラテックス)〕に浸漬させた後、乾燥区域(drying zone)で130〜180℃で1.0〜4.0%のストレッチ比で150〜200秒間乾燥する。その後、その乾燥コードを高温延伸区域(Hot stretching zone)で200〜245℃の温度で0〜6.0%の延伸(stretch)比で45〜80秒間熱固定(heat set)した後、2次ディッピングタンクで再び接着液(RFL)で浸漬する。これを、120〜180℃の温度で、90〜120秒間乾燥した後、次いで200〜245℃の温度で、−4.0〜4.0%の延伸比で、45〜80秒間熱固定させ、ディッピング処理されたコード(dipped cord)を製造する。
このようにして製造された処理コード(1,500デニール2本の上下撚合撚390TPM基準)は5.5以下のE2.25+FS及び6.8g/d以上の強度を有する(ここで、E2.25;2.25g/dでの伸張率、FS;自由収縮率)
前述したように、本発明による高モジュラス及び低収縮率を有するポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維から製造した処理コードは、寸法安定性と強度が優れ、タイヤ及び工業用ベルト等のゴム製品の補強材として、又はその他産業的用途に有用に用いることができる。
以下、本発明を下記の実施例に基づき、より詳しく説明する。下記の実施例は本発明を例示するだけであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施例及び比較例で製造された糸及び処理コードの各種物性評価方法は次のような方法に従って行われた。
(1)固有粘度(I.V.)
フェノールと1,1,2,3−テトラクロロエタンを6:4の重量比で混合して得た混合溶媒に試料0.1gを0.4g/100mlの濃度に溶解した。この溶液をウベローデ粘度計に入れ、30℃の水浴で10分間保持した。溶媒の流れ時間及び溶液の流れ時間を測定し、下記数式(1)及び(2)によってR.V.値及びI.V.値を計算した。
R.V.=溶液の流れ時間/溶媒の流れ時間 −−−(1)
I.V.=1/4×(R.V.−1)/C+3/4×(lnR.V./C) −−−(2)
前記式で、Cは溶液中の試料の濃度(g/100ml)である。
(2)強伸度(tenacity and elongation)
インストロン(Instron)5565(インストロン社、米国)を用いて、ASTM D 885に従って、標準状態(20℃、65%相対湿度)の下で250mmの試料長さ、300mm/minの引張速度及び20ターン(turns)/mの条件で試料の強伸度を測定した。
(3)密度
23℃の温度でキシレン/四塩化炭素の密度勾配管を用いて試料の密度(ρ)を求めた。1.34〜1.41g/cmの密度範囲でASTM D 1505に従って、密度勾配管を製造し、校正した。
(4)収縮率
試料を20℃、65%相対湿度の標準状態で24時間放置した後、荷重0.1g/dにおける長さ(L)を測定した。次いで、試料を無張力条件下の150℃ドライオーブンに30分間保持した後、取出して4時間放置してから荷重0.1g/dにおける長さ(L)を測定した。下記数式(3)に従って収縮率(%)を計算した。
ΔS(%)=(L−L)/L×100 −−−(3)
(5)特定荷重における伸度
特定荷重における伸度として、S−S強伸度カーブ上で、原糸試料は荷重4.5g/dにおける伸度を、処理コード試料は荷重2.25g/dにおける伸度を測定した。
(6)寸法安定性
処理コードの寸法安定性(%)は、タイヤ側壁押込み(side wall indentation,SWI)及びタイヤハンドリングに関し、所定の収縮率におけるモジュラスと定義され、E2.25(荷重2.25Eg/dにおける伸度)とFS(自由収縮率)の和は、特定熱処理条件下で加工された処理コードに対する寸法安定性の尺度として有用であり、その和が低いほど優れた寸法安定性を示す。
(7)複屈折率
ベレック補償板(Berek compensator)付きの偏光顕微鏡を用いて、試料の複屈折率を測定した。
(8)融点
試料を粉末化し、試料粉末2mgをパン(pan)に入れて密封した。次いで、パーキン−エルマー(Perkin-Elmer)DSC7を用いて窒素雰囲気下、室温から290℃まで分当たり20℃の速度で試料を加熱しながら、吸熱ピークが最大となる温度を融点とした。
(9)耐疲労度
タイヤコードの疲労試験に通常的に使用されるグッドリッチ・ディスク疲労度試験機(Goodrich Disc Fatigue Tester)を利用して疲労試験を行った後、残余強度を測定して耐疲労度を比較した。疲労試験の条件は120℃、2500RPM、圧縮10%であり、疲労試験後、テトラクロロエチレン液に24時間浸漬してゴムを膨潤させた後、ゴムとコードを分離し、残余強度を測定した。残余強度の測定は107℃、2時間乾燥後、通常の引張強度試験機を利用して、前記の(2)の方法に従って測定した。
(10)接着力
ハイブリッドディップコードのゴムに対する初期接着力を測定するために、H−テストを実施した。H−テストというのは、ディップコードの両端を各々9.5mmのゴム塊に埋設されるようにし、両端のゴム塊間の間隔を9mmに保持しながら、両方のゴムを引っ張ることにより、ゴムとコード間の分離が発生する最大荷重を測定して接着力を評価する方法である。又、接着力は、評価に前もって、160℃、25kg/cmの圧力で20分間加硫することにより、ゴムに十分な強度を付与して測定する。試験には天然ゴム100部、酸化亜鉛3部、カーボンブラック28.9部、ステアリン酸2部、パインタル7.0部、MBTS1.25部、硫黄3部、ジフェニルグアニジン0.15部及びフェニルベータナフチルアミン1.0部を配合したコム組成物を用いた。
(実施例1)
マンガン及びアンチモン金属を各々40及び220ppm含む固有粘度(I.V.)0.95、マンガン/リン重量比1.8及び水分率20ppmの固状重合ポリエチレンナフタレートチップを製造した。製造されたチップを押出機を使用し、305℃の温度で、620g/minの吐出量及び40の紡糸ドラフト比で溶融紡糸した。この際、3個のユニットを有するスタティックミキサを紡糸パックの重合体導管内に設置して、溶融紡糸される重合体を均等に混合した。次いで、紡出糸をノズル直下長さ40cmの加熱区域(雰囲気温度370℃)及び長さ500mmの冷却区域(20℃、0.5m/secの風速を有する冷却空気取入)を通過させて固化させた後、紡糸油剤でオイリングした。この未延伸糸を570m/minの紡糸速度で巻き取り、2%のフリードロー(free draw)を与えた後、2段延伸させた。第1段階延伸では168℃で6.0倍にし、第2段階延伸では173℃で1.1倍にし、230℃で熱固定し、2%弛緩させた後に巻き取り、15,000デニールの最終延伸糸を得た。
製造された原糸2本を390ターン(turns)/mで上下撚してコード糸を製造した後、このコード糸をディッピングタンクで(PCP樹脂+RFL)の接着液に沈積させ後、乾燥区域で、170℃で、4.0%延伸下で150秒間乾燥し、高温延伸区域で220℃、150秒間熱固定した。これを再びRFLに沈積させた後、170℃で、100秒間乾燥し、225℃で、−2%延伸下で40秒間熱固定して、処理コードを製造した。
このように製造された延伸糸及び処理コードの物性を評価し、表2に示す。
(実施例2〜4及び比較例1〜4)
チップの固有粘度、マンガン/リンの含量比、紡糸温度、加熱区域の長さ又は温度、又は未延伸糸の複屈折率を下記表1のように変化させながら、前記実施例1と同一な方法で実験を行い、延伸糸及び処理コードを製造した。
このように製造された延伸糸及び処理コードの物性を評価し、表2に示す。
Figure 0003860190
Figure 0003860190
(実施例5)
本実施例においては、実施例4によって製造されたポリエチレンナフタレ−トディップコードを使用して製造されたラジアルタイヤは、半径方向外側にプライターンアップを有するカーカス層を有し、前記カーカス層は実施例4によって製造されたポリエチレンナフタレートディップコードを1層又は2層を含むように設置した。この際、カーカスコードの仕様は下記の表3のようにし、タイヤの円周方向中間面に対して、90°角度に配向した。前記プライターンアップ14はタイヤの最大断面の高さに対して40〜80%の高さを持つようにした。ビード部15は0.95〜1.0mm直径の高強度鋼線が4×4構造に形成されたビードコア16とショアA硬度40以上の硬度を有するビードフィラーを持つようにした。ベルト18は上部に1層のキャッププライ19と1層のエッジプライ24からなるベルト補強層によって補強され、キャッププライ19内のキャッププライコードがタイヤの円周方向に対して平行になるように配置した。
Figure 0003860190
(比較例5〜6)
タイヤ製作のためのコード素材及び規格を前記の表3のようにすること以外は、実施例5と同一な方法でタイヤを製造した。
前記実施例5及び比較例5〜6によって製造された235/45 R17 Yタイヤを2,000cc等級の乗用車に装着して60km/hの速度で走行しながら、車両内で発生する騒音を測定し、可聴周波数領域の値をノイズ(dB)で表した。又、操縦安定性及び乗車感は熟練された運転者がテストコースを走行し、100点を満点として5点単位に評価し、その結果を下記の表4に示した。耐久性はFMVSS 109のP−メトリックタイヤ耐久性テスト(P-metric tire endurance test)の方法に従って、測定温度38℃(±3℃)、タイヤ表記荷重の85%、90%、100%の条件で、走行速度を80km/hにして、総34時間走行した。その結果、トレッドやサイドウォール、カーカスコード、インナーライナー、ビード等の部位の中、どこの部位にもビードの分離、コードの切断、ベルトの分離等の痕跡が見られない場合に、合格(OK)として判定した。
Figure 0003860190
前記の表4から分かるように、本発明によるタイヤ(実施例5)は従来のカーカスにPET及びレーヨンコードを適用した場合(比較例5、6)に比べ、タイヤの重量が減少することが見られ、従って回転抵抗の減少が可能になることが分かる。又、性能の面でも、本発明によって製造されたPENコードをカーカスに適用する場合、乗車感、操縦安定性及び騒音の減少の面で効果が優れており、タイヤの均一性も向上することが分かる。
本発明によると、未延伸糸の力−変形曲線及び微細構造を調節することにより、延伸段階での延伸性を向上させた高強力ポリエチレンナフタレート繊維を製造することができる。又、この糸から形成された処理コードは寸法安定性及び強度が優れており、タイヤ及びベルト等のゴム製品の補強材として、又はその他の産業的用途に有用に用いることができる。
本発明によると、高性能ラジアルタイヤのカーカス層に本発明の高強力PENコードを適用することにより、タイヤの耐久性、乗車感及び操縦安定性等において、満足できる結果を得ることができる。
又、高強度PEN繊維を適用することにより、さらに軽量化されたタイヤを提供することができる。
以上で、本発明は記載された具体例についてだけ詳細に記述したが、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形及び修正が可能であることは当業者にとっては明白であり、このような変形及び修正が添付された請求の範囲に属することは当然である。
本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維の製造方法の工程概略図である。 本発明の未延伸糸の力−変形曲線を示したグラフである。 本発明による高強力ポリエチレンナフタレートディップコードを使用して製造された乗用車用タイヤの構造を図式的に示した概略図である。
符号の説明
:タイヤ、12:カーカスプライ,13:カーカス層補強用コード、14:プライターンアップ、15:ビード領域、16:ビードコア、17:ビードフィラー、18:ベルト構造体、19:キャッププライ、20:ベルトプライ、21,22:ベルトコード、23:トレッド、24:エッジプライ、25:キャッププライコード。

Claims (8)

  1. (A)エチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%を超えて含み、マンガン金属及びアンチモン金属を各々30〜70ppm及び150〜300ppm含み、マンガン/リンの重量比が2.0以下であるリンを含み、固有粘度0.80〜1.2の範囲の固状重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートチップを290〜330℃の温度及び20〜200の紡糸ドラフト比で溶融紡糸し、溶融紡出糸を形成する工程と、
    (B)前記溶融出糸を、雰囲気温度が300〜400℃で、長さが200〜700mmである加熱区域を通過させた後、急冷固化させる工程と、
    (C)未延伸糸複屈折率が0.001〜0.015になるようにする紡糸速度で前記固化させた糸を巻き取り、0.3g/dの初期応力に置かれた時10%未満伸張し、10〜50g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて1.0g/d未満の応力に置かれた時、さらに少なくとも200%伸張する力−変形曲線を有する未延伸糸を得る工程と、
    (D)前記未延伸糸を4.0倍以上の総延伸比で多段延伸させる工程とを含むことを特徴とするポリエチレンナフタレート繊維の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法によって製造される、下記物性を有するポリエチレンナフタレート繊維:
    (1)0.6〜0.9の固有粘度、(2)8.5g/d以上の強度、(3)6%以上の伸度、(4)0.35以上の複屈折率、(5)1.355〜1.375の密度、(6)1〜4%の収縮率。
  3. 請求項記載のポリエチレンナフタレート繊維2本を上下撚し、レゾルシノル−フォルマリン−ラテックス(RFL)で処理して得られる、下記の物性を有する処理コード:
    (1)5.5%以下のE2.25(2.25g/dでの伸度)及びFS(自由収縮率)の和で表される寸法安定指数及び(2)6.5g/d以上の強度。
  4. 0.65以下の扁平比を有するラジアル空気入りタイヤにおいて、
    前記タイヤは、一対の平行なビードコアと、前記ビードコアの周囲に巻かれる一つ以上のラジアルカーカスプライと、そのカーカスプライの外周側に積層されたベルト層と、前記ベルト層の外周側に形成された円周方向のベルト補強層を含み、
    前記カーカスプライは請求項2記載の繊維を延糸して製造されたディップコードを含み、前記ディップコードは1.0g/dの初期応力に置かれた時、2%未満伸張し、50〜250g/dの初期モジュラスを有し、又、前記初期応力よりは大きくて6.0g/d未満の応力に置かれた時、最大15%伸張する力−変形曲線を有し、且つ下記の物性を有することを特徴とするラジアル空気入りタイヤ。
    (1)6.5g/d以上の強度、(2)6%以上の伸度、(3)ゴムとの接着力10kg以上、(4)90%以上の耐疲労度、(5)2,000〜8,000デニール。
  5. 前記カーカスプライが1層又は2層で使用されることを特徴とする請求項記載のラジアル空気入りタイヤ。
  6. 前記カーカスプライにおいて、ディップコード補強密度は15〜35EPIであることを特徴とする請求項記載のラジアル空気入りタイヤ。
  7. 前記ディップコードは撚数が250〜500TPMであることを特徴とする請求項記載のラジアル空気入りタイヤ。
  8. 請求項記載の処理コ−ドが補強材として混入されたゴム製品。
JP2004531662A 2003-08-22 2003-10-24 高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維 Expired - Fee Related JP3860190B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2003-0058348A KR100488606B1 (ko) 2003-08-22 2003-08-22 힘-변형곡선을 이용한 폴리에틸렌-2,6-나프탈레이트 섬유및 이의 제조방법
KR1020030058347A KR100630269B1 (ko) 2003-08-22 2003-08-22 고성능 래디얼 타이어
PCT/KR2003/002252 WO2005019509A1 (en) 2003-08-22 2003-10-24 High tenacity polyethylene-2,6-naphthalate fibers

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006500479A JP2006500479A (ja) 2006-01-05
JP2006500479A5 JP2006500479A5 (ja) 2006-02-16
JP3860190B2 true JP3860190B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=36814461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004531662A Expired - Fee Related JP3860190B2 (ja) 2003-08-22 2003-10-24 高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維

Country Status (10)

Country Link
US (3) US20050148756A1 (ja)
EP (1) EP1510604B1 (ja)
JP (1) JP3860190B2 (ja)
CN (1) CN1302163C (ja)
AT (1) ATE425280T1 (ja)
AU (1) AU2003272123A1 (ja)
CA (1) CA2450158C (ja)
DE (1) DE60326576D1 (ja)
ES (1) ES2322701T3 (ja)
WO (1) WO2005019509A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291392A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 Teijin Techno Products Ltd 水産資材用ポリエステル繊維
JP5219107B2 (ja) * 2005-05-23 2013-06-26 帝人株式会社 ポリエステル繊維の製造方法
WO2008078476A1 (ja) * 2006-12-27 2008-07-03 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 空気入りタイヤ
JP4928308B2 (ja) * 2007-02-28 2012-05-09 帝人ファイバー株式会社 産業資材用ポリエチレンナフタレート繊維とその製造方法
RU2429397C1 (ru) * 2007-07-03 2011-09-20 Дзе Гейтс Корпорейшн Приводной ремень
WO2009113185A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 帝人ファイバー株式会社 ポリエチレンナフタレート繊維及びその製造方法
WO2009113184A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 帝人ファイバー株式会社 ポリエチレンナフタレート繊維及びその製造方法
US20090277554A1 (en) * 2008-05-06 2009-11-12 Yves Donckels High twist polyester carcass ply for a pneumatic tire
JP5497384B2 (ja) * 2009-09-09 2014-05-21 帝人株式会社 タイヤコード及びそれを用いてなるタイヤ
JP5302987B2 (ja) * 2011-01-31 2013-10-02 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法
US20120298278A1 (en) * 2011-05-25 2012-11-29 Thomas Allen Wright Carcass ply structure for a pneumatic tire
TWI482782B (zh) 2013-05-31 2015-05-01 Univ Nat Chiao Tung 架接抗體之雙乳化核殼奈米結構
CN104494169B (zh) * 2014-11-21 2016-08-24 亚东工业(苏州)有限公司 一种低旦尼高模量聚酯帘子布的制备方法
CN104746208A (zh) * 2015-03-29 2015-07-01 浙江海利得新材料股份有限公司 用于乘用子午线轮胎冠带层的1670dtex/2PEN浸胶帘子布及其制备方法
CN108050207A (zh) * 2017-12-06 2018-05-18 无锡市贝尔特胶带有限公司 一种增强型v带
US20220042214A1 (en) * 2018-11-06 2022-02-10 Kordsa Teknik Tekstil A.S. Cord fabric for tire reinforcement

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4000239A (en) * 1971-12-13 1976-12-28 Teijin Limited Process for spinning naphthalate polyester fibers
JPS5615321B2 (ja) * 1973-09-20 1981-04-09
JP3038779B2 (ja) * 1990-04-19 2000-05-08 東洋紡績株式会社 ポリエステル系繊維の製造方法
US5397527A (en) * 1991-12-30 1995-03-14 Alliedsignal Inc. High modulus polyester yarn for tire cords and composites
AU3331293A (en) * 1992-01-21 1993-08-03 Allied-Signal Inc. High modulus polyester yarn for tire cords and composites
JP3129542B2 (ja) * 1992-10-14 2001-01-31 帝人株式会社 高強度ポリエチレンナフタレート繊維の製造方法
KR100402839B1 (ko) * 2001-05-10 2003-10-22 주식회사 효성 고강력 폴리에틸렌 나프탈레이트 섬유
EP1338440B1 (en) * 2002-02-14 2007-09-19 Sumitomo Rubber Industries Ltd. Pneumatic tire
KR100499220B1 (ko) * 2003-06-30 2005-07-01 주식회사 효성 방사성이 우수한 고강력 폴리에틸렌-2,6-나프탈레이트섬유 및 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
CA2450158A1 (en) 2005-02-22
CN1681980A (zh) 2005-10-12
DE60326576D1 (de) 2009-04-23
US20060180261A1 (en) 2006-08-17
CN1302163C (zh) 2007-02-28
ES2322701T3 (es) 2009-06-25
EP1510604A1 (en) 2005-03-02
EP1510604B1 (en) 2009-03-11
JP2006500479A (ja) 2006-01-05
ATE425280T1 (de) 2009-03-15
US20070116951A1 (en) 2007-05-24
CA2450158C (en) 2007-10-30
AU2003272123A1 (en) 2005-03-10
WO2005019509A1 (en) 2005-03-03
US20050148756A1 (en) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060180261A1 (en) High tenacity polyethylene-2,6-naphthalate fibers
JP3835803B2 (ja) 紡糸性の優れた高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維
KR101225584B1 (ko) 치수안정성이 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 필라멘트
US20200369086A1 (en) Polyester tire cord and radial tire using same
KR101551426B1 (ko) 고성능 래디얼 타이어
KR20200120225A (ko) 고내열 폴리에틸렌테레프탈레이트 코드 및 이의 제조방법
JP7498264B2 (ja) 耐熱性に優れたポリエステルタイヤコード及びそれを含むタイヤ
KR20120069340A (ko) 폴리에스터 멀티필라멘트를 이용한 래디얼 공기입 타이어
KR100630263B1 (ko) 카카스 층에 하이브리드 코드를 이용한 고성능 래디얼 타이어
KR100630269B1 (ko) 고성능 래디얼 타이어
KR100556034B1 (ko) 고성능 래디얼 타이어
KR101031550B1 (ko) 고성능 래디얼 타이어
KR20180079238A (ko) 폴리에틸렌테레프탈레이트 딥 코드의 캡플라이 층을 가진 고성능 래디얼 타이어
KR100584695B1 (ko) 폴리에틸렌-2,6-나프탈레이트 섬유를 이용한 고성능래디얼 타이어
CA2569255C (en) Pneumatic radial tire
KR100618398B1 (ko) 고강력 폴리에틸렌 나프탈레이트 타이어 코드 및 이를이용한 고성능 타이어
KR100630268B1 (ko) 경량고속 래디얼 타이어
KR100548642B1 (ko) 폴리에틸렌 나프탈레이트를 이용한 고성능 래디얼 타이어
KR20050066055A (ko) 폴리에틸렌 나프탈레이트 타이어 코드 및 이를 이용한고성능 타이어
KR100687046B1 (ko) 하이브리드 딥코드의 제조 방법 및 이를 이용한 래디얼타이어
KR20050030774A (ko) 카카스 층에 하이브리드 코드를 이용한 고성능 래디얼타이어

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3860190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees