JP4109692B2 - ラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法及びラベルスイッチノード - Google Patents
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Description
本発明は、ラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法及びラベルスイッチノードに関し、特に、MPLS(Multi Protocol Label Switching)やこれを拡張したプロトコルを採用するネットワークやノードに用いて好適な技術に関する。
従来、限定された地域内での高品質な映像の実時間性を満たした通信並びに大容量データの高速転送を可能にする技術として、例えば、特開2000−232454号公報(以下、特許文献1という)により提案されているもの(地域限定型高速通信システム及びサービス実現方法)がある。この特許文献1の技術は、ギガビットLAN(Local Area Network)等の周知の高速LAN技術を用いた地域限定型高速通信システムであり、通信フレームに限定された地域を特定する地域ID情報及びユーザの業種を特定する業界ID情報並びにユーザを特定するユーザID情報を含む通信フレームを用いてデータ転送を行なうことにより、高品質な映像を使用するユーザを対象とした限定された地域内のユーザ間で高速なデータ通信を行なうものである。
これに対し、近年、従来のルータでは実現が困難であったパケット転送経路の明示的な指定を可能とし、経路の偏りを防いでリンクの使用効率を高めたり、インターネット上でIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)を実現したりするために、MPLSが利用されるようになってきており、その研究・開発・改良(拡張)等も盛んに行なわれている。
ここで、MPLSは、IPパケットのルーティングをIPヘッダの代わりに「ラベル」と呼ばれる短い固定長の経路識別情報を利用して行なう技術であり、MPLSをサポートするルータ〔一般に、LSR(Label Switching Router)と呼ばれる〕同士が所定のラベル配付プロトコル(LDP:Label Distribution Protocol)により、必要な「ラベル」を交換することが行なわれる。
また、近年では、当該MPLSの拡張版として、「ラベル」にTDM(Time Division Multiplexing)のタイムスロットやフォトニックネットワークの光波長(λ)を用いるG(Generalized)MPLS〔MP(λ)Sとも呼ばれる〕を実装する装置(パケット中継装置,TDM中継装置,光波長中継装置等)や、これを用いて構成したネットワークやアプリケーション〔MPLS L2(Layer 2)VPN,MPLS L3(Layer 3)VPN,MPLS−TE(Traffic Engineering),GMPLS等〕も開発されている。以下、MPLS技術の概要について説明する。
〔1〕ラベル配付プロトコル(LDP:Label Distribution Protocol)の識別
RFC(Request For Comments)3036(LDP Specification)(非特許文献1)の2.2.2項に記述されているように、LDP識別子は、全体がLSR(Label Switching Router)識別子(LSR ID)(4オクテット)及びラベル空間識別子(Label space ID)(2オクテット)の計6オクテットで構成され、隣接LSR間のLDPセッションを識別するとともに、そのLSRが送信するラベル空間を識別するものである。ここで、「LSR識別子」は、LSRを識別するグローバルな値で、通常は、ルータIDを使用することが推奨されている。また、「ラベル空間識別子」は、LSR内で使用されるラベル空間を識別する値である。
そして、「ラベル空間(Label space)」としては、「per interface」と「platform−wide」とが規定されており、後者の「platform−wide」を使用する場合はラベル空間識別子=0とすることが規定されている。
したがって、同一隣接LSR間で同一ラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することはできない(LSR識別子を変更すれば可能ではあるが、この場合は論理的にLSRを分けなければならないことになる)。
〔2〕基本ディスカバリメカニズムと拡張ディスカバリメカニズム
次に、基本ディスカバリメカニズムと拡張ディスカバリメカニズムの用途と概要について説明する。
まず、前者の「基本ディスカバリメカニズム」は、直接(物理的に)接続された隣接LSRを自動検出し、ハロー(Hello)隣接を確立するために用いられるものであり、後者の「拡張ディスカバリメカニズム」は、直接接続されていない隣接LSRを検出し、ハロー隣接を確立するために用いられるものである。
そして、「基本ディスカバリメカニズム」では、宛先IPアドレスをマルチキャストアドレス(224.0.0.2)としたハローメッセージ(Hello Message)をUDP(User Datagram Protocol)パケットにて送信することにより、Hello隣接を自動検出する(隣接LSRからのHello Messageの受信により検出する)。したがって、「基本ディスカバリメカニズム」では、ハロー隣接確立のためのプロビジョニング(事前設定)が不要である。なお、ハローメッセージの送信元IPアドレスには、自インタフェースのIPアドレスを用いるが、具体的に何を使うかは、実装事項である(例えば、当該インタフェースアドレスやループバックアドレス、LDPセッション専用アドレス等を用いることができる)。
これに対し、「拡張ディスカバリメカニズム」では、宛先IPアドレスを特定のユニキャストIPアドレスとしたハローメッセージをUDPパケットにて送信することにより、直接接続されていない隣接LSRを検出して、ハロー隣接を確立する。したがって、「拡張ディスカバリメカニズム」では、ハロー隣接確立のためのプロビジョニングが必要となる。なお、この場合も、送信元IPアドレスには、自装置のIPアドレス(具体的に何を使うかは、実装事項)を用いる。
〔3〕LDPセッション確立シーケンス
次に、LDPセッションの確立手順について、図16を参照しながら説明する。この図16に示すように、LDPでは、隣接LSR#1−LSR#2間において、まず、ハローメッセージを送受信して(ステップA1)、Hello隣接を確立した後(ステップA2)、TCP(Transmission Control Protocol)メッセージの送受信を行なう(ステップA3,A4,A5)ことで、トランスポートコネクション(TCP)を確立し(ステップA6)、さらに、イニシャライゼーションメッセージ(Initialization Message)を送受信して互いに所定のセッションパラメータを許容した後、定期的にキープアライブメッセージ(Keep Alive Message)を送受信する(ステップA7〜A12)ことによって、LDPセッションを確立する(ステップA13)。
LDPセッションが確立した後は、LSR#1−LSR#2間において、さらにMPLSパケット(ラベル付きパケット)のフォワーディングデシジョンに使用するLDPピアのアドレスをアドレスメッセージ(Address Message)によって交換し、当該アドレスメッセージに基づいてラベルマッピングメッセージ(Label Mapping Message)を送受してラベル配付(ラベルマッピング)を行なう(ステップA14〜A16)ことにより、各LSR#1,LSR#2において、配付されたラベルを付加されたMPLSパケットのフォワーディングが可能となる。
なお、現状では、後述するラベル広告モードのアンマッチは、上記イニシャライゼーションの交換まで分からない(検出できない)。
〔4〕「Martini」方式のMPLS L2 VPN
次に、MPLS L2 VPN(Virtual Private Network)の1つである「Martini」方式〔MPLSを使用しL2(Layer 2)で仮想専用線(PW:pseudo wire)を提供する方式〕では、新しく「Forwarding Equivalence Class(FEC)」タイプとして「PW FEC element」とそれに対応するPW〔旧名称はVC(Virtual Channel)〕TLV(Type/Length/Value)を追加定義しているが、その他は基本的にLDPを使用する。具体的には、「downstream unsolicited」モードと拡張ディスカバリメカニズムを使用する。なお、「Martini」方式の最新版は、後記の非特許文献2及び3等としてIETF(Internet Engineering Task Force)のpwe3 WG(Pseudo Wire Emulation Edge to Edge Working Group)のWGドラフトとなっており、標準化予定である。
以下、「Martini」方式の概要をLDPセッションの確立及びLSP(Label Switched Path)の確立という観点から図17に示すネットワーク構成例を用いて説明する。なお、この図17において、PE#1,PE#2,PE#3はそれぞれ他ネットワークと接続するプロバイダエッジ(Provider Edge)と呼ばれるLSR、コア(Core)LSRはそれ以外のLSRを表し、PE#1はコアLSRと、PE#2はコアLSR及びPE#3と、PE#3はコアLSRとPE#2とそれぞれ物理的に接続(実線表示)されている。
[LDPセッションの確立]
(1)制御メッセージの通信経路の確立
下記の項目(2)以降で示されるLDPセッションの確立及びLSPの確立のためには、OSPF(Open Shortest Path First),LDP等の制御メッセージが全てのLSR〔PE,コアLSR〕で送受信できる必要がある。
ここで、「Martini」ドラフトでは、その制御メッセージのカプセリングを特に規定していない。したがって、制御メッセージには、▲1▼TCP/IPそのまま〔カプセル化なし:OSPF(Open Shortest Path Fast)−IP,LDP−TCP〕の場合、▲2▼ラベル(前もって設定されたLSP中を通る)でカプセル化されている場合、▲3▼その他〔L2TP(Layer2 tunneling protocol),GRE(Generic Routing Encapsulation)等〕の場合が考えられる。
上記▲2▼の場合には、何らかの方法〔スタティック,LDP,CR(Constraint Routed)−LDP,RSVP−TE(Resource Reser Vation Protocol for traffic engineering)等〕でLSPを確立する必要がある。
(2)通常のLDPセッションの確立
図18に実線矢印100,200,300,400で示すように、全ての隣接LSR(PE,コアLSR)間で通常のLDPセッションが前記の「基本ディスカバリメカニズム」を使用して確立される。
(3)PE間のLDPセッションの確立
図18に点線矢印500,600,700で示すように、全てのPE(PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3)間にフルメッシュで、「拡張ディスカバリメカニズム」を使用してLDPセッションを確立する。この時、それぞれのPE#1,PE#2,PE#3には、接続先(リモート側)のLSRのIPアドレスが全てプロビジョニングされている必要がある。
ただし、この図18中に示す通り、PE#2−PE#3間は直接接続されており、LDPセッション400が上記「(1)制御メッセージの通信経路の確立」により既に確立しており、LDPセッション700は新たに設定する必要がない。また、RFC3036の規定では、厳密には設定できない。しかし、PE#2,PE#3それぞれが互いに隣接していることを知っていなければ、このセッションを設定しようとする。これに対しては、以下▲1▼〜▲3▼の実装が考えられる。
▲1▼プロビジョニングにより、隣接していることを明示し、当該セッション700の設定を行なわない。
▲2▼PE#2−PE#3間の通常のLDPセッション400が既に設定されていることをチェックし、当該セッション700の設定を行なわない。
▲3▼何もチェックせずに、当該セッション700の設定をしようとするが、通常のLDPセッション400と同一セッションということで、結果として設定できない。
ところが、図19において、例えばPE#2−PE#3間のリンクが何らかの理由で使用不可となった場合は、当該PE#2−PE#3間で「拡張ディスカバリメカニズム」を使用してLDPセッションを設定する必要がある。したがって、選択枝は、上記の▲2▼又は▲3▼となる。
上述の通り、「Martini」方式は、制御メッセージのカプセリングを規定していないので、もし、例えば図20に示すように、通常のLSP500A,500B,600A,600B,700A,700Bが既に設定されている場合は、当該セッション500,600,700は、そのLSP500A,500B,600A,600B,700A,700B中で設定される(LSPを通してLDPセッションが確立される)可能性がある(ネットワーク及び装置の実装/運用ポリシに依存する)。
なお、LSPは片方向の属性をもつので、この図20において、LSP500A及び500Bの組がPE#1−PE#2間の通常のLDPセッション500、LSP600A及び600Bの組がPE#1−PE#3間の通常のLDPセッション600、LSP700A及び700Bの組がPE#2−PE#3間の通常のLDPセッション700をそれぞれ示している。
[LSPの設定例]
(1)通常のLSPの確立
IP経路に基づき、通常のLSPが図21に太実線矢印500A,500B,600A,600B,700A,700Bで示すように確立される。ここで、PE#2及びPE#3からPE#1に向かうLSP500B,600Bは、コアLSRでマージされる。
(2)PW用のLSPの確立
PW用のLSPは、上述のPE間に設定されたLDPセッション500,600,700上で、上述のPW用FECを付加した「Label Mapping」メッセージでラベルを配付することにより確立される。ここで、PWは、同一PE間の互いに逆向きのPW用LSPのペア(図21に示すPW LSP500a及び500b又はPW用LSP600a及び600b又はPW用LSP700a及び700b)からなり、PW用FEC中のPW IDによって対応付けられる。このPW IDは、双方のPEで予めプロビジョニングしておく必要がある。なお、図21において、PE#2−PE#3間のPW用LSP700a,700bは、図示の通りトンネルLSP700A,700B中を通してもよいし、トンネルLSP700A,700Bとは独立して設定してもよい。もっとも、トンネルLSP700A,700B中を通すことにしても、PHPを使用すればトンネルラベルは付加されない。
また、「Martini」方式では、PW用のLSPのトンネリングに関しても規定していない。そこで、管理/運用上(例えば、制御メッセージとユーザデータを分離し管理を容易にする)又はサービス上〔例えば、ユーザデータに関するQoS(Quality of Service)/CoS(Class of Service)の提供〕の理由からトンネルLSPに関して様々なバリエーションが考えられる。以下にそのバリエーションを示す。なお、ここでは、詳しく述べないが、トンネルはLSP以外を用いて設定しても良い。
▲1▼通常のLSP中での確立
PE間のLDPセッションを使用して、PW用LSPを確立する。ここで、PE#1−PE#2間及びPE#1−PE#3間の直接の経路は、図21の通常のLSP500A,500B,600A,600B(500B及び600BはコアLSRでマージされている)しか存在しないので、必然的に、これらのLSP500A,500B,600A,600BをトンネルLSPとして使用することになる。
一方、PE#2−PE#3間については、直接の経路として、IPの経路と通常のLSP700A,700Bとが存在するので、どちらを使用するかをそのネットワークまたは装置の選択ポリシにより決定する必要がある。以下にその特徴を示す。
・容易にLSPの設定が可能(特別なトンネルLSPの設定の必要がない)。
・制御メッセージとユーザデータが同一トンネル中で混在する可能性がある。
・当該トンネルLSPは、ベストエフォートサービスしか実現できない。
▲2▼PW専用LSP中での確立(その1:スタティック設定したトンネルLSPで設定)
上述した通常のLSPと同等のLSPをスタティックに設定する。この場合、以下の特徴がある。
・トンネルLSPの設定のために全てのPE及びLSRにプロビジョニングが必要)。
・制御メッセージとユーザデータの分離が可能。
・経路をIP経路と独立に設定できる。
・QoS/CoSの適用が可能。
▲3▼PW専用LSP中での確立(その2:CR−LDP/RSVP−TEで設定したトンネルLSPで設定)
上述した通常のLSPと同等のLSPをCR−LDP/RSVP−TEで設定する。この場合、以下の特徴がある。
・トンネルLSPの設定のために全てのPEにプロビジョニングが必要となる。
・制御メッセージとユーザデータの分離が可能。
・経路をIP経路と独立に設定できる。
・QoS/CoSの適用が可能。
▲4▼PW専用LSP中での確立(その3:LDPで設定したトンネルLSPで設定)
通常に設定されたLSPがPE間に複数存在する場合に、その中で、使用されないLSPをPW専用LSPとして使用する。この場合、以下の特徴がある。
・プロビジョニングが不要。
・一般的には使用できない(上記のPE#1−PE#2,PE#1−PE#3のようにIP経路(または物理的経路)が1つしか存在しない場合、同一FECに対しては複数のLSPを設定できないため:逆にいえば、FECを分ければ可能)。
・制御メッセージとユーザデータの分離が可能。
・経路をIP経路と独立に選択できない。
・ベストエフォートサービスしか実現できない。
以上から、既存のMPLSやその拡張方式には、次のような特徴がある。
(1)制御メッセージの経路/カプセリングに様々なバリエーションが存在する(場合によっては何らかのプロビジョニングが必要)。
(2)PWが通るトンネル(LSP)にも様々なバリエーションがある(場合によっては何らかのプロビジョニングが必要)。
(3)リモート側のLDPセッション用のアドレスをプロビジョニングする必要がある(リモート側と直接接続していないため)。
(4)リモート側のアドレスとして、誤って「Martini」を実装しないLDPエンティティをプロビジョニングしてしまえば、ラベルマッピングメッセージを送受信するまでリモート側のLDPエンティティが「PW FEC element」を処理できるかどうかが分からない(または、処理するようにプロビジョニングされているかどうか分からない)。
(5)PW IDは、関係PE双方でプロビジョニングされ、ラベルマッピングメッセージで通知される。したがって、このプロビジョニングの誤りもラベルマッピングメッセージを送受信するまで分からない(検出できない)。
ところで、主に、キャリアネットワークで普及しているMPLSのシグナリングプロトコル(Signaling protocol)として最も普及しているLDP(Label distribution protocol)のセッションは、同一隣接LSRとの間で複数設定することはできない(同じラベル空間を使用している場合)し、同一隣接LSR間で設定されたLDPセッションを使用するアプリケーション又はその用途を明示的に識別することもできない。
したがって、そのセッションの両端のLDPエンティティが、「Martini」方式の拡張を実装しているかどうか、または、実装していてもそれを使用するようにプロビジョニングされているかどうかが、ラベルマッピングのフェーズまで分からない。また、双方が、「Martini」方式を実装し、使用するように設定されていたとしても、上記の(1)〜(5)に示す、「Martini」方式のMPLS L2 VPNでの各種プロビジョニング情報が誤っていた場合、それをプロトコル上で検出できず、誤動作するか、または、検出できてもLDPセッションの確立時に確実に検出することはできない。
以下に、具体例を図17に示すネットワーク構成を参照しながら説明する。
(1)前提条件
▲1▼PE#1は、IPパケット(制御メッセージ)をそのまま送受信できない装置であり、MPLSでカプセル化したIPパケットしか送受信できない装置である(ブリッジベースの装置に「Martini」方式を実装した場合、ハードウェアの制約及び又は実装コスト面からこのような実装が考えられる)。また、この装置は、上記LSP以外については、LDPによって動的にLSPを設定できる能力をもつものとする。
▲2▼PE#2,PE#3,コアLSRは、IPパケットをそのまま送受信可能であり、MPLSでカプセル化したIPパケットも送受信可能である。
▲3▼ネットワークの運用ポリシとして、制御メッセージは、LSP中で送受信し、さらに、PW用トンネルLSPと前記制御メッセージ用LSPを分離する。
(2)上記の前提条件▲1▼,▲2▼より、PE#1とコアLSRとの間には制御メッセージ用のLSPがスタティックに設定される必要がある。また、PE#2,PE#3,コアLSRには、制御メッセージをLSP中で送受信するという運用ポリシの設定が必要となる。この時、明示的なプロビジョニング、または、IP経路とLSP経路の優先度の設定などが考えられる。
(3)上記の前提条件▲3▼より、制御メッセージ用LSPとは別にPE#1,PE#2,PE#3間にフルメッシュで、PW用のトンネルLSPを設定する必要がある。
(4)PE#1,PE#2,PE#3は、上記(3)項で設定したLSP中には制御メッセージを送信してはいけない。
以上のようなネットワーク条件において、以下の課題がある。
▲1▼PE#2,PE#3,コアLSRに関して、制御メッセージをLSP中で送受信するという運用ポリシの設定が誤っていると、PE#2−PE#3間のLDPセッションは確立されるが、PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3間の全て、又はいずれかのLDPセッションが確立されない。
▲2▼PE#1,PE#2,PE#3に関して、PW用トンネルLSPと制御メッセージ用LSPを分離するというポリシの設定が誤っていると、PW用トンネルLSPが設定できなかったり、PW用トンネルLSPが設定できても、その両端で認識がずれて、一方は制御メッセージ用のLSPを使用してPW用LSPを設定し、他方はPW用トンネルLSPを使用してPW用LSPを設定してしまい、結果として、正常にPW中のフレームが処理されなかったりする場合がある。
▲3▼PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3間のLDPセッション設定時にリモート側のアドレスのプロビジョニングが誤っていると、当該LDPセッションが設定されない。または、実装によっては、LDPセッション自体は設定されるが、当該セッションを使用してPW LSPが設定されない。
▲4▼PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3間それぞれのPW IDのプロビジョニングに誤りがあれば、PWが正しく設定されない。そして、それは、LDPではラベルマッピングのフェーズまで分からない。
一方、MPLSのアプリケーションはLDPを拡張し、または、そのまま使用し、続々と標準化され、また、独自に開発されている。ここで、そのアプリケーションによっては、同一LDPセッションを利用することができないものがある。例えば、LDPのラベル広告モードが「Downstream Unsolicited」モードと「Downstream on Demand」では互換性がないので、アプリケーションがそれぞれ別のモードを使用する場合は同一LDPセッションを使用することができないし、プロトコルとしては、同一LDPセッションを利用することができても、管理,運用,保守の側面から、アプリケーション及び/又はその用途毎にLDPセッションを分離することが望まれることがある。
例えば、トラヒックエンジニアリングと「Martini」方式とをそれぞれ実装しようとしても、トラヒックエンジニアリングは通常「Downstream on Demand」を使用し、「Martini」方式は、「Downstream Unsolicited」モードを使用するので、実装できない。また、例えば「Martini」方式の実装において、管理,運用,保守の側面から制御メッセージ用のLSPトンネルとPW用のLSPトンネルを、LDPを使用して独立に設定しようとしてもできない。
特開2000−232454号 L.Andersson et al.,"LDP specification"(Request for Comments),[online],January 2003,Network Working Group Internet Draft of IETF[平成15年6月16日検索]、インターネット<http://www.ietf.org/rfc/rfc3036.txt>. Luca Martini et al.,"Transport of Layer 2 Frames Over MPLS"(draft−ietf−pwe3−control−protocol−01.txt),November 2002,Network Working Group Internet Draft of Internet Engineering Task Force(IETF). Luca Martini et al.,"Encapsulation Methods for Transport of Ethernet Frames Over IP/MPLS Networks"(draft−ietf−pwe3−ethernet−encap−02.txt),[online],February 2003,Network Working Group Internet Draft of IETF[平成15年6月16日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ietf−pwe3−ethernet−encap−02.txt>.
これに対し、近年、従来のルータでは実現が困難であったパケット転送経路の明示的な指定を可能とし、経路の偏りを防いでリンクの使用効率を高めたり、インターネット上でIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)を実現したりするために、MPLSが利用されるようになってきており、その研究・開発・改良(拡張)等も盛んに行なわれている。
ここで、MPLSは、IPパケットのルーティングをIPヘッダの代わりに「ラベル」と呼ばれる短い固定長の経路識別情報を利用して行なう技術であり、MPLSをサポートするルータ〔一般に、LSR(Label Switching Router)と呼ばれる〕同士が所定のラベル配付プロトコル(LDP:Label Distribution Protocol)により、必要な「ラベル」を交換することが行なわれる。
また、近年では、当該MPLSの拡張版として、「ラベル」にTDM(Time Division Multiplexing)のタイムスロットやフォトニックネットワークの光波長(λ)を用いるG(Generalized)MPLS〔MP(λ)Sとも呼ばれる〕を実装する装置(パケット中継装置,TDM中継装置,光波長中継装置等)や、これを用いて構成したネットワークやアプリケーション〔MPLS L2(Layer 2)VPN,MPLS L3(Layer 3)VPN,MPLS−TE(Traffic Engineering),GMPLS等〕も開発されている。以下、MPLS技術の概要について説明する。
〔1〕ラベル配付プロトコル(LDP:Label Distribution Protocol)の識別
RFC(Request For Comments)3036(LDP Specification)(非特許文献1)の2.2.2項に記述されているように、LDP識別子は、全体がLSR(Label Switching Router)識別子(LSR ID)(4オクテット)及びラベル空間識別子(Label space ID)(2オクテット)の計6オクテットで構成され、隣接LSR間のLDPセッションを識別するとともに、そのLSRが送信するラベル空間を識別するものである。ここで、「LSR識別子」は、LSRを識別するグローバルな値で、通常は、ルータIDを使用することが推奨されている。また、「ラベル空間識別子」は、LSR内で使用されるラベル空間を識別する値である。
そして、「ラベル空間(Label space)」としては、「per interface」と「platform−wide」とが規定されており、後者の「platform−wide」を使用する場合はラベル空間識別子=0とすることが規定されている。
したがって、同一隣接LSR間で同一ラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することはできない(LSR識別子を変更すれば可能ではあるが、この場合は論理的にLSRを分けなければならないことになる)。
〔2〕基本ディスカバリメカニズムと拡張ディスカバリメカニズム
次に、基本ディスカバリメカニズムと拡張ディスカバリメカニズムの用途と概要について説明する。
まず、前者の「基本ディスカバリメカニズム」は、直接(物理的に)接続された隣接LSRを自動検出し、ハロー(Hello)隣接を確立するために用いられるものであり、後者の「拡張ディスカバリメカニズム」は、直接接続されていない隣接LSRを検出し、ハロー隣接を確立するために用いられるものである。
そして、「基本ディスカバリメカニズム」では、宛先IPアドレスをマルチキャストアドレス(224.0.0.2)としたハローメッセージ(Hello Message)をUDP(User Datagram Protocol)パケットにて送信することにより、Hello隣接を自動検出する(隣接LSRからのHello Messageの受信により検出する)。したがって、「基本ディスカバリメカニズム」では、ハロー隣接確立のためのプロビジョニング(事前設定)が不要である。なお、ハローメッセージの送信元IPアドレスには、自インタフェースのIPアドレスを用いるが、具体的に何を使うかは、実装事項である(例えば、当該インタフェースアドレスやループバックアドレス、LDPセッション専用アドレス等を用いることができる)。
これに対し、「拡張ディスカバリメカニズム」では、宛先IPアドレスを特定のユニキャストIPアドレスとしたハローメッセージをUDPパケットにて送信することにより、直接接続されていない隣接LSRを検出して、ハロー隣接を確立する。したがって、「拡張ディスカバリメカニズム」では、ハロー隣接確立のためのプロビジョニングが必要となる。なお、この場合も、送信元IPアドレスには、自装置のIPアドレス(具体的に何を使うかは、実装事項)を用いる。
〔3〕LDPセッション確立シーケンス
次に、LDPセッションの確立手順について、図16を参照しながら説明する。この図16に示すように、LDPでは、隣接LSR#1−LSR#2間において、まず、ハローメッセージを送受信して(ステップA1)、Hello隣接を確立した後(ステップA2)、TCP(Transmission Control Protocol)メッセージの送受信を行なう(ステップA3,A4,A5)ことで、トランスポートコネクション(TCP)を確立し(ステップA6)、さらに、イニシャライゼーションメッセージ(Initialization Message)を送受信して互いに所定のセッションパラメータを許容した後、定期的にキープアライブメッセージ(Keep Alive Message)を送受信する(ステップA7〜A12)ことによって、LDPセッションを確立する(ステップA13)。
LDPセッションが確立した後は、LSR#1−LSR#2間において、さらにMPLSパケット(ラベル付きパケット)のフォワーディングデシジョンに使用するLDPピアのアドレスをアドレスメッセージ(Address Message)によって交換し、当該アドレスメッセージに基づいてラベルマッピングメッセージ(Label Mapping Message)を送受してラベル配付(ラベルマッピング)を行なう(ステップA14〜A16)ことにより、各LSR#1,LSR#2において、配付されたラベルを付加されたMPLSパケットのフォワーディングが可能となる。
なお、現状では、後述するラベル広告モードのアンマッチは、上記イニシャライゼーションの交換まで分からない(検出できない)。
〔4〕「Martini」方式のMPLS L2 VPN
次に、MPLS L2 VPN(Virtual Private Network)の1つである「Martini」方式〔MPLSを使用しL2(Layer 2)で仮想専用線(PW:pseudo wire)を提供する方式〕では、新しく「Forwarding Equivalence Class(FEC)」タイプとして「PW FEC element」とそれに対応するPW〔旧名称はVC(Virtual Channel)〕TLV(Type/Length/Value)を追加定義しているが、その他は基本的にLDPを使用する。具体的には、「downstream unsolicited」モードと拡張ディスカバリメカニズムを使用する。なお、「Martini」方式の最新版は、後記の非特許文献2及び3等としてIETF(Internet Engineering Task Force)のpwe3 WG(Pseudo Wire Emulation Edge to Edge Working Group)のWGドラフトとなっており、標準化予定である。
以下、「Martini」方式の概要をLDPセッションの確立及びLSP(Label Switched Path)の確立という観点から図17に示すネットワーク構成例を用いて説明する。なお、この図17において、PE#1,PE#2,PE#3はそれぞれ他ネットワークと接続するプロバイダエッジ(Provider Edge)と呼ばれるLSR、コア(Core)LSRはそれ以外のLSRを表し、PE#1はコアLSRと、PE#2はコアLSR及びPE#3と、PE#3はコアLSRとPE#2とそれぞれ物理的に接続(実線表示)されている。
[LDPセッションの確立]
(1)制御メッセージの通信経路の確立
下記の項目(2)以降で示されるLDPセッションの確立及びLSPの確立のためには、OSPF(Open Shortest Path First),LDP等の制御メッセージが全てのLSR〔PE,コアLSR〕で送受信できる必要がある。
ここで、「Martini」ドラフトでは、その制御メッセージのカプセリングを特に規定していない。したがって、制御メッセージには、▲1▼TCP/IPそのまま〔カプセル化なし:OSPF(Open Shortest Path Fast)−IP,LDP−TCP〕の場合、▲2▼ラベル(前もって設定されたLSP中を通る)でカプセル化されている場合、▲3▼その他〔L2TP(Layer2 tunneling protocol),GRE(Generic Routing Encapsulation)等〕の場合が考えられる。
上記▲2▼の場合には、何らかの方法〔スタティック,LDP,CR(Constraint Routed)−LDP,RSVP−TE(Resource Reser Vation Protocol for traffic engineering)等〕でLSPを確立する必要がある。
(2)通常のLDPセッションの確立
図18に実線矢印100,200,300,400で示すように、全ての隣接LSR(PE,コアLSR)間で通常のLDPセッションが前記の「基本ディスカバリメカニズム」を使用して確立される。
(3)PE間のLDPセッションの確立
図18に点線矢印500,600,700で示すように、全てのPE(PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3)間にフルメッシュで、「拡張ディスカバリメカニズム」を使用してLDPセッションを確立する。この時、それぞれのPE#1,PE#2,PE#3には、接続先(リモート側)のLSRのIPアドレスが全てプロビジョニングされている必要がある。
ただし、この図18中に示す通り、PE#2−PE#3間は直接接続されており、LDPセッション400が上記「(1)制御メッセージの通信経路の確立」により既に確立しており、LDPセッション700は新たに設定する必要がない。また、RFC3036の規定では、厳密には設定できない。しかし、PE#2,PE#3それぞれが互いに隣接していることを知っていなければ、このセッションを設定しようとする。これに対しては、以下▲1▼〜▲3▼の実装が考えられる。
▲1▼プロビジョニングにより、隣接していることを明示し、当該セッション700の設定を行なわない。
▲2▼PE#2−PE#3間の通常のLDPセッション400が既に設定されていることをチェックし、当該セッション700の設定を行なわない。
▲3▼何もチェックせずに、当該セッション700の設定をしようとするが、通常のLDPセッション400と同一セッションということで、結果として設定できない。
ところが、図19において、例えばPE#2−PE#3間のリンクが何らかの理由で使用不可となった場合は、当該PE#2−PE#3間で「拡張ディスカバリメカニズム」を使用してLDPセッションを設定する必要がある。したがって、選択枝は、上記の▲2▼又は▲3▼となる。
上述の通り、「Martini」方式は、制御メッセージのカプセリングを規定していないので、もし、例えば図20に示すように、通常のLSP500A,500B,600A,600B,700A,700Bが既に設定されている場合は、当該セッション500,600,700は、そのLSP500A,500B,600A,600B,700A,700B中で設定される(LSPを通してLDPセッションが確立される)可能性がある(ネットワーク及び装置の実装/運用ポリシに依存する)。
なお、LSPは片方向の属性をもつので、この図20において、LSP500A及び500Bの組がPE#1−PE#2間の通常のLDPセッション500、LSP600A及び600Bの組がPE#1−PE#3間の通常のLDPセッション600、LSP700A及び700Bの組がPE#2−PE#3間の通常のLDPセッション700をそれぞれ示している。
[LSPの設定例]
(1)通常のLSPの確立
IP経路に基づき、通常のLSPが図21に太実線矢印500A,500B,600A,600B,700A,700Bで示すように確立される。ここで、PE#2及びPE#3からPE#1に向かうLSP500B,600Bは、コアLSRでマージされる。
(2)PW用のLSPの確立
PW用のLSPは、上述のPE間に設定されたLDPセッション500,600,700上で、上述のPW用FECを付加した「Label Mapping」メッセージでラベルを配付することにより確立される。ここで、PWは、同一PE間の互いに逆向きのPW用LSPのペア(図21に示すPW LSP500a及び500b又はPW用LSP600a及び600b又はPW用LSP700a及び700b)からなり、PW用FEC中のPW IDによって対応付けられる。このPW IDは、双方のPEで予めプロビジョニングしておく必要がある。なお、図21において、PE#2−PE#3間のPW用LSP700a,700bは、図示の通りトンネルLSP700A,700B中を通してもよいし、トンネルLSP700A,700Bとは独立して設定してもよい。もっとも、トンネルLSP700A,700B中を通すことにしても、PHPを使用すればトンネルラベルは付加されない。
また、「Martini」方式では、PW用のLSPのトンネリングに関しても規定していない。そこで、管理/運用上(例えば、制御メッセージとユーザデータを分離し管理を容易にする)又はサービス上〔例えば、ユーザデータに関するQoS(Quality of Service)/CoS(Class of Service)の提供〕の理由からトンネルLSPに関して様々なバリエーションが考えられる。以下にそのバリエーションを示す。なお、ここでは、詳しく述べないが、トンネルはLSP以外を用いて設定しても良い。
▲1▼通常のLSP中での確立
PE間のLDPセッションを使用して、PW用LSPを確立する。ここで、PE#1−PE#2間及びPE#1−PE#3間の直接の経路は、図21の通常のLSP500A,500B,600A,600B(500B及び600BはコアLSRでマージされている)しか存在しないので、必然的に、これらのLSP500A,500B,600A,600BをトンネルLSPとして使用することになる。
一方、PE#2−PE#3間については、直接の経路として、IPの経路と通常のLSP700A,700Bとが存在するので、どちらを使用するかをそのネットワークまたは装置の選択ポリシにより決定する必要がある。以下にその特徴を示す。
・容易にLSPの設定が可能(特別なトンネルLSPの設定の必要がない)。
・制御メッセージとユーザデータが同一トンネル中で混在する可能性がある。
・当該トンネルLSPは、ベストエフォートサービスしか実現できない。
▲2▼PW専用LSP中での確立(その1:スタティック設定したトンネルLSPで設定)
上述した通常のLSPと同等のLSPをスタティックに設定する。この場合、以下の特徴がある。
・トンネルLSPの設定のために全てのPE及びLSRにプロビジョニングが必要)。
・制御メッセージとユーザデータの分離が可能。
・経路をIP経路と独立に設定できる。
・QoS/CoSの適用が可能。
▲3▼PW専用LSP中での確立(その2:CR−LDP/RSVP−TEで設定したトンネルLSPで設定)
上述した通常のLSPと同等のLSPをCR−LDP/RSVP−TEで設定する。この場合、以下の特徴がある。
・トンネルLSPの設定のために全てのPEにプロビジョニングが必要となる。
・制御メッセージとユーザデータの分離が可能。
・経路をIP経路と独立に設定できる。
・QoS/CoSの適用が可能。
▲4▼PW専用LSP中での確立(その3:LDPで設定したトンネルLSPで設定)
通常に設定されたLSPがPE間に複数存在する場合に、その中で、使用されないLSPをPW専用LSPとして使用する。この場合、以下の特徴がある。
・プロビジョニングが不要。
・一般的には使用できない(上記のPE#1−PE#2,PE#1−PE#3のようにIP経路(または物理的経路)が1つしか存在しない場合、同一FECに対しては複数のLSPを設定できないため:逆にいえば、FECを分ければ可能)。
・制御メッセージとユーザデータの分離が可能。
・経路をIP経路と独立に選択できない。
・ベストエフォートサービスしか実現できない。
以上から、既存のMPLSやその拡張方式には、次のような特徴がある。
(1)制御メッセージの経路/カプセリングに様々なバリエーションが存在する(場合によっては何らかのプロビジョニングが必要)。
(2)PWが通るトンネル(LSP)にも様々なバリエーションがある(場合によっては何らかのプロビジョニングが必要)。
(3)リモート側のLDPセッション用のアドレスをプロビジョニングする必要がある(リモート側と直接接続していないため)。
(4)リモート側のアドレスとして、誤って「Martini」を実装しないLDPエンティティをプロビジョニングしてしまえば、ラベルマッピングメッセージを送受信するまでリモート側のLDPエンティティが「PW FEC element」を処理できるかどうかが分からない(または、処理するようにプロビジョニングされているかどうか分からない)。
(5)PW IDは、関係PE双方でプロビジョニングされ、ラベルマッピングメッセージで通知される。したがって、このプロビジョニングの誤りもラベルマッピングメッセージを送受信するまで分からない(検出できない)。
ところで、主に、キャリアネットワークで普及しているMPLSのシグナリングプロトコル(Signaling protocol)として最も普及しているLDP(Label distribution protocol)のセッションは、同一隣接LSRとの間で複数設定することはできない(同じラベル空間を使用している場合)し、同一隣接LSR間で設定されたLDPセッションを使用するアプリケーション又はその用途を明示的に識別することもできない。
したがって、そのセッションの両端のLDPエンティティが、「Martini」方式の拡張を実装しているかどうか、または、実装していてもそれを使用するようにプロビジョニングされているかどうかが、ラベルマッピングのフェーズまで分からない。また、双方が、「Martini」方式を実装し、使用するように設定されていたとしても、上記の(1)〜(5)に示す、「Martini」方式のMPLS L2 VPNでの各種プロビジョニング情報が誤っていた場合、それをプロトコル上で検出できず、誤動作するか、または、検出できてもLDPセッションの確立時に確実に検出することはできない。
以下に、具体例を図17に示すネットワーク構成を参照しながら説明する。
(1)前提条件
▲1▼PE#1は、IPパケット(制御メッセージ)をそのまま送受信できない装置であり、MPLSでカプセル化したIPパケットしか送受信できない装置である(ブリッジベースの装置に「Martini」方式を実装した場合、ハードウェアの制約及び又は実装コスト面からこのような実装が考えられる)。また、この装置は、上記LSP以外については、LDPによって動的にLSPを設定できる能力をもつものとする。
▲2▼PE#2,PE#3,コアLSRは、IPパケットをそのまま送受信可能であり、MPLSでカプセル化したIPパケットも送受信可能である。
▲3▼ネットワークの運用ポリシとして、制御メッセージは、LSP中で送受信し、さらに、PW用トンネルLSPと前記制御メッセージ用LSPを分離する。
(2)上記の前提条件▲1▼,▲2▼より、PE#1とコアLSRとの間には制御メッセージ用のLSPがスタティックに設定される必要がある。また、PE#2,PE#3,コアLSRには、制御メッセージをLSP中で送受信するという運用ポリシの設定が必要となる。この時、明示的なプロビジョニング、または、IP経路とLSP経路の優先度の設定などが考えられる。
(3)上記の前提条件▲3▼より、制御メッセージ用LSPとは別にPE#1,PE#2,PE#3間にフルメッシュで、PW用のトンネルLSPを設定する必要がある。
(4)PE#1,PE#2,PE#3は、上記(3)項で設定したLSP中には制御メッセージを送信してはいけない。
以上のようなネットワーク条件において、以下の課題がある。
▲1▼PE#2,PE#3,コアLSRに関して、制御メッセージをLSP中で送受信するという運用ポリシの設定が誤っていると、PE#2−PE#3間のLDPセッションは確立されるが、PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3間の全て、又はいずれかのLDPセッションが確立されない。
▲2▼PE#1,PE#2,PE#3に関して、PW用トンネルLSPと制御メッセージ用LSPを分離するというポリシの設定が誤っていると、PW用トンネルLSPが設定できなかったり、PW用トンネルLSPが設定できても、その両端で認識がずれて、一方は制御メッセージ用のLSPを使用してPW用LSPを設定し、他方はPW用トンネルLSPを使用してPW用LSPを設定してしまい、結果として、正常にPW中のフレームが処理されなかったりする場合がある。
▲3▼PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3間のLDPセッション設定時にリモート側のアドレスのプロビジョニングが誤っていると、当該LDPセッションが設定されない。または、実装によっては、LDPセッション自体は設定されるが、当該セッションを使用してPW LSPが設定されない。
▲4▼PE#1−PE#2,PE#1−PE#3,PE#2−PE#3間それぞれのPW IDのプロビジョニングに誤りがあれば、PWが正しく設定されない。そして、それは、LDPではラベルマッピングのフェーズまで分からない。
一方、MPLSのアプリケーションはLDPを拡張し、または、そのまま使用し、続々と標準化され、また、独自に開発されている。ここで、そのアプリケーションによっては、同一LDPセッションを利用することができないものがある。例えば、LDPのラベル広告モードが「Downstream Unsolicited」モードと「Downstream on Demand」では互換性がないので、アプリケーションがそれぞれ別のモードを使用する場合は同一LDPセッションを使用することができないし、プロトコルとしては、同一LDPセッションを利用することができても、管理,運用,保守の側面から、アプリケーション及び/又はその用途毎にLDPセッションを分離することが望まれることがある。
例えば、トラヒックエンジニアリングと「Martini」方式とをそれぞれ実装しようとしても、トラヒックエンジニアリングは通常「Downstream on Demand」を使用し、「Martini」方式は、「Downstream Unsolicited」モードを使用するので、実装できない。また、例えば「Martini」方式の実装において、管理,運用,保守の側面から制御メッセージ用のLSPトンネルとPW用のLSPトンネルを、LDPを使用して独立に設定しようとしてもできない。
本発明は、以上のような課題に鑑み創案されたもので、同一隣接LSR間で、同じラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することを可能とし、また、そのセッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途を明示的に示すことを可能とし、LDPセッションを誤りなく接続することにより、誤プロビジョニング及び/又はこれによるセッションの誤接続をセッション確立時に早期に検出できるようにすることを目的とする。
また、プロビジョニングの誤りによるMPLS及びアプリケーションの誤動作を防止し、さらに、リモート側LSRに関するプロビジョニング情報を自動検出し、リモート側情報のプロビジョニングを無くし(あるいは減らし)て、プロビジョニングミスによる誤接続又は誤動作を削減することも目的とする。
また、プロビジョニングの誤りによるMPLS及びアプリケーションの誤動作を防止し、さらに、リモート側LSRに関するプロビジョニング情報を自動検出し、リモート側情報のプロビジョニングを無くし(あるいは減らし)て、プロビジョニングミスによる誤接続又は誤動作を削減することも目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法は、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報を付加して該メッセージの送受を行ない、同一隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッション識別情報に基づいて、該同一隣接ラベルスイッチノード間に同一ラベル空間で使用する複数のセッションを確立することを特徴としている。
また、本発明のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法は、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、該隣接ラベルスイッチノード間で確立すべきセッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報を付加して該メッセージの送受を行ない、該隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノード間に該セッションタイプ情報に応じた該セッションを確立することを特徴としている。
さらに、本発明のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法は、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報と、当該セッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報とを付加して該メッセージの送受を行ない、該同一隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッション識別情報及び該セッションタイプ情報に基づいて、該同一隣接ラベルスイッチノード間に同一ラベル空間で使用する、該セッションタイプ情報に応じた複数のセッションを確立することを特徴としている。
ここで、該メッセージとしてのハローメッセージに該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノード間のハロー隣接確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノード間で交換するようにしてもよいし、該メッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに、該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノード間のセッション確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノード間で交換するようにしてもよい。
また、隣接ラベルスイッチノード間で該セッションを確立する際に、該ラベル配付プロトコルのエンティティに関するプロビジョニング情報を該メッセージに付加して交換するようにしてもよい。
さらに、本発明のラベルスイッチノードは、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するものであって、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報を付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッション識別情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に同一ラベル空間で使用する複数セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴としている。
また、本発明のラベルスイッチノードは、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するものであって、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、該隣接ラベルスイッチノードとの間で確立すべきセッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報を付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に該セッションタイプ情報に応じた該セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴としている。
さらに、本発明のラベルスイッチノードは、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するものであって、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、該隣接ラベルスイッチノードとの間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報と、当該セッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報とを付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッション識別情報及びセッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に同一ラベル空間で使用する、該セッションタイプ情報に応じた複数セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴としている。
ここで、該ラベル配付プロトコル処理部は、該ラベル配付プロトコルの該メッセージとしてのハローメッセージに該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノードとの間のハロー隣接確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノードとの間で交換するハローメッセージ処理部をそなえて構成してもよい。
また、該ラベル配付プロトコル処理部は、該ラベル配付プロトコルの該メッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに、該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノードとの間のセッション確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノードとの間で交換するイニシャライゼーションメッセージ処理部をそなえて構成してもよい。
さらに、該ラベル配付プロトコル処理部は、該ラベル配付プロトコルのエンティティに関するプロビジョニング情報を該メッセージに付加して交換するプロビジョニング情報交換処理部をそなえて構成してもよい。
また、該ラベル配付プロトコル処理部は、該隣接ラベルスイッチノードとの間で該セッション確立制御部により該セッションを確立する際に、予め当該隣接ラベルスイッチノードとの間にトンネルラベルスイッチパスを設定するトンネルラベルスイッチパス設定部をそなえていてもよく、この場合、該プロビジョニング情報交換処理部は、該トンネルラベルスイッチパス設定部により設定された該トンネルラベルスイッチパスを通じて該プロビジョニング情報の付加された該メッセージを交換するように構成してもよい。
さらに、該プロビジョニング情報交換処理部は、該隣接ラベルスイッチノード間で該ラベル配付プロトコルに従って送受するイニシャライゼーションメッセージ及びアドレスメッセージのいずれか一方又は双方に、該プロビジョニング情報を転送するTLVを追加するように構成してもよい。
また、該プロビジョニング情報交換処理部は、該ラベル配付プロトコルにおいて新規に定義した該プロビジョニング情報の転送用のメッセージを生成するように構成してもよいし、該ラベル配付プロトコルにおいて新規に定義した該プロビジョニング情報の撤回用のメッセージを生成するように構成してもよい。
また、本発明のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法は、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、該隣接ラベルスイッチノード間で確立すべきセッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報を付加して該メッセージの送受を行ない、該隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノード間に該セッションタイプ情報に応じた該セッションを確立することを特徴としている。
さらに、本発明のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法は、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報と、当該セッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報とを付加して該メッセージの送受を行ない、該同一隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッション識別情報及び該セッションタイプ情報に基づいて、該同一隣接ラベルスイッチノード間に同一ラベル空間で使用する、該セッションタイプ情報に応じた複数のセッションを確立することを特徴としている。
ここで、該メッセージとしてのハローメッセージに該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノード間のハロー隣接確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノード間で交換するようにしてもよいし、該メッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに、該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノード間のセッション確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノード間で交換するようにしてもよい。
また、隣接ラベルスイッチノード間で該セッションを確立する際に、該ラベル配付プロトコルのエンティティに関するプロビジョニング情報を該メッセージに付加して交換するようにしてもよい。
さらに、本発明のラベルスイッチノードは、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するものであって、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報を付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッション識別情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に同一ラベル空間で使用する複数セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴としている。
また、本発明のラベルスイッチノードは、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するものであって、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、該隣接ラベルスイッチノードとの間で確立すべきセッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報を付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に該セッションタイプ情報に応じた該セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴としている。
さらに、本発明のラベルスイッチノードは、所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するものであって、該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、該隣接ラベルスイッチノードとの間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報と、当該セッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報とを付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッション識別情報及びセッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に同一ラベル空間で使用する、該セッションタイプ情報に応じた複数セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴としている。
ここで、該ラベル配付プロトコル処理部は、該ラベル配付プロトコルの該メッセージとしてのハローメッセージに該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノードとの間のハロー隣接確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノードとの間で交換するハローメッセージ処理部をそなえて構成してもよい。
また、該ラベル配付プロトコル処理部は、該ラベル配付プロトコルの該メッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに、該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノードとの間のセッション確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノードとの間で交換するイニシャライゼーションメッセージ処理部をそなえて構成してもよい。
さらに、該ラベル配付プロトコル処理部は、該ラベル配付プロトコルのエンティティに関するプロビジョニング情報を該メッセージに付加して交換するプロビジョニング情報交換処理部をそなえて構成してもよい。
また、該ラベル配付プロトコル処理部は、該隣接ラベルスイッチノードとの間で該セッション確立制御部により該セッションを確立する際に、予め当該隣接ラベルスイッチノードとの間にトンネルラベルスイッチパスを設定するトンネルラベルスイッチパス設定部をそなえていてもよく、この場合、該プロビジョニング情報交換処理部は、該トンネルラベルスイッチパス設定部により設定された該トンネルラベルスイッチパスを通じて該プロビジョニング情報の付加された該メッセージを交換するように構成してもよい。
さらに、該プロビジョニング情報交換処理部は、該隣接ラベルスイッチノード間で該ラベル配付プロトコルに従って送受するイニシャライゼーションメッセージ及びアドレスメッセージのいずれか一方又は双方に、該プロビジョニング情報を転送するTLVを追加するように構成してもよい。
また、該プロビジョニング情報交換処理部は、該ラベル配付プロトコルにおいて新規に定義した該プロビジョニング情報の転送用のメッセージを生成するように構成してもよいし、該ラベル配付プロトコルにおいて新規に定義した該プロビジョニング情報の撤回用のメッセージを生成するように構成してもよい。
図1は本発明の一実施形態としてのMPLS網(ラベルスイッチネットワーク)の構成を示す図である。
図2は本実施形態のLSRの構成を示す機能ブロック図である。
図3は本実施形態のLDP PDUの拡張例を説明するための図である。
図4は本実施形態のセッションタイプ(Session TYPE)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図5は本実施形態のアプリケーションタイプ(Application TYPE)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図6は本実施形態のセッション名(Session Name)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図7は本実施形態のハローメッセージ(Hello Message)の拡張例を説明するためのフォーマット図である。
図8は本実施形態の共通ハローパラメータ(Common Hello Parameters)TLVを説明するためのフォーマット図である。
図9は本実施形態のイニシャライゼーションメッセージ(Initialization Message)の拡張例1を説明するためのフォーマット図である。
図10は本実施形態の共通セッションパラメータ(Common Session Parameters)TLVを説明するためのフォーマット図である。
図11は本実施形態のプロビジョニング情報(Provisioning Information)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図12は本実施形態のPWパラメータ(Pseudo Wire parameter)TLVを説明するためのフォーマット図である。
図13は本実施形態のプロビジョニングメッセージ(Provisioning Message)の新規追加例を説明するためのフォーマット図である。
図14は本実施形態のアドレスメッセージ(Address Message)の拡張例を説明するためのフォーマット図である。
図15は本実施形態のMPLS網におけるLDPセッション確立手順を説明するためのシーケンス図である。
図16は従来のMPLS網におけるLDPセッション確立手順を説明するためのシーケンス図である。
図17〜図21はそれぞれ従来の「Martini」方式のLDPセッション及びLSPの確立を説明するためのネットワーク構成例を示す図である。
図2は本実施形態のLSRの構成を示す機能ブロック図である。
図3は本実施形態のLDP PDUの拡張例を説明するための図である。
図4は本実施形態のセッションタイプ(Session TYPE)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図5は本実施形態のアプリケーションタイプ(Application TYPE)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図6は本実施形態のセッション名(Session Name)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図7は本実施形態のハローメッセージ(Hello Message)の拡張例を説明するためのフォーマット図である。
図8は本実施形態の共通ハローパラメータ(Common Hello Parameters)TLVを説明するためのフォーマット図である。
図9は本実施形態のイニシャライゼーションメッセージ(Initialization Message)の拡張例1を説明するためのフォーマット図である。
図10は本実施形態の共通セッションパラメータ(Common Session Parameters)TLVを説明するためのフォーマット図である。
図11は本実施形態のプロビジョニング情報(Provisioning Information)TLVの新規定義例を説明するためのフォーマット図である。
図12は本実施形態のPWパラメータ(Pseudo Wire parameter)TLVを説明するためのフォーマット図である。
図13は本実施形態のプロビジョニングメッセージ(Provisioning Message)の新規追加例を説明するためのフォーマット図である。
図14は本実施形態のアドレスメッセージ(Address Message)の拡張例を説明するためのフォーマット図である。
図15は本実施形態のMPLS網におけるLDPセッション確立手順を説明するためのシーケンス図である。
図16は従来のMPLS網におけるLDPセッション確立手順を説明するためのシーケンス図である。
図17〜図21はそれぞれ従来の「Martini」方式のLDPセッション及びLSPの確立を説明するためのネットワーク構成例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態としてのMPLS網(ラベルスイッチネットワーク)の構成を示す図で、この図1に示すMPLS網1は、MPLS機能をサポートする複数のラベルスイッチノードとしてのLSR11がメッシュ状に相互に接続されて構築されている。そして、このMPLS網1には、外部網2,3,4を構成する通常のルータ(又は、ブリッジ)21,31,41を介して当該外部網2,3,4と接続されている。なお、外部網2,3,4〔ルータ(又は、ブリッジ)21,31,41〕との接続部分に位置するLSR11は特にLER(Label Edge Router)(IP−VPNでのPEに相当する)と呼ばれ、それ以外のLSR11がコアLSRと呼ばれる。
このようなネットワーク構成において、本実施形態では、(1)同一隣接LSR11間で複数のLDPセッションの確立を可能とするとともに、(2)LDPセッションのアプリケーション及び/又は用途を明確に識別できるようにし、また、(3)LSR11のプロビジョニング情報の自動検出を可能とし、プロビジョニング情報の誤りによる誤配線(誤接続)及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出できるようになっている。
このため、本実施形態のLSR11は、それぞれ、その要部に着目すると、例えば図2に示すように、MPLS L2 VPNアプリケーション部111,トラヒックエンジニアリングアプリケーション部112,CL/NMSインタフェース部113,プロビジョニング情報管理部114,MPLS処理部115,IPルーティング処理部116,トポロジー情報管理部117,ラベル配付用シグナリング処理部118,ラベル管理部119,MACフィルタリングデータベース処理部120,ラベルスイッチング処理部121,スイッチ制御部122及び回線インタフェース部123などをそなえて構成されている。なお、この図2において、実線で示すラインはこれらの機能ブロック間のインタフェースを表し、点線矢印で示すラインは当該機能ブロック間のデータ参照(アクセス)経路を表している。
ここで、MPLS L2 VPNアプリケーション部111は、プロビジョニング情報管理部114が管理するプロビジョニング情報(Provisioning Information)に従って、MPLS処理部115に対して、必要に応じてラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、トンネルLSPの確立/解放、PW LSPの確立/解放及び当該トンネルLSPとPW LSPとのマッピング及び/又は当該PW LSPとアタッチメントサーキットとのマッピング等を指示するためのもので、本実施形態では、以下のような機能拡張を行なっている。
(1)ラベル配付用シグナリング(LDP)のセッションの確立指示時に当該セッションを識別するためのセッション識別情報(セッションID)を付加する。本セッションIDは当該アプリケーション部111で自動生成しても良いし、プロビジョニング(プロビジョニング情報管理部114で管理)しても良い。
(2)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にリモート側のプロビジョニング情報の取得指示を追加する。
(3)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にリモート側装置のプロビジョニング情報と当該装置のプロビジョニング情報のチェック指示を追加する。さらに、チェック結果にしたがって、当該セッションの確立/解放を判断する。
また、トラヒックエンジニアリングアプリケーション部112は、プロビジョニング情報管理部114が管理するプロビジョニング情報に従って、MPLS処理部115に対して、必要に応じてラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、負荷分散用LSPの確立/解放、負荷分散パラメータの指示(マッピングする複数のLSP,負荷分散上限閾値,負荷分散上限閾値等)を行なうためのもので、本実施形態では、ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にセッションIDを付加できるよう機能拡張している。なお、本セッションIDも当該アプリケーション部112で自動生成しても良いし、プロビジョニングしても良い。
さらに、CL/NMSインタフェース部113は、CL(コマンドライン)及び/又はNMS(ネットワーク管理システム)とのインタフェースを司るもので、ここでは、プロビジョニング情報管理部114と連携して、管理情報の設定及び表示等を行なう機能を有している。また、プロビジョニング情報管理部114は、このCL/NMSインタフェース部113からの指示に従い、プロビジョニング情報を設定/表示すると共に当該プロビジョニング情報を各機能ブロックに対して参照可能とするものである。なお、リモート側プロビジョニング情報に関しては、対応機能ブロックからの設定も可能としても良い(管理対象としても良い)。
MPLS処理部115は、各種アプリケーション(ここでは、MPLS L2 VPNアプリケーション部111及びトラヒックエンジニアリングアプリケーション部112)からの指示に従い、ラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放をラベル配付用シグナリング処理部118に指示し、又は、リモート側LSRからのラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放要求を、ラベル配付用シグナリング処理部118を経由して受信するものである。また、当該LSPの確立/解放及びアプリケーションからの指示パラメータに従って、ラベルスイッチング処理部121に対して、ラベルフォワーディングテーブルの設定/変更/解放等を指示する機能も有する。
つまり、このMPLS処理部115は、後述するラベル配付用シグナリング処理部118経由で隣接LSRから受信するラベル配付用シグナリングメッセージ(LDPメッセージ)に応じて必要なLDPセッションの確立を制御するセッション確立制御部としての機能を果たすものである。ただし、本実施形態においては、下記のような機能拡張も行なっている。
(1)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にセッションIDを付加する。
(2)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にリモート(相手)側装置(LSR)のプロビジョニング情報の取得指示を追加する。
(3)上記リモート側装置のプロビジョニング情報を必要に応じてチェックし、その結果を指定アプリケーションに通知し、その後の指示を仰ぐ。
次に、IPルーティング処理部116は、トポロジー情報管理部117と連携して、IPルーティングプロトコルを実行することにより、ネットワーク1の動的なトポロジー情報を維持するものであり、トポロジー情報管理部117は、当該IPルーチング処理部116と連携して、ネットワークの動的なトポロジー情報を維持・管理するとともに、当該トポロジー情報及びその変化を必要な機能ブロックに対して提供するものである。
ラベル配付用シグナリング処理部(ラベル配付プロトコル処理部)118は、MPLS処理部115からの指示により、ラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放を実施するとともに、リモート側装置からのラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放要求をMPLS処理部115に通知し、その後の処理の指示を仰ぐもので、ここでは、LDPメッセージを拡張して、上記セッションIDや、確立するLDPセッションのアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示する情報(セッションタイプ情報)、プロビジョニング情報等を付与・交換できるように種々の機能拡張(LDPの拡張:詳細は後述)を行なっている。
ラベル管理部119は、上記ラベル配付用シグナリング処理部118に対して自装置が割り当てるラベルの空塞管理機能を提供するものであり、MAC(Media Access Control)フィルタリングデータベース処理部120は、プロビジョニング情報管理部114及び回線インタフェース処理部123(#1〜#m:mは自然数)と連携して、MACフィルタリングデータベースの原本を管理し、各回線インタフェース処理部123に対して、必要なMACフィルタリングデータベースを提供するとともにスイッチ制御部122に対して、必要なスイッチングを指示するためのものである。
ラベルスイッチング処理部121は、MPLS処理部115からの指示に従い、ラベルフォワーディングテーブルの原本を管理し、各回線インタフェース処理部123に対して、必要なラベルフォワーディングテーブルを提供するとともにスイッチ制御部122に対して、必要なスイッチングを指示するためのものである。
スイッチ制御部122は、MACフィルタリングデータベース処理部120及びラベルスイッチング処理部121からの指示に従い、各回線インタフェース処理部123及び自装置内の必要な機能ブロックとのスイッチングを行なうためのものであり、回線インタフェース処理部123は、それぞれ、1以上の回線(#1〜#n)を収容し、MACフィルタリングデータベース処理部120及びラベルスイッチング処理部121からの指示に従い、MACフィルタリングデータベース/ラベルフォワーディングテーブル(図示省略)を参照することによるフレームの送受信を行なうものである。
次に、以下では、上述した各種機能拡張の具体例について詳述する。
▲1▼まず、同一隣接LSR11間で複数のLDPセッションの確立を可能とするために、LDP(RFC3036)を拡張する。その具体例としては、以下の<1>及び<2>に示す方式が考えられる。
<1>LDP識別子の拡張(変更)
LDP PDUのフォーマットは変えずに、LDP識別子を拡張(変更)し、セッション識別情報(セッションID)により同一隣接LSR11間の複数のLDPセッションを識別可能とする。
この場合、LDP識別子は、RFC3036では、「LSR ID」(4オクテットで構成されるLSRを識別するグローバルな値)と、「Label space ID」(2ビットで構成されるラベル空間を識別するための値で、“0”で「platform−wide」ラベル空間、“1”で「per interface」ラベル空間を表し、“3”,“4”はリザーブを表す)とで構成されるが、14ビットで構成される「Session ID」を新たに定義し、「platform−wide」ラベル空間ではセッション番号、「per interface」ラベル空間では最初の10ビットを「Interface ID」、残りをセッション番号として表示する。
<2>LDP PDUの拡張
例えば図3に示すように、LDP PDUのフォーマットにセッション(Session)IDフィールド12を新たに追加定義する。
▲2▼また、確立するLDPセッションのアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するTLVをLDPメッセージ(例えば、ハローメッセージ)に追加することにより、ハロー隣接確立時にそのセッションのアプリケーション及び/又は用途を隣接LSR11間で交換して、正しくセッションを確立し、誤接続を防止する(なお、当該TLVはイニシャライゼーションメッセージに追加しても良い)。
具体的には、セッションのタイプ又は用途を示す「セッションタイプ(Session TYPE)TLV」及び/又はこのセッションを使用するアプリケーションのタイプを示す「アプリケーションタイプ(Application TYPE)TLV」及び/又はこのセッションの名前を示す「セッション名(Session name)TLV」を新しく定義し(これらのTLVを「セッションタイプ情報」と総称する)、例えば、ハローメッセージ又はイニシャライゼーションメッセージにより当該TLVを(ラベル配付用シグナリング処理部118を通じて)送受信し、一致する場合だけハロー隣接又はLDPセッションを確立する。ただし、「Session name TLV」については、これを保守運用面でだけで使用する場合は、この限りではない。
つまり、本実施形態のラベル配付用シグナリング処理部118は、LDPメッセージとしてのハローメッセージに「セッションタイプ情報」を付加することにより、隣接LSRとの間のハロー隣接確立時に当該情報を交換するハローメッセージ処理部としての機能を有していることになる。
また、イニシャライゼーションメッセージの共通パラメータTLV(Common Session Parameters TLV)でセッションのタイプ又は用途を示す「セッションタイプ」及び/又は当該セッションを使用するアプリケーションのタイプを示す「Application TYPE」及び/又は当該セッションの名前を示す「Session name」パラメータを新しく定義して、上記パラメータを送受信し、一致する場合だけハロー隣接又はLDPセッションを確立するようにすることもできる。ただし、「Session name TLV」については、これを保守運用面でだけで使用する場合は、この限りではない。
つまり、この場合、ラベル配付用シグナリング処理部118は、LDPメッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに「セッションタイプ情報」を付加することにより、隣接LSRとの間のハロー隣接確立時に当該情報を交換するイニシャライゼーションメッセージ処理部としての機能を有していることになる。
なお、以上のメッセージはトンネルLSP中で送受信しても良いし、IP経路で送受信しても良い。
以下に、上記メッセージ、TLV、パラメータの追加、変更例を示す。
<3>「セッションタイプ(Session TYPE)TLV」の新規定義例
図4に「セッションタイプTLV」の新規定義例を示す。この図4に示すように、「セッションタイプTLV」には、TLVの種別を表示する「TLV種別」フィールド21,「長さ(Length)」フィールド22及び「セッションタイプ(Session TYPE)」フィールド23を用意し、「TLV種別」フィールド21には当該TLVの種別(この場合は「セッションタイプTYPE」)タイプを示す情報、「長さ(Length)」フィールド22には当該TLVの長さを示す情報、「セッションタイプ(Session TYPE)」フィールド23には、設定するセッションのタイプを示す情報をそれぞれ設定する。
例えば、“0”で通常のLDPセッション(basic ldp session)、“1”で制御メッセージ交換用のLSPのためのLDPセッション(ldp session for control message)、“2”でデータ交換用のLSPのためのLDPセッション(ldp session for data plane message)を表すものとする(他はリザーブとする)。なお、「Session TYPE」は図4に示すようにサポートするタイプを複数設定することが可能である。
<4>「アプリケーションタイプ(Application TYPE)TLV」の新規定義例
次に、図5に「アプリケーションタイプTLV」の新規定義例を示す。この図5に示すように、「アプリケーションTLV」には、「TLV種別」フィールド31,「長さ(Length)」フィールド32及び「アプリケーションタイプ」フィールド33を用意し、「TLV種別」フィールド31には当該TLVの種別(この場合は「アプリケーション」)を示す情報、「長さ(Length)」フィールド32には当該TLVの長さを示す情報、「アプリケーションタイプ」フィールド33には、設定するセッションのタイプを示す情報をそれぞれ設定する。
例えば、“0”で“unknown”、“1”でトラフィックエンジニアリングセッション、“2”で「Martini L2 VPN」セッションをそれぞれ表すものとする(他はリザーブとする)。なお、本「Application TYPE」も図5に示すようにサポートするタイプを複数設定することが可能である。
<5>「セッション名(Session Name)TLV」の新規定義例
図6は「セッション名TLV」の新規定義例を示す図で、この図6に示すように、「セッション名TLV」には、TLV種別フィールド41,「長さ(Length)」フィールド42及び「Session Name」フィールド43を用意し、「Session Name TLV」フィールド41には当該TLVのタイプ(この場合は「Session Name」)を示す「TLV種別」)を示す情報、「長さ(Length)」フィールド42には設定するセッションを示す情報(キャラクタ列)を設定する。
<6>「ハローメッセージ」の拡張例
次に、図7及び図8に「ハローメッセージ(Hello Message)」の拡張例を示す。これらの図7及び図8に示すように、「ハローメッセージ」には、メッセージ種別〔この場合はHello(0x0100)〕を示すメッセージ種別フィールド51,当該メッセージの長さ(Message Length)を示すメッセージ長フィールド52,メッセージIDフィールド53,共通ハローパラメータ(Common Hello Parameters)TLVフィールド54及びオプショナルパラメータフィールド55が用意されており、さらに、共通ハローパラメータTLVフィールド54には、パラメータ種別(共通ハローパラメータ)を示すフィールド541,当該共通ハローパラメータTLVフィールド54の長さ(フィールド長)を設定する長さフィールド542及び保持時間(Hold Time)フィールド543等が用意されている。
そして、本実施形態では、上記のオプショナルパラメータフィールド55に設定する情報(オプショナルパラメータ)を拡張し、既存のパラメータ(「IPv4 Transport Address(0x0401)」,「Configuration(0x0402)」,「IPv6 Transport Address(0x0403)」)に加えて、「Session TYPE」(Session TYPE TLV),「Application TYPE」(Application TYPE TLV),「Session Name」(Session Name TLV)の各情報を設定可能としている。
このような拡張オプショナルパラメータをもつハローパケットを隣接LSR11間で交換することによって、確立するLDPセッションのアプリケーション及び/又は用途をハロー隣接確立時に明示的に指定することが可能となる。
<7>「イニシャライゼーション(Initialization Message)」の拡張例1
次に、図9に「イニシャライゼーションメッセージ」の拡張例1を示す。この図9に示すように、「イニシャライゼーション」には、メッセージ種別〔この場合は“Initialization(0x0200)”〕を示すメッセージ種別フィールド61,当該メッセージの長さ(Message Length)を示すメッセージ長フィールド62,メッセージIDフィールド63,共通セッションパラメータ(Common Session Parameters)TLVフィールド64及びオプショナルパラメータフィールド65が用意されている。
また、図10に示すように、上記共通セッションパラメータTLVフィールド64には、さらに、パラメータ種別(共通セッションパラメータ)を示すフィールド641,当該共通セッションパラメータTLVフィールド64の長さ(フィールド長)を設定する長さフィールド642,プロトコルバージョンフィールド643,キープアライブタイム(Keep Alive Time)フィールド644及び受信側LDP識別子(Receiver LDP Identifier)フィールド645が用意されている。
そして、本実施形態では、この図10に示すように、当該共通セッションパラメータTLVフィールド64に、「セッションタイプ(Session TYPE)」フィールド646,「アプリケーションタイプ(Application TYPE)」フィールド647及び「セッション名(Session Name)」フィールド648を追加定義し、「セッションタイプ」,「アプリケーションタイプ」,「セッション名」の各情報を設定可能としている。
このような拡張コモンセッションパラメータをもつイニシャライゼーションメッセージを隣接LSR11間で交換することによって、確立するLDPセッションのアプリケーション及び/又は用途をLDPセッション確立時に明示的に指定することが可能となる。
<8>「イニシャライゼーションメッセージ」の拡張例2
なお、確立するLDPセッションのアプリケーション及び又は用途を明示的に指定するのにイニシャライゼーションメッセージを用いる場合、そのオプショナルパラメータを拡張してもよい。即ち、オプショナルパラメータとして、既存のパラメータ(「ATM Session Parameters(0x0501)」,「Frame Relay Session(0x0502)」等)に加えて、前記の「Session TYPE」(Session TYPE TLV),「Application TYPE」(Application TYPE TLV),「Session Name」(Session Name TLV)の各情報を設定可能とする。
このようにしても、確立するLDPセッションのアプリケーション及び/又は用途をLDPセッション確立時に明示的に指定することが可能となる。
以上のようにして、同一隣接LSR11間で、同じラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することを可能となるとともに、そのLDPセッションの用途及び/又はアプリケーションを明示的に指定(識別)することが可能となる。
▲3▼次に、本実施形態では、プロビジョニング情報(Provisioning Information)をLDPメッセージで送受信することにより、リモート側の情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出できるようにもなっている。ここで、当該プロビジョニング情報は、既存メッセージ(例えば、イニシャライゼーションメッセージ)に新規TLVとして追加しても良いし、メッセージ自体を新しく定義しても良い。ただし、追加/変更の可能性が高い情報については、新規メッセージ又はアドレスメッセージを用いるのが望ましい。これにより、プロビジョニングの誤りによるMPLS及びアプリケーションの誤動作を事前にチェックでき、防止することができる。
その具体例を以下の<9>,<10>,<11>,<12>に示す。なお、かかる機能も、ラベル配付用シグナリング処理部118の機能拡張によって実現されている。
<9>「プロビジョニング情報(Provisioning Information)TLV」の新規定義例
図11に、「プロビジョニング情報TLV」の新規定義例を示す。この図11に示すように、「プロビジョニング情報TLV」には、TLV種別(この場合は「プロビジョニング情報」)を示すTLV種別フィールド71,本「プロビジョニング情報TLV」の長さを示すTLV長(Length)フィールド72,プロビジョニングパラメータ(Provisioning Parameter)フィールド73が用意され、プロビジョニングパラメータとして、図12に示すようなフォーマットを有する「PWパラメータ(Pseudo Wire Parameter)TLV」を複数設定できるようになっている。
なお、この図12に示すように、「PWパラメータTLV」には、さらに、TLV種別(この場合は「PWパラメータ」)を示すTLV種別フィールド731,当該TLV長を示すTLV長フィールド732及び「PW FEC TLV」フィールド733を用意し、複数の「PW FEC TLV」(前述した「Martini」ドラフトで定義されている)の設定が可能になっている。
このような「プロビジョニング情報TLV」を隣接LSR11間で交換することにより、PW単位で、相手(リモート)側のプロビジョニング情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出することが可能となる。つまり、本実施形態のラベル配付用シグナリング処理部118は、LDPのエンティティに関するプロビジョニング情報をLDPメッセージに付加して隣接LSRとの間で交換するプロビジョニング情報交換処理部としての機能も果たしていることになる。
<10>「イニシャライゼーションメッセージ」の拡張例
なお、プロビジョニング情報の交換にイニシャライゼーションメッセージを用いる場合には、例えば、そのオプショナルパラメータ(図9参照)を拡張して、既存のパラメータ(「ATM Session Parameters(0x0501)」,「Frame Relay Session(0x0502)」等)及び前記の「セッションタイプ」(セッションタイプTLV),「アプリケーションタイプ」(アプリケーションタイプTLV),「セッション名」(セッション名TLV)に加えて、さらに「プロビジョニング情報」(「プロビジョニング情報TLV」の各情報を設定可能とする。
このような拡張オプショナルパラメータをもつイニシャライゼーションメッセージを隣接LSR11間で交換することによって、LDPセッション確立の際に事前に、相手(リモート)側のプロビジョニング情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出することが可能となる。
<11>「プロビジョニングメッセージ」の新規追加例
次に、プロビジョニング情報を交換するための専用のメッセージ(プロビジョニングメッセージ)を新規に追加定義する(ラベル配付用シグナリング処理部118で生成する)場合は、例えば図13に示すようなフォーマットとする。即ち、このプロビジョニングメッセージには、メッセージ種別(この場合は「プロビジョニング」)を示すメッセージ種別フィールド81,当該メッセージの長さを示すメッセージ長フィールド82,メッセージIDフィールド83及びプロビジョニング情報TLVフィールド84を用意し、当該フィールド84に自LSR11のプロビジョニング情報(プロビジョニング情報TLV)を設定することにより、隣接LSR11間でのプロビジョニング情報を交換することが可能となる。
<12>「アドレスメッセージ(Address Message)」の拡張例
次に、LDPのアドレスメッセージ(LDP確立後に交換されるメッセージ)を用いてプロビジョニング情報の交換を行なう場合は、例えば図14に示すように、メッセージ種別(この場合は「アドレス(Address)」を表示)を示すメッセージ種別フィールド91,当該メッセージの長さを示すメッセージ長フィールド92,メッセージIDフィールド93,アドレスリスト(Address List)TLVフィールド94,オプショナルパラメータフィールド95を有するアドレスメッセージの当該オプショナルパラメータフィールド95に設定すべきパラメータを拡張し、プロビジョニング情報として「プロビジョニング情報TLV」を設定可能とする。
これにより、LDPセッション確立後においても、適宜に、相手(リモート)側のプロビジョニング情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出することが可能となる。なお、上記プロビジョニング情報の交換はイニシャライゼーションメッセージ及びアドレスメッセージのいずれか一方を用いて行なっても良いし、双方を用いて行なっても良い。
▲4▼次に、上記の項目▲1▼及び▲2▼により前述したように追加定義したTLVを使用して、隣接LSR11の該当するアプリケーション及び/又は用途に対するLDPセッションを明示的に正しく設定するとともに、リモート側のプロビジョニング情報を自動入手〔又は削除(撤回)〕することにより、当該情報のプロビジョニングを不要とする手法について、図15に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、ここでは、「Martini」ドラフトに対する拡張を例にして、ハロー隣接の自動検出の方法を説明する。
図15に示すように、まず、MPLS網1に接続する「Martini」ドラフトによるMPLS L2 VPNを実装した隣接PE11間〔LSR#1(能動)、LSR#2(受動)とする〕で、互いのラベル配付用シグナリング処理部118の機能により、ハローメッセージを交換する(ステップS1)。その際、項目<1>,<2>により前述したように当該ハローメッセージのLDP識別子又はLDP PDUを拡張してセッションIDを付与しておくことで、LSR#1−LSR#2間で複数のLDPセッションを明示的に指定・識別することが可能となる。なお、当該セッションIDは、隣接LSR#1,LSR#2において、図15中に示す全てのメッセージに付与しておくことで、同一ラベル空間を使用する複数のLDPセッションの確立が可能となる。
また、項目<3>,<4>,<5>,<6>により前述したように、上記ハローメッセージに、「セッションタイプTLV」及び/又は「アプリケーションタイプTLV」及び/又は「セッション名TLV」を付与しておくことにより、確立するLDPセッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途を明示的に指定・識別することが可能となり、アプリケーション及び/又はその用途を明示したハロー隣接を正しく確立することが可能となる(ステップS2)。
さらには、上記ハローメッセージ交換前に、ラベル配付用シグナリング処理部118の機能(予め隣接LSRとの間にトンネルLSPを設定するトンネルLSP設定部としての機能)により、隣接LSR(PE)11間でフルメッシュのLSP(トンネルLSP)を通常のLSPで設定して隣接LSR11間を論理的に直接接続し(これにより、トンネルLSPを使用して基本ディスカバリメカニズムを使用することが可能となる)、上記ハローメッセージに、項目<3>,<4>,<5>により前述した「セッションタイプTLV」及び/又は「アプリケーションタイプTLV」及び/又は「セッション名TLV」を付与し、宛先アドレスをマルチキャスト(224.0.0.2)としたハローメッセージを互いに送信(基本ディスカバリ)することにより、リモート側の「Martini」方式を処理するLDPエンティティのアドレスを自動検出することが可能となる。
さて、上述のごとくハロー隣接が確立すると、隣接LSR#1−LSR#2間では、次に、TCPメッセージの交換(ステップS3〜S5)により、トランスポートコネクションを確立し(ステップS6)、互いのラベル配付用シグナリング処理部118の機能により、イニシャライゼーションメッセージの交換を行なう(ステップS7,S8)。その際、当該イニシャライゼーションメッセージを、項目<3>,<4>,<5>,<7>,<8>により前述したように拡張しておくことで、当該フェーズにおいても、当該LDPセッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途を明示的に指定・識別することが可能となる。
また、上記イニシャライゼーションメッセージに、項目<9>,<10>により前述したように、「プロビジョニングTLV」を追加してプロビジョニング情報を交換することにより、MPLS処理部115において、リモート側のプロビジョニング情報を入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、プロビジョニング情報のアンマッチをチェックアウトして保守者等に通知することが可能となる。また、リモート側のアドレス設定も不要となる。なお、MPLS処理部115において、プロビジョニング情報のアンマッチが検出された場合、その後の処理は続行しても良いし、中止しても良い。また、交換する情報によっては、アドレスメッセージに新TLVを追加することで対応しても良い。
さらに、項目<11>にて前述したようにプロビジョニングメッセージを新たに追加定義して「プロビジョニング情報TLV」を追加した当該プロビジョニングメッセージをLDPセッション確立後に隣接LSR#1−LSR#2間で交換することにより、LDPセッション確立後にも、リモート側のプロビジョニング情報を入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、プロビジョニング情報のアンマッチをチェックアウトして保守者等に通知することが可能となる。なお、この場合も、その後の処理は続行しても良いし、中止しても良い。
さて、上記イニシャライゼーションメッセージの交換により、隣接LSR#1−LSR2が、それぞれ、当該イニシャライゼーションメッセージのセッションパラメータを許容すると、以後、キープアライブメッセージを定期的に発行して自己が正常に動作していることをリモート側に通知する(ステップS11,S12)。以上により、隣接LSR#1−LSR#2間で、同一ラベル空間を使用した複数のLDPセッションが、当該セッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途で正しく確立される。
その後、隣接LSR#1−LSR#2は、MPLSパケット(ラベル付きパケット)のフォワーディンングデシジョンに使用するLDPピアのアドレスをアドレスメッセージによって交換する(ステップS14)が、その際、項目<12>にて前述したようにアドレスメッセージを拡張して新TLVを追加することで、イニシャライゼーションメッセージを利用した場合と同様に、リモート側のプロビジョニング情報を入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、プロビジョニング情報のアンマッチをチェックアウトして保守者等に通知することが可能となる。なお、この場合も、アンマッチが検出された後の処理は続行しても良いし、中止しても良い。また、当該セッション中で変更されない情報については、イニシャライゼーションメッセージに「プロビジョニング情報TLV」を追加して対応しても良い。
そして、隣接LSR#1−LSR#2は、互いに受信したアドレスメッセージの情報内容に基づいてラベルマッピングメッセージを送受してラベル配付(ラベルマッピング)を行なう(ステップS15,S16)。これにより、以降、各LSR#1,LSR#2において、配付されたラベルを付加されたMPLSパケットのフォワーディングが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、同一隣接LSR間で、同じラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することが可能となり、また、その用途(アプリケーション)を明示的に示すことが可能となるので、LDPセッションを誤りなく接続して、誤プロビジョニング及びそれによるセッションの誤接続をセッション確立時に早期に検出することができる。
また、プロビジョニングの誤りによるMPLS及びアプリケーションの誤動作を防止し、さらに、リモート側LSRに関するプロビジョニング情報を自動検出し、リモート側情報のプロビジョニングを無くし(あるいは減らし)て、プロビジョニングミスによる誤接続または誤動作を削減することもできる。
したがって、MPLS及び/又はGMPLS及び/又は前者を拡張したプロトコルを実装した装置(パケット中継装置/TDM中継装置/光波長中継装置等)で構成したネットワークにおいて、MPLS及び/又はGMPLS及び/又は前者を拡張したプロトコルを使用したアプリケーションを実現する場合のネットワーク設計の容易化,柔軟性向上及び保守/運用/管理効率などの向上が期待できる。
また、ブリッジをベースとした装置にMPLS(例えば、「Martini」方式)を実装する場合など、実装コストやハードウェアの制約等の面から、機能的に制限をもつ装置同士または機能的に制限をもつ装置と汎用的に機能を装備した装置との間の相互接続性の向上に効果が大きい。
図1は本発明の一実施形態としてのMPLS網(ラベルスイッチネットワーク)の構成を示す図で、この図1に示すMPLS網1は、MPLS機能をサポートする複数のラベルスイッチノードとしてのLSR11がメッシュ状に相互に接続されて構築されている。そして、このMPLS網1には、外部網2,3,4を構成する通常のルータ(又は、ブリッジ)21,31,41を介して当該外部網2,3,4と接続されている。なお、外部網2,3,4〔ルータ(又は、ブリッジ)21,31,41〕との接続部分に位置するLSR11は特にLER(Label Edge Router)(IP−VPNでのPEに相当する)と呼ばれ、それ以外のLSR11がコアLSRと呼ばれる。
このようなネットワーク構成において、本実施形態では、(1)同一隣接LSR11間で複数のLDPセッションの確立を可能とするとともに、(2)LDPセッションのアプリケーション及び/又は用途を明確に識別できるようにし、また、(3)LSR11のプロビジョニング情報の自動検出を可能とし、プロビジョニング情報の誤りによる誤配線(誤接続)及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出できるようになっている。
このため、本実施形態のLSR11は、それぞれ、その要部に着目すると、例えば図2に示すように、MPLS L2 VPNアプリケーション部111,トラヒックエンジニアリングアプリケーション部112,CL/NMSインタフェース部113,プロビジョニング情報管理部114,MPLS処理部115,IPルーティング処理部116,トポロジー情報管理部117,ラベル配付用シグナリング処理部118,ラベル管理部119,MACフィルタリングデータベース処理部120,ラベルスイッチング処理部121,スイッチ制御部122及び回線インタフェース部123などをそなえて構成されている。なお、この図2において、実線で示すラインはこれらの機能ブロック間のインタフェースを表し、点線矢印で示すラインは当該機能ブロック間のデータ参照(アクセス)経路を表している。
ここで、MPLS L2 VPNアプリケーション部111は、プロビジョニング情報管理部114が管理するプロビジョニング情報(Provisioning Information)に従って、MPLS処理部115に対して、必要に応じてラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、トンネルLSPの確立/解放、PW LSPの確立/解放及び当該トンネルLSPとPW LSPとのマッピング及び/又は当該PW LSPとアタッチメントサーキットとのマッピング等を指示するためのもので、本実施形態では、以下のような機能拡張を行なっている。
(1)ラベル配付用シグナリング(LDP)のセッションの確立指示時に当該セッションを識別するためのセッション識別情報(セッションID)を付加する。本セッションIDは当該アプリケーション部111で自動生成しても良いし、プロビジョニング(プロビジョニング情報管理部114で管理)しても良い。
(2)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にリモート側のプロビジョニング情報の取得指示を追加する。
(3)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にリモート側装置のプロビジョニング情報と当該装置のプロビジョニング情報のチェック指示を追加する。さらに、チェック結果にしたがって、当該セッションの確立/解放を判断する。
また、トラヒックエンジニアリングアプリケーション部112は、プロビジョニング情報管理部114が管理するプロビジョニング情報に従って、MPLS処理部115に対して、必要に応じてラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、負荷分散用LSPの確立/解放、負荷分散パラメータの指示(マッピングする複数のLSP,負荷分散上限閾値,負荷分散上限閾値等)を行なうためのもので、本実施形態では、ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にセッションIDを付加できるよう機能拡張している。なお、本セッションIDも当該アプリケーション部112で自動生成しても良いし、プロビジョニングしても良い。
さらに、CL/NMSインタフェース部113は、CL(コマンドライン)及び/又はNMS(ネットワーク管理システム)とのインタフェースを司るもので、ここでは、プロビジョニング情報管理部114と連携して、管理情報の設定及び表示等を行なう機能を有している。また、プロビジョニング情報管理部114は、このCL/NMSインタフェース部113からの指示に従い、プロビジョニング情報を設定/表示すると共に当該プロビジョニング情報を各機能ブロックに対して参照可能とするものである。なお、リモート側プロビジョニング情報に関しては、対応機能ブロックからの設定も可能としても良い(管理対象としても良い)。
MPLS処理部115は、各種アプリケーション(ここでは、MPLS L2 VPNアプリケーション部111及びトラヒックエンジニアリングアプリケーション部112)からの指示に従い、ラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放をラベル配付用シグナリング処理部118に指示し、又は、リモート側LSRからのラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放要求を、ラベル配付用シグナリング処理部118を経由して受信するものである。また、当該LSPの確立/解放及びアプリケーションからの指示パラメータに従って、ラベルスイッチング処理部121に対して、ラベルフォワーディングテーブルの設定/変更/解放等を指示する機能も有する。
つまり、このMPLS処理部115は、後述するラベル配付用シグナリング処理部118経由で隣接LSRから受信するラベル配付用シグナリングメッセージ(LDPメッセージ)に応じて必要なLDPセッションの確立を制御するセッション確立制御部としての機能を果たすものである。ただし、本実施形態においては、下記のような機能拡張も行なっている。
(1)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にセッションIDを付加する。
(2)ラベル配付用シグナリングのセッションの確立指示時にリモート(相手)側装置(LSR)のプロビジョニング情報の取得指示を追加する。
(3)上記リモート側装置のプロビジョニング情報を必要に応じてチェックし、その結果を指定アプリケーションに通知し、その後の指示を仰ぐ。
次に、IPルーティング処理部116は、トポロジー情報管理部117と連携して、IPルーティングプロトコルを実行することにより、ネットワーク1の動的なトポロジー情報を維持するものであり、トポロジー情報管理部117は、当該IPルーチング処理部116と連携して、ネットワークの動的なトポロジー情報を維持・管理するとともに、当該トポロジー情報及びその変化を必要な機能ブロックに対して提供するものである。
ラベル配付用シグナリング処理部(ラベル配付プロトコル処理部)118は、MPLS処理部115からの指示により、ラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放を実施するとともに、リモート側装置からのラベル配付用シグナリングのセッションの確立/解放、各種LSPの確立/解放要求をMPLS処理部115に通知し、その後の処理の指示を仰ぐもので、ここでは、LDPメッセージを拡張して、上記セッションIDや、確立するLDPセッションのアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示する情報(セッションタイプ情報)、プロビジョニング情報等を付与・交換できるように種々の機能拡張(LDPの拡張:詳細は後述)を行なっている。
ラベル管理部119は、上記ラベル配付用シグナリング処理部118に対して自装置が割り当てるラベルの空塞管理機能を提供するものであり、MAC(Media Access Control)フィルタリングデータベース処理部120は、プロビジョニング情報管理部114及び回線インタフェース処理部123(#1〜#m:mは自然数)と連携して、MACフィルタリングデータベースの原本を管理し、各回線インタフェース処理部123に対して、必要なMACフィルタリングデータベースを提供するとともにスイッチ制御部122に対して、必要なスイッチングを指示するためのものである。
ラベルスイッチング処理部121は、MPLS処理部115からの指示に従い、ラベルフォワーディングテーブルの原本を管理し、各回線インタフェース処理部123に対して、必要なラベルフォワーディングテーブルを提供するとともにスイッチ制御部122に対して、必要なスイッチングを指示するためのものである。
スイッチ制御部122は、MACフィルタリングデータベース処理部120及びラベルスイッチング処理部121からの指示に従い、各回線インタフェース処理部123及び自装置内の必要な機能ブロックとのスイッチングを行なうためのものであり、回線インタフェース処理部123は、それぞれ、1以上の回線(#1〜#n)を収容し、MACフィルタリングデータベース処理部120及びラベルスイッチング処理部121からの指示に従い、MACフィルタリングデータベース/ラベルフォワーディングテーブル(図示省略)を参照することによるフレームの送受信を行なうものである。
次に、以下では、上述した各種機能拡張の具体例について詳述する。
▲1▼まず、同一隣接LSR11間で複数のLDPセッションの確立を可能とするために、LDP(RFC3036)を拡張する。その具体例としては、以下の<1>及び<2>に示す方式が考えられる。
<1>LDP識別子の拡張(変更)
LDP PDUのフォーマットは変えずに、LDP識別子を拡張(変更)し、セッション識別情報(セッションID)により同一隣接LSR11間の複数のLDPセッションを識別可能とする。
この場合、LDP識別子は、RFC3036では、「LSR ID」(4オクテットで構成されるLSRを識別するグローバルな値)と、「Label space ID」(2ビットで構成されるラベル空間を識別するための値で、“0”で「platform−wide」ラベル空間、“1”で「per interface」ラベル空間を表し、“3”,“4”はリザーブを表す)とで構成されるが、14ビットで構成される「Session ID」を新たに定義し、「platform−wide」ラベル空間ではセッション番号、「per interface」ラベル空間では最初の10ビットを「Interface ID」、残りをセッション番号として表示する。
<2>LDP PDUの拡張
例えば図3に示すように、LDP PDUのフォーマットにセッション(Session)IDフィールド12を新たに追加定義する。
▲2▼また、確立するLDPセッションのアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するTLVをLDPメッセージ(例えば、ハローメッセージ)に追加することにより、ハロー隣接確立時にそのセッションのアプリケーション及び/又は用途を隣接LSR11間で交換して、正しくセッションを確立し、誤接続を防止する(なお、当該TLVはイニシャライゼーションメッセージに追加しても良い)。
具体的には、セッションのタイプ又は用途を示す「セッションタイプ(Session TYPE)TLV」及び/又はこのセッションを使用するアプリケーションのタイプを示す「アプリケーションタイプ(Application TYPE)TLV」及び/又はこのセッションの名前を示す「セッション名(Session name)TLV」を新しく定義し(これらのTLVを「セッションタイプ情報」と総称する)、例えば、ハローメッセージ又はイニシャライゼーションメッセージにより当該TLVを(ラベル配付用シグナリング処理部118を通じて)送受信し、一致する場合だけハロー隣接又はLDPセッションを確立する。ただし、「Session name TLV」については、これを保守運用面でだけで使用する場合は、この限りではない。
つまり、本実施形態のラベル配付用シグナリング処理部118は、LDPメッセージとしてのハローメッセージに「セッションタイプ情報」を付加することにより、隣接LSRとの間のハロー隣接確立時に当該情報を交換するハローメッセージ処理部としての機能を有していることになる。
また、イニシャライゼーションメッセージの共通パラメータTLV(Common Session Parameters TLV)でセッションのタイプ又は用途を示す「セッションタイプ」及び/又は当該セッションを使用するアプリケーションのタイプを示す「Application TYPE」及び/又は当該セッションの名前を示す「Session name」パラメータを新しく定義して、上記パラメータを送受信し、一致する場合だけハロー隣接又はLDPセッションを確立するようにすることもできる。ただし、「Session name TLV」については、これを保守運用面でだけで使用する場合は、この限りではない。
つまり、この場合、ラベル配付用シグナリング処理部118は、LDPメッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに「セッションタイプ情報」を付加することにより、隣接LSRとの間のハロー隣接確立時に当該情報を交換するイニシャライゼーションメッセージ処理部としての機能を有していることになる。
なお、以上のメッセージはトンネルLSP中で送受信しても良いし、IP経路で送受信しても良い。
以下に、上記メッセージ、TLV、パラメータの追加、変更例を示す。
<3>「セッションタイプ(Session TYPE)TLV」の新規定義例
図4に「セッションタイプTLV」の新規定義例を示す。この図4に示すように、「セッションタイプTLV」には、TLVの種別を表示する「TLV種別」フィールド21,「長さ(Length)」フィールド22及び「セッションタイプ(Session TYPE)」フィールド23を用意し、「TLV種別」フィールド21には当該TLVの種別(この場合は「セッションタイプTYPE」)タイプを示す情報、「長さ(Length)」フィールド22には当該TLVの長さを示す情報、「セッションタイプ(Session TYPE)」フィールド23には、設定するセッションのタイプを示す情報をそれぞれ設定する。
例えば、“0”で通常のLDPセッション(basic ldp session)、“1”で制御メッセージ交換用のLSPのためのLDPセッション(ldp session for control message)、“2”でデータ交換用のLSPのためのLDPセッション(ldp session for data plane message)を表すものとする(他はリザーブとする)。なお、「Session TYPE」は図4に示すようにサポートするタイプを複数設定することが可能である。
<4>「アプリケーションタイプ(Application TYPE)TLV」の新規定義例
次に、図5に「アプリケーションタイプTLV」の新規定義例を示す。この図5に示すように、「アプリケーションTLV」には、「TLV種別」フィールド31,「長さ(Length)」フィールド32及び「アプリケーションタイプ」フィールド33を用意し、「TLV種別」フィールド31には当該TLVの種別(この場合は「アプリケーション」)を示す情報、「長さ(Length)」フィールド32には当該TLVの長さを示す情報、「アプリケーションタイプ」フィールド33には、設定するセッションのタイプを示す情報をそれぞれ設定する。
例えば、“0”で“unknown”、“1”でトラフィックエンジニアリングセッション、“2”で「Martini L2 VPN」セッションをそれぞれ表すものとする(他はリザーブとする)。なお、本「Application TYPE」も図5に示すようにサポートするタイプを複数設定することが可能である。
<5>「セッション名(Session Name)TLV」の新規定義例
図6は「セッション名TLV」の新規定義例を示す図で、この図6に示すように、「セッション名TLV」には、TLV種別フィールド41,「長さ(Length)」フィールド42及び「Session Name」フィールド43を用意し、「Session Name TLV」フィールド41には当該TLVのタイプ(この場合は「Session Name」)を示す「TLV種別」)を示す情報、「長さ(Length)」フィールド42には設定するセッションを示す情報(キャラクタ列)を設定する。
<6>「ハローメッセージ」の拡張例
次に、図7及び図8に「ハローメッセージ(Hello Message)」の拡張例を示す。これらの図7及び図8に示すように、「ハローメッセージ」には、メッセージ種別〔この場合はHello(0x0100)〕を示すメッセージ種別フィールド51,当該メッセージの長さ(Message Length)を示すメッセージ長フィールド52,メッセージIDフィールド53,共通ハローパラメータ(Common Hello Parameters)TLVフィールド54及びオプショナルパラメータフィールド55が用意されており、さらに、共通ハローパラメータTLVフィールド54には、パラメータ種別(共通ハローパラメータ)を示すフィールド541,当該共通ハローパラメータTLVフィールド54の長さ(フィールド長)を設定する長さフィールド542及び保持時間(Hold Time)フィールド543等が用意されている。
そして、本実施形態では、上記のオプショナルパラメータフィールド55に設定する情報(オプショナルパラメータ)を拡張し、既存のパラメータ(「IPv4 Transport Address(0x0401)」,「Configuration(0x0402)」,「IPv6 Transport Address(0x0403)」)に加えて、「Session TYPE」(Session TYPE TLV),「Application TYPE」(Application TYPE TLV),「Session Name」(Session Name TLV)の各情報を設定可能としている。
このような拡張オプショナルパラメータをもつハローパケットを隣接LSR11間で交換することによって、確立するLDPセッションのアプリケーション及び/又は用途をハロー隣接確立時に明示的に指定することが可能となる。
<7>「イニシャライゼーション(Initialization Message)」の拡張例1
次に、図9に「イニシャライゼーションメッセージ」の拡張例1を示す。この図9に示すように、「イニシャライゼーション」には、メッセージ種別〔この場合は“Initialization(0x0200)”〕を示すメッセージ種別フィールド61,当該メッセージの長さ(Message Length)を示すメッセージ長フィールド62,メッセージIDフィールド63,共通セッションパラメータ(Common Session Parameters)TLVフィールド64及びオプショナルパラメータフィールド65が用意されている。
また、図10に示すように、上記共通セッションパラメータTLVフィールド64には、さらに、パラメータ種別(共通セッションパラメータ)を示すフィールド641,当該共通セッションパラメータTLVフィールド64の長さ(フィールド長)を設定する長さフィールド642,プロトコルバージョンフィールド643,キープアライブタイム(Keep Alive Time)フィールド644及び受信側LDP識別子(Receiver LDP Identifier)フィールド645が用意されている。
そして、本実施形態では、この図10に示すように、当該共通セッションパラメータTLVフィールド64に、「セッションタイプ(Session TYPE)」フィールド646,「アプリケーションタイプ(Application TYPE)」フィールド647及び「セッション名(Session Name)」フィールド648を追加定義し、「セッションタイプ」,「アプリケーションタイプ」,「セッション名」の各情報を設定可能としている。
このような拡張コモンセッションパラメータをもつイニシャライゼーションメッセージを隣接LSR11間で交換することによって、確立するLDPセッションのアプリケーション及び/又は用途をLDPセッション確立時に明示的に指定することが可能となる。
<8>「イニシャライゼーションメッセージ」の拡張例2
なお、確立するLDPセッションのアプリケーション及び又は用途を明示的に指定するのにイニシャライゼーションメッセージを用いる場合、そのオプショナルパラメータを拡張してもよい。即ち、オプショナルパラメータとして、既存のパラメータ(「ATM Session Parameters(0x0501)」,「Frame Relay Session(0x0502)」等)に加えて、前記の「Session TYPE」(Session TYPE TLV),「Application TYPE」(Application TYPE TLV),「Session Name」(Session Name TLV)の各情報を設定可能とする。
このようにしても、確立するLDPセッションのアプリケーション及び/又は用途をLDPセッション確立時に明示的に指定することが可能となる。
以上のようにして、同一隣接LSR11間で、同じラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することを可能となるとともに、そのLDPセッションの用途及び/又はアプリケーションを明示的に指定(識別)することが可能となる。
▲3▼次に、本実施形態では、プロビジョニング情報(Provisioning Information)をLDPメッセージで送受信することにより、リモート側の情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出できるようにもなっている。ここで、当該プロビジョニング情報は、既存メッセージ(例えば、イニシャライゼーションメッセージ)に新規TLVとして追加しても良いし、メッセージ自体を新しく定義しても良い。ただし、追加/変更の可能性が高い情報については、新規メッセージ又はアドレスメッセージを用いるのが望ましい。これにより、プロビジョニングの誤りによるMPLS及びアプリケーションの誤動作を事前にチェックでき、防止することができる。
その具体例を以下の<9>,<10>,<11>,<12>に示す。なお、かかる機能も、ラベル配付用シグナリング処理部118の機能拡張によって実現されている。
<9>「プロビジョニング情報(Provisioning Information)TLV」の新規定義例
図11に、「プロビジョニング情報TLV」の新規定義例を示す。この図11に示すように、「プロビジョニング情報TLV」には、TLV種別(この場合は「プロビジョニング情報」)を示すTLV種別フィールド71,本「プロビジョニング情報TLV」の長さを示すTLV長(Length)フィールド72,プロビジョニングパラメータ(Provisioning Parameter)フィールド73が用意され、プロビジョニングパラメータとして、図12に示すようなフォーマットを有する「PWパラメータ(Pseudo Wire Parameter)TLV」を複数設定できるようになっている。
なお、この図12に示すように、「PWパラメータTLV」には、さらに、TLV種別(この場合は「PWパラメータ」)を示すTLV種別フィールド731,当該TLV長を示すTLV長フィールド732及び「PW FEC TLV」フィールド733を用意し、複数の「PW FEC TLV」(前述した「Martini」ドラフトで定義されている)の設定が可能になっている。
このような「プロビジョニング情報TLV」を隣接LSR11間で交換することにより、PW単位で、相手(リモート)側のプロビジョニング情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出することが可能となる。つまり、本実施形態のラベル配付用シグナリング処理部118は、LDPのエンティティに関するプロビジョニング情報をLDPメッセージに付加して隣接LSRとの間で交換するプロビジョニング情報交換処理部としての機能も果たしていることになる。
<10>「イニシャライゼーションメッセージ」の拡張例
なお、プロビジョニング情報の交換にイニシャライゼーションメッセージを用いる場合には、例えば、そのオプショナルパラメータ(図9参照)を拡張して、既存のパラメータ(「ATM Session Parameters(0x0501)」,「Frame Relay Session(0x0502)」等)及び前記の「セッションタイプ」(セッションタイプTLV),「アプリケーションタイプ」(アプリケーションタイプTLV),「セッション名」(セッション名TLV)に加えて、さらに「プロビジョニング情報」(「プロビジョニング情報TLV」の各情報を設定可能とする。
このような拡張オプショナルパラメータをもつイニシャライゼーションメッセージを隣接LSR11間で交換することによって、LDPセッション確立の際に事前に、相手(リモート)側のプロビジョニング情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出することが可能となる。
<11>「プロビジョニングメッセージ」の新規追加例
次に、プロビジョニング情報を交換するための専用のメッセージ(プロビジョニングメッセージ)を新規に追加定義する(ラベル配付用シグナリング処理部118で生成する)場合は、例えば図13に示すようなフォーマットとする。即ち、このプロビジョニングメッセージには、メッセージ種別(この場合は「プロビジョニング」)を示すメッセージ種別フィールド81,当該メッセージの長さを示すメッセージ長フィールド82,メッセージIDフィールド83及びプロビジョニング情報TLVフィールド84を用意し、当該フィールド84に自LSR11のプロビジョニング情報(プロビジョニング情報TLV)を設定することにより、隣接LSR11間でのプロビジョニング情報を交換することが可能となる。
<12>「アドレスメッセージ(Address Message)」の拡張例
次に、LDPのアドレスメッセージ(LDP確立後に交換されるメッセージ)を用いてプロビジョニング情報の交換を行なう場合は、例えば図14に示すように、メッセージ種別(この場合は「アドレス(Address)」を表示)を示すメッセージ種別フィールド91,当該メッセージの長さを示すメッセージ長フィールド92,メッセージIDフィールド93,アドレスリスト(Address List)TLVフィールド94,オプショナルパラメータフィールド95を有するアドレスメッセージの当該オプショナルパラメータフィールド95に設定すべきパラメータを拡張し、プロビジョニング情報として「プロビジョニング情報TLV」を設定可能とする。
これにより、LDPセッション確立後においても、適宜に、相手(リモート)側のプロビジョニング情報を自動的に入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、誤配線及び/又はプロビジョニング情報の設定ミスを検出することが可能となる。なお、上記プロビジョニング情報の交換はイニシャライゼーションメッセージ及びアドレスメッセージのいずれか一方を用いて行なっても良いし、双方を用いて行なっても良い。
▲4▼次に、上記の項目▲1▼及び▲2▼により前述したように追加定義したTLVを使用して、隣接LSR11の該当するアプリケーション及び/又は用途に対するLDPセッションを明示的に正しく設定するとともに、リモート側のプロビジョニング情報を自動入手〔又は削除(撤回)〕することにより、当該情報のプロビジョニングを不要とする手法について、図15に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、ここでは、「Martini」ドラフトに対する拡張を例にして、ハロー隣接の自動検出の方法を説明する。
図15に示すように、まず、MPLS網1に接続する「Martini」ドラフトによるMPLS L2 VPNを実装した隣接PE11間〔LSR#1(能動)、LSR#2(受動)とする〕で、互いのラベル配付用シグナリング処理部118の機能により、ハローメッセージを交換する(ステップS1)。その際、項目<1>,<2>により前述したように当該ハローメッセージのLDP識別子又はLDP PDUを拡張してセッションIDを付与しておくことで、LSR#1−LSR#2間で複数のLDPセッションを明示的に指定・識別することが可能となる。なお、当該セッションIDは、隣接LSR#1,LSR#2において、図15中に示す全てのメッセージに付与しておくことで、同一ラベル空間を使用する複数のLDPセッションの確立が可能となる。
また、項目<3>,<4>,<5>,<6>により前述したように、上記ハローメッセージに、「セッションタイプTLV」及び/又は「アプリケーションタイプTLV」及び/又は「セッション名TLV」を付与しておくことにより、確立するLDPセッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途を明示的に指定・識別することが可能となり、アプリケーション及び/又はその用途を明示したハロー隣接を正しく確立することが可能となる(ステップS2)。
さらには、上記ハローメッセージ交換前に、ラベル配付用シグナリング処理部118の機能(予め隣接LSRとの間にトンネルLSPを設定するトンネルLSP設定部としての機能)により、隣接LSR(PE)11間でフルメッシュのLSP(トンネルLSP)を通常のLSPで設定して隣接LSR11間を論理的に直接接続し(これにより、トンネルLSPを使用して基本ディスカバリメカニズムを使用することが可能となる)、上記ハローメッセージに、項目<3>,<4>,<5>により前述した「セッションタイプTLV」及び/又は「アプリケーションタイプTLV」及び/又は「セッション名TLV」を付与し、宛先アドレスをマルチキャスト(224.0.0.2)としたハローメッセージを互いに送信(基本ディスカバリ)することにより、リモート側の「Martini」方式を処理するLDPエンティティのアドレスを自動検出することが可能となる。
さて、上述のごとくハロー隣接が確立すると、隣接LSR#1−LSR#2間では、次に、TCPメッセージの交換(ステップS3〜S5)により、トランスポートコネクションを確立し(ステップS6)、互いのラベル配付用シグナリング処理部118の機能により、イニシャライゼーションメッセージの交換を行なう(ステップS7,S8)。その際、当該イニシャライゼーションメッセージを、項目<3>,<4>,<5>,<7>,<8>により前述したように拡張しておくことで、当該フェーズにおいても、当該LDPセッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途を明示的に指定・識別することが可能となる。
また、上記イニシャライゼーションメッセージに、項目<9>,<10>により前述したように、「プロビジョニングTLV」を追加してプロビジョニング情報を交換することにより、MPLS処理部115において、リモート側のプロビジョニング情報を入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、プロビジョニング情報のアンマッチをチェックアウトして保守者等に通知することが可能となる。また、リモート側のアドレス設定も不要となる。なお、MPLS処理部115において、プロビジョニング情報のアンマッチが検出された場合、その後の処理は続行しても良いし、中止しても良い。また、交換する情報によっては、アドレスメッセージに新TLVを追加することで対応しても良い。
さらに、項目<11>にて前述したようにプロビジョニングメッセージを新たに追加定義して「プロビジョニング情報TLV」を追加した当該プロビジョニングメッセージをLDPセッション確立後に隣接LSR#1−LSR#2間で交換することにより、LDPセッション確立後にも、リモート側のプロビジョニング情報を入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、プロビジョニング情報のアンマッチをチェックアウトして保守者等に通知することが可能となる。なお、この場合も、その後の処理は続行しても良いし、中止しても良い。
さて、上記イニシャライゼーションメッセージの交換により、隣接LSR#1−LSR2が、それぞれ、当該イニシャライゼーションメッセージのセッションパラメータを許容すると、以後、キープアライブメッセージを定期的に発行して自己が正常に動作していることをリモート側に通知する(ステップS11,S12)。以上により、隣接LSR#1−LSR#2間で、同一ラベル空間を使用した複数のLDPセッションが、当該セッションを使用するアプリケーション及び/又はその用途で正しく確立される。
その後、隣接LSR#1−LSR#2は、MPLSパケット(ラベル付きパケット)のフォワーディンングデシジョンに使用するLDPピアのアドレスをアドレスメッセージによって交換する(ステップS14)が、その際、項目<12>にて前述したようにアドレスメッセージを拡張して新TLVを追加することで、イニシャライゼーションメッセージを利用した場合と同様に、リモート側のプロビジョニング情報を入手〔又は削除(撤回)〕するとともに、プロビジョニング情報のアンマッチをチェックアウトして保守者等に通知することが可能となる。なお、この場合も、アンマッチが検出された後の処理は続行しても良いし、中止しても良い。また、当該セッション中で変更されない情報については、イニシャライゼーションメッセージに「プロビジョニング情報TLV」を追加して対応しても良い。
そして、隣接LSR#1−LSR#2は、互いに受信したアドレスメッセージの情報内容に基づいてラベルマッピングメッセージを送受してラベル配付(ラベルマッピング)を行なう(ステップS15,S16)。これにより、以降、各LSR#1,LSR#2において、配付されたラベルを付加されたMPLSパケットのフォワーディングが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、同一隣接LSR間で、同じラベル空間を使用したLDPセッションを複数設定することが可能となり、また、その用途(アプリケーション)を明示的に示すことが可能となるので、LDPセッションを誤りなく接続して、誤プロビジョニング及びそれによるセッションの誤接続をセッション確立時に早期に検出することができる。
また、プロビジョニングの誤りによるMPLS及びアプリケーションの誤動作を防止し、さらに、リモート側LSRに関するプロビジョニング情報を自動検出し、リモート側情報のプロビジョニングを無くし(あるいは減らし)て、プロビジョニングミスによる誤接続または誤動作を削減することもできる。
したがって、MPLS及び/又はGMPLS及び/又は前者を拡張したプロトコルを実装した装置(パケット中継装置/TDM中継装置/光波長中継装置等)で構成したネットワークにおいて、MPLS及び/又はGMPLS及び/又は前者を拡張したプロトコルを使用したアプリケーションを実現する場合のネットワーク設計の容易化,柔軟性向上及び保守/運用/管理効率などの向上が期待できる。
また、ブリッジをベースとした装置にMPLS(例えば、「Martini」方式)を実装する場合など、実装コストやハードウェアの制約等の面から、機能的に制限をもつ装置同士または機能的に制限をもつ装置と汎用的に機能を装備した装置との間の相互接続性の向上に効果が大きい。
以上のように、本発明によれば、ラベルスイッチネットワークの設計の容易化,柔軟性向上及び保守/運用/管理効率などの向上が期待できるとともに、機能的に制限をもつ装置同士または機能的に制限をもつ装置と汎用的に機能を装備した装置との間の相互接続性の向上が期待できるので、ネットワーク通信分野において極めて有用であると考えられる。
Claims (16)
- 所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、
該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報を付加して該メッセージの送受を行ない、
同一隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッション識別情報に基づいて、該同一隣接ラベルスイッチノード間に同一ラベル空間で使用する複数セッションを確立することを特徴とする、ラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法。 - 所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、
該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、該隣接ラベルスイッチノード間で確立すべきセッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報を付加して該メッセージの送受を行ない、
該隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノード間に該セッションタイプ情報に応じた該セッションを確立することを特徴とする、ラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法。 - 所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有する複数のラベルスイッチノードをそなえて成るラベルスイッチネットワークにおいて、
該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノード間で送受されるメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報と、当該セッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報とを付加して該メッセージの送受を行ない、
該同一隣接ラベルスイッチノードが、それぞれ、該セッション識別情報及び該セッションタイプ情報に基づいて、該同一隣接ラベルスイッチノード間に同一ラベル空間で使用する、該セッションタイプ情報に応じた複数のセッションを確立することを特徴とする、ラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法。 - 該メッセージとしてのハローメッセージに該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノード間のハロー隣接確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノード間で交換することを特徴とする、請求の範囲第2項又は第3項に記載のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法。
- 該メッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに、該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノード間のセッション確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノード間で交換することを特徴とする、請求の範囲第2項又は第3項に記載のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法。
- 隣接ラベルスイッチノード間で該セッションを確立する際に、該ラベル配付プロトコルのエンティティに関するプロビジョニング情報を該メッセージに付加して交換することを特徴とする、請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のラベルスイッチネットワークにおけるセッション確立方法。
- 所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するラベルスイッチノードであって、
該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、同一隣接ラベルスイッチノード間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報を付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、
該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッション識別情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に同一ラベル空間で使用する複数セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴とする、ラベルスイッチノード。 - 所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するラベルスイッチノードであって、
該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、該隣接ラベルスイッチノードとの間で確立すべきセッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報を付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、
該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に該セッションタイプ情報に応じた該セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴とする、ラベルスイッチノード。 - 所定のラベル配付プロトコルにより配付されたラベル情報に従って受信パケットをルーティングする機能を有するラベルスイッチノードであって、
該ラベル配付プロトコルにより隣接ラベルスイッチノードとの間で送受すべきメッセージに、該隣接ラベルスイッチノードとの間に確立すべきセッションを識別するセッション識別情報と、当該セッションを使用するアプリケーション及びその用途のいずれか一方又は双方を明示するセッションタイプ情報とを付加して該メッセージの送受を行なうラベル配付プロトコル処理部と、
該ラベル配付プロトコル処理部で該隣接ラベルスイッチノードから受信した該ラベル配付プロトコルのメッセージに付加されたセッション識別情報及びセッションタイプ情報に基づいて、該隣接ラベルスイッチノードとの間に同一ラベル空間で使用する、該セッションタイプ情報に応じた複数セッションの確立を制御するセッション確立制御部とをそなえたことを特徴とする、ラベルスイッチノード。 - 該ラベル配付プロトコル処理部が、
該ラベル配付プロトコルの該メッセージとしてのハローメッセージに該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノードとの間のハロー隣接確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノードとの間で交換するハローメッセージ処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第8項又は第9項に記載のラベルスイッチノード。 - 該ラベル配付プロトコル処理部が、
該ラベル配付プロトコルの該メッセージとしてのイニシャライゼーションメッセージに、該セッションタイプ情報を付加することにより、該隣接ラベルスイッチノードとの間のセッション確立時に該セッションタイプ情報を該隣接ラベルスイッチノードとの間で交換するイニシャライゼーションメッセージ処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第8項又は第9項に記載のラベルスイッチノード。 - 該ラベル配付プロトコル処理部が、
該ラベル配付プロトコルのエンティティに関するプロビジョニング情報を該メッセージに付加して交換するプロビジョニング情報交換処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第7項〜第9項のいずれか1項に記載のラベルスイッチノード。 - 該ラベル配付プロトコル処理部が、
該隣接ラベルスイッチノードとの間で該セッション確立制御部により該セッションを確立する際に、予め当該隣接ラベルスイッチノードとの間にトンネルラベルスイッチパスを設定するトンネルラベルスイッチパス設定部をそなえ、
該プロビジョニング情報交換処理部が、
該トンネルラベルスイッチパス設定部により設定された該トンネルラベルスイッチパスを通じて該プロビジョニング情報の付加された該メッセージを交換するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第12項に記載のラベルスイッチノード。 - 該プロビジョニング情報交換処理部が、
該隣接ラベルスイッチノード間で該ラベル配付プロトコルに従って送受するイニシャライゼーションメッセージ及びアドレスメッセージのいずれか一方又は双方に、該プロビジョニング情報を転送するTLV(Type/Length/Value)を追加するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第12項又は第13項に記載のラベルスイッチノード。 - 該プロビジョニング情報交換処理部が、
該ラベル配付プロトコルにおいて新規に定義した該プロビジョニング情報の転送用のメッセージを交換するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第12項又は第13項に記載のラベルスイッチノード。 - 該プロビジョニング情報交換処理部が、
該ラベル配付プロトコルにおいて新規に定義した該プロビジョニング情報の撤回用のメッセージを交換するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第12項又は第13項に記載のラベルスイッチノード。
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