JP2004088658A - パケット転送装置及びパケット処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一の宛先に対し複数の異なる経路を明示的に利用できるようにするパケット転送装置を提供する。
【解決手段】宛先アドレス認識部305は入力インタフェース301が受信したIPパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値1を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。IPパケット書き換え部304は、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して転送制御データベース304aで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレスに書き換えてIPパケット転送部302に与える。
【選択図】 図2
【解決手段】宛先アドレス認識部305は入力インタフェース301が受信したIPパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値1を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。IPパケット書き換え部304は、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して転送制御データベース304aで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレスに書き換えてIPパケット転送部302に与える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の宛先に対し複数の異なる経路を明示的に利用できるようにするパケット転送装置及びパケット処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IPパケットの通信においては、送信元の情報処理装置は送信するIPパケットのヘッダの特定の位置に送信先の情報処理装置のIPアドレスを書き込んで送出する。送信元から出力されたIPパケットはIPパケット転送装置において転送が行われる。IPパケット転送装置は、静的に、またはルーティングプロトコルを用いて、各宛先アドレスに対する転送先インタフェースの対応表を保持しているので、読み取ったIPパケットの宛先アドレスからそれに対応する転送先インタフェースを決定することができる。送信元の情報処理装置と送信先の情報処理装置の間に複数のIPパケット転送装置が存在する場合においても、それぞれのIPパケット転送装置によって順番に転送が行われることで最終的に送信先の情報処理装置へ届く。この通信は一般にコネクションレス型通信と呼ばれる。IPパケット転送装置においては、このように各転送装置が宛先アドレスに対する転送方向を個別に決定して転送を行うため、通常は送信側であらかじめ送信先までの転送経路を設定して送ることはできない。
【0003】
一方、ATM(asynchronous transfer mode)技術を用いたパケット転送技術では、宛先までの経路をあらかじめ設定し、その経路に情報を通過させるためにVPI/VCI(Virtual Path Identifier/Virtual Channel Identifier)という識別子を使用する。ATM技術を用いたIPパケット転送においては、IPパケットは固定長のATMセル単位に分割され、送信先へと運ばれる。ATMではあらかじめ経路を設定しておくため、一般的にコネクション型通信と呼ばれる。また、最近のIPパケット転送技術としては、マルチプロトコルラベルスイッチング(以下、MPLS:Multi Protocol Label Switching)技術が提案されている。MPLSではパケット転送装置であるラベルスイッチルータ(LSR:Label Switch Router)間で特定の管理単位に属するパケットに特定のラベルを割り当て、各LSR間で入力側ラベルと出力側ラベルを対応付けて記憶しておき、この情報をもとにパケットはラベルによって指定されたラベルスイッチパス(LSP:Label Switch Path)にスイッチングされる。ATM同様、MPLSもコネクション型である。MPLSのパスの設定方法には大きく分けて2種類存在する。1つはOSPF等のネットワーク層の情報をもとにルータ間でエントリごとに設定する方法である。もう1つはラベルスイッチルータを指定することによって、明示的にルートを設定する方法である。明示的にルートを指定する方法は通信断が起きた場合に対し、ルートを迂回させて、通信断を復旧させたり、ネットワーク負荷を分散させるといった使い方が考えられている。しかし、これらの機能は高度であり、すべてのラベルスイッチルータが具備しているわけではない。そのような機能を有さないラベルスイッチルータにおいては、同一の送信元・送信先の組み合わせにおいて、経路を1つしか設定できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにIPパケットの転送において、多くの場合、ある特定の送信元・送信先の組み合わせに対し複数の経路を利用することはできない。
【0005】
そこで本発明は、このようなIPパケット転送装置が存在する環境において、既存のルーティングプロトコルに変更を加えることなく、同一の宛先に対し複数の異なる経路を明示的に利用できるようにするパケット転送装置及びパケット処理方法を提供することを目的とする。また、好ましくは、通信種別その他の理由によるIPパケット通信の制御品質の差別化、冗長化による高信頼化、負荷分散を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、請求項1の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す手段と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0007】
この請求項1の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出し、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0008】
また、請求項2の本発明は、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項1記載のパケット転送装置である。
【0009】
この請求項2の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0010】
また、請求項3の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す手段と、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0011】
この請求項3の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出し、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0012】
また、請求項4の本発明は、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項3記載のパケット転送装置である。
【0013】
この請求項4の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0014】
また、請求項5の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す手段と、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0015】
この請求項5の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出し、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0016】
また、請求項6の本発明は、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項5記載のパケット転送装置である。
【0017】
この請求項6の本発明によれば、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0018】
また、請求項7の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する手段と、前記各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0019】
この請求項7の本発明によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換えるので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0020】
また、請求項8の本発明は、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項7記載のパケット転送装置である。
【0021】
この請求項8の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0022】
また請求項9の本発明は、前記宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う請求項1ないし8のいずれかに記載のパケット転送装置である。
【0023】
この請求項9の本発明によれば、宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0024】
また、請求項10の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェース及び出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを前記出力インタフェースから送信するパケット転送装置において、前記入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄する宛先アドレス書き換え手段を有するパケット転送装置である。
【0025】
この請求項10の本発明によれば、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【0026】
また、請求項11の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す工程と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0027】
この請求項11の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出し、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0028】
また、請求項12の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項11記載のパケット処理方法である。
【0029】
この請求項12の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0030】
また、請求項13の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す工程と、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0031】
この請求項13の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出し、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0032】
また、請求項14の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項13記載のパケット処理方法である。
【0033】
この請求項14の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0034】
また、請求項15の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す工程と、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0035】
この請求項15の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出し、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0036】
また、請求項16の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項15記載のパケット処理方法である。
【0037】
この請求項16の本発明によれば、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0038】
また、請求項17の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する工程と、前記各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0039】
この請求項17の本発明によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換えるので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0040】
また、請求項18の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項17記載のパケット処理方法である。
【0041】
この請求項18の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0042】
また、請求項19の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う請求項11ないし18のいずれかに記載のパケット処理方法である。
【0043】
この請求項19の本発明によれば、宛先アドレス書き換え工程では、入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0044】
また、請求項20の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェース及び出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを前記出力インタフェースから送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するパケット処理方法である。
【0045】
この請求項20の本発明によれば、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施の形態ではIPパケットをパケットの例とし、IPパケット転送装置をパケット転送装置の例とする。
【0047】
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【0048】
情報通信装置1及び2の間には、IPパケット転送装置31〜34からなるネットワークが構成されている。IPパケット転送装置31は情報通信装置1とIPパケット転送装置32及び33にそれぞれ個別の通信回線で接続されている。またIPパケット転送装置34は情報通信装置2とIPパケット転送装置32及び33にそれぞれ個別の通信回線で接続されている。各通信回線の両端は、IPパケット転送装置または情報通信装置のインタフェースハードウェア(ポートともいう。以下、図ではifと略す)で終端されている。各インタフェースハードウェアにはIPアドレスが付与されている。
【0049】
IPパケット転送装置31からIPパケット転送装置32を経由してIPパケット転送装置34へ到達する通信経路は100Mbit/sの帯域幅を有し、IPパケット転送装置31からIPパケット転送装置33を経由してIPパケット転送装置34へ到達する通信経路は10Mbit/sの帯域幅を有している。なお、情報通信装置1とIPパケット転送装置31との間の通信回線と、情報通信装置2とIPパケット転送装置34との間の通信回線は、前記両通信回線のデータを同時に伝達可能な十分に広い帯域幅を有している。
【0050】
情報通信装置2は、大容量ファイルの転送サービスとトランザクション型サービスという2種のサービスを提供するサーバである。大容量ファイルサーバとしてはIPアドレス192.168.2.72が、トランザクションサーバとしてはIPアドレス192.168.2.136がそれぞれ割り当てられ、情報通信装置2は、これらのIPアドレス宛のIPパケットが受信可能である。情報通信装置2ではこのIPパケットのIPアドレスはIPアドレス192.168.2.8に書き換えられて同一宛先のIPパケットとして処理される。
【0051】
情報通信装置1は、情報通信装置2に前記両方のサービスを要求するクライアントであり、いずれのサービスを要求する際にもIPアドレス192.168.2.8を宛先アドレスとして含むIPパケットを送信するようになっている。
【0052】
IPパケット転送装置32及び33は、宛先IPアドレス192.168.2.72または宛先IPアドレス192.168.2.136を含むIPパケットをIPパケット転送装置34へ転送するようになっている。また、IPパケット転送装置34は宛先IPアドレス192.168.2.72または宛先IPアドレス192.168.2.136を含むIPパケットを情報通信装置2へ転送するようになっている。
【0053】
以下、IPパケット転送装置31と、該装置の構成を一部変更して同様に他の装置と接続した各IPパケット転送装置の構成と作用を第1ないし7の実施の形態として説明する。
【0054】
[第1の実施の形態]
図2は、第1の実施の形態のIPパケット転送装置31の構成を示す図である。
【0055】
IPパケット転送装置31は、情報通信装置1等からIPパケットを受信する複数の入力インタフェース301と、このIPパケットの宛先IPアドレスに応じてパケットの送信先を選択して転送するIPパケット転送部302と、当該送信先選択の際に使用されるルーティングテーブル302aと、IPパケット転送部302から選択されて受信したIPパケットをIPパケット転送装置32や33へを送信する複数の出力インタフェース303を備えている。一対の入力インタフェース301及び出力インタフェース303が1つのインタフェースハードウェアにおける送受信を処理している。
【0056】
ルーティングテーブル302aは、複数の宛先IPアドレスの範囲と、この各範囲に含まれる宛先IPアドレスを有するIPパケットの転送先のIPアドレス(IPパケット転送装置32及び33におけるIPパケット転送装置31側のインタフェースハードウェアのIPアドレス等で転送先IPアドレスという)と、この転送先に接続されたIPパケット転送装置31側のインタフェースハードウェアの識別子(if1及びif2等)とを対応づけたテーブルである。
【0057】
具体的には、192.168.2.64/26で示した範囲(このような表記はCIDR:Classless Inter−Domain Routing の表記として知られている)と、転送先IPアドレス192.168.10.2と、if1とが対応づけられている。また、192.168.2.128/26で示した範囲と、転送先IPアドレス192.168.20.2と、if2とが対応づけられている。また、192.168.2.0/24で示した範囲と、転送先IPアドレス192.168.10.2と、if1とが対応づけられている。
【0058】
IPパケット転送装置31は、各入力インタフェース301に対し、該入力インタフェース301で受信されたIPパケットの宛先IPアドレスを当該IPパケットのTOS値に応じて書き換えるIPパケット書き換え部304と、この書き換えの際に使用される転送制御データベース304aと、当該IPパケットから宛先IPアドレスを読み出してIPパケット書き換え部304に与える宛先IPアドレス認識部305と、当該IPパケットからTOS値を読み出してIPパケット書き換え部304に与えるTOS値認識部306とを有している。
【0059】
転送制御データベース304aは、書き換え前の宛先IPアドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなるデータベースである。図1および以降の図において、書き換え前の宛先IPアドレスは(前)で、書き換え後の宛先IPアドレスは(後)で示されている。
【0060】
具体的には、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.72が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.136が対応づけられている。
【0061】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。なお、以下に説明するIPパケットの処理はIPパケットのデータ部(本発明におけるパケットのデータ)への書き換え等を含まない処理である。
【0062】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31に送信する。なお、通信経路を指定しない場合はTOS値は0にされる。
【0063】
IPパケット転送装置31の入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値1を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。
【0064】
IPパケット書き換え部304は、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して転送制御データベース304aで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換えてIPパケット転送部302に与える。
【0065】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0066】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0067】
一方、情報通信装置1は、トランザクション型サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31に送信する。そのため、このIPパケットは、IPパケット転送装置33及び34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0068】
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施の形態のIPパケット転送装置31Aの構成を示す図である。なお、以降の各実施の形態のIPパケット転送装置は、図1のIPパケット転送装置31に替えて接続されるものである。またその説明において、既出の装置または構成要素には同一符号を付して説明を省略する。また、内部データの供与先等の差異については作用の説明で補う。
【0069】
IPパケット転送装置31Aは、IPパケット転送装置31のIPパケット転送部302とIPパケット書き換え部304に替えて、これらの機能を備えたIPパケット転送部302Aを備える。
【0070】
また、転送制御データベース304aとルーティングテーブル302aに替えて、これらの内容を備えた転送制御データベース304bを備える。転送制御データベース304bは、書き換え前及び書き換え後の宛先IPアドレスを1つのIPアドレスを含むIPアドレスの範囲で示している。具体的にはIPアドレスの全ビットをマスクした範囲を示している。また、書き換え後の宛先IPアドレスの範囲とルーティングテーブルとしてのIPアドレスの範囲とを共通化している。
【0071】
なお、その他の構成要素はIPパケット転送装置31と同様である。
【0072】
次に、第2の実施の形態の作用を説明する。
【0073】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31に送信する。IPパケット転送装置31Aの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット転送部302A、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット転送部302Aに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値1を読み出してIPパケット転送部302Aに与える。
【0074】
IPパケット転送部302Aは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して転送制御データベース304bで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換える。
【0075】
さらにIPパケット転送部302Aは、ルーティングテーブル302aで、この書き換え後の宛先IPアドレス192.168.2.72に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、この書き換えられたIPパケットを転送する。
【0076】
そのため、大容量ファイルの転送サービスに関する要求の際のIPパケットは、100Mbit/sの通信経路を経由して情報通信装置2に到達する。なお、トランザクションサービスに関する要求の際の宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2を含むIPパケットは10Mbit/sの通信経路を経由して情報通信装置2に到達する。
【0077】
以上説明したように、第1及び第2の実施の形態によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す手段であるTOS値認識部306と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部やIPパケット転送部とを有するパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す工程と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0078】
また、パケット転送装置が、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程ではこの転送制御データベースを参照するようにしたので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0079】
[第3の実施の形態]
図4は、第3の実施の形態のIPパケット転送装置31Bの構成を示す図である。
【0080】
IPパケット転送装置31Bは、IPパケット転送装置31のTOS値認識部306に替えて、ポート番号認識部306aを備える。また、IPパケット書き換え部304に替えて、IPパケット書き換え部304Aを備える。また、転送制御データベース304aに替えて、転送制御データベース304cを備える。ポート番号認識部306aは、入力インタフェース301で受信されたIPパケットからポート番号を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。IPパケット書き換え部304Aは、この与えられたポート番号に応じてIPパケットの宛先IPアドレスを書き換える。
【0081】
転送制御データベース304cは、書き換え前の宛先IPアドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなるデータベースである。具体的には、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号21の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.72が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号80の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.136が対応づけられている。
【0082】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第3の実施の形態の作用を説明する。
【0083】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含みかつポート番号21をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Bに送信する。
【0084】
IPパケット転送装置31Bの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304A、宛先アドレス認識部305及びポート番号認識部306aに転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。ポート番号認識部306aはこのパケットのTCPヘッダからポート番号21を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。
【0085】
IPパケット書き換え部304Aは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号21の組に対して転送制御データベース304cで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換えてIPパケット転送部302に与える。
【0086】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0087】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0088】
一方、情報通信装置1は、トランザクション型サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含むかつポート番号80をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Bに送信する。そのため、このIPパケットは、IPパケット転送装置33及び34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0089】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す手段であるポート番号認識部306aと、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部304Aとを有するIPパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す工程と、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0090】
また、パケット転送装置が、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程ではこの転送制御データベースを参照するようにしたので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0091】
なお、IPパケット転送装置31BのIPパケット転送部302とIPパケット書き換え部304Aに替えて、これらの機能を備えたIPパケット転送部を備え、さらに転送制御データベース304cとルーティングテーブル302aに替えて、これらの内容を備えた転送制御データベースを備えるように、IPパケット転送装置を構成してもよい。
【0092】
[第4の実施の形態]
図5は、第4の実施の形態のIPパケット転送装置31Cの構成を示す図である。
【0093】
IPパケット転送装置31Cは、IPパケット転送装置31のTOS値認識部306に替えて、ポート番号認識部306aを備える。また、IPパケット書き換え部304に替えて、IPパケット書き換え部304Bを備える。また、転送制御データベース304aに替えて、転送制御データベース304dを備える。転送制御データベース304dは、書き換え前の宛先IPアドレスとポート番号の組に対してビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースである。
【0094】
具体的には、書き換え前の宛先IPアドレスの範囲を示す192.168.2.0/24とポート番号21の組に対して、25ビット目から2ビットを01に書き換えるという書き換え規則が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレスの範囲を示す192.168.2.0/24とポート番号80の組に対して、25ビット目から2ビットを10に書き換えるという書き換え規則が対応づけられている。
【0095】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第4の実施の形態の作用を説明する。
【0096】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含みかつポート番号21をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Cに送信する。
【0097】
IPパケット転送装置31Cの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304B、宛先アドレス認識部305及びポート番号認識部306aに転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304Bに与える。ポート番号認識部306aはこのパケットのTCPヘッダからポート番号21を読み出してIPパケット書き換え部304Bに与える。
【0098】
IPパケット書き換え部304Bは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号21の組に対して転送制御データベース304dで対応づけられている書き換え規則を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した書き換え規則により書き換えてIPパケット転送部302に与える。ここでは、25ビット目から2ビットを01に書き換えるという書き換え規則が読み出され、宛先IPアドレス192.168.2.8(2進数で、11000000 10101000 0000001000001000)の25ビット目から2ビットが01に書き換えられて、宛先IPアドレス192.168.2.72(同 11000000 10101000 00000010 10001000)となる。
【0099】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0100】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0101】
一方、情報通信装置1は、トランザクション型サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含むかつポート番号80をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Bに送信する。そのため、このIPパケットは、IPパケット転送装置33及び34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0102】
以上説明したように、第4の実施の形態によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子であるポート番号を読み出す手段であるポート番号認識部306aと、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部304Bを有するパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す工程と、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0103】
また、パケット転送装置が、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程ではこの転送制御データベースを参照するようにしたので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0104】
[第5の実施の形態]
図6は、第5の実施の形態のIPパケット転送装置31Dの構成を示す図である。以下に説明する例では、同一特性を有するパケットとは、送信元及び宛先のIPアドレスとポート番号が同一である場合を指す。
【0105】
IPパケット転送装置31Dは、IPパケット転送装置31のTOS値認識部306に替えて、フロー認識部306bを備える。また、IPパケット書き換え部304に替えて、IPパケット書き換え部304Cを備える。また、転送制御データベース304に替えて、転送制御データベース304eを備える。
【0106】
フロー認識部306bは、入力インタフェース301で受信された複数の同一特性を有するIPパケットのそれぞれに受信の順番を示すフロー番号を付与してIPパケット書き換え部304Cに与える。IPパケット書き換え部304Cは、この与えられたフロー番号に応じてIPパケットの宛先IPアドレスを書き換える。
【0107】
転送制御データベース304eは、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなるデータベースである。具体的には、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とフロー番号が11の倍数であるという条件との組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.72が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とフロー番号が11の倍数であるという条件と組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.136が対応づけられている。
【0108】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第5の実施の形態の作用を説明する。
【0109】
情報通信装置1は、例えば大容量ファイルの転送サービスに関する要求を複数回行う際に、それぞれの回で、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含みかつポート番号21をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Dに送信する。
【0110】
IPパケット転送装置31Dの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304C、宛先アドレス認識部305及びフロー認識部306bに転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。フロー認識部306bは、このパケットの送信元IPアドレス、宛先IPアドレス及びポート番号を読み出し、これらを基に、このIPパケットが、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス及びポート番号が同一である複数のIPパケットに属すると判断すると、このIPパケットに該IPパケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し該フロー番号をIPパケット書き換え部304Aに与える。
【0111】
IPパケット書き換え部304Cは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8に対して転送制御データベース304eで対応づけられている各条件を読み出し、この読み出した条件の中の合致する方の条件に転送制御データベース304eで対応づけられている書き換え後の宛先IPアドレスを読み出し、IPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出した書き換え後の宛先IPアドレスで書き換え書き換える。ここでは、フロー番号が11の倍数でない場合には、宛先IPアドレスが192.168.2.72に書き換えられ、フロー番号が11の倍数である場合には、宛先IPアドレスが192.168.2.136に書き換えられる。そして、IPパケット書き換え部304Cは書き換えたIPパケットをIPパケット転送部302に与える。
【0112】
したがって、10/11のIPパケットの宛先IPアドレスが192.168.2.72になり、1/11のIPパケットの宛先IPアドレスが192.168.2.72になる。
【0113】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレスを読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレスのIPパケット転送装置32または33を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0114】
したがって、10/11のIPパケットが100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達し、1/11のIPパケットが10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0115】
以上説明したように、第5の実施の形態によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する手段であるフロー認識部306bと、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部304Cとを有するパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する工程と、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
なお、TCPヘッダのシーケンス番号をフロー番号として採用してもよい。
【0116】
また、パケット転送装置が、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程では、この転送制御データベースを参照するようにしたので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0117】
[第6の実施の形態]
図7は、第6の実施の形態のIPパケット転送装置31Eの構成を示す図である。なお、IPパケット転送装置31E〜34は、冗長性を許容するネットワークとする。また、IPパケット転送装置31Eには、冗長性を許容しないネットワークのIPパケット転送装置41が接続され、冗長性を許容しないネットワークにはIPアドレス192.168.3.16を付与された情報通信装置2A(図示せず)が接続されていることにする。
【0118】
IPパケット転送装置31Eは、IPパケット転送装置31のIPパケット書き換え部304に替えて、入力インタフェースで受信されたIPパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先IPアドレスの書き換えを行うIPパケット複製・書き換え部304Dを備える。また、転送制御データベース304aに替えて、転送制御データベース304fを備える。
【0119】
転送制御データベース304fは、書き換え前の1つの宛先IPアドレスとTOS値の組に対して書き換え後の複数の宛先アドレスを対応づけた部分と、書き換え前の複数の宛先IPアドレスとTOS値の組に対して書き換え後の1つの宛先アドレスを対応づけた部分とを備えるデータベースである。
【0120】
具体的には、書き換え前の1つの宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して書き換え後の2つの宛先アドレス192.168.2.72及び192.168.2.136が対応づけられている。また、書き換え前の2つの宛先IPアドレス192.168.3.80とTOS値2の組に対して書き換え後の1つの宛先アドレス192.168.3.16が対応づけられている。
【0121】
ルーティングテーブル302aには、図2(c)で示した対応づけに加えて、192.168.3.0/24で示した範囲と、転送先IPアドレス192.168.10.3(IPパケット転送装置41におけるIPパケット転送装置31E側のインタフェースハードウェアのIPアドレス)と、if3(IPパケット転送装置41におけるIPパケット転送装置31E側のインタフェースハードウェアに接続されたIPパケット転送装置31E側のインタフェースハードウェアの識別子)とが対応づけられている。
【0122】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第6の実施の形態の作用を説明する。
【0123】
先ず、冗長性を許容するネットワークへのIPパケットの転送について説明する。
【0124】
情報通信装置1は、情報通信装置2へ冗長性を許容するネットワークを経由した通信を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Eに送信する。なお、冗長性の指定をしない場合はTOS値は他の値にされる。
【0125】
IPパケット転送装置31Eの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット複製・書き換え部304D、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。
【0126】
IPパケット複製・書き換え部304Dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して転送制御データベース304fで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72及び192.168.2.136を読み出し、与えられたIPパケットを複製して2つのIPパケットを得る。そして、一方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した一方の宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換える。また、他方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した他方の宛先IPアドレス192.168.2.136に書き換える。そして、書き換え後のIPパケットをIPパケット転送部302に与える。
【0127】
IPパケット転送部302は、この与えられた一方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。また、IPパケット転送部302は、この与えられた他方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.136を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.20.2のIPパケット転送装置33を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0128】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。また、宛先IPアドレス192.168.2.136を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。つまり、本来1つの経路で行えば良いIPパケットの送信を複数の経路で行うことができる。
【0129】
次に、冗長性を許容しないネットワークへのIPパケットの転送について説明する。
【0130】
情報通信装置2Aへ通信の際に、宛先IPアドレス192.168.3.80とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットがIPパケット転送装置31Eに送信される。宛先IPアドレス192.168.3.80は、例えば情報通信装置2Aが、情報通信装置2のように過去に2つのIPアドレスを有していた場合の一方のIPアドレスである。
【0131】
IPパケット転送装置31Eの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット複製・書き換え部304D、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.3.80を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。
【0132】
IPパケット複製・書き換え部304Dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.3.80及び192.168.3.144とTOS値2の組に対して転送制御データベース304fで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.3.16を読み出し、与えられたIPパケットを宛先IPアドレス192.168.3.80を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.3.16に書き換える。そして、書き換え後のIPパケットをIPパケット転送部302に与える。なお、IPパケット複製・書き換え部304Dは、書き換え前の複数の宛先IPアドレスの一方が書き換えられたことをフラグ等で記憶する。
【0133】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.3.16を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.3のIPパケット転送装置41を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0134】
そして、宛先IPアドレス192.168.3.16を含んだIPパケットは情報通信装置2Aに到達する。
【0135】
次に、情報通信装置2Aへ通信の際に、宛先IPアドレス192.168.3.144とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットがIPパケット転送装置31Eに送信される。宛先IPアドレス192.168.3.144は、情報通信装置2Aが、情報通信装置2のように過去に2つのIPアドレスを有していた場合の一方のIPアドレスと説明した前記192.168.3.80に対する他方のIPアドレスである。
【0136】
IPパケット転送装置31Eの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット複製・書き換え部304D、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.3.144を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。
【0137】
IPパケット複製・書き換え部304Dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.3.144及び192.168.3.80とTOS値2の組が転送制御データベース304fに存在し、前記のように、書き換え前の複数の宛先IPアドレスの一方、この場合は、192.168.3.80が書き換えられたことをフラグ等で記憶しているので、このパケットを削除する。
【0138】
したがって、宛先IPアドレス192.168.3.144を含んだIPパケットは情報通信装置2Aに到達することなく、IPパケット転送装置31Eで消去される。
【0139】
なお、書き換え前の宛先IPアドレスが3つ以上であり、2番目の書き換え前の宛先IPアドレスを含むIPパケットが破棄されてから、3番目の宛先IPアドレスを含むIPパケットが送信された場合においても、IPパケット転送装置31EはこのIPパケットを破棄する。
【0140】
[第7の実施の形態]
図8は、第7の実施の形態のIPパケット転送装置31Fの構成を示す図である。
【0141】
IPパケット転送装置31Fは、IPパケット転送装置31EのIPパケット転送部302とIPパケット複製・書き換え部304Dに替えて、これらの機能を備えたIPパケット転送部302Fを備える。
【0142】
また、転送制御データベース304fとルーティングテーブル302aに替えて、これらの内容を備えた転送制御データベース304gを備える。転送制御データベース304gは、書き換え前及び書き換え後の宛先IPアドレスを1つのIPアドレスを含むIPアドレスの範囲で示している。具体的にはIPアドレスの全ビットをマスクした範囲を示している。また、書き換え後の宛先IPアドレスの範囲とルーティングテーブルとしてのIPアドレスの範囲とを共通化している。
【0143】
なお、その他の構成要素はIPパケット転送装置31Eと同様である。
【0144】
次に、第7の実施の形態の作用を説明する。
【0145】
先ず、冗長性を許容するネットワークへのIPパケットの転送について説明する。
【0146】
情報通信装置1は、情報通信装置2へ冗長性を許容するネットワークを経由した通信を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Eに送信する。なお、冗長性の指定をしない場合はTOS値は他の値にされる。
【0147】
IPパケット転送装置31Fの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット転送部302B、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット転送部302Bに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット転送部302Bに与える。
【0148】
IPパケット転送部302dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して転送制御データベース304gで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72及び192.168.2.136を読み出し、与えられたIPパケットを複製して2つのIPパケットを得る。そして、一方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した一方の宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換える。また、他方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した他方の宛先IPアドレス192.168.2.136に書き換える。
【0149】
そして、IPパケット転送部302dは、書き換えた一方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、転送制御データベース304gでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。また、IPパケット転送部302dは、書き換えた他方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.136を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.20.2のIPパケット転送装置33を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0150】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。また、宛先IPアドレス192.168.2.136を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。つまり、本来1つの経路で行えば良いIPパケットの送信を複数の経路で行うことができる。
【0151】
以上説明したように、第6及び7の実施の形態によれば、入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うIPパケット複製・書き換え部304Dを備えるパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う宛先アドレス書き換え工程を有するパケット処理方法を実行するので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0152】
また、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄する宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット複製・書き換え部304Dを備えるパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するパケット処理方法を実行するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【0153】
次に、IPパケット転送装置31〜31Eに共通に適用しうる構成を説明する。図9に示すように、IPパケット転送部302〜302Bからの指示により転送制御データベース304a〜304gの内容を設定・変更・消去する転送制御設定部307を設ければ、IPパケット転送装置31〜31Eへの通信により、転送制御データベース304a〜304gの内容を設定・変更・消去することができる。
【0154】
さて、これまでは、IPパケット転送装置31〜31Eを説明してきたが、このような構成のIPパケット転送装置をIPパケット転送装置32〜34の位置に構成することも可能である。
【0155】
そうした場合、図10に示すように、IPパケット転送装置31〜34の通信状態を監視するネットワーク監視装置5を設け、ネットワーク監視装置5が帯域や遅延等の状況を監視し、その情報に基づいて各IPパケット転送装置の転送制御設定部を介して転送制御データベースを適宜設定等すれば、局所的な混雑を解消することができる。
【0156】
また、図10に示すように、これまで説明した処理を適用するネットワークと、適用しなIPパケット転送装置6を含むネットワークを接続して運用することも可能である。また、IPパケットを圧縮して通信の負荷を軽減したり、暗号化して秘匿化を図ることが可能である。
【0157】
なお、上記説明した処理を実行させるコンピュータプログラムを、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したり、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【0158】
また、本発明はIPパケットに限らず、データに宛先アドレスが付与されたものであれば、あらゆるタイプのパケットに適用可能である。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出し、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0160】
また、本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0161】
また、本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出し、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0162】
また、本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0163】
また、本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出し、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0164】
また、本発明によれば、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0165】
また、本発明によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換えるので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0166】
また、本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0167】
また、本発明によれば、宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0168】
また、本発明によれば、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態のIPパケット転送装置31の構成を示す図である。
【図3】第2の実施の形態のIPパケット転送装置31Aの構成を示す図である。
【図4】第3の実施の形態のIPパケット転送装置31Bの構成を示す図である。
【図5】第4の実施の形態のIPパケット転送装置31Cの構成を示す図である。
【図6】第5の実施の形態のIPパケット転送装置31Dの構成を示す図である。
【図7】第6の実施の形態のIPパケット転送装置31Eの構成を示す図である。
【図8】第7の実施の形態のIPパケット転送装置31Fの構成を示す図である。
【図9】転送制御設定部307を設けた部分の構成を示す図である。
【図10】図1のネットワークの適用例を示す図である。
【符号の説明】
1 情報通信装置(クライアント)
2 情報通信装置(サーバ)
5 ネットワーク監視装置
6,31,31A,13B,31C,31D,31E,31F,32,33,34,41 IPパケット転送装置
301 入力インタフェース
302,302A,302B IPパケット転送部
303 出力インタフェース
302a ルーティングテーブル
304,304A,304B,304C IPパケット書き換え部
304D IPパケット複製・書き換え部
304a,304b,304c,304d,304e,304f,304g 転送制御データベース
305 宛先アドレス認識部
306 TOS値認識部
306a ポート番号認識部
306b フロー認識部
307 転送制御設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の宛先に対し複数の異なる経路を明示的に利用できるようにするパケット転送装置及びパケット処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IPパケットの通信においては、送信元の情報処理装置は送信するIPパケットのヘッダの特定の位置に送信先の情報処理装置のIPアドレスを書き込んで送出する。送信元から出力されたIPパケットはIPパケット転送装置において転送が行われる。IPパケット転送装置は、静的に、またはルーティングプロトコルを用いて、各宛先アドレスに対する転送先インタフェースの対応表を保持しているので、読み取ったIPパケットの宛先アドレスからそれに対応する転送先インタフェースを決定することができる。送信元の情報処理装置と送信先の情報処理装置の間に複数のIPパケット転送装置が存在する場合においても、それぞれのIPパケット転送装置によって順番に転送が行われることで最終的に送信先の情報処理装置へ届く。この通信は一般にコネクションレス型通信と呼ばれる。IPパケット転送装置においては、このように各転送装置が宛先アドレスに対する転送方向を個別に決定して転送を行うため、通常は送信側であらかじめ送信先までの転送経路を設定して送ることはできない。
【0003】
一方、ATM(asynchronous transfer mode)技術を用いたパケット転送技術では、宛先までの経路をあらかじめ設定し、その経路に情報を通過させるためにVPI/VCI(Virtual Path Identifier/Virtual Channel Identifier)という識別子を使用する。ATM技術を用いたIPパケット転送においては、IPパケットは固定長のATMセル単位に分割され、送信先へと運ばれる。ATMではあらかじめ経路を設定しておくため、一般的にコネクション型通信と呼ばれる。また、最近のIPパケット転送技術としては、マルチプロトコルラベルスイッチング(以下、MPLS:Multi Protocol Label Switching)技術が提案されている。MPLSではパケット転送装置であるラベルスイッチルータ(LSR:Label Switch Router)間で特定の管理単位に属するパケットに特定のラベルを割り当て、各LSR間で入力側ラベルと出力側ラベルを対応付けて記憶しておき、この情報をもとにパケットはラベルによって指定されたラベルスイッチパス(LSP:Label Switch Path)にスイッチングされる。ATM同様、MPLSもコネクション型である。MPLSのパスの設定方法には大きく分けて2種類存在する。1つはOSPF等のネットワーク層の情報をもとにルータ間でエントリごとに設定する方法である。もう1つはラベルスイッチルータを指定することによって、明示的にルートを設定する方法である。明示的にルートを指定する方法は通信断が起きた場合に対し、ルートを迂回させて、通信断を復旧させたり、ネットワーク負荷を分散させるといった使い方が考えられている。しかし、これらの機能は高度であり、すべてのラベルスイッチルータが具備しているわけではない。そのような機能を有さないラベルスイッチルータにおいては、同一の送信元・送信先の組み合わせにおいて、経路を1つしか設定できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにIPパケットの転送において、多くの場合、ある特定の送信元・送信先の組み合わせに対し複数の経路を利用することはできない。
【0005】
そこで本発明は、このようなIPパケット転送装置が存在する環境において、既存のルーティングプロトコルに変更を加えることなく、同一の宛先に対し複数の異なる経路を明示的に利用できるようにするパケット転送装置及びパケット処理方法を提供することを目的とする。また、好ましくは、通信種別その他の理由によるIPパケット通信の制御品質の差別化、冗長化による高信頼化、負荷分散を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、請求項1の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す手段と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0007】
この請求項1の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出し、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0008】
また、請求項2の本発明は、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項1記載のパケット転送装置である。
【0009】
この請求項2の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0010】
また、請求項3の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す手段と、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0011】
この請求項3の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出し、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0012】
また、請求項4の本発明は、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項3記載のパケット転送装置である。
【0013】
この請求項4の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0014】
また、請求項5の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す手段と、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0015】
この請求項5の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出し、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0016】
また、請求項6の本発明は、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項5記載のパケット転送装置である。
【0017】
この請求項6の本発明によれば、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0018】
また、請求項7の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、前記入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する手段と、前記各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え手段とを有するパケット転送装置である。
【0019】
この請求項7の本発明によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換えるので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0020】
また、請求項8の本発明は、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項7記載のパケット転送装置である。
【0021】
この請求項8の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0022】
また請求項9の本発明は、前記宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う請求項1ないし8のいずれかに記載のパケット転送装置である。
【0023】
この請求項9の本発明によれば、宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0024】
また、請求項10の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェース及び出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを前記出力インタフェースから送信するパケット転送装置において、前記入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄する宛先アドレス書き換え手段を有するパケット転送装置である。
【0025】
この請求項10の本発明によれば、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【0026】
また、請求項11の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す工程と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0027】
この請求項11の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出し、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0028】
また、請求項12の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項11記載のパケット処理方法である。
【0029】
この請求項12の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0030】
また、請求項13の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す工程と、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0031】
この請求項13の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出し、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0032】
また、請求項14の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項13記載のパケット処理方法である。
【0033】
この請求項14の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0034】
また、請求項15の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す工程と、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0035】
この請求項15の本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出し、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0036】
また、請求項16の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項15記載のパケット処理方法である。
【0037】
この請求項16の本発明によれば、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0038】
また、請求項17の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する工程と、前記各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法である。
【0039】
この請求項17の本発明によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換えるので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0040】
また、請求項18の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項17記載のパケット処理方法である。
【0041】
この請求項18の本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照するので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0042】
また、請求項19の本発明は、前記宛先アドレス書き換え工程では、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う請求項11ないし18のいずれかに記載のパケット処理方法である。
【0043】
この請求項19の本発明によれば、宛先アドレス書き換え工程では、入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0044】
また、請求項20の本発明は、少なくとも1つの入力インタフェース及び出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを前記出力インタフェースから送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、前記入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するパケット処理方法である。
【0045】
この請求項20の本発明によれば、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施の形態ではIPパケットをパケットの例とし、IPパケット転送装置をパケット転送装置の例とする。
【0047】
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【0048】
情報通信装置1及び2の間には、IPパケット転送装置31〜34からなるネットワークが構成されている。IPパケット転送装置31は情報通信装置1とIPパケット転送装置32及び33にそれぞれ個別の通信回線で接続されている。またIPパケット転送装置34は情報通信装置2とIPパケット転送装置32及び33にそれぞれ個別の通信回線で接続されている。各通信回線の両端は、IPパケット転送装置または情報通信装置のインタフェースハードウェア(ポートともいう。以下、図ではifと略す)で終端されている。各インタフェースハードウェアにはIPアドレスが付与されている。
【0049】
IPパケット転送装置31からIPパケット転送装置32を経由してIPパケット転送装置34へ到達する通信経路は100Mbit/sの帯域幅を有し、IPパケット転送装置31からIPパケット転送装置33を経由してIPパケット転送装置34へ到達する通信経路は10Mbit/sの帯域幅を有している。なお、情報通信装置1とIPパケット転送装置31との間の通信回線と、情報通信装置2とIPパケット転送装置34との間の通信回線は、前記両通信回線のデータを同時に伝達可能な十分に広い帯域幅を有している。
【0050】
情報通信装置2は、大容量ファイルの転送サービスとトランザクション型サービスという2種のサービスを提供するサーバである。大容量ファイルサーバとしてはIPアドレス192.168.2.72が、トランザクションサーバとしてはIPアドレス192.168.2.136がそれぞれ割り当てられ、情報通信装置2は、これらのIPアドレス宛のIPパケットが受信可能である。情報通信装置2ではこのIPパケットのIPアドレスはIPアドレス192.168.2.8に書き換えられて同一宛先のIPパケットとして処理される。
【0051】
情報通信装置1は、情報通信装置2に前記両方のサービスを要求するクライアントであり、いずれのサービスを要求する際にもIPアドレス192.168.2.8を宛先アドレスとして含むIPパケットを送信するようになっている。
【0052】
IPパケット転送装置32及び33は、宛先IPアドレス192.168.2.72または宛先IPアドレス192.168.2.136を含むIPパケットをIPパケット転送装置34へ転送するようになっている。また、IPパケット転送装置34は宛先IPアドレス192.168.2.72または宛先IPアドレス192.168.2.136を含むIPパケットを情報通信装置2へ転送するようになっている。
【0053】
以下、IPパケット転送装置31と、該装置の構成を一部変更して同様に他の装置と接続した各IPパケット転送装置の構成と作用を第1ないし7の実施の形態として説明する。
【0054】
[第1の実施の形態]
図2は、第1の実施の形態のIPパケット転送装置31の構成を示す図である。
【0055】
IPパケット転送装置31は、情報通信装置1等からIPパケットを受信する複数の入力インタフェース301と、このIPパケットの宛先IPアドレスに応じてパケットの送信先を選択して転送するIPパケット転送部302と、当該送信先選択の際に使用されるルーティングテーブル302aと、IPパケット転送部302から選択されて受信したIPパケットをIPパケット転送装置32や33へを送信する複数の出力インタフェース303を備えている。一対の入力インタフェース301及び出力インタフェース303が1つのインタフェースハードウェアにおける送受信を処理している。
【0056】
ルーティングテーブル302aは、複数の宛先IPアドレスの範囲と、この各範囲に含まれる宛先IPアドレスを有するIPパケットの転送先のIPアドレス(IPパケット転送装置32及び33におけるIPパケット転送装置31側のインタフェースハードウェアのIPアドレス等で転送先IPアドレスという)と、この転送先に接続されたIPパケット転送装置31側のインタフェースハードウェアの識別子(if1及びif2等)とを対応づけたテーブルである。
【0057】
具体的には、192.168.2.64/26で示した範囲(このような表記はCIDR:Classless Inter−Domain Routing の表記として知られている)と、転送先IPアドレス192.168.10.2と、if1とが対応づけられている。また、192.168.2.128/26で示した範囲と、転送先IPアドレス192.168.20.2と、if2とが対応づけられている。また、192.168.2.0/24で示した範囲と、転送先IPアドレス192.168.10.2と、if1とが対応づけられている。
【0058】
IPパケット転送装置31は、各入力インタフェース301に対し、該入力インタフェース301で受信されたIPパケットの宛先IPアドレスを当該IPパケットのTOS値に応じて書き換えるIPパケット書き換え部304と、この書き換えの際に使用される転送制御データベース304aと、当該IPパケットから宛先IPアドレスを読み出してIPパケット書き換え部304に与える宛先IPアドレス認識部305と、当該IPパケットからTOS値を読み出してIPパケット書き換え部304に与えるTOS値認識部306とを有している。
【0059】
転送制御データベース304aは、書き換え前の宛先IPアドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなるデータベースである。図1および以降の図において、書き換え前の宛先IPアドレスは(前)で、書き換え後の宛先IPアドレスは(後)で示されている。
【0060】
具体的には、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.72が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.136が対応づけられている。
【0061】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。なお、以下に説明するIPパケットの処理はIPパケットのデータ部(本発明におけるパケットのデータ)への書き換え等を含まない処理である。
【0062】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31に送信する。なお、通信経路を指定しない場合はTOS値は0にされる。
【0063】
IPパケット転送装置31の入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値1を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。
【0064】
IPパケット書き換え部304は、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して転送制御データベース304aで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換えてIPパケット転送部302に与える。
【0065】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0066】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0067】
一方、情報通信装置1は、トランザクション型サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31に送信する。そのため、このIPパケットは、IPパケット転送装置33及び34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0068】
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施の形態のIPパケット転送装置31Aの構成を示す図である。なお、以降の各実施の形態のIPパケット転送装置は、図1のIPパケット転送装置31に替えて接続されるものである。またその説明において、既出の装置または構成要素には同一符号を付して説明を省略する。また、内部データの供与先等の差異については作用の説明で補う。
【0069】
IPパケット転送装置31Aは、IPパケット転送装置31のIPパケット転送部302とIPパケット書き換え部304に替えて、これらの機能を備えたIPパケット転送部302Aを備える。
【0070】
また、転送制御データベース304aとルーティングテーブル302aに替えて、これらの内容を備えた転送制御データベース304bを備える。転送制御データベース304bは、書き換え前及び書き換え後の宛先IPアドレスを1つのIPアドレスを含むIPアドレスの範囲で示している。具体的にはIPアドレスの全ビットをマスクした範囲を示している。また、書き換え後の宛先IPアドレスの範囲とルーティングテーブルとしてのIPアドレスの範囲とを共通化している。
【0071】
なお、その他の構成要素はIPパケット転送装置31と同様である。
【0072】
次に、第2の実施の形態の作用を説明する。
【0073】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31に送信する。IPパケット転送装置31Aの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット転送部302A、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット転送部302Aに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値1を読み出してIPパケット転送部302Aに与える。
【0074】
IPパケット転送部302Aは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値1の組に対して転送制御データベース304bで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換える。
【0075】
さらにIPパケット転送部302Aは、ルーティングテーブル302aで、この書き換え後の宛先IPアドレス192.168.2.72に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、この書き換えられたIPパケットを転送する。
【0076】
そのため、大容量ファイルの転送サービスに関する要求の際のIPパケットは、100Mbit/sの通信経路を経由して情報通信装置2に到達する。なお、トランザクションサービスに関する要求の際の宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2を含むIPパケットは10Mbit/sの通信経路を経由して情報通信装置2に到達する。
【0077】
以上説明したように、第1及び第2の実施の形態によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す手段であるTOS値認識部306と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部やIPパケット転送部とを有するパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す工程と、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0078】
また、パケット転送装置が、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程ではこの転送制御データベースを参照するようにしたので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0079】
[第3の実施の形態]
図4は、第3の実施の形態のIPパケット転送装置31Bの構成を示す図である。
【0080】
IPパケット転送装置31Bは、IPパケット転送装置31のTOS値認識部306に替えて、ポート番号認識部306aを備える。また、IPパケット書き換え部304に替えて、IPパケット書き換え部304Aを備える。また、転送制御データベース304aに替えて、転送制御データベース304cを備える。ポート番号認識部306aは、入力インタフェース301で受信されたIPパケットからポート番号を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。IPパケット書き換え部304Aは、この与えられたポート番号に応じてIPパケットの宛先IPアドレスを書き換える。
【0081】
転送制御データベース304cは、書き換え前の宛先IPアドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなるデータベースである。具体的には、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号21の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.72が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号80の組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.136が対応づけられている。
【0082】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第3の実施の形態の作用を説明する。
【0083】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含みかつポート番号21をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Bに送信する。
【0084】
IPパケット転送装置31Bの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304A、宛先アドレス認識部305及びポート番号認識部306aに転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。ポート番号認識部306aはこのパケットのTCPヘッダからポート番号21を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。
【0085】
IPパケット書き換え部304Aは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号21の組に対して転送制御データベース304cで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換えてIPパケット転送部302に与える。
【0086】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0087】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0088】
一方、情報通信装置1は、トランザクション型サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含むかつポート番号80をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Bに送信する。そのため、このIPパケットは、IPパケット転送装置33及び34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0089】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す手段であるポート番号認識部306aと、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部304Aとを有するIPパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す工程と、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0090】
また、パケット転送装置が、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程ではこの転送制御データベースを参照するようにしたので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0091】
なお、IPパケット転送装置31BのIPパケット転送部302とIPパケット書き換え部304Aに替えて、これらの機能を備えたIPパケット転送部を備え、さらに転送制御データベース304cとルーティングテーブル302aに替えて、これらの内容を備えた転送制御データベースを備えるように、IPパケット転送装置を構成してもよい。
【0092】
[第4の実施の形態]
図5は、第4の実施の形態のIPパケット転送装置31Cの構成を示す図である。
【0093】
IPパケット転送装置31Cは、IPパケット転送装置31のTOS値認識部306に替えて、ポート番号認識部306aを備える。また、IPパケット書き換え部304に替えて、IPパケット書き換え部304Bを備える。また、転送制御データベース304aに替えて、転送制御データベース304dを備える。転送制御データベース304dは、書き換え前の宛先IPアドレスとポート番号の組に対してビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースである。
【0094】
具体的には、書き換え前の宛先IPアドレスの範囲を示す192.168.2.0/24とポート番号21の組に対して、25ビット目から2ビットを01に書き換えるという書き換え規則が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレスの範囲を示す192.168.2.0/24とポート番号80の組に対して、25ビット目から2ビットを10に書き換えるという書き換え規則が対応づけられている。
【0095】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第4の実施の形態の作用を説明する。
【0096】
情報通信装置1は、大容量ファイルの転送サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含みかつポート番号21をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Cに送信する。
【0097】
IPパケット転送装置31Cの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304B、宛先アドレス認識部305及びポート番号認識部306aに転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304Bに与える。ポート番号認識部306aはこのパケットのTCPヘッダからポート番号21を読み出してIPパケット書き換え部304Bに与える。
【0098】
IPパケット書き換え部304Bは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とポート番号21の組に対して転送制御データベース304dで対応づけられている書き換え規則を読み出し、パケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した書き換え規則により書き換えてIPパケット転送部302に与える。ここでは、25ビット目から2ビットを01に書き換えるという書き換え規則が読み出され、宛先IPアドレス192.168.2.8(2進数で、11000000 10101000 0000001000001000)の25ビット目から2ビットが01に書き換えられて、宛先IPアドレス192.168.2.72(同 11000000 10101000 00000010 10001000)となる。
【0099】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0100】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0101】
一方、情報通信装置1は、トランザクション型サービスに関する要求を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含むかつポート番号80をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Bに送信する。そのため、このIPパケットは、IPパケット転送装置33及び34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0102】
以上説明したように、第4の実施の形態によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子であるポート番号を読み出す手段であるポート番号認識部306aと、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部304Bを有するパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す工程と、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0103】
また、パケット転送装置が、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程ではこの転送制御データベースを参照するようにしたので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0104】
[第5の実施の形態]
図6は、第5の実施の形態のIPパケット転送装置31Dの構成を示す図である。以下に説明する例では、同一特性を有するパケットとは、送信元及び宛先のIPアドレスとポート番号が同一である場合を指す。
【0105】
IPパケット転送装置31Dは、IPパケット転送装置31のTOS値認識部306に替えて、フロー認識部306bを備える。また、IPパケット書き換え部304に替えて、IPパケット書き換え部304Cを備える。また、転送制御データベース304に替えて、転送制御データベース304eを備える。
【0106】
フロー認識部306bは、入力インタフェース301で受信された複数の同一特性を有するIPパケットのそれぞれに受信の順番を示すフロー番号を付与してIPパケット書き換え部304Cに与える。IPパケット書き換え部304Cは、この与えられたフロー番号に応じてIPパケットの宛先IPアドレスを書き換える。
【0107】
転送制御データベース304eは、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなるデータベースである。具体的には、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とフロー番号が11の倍数であるという条件との組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.72が対応づけられている。また、書き換え前の宛先IPアドレス192.168.2.8とフロー番号が11の倍数であるという条件と組に対して書き換え後の宛先アドレス192.168.2.136が対応づけられている。
【0108】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第5の実施の形態の作用を説明する。
【0109】
情報通信装置1は、例えば大容量ファイルの転送サービスに関する要求を複数回行う際に、それぞれの回で、宛先IPアドレス192.168.2.8をIPヘッダに含みかつポート番号21をTCPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Dに送信する。
【0110】
IPパケット転送装置31Dの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット書き換え部304C、宛先アドレス認識部305及びフロー認識部306bに転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304Aに与える。フロー認識部306bは、このパケットの送信元IPアドレス、宛先IPアドレス及びポート番号を読み出し、これらを基に、このIPパケットが、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス及びポート番号が同一である複数のIPパケットに属すると判断すると、このIPパケットに該IPパケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し該フロー番号をIPパケット書き換え部304Aに与える。
【0111】
IPパケット書き換え部304Cは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8に対して転送制御データベース304eで対応づけられている各条件を読み出し、この読み出した条件の中の合致する方の条件に転送制御データベース304eで対応づけられている書き換え後の宛先IPアドレスを読み出し、IPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出した書き換え後の宛先IPアドレスで書き換え書き換える。ここでは、フロー番号が11の倍数でない場合には、宛先IPアドレスが192.168.2.72に書き換えられ、フロー番号が11の倍数である場合には、宛先IPアドレスが192.168.2.136に書き換えられる。そして、IPパケット書き換え部304Cは書き換えたIPパケットをIPパケット転送部302に与える。
【0112】
したがって、10/11のIPパケットの宛先IPアドレスが192.168.2.72になり、1/11のIPパケットの宛先IPアドレスが192.168.2.72になる。
【0113】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレスを読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレスのIPパケット転送装置32または33を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0114】
したがって、10/11のIPパケットが100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達し、1/11のIPパケットが10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。
【0115】
以上説明したように、第5の実施の形態によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する手段であるフロー認識部306bと、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット書き換え部304Cとを有するパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が、同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する工程と、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え工程とを有するパケット処理方法を実行するので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
なお、TCPヘッダのシーケンス番号をフロー番号として採用してもよい。
【0116】
また、パケット転送装置が、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備え、宛先アドレス書き換え工程では、この転送制御データベースを参照するようにしたので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0117】
[第6の実施の形態]
図7は、第6の実施の形態のIPパケット転送装置31Eの構成を示す図である。なお、IPパケット転送装置31E〜34は、冗長性を許容するネットワークとする。また、IPパケット転送装置31Eには、冗長性を許容しないネットワークのIPパケット転送装置41が接続され、冗長性を許容しないネットワークにはIPアドレス192.168.3.16を付与された情報通信装置2A(図示せず)が接続されていることにする。
【0118】
IPパケット転送装置31Eは、IPパケット転送装置31のIPパケット書き換え部304に替えて、入力インタフェースで受信されたIPパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先IPアドレスの書き換えを行うIPパケット複製・書き換え部304Dを備える。また、転送制御データベース304aに替えて、転送制御データベース304fを備える。
【0119】
転送制御データベース304fは、書き換え前の1つの宛先IPアドレスとTOS値の組に対して書き換え後の複数の宛先アドレスを対応づけた部分と、書き換え前の複数の宛先IPアドレスとTOS値の組に対して書き換え後の1つの宛先アドレスを対応づけた部分とを備えるデータベースである。
【0120】
具体的には、書き換え前の1つの宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して書き換え後の2つの宛先アドレス192.168.2.72及び192.168.2.136が対応づけられている。また、書き換え前の2つの宛先IPアドレス192.168.3.80とTOS値2の組に対して書き換え後の1つの宛先アドレス192.168.3.16が対応づけられている。
【0121】
ルーティングテーブル302aには、図2(c)で示した対応づけに加えて、192.168.3.0/24で示した範囲と、転送先IPアドレス192.168.10.3(IPパケット転送装置41におけるIPパケット転送装置31E側のインタフェースハードウェアのIPアドレス)と、if3(IPパケット転送装置41におけるIPパケット転送装置31E側のインタフェースハードウェアに接続されたIPパケット転送装置31E側のインタフェースハードウェアの識別子)とが対応づけられている。
【0122】
なお、その他の構成要素についてはIPパケット転送装置31と同様である。
次に、第6の実施の形態の作用を説明する。
【0123】
先ず、冗長性を許容するネットワークへのIPパケットの転送について説明する。
【0124】
情報通信装置1は、情報通信装置2へ冗長性を許容するネットワークを経由した通信を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Eに送信する。なお、冗長性の指定をしない場合はTOS値は他の値にされる。
【0125】
IPパケット転送装置31Eの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット複製・書き換え部304D、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット書き換え部304に与える。
【0126】
IPパケット複製・書き換え部304Dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して転送制御データベース304fで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72及び192.168.2.136を読み出し、与えられたIPパケットを複製して2つのIPパケットを得る。そして、一方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した一方の宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換える。また、他方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した他方の宛先IPアドレス192.168.2.136に書き換える。そして、書き換え後のIPパケットをIPパケット転送部302に与える。
【0127】
IPパケット転送部302は、この与えられた一方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。また、IPパケット転送部302は、この与えられた他方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.136を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.20.2のIPパケット転送装置33を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0128】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。また、宛先IPアドレス192.168.2.136を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。つまり、本来1つの経路で行えば良いIPパケットの送信を複数の経路で行うことができる。
【0129】
次に、冗長性を許容しないネットワークへのIPパケットの転送について説明する。
【0130】
情報通信装置2Aへ通信の際に、宛先IPアドレス192.168.3.80とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットがIPパケット転送装置31Eに送信される。宛先IPアドレス192.168.3.80は、例えば情報通信装置2Aが、情報通信装置2のように過去に2つのIPアドレスを有していた場合の一方のIPアドレスである。
【0131】
IPパケット転送装置31Eの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット複製・書き換え部304D、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.3.80を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。
【0132】
IPパケット複製・書き換え部304Dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.3.80及び192.168.3.144とTOS値2の組に対して転送制御データベース304fで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.3.16を読み出し、与えられたIPパケットを宛先IPアドレス192.168.3.80を、この読み出した宛先IPアドレス192.168.3.16に書き換える。そして、書き換え後のIPパケットをIPパケット転送部302に与える。なお、IPパケット複製・書き換え部304Dは、書き換え前の複数の宛先IPアドレスの一方が書き換えられたことをフラグ等で記憶する。
【0133】
IPパケット転送部302は、この与えられたIPパケットの宛先IPアドレス192.168.3.16を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.3のIPパケット転送装置41を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0134】
そして、宛先IPアドレス192.168.3.16を含んだIPパケットは情報通信装置2Aに到達する。
【0135】
次に、情報通信装置2Aへ通信の際に、宛先IPアドレス192.168.3.144とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットがIPパケット転送装置31Eに送信される。宛先IPアドレス192.168.3.144は、情報通信装置2Aが、情報通信装置2のように過去に2つのIPアドレスを有していた場合の一方のIPアドレスと説明した前記192.168.3.80に対する他方のIPアドレスである。
【0136】
IPパケット転送装置31Eの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット複製・書き換え部304D、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.3.144を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット複製・書き換え部304Dに与える。
【0137】
IPパケット複製・書き換え部304Dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.3.144及び192.168.3.80とTOS値2の組が転送制御データベース304fに存在し、前記のように、書き換え前の複数の宛先IPアドレスの一方、この場合は、192.168.3.80が書き換えられたことをフラグ等で記憶しているので、このパケットを削除する。
【0138】
したがって、宛先IPアドレス192.168.3.144を含んだIPパケットは情報通信装置2Aに到達することなく、IPパケット転送装置31Eで消去される。
【0139】
なお、書き換え前の宛先IPアドレスが3つ以上であり、2番目の書き換え前の宛先IPアドレスを含むIPパケットが破棄されてから、3番目の宛先IPアドレスを含むIPパケットが送信された場合においても、IPパケット転送装置31EはこのIPパケットを破棄する。
【0140】
[第7の実施の形態]
図8は、第7の実施の形態のIPパケット転送装置31Fの構成を示す図である。
【0141】
IPパケット転送装置31Fは、IPパケット転送装置31EのIPパケット転送部302とIPパケット複製・書き換え部304Dに替えて、これらの機能を備えたIPパケット転送部302Fを備える。
【0142】
また、転送制御データベース304fとルーティングテーブル302aに替えて、これらの内容を備えた転送制御データベース304gを備える。転送制御データベース304gは、書き換え前及び書き換え後の宛先IPアドレスを1つのIPアドレスを含むIPアドレスの範囲で示している。具体的にはIPアドレスの全ビットをマスクした範囲を示している。また、書き換え後の宛先IPアドレスの範囲とルーティングテーブルとしてのIPアドレスの範囲とを共通化している。
【0143】
なお、その他の構成要素はIPパケット転送装置31Eと同様である。
【0144】
次に、第7の実施の形態の作用を説明する。
【0145】
先ず、冗長性を許容するネットワークへのIPパケットの転送について説明する。
【0146】
情報通信装置1は、情報通信装置2へ冗長性を許容するネットワークを経由した通信を行う際には、宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2をIPヘッダに含むIPパケットをIPパケット転送装置31Eに送信する。なお、冗長性の指定をしない場合はTOS値は他の値にされる。
【0147】
IPパケット転送装置31Fの入力インタフェース301はこのIPパケットを受信して、IPパケット転送部302B、宛先アドレス認識部305及びTOS値認識部306に転送する。宛先アドレス認識部305はこのパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス192.168.2.8を読み出してIPパケット転送部302Bに与える。TOS値認識部306はこのパケットのIPヘッダからTOS値2を読み出してIPパケット転送部302Bに与える。
【0148】
IPパケット転送部302dは、これら与えられた宛先IPアドレス192.168.2.8とTOS値2の組に対して転送制御データベース304gで対応づけられている宛先IPアドレス192.168.2.72及び192.168.2.136を読み出し、与えられたIPパケットを複製して2つのIPパケットを得る。そして、一方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した一方の宛先IPアドレス192.168.2.72に書き換える。また、他方のパケットの宛先IPアドレス192.168.2.8を、この読み出した他方の宛先IPアドレス192.168.2.136に書き換える。
【0149】
そして、IPパケット転送部302dは、書き換えた一方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.72を読み出し、転送制御データベース304gでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.10.2のIPパケット転送装置32を転送先として、このIPパケットを転送する。また、IPパケット転送部302dは、書き換えた他方のIPパケットの宛先IPアドレス192.168.2.136を読み出し、ルーティングテーブル302aでこのアドレスを含む範囲に対応づけられている転送先IPアドレス192.168.20.2のIPパケット転送装置33を転送先として、このIPパケットを転送する。
【0150】
そして、宛先IPアドレス192.168.2.72を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち100Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。また、宛先IPアドレス192.168.2.136を含んだIPパケットはIPパケット転送装置34を経由して、すなわち10Mbit/sの通信経路を経由して、情報通信装置2に到達する。つまり、本来1つの経路で行えば良いIPパケットの送信を複数の経路で行うことができる。
【0151】
以上説明したように、第6及び7の実施の形態によれば、入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うIPパケット複製・書き換え部304Dを備えるパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う宛先アドレス書き換え工程を有するパケット処理方法を実行するので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0152】
また、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄する宛先アドレス書き換え手段であるIPパケット複製・書き換え部304Dを備えるパケット転送装置を構成し、該パケット転送装置が入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するパケット処理方法を実行するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【0153】
次に、IPパケット転送装置31〜31Eに共通に適用しうる構成を説明する。図9に示すように、IPパケット転送部302〜302Bからの指示により転送制御データベース304a〜304gの内容を設定・変更・消去する転送制御設定部307を設ければ、IPパケット転送装置31〜31Eへの通信により、転送制御データベース304a〜304gの内容を設定・変更・消去することができる。
【0154】
さて、これまでは、IPパケット転送装置31〜31Eを説明してきたが、このような構成のIPパケット転送装置をIPパケット転送装置32〜34の位置に構成することも可能である。
【0155】
そうした場合、図10に示すように、IPパケット転送装置31〜34の通信状態を監視するネットワーク監視装置5を設け、ネットワーク監視装置5が帯域や遅延等の状況を監視し、その情報に基づいて各IPパケット転送装置の転送制御設定部を介して転送制御データベースを適宜設定等すれば、局所的な混雑を解消することができる。
【0156】
また、図10に示すように、これまで説明した処理を適用するネットワークと、適用しなIPパケット転送装置6を含むネットワークを接続して運用することも可能である。また、IPパケットを圧縮して通信の負荷を軽減したり、暗号化して秘匿化を図ることが可能である。
【0157】
なお、上記説明した処理を実行させるコンピュータプログラムを、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したり、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【0158】
また、本発明はIPパケットに限らず、データに宛先アドレスが付与されたものであれば、あらゆるタイプのパケットに適用可能である。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出し、この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0160】
また、本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0161】
また、本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出し、この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0162】
また、本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0163】
また、本発明によれば、パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出し、この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換えるので、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0164】
また、本発明によれば、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、複数の通信経路の中のいずれかを情報通信装置の要求により選択的に利用することができる。
【0165】
また、本発明によれば、入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与し、各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換えるので、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0166】
また、本発明によれば、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照することにより、同一特性を有する複数のパケットを受信の順番に基づき分配することにより複数の通信経路を利用することができる。
【0167】
また、本発明によれば、宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行うので、冗長性を許容しないネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容するネットワークへ転送することができる。
【0168】
また、本発明によれば、入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するので、冗長性を許容するネットワークから送信されたパケットを冗長性を許容しないネットワークへ転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態のIPパケット転送装置31の構成を示す図である。
【図3】第2の実施の形態のIPパケット転送装置31Aの構成を示す図である。
【図4】第3の実施の形態のIPパケット転送装置31Bの構成を示す図である。
【図5】第4の実施の形態のIPパケット転送装置31Cの構成を示す図である。
【図6】第5の実施の形態のIPパケット転送装置31Dの構成を示す図である。
【図7】第6の実施の形態のIPパケット転送装置31Eの構成を示す図である。
【図8】第7の実施の形態のIPパケット転送装置31Fの構成を示す図である。
【図9】転送制御設定部307を設けた部分の構成を示す図である。
【図10】図1のネットワークの適用例を示す図である。
【符号の説明】
1 情報通信装置(クライアント)
2 情報通信装置(サーバ)
5 ネットワーク監視装置
6,31,31A,13B,31C,31D,31E,31F,32,33,34,41 IPパケット転送装置
301 入力インタフェース
302,302A,302B IPパケット転送部
303 出力インタフェース
302a ルーティングテーブル
304,304A,304B,304C IPパケット書き換え部
304D IPパケット複製・書き換え部
304a,304b,304c,304d,304e,304f,304g 転送制御データベース
305 宛先アドレス認識部
306 TOS値認識部
306a ポート番号認識部
306b フロー認識部
307 転送制御設定部
Claims (20)
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、
前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す手段と、
この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段と
を有するパケット転送装置。 - 書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項1記載のパケット転送装置。
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、
前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す手段と、
この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え手段と
を有するパケット転送装置。 - 書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項3記載のパケット転送装置。
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、
前記パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す手段と、
この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え手段と
を有するパケット転送装置。 - 識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項5記載のパケット転送装置。
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置において、
前記入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する手段と、
前記各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え手段と
を有するパケット転送装置。 - 書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを備える請求項7記載のパケット転送装置。
- 前記宛先アドレス書き換え手段は、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う請求項1ないし8のいずれかに記載のパケット転送装置。
- 少なくとも1つの入力インタフェース及び出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを前記出力インタフェースから送信するパケット転送装置において、
前記入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄する宛先アドレス書き換え手段
を有するパケット転送装置。 - 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、
前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたTOS値を読み出す工程と、
この読み出されたTOS値に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程と
を有するパケット処理方法。 - 前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスとTOS値の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項11記載のパケット処理方法。
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、
前記パケットに宛先アドレスとともに含まれたポート番号を読み出す工程と、
この読み出されたポート番号に応じて宛先アドレスを書き換える宛先アドレス書き換え工程と
を有するパケット処理方法。 - 前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスとポート番号の組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項13記載のパケット処理方法。
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、
前記パケットに宛先アドレスとともに含まれた識別子を読み出す工程と、
この読み出された識別子に応じて宛先アドレスにおける予め定められた位置のビットのみを書き換える宛先アドレス書き換え工程と
を有するパケット処理方法。 - 前記宛先アドレス書き換え工程では、識別子に対しビットの位置と該位置の書き換え後の値の組を対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項15記載のパケット処理方法。
- 少なくとも1つの入力インタフェースと複数の出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを、該パケットの宛先アドレスにより出力インタフェースを選択して送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、
前記入力インタフェースで受信した同一特性を有する複数のパケットのそれぞれに該パケットの受信の順番を示すフロー番号を付与する工程と、
前記各フロー番号を付与された各パケットの宛先アドレスを当該パケットに付与されたフロー番号に応じて書き換える宛先アドレス書き換え工程と
を有するパケット処理方法。 - 前記宛先アドレス書き換え工程では、書き換え前の宛先アドレスと同一特性を有する複数のパケットを特定の比率で分配するときの比率を定める条件との組に対して書き換え後の宛先アドレスを対応づけてなる転送制御データベースを参照する請求項17記載のパケット処理方法。
- 前記宛先アドレス書き換え工程では、前記入力インタフェースで受信されたパケットを複製し該複製により得られた複数のパケットに対して宛先アドレスの書き換えを行う請求項11ないし18のいずれかに記載のパケット処理方法。
- 少なくとも1つの入力インタフェース及び出力インタフェースを有し、前記入力インタフェースで受信したパケットのデータを含んだパケットを前記出力インタフェースから送信するパケット転送装置が行うパケット処理方法であって、
前記入力インタフェースで受信したパケットの宛先アドレスが予め設定された複数の書き換え前の宛先アドレスのいずれかである場合に当該受信したパケットの宛先アドレスを予め設定された書き換え後の宛先アドレスに書き換え、当該複数の書き換え前の宛先アドレスの中の他のいずれかを含む次回以降のパケットを破棄するパケット処理方法。
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