JPWO2002087175A1 - リストレーション・プロテクション方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、リストレーション・プロテクション用に、LSRの経路上に逆方向にLSP(コントロールLSP)を設定し、このコントロールLSP上でリンク故障やノード故障などの通知を行い、さらにトラヒックの切り替えポイントとなるPSLでの処理単位を行き先毎に束ねたLSP(Bypass Tunnel)を単位として処理し、Bypass Tunnel毎にラベルを付与するように構成されている。

Description

技術分野
本発明は、MPLS(Multiprotocol Label Switching)ネットワーク内で、リンク故障又はノード故障等が発生し、トラヒックが中断又は品質低下した場合のリストレーション・プロテクション方法及びこの方法をIP(Internet Protocol)ネットワーク上で実現するラベルスイッチングルータに関する。
背景技術
OSIレイヤ3のIPネットワークを高速にフォワーディングする技術として、MPLSがIETF(Internet Engineering Task Force)で開発されている。
ここで、MPLSの概要について説明する。
図1に、MPLSのネットワーク構成を示す。MPLSネットワーク1は、ラベルエッジルータ(Label Edge Router、以下、LERという)20〜23やラベルスイッチングルータ(Label Switching Router、以下、LSRという)10〜13で構成される。これをMPLSドメインと呼ぶ。
ここで、LER20〜23は、既存のIPインターネットワーク2〜5との境界に位置し、パケットにラベルを付加又は削除することによって、高性能、高付加価値のネットワークレイヤサービスを実現するルータである。
また、LSR10〜13は、ラベルが付加されたパケットやセルをラベル交換するルータであり、このLSR10〜13は、ラベル交換ばかりでなく、レイヤ3ルーティングやレイヤ2スイッチングをサポートするように構成することもできる。
また、標準のネットワークレイヤのルーティングプロトコルと連携し、ラベルスイッチングによるインターネットワーク上のデバイス間でラベル情報を交換しあう際に用いられるプロトコルの一つとして、ラベルディストリビューションプロトコル(Label Distribution Protocol(LDP))がある。
図2は、図1のMPLSネットワーク1において、LER20、LSR10、LSR11、LSR12、LER21には、第1のLSP(Label Switched Path;以下、LSPという。)(LSP−1)が、LER22、LSR10、LSR11、LSR12、LER22には、第2のLSP(LSP−2)が張られている。
LSP−1において、LER20は、MPLSドメイン内に到着したIPネットワーク2からのIPパケットフレームに、ラベルを付加して、LSR10に転送する。このラベルが付加されIPパケットフレームは、LSR11、LSR12を介して、LER21に転送される。LER21で、ラベルが削除され、通常のIPパケットとして、IPネットワーク5へ転送される。
また、同様に、LSP−2において、LER22は、MPLSドメイン内に到着したIPネットワーク3からのIPパケットフレームに、ラベルを付加して、LSR10に転送する。このラベルが付加されIPパケットフレームは、LSR11、LSR12を介して、LER22に転送される。LER22で、ラベルが削除され、IPネットワーク5へ転送される。なお、LSR10、LSR11、LSR12では、パケットフレームを転送する際に、ラベルのスワッピングを行う。
ラベルスの付与、スワッピング、削除について、図3を用いて説明する。IPネットワーク2、3からのIPパケットフレーム31に、LER20、22は、例えば、ラベルAを付加して(図3のフレーム32参照)、LSR10に転送する。LSR10は、フレーム32を受信して、ラベルAをラベルBにスワッピングして(図3のフレーム33参照)、LSR11に転送する。同様に、LSR11、LSR12は、それぞれ、ラベルをC、Dにスワッピングする。LER21、22では、ラベルを削除して(図3のフレーム36参照)、通常のIPパケットフレームとしてIPネットワーク4、5に転送する。
次に、MPLSで用いるラベルについて説明する。まず、MPLSを実現するには、▲1▼既存ラベルを用いる方法(図4のLAN、PPP参照)及び▲2▼新規ラベルを定義する方法(4図のSHIMヘッダ参照)の二つがある。
▲1▼既存ラベルを用いる方法は、
(ア)ATM(Asynchronous Transfer Mode)でのVPI(Virtual Path Identifier)とVCI(Virtual Channel Identifier)をラベルとする。
(イ)Frame RelayでのDLCI(Data−Link Connection Identifier)をラベルとする。
(ウ)SONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)でのタイムスロットをラベルとする。
(エ)DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)などのオプティカルデバイスでの波長をラベルとする。
(オ)物理的なインタフェースの入れ替えを行なうデバイスの物理インタフェース識別子をラベルとする。
方法である。
▲2▼新規ラベルを定義する方法は、SHIMヘッダと呼ばれる新たに定義されたラベルを用いる。SHIMヘッダは、レイヤ3とレイヤ2との間に挿入される。SHIMヘッダは、図5に示すように、4オクテッド構成で、20ビットのラベルの他、8ビットのTTL(Time To Live)、1ビットのラベルスタック用のポインタS等が含まれる。ラベルスタックは、ラベルの階層化のために用いられる。また、TTLは、ラベルを存在させる期間(経由するルータ数で示す。)である。
また、IPネットワーク上でこのMPLSを使用することで以下のことが可能となる。
(1)レイヤ3であるIPレイヤから、SHIMヘッダ、ATMのVPI/VCI、フレームリレーのDLCI、SONET/SDHのタイムスロット、オプティカルの波長、物理的なインタフェースなどレイヤ2及びレイヤ1をラベルとして扱い、その付与、削除、交換などの制御をする。
(2)MPLSが実施できるネットワークの入り口ノード(Ingress Node、図2におけるLER20、22)でサブネットマスクを考慮に入れたIPの宛先検索(IPフォワーディングの処理)の結果取り出されたトラヒックのIPパケットにラベルを付与し、中継ノードでそのラベルを使用してフォワーディングすることにより、従来のIPネットワークのようにフォワーディング系路上のすべてのノードがIPフォワーディング処理を行なうことがないので、各ノードでそのIPパケットのフォワーディングにかかる時間を短縮することができる。
(3)通常、IPネットワークでは宛先IPアドレスまでのルータ数又は宛先ネットワークまでの物理的な帯域に対応したコストとしてメトリックという指標を用いて、それが小さくなるようなルートを選択する。しかしその指標であるメトリックが物理的なトポロジーに基づいて、実際のトラヒック負荷を加味していないので、メトリックの小さい特定のリンクに集中することがある。MPLSネットワークではラベルを使用して強制的にルート指定する(Constraint Based Routing)ことが可能であり、トラヒックを予測に基づき負荷分散し、ネットワークを効率的に利用することができる。
(4)重複する可能性のあるVPN(Virtual Private Network)などでプライベートに使用されるIPアドレスをMPLSネットワーク内の入り口ノードと出口ノード(Egress Node)のみで意識し、中継ノードではそのIPアドレスを意識することなく、ラベルを使用してフォワーディングするため、VPNを提供できるコアネットワークとしてスケーラビリティが高くなる。
(5)MPLSネットワーク内の各ノードでQoS(Ouality of Service)又はCoS(Class of Service)を満たす使用帯域や伝送遅延などのリソースをラベル作成時に割り当てることによって、物理リンク上にラベルのついた論理的なリンク(パス)ができ、IPだけでできるネットワーク以上の品質を保証することができる。
(6)MPLSネットワークではリンク故障やノード故障などの故障に対するトラヒックのリカバリーメカニズムとして使用し、プロテクションパスとなるMPLSのリカバリーパスを用意することによって、IPネットワークの場合のリルーティングより早くに復旧を行なうことができる。
(7)MPLSネットワークではラベルをスタックさせることにより、異なるラベル手法のMPLSドメインで新たにラベルを追加することで、トラヒックの階層化が可能になる。
上記したリカバリーとは、リンク故障又はノード故障やネットワークの品質劣化などが発生したトラヒックを、ネットワークとして自動的にトラヒックを復旧させることであり、本明細書では、以下のように分類する。
▲1▼ルーティングの再計算行なって、復旧させるメカニズムをリルーティングという。
▲2▼代替パスを故障発生後にセットアップし復旧させるメカニズムをリストレーションという。
▲3▼ワーキングパスをセットアップするときに、ほぼ同時に、代替パス(プロテクションパス)をセットアップし復旧させるメカニズムをプロテクションという。
トラヒックが復旧するまでの時間で比較すると、リルーティング、リストレーション、プロテクションの順に小さくなる。以下では、IPのみで構築されたネットワークの場合、トポロジードリブンのMPLSネットワークの場合、強制的なルート指定(Constraint Based Routing)が使用されるMPLSネットワークの場合の3通りについて従来のリカバリーメカニズムを説明する。
しかし、その前に既存のIPネットワーク、MPLSネットワークで使用される次のプロトコルについて、以下順次説明する。
・OSPF
・LDP
・CR−LDP(Constraint based Routing LDP)
・RSVP−TE(Extension to Resource reservation Protocol for LSP Tunnel)
・ループ予防(LooP Prevention)
(1−1)OSPF
既存のルーティングプロトコルとしては以下を想定し、一般的にこれらは内部ルーティングプロトコルと外部ルーティングプロトコルとして分類される。
OSPFの内部ゲートウェイプロトコル(IGP:Interior Gateway Protocol)は、ある独立した管理体(自律システム、AS:Autonomous System)内で動作するもので、OSPF、Integrated IS−IS(Intermediate Systems−to−Intermediate Systems for Internet Protcol)等がある。
また、外部ゲートウェイプロトコル(EGP:Exterior Gateway Protocol)は、ある独立した管理体(自律システム)間で動作するもので、BGP−4(Border Gateway Protocol Version 4)等である。
OSPFはIGPルーティングプロトコルとして使用される。また、OSPFでは、AS内のトポロジーを記述したデータベースをそのASで共有し、そのデータベースからルーティング情報をショーテストパスツリー(Shortest Path Tree)を使用してダイクストラ(Dijkstra)のアルゴリズムの計算が行なわれる。このショーテストパスツリーを作成するときの指標がメトリックである。このメトリックが宛先IPアドレスまでのルータ数として扱うBGP−4をディスタンスベクター(Distance Vector)型、宛先ネットワークまでの物理的な帯域に対応したコストとして扱うOSPFやIS−ISをリンクステート(Link State)型という。
OSPFの動作を図6に示す。図1及び図2において、LER−20を新規に、MPLSネットワーク1に追加する場合を例示している。図6は、セッション確立のネゴシエーション、データベース情報の同期化及びルーティング情報のフラディングのステップを有する。
新規に追加されたルータLER−20が既にあるルータLSR−10、LSR−11、LSR−12、LER−21で構成されるネットワークに接続されると、OSPFは、まず、Helloメッセージを用いて、お互いのOSPFのバージョンや能力などの動作パラメータをチェックし、ルーティング情報を交換し合って、隣接関係を確立する(セッション確立のネゴシエーション)。
この隣接関係を確立して初めてLER−20とLSR−10同士で情報のやり取りが行なわれるようになる。この情報はルーティング情報の元になるものであり、お互いが持つトポロジーデータベース、つまりLER−20は、その配下に接続されるネットワークのトポロジー情報を、また、LSR−10は、既に持っているLER−20以外のネットワークのトポロジー情報を、DD(Database Description) Exchange メッセージを使用して交換する(データベース情報の同期化)。
LSR−10は、新規にLER−20からLink State Advertisement(リンク状態通知)として通知されたトポロジー情報をLER−20が加入する前に隣接関係が確立しているルータに順次伝播する(ルーティング情報のフラディング)。この図6では、LSR−10から、LSR−11、LSR−12、LER−21と通知される。Link State Advertisementは、Link State Request/Acknowledgment/Update メッセージを使用して行なわれる。
トポロジー情報がLER−21まで通知され、それぞれのルータがルーティング情報を更新することで、LER−20とLER−21間で通信することができるようになる。
このルーティング情報の主な要素は、宛先ネットワークアドレス、サブネットマスク、次ホップアドレス、次ホップアドレスが接続するインタフェース、メトリックがある。宛先ネットワークアドレスは、IPv4の場合4バイト、IPv6の場合16バイトのサイズで、ネットワークを表すIPアドレスでサブネットマスクとのAND計算した結果が有効な値となる。サブネットマスクは、ネットワークアドレスに対応してIPv4の場合4バイトで、IPv6の場合16バイトのサイズで有効な上位ビット位置まで1が立つ。次ホップアドレスは、ネットワークアドレスとサブネットマスクで指定されたネットワーク行きのトラヒックを隣接するどのルータに送信すればよいかを指定する。次ホップアドレスが接続するインタフェースは、その隣接ルータが接続するインタフェースである。メトリックは、同じネットワークアドレスとサブネットマスクが存在する場合にこのメトリックの最小のものを選択する。ルーティング情報は、OSFP以外のルーティングプロトコルでも作成され、複数のルーティングプロトコルが動作している場合には共通のデータベースとしてもよい。
(1−2)LDP
MPLSネットワークにおけるラベルは、ルーティング情報のネットワークトポロジーに対応して付与してもよい。そのとき、ラベルバインディング(ラベル結合)を配布するときに使用されるプロトコルとしてLDPが使用される。
LDPの動作を図7に示す。図7において、LDPは、その機能が使用されるに先立って、隣接のLSRとの間で、ラベル要求・配布の処理が行なえるような通信状態(セッション)が確立される。新規に追加されたルータLER−20が既にあるルータLSR−10、LSR−11、LSR−12、LER−21で構成されるネットワークに接続されると、LDPは、まず、TCP(Trnsmission Control Protcol)で通信ができる状態になり、その上でHelloメッセージを用いて、お互いのLDPのバージョン情報や能力などの動作パラメータをチェック(ネゴシエーション)し、ラベル情報を交換し合って、隣接関係を確立する。
次に、ラベル情報を新規に作成する場合は、ネットワーク内のトポロジーの変化により、ルータ内に設けられているフォワーディング情報ベース(FIB:Forwarding Infomation Base)の情報が更新された(追加された)ときに、LDPはそのエントリに合わせて、ラベルの要求をするために下流のLSR−10にLabel Requestメッセージを送信する。このメッセージにはTLV(Type−Length−Value)で示される情報要素が含まれる。なお、前記FIBは、ルーティング情報を簡易化したものである。
後述する本発明では、FEC TLV(Forwarding Equivalence Class Type−Length−Value)が使用される。FEC TLVは、要求するラベルよって運ばれるトラヒックの情報を示し、例えばネットワークアドレスとサブネットマスクで示される。
なお、オプションとして、後述するループ予防(LooP Prevention)のためのPath Vector TLVを使用する。ループ予防のためでなく、このPath Vector TLVメッセージによって作成されるパス上のLSRのリストを利用する。
このLabel Requestメッセージの処理の仕方には2つのモードがある。つまり、2つのルータ間のみで独立してラベル配布が行なわれるIndependent Label Distribution制御と、要求をラベルによって処理できる境界のルータ(LER)まで流し、そこからラベル配布が順番に行なわれるOrdered Label Distribution制御である。
図7では、LER−20とLSR−10間で、Independent Label Distribution制御でラベル配布が行なわれている。
このLabel Requestメッセージによって要求されたトラヒックに対し、ラベルを付与する処理は、Label Mappingメッセージを使用して行う。Label Requestメッセージで要求したLSRに対する応答として、Label Mappingメッセージを転送して、順次、ラベルを配布する。
本発明において、TLVは要求に対して割り振られたラベル値を示す。
オプションとして、Path Vector TLVや要求を示すLabel Request Message ID TLVが使用できる。要求を送信したLSRに、このLabel Mappingメッセージでラベルが配布されることによって、ラベルを使用したフォワーディングが可能となる。
(1−3)CR−LDP
Constraint based routingを実現するためのシグナリングプロトコルとして、LDPを拡張したCR−LDPを使用する。CR−LDPの動作を図8に示す。
CR−LDPは、ラベル配布処理をOrdered Label Distribution制御で行い、LDPのメッセージに含まれるTLVを増やし、拡張したものである。
以下に本発明で使用されるLabel Requestメッセージで追加されたTLVは以下のものがある。
LSP−ID TLV(Label Switched Path IDentifier Type−Length−Value)は必須であり、LSPを識別するために使用する。
ER TLV(Explicit Route Type−Length−Value)はオプションであり、LSPで設足されるLSRのリストが含まれる。
Traffic TLVは、オプションであり、LSPで流されるトラヒックの特性を記述する。Label Mappingメッセージで追加されたTLVは、LSP−ID TLVとTraffic TLVがあり、オプションである。
(1−4)RSVP−TE
Constraint based routingをLSP Tunnelとして実現するためのシグナリングプロトコルとして、RSVPを拡張したRSVP−TEを使用する。
RSVP−TEの動作を図9に示す。RSVPではLDPのTLVに対応するものとしてオブジェクトとして表現される。
(1−5)ループ予防
LSPの設定時及び設定後の通信において、そのLSPがループしていないかをチェックするためのループ予防の機能がRSVP−TE及びLDPにある。この機能は、RSVP−TEではRECORD_ROUTEオブジェクトで、LDPではPath Vector TLVで実装される。
図10に示すように、ラベル要求であるRSVP−TEのPATHメッセージ又はLDPのLabel Requestメッセージにて、このオブジェクト又はTLVを入れる。このメッセージを処理するLSRは、まず、このオブジェクト又はTLVの中にあるLSR−ID(LSRのIPアドレス)リストを参照し、この中に自分のIPアドレスがあるかないかをチェックする。もし、ないならば、自身のIPアドレスをそのLSR−IDリストに追加し、それをこのオブジェクト又はTLVに入れて、次のLSRへと送信する。もし、自身のIPアドレスがあるならば、既にそのLSRで処理していることになるので、トラヒックがループして、ネットワーク内を巡っていることになる。その場合は、ラベル要求の処理を継続せずにエラーメッセージとともに送信元に返送する。
LSPの出口ノードであるEgress Nodeまで到達すると、LSPの入り口ノードであるIngress Nodeから順番にLSR−IDリストが完成する。次にラベル配布であるRSVP−TEのRESVメッセージ又はLDPのLabel Mappingメッセージは、このオブジェクト又はTLVのラベル要求の場合と同様に、ループがなければ、LSR−IDを追加して上流のLSRに渡される。LSPのIngress Nodeまで到達すると、LSPのEgress Nodeから順番にLSR−IDリストが完成する。
中継ノードでは、LSP全体のLSR−IDリストは一度では持てないが、このIngress NodeからとEgress Nodeからの2つのLSR−IDリストをマージすることで、持つことができる。
次に、ネットワークにノード故障、リンク故障が発生したとき、
・IPのみで構築されたネットワークの場合、
・トポロジードリブンのMPLSネットワークの場合
・強制的なルート指定が使用されるMPLSネットワークの場合
について、順次説明する。
(2−1)IPのみで構築されたネットワークの場合
ここでは、先に説明したOSPFをルーティングプロトコルとして用いた場合を説明する。IPネットワークでは、新規に追加されたルータAがネットワークに接続されたときに、既存のルーティングプロトコルで通信を開始するために、動作パラメータのチェックや隣接関係の確立を行なう。
そして各ルータが持つトポロジーデータベースを交換し、そのデータベースからルーティング情報が作成される。さらに、このルーティング情報から実際のIPフォワーディングに使用されるFIBがキャッシュデータとして構築される。このFIBの主な情報要素は、ネットワークアドレス、そのサブネットマスク、出力インタフェースである。このルーティングプロトコルによるルーティング情報の交換は、そのネットワークに接続しているルータから注入されて、それと隣接関係を組むルータからルータに順次伝播されて、そのIPネットワーク全体に通知される。この情報の伝わり方をフラッディングと呼ぶ。このIPネットワーク全体に通知され、各ルータでFIBにそのルーティング情報が反映されることで、このIPネットワークのどこからでも新規に接続されたネットワークAへトラヒックを送信することが可能になる。
ネットワークのトポロジーのすべての情報をすべてのルータで共有するとメモリを大量に必要とするので、特定のルータ群をエリアに分け、そのエリア内のトポロジー情報は共有するが、エリア外の情報は途中のルータにてサマライズして、簡潔なトポロジー情報とすることができる。また、プライベートIPアドレスで記述されるネットワークは、一般的に、そのエリア以外にはトポロジー情報をフラッディングしない。
次に、IPでのフォワーディングについて説明する。ルータはIPパケットを受信すると、そのIPパケット内に記述された宛先IPアドレスをキーとしてルーティングプロトコルによって設置されたFIBを検索し、そこに記述される出力インタフェースにパケットを送出する。その検索方法はIPアドレスとサブネットマスクとのAND計算を取り、その結果とネットワークアドレスが一致するかどうかを見て、さらに、サブネットマスクが最長となるものを選択する(これをロンゲストマッチの検索という)。例えば、IPv4の場合でネットワークアドレスが133.161.44.0、サブネットマスクが255.255.255.0、出力インタフェース1のFIBの1エントリを、宛先IPアドレス(キー)が133.161.44.65で検索する場合は、キーの133.161.44.65とサブネットマスクの255.255.255.0とのAND計算の結果133.161.44.0が導き出され、この値が、このエントリのネットワークアドレスと一致する場合に、このエントリは、選択される候補の1つとなる。別のFIBのエントリで、ネットワークアドレスが133.161.44.64、サブネットマスクが255.255.255.192、出力インタフェース2が候補にある場合は、サブネットマスクが後者の方が大きいため、後者が選択されIPパケットが出力インタフェース2から送出される。
この動作が各ルータで個々に行なわれて、最終的に目的の宛先IPアドレスを持つ端末まで届けられる。そのため事前にコネクションを張ることなく、通信ができるため、IPネットワークをコネクションレス型という。このIPネットワークでリンク故障が発生した場合を、図11を用いて説明する。
リンク故障は、まず、リンクレイヤ2以下の故障検出メカニズムで検出される。送受信が物理的に同一の回線(ファイバ)の場合は両端のルータで検出されるが、送受信が別の回線(ファイバ)では受信ルータ(図11では、LSR12)のみで検出される。後者の場合は、ATMの場合におけるRDI(Remote Defect Indicator)のように受信ルータから送信ルータに通知を行なう(図11では、LSR12からLSR13へのLS Ackメッセージで通知する)ことで、送信ルータでもリンク故障の認識ができる。これらの検出時間は一般的に数ミリ秒で行なわれる。また、ルーティングプロトコル自身による生存確認メカニズム(HelloメッセージやTCPの応答確認など)の応答タイムアウトでもリンクの故障検出が可能であるが、検出時間はOSPFのデフォルトで90秒であり、一般的に数十秒で行なわれる。
このリンク故障を検出したルータではリンク故障となったリンクのメトリックを使用不可になるように最大値に設定する。これによりそのルータのルーティング情報は更新され、同じネットワークアドレスとサブネットマスクでメトリックの値が小さいエントリがFIBに設定される。
トラヒックは、新規に設定されたFIBのエントリを見て、フォワーディングされるため、別の出力インタフェースにIPパケットを送出することになる。
また、同時にその更新されたメトリックを含む情報を隣接するルータにフラッディングし、ルーティング情報とFIBの更新を行なうことにより、その隣接するルータも今までその故障したリンク上を通るルートを指定していたトラヒックを別のリンク上を通るようにルート指定する。
これをルータからルータに順次伝播され(フラッディングされ)て、そのIPネットワーク全体に通知される。最初に流れたトラヒックが復旧すれば、新たにこのルーティング情報が処理されて、再度通信が行なうことができるようになる。このリルーティングによるリカバリーメカニズムでは、故障発生からリカバリーが完了するまでは、関わるルータのルーティング情報の更新が必要であり、少なく見ても数十秒から数分の時間がかかっている。
ノード故障が発生した場合も、図12に示すように、故障を検出するルータがリンクの受信側(LSR12)のルータから故障したルータに隣接するルータ(LSR10とLSR12)に変わるだけで同様のことが行なわれる。
このように、IPのみのネットワークでは、ルーティングプロトコルによるルーティング情報の更新をベースにしたリルーティングのリカバリーメカニズムを採用することとなり、数十秒から数分の時間を要する。
(2−2)トポロジードリブンのMPLSネットワークの場合
このMPLSネットワークは一般的には、IPネットワークのルーティング情報(ネットワークのトポロジー)の変化を使用して動作する。トポロジードリブンのMPLSネットワークでは、LDPによりラベルの交換が行なわれる。まず、LDPは隣接のLSRとの間でセッション(通信できる状態)を確立する。実際のラベルのネゴシエーションに先立って、IPネットワークで行なわれているルーティング情報の交換が行なわれ、FIBが構築される。
次に、このFIB更新を契機としてFIBに設定されているトポロジーを元にLDPを使用してラベル要求が行なわれる。この要求によりトラヒックの下流からラベルが付与される。このラベルは宛先ネットワークに向かう片方向のトラヒックに対して付与されており、双方向ではない。このラベルを元に各LSRではラベル情報(LIB:Label Infomation Base)を作成する。
MPLSネットワーク内でラベルの要求・配布が終わると、MPLSネットワークとMPLSが実行できないIPだけのネットワークの境界のLER間にラベルに沿ったLSPが構築される。MPLSネットワークでのパケットのフォワーディング方法は、入り口のノードでIPアドレスを参照し、IPパケットにラベルを付与(Label Push)し、LIBを参照してフォワーディングされ、中継ノードではLIBを参照してMPLSフレームのラベルスワップ(Label Swap)と呼ばれるラベルの入れ替えを実施し、フォワーディングされ、出口のノードでMPLSフレームのラベルを抜き去り(Label Pop)、出力インタフェースに送出することで行なわれる。このトポロジードリブンのMPLSネットワークでリンク故障が発生した場合を、図12に示す。
MPLSでは片方向のみのLSPを設定するので、リンク故障が発生してもそれを検出後に通知する術がMPLS自身には現在のところない。そのためIPネットワークの手助けが必要であり、IPネットワークのリカバリーメカニズム(リルーティング)を処理した後に、再度そのトポロジーに合わせてLSPを再設定することにより行なわれる。
ノード故障が発生した場合も故障検出するLSRが違うが、同様のことが、図13に示すように、行なわれる。
したがって、このトポロジードリブンのMPLSネットワークでは、IPネットワークのトポロジーをベースにしているため、IPのみのネットワークの場合と同様にリカバリーメカニズムとしてルーティングプロトコルによるルーティング情報の更新によるリルーティングがまず実行され、その上でLSPの再設定が行なれる。それゆえ、IPネットワークと同様に、トラヒックが復旧するまでに数十秒から数分の時間を要する。
(2−3)強制的なルート指定が使用されるMPLSネットワークの場合
この強制的なルート指定が使用されるMPLSネットワークではLSPに対して以下の条件のときに設定が行なわれる。
・通るリンクが指定される。
・ある帯域や伝送遅延などのパラメータが指定されることにより通るリンクが限定される。
条件が指定されたMPLSネットワークの入り口にあるLERは、この条件と足りない部分をルーティング情報やFIBやルーティングプロトコルを拡張してフラッディングされる情報を用いて、LSPとして設定すべきルートを検索する。その検索の結果、LSP上のすべてのLSRを指定するか、その一部を指定するかのいずれかでルート指定する。
このルート指定の情報をRSVP−TE又はCR−LDPを使用してネゴシエーションされる。このLSPに対して強制的にルート指定するCR−LSPの要求はそのメッセージの中で指定されたLSRの経路に従い順次処理される。宛先ネットワークに接続した又は近いMPLSネットワークのLERでラベルとともに折り返され、宛先ネットワークに向かう片方向のみのLSPが設定される。図15に、強制的なルート指定が使用されるMPLSネットワークでのリンク故障が発生した場合を示す。図15では、LSR10、LSR13、LSR12において、リカバリーパスを事前に設定している。
ここでも、MPLSでは片方向のみのLSPを設定するので、リンク故障が発生してもそれを検出後に通知する術がMPLS自身には現在のところない。
そのため、IPネットワークの手助けが必要であり、元々トラヒックが流れた故障リンクより上流のLSRに通知はされる。しかし、リカバリーパスが保守的に設定されているPSL(パススイッチLSR)にその通知が到達し処理することにより、リストレーションの場合はRSVP−TE又はCR−LDPでの実際のセットアップが必要になるが、トラヒックをリカバリーパス側に切り替えることが可能である。
このリカバリーパスが設定される区間により、トラヒックのIngress NodeとEgress Node間で行なうグローバルリペアーと中継ノード間をできる限り小さくしたローカルリペアーの2つの方式がある。一般的にPSLへの通知で伝送遅延がある分、ローカルリペアーよりもグローバルリペアーの方が復旧にかかる時間が大きい。
また、リカバリーパスを故障発生前に設定しておくことで、予めリカバリーパスの経路上にあるLSRを抽出しておき、その設定を故障発生後に行なうことでリストレーションをリカバリーメカニズムとして使用できる。ローカルリペアー方式でプロテクションとしてリカバリーパスをセットアップすることで、数秒以内に切り替えることが可能である。
ノード故障が発生した場合も故障検出するLSRが違うが、図13に示すように、同様のことが行なわれる。
したがって、この強制的なルート指定が使用されるMPLSネットワークでは、IPネットワークでのリルーティング以外に、保守的にリカバリーパスを設定しておくことで、リストレーションやプロテクションを行なうことができる。トラヒックが復旧するまでに数秒以内の時間を要する。
従来までのMPLSリストレーションは、図15に示すように、各LSP毎に、LSPを設定しなおす必要がある。実線のパスから、点線のパスに変更するとき、LSP−1〜LSP5毎に、新たに、LSP−1’〜LSP5’を設定する必要がある。
図16に、従来までのMPLSリストレーション前後のデータフォーマットを示す。
MPLSリストレーション前では、LSP−1とLSP−2が、LSR10、LSR−11、LSR−12に張られ、MPLSリストレーション後に、LSP−1’とLSP−2’が、LSR10、LSR−13、LSR−12に張られた場合について、そのデータフォーマットの例を示す。
リストレーション前では、LSP−1において、LSR−10でlabel−a1からlabel−a2に変更され、LSR−11でlabel−a2からlabel−a3に変更され、LSR−12でlabel−a3からlabel−a4に変更されていた。それが、リストレーション後では、LSP−1において、LSR−10でlabel−a1からlabel−a2’に変更され、LSR−13でlabel−a2’からlabel−a3’に変更され、LSR−12でlabel−a3からlabel−a4に変更される。
また、LSP−2においても同様な処理が行なわれる。
ところで、従来例のものには、図17、図18に示すように、事前にリカバリーパスを設定していても、実際に、新しいリカバリーパスが設定され、トラフィックが流れるまでに、相当の時間が必要となる等の次のような問題点がある。
(問題点1)リンク故障やノード故障を検出した(LSRを含む)ルータが、トラヒックの切り替えポイントとなるルータへの通知が、ルーティングプロトコルのフラッディング手法を使用しているためルータ毎に処理が必要であり数十秒以上の時間がかかり、トラヒックの復旧が遅れる。
(問題点2)リンク故障やノード故障発生で、トラヒックの切り替えポイントとなる(LSRを含む)ルータが、リルーティングによりFIBを更新し、トラヒックを別の出力インタフェースに送出しても、そのルータが期待しているルータ群すべてにルーティング情報更新のフラッディングが終わっていない可能性があり、途中のルータでトラヒックを期待しない方向にフォワーディングし、紛失する恐れがある。
(問題点3)リンク故障やノード故障発生で、トラヒックの切り替えポイントとなるLSR(PSL)が、切り替えを実施する単位をそのLSR内のLIBに記述されるLSP単位に行なうために、LSP数に比例して処理時間がかかり、トラヒックの復旧が遅れる。
(問題点4)リンク故障やノード故障発生で、トラヒックの切り替えの単位がLSP単位であるため、LSP毎にさらにリカバリーパス用のラベルが必要となり、ラベルのリソースが大量に消費され、使用したいリンクのラベルリソース不足になる恐れがある。
(問題点5)リカバリーパスを設定する手段が保守者によるものであり、運用管理が複雑である。
発明の開示
本発明は、上述した従来技術の問題を解決する、改良されたリストレーション・プロテクション方法及びラベルスイッチングルータを提供することを総括的な目的とする。
本発明のその他の目的は、MPLSネットワーク内で、リンク故障又はノード故障等が発生し、トラヒックが中断又は品質低下が発生した場合に、高速にリストレーション・プロテクションを行うことが可能な、リストレーション・プロテクション方法及びラベルスイッチングルータを提供することを目的とする。
これらの問題点を解決するために、リカバリーパスのLSRの経路上に逆方向にLSPを設定し、このリカバリーパスでリンク故障やノード故障などの通知を行い、さらにトラヒックの切り替えポイントとなるPSLでの処理単位を行き先毎に束ねたLSP(Bypass Tunnel)を単位として処理し、例えば、Bypass Tunnel毎にラベルを付与するようにした。
この目的を達成するために、故障通知を行う先のルータという観点から、本発明におけるIPネットワーク上でMPLSを実現するラベルスイッチングルータは、LSPにおける受信リンクからの信号が検出されなくなった場合、前記LSPにおける2つ以上上流のIPアドレスのラベルスイッチングルータに、故障通知を行うラベルスイッチングルータとする。
これにより、ルーティングプロトコルのフラッディングで通知していたリンク故障やノード故障の通知をLSR指定でダイレクトに通知することができ、数十秒のオーダから数ミリ秒のオーダで高速に通知が可能となる。2つ以上上流としたのは、1つ上流の場合は、そこがまさにノード故障となっている場合、それを回避し、ローカルリペアー方式で最も近いリカバリーパスを設定するためである。また、例えば、LSPのループ予防のために定義されている既存のRSVP−TEのRECORD_ROUTEオブジェクト又はLSPのPath Vector TLVで運ばれるLSRのIPアドレスのリストを使用することで、プロトコルの拡張を必要としない。
また、パスマージLSR(PML)を選択する点から、ワーキングパスからリカバリーパスに切り替えるPSLは、ワーキングパスとリカバリーパスの両方を受信するPMLとして、2つ以上下流のIPアドレスのラベルスイッチングルータを選択することができる。
これにより、ローカルリペアー方式のプロテクション区間を自動で求めることができ、保守設定が要らない。2つ以上下流としたのは、1つ下流の場合はそこがまさにノード故障となっている場合、それを回避し、ローカルリペアー方式で最も近いリカバリーパスを設定するためである。また、例えば、LSPのループ予防のために定義されている既存のRSVP−TEのRECORD ROUTEオブジェクト又はLDPのPath Vector TLVで運ばれるLSRのIPアドレスのリストを使用することで、プロトコルの拡張を必要としない。また、共通のLSRのIPアドレスリストを使用することで、PSLとPMLは、ペアになることができる。
また、コントロールLSPの方向という観点から、PSLからPMLへ向かうワーキングパスとは逆方向のパスであるコントロールLSPを設定するようにする。
これにより、リンク故障やノード故障を検出したPMLが切り替えを実施するPSLに直接通信することができ、従来のルーティングプロトコルのフラッディングによる通知と比較して、数ミリ秒のオーダで高速に通知を行なうことが可能になる。また、このコントロールLSPをプロテクションパスと経路を逆にすることで、プロテクションパスにトラヒックを流す前に、Control LSP上で通信ができることで、パスの正常性確認としても使用できる。また、PMLから同じ情報が複数のPSLに送出されるため、マルチキャストのLSPを用いて実装することで、この通信パス上のラベルリソースを削減できる。特に、PMLから送信するインタフェースでのラベルの使用量を故障したリンク上のトラヒックに関わるPSL分用意しなければならないものを1つで済むようになる。
また、コントロールLSP上に伝送されるメッセージという観点から、コントロールLSPに切り替える際に通知されるメッセージには、メッセージタイプ、送信ラベルスイッチングルータのIPアドレス、切り替えるワーキングパス上にトラフィックを流しているLSPのグループの情報を含むようにすることができる。
コントロールLSPを用いて、PMLからPSLへダイレクトに通信できるので、コントロールLSP上でのメッセージを定義することにより、PMLとPSL間でより細かい制御ができるようになる。拡張を行なうプロトコルは、新規にMPLSフレームの上に実装できる。また、既存のRSVP−TEやCR−LDPを拡張する方法と、既存のデータリンクレイヤでのOAM機能を拡張する方法がある。
また、トラヒックの切り替えポイントとなるPSLでの処理単位を行き先毎に束ねたLSPを単位として処理という観点から、特定のPSLから特定のPMLへ向かうワーキングパス上にトラフィックを流している複数のLSPがある場合は、前記複数のLSPのグループを単位として、ワーキングパスからリカバリーパスに切り替えるようにすることができる。
従来のものは、PSLとPML間を通る複数のLSPをリカバリーする場合に、1つ1つのLSPを処理したので、RSVP−TEやCR−LDPなどのプロトコルを使用して設定するために多くの時間を要する。これに対して、本発明では、これらのLSPを束ねて1つのパスグループとして処理することで、この重複した処理部分を省くことができ、時間の短縮化が図れる。
また、Qos又はCosが設定されているワーキングパスの場合には、更に、Qos又はCos毎にグループ化して、そのグループの単位でワーキングパスからリカバリーパスに切り替えるようにする。
上記の通り、パスグループとして処理することで重複した処理を省くことができるが、そのLSPに要求される最大帯域や最大遅延などのQoS又はCoSにより、計算処理が異なる場合がある。そのような場合は、パスグループとして1つで処理するよりも、QoSやCoSの属性毎に処理を行なうことが望まれる。 そこで、Qos又はCos毎にグループ化して、そのグループの単位でワーキングパスからリカバリーパスに切り替えるようにする。その結果、QoSやCoSの属性毎にパスグループを作成することで重複した処理部分を省くことができ、時間の短縮化が図れる。
また、コントロールLSPを設定するという観点から、PSLからPMLへ、リカバリーパスに切り替える一群のパスグループのLSP数とそのLSPの識別番号を通知し、PMLからの信号を受けて、リカバリーパスを一括して設定するようにする。
従来のものは、RSVP−TEやCR−LDPでは1つのLSPしか処理しないため、例え、1つのBypass Tunnelを設定したとしても、別の手段を使用して、束ねたLSPと元々のLSPでマッピングを行なう必要がある。これに対して、本発明では、RSVP−TE又はCR−LDPで、スタッキングさせるLSP−IDの数、スタッキングさせるLSP−IDを、PSLからPMLへ通知させる。これにより、PML上で束ねたLSPと元々のLSPでマッピングを行なえ、リカバリー処理としてPMLの設定を一括で行なうことができるようになる。
また、パスグループ毎にフォワーディングを行なうという観点から、PSLからPMLへの前記一群のパスグループ毎に生成されたリカバリーパスでラベルスタックを用いて、その区間だけのラベルを付与してフォワーディングを行なうようにすることができる。
これにより、複数のLSPをパスグループとして扱い、その単位でラベルを付与することで、Bypass Tunnelの経路上のLSRでラベルの消費量を押さえることができ、その減少させたラベル数分、別のLSP用に使用することができる。
また、ラベル処理部にパスを記憶する内容という観点から、PSLでトラヒックをリカバリーパスへ切り替える又はワーキングパスに切り戻すことが可能となるようにワーキングパス及びリカバリーパスに関する情報をラベル処理部に記憶するようにすることができる。
これにより、PSLでワーキングパスとリカバリーパスのスイッチをサポートするために、LIBのデータ構造も2面化し、ワーキングパスでトラヒックを流す時にはプライマリーのデータを参照し、リカバリーパスでトラヒックを流すときにはセカンダリーのデータを参照するようにする。具体的には参照するデータのポインタを切り替えることで、プライマリーとセカンダリーの切り替えを行なう。
また、ラベル処理部におけるエントリの格納という観点から、PMLで受信するリカバリーパス上のフレームでリカバリーパス用のラベルを抜き去り、元々のLSPへマッビングすることができるように、ワーキングパスとリカバリーパスのそれぞれについてラベル処理部のエントリを格納するようにすることができる。
これにより、PMLでワーキングパスとリカバリーパスのどちらか、から来るトラヒックを下流のLSRに送出するために、リカバリーパス側のLIBを2段構成とする。1段目にて、受信したLIBはこのリカバリーパス専用のもので、ここでラベルの抜き取りと次のラベルを元々のLSPで受信時に使用していたラベルに付け替え、その受信していたポートから受信したとして2段目のLIBに処理を渡す。2段目のLIBはワーキングパスとリカバリーパスの両方で参照され、ワーキングパスと同様の処理が行なわれる。
発明を実施するための最良の形態
IPネットワーク上のMPLS機能を持つルータLSRとして、図1に示すように、LSR−10〜LSR−13があり、IPネットワークとの境界にあるLERとして、LER−20〜LER−23があるLER−20はIPネットワーク2と、LER−21はIPネットワーク5と、LER−22はIPネットワーク3と、LER−23はIPネットワーク4と接続しているものとする。
次に、IPネットワーク2からIPネットワーク5へ向かうLSPをLSP−1とし、IPネットワーク3からIPネットワーク4へ向かうLSPをLSP−2とし、LSR−10とLSR−11とLSR−12が、二つのLSPにおいて共通のLSRであるとする。
また、LSP−1で見ると、図2に示すように、LER−20は、Ingress Node、LER−21は、Egress Nodeであり、LSP−2で見ると、LER−22は、Ingress Node、LER−23は、Egress Nodeである。
ここで、LSR−11とLSR−12の間のリンク故障又はLSR11のノード故障を想定して、リカバリーモデルを考える。LSP−1とLSP−2は、LSR−10、LSR−11及びLSR−12を共有している。このパスは、現在トラヒックが流れているので、この区間に関してワーキングパスと呼ぶ。そしてリカバリーメカニズムが動作し、パスを切り替えるLSRをパススイッチPSL(PSL)、切り替えた後のパスが元のパスと交わるLSRをパスマージLSR(PML)と呼ぶ。このPSLであるLSR−10とPMLであるLSR−12の端点は同じであるが、LSR−13を通るルート上にできる区間に関してリカバリーパス(プロテクションの場合は特にプロテクションパス)という。この様子を図19に示す。
以下では、RSVP−TE、CR−LDP及びLDPで使用されるメッセージ及びオブジェクト(TLV)を抽象化して以下のように使用する。
ラベル要求メッセージ:RSVP−TEのPATHメッセージ、CR−LDP/LDPのLabel Requestメッセージ
ラベル配布メッセージ:RSVP−TEのRESVメッセージ、CR−LDP/LDPのLabel Mappingメッセージ
ループ予防データ:RSVP−TEのRECORD_ROUTEオブジェクト、CR−LDP/LDPのPath Vectr TLV
以下、本発明を次の事項に基づいて、順次、説明する。
・リンク故障又はノード故障を検出するルータ(LSR−12)の処理
・リカバリーパスへの切り替えを行なうルータ(PSL)の処理
・リカバリーパスの中継ノードの処理
・PMLの処理
・上記を可能とするLSR内の構成
(3−1)リンク故障又はノード故障を検出するルータの処理
リンク故障又はノード故障を検出するルータの処理について、図19及び図20を用いて説明する。ここでは、LSR−12が、リンク故障又はノード故障を検出するルータとして説明する。
▲1▼RSVP−TE又はCR−LDP又はLDPを用いて、LSP−1とLSP−2が、Ingress NodeであるLER−20からEgress NodeであるLER−21へ設定される。LSR−12は、LSR−11と接続するリンクからそのラベル要求メッセージを受信し、LSR−12内のQoSやCoSに関するリソースの予約を行なう。予約確保ができたならば、LSR−12はLER−21に接続するリンクにそのラベル要求メッセージを送信する。
▲2▼その後、LER−21に接続するリンクからラベル配布メッセージを受信し、そのメッセージにエラーがないならば、先ほどのリソースの設定と自身が受信するラベルの割付を実施する。処理が成功したならば、LSR−12はLSR−11に接続するリンクにLSR−12で処理可能なラベルを入れたラベル配布メッセージを送信する。
▲3▼Ingress Nodeからループ予防機能の要求により、LSR−11と接続するリンクから受信したラベル要求メッセージにはループ予防データとしてIngress Nodeから始まるLSR−IDリスト(例えば、図20(B)に、LSP−1とLSP−2のLSRの、LSR−12におけるIDリストを示す。)を含んでおり、それをLSR−12が得る。
▲4▼LSP毎にそのリンクから故障検出した場合の通知先のLSRとして、LSR−IDリスト上で2つ前のLSRのIPアドレスを選択する。図20の場合はLSP−1とLSP−2における通知先としてLSR−10が選択される。
▲5▼さらに、故障検出から通知までの処理を高速化し、データ量を削減するために、この選択されたLSR群に含まれる重複を省略し、故障検出するリンクに対応したデータとして事前に格納し関連づけておく。
▲6▼重複をなくしたLSRに対して、LSP−1/2とは逆方向となるContol LSPの経路を計算する。このコントロールLSPはワーキングパスであるLSP−1とLSP−2上のLSRを通過せずに、通知先のLSRに到達する必要があるため、経路を求めるときにルーティング情報内のLSP−1と、LSP−2で通過するリンクのメトリックを最大値にして、選択されないようにする。その結果、LSR−12からLSR−13を通過しLSR−10に到達する経路が選択される。
▲7▼この求められた経路に沿って、図19に示すように、コントロールLSPをRSVP−TE又はCR−LDPを用いて設定する。
▲8▼LSR−12が、LSP−1又はLSP−1において、リンクにおける故障を検出した場合は、設定されたコントロールLSP上に故障メッセージをLSR−12に通知する。故障メッセージは、メッセージタイプ、送信ラベルスイッチングルータのIPアドレス、切り替えるワーキングパス上にトラフィックを流しているLSPのグループを含む。
(3−2)リカバリーパスへの切り替えを行なうルータ(PSL)の処理
コントロールLSP上で故障メッセージを受信するPSL(LSR−10)は、以下の処理を行う。
▲1▼RSVP−TE又はCR−LDP又はLDPを用いて、LSP−1のIngress NodeであるLER−20からEgressNodeであるLER−21へ設定される。LSR−10は、LER−20と接続するリンクからそのラベル要求メッセージを受信し、LSR−10内のQoSやCoSに関するリソースの予約を行なう。予約が確保できたならば、LSR−10はLSR−11に接続するリンクにそのラベル要求メッセージを送信する。
▲2▼その後に、LSR−11に接続するリンクからラベル配布メッセージを受信し、そのメッセージにエラーがないならば、先ほどのリソースの設定と自身が受信するラベルの割付を実施する。処理が成功したならば、LSR−10はLER−20に接続するリンクにLSR−10で処理可能なラベルを入れたラベル配布メッセージを送信する。
▲3▼Egress Nodeからループ予防機能の要求により、LSR−11に接続するリンクから受信したラベル配布メッセージにはループ予防データとしてEgress Nodeから始まるLSR−IDリスト(例えば、図21(B))を含んでおり、それをLSR−10が得る。
▲4▼LSP毎にリカバリーパスのLSPが元のLSPにトラヒックが戻されるLSR(PML)を見つける。より高速にリカバリーを実施するためにローカルリペアー方式を使用し、さらにノード故障の場合の考慮して、自分よりも2つ後のLSRをPMLとして選択する。LSP−2についても、同様の処理が行なわれる。
図21の場合では、LSP−1でLSR−12を、LSP−2でLSR−12を選択する。
▲5▼次に、PMLが同一となるLSPを検出する。図21のLSP−1とLSP−2は、同一のLSR−12となるため、PG(プロテクショングループ)として処理単位にまとめる。
▲6▼また、LSP−1とLSP−2において、QoS又はCoSのパラメータが指定されているとき、この2つのLSPのQoS又はCoSのパラメータを包括できるものの場合はLSP−1とLSP−2は、同一のPGとする。包括されたパラメータがPG単位で作成されるBypass Tunnelで使用される包括できない場合は、LSP−1とLSP−2は別々のPGとして処理し、別々のBypass Tunnelを作成する。
▲7▼そして、リカバリーを行なう区間と処理するLSPの単位が決定してから、実際にLSPの設定をRSVP−TE又はCR−LDPを使用してLSR−10からLSR−13、LSR−12の順に行なう。
▲8▼このとき処理を一括で行なうために、図22(B)に示すように、RSVP−TEのオブジェクト又はCR−LDPのTLVを拡張して、PGとして設定されるLSP上を流れるトラヒックの情報をPMLに通知する。拡張されるオブジェクト又はTLVでは、PGに含まれるLSP数とそのLSPを識別するためのLSP−IDを格納し、RSVP−TEのPATHメッセージ又はCR−LDPのLabel Requestメッセージを送信する。
▲9▼図22(C)に示すように、ラベルを含むRSVP−TEのRESVメッセージ又はCR−LDPのLabel Mappingメッセージを受信すると、LIBのデータが設定される。その後、ラベルによるフォワーディングが開始される。
Figure 2002087175
のエントリは、ActionがLabel Swap(ラベル交換)(図23(B))からLabel Push(ラベル付与)(図23(C))に、OUT−PORT/LABELは、新しく付与されたものに変更されている。
Figure 2002087175
unnel用のラベルの2つがスタッキングされ、Bypass Tunnelの間は後者のラベルのみが使用される。
このときの様子を、図29に示す。PSL(LSR−10)では、正常時に、LSP−1について、IPパケット28−10(Label−a1)をIPパケット28−1(Label−a2)に変更し、LSP−2について、IPパケット28−11(Label−b1)をIPパケット28−2(Label−b2)に変更していた。
リストレーション後には、PSL(LSR−10)は、LSP−1上のIPパケット28−10(Label−a1)をIPパケット28−5(Label−a2’−Label−A1)に変更し、LSP−2上のIPパケット28−11(Label−b1)をIPパケット28−6(Label−b2’−Label−A1)に変更する。
Figure 2002087175
のIngress NodeにおけるLIBのエントリをワーキングパス側にトラヒックが流れるように更新する。具体的には、Bypass Tunnel用にラベルを付与(プッシュ)している処理(例えば、図24(B))Kを、ワーキングパスで使用されていたラベルに付け替える(例えば、図24(C))ことで、トラヒックが切り戻される。リカバリーパスをLSR自動で設定していた場合は、このときRSVP−TE又はCR−LDPを使用して削除される。
(3−3)リカバリーパスの中継ノード(図19におけるLSR−13)の処理
▲1▼RSVP−TE又はCR−LDPを用いて、LSP−AがIngress NodeであるLSR−10からEgress NodeであるLSR−12へ設定される。LSR−13はLSR−10に接続するリンクからそのラベル要求メッセージを受信し、LSR−13内のQoSやCoSに関するリソースの予約を行なう。予約確保ができたならば、LSR−13はLSR−12に接続するリンクにそのラベル要求メッセージを送信する。
▲2▼その後LSR−12に接続するリンクからラベル配布メッセージを受信し、そのメッセージにエラーがないならば、先ほどのリソースの設定と自身が受信するラベルの割付を行う。処理が成功したならば、LSR−13はLSR−10に接続するリンクにLSR−13で処理可能なラベルを入れたラベル配布メッセージを送信する。
▲3▼このときBypass Tunnel用のLSPのみを処理し、そのLSPにスタッキングされフォワーディングされるLSP−1とLSP−2の処理は行なわず、LSP−1とLSP−2のマッピング情報もそのまま加工せずに転送される。
▲4▼LSR−13のLIBを図25(B)に示す。
▲5▼LSR−10とLSR−13間のBypass Tunnelで使用されるラベル要求/配布はIPルーティング情報を使用して経路指定されないように、Constraint Based Routingを使用するためRSVP−TE又はCR−LDPを使用して行なわれる。
▲6▼また、Bypass Tunnel用のラベルが取得できた後のラベルフォワーディング処理で、このBypass Tunnel区間におけるデータフォーマットは、図29に示すように、個々のLSPを示すラベル(a2、a3、b2、b3)とBypass Tunnel用のラベル(A1、A2)の2つがスタッキングされ、Bypass Tunnelの間は後者のラベルのみが使用される。
つまり、PSL(LSR−13)は、LSP−1及びLSP−2のPGにおいて、IPパケット28−5(Label−a2’−Label−A1)及びIPパケット28−6(Label−b2’−Label−A1)を、IPパケット28−7(Label−a2’−Label−A2)及びIPパケット28−8(Label−b2’−Label−A2)に変更する。
(3−4)PMLの処理
▲1▼RSVP−TE又はCR−LDP又はLDPを用いて、LSP−1とLSP−2がIngress NodeであるLER−20からEgress NodeであるLER−21へ設定される。LSR−12はLSR−11と接続するリンクからそのラベル要求メッセージを受信し、LSR−12内のQoSやCoSに関するリソースの予約を行なう。予約確保ができたならば、LSR−12はLER−21に接続するリンクにそのラベル要求メッセージを送信する。
▲2▼その後、LER−21に接続するリンクからラベル配布メッセージを受信し、そのメッセージにエラーがないならば、先ほどのリソースの設定と自身が受信するラベルの割付を実施する。処理が成功したならば、LSR−12はLSR−11に接続するリンクにLSR−12で処理可能なラベルを入れたラベル配布メッセージを送信する。
▲3▼RSVP−TE又はCR−LDPを用いて、Bypass TunnelであるLSP−AがIngress NodeであるLSR−10からEgress NodeであるLSR−12へ設定される。LSR−12は、このBypass TunnelのEgress Nodeであり、LSR−13に接続するリンクから受信するラベル要求メッセージをリソースの設定とラベルの割付が行なわれる。処理が成功したならば、LSR−12はLSR−13に接続するリンクにLSR−12で割り付けたラベルを入れたラベル配布メッセージを送信する。
▲4▼また、このとき、RSVP−TEのオブジェクト又はCR−LDPのTLVとして転送されてきたPGであるLSP−1とLSP−2のマッピング情報に従い、LSR−12内で既にある元々のLSP−1とLSP−2とマッピングを行なう。
▲5▼図29に示すように、Egress Nodeにおけるデータフォーマットは、Bypass Tunnel用ラベルが取り除かれ、さらに、LSP−1とLSP−2のラベルの値で記述されるエントリで、元々のLSP−1とLSP−2に振り分けられる。
つまり、PML(LSR−12)は、LSP−1及びLSP−2のPGにおいて、IPパケット28−7(Label−a2’−Label−A2)をLSP−1上のIPパケット28−20(Label−a4)に変更し、IPパケット28−8(Label−b2’−Label−A2)をLSP−2上のIPパケット28−21(Label−b4)に変更する。
▲6▼LSR−12内のLIBを図26(B)に示す。なお、図26(A)は、リストレーション前のLSR−12内のLIBである。
(3−5)LSR内の構成例
図27に、LSR内の構成例を示す。
▲1▼データ受信部30及びデータ送信部34は、回線からパケットの受信及び送信の処理を行なう。
▲2▼IPパケットClassifier31は、IPパケットを参照して分類を行い、ラベル転送を行なうパケットの抽出を行なう。
▲3▼ラベル処理部32は、パケットに付与されたラベルを使用して転送処理が行なわれる。転送処理ではLIBといわれるデータベースが参照される。
▲4▼IPパケット処理33は、宛先IPアドレスを使用して転送処理が行なわれる転送処理ではFIBと言われるデータベースが参照される。
▲5▼TCP/IPアプリケーション35は、Socketインタフェースを用いて、daemonとして実装される。ラベルセットアッププロトコル35−2としてRSVP−TEやLDP(CR−LDP機能を含む)のdaemonが実装される。また、ルーティングプロトコル35−1として、OSPFやBGP−4のdaemonが実装される。
▲6▼ルート計算部36は、ルーティングプロトコルによってフラッディングされるリンクステート情報のデータベース36−1と、それを使って計算されるルーティング情報データベース36−2をもつ。ルーティング情報からFIBが作成される。
▲7▼パス選択部38は、LSP単位で持つLSP情報データベース38−1と新規に追加されたリカバリーパス情報データベース38−2をもつ。LSP情報からLIBが作成される。
▲8▼トラヒックエンジニアリング部37は、負荷分散やQoS/CoSなどの機能の実現を行なう。
本発明のリストレーション及びプロテクションなどのリカバリーメカニズムを用いて、リンク故障及びノード故障などの場合に、検出通知からリカバリー実施終了までをSONET/SDHレベルに高速にかつ予備帯域の占有率を最適化(最小化)し、ネットワークとして効率的にそれを実行することができる。
また、本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求した本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形例や実施例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照しながら、以下の説明を読むことにより、一層明瞭となるであろう。
図1は、MPLSネットワークモデルである。
図2は、MPLSネットワーク内のLSP設定モデルである。
図3は、ラベルスの付与、スワッピング、削除について説明する図である。
図4は、MPLSで用いるラベルについて説明する図である。
図5は、SHIMヘッダについて説明する図である。
図6は、OSPF動作シーケンスについて説明する図である。
図7は、LDP動作シーケンスについて説明する図である。
図8は、CR−LDP動作シーケンスについて説明する図である。
図9は、RSVP−TE動作シーケンスについて説明する図である。
図10は、MPLSでのループ予防について説明する図である。
図11は、IPネットワークでのリルーティング(リンク故障)について説明する図である。
図12は、IPネットワークでのリルーティング(ノード故障)について説明する図である。
図13は、MPLSネットワークでのリルーティング(リンク故障)について説明する図である。
図14は、MPLSネットワークでのリルーティング(ノード故障)について説明する図である。
図15は、従来までのMPLSリストレーションについて説明する図である。 図16は、従来までのMPLSリストレーション前のデータフォーマットについて説明する図である。
図17は、CR−MPLSネットワークでのリルーティング(リンク故障)について説明する図である。
図18は、CR−MPLSネットワークでのリルーティング(ノード故障)について説明する図である。
図19は、ネットワーク内のリカバリーモデルについて説明する図である。
図20は、故障通知先LSRの算出方法について説明する図である。
図21は、PMLの算出方法と処理単位について説明する図である。
図22は、PSLとPML間でRSVP−TE又はCR−LDPを使用して設定する例について説明する図である。
図23は、PSLでの転送処理について説明する図である。
図24は、故障復旧時のPSLでの変更処理について説明する図である。
図25は、中継ノードでの転送処理について説明する図である。
図26は、PMLでの転送処理について説明する図である。
図27は、LSR内の機能ブロックについて説明する図である。
図28は、本発明によるMPLSリストレーションについて説明する図である。
図29は、本発明によるMPLSリストレーション後のフォーマットについて説明する図である。

Claims (21)

  1. IPネットワーク上でMPLSを実現するラベルスイッチングルータにおいて、
    該ラベルスイッチングルータは、LSPにおける受信リンクからの信号が検出されなくなった場合、前記LSPにおける2つ以上上流のIPアドレスのラベルスイッチングルータに、故障通知を行うことを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  2. IPネットワーク上でMPLSを実現するラベルスイッチングルータにおいて、
    ワーキングパスからリカバリーパスに切り替えるPSLは、ワーキングパスとリカバリーパスの両方を受信するPMLとして、2つ以上下流のIPアドレスのラベルスイッチングルータを選択することを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  3. 請求項1又は2記載のラベルスイッチングルータにおいて、
    PSLからPMLへ向かうワーキングパスとは逆方向のパスであるコントロールLSPを設定することを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  4. 請求項3記載のラベルスイッチングルータにおいて、
    コントロールLSP上に伝送されるメッセージであって、コントロールLSPに切り替える際に通知されるメッセージには、メッセージタイプ、送信ラベルスイッチングルータのIPアドレス、切り替えるワーキングパス上にトラフィックを流しているLSPのグループの情報を含むことを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  5. 請求項2ないし4いずれか一項記載のラベルスイッチングルータにおいて、
    特定のPSLから特定のPMLへ向かうワーキングパス上にトラフィックを流している複数のLSPがある場合は、
    前記複数のLSPのグループを単位として、ワーキングパスからリカバリーパスに切り替えることを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  6. 請求項5記載のラベルスイッチングルータにおいて
    Qos又はCosが設定されているワーキングパスの場合は、
    前記LSPのグループを、更に、Qos又はCos毎にグループ化して、そのグループの単位でワーキングパスからリカバリーパスに切り替えることを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  7. 請求項5又は6記載のラベルスイッチングルータにおいて、
    PSLからPMLへ、リカバリーパスに切り替える一群のパスグループのLSP数とそのLSPの識別番号を通知し、
    PMLからの信号を受けて、リカバリーパスを一括して設定することを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  8. 請求項7記載のラベルスイッチングルータにおいて
    PSLからPMLへの前記一群のパスグループ毎に生成されたリカバリーパスでラベルスタックを用いて、その区間だけのラベルを付与してフォワーディングを行なうことを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  9. 請求項5ないし8いずれか一項記載のラベルスイッチングルータにおいて、
    PSLでトラヒックをリカバリーパスへ切り替える又はワーキングパスに切り戻すことが可能となるようにワーキングパス及びリカバリーにパス関する情報をラベル処理部に記憶することを特徴とするラベルスイッチングルータ。
  10. 請求項5ないし9いずれか一項記載のラベルスイッチングルータにおいて、
    PMLで受信するリカバリーパス上のフレームでリカバリーパス用のラベルを抜き去り、元々のLSPへマッビングすることができるように、ワーキングパスとリカバリーパスのそれぞれについてラベル処理部のエントリを格納するラベルスイッチングルータ。
  11. 複数のラベルスイッチングを行うラベルスイッチングルータを有するラベルスイッチネットワークにおけるリストレーション・プロテクション方法において、
    前記ラベルスイッチングルータは、ラベルスイッチネットワーク上のパスであるLSPにおける受信リンクからの信号が検出されなくなった場合、前記LSPにおける2つ以上上流のIPアドレスのラベルスイッチングルータに、故障通知を行うことを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  12. IPネットワーク上でMPLSを実現するリストレーション・プロテクション方法において、
    ワーキングパスからリカバリーパスに切り替えるPSLは、ワーキングパスとリカバリーパスの両方を受信するPMLとして、2つ以上下流のIPアドレスのラベルスイッチングルータを選択することを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  13. 請求項11又は12記載のリストレーション・プロテクション方法において、
    PSLからPMLへ向かうワーキングパスとは逆方向のパスであるコントロールLSPを設定することを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  14. 請求項13記載のリストレーション・プロテクション方法において、
    コントロールLSP上に伝送されるメッセージであって、コントロールLSPに切り替える際に通知されるメッセージには、メッセージタイプ、送信ラベルスイッチングルータのIPアドレス、切り替えるワーキングパス上にトラフィックを流しているLSPのグループの情報を含むことを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  15. 請求項12ないし14いずれか一項記載のリストレーション・プロテクション方法において、
    特定のPSLから特定のPMLへ向かうワーキングパス上にトラフィックを流している複数のLSPがある場合は、
    前記複数のLSPのグループを単位として、ワーキングパスからリカバリーパスに切り替えることを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  16. 請求項15記載のリストレーション・プロテクション方法において
    Qos又はCosが設定されているワーキングパスの場合は、
    前記LSPのグループを、更に、Qos又はCos毎にグループ化して、そのグループの単位でワーキングパスからリカバリーパスに切り替えることを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  17. 請求項15又は16記載のリストレーション・プロテクション方法において、
    PSLからPMLへ、リカバリーパスに切り替える一群のパスグループのLSP数とそのLSPの識別番号を通知し、
    PMLからの信号を受けて、リカバリーパスを一括して設定することを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  18. 請求項17記載のリストレーション・プロテクション方法において
    PSLからPMLへの前記一群のパスグループ毎に生成したリカバリーパスでラベルスタックを用いて、その区間だけのラベルを付与してフォワーディングを行なうことを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  19. 請求項15ないし18いずれか一項記載のリストレーション・プロテクション方法において、
    PSLでトラヒックをリカバリーパスへ切り替える又はワーキングパスに切り戻すことが可能となるようにワーキングパス及びリカバリーパスに関する情報をラベル処理部に記憶することを特徴とするリストレーション・プロテクション方法。
  20. 請求項15ないし19いずれか一項記載のリストレーション・プロテクション方法において、
    PMLで受信するリカバリーパス上のフレームでリカバリーパス用のラベルを抜き去り、元々のLSPへマッビングすることができるように、ワーキングパスとリカバリーパスのそれぞれのラベル処理部のエントリを格納するリストレーション・プロテクション方法。
  21. 宛て先のネットワークに対応するラベルを通知して、受信したラベルを基に、該ラベルが入ったルーティングテーブルに更新することで、ラベルパスを設定して、そのパスにIPパケットヘッダの下位ヘッダに該当するラベルだけを参照してパケットを転送するルータにおいて、
    前記ラベルパスを介して、パケットが受信されなくなった場合、前記ラベルパスの2つ以上、上流のルータに障害通知を行うことを特徴とするルータ。
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