JP3859369B2 - メッセージ中継装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メッセージ中継装置及び方法に関し、より詳細には、超高速メッセージ中継システム構築に好適なメッセージ中継装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆるインターネットの爆発的普及に伴い、いわゆるIPメッセージを所望の端末へと導くコネクションレス網のスループット向上が大きな技術的課題となっている。コネクションレス網の場合、個々の独立したメッセージに付与された宛先アドレスを各ルーティング処理装置が参照し、該ルーティング処理装置が個々のメッセージを独立に所望の出方路へと転送することでエンドエンドの通信が提供されている。この為、それぞれの物理リンクの帯域をコネクション指向網に比してより柔軟に使用でき、特にWWWといったコンティニュアス情報通信時の即時性の重要性の低いアプリケーションが持つ特徴である、端末が送出するトラフィックのバースト性が非常に高い、といった局面に於いて物理リンクの帯域を効率的に使用できるという利点がある反面、個々のメッセージをルーティングする時にルーティング処理装置に要求される計算量がコネクション指向網の場合に比べて圧倒的に大きく、容易に高スループットのルーティング処理装置を得ることが出来ないという問題点がある。
【0003】
この問題点は、メッセージ到着毎にそれぞれのメッセージが送出されるべき物理リンクを決定しなければならないという、コネクションレス通信が本質的に持つ計算量の多さと、超高速信号伝送路を電気信号で構築するのは非常に困難であるという、電気回路が物理的に持つ制約条件の双方に起因している。この問題点は特に、ルーティング処理装置が収容する物理リンクで、イーサネット、PPP,ATM、SDHといった、種々のプロトコルが使用される場合や、ひとつのメッセージをコピーして複数の出方路へと導く、いわゆるマルチキャスト接続を提供する場合に、より顕著となる。
【0004】
従来、この問題点を解決するために採用される方法は、図87に示す如く、複数のルーティング処理装置を直接物理リンク群で相互接続し、これら全体をひとつのルーティング処理装置と見なせる様に動作させるというものであった。図87に示した超高速メッセージ中継システムの概略動作を説明すると、コネクションレス網103−iからルーティング処理装置102−iにメッセージが入力されると、ルーティング処理装置102−iは、入力されたメッセージの宛先アドレスを抽出し、該抽出した宛先アドレスをキーとして保持しているルーティングテーブルを参照して該メッセージの次ホップアドレスを得、該次ホップアドレスに相当した物理リンクを自身に接続された物理リンクから選択し、該物理リンクに向けてメッセージを送出する。これを全てのルーティング処理装置102−iが実行すると、複数のルーティング処理装置102−iを経由したコネクションレス網103−i間のメッセージ転送が実現できる。この時、それぞれのルーティング処理装置102−iでのルーティング処理は他のルーティング処理装置102−jのそれとは独立に行われるので、システム全体のルーティング処理のスループットを向上させることができる。
【0005】
しかしながら、本方式の場合、ルーティング処理装置102−i間に直接物理リンクを配置するため、それぞれのルーティング処理装置102−i間の通信路の帯域が図88に示すように固定的となり、コネクションレス網間のトラフィックの動的変化にルーティング処理装置間の伝送帯域割当が追従できない。この為、本方式には、物理リンクの帯域の有効活用が不可能であるという問題点がある。特に、WWWといった、ユーザがアクセスする先が頻繁に変化するようなアプリケーションを考えた場合、あるルーティング処理装置102−iから送出されるメッセージが平均して他のコネクションレス網に転送されるとは限らず、時間を追ってルーティング処理装置102−i,j間に必要とされる帯域が大きく変化するが、こういった局面において、本方式では必要とされる帯域をルーティング処理装置102−i,j間に提供することができず、帯域不足であるコネクションレス網103−i向けの物理リンクに向かうメッセージを保持するキューの長さが伸びてしまい、結果としてメッセージ遅延時間が極端に延び、ユーザに快適な通信を提供できないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来技術によるルーティング処理装置には、コネクションレス通信が本質的に持つ計算量の多さと、電気回路が物理的に持つ制約条件の双方に起因して、容易に高スループットのルーティング処理装置を得ることが出来ないという問題点があった。この問題点は、特に、種々のプロトコルをルーティング処理装置が収容する場合やマルチキャスト接続を提供する場合に顕著となる。さらに、該ルーティング処理装置を組み合わせた従来技術による超高速メッセージ中継システムでは、ルーティング処理装置間の伝送帯域割当が固定で、時々刻々変化するトラフィックパタンに追従して帯域を割り当てることができず、ユーザに快適な通信を提供できないという問題もあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、種々のプロトコルで転送される、時々刻々変化するルーティング処理装置間のトラフィックパタンに追従して帯域を割り当てることが可能な、超高速メッセージ中継システムを構築するのに好適なメッセージ中継装置及び方法で、コネクションレス通信が本質的に持つ計算量の多さと、電気回路が物理的に持つ制約条件という問題点を解決した、マルチキャスト接続の提供可能なメッセージ中継装置及び方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るメッセージ中継装置は、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、これらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段を少なくとも識別可能な中継装置内識別子を該メッセージに与える手段と、該インターフェース手段から他のインターフェース手段に向けた通信チャネルであって前記中継装置内識別子に対応付けることが可能なものの設定を前記スイッチング手段に指示する手段と、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージを前記スイッチング手段へ送出する手段と、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、前記スイッチング手段は、前記インターフェース手段からの指示に従って通信チャネルを設定する手段と、あるインターフェース手段から送出されたメッセージを設定された前記通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へスイッチングする手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
このような本発明によれば、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置間が、直接物理リンクで接続されるのではなく、本メッセージ中継装置により接続される。そして、本メッセージ中継装置では、メッセージがあるルーティング処理装置から入力されると、対応するインターフェース手段が、このメッセージの属するフローを決定し(フローは、そのメッセージの中継先となるルーティング処理装置を少なくとも特定する)、このフローに応じた中継装置内識別子をメッセージに与える。また、各インターフェース手段は、中継装置内識別子に対応付けることが可能な通信チャネルの設定をスイッチング手段に指示する。スイッチング手段では、インターフェース手段からの指示に従って通信チャネルを設定し、この通信チャネルを用いて、メッセージ毎にその内容を解析して転送するのではなく、フロー単位の(メッセージの属するフローを示す中継装置内識別子に基づいた)スイッチングを行う。したがって、コネクションレス通信に起因する計算量の多さは分散的に設置された各インターフェース手段にて吸収され、且つ、ルーティング処理装置間の伝送帯域割当をトラフィックの動的変化に追従させることができる。
【0010】
上記の発明において、前記スイッチング手段は、あるインターフェース手段から送出されたメッセージをデフォルトで予め設定されている通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へ転送する手段を更に含み、前記インターフェース手段は、前記デフォルトの通信チャネルからメッセージを受信した場合には、該メッセージを参照して自身が受信すべきメッセージか否かを判断し、受信すべきであると判断した場合に、該メッセージを受信するものであっても良い。
【0011】
このように、スイッチング手段が、相手を特定して設定された(バイパスの)通信チャネルに加え、相手が不特定の(デフォルトの)通信チャネルを持つことにより、バイパスの通信チャネルが設定されていないフローに属するメッセージであっても、然るべきルーティング処理装置へ転送することが可能になる。例えば、イーサネットのようにレイヤ2アドレスで宛先が指定されるプロトコルの場合は、中継装置内識別子を与えられていないメッセージをデフォルトチャネルでブロードキャストして、受信側で宛先MACアドレス等でフィルタリングすることによっても、転送可能である。また、例えば、PPPのようにレイヤ2アドレスでは宛先が指定されていないプロトコルであれば、宛先となるインターフェース手段を示す情報を含む中継装置内識別子が付与されたメッセージをデフォルトチャネルでポイント−ポイント送信(受信側で自身を宛先情報として含む中継装置内識別子が付与されたメッセージを受信)することにより、転送可能である。
【0012】
さらに、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力され前記デフォルトの通信チャネルへ送出されるメッセージについて、該メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージを入力したポートを検査して前記中継装置内識別子を求め、所定の条件を満たす場合に該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けた通信チャネルであって、該中継装置内識別子に対応付けるべきものの設定を前記スイッチング手段に指示するものであり、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から新たに入力されたメッセージについて、該新たなメッセージ内の所定の領域の内容および/または該新たなメッセージを入力したポートを検査した結果与えられる中継装置内識別子が、前記設定された通信チャネルと対応付けられるならば、該新たなメッセージを前記設定された通信チャネルへ送出するものであっても良い。
【0013】
このようにすれば、入力されたメッセージを送出できるバイパスの通信チャネルが設定されていない状態でデフォルトの通信チャネルへ送出されたメッセージをきっかけに、バイパスの通信チャネルを設定して、以降はこのバイパスチャネルを使用することができる。
【0014】
このときの具体的な手順として、例えば、前記インターフェース手段が、中継装置内識別子毎に対応付けることが可能な複数のメッセージバッファ手段を含むようにし、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに、前記中継装置内識別子を与える際、該中継装置内識別子にメッセージバッファ手段が対応付けられていなければ、前記複数のメッセージバッファ手段の一つを割り当て、この割り当てられたメッセージバッファ手段に一旦該メッセージを蓄積し、前記メッセージバッファ手段から読み出したメッセージを、所定の条件に従って選択した、前記指示に従って設定された通信チャネルもしくは前記デフォルトの通信チャネルへ送出するようにしても良い。
【0015】
一方、上記の発明において、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力される可能性のあるメッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージが入力されることになっているポートから求められる中継装置内識別子に対応付けるべきものとして、該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けた通信チャネルの設定を前記スイッチング手段に指示するものであり、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージについて、該メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージを入力したポートを検査した結果与えられる中継装置内識別子が、前記設定された通信チャネルと対応付けられるならば、該メッセージを前記設定された通信チャネルへ送出するものであっても良い。
【0016】
このようにすれば、メッセージが入力される前に、そのメッセージを送出できるバイパスの通信チャネルを設定して、実際にメッセージが入力されたらすぐにこのバイパスチャネルを使用することができる。
【0017】
本発明に係る別のメッセージ中継装置は、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、これらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段と、このスイッチング手段を介して前記各インターフェース手段と接続されたレイヤ3処理手段とを具備し、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段を少なくとも識別可能な中継装置内識別子を該メッセージに与える手段と、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージを前記スイッチング手段へ送出する手段と、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、前記レイヤ3処理手段は、あるルーティング処理装置から対応するインターフェース手段に入力されたメッセージを入力し、該メッセージをレイヤ3以上のレイヤの情報を含めて解析して、前記中継装置内識別子が与えられるべきメッセージの属するフローを決定し、前記あるインターフェース手段から他のインターフェース手段に向けた通信チャネルであって、前記中継装置内識別子に対応付けられるものの設定を前記スイッチング手段に指示し、前記フローに属するメッセージを入力したら前記中継装置内識別子を与えるように前記インターフェース手段に指示する手段を含み、前記スイッチング手段は、前記レイヤ3処理手段からの指示に従って通信チャネルを設定する手段と、あるインターフェース手段から送出されたメッセージを設定された前記通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へスイッチングする手段とを含むことを特徴とする。
【0018】
最初の発明では、各インターフェース手段がバイパスの通信チャネルの設定をスイッチング手段に指示していたが、この発明のように、レイヤ3処理手段が設定指示を行うようにすることもできる。こうすると、各インターフェース手段にレイヤ3終端機能がない場合に、レイヤ3以上のレイヤの情報を加味したフローの解析に基づいた、細かい粒度のフロー用のバイパスチャネルの設定が自動で行えるようになる。
【0019】
上記の発明において、前記解析の対象となるメッセージを、前記ルーティング処理装置から前記インターフェース手段に入力される可能性のあるメッセージの属するフローに関して予め通知するための制御プロトコルメッセージとしても良い。
【0020】
このようにすれば、インターフェース手段が入力されたメッセージをスイッチング手段に送出する際に使う、相手のインターフェース手段へのバイパス通信チャネルを、実際に中継すべきメッセージが本装置に入力される前に、設定することができる。
【0021】
一方、上記の発明において、前記レイヤ3処理手段は、前記ルーティング処理装置から前記インターフェース手段に入力されたメッセージの内容を参照して、該メッセージを、該レイヤ3処理手段から前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段へ予め設定されているデフォルトの通信パスを用いて前記スイッチング手段へ送出する手段を更に含み、前記解析の対象となるメッセージを、このデフォルトの通信パスを用いて送出されたメッセージとしても良い。
【0022】
このようにすれば、インターフェース手段が入力されたメッセージを送出できるバイパス通信チャネルが設定されていない状態では、レイヤ3処理手段を介してデフォルトの通信パスによりメッセージを転送し、このように転送されたメッセージをきっかけに、バイパスの通信チャネルを設定して、以降はこのバイパスチャネルを使用することができる。
【0023】
以上に説明したいずれかのメッセージ中継装置において、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージ内のレイヤ2宛先アドレス情報を少なくとも参照して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、このレイヤ2宛先アドレス情報から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるようにすることができる。
【0024】
あるいは、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージ内のレイヤ2ヘッダ情報を少なくとも参照して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、予め記憶された、該レイヤ2ヘッダ情報とその中継先となるルーティング処理装置との関係から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるようにすることもできる。
【0025】
さらに、前記インターフェース手段は、前記メッセージに前記中継装置内識別子を与えるために、該メッセージ内のレイヤ3以上のレイヤの情報をも参照するようにしても良い。
【0026】
あるいは、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージ内の特定の領域に記入されている、前記対応するルーティング処理装置においてそのメッセージが属するとされていたフローを識別可能な情報を少なくとも参照して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、予め記憶された、該フローとその中継先となるルーティング処理装置との関係から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるようにすることもできる。
【0027】
あるいは、前記ルーティング処理装置と対応する前記インターフェース手段とが複数の物理リンクもしくは論理パスにより接続されている場合に、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージがどの物理リンクもしくは論理パスから入力されたかを少なくとも検査して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、予め記憶された、該ポートの情報とその中継先となるルーティング処理装置との関係から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるようにすることもできる。
【0028】
前記ルーティング処理装置と対応する前記インターフェース手段とが複数の物理リンクもしくは論理パスにより接続されている場合に、前記インターフェース手段は、前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段へ、前記中継装置内識別子とどのようなメッセージにこの中継装置内識別子が与えられるかを示す情報とを通知し、前記スイッチング手段へ前記通信チャネルを用いて送出するメッセージに前記中継装置内識別子を付随させる手段を更に含み、前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段は、前記通信チャネルから受信したメッセージに付随する中継装置内識別子について通知された前記情報に基づいて、対応するルーティング処理装置へ前記メッセージを出力するのに用いる物理リンクもしくは論理パスを選択するようにしても良い。
【0029】
上述した中継装置内識別子を、メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージが入力されるポートの情報の、情報量を圧縮して固定長に収めたものとすると、下記の点で効果的である。
【0030】
すなわち、本発明の中継装置内識別子には、メッセージが属するフローを定義する情報(メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージが入力されるポートの情報)と、メッセージが通信チャネル上をスイッチングされる際に経路を決める情報(宛先MACアドレスや、ATMのVPI/VCI、光波長等)との間のマッピングを取る仲立ちの役割を持たせることができる。このとき、中継装置内識別子を、フロー定義情報の情報量を圧縮して固定長に収めたものとしておくと、各ルーティング処理装置が異なるプロトコルや異なるフローの定義を用いている場合にも、本中継装置内では、フローの識別をより短い固定長の情報で一元的に行え便利である。なお、一方で、本発明の中継装置内識別子は、上記のフロー定義情報自体であっても良いし、上記のスイッチング経路を決める情報自体であっても良い。あるいは、本中継装置内で有意の中継装置内識別子をもって、スイッチング手段がメッセージのスイッチング経路を決められるように(独自仕様の中継装置内識別子がスイッチング経路を決める情報自体になるように)構成しても良い。
【0031】
本発明に係るさらに別のメッセージ中継装置は、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、これらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージを、該メッセージが使用しているプロトコルに応じて検査し、該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段を少なくとも識別可能な中継装置内識別子を該メッセージに与える手段と、該インターフェース手段から他のインターフェース手段に向けた通信チャネルであって前記中継装置内識別子が与えられたメッセージを送出可能なものが前記スイッチング手段にて使用可能になるまで、該メッセージを蓄積するための手段と、この蓄積されたメッセージを、該メッセージが入力された際のプロトコルフォーマットを保持したまま、前記スイッチング手段へ送出する手段と、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、前記スイッチング手段は、あるインターフェース手段から送出されたメッセージを前記通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へスイッチングする手段とを含むことを特徴とする。
【0032】
ここでは、各ルーティング処理装置が異なるプロトコルを用いていても、これらを本中継装置に収容可能とするため、各インターフェース手段内に、プロトコルを意識した処理、すなわちフローと中継装置内識別子のマッピングを行う部分を設け、さらに、メッセージのバッファ機能をこのマッピング処理側に配備する(スイッチング処理側はバッファレスにする)。これにより、マッピング処理部分より内部では、プロトコルを意識せずに(各メッセージのプロトコルフォーマットはそのまま保持して)、中継装置内識別子もしくはこれと対応付けられた通信チャネルによりスイッチングが行える。
【0033】
以上に記載したいずれかのメッセージ中継装置において、前記スイッチング手段は、波長多重バーストスイッチングの可能な光通信路により構成され、光波長により前記通信チャネルを形成するものであり、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに対し前記中継装置内識別子に従って光波長を割り当て、該メッセージをこの光波長を使って前記スイッチング手段へ送出させる手段を更に含むようにしても良い。
【0034】
このように、中継装置内識別子に従って波長を割り当て(中継装置内識別子に従って所定のアルゴリズムにより割り当てる波長を決定しても良いし、中継装置内識別子自体が直接波長を表していても構わない)、光を媒体としてスイッチングすることにより、電気回路が物理的に持つ制約条件を解消することもでき、コネクションレス網のスループットを向上させることができる。
【0035】
さらに、前記インターフェース手段は、メッセージを前記中継装置内識別子毎の領域に記憶するバッファメモリを備え、該バッファメモリに記憶されたメッセージが所定の条件を満たす場合にその中継装置内識別子に光波長を割り当てるようにしても良い。
【0036】
このように、通信チャネルとして用いる光波長を、中継装置内識別子(毎のバッファ)を仲介として動的に(例えばバッファに実際に中継すべきメッセージが所定量以上蓄積された場合等)割り当てることにより、本中継装置内の波長資源を有効利用することができる。
【0037】
本発明に係るさらに別のメッセージ中継装置は、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、複数の波長の光を多重して伝送可能な光リングによりこれらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けて設定された波長により形成される通信チャネルを用いて該メッセージを送出する手段と、該インターフェース手段に固有に割り当てられた波長を選択して取り込むことにより、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段と、複数のインターフェース手段に共通に割り当てられた波長を選択して取り込み、取り込んだメッセージの宛先がどのインターフェース手段であるかを示す情報に基づいて該メッセージを処理する手段とを含むことを特徴とする。
【0038】
この発明では、光リングを用い、各インターフェース手段にそれぞれ波長を固有に割り当てることにより、バイパスの通信チャネルを形成し、フロー単位のスイッチングを光を媒体として実現する。また、いずれのインターフェース手段も取り込むことになっている所定の波長により、デフォルトの通信チャネルを形成し、各インターフェース手段は、取り込んだメッセージを検査して、隣接インターフェース手段へ送出する(自身以外が宛先のポイント−ポイント)か、自身が受信する(自身が宛先のポイント−ポイント)か、自身も受信し且つ隣接インタフェース手段へも送出する(ブロードキャストまたはマルチキャスト)か、あるいは、自身が受信した上で必要な場合は内容を書き換えて隣接インターフェース手段へ送出すべくメッセージの内容を解析する(リング上巡回)か、等の処理を行う。
【0039】
波長多重可能な光伝送路を用いる上述したいずれかのメッセージ中継装置において、前記インターフェース手段は、前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段が固有に受信すべきものとして予め割り当てられている複数の光波長のうちの一つであって他のインターフェース手段が使用中でないものを選択し、入力された前記メッセージをこの選択した光波長を使って送出するようにしても良い。
【0040】
このように、送信波長を可変(その都度選択)にし、受信波長は固定とすることにより、各インターフェース手段は予め定まった波長のみを取り込めば良く、光受信部分の構成が簡単化できる。なお、これから使おうとする送信波長が他のインターフェース手段により使用されていないことを(例えばネゴシエーション用のメッセージをリング上に巡回させることにより)確認するため、スイッチング手段をバッファレスに構成できる。
【0041】
ここで、メッセージの中継先となるルーティング処理装置が複数である場合に、送出元に相当するインターフェース手段は、一つの中継先に相当するインターフェース手段へ、この一つの中継先に相当するインターフェース手段について選択した光波長と共に他の中継先の情報を通知して、この光波長により前記メッセージを送出し、前記一つの中継先に相当するインターフェース手段は、この光波長により受信した前記メッセージをコピーしてできたメッセージを、前記他の中継先の一つに相当するインターフェース手段について選択した光波長により送出するようにしても良い。
【0042】
このようにすることにより、受信波長が固定の場合に、バイパスの通信チャネルを用いたマルチキャストが可能になる。
【0043】
波長多重可能な光伝送路を用いる上述したいずれかのメッセージ中継装置において、前記インターフェース手段は、他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長のうちの一つを前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段が固有に受信するように通知し、入力された前記メッセージをこの通知した光波長を使って送出するようにしても良い。
【0044】
このように、送信波長も受信波長も可変(その都度選択)にすることにより、本中継装置内の波長資源をより有効に利用できる。なお、これから使おうとする波長が他のインターフェース手段との衝突が起こらないものであることを(例えばネゴシエーション用のメッセージをリング上に巡回させることにより)確認するため、スイッチング手段をバッファレスに構成できる。
【0045】
ここで、前記インターフェース手段は、このインターフェース手段から前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段までの間の光通信路において使用中でない光波長は、他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長であると判断するようにしても良い。
【0046】
つまり、送信波長、受信波長とも可変にする場合には、このように、波長の再利用(送出インターフェースAから受信インターフェースBまでの光通信路と、送出インターフェースCから受信インターフェースDまでの光通信路とに、重複がなければ、同一波長をいずれの区間においても用いること)ができる。
【0047】
メッセージの中継先となるルーティング処理装置が複数である場合に、送出元に相当するインターフェース手段は、一つの中継先に相当するインターフェース手段が他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長のうちの一つを固有に受信するように通知する際に他の中継先の情報も通知し、前記一つの中継先に相当するインターフェース手段は、前記他の中継先の一つに相当するインターフェース手段が他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長のうちの一つを固有に受信するように通知し、前記送出元に相当するインターフェース手段が通知した光波長により送出された前記メッセージを受信した前記一つの中継先に相当するインターフェース手段は、前記メッセージをコピーしてできたメッセージを、前記他の中継先の一つに相当するインターフェース手段に通知した光波長により送出するようにしても良い。
【0048】
このようにすることにより、受信波長も可変の場合に、バイパスの通信チャネルを用いたマルチキャストが可能になる。
【0049】
本発明に係るさらに別のメッセージ中継装置は、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、複数の波長の光を多重して伝送可能な光リングによりこれらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けて設定された波長により形成される通信チャネルを用いて該メッセージを送出する手段と、該インターフェース手段に固有に割り当てられた波長を選択して取り込むことにより、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、前記受信する手段により受信可能な波長の数が、前記送出する手段により送出可能な波長の数よりも大きいように構成されたことを特徴とする。
【0050】
この発明によれば、各インターフェース手段のバイパスの通信チャネルの受信容量が送出容量よりも大きいため、光リングを用いたスイッチング手段内で衝突が起こる可能性を低くすることができる。
【0051】
上述した各装置に係る発明は、それぞれ、メッセージ中継方法の発明としても把握される。さらに、本発明に係る別のメッセージ中継方法として、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置間で、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継方法であって、あるルーティング処理装置から入力されたメッセージの内容を参照し、所定の条件に従って該メッセージの属するフローを検出し、この検出されたフローに対しメッセージバッファを割り当てて前記メッセージを蓄積し、前記検出されたフローの中継先となるルーティング処理装置を特定可能な識別子を、該フローに割り当て、前記メッセージバッファからメッセージを読み出し、このメッセージに前記識別子を付与して、複数の接続先のルーティング処理装置のそれぞれが到達したメッセージを受信するか否かを前記識別子に基づき判断するように構成されたデフォルトの通信チャネルへ送出し、前記メッセージバッファが所定の状態になった場合に、前記中継先となるルーティング処理装置へメッセージが転送されるように構成されたバイパスの通信チャネルを設定し、このバイパスの通信チャネルが設定されたならば、前記メッセージバッファから読み出されたメッセージの送出先を、前記デフォルトの通信チャネルから、該バイパスの通信チャネルへ切り替えることを特徴とするものが挙げられる。
【0052】
また、本発明に係るさらに別のメッセージ中継方法として、コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置間で、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継方法であって、あるルーティング処理装置から、マルチキャストグループアドレスとこれに対応する複数の宛先アドレスの情報を含むマルチキャスト接続設定要求を入力し、複数の接続先のルーティング処理装置のそれぞれが到達したメッセージを受信するか否かを宛先アドレス領域の値に基づき判断するように構成されたデフォルトの通信チャネルから、前記マルチキャストグループアドレスを宛先とするメッセージが後に送られてきた場合には、前記マルチキャスト接続の中継先となる各ルーティング処理装置がこのメッセージを受信するように、該メッセージの送出に先立って、該マルチキャストグループアドレスと各宛先アドレスとの組を通知し、この通知に伴って、前記マルチキャスト接続上での、前記中継先となる各ルーティング処理装置間の順序関係を収集し、前記マルチキャストグループアドレスを宛先とするメッセージに対し、メッセージバッファを割り当て、あるルーティング処理装置から入力された、前記マルチキャストグループアドレスを宛先とするメッセージを、このメッセージバッファに蓄積し、前記メッセージバッファからメッセージを読み出し、このメッセージを前記デフォルトの通信チャネルへ送出し、前記メッセージバッファが所定の状態になった場合に、収集した前記順序関係を用いて、前記中継先となる各ルーティング処理装置へメッセージが転送されるように構成されたバイパスの通信チャネルを設定し、このバイパスの通信チャネルが設定されたならば、前記メッセージバッファから読み出されたメッセージの送出先を、前記デフォルトの通信チャネルから、該バイパスの通信チャネルへ切り替えることを特徴とするものも挙げられる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明に係るメッセージ中継装置の動作の概要について、概念的に説明する。
【0054】
図1は、本発明の一実施例であるメッセージ中継装置を用いて構成した超高速メッセージ中継システムの構成を示す図である。同図において、101はメッセージ中継装置、102−1、…、102−nはルーティング処理装置、103−1、…、103−nはコネクションレス網、である。ルーティング処理装置102−xは、メッセージ中継装置101を介して他のルーティング処理装置102−yと接続されており、該メッセージ中継装置101が、時々刻々変化する所要帯域を任意のルーティング処理装置102−i間に提供する役割を担っている。
【0055】
各ルーティング処理装置102−xは、メッセージを受け取ると、そのメッセージの宛先アドレスを抽出し、該抽出した宛先アドレスをキーとして保持しているルーティングテーブルを参照して該メッセージの次ホップアドレスを得る。該メッセージが、自身が収容しているコネクションレス網103−x向けでなければ、ルーティング処理装置102−xは、該メッセージをメッセージ中継装置101に渡す。メッセージ中継装置101は、以降詳細に述べるアルゴリズムに従って、該メッセージを所望のルーティング処理装置102−yへと転送する。これを全てのルーティング処理装置102−iが実行することで、メッセージ中継装置101を経由したコネクションレス網103−i間のメッセージ転送が行われている。
【0056】
以下に詳細に述べるように、メッセージ中継装置101でのメッセージ転送は従来技術のルーティング処理装置102−iのそれに比べてメッセージ毎に行わなければならない処理を大幅に削減できるように設計されており、ルーティング処理装置102−iに比して容易に高スループットを得ることが可能である。
【0057】
また、以下に詳細に述べるように、メッセージ中継装置101でのメッセージ転送は、該メッセージ中継装置101の持つスループットを動的に必要とされるルーティング処理装置102−iへのメッセージ送出に割り当てることができるように設計されており、時々刻々変化する所要帯域を任意のルーティング処理装置102−i間に提供できる。また、図88に示したようなルーティング処理装置102−x間のメッシュ接続が、図89に示したようなメッセージ中継装置101を中心としたスター型接続となり、ルーティング処理装置102−xにおいて他のルーティング処理装置102−yとの接続の為に使用されていた物理リンクをすべてメッセージ中継装置101へと接続することができる。これによって、ルーティング処理装置102−i間の物理リンク配線の手間を大幅に削減できるようになると共に、後ほど述べるようなマルチリンク接続の技術を用いれば、従来技術のメッシュ接続されたルーティング処理装置102−iの場合と比べて、より大きな帯域を任意のルーティング処理装置102−i,j間に一時期に割り当てることが可能になる。この結果として、あるルーティング処理装置102−xにおける、あるコネクションレス網103−i向けのメッセージを保持するキューの長さを短くすることができ、メッセージ遅延時間を小さく抑えることが可能になる。
【0058】
図2は、本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の概念的構成を示す図である。本発明の一実施例であるメッセージ中継装置は、その内部に接続されているルーティング処理装置102−iに対応して設けられたマッピング機能201−iと、各マッピング機能201−iの間を接続し、メッセージ中継を行うスイッチング機能202を含んでいる。
【0059】
マッピング機能201−iは、ルーティング処理装置102−iから渡されたメッセージ流に対して、後ほど詳細に述べるような予め定められたアルゴリズムを適用して“フロー"を検出し、それぞれのメッセージがどのフローに属するかを決定する役割を持っている。一方、スイッチング機能202は、各マッピング機能201−i間に超高速スイッチングを提供する目的で、各マッピング機能にて検出されたフローに属するメッセージをフロー単位でスイッチングしている。ここで、“フロー"とは、あるマッピング機能201−xに到着するメッセージ群の内、同一のマッピング機能201−yに向けてスイッチング機能202においてスイッチングされるべきメッセージ群、もしくはその様なメッセージ群の内、予め定められた条件を満足するメッセージ群、である。一旦フローがマッピング機能201−iにおいて検出されると、スイッチング機能202でメッセージ単位のスイッチングの代わりにフロー単位のスイッチングを行い、当該フローに属するメッセージ群のそれぞれに対する処理を大幅に削減している。
【0060】
図3は、本発明の一実施例であるメッセージ中継装置101のスイッチング機能202の概念的動作を示す図である。同図に示すように、スイッチング機能202上にはデフォルトチャネルとバイパスチャネル群が設定されている。
【0061】
デフォルトチャネルは、スイッチング機能202が常にそれぞれのマッピング機能201−iに対して提供している通信パスである。デフォルトチャネルでは、基本的にはブロードキャストをベースとした通信が行われている。あるマッピング機能201−xがデフォルトチャネルに送出したメッセージは、他の全てのマッピング機能201−y、…、zに転送される。デフォルトチャネルからメッセージを受信すると、後ほど詳細に述べる方法により、各マッピング機能201−iは、該メッセージが自分当てであるか否か判断し、自分宛であれば取り込む、という動作を行っている(宛先アドレスチェック)。このチャネルを用いて、本実施形態のメッセージ中継装置内での制御や、フローに対応づけられていないメッセージの転送が行われる。
【0062】
一方、バイパスチャネルは、外部からの制御によって、スイッチング機能202内で指定されたマッピング機能201−i,j間に設定される通信パスである。それぞれのバイパスチャネルでは、基本的にはふたつのマッピング機能201−i,j間のポイントポイント通信が行われている。あるマッピング機能201−xが、マッピング機能201−yに至るバイパスチャネルに向けて該マッピング機能201−y行きのメッセージを送出すると、該メッセージはバイパスチャネルを経由して該マッピング機能201−yへと転送される。ここで、デフォルトチャネルとは異なり、バイパスチャネルでは、バイパスチャネルへのメッセージ入力時に該バイパスチャネルの出口に向かうメッセージのみを該バイパスチャネルへと送出することにすれば、受け取ったメッセージは必ず当該マッピング機能201−y宛である事が保証されるので、バイパスチャネルを経由して転送されてきたメッセージに関しては宛先アドレスチェックが不要になる。本実施形態のメッセージ中継装置101では、この原理を用いて各メッセージ受信時に要求されるテーブルアクセス回数を削減し、もって全体のスループットを向上させている。
【0063】
本実施形態のメッセージ中継装置101では、図4に示すようにデフォルトチャネルとバイパスチャネルが使い分けられている。あるルーティング処理装置102−xからルーティング処理装置102−yへメッセージ中継装置101を経由してメッセージ転送を行う場合、その通信の開始時ではデフォルトチャネルを用いてメッセージ転送が行われる(401)。マッピング機能201−xは、このメッセージ転送を観察しており、後ほど述べるような条件が成立してフローが検出されたならば、該フローに対応してメッセージ中継装置101内部でバイパスチャネルを設定する(402)。該フローに対応するバイパスチャネルが設定されると、マッピング機能201−xは、それ以降、該フローに属するメッセージを該バイパスチャネルに送出する(403)。バイパスチャネルの設定402と、メッセージ転送に使用される通話路がデフォルトチャネルからバイパスチャネルに変更されることは、ルーティング処理装置102−x、yからは隠蔽されている。これにより、ルーティング処理装置102−iに対して特殊なプロトコルをインストールすること無く本実施形態のメッセージ中継装置101を使用して超高速メッセージ中継システムを構築することが可能になる。
【0064】
以降、より詳細に本実施形態に係るメッセージ中継装置101の動作原理、フローの定義方法と該フローのメッセージ中継装置101内部での処理法について説明する。フローの定義方法は、ルーティング処理装置102−iとメッセージ中継装置101の間の通信に使用されるプロトコルの持つ性質やマッピング機能201−iに収容される物理リンクの本数によって異なるが、各種のプロトコルを柔軟に収容でき、また、マッピング機能201−iにて収容する物理リンクの本数を柔軟に設定できる、のが本実施形態に係るメッセージ中継装置101の一つの大きな特徴である。
【0065】
まず、ルーティング処理装置102−iとの間の接続がイーサネットであり、マッピング機能が収容する物理リンクの本数が1本である場合の概念的動作を説明する。この場合、あるマッピング機能201−xが行っている処理を概念的に示すと、図5の様になる。即ち、マッピング機能201−xでは、図5に示すように、ルーティング処理装置102−xから入力されるメッセージからフローを抽出し、該抽出したフローに対応するバイパスチャネルが設定されていれば該バイパスチャネルに、そうでなければデフォルトチャネルにメッセージを転送すると共に、デフォルトチャネル、バイパスチャネルから受け取ったメッセージをルーティング処理装置102−xへと転送する処理を行っている。
【0066】
即ち、マッピング機能201−xは、入力されたメッセージが属するフローを決定し、さらに、該フローを送出すべきスイッチング機能202のチャネルを決定して該フローに属するメッセージを該決定されたチャネルに送出すると同時に、スイッチング機能202の各チャネルから受信したメッセージをルーティング処理装置102−xへと転送する、という処理を行っている。同図に示した例の場合、ルーティング処理装置102−xからフロー2,3,5,6がマッピング機能201−xに入力されている。フロー5,6に属するメッセージはデフォルトチャネルに送出されており、フロー2,3に属するメッセージはバイパスチャネルに送出されている。この例の場合、複数のフローが単一のバイパスチャネルにマッピングされているが、バイパスチャネル設定のオーバーヘッドを削減するために、この例に示すように、ひとつのバイパスチャネルに複数のフローをマッピングすることにしてもよい。複数のフローが同一のマッピング機能201−yへと転送される場合に、この手法を採用することができる。
【0067】
一方、ルーティング処理装置102−xへはフロー1と4が送出されている。フロー1はバイパスチャネルからの受信メッセージで、フロー4はデフォルトチャネルからの受信メッセージである。上述したように、フロー4に属するメッセージに関しては宛先アドレスチェックが行われ、フロー4に属するメッセージが選択され、ルーティング処理装置102−xへと送出されている。なお、この場合、マッピング機能201−xには物理リンクが1本しか収容されていないので、マッピング機能201−xからルーティング処理装置102−xへと転送される方向において、マッピング機能201−xにおける物理リンクの識別は不要である。
【0068】
単一のイーサネット通話路を各マッピング機能201−xが収容する場合は、図6に示すように、複数のルーティング処理装置間102−xでメッセージのスイッチングを提供することができる。この場合、メッセージのスイッチングはイーサネットアドレスを用いて行われることとしても良い。ここでは、メッセージ中継装置101内部で各イーサネット通話路601−xを識別する必要があるが、これは、手設定で各イーサネット通話路601−xにイーサネットアドレスを付与する、もしくはルーティング処理装置102−xから送出されてくるイーサネットフレームの送出元アドレスフィールドを参照し、該送出元アドレスフィールドに含まれるイーサネットアドレスをイーサネット通話路601−xに付与する、といった手法で付与されたイーサネットアドレスをイーサネット通話路601−xの識別子とする事ができる。
【0069】
この場合に、フローは以下の様に定義されても良い。即ち、ルーティング処理装置102−iからの受信端で同一の宛先アドレスを持つイーサネットフレームをひとつのフローと定義する。この場合、フローを定義するために使われる情報、フロー定義情報は、図7に示すようにイーサネットフレームのレイヤ2ヘッダ中に含まれる宛先アドレスを含んでも良い。さらにまた、イーサネットフレームの上で実行されているプロトコル種別をフロー定義に使用しても構わない。タイプフィールドを参照してフローを定義すると、レイヤ3プロトコル種別によってメッセージ中継装置101での処理法を変化させることができる。この機能が有用になる局面については、後ほど詳細に説明を加える。
【0070】
次に、ルーティング処理装置102−xとの間の接続がイーサネットであり、マッピング機能が収容する物理リンクの本数が複数本である場合の概念的動作を説明する。この場合、それぞれの物理リンクがそれぞれ独立に動作することとしても良いが、ひとつのルーティング処理装置102−xとの間の接続に複数の物理リンクを使用する、いわゆるマルチリンク接続を行って、ルーティング処理装置102−xとの間の通信帯域をより拡大することを考えても良い。
【0071】
この場合にマッピング機能201−xが行っている処理を概念的に示すと、図8の様になる。ルーティング処理装置102−xからマッピング機能201−xの方向については、図5に示した単一の物理リンクを収容する場合と同様、マッピング機能201−xは、ルーティング処理装置102−xから入力されるメッセージからフローを抽出し、該抽出したフローに対応するバイパスチャネルが設定されていれば該バイパスチャネルに、そうでなければデフォルトチャネルにメッセージを転送する処理を行っている。
【0072】
一方、マッピング機能201−xからルーティング処理装置102−xへの方向では、デフォルトチャネル、バイパスチャネルから受け取ったメッセージをルーティング処理装置102−xへと転送する際に、図5に示した例に比べて、さらに、送出される物理リンクの選択を行う必要がある。同図に示した例の場合、ルーティング処理装置102−xからフロー2,3,5,6がマッピング機能201−xに入力されている。フロー3,6に属するメッセージはデフォルトチャネルに送出されており、フロー2,5に属するメッセージはバイパスチャネルに送出されている。一方、ルーティング処理装置102−xへはフロー1と4が送出されている。フロー1はバイパスチャネルからの受信メッセージで、フロー4はデフォルトチャネルからの受信メッセージである。フロー1に属するメッセージとフロー4に属するメッセージは、異なる物理リンクに対して送出されている。
【0073】
複数のイーサネット通話路を各マッピング機能201−xが収容する場合も、単一のイーサネット通話路を収容する場合と同じように、図9に示すように、複数のルーティング処理装置間102−xでメッセージのスイッチングを提供することができる。この場合、メッセージのスイッチングはイーサネットアドレスを用いて行われ、それぞれのイーサネット通話路901−xの識別にイーサネットアドレスを用いることとしても良いのも、単一のイーサネット通話路を収容する場合と同じである。さらにまた、フローの定義も、同一の宛先アドレスを持つイーサネットフレームをひとつのフローと定義することにしても良い。ただし、上述したマルチリンク機能をルーティング処理装置102−xが提供している場合は、以下の様に、フロー定義情報として、さらに、入力されたイーサネット通話路に付与される、本実施形態のメッセージ中継装置内部の識別子(物理リンク番号)を追加することが望ましい。これは次の理由による。
【0074】
マルチリンク接続を行う場合、ルーティング処理装置102−xでは、同一の次ホップアドレスを持つメッセージを、それぞれの物理リンクにかかる負荷が均等化するように、複数の物理リンクのうちの1本を選択して送出する処理を行っている。この、負荷の均等化手法には種々の手法があるが、例えば、図10に示すように、レイヤ3メッセージの送出元アドレスを使用し、ある送出元アドレスはイーサネット通話路901−1を、別の送出元アドレスはイーサネット通話路901−3を選択する、といったアルゴリズムであっても良い。この場合に、メッセージ中継装置101では、あるイーサネット通話路から入力されてきたメッセージの送出先のイーサネット通話路を固定する、例えば図9において、ルーティング処理装置102−b向けのメッセージで、イーサネット通話路901−1から入力されてきたメッセージはイーサネット通話路901−2に、イーサネット通話路901−3から入力されてきたメッセージはイーサネット通話路901−4に、それぞれ固定的に転送することにすれば、ルーティング処理装置102−xでの負荷分散の結果をそのままメッセージ中継装置101で踏襲してマッピング機能201−xにおける物理リンク選択を実行することができることになる。この結果、マッピング機能201−xでのメッセージ毎の処理を大きく削減することができ、もってメッセージ中継装置101の高スループット化に寄与することになる。
【0075】
この場合、フローは、この装置内部でのメッセージ中継形態を反映して、イーサネット通話路901−x毎に定義されることになり、フロー定義のための情報としては、イーサネットフレームのレイヤ2ヘッダ中の宛先アドレスのほかに、入力された物理リンクの物理リンク番号が必要になる。なお、この場合、スイッチング機能202を経由してきたフローの受信端のマッピング機能201−yでは、フロー毎に送出する物理リンクを選択するのが望ましい。ここでの物理リンクの選択には、本実施形態のメッセージ中継装置内部でのみ有為であるフローの識別子である装置内ラベル(後ほど詳細に説明)を使用可能である。
【0076】
入力された物理リンクを出力する物理リンクの選択に影響させるためにフロー定義情報に含める情報としては、入力された物理リンクの物理リンク番号だけがその候補という訳ではない。例えば、ルーティング処理装置102−xでの処理に習ってレイヤ3メッセージの送出元アドレスや、レイヤ2ヘッダの送出元アドレスもその候補である。しかしながら、フロー定義情報のビット長を圧縮し、もって、より高速の記憶素子を使用してスループットを向上させる、という観点からは、レイヤ3アドレスやレイヤ2アドレスといった比較的ビット長の長い情報を使用するよりも、本実施形態のメッセージ中継装置101内部でのみ有意な物理リンク番号を使用するのが望ましい。
【0077】
次に、ルーティング処理装置との間の物理リンク上に複数の論理パスが設定可能な場合について説明する。この様な物理リンクのプロトコルとしては、例えば、SDHやATMといったものがある。また、ここまで説明してきたイーサネットの場合も、例えばイーサネットフレームのレイヤ2ヘッダ中のタイプフィールドで異なるプロトコルに異なるフローを割り当てるとか、TCPのポート番号毎に異なるフローを割り当てる、といったことを考える場合は、プロトコル毎・TCPやUDPのポート番号毎に論理パスがイーサネットの物理リンク上に設定されていると見なしても構わない。この様に、プロトコル毎、TCPやUDPのポート番号毎に異なったフローと見なすことで、例えば、あるプロトコルに属するメッセージを転送する優先度を他のプロトコルのそれよりも上げるであるとか、ある特別なポート番号を持ったメッセージを転送する優先度を上げる、といった、より細かな制御を本実施形態のメッセージ中継装置101にて実行することが可能になる。以降は、イーサネットの物理リンク中に複数の論理パスが設定されていると見なす場合を例として取り上げて説明する。
【0078】
この場合にあるマッピング機能201−xが行っている処理を概念的に示すと、図11の様になる。ルーティング処理装置102−xからマッピング機能201−xの方向については、図5に示した単一の物理リンクを収容する場合と同様、マッピング機能201−xは、ルーティング処理装置102−xから入力されるメッセージからフローを抽出し、該抽出したフローに対応するバイパスチャネルが設定されていれば該バイパスチャネルに、そうでなければデフォルトチャネルにメッセージを転送する処理を行っている。
【0079】
一方、マッピング機能201−xからルーティング処理装置102−xへの方向では、図8に示した複数の物理リンクを収容する場合から類推できるように、デフォルトチャネル、バイパスチャネルから受け取ったメッセージをルーティング処理装置102−xへと転送する際に、どの論理パスを選択するかの判断をさらに行う必要がある。同図に示した例の場合、ルーティング処理装置102−xからフロー2,3,5,6がマッピング機能201−xに入力されている。フロー3,6に属するメッセージはデフォルトチャネルに送出されており、フロー2,5に属するメッセージはバイパスチャネルに送出されている。一方、ルーティング処理装置102−xへはフロー1と4が送出されている。フロー1はバイパスチャネルからの受信メッセージで、フロー4はデフォルトチャネルからの受信メッセージである。フロー1に属するメッセージとフロー4に属するメッセージは、それぞれ異なる論理パスに送出されている。
【0080】
ただし、ここで説明している論理パスは、レイヤ2ヘッダのタイプフィールド、レイヤ3メッセージのヘッダ部分の送出元フィールドやレイヤ3メッセージの情報部に含まれるレイヤ4ヘッダのポート番号といった情報で構成されていると見なしているので、特にマッピング機能201−xで行わなければならない論理パス選択に関わる処理はない。しかしながら、ATMのVPやVCを論理パスと見なした場合はATMで採用されている方式に従ってVPI/VCIを書き換えるであるとか、SDHのバーチャルコンテナを論理パスと見なした場合は送出側フレーム中の所望の位置にデフォルト/バイパスチャネルから受け取ったバーチャルコンテナを置くであるとかいったように、物理リンク上のプロトコルによっては、マッピング機能201−xに対して論理パス選択に関わる処理が要求されることがある。
【0081】
ひとつの物理リンクの中に複数の論理パスを収容する場合であっても、プロトコルがイーサネットである場合は、単一のイーサネット通話路を収容する場合と同じように、図12に示すように、複数のルーティング処理装置間102−xでメッセージのスイッチングを提供することができる。この場合、それぞれのメッセージのスイッチングはイーサネットアドレスを用いて行われ、それぞれのイーサネット通話路901−xの識別にイーサネットアドレスを用いることとしても良いのも、単一のイーサネット通話路を収容する場合と同じである。この場合、フロー定義情報がより詳細にわたり、図13に示すように、レイヤ2ヘッダ中の宛先アドレスのほか、タイプフィールド、レイヤ3メッセージの送出元アドレス、さらにまた、レイヤ3メッセージの情報部に含まれるレイヤ4のポート番号も用いてフローを定義することになる。
【0082】
ここまで述べてきた例は、レイヤ2ヘッダの宛先フィールドとして、宛先となる物理リンクの識別子を各メッセージが保持している場合であった。この場合、各物理リンクに対して適切な識別子を割り当てることとすれば、本実施形態のメッセージ中継装置101はレイヤ2レベルでのスイッチングを提供することができる。
【0083】
ところで、現在ルーティング処理装置102−i,j間を接続するために使用されているプロトコルは、各メッセージの情報要素にスイッチングに使用可能な物理リンクの識別子を含んでいるものとは限らない。例えばPPPといったプロトコルの場合、そのヘッダ部分にスイッチングに使用可能な物理リンクの識別子を含んでおらず、このレベルでのスイッチングは不可能である。こういったプロトコルを本実施形態のメッセージ中継装置101に収容するためには、図14に示すごとく、ルーティング処理装置102−x、y間の通信を開始する(1402)前に、バイパスチャネルを予め設定しておく(1401)こととすれば良い。さらに、各マッピング機能201−iにも、受信したメッセージをどのバイパスチャネルに向けて送出するか予め設定しておく。これらの設定は、例えば、本実施形態のメッセージ中継装置の管理者が手動で設定することとしても良い。
【0084】
これにより、バイパスチャネルを用いた固定的な通信パスが所定のマッピング機能201−x、y間に提供される。この場合のバイパスチャネルの設定は、物理リンク番号を用いて行われることになり、フローの識別にも物理リンク番号を用いることになる。この場合、図15に示すようにルーティング処理装置間にPPP通話路1501−1,1501−2が固定的に設定された形式をとることになる。この例は、見かけ上、図87に示した従来技術による超高速メッセージ中継システムの構成法におけるルーティング処理機能102−x間を接続している物理リンクがメッセージ中継装置101上を経由したPPP通話路1501−xで置き換えられた形をしているが、この場合にも、ルーティング処理機能102−i間をメッシュに接続する場合に比べて、より広い帯域をそれぞれのPPP通話路1501−xに必要に応じて割り当てることができ、本発明の目的の一つが達成できる。
【0085】
さて、手動設定により必要なマッピング機能201−x間に予めバイパスチャネルを設定しておき、さらにマッピング機能201−xに対して該フローがその設定したバイパスチャネルを使用するように設定しておいてルーティング処理装置102−x間の通信を提供するという手法は、特に上に述べた固定的なPPP通話路を予め設定しておくということのみに限定して適用可能というわけではない。図16に示すように、フロー定義情報として、メッセージが入力されてきた物理リンクの物理リンク番号の他に、PPPメッセージに埋め込まれたレイヤ3メッセージの宛先アドレスや、レイヤ3メッセージの情報部にあるレイヤ4ポート番号等をフロー定義情報として使用することもできる。
【0086】
この場合、予めルーティング情報を手動設定しておき、特定のフロー定義情報を持つメッセージを所定のバイパスチャネルに導くようにマッピング機能201−xを設定しておくことによって、図17に示すように、ルーティング処理装置102−xとメッセージ中継装置101の間の物理リンク上でPPPプロトコルを使用した場合であっても、ある物理リンクから入力されたメッセージを複数の物理リンクへと転送する形式のスイッチングを提供することも可能になる。これにより、IPメッセージのルーティング方式のひとつである固定ルーティングに相当することが実現される。
【0087】
さらにまた、手動設定によりバイパスチャネルやルーティング情報を設定しておくという手法は、レイヤ2レベルでメッセージのフローに対してラベルを付与する、MPLSやATMをルーティング処理装置102−iとの間の物理リンク上のプロトコルとして使用する場合にも適用可能である。MPLSの場合は図18に示すようにレイヤ2ヘッダとレイヤ3ヘッダの間にラベルフィールドが設けられ、各ルーティング処理装置102−xがそのフィールドの値を管理している。また、ATMの場合は、図19に示すようにレイヤ3メッセージが固定長短パケットであるセルに分離され、該セルのヘッダ部分に、VPI、VCIと呼ばれるATMコネクションの識別子が含まれているが、このATMコネクションを一種のフローと見なせば、VPI,VCIを該フローの識別子と見なすことができる。
【0088】
これらのラベルやVPI、VCIを、本実施形態のメッセージ中継装置101のフロー定義情報として使用し、所定のラベルやVPI、VCIを持つメッセージやセルを所定のバイパスチャネルに送出するように予めそれぞれのマッピング機能201−xを設定しておくこととしても良い。この場合、各ルーティング処理装置102−xが行ったフロー定義をそのまま本実施形態のメッセージ中継装置101が引き継ぐことになり、処理量の削減による高スループット化を達成することができる。上述の方式に従えば、ルーティング処理装置との間の接続がATMである場合、図20に示すように、メッセージ中継装置101に収容されたATM通話路2001−x間でのATMスイッチングが提供されることになる。
【0089】
上で述べた、所定の宛先アドレス、ラベル、VPIとVCIを持つメッセージを所定のバイパスチャネルへと転送することに関しては、図21に示すように、本実施形態のメッセージ中継装置101のスイッチング機能202にレイヤ3終端機能2101を接続すると、手設定で設定を行う代わりに、レイヤ3終端機能2101がメッセージ中継装置101を自動設定することも可能になる。
【0090】
図22に、この場合の本実施形態のメッセージ中継装置101の概念的動作を示す。各ルーティング処理装置102−xは、ATM通話路2201−xにてメッセージ中継装置101に接続されている。マッピング機能201−xは、入力されるATMセルのうち、予め定められたVPI,VCI値を持つATMセルをレイヤ3終端機能2101への通信路であるバイパスチャネル2202へと転送する。この、予め定められたVPI,VCI値により識別されるATMコネクション上では、いわゆる制御情報、例えばQ.2931やPNNIと呼ばれるATM通信の為のコネクション設定を行うプロトコルの場合はシグナリングメッセージ、が、転送されているものとする。
【0091】
レイヤ3終端機能2101では、この、制御情報の転送されてくるバイパスチャネル2202から渡されるセルから作成できるメッセージを元に、コネクションの設定が要求されていることを知り、必要なバイパスチャネルを所定のマッピング機能間に設定すると同時に、所定のマッピング機能201−xに対して該設定しようとしているコネクションを処理するために必要な情報を通知する(2203)。必要なバイパスチャネルが設定され、必要な情報が所定のマッピング機能201−xに通知されると、それ以降、所定のマッピング機能201−x間では、該設定されたバイパスチャネルを用いたATMセルの通信が可能になる。該必要なバイパスチャネル上では、ユーザの端末が送受信するユーザデータがATMセルとしてやりとりされる。
【0092】
なお、マッピング機能201−xとレイヤ3終端機能2101の間のバイパスチャネル2202は予め手動設定、もしくはメッセージ中継装置101立ち上がり時に自身の構成認識の結果として自動設定されるものとしても良い。また、レイヤ3終端機能2203から各マッピング機能201−xの設定情報は、上述のバイパスチャネル2202を用いて通信されることとしても良いが、デフォルトチャネルを用いることとしても良い。本実施形態のメッセージ中継装置101の詳細な構成によってその実装オーバーヘッドが変化するので、上述のふたつの手法のうち、どちらを選択するかは、システム設計によって決定されるべき事項である。
【0093】
同様の、制御情報をレイヤ3終端機能2101に転送するバイパスチャネル2202と、予め定められたVPI,VCIを該バイパスチャネル2202に転送し、レイヤ3終端機能2101がマッピング機能201−xを該制御情報に基づいて設定する、という枠組みにより、Q.2931プロトコルやPNNIによるATMコネクション設定の他にも、適宜マッピング機能201−xで収容するプロトコルをATMもしくはタグを含むPPPメッセージ等から選択することにより、米国シスコ社が提案しているTagスイッチングと呼ばれるプロトコル、IETFのMPLS(Multi Protocol Label Switching)におけるトポロジードリブンのプロトコル、ATMフォーラムにおけるMPOA(Multi Protocol Over ATM)と呼ばれるプロトコルといったプロトコルも、本実施形態によるメッセージ中継装置101を制御するために使用できる。マッピング機能201−xで収容するプロトコルがATMの場合は、上述の様に、制御用のメッセージであるかユーザデータであるかはVPI、VCIで識別される。一方、MPLSのタグを含む場合は、制御用のメッセージであるかユーザデータであるかは、該タグの値で識別されてもかまわない。
【0094】
これらのプロトコルは、基本的には、通信を開始する前に予め必要な部分に通信パスを設定しておく、この時通信パスの開始点と終了点は、例えばIPアドレス、E.164アドレスといった全世界でユニークなレイヤ3アドレスを用いて指定する、という形態を持つプロトコルである。こういったプロトコルをレイヤ3終端機能2101にて収容することにより、図23に示すように、本実施形態によるメッセージ中継装置101を多数接続してネットワークを構築することも可能になる。同図には3台の端末2103−1,2,3と3台のメッセージ中継装置101−1,2,3とからなるネットワークが示されている。これらのネットワーク機器は、制御用のメッセージが転送される通信パス2302−1,2,3,4,5,6で相互接続されている。これらの制御用の通信パスを用いて、それぞれのメッセージ中継装置101−xが収容しているレイヤ3終端機能2101−xが、自身が収容しているプロトコルに従って情報をやりとりし、必要な部分に通信パスを設定する。同図には、端末2303−1と2303−2の間に通信パス2301−1が、端末2303−1と2303−3の間に通信パス2301−2が設定されている様子を示している。
【0095】
上述ではレイヤ3終端機能2101には制御情報のみが渡されるとしたが、図21に示したアーキテクチャにより処理可能なものはこの形態を持つものに限るわけではない。ユーザ情報のフローをレイヤ3終端機能2101へと一旦導き、該レイヤ3終端機能2101が従来技術によるルーティング処理機能102−xと同様のルーティング処理を行って所定の出方路へと導く図24に示した様な概略動作を行う場合にも適用可能である。
【0096】
図24に示した概略動作について説明すると、ルーティング処理装置102−xとメッセージ中継装置101がPPP通話路2401−xで接続されている。該PPP通話路2401−xを収容しているマッピング機能201−xとレイヤ3終端機能2101とは専用のバイパスチャネル2402で接続されている。マッピング機能201−xは、ルーティング処理装置102−xからメッセージを受け取ると、専用のバイパスチャネル2402を経由して該メッセージをレイヤ3終端機能2101に渡す。レイヤ3終端機能2101では、受け取ったメッセージそれぞれについてルーティング処理を行って送出すべきマッピング機能201−xを決定し、該決定されたマッピング機能201−xへとそれに対応した専用のバイパスチャネルを用いて該メッセージを転送する。レイヤ3終端機能2101からメッセージを受け取ると、マッピング機能201−yは、対応するルーティング処理装置102−yへと該メッセージを送出する。
【0097】
全ての通信を上述の枠組みで実行するとすれば、本発明の目的を達成するためには、本実施形態のメッセージ中継装置101に内蔵されるレイヤ3終端機能2101にルーティング処理装置102−xを超えるスループットが要求されることになり、望ましくない。本発明の特徴を生かすためには、図25に示すように、レイヤ3終端機能2101が専用のバイパスチャネル2402を経由して通信されるメッセージを参照してフローを検出し、必要に応じて所望のマッピング機能201−x、y間に該フロー専用のバイパスチャネルを別途設定し、該設定されたバイパスチャネルを使用できるメッセージをマッピング機能201−xが検出し、該メッセージを該別途設定されたバイパスチャネルへと送出するのが望ましい。これを実現するための本実施形態のメッセージ中継装置101の動作は次のようになる。
【0098】
何らかの条件により、レイヤ3終端機能2101がマッピング機能201−x、y間に専用のバイパスチャネルを設定可能であることを検出すると、レイヤ3終端機能2101は、その設定に必要な情報をマッピング機能201−x、yに転送する(2501)と同時に該専用のバイパスチャネルを設定する(2502)。マッピング機能201−x、y間の専用バイパスチャネルが設定されると、マッピング機能201−xは、所定の条件を満足するメッセージを受け取ったならば、該バイパスチャネルへと該メッセージを送出する。これにより、レイヤ3終端機能2101に向けて転送されるメッセージ量が削減可能で、この結果として本実施形態のメッセージ中継装置101のスループットを大幅に向上させることができる。
【0099】
この方法は、IETFのMPLSにおいて、トラフィックドリブンと呼ばれるプロトコルに対応させることが可能である。また、マッピング機能201−xとレイヤ3終端機能2101の間の専用バイパスチャネルは、これらのプロトコルにおいて、IPレベルのコネクタビリティを確保する目的でルーティング機能間を予め接続しておくデフォルトの通信パスに、マッピング機能201−x、y間に別途設定される専用デフォルトチャネルはネットワーク全体のスループットを向上させる目的でメッセージのうちのいくつかをルーティング機能をバイパスさせるバイパスの通信パスに、それぞれ対応させることが可能である。
【0100】
図26に、トラフィックドリブンでバイパスの通信パスを設定する場合の、本実施形態のメッセージ中継装置101の動作概略を示す。ルーティング処理装置102−xは、デフォルトの通信パス2601−xによってレイヤ3終端機能2101に接続されている。上述の様に、デフォルトの通信パス2601−1では、バイパスの通信パスが設定されるまでの間、ユーザデータのメッセージが転送されている。レイヤ3終端装置2101は、該ユーザデータのメッセージを受信してレイヤ3レベルのスイッチングを行うと同時に、予め定められた条件でバイパスの通信パス2602を設定する。この手順は、トラフィックドリブンのプロトコルの場合、次のようであってもよい。
【0101】
即ち、ユーザデータのメッセージ流の上流に位置するルーティング処理装置102−aが、予め定められた条件として定義されるバイパスの通信パスの設定トリガ、を検出すると、まず、ルーティング処理装置102−aからレイヤ3終端機能2101に至るバイパスの通信パス2602を設定する。これと同じ動作をレイヤ3終端機能2101も行っており、同じ条件でバイパスの通信パスの設定トリガを検出すると、上流側からのバイパスの設定パス2602を、ルーティング処理装置102−dに向けて張り替える。ここで、バイパスの通信パスを設定するトリガとなるメッセージとは、例えばTCPのセッションの開始を表すメッセージ等、予め定められた種別のメッセージである。
【0102】
上で述べたトラフィックドリブンによるバイパスの通信チャネルの設定においても、バイパスの通信チャネルの始点と終点は、IPアドレスの様な全世界でユニークなレイヤ3アドレスを用いて指定することになるので、図23に示したトポロジードリブンのプロトコルの場合と同様、本実施形態によるメッセージ中継装置を多数接続してネットワークを構築することが可能になる。図23で、制御メッセージを転送することとしていた通信パス2302−1,2,3,4,5,6が、トラフィックドリブンによるプロトコルの場合、デフォルトの通信パスとして使用されることになる。
【0103】
以上述べたように、本実施形態のメッセージ中継装置101では、ルーティング処理装置102−xとの間の物理リンク上で実行されるプロトコルとして、Ethernet、ATM、PPP、MPLS、IP、といった種々のプロトコルを扱うことが可能であることが、その大きな特徴となっている。本実施形態のメッセージ中継装置101の場合、マッピング機能201−xにおいてそれぞれの物理リンクに対応したこれらのプロトコル特有の処理を行い、これらの物理リンクに対応したプロトコルが共通して必要とする、マッピング機能201−x間の通信を“フロー"と呼ぶ概念で捉え、スイッチング機能202にて統一的に提供することで、この特徴を実現することとしている。
【0104】
ところで、以上述べてきたように、これらそれぞれのプロトコルにおいて、フロー定義情報として使用可能な情報はそれぞれ異なっている。参照するメッセージ中のフィールドも異なっていれば、これらのビット長も異なる。また、本実施形態のメッセージ中継装置101の運用手法によっては、同一のプロトコルであっても、異なる情報をフロー定義情報として使用することも考えられる。これらの異なるフロー定義情報を用いて、スイッチング機能202にて使用するフローを統一的に定義するため、本実施形態のメッセージ中継装置101では、以下に述べる方式を用いる。即ち、それぞれのプロトコル毎に定義されるフロー定義情報を、マッピング機能201−iが、本実施形態のメッセージ中継装置101内で有為な識別子へと一旦変換し、該識別子を用いて、該フローに属するメッセージのメッセージ中継装置101内部でのルーティングに関わる情報を得る、という方法である。
【0105】
図27は、この方法を概念的に示した図である。マッピング機能201−xが収容するプロトコル、及び、運用者が決定する運用形態によって選択されるフロー定義情報によって、それぞれ独立の番号空間2703,2704,2705,2706,2707,2708がメッセージ中継装置101内に存在する。同図に示した例では、番号空間2703では、収容するプロトコルがイーサネットアドレスで、フロー定義情報として、宛先イーサネットアドレス、送出元レイヤ3アドレス、レイヤ4ポート番号が選択されており、番号空間2704では、収容するプロトコルがイーサネットで、フロー定義情報として入力物理リンク番号と宛先イーサネットアドレスが選択されており、番号空間2705では、収容するプロトコルがイーサネットで、宛先イーサネットアドレスがフロー定義情報として選択されており、番号空間2706では、収容するプロトコルがPPPで、フロー定義情報として入力物理リンク番号、レイヤ3アドレス、レイヤ4ポート番号が選択されており、番号空間2707では、収容するプロトコルがPPPの上のMPLSで、フロー定義情報として入力物理リンク番号、ラベルが選択されており、番号空間2708では、収容するプロトコルがATMで、フロー定義情報として入力物理リンク番号、VPI,VCIが選択されている。これらの番号空間2703,2704,2705,2706,2707,2708は、それぞれ、その番号空間を使用している物理リンクを収容しているマッピング機能201−x毎に独立して存在している。
【0106】
一方、本実施形態のメッセージ中継装置101には、その中でのみ有為な、フローに対して割り当てられる識別子の番号空間2701も存在している。この識別子を装置内ラベルと呼ぶ。装置内ラベルの番号空間は、いくつかの小片に分割され、それぞれがひとつのマッピング機能201−xに割り当てられている。それぞれのマッピング機能201−xでは、自身が管理しているフロー定義情報の番号空間から、自身に割り当てられた装置内ラベルの番号空間へのマッピングを保持している。これによって、本実施形態のメッセージ中継装置101内部では、それぞれのプロトコル毎に異なるフロー定義情報で定義されるフローを、装置内ラベルという統一された番号空間内の番号で識別することが可能になり、もって、該メッセージ中継装置101が収容しているプロトコル全てをフローという概念で統一して処理することが可能になる。ここで、装置内ラベルの番号空間を小片に分割し、それぞれのマッピング機能201−xに固定的に割り当てると、フロー定義情報の番号空間から装置内ラベルの番号空間へのマッピングを構成する際に、それぞれのマッピング機能201−xが独立にマッピングを構成でき、もって、マッピング機能201−x間の通信量を削減することができるという利点がある。
【0107】
さらにまた、マッピング機能201−xは、該装置内ラベルから、装置内でのそれぞれのフローに属するメッセージの経路、装置内経路情報2702へのマッピングも保持している。これによって、それぞれのメッセージを、所望の出方路へと転送することが可能になる。
【0108】
以上で述べたことに従えば、入力されたメッセージの転送経路を決定するために、それぞれのマッピング機能201−xは、まず、フロー定義情報から装置内ラベルへのマッピングを保持するテーブルにアクセスし、次に装置内ラベルから装置内経路情報へのマッピングを保持するテーブルにアクセスすることになる。
【0109】
以上で、本実施形態に係るメッセージ中継装置101の動作原理、フローの定義方法とその処理法に関する説明を終える。なお、ここで述べた本実施形態の原理に従えば、フロー定義情報として使用する情報は上で述べた情報のみに限られる訳ではない。原理的に、プロトコルスタック中の各レイヤのヘッダの各フィールドやSDHのオーバーヘッド部分に含まれる情報全てがフロー情報としてマッピング機能201−xでの検査対象となり得る。特に、IPヘッダに含まれるCOSフィールドといった、QoS定義のための情報もフロー定義情報の一部として使用しても構わない。
【0110】
次に、詳細に本発明に係るメッセージ中継装置の一構成例について説明する。上述した動作原理に従うメッセージ中継装置は、ここで述べる構成でのみ実現されるわけではなく、他にも多くの構成法を考えることができる。特に、以降説明する構成例にあっては、スイッチング機能202の実現手法としていわゆる波長多重バーストスイッチングの可能な光通話路を採用することとしているが、上述の動作原理は、このような光通話路を使用しなければ実現できないものではない。良く知られている電気回路によって実現されたスイッチ素子であってもかまわない。上述の動作原理を実現するためには、ブロードキャスト機能を持つデフォルトチャネルと、フロー毎に割り当てられるバイパスチャネルを動的に設定できる能力を持てば良い。この様な電気回路によって実現されたスイッチ素子は、例えば、本発明者が特開平6−311180で開示している。しかしながら、以降詳細に述べるように、光通話路の持つ優れた特性を用いると、電気回路によるスイッチング素子を適用する場合に比して、より高速なスループットを持つメッセージ中継装置で、ブロードキャストのみならずバイパスチャネルでのマルチキャストも可能なものを提供可能であるので、ここでは波長多重バーストスイッチングの可能な光通話路を採用することとして以降の説明を進める。
【0111】
図28は、本発明の一実施例であるメッセージ中継装置101の一構成例を示す図である。同図に示した構成では、メッセージ中継装置101は、n枚のインタフェース基板2801−1,2,...,nが、計4系統の光リング、2802−A,B,C,Dによって相互接続されて構成されている。それぞれのインタフェース基板2801−xは、フローマッピング部2804−xと光リングアクセス部2803−xを含む。図2に示した本実施形態のメッセージ中継装置101の機能構成との対応関係を示せば、フローマッピング部2804−xによってマッピング機能201−xの機能が提供され、各光リングアクセス部2803−xと4系統の光リング2802−A,B,C,Dによってスイッチング機能202の機能が実現される。本構成においては、光リングが計4系統使用されているが、本発明を実施するためには、光リングが必ず4系統でなければならないわけではない。光リングの本数は、本メッセージ中継装置101に要求される総スループットと、本発明を実施する時点における光部品技術の水準によって定まる、1本の光ファイバによって転送可能な波長数、並びに各波長にて転送可能な最大ビットレートとを勘案して決定されるべきパラメータである。
【0112】
図21に示した構成のメッセージ中継装置101は、ひとつの、もしくは複数のレイヤ3終端機能2101を含んでいるが、本構成例では、ひとつの、もしくは複数のインタフェース基板2801−xを図29に示す構成のレイヤ3終端基板2901で置き換えることで、図21に示した構成のメッセージ中継装置101を得ることとしている。同図に示すように、レイヤ3終端基板2901は、光リングアクセス部2803、フローバッファリング部2902、プロトコル処理部2903を含んで構成されても良い。
【0113】
光リングアクセス部2803は、インタフェース基板2801−xに含まれるものと同一構成である。プロトコル処理部2903は、該基板上で実行されるプロトコル処理を実際に行う部分で、例えば、マイクロプロセッサシステムで構成されていても良い。フローバッファリング部2902は、該レイヤ3終端基板2901から/へ送出/受信されるメッセージを一旦保持し、光リングアクセス部2803/プロトコル処理部2903の都合に合わせて該メッセージの処理を進めるために必要となるメッセージバッファである。本実施形態のメッセージ中継装置101には、多数のプロトコルが収容される可能性があり、それぞれのプロトコル毎に、フローに対してプロトコル処理部2903が行う処理が異なっているので、フローバッファリング部2902においては、フロー毎にメッセージのバッファリングを行うのが望ましい。
【0114】
図30は、光リングアクセス部2803−xと光リング2802−xの詳細な接続関係を示す図である。同図には、4系統ある光リングのうち、光リングA系2802−Aと光リングB系2802−Bとが示されている。他の2系統、光リングC系2802−Cと光リングD系2802−Dも、これらと同様に接続されている。同図に示すように、光リングA系2802−AとB系2802−Bによって、一方が時計周りに、もう一方が半時計周りにメッセージを転送可能なように各光リングアクセス部2803−xが接続されている。リングベースのトポロジで光リングアクセス部2803−xを接続することで、ポイント−ポイント系の通信のみならず、ポイント−マルチポイント系やブロードキャスト系の通信も容易に提供できるようになる。イーサネットプロトコルは本実施形態のメッセージ中継装置101で収容するべきプロトコルのひとつであるが、イーサネットの上に実装されたプロトコルのうちのいくつかはレイヤ2レベルでのマルチキャスト、ブロードキャストが可能であることを前提にしており、本実施形態の如く、種々のプロトコルを統一して扱う装置においては、ポイント−マルチポイント系の通信やブロードキャスト系の通信の提供能力を備えることは重要である。
【0115】
さらに、時計周りと半時計周りの光リングをそれぞれ設けると、各光リングアクセス部2803−xにおいて、メッセージを他の光リングアクセス部2803−yに向けて送出する際に、送出先の光リングアクセス部2803−yへのホップ数が少ない方の光リングを選択可能となる。この結果、同方向のリングのみを設けた場合に比べて、ひとつのメッセージが消費するリング上の通信帯域を削減でき、もって、より高いスループットをルーティング処理装置102−x間に提供することが可能になる。
【0116】
図31は、それぞれの光リング中でのデフォルトチャネルとバイパスチャネルの構成原理を示す図である。同図には、本構成例での4系統の光リングのうち、1系統のみが示されている。本構成例においては、ひとつの光リング上に複数の波長の光を多重する、いわゆる波長多重を適用することとしている。本実施形態におけるスイッチング機能202にはデフォルトチャネル、バイパスチャネルを区別して提供することが求められるが、本構成例においては、多重された波長の予め定められた一波長を用いてデフォルトチャネルを、残りの波長を用いてバイパスチャネルを、それぞれ提供することとしている。波長多重方式は、それぞれの波長が独立にメッセージを転送することが可能で、本発明を実施するのに好適な性質を持っている。同図では、波長λ0をデフォルトチャネルに割り当て、その他の波長、λ1〜λ4をバイパスチャネルに割り当てるものとしている。
【0117】
デフォルトチャネルの波長は、光リング上のある光リングアクセス部2803−xで発せられると、それに光リング上で隣接する光リングアクセス部2803−yにおいて引き抜かれるように処理される。同図に示した例では、例えば、光リングアクセス部2803−1で発せられたデフォルトチャネルに割り当てられた波長λ0の光は、光リング上で隣接する光リングアクセス部2803−2において引き抜かれる。一方、バイパスチャネルの波長のそれぞれは、後ほど詳細に述べるように、動的にフローと対応づけられ、該対応づけられたフローの始点の光リングアクセス部2803−xで発せられ、途中経由する光リングアクセス部は光信号のまま通過し、該対応づけられたフローの終点の光リングアクセス部2803−yにおいて引き抜かれるように処理される。
【0118】
以降詳細にデフォルトチャネルにおける通信に関して説明を加える。まず、本構成例のスイッチング機能202で処理されるメッセージの構成を示す。該スイッチング機能202で処理されるメッセージを装置内メッセージと呼ぶ。
【0119】
図32は、本構成例における、装置内メッセージの構成を示す図である。フローマッピング部2804―xではルーティング処理装置102−x側から受け取ったフローの構成要素に装置内ヘッダを付与し、装置内メッセージとして光リングアクセス部2803−xに渡している。一方、フローマッピング部2804−xは、光リングアクセス部2803−xから装置内メッセージを受け取ると、装置内ヘッダを削除し、フローの構成要素を取り出してルーティング処理装置102−x側へと送出する。ここで、フローの構成要素とは、それぞれのフローにおいてユーザデータを転送している単位となる情報の固まりである。フローの構成要素は、該インタフェース基板が収容しているプロトコルによって異なり、例えば、イーサネットを収容している場合はイーサネットフレーム、PPPを収容している場合はPPPメッセージ、ATMを収容している場合はATMセル、SDHを収容している場合はバーチャルコンテナ、であってよい。
【0120】
本構成例では、装置内ヘッダは、種別フィールド、宛先フィールド、送出元フィールド、プロトコルフィールドを含むものとしている。種別フィールドには、該装置内メッセージの種別、本実施形態のメッセージ中継装置101内で該装置を制御するために使用される制御メッセージであるか、本実施形態のメッセージ中継装置101が中継すべきユーザメッセージであるか、といったことを示す情報が書き込まれる。宛先フィールドと送出元フィールドが該装置内メッセージの装置内部でのルーティングのために使用されるフィールドである。また、プロトコルフィールドには、該装置内メッセージの情報部に含まれるフローの構成要素が用いているプロトコルの種別を示す情報が書き込まれる。
【0121】
本構成例では、装置内部のルーティングに使用される宛先フィールドと送出元フィールドに、前述の説明ではフローの識別子であるとした装置内ラベルを書き込むこととしている。これは以下の理由による。前述した様に、各インタフェース基板2801−x毎に独立した装置内ラベルの番号空間を割り当てることが、装置内ラベルを割り当てる際に必要になるインタフェース基板2801−x間の通信量を削減するために有効である。これを実現するためには、装置内ラベルのビット列の一部に、それぞれのインタフェース基板2801−iに装置内で割り当てられる識別子、基板番号を含めるのが最も簡単である。さらにまた、フローは、少なくとも本実施形態のメッセージ中継装置101が収容している物理リンク毎に定義されるので、該物理リンクの識別子、物理リンク番号も装置内ラベルのビット列の一部に含めるのが、装置内ラベルの作成を簡単化する。装置内ラベルに基板番号と物理リンク番号を含めることにすれば、該装置内ラベルは、本構成例において、装置内のルーティングにも使用可能になる。フローの識別子である装置内ラベルを装置内のルーティングに流用することで、各インタフェース基板2801−xにおける各メッセージを処理するために必要となる計算量を削減することができ、もって高スループット化を図ることができる。
【0122】
本構成例において、装置内ラベルは基板番号、物理リンク番号の他に、論理パス番号を含む。ここで、論理パス番号は、基板番号と物理リンク番号の組によって指定される物理リンク内部に定義される論理パスに振られる番号、である。この論理パス番号は、さらにふたつのサブフィールドに分割される。その前半のフィールドで、該物理リンク上でのプロトコルが定義する論理パス、例えばATMの場合のVP/VCやSDHの場合のバーチャルコンテナ、を識別する。さらに、その後半のフィールドで、該基板番号で指定されるインタフェース基板の、該物理リンク番号で指定される物理リンク上にある、該論理パス番号の前半のフィールドで指定される論理パスの中に検出されたフロー、を識別する。各インタフェース基板2801−xでは、検出されたフローに対して装置内ラベルを割り当てる時、該論理パス番号の後半のフィールドのみを動的に作成する。なお、基板番号と物理リンク番号はそれぞれの物理リンク毎に固定されている。また、論理パス番号の前半部分は、SDHの様に固定的に予め論理パスが設定されているプロトコルの場合は固定されているが、ATMの様に論理パスが動的に設定されることがある場合は論理パスが設定されるたびに動的に作成される。
【0123】
ここで、論理パス番号の前半部分と後半部分の境界は、物理リンク上のプロトコル種別やその運用、特にフロー定義情報の選択によって変化するのが望ましい。なお、それぞれの装置内ヘッダの宛先フィールドに書き込まれた装置内ラベルは、本実施形態のメッセージ中継装置内部でのフローの終点における装置内ラベルであり、送出元フィールドに書き込まれた装置内ラベルは、本装置内部でのフローの始点における装置内ラベルである。送出元フィールドの装置内ラベルの中の論理パス番号は、フローの始点のインタフェース基板2801−xにおいて、宛先フィールドの装置内ラベルの中の論理パス番号は、フローの終点のインタフェース基板2801−yにおいて、それぞれ独立に割り当てられる。フローの識別という観点では、宛先フィールドの装置内ラベルででも、送出元フィールドの装置内ラベルででも可能であるが、本装置内部の処理を円滑に進める目的で、本構成例では、フローの始点と終点にそれぞれ異なった装置内ラベルが割り当てられている。
【0124】
さらに、装置内メッセージのブロードキャスト、マルチキャストを実現するために、装置内ラベルの番号空間の中の予め定められた空間を使用することとする。例えば、装置内ラベルのビット列がすべて1であればブロードキャストを、基板番号部分と物理リンク番号部分のビット列がすべて1で、論理パス番号部分がすべて1でなければマルチキャストグループアドレス、といった番号空間をブロードキャスト、マルチキャストに使用することができる。また、本構成例の場合、制御用のメッセージで、各インタフェース基板を順次巡回するものがあり、それを表現するための番号をひとつ(例えばビット列が全て0)割り当てる。以降、これら3種のアドレスを、それぞれブロードキャストアドレス、マルチキャストグループアドレス、リング上巡回アドレス、と表記する。
【0125】
本構成例においては、ひとつのメッセージ中継装置が収容するインタフェース基板の枚数は100枚程度と考えており、この場合は、基板番号は7ビット必要である。また、各インタフェース基板が収容する物理リンクの本数は16本程度と考えており、この場合、物理リンク番号は4ビット必要である。論理パス番号については、本メッセージ中継装置101とルーティング処理装置102−xの間で何本フローが定義可能とするよう設計するかによってその必要となるビット長が変化するが、本構成例の場合は、13ビットとることとする。
【0126】
本実施形態のメッセージ中継装置101の場合、フローの定義は、該装置の運用者によって柔軟に変更可能であり、かつフローが定義されない場合でもデフォルトチャネルを用いればコネクタビリティを確保できるので、万が一13ビット(8192本)の論理パス番号空間で足りなくなったとしても、フローの定義を適宜変化させて複数のフローを同一のフローにマージすることで必要な論理パス番号空間を削減することができる。ここで述べた数値例の場合、装置内ラベルは全部で24ビット長となり、一般的なレイヤ2アドレスやレイヤ3アドレスよりも短いビット列となる。この結果、フロー定義情報の番号空間よりも装置内ラベルの番号空間の方が小さくなり、もって、必要となるテーブルの容量を削減することができる。一般的にテーブルへのアクセスは容量が小さくなる程速くなるので、この結果として、より高スループットなメッセージ中継装置を提供することが可能になる。
【0127】
さて、以上述べたような装置内メッセージがデフォルトチャネル、バイパスチャネル上を流れるのであるが、この装置内メッセージを、光リングアクセス部2803−xが次に述べるように処理することで、本実施形態に要求される機能を持つスイッチング機能が実現される。以降、まず、デフォルトチャネルにおける装置内メッセージの概念的処理を説明し、次に、バイパスチャネルにおけるそれを説明する。
【0128】
図33は、デフォルトチャネルにおける装置内メッセージの概念的処理を示す図である。同図には、光リング上で隣接するみっつの光リングアクセス部2803−x、y、zが示されている。光リングアクセス部2803−xからデフォルトチャネルを経由して装置内メッセージを渡されると、光リングアクセス部2803−yは、装置内ヘッダの宛先フィールド、送出元フィールドを参照し、以下のルールに従って該装置内メッセージを光リングアクセス部2803−zに向けて通過させるか、フローマッピング部2804−yに向けて分岐するかを決定する。
【0129】
まず、宛先フィールドに書かれたアドレスがリング上巡回アドレスの場合は、直ちに、該メッセージをデフォルトチャネルから引き抜く。本構成例では、以降で詳細に述べるように、装置内部の制御のために、ある種別の装置内メッセージは、リング上のインタフェース基板2801−xを順次巡回して何らかの処理を受ける。リング上巡回アドレスは、この種別の装置内メッセージの宛先アドレスとして使用される。
【0130】
次に、宛先フィールドに書かれたアドレスがブロードキャストアドレスの場合は、まず、該メッセージの送出元フィールドを参照し、該メッセージが自身が送出したものであるか否かチェックする。該メッセージが自分が送出したものであれば、直ちに廃棄する。そうでなければ、該メッセージのコピーを作成し、フローマッピング部2804−yへと送出する。それと同時に、該メッセージをデフォルトチャネルを経由して隣接する光リングアクセス部2803−zに渡す。この様にブロードキャストアドレスを宛先アドレスとして持つ装置内メッセージを各光リングアクセス部2803−xで扱うことにすれば、図34に示すように、ある光リングアクセス部2803−xでデフォルトチャネルに挿入された装置内メッセージは、光リングに沿って順次光リングアクセス部2803−yを訪れ、最後に自身が挿入された光リングアクセス部2803−xに戻ってデフォルトチャネルから引き抜かれることになる。
【0131】
同図には、光リングアクセス部2803−1からA系の光リングのデフォルトチャネルに挿入され、光リングアクセス部2803−2,3,4,5,6を順次訪れ、最後に光リングアクセス部2803−1に戻ってA系のデフォルトチャネルから引き抜かれる装置内メッセージが示されている。3401が光リングアクセス部2803−1から2803−2に向けて転送される、3402が光リングアクセス部2803−2から2803−3に向けて転送される、3403が光リングアクセス部2803−3から2803−4に向けて転送される、3404が光リングアクセス部2803−4から2803−5に向けて転送される、3405が光リングアクセス部2803−5から2803−6に向けて転送される、3406が光リングアクセス部2803−6から2803−1に向けて転送される、装置内メッセージを表している。同図には、装置内メッセージのうち、そのヘッダの宛先フィールド、送出元フィールドの内容が示されている。
【0132】
ここで、この、デフォルトチャネル上でのブロードキャストアドレスを持つ装置内メッセージのルーティング、即ち、所望の光リングアクセス部2803−xにおいてデフォルトチャネルから引き抜く、において必要となる情報は、該装置内メッセージのヘッダの送出元フィールドに記された、該装置内メッセージを挿入した光リングアクセス部2803−1に付与された基板番号のみである。この情報は、該装置内メッセージを挿入する基板で、特に他の基板との通信を行うことなく得られる情報であり、装置内を制御するために各基板に対して何らかの情報の問い合わせを行うであるとかいった局面で有効な方式となっている。なお、本実施形態のメッセージ中継装置101内で一意の基板番号を各光リングアクセス部2803−xに与えるためには、例えば、バックパネル上の配線で基板番号を固定的に各基板に与える等の手法を用いることができる。
【0133】
また、宛先フィールドに書かれたアドレスがマルチキャストグループアドレスの場合は、まず、該メッセージの送出元フィールドを参照し、該メッセージが自分が送出したものであるか否かチェックする。自分が送出したものであれば、該メッセージを廃棄する。そうでなければ、宛先フィールドのマルチキャストグループアドレスを参照し、自分が属しているマルチキャストグループアドレスのリストと照らし合わせ、自分が該マルチキャストグループに属しているか否かチェックする。自分がそのマルチキャストグループに属するならば、該メッセージのコピーを作成し、フローマッピング部2804−yへと送出すると共に、該メッセージをデフォルトチャネルを経由して隣接する光リングアクセス部2803−zに渡す。一方、自分がそのマルチキャストグループに属さないならば、単に、該メッセージをデフォルトチャネルを経由して隣接する光リングアクセス部2803−zに渡すのみの動作を行う。
【0134】
この方法は、上に述べたブロードキャストの方法に対して、装置内メッセージを受信した各光リングリングアクセス部2803−xが、自身に割り当てられたマルチキャストグループアドレスと、メッセージの宛先アドレスに記されたマルチキャストグループアドレスを比較する手順が追加された形式を持っている。ここでは、上位のプロトコルによって、あるマルチキャスト通信に対してマルチキャストグループアドレスが付与され、上位のプロトコルによって決定された該マルチキャスト通信の送出先に前記マルチキャストグループアドレスが通知されることとする。
【0135】
本実施形態のメッセージ中継装置101では、該マルチキャスト通信をフローとみなし、プロトコル毎に決定されるマルチキャストグループアドレスを装置内ラベルのマルチキャストグループアドレスの番号空間にマッピングし、該マッピングした装置内ラベルのマルチキャストグループアドレスを該マルチキャストフローの送出先である光リングアクセス部2803−xに(例えばデフォルトチャネル上での通信を用いて)通知する。多くの通信プロトコルでマルチキャスト通信を提供する場合に上記と同様のマルチキャストグループアドレスを基とした方式をとっているため、本実施形態のメッセージ中継装置101の如くに、フローという概念で統一して多数のプロトコルを収容することを考える場合、上述の方式を取ることによってマルチキャスト通信を扱うことが容易になる。
【0136】
最後に、該装置内メッセージの宛先フィールドに書かれたアドレスがその他のアドレス、即ちポイント−ポイント通信を示すアドレスである場合、宛先アドレスが自分の基板番号と一致したら該メッセージを分岐し、一致しない場合はデフォルトチャネルを経由して隣接する光リングアクセス部2803−zに渡す。なお、ここで、さらに、送出元フィールドを参照し、自分が送出した物である場合は該メッセージを廃棄することにしても良い。これにより、何らかの原因でポイント−ポイント通信の宛先になる光リングアクセス部2803−xが正常に動作しなかった場合に、デフォルトチャネル上を該メッセージが無限に転送され、結果としてデフォルトチャネルの帯域を浪費する、ことを防ぐことができる。
【0137】
この方法では、上に述べたブロードキャストの方法に比較して、装置内メッセージを受信した各光リングリングアクセス部2803−xが、自身に割り当てられた基板番号と、メッセージの宛先アドレスに記された装置内ラベルに含まれる基板番号を比較する手順が追加されている。このため、それぞれのメッセージの宛先に、該宛先の基板番号を該メッセージをデフォルトチャネルに向けて送出するときに付与する。これを行うためには、該宛先の基板番号の通知を受けるのが好ましく、後程詳細に述べるように、本構成例では、装置内の制御プロトコルによって宛先のインタフェース基板2801−yの基板番号が送出元のインタフェース基板2801−xに対して制御メッセージを用いて通知されるように構成されている。
【0138】
以上で、デフォルトチャネルにおける通信に関する説明を終了する。次に、バイパスチャネルにおける通信について詳細に説明する。本実施形態のメッセージ中継装置101においては、バイパスチャネルにおける通信は、以下の原理に従って行われる。
【0139】
ここまで述べてきたように、本実施形態のメッセージ中継装置101にあっては、ルーティング処理装置102−xから入力されたメッセージ流から、予め定められる条件で定義されるフローを検出し、該フローに、該フローを転送する際に必要となる処理量を大きく削減したバイパスチャネルを割り当て、もって装置全体のスループットを大きく向上する、ことが行われている。ここで述べている構成例にあっては、スイッチング機能202に波長多重のバースト光スイッチングを適用して、さらに電気回路が物理的に持つ制約条件を緩和し、さらに装置全体のスループットを向上させることとしている。この場合、実際にインタフェース基板2801−i,j間で情報伝送を行う前に、検出されたフローに、光ファイバ上の波長を割り当てて、情報伝送路のセットアップを行う。
【0140】
波長多重のバースト光スイッチングを、本実施形態のメッセージ中継装置101に適用するにあたって、その情報伝送路のセットアップ手法に大きな影響を与えるシステムパラメータに、1本の光ファイバ上に多重可能な波長数がある。
【0141】
多重可能な波長数の方が収容するインタフェース基板2801−iの枚数よりも多いか等しい場合、以下の様な方法でフローへの波長割当を行うこととしても良い。即ち、各インタフェース基板2801−iのバイパスチャネルの入り口に波長を割り当てることとする。あるインタフェース基板2801−xに向かうフローを検出したインタフェース基板2801−yは、他のインタフェース基板2801−zがインタフェース基板2801−xに向けて情報を送出していないことを確かめた後、該インタフェース基板2801−xに割り当てられた波長λxで情報を送出する。インタフェース基板2801−xは、自身に割り当てられた波長λxで送られてきた情報を受信する。この方式の場合、波長によって光リング上のインタフェース基板2801−xが選択されることになり、情報の送出元となるインタフェース基板2801−yでは、自身が送出する波長を送出先の基板に割り当てられた波長に基づいて選択する必要はあるが、一方で、各インタフェース基板2801−i自身が受信する波長は固定で良い、という特徴がある。この為、より簡便な光技術が利用可能であるという利点がある。以降、この方式を受信波長固定方式と呼ぶ。
【0142】
一方、多重可能な波長数の方が収容するインタフェース基板2801−xの枚数よりも少ない場合、以下の様な方法でフローへ波長を割当てても良い。この場合に、各インタフェース基板2801−iのバイパスチャネルの入り口に波長を割り当てることとすると、波長資源が不足してしまう。そこで、インタフェース基板2801−iはバイパスチャネルとして受信する波長も変更可能であることとする。あるインタフェース基板2801−xに向かうフローを検出したインタフェース基板2801−yは、他のインタフェース基板2801−zがインタフェース基板2801−xに向けて情報を送出していないことを確かめた後、光ファイバ上で使用されていない波長λwを、該フローに割り当てる。これと同時に、該フローの起点であるインタフェース基板2801−yが該フローを送出するときの波長と、該フローの終点であるインタフェース基板2801−xが該フローを受信するときの波長をλwに設定する。これによってバイパスチャネルが設定されたので、インタフェース基板2801−yは該フローに割り当てられた波長λwで情報を送出する。インタフェース基板2801−xは、該フローに割り当てられた波長λwで送られてきた情報を受信する。この方式の場合、光リング上のインタフェース基板2801−iでは、バイパスルートへの情報の送信時の他に受信時にも波長選択をすることになる。この為、本実施形態のメッセージ中継装置101に収容される基板の枚数が多重化可能な波長数より多い場合にも対応可能である、メッセージ中継装置101に対するインタフェース基板2801−xの増減設時にインタフェース基板と波長の割当の管理をしなくても良いというシステム構築上の利点もある。以降、この方式を受信波長可変方式と呼ぶ。
【0143】
受信波長固定方式と受信波長可変方式は、上に述べたようなそれぞれの特徴があり、どちらが優れているというものでもない。本メッセージ中継装置101にシステムとして要求される特性と本発明を実施する時点での光技術のレベルに応じて選択されるべき性質のものである。そこで、ここで説明している構成例では、以降、受信波長可変方式を採用しているものとして説明し、必要に応じて受信波長固定方式についても言及することにする。
【0144】
図35は、受信波長可変方式を適用した本発明の構成例における、バイパスチャネルの概念的構成を示す図である。同図では、インタフェース基板2801−xがフローの起点、インタフェース基板2801−yがフローの終点となっている。
【0145】
各インタフェース基板2801−iのフローマッピング部2804−iには、フローバッファ3501−1,3501−2、…、3501−nが含まれている。フローの起点であるインタフェース基板2801−xにおいて、該インタフェース基板2801−xのフローマッピング部2804−xが検出したフローに対して、該フローバッファ3501−iのひとつが割り当てられる。このフローバッファ3501−iは、該フローに属するメッセージを転送する情報転送路がセットアップされるまでの間、必要に応じて該メッセージを一旦保持する役割を担う。
【0146】
各フローバッファ3501−iの入り口にはカウンタ3504−iが設けられ、該フローに属するメッセージが予め定められた時間内に到着する個数をカウントしている。このカウンタ3504−iは、該フローが消滅したことを検出するために設けられている。例えば、該予め定められた時間内に該フローに属するメッセージがまったくやってこなければ、該フローが消滅したと見なすこととしても良い。フローが消滅したことが検出されると、該フローに割り当てられたフローバッファ3501−iは開放される。
【0147】
ひとつのフローマッピング部2804−iにおいて、複数のフローが同時に維持されている場合がある。この場合には、これらのフローからバイパスチャネルを設定するフローを選択するが、これは、例えば、それぞれのフローバッファ3501−iに保持された情報の総量(ここで扱うメッセージは可変長を仮定しているので、保持されたメッセージの長さの総和)がある時点で最も多いフロー、であるとか、該フローバッファ3501−iに保持された時間が最も長いメッセージを含むフロー、であるとかの如く、予め定められた条件を満足したフローを選択することになる。
【0148】
送出されるフローが決定されると、フローの起点の光リングアクセス部2804−xの波長割当機能3502−xが、デフォルトチャネルを用いて通信を行い、光ファイバ上での未使用の波長λwを探し出し、自身が情報を送出する光波長を前記選択したλwに調節すると共に、該波長λwをフローの終点のインタフェース基板2801−yの光リングアクセス部2804−yの波長割当機能3502−yへと通知する。該フローの終点の波長割当機能3502−yでは、該通知された波長λwに受信波長を調節する。この段階で、あるフローの情報を転送するバイパスチャネルである光通話路3505−1がセットアップされたことになる。この後、該フローの終点の波長割当機能3502−yは、該フローの始点の波長割当機能3502−xへと準備が完了した事を通知する。受信側の準備が完了したことが通知されると、フローの起点の波長割当機能3502−xは、該フローに対応するフローバッファ3501−xから保持されているメッセージを読み出し、光通話路3505−1を通じてフローの終点の光リングアクセス部2804−xが含む受信バッファ3503−1へと転送する。このフローに属する情報の転送は、例えば、光通話路3505−1が設定された時点でフローバッファ3501−xに保持されていたメッセージが全て送出された時に一時中断することにしても良い。この場合、あるフローに係る情報転送が一時中断されると、再度、どのフローを送出するか選択し、該選択されたフローに対応した情報転送のための光通話路を設定するようにしてもよい。
【0149】
この様に、各フローのメッセージを予め定められた条件が満足するまで一旦保持し、その保持されたメッセージをまとめてスイッチング処理する本実施形態のメッセージ中継装置101の場合、ある光リングアクセス部2804−xの入り口で、複数の光リングアクセス部2804−y、…、zからの情報転送要求が衝突し、本実施形態のメッセージ中継装置101の全体スループットが劣化する可能性がある。これは従来の電気回路によるパケットスイッチ素子における、スループット劣化の最大要因であるHOL(Head Of Line)ブロッキングに類する。本実施形態のメッセージ中継装置101でも、従来の電気回路によるパケットスイッチング素子同様、その内部の情報転送経路は大局的なスケジューリングを受けないメッセージの到着によって制御されており、該到着するメッセージの宛先が他のメッセージとは無関係に選択されていることから、HOLブロッキングが発生する。
【0150】
このHOLブロッキングを緩和するためには、本実施形態のメッセージ中継装置101においては、図35に示すように、ひとつの光リング2802−xにおいて各インタフェース基板2801−xが同時に複数の波長受信できる構成となっているのが効果的である。図35では、デフォルトチャネルの受信側の波長割当機能3502−yが、同時にふたつの光通話路3505−1,3505−2を設定することが可能である様子が示されている。これにより、同時にふたつのインタフェース基板からのトラフィックをバイパスチャネルを経由して受信することが可能になり、HOLブロッキングが緩和できる。図35に示した構成の場合、それぞれのバイパスチャネルに対応して、受信バッファ3503−1,2が設けられている。それぞれの受信バッファ3503−1,2に保持された情報は、該光リングアクセス部2804−yに接続されたフローマッピング部(図示せず)により読み出され、所定の処理を受けた後、本実施形態のメッセージ中継装置101の外部へと送出される。
【0151】
上で述べたようにバイパスチャネルを設定することにすると、それぞれのインタフェース基板2801−iへのメッセージの到着の様子によって、バイパスチャネルが動的に設定されることになる。図36に、この様子の一例を示している。T=T1と名づけた図が、ある時刻T1における、本実施形態のメッセージ中継装置101における、バイパスチャネルの設定状況を示しており、T=T2と名づけたものが、別の時刻T2におけるバイパスチャネルの設定状況を示している。T=T1においては、光リングアクセス部2803−1から波長λ1を用いて光リングアクセス部2803−4へと、光リングアクセス部2803−2から波長λ2を用いて光リングアクセス部2803−6へと、光リングアクセス部2803−3から波長λ3を用いて光リングアクセス部2803−2へと、光リングアクセス部2803−4から波長λ1を用いて光リングアクセス部2803−1へと、光リングアクセス部2803−5から波長λ4を用いて光リングアクセス部2803−3へと、それぞれバイパスチャネルが設定されている。
【0152】
ここで述べている例では、光リングアクセス部2803−iの配下を、光信号のまま通過するバイパスチャネルが存在する。これは、以降詳細に述べる様に、光スイッチング技術によって実現されるが、これによって、電気回路で実現されたスイッチング素子では実現できないスループットを各光リングアクセス部2803−iが持つことができるようになる。これによって、本実施形態のメッセージ中継装置101の全体スループットを非常に高く保ちつつ、リングトポロジーという、他のインタフェース基板2801−xが送出したメッセージが送出先のインタフェース基板2801−y以外のインタフェース基板を経由するという性質を持つ、ブロードキャスト、マルチキャストを実現するという観点で非常に有利なトポロジーを装置内部で採用することが可能になる。従来技術である電気回路によるスイッチング素子を採用した場合、電気回路により提供可能なスループットが小さいことから、ブロードキャスト、マルチキャストを行うことが要求される局面であってもリングトポロジは採用されず、クロスバスイッチといった、送出先のインタフェース基板以外にはメッセージが転送されない利点はあるが、ブロードキャスト、マルチキャストを実現するために非常に複雑な処理を行わなければならず、結果として全体のスループットが劣化してしまうアーキテクチャを採用しなければならなかった。さらに、ここで述べている例では、波長λ1が、同一の光リングで複数回(この例では2回)使用されている。これを波長の再利用と呼ぶが、この様に波長を再利用することにより、光リングのスループットを向上させることができる。波長の再利用が可能なことが、受信波長可変方式の利点のひとつである。
【0153】
その後、スイッチング処理が進展し、各光リングアクセス部2803−1,2,3,4,5が自身が使用していたバイパスチャネルを一旦開放し、別のフロー対応のバイパスチャネルに設定しなおしたのが時刻T2の状態である。この様に、時々刻々と変化する流入トラフィックに対応して柔軟に内部にバイパスチャネルを設定可能であることが、本実施形態のメッセージ中継装置101の大きな特徴であり、この様に時々刻々と変化するバーストチャネルを実現するために光バーストスイッチング技術が適用される。T=T2においては、光リングアクセス部2803−1から波長λ3を用いて光リングアクセス部2803−4へと、光リングアクセス部2803−2から波長λ4を用いて光リングアクセス部2803−4と2803−6へと、光リングアクセス部2803−3から波長λ3を用いて光リングアクセス部2803−6へと、光リングアクセス部2803−6から波長λ1を用いて2803−3へと、それぞれバイパスチャネルが設定されている。ここでは、上述のリングトポロジの利点を活用して、マルチキャストを実現するバイパスチャネルが設定されている。なお、光リングアクセス部2803−4の内部に破線でλ4の信号の入力からλ4の出力に矢印が示されているが、これは、λ4で入力されてきた光信号を一旦電気信号に変換した後、直ちに再度λ4の光信号に変換して出力する、後ほど詳細に述べる本発明の一構成例の場合のマルチキャストの方式を示している。さらに、ここで述べている例では、光リングアクセス部2803−4が、同時にふたつのバイパスチャネルの光信号を受信している。
【0154】
なお、図35に示したバイパスチャネルの概念的構成は、受信波長可変方式を適用した場合であったが、受信波長固定方式を適用した場合のバイパスチャネルの概念的構成は、上で述べた方法に、以下に述べる変更を加えた物であって良い。即ち、フローの終点側の光リングアクセス部2804−yの波長割当機能3502−yが設定する、デフォルトチャネルとして受信する波長が予め定められている、という変更である。この場合、フローの始点側の波長割当機能3502−xでは、該フローの終点となるインタフェース基板2801−yに割り当てられた波長にて情報を送出するように調整が行われることになる。この場合であっても、フローの始点と終点の光リングアクセス機能2804−x、yが何らかの通信を行うことが好ましい。具体的には、他のインタフェース基板2801−zがフローの終点に向けて情報を送出していないことを確認した後、フローの始点の光リングアクセス機能2804−xが情報の送出を開始する。HOLブロッキングを緩和する目的でひとつのインタフェース基板2801−iが複数のバイパスチャネルを同時に受信可能となるように構成する場合には、それぞれのバイパスチャネルに異なる波長を割り当てれば良い。
【0155】
以上で、本発明の本構成例における、バイパスチャネルにおける通信の原理についての説明を終了する。次に、本構成例における、バイパスチャネルの設定法について、より詳細に説明を加える。
【0156】
図37は、本構成例における、バイパスチャネルの設定手順を示す図である。本構成例においては、あるインタフェース基板2801−xにおいてフローが検出される(ステップ3701)と、まず、該フローに対してフローバッファ3501−iをひとつ選んで割り当てる(ステップ3702)。各インタフェース基板2801−xに実装されたフローバッファ3501−iの個数には限りがあるので、あるフローを検出した段階で、他のフローに対して全てのフローバッファ3501−iが割り当てられた結果、該フローに対してフローバッファの割り当てができない可能性がある。この場合は、該フローに対してバイパスチャネルを割り当てることは諦め、該メッセージは廃棄する(ステップ3703)。なお、ステップ3703で、フローバッファを割り当てられなかったメッセージを廃棄する代わりに、該フローに属するメッセージをデフォルトチャネルに直ちに送出するように構成しても良い。この場合、該メッセージの宛先アドレスをブロードキャストアドレスとして全インタフェース基板2801−iに転送し、それぞれのインタフェース基板2801−iは、該メッセージを構成する情報ビットの一部を検査して、該メッセージを自身が取り込んでルーティング処理装置102−iに送出するか否か決定することで、該メッセージのルーティングが達成される。この方式は、例えばイーサネットの様に、該メッセージが全世界一意なアドレスを宛先として持ち、各インタフェース基板2801−iが、自身が受け取るべきアドレスを自動学習することができる場合に適用可能である。
【0157】
一方、ステップ3702でフローバッファ3501−iの割り当てに成功した場合、該メッセージ及び以降到着する該フローに属するメッセージを、割り当てられたフローバッファ3501−xに格納すると同時に、該フローがたどるべき、本構成例のメッセージ中継装置の内部経路の決定を行う。具体的には、まず、送出先のインタフェース基板2801−xを決定し(ステップ3704)、次に、本構成例の場合、合計で4系統ある光リングのうちのひとつを選択する(ステップ3705)。次に、前記割り当てられたフローバッファ3501−xから順次メッセージの取り出しを開始し、デフォルトチャネルを用いたメッセージ転送(ステップ3706)を行う。なお、この場合は装置内メッセージの宛先アドレスは前記送出先のインタフェース基板2801−xを示す装置内ラベルであり、デフォルトチャネルでのポイント−ポイント通信が行われている。この様に、フローが検出され、該フローの装置内での転送経路の決定が終了した段階からデフォルトチャネルによるメッセージの転送を行うようにすると、光リング上の波長資源不足が原因でバイパスチャネル設定までに要する時間が非常に延びてしまった場合であっても、順次メッセージを所定の送出先に転送することが可能で、個々のメッセージの遅延時間を小さく抑えることができる。デフォルトチャネルでのメッセージ転送を行っている間、以下に述べるイベントが発生するのを待つ。
【0158】
その第1のイベントは、該フローが消滅した、というイベント(ステップ3707)である。このイベントは、前述したように、例えば、フローバッファ3501−xに対応してカウンタ3504−xを設けて該フローに属するメッセージの到着を監視し、予め定められた期間内に該フローに属するメッセージが到着しなかった場合に該フローが消滅したとみなす、といった方法によって検出される。このイベントが発生したなら、該フローに割り当てられたフローバッファや、その他の資源、具体的には後ほど詳細に説明する、本実施形態のメッセージ中継装置101が備える各種テーブルのエントリ、を開放する(ステップ3708)。
【0159】
その第2のイベントは、予め定められた条件であるバイパスチャネル設定条件が成立した(ステップ3709)というイベントである。このイベントは、例えば、以下のような条件が成立した場合に成立したとみなすこととしても良い。即ち、割り当てられたフローバッファ3501−xに保持されるメッセージ量が予め定められたスレシホールドを超えたなら、といった条件である。
【0160】
バイパスチャネル設定条件が成立したなら、該フローに属するメッセージを転送するためのバイパスチャネルを設定する(ステップ3710)。バイパスチャネルの設定に失敗したならデフォルトチャネルでの通信を継続する。バイパスチャネルの設定に成功したなら、次に、デフォルトチャネルでの転送から該設定したバイパスチャネルでの転送に切り替え(ステップ3711)、該バイパスチャネルによるメッセージ転送を行う(ステップ3712)。
【0161】
さて、バイパスチャネルによるメッセージ通信を行なっている最中には、バイパスチャネル開放条件が成立する、というイベントを待っている(ステップ3713)。この条件は、例えば、対応するフローバッファ3501−xが空になった、といった条件であってよい。バイパスチャネル開放条件が成立すると、該バイパスチャネルを開放し(ステップ3714)、該フローのメッセージ転送を以降デフォルトチャネルに戻す。
【0162】
次に、インタフェース基板にてイーサネットを収容する場合について、バイパスチャネル設定時に本構成例のメッセージ中継装置101が行う動作をより詳細に説明する。図38は、バイパスチャネル設定中に発生する、メッセージの転送シーケンスを示す図である。同図には、ルーティング処理装置102−xが本実施形態のメッセージ中継装置101を経由してルーティング処理装置102−yにメッセージを転送する局面が示されている。ルーティング処理装置102−xはインタフェース基板2801−1に接続され、ルーティング処理装置102−yはインタフェース基板2801−3に接続されている。同図に示すように、本構成例の場合、各インタフェース基板2801−xが経路選択メッセージとバイパスチャネル設定メッセージをデフォルトチャネル上でやりとりすることで、あるフローに属するメッセージを転送するためのバイパスチャネルが設定されてゆく。
【0163】
ルーティング処理装置102−xからメッセージが到着する(ステップ3801)と、インターフェース基板2801−1は、該メッセージが属するべきフローが既に検出され、該フローに対してフローバッファ3501−xが割り当てられているか否かを調べる。該メッセージの属するフローに対してフローバッファ3501−xが割り当てられている場合は、該メッセージに所定の装置内ヘッダを付与した後、該メッセージを該割り当てられたフローバッファ3501−xに書き込む。
【0164】
そうでなければ、図37に示したフローチャートに従い、まず、該フローにフローバッファ3501−xを割り当てる(図37のステップ3702)。到着したメッセージは、該フローバッファに一旦保持しておく。次に、該メッセージの送出先基板を決定する(図37のステップ3702)。ここで説明している構成例では、メッセージの送出先基板の決定は経路選択メッセージを用いて、以下のように行われる。
【0165】
経路選択メッセージは、本構成例のメッセージ中継装置内のみで有為なメッセージで、検出されたフローの、本構成例内の情報転送経路を決定する目的をもつものである。あるインタフェース基板2801−iが、このメッセージをあるリングのデフォルトチャネルに向けて送出し、リング上の各インタフェース基板2801−j、…、kを経由して帰ってくるのを待ち、帰ってきた該メッセージの情報部を参照することで、該インタフェース基板2801−iが収容しているプロトコルのアドレス(ここの例ではイーサネットアドレス)に対応するインタフェース基板2801−xに本装置内部で付与された装置内ラベルと、該アドレスによって指定されたインタフェース基板までのリング上での距離、即ちホップ数、とを知ることができる。
【0166】
本構成例では、装置内の経路が時計周り、もしくは反時計周りのリングを構成しているので、ある基板から、所望の基板に向かうのに選択すべき経路が2系統、時計周りの経路か、反時計周りの経路か、が存在している。前述した様に、これらふたつの経路のうちから、実際にバイパスチャネルを設定する経路を決定する。本構成例にあっては、経路を選択する手がかりとして最も重要な情報は宛先のインタフェース基板までのホップ数である。ホップ数の小さな経路を選択することで、本構成例の場合、それぞれのメッセージが消費する光リング上の帯域を小さく抑えることができ、本構成例の全体スループットを向上させることができる。どちらの経路がホップ数がより小さいかを計測する目的で、経路選択メッセージは、それぞれの経路に対して送出される。
【0167】
図38において、ステップ3802,3803,3804,3805で示されているのが時計周りの経路で各インタフェース基板2801−xを巡回する経路選択メッセージ、ステップ3806、3807、3808、3809で示されているのが反時計周りの経路で各インタフェース基板2801−xを巡回する経路選択メッセージ、をそれぞれ示している。経路選択メッセージを送出したインタフェース基板(図38に示した例ではインタフェース基板2801−1)戻ってくると、該経路選択メッセージは、経路選択に必要な情報、本構成例ではメッセージの宛先のインタフェース基板までのホップ数、を含んでいる。
【0168】
経路選択メッセージによるホップ数計測、及び、プロトコルのアドレスによって指定されたインタフェース基板2801−xで付与される装置内ラベルの収集を行うための各インタフェース基板2801−iの動作は以下のようである。図39は、時計回り経路における経路選択メッセージの動作を説明する図、図40は、半時計回り経路における経路選択メッセージの動作を説明する図である。図39、40の、3901,3902,3903,3904,3905,3906,4001,4002,4003,4004,4005,4006と符号を付けた部位が、該経路選択メッセージに含まれる情報を示した図である。なお、これらの符号は経路選択が実行される順序も同時に示している。
【0169】
これらの図に示されるように、あるメッセージが経路選択メッセージであることは、装置内ヘッダの種別フィールドで示されている。また、該メッセージの情報部に含まれる情報がイーサネットプロトコルに関連するものであることは、装置内ヘッダのプロトコルフィールドで示されている。また、装置内ヘッダの送出元フィールドには、該メッセージを送出したインタフェース基板、これらの図で示した例の場合はインタフェース基板2801−1、で該経路選択メッセージによってその経路を選択しようとしているフローに与えられた装置内ラベルが含められている。該装置内ラベルの基板番号は該インタフェース基板の基板番号、物理リンク番号はフローが入力されてくる物理リンクの物理リンク番号である。また、論理パス番号は、該インタフェース基板によって作成されたものが書き込まれる。論理パス番号は、収容するプロトコル及び選択したフロー定義情報によってその作成方法が異なるが、収容するプロトコルがイーサネットで、フロー定義情報をイーサネットフレーム中の宛先イーサネットアドレスとすれば、上で割り当てたフローバッファに割り当てられた識別子、バッファ番号であってよい。装置内ヘッダの宛先フィールドはリング上巡回アドレスである。一方、経路選択メッセージの情報部には、フローの終点を示す、該インタフェース基板2801−xが収容しているプロトコルのアドレス、この場合はイーサネットアドレスと、該イーサネットアドレスを持つ物理リンクを示す装置内ラベルと、該物理リンクに至るまでのホップ数とが含まれている。なお、この図では、図が煩雑になるのを防ぐため、装置内ラベルとして、特に該装置内ラベル中の基板番号のみを示している。
【0170】
以降、図39を参照しつつ、さらに説明を進める。送出先基板が決定されていないフローに属するメッセージを受信すると、インタフェース基板2801−1は、3901と符号がついた部位で示した情報を持つ経路選択メッセージを作成し、まず、時計周りのリングのうちのどれかを選択し、デフォルトチャネルを経由してリング上で隣接するインタフェース基板、この場合はインタフェース基板2801−2に送出する(ステップ3901)。この時、送出先L2アドレスフィールドには、ルーティング処理装置102−xから到着したメッセージのイーサネットヘッダの送出先アドレスの値、この例ではxxx、が書き込まれている。また、このメッセージによって選られる情報を書き込むフィールドである、情報部のホップ数は0、送出先装置内ラベルはUNKNOWNにそれぞれ設定されている。ここで、UNKNOWNとは、まだ情報が得られていないことを示している。
【0171】
該経路選択メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドがリング上巡回なので、該メッセージを受け取ったインタフェース基板、この場合はインタフェース基板2801−2は、該メッセージを引き抜き、以下の処理を加える。
【0172】
まず、該メッセージの装置内ヘッダの送出元フィールドの基板番号と、自身の基板番号を比較する。もし一致していたなら、該メッセージは、自身が送出したメッセージであり、該メッセージの情報部には該インタフェース基板が要求している、経路に関する情報が含まれている。この情報を用いて、本構成例で要請されるメッセージ転送に係る処理を進める。一方、もし、一致していなければ、以下の処理を加え、再度、該メッセージを入力されてきたリングと同じ方向に回るリングのデフォルトチャネルに挿入する。
【0173】
まず、該メッセージの情報部の送出先装置内ラベルの値を確認する。もしUNKNOWNでなければ、既に、該メッセージに含まれた送出先L2アドレスを持つ基板を、該メッセージが通過してきている。この場合は、何もせずに、該メッセージを所定のデフォルトチャネルに挿入する。
【0174】
一方、もしUNKNOWNならば、まだ送出先L2アドレスを持つ基板を経由してきていない。この場合は、次に、該メッセージの情報部に書かれた送出先L2アドレスと、自身に接続された機器が持つL2アドレスとを比較する。もし、自身に接続された機器が持つL2アドレスが、情報部に書かれた送出先L2アドレスと一致したなら、自分が該メッセージによって検索されている送出先である。この場合は、送出先装置内ラベルフィールドに、自身の基板番号と、必要に応じて、該L2アドレスを持つ機器が接続されている物理リンク番号、および自身が作成した論理パス番号とを書き込んで、該メッセージを入力されてきたのと同じリングのデフォルトチャネルに挿入する。一方、もし、自身が接続された機器が持つL2アドレスが、情報部に書かれた送出先L2アドレスと一致しないなら、ホップ数フィールドの値に1を加えて再度ホップ数フィールドに書き込み、該メッセージが入力されてきたのと同じリングのデフォルトチャネルに挿入する。
【0175】
ここで、各インタフェース基板2801−xが、自身に接続された機器の持つL2アドレスを知るためには、例えば、各インタフェース基板2801−xにおいて受信されるメッセージのイーサネットヘッダに含まれる、送出元イーサネットアドレスを抽出する。
【0176】
以上の動作をリング上の各インタフェース基板2801−xが行った結果、図39に示すように、インタフェース基板2801−1から送出された経路選択メッセージが、時計周りのリングに沿って各インタフェース基板を経由し、インタフェース基板2801−1に戻ってくる。図39に示した例では、送出先L2アドレスxxxを持つ機器は、インタフェース基板2801−5上に接続されているものとしている。インタフェース基板2801−5に至るまでに経由するインタフェース基板2801−2,3,4では、それぞれ、該経路選択メッセージのホップ数フィールドの値がプラス1されて送出され(ステップ3902,3903,3904)、インタフェース基板2801−5では送出先装置内ラベルにインタフェース基板2801−5の基板番号が書き込まれ(ステップ3905)、インタフェース基板2801−6では何も処理されずに再度デフォルトチャネルに送出されている(ステップ3906)。これによって、インタフェース基板2801−1に該メッセージが戻ってきたときには、該メッセージの情報部に、送出先L2アドレスxxxのインタフェース基板の装置内ラベルと、該インタフェース基板に至るまでのリング上のホップ数が書き込まれている。
【0177】
同様のことが、次に、反時計周りのリング上でも行われる。図40に示すように、インタフェース基板2801−1が経路選択メッセージを送出する(ステップ4001)と、該経路選択メッセージは、上述のアルゴリズムに従って各インタフェース基板で処理を受けながら、反時計周りのリングに沿って転送され、インタフェース基板2801−1に戻ってくる。図39に示した例と同様、図40で示した例でも、送出先L2アドレスxxxを持つ機器は、インタフェース基板2801−5上に接続されているものとしている。インタフェース基板2801−5に至るまでに経由するインタフェース基板2801−6では、該経路選択メッセージのホップ数フィールドの値がプラス1されて送出され(ステップ4002)、インタフェース基板2801−5では送出先装置内ラベルにインタフェース基板2801−5の基板番号が書き込まれる(ステップ4003)。
【0178】
ここで、図39に示した手順で、現在処理中のフローに対しては該インタフェース基板2801−5の論理パス番号を既に作成しているので、新たに論理パス番号を作成することはせず、図39に示した手順で作成した論理パス番号を書き込む。これは、それぞれのインタフェース基板2801−iで、フローの終点に対して割り当てた論理パス番号を、該フローの始点の装置内ラベルから知ることができるテーブルを保持しておき、必要に応じて該テーブルを参照することで達成することができる。
【0179】
その後、インタフェース基板2801−4,2801−3,2801−2では何も処理されずに再度デフォルトチャネルに送出されている(ステップ4004,4005,4006)。これによって、図39に示した場合と同様、インタフェース基板2801−1に該メッセージが戻ってきたときには、該メッセージの情報部に、送出先L2アドレスxxxのインタフェース基板の装置内ラベルと、該インタフェース基板に至るまでのリング上のホップ数が書き込まれている。
【0180】
時計周りのリングでの経路選択メッセージの処理結果得られるホップ数と、反時計周りのリングでの経路選択メッセージの処理結果得られるホップ数を比較すると、インタフェース基板2801−xは、どちらの経路の方が、少ないホップ数である装置内ラベルを持つインタフェース基板に至ることができるかを知ることができる。この結果は、本構成例では、各インタフェース基板2801−xに設けられる装置内経路情報テーブル4101と呼ばれるテーブルに保持される。
【0181】
図41に装置内経路情報テーブル4101のフォーマットを示す。装置内経路情報テーブル4101は、装置内ラベルで参照可能なテーブルで、それぞれのエントリには、少なくとも、経路を選択する場合に優先度を高くして選択する経路を示すプライマリ経路フィールドと、該装置内ラベルが付与されたフローが現在実際に転送されている光リングを示す選択経路フィールドと、現在対応するフローがデフォルトチャネルにより転送されているか、バイパスチャネルにより転送されているか否かを示す選択チャネルフィールドと、が含まれている。プライマリ経路フィールドには、上記経路選択処理の結果として得られたホップ数を比較し、より短い経路で到着することのできる方向(時計周り、反時計周り)を示す情報が書き込まれる。リング型トポロジを適用した場合、短い経路を選択する方が、リング上の情報転送帯域の消費量が少なく、もって、より高いスループットを達成することができる。これを達成するため、より短い経路が達成できる方向をプライマリ経路とする。一方、選択経路フィールドに記載される情報の作成法については、後ほど説明を加える。また、選択チャネルフィールドは、後ほど詳細に述べる方法にて転送を行うチャネルの変化に追従して値が書きかえられるフィールドで、デフォルトチャネルによる通信中はデフォルトチャネルという、バイパスチャネル設定中にはバイパスチャネル設定中という、バイパスチャネル使用可能なときはバイパスチャネルという、値をそれぞれとる。
【0182】
ところで、ルーティング処理装置102−xから102−yへと初めてIPメッセージが転送される時には、所望の宛先レイヤ3アドレスが、どのレイヤ2アドレスに対応づけられているかを調べる、アドレス解決プロトコルがこれらのルーティング処理装置102−x、y間で実行される。このアドレス解決プロトコルは、イーサネット上でブロードキャストが容易である事を利用して構成されており、アドレス解決の要求メッセージの宛先アドレスは、該メッセージを到達可能な全ての機器に転送する事を指示するブロードキャストアドレスとなっている。本構成例では、ブロードキャストアドレスをイーサネットヘッダの宛先アドレスに持つメッセージは、以下のように処理される。
【0183】
アドレス解決プロトコルは、アドレス解決要求メッセージを宛先レイヤ3アドレスを持つ機器が存在する可能性のある範囲にブロードキャストし、該アドレス解決要求メッセージを受け取った機器で、該要求メッセージで指定されたレイヤ3アドレスを持つ機器が、該要求メッセージに対するアドレス解決応答メッセージを作成し、該要求を行った機器に該応答メッセージを送付することによって行われる。この時、応答メッセージの送出元レイヤ2アドレスが、要求メッセージを送出した機器が知りたいレイヤ2アドレスである。
【0184】
図42に、本実施形態のメッセージ中継装置101にて接続されたふたつのルーティング処理装置102−x、yの間でアドレス解決プロトコルが実行される場合のメッセージのやりとりの例を示す。同図に示した例の場合、ルーティング処理装置102−xが受け取ったメッセージの宛先レイヤ3アドレスを解析した結果として得られるネクストホップアドレスとして、ルーティング処理装置102−yに付けられたレイヤ3アドレスが得られたこととしている。ルーティング処理装置102−xは、ネクストホップのレイヤ3アドレスが得られると、次に、該ネクストホップのレイヤ3アドレスを持つ機器のレイヤ2アドレスを上述のアドレス解決を行うことにより得ようとする。これを達成するために、ルーティング処理装置102−xは、アドレス解決要求メッセージを送出する(ステップ4201)。
【0185】
該アドレス解決要求メッセージを受信すると、本実施形態のメッセージ中継装置101のインタフェース基板2801−1は、該アドレス解決要求メッセージに装置内ヘッダを付与し、予め定められた条件によってメッセージ中継装置101内部の光リングを選択し、該選択した光リングのデフォルトチャネルに該アドレス解決要求メッセージを送出する(ステップ4202)。このアドレス解決要求メッセージの宛先レイヤ2アドレスは予め定められたイーサネットのブロードキャストアドレスである。イーサネットを収容するインタフェース基板2801−iのフローマッピング部2804−iでは、宛先レイヤ2アドレスとしてブロードキャストアドレスを持つメッセージに付与する装置内ヘッダの宛先フィールドに対して、本実施形態のメッセージ中継装置101内部で定められたブロードキャストアドレスを与えることとし、またフローバッファ3501−iの割り当てを行わずに直ちにデフォルトチャネルに該メッセージを送出することとする。また、装置内ヘッダの送出元フィールドには、前述の方式に従い、該インタフェース基板の基板番号を含む装置内ラベルが与えられる。
【0186】
ここで、上述の、アドレス解決要求メッセージを送出する光リングを選択する条件としては、例えば、何らかの方法で測定されたバイパスチャネルの負荷が最も軽い光リングを選択することとしてもよい。ここでは、この結果として、時計周りの方向の光リングが選択されたものとする。
【0187】
ステップ4202の結果として、インタフェース基板2801−2は、デフォルトチャネルから該アドレス解決要求メッセージを受け取る。該メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドはブロードキャストアドレスであるので、前述のアルゴリズムに従い、該アドレス解決要求メッセージを該インタフェース基板2801−2に接続されているルーティング処理装置102−iに送出する(ステップ4203)と共に、光リング上で隣接するインタフェース基板2801−3へとブロードキャストチャネルを用いて送出する(ステップ4204)。ルーティング処理装置102−iに向かう方向では、装置内ヘッダを削除し、イーサネットのアドレス解決要求メッセージとして送出することになる。
【0188】
同様に、インタフェース基板2801−3でも、該アドレス解決要求メッセージを、装置内ヘッダを削除しつつ自身が収容しているルーティング処理装置102−yへと送出する(ステップ4205)と共に、光リング上で隣接する次のインタフェース基板2801−iへと送出する(ステップ4206)。これを該光リング上の各インタフェース基板が行うことによって、該メッセージは光リングを一周し、最後に、インタフェース基板2801−1に戻ってくる(ステップ4207)。該アドレス解決要求メッセージの送出元アドレスとして、該インタフェース基板2801−1の基板番号が付与されているので、前述のアルゴリズムに従い、該メッセージはここで廃棄される。ここまでで、本メッセージ中継装置101で接続される全ての機器に該アドレス解決要求メッセージが転送されたことになり、アドレス解決要求メッセージを処理するために必要な機能が達成されたことになる。
【0189】
ルーティング処理装置102−yは、前記アドレス解決要求メッセージを受け取ると、自身が参照されていることを知り、該メッセージへの応答として、アドレス解決応答メッセージを作成し、メッセージ中継装置101のインタフェース基板2801−3へと渡す(ステップ4208)。インタフェース基板2801−3では、該アドレス解決応答メッセージのイーサネットのレイヤ2ヘッダ部分の宛先アドレス等を用いて、図37に示した一連の処理を実行し、該アドレス解決要求メッセージをインタフェース基板2801−1へと返す(ステップ4209,4210)。ここで、アドレス解決応答メッセージが転送されるのは、デフォルトチャネルでもかまわないし、バイパスチャネルでもかまわない。アドレス解決応答メッセージが受信された時の、インタフェース基板2801−3の状態によって選択される。
【0190】
該アドレス解決要求メッセージを受け取ると、インタフェース基板2801−1は、基板内ヘッダを削除し、ルーティング処理装置102−xに該メッセージを渡す(ステップ4211)。以上で、アドレス解決プロトコル実行に係る一連のメッセージのやりとりが終了する。
【0191】
アドレス解決要求メッセージを転送する際の、本構成例のメッセージ中継装置の内部動作を図43に示す。同図には、インタフェース基板2801−1がアドレス解決要求メッセージを受け取った場合に行われる、メッセージ中継装置内部でのメッセージのやりとりが示されている。4301,4302,4303,4304,4305,4306と符号が付けられた部位が、アドレス解決要求メッセージが内部で転送される際の装置内メッセージのフォーマットを示している。アドレス要求メッセージを転送する装置内メッセージは、ルーティング処理装置102−xから渡されたアドレス解決要求メッセージに装置内ヘッダを付加した形式である。装置内ヘッダの種別フィールドには、該メッセージがユーザ情報を運び、本メッセージ中継装置の内部動作を制御するものでないことを示す情報が書き込まれている。同図では、この情報をユーザデータと表記している。また、プロトコルフィールドには該装置内メッセージの情報部がイーサネットプロトコルに関連するものであることが示されている。さらに、装置内ヘッダの宛先フィールドには、装置内メッセージに含まれているアドレス解決要求メッセージの宛先アドレスがブロードキャストアドレスであることに対応して、装置内ラベルのブロードキャストアドレスが書き込まれ、送出元フィールドには該メッセージを送出したインタフェース基板の装置内ラベルが書かれている。なお、この図でも、図39と同様、図が煩雑になるのを防ぐため、特に装置内ラベル中の基板番号のみを示している。
【0192】
インタフェース基板2801−1がアドレス解決要求メッセージを受け取ると、同図に示されたような装置内メッセージを作成し、上述の方法で選択された光リングのデフォルトチャネルに挿入する(ステップ4301)。装置内ヘッダの宛先フィールドがブロードキャストアドレスであることから、このメッセージは、前述のように、各インタフェース基板2801−2,3,4,5,6を経由しインタフェース基板2801−1に戻ってくる(ステップ4302,4303,4304,4305,4306)。この時、それぞれのインタフェース基板で該メッセージがコピーされ、該インタフェース基板に接続されている機器に対して渡される。
【0193】
再度図38に戻り、本構成例でのメッセージ転送シーケンスに関する説明を進める。経路選択メッセージによって該フローの装置内経路が決定されると、ルーティング処理装置102−xから到着したメッセージは、インタフェース基板2801−1からデフォルトチャネルを用いて所望のインタフェース基板2801−3へと転送され(ステップ3810,3811)、インタフェース基板3において装置内ヘッダが削除され、所望のルーティング装置102−yへと転送される(ステップ3812)。ところで、前述の経路選択手法に従うと、決定されているのはそのメッセージを流すべき方向(時計周りもしくは反時計周り)だけで、インタフェース基板2801−1に接続されたリング(本構成例では時計周り2系統、反時計周り2系統の計4系統)の内、どのリングを使用するかはまだ決定されていない。どのリングを使用するかは、このデフォルトチャネルを用いたメッセージ転送の開始時に、例えば、予め定められた方法で測定したデフォルトチャネルの負荷が最も軽いものを選択する、といった方法で、決定されることとしても良い。ここで決定されたリングを示す情報が、装置内経路情報テーブル4101の選択経路フィールドに書き込まれ、以降のデフォルトチャネルを用いたメッセージ転送時に同じリングのデフォルトチャネルを使用するようにするのが、メッセージ到着順をなるべく変えないという観点から望ましい。
【0194】
ところで、この局面で使用される装置内メッセージのフォーマットは以下の通りである。装置内メッセージの情報フィールドには、転送するべきメッセージが入る。一方、装置内メッセージの装置内ヘッダの種別フィールドにはユーザデータであることを示す情報が、プロトコルフィールドには該メッセージがイーサネットプロトコルに関連するものであることを示す情報がそれぞれ記入される。さらに、装置内ヘッダの宛先フィールドには転送するべきメッセージの解析結果としての該メッセージの属するフローを示す装置内ラベル(本構成例の場合、装置内ラベルには装置内での経路情報も含まれているが)が、一方でその送出元フィールドには該メッセージを受信したインタフェース基板2801−1を示す装置内ラベルが、それぞれ記入される。
【0195】
デフォルトチャネルの帯域は、各インタフェース基板2801−iによって共有されており、ひとつのインタフェース基板2801−xが占有できるわけではない。従って、到着したメッセージを順次デフォルトチャネルを用いて所定のインタフェース基板2801−yに転送していたとしても、ルーティング処理装置102−xから到着するメッセージ量が増加すると(ステップ3813,3814)、該フローに割り当てられたフローバッファ3501−zに保持されるメッセージ量が増加してゆく。この結果、到着メッセージ量が増加した状態が保たれるならば、前述のバイパスチャネル設定条件である、フローバッファ3501−zに保持されたメッセージ量がスレシホールド値を超える、という条件が成立する。このイベントが発生すると(図37のステップ3709)、装置内部でバイパスチャネルを設定する(図37のステップ3710)。これは、本構成例の場合、以下のように行われる。
【0196】
本構成例の場合、バイパスチャネルの設定とは、具体的には、受信波長可変方式の場合はフローに対して波長を割り当てて、送信端と受信端を該割り当てた波長に同調させること、受信波長固定方式の場合は、該フローの終点であるインタフェース基板2801−3のバイパスチャネル用受信波長が他のインタフェース基板2801−iによって使用されていないことを確認して送信端を該確認した波長に同調させること、である。まず、受信波長可変方式の場合について、詳細にその手法を説明する。
【0197】
それぞれのインタフェース基板2801−xは、自身を起点とするフローに対して波長を割り当てるため、自身の直下を通過している光信号の波長がどの基板に対して割り当てられているのか、常に図44に示す波長割り当てテーブル4401を用いて把握している。波長割り当てテーブル4401は、波長をキーとして検索できるテーブルで、それぞれのエントリには、対応する波長の光信号の送信端のインタフェース基板2801−xの基板番号と、受信端のインタフェース基板2801−yの基板番号がそれぞれ書かれている。新たにフローに対して波長を割り当てる場合、各インタフェース基板2801−iは、このテーブルを参照し、未使用の波長を探し出す。
【0198】
次に、波長を割り当てようとしているインタフェース基板2801−xは、バイパスチャネル設定メッセージを作成して、予め定められた方法によって選択されたリングに向けて送出する。該バイパスチャネル設定メッセージは、図38のステップ3815,3816,3817,3818で示されるように、リング上のインタフェース基板を順次巡回してリングを一周して送出元のインタフェース基板に戻ってくる。該メッセージがリングを一周する間に、該メッセージを受け取ったそれぞれのインタフェース基板が該メッセージの指示に従い、バイパスチャネル設定に必要な種々の操作を実行する。
【0199】
図45,46,47に、本構成例における、バイパスチャネル設定メッセージを用いたバイパスチャネル設定の手順が具体的に示されている。図45,46,47の、4501,4502,4503,4504,4505,4506,4601,4602,4603,4604,4605,4606,4701,4702,4703,4704,4705,4706と符号を付けた部位が、該バイパスチャネル設定メッセージに含まれる情報を示した図である。なお、これらの符号はバイパスチャネル設定が実行される順序も同時に示している。これらの図に示されるように、あるメッセージがバイパスチャネル設定メッセージであることは、装置内ヘッダの種別フィールドで示されている。また、該メッセージの情報部に含まれている情報が、本装置内部のみで有為である情報しか含まないことが、装置内ヘッダのプロトコルフィールドで示されている。同図では、このことを装置内と記述することで示している。一方、該メッセージの宛先フィールドには、このメッセージがリング上で各インタフェース基板2801−xを順次巡回することを示すアドレス、リング上巡回アドレスが、また、該メッセージの送出元フィールドには、該メッセージを送出したインタフェース基板、これらの図で示した例の場合はインタフェース基板2801−1、における、該メッセージでバイパスチャネルを設定しようとしているフローを示す装置内ラベルが、それぞれ含まれている。一方、バイパスチャネル設定メッセージの情報部には、フローの終点のインタフェース基板における、該フローを示す装置内ラベルと、該フローに割り当てる候補となる波長、さらに、該波長をフローに割り当てる手順中の該割り当ての状態を示す予約ステータスと呼ぶ情報、が含まれている。なお、この図では、図が煩雑になるのを防ぐため、装置内ラベルとして、特に該装置内ラベル中の基板番号のみを示している。
【0200】
また、予約ステータスには、処理中、使用可、使用不可、抹消の計4通りの状態がある。さらに、これらの図にあっては、インタフェース基板2801−2が波長λ4を用いてインタフェース基板2801−4、2801−6に向けて、インタフェース基板2801−3が波長λ2を使用してインタフェース基板2801−6に向けて、インタフェース基板2801−6が波長λ1を用いて2801−3に向けて、それぞれバイパスチャネルを用いてメッセージを転送している間に、インタフェース基板2801−1が、インタフェース基板2801−5に対してメッセージを転送するためのバイパスチャネルを時計周りのリングに設定するために波長を割り当てる時に行われる手順が示されている。
【0201】
以降、図45を参照しつつ、さらに説明を進める。バイパスチャネル設定条件が成立すると、インタフェース基板2801−1は、4501と符号がついた部位で示した情報を持つバイパスチャネル設定メッセージを作成し、予め定められた方法によって選択されたリングのデフォルトチャネルに該メッセージを送出する(ステップ4501)。この時、インタフェース基板2801−1は、自身が持つ波長割り当てテーブル4401を参照し、使われていない波長のうちのひとつを選択し、候補波長として該メッセージの情報部に含ませる。また、装置内経路情報保持テーブル4101の選択チャネルフィールドの値をバイパスチャネル設定中に書き換える。さらに、該波長に対応する波長割り当てテーブル4401のエントリに、該波長を現在用いようとしている送信端のインタフェース基板、この例ではインタフェース基板2801−1、と、受信端のインタフェース基板、この例ではインタフェース基板2801−5、とを記録しておく。上で同図に示した例においては、インタフェース基板2801−1の直下では波長λ2、λ3、λ4が使用されておらず、インタフェース基板2801−1は波長λ2を選択している。
【0202】
該バイパスチャネル設定メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドがリング上巡回なので、該メッセージを受け取ったインタフェース基板、この場合はインタフェース基板2801−2は、該メッセージを引き抜く。各インタフェース基板2801−iは、引き抜いたバイパスチャネル設定メッセージに対して、以下の処理を加える。
【0203】
まず、該メッセージの装置内ヘッダの送出元フィールドの基板番号と、自身の基板番号を比較する。もし一致していたなら、該メッセージは、自身が送出したメッセージであり、もし、予約ステータスの値が使用可となっていれば、該メッセージを送り出したときに候補波長フィールドに書き込んだ波長を使ったバイパスチャネルの設定が完了している。この場合は、送信端を該波長に同調させて、装置内経路情報保持テーブル4101の選択チャネルフィールドの値をバイパスチャネルとし、バイパスチャネルを用いた通信を開始する。一方、予約ステータスの値が使用不可の場合は、該波長はリング上のどこかで使用されており、該波長を用いた通信はできない。この場合は、以降に述べる処理を行って波長の予約の解除を行った後、別の波長やリング上で再度バイパスチャネルの設定を試みても良いし、バイパスチャネルの設定を諦めても良い。
【0204】
もし、装置内ヘッダの送出元フィールドの基板番号と、自身の基板番号が一致していなければ、該メッセージは、各インタフェース基板2801−iを巡回している最中である。この場合は、次に、該メッセージの予約ステータスを参照する。もし、予約ステータスの値が使用不可であれば、該メッセージに書き込まれた波長を自身が既に巡回してきた経路のどこかで使用中であり、該波長を用いたバイパスチャネルによる通信が不可能であることを示している。この事を送信端まで通知するため、何も処理を加えずに、該メッセージが入力されたのと同じリングのデフォルトチャネルに、該メッセージを送出する。また、予約ステータスの値が使用可であれば、送信端から受信端までの経路上での、該メッセージに書き込まれた波長の予約が終了し、該波長を用いたバイパスチャネルによる通信が可能であることを示している。この事を送信端まで通知するため、何も処理を加えずに、該メッセージが入力されたのと同じリングのデフォルトチャネルに、該メッセージを送出する。
【0205】
もし、予約ステータスが処理中であれば、現在各インタフェース基板2801−xを巡回中の該メッセージを用いたバイパスチャネル設定が進行中であることを示している。この場合には、次に、メッセージの予約該メッセージの予約波長フィールドを参照し、該フィールドに記載されている波長が自身の直下で使用中でないか、自身の波長割り当てテーブル4401と照らし合わせる。もし、使用中であれば、該メッセージの予約ステータスを使用不可とし、該メッセージが入力されたのと同じリングのデフォルトチャネルに、該メッセージを送出する。一方、該波長が使用中でなければ、該波長に対応する波長割り当てテーブル4401のエントリを、該メッセージに含まれる情報にて更新する。即ち、該テーブルの、該波長の送信端フィールドは装置内ヘッダの送出元フィールドから、該波長の受信端フィールドは装置メッセージの情報フィールドの送出先装置内ラベルから、それぞれ抽出した基板番号に書き換える。その後、該メッセージの宛先装置内ラベルを参照し、自身の基板番号と比較する。もし、自身の基板番号と一致したなら、自身がフローの終点、受信端である。この場合、この時点で送信端から自身への経路での波長の予約が完了し、バイパスチャネルとして該波長を使用可能となる。これを送信端に通知するため、予約ステータスを使用可に書き換えて、該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに送出する。この時、同時に、自身の受信波長を該メッセージに記載された波長に同調させる。一方、もし、装置内ラベルの基板番号と自身の基板番号が一致していなければ、既に巡回してきた経路での波長予約は終了しているが、これから巡回する経路でもひきつづき波長予約を行わなければならない状態にある。この場合は、該メッセージの書き換えは行わずに、該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに送出する。
【0206】
以上の動作をリング上の各インタフェース基板2801−iが行うことで、リング上でのバイパスチャネルの設定が行われる。図45に示した例では、インタフェース基板2801−1は、インタフェース基板2801−3が現在使用している波長λ2を候補波長としてバイパスチャネル設定メッセージを送出している(ステップ4501)ので、インタフェース基板2801−2では波長割り当てテーブル4401の更新が行われ、デフォルトチャネルへと該メッセージが送出される(ステップ4502)が、インタフェース基板2801−3での該メッセージの処理中に、既に該メッセージで指定している波長λ2が使用中であることが検出され、予約ステータスが使用不可に書きかえられて送出される(ステップ4503)。以降巡回するインタフェース基板2801−4,5,6では、該メッセージは特にこれらのインタフェース基板上での処理のトリガとなることも、該メッセージが書きかえられることもなく、送出元のインタフェース基板2801−1に向けて転送される(ステップ4504,4505,4506)。
【0207】
ステップ4506で、予約ステータスが使用不可となってバイパスチャネル設定メッセージが戻ってきた場合、インタフェース基板2801−1は、次に、該メッセージによって予約されたにも関わらず以降使用されることのない波長に関する各インタフェース基板上での予約、例えばここで述べている例では、インタフェース基板2801−2でのλ2の予約、を抹消する。これを行う時の詳細な動作が図46に示されている。
【0208】
この動作を行うため、フローの起点のインタフェース基板2801−1は、予約ステータスを抹消としたバイパスチャネル設定メッセージを同じリングのデフォルトチャネルに送出する(ステップ4601)。該バイパスチャネル設定メッセージのその他の情報フィールドの値は、前に作成したバイパスチャネル設定メッセージのそれらと同じである。この、予約ステータスを抹消としたバイパスチャネル設定メッセージを受け取ったインタフェース基板2801−xは以下の動作を行う。該メッセージの装置内ヘッダの送出元フィールドに書かれた基板番号と該メッセージの情報部に書かれた宛先装置内ラベルの基板番号を抽出し、該メッセージの情報部に書かれた候補波長の値をキーとして波長割り当てテーブル4401にアクセスした結果得られる送信端と受信端に関する情報と比較する。両方が一致すれば、これは、前のメッセージで予約された、実際には使用されない波長に関する予約情報であるので、該エントリの送信端と受信端フィールドの値を未使用を示す値に書き換える。その後、該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに送出する。
【0209】
以上の動作をリング上の各インタフェース基板2801−xが行う結果、該予約ステータスが抹消であるバイパスチャネル設定メッセージが、リング上で各インタフェース基板2801−xを巡回しながら(ステップ4602,4603,4604,4605,4606)、リング上の経路の一部で行われた不必要な予約を抹消することになる。図46に示した例では、インタフェース基板2801−2で行われた波長λ2に関する予約が抹消されることになる。なお、この、予約ステータスが抹消であるバイパスチャネル設定メッセージによって行われる一連の動作は、図37で示した、バイパスチャネル開放条件が成立(ステップ3713)した後行われるバイパスチャネル開放(ステップ3714)を実現するためにも使用可能である。
【0210】
波長予約情報の抹消が終了すると、次に、インタフェース基板2801−1は、自身が使用していない別の波長やリングを選択し、再度バイパス設定を行うことを試みても良い。図47は、インタフェース基板2801−1が別の波長としてλ3を選択して再度バイパス設定を行った場合の動作を示している。図46に示した最初の試行の場合と同様、インタフェース基板2801−1は、所定のバイパスチャネル設定メッセージを作成し、選択したリングのデフォルトチャネルへと該メッセージを送出する(ステップ4701)。この場合は、受信先であるインタフェース基板2801−5にいたるまでの経路で波長λ3は使用されていないので、予約ステータスが処理中のまま該メッセージはインタフェース基板2801−2,3,4を経由し(ステップ4702,4703,4704)、インタフェース基板2801−5に至る。これらのインタフェース基板を該メッセージが巡回している間、それぞれのインタフェース基板上では、波長λ3の予約が行われる。その後、インタフェース基板2801−5では、該メッセージの宛先装置内ラベルの基板番号と自身の基板番号が一致するので、波長λ3の予約を行い、該インタフェース基板2801−5がバイパスチャネルとして受信する波長をλ3に同調させて、予約ステータスを使用可に書き換えたバイパスチャネル設定メッセージを送出する(ステップ4705)。このメッセージは、インタフェース基板2801−6を経由してインタフェース基板2801−1に転送される(ステップ4706)。これで、バイパスチャネルの設定が成功裏に完了したことがインタフェース基板2801−1に通知されたことになる。この後、インタフェース基板2801−1では、バイパスチャネルとして送出する波長をλ3に同調させ、バイパスチャネルを用いた通信を開始する(ステップ4707)。
【0211】
再度図37、図38に戻れば、図47でのステップ4707での状態が、図37のステップ3712、及び、図38のステップ3819,3820,3821、バイパスチャネルを用いたルーティング処理装置102−xから102−yへのメッセージ転送に相当している。この状態に移行する際、今までデフォルトチャネルで行われていたメッセージ転送をバイパスチャネルでのメッセージ転送へと切り替える必要がある(図37のステップ3711)。これを行う際には、バイパスチャネルの設定を行う(図37のステップ3710)前に、デフォルトチャネルへの当該フローに属するメッセージの送出を一時停止しておき、また、バイパスチャネル設定のための初めての試行は、該フローのデフォルトチャネルを用いた転送を行う際に選択したリング上で行うのが望ましい。これは、以下の理由による。
【0212】
以降説明する詳細な構成例に従えば、同一のインタフェース基板2801−xからデフォルトチャネルに送出されたユーザメッセージがバイパスチャネル設定メッセージを追い抜くことはあっても、バイパスチャネル設定メッセージがユーザメッセージを追い抜くことはない。このため、バイパスチャネル設定メッセージがフローの送出元のインタフェース基板から送出され該リングを一周して戻ってくるまでに、デフォルトチャネルでのユーザメッセージの転送を終了させることができる。この結果として、バイパスチャネルによるメッセージ転送開始時に当該フローのメッセージ到着順が逆転、即ち先に送出したデフォルトチャネル上のメッセージが、後から送出したバイパスチャネル上のメッセージよりも後から到着すること、を防ぐことができる。これによって、上位のプロトコルとしてTCPを使用している場合に問題となる、メッセージ到着順の逆転によるTCPセッション間スループットの劣化を防ぐことができる。なお、デフォルトチャネルへの当該フローに属するメッセージ送出の一時停止は、装置内経路情報保持テーブル4101の選択チャネルフィールドの値がバイパスチャネル設定中である期間中に行われる。
【0213】
以上で、受信波長可変方式の場合のバイパスチャネル設定の詳細手順に関する説明を終了する。次に、受信波長固定方式の場合について、バイパスチャネル設定の手順を説明する。
【0214】
受信波長固定方式の場合は、それぞれのインタフェース基板2801−xがバイパスチャネルとして受信可能な波長が固定されている。そこで、上述のバイパスチャネル設定メッセージによる手順で、該受信可能な波長を問い合わせることとすればバイパスチャネル設定が可能になる。
【0215】
図77に、この場合の詳細な手順を示す。この図で示した例においては、インタフェース基板2801−2がインタフェース基板2801−4とインタフェース基板2801−1に向けて、インタフェース基板2801−3がインタフェース基板2801−6に向けて、インタフェース基板2801−6が2801−3に向けて、それぞれバイパスチャネルを使用してメッセージを送出している間に、インタフェース基板2801−1が、インタフェース基板2801−5に対してメッセージを転送するためのバイパスチャネルを時計周りのリングに設定する時に行われる手順が示されている。同図に示した例では、それぞれのインタフェース基板2801−iでは受信波長固定方式が採用されており、それぞれのインタフェース基板がバイパスチャネルとして受信できる波長は固定されている。同図では、インタフェース基板2801−1は波長λ1を、インタフェース基板2801−2は波長λ2を、インタフェース基板2801−3は波長λ3を、インタフェース基板2801−4は波長λ4を、インタフェース基板2801−5は波長λ5を、インタフェース基板2801−6は波長λ6を、それぞれ受信できるものとする。また、インタフェース基板2801−2からインタフェース基板2801−4とインタフェース基板2801−1へのメッセージ転送では、インタフェース基板2801−4において、受信した光信号λ4をインタフェース基板2801−1の受信波長λ1へと変換している。また、同図において、7701,7702,7703,7704,7705,7706と符号を付けた部位が、この場合に該バイパスチャネル設定メッセージに含まれる情報を示した図である。なお、これらの符号はバイパスチャネル設定が実行される順序も同時に示している。フローの起点のインタフェース基板2801−1からの送出時に、宛先装置内ラベルで指定された基板が受信可能である波長の問い合わせを可能とするべく、候補波長フィールドの値がUNKNOWNであるのが、固定波長受信方式の場合の、図45、図47で示された可変波長受信方式の場合と比べた、バイパスチャネル設定メッセージのフォーマットの違いである。
【0216】
以降、図77を参照しつつ、さらに固定波長受信方式の場合のバイパスチャネル設定手順について、さらに説明を加える。バイパスチャネル設定条件が成立すると、インタフェース基板2801−1は、7701と符号がついた部位で示した情報を持つバイパスチャネル設定メッセージを作成し、上述の方法によって選択されたリングのデフォルトチャネルに該メッセージを送出する(ステップ7701)。この時の候補波長フィールドの値は、上述したようにUNKNOWNである。
【0217】
該バイパスチャネル設定メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドが順次巡回なので、該メッセージを受け取ったインタフェース基板、この場合はインタフェース基板2801−2は、該メッセージを引き抜く。各インタフェース基板2801−xは、引き抜いたバイパスチャネル設定メッセージに対して、以下の処理を加える。
【0218】
まず、該メッセージの装置内ヘッダの送出元フィールドの基板番号と、自身の基板番号を比較する。もし一致していたなら、該メッセージは、自身が送出したメッセージであり、もし、予約ステータスの値が使用可となっていれば、該メッセージの候補波長フィールドに書き込まれた波長を使ったバイパスチャネルの設定が完了している。この場合は、送信端を該波長に同調させて、バイパスチャネルを用いた通信を開始する。一方、予約ステータスの値が使用不可の場合は、該波長はリング上のどこかで使用されており、該波長を用いた通信はできない。この場合は、別のリング上で再度バイパスチャネルの設定を試しても良い。固定波長受信方式の場合、可変波長受信方式の場合と異なり、同一リングで他の波長についてバイパスチャネル設定を再試行することはできない。
【0219】
もし、装置内ヘッダの送出元フィールドの基板番号と、自身の基板番号が一致していなければ、該メッセージは、各インタフェース基板2801−xを巡回している最中である。この場合は、次に、該メッセージの予約ステータスを参照する。もし、予約ステータスの値が使用不可であれば、該メッセージの情報部の宛先装置内ラベルに書き込まれたインタフェース基板に対して、自身が既に巡回してきた経路のどこかでバイパスチャネルを用いた通信が継続中であり、該インタフェース基板に向けたバイパスチャネルによる通信が不可能であることを示している。この事を該メッセージの送出元まで通知するため、何も処理を加えずに、該メッセージが入力されたのと同じリングのデフォルトチャネルに、該メッセージを送出する。また、予約ステータスの値が使用可であれば、送出元から受信先へのバイパスチャネルを用いた通信が使用可能な状態にあることを示している。この事を該メッセージの送出元まで通知するため、何も処理を加えずに、該メッセージが入力されたのと同じリングのデフォルトチャネルに、該メッセージを送出する。
【0220】
もし、予約ステータスが処理中であれば、現在各インタフェース基板2801−xを巡回中の該メッセージを用いたバイパスチャネル設定が進行中であることを示している。この場合には、次に、該メッセージの宛先装置内ラベルを参照し、自身の基板番号と比較する。もし、自身の基板番号と一致したなら、自身がフローの終点、受信端である。この場合、もし自身がバイパスチャネルからメッセージを受信していなければ(または、ひとつのインタフェース基板が同時に複数の波長を受信可能の場合は、バイパスチャネル用の波長に空きがあれば)この時点で送信端から自身へのバイパスチャネルを用いた通信が使用可能であることが確認できたことになる。これを送信端に通知するため、自身が受信可能な波長を候補波長フィールドに書き込むと同時に、予約ステータスを使用可に書き換えて、該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに送出する。この時、同時に、自身で、自身の受信波長を送信端の基板に対して割り当てたことを記憶しておく。一方、もし、宛先装置内ラベルの基板番号と自身の基板番号が一致していなければ、該メッセージはまだ受信端のインタフェース基板に到達していない。この場合は、該メッセージの書き換えは行わずに、該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに送出する。
【0221】
以上の動作をリング上の各インタフェース基板2801−iが行うことで、リング上でのデフォルトチャネルの設定が行われる。図77に示した例では、インタフェース基板2801−1が送出した(ステップ7701)バイパスチャネル設定メッセージは、何の処理も受けることなくインタフェース基板2801−5へと転送される(ステップ7702,7703,7704)。該メッセージをインタフェース基板2801−5が受信すると、自身は現在バイパスチャネルを用いたメッセージ受信を行っていないので、該メッセージの候補波長フィールドに自身がバイパスチャネルとして受信可能な波長λ5を書き込み、さらに予約ステータスフィールドを使用可に書き換えて、該バイパスチャネル設定メッセージを送出する(ステップ7705)。このメッセージは、インタフェース基板2801−6を経由してインタフェース基板2801−1に転送される(ステップ7706)。これで、インタフェース基板2801−5に向かうバイパスチャネルが使用可能であることがインタフェース基板2801−1に通知されたことになる。この後、インタフェース基板2801−1では、バイパスチャネルとして送出する波長をλ5に同調させ、バイパスチャネルを用いた通信を開始する(ステップ7707)。
【0222】
バイパスチャネル開放条件が成立(図37のステップ3713)すると、フローの起点のインタフェース基板2801−1は、バイパスチャネルの開放(図37のステップ3714)を行う必要がある。ここで述べている、固定波長受信方式を用いた本構成例の場合、この動作は、該バイパスチャネルを使用するためにフローの終点のインタフェース基板2801−5で行なわれた、該終点の受信波長の起点のインタフェース基板に対する割り当てを解除することに対応する。これを行うときの詳細な動作が図78に示されている。
【0223】
この動作を行うため、フローの起点のインタフェース基板2801−1では、予約ステータスを抹消としたバイパスチャネル設定メッセージを同じリングのデフォルトチャネルに送出する(ステップ7801)。該バイパスチャネル設定メッセージの情報フィールドと、バイパスチャネルの使用開始をフローの始点から終点に向けて通知した、ステップ7701で示したバイパス設定メッセージの情報フィールドの違いは、上記予約ステータスの値と、候補波長フィールドの値である。候補波長フィールドには、現在バイパスチャネルとして使用している波長、λ5がその値として記入されている。その他のフィールドの値は同一である。この、予約ステータスを抹消としたバイパスチャネル設定メッセージを受け取ったインタフェース基板2801−xは以下の動作を行う。該メッセージの情報部に書かれた宛先装置内ラベルの基板番号と、自身の基板番号を比較する。両者が一致すれば、自身が、該メッセージで抹消されるべき波長とフローの起点の対応関係を保持しているので、該対応関係をクリアし、以降のバイパスチャネルを用いた通信に使用可能とする。その後、該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに送出する。
【0224】
以上の動作をリング上の各インタフェース基板2801−xが行う結果、該予約ステータスが抹消であるバイパスチャネル設定メッセージが、リング上でインタフェース基板2801−5に向けて転送され(ステップ7802,7803,7804),インタフェース基板7805で、前記対応関係がクリアされた後インタフェース基板2801−1に向けて再度転送される(ステップ7805,7806)。該メッセージがインタフェース基板2801−1に戻ってきた時点で、バイパスチャネルの開放動作が終了する。
【0225】
以上で、本発明の本構成例における、バイパスチャネルの設定法に関する説明を終了する。
【0226】
以降、本構成例の詳細な構成について図を参照しながら説明する。
【0227】
まず、図48を参照しながら、光リングアクセス部2803−xの概念的構成について説明する。同図に示されるように、光リングアクセス部2803−xは、チャネル選択機能4801、第1の光受信機能4802、宛先チェック機能4803、合流機能4804、第1の光送信機能4805、第2の光受信機能4806、λ割り当て機能4807、光送信機能4808、光スイッチ4809から構成されている。デフォルトチャネルの光信号受信を行うのが第1の光受信機能4802、デフォルトチャネルの光信号送信を行うのが第1の光送信機能4805、バイパスチャネルの光信号受信を行うのが第2の光受信機能4806、バイパスチャネルの光信号送信を行うのが第2の光送信機能4808である。光スイッチ4809にて第2の光受信機能4806に導く光信号の波長と、第2の光受信機能4806が受信する光信号の波長と、第2の光送信機能4808が送信する光信号の波長とは、λ割り当て機能4807からの司令によって変更できる。同図は、受信波長可変方式の場合について示しているが、固定波長受信方式の場合の光リングアクセス部2803−xの概念的構成は、λ割り当て機能4807からの司令で第2の光送信機能4808の送信波長のみ変更でき、光スイッチ4809が第2の光受信機能に導く光信号の波長や、第2の光受信機能4806の受信波長は変更できない構成であってよい。
【0228】
チャネル選択部4801は、フローマッピング部2804−xから受信したそれぞれのメッセージを、該光リングアクセス部2803−xが始点となっている複数のチャネル、デフォルトチャネルとバイパスチャネルのどちらかを選択して転送するとともに、これらのチャネルから受け取ったメッセージをフローマッピング部2804−xへと転送する役割を持つ。また、光スイッチ4809は、光ファイバから入力される複数の光信号を、それらの波長に従って第1の光受信機4802、第2の光受信機4806へと選択的に導くと同時に、第1の光送信機4805、第2の光送信機4808から送出された光信号と、入力された光信号で第1、第2の光受信機へと導かれなかった信号を合流して送出する役割を持つ。
【0229】
本構成例において、デフォルトチャネルの情報伝送路は以下のようにして構成されている。光スイッチ4809は、外部から入力されてきた光信号のうち、デフォルトチャネルに割り当てられた波長の光信号を第1の光受信機能4802へと導く。第1の光受信機能4802は、該光信号をデフォルトチャネル上を流れる装置内メッセージの流れへと変換し、宛先チェック機能4803に渡す。宛先チェック機能4803は、渡されたそれぞれの装置内メッセージを参照し、前述の方法にしたがって該メッセージを分岐するべきか、通過させるべきか、コピーして分岐と通過を同時に行うべきか決定する。その後、分岐すべきメッセージもしくはそのコピーはチャネル選択機能4801へと渡される。一方、通過させるべきメッセージは合流機能4804へと渡される。合流機能4804は、チャネル選択機能4801から渡されるメッセージ流と、宛先チェック機能4803から渡されるメッセージ流とを合流し、第1の光送信機能4805へと渡す。第1の光送信機能4805は、渡されたメッセージ流を所定の波長の光信号に変換し、光スイッチ4809へと渡す。光スイッチ4809は、第1の光送信機能4805から渡された光信号を外部へと送出する。
【0230】
一方、バイパスチャネルの情報伝送路は以下のようにして構成されている。光スイッチは、外部から入力されてきた光信号のうち、λ割り当て機能4807によって指定された(受信波長可変方式)、もしくは予め定められた(受信波長固定方式)波長の光信号を、第2の光受信機能4806へと導く。複数のバイパスチャネルを同時に受信可能な構成の場合は、これら複数のバイパスチャネルに対応した波長の光を同時に第2の光受信機能4806へと導く。第2の光受信機能4806は、該光信号をバイパスチャネル上を流れる装置内メッセージの流れへと変換し、チャネル選択機能4801へと渡す。チャネル選択機能4801は、第2の光受信機能4806から渡されたメッセージ流をフローマッピング部2804−xへと導く。一方、フローマッピング部2804−xから渡されたメッセージ流は、第2の光送信機能4808に渡される。第2の光送信機能4808は、渡されたメッセージ流をλ割り当て機能4807から指定された波長の光信号に変換し、光スイッチ4809に渡す。光スイッチ4809は、第2の光送信機能4808から渡された光信号を外部へと送出する。なお、バイパスチャネルでのマルチキャストは、チャネル選択機能4801からの装置内メッセージの流れの代わりに、第2の光受信機能4806で受信された装置内メッセージの流れを第2の光送信機能4808に直接渡すことにより実現される。
【0231】
上述の光リングアクセス部2803−xの概念的構成を持つインタフェース基板2801−xによって構成された本実施形態のメッセージ中継装置101においては、デフォルトチャネルのブロードキャスト接続、マルチキャスト接続、ポイントポイント接続、及び、バイパスチャネルのマルチキャスト接続、ポイントポイント接続は以下のように実現される。
【0232】
図49は、デフォルトチャネルにおけるブロードキャスト接続の動作を説明する図、図50は、デフォルトチャネルにおけるマルチキャスト接続の動作を説明する図、図51は、デフォルトチャネルにおけるポイントポイント接続の動作を説明する図である。これらの図においては、デフォルトチャネルの情報伝送を実現する機能のみが示されている。
【0233】
一方、図52は、バイパスチャネルにおけるポイントポイント接続の動作を説明する図、図53は、バイパスチャネルにおけるマルチキャスト接続の動作を説明する図である。これらの図においては、バイパスチャネルの情報伝送を実現する機能のみが示されている。
【0234】
まず、図49に示された、デフォルトチャネルにおけるブロードキャスト接続について説明する。図49に示されたデフォルトチャネルにおけるブロードキャスト接続では、そのブロードキャスト接続の開始点はインタフェース基板2801−1となっている。
【0235】
インタフェース基板2801−1の収容している物理リンクのひとつ、もしくは物理リンク中の論理パスのひとつから入力された、ブロードキャストを受けるべきメッセージ、例えばIP通信をイーサネットプロトコル上で行う場合のアドレス解決に係るメッセージ等、は、該インタフェース基板のフローマッピング部、チャネル選択機能、合流機能、第1の光送信機能、光スイッチを経由してインタフェース基板間に設けられた光ファイバへと送出される。フローマッピング部では該メッセージに対して装置内ヘッダが付与されるが、付与される装置内ヘッダの宛先フィールドにはブロードキャストアドレスが書き込まれている。以降、インタフェース基板2801−2,3,4、…では、該メッセージが光スイッチ、第1の光受信機能を経由して宛先チェック機能へと渡される。宛先チェック機能では、該メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドを参照し、該メッセージの処理方法を決定する。この場合は、装置内ヘッダの宛先フィールドにはブロードキャストアドレスが書かれており、この場合は、前述の方式に従って、該メッセージのコピーを作成して該コピーをチャネル選択機能へと送出し、また、入力されたメッセージを合流機能へと渡す。これを光リング上の各インタフェース基板2801−xが実行することで、インタフェース基板2801−xのそれぞれのチャネル選択機能が該ブロードキャストを受けるべきメッセージを受け取ることとなる。
【0236】
本構成例の場合、それぞれのインタフェース基板2801−xが複数の物理リンク、もしくは物理リンク上の論理パスを収容することができることとしている。ブロードキャストを受けるべきメッセージは、これら複数の物理リンクもしくは論理パスに向けて送出される。このために、本構成例では、ブロードキャストを受けるべきメッセージが宛先チェック機能から到着すると、チャネル選択機能にて必要な数だけコピーが作成され、フローマッピング部を経由して全物理リンクもしくは論理パスへと転送されることとしても良い。この場合、さらに、ある物理リンクもしくは論理パスからフローマッピング部を経由してメッセージを受け取った場合、フローマッピング部にて該メッセージがブロードキャストを受けるべきであると認識されたならば、チャネル選択機能にて必要な数だけコピーを作成し、オリジナルのメッセージは合流機能4804へと転送されるけれども、該コピーのメッセージ群はフローマッピング部へと戻し、該フローマッピング部により入力されてきた物理リンクもしくは論理パスを除く全ての物理リンクもしくは論理パスへと転送されることとしてもよい。
【0237】
以上のように各インタフェース基板が動作すると、デフォルトチャネル上にインタフェース基板2801−1から挿入されたブロードキャストを受けるべきメッセージが各インタフェース基板2801−xを順次巡回してインタフェース基板2801−1へと戻ってくる間に、本実施形態のメッセージ中継装置101が収容している全物理リンクもしくは論理パスに向けて該メッセージのコピーが送出されることになる。最後に該メッセージがインタフェース基板2801−1に戻ってくると、該メッセージは光スイッチと第1の光受信機能を経由して宛先チェック機能に渡される。宛先チェック機能は、前述の方法にしたがって該メッセージの装置内ヘッダの送信元フィールドを参照する。送信元フィールドには自身が送出したことが記述されているので、宛先チェック機能は該メッセージを廃棄する。以上で、ひとつのブロードキャストされるべきメッセージがデフォルトチャネルに挿入された時に起こる一連の動作が終了する。
【0238】
次に、図50に示された、デフォルトチャネルにおけるマルチキャスト接続について説明する。その通信パス上での処理手順を説明する前に、本実施形態のメッセージ中継装置101におけるマルチキャスト接続の設定方法について説明する。
【0239】
イーサネットプロトコルの場合、マルチキャスト接続は、以下のように実現されている。上位のプロトコルが、イーサネットに対してマルチキャスト接続を実現するように依頼するとき、該上位のプロトコルが、イーサネットアドレス中のマルチキャストグループアドレスの空間からひとつのアドレスを選択し、さらに、該マルチキャストグループアドレスを持つメッセージが実際に受け取るべき機器を、イーサネットアドレスによる宛先リストとして提供する。この様な情報が与えられると、イーサネットプロトコルの側で、該宛先リストに含まれる機器に対して、該マルチキャストグループアドレスを通知し、それぞれの機器において、該マルチキャストグループアドレスを宛先アドレスとするイーサネットメッセージを受信するよう設定する。つまり、図79に示すような、マルチキャストグループアドレスと、該アドレスを宛先アドレスとするメッセージを受信すべき宛先のリストが上位のプロトコルから与えられる。本実施形態のメッセージ中継装置101においては、イーサネットを収容するインタフェース基板2801−xのフローマッピング部2804−xがこの情報を受け取り、以下のように本メッセージ中継装置101内部を制御する。
【0240】
まず、図79に示すように、マルチキャスト接続の開始点のインタフェース基板2801−xのフローマッピング部2804−xにおいて、イーサネットアドレスのマルチキャストグループアドレスに対して、本実施形態のメッセージ中継装置101内部で使用される装置内ラベル空間中に規定されたマルチキャストグループアドレスのうちのひとつを割り当てる。次に、該イーサネットグループアドレスを持って入ってくるメッセージに付加する装置内ヘッダの宛先フィールドを、該割り当てた装置内ラベルのマルチキャストグループアドレスとするよう自身を設定すると共に、イーサネットアドレスによる宛先リストに含まれるイーサネットアドレスを順次取り出し、前述の経路選択手順によってそれぞれのイーサネットアドレスに対応する装置内ラベルを得、装置内ラベルによる宛先リストを作成する。
【0241】
次に、マルチキャスト接続の開始点のインタフェース基板2801−xは、マルチキャスト接続デフォルトチャネル設定メッセージを作成し、該メッセージをデフォルトチャネルに送出する。このメッセージの装置内ヘッダの宛先アドレスはリング上巡回アドレスであり、このメッセージは各インタフェース基板2801−y、…、zを順次巡回することになる。これにより、本構成例の装置内部で必要なデフォルトチャネル上のマルチキャスト接続の設定を行う。図80に、マルチキャスト接続デフォルトチャネル設定メッセージによる具体的な処理手順を示す。該マルチキャスト接続デフォルトチャネル設定メッセージは、装置内ラベルによるマルチキャストグループアドレスと宛先リストをその情報部に含む。さらに、その情報部に出現順宛先リストも含む。この出現順宛先リストは、宛先となるインタフェース基板2801−a、…、bを指定する装置内ラベルの宛先のリストで、リング上での並びに従った順序で並んだもの、である。この出現順宛先リストは、該マルチキャスト接続デフォルトチャネル設定メッセージが各インタフェース基板2801−y、…、zを巡回している間に順次構築されてゆく。この出現順宛先リストは、以降説明するように、バイパスチャネル上でマルチキャスト接続を設定するために使用される。
【0242】
マルチキャスト接続デフォルトチャネル設定メッセージを受信したインタフェース基板2801−yは、以下の処理を行う。まず、該メッセージの装置内ヘッダの送出元アドレスを参照し、自身が送出したメッセージか否かを調べる。もし、自身が送出したメッセージであれば、デフォルトチャネル上でのマルチキャスト接続の設定が終了している。そうでなければ、次に、該メッセージの情報部に含まれる装置内ラベルによる宛先のリストを参照する。該宛先のリストに自身が含まれていなければ、なにもせずに該メッセージを、受信したのと同じ光リングのデフォルトチャネルに送出する。該宛先のリストに自身が含まれていれば、自身の光リングアクセス部2803−yの宛先チェック機能4803に、該装置内ラベルのマルチキャストグループアドレスを登録する。これと同時に、該メッセージの最後に、自身の装置内ラベルを追加する。これによって出現順宛先リストを構築することができる。
【0243】
以上の様な手順により、各光リングアクセス部2803−xの宛先チェック機能4803に、それぞれのインタフェース基板2801−xにてコピーすべきマルチキャストグループアドレスが登録されることでマルチキャスト接続が設定されているものとし、以降、再度図50に戻り、デフォルトチャネルにおけるマルチキャスト接続についての説明を続ける。図50に示されたデフォルトチャネルにおけるマルチキャスト接続では、そのマルチキャスト接続の開始点はインタフェース基板2801−1となっている。
【0244】
インタフェース基板2801−1の収容している物理リンクのひとつ、もしくは物理リンク中の倫理パスのひとつから入力された、マルチキャストを受けるべきメッセージは、該インタフェース基板2801−1のフローマッピング部、チャネル選択機能、合流機能、第1の光送信機能、光スイッチを経由してインタフェース基板間に設けられた光ファイバへと送出される。この時、フローマッピング部では該メッセージに装置内ヘッダが付与されるが、その宛先フィールドには、上述の、イーサネットアドレスのマルチキャストグループアドレスに対応して選択された、装置内ラベルのマルチキャストグループアドレスが書き込まれている。以降、インタフェース基板2801−2,3,4、…では、該メッセージが光スイッチ、第1の光受信機能を経由して宛先チェック機能へと渡される。宛先チェック機能では、該メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドを参照し、該メッセージの処理方法を決定する。この場合は、装置内ヘッダの宛先フィールドにはマルチキャストグループアドレスが書かれており、この場合は、前述の方式に従って、該マルチキャストグループアドレスが登録されているなら該メッセージのコピーを作成して該コピーをチャネル選択機能へと送出すると同時に入力されたメッセージを合流機能へと渡すことを、登録されていないなら単に該メッセージを合流機能へと渡すことを、実行する。これを光リング上の各インタフェース基板2801−xが実行することで、該マルチキャストグループアドレスの登録されたインタフェース基板2801−xのチャネル選択機能が該マルチキャストを受けるべきメッセージを受け取ることとなる。
【0245】
本構成例の場合、それぞれのインタフェース基板2801−xが複数の物理リンク、もしくは物理リンク上の倫理パスを収容できることとしている。該マルチキャストを受けるメッセージが実際送出されるべき物理リンク、もしくは論理パスは、ひとつのインタフェース基板内に選択的に複数個存在する可能性がある。このため、本構成例では、マルチキャストを受けるべきメッセージが宛先チェック機能から到着すると、チャネル選択機能にて必要な数だけコピーが作成され、フローマッピング部によって所定の物理リンクや論理パスに対して選択的に転送されることとしても良い。この場合、さらに、ある物理リンクもしくは論理パスからフローマッピング部を経由してメッセージを受け取った場合、フローマッピング部にて該メッセージがマルチキャストを受けるべきであると認識されたならば、チャネル選択機能にて必要な数だけコピーを作成し、オリジナルのメッセージは合流機能4804へと転送されるけれども、該コピーのメッセージ群はフローマッピング部へと戻し、該フローマッピング部により所定の物理リンクもしくは論理パスへと転送されることとしてもよい。
【0246】
以上のように各インタフェース基板が動作すると、インタフェース基板2801−xからデフォルトチャネル上に挿入されたマルチキャストを受けるべきメッセージが各インタフェース基板2801−xを順次巡回してインタフェース基板2801−1へと戻ってくる間に、本実施形態のメッセージ中継装置101が収容している物理リンクもしくは論理パスのうちの所定のものに向けて該メッセージのコピーが送出されることになる。最後に該メッセージがインタフェース基板2801−1に戻ってくると、該メッセージは光スイッチと第1の光受信機能を経由して宛先チェック機能に渡される。宛先チェック機能は、前述の方法にしたがって該メッセージの装置内ヘッダの送信元フィールドを参照する。送信元フィールドには自身が送出したことが記述されているので、宛先チェック機能は該メッセージを廃棄する。以上で、ひとつのマルチキャストされるべきメッセージがデフォルトチャネルに挿入された時に起こる一連の動作が終了する。
【0247】
次に、図51に示された、デフォルトチャネルにおけるポイントポイント接続について説明する。図51に示されたデフォルトチャネルにおけるポイントポイント接続では、その接続の開始点はインタフェース基板2801−1となっている。
【0248】
インタフェース基板2801−1の収容している物理リンクのひとつ、もしくは物理リンク中の論理パスのひとつから入力された、ポイントポイント接続のメッセージは、該インタフェース基板のフローマッピング部、チャネル選択機能、合流機能、第1の光送信機能、光スイッチを経由してインタフェース基板間に設けられた光ファイバへと送出される。フローマッピング部では該メッセージに対して装置内ヘッダが付与されるが、付与される装置内ヘッダの宛先フィールドには、該メッセージを送出する先を示す装置内ラベルが付与されている。ここでは、該メッセージはインタフェース基板2801−3のある物理リンクに送出されることとしている。装置内ヘッダの宛先フィールドには、該物理リンクを指定する、基板番号と物理リンク番号が書き込まれている。以降、インタフェース基板2801−2,3では、該メッセージが光スイッチ、第1の光受信機能を経由して宛先チェック機能へと渡される。宛先チェック機能では、該メッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドを参照し、該メッセージの処理方法を決定する。この場合は、装置内ヘッダの宛先フィールドにはインタフェース基板2801−3の指定された物理リンクを示す情報が書かれており、この場合は、前述の方式に従って、もし自身の基板番号と宛先フィールドの基板番号が一致すれば入力された該メッセージをチャネル選択機能へと、一致しなければ該メッセージを合流機能へと、それぞれ送出する。これを光リング上の各インタフェース基板2801−xが実行することで、宛先フィールドによって指定されたインタフェース基板2801−3のチャネル選択機能が該メッセージを受け取ることとなる。該メッセージはチャネル選択機能からフローマッピング部へと転送される。フローマッピング部では、装置内ヘッダの宛先フィールドの装置内ラベルのうち、物理リンク番号を参照し、該情報に対応する物理リンクへと該メッセージを転送する。以上によって、該メッセージが所望の物理リンクへと転送されたことになり、ひとつのポイントポイント接続のメッセージが物理リンクに到着した時に起こる一連の動作が終了する。
【0249】
次に、図52に示されたバイパスチャネルにおけるポイントポイント接続について説明する。図52に示されたバイパスチャネルにおけるポイントポイント接続では、その接続の開始点はインタフェース基板2801−1、接続の終了点はインタフェース基板2801−3となっている。
【0250】
バイパスチャネルでの通信の前には、上述の手法に従い、バイパスチャネルの設定が行われており、フローの起点のインタフェース基板2801−1のλ割り当て機能によってそのインタフェース基板の第2の光送信機能の送出波長と、フローの終点のインタフェース基板2801−3のλ割り当て機能によってそのインタフェース基板の第2の光受信機能の受信波長と光スイッチが該光受信機能に導く光信号の波長が上述のように制御されている。インタフェース基板2801−1の収容している物理リンクのひとつ、もしくは物理リンク中の論理パスのひとつから入力された、ポイントポイント接続のメッセージは、該インタフェース基板のフローマッピング部、チャネル選択機能を通じて第2の光送信機能に渡される。第2の光送信機能は、該メッセージを所定の波長の光信号に変換し、該メッセージを光スイッチに送出する。光スイッチは、該光信号を、インタフェース基板間に設けられた光ファイバへと送出する。フローマッピング部では該メッセージに対して装置内ヘッダが付与されるが、該装置内ヘッダの宛先フィールドには、該メッセージを送出する先を示す装置内ラベルが付与されている。また、該メッセージをデフォルトチャネルの代わりにバイパスチャネルへと転送するのがチャネル選択機能である。これは、該付与された装置内ヘッダの宛先フィールドをキーとして装置内経路情報保持テーブル4101にアクセスし、該宛先フィールドに対応するエントリの選択チャネルフィールドを参照して行われる。
【0251】
フローの終点に至るまでに経由する各インタフェース基板、同図に示した例ではインタフェース基板2801−2、では、該フローの光信号の波長を第2の光受信機能に向けて導くようにはλ割り当て機能は司令を出していない。このため、該光信号は光信号のままこれらのインタフェース基板を通過し、最終的にフローの終点のインタフェース基板、ここで述べている例ではインタフェース基板2801−3へと至る。光信号が光信号のままこれらの中継インタフェース基板を経由することで、本実施形態のメッセージ中継装置はその特徴である高スループットなメッセージスイッチングを提供できる。
【0252】
フローの終点のインタフェース基板2801−3では、該光信号が光スイッチにより第2の光受信機能へと導かれる。第2の光受信機能は、受け取った光信号をメッセージ流に戻し、チャネル選択機能を経由してフローマッピング部へと渡す。フローマッピング部では、該メッセージの装置内ヘッダを削除すると共に、該装置内ヘッダの宛先フィールドの装置内ラベルに含まれる、物理リンク番号を参照して、該メッセージを所定の物理リンクへと導く。以上によって、該メッセージが所望の物理リンクへとバイパスチャネルを経由して転送されたことになり、ひとつのポイントポイント接続のメッセージがある物理リンクに到着した時に起こる一連の動作が終了する。
【0253】
光リングアクセス部2803−xの概念的構成におけるメッセージ転送の詳細に関する説明の最後に、バイパスチャネルを用いたマルチキャスト接続について説明を行う。
【0254】
バイパスチャネルを用いたマルチキャスト接続は、本構成例の場合、図81に示すように、該マルチキャスト接続の各枝となるインタフェース基板2801−2,4,5をリング上での出現順にしたがって順次ポイントポイント接続のバイパスチャネルで接続することで構成されている。ここで、該マルチキャスト接続のメッセージが入力されるインタフェース基板2801−1を該マルチキャスト接続の開始点と、該マルチキャスト接続のメッセージがコピーされて外部に送出されると同時に、リング上で次に出現する枝であるインタフェース基板に向けても該メッセージを送出するインタフェース基板2801−2,4を該マルチキャスト接続の中継点と、該マルチキャスト接続のメッセージが外部に向けて送出されるのみであるインタフェース基板2801−5を該マルチキャスト接続の終了点と、それぞれ呼ぶこととする。また、開始点から複数の中継点を順次接続して終了点に至るバイパスチャネルを、バイパスチャネルの連鎖と呼ぶ。
【0255】
バイパスチャネル上のマルチキャスト接続は、予め定められた条件、例えば、デフォルトチャネル上に設定されたマルチキャスト接続のトラフィックが増加し、マルチキャスト接続の始点のフローバッファ3501−xに予め定められたスレシホールドを超えて該フローのメッセージが保持されたときに設定される。バイパスチャネル上のマルチキャスト接続は、本構成例の場合、図82に示すように、該マルチキャスト接続の開始点のインタフェース基板2801−1がマルチキャスト接続バイパスチャネル設定メッセージを作成し、該メッセージをデフォルトチャネルを用いてリング上の各インタフェース基板2801−xを順次巡回させることにより設定される。該マルチキャスト接続バイパスチャネル設定メッセージは、その情報部に設定ステータスと装置内ラベルによるマルチキャストグループアドレス、該グループアドレスから想起される出現順宛先リストを含んでいる。該メッセージを受け取ったインタフェース基板2801−xは、以下の処理を行う。
【0256】
まず、該メッセージの装置内ヘッダの送出元フィールドを参照する。該送出元フィールドで、該メッセージが自身が送出したメッセージであることが示されていれば、次に情報部の設定ステータスフィールドを参照する。該フィールドの値が使用可であれば、バイパスチャネル上での所望のマルチキャスト接続が正常に設定されている。この場合、該フローの起点のインタフェース基板は自身の装置内経路情報保持テーブル4101の該フローに対応するエントリの選択チャネルフィールドをバイパスチャネルに書き換え、図53に示されるバイパスチャネル上のマルチキャスト接続によるメッセージ転送を行う。一方、該フィールドの値が使用不可ならば、所望のバイパスチャネル上のマルチキャスト接続の設定に失敗している。この場合、該フローのインタフェース基板は自身の装置内経路情報保持テーブル4101の該フローに対応するエントリの選択チャネルフィールドをデフォルトチャネルに書き戻し、図50に示されるデフォルトチャネル上のマルチキャスト接続によるメッセージ転送を継続する。
【0257】
該メッセージの装置内ヘッダの送出元フィールドによって、該メッセージが自身が送出したメッセージでないことが示されていれば、次に、該メッセージの情報フィールドを参照し、装置内ラベルによる出現順宛先リストを参照する。該宛先リストに自身が含まれていなければ、何も処理をせずに該メッセージを受信したのと同じリングのデフォルトチャネルに挿入する。一方、該出現順宛先リストに自身が含まれていれば、自身がマルチキャストメッセージを送出すべきインタフェース基板のひとつである。この場合、該出現順宛先リストで自身が最後に出現していれば、自身は該マルチキャスト接続の終点のインタフェース基板である。この場合は、該マルチキャスト接続の始点から終点までバイパスチャネルの連鎖が完成しており、該マルチキャスト接続が使用可能となる。そこで、該インタフェース基板は、該メッセージの設定ステータスフィールドを使用可と設定し、入力されてきたのと同じリングのデフォルトチャネルに該メッセージを送出する。該出現順到着リストでの自身の出現位置が最後でなければ、マルチキャスト接続のためのバイパスチャネルの連鎖の設定中である。この場合、インタフェース基板は、該出現順宛先リストで自身の次に現れるインタフェース基板に向けて前述のバイパスチャネル設定手順によるバイパスチャネル設定を試みる。バイパスチャネル設定に失敗したなら、該メッセージの設定ステータスを使用不可とし、該メッセージを入力されてきたのと同じリングのデフォルトチャネルに挿入する。一方、バイパスチャネル設定に成功したなら、ここまで作成してきたバイパスチャネルの連鎖に自身が設定したバイパスチャネルを連結すべく、自身の第2の光受信機能から第2の光送信機能へのパスを活性化する。
【0258】
以上の様な手順により、バイパスチャネルの連鎖としてマルチキャスト接続が設定されているものとし、以降、再度図53に戻り、バイパスチャネルにおけるマルチキャスト接続についての説明を続ける。図53に示されたバイパスチャネルにおけるマルチキャスト接続においては、そのマルチキャスト接続の開始点はインタフェース基板2801−1となっており、インタフェース基板2801−2がその中継点、インタフェース基板2801−4がその終了点となっている。また、上述のバイパスチャネル上のマルチキャスト接続設定の結果、マルチキャスト接続の開始点と中継点のλ割り当て機能によって第2の光送信機能の送出波長と、マルチキャスト接続の中継点と終了点のλ割り当て機能によって第2の光受信機能の受信波長と光スイッチが該光受信機能に導く光信号の波長が所望のように制御されている。
【0259】
対応するフローバッファ3501−xに保持されたメッセージは、バイパスチャネル上のマルチキャスト接続が設定されると、該フローバッファ3501−xから読み出され、チャネル選択機能、合流機能、第2の光送信機能、光スイッチを経由してインタフェース基板間に設けられた光ファイバへと所定の波長で送出される。この際、チャネル選択機能において、該メッセージを、デフォルトチャネルではなくバイパスチャネルへと転送する判断が行われるが、これは、該メッセージの属するフローに対応する装置内経路情報保持テーブル4101のエントリの選択チャネルフィールドを参照して行われる。
【0260】
図52に示したバイパスチャネル上のポイントポイント接続の場合と同様、インタフェース基板から送出された光信号は、光スイッチにより所定のインタフェース基板へと導かれる。このインタフェース基板では、該光信号が光スイッチにより第2の光受信機能へと導かれる。第2の光受信機能は、受け取った光信号をメッセージ流に戻し、チャネル選択機能を経由してフローマッピング部へと渡す。マルチキャスト接続の中継点となっているインタフェース基板では、これと同時に、第2の光受信機能で再生されたメッセージ流を直接第2の光送信機能に渡す。
【0261】
フローマッピング部では、該メッセージの装置内ヘッダを削除すると共に、該装置内ヘッダの宛先フィールドの装置内ラベルに含まれるマルチキャストグループアドレスを参照し、該メッセージを送出すべき物理リンクを知り、該物理リンクへと該メッセージを転送する。ここで、本構成例にあっては、フローマッピング部が複数の物理リンクもしくは論理パスを収容していることとしているので、送出すべき物理リンクもしくは論理パスが複数である場合がある。この場合には、フローマッピング部で必要に応じて該メッセージのコピーを作成することとする。
【0262】
なお、バイパスチャネルでのマルチキャスト接続の設定に失敗した場合や、バイパスチャネル開放条件が成立(図37のステップ3713)した場合には、マルチキャスト接続の開始点のインタフェース基板がマルチキャスト接続バイパスチャネル開放メッセージを作成し、該メッセージをリング上で各インタフェース基板に順次巡回させることで、該バイパスチャネル上のマルチキャスト接続を開放する。バイパスチャネルでのマルチキャスト接続に失敗した場合であっても、上述の方法に従えば、バイパスチャネルの連鎖が途中まで構成されている可能性があり、この途中まで構成されたバイパスチャンネルの連鎖を開放することが好ましい。このマルチキャスト接続バイパスチャネル開放メッセージによって行われる処理を図83に示す。同図に示すように、該マルチキャスト接続バイパスチャネル開放メッセージは、その情報部に装置内ラベルによるマルチキャストグループアドレスを含んでいる。このメッセージを受け取った各インタフェース基板は、該装置内ラベルによるマルチキャストグループアドレスを参照し、自身が該マルチキャストグループアドレスによって想起されるバイパスチャネルを維持しているなら、図46に示した手順に従って該バイパスチャネルを開放する。
【0263】
以上で、光リングアクセス部2803−xの概念的構成、及び該概念的構成におけるメッセージ転送の詳細に関する説明を終了する。
【0264】
次に、本構成例のより詳細な構成を説明する準備として、インタフェース基板における識別子構成について図54を参照しつつ説明する。以上説明してきたように、本構成例では、それぞれのフローがフローマッピング部2804−xで検出され、該フローが光リングアクセス部2803−xにおいて予め定められた条件によって選択される光リングのデフォルトチャネルかバイパスチャネルを用いて他のインタフェース基板へと転送されることとしている。これを実行する際には、インタフェース基板の各部位において、それぞれのフローを識別する必要がある。以上説明してきたように、このフローの識別は、フローマッピング部2804−xと外界との間では、その点で実行されているプロトコルや、本実施形態のメッセージ中継装置101の運用ポリシーなどによって、メッセージを構成するビット列の中から予め選択されるフロー定義情報で、フローマッピング部2804−xと光リングアクセス部の間では、フローマッピング部2804−xにおいて付与・削除される装置内ヘッダに含まれる装置内ラベルで、各インタフェース基板を接続している光ファイバ上では波長で、それぞれ識別されている。フローの識別子が変更される点では、変更前の識別子から変更後の識別子、即ちフローマッピング部2804−xにおいてはフロー定義情報から装置内ラベル、光リングアクセス部においては装置内ラベルから波長、を検索することが必要になる。この検索は、RAMやCAMといった記憶素子によるテーブルを用いて実現することになる。
【0265】
また、本構成例の場合、光リングアクセス部の中に、装置内ラベルによるスイッチング機能と波長によるスイッチング機能が設けられる。前者が図48でいうところのチャネル選択機能4801、宛先チェック機能4803、合流機能4804に相当し、後者が図48の光スイッチ4809に相当する。上述のテーブルは、これらのスイッチング機能を制御するためにも使用される。
【0266】
従って、これらのテーブルの構成方式が、本実施形態のメッセージ中継装置101の最大スループットと決定する設計上のひとつの大きな項目となる。一般的には、これらのテーブルの容量を小さく押さえることで、より高速な記憶素子を使用でき、本実施形態のメッセージ中継装置101のスループットを大きく設計することが可能になると言える。
【0267】
以降、より詳細に、本構成例を順次説明してゆく。
【0268】
図55は、インタフェース基板2801−xのより詳細な構成を示す図である。前述のように、インタフェース基板2801−xは、フローマッピング部2804−xと光リングアクセス部2803−xを含んでいる。本実施形態のメッセージ中継装置101の場合、フローマッピング部2804−xの構成は収容するプロトコル種別によって異なるが、光リングアクセス部2803−xの構成は収容するプロトコル種別によらず同一である。
【0269】
光リングアクセス部2803−xには、メッセージ中継手段5501と、複数の光リング終端手段5502−xが含まれる。メッセージ中継手段5501が、図48に示したインタフェース基板の機能構成のチャネル選択機能に、光リング終端手段5502−xがその他の機能要素、即ち第1の光受信機能4802、宛先チェック機能4803、合流機能4804、第1の光送信機能4805、第2の光受信機能4806、λ割り当て機能4807、第2の光送信機能4808、光スイッチ4809、にそれぞれ相当する。
【0270】
なお、以降説明する本発明の構成例にあっては、それぞれのインタフェース基板2801−iのフローマッピング部2804−iと光リングアクセス部2803−iの間のスループットは両方向10Gb/sに設定されている。本構成例全体で1Tb/sという望ましいスループットを得るためには、インタフェース基板を計100枚光リングで接続した構成をとることになる。
【0271】
以降、いくつかの代表的なプロトコル毎に、フローマッピング部2804−xの構成を順次示してゆく。
【0272】
図56は、フローマッピング部2804−xの第1の構成を示す図である。この構成のフローマッピング部2804−xは、イーサネットプロトコルを収容する。本構成では、特に、いわゆるギガビットイーサネットを計10インタフェース収容して、10Gb/sのスループットを確保している。
【0273】
同図に示すように、イーサネットプロトコルを収容するフローマッピング部2804−xの、ルーティング処理装置102−xとの接続点に最も近い位置には、Gbitイーサ終端手段5601−1、…、5601−10が設けられている。該Gbitイーサ終端手段5601−xでは、通話路符号へのエンコード、通話路符号からのデコード、プリアンブル検出、といった、物理リンク上を流れるメッセージを送受信するための機能が実行される。
【0274】
それぞれの物理リンク上のメッセージは、Gbitイーサ終端手段5601−xを経由して装置内ヘッダ処理手段5602−xに渡される。装置内ヘッダ5602−xでは、Gbitイーサ終端手段からメッセージを受け取ると、該メッセージの属するフローを決定し、多重手段5603に渡す。多重手段5603は、これらの装置内ヘッダ処理手段5602−1、…、5602−10から渡されたメッセージを多重化して10Gb/sのメッセージ流とし、光リングアクセス部2803−xへと渡す。多重手段5603は、図35に示したフローバッファ3501−xを含んでいる。
【0275】
一方、光リングアクセス部2803−xから渡された10Gb/sのメッセージ流は、分離手段5604に渡される。分離手段5604では、該メッセージ流のメッセージを所望のインタフェース点に至る経路上にある装置内ヘッダ処理手段5602−xへとスイッチングする。この際、分離手段5604は、必要に応じてメッセージをコピーすることもある。
分離手段5604からメッセージを受け取ると、装置内ヘッダ処理手段5602−xは、該メッセージに付加された装置内ヘッダを削除し、Gbitイーサ終端手段5601−xを経由して該メッセージを物理リンクへと送出する。
【0276】
図57に、この場合の装置内ヘッダ処理手段5602−xの構成を示す。フロー定義テーブル5704には、対応する物理リンクから入力されるメッセージ流の上に定義されるフローに関する情報が保持されている。本構成例の場合、該フロー定義テーブル5704は、イーサネットのメッセージの中の予め定められたビット列、最も典型的にはイーサネットヘッダの宛先フィールドに含まれるイーサネットアドレスから、それぞれのメッセージが属するフローに割り当てられたフローバッファ3501−xの装置内での識別子が得られるように構成されている。また、自イーサネットアドレスレジスタ5702には、到着メッセージの送信元フィールドを参照することによって得られる、該メッセージが到着した物理リンクの先に存在する機器のイーサネットアドレス、が記録されている。本構成例では、該イーサネットアドレスはイーサネットメッセージの装置内での経路選択に使用される。
【0277】
Gbitイーサ終端手段5601−xから渡されたメッセージは、送出元アドレス抽出手段5701、フロー定義情報抽出手段5703、メッセージ挿入手段5705を順に経由して多重手段5603に渡される。送出元アドレス抽出手段5701では、通過するメッセージの送出元イーサネットアドレスを抽出し、自イーサネットアドレスレジスタ5702へと転送する。自イーサネットアドレスレジスタ5702は、複数個のイーサネットアドレスを保持できるレジスタで、送られてきたイーサネットアドレスを自身が保持していなければ該イーサネットアドレスを新たに保持する、という動作を行って、図39で示した経路選択メッセージ受信に係るイーサネットアドレスの問い合わせに備えている。
【0278】
フロー定義情報抽出手段5703では、通過するメッセージの予め定められた位置の情報、典型的には宛先イーサネットアドレス、を該メッセージが属するフローを定義する情報として切り出し、フロー定義テーブル5704に該情報をキーとしてアクセスする。イーサネットプロトコルを収容する装置内ヘッダ処理手段5602−xに含まれるフロー定義テーブル5703は図58に示す構成を持つ、宛先イーサネットアドレスならびに必要に応じて選択された追加のフロー定義情報、例えばレイヤ3アドレスやレイヤ4ポート番号等をキーとして連想アクセスの可能なCAMである。連想処理の結果、多重手段5603に含まれるフローバッファ3501−xの識別子であるところのバッファ番号を得ることができる。
【0279】
フロー定義テーブル5704に対する連想アクセスの結果は、以下の2通りとなる。その第1の結果は、情報に対応するエントリがフロー定義テーブル5704に存在しない場合である。これは、図37のステップ3701、新たなフローが検出された状態に相当している。この場合は、まず、多重手段5603に含まれる中から使用中でないフローバッファ3501−xを選び出し、該フローバッファ3501−xのバッファ番号が該フロー定義情報によって連想できるように、該フロー定義テーブル5704を設定する。これと同時に、到着中のメッセージをメッセージ挿入手段5705を経由して該割り当てたフローバッファ3501−xに転送する。その後、該フローに属するメッセージに装置内ヘッダの宛先として付与するべき装置内ラベルを得るため、図39に示された経路選択手順を起動する。
【0280】
フロー定義テーブル5703に対する連想アクセスの第2の結果は、該フローに割り当てられたフローバッファ3501−xのバッファ番号が得られる場合である。この場合は、選られたバッファ番号に対応するフローバッファ3501−xに向けて、メッセージ挿入手段5705を経由し、到着中のメッセージを送出する。
【0281】
一方、分離手段5604から渡されたメッセージは、メッセージ分岐手段5706、装置内ヘッダ削除手段5707を経由してGbitイーサ終端手段5601−xへと渡される。装置内ヘッダ削除手段5707では、受け取ったメッセージ、これのフォーマットは装置内メッセージであるが、から装置内ヘッダを削除しGbitイーサ終端手段5601−xが求めるものへと該メッセージのフォーマットを変換して出力する。
【0282】
装置内プロトコル実行手段5708は、新たにフローが検出された時に起動される経路選択等の、該装置内ヘッダ処理手段5602−xが収容しているプロトコル、この場合はイーサネット、に特有の、本実施形態のメッセージ中継装置101内部のみで実行されるプロトコルを実行する。所定のプロトコルを実行するために、該装置内プロトコル実行手段5708が作成したメッセージはメッセージ挿入手段5705にてGbitイーサ終端手段5601−xからのメッセージ流に挿入され、該装置内プロトコル実行手段5708に向かうメッセージはメッセージ分岐手段5706にてGbitイーサ終端手段5601−xに向かうメッセージ流から分岐される。
【0283】
図59に、多重手段5603の構成を示す。同図に示すように、多重手段5603はフローバッファ3501−xと、該フローバッファ3501−xに割り当てられたフローが消滅したことを検出するために、該フローバッファ3501−xに入力されるメッセージの頻度を測定しているカウンタ3504−xを含む。
【0284】
各装置内ヘッダ処理手段5602−xからメッセージを受け取ると、多重手段5603は、バッファ指定信号によって指定されるフローバッファ3501−xに該メッセージを書き込む。このバッファ指定信号は、装置内ヘッダ処理手段5602−xのフロー定義テーブル5703から与えられる。それぞれのフローバッファ3501−xに保持されたメッセージは、読み出し制御手段5901の制御の元、装置内ヘッダ付与手段5902−xを経由してメッセージ転送手段5501へと渡される。装置内ヘッダ付与手段5902―xは、通過するメッセージに対して装置内ヘッダを付与するとき、その宛先装置内ラベルフィールドに、宛先装置内ラベルレジスタ5903―xの内容をコピーする。この宛先装置内ラベルレジスタ5903―xが、前述の、新たにフローを検出した時に起動された経路選択手順にて得られる装置内ラベルを保持する記憶素子である。
【0285】
読み出し制御手段5901は、各フローバッファ3501−xのメッセージ保持状況を監視し、メッセージが保持されているものから順次メッセージを読み出している。それと同時に、バイパスチャネル設定条件が成立したフローバッファ3501−xも検出し、必要に応じてバイパスチャネル設定、本構成例の場合は光通話路上の波長割り当て、をメッセージ転送手段5501に依頼する。さらに、該読み出し制御手段5901は、バイパスチャネルが設定されているバッファに保持されているメッセージも、デフォルトチャネル向けのメッセージ読み出しと並行して、読み出すための制御を行い、バイパスチャネル開放条件が成立した場合は、メッセージ転送手段5501に対して該バイパスチャネルを開放するよう依頼する。
【0286】
図60に、分離手段5604の構成を示す。同図に示すように、分離手段5604は、メッセージ振り分け機能6001、各物理リンク毎に設けられた出方路バッファ6002−x、マルチキャスト出方路テーブル6003からなっている。メッセージ転送手段5501から転送されたメッセージは、メッセージ振り分け機能6001に入力される。メッセージ振り分け機能6001は、それぞれのメッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドを参照し、それぞれのメッセージが所定の物理リンクへと転送されるよう、対応する出方路バッファ6002−xへと該メッセージを転送する。ここまでの処理はフローマッピング部2804−xと光リングアクセス部2803−xの間のスループットにて実行される。出方路バッファ6002−xに保持されたメッセージは、ルーティング処理装置102−xとの間の物理リンク上の情報転送速度で出方路バッファ6002−xから読み出され、装置内ヘッダ処理手段5602−xへと転送される。
【0287】
マルチキャスト出方路テーブル6003は、マルチキャスト接続に係る情報を保持するテーブルである。該マルチキャスト出方路テーブル6003は、装置内ラベルのマルチキャストグループアドレスから、該グループアドレスを持つメッセージをどの出方路へと送出するかを示す情報を得ることのできるテーブルである。デフォルトチャネルでのマルチキャスト接続を設定する手順を実行した結果として、該マルチキャスト出方路テーブル6003に対して必要な情報が書き込まれる。メッセージ振り分け手段6001は、受け取った装置内メッセージの宛先装置内ラベルがマルチキャストグループアドレスである場合、該マルチキャスト出方路テーブル6003を参照し、該受け取ったメッセージを所定の出方路バッファ6002−xへと、必要に応じて該メッセージをコピーして、書き込む。
【0288】
以上述べたように構成された場合、イーサネットプロトコルのメッセージは本構成例では図61に示すようにそのフォーマットが変換され、スイッチングを受けることになる。
【0289】
まず、ルーティング処理装置102−xからはイーサネットMACフレームが渡される。イーサネットMACフレームには、レイヤ3データグラムの前にプリアンブルと宛先イーサネットアドレス、送出元イーサネットアドレス、タイプの各情報を含むイーサネットヘッダが付与され、また、レイヤ3データグラムの後ろに、該イーサネットフレームで起こるビット誤りを検出するためのFCSを含むイーサネットトレイラが付与されたフォーマットを持っている。このフォーマットで入力されたイーサネットMACフレームから、Gbitイーサ終端手段5601−xはプリアンブルとFCSを削除し、装置内ヘッダ処理手段5602−xへと渡す。装置内ヘッダ処理手段5602−xから多重化手段5603−xに渡され、該多重化手段5603から出てきた時には、その先頭に装置内ヘッダが付与されている。以降、光リングアクセス部2803−x、デフォルトチャネルもしくはバイパスチャネルを経由して所望のインタフェース基板2801−yへと転送された該メッセージは、光リングアクセス部2803−y、分離手段5604−yを経由して装置内ヘッダ処理手段5602−yへと渡される。この時点では、メッセージはまだ装置内メッセージのフォーマットである。その後、装置内ヘッダ処理手段5602−yにて装置内ヘッダが除去され、Gbitイーサ終端手段5601−yでプリアンブルとFCSが付与されて、所望のルーティング処理手段102−yへと該メッセージは送出される。
【0290】
次に、フローマッピング部2804−xがPPP接続を収容する場合について説明する。図62に、PPPを収容するための、フローマッピング部2804−xの第2の構成を示す。本構成はいわゆるIPoverSONETを提供する構成となっており、SDHのSTM−16ペイロードに、データリングプロトコルとしてPPPを適用したIPメッセージが直接マッピングされる構成となっている。さらに、本構成では、該フローマッピング部2804−xを通過するフローを検出するために、MPLSのラベルも使用可能である構成をとっている。このため、本構成で処理するIPメッセージの先頭部分とPPPヘッダの間にMPLSのラベルが挿入された形のメッセージ構造を持つこととする。本構成では2.4Gb/sというスループットを持つSTM−16を計4インタフェース収容して、10Gb/sのスループットを確保している。
【0291】
図62に示したPPP接続を収容するフローマッピング部2804−xの構成では、図56に示したイーサネットを収容する場合と同じ構成の多重手段5603,分離手段5604を用いて複数の物理リンクを収容することとしている。
【0292】
同図に示すように、IPoverSONETを収容するフローマッピング部2804−xの、ルーティング処理装置102−xとの接続点に最も近い位置には、STM−16終端手段6201−1、…、6201−4が設けられている。該STM−16終端手段6201−xでは、SDHのフレーム同期確立とペイロードからのビット列の切り出し、SDHのフレーム構造の作成とペイロードへのビット列の埋め込み、通話路符号へのエンコード、通話路符号からのデコード、といった、SDH標準に従ってビット列を光ファイバ上で転送するための機能が実行される。
【0293】
本構成では、STM−16終端手段6201−xに隣接して、さらにPPP終端手段6202−1、…、4が配置されている。該PPP終端手段6202−xでは、主に、STM−16終端手段6201−xから送出されたビット列からPPPヘッダの先頭を検出することで該ビット列に含まれるメッセージ群を識別する処理、および、STM−16処理手段6201−xに向かう各メッセージにPPPヘッダとPPPトレイラを付与する処理が行われている。
【0294】
それぞれの物理リンク上のメッセージは、STM−16終端手段6201−xとPPP終端手段6202−xを経由して装置内ヘッダ処理手段6203−xに渡される。本構成の装置内ヘッダ処理手段6203−xは、MPLSを適用したIPoverSONETプロトコルを収容するように構成されているが、その基本機能は、図56に示した装置内ヘッダ処理手段5602−xと同じで、多重手段5603に向かう方向の各メッセージに対しては多重手段5603の中のバッファのひとつを指定することで該メッセージの属するフローを決定し、一方、PPP終端手段6202−xに向かう方向の各メッセージに対しては装置内ヘッダを削除することにある。
【0295】
図63に、この場合の装置内ヘッダ処理手段6203−xの構成を示す。図57に示された装置内ヘッダ処理手段5602−xの場合と同様、フロー定義テーブル6302に、対応する物理リンクから入力されるメッセージ流の上に定義されるフローに関する情報が保持されている。本構成例の場合、該フロー定義テーブル6302は、ラベルフィールドの付属したIPメッセージの中の予め定められたビット列、最も典型的にはラベルフィールドの中の予め指定された領域から、それぞれのメッセージが属するフローに割り当てられるフローバッファ3501−xの装置内での識別子が選られるように構成されている。また、ラベル書き換えテーブル6305には、MPLS標準が要求する、物理リンクへの送出時に必要となるラベル書き換えに必要な情報が保持されている。
【0296】
PPP終端手段6202−xから渡されたメッセージは、フロー定義情報抽出手段6301、メッセージ挿入手段6303を経由して多重手段5603に渡される。フロー情報抽出手段6301では、通過するメッセージのラベルの予め定められたフィールドを抽出し、フロー定義テーブル6302に該情報をキーとしてアクセスする。該フロー定義テーブル6302は図64に示す構成を持つ、ラベルならびに必要に応じて選択された追加のフロー情報、例えばレイヤ3アドレスやレイヤ4ポート番号等をキーとして連想アクセスの可能なCAMである。連想処理の結果、多重手段5603に含まれるフローバッファ3501−xの識別子であるところのバッファ番号を得ることができる。該フロー定義テーブル6302に対して連想アクセスをした時に対応するエントリがない場合、現在使用されていないフローバッファ3501−xを該フローに割り当て、該フロー定義テーブル6302に対してフロー定義情報と共に書き込むのは図57に示した構成の場合と同様である。
【0297】
一方、分離手段5604から渡されたメッセージは、メッセージ分岐手段6304、装置内ヘッダ削除手段6305、ラベル更新手段6306を経由してPPP終端手段6202−xに渡される。装置内ヘッダ削除手段6305では、受け取ったメッセージから装置内ヘッダを削除し、PPP終端手段6202−xが求めるものへと該メッセージのフォーマットを変換してラベル更新手段6306へと出力する。この時に、削除した装置内ヘッダ中の宛先装置内ラベルも同時にラベル更新手段6306へと出力される。
【0298】
ラベル更新手段6306では、渡された宛先装置内ラベルをキーとしてラベル書き換えテーブル6307にアクセスする。ラベル書き換えテーブル6307は、図65に示される構成を持つ、宛先装置内ラベルから、該宛先装置内ラベルを持つメッセージをルーティング処理装置102−xに向けて送出するときに該メッセージが保持していることがMPLS標準から要求されているラベルを得ることのできるテーブルである。メッセージの入力時にラベルを基にして本実施形態のメッセージ中継装置101内部でのフローを定義しており、本実施形態のメッセージ中継装置101内部のフローはMPLSが維持しているフローと同一もしくはその細分化となるので、ここで示したように、メッセージ中継装置101内部のフローの識別子である装置内宛先ラベルをキーとしたラベル書き換えテーブル6307へのアクセスによって、所望の新ラベルを得ることができる。このラベル書き換えテーブル6307に保持される情報は、本実施形態のメッセージ中継装置101を管理する管理者が手設定で与えることも可能であるが、MPLSを収容する本実施形態のメッセージ中継装置101で、該MPLSプロトコルを終端することになるレイヤ3終端基板2901から通知される構成とするのがより望ましい。図56に示した構成同様、装置内プロトコル実行手段6308、メッセージ挿入手段6303、メッセージ分岐手段6304は、該装置内ヘッダ処理手段6203−xにて収容するプロトコル特有の本構成例内部におけるプロトコルを実行するものであるが、MPLSを終端するものの場合は、例えば、フロー定義テーブルやラベル書き換えテーブルの更新情報を管理者もしくはレイヤ3終端基板2901とやりとりする為のプロトコルが実行されてもよい。
【0299】
以上述べたように構成された場合、IPoverSONETに従うメッセージは本構成例では図66に示すようにそのフォーマットが変換され、スイッチングを受けることになる。
【0300】
まず、ルーティング処理装置102−xからは、SDHフレームにマッピングされた、MPLSのラベルが付与されたレイヤ3データグラムを情報部とするPPPフレームが渡される。PPPフレームは、ラベルの前にPPPヘッダが付与され、また、レイヤ3データグラムの後ろに、PPPトレイラが付与されたフォーマットを持っている。STM−16終端手段6201−xは、このメッセージをSDHフレームのペイロード部分から抜き出してPPP終端手段6202−xに渡す。 PPP終端手段6202−xは、該入力入力されたPPPフレームからPPPヘッダとPPPトレイラを削除して装置内ヘッダ処理手段6203−xへと渡す。装置内ヘッダ処理手段6203−xから多重化手段5603−xに渡され、該多重化手段5603から出てきた時には、その先頭に装置内ヘッダが付与されている。以降、光リングアクセス部2803−x、デフォルトチャネルもしくはバイパスチャネルを経由して所望のインタフェース基板2801−yへと転送された該メッセージは、光リングアクセス部2803−y、分離手段5604−yを経由して装置内ヘッダ処理手段6203−yへと渡される。この時点では、メッセージはまだ装置内メッセージのフォーマットである。その後、装置内ヘッダ処理手段6203−yにて装置内ヘッダが除去されると共にラベルが書き換えられ、PPP終端手段6202−yでPPPヘッダとPPPトレイラが付与され、それらのメッセージがSTM−16終端手段6201−xにてSDHフレームにマッピングされて、所望のルーティング処理手段102−yへと送出される。
【0301】
次に、フローマッピング部2804−xがATMプロトコルを収容する場合について説明する。図67に、ATMを収容するための、フローマッピング部2804−xの第2の構成を示す。本構成はSDHフレームにマッピングされたATMセルを処理する構成となっている。本構成でも、図62に示したPPPを収容する場合と同様、2.4Gb/sというスループットを持つSTM−16を計4インタフェース収容して、10Gb/sのスループットを確保している。
【0302】
図67に示したATMを収容するフローマッピング部2804−xの構成でも、図56に示したイーサネットを収容する場合と同じ構成の多重手段5603,分離手段5604を用いて複数の物理リンクを収容することとしている。
【0303】
同図に示すように、ATMを収容するフローマッピング部2804−xの、ルーティング処理装置102−xとの接続点に最も近い位置には、STM−16終端手段6201−1、…、6201−4が設けられている。この該STM−16終端手段6201−xの機能構成は、図62に示したものと同一である。
【0304】
本構成では、STM−16終端手段6201−xに隣接して、さらにATMヘッダ処理手段6701−1、…、4が配置されている。該ATMヘッダ処理手段6701−xでは、主に、STM−16終端手段6201−xから送出されたビット列からATMセルのHECフィールドを用いたセル同期を確立することで該ビット列に含まれるATMセル群を識別する処理、および、STM−16処理手段6201−xに向かう各ATMセルのHECフィールドをATMプロトコル標準に従って書き換える処理が行われている。
【0305】
それぞれの物理リンク上のATMセルは、STM−16終端手段6201−xとATMヘッダ処理手段6701−xを経由して装置内ヘッダ処理手段6702−xに渡される。本構成の装置内ヘッダ処理手段6702−xは、ATMプロトコルを収容するように構成されているが、その基本機能は、図56に示した装置内ヘッダ処理手段5602−xと同じで、多重手段5603に向かう方向の各メッセージに対しては多重手段5603の中のバッファのひとつを指定することで該メッセージの属するフローを決定し、一方、ATMヘッダ処理手段6701−xに向かう方向の各メッセージに対しては装置内ヘッダを削除することにある。
【0306】
図68に、この場合の装置内ヘッダ処理手段6702−xの構成を示す。図57に示された装置内ヘッダ処理手段5602−xの場合と同様、フロー定義テーブル6804に、対応する物理リンクから入力されるATMセル流の上に定義されるフローに関する情報が保持されている。本構成例の場合、該フロー定義テーブル6804は、ATMセル流の中の予め定められたビット列、最も典型的にはATMセルのVPI/VCIフィールドの中の予め指定された領域から、それぞれのメッセージが属するフローに割り当てられるフローバッファ3501−xの装置内での識別子が選られるように構成されている。この場合にも、典型的なフロー定義情報(この場合にはVPI/VCI)の他に、フローを定義するために付加的に使用する情報、追加フロー定義情報を、さらに該フロー定義テーブル6804へのアクセス時に与えることとしても良い。この場合には、ATMプロトコルの場合、上位のプロトコル、例えばIP、のメッセージがATMレイヤでATMセルに細分化されているため、上位のプロトコルのメッセージ、例えばIP、の、例えば宛先レイヤ3フィールド、を、追加フロー定義情報として抽出するためには、入力されるATMセル流に対して適用されているAALプロトコルの状態遷移を実行し、どのセルに所望の追加フロー情報が含まれているか決定する必要がある。一方、VPI/VCI書き換えテーブル6809には、ATM標準が要求する、物理リンクへの送出時に必要となるVPI/VCI書き換えに必要な情報が保持されている。
【0307】
ATMヘッダ処理手段6701−xから渡されたメッセージは、フロー定義情報抽出手段6801、AAL状態遷移マシン6802、メッセージ挿入手段6805を経由して多重手段5603に渡される。フロー情報抽出手段6801では、通過するATMセルのVPI/VCIの予め定められたフィールドを抽出する。また、AAL状態遷移マシン6802では、自身を通過するATMセル流に対して適用されるAALプロトコルの状態遷移が実行されており、追加フロー情報をどのATMセルが保持しているか決定する。この決定を受けて、追加フロー定義情報抽出手段6803が、必要に応じて選択された追加フロー情報、例えばレイヤ3アドレスやレイヤ4ポート番号などを抽出する。なお、追加フロー定義情報を抽出する場合は、AAL状態遷移マシン6802中に含まれるATMセルバッファ(図示せず)に、ひとつのメッセージ起源のATMセルが到着順に一旦保持され、ひとつのメッセージ起源のATMセルがすべてAAL状態遷移マシン6802に蓄積された段階で、該蓄積された情報から該追加フロー定義情報抽出手段6803が追加フロー定義情報を抽出し、その後、AAL状態遷移マシン6802から、該ひとつのメッセージ起源のATMセルが順次多重手段5603に向けて送出されるように構成されるのが望ましい。これによって、ATMセルの廃棄が発生した場合に、誤った位置の情報を追加フロー情報として抽出してしまい、誤ったフローへとこれらのメッセージを導くことを防ぐことができる。ATMセル流フロー定義テーブル6804へのアクセスにおけるキーは、フロー定義情報抽出手段6801と追加フロー定義情報抽出手段6803によって抽出された情報である。本構成のフロー定義テーブル6804は図69に示す構成を持つ、VPI/VCIならびに必要に応じて選択された追加のフロー情報、例えばレイヤ3アドレスやレイヤ4ポート番号等をキーとして連想アクセスの可能なCAMである。連想処理の結果、多重手段5603に含まれるフローバッファ3501−xの識別子であるところのバッファ番号を得ることができる。該フロー定義テーブル6804に対して連想アクセスをした時に対応するエントリがない場合、現在使用されていないフローバッファ3501−xを該フローに割り当て、該フロー定義テーブル6804に対してフロー定義情報と共に書き込むのは図57に示した構成の場合と同様である。
【0308】
一方、分離手段5604から渡されたメッセージ、この場合は装置内ヘッダの付与されたATMセル、は、メッセージ分岐手段6806、装置内ヘッダ削除手段6807、VPI/VCI更新手段6808を経由してATMヘッダ処理手段6701−xに渡される。装置内ヘッダ削除手段6807では、受け取ったメッセージから装置内ヘッダを削除し、ATMヘッダ処理手段6701−xが求めるものへと該メッセージのフォーマットを変換してVPI/VCI更新手段6808へと出力する。この時に、削除した装置内ヘッダ中の宛先装置内ラベルも同時にVPI/VCI更新手段6808へと出力される。
【0309】
VPI/VCI更新手段6808では、渡された宛先装置内ラベルをキーとしてVPI/VCI書き換えテーブル6809にアクセスする。VPI/VCI書き換えテーブル6809は、図70に示される構成を持つ、宛先装置内ラベルから、該宛先装置内ラベルを持つATMセルをルーティング処理装置102−xに向けて送出するときに該ATMセルが保持していることがATM標準から要求されているVPI/VCIを得ることのできるテーブルである。メッセージの入力時にVPI/VCIを基にして本実施形態のメッセージ中継装置101内部でのフローを定義しており、本実施形態のメッセージ中継装置101内部のフローはATMコネクションとして通信網内部で維持されているフローと同一もしくはその細分化となるので、ここで示したように、メッセージ中継装置101内部のフローの識別子である装置内宛先ラベルをキーとしたVPI/VCI書き換えテーブル6807へのアクセスによって、所望の新VPI/VCIを得ることができる。このVPI/VCI書き換えテーブル6809に保持される情報は、本実施形態のメッセージ中継装置101を管理する管理者が手設定で与えることも可能であるが、ATMを収容する本実施形態のメッセージ中継装置101で、ATMコネクション設定に係るプロトコルを終端することになるレイヤ3終端基板2901から通知される構成とするのがより望ましい。図56に示した構成同様、装置内プロトコル実行手段6810、メッセージ挿入手段6805、メッセージ分岐手段6806は、該装置内ヘッダ処理手段6702−xにて収容するプロトコル特有の本構成例内部におけるプロトコルを実行するものであるが、ATMを終端するものの場合は、例えば、フロー定義テーブル6804やVPI/VCI書き換えテーブル6809の更新情報を管理者もしくはレイヤ3終端基板2901とやりとりする為のプロトコルが実行されてもよい。
【0310】
以上述べたように構成された場合、ATMセルは本構成例では図71に示すようにそのフォーマットが変換され、スイッチングを受けることになる。
【0311】
まず、ルーティング処理装置102−xからは、SDHフレームにマッピングされたATMセルが渡される。STM−16終端手段6201−xは、このATMセルをSDHフレームのペイロード部分から抜き出してATMヘッダ処理手段6701−xに渡す。 ATMヘッダ処理手段6701−xは、該入力入力されたATMセル流におけるATMセルの先頭位置を検出し、該情報と共に装置内ヘッダ処理手段6702−xへと渡す。装置内ヘッダ処理手段6702−xから多重化手段5603−xに渡され、該多重化手段5603―xから出てきた時には、そのATMセルの先頭に装置内ヘッダが付与されている。以降、光リングアクセス部2803−x、デフォルトチャネルもしくはバイパスチャネルを経由して所望のインタフェース基板2801−yへと転送された該ATMセルは、光リングアクセス部2803−y、分離手段5604−yを経由して装置内ヘッダ処理手段6702−yへと渡される。この時点では、ATMセルはまだ装置内メッセージのフォーマットである。その後、装置内ヘッダ処理手段6702−yにて装置内ヘッダが除去されると共にVPI/VCIが書き換えられ、ATMヘッダ処理手段6701−yでそのHECフィールドが書き換えられ、 それらのATMセルがSTM−16終端手段6201−xにてSDHフレームにマッピングされて、所望のルーティング処理手段102−yへと送出される。
【0312】
ここまでは、フローマッピング部3804−xがイーサネットフレーム、PPPフレーム、ATMセルといった、伝送する情報をいわゆるパケットとして区切って転送する形式を採用されたプロトコルにてルーティング処理装置102−xと本実施形態のメッセージ中継装置101が接続されている場合について説明してきた。本実施形態のメッセージ中継装置101は、以下に述べる手法に従えば、こいわゆるパケットを意識したプロトコルのみではなく、例えばSDHといった、プロトコル上はパケットを意識していないプロトコルに対しても適用することができる。
【0313】
次に、フローマッピング部2804−xがSDHを収容する場合について説明する。図84に、SDHを収容するための、フローマッピング部2804−xの第4の構成を示す。本構成では、SDHフレーム中に定義されたバーチャルコンテナによって定義される情報伝送パスをひとつのフローとみなし、さらにそれぞれのフレームに含まれるバーチャルコンテナひとつひとつをメッセージとして扱う構成とすることで、本実施形態のメッセージ中継装置101でいわゆるSDHクロスコネクトに対応可能な機能を提供するようになっている。本構成でも、図62に示したPPPを収容する場合と同様、2.4Gb/sというスループットを持つSTM−16を計4インタフェース収容して、10Gb/sのスループットを確保している。
【0314】
図84に示したSDHを収容するフローマッピング部2804−xの構成でも、図56に示したイーサネットを収容する場合と同じ構成の多重手段5603,分離手段5604を用いて複数の物理リンクを収容することとしている。
【0315】
同図に示すように、SDHを収容するフローマッピング部2804−xの、ルーティング処理装置102−xとの接続点に最も近い位置には、STM−16終端手段6201−1、…、6201−4が設けられている。この該STM−16終端手段6201−xの機能構成は、図62に示したものに加えて、SDHの中に定義されたバーチャルコンテナをそれぞれ独立させて処理する機能を持っている。STM−16フレーム中のバーチャルコンテナの構成は種々考えられるが、ここでは、STM−16の中に16個のVC−4と呼ばれる150Mb/s相当のバーチャルコンテナが含まれて、これらのバーチャルコンテナによって定義される情報転送パスをひとつのフローとみなしているものとする。
【0316】
それぞれの物理リンク上のフレームに含まれるバーチャルコンテナは、STM−16終端手段6201−xによって分離され、それぞれが装置内ヘッダ処理手段8401−xに渡される。本構成の装置内ヘッダ処理手段8401−xは、各フレームに含まれる個々のバーチャルコンテナに含まれる情報を装置内メッセージの情報部とみなす、さらに、スイッチングを受けた装置内メッセージをまとめて、これらをバーチャルコンテナとしてみなしてSTM−16のフレームのペイロード部分にマッピング可能な形式でSTM−16終端手段6201−xに送出することでSDHを収容するように構成されている。ここで、個々のバーチャルコンテナに含まれる情報で、多重手段5603に向かう方向のものに対しては、多重手段5603の中のバッファのひとつを指定すること、また、STM−16終端手段8201−xに向かう方向の各メッセージに対しては装置内ヘッダを削除することは、図56に示した装置内ヘッダ処理手段5602−xと同じである。
【0317】
図85に、この場合の装置内ヘッダ処理手段6702−xの構成を示す。図57に示された装置内ヘッダ処理手段5602−xの場合と同様、フロー定義テーブル8502に、対応する物理リンクから入力されるバーチャルコンテナの情報から作成されるメッセージ流の上に定義されるフローに関する情報が保持されている。本構成例の場合、該フロー定義テーブル8502は、STM−16フレーム中のそれぞれのバーチャルコンテナの位置から、それぞれのバーチャルコンテナに対応して定義されるフローに割り当てられるフローバッファ3501−xの装置内での識別子が得られるように構成されている。この場合、それぞれのバーチャルコンテナには該バーチャルコンテナをどの物理リンクに配送するかを指定する情報は付与されておらず、運用中にバーチャルコンテナを観察して動的にフローを検出することは行わないので、このフロー定義テーブルに保持される情報は、本実施形態のメッセージ中継装置の管理者から、直接、もしくはネットワーク監視制御システム経由で、与えられることになる。一方、バーチャルコンテナ位置情報テーブル8505には、フローとして転送されてくる各バーチャルコンテナをルーティング処理装置102−xに対して送出するとき、STM−16のフレーム中のどの位置に埋め込むかを指定する情報が保持されている。このテーブルの値も、本実施形態のメッセージ中継装置の管理者から、直接、もしくはネットワーク監視制御システム経由で、与えられることになる。図56に示した構成同様、装置内プロトコル実行手段8508、メッセージ挿入手段8503、メッセージ分岐手段8504は、該装置内ヘッダ処理手段8402−xにて収容するプロトコル特有の本構成例内部におけるプロトコルを実行するものであるが、SDHを終端するものの場合は、例えば、フロー定義テーブル8502やバーチャルコンテナ位置情報テーブル8507の更新情報を管理者とやりとりする為のプロトコルが実行されてもよい。
【0318】
STM−16終端手段6201−xから渡されたビット流は、バーチャルコンテナ保持手段8501、メッセージ挿入手段8503を経由して多重手段5603に渡される。STM−16フレーム中の各バーチャルコンテナに含まれる情報はSDH標準に従ってバイトインターリーブがかかって転送されており、STM−16終端手段8201−xから送出される情報もこの形式となっている。バーチャルコンテナ保持手段8501−xは、このバイトインターリーブがかかって送出されてくる形式のビット列から、STM−16終端手段6201−xから与えられるタイミング情報に従って、それぞれのバーチャルコンテナに含まれる情報をまとめ、ひとつのバーチャルコンテナの情報がまとまったなら、該まとまったバーチャルコンテナをメッセージ形式で多重手段5603へと送出する機能を持つ。この時、準備が終了したバーチャルコンテナの番号でフロー定義テーブル8502にアクセスし、同時にバッファ番号を多重手段5603に与える。
【0319】
一方、分離手段5604から渡されたメッセージ、この場合は装置内ヘッダの付与されたバーチャルコンテナ、は、メッセージ分岐手段8504、装置内ヘッダ削除手段8505、ペイロード作成手段8506を経由してSTM−16終端手段6201−xに渡される。装置内ヘッダ削除手段8505では、受け取ったメッセージから装置内ヘッダを削除してペイロード作成手段8506へと出力する。この時に、削除した装置内ヘッダ中の宛先装置内ラベルも同時に出力される。
【0320】
ペイロード作成手段8506では、渡された宛先装置内ラベルをキーとしてバーチャルコンテナ位置情報テーブル8507にアクセスし、該バーチャルコンテナのフレーム中の位置を知る。その後、ペイロード作成手段8506では、該フレーム中の位置にしたがってスイッチングされてきたバーチャルコンテナ群からSTM−16のペイロード部分のビットイメージを作成し、バイトインターリーブのかかったビットパタンへと変形してSTM−16終端手段6201−4へと送出する。この送出タイミングは、STM−16終端手段6201−4から通知される。
【0321】
以上述べたように構成された場合、バーチャルコンテナは本構成例では図86に示すようにそのフォーマットが変換され、スイッチングを受けることになる。
【0322】
まず、ルーティング処理装置102−xからは、SDHフレームにマッピングされたバーチャルコンテナが渡される。STM−16終端手段6201−xは、このバーチャルコンテナをSDHフレームから抜き出して装置内ヘッダ処理手段8401−xへと渡す。装置内ヘッダ処理手段8401−xでは、バイト送出順を変化させ、ひとつのバーチャルコンテナとしてまとまった形で多重化手段5603−xに渡され、該多重化手段5603―xから該まとまったバーチャルコンテナが出てきた時には、その先頭に装置内ヘッダが付与されて装置内メッセージの形式を持っている。以降、光リングアクセス部2803−x、バイパスチャネルを経由して所望のインタフェース基板2801−yへと転送された該バーチャルコンテナは、光リングアクセス部2803−y、分離手段5604−yを経由して装置内ヘッダ処理手段8401−yへと渡される。装置内ヘッダ処理手段6702−yにて装置内ヘッダが除去されると共に、ひとつのフレームを構成するバーチャルコンテナが集められ、バイト送出順がバイトインターリーブされたSDH標準に従う形式とされて、それらのバーチャルコンテナがSTM−16終端手段6201−xに送出される。STM−16終端手段6201−xでは、該バーチャルコンテナをSDHフレームにマッピングし、所望のルーティング処理手段102−yへと送出する。
【0323】
なお、ここで、イーサネット、PPP,ATMといったパケットベースの通信プロトコルと異なり、SDHの情報は常に周期的に本実施形態のメッセージ処理装置101に到着することになることにより、バーチャルコンテナを転送する装置内メッセージは、常にバイパスチャネルを経由することとしてもよい。これは、上述で、フロー定義テーブル8502に固定的にそれぞれのバーチャルコンテナにバッファを割り当てていることから、フローバッファ3501−xにバーチャルコンテナを含む装置内メッセージがひとつ蓄積された時点で該装置内メッセージを転送するバイパスチャネルを設定する様バイパスチャネル設定条件を選んでおけば、このことを達成することができる。
【0324】
以上で、フローマッピング部2804−xの構成に関する説明を終わる。
【0325】
以降、光リングアクセス部2803−xの個々の構成要素、メッセージ転送手段5501と光リング終端手段5502の詳細な構成について説明を行う。
【0326】
図72に、メッセージ転送手段5501の詳細な構成を示す。同図に示すように、メッセージ転送手段5501は、基板内折り返し判断手段7201、基板内折り返しバッファ7202、メッセージ挿入手段7203、送信経路振り分け手段7204、収容している光リングに対応して設けられたアクセス制御手段7205−i、受信経路選択手段7206、メッセージ分岐手段7207、基板内折り返し合流手段7208、装置内プロトコル実行手段7209を含んでいる。さらに、図41に示した装置内経路情報保持テーブル4101も含んでいる。
【0327】
フローマッピング部2804−xから与えられた装置内メッセージは、まず、基板内折り返し判断手段7201に入力される。基板内折り返し判断手段7201は、該入力された装置内メッセージの宛先の物理リンクを、自身が収容しているなら、該入力されたメッセージを基板内折り返しバッファ7202へと、そうでなければメッセージ挿入手段7203を経由して通信経路振り分け手段7204へと転送する。これは、具体的には以下のように行われる。
【0328】
基板内折り返し判断手段7201は、装置内メッセージが入力されると、該メッセージの宛先装置内ラベルを参照する。該宛先装置内ラベルがブロードキャストアドレスである場合、該メッセージをメッセージ挿入手段7203を経由して通信経路振り分け手段7204へと転送すると共に、該メッセージのコピーを作成し、基板内折り返しバッファ7202へも転送する。
【0329】
該メッセージの宛先装置内ラベルがマルチキャストグループアドレスである場合は以下の処理を行う。まず、自身が該アドレスにて示されるマルチキャストグループに属しているか否かを判断する。これは、各インタフェース基板2801−xは、前記マルチキャスト接続設定時に分配された装置内ラベルによるマルチキャストグループアドレスを保持しているが、自身が保持しているマルチキャストグループアドレス群に、該メッセージの宛先装置内ラベルが含まれているか否かを調べることで達成される。含まれていれば、自身は該マルチキャストグループに属しており、この場合は、該メッセージをメッセージ挿入手段7203を経由して通信路振り分け手段7204へと転送すると共に、該メッセージのコピーを作成し、基板内折り返しバッファ7202へも転送する。含まれていなければ、自身はマルチキャストグループに含まれておらず、この場合は、該メッセージをメッセージ挿入手段7203を経由して通信路振り分け手段7204のみへと転送する。
【0330】
該メッセージの宛先装置内ラベルがポイント−ポイント通信用のものであれば、該宛先装置内ラベルの基板番号フィールドを参照し、該メッセージが自身の収容しているインタフェース宛てのポイントポイント接続のメッセージであるか否かを調べる。自身向けのメッセージであれば、該メッセージを基板内折り返しバッファ7202へと、自身向けのメッセージでなければ、該メッセージをメッセージ挿入手段7203を経由して通信路振り分け手段7204へと、それぞれ転送する。
【0331】
通信経路振り分け手段7204は、メッセージを受け取ると、該メッセージの宛先装置内ラベルを用いて装置内経路情報保持テーブル4101を参照し、該メッセージの属するフローに対応するエントリの内容を得、選択チャネルフィールドの値と共に、選択経路フィールドの値が示す光リングに対応したアクセス制御手段7205−xに該メッセージを渡す。アクセス制御手段7205−xは、選択チャネルフィールドの値にしたがって、該メッセージを自身が収容している光リングのデフォルトチャネルもしくはバイパスチャネルへと導く。
【0332】
一方、自身が収容している光リングのデフォルトチャネルもしくはバイパスチャネルから自身宛てのメッセージを受け取ると、アクセス制御手段7205−xは、該メッセージを自身が含むバッファに保持している。該バッファについては後ほど詳細に述べる。受信経路選択手段7206は、装置内経路情報保持テーブル4101を参照し、自身に向けて設定されているバイパスチャネルに関する情報を得ながら、これらのバッファから順次メッセージを引き抜く。その後、受信経路選択手段7206は、該引き抜いたメッセージを、メッセージ分岐手段7207、基板内折り返し合流手段7208を通じてフローマッピング部2804−xと渡す。基板内折り返し合流手段7208は、受信経路選択手段7206からのメッセージが通過していないタイミングで、基板内折り返しバッファ7202に保持されているメッセージを引き抜き、フローマッピング部2804−xへと渡す。
【0333】
装置内プロトコル実行手段7209、メッセージ挿入手段7203、メッセージ分岐手段7207は、フローマッピング部2804−xで収容しているプロトコルから独立した、本構成例のメッセージ中継装置内部で必要となるプロトコル、例えば、バイパスチャネル設定等、を実行する。バイパスチャネル設定のプロトコルが実行された結果、装置内プロトコル実行手段7209は、必要に応じて装置内経路情報保持テーブル4101を書き換える。
【0334】
なお、本構成例の場合、設定したバイパスチャネルに関して、後ほど述べるようにいくつかの情報をアクセス制御手段7205−iに提示する必要がある。これは、通信経路振り分け手段7204、受信経路選択手段7206が、装置内経路情報保持テーブル4101を参照し、設定したバイパスチャネルに対して必要となる情報を提示することとして良い。
【0335】
メッセージ転送手段5501に含まれる、アクセス制御手段7205−xは、図73に示す構成を持つ。同図に示すように、アクセス制御手段7205−xは、バイパス/デフォルト選択手段7301、デフォルトチャネル送出用バッファ7302、送出/通過合流手段7303、バイパスチャネル送出用バッファ7304、バイパスチャネル送出制御手段7305、アドレスフィルタ7306、自装置内ラベルテーブル7307、デフォルトチャネル通過用バッファ7308、デフォルトチャネル受信用バッファ7309、バイパスチャネル受信制御手段7310、バイパスチャネル受信用バッファ7311を含む。
【0336】
バイパス/デフォルト選択手段7301は、通信経路振り分け手段7204からメッセージが渡されると、同時に渡される選択経路フィールドの値に従って該メッセージをデフォルトチャネル送出用バッファ7302もしくはバイパスチャネル送出用バッファ7304のいづれかに転送する。デフォルトチャネル送出用バッファ7302に保持されたメッセージは、送出/通過合流手段7303の指示により読み出され、該手段を経由して対応する光リング終端手段5502−xへと送出される。一方、バイパスチャネル送出用バッファ7304に保持されたメッセージは、バイパスチャネル送出制御手段7305の、通信経路振り分け手段7203から提示されるバイパスチャネル設定状況に関する情報に従った制御を受け、所定のタイミングで対応する光リング終端手段5502−xへと送出される。バイパスチャネル送出制御手段7305はさらに、バイパスチャネル設定状況に関する情報を用いて、対応する光リング終端手段5502−xのバイパスチャネルに関する制御、具体的には送出波長の指示やバイパスチャネルのマルチキャスト接続に係るビット列コピーの指示、を行う。
【0337】
一方、光リング終端手段5502−xは、インタフェース基板2801−x間を接続する光ファイバからデフォルトチャネルやバイパスチャネルの光信号を受信すると、これらの光信号を電気信号によるビット列群に変換し、その後該ビット列群からメッセージの先頭を検出して、メッセージ列群としてアクセス制御手段7205−xに渡す。なお、バイパスチャネルとして受信すべき波長は、受信経路選択手段7205から与えられるバイパスチャネル設定状況に係る情報を基に、バイパスチャネル受信制御手段7310が光リング終端手段5502−xを制御して決定される。
【0338】
デフォルトチャネルのメッセージ列は、アクセス制御手段7205−x内では以下のように処理される。
【0339】
デフォルトチャネルのメッセージ列は、まず、アドレスフィルタ7306を経由する。アドレスフィルタ7306は、自装置内ラベルテーブル7307と入力されたそれぞれのメッセージの装置内ヘッダの宛先フィールドとを参照し、前述の方式に従ってそれぞれのメッセージが該インタフェース基板2801−xを通過するのか、該インタフェース基板2801−xにて分岐されるのか、それともコピーされて通過と分岐の両方を受けるのか、を決定する。その後、該決定に従って、通過するメッセージに関してはデフォルトチャネル通過用バッファ7308に、分岐されるメッセージに関してはデフォルトチャネル受信用バッファ7309に、それぞれ転送される。
【0340】
デフォルトチャネル通過用バッファ7308に保持されたメッセージは、送出/通過合流手段7303の指示により読み出され、該手段を経由して対応する光リング終端手段5502−xへと送出される。また、デフォルトチャネル受信用バッファ7209に保持されたメッセージは、受信経路選択手段7205からの指示により読み出され、該手段へと転送される。
【0341】
一方、バイパスチャネルのメッセージ列、本構成例では同時にふたつのバイパスチャネルの受信が可能なようになっているが、は、それぞれ対応するバイパスチャネル受信用バッファ7311に保持される。該保持されたメッセージは、受信経路選択手段7205からの指示により読み出され、該手段へと転送される。
【0342】
なお、本構成例にあっては、前述の経路選択手順等で、各光リングのデフォルトチャネルの負荷を比較し、使用光リングを決定することが行われているが、デフォルトチャネルの負荷は、デフォルトチャネル送出用バッファ7302、デフォルトチャネル通過用バッファ7308にて測定することができる。この測定方法には種々の方法が適用可能であるが、例えば、ある時刻にこれらのバッファに保持されたメッセージの総量をもってデフォルトチャネルの負荷であると規定してもかまわない。送出/通過合流手段7308では、デフォルトチャネル通過用バッファ7308に保持されたメッセージをデフォルトチャネル送出用バッファ7302に保持されたものよりも優先して光リング終端手段5502−xに送出するのが、光リング上でメッセージ廃棄を発生させない観点から望ましいが、送出しているメッセージの長さによっては、この場合であっても、デフォルトチャネル通過用バッファ7308にメッセージが保持されることがある。
【0343】
図74に、光リング終端手段5502−xの構成例を示す。インタフェース基板2801−x間の接続に使用されている光ファイバの波長多重された光信号は、第1の光アンプ7401によって増幅された後、デフォルトチャネル光分岐挿入器7402に入力される。デフォルトチャネル光分岐挿入器7402は、入力された光信号からデフォルトチャネルに割り当てられた波長を分岐し、その後、E/O変換器7407にて作成されるデフォルトチャネルの光信号を挿入し、バイパスチャネル光分岐挿入器7403に渡す。バイパスチャネル光分岐挿入器7403は、バイパスチャネル受信制御手段7310の制御に従い、該インタフェース基板2801−xに割り当てられた波長の光信号を分岐し、その後、可変波長E/O変換器7413にて作成されるバイパスチャネルの光信号を挿入し、第2の光アンプ7404に渡す。第2の光アンプ7404では、バイパスチャネル光分岐挿入器7403から渡された光信号を増幅し、隣接するインタフェース基板2801−yに送出する。
【0344】
デフォルトチャネル光分岐挿入器7402で分岐された光信号は、第1のO/E変換器7405にて電気信号に変換された後、第1の先頭検出手段7406で各メッセージの先頭が検出され、デフォルトチャネル上のメッセージ列としてアクセス制御手段7205―xに渡される。一方、アクセス制御手段7205−xから渡されたデフォルトチャネルのメッセージ列は、E/O変換器7407によってバイパスチャネルの波長に変換され、デフォルトチャネル光分岐挿入器7402へと渡される。
【0345】
バイパスチャネル光分岐挿入器7403によって分岐されたバイパスチャネルの光信号、本構成例ではふたつ、は、それぞれ対応する第2、第3のO/E変換器7408,7409にて電気信号に変換される。ここで分岐される光信号の波長は、バイパスチャネル受信制御手段7310が指定する。第2、第3のO/E変換器7408,7409から送出された電気信号は、第2、第3の先頭検出手段7410,7411で各メッセージの先頭が検出され、バイパスチャネル上のメッセージ列としてアクセス制御手段7205−xに渡される。一方、アクセス制御手段7205−xから渡されたバイパスチャネルのメッセージ列は、コピー制御手段7412を経由して波長可変E/O変換器7413に渡される。波長可変E/O変換器7413は、バイパスチャネル送出制御手段7305から指定された波長にて該メッセージ列を光信号に変換し、バイパスチャネル光分岐挿入器7403へと渡す。
【0346】
コピー制御手段7412は、バイパスチャネル送出制御手段7305からの指示により、第2、第3のO/E変換器7408,7409から送出された電気信号、アクセス制御手段7205−xからの電気信号のうちのひとつを選択して波長可変E/O変換器7413に渡す制御を行っている。第2、第3のO/E変換器7408、7409からの信号を波長可変E/O変換器7413に転送する事で、バイパスチャネルでのマルチキャストが実現される。
【0347】
上述の機能を実現するデフォルトチャネル光分岐挿入器7402、バイパスチャネル光分岐挿入器7403の構成は種々考えられる。例えば、デフォルトチャネル光分岐挿入器7402は図75に、バイパスチャネル光分岐挿入器7403は図76に、それぞれ示すように構成されても良い。図75に示したデフォルトチャネル光分岐挿入器7402は、ふたつのサーキュレータでファイバグレーディングによる波長フィルタを挟み込んだ構成を持っている。また、図76に示したバイパスチャネル光分岐挿入器7403は分岐/挿入を行う経路対応にそれぞれ光SAWフィルタを設けた構成を持っている。こういった構成で本実施形態が要請する機能を持つデフォルトチャネル光分岐挿入器7402、バイパスチャネル光分岐挿入器7403を実現できる。
【0348】
以上で、メッセージ転送手段5501、光リング終端手段5502の詳細な構成に関する説明を終了する。
【0349】
なお、ここで述べたインタフェース基板2801−x間におけるデフォルトチャネル上のメッセージ転送プロトコルやバイパスチャネル設定の為のプロトコル、デフォルトチャネルとバイパスチャネルの切り替えアルゴリズムは、特にここで述べてきたように筐体内のみで実施可能という訳ではなく、種々の局面に適用可能である。例えば、波長多重バースト交換技術を適用した光ループ広域網、光ループ加入者網といったシステムの光ループ上でのメッセージ転送に対して適用可能である。
【0350】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば、デフォルトチャネル上でコネクションレス通信を提供しつつ、予め定められた条件でフローを検出し、デフォルトチャネルでメッセージを扱う場合に比してより少ない計算量でメッセージ転送の可能なバイパスチャネルを設定し、該フローに属するメッセージ転送をデフォルトチャネルからバイパスチャネルに切り替えることとしたので、コネクションレス通信が本質的に持つ計算量の多さを緩和し、超高スループットをもつメッセージ中継を実現することができる。さらに、これらのバイパスチャネル、デフォルトチャネルを、波長多重バースト光スイッチング技術を利用して形成すれば、電気回路が物理的に持つ制約条件を緩和でき、超高スループットのバイパスチャネル、デフォルトチャネルを容易に実現することが可能である。また、これらのバイパスチャネルを、デフォルトチャネル上のメッセージ転送量を基に設定され、バイパスチャネル上のメッセージ転送量を基に開放されるようにすれば、時々刻々変化するルーティング処理装置間のトラフィックパタンに追従してこれらルーティング処理装置間に帯域を割り当てることが可能になる。さらに、それぞれのフローの識別子を、メッセージが処理されるプロトコルが提供する識別子とは独立して本発明のメッセージ中継装置内部に定義し、また、それぞれのフローに属するメッセージを特に変換することなく処理することにすれば、種々のプロトコルを収容可能な超高スループットのメッセージ中継装置を提供可能である。また、本発明の一構成例にあっては、1本の光ファイバで多量のトラフィックを転送可能であるという、波長多重バースト光スイッチング技術の持つ望ましい性質を活用し、メッセージ中継装置の内部トポロジをリングトポロジとしたので、デフォルトチャネル上、バイパスチャネル上で、超高スループットを持つマルチキャスト接続を容易に提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用した、超高速メッセージ中継システムの構成を示す図。
【図2】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の概念的構成を示す図。
【図3】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の概念的動作を示す図。
【図4】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置とルーティング処理機能の協調動作の様子を示す図。
【図5】マッピング機能の概念的動作を示す図。
【図6】ルーティング処理装置との間の接続がイーサネットである場合の概念的動作を示す図。
【図7】ルーティング処理装置との間の接続がイーサネットである場合のフロー定義情報を示す図。
【図8】複数の物理リンクが接続されている場合のマッピング機能の概念的動作を示す図。
【図9】ルーティング処理装置との間が複数のイーサネットケーブルで接続されている場合の概念的動作を示す図。
【図10】ルーティング処理装置との間が複数のイーサネットケーブルで接続されている場合のフロー定義情報を示す図。
【図11】ひとつの物理リンク中に複数の論理パスが設定可能な場合のマッピング機能の概念的動作を示す図。
【図12】ルーティング処理装置との間の接続がイーサネットである場合に、該イーサネット中に複数の論理パスを定義した場合の概念的動作を示す図。
【図13】ルーティング処理装置との間の接続がイーサネットである場合に、該イーサネット中に複数の論理パスを定義するためのフロー定義情報の例を示す図。
【図14】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置とルーティング処理機能の協調動作のもうひとつの方法の様子を示す図。
【図15】ルーティング処理装置との間の接続がPPP接続である場合の概念的動作を示す図。
【図16】ルーティング処理装置との間の接続がPPP接続である場合のフロー定義情報を示す図。
【図17】ルーティング処理装置との間の接続がPPP接続上のラベルスイッチングである場合の概念的動作を示す図。
【図18】ルーティング処理装置との間の接続がPPP接続上のラベルスイッチングである場合のフロー定義情報を示す図。
【図19】ルーティング処理装置との間の接続がATMである場合のフロー定義情報を示す図。
【図20】ルーティング処理装置との間の接続がATMである場合の概念的動作を示す図。
【図21】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の第2の概念的構成を示す図。
【図22】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の第2の概念的構成における、第1の概念的動作を示す図。
【図23】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の第2の概念的構成を用いたネットワークの構成例を示す図。
【図24】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の第2の概念的構成における、第2の概念的動作での初期状態を示す図。
【図25】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の第2の概念的構成における、第2の概念的動作での運用中の状態を示す図。
【図26】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の第2の概念的構成における、バイパスの通信パスの設定手順を示す図。
【図27】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置における、フロー定義情報、装置内ラベル、装置内経路情報の関係を示す図。
【図28】本発明の一実施例であるメッセージ中継装置の構成を示す図。
【図29】レイヤ3終端基板の構成例を示す図。
【図30】光リングアクセス部と光リングの詳細な接続例を示す図。
【図31】それぞれの光リング中でのデフォルトチャネルとバイパスチャネルの構成原理を示す図。
【図32】装置内ヘッダの詳細な構成例を示す図。
【図33】デフォルトチャネルにおける装置内メッセージの概念的処理を示す図。
【図34】デフォルトチャネルにおける装置内メッセージの概念的ブロードキャスト法を示す図。
【図35】バイパスチャネルの概念的構成を示す図。
【図36】運用中のバイパスチャネル設定例を示す図。
【図37】バイパスチャネルの設定手順を示す図。
【図38】バイパスチャネル設定中のメッセージ転送例を示す図。
【図39】時計回り経路における経路選択メッセージの動作を説明する図。
【図40】半時計回り経路における経路選択メッセージの動作を説明する図。
【図41】装置内経路情報テーブルの構成を示す図。
【図42】アドレス解決プロトコル実行中のメッセージ転送例を説明する図。
【図43】アドレス解決要求の動作を説明する図。
【図44】波長割り当てテーブルの構成例を示す図。
【図45】バイパスチャネル設定メッセージの動作を説明する第1の図。
【図46】バイパスチャネル設定メッセージの動作を説明する第2の図。
【図47】バイパスチャネル設定メッセージの動作を説明する第3の図。
【図48】光リングアクセス部の概念的構成を示す図。
【図49】デフォルトチャネルにおけるブロードキャスト接続の動作を説明する図。
【図50】デフォルトチャネルにおけるマルチキャスト接続の動作を説明する図。
【図51】デフォルトチャネルにおけるポイントポイント接続の動作を説明する図。
【図52】バイパスチャネルにおけるポイントポイント接続の動作を説明する図。
【図53】バイパスチャネルにおけるマルチキャスト接続の動作を説明する図。
【図54】インタフェース基板における識別子構成例を説明する図。
【図55】インタフェース基板のより詳細な構成例を示す図。
【図56】フローマッピング部の第1の構成例を示す図。
【図57】第1の装置内ヘッダ処理手段の構成例を示す図。
【図58】インタフェース基板がイーサネットを終端する場合のフロー定義テーブルの構成例を示す図。
【図59】多重手段の構成例を示す図。
【図60】分離手段の構成例を示す図。
【図61】インタフェース基板がイーサネットを終端する場合のメッセージ処理の詳細を示す図。
【図62】フローマッピング部の第2の構成例を示す図。
【図63】第2の装置内ヘッダ処理手段の構成例を示す図。
【図64】インタフェース基板がラベルスイッチングを扱う場合のフロー定義テーブルの構成例を示す図。
【図65】ラベル書き換えテーブルの構成例を示す図。
【図66】インタフェース基板がラベルスイッチングを扱う場合のメッセージ処理の詳細を示す図。
【図67】フローマッピング部の第3の構成例を示す図。
【図68】第3の装置内ヘッダ処理手段の構成例を示す図。
【図69】インタフェース基板がATMを扱う場合のフロー定義テーブルの構成例を示す図。
【図70】VPI/VCI書き換えテーブルの構成例を示す図。
【図71】インタフェース基板がATMを扱う場合のメッセージ処理の詳細を示す図。
【図72】メッセージ転送手段の構成例を示す図。
【図73】アクセス制御手段の構成例を示す図。
【図74】光リング終端手段の構成例を示す図。
【図75】デフォルトルート光分岐挿入器の構成例を示す図。
【図76】バイパスルート光分岐挿入器の構成例を示す図。
【図77】固定波長受信方式の場合のバイパスチャネル設定手順を示す図。
【図78】固定波長受信方式の場合のバイパスチャネル開放手順を示す図。
【図79】イーサネットアドレスのマルチキャストグループと、装置内ラベルのマルチキャストグループの関係を示す図。
【図80】マルチキャスト接続デフォルトチャネル設定の手順を示す図。
【図81】バイパスチャネル上でのマルチキャスト接続の方法を示す図。
【図82】マルチキャスト接続バイパスチャネル設定の手順を示す図。
【図83】マルチキャスト接続バイパスチャネル開放の手順を示す図。
【図84】フローマッピング部の第4の構成例を示す図。
【図85】第4の装置内ヘッダ処理手段の構成例を示す図。
【図86】インタフェース基板がSDHのバーチャルコンテナを扱う場合のメッセージ処理の詳細を示す図。
【図87】従来の超高速メッセージ中継システムの構成を示す図。
【図88】従来の超高速メッセージ中継システムにおけるルーティング処理装置間帯域割当の様子を示す図。
【図89】本発明による超高速メッセージ中継システムにおけるルーティング処理装置間帯域割り当ての様子を示す図。
【符号の説明】
101…メッセージ中継装置
102−1,...102−n…ルーティング処理装置
103−1,...103−n…コネクションレス網

Claims (27)

  1. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、
    該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、これらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、
    前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段を少なくとも識別可能な中継装置内識別子を該メッセージに与える手段と、
    該インターフェース手段から他のインターフェース手段に向けた通信チャネルであって前記中継装置内識別子に対応付けることが可能なものの設定を前記スイッチング手段に指示する手段と、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージを前記スイッチング手段へ送出する手段と、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、
    前記スイッチング手段は、
    前記インターフェース手段からの指示に従って通信チャネルを設定する手段と、
    あるインターフェース手段から送出されたメッセージを設定された前記通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へスイッチングする手段とを含むことを特徴とするメッセージ中継装置。
  2. 前記スイッチング手段は、あるインターフェース手段から送出されたメッセージをデフォルトで予め設定されている通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へ転送する手段を更に含み、
    前記インターフェース手段は、前記デフォルトの通信チャネルからメッセージを受信した場合には、該メッセージを参照して自身が受信すべきメッセージか否かを判断し、受信すべきであると判断した場合に、該メッセージを受信するものであることを特徴とする請求項1記載のメッセージ中継装置。
  3. 前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力され前記デフォルトの通信チャネルへ送出されるメッセージについて、該メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージを入力したポートを検査して前記中継装置内識別子を求め、所定の条件を満たす場合に該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けた通信チャネルであって、該中継装置内識別子に対応付けるべきものの設定を前記スイッチング手段に指示するものであり、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から新たに入力されたメッセージについて、該新たなメッセージ内の所定の領域の内容および/または該新たなメッセージを入力したポートを検査した結果与えられる中継装置内識別子が、前記設定された通信チャネルと対応付けられるならば、該新たなメッセージを前記設定された通信チャネルへ送出するものであることを特徴とする請求項2記載のメッセージ中継装置。
  4. 前記インターフェース手段は、
    中継装置内識別子毎に対応付けることが可能な複数のメッセージバッファ手段を含み、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに、前記中継装置内識別子を与える際、該中継装置内識別子にメッセージバッファ手段が対応付けられていなければ、前記複数のメッセージバッファ手段の一つを割り当て、この割り当てられたメッセージバッファ手段に一旦該メッセージを蓄積し、
    前記メッセージバッファ手段から読み出したメッセージを、所定の条件に従って選択した、前記指示に従って設定された通信チャネルもしくは前記デフォルトの通信チャネルへ送出するものであることを特徴とする請求項2記載のメッセージ中継装置。
  5. 前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力される可能性のあるメッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージが入力されることになっているポートから求められる中継装置内識別子に対応付けるべきものとして、該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けた通信チャネルの設定を前記スイッチング手段に指示するものであり、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージについて、該メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージを入力したポートを検査した結果与えられる中継装置内識別子が、前記設定された通信チャネルと対応付けられるならば、該メッセージを前記設定された通信チャネルへ送出するものであることを特徴とする請求項1記載のメッセージ中継装置。
  6. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、
    該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、これらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段と、このスイッチング手段を介して前記各インターフェース手段と接続されたレイヤ3処理手段とを具備し、
    前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段を少なくとも識別可能な中継装置内識別子を該メッセージに与える手段と、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージを前記スイッチング手段へ送出する手段と、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、
    前記レイヤ3処理手段は、
    あるルーティング処理装置から対応するインターフェース手段に入力されたメッセージを入力し、該メッセージをレイヤ3以上のレイヤの情報を含めて解析して、前記中継装置内識別子が与えられるべきメッセージの属するフローを決定し、前記あるインターフェース手段から他のインターフェース手段に向けた通信チャネルであって、前記中継装置内識別子に対応付けられるものの設定を前記スイッチング手段に指示し、前記フローに属するメッセージを入力したら前記中継装置内識別子を与えるように前記インターフェース手段に指示する手段を含み、
    前記スイッチング手段は、
    前記レイヤ3処理手段からの指示に従って通信チャネルを設定する手段と、
    あるインターフェース手段から送出されたメッセージを設定された前記通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へスイッチングする手段とを含むことを特徴とするメッセージ中継装置。
  7. 前記解析の対象となるメッセージは、前記ルーティング処理装置から前記インターフェース手段に入力される可能性のあるメッセージの属するフローに関して予め通知するための制御プロトコルメッセージであることを特徴とする請求項6記載のメッセージ中継装置。
  8. 前記レイヤ3処理手段は、前記ルーティング処理装置から前記インターフェース手段に入力されたメッセージの内容を参照して、該メッセージを、該レイヤ3処理手段から前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段へ予め設定されているデフォルトの通信パスを用いて前記スイッチング手段へ送出する手段を更に含み、
    前記解析の対象となるメッセージは、このデフォルトの通信パスを用いて送出されたメッセージであることを特徴とする請求項6記載のメッセージ中継装置。
  9. 前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージ内のレイヤ2宛先アドレス情報を少なくとも参照して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、このレイヤ2宛先アドレス情報から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるものであることを特徴とする請求項1または6記載のメッセージ中継装置。
  10. 前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージ内のレイヤ2ヘッダ情報を少なくとも参照して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、予め記憶された、該レイヤ2ヘッダ情報とその中継先となるルーティング処理装置との関係から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるものであることを特徴とする請求項1または6記載のメッセージ中継装置。
  11. 前記インターフェース手段は、前記メッセージに前記中継装置内識別子を与えるために、該メッセージ内のレイヤ3以上のレイヤの情報をも参照することを特徴とする請求項9または10記載のメッセージ中継装置。
  12. 前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージ内の特定の領域に記入されている、前記対応するルーティング処理装置においてそのメッセージが属するとされていたフローを識別可能な情報を少なくとも参照して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、予め記憶された、該フローとその中継先となるルーティング処理装置との関係から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるものであることを特徴とする請求項1または6記載のメッセージ中継装置。
  13. 前記ルーティング処理装置と対応する前記インターフェース手段とが複数の物理リンクもしくは論理パスにより接続されており、
    前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージがどの物理リンクもしくは論理パスから入力されたかを少なくとも検査して、前記中継装置内識別子を該メッセージに与えるものであり、予め記憶された、該ポートの情報とその中継先となるルーティング処理装置との関係から、前記中継先となるルーティング処理装置が特定されるものであることを特徴とする請求項1または6記載のメッセージ中継装置。
  14. 前記ルーティング処理装置と対応する前記インターフェース手段とが複数の物理リンクもしくは論理パスにより接続されており、
    前記インターフェース手段は、前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段へ、前記中継装置内識別子とどのようなメッセージにこの中継装置内識別子が与えられるかを示す情報とを通知し、前記スイッチング手段へ前記通信チャネルを用いて送出するメッセージに前記中継装置内識別子を付随させる手段を更に含み、
    前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段は、前記通信チャネルから受信したメッセージに付随する中継装置内識別子について通知された前記情報に基づいて、対応するルーティング処理装置へ前記メッセージを出力するのに用いる物理リンクもしくは論理パスを選択することを特徴とする請求項1または6記載のメッセージ中継装置。
  15. 前記中継装置内識別子は、メッセージ内の所定の領域の内容および/または該メッセージが入力されるポートの情報の、情報量を圧縮して固定長に収めたものであることを特徴とする請求項1または6記載のメッセージ中継装置。
  16. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、
    該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、これらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、
    前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージを、該メッセージが使用しているプロトコルに応じて検査し、該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段を少なくとも識別可能な中継装置内識別子を該メッセージに与える手段と、
    該インターフェース手段から他のインターフェース手段に向けた通信チャネルであって前記中継装置内識別子が与えられたメッセージを送出可能なものが前記スイッチング手段にて使用可能になるまで、該メッセージを蓄積するための手段と、
    この蓄積されたメッセージを、該メッセージが入力された際のプロトコルフォーマットを保持したまま、前記スイッチング手段へ送出する手段と、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、
    前記スイッチング手段は、
    あるインターフェース手段から送出されたメッセージを前記通信チャネルを用いて別のインターフェース手段へスイッチングする手段とを含むことを特徴とするメッセージ中継装置。
  17. 前記スイッチング手段は、波長多重バーストスイッチングの可能な光通信路により構成され、光波長により前記通信チャネルを形成するものであり、
    前記インターフェース手段は、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに対し前記中継装置内識別子に従って光波長を割り当て、該メッセージをこの光波長を使って前記スイッチング手段へ送出させる手段を更に含むことを特徴とする請求項1、6または16記載のメッセージ中継装置。
  18. 前記インターフェース手段は、メッセージを前記中継装置内識別子毎の領域に記憶するバッファメモリを備え、該バッファメモリに記憶されたメッセージが所定の条件を満たす場合にその中継装置内識別子に光波長を割り当てるものであることを特徴とする請求項17記載のメッセージ中継装置。
  19. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、
    該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、複数の波長の光を多重して伝送可能な光リングによりこれらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、
    前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けて設定された波長により形成される通信チャネルを用いて該メッセージを送出する手段と、
    該インターフェース手段に固有に割り当てられた波長を選択して取り込むことにより、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段と、
    複数のインターフェース手段に共通に割り当てられた波長を選択して取り込み、取り込んだメッセージの宛先がどのインターフェース手段であるかを示す情報に基づいて該メッセージを処理する手段とを含むことを特徴とするメッセージ中継装置。
  20. 前記インターフェース手段は、前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段が固有に受信すべきものとして予め割り当てられている複数の光波長のうちの一つであって他のインターフェース手段が使用中でないものを選択し、入力された前記メッセージをこの選択した光波長を使って送出するものであることを特徴とする請求項17または19記載のメッセージ中継装置。
  21. メッセージの中継先となるルーティング処理装置が複数である場合に、送出元に相当するインターフェース手段は、一つの中継先に相当するインターフェース手段へ、この一つの中継先に相当するインターフェース手段について選択した光波長と共に他の中継先の情報を通知して、この光波長により前記メッセージを送出し、前記一つの中継先に相当するインターフェース手段は、この光波長により受信した前記メッセージをコピーしてできたメッセージを、前記他の中継先の一つに相当するインターフェース手段について選択した光波長により送出することを特徴とする請求項20記載のメッセージ中継装置。
  22. 前記インターフェース手段は、他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長のうちの一つを前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段が固有に受信するように通知し、入力された前記メッセージをこの通知した光波長を使って送出するものであることを特徴とする請求項17または19記載のメッセージ中継装置。
  23. 前記インターフェース手段は、このインターフェース手段から前記中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段までの間の光通信路において使用中でない光波長は、他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長であると判断することを特徴とする請求項22記載のメッセージ中継装置。
  24. メッセージの中継先となるルーティング処理装置が複数である場合に、送出元に相当するインターフェース手段は、一つの中継先に相当するインターフェース手段が他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長のうちの一つを固有に受信するように通知する際に他の中継先の情報も通知し、前記一つの中継先に相当するインターフェース手段は、前記他の中継先の一つに相当するインターフェース手段が他のインターフェース手段との衝突が起こらない光波長のうちの一つを固有に受信するように通知し、前記送出元に相当するインターフェース手段が通知した光波長により送出された前記メッセージを受信した前記一つの中継先に相当するインターフェース手段は、前記メッセージをコピーしてできたメッセージを、前記他の中継先の一つに相当するインターフェース手段に通知した光波長により送出することを特徴とする請求項22記載のメッセージ中継装置。
  25. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置に接続され、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継装置であって、
    該メッセージ中継装置は、各ルーティング処理装置にそれぞれ対応して設けられたインターフェース手段と、複数の波長の光を多重して伝送可能な光リングによりこれらのインタフェース手段間を接続するスイッチング手段とを具備し、
    前記インターフェース手段は、
    該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置から入力されたメッセージに基づいて定められる該メッセージの中継先となるルーティング処理装置に対応するインターフェース手段に向けて設定された波長により形成される通信チャネルを用いて該メッセージを送出する手段と、
    該インターフェース手段に固有に割り当てられた波長を選択して取り込むことにより、該インターフェース手段に対応するルーティング処理装置へ出力すべきメッセージを前記スイッチング手段から受信する手段とを含み、
    前記受信する手段により受信可能な波長の数が、前記送出する手段により送出可能な波長の数よりも大きいように構成されたことを特徴とするメッセージ中継装置。
  26. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置間で、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継方法であって、
    あるルーティング処理装置から入力されたメッセージの内容を参照し、所定の条件に従って該メッセージの属するフローを検出し、
    この検出されたフローに対しメッセージバッファを割り当てて前記メッセージを蓄積し、
    前記検出されたフローの中継先となるルーティング処理装置を特定可能な識別子を、該フローに割り当て、
    前記メッセージバッファからメッセージを読み出し、このメッセージに前記識別子を付与して、複数の接続先のルーティング処理装置のそれぞれが到達したメッセージを受信するか否かを前記識別子に基づき判断するように構成されたデフォルトの通信チャネルへ送出し、
    前記メッセージバッファが所定の状態になった場合に、前記中継先となるルーティング処理装置へメッセージが転送されるように構成されたバイパスの通信チャネルを設定し、
    このバイパスの通信チャネルが設定されたならば、前記メッセージバッファから読み出されたメッセージの送出先を、前記デフォルトの通信チャネルから、該バイパスの通信チャネルへ切り替えることを特徴とするメッセージ中継方法。
  27. コネクションレス通信を行う複数のルーティング処理装置間で、あるルーティング処理装置からのメッセージを別のルーティング処理装置へ中継するメッセージ中継方法であって、
    あるルーティング処理装置から、マルチキャストグループアドレスとこれに対応する複数の宛先アドレスの情報を含むマルチキャスト接続設定要求を入力し、複数の接続先のルーティング処理装置のそれぞれが到達したメッセージを受信するか否かを宛先アドレス領域の値に基づき判断するように構成されたデフォルトの通信チャネルから、前記マルチキャストグループアドレスを宛先とするメッセージが後に送られてきた場合には、前記マルチキャスト接続の中継先となる各ルーティング処理装置がこのメッセージを受信するように、該メッセージの送出に先立って、該マルチキャストグループアドレスと各宛先アドレスとの組を通知し、
    この通知に伴って、前記マルチキャスト接続上での、前記中継先となる各ルーティング処理装置間の順序関係を収集し、
    前記マルチキャストグループアドレスを宛先とするメッセージに対し、メッセージバッファを割り当て、
    あるルーティング処理装置から入力された、前記マルチキャストグループアドレスを宛先とするメッセージを、このメッセージバッファに蓄積し、
    前記メッセージバッファからメッセージを読み出し、このメッセージを前記デフォルトの通信チャネルへ送出し、
    前記メッセージバッファが所定の状態になった場合に、収集した前記順序関係を用いて、前記中継先となる各ルーティング処理装置へメッセージが転送されるように構成されたバイパスの通信チャネルを設定し、
    このバイパスの通信チャネルが設定されたならば、前記メッセージバッファから読み出されたメッセージの送出先を、前記デフォルトの通信チャネルから、該バイパスの通信チャネルへ切り替えることを特徴とするメッセージ中継方法。
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