JP3602070B2 - Mpoaシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MPOA(Multi−Protocol Over ATM)による通信に関し、特に、ショートカット通信におけるドミノ効果(Domino Effect)を回避するMPOAシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のMulti−Protocol Over ATM(以下MPOA)は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、以下ATM)ネットワーク上でInternet Protocol(以下IP)、Internetwork Packet Exchange(以下、IPX)等の既存のレイヤ3(ネットワーク層)プロトコルを使った通信を行うものであり、その仕様は「AF−MPOA−0087.000、ATM Forum」で規定されている。
【0003】
MPOAの特徴は、データパケットの送信元ノードから見て宛先ノード(ターゲット)が送信元ノードとは異なるサブネットにあり、かつある一定以上のデータフロー(継続的なデータパケットの流れ)が検出された場合において、そのターゲットに向かってATMネットワーク内でショートカットVirtual Channel Connection(以下、VCC)を開設して、途中のルータを介することなく通信を行うことにある。
【0004】
従来のMPOAシステムの動作を、図13を参照して説明する。ATMネットワークを構成するATMスイッチは、図13には図示されていないが、各ホストやルータを結ぶVCC(ショートカットVCCを含む)を開設するのに問題ないよう配置、配線されているものとする。また、以下の説明では、便宜上レイヤ3プロトコルとしてIPを例に挙げて説明するが、これに限るものではない。
【0005】
図13において、ホスト610がホスト650に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。このIPパケットは、ルータ620、ルータ630、ルータ640を経由して、ホスト650に着する。この時、ホスト610のMPOAクライアント(以降MPC)であるMPC611は、送信されるIPパケットのカウントを行う。このカウント値がある一定時間内にある一定値以上になった場合(例えば1秒間に10パケット以上)に、「フローがある」と判断する。これをフロー検出という。
【0006】
フローを検出したMPC611は、ホスト650へのショートカット通信を開始する。ここで、ショートカット通信を開始するためには、ホスト650へのショートカットVCCを開設しなければならない。ショートカットVCCを開設するためには、ホスト650のATMアドレスを知らなければならない。このような「ショートカット通信を行いたいMPCがショートカット先のホストのATMアドレスを取得する動作」を「アドレス解決」という。言い換えると、フローを検出したMPC611は、ホスト650へのショートカット通信を開始するため、ホスト650のアドレス解決を開始する。
【0007】
MPC611は、ターゲットとしてホスト650のIPアドレスを指定して、MPOAアドレス解決要求パケットを作成し、MPOAサーバ(以降MPS)MPS622に送信する。
【0008】
MPS622は、当該MPOAアドレス解決要求パケットを、IPルーティングテーブルに従って、ターゲットへの次ホップであるルータ630のMPS632に送信する。MPS622のようなMPSを「入口MPS」という。当該MPOAアドレス解決要求パケットは、このようにIPルーティングテーブルに従って次々とターゲットに向かって転送される。
【0009】
MPS642は、当該MPOAアドレス解決要求パケットから必要な情報を取り出し、MPOAキャッシュ生成要求パケットを作成し、それをターゲットであるホスト650のMPC651に送信する。これは、MPC511からショートカット通信により、ホスト650宛のIPパケットが送信されてきた場合に、そのIPパケットに付加するべきMedia Access Control(以下MAC)ヘッダ情報をMPC651に通知するものである。この場合のMACヘッダ情報は、DA(Destination Address)としてホスト650のMACアドレス、SA(Source Address)としてルータ640のMACアドレスが含まれる。
【0010】
MPC651は、MPOAキャッシュ生成応答パケットをMPS642に返送する。当該MPOAキャッシュ生成応答パケットには、MPC651がショートカットVCCの開設を受け付けるためのATMアドレスが含まれる。
【0011】
MPS642は、当該MPOAキャッシュ生成応答パケットから必要な情報を取り出し、MPOAアドレス解決応答パケットを作成し、それを入口MPSであるMPS622に向かって返送する。MPS642のようなMPSを「出口MPS」という。当該MPOAアドレス解決応答パケットは、このようにIPルーティングテーブルに従って次々と入口MPSに向かって転送される。
【0012】
MPS622が当該MPOAアドレス解決応答パケットを受信すると、これをMPC611に返送する。これにより、MPC611はホスト650へのショートカットVCCを開設するためのATMアドレスを知ることができる。なお、MPOAアドレス解決要求/返答パケットやMPOAキャッシュ生成要求/返答パケット等をまとめて「MPOAパケット」ということがある。
【0013】
MPC611は、当該ATMアドレスを用いてホスト650へのショートカットVCCを開設し、以降のホスト650宛のIPパケットは当該ショートカットVCCに転送する。MPC651が当該ショートカットVCCからIPパケットを受信すると、先にMPS642からMPOAキャッシュ生成要求パケットにより通知されたMACヘッダを、当該IPパケットに付加してMACフレームを作成する。このようにして作成された当該MACフレームは、あたかもルータ640からホスト650に送信されたMACフレームのように見える。
【0014】
これによりホスト650の上位プロトコル処理は、MPOAが導入されていない場合と同様に行うことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のMPOAシステムには、ドミノ効果(Domino Effect)が発生するという問題点があった。
【0016】
以下ドミノ効果について説明する。図14において、ホスト710がホスト750に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。このIPパケットは、ルータ720、ルータ730、ルータ740を経由してホスト750に到着する。ホスト750へのフローを検出したMPC711は、ホスト750へのショートカット通信を開始すべく、MPOAアドレス解決要求パケットをMPS722に送信する。
【0017】
しかし、MPC711がフローカウントするのとほぼ同時に、ルータ720、ルータ730のMPC721、MPC731もフローカウントを行っている。従ってMPC721、MPC731も、MPC711とほぼ同時に、ホスト750へのフローを検出する。これにより、MPC721、MPC731も、ホスト750へのショートカット通信を開始すべく、MPOAアドレス解決要求パケットをそれぞれMPS732、MPS742に送信してしまう。これをMPOAシステムにおけるドミノ効果という。
【0018】
ドミノ効果が発生すると、冗長なショートカットVCCが開設されることになる。なぜなら、MPC721、MPC731からのMPOAアドレス解決要求パケット中の「送信元MPCのATMアドレス」が、いずれもMPC711のそれとは異なるので、出口MPSであるMPS742において、これらは全く別のフローと解釈され、MPS742は、MPC711からのMPOAアドレス解決要求パケットと同様に、MPC721、MPC731からのMPOAアドレス解決要求パケットを処理してしまうからである。
【0019】
図15は、ドミノ効果が発生した結果、冗長なショートカットVCCが開設されてしまった様子を示す。本例では、ルータ720、ルータ730からホスト750に向けてショートカットVCCが開設されているが、これらのショートカットVCCは使われることはない。なぜなら、ホスト710からホスト750へのIPパケットは、全てホスト710においてホスト750へのショートカットVCC上に転送されてしまうからである。
【0020】
このドミノ効果を回避するための従来の技術としては、「各ルータにおいて、ATMネットワークから入って来て再びATMネットワークに出て行くデータフローについては、ショートカットの対象にしない」という方法が考えられる。この技術は、MPOAシステムがアドレス解決プロトコルとして採用しているNHRP(RFC2332、IETF)の仕様で例示されているものである。
【0021】
しかし、この従来の技術では、本来ショートカットの対象にしたいフローをショートカットの対象外にしてしまうことがあるという問題点があった。
【0022】
本発明の第1の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、本来ショートカットの対象にしたいフローをショートカットの対象外にしてしまうことなく、ドミノ効果を適切に回避するMPOAシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラムを提供することである。
【0023】
本発明の第2の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、MPOAクライアント(MPC)において、ショートカットさせたいデータパケットの送信元レイヤ3アドレスを、MPOAアドレス解決要求パケットの拡張部に含めてMPSに送信し、MPOAサーバ(MPS)において、当該MPOAアドレス解決要求パケットの「宛先レイヤ3アドレス」、「当該送信元レイヤ3アドレス」、及び「ホップカウント値」の各情報を基に、ネットワーク的に一番遠いMPCからのアドレス解決要求のみを有効としそれ以外のMPCからのアドレス解決要求を無効とする制御を行うことにより、ドミノ効果を適切に回避するMPOAシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラムを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のMPOAシステムは、ATMネットワーク上でレイヤ3プロトコルを用いて通信を行うMPOAシステムにおいて、各通信ノードにおいてデータパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0025】
請求項2の本発明のMPOAシステムは、各前記通信ノードから受け付けた前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に判定することを特徴とする。
【0026】
請求項3の本発明のMPOAシステムは、同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0027】
請求項4の本発明のMPOAシステムは、通信を中継する各前記通信ノードのMPOAクライアントは、ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加し、当該アドレス解決要求パケットを、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、通信を中継する各前記通信ノードのMPOAサーバは、各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項5の本発明のMPOAシステムは、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0029】
請求項6の本発明のMPOAシステムは、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0030】
請求項7の本発明の通信装置は、MPOAによる通信を行う通信装置において、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0031】
請求項8の本発明の通信装置は、各前記通信ノードから受け付けた前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に判定することを特徴とする。
【0032】
請求項9の本発明の通信装置は、同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0033】
請求項10の本発明の通信装置は、MPOAクライアントとMPOAサーバを備え、前記MPOAクライアントは、ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加し、当該アドレス解決要求パケットを、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、前記MPOAサーバは、各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする。
【0034】
請求項11の本発明の通信装置は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0035】
請求項12の本発明の通信装置は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0036】
請求項13の本発明のショートカット通信制御方法は、MPOAによる通信のショートカット通信制御方法において、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0037】
請求項14の本発明のショートカット通信制御方法は、各前記通信ノードから前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、各前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを判定することを特徴とする。
【0038】
請求項15の本発明のショートカット通信制御方法は、同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0039】
請求項16の本発明のショートカット通信制御方法は、通信を中継する各通信ノードのMPOAクライアントで、ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加して、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、通信を中継する各通信ノードのMPOAサーバで、各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする。
【0040】
請求項17の本発明のショートカット通信制御方法は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0041】
請求項18の本発明のショートカット通信制御方法は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0042】
請求項19の本発明のショートカット通信制御プログラムは、コンピュータを制御することにより、MPOAによるショートカット通信を制御するショートカット通信制御プログラムにおいて、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信する処理と、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設する処理を実行させることを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
本発明では、MPOAによる通信において、本来ショートカットの対象にしたいフローをショートカットの対象外にしてしまうことなく、ドミノ効果の発生を適切に回避し解消するものである。このためMPCにおいては、ショートカットさせたいデータパケットの送信元レイヤ3アドレスをMPOAアドレス解決要求パケットの拡張部に含めてMPSに送信する機能を備え、MPSにおいては、当該MPOAアドレス解決要求パケットの「宛先レイヤ3アドレス」、「当該送信元レイヤ3アドレス」、及び「ホップカウント値」の各情報を基に、ネットワーク的に一番遠いMPCからのアドレス解決要求を検出してそのアドレス解決要求のみを有効とし、それ以外のMPCからのアドレス解決要求を無効とする制御を行うことを特徴とする。
【0045】
本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態によるMPC10の構成を示すブロック図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態によるMPS20の構成を示すブロック図である。
【0046】
図1を参照すると本実施の形態のMPC10は、ショートカット通信制御部11と、MPC用MPOAパケット処理部12と、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13と、MPC用MPOAパケット送信部14を備える。ショートカット通信制御部11と、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13と、MPC用MPOAパケット送信部14は、MPC用MPOAパケット処理部12にそれぞれ接続される。MPC用MPOAパケット送信部14は、外部にあるATMスイッチに接続される。
【0047】
図2を参照すると本実施の形態のMPS20は、MPS用MPOAパケット受信部21と、MPS用MPOAパケット処理部22と、管理情報保持部23と、MPS用MPOAパケット送信部24を備える。MPS用MPOAパケット受信部21と、管理情報保持部23と、MPS用MPOAパケット送信部24は、MPS用MPOAパケット処理部22にそれぞれ接続される。MPS用MPOAパケット受信部21とMPS用MPOAパケット送信部24は、それぞれ外部にあるATMスイッチに接続される。
【0048】
なお、図1及び図2は、本実施の形態の機能を実現する部分についてのみを図示したものであり、MPS20及びMPC10を構成する他の機能部については省略している。
【0049】
次に、本実施の形態の動作を図面を参照して詳細に説明する。図4は、本実施の形態によるMPC10の動作を説明するためのフローチャートであり、図5は、本実施の形態によるMPS20の動作を説明するためのフローチャートである。なお以下の説明では、便宜上レイヤ3プロトコルとしてIPを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限るものではない。
【0050】
図4を参照すると、本実施の形態のMPC10の動作は、まず、ショートカット通信制御部11が、フローを検出したのを契機に動作を開始し、MPC用MPOAパケット処理部12に「ショートカット通信を開始せよ」という指示を送信する。これにはショートカット通信させたいデータの送信元IPアドレスと、宛先IPアドレスが含まれる(ステップ401)。
【0051】
MPC用MPOAパケット処理部12は、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13に、当該送信元IPアドレスを渡す。送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13は、当該送信元IPアドレスを含むMPOAパケット拡張を作成し、MPC用MPOAパケット処理部12に通知する(ステップ402)。
【0052】
MPC用MPOAパケット処理部12は、当該宛先IPアドレスをもとに、MPOAアドレス解決要求パケットを作成し、当該MPOAパケット拡張を当該MPOAアドレス解決要求パケットに付加し、MPC用MPOAパケット送信部14に渡す(ステップ403)。
【0053】
MPC用MPOAパケット送信部14は、当該MPOAアドレス解決要求パケットをMPSに向かって送信し(ステップ404)、以上によりMPC10による処理が終了する。
【0054】
図3は、本実施の形態の送信元IPアドレスを保持するためのMPOAパケット拡張のフォーマットの一例を示す図である。図3の例では、MPOAパケットの「ベンダプライベート拡張」を用いている。以下各フィールドについて説明する。特に指定しない限り、値は10進数である。
【0055】
Cフィールド30及びuフィールド31は、“0”を指定する。
Typeフィールド32は、これが「ベンダプライベート拡張」であることを示す“8”を指定する。
Lengthフィールド33は、以下の、Vendor IDフィールド34からData Source Protocol Addressフィールド38までの長さをオクテット単位で指定する。
Vendor IDフィールド34は、このベンダプライベート拡張を定義したベンダを識別する番号を指定する。例えば、「日本電気株式会社」を表す“119”を指定する。
Sub IDフィールド35は、同じベンダ内の異なるプロジェクトやモデルを識別するために、当該ベンダ内で適当な値を決めて指定する。
Sub Typeフィールド36は、本ベンダプライベート拡張の機能を指定する。例えば、「送信元レイヤ3アドレス拡張」であることを示す値として“1”を指定する等とする。
DSPA Lenフィールド37は、Data Source Protocol Addressフィールド38に格納する送信元レイヤ3アドレスの長さをオクテット単位で指定する。
Data Source Protocol Addressフィールド38は、送信元レイヤ3アドレスを指定する。
【0056】
なお、本実施の形態のMPC10は、以上説明した「ショートカット通信させたいデータの送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加する」という動作以外は、従来のMPCと同様の動作を行う。
【0057】
図5を参照すると、本実施の形態のMPS20の動作は、まず、MPS用MPOAパケット受信部21が、MPC10からMPOAパケットを受信したのを契機に動作を開始し、受信したMPOAパケットをMPS用MPOAパケット処理部22に渡す(ステップ501)。
【0058】
MPS用MPOAパケット処理部22は、当該MPOAパケットの種類を判断する(ステップ502)。ここで、MPOAパケットの種類が「MPOAアドレス解決要求」でない場合には、従来のMPSと同様の処理を行い(ステップ515)、処理を終える。
【0059】
また、「MPOAアドレス解決要求」の場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、自身が出口MPSとなるかどうかを判断する(ステップ503)。ここで、自身が出口MPSとならない場合には、従来のMPSと同様の処理を行い(ステップ515)、MPS20の処理を終える。
【0060】
また、自身が出口MPSとなる場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該MPOAアドレス解決要求パケットに送信元レイヤ3アドレス拡張が付加されているかどうかを判断する(ステップ504)。ここで、送信元レイヤ3アドレス拡張が付加されていない場合には、従来のMPSと同様の処理を行い(ステップ515)、MPS20の処理を終える。
【0061】
また、MPOAアドレス解決要求パケットに送信元レイヤ3アドレス拡張が付加されている場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該MPOAアドレス解決要求パケットから、宛先IPアドレス、送信元IPアドレス、MPCのATMアドレス、ホップカウント値を取り出す(ステップ505)。
【0062】
MPS用MPOAパケット処理部22は、当該宛先IPアドレス、当該送信元IPアドレス、当該MPCのATMアドレスをキーに、管理情報保持部23に保持されている管理情報を検索し(ステップ506)、当該宛先IPアドレスにマッチするエントリが存在するかどうかを判断する(ステップ507)。ここで、当該宛先IPアドレスにマッチするエントリが存在しない場合には、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対応する新規エントリを管理情報保持部23内に作成し(ステップ512)、出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0063】
また、当該宛先IPアドレスにマッチするエントリが存在する場合には、更に、当該宛先IPアドレスにマッチする当該エントリの内で、当該送信元IPアドレスにマッチするエントリが存在するかどうかを判断する(ステップ508)。ここで、当該送信元IPアドレスにマッチするエントリが存在しない場合には、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対応する新規エントリを管理情報保持部23内に作成し(ステップ512)、出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0064】
また、当該送信元IPアドレスにマッチするエントリが存在する場合には、更に、当該宛先IPアドレス及び当該送信元IPアドレスにマッチする当該エントリが、当該MPCのATMアドレスにマッチするかどうかを判断する(ステップ509)。ここで、当該MPCのATMアドレスにマッチする場合には、当該エントリに対する出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0065】
また、当該MPCのATMアドレスにマッチしない場合には、更に、当該ホップカウント値(以降HC−a)と、当該エントリに保持されているホップカウント値(以降HC−b)を比較する(ステップ510)。MPOAアドレス解決要求パケット中のホップカウント値は、各MPSにおいて次ホップのMPSに転送される時に1つずつ減算されるので、より小さいホップカウント値を持つMPOAアドレス解決要求パケットの方が、より遠くから送信されて来たことになる。ここで、HC−aがHC−bよりも小さくない場合には、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対して「アドレス解決不可」の応答パケット(NAK)をMPCに返送し(ステップ514)、MPS20の処理を終える。
【0066】
また、HC−aがHC−bよりも小さい場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該エントリを管理情報保持部23から消去する処理を行う(ステップ511)。この消去処理は、従来の出口MPSの消去処理と同様であり、当該エントリの状態に応じて、当該エントリに対応するMPCにNAK又はMPOAアドレス解決結果追い出し要求パケットを返送することが含まれる。
【0067】
そして、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対応する新規エントリを管理情報保持部23内に作成し(ステップ512)、出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0068】
なお、本実施の形態のMPS20は、以上説明した出口MPSとしての動作以外は、従来のMPSと同様の動作を行う。
【0069】
次に、本実施の形態のMPOAシステムが効果的に動作することを、従来のMPOAシステムと比較して、以下の各実施例を用いて説明する。
【0070】
まず、図6、図7の実施例を説明する。本実施例では、ホスト510、ホスト550にMPCが備えられ、ルータ520、ルータ530、ルータ540にMPSとMPCを備えている。
【0071】
まず、図6において、ホスト510がホスト550に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。すると、MPC511がホスト550へのフローを検出するので、MPC511がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。これとほぼ同時に、MPC521、MPC531もホスト550へのフローを検出するので、それぞれホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0072】
しかし、出口MPSであるMPS542にて、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が、他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0073】
従って、図7のように、ルータ520やルータ530からホスト550へはショートカットVCCが開設されず、ホスト510からホスト550へのショートカットVCCだけが開設されることになる。
【0074】
本実施例の場合では、従来のMPOAシステムにおいては、ルータ520、ルータ530からホスト550への冗長なショートカットVCCが開設されてしまうが、本実施の形態のMPOAシステムにおいては、必要なショートカットVCCだけを開設することができる。
【0075】
次に、図8、図9の実施例を説明する。本実施例では、ホスト550にMPCが備えられ、ルータ520、ルータ530、ルータ540にMPSとMPCとを備えているが、ホスト510にはMPCを備えていない。
【0076】
まず、図8において、ホスト510がホスト550に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。すると、ホスト510にMPCが存在しないので、ホスト510はショートカット動作を行わないが、その代わりMPC521がホスト550へのフローを検出するので、MPC521がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。これとほぼ同時に、MPC531もホスト550へのフローを検出するので、MPC531がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0077】
しかし、出口MPSであるMPS542にて、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0078】
従って、図9のように、ルータ530からホスト550へはショートカットVCCが開設されず、ルータ520からホスト550へのショートカットVCCだけが開設されることになる。
【0079】
本実施例の場合では、従来のMPOAシステムにおいては、ルータ530からホスト550への冗長なショートカットVCCが開設されてしまう。また更に、従来のMPOAシステムのドミノ効果の回避方法を用いたとしても、ルータ530からホスト550へのショートカットVCCの開設が回避できるものの、ルータ520からホスト550へのショートカットVCCが開設されなくなってしまう。
【0080】
しかし、本実施の形態のMPOAシステムにおいては、必要なショートカットVCCのみを開設することができ、適切にショートカット通信を制御することができる。
【0081】
次に、図10、図11の実施例を説明する。本実施例では、ホスト510、ホスト550にMPCを備え、ルータ520、ルータ530、ルータ540にMPSとMPCを備えているが、ホスト560にはMPCを備えていない。
【0082】
まず、図10において、ホスト510がホスト550に向かってIPパケットを継続的に送信し始め、更に、これと並行して、ホスト560がホスト550に向かってデータを継続的に送信し始めたとする。ここで、ホスト510及びホスト560からのデータ送信は、必ずしも同時期でなくて良い。
【0083】
すると、MPC511がホスト550へのフローを検出するので、MPC511がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。これとほぼ同時にMPC521、MPC531もホスト550へのフローを検出するので、それぞれホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0084】
これと並行して、図10の実施例においては、ホスト560にMPCが存在しないので、ホスト560はショートカット動作を行わないが、その代わりMPC521及びMPC531がホスト550へのフローを検出するので、それぞれホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0085】
しかし、出口MPSであるMPS542にて、ホスト510からホスト550へのフローについて、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0086】
また、ホスト560からホスト550へのフローについて、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0087】
従って、図11のように、ホスト510からホスト550へのショートカットVCC及びルータ520からホスト550へのショートカットVCCが両方とも開設されることになる。
【0088】
本実施例の場合では、従来のMPOAシステムにおいては、ルータ530からホスト550への冗長なショートカットVCCが開設されてしまう。また更に、従来のMPOAシステムのドミノ効果の回避方法を用いたとしても、ルータ530からホスト550へのショートカットVCCの開設が回避できるものの、ホスト560からホスト550へのフローについて、ルータ520からホスト550へのショートカットVCCも開設されなくなってしまう。
【0089】
しかし、本実施の形態のMPOAシステムにおいては、必要なショートカットVCCのみを開設することができ、適切にショートカット通信を制御することができる。
【0090】
また、本実施の形態のMPOAシステムは、必ずしも通信ノードの全てに本実施の形態のMPSやMPCを備える必要はなく、通信ネットワーク内に従来のMPSやMPCが混在する場合においても実施することができる。つまり、本実施の形態のMPS、MPCは、従来のMPS、MPCに対して互換性を備えており、本実施の形態のMPCから、送信元IPアドレスを付加したMPOAアドレス解決要求パケットが従来のMPSに送信された場合においても、その従来のMPSは受信したMPOAアドレス解決要求パケットを問題なく処理することができる。
【0091】
これは、本実施の形態のMPOAシステムでは、MPOAパケットの拡張部において当該送信元IPアドレスを保持する方式を採用したことにより、このMPOAパケットの拡張部を処理する機能を備えない従来のMPSにおいては、その拡張部を無視して通常のMPOAパケットとして処理することができるからである(Cフィ―ルドは、“0”とする)。
【0092】
また、通信経路上に本発明の機能を備えない従来のMPSが混在する場合においては、従来と同様にドミノ効果の発生や、ショートカットVCCの適切な開設に障害が発生する可能性があるものの、通信経路上における本発明の機能を備える各通信ノードにおいては、これらの障害を発生させないように適切に通信を処理するため、全ての通信ノードが本発明の機能を備えない従来のMPOAシステムよりも、これらの障害の発生する可能性や規模を抑えることができる。
【0093】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0094】
本発明のMPCが、送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加するための方法として、第1の実施の形態においてはMPOAパケットの「ベンダプライベート拡張」を用いていたが、この方法に限定されるものではなく、例えば、MPOAの正規の拡張部として新たに「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義することにより、送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加することができる。
【0095】
図12は、本実施の形態の、送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加するために、MPOAの正規の拡張部として新たに「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義したフォーマットの一例を示す図である。以下、図12の例の各フィールドについて説明する。特に指定しない限り、値は10進数である。
【0096】
Cフィールド40及びuフィールド41は、“0”を指定する。
Typeフィールド42は、この拡張部が「送信元レイヤ3アドレス拡張」であることを示すための値を指定する(例えば16進数で“100F”)。
Lengthフィールド43は、以下の、DSPA Lenフィールド44からData Source Protocol Addressフィールド46までの長さをオクテット単位で指定する。
DSPA Lenフィールド44は、Data Source Protocol Addressフィールド46に格納する送信元レイヤ3アドレスの長さをオクテット単位で指定する。
unusedフィールド45は、“0”を指定する。
Data Source Protocol Addressフィールド46は、送信元レイヤ3アドレスを指定する。
【0097】
またその他、本発明の上記各実施の形態やその実施例の説明において例示した値や、パケットのフィールド名は、これに限定されるものではなく他の値や名称を用いることも可能である。
【0098】
なお、上記各実施の形態のMPOAシステムは、MPC10における、ショートカット通信制御部11、MPC用MPOAパケット処理部12、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13、MPC用MPOAパケット送信部14の機能や、MPS20におけるMPS用MPOAパケット受信部21、MPS用MPOAパケット処理部22、管理情報保持部23、MPS用MPOAパケット送信部24の機能や、その他の機能をハードウェア的に実現することは勿論として、各機能を備えるコンピュータプログラムであるショートカット通信制御プログラムを、コンピュータ処理装置のメモリにロードされることで実現することができる。このショートカット通信制御プログラムは、磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体80、90に格納される。そして、その記録媒体からコンピュータ処理装置にロードされ、コンピュータ処理装置の動作を制御することにより、上述した各機能を実現する。
【0099】
このように、本発明の実施は、ソフトウェアやファームウェアで実現することも、ハードウェアで実現することもできる。
【0100】
以上好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のMPOAシステムによれば、以下のような効果が達成される。
【0102】
第1に、本発明のMPOAシステムによれば、MPOAシステムにおけるドミノ効果を回避することができる。その理由は、MPOAアドレス解決要求パケットを送信するMPCが、送信元レイヤ3アドレスを当該MPOAアドレス解決要求パケットの拡張部に付加するので、出口MPSにおいてその送信元レイヤ3アドレスを知ることができ、同一の「送信元レイヤ3アドレス、宛先レイヤ3アドレス」の組み合わせに対する複数ノードからのアドレス解決要求を特定することができるからである。
【0103】
第2に、本発明のMPOAシステムによれば、本発明による機能を備えない従来のMPOAシステムによる通信と、その互換性を保つことができる。その理由は、本発明によるMPOAシステムのMPCが送信するMPOAアドレス解決要求パケットに付加される送信元レイヤ3アドレスが、MPOAパケットの拡張部に付加されるので、本発明による機能を持たない他のMPOAシステムのMPCが当該MPOAアドレス解決要求パケットを受信したとしても、何ら影響を与えないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるMPOAクライアント(MPC)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるMPOAサーバ(MPS)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の送信元IPアドレスを保持するためのMPOAパケット拡張のフォーマットの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるMPOAクライアント(MPC)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるMPOAサーバ(MPS)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加するために、MPOAの正規の拡張部として新たに「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義したフォーマットの一例を示す図である。
【図13】従来のMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図14】従来のMPOAシステムのドミノ効果を説明するための図である。
【図15】従来のMPOAシステムのドミノ効果を説明するための図である。
【符号の説明】
10 MPOAクライアント(MPC)
11 ショートカット通信制御部
12 MPC用MPOAパケット処理部
13 送信元レイヤ3アドレス拡張処理部
14 MPC用MPOAパケット送信部
20 MPOAサーバ(MPS)
21 MPS用MPOAパケット受信部
22 MPS用MPOAパケット処理部
23 管理情報保持部
24 MPS用MPOAパケット送信部
510、550、560 ホスト
520、530、540 ルータ
511、521、531、541、551 MPC
522、532、542 MPS
610、650 ホスト
620、630、640 ルータ
611、621、631、641、651 MPC
622、632、642 MPS
710、750 ホスト
720、730、740 ルータ
711、721、731、741、751 MPC
722、732、742 MPS
【発明の属する技術分野】
本発明は、MPOA(Multi−Protocol Over ATM)による通信に関し、特に、ショートカット通信におけるドミノ効果(Domino Effect)を回避するMPOAシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のMulti−Protocol Over ATM(以下MPOA)は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、以下ATM)ネットワーク上でInternet Protocol(以下IP)、Internetwork Packet Exchange(以下、IPX)等の既存のレイヤ3(ネットワーク層)プロトコルを使った通信を行うものであり、その仕様は「AF−MPOA−0087.000、ATM Forum」で規定されている。
【0003】
MPOAの特徴は、データパケットの送信元ノードから見て宛先ノード(ターゲット)が送信元ノードとは異なるサブネットにあり、かつある一定以上のデータフロー(継続的なデータパケットの流れ)が検出された場合において、そのターゲットに向かってATMネットワーク内でショートカットVirtual Channel Connection(以下、VCC)を開設して、途中のルータを介することなく通信を行うことにある。
【0004】
従来のMPOAシステムの動作を、図13を参照して説明する。ATMネットワークを構成するATMスイッチは、図13には図示されていないが、各ホストやルータを結ぶVCC(ショートカットVCCを含む)を開設するのに問題ないよう配置、配線されているものとする。また、以下の説明では、便宜上レイヤ3プロトコルとしてIPを例に挙げて説明するが、これに限るものではない。
【0005】
図13において、ホスト610がホスト650に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。このIPパケットは、ルータ620、ルータ630、ルータ640を経由して、ホスト650に着する。この時、ホスト610のMPOAクライアント(以降MPC)であるMPC611は、送信されるIPパケットのカウントを行う。このカウント値がある一定時間内にある一定値以上になった場合(例えば1秒間に10パケット以上)に、「フローがある」と判断する。これをフロー検出という。
【0006】
フローを検出したMPC611は、ホスト650へのショートカット通信を開始する。ここで、ショートカット通信を開始するためには、ホスト650へのショートカットVCCを開設しなければならない。ショートカットVCCを開設するためには、ホスト650のATMアドレスを知らなければならない。このような「ショートカット通信を行いたいMPCがショートカット先のホストのATMアドレスを取得する動作」を「アドレス解決」という。言い換えると、フローを検出したMPC611は、ホスト650へのショートカット通信を開始するため、ホスト650のアドレス解決を開始する。
【0007】
MPC611は、ターゲットとしてホスト650のIPアドレスを指定して、MPOAアドレス解決要求パケットを作成し、MPOAサーバ(以降MPS)MPS622に送信する。
【0008】
MPS622は、当該MPOAアドレス解決要求パケットを、IPルーティングテーブルに従って、ターゲットへの次ホップであるルータ630のMPS632に送信する。MPS622のようなMPSを「入口MPS」という。当該MPOAアドレス解決要求パケットは、このようにIPルーティングテーブルに従って次々とターゲットに向かって転送される。
【0009】
MPS642は、当該MPOAアドレス解決要求パケットから必要な情報を取り出し、MPOAキャッシュ生成要求パケットを作成し、それをターゲットであるホスト650のMPC651に送信する。これは、MPC511からショートカット通信により、ホスト650宛のIPパケットが送信されてきた場合に、そのIPパケットに付加するべきMedia Access Control(以下MAC)ヘッダ情報をMPC651に通知するものである。この場合のMACヘッダ情報は、DA(Destination Address)としてホスト650のMACアドレス、SA(Source Address)としてルータ640のMACアドレスが含まれる。
【0010】
MPC651は、MPOAキャッシュ生成応答パケットをMPS642に返送する。当該MPOAキャッシュ生成応答パケットには、MPC651がショートカットVCCの開設を受け付けるためのATMアドレスが含まれる。
【0011】
MPS642は、当該MPOAキャッシュ生成応答パケットから必要な情報を取り出し、MPOAアドレス解決応答パケットを作成し、それを入口MPSであるMPS622に向かって返送する。MPS642のようなMPSを「出口MPS」という。当該MPOAアドレス解決応答パケットは、このようにIPルーティングテーブルに従って次々と入口MPSに向かって転送される。
【0012】
MPS622が当該MPOAアドレス解決応答パケットを受信すると、これをMPC611に返送する。これにより、MPC611はホスト650へのショートカットVCCを開設するためのATMアドレスを知ることができる。なお、MPOAアドレス解決要求/返答パケットやMPOAキャッシュ生成要求/返答パケット等をまとめて「MPOAパケット」ということがある。
【0013】
MPC611は、当該ATMアドレスを用いてホスト650へのショートカットVCCを開設し、以降のホスト650宛のIPパケットは当該ショートカットVCCに転送する。MPC651が当該ショートカットVCCからIPパケットを受信すると、先にMPS642からMPOAキャッシュ生成要求パケットにより通知されたMACヘッダを、当該IPパケットに付加してMACフレームを作成する。このようにして作成された当該MACフレームは、あたかもルータ640からホスト650に送信されたMACフレームのように見える。
【0014】
これによりホスト650の上位プロトコル処理は、MPOAが導入されていない場合と同様に行うことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のMPOAシステムには、ドミノ効果(Domino Effect)が発生するという問題点があった。
【0016】
以下ドミノ効果について説明する。図14において、ホスト710がホスト750に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。このIPパケットは、ルータ720、ルータ730、ルータ740を経由してホスト750に到着する。ホスト750へのフローを検出したMPC711は、ホスト750へのショートカット通信を開始すべく、MPOAアドレス解決要求パケットをMPS722に送信する。
【0017】
しかし、MPC711がフローカウントするのとほぼ同時に、ルータ720、ルータ730のMPC721、MPC731もフローカウントを行っている。従ってMPC721、MPC731も、MPC711とほぼ同時に、ホスト750へのフローを検出する。これにより、MPC721、MPC731も、ホスト750へのショートカット通信を開始すべく、MPOAアドレス解決要求パケットをそれぞれMPS732、MPS742に送信してしまう。これをMPOAシステムにおけるドミノ効果という。
【0018】
ドミノ効果が発生すると、冗長なショートカットVCCが開設されることになる。なぜなら、MPC721、MPC731からのMPOAアドレス解決要求パケット中の「送信元MPCのATMアドレス」が、いずれもMPC711のそれとは異なるので、出口MPSであるMPS742において、これらは全く別のフローと解釈され、MPS742は、MPC711からのMPOAアドレス解決要求パケットと同様に、MPC721、MPC731からのMPOAアドレス解決要求パケットを処理してしまうからである。
【0019】
図15は、ドミノ効果が発生した結果、冗長なショートカットVCCが開設されてしまった様子を示す。本例では、ルータ720、ルータ730からホスト750に向けてショートカットVCCが開設されているが、これらのショートカットVCCは使われることはない。なぜなら、ホスト710からホスト750へのIPパケットは、全てホスト710においてホスト750へのショートカットVCC上に転送されてしまうからである。
【0020】
このドミノ効果を回避するための従来の技術としては、「各ルータにおいて、ATMネットワークから入って来て再びATMネットワークに出て行くデータフローについては、ショートカットの対象にしない」という方法が考えられる。この技術は、MPOAシステムがアドレス解決プロトコルとして採用しているNHRP(RFC2332、IETF)の仕様で例示されているものである。
【0021】
しかし、この従来の技術では、本来ショートカットの対象にしたいフローをショートカットの対象外にしてしまうことがあるという問題点があった。
【0022】
本発明の第1の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、本来ショートカットの対象にしたいフローをショートカットの対象外にしてしまうことなく、ドミノ効果を適切に回避するMPOAシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラムを提供することである。
【0023】
本発明の第2の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、MPOAクライアント(MPC)において、ショートカットさせたいデータパケットの送信元レイヤ3アドレスを、MPOAアドレス解決要求パケットの拡張部に含めてMPSに送信し、MPOAサーバ(MPS)において、当該MPOAアドレス解決要求パケットの「宛先レイヤ3アドレス」、「当該送信元レイヤ3アドレス」、及び「ホップカウント値」の各情報を基に、ネットワーク的に一番遠いMPCからのアドレス解決要求のみを有効としそれ以外のMPCからのアドレス解決要求を無効とする制御を行うことにより、ドミノ効果を適切に回避するMPOAシステムとそのショートカット通信制御方法、及びショートカット通信制御プログラムを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のMPOAシステムは、ATMネットワーク上でレイヤ3プロトコルを用いて通信を行うMPOAシステムにおいて、各通信ノードにおいてデータパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0025】
請求項2の本発明のMPOAシステムは、各前記通信ノードから受け付けた前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に判定することを特徴とする。
【0026】
請求項3の本発明のMPOAシステムは、同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0027】
請求項4の本発明のMPOAシステムは、通信を中継する各前記通信ノードのMPOAクライアントは、ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加し、当該アドレス解決要求パケットを、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、通信を中継する各前記通信ノードのMPOAサーバは、各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項5の本発明のMPOAシステムは、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0029】
請求項6の本発明のMPOAシステムは、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0030】
請求項7の本発明の通信装置は、MPOAによる通信を行う通信装置において、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0031】
請求項8の本発明の通信装置は、各前記通信ノードから受け付けた前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に判定することを特徴とする。
【0032】
請求項9の本発明の通信装置は、同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0033】
請求項10の本発明の通信装置は、MPOAクライアントとMPOAサーバを備え、前記MPOAクライアントは、ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加し、当該アドレス解決要求パケットを、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、前記MPOAサーバは、各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする。
【0034】
請求項11の本発明の通信装置は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0035】
請求項12の本発明の通信装置は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0036】
請求項13の本発明のショートカット通信制御方法は、MPOAによる通信のショートカット通信制御方法において、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0037】
請求項14の本発明のショートカット通信制御方法は、各前記通信ノードから前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、各前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを判定することを特徴とする。
【0038】
請求項15の本発明のショートカット通信制御方法は、同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする。
【0039】
請求項16の本発明のショートカット通信制御方法は、通信を中継する各通信ノードのMPOAクライアントで、ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加して、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、通信を中継する各通信ノードのMPOAサーバで、各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする。
【0040】
請求項17の本発明のショートカット通信制御方法は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0041】
請求項18の本発明のショートカット通信制御方法は、前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする。
【0042】
請求項19の本発明のショートカット通信制御プログラムは、コンピュータを制御することにより、MPOAによるショートカット通信を制御するショートカット通信制御プログラムにおいて、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信する処理と、同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設する処理を実行させることを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
本発明では、MPOAによる通信において、本来ショートカットの対象にしたいフローをショートカットの対象外にしてしまうことなく、ドミノ効果の発生を適切に回避し解消するものである。このためMPCにおいては、ショートカットさせたいデータパケットの送信元レイヤ3アドレスをMPOAアドレス解決要求パケットの拡張部に含めてMPSに送信する機能を備え、MPSにおいては、当該MPOAアドレス解決要求パケットの「宛先レイヤ3アドレス」、「当該送信元レイヤ3アドレス」、及び「ホップカウント値」の各情報を基に、ネットワーク的に一番遠いMPCからのアドレス解決要求を検出してそのアドレス解決要求のみを有効とし、それ以外のMPCからのアドレス解決要求を無効とする制御を行うことを特徴とする。
【0045】
本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態によるMPC10の構成を示すブロック図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態によるMPS20の構成を示すブロック図である。
【0046】
図1を参照すると本実施の形態のMPC10は、ショートカット通信制御部11と、MPC用MPOAパケット処理部12と、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13と、MPC用MPOAパケット送信部14を備える。ショートカット通信制御部11と、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13と、MPC用MPOAパケット送信部14は、MPC用MPOAパケット処理部12にそれぞれ接続される。MPC用MPOAパケット送信部14は、外部にあるATMスイッチに接続される。
【0047】
図2を参照すると本実施の形態のMPS20は、MPS用MPOAパケット受信部21と、MPS用MPOAパケット処理部22と、管理情報保持部23と、MPS用MPOAパケット送信部24を備える。MPS用MPOAパケット受信部21と、管理情報保持部23と、MPS用MPOAパケット送信部24は、MPS用MPOAパケット処理部22にそれぞれ接続される。MPS用MPOAパケット受信部21とMPS用MPOAパケット送信部24は、それぞれ外部にあるATMスイッチに接続される。
【0048】
なお、図1及び図2は、本実施の形態の機能を実現する部分についてのみを図示したものであり、MPS20及びMPC10を構成する他の機能部については省略している。
【0049】
次に、本実施の形態の動作を図面を参照して詳細に説明する。図4は、本実施の形態によるMPC10の動作を説明するためのフローチャートであり、図5は、本実施の形態によるMPS20の動作を説明するためのフローチャートである。なお以下の説明では、便宜上レイヤ3プロトコルとしてIPを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限るものではない。
【0050】
図4を参照すると、本実施の形態のMPC10の動作は、まず、ショートカット通信制御部11が、フローを検出したのを契機に動作を開始し、MPC用MPOAパケット処理部12に「ショートカット通信を開始せよ」という指示を送信する。これにはショートカット通信させたいデータの送信元IPアドレスと、宛先IPアドレスが含まれる(ステップ401)。
【0051】
MPC用MPOAパケット処理部12は、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13に、当該送信元IPアドレスを渡す。送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13は、当該送信元IPアドレスを含むMPOAパケット拡張を作成し、MPC用MPOAパケット処理部12に通知する(ステップ402)。
【0052】
MPC用MPOAパケット処理部12は、当該宛先IPアドレスをもとに、MPOAアドレス解決要求パケットを作成し、当該MPOAパケット拡張を当該MPOAアドレス解決要求パケットに付加し、MPC用MPOAパケット送信部14に渡す(ステップ403)。
【0053】
MPC用MPOAパケット送信部14は、当該MPOAアドレス解決要求パケットをMPSに向かって送信し(ステップ404)、以上によりMPC10による処理が終了する。
【0054】
図3は、本実施の形態の送信元IPアドレスを保持するためのMPOAパケット拡張のフォーマットの一例を示す図である。図3の例では、MPOAパケットの「ベンダプライベート拡張」を用いている。以下各フィールドについて説明する。特に指定しない限り、値は10進数である。
【0055】
Cフィールド30及びuフィールド31は、“0”を指定する。
Typeフィールド32は、これが「ベンダプライベート拡張」であることを示す“8”を指定する。
Lengthフィールド33は、以下の、Vendor IDフィールド34からData Source Protocol Addressフィールド38までの長さをオクテット単位で指定する。
Vendor IDフィールド34は、このベンダプライベート拡張を定義したベンダを識別する番号を指定する。例えば、「日本電気株式会社」を表す“119”を指定する。
Sub IDフィールド35は、同じベンダ内の異なるプロジェクトやモデルを識別するために、当該ベンダ内で適当な値を決めて指定する。
Sub Typeフィールド36は、本ベンダプライベート拡張の機能を指定する。例えば、「送信元レイヤ3アドレス拡張」であることを示す値として“1”を指定する等とする。
DSPA Lenフィールド37は、Data Source Protocol Addressフィールド38に格納する送信元レイヤ3アドレスの長さをオクテット単位で指定する。
Data Source Protocol Addressフィールド38は、送信元レイヤ3アドレスを指定する。
【0056】
なお、本実施の形態のMPC10は、以上説明した「ショートカット通信させたいデータの送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加する」という動作以外は、従来のMPCと同様の動作を行う。
【0057】
図5を参照すると、本実施の形態のMPS20の動作は、まず、MPS用MPOAパケット受信部21が、MPC10からMPOAパケットを受信したのを契機に動作を開始し、受信したMPOAパケットをMPS用MPOAパケット処理部22に渡す(ステップ501)。
【0058】
MPS用MPOAパケット処理部22は、当該MPOAパケットの種類を判断する(ステップ502)。ここで、MPOAパケットの種類が「MPOAアドレス解決要求」でない場合には、従来のMPSと同様の処理を行い(ステップ515)、処理を終える。
【0059】
また、「MPOAアドレス解決要求」の場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、自身が出口MPSとなるかどうかを判断する(ステップ503)。ここで、自身が出口MPSとならない場合には、従来のMPSと同様の処理を行い(ステップ515)、MPS20の処理を終える。
【0060】
また、自身が出口MPSとなる場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該MPOAアドレス解決要求パケットに送信元レイヤ3アドレス拡張が付加されているかどうかを判断する(ステップ504)。ここで、送信元レイヤ3アドレス拡張が付加されていない場合には、従来のMPSと同様の処理を行い(ステップ515)、MPS20の処理を終える。
【0061】
また、MPOAアドレス解決要求パケットに送信元レイヤ3アドレス拡張が付加されている場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該MPOAアドレス解決要求パケットから、宛先IPアドレス、送信元IPアドレス、MPCのATMアドレス、ホップカウント値を取り出す(ステップ505)。
【0062】
MPS用MPOAパケット処理部22は、当該宛先IPアドレス、当該送信元IPアドレス、当該MPCのATMアドレスをキーに、管理情報保持部23に保持されている管理情報を検索し(ステップ506)、当該宛先IPアドレスにマッチするエントリが存在するかどうかを判断する(ステップ507)。ここで、当該宛先IPアドレスにマッチするエントリが存在しない場合には、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対応する新規エントリを管理情報保持部23内に作成し(ステップ512)、出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0063】
また、当該宛先IPアドレスにマッチするエントリが存在する場合には、更に、当該宛先IPアドレスにマッチする当該エントリの内で、当該送信元IPアドレスにマッチするエントリが存在するかどうかを判断する(ステップ508)。ここで、当該送信元IPアドレスにマッチするエントリが存在しない場合には、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対応する新規エントリを管理情報保持部23内に作成し(ステップ512)、出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0064】
また、当該送信元IPアドレスにマッチするエントリが存在する場合には、更に、当該宛先IPアドレス及び当該送信元IPアドレスにマッチする当該エントリが、当該MPCのATMアドレスにマッチするかどうかを判断する(ステップ509)。ここで、当該MPCのATMアドレスにマッチする場合には、当該エントリに対する出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0065】
また、当該MPCのATMアドレスにマッチしない場合には、更に、当該ホップカウント値(以降HC−a)と、当該エントリに保持されているホップカウント値(以降HC−b)を比較する(ステップ510)。MPOAアドレス解決要求パケット中のホップカウント値は、各MPSにおいて次ホップのMPSに転送される時に1つずつ減算されるので、より小さいホップカウント値を持つMPOAアドレス解決要求パケットの方が、より遠くから送信されて来たことになる。ここで、HC−aがHC−bよりも小さくない場合には、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対して「アドレス解決不可」の応答パケット(NAK)をMPCに返送し(ステップ514)、MPS20の処理を終える。
【0066】
また、HC−aがHC−bよりも小さい場合には、更に、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該エントリを管理情報保持部23から消去する処理を行う(ステップ511)。この消去処理は、従来の出口MPSの消去処理と同様であり、当該エントリの状態に応じて、当該エントリに対応するMPCにNAK又はMPOAアドレス解決結果追い出し要求パケットを返送することが含まれる。
【0067】
そして、MPS用MPOAパケット処理部22が、当該MPOAアドレス解決要求パケットに対応する新規エントリを管理情報保持部23内に作成し(ステップ512)、出口MPSとしての従来のMPSの処理を行い(ステップ513)、MPS20の処理を終える。
【0068】
なお、本実施の形態のMPS20は、以上説明した出口MPSとしての動作以外は、従来のMPSと同様の動作を行う。
【0069】
次に、本実施の形態のMPOAシステムが効果的に動作することを、従来のMPOAシステムと比較して、以下の各実施例を用いて説明する。
【0070】
まず、図6、図7の実施例を説明する。本実施例では、ホスト510、ホスト550にMPCが備えられ、ルータ520、ルータ530、ルータ540にMPSとMPCを備えている。
【0071】
まず、図6において、ホスト510がホスト550に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。すると、MPC511がホスト550へのフローを検出するので、MPC511がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。これとほぼ同時に、MPC521、MPC531もホスト550へのフローを検出するので、それぞれホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0072】
しかし、出口MPSであるMPS542にて、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が、他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0073】
従って、図7のように、ルータ520やルータ530からホスト550へはショートカットVCCが開設されず、ホスト510からホスト550へのショートカットVCCだけが開設されることになる。
【0074】
本実施例の場合では、従来のMPOAシステムにおいては、ルータ520、ルータ530からホスト550への冗長なショートカットVCCが開設されてしまうが、本実施の形態のMPOAシステムにおいては、必要なショートカットVCCだけを開設することができる。
【0075】
次に、図8、図9の実施例を説明する。本実施例では、ホスト550にMPCが備えられ、ルータ520、ルータ530、ルータ540にMPSとMPCとを備えているが、ホスト510にはMPCを備えていない。
【0076】
まず、図8において、ホスト510がホスト550に向かってIPパケットを継続的に送信し始めたとする。すると、ホスト510にMPCが存在しないので、ホスト510はショートカット動作を行わないが、その代わりMPC521がホスト550へのフローを検出するので、MPC521がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。これとほぼ同時に、MPC531もホスト550へのフローを検出するので、MPC531がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0077】
しかし、出口MPSであるMPS542にて、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0078】
従って、図9のように、ルータ530からホスト550へはショートカットVCCが開設されず、ルータ520からホスト550へのショートカットVCCだけが開設されることになる。
【0079】
本実施例の場合では、従来のMPOAシステムにおいては、ルータ530からホスト550への冗長なショートカットVCCが開設されてしまう。また更に、従来のMPOAシステムのドミノ効果の回避方法を用いたとしても、ルータ530からホスト550へのショートカットVCCの開設が回避できるものの、ルータ520からホスト550へのショートカットVCCが開設されなくなってしまう。
【0080】
しかし、本実施の形態のMPOAシステムにおいては、必要なショートカットVCCのみを開設することができ、適切にショートカット通信を制御することができる。
【0081】
次に、図10、図11の実施例を説明する。本実施例では、ホスト510、ホスト550にMPCを備え、ルータ520、ルータ530、ルータ540にMPSとMPCを備えているが、ホスト560にはMPCを備えていない。
【0082】
まず、図10において、ホスト510がホスト550に向かってIPパケットを継続的に送信し始め、更に、これと並行して、ホスト560がホスト550に向かってデータを継続的に送信し始めたとする。ここで、ホスト510及びホスト560からのデータ送信は、必ずしも同時期でなくて良い。
【0083】
すると、MPC511がホスト550へのフローを検出するので、MPC511がホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。これとほぼ同時にMPC521、MPC531もホスト550へのフローを検出するので、それぞれホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0084】
これと並行して、図10の実施例においては、ホスト560にMPCが存在しないので、ホスト560はショートカット動作を行わないが、その代わりMPC521及びMPC531がホスト550へのフローを検出するので、それぞれホスト550へのショートカットVCCを開設する動作を開始する。
【0085】
しかし、出口MPSであるMPS542にて、ホスト510からホスト550へのフローについて、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC511からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0086】
また、ホスト560からホスト550へのフローについて、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値が他のMPCからのMPOAアドレス解決要求パケットのホップカウント値より小さいので、MPC521からのMPOAアドレス解決要求パケットだけが有効とみなされる。
【0087】
従って、図11のように、ホスト510からホスト550へのショートカットVCC及びルータ520からホスト550へのショートカットVCCが両方とも開設されることになる。
【0088】
本実施例の場合では、従来のMPOAシステムにおいては、ルータ530からホスト550への冗長なショートカットVCCが開設されてしまう。また更に、従来のMPOAシステムのドミノ効果の回避方法を用いたとしても、ルータ530からホスト550へのショートカットVCCの開設が回避できるものの、ホスト560からホスト550へのフローについて、ルータ520からホスト550へのショートカットVCCも開設されなくなってしまう。
【0089】
しかし、本実施の形態のMPOAシステムにおいては、必要なショートカットVCCのみを開設することができ、適切にショートカット通信を制御することができる。
【0090】
また、本実施の形態のMPOAシステムは、必ずしも通信ノードの全てに本実施の形態のMPSやMPCを備える必要はなく、通信ネットワーク内に従来のMPSやMPCが混在する場合においても実施することができる。つまり、本実施の形態のMPS、MPCは、従来のMPS、MPCに対して互換性を備えており、本実施の形態のMPCから、送信元IPアドレスを付加したMPOAアドレス解決要求パケットが従来のMPSに送信された場合においても、その従来のMPSは受信したMPOAアドレス解決要求パケットを問題なく処理することができる。
【0091】
これは、本実施の形態のMPOAシステムでは、MPOAパケットの拡張部において当該送信元IPアドレスを保持する方式を採用したことにより、このMPOAパケットの拡張部を処理する機能を備えない従来のMPSにおいては、その拡張部を無視して通常のMPOAパケットとして処理することができるからである(Cフィ―ルドは、“0”とする)。
【0092】
また、通信経路上に本発明の機能を備えない従来のMPSが混在する場合においては、従来と同様にドミノ効果の発生や、ショートカットVCCの適切な開設に障害が発生する可能性があるものの、通信経路上における本発明の機能を備える各通信ノードにおいては、これらの障害を発生させないように適切に通信を処理するため、全ての通信ノードが本発明の機能を備えない従来のMPOAシステムよりも、これらの障害の発生する可能性や規模を抑えることができる。
【0093】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0094】
本発明のMPCが、送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加するための方法として、第1の実施の形態においてはMPOAパケットの「ベンダプライベート拡張」を用いていたが、この方法に限定されるものではなく、例えば、MPOAの正規の拡張部として新たに「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義することにより、送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加することができる。
【0095】
図12は、本実施の形態の、送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加するために、MPOAの正規の拡張部として新たに「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義したフォーマットの一例を示す図である。以下、図12の例の各フィールドについて説明する。特に指定しない限り、値は10進数である。
【0096】
Cフィールド40及びuフィールド41は、“0”を指定する。
Typeフィールド42は、この拡張部が「送信元レイヤ3アドレス拡張」であることを示すための値を指定する(例えば16進数で“100F”)。
Lengthフィールド43は、以下の、DSPA Lenフィールド44からData Source Protocol Addressフィールド46までの長さをオクテット単位で指定する。
DSPA Lenフィールド44は、Data Source Protocol Addressフィールド46に格納する送信元レイヤ3アドレスの長さをオクテット単位で指定する。
unusedフィールド45は、“0”を指定する。
Data Source Protocol Addressフィールド46は、送信元レイヤ3アドレスを指定する。
【0097】
またその他、本発明の上記各実施の形態やその実施例の説明において例示した値や、パケットのフィールド名は、これに限定されるものではなく他の値や名称を用いることも可能である。
【0098】
なお、上記各実施の形態のMPOAシステムは、MPC10における、ショートカット通信制御部11、MPC用MPOAパケット処理部12、送信元レイヤ3アドレス拡張処理部13、MPC用MPOAパケット送信部14の機能や、MPS20におけるMPS用MPOAパケット受信部21、MPS用MPOAパケット処理部22、管理情報保持部23、MPS用MPOAパケット送信部24の機能や、その他の機能をハードウェア的に実現することは勿論として、各機能を備えるコンピュータプログラムであるショートカット通信制御プログラムを、コンピュータ処理装置のメモリにロードされることで実現することができる。このショートカット通信制御プログラムは、磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体80、90に格納される。そして、その記録媒体からコンピュータ処理装置にロードされ、コンピュータ処理装置の動作を制御することにより、上述した各機能を実現する。
【0099】
このように、本発明の実施は、ソフトウェアやファームウェアで実現することも、ハードウェアで実現することもできる。
【0100】
以上好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のMPOAシステムによれば、以下のような効果が達成される。
【0102】
第1に、本発明のMPOAシステムによれば、MPOAシステムにおけるドミノ効果を回避することができる。その理由は、MPOAアドレス解決要求パケットを送信するMPCが、送信元レイヤ3アドレスを当該MPOAアドレス解決要求パケットの拡張部に付加するので、出口MPSにおいてその送信元レイヤ3アドレスを知ることができ、同一の「送信元レイヤ3アドレス、宛先レイヤ3アドレス」の組み合わせに対する複数ノードからのアドレス解決要求を特定することができるからである。
【0103】
第2に、本発明のMPOAシステムによれば、本発明による機能を備えない従来のMPOAシステムによる通信と、その互換性を保つことができる。その理由は、本発明によるMPOAシステムのMPCが送信するMPOAアドレス解決要求パケットに付加される送信元レイヤ3アドレスが、MPOAパケットの拡張部に付加されるので、本発明による機能を持たない他のMPOAシステムのMPCが当該MPOAアドレス解決要求パケットを受信したとしても、何ら影響を与えないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるMPOAクライアント(MPC)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるMPOAサーバ(MPS)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の送信元IPアドレスを保持するためのMPOAパケット拡張のフォーマットの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるMPOAクライアント(MPC)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるMPOAサーバ(MPS)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態によるMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の送信元IPアドレスをMPOAアドレス解決要求パケットに付加するために、MPOAの正規の拡張部として新たに「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義したフォーマットの一例を示す図である。
【図13】従来のMPOAシステムの動作を説明するための図である。
【図14】従来のMPOAシステムのドミノ効果を説明するための図である。
【図15】従来のMPOAシステムのドミノ効果を説明するための図である。
【符号の説明】
10 MPOAクライアント(MPC)
11 ショートカット通信制御部
12 MPC用MPOAパケット処理部
13 送信元レイヤ3アドレス拡張処理部
14 MPC用MPOAパケット送信部
20 MPOAサーバ(MPS)
21 MPS用MPOAパケット受信部
22 MPS用MPOAパケット処理部
23 管理情報保持部
24 MPS用MPOAパケット送信部
510、550、560 ホスト
520、530、540 ルータ
511、521、531、541、551 MPC
522、532、542 MPS
610、650 ホスト
620、630、640 ルータ
611、621、631、641、651 MPC
622、632、642 MPS
710、750 ホスト
720、730、740 ルータ
711、721、731、741、751 MPC
722、732、742 MPS
Claims (24)
- ATMネットワーク上でレイヤ3プロトコルを用いて通信を行うMPOAシステムにおいて、
各通信ノードにおいてデータパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、
同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とするMPOAシステム。 - 各前記通信ノードから受け付けた前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に判定することを特徴とする請求項1に記載のMPOAシステム。
- 同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする請求項2に記載のMPOAシステム。
- 通信を中継する各前記通信ノードのMPOAクライアントは、
ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加し、当該アドレス解決要求パケットを、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、
通信を中継する各前記通信ノードのMPOAサーバは、
各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、
複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のMPOAシステム。 - 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のMPOAシステム。
- 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のMPOAシステム。
- MPOAによる通信を行う通信装置において、
データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、
同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする通信装置。 - 各前記通信ノードから受け付けた前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に判定することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
- 同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
- MPOAクライアントとMPOAサーバを備え、
前記MPOAクライアントは、
ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加し、当該アドレス解決要求パケットを、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、
前記MPOAサーバは、
各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、
複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1つに記載の通信装置。 - 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1つに記載の通信装置。
- 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1つに記載の通信装置。
- MPOAによる通信のショートカット通信制御方法において、
データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信し、
同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とするショートカット通信制御方法。 - 各前記通信ノードから前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、各前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを判定することを特徴とする請求項13に記載のショートカット通信制御方法。
- 同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設することを特徴とする請求項14に記載のショートカット通信制御方法。
- 通信を中継する各通信ノードのMPOAクライアントで、
ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加して、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、
通信を中継する各通信ノードのMPOAサーバで、
各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、
複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする制御を行うことを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか1つに記載のショートカット通信制御方法。 - 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか1つに記載のショートカット通信制御方法。
- 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項13から請求項16いずれか1つに記載のショートカット通信制御方法。
- コンピュータを制御することにより、MPOAによるショートカット通信を制御するショートカット通信制御プログラムにおいて、
データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスのデータを付加して発信する処理と、
同一の通信に対し、データパケットの宛先に対するショートカットVCCを開設するために発信するアドレス解決要求パケットを複数の他の通信ノードから受け付けた場合に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設する処理を実行させることを特徴とするショートカット通信制御プログラム。 - 各前記通信ノードから前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、及び当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、各前記アドレス解決要求パケットが同一の通信に対するものであるかどうかを判定する処理を実行させることを特徴とする請求項19に記載のショートカット通信制御プログラム。
- 同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを複数の前記通信ノードから受け付けた場合に、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記通信ノードを選択し、当該選択された通信ノードと前記宛先との間のみに前記ショートカットVCCを開設する処理を実行させることを特徴とする請求項20に記載のショートカット通信制御プログラム。
- 通信を中継する各通信ノードのMPOAクライアントにおいては、
ショートカットさせたいデータパケットの前記アドレス解決要求パケットに、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加して、宛先ノードに向かう次ホップのMPOAサーバに送信し、
通信を中継する各通信ノードのMPOAサーバにおいては、
各前記MPOAクライアントから送信される前記アドレス解決要求パケットを受け付け、当該MPOAサーバが当該宛先ノードに直接接続する前記通信ノードのMPOAサーバである出口MPOAサーバである場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示される当該送信元のレイヤ3アドレス、当該宛先のレイヤ3アドレスの各情報を基に、同一の通信に対して複数の前記MPOAクライアントから発信されたアドレス解決要求パケットを検出し、
複数の前記MPOAクライアントから同一の通信に対するアドレス解決要求パケットを受け付けた場合には、当該アドレス解決要求パケットにおいて示されるホップカウント値の情報を基に、当該宛先とネットワーク上最も遠い前記MPOAクライアントからのアドレス解決要求を検出し、前記検出されたアドレス解決要求のみを有効とする処理を実行させることを特徴とする請求項19から請求項21のいずれか1つに記載のショートカット通信制御プログラム。 - 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットのベンダプライベート拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項19から請求項22のいずれか1つに記載のショートカット通信制御プログラム。
- 前記データパケットのショートカットVCCを開設するために発信する前記アドレス解決要求パケットに、MPOAパケットの拡張部として「送信元レイヤ3アドレス拡張」を定義し、前記送信元レイヤ3アドレス拡張を用いて、当該データパケットの送信元のレイヤ3アドレスの情報を付加することを特徴とする請求項19から請求項22いずれか1つに記載のショートカット通信制御プログラム。
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