JP3859055B2 - 電源システム、電源システムの発電方法及び電源システムを用いたネットワークサービス提供方法 - Google Patents

電源システム、電源システムの発電方法及び電源システムを用いたネットワークサービス提供方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源システムにおける電気エネルギーの発生のために用いられる発電用燃料の品質保証方法、及び、該電源システムを用いたネットワークサービス提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、民生用や産業用のあらゆる分野において、様々な化学電池が使用されている。例えば、アルカリ乾電池やマンガン乾電池等の一次電池は、時計やカメラ、玩具、携帯型の音響機器等に多用されており、我が国に限らず、世界的な観点からも最も生産数量が多く、安価かつ入手が容易という特徴を有している。
【0003】
一方、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池は、近年普及が著しい携帯電話や携帯情報端末(PDA)、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の携帯機器に多用されており、繰り返し充放電ができることから経済性に優れた特徴を有している。また、二次電池のうち、鉛蓄電池は、車両や船舶の起動用電源、あるいは、産業設備や医療設備における非常用電源等として利用されている。
【0004】
ところで、近年、環境問題やエネルギー問題への関心の高まりに伴い、上述したような化学電池の使用後の廃棄に関する問題やエネルギー変換効率の問題がクローズアップされている。
特に、一次電池においては、上述したように、製品価格が安価で入手が容易なうえ、電源として利用する機器も多く、しかも、基本的に一度放電されると電池容量を回復することができない、一回限りの利用(いわゆる、使い捨て)しかできないため、年間の廃棄量が数百万トンに上っている。ここで、化学電池全体では、リサイクルにより回収される比率は、概ね20%程度に過ぎず、残りの80%程度が自然界に投棄又は埋め立て処理されている、とする統計資料もあり、このような未回収の電池に含まれる水銀やインジウム等の重金属による環境破壊や、自然環境の美観の悪化が懸念されている。
【0005】
また、エネルギー資源の利用効率の観点から上記化学電池を検証すると、一次電池においては、放電可能エネルギーの概ね300倍のエネルギーを使用して生産されているため、エネルギー利用効率が1%にも満たない。これに対して、繰り返し充放電が可能で経済性に優れた二次電池であっても、家庭用電源(コンセント)等から充電を行う場合、発電所における発電効率や送電損失等により、エネルギー利用効率が概ね12%程度にまで低下してしまうため、必ずしもエネルギー資源の有効利用が図られているとは言えなかった。
【0006】
そこで、近年、環境への影響が少なく、かつ、30〜40%程度の極めて高いエネルギー利用効率を実現することができる、いわゆる、燃料電池が注目され、車両用の駆動電源や家庭用のコジェネレーションシステム等への適用を目的として、あるいは、上述したような化学電池の代替えを目的として、実用化のための研究、開発が盛んに行われている。なお、燃料電池の具体的な構成等については、発明の詳細な説明において詳述する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、今後、燃料電池等のエネルギー利用効率が高い電源システムを小型軽量化して、可搬型又は携帯型のポータブル電源、例えば、上述したような化学電池の代替え(互換品)として市場で流通させるためには、様々な問題を解決する必要がある。
【0008】
具体的には、例えば、化学電池においては、基本的に正極及び負極の端子を負荷に接続するだけで、所定の電圧及び電流が供給されて負荷を駆動することができるのに対して、燃料電池等においては、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電器としての機能を有している。したがって、少なくとも発電用燃料を継続的に供給、あるいは、繰り返し補充(充填)すること等により、所望の電気エネルギーを長期にわたって発生、出力することができるという特徴を有している。なお、上述したような可搬型又はポータブル型の独立した電源システムにおいては、発電用燃料を繰り返し補充する構成又は手法が現実的と考えられている。
【0009】
例えば、既存の化学電池との互換性(すなわち、既存の化学電池と同等の電気的特性や物理形状)を有し、かつ、発電用燃料の繰り返し補充(具体的には、発電用燃料が充填されたカートリッジ等の交換)により、電気エネルギーを継続的に発生する新しい電源システムを市場に普及させる場合、供給される発電用燃料の品質や安全性等を確保することは、消費者(利用者)の利益保護の観点から、また、関連業界や市場の健全かつ信頼性の高い発展を実現する観点からも極めて重要な課題となる。
【0010】
すなわち、新たな電源システムの市場が開拓された直後においては、複数の企業等による当該市場への参入や、互換製品の出現が不可避であるが、この場合、適正かつ高品質の製品(この場合では、発電用燃料又は発電用燃料が充填されたカートリッジ、発電部)に紛れて廉価かつ低品質の粗悪品が流通することにより、商品の安全性や信頼性等が損なわれて、消費者の利益が害されたり、関連業界や市場の健全な発展が阻害されたりするという問題を有している。
【0011】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、燃料電池等のエネルギー利用効率が高い電源システムをポータブル電源に適用して市場に普及させる際に、適正かつ高品質の製品を確実に消費者に供給して、安全かつ信頼性の高い発電システム、電源システムの発電方法を提供するとともに、該電源システムを用いたネットワークサービス提供方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電源システムは、所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、発電モジュールに供給するための発電用燃料が封入された燃料封入部と、を備え、発電モジュールは、発電モジュールに装着された燃料封入部の所定の位置に設けられた認証情報を読み取る読取手段と、読み取られた認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、認証判別手段による判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、出力制御手段により電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、有し、燃料封入部に設けられた所定の認証情報の判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生状態を切り換え制御することを特徴としている。
【0013】
すなわち、液体又は気体からなる発電用燃料が充填、封入された燃料封入部(燃料パック)と、該発電用燃料から供給される特定の成分(例えば、水素)を用いて発電を行う発電モジュール(発電器)を備え、燃料封入部が着脱可能に構成されたポータブル型の電源システムにおいて、燃料封入部に設けられた所定の認証情報に基づいて、該燃料封入部が適正な製造者(企業や関連業界)により提供されたものであって、かつ、封入された発電用燃料の品質が保証されたもの(適正品)であるか否かが判別され、その結果に応じて、発電モジュールにおける電気エネルギーの発生状態(発電状態)が決定されるように構成されている。
【0014】
これにより、適正な製造者により提供され、品質の高い発電用燃料が封入された燃料封入部を、発電モジュールに装着した場合にのみ、電気エネルギーが発生されて、所定の負荷を駆動することができ、不正な製造者により提供され、品質が保証されない(あるいは、低い)発電用燃料が封入された燃料封入部(不正品)を、発電モジュールに装着した場合には、電気エネルギーが発生されないので、不適正な燃料封入部が市場に普及することを防止して、消費者に安全かつ信頼性の高い電源システム(発電用燃料)を提供することができるとともに、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0015】
ここで、上記電源システムに適用される一構成として、発電モジュールが、燃料封入部の所定の位置に設けられた認証情報を読み取る読取手段と、該読み取られた認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、該判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、を有するものであ
【0016】
すなわち、発電モジュールに燃料封入部が装着されると、読取手段により認証情報が読み取られ、該認証情報に基づいて、認証判別手段により該燃料封入部が適正品であるか不正品であるかが判定される。そして、認証判別手段により装着された燃料封入部が不正品と判別された場合には、出力制御手段により発電手段における電気エネルギーの発生(発電)が禁止される。この場合、本発明に係る電源システムが搭載される機器は、必ずしも通信機能を備えた情報機器である必要はなく、可搬型の動作電源を必要とするあらゆる種類の電気・電子機器に適用される。
【0017】
これにより、仮に、不適正な燃料封入部が市場に出回ったとしても、該燃料封入部(発電用燃料)によっては、発電が行われず、市場での流通が実質的に阻止されることになり、消費者が不適正な製品を入手する機会が低減して、適正かつ品質が保証された発電用燃料による発電を行うことができるので、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の信頼性を維持して、健全な市場を構成することができる。
【0018】
また、上記電源システムに適用される他の構成として、電源システムが、発電モジュール及び燃料封入部とは離間して、所定の電気通信回線に接続された情報処理部を備えたものであって、発電モジュールが、燃料封入部の所定の位置に設けられた認証情報を読み取る読取手段と、所定の電気通信回線を介して、読み取られた認証情報を情報処理部に送信するとともに、情報処理部から伝送される認証情報に関する判別結果を受信する制御を行う伝送制御手段と、受信された判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、を有し、かつ、情報処理部が、発電モジュールから送信された認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、を有するように構成されたものであってもよい。
【0019】
すなわち、発電モジュールに燃料封入部が装着されると、読取手段により認証情報が読み取られ、伝送制御手段により発電モジュール及び燃料封入部が接続(又は、搭載)される情報機器に備えられた通信機能を動作制御して、読み取った認証情報を所定の電気通信回線に接続された情報処理部(ホストコンピュータ)に伝送し、該情報処理部において該燃料封入部が適正品であるか不正品であるかが判定されて、その判別結果が、上記電気通信回線を介して再び発電モジュールに伝送される。そして、装着された燃料封入部が不正品と判別された場合には、出力制御手段により発電手段における電気エネルギーの発生(発電)が禁止される。
【0020】
これにより、発電モジュール内に認証判別手段を備えることがないので、認証処理ための基本情報(認証基本情報)が発電モジュールから漏洩したり、盗用されることがなく、市場における不適正な燃料封入部の流通を阻止することができる。また、認証基本情報を情報機器から離間して設置された情報処理部側で集中管理することができるので、不正な認証情報が設けられた燃料封入部が市場に出回った場合であっても、情報処理部側で、該不正な認証情報を排除するような暗号化形式(暗号化鍵や復号化鍵)や認証基本情報等を適宜変更設定することができ、不適正な燃料パックによる被害(消費者の利益や電源システムの安全性の損失、業界や市場の信頼性の失墜等)を最小限に抑制することができる。
【0021】
さらに、上記電源システムの具体的な他の構成として、発電モジュールが、燃料封入部に封入された発電用燃料の残量を検出する残量検出手段を有するものであって、認証判別手段が、燃料封入部に設けられた認証情報及び発電用燃料の残量を関連付けて記憶し、該記憶された認証情報及び発電用燃料の残量と、新たに発電モジュールに装着された燃料封入部に設けられた認証情報及び発電用燃料の残量とを比較して、燃料封入部が適正品であるか否かを判別するものであってもよい。
【0022】
この場合、認証判別手段は、記憶された認証情報と、新たに発電モジュールに装着された燃料封入部に設けられた認証情報が一致するとともに、該認証情報に関連付けて記憶された発電用燃料の残量と、新たに発電モジュールに装着された燃料封入部に封入された発電用燃料の残量が一致するか、又は、新たに装着された燃料封入部に封入された発電用燃料の残量の方が少ない場合にのみ、燃料封入部が適正品であると判別するようにしてもよい。
【0023】
これにより、適正な認証コードが設けられた燃料封入部を、発電用燃料の使用途中で、消費者等の何らかの正当な(悪意のない)理由により、発電モジュールから分離した場合であっても、認証情報と発電用燃料の増減に基づいて、燃料封入部の適正な使用であると判別して、電気エネルギーを発生することができるので、消費者等の使用形態に対応した使い勝手の良い電源システムを提供することができる。
【0024】
なお、本発明に係る電源システムに適用される上記認証情報は、少なくとも、燃料封入部及び該燃料封入部に封入された発電用燃料の品質を保証し、証明する情報を含むように設定されている。
これにより、関連業界等により安全性や品質が保証された適正な発電用燃料が封入された燃料封入部が、発電モジュールに装着されたときにのみ、該発電用燃料の品質を保証し、証明する認証情報が読み取られ、認証され、電気エネルギーの発生が許可されるので、安全性や品質が保証されていない不適正な発電用燃料による発電を禁止して、電源システムの安全性や信頼性を確保することができ、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の信頼性の維持を図ることができる。
【0025】
また、上記認証情報は、少なくとも、燃料封入部の各々に固有の番号情報を含むように設定されていてもよく、この場合、認証判別手段は、読取手段により読み取られた、燃料封入部に設けられた認証情報に含まれる番号情報を記憶し、該記憶された製造番号情報と、新たに発電モジュールに装着された燃料封入部に設けられた認証情報に含まれる番号情報が不一致の場合に、燃料封入部が適正品であると判別するものであってもよい。
【0026】
すなわち、市場に供給される全ての燃料封入部に、各々異なる固有の番号情報(製造シリアル番号)を含む認証情報が設けられ、該燃料封入部が発電モジュールに装着されると、番号情報が該発電モジュールに履歴情報として記憶され、以後、新たに装着される燃料封入部に設けられた認証情報(番号情報)について、履歴情報と比較されて、同一の番号情報を有する燃料封入部を不正品と判別して、電気エネルギーの発生が禁止される。
【0027】
これにより、発電モジュールに不適正な燃料封入部が装着された場合だけでなく、適正な燃料封入部であって、発電用燃料の使用後に不適正な発電用燃料が再封入された燃料封入部が装着された場合であっても、該燃料封入部を不正品と判別し、発電動作を禁止することができ、燃料封入部の不正使用を排除することができるので、不正品による被害(情報機器の動作異常や故障等の発生、消費者利益の損失、関連業界や市場の信頼性の失墜等)を良好に防止又は抑制することができる。
【0028】
特に、当該履歴情報を所定の通信回線に接続されたホストコンピュータ内に記憶、保持することにより、市場における燃料封入部の使用状態を一括管理することができるので、不適正な燃料封入部が市場に出回った場合には、その事実を直ちに発見することができ、市場への被害を抑制する対策を迅速に講じることができる。
【0029】
さらに、上記認証情報は、少なくとも、発電モジュールの使用行為を許諾する識別情報、あるいは、所定の電気通信回線に接続し、所望の電子情報の送受信を行うための固有の識別情報を含んでいるものであってもよい。
すなわち、認証情報として、発電モジュールの使用許諾権に関する識別情報(使用許諾権情報)、又は、電気通信回線(ネットワーク)を介した電子情報の送受信サービスの利用権に関する識別情報(ネットワークサービス利用権情報)を含むように設定することにより、燃料封入部の販売時に、発電用燃料の売買行為としてではなく、発電モジュールの適正な使用を約束する使用許諾契約、又は、所定の電気通信回線への接続及び電子情報の送受信サービスの利用契約を締結する行為として、燃料パックが消費者に譲渡される。
【0030】
これにより、不適正な燃料封入部が発電モジュールに装着された場合には、燃料封入部に設けられた認証情報(識別情報)に基づいて、電気エネルギーの発生が禁止され、実質的に電源システムを搭載した情報機器の利用が不可能となるとともに、発電モジュールの使用許諾権又はネットワークサービス利用権を不当に侵害するものとして、訴訟の対象とすることができる。したがって、発電モジュール及び燃料封入部の不正な使用を技術的に阻止又は抑制することができるとともに、上述したような法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止することができるので、消費者に安全かつ信頼性の高い電源システムを提供しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0031】
さらに、上述した各電源システムの構成において、認証情報は、所定の暗号化形式により暗号化されているとともに、認証判別手段は、該暗号化された認証情報を復号化して、復号化された認証情報に基づいて、記燃料封入部が適正品であるか否かを判別するように構成されていることが好ましい。
これにより、市場に流通する燃料封入部の各々に、暗号化された認証情報(異なる認証コード)を設けて、本来の認証情報を秘密化することができるので、燃料封入部に設けられた暗号化された認証情報を模倣や盗用した不正な認証情報を設けた燃料封入部が市場に流通することを防止又は抑制することができる。
【0032】
ここで、上記暗号化された認証情報は、異なる複数の復号化鍵により復号化が可能であり、認証判別手段は、複数の復号化鍵のうちのいずれか一つを備え、該復号化鍵を用いて復号化された認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別するように構成されているものであってもよい。
すなわち、各々異なる復号化鍵を備えた複数種の発電モジュールが同時期に市場にランダムに流通し、どの復号化鍵を備えた発電モジュールによっても、適正な燃料封入部に設けられた、暗号化された認証情報のみが復号化されて、本来の認証情報に変換される。
【0033】
これにより、市場に流通している発電モジュールに備えられた復号化鍵の一つが解読され、該復号化鍵に対応した不正な認証情報を設けた燃料封入部が市場に出回った場合であっても、未だ解読されていない他の復号化鍵を備えた発電モジュールによっては、不正な認証情報を復号化して、電気エネルギーを発生することができないので、全ての発電モジュールにおける不適正な燃料封入部の利用を不可能として、実質的に市場での流通を阻止又は抑制して、市場から排除することができる。
【0034】
なお、上述した各電源システムにおいては、認証情報として、1次元的又は2次元的に形成された平面パターンにより構成されたものを適用することができる。これにより、バーコードや記号の羅列等の特定の平面パターンを燃料封入部の外面に印刷技術等を適用して簡易に設けることができるので、消耗品としての燃料封入部の構成を簡素化しつつ、安価な値段で市場に供給することができる。
【0035】
また、上述した各電源システムにおいては、認証情報として、3次元的に形成された立体パターンにより構成されたものを適用することができ、この場合、発電モジュールは、認証情報と係合する3次元的に形成された読取手段と、認証情報と読取手段が係合した場合にのみ、電気エネルギーの発生を許可する出力制御手段と、電気エネルギーの発生が許可された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、を有するように構成することができる。
【0036】
すなわち、認証情報としての立体パターンと読取手段とが3次元的に係合することにより、発電モジュールに装着された燃料封入部が適正品と判別されるとともに、電気エネルギーが発生されるように構成されているので、認証情報の読取手段として光学式や磁気式、電気式等の複雑かつ高価な構成を必要とせず、簡易かつ安価な値段で電源システムを提供することができる。
【0037】
ここで、上記立体パターンからなる認証情報としては、燃料封入部を発電モジュールに装着する際に、少なくとも、該立体パターンの一部が不可逆的に変形するように構成したものであってもよいし、例えば、燃料封入部が発電手段において電気エネルギーを発生する際に生成される副生成物を回収して保持する保持手段を備え、保持手段に副生成物が保持されることにより、少なくとも、立体パターンの一部が不可逆的に変形するように構成したものであってもよい。
【0038】
すなわち、燃料封入部が発電モジュールに装着される際に、あるいは、発電用燃料を用いた電気エネルギーの発生(発電)の進行に伴って、認証情報(燃料封入部)の一部が変形して、一旦、発電モジュールから分離した後は、該変形した箇所が障害となって、発電モジュールに再装着することが不可能となるように構成されている。
【0039】
これにより、適正な燃料封入部であって、発電用燃料の使用後、又は、使用途中で不適正な発電用燃料を再封入した燃料封入部を、発電モジュールに再装着する不正使用を物理的に防止して、電気エネルギーの発生を禁止することができるので、適正な燃料封入部のみが発電モジュールに装着されることになり、不正品による被害(情報機器の動作異常や故障等の発生、消費者利益の損失、関連業界や市場の信頼性の失墜等)を良好に防止又は抑制することができる。
【0040】
また、上記発電モジュールは、発電用燃料が直接的又は間接的に供給される燃料極と、空気中の酸素が供給される空気極と、を備え、燃料極及び空気極における電気化学反応により、電気エネルギーを発生するように構成されているものであってもよく、さらに、発電用燃料が直接的又は間接的に供給され、該発電用燃料の燃焼反応に基づいて、電気エネルギーを発生するように構成されているものであってもよい。
【0041】
すなわち、発電モジュール(各発電部)における電気エネルギーの発生方法(発電方法)は、発電用燃料を用いた電気化学反応によるもの、例えば、各発電部を構成する燃料極(カソード)に供給される発電用燃料(水素)と、空気極(アノード)に供給される酸素による電気化学反応により電気エネルギーを発生する燃料電池を良好に適用することができるし、発電用燃料を用いた燃焼反応によるもの、例えば、ガス燃焼型タービン発電器やゼーベック効果を利用した温度差発電器によるものを良好に適用することもできる。
これにより、汎用の化学電池に比較して、極めてエネルギー利用効率の高い燃料電池やガス燃焼型タービン発電器等の発電手段を適用することができるので、電気エネルギーの効率的な発生(発電)を行うことができ、エネルギー資源の消費量を削減して有効な利用を図ることができる。
【0042】
ここで、本発明に係る電源システムに用いる発電用燃料として、メタノールや天然ガス等の水素を含む燃焼性の液体(又は、液化)燃料又は気体燃料を適用し、発電部内で改質ガス化して、又は、直接発電に用いるものであってもよい。これにより、比較的簡易な構成で電気化学反応や燃焼反応を促進して、所望の電気エネルギーを発生することができるので、電源システムの小型化及びエネルギーの利用/変換効率の向上を図ることができる。
【0043】
なお、本発明に係る電源システムは、発電モジュールにより発生される電気エネルギーが、各種汎用の化学電池のうちの1種と同等の電気的特性を示すように構成され、さらに、燃料封入部及び発電モジュールを組み合わせた物理的外形形状が、汎用の化学電池のうちの1種の形状及び寸法と同等に構成されているものであってもよく、これによれば、電気的特性及び外形形状において、汎用の化学電池との互換性を有することになるので、極めてエネルギー変換効率の高い電源システムを既存の電池の市場に支障なく普及させることができる。
【0044】
本発明に係る電源システムを利用したネットワークサービス提供方法は、電気通信回線に接続して、所望の電子情報を送受信する通信機能を備えた情報機器に搭載される電源システムであって、該電源システムは、所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、を備え、発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられ、少なくとも、所定の電気通信回線を介して、所定の電子情報の提供サービスの利用を許諾する識別情報を含む認証情報を、読取手段により読み取るステップと、読み取られた認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別するステップと、燃料封入部が適正品であると判別された場合にのみ、電気エネルギーを発生するステップと、該電気エネルギーを用いて情報機器に備えられた通信機能を動作させるステップと、認証情報に含まれる識別情報に基づいて、電気通信回線に接続し、所望の電子情報の送受信を行うステップと、を含むことを特徴としている。
【0045】
すなわち、発電用燃料が封入された燃料封入部(燃料パック)と、該発電用燃料を用いて発電を行う発電モジュール(発電器)を備え、燃料封入部が着脱可能に構成されたポータブル型の電源システムであって、燃料封入部に設けられた認証情報に基づいて、発電モジュール内、又は、所定の電気通信回線(ネットワーク)に接続された情報処理部(ホストコンピュータ)内で、該燃料封入部が適正な製造者により提供され、かつ、品質の高い発電用燃料が封入された適正品であるか否かが認証、判別され、適正な燃料封入部が発電モジュールに装着された場合にのみ、電気エネルギーが発生されるとともに、該電気エネルギーにより情報機器に内蔵された通信機能が動作して、所定の電気通信回線(ネットワーク)への接続が可能となり、所望の電子情報を送受信するサービスを利用することができるように構成されている。
【0046】
これにより、不適正な燃料封入部が発電モジュールに装着された場合には、燃料封入部に設けられた認証情報(識別情報)に基づいて、電気エネルギーの発生が禁止され、実質的に電源システムを搭載した情報機器の利用が不可能となるとともに、発電モジュールのネットワークサービス利用権を不当に侵害するものとして、訴訟の対象とすることができる。したがって、発電モジュール及び燃料封入部の不正な使用を技術的に阻止又は抑制することができるとともに、権利侵害訴訟等の法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止することができるので、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0047】
また、消費者(ネットワークサービスの利用者)は、燃料封入部を購入する通常の消費行動により、所定のネットワークに接続し、所望の電子情報の送受信を行うサービスを利用するための識別情報(ネットワークサービスの利用許諾に関する権利情報)を得ることができ、該識別情報に基づいて、所定のネットワークに接続し、所望の電子情報を送受信するサービスを利用することができるので、該ネットワークサービスの利用に関して、直接的な利用料金の支払いの手間が省かれ、適正な燃料封入部による電気エネルギーの発生(発電)が行われている期間中、実質的に無料のネットワーク接続サービスを利用することができる。
【0048】
一方、関連業界又は企業等(電源システムの提供者)は、燃料封入部の販売行為のみで、特別な料金徴収行為を伴うことなく、ネットワークサービスの利用料を確実に徴収することができる課金システムを構築することができる。
したがって、情報機器において不可欠な動作電源である電源システムの供給サービス業務と、近年の情報技術(IT)の核であるネットワークサービスの提供業務とを融合した新たなビジネスの形態を提供することができる。
【0049】
ここで、上記発電モジュールは、前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、前記認証判別手段による判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、前記電気エネルギーを用いて前記情報機器に備えられた前記通信機能を動作させ、前記認証情報に含まれる前記電子情報提供サービスの利用を許諾する権利情報に基づいて、前記電気通信回線に接続する制御を行う伝送制御手段と、を有し、前記発電モジュールにより、前記一連のステップを実行するように構成されているものであってもよい。
【0050】
また、該電源システムは、前記発電モジュール及び前記燃料封入部とは離間して、前記電気通信回線に接続された情報処理部を備え、前記発電モジュールは、前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取る読取手段と、前記情報機器に備えられた前記通信機能を動作させ、少なくとも、前記読取手段により読み取られた認証情報を、前記電気通信回線を介して、前記情報処理部に送信するとともに、前記情報処理部から伝送される前記認証情報に関する判別結果を受信する制御を行う伝送制御手段と、前記受信された判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、を有し、前記情報処理部は、前記発電モジュールから送信された前記認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別して、前記判別結果を前記発電モジュールに送信する認証判別手段と、を有するように構成されているものであってもよい。
【0051】
なお、本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法に適用される上記認証情報は、所定の暗号化形式により暗号化されているとともに、認証判別手段は、前記暗号化された認証情報を復号化して、該復号化された認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別することが好ましい。
これにより、各燃料封入部に設けられ、所定のネットワークに接続し、所望の電子情報の送受信を行うサービスを利用するための識別情報(ネットワークサービスの利用許諾に関する権利情報)を含む認証情報、及び、該認証情報に対する認証、判別処理の結果の秘密性を高めることができるので、認証情報の認証、判別処理の際に当該情報が容易に盗用されることを防止して、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止することができ、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
また、本発明に係る電源システムは、
所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
を備え、
前記発電モジュールは、前記燃料封入部に設けられた1次元的又は2次元的に形成された平面パターンにより構成されている所定の認証情報の判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生状態を切り換え制御することを特徴とする。
また、本発明に係る電源システムは、
所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
を備え、
前記燃料封入部は、3次元的に形成された立体パターンにより構成される認証情報を有し、
前記発電モジュールは、前記認証情報と係合する3次元的に形成された読取手段と、前記認証情報と前記読取手段が係合した場合にのみ、前記電気エネルギーの発生を許可する出力制御手段と、前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る電源システムの発電方法は、
所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
を備え、
前記発電モジュールは、
前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取り、
前記読み取られた認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別し、
前記認証判別手段による判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行い、
前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生することを特徴とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電源システムについて、実施の形態を示して詳しく説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る電源システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【0053】
本実施形態に係る電源システムは、図1に示すように、大別して、発電用燃料が封入された燃料パック(燃料封入部)10と、該燃料パック10から供給される発電用燃料に基づいて発電を行う発電モジュール20と、燃料パック10及び発電モジュール20相互を着脱可能に結合するとともに、燃料パック10に封入された発電用燃料を発電モジュール20に供給するインターフェース部(以下、「I/F部」と略記する)15と、を備えて構成されている。
【0054】
以下、各構成について具体的に説明する。
(A)燃料パック10
燃料パック10は、その組成に水素を含有する液体(又は、液化)燃料又は気体燃料が、充填、封入された密閉性の高い燃料貯蔵容器であって、上記I/F部15を介して発電モジュール20に対して、着脱可能に結合された構成を有している。また、燃料パック10に封入された発電用燃料は、(燃料パック10が発電モジュール20に装着された状態でのみ)I/F部15及び出力制御部22を介して、発電部21において負荷(図示を省略)に出力される電気エネルギーを発生するために必要な所定の供給量が取り込まれる。
【0055】
ここで、燃料パック10は、上記燃料貯蔵容器としての機能を有しつつ、特定の環境下において、元来自然界に存在し、かつ、自然を構成する物質への分解又は変換が可能な材料により構成されていることが好ましい。
すなわち、燃料パック10は、発電モジュール20に対して着脱可能に構成されることにより、燃料パック10に封入された発電用燃料が減少した場合、あるいは、なくなった(空になった)場合には、該燃料パック10を取り外して、新たな燃料パック10に交換するような形態で使用されることになる。
【0056】
そのため、仮に、取り外された燃料パック10が自然界に投棄又は埋め立て処理された場合であっても、土壌中の微生物や酵素等の働き、あるいは、太陽光線の照射、雨水や大気等により、自然界に無害な物質(元来自然界に存在し、かつ、自然を構成する物質、例えば、水と二酸化炭素等)に変換される各種の分解反応、例えば、生分解性や光分解性、加水分解性、酸化分解性等の分解性を有し、かつ、封入される燃料との接触により、少なくとも短期間で分解される恐れがなく、また、封入される燃料を、少なくとも短期間で燃料としての利用が不可能となるほど変質させるものではなく、さらに、外的な物理的応力に対して十分な強度を有する特性を備えた高分子材料(プラスチック)により、燃料パック10を構成することが好ましい。
【0057】
また、燃料パック10は、人為的な加熱・焼却処理や薬品・化学処理等を行った場合であっても、有機塩素化合物(ダイオキシン類;ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン)や塩化水素ガス、重金属等の有害物質、環境汚染物質の発生が少ない、又は、抑制された材料により構成されているものであってもよい。
【0058】
なお、上述したように、市販の化学電池のリサイクルによる回収率は、僅か20%程度に過ぎず、残りの80%程度が自然界に投棄又は埋め立て処理されている現状を鑑みると、燃料パック10の材料としては、生分解性プラスチックを適用することが望ましく、具体的には、石油系又は植物系原料から合成される化学合成型の有機化合物を含む高分子材料(ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、共重合ポリエステル等)や、微生物産生型のバイオポリエステル、トウモロコシやサトウキビ等の植物系原料から抽出されるでんぷんやセルロース、キチン、キトサン等からなる天然物利用型の高分子材料等を良好に適用することができる。
【0059】
そして、このような構成を有する燃料パック10の所定の位置には、所定の表示形式により表示された認証コード(認証情報)11が設けられている。ここで、認証コード11は、燃料パック10がI/F部15を介して発電モジュール20に装着された状態で、発電モジュール20側に設けられる認証コード11の読取手段(後述するコード読取部)により読み取り可能な位置に設けられている必要があるので、認証コード11は、例えば、発電モジュール20との結合面、あるいは、その近傍に設けられていることが好ましい。
【0060】
この認証コード11は、該認証コード11が設けられた燃料パック10が、信頼できる製造者(関連業界や企業等)により提供され、かつ、安全性や品質が保証された適正な発電用燃料が封入された燃料パック10(適正な燃料パック)であるか否かを証明する情報を含むものであって、発電モジュール20側に設けられた認証コード11の読取手段(後述するコード読取部)及び認証判別手段(後述する認証判別部)により、後述する認証、判別処理を行う際に、識別情報としての役割を有している。また、認証コード11の具体的な態様としては、例えば、周知のバーコードやドットパターン、記号の羅列等の一次元又は二次元の平面パターンや、刻印、凹凸の配列等の三次元の立体パターンを適用することができる。
【0061】
この場合、平面パターンや立体パターンにより表示された認証コード11は、所定の暗号化形式により、適正な燃料パックを認証するための本来の識別情報である認証情報を暗号化したものであることが好ましい。
このような認証コードを用いることにより、例えば、単一の認証情報を暗号化して、燃料パック10の各々や所定数の燃料パック10毎に、あるいは、定期的又は不定期毎に、異なる認証コード(暗号化認証コード)を設けることができるので、適正な燃料パックを認証するための本来の認証情報に対して、高い秘密性を保持することができ、不適正な燃料パックの認証を防止、又は、抑制することができる。
【0062】
さらに、認証コード11の他の表示形式としては、上述した暗号化技術を用いることなく、例えば、上記適正な燃料パック10を提供する関連業界や企業等で定めた共通のロゴマークや社名等であって、著作権登録、商標登録、意匠登録等の知的所有権により保護されたものを適用してもよい。このような認証コードを用いることにより、認証コードのパターン自体を認証、判別する技術的な認証方法に加え、固有の知的所有権(法的効力)に基づいて、他人による認証コードの不正な模倣や使用等の悪用を法的に禁じることができるので、不良品や不正品(すなわち、他人により提供された品質が低く安全性が保証されない不適正な燃料パック)が市場に流通することを防止、又は、抑制する効果を期待することができる。
【0063】
なお、本実施形態に係る電源システムの燃料パックに封入される発電用燃料としては、少なくとも、上記燃料パック10が自然界に投棄又は埋め立て処理されて、大気中や土壌中、水中等に漏れ出した場合であっても、自然環境に対して汚染物質とならず、かつ、後述する発電モジュール20の発電部21において、高いエネルギー変換効率で電気エネルギーを発生することができる燃料、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールからなる液体燃料や、ジメチルエーテル、イソブタン、天然ガス(CNG)等の炭化水素からなる液化ガス、水素ガス等の常温、常圧下で気体である気体燃料を良好に適用することができる。
【0064】
このような構成を有する燃料パック10及び発電用燃料によれば、燃料パック10が分解性を有する高分子材料により構成され、かつ、発電用燃料として、自然界において、アルコールや炭化水素等の元来自然界に存在する無害な物質に分解しやすい物質を適用することにより、仮に、自然界に投棄又は埋め立て処理された場合や、人為的な焼却処分や薬品処理等された場合であっても、自然環境に対して大気や土壌、水質の汚染、あるいは、人体に対する環境ホルモンの生成等の悪影響を及ぼすことを大幅に抑制することができる。
また、単一の発電モジュール20に対して、新たな燃料パック10を交換して取り付けることができるので、汎用の化学電池と同様に、簡便な使用形態を提供することができる。
【0065】
(B)I/F部15
I/F部15は、燃料パック10及び発電モジュール20を着脱可能に結合するとともに、少なくとも、燃料パック10を発電モジュール20に装着した状態で、両者を強固に固定する物理的な構成を有し、燃料パック10又は発電モジュール20のいずれか一方、あるいは、双方に設けられるものであってもよいし、燃料パック10及び発電モジュール20とは別個独立して設けられるものであってもよい。
【0066】
また、I/F部15は、燃料パック10及び発電モジュール20がI/F部15を介して結合されている状態でのみ、燃料パック10から発電モジュール20に発電用燃料が供給される構成を有している。具体的には、I/F部15として、例えば、燃料パック10側に非可逆性又は可逆性の封密部が設けられ、一方、発電モジュール20側には封密解除部が設けられ、発電モジュール20との結合によってのみ燃料パックの封密が解除されて(破れて)発電用燃料が発電モジュールに供給される構成を適用することにより、発電モジュール20との結合前、あるいは、使用途中又は使用後(発電用燃料が燃料パック内に残っている状態)の結合解除(分離)時における燃料の漏出を防止することができ、より安全な電源システムを実現することができる。
【0067】
なお、I/F部15のうち、燃料パック10側に設けられる構成(例えば、封密部)は、上述した燃料パック10と同様に、少なくとも自然環境下において、分解性を示す生分解性プラスチック等の高分子材料により構成されていることが望ましい。これにより、I/F部15が設けられた燃料パック10が自然界に投棄又は埋め立て処理された場合であっても、自然環境に対する大気や土壌、水質の汚染、美観の悪化、あるいは、人体に対する環境ホルモンの生成等による悪影響を抑制することができる。
【0068】
(C)発電モジュール20
図2は、本実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図であり、図3は、本実施形態に係る発電モジュールに適用される発電部の具体構成例を示す概略構成図である。ここで、本実施形態に係る電源システムにおいては、発電モジュールを構成する発電部の例として、燃料改質方式を採用した固体高分子型の燃料電池の構成を示して説明する。また、燃料パックに設けられた認証コードが所定の暗号化形式により暗号化されている場合について説明する。
【0069】
発電モジュール20は、図1に示すように、少なくとも、燃料パック10から供給される発電用燃料を用いて、電源システムに接続された負荷(図示を省略)に対して、駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーを、電気化学反応や燃焼反応等により発生(発電)、出力する発電部(発電手段)21と、上記I/F部15を介して燃料パック10が装着される際に、燃料パック10に設けられた暗号化された認証コード(暗号化認証コード)11を読み取るコード読取部(読取手段)23と、読み取った認証コードに基づいて、装着された燃料パック10が適正品であるか否かを認証、判別する認証判別部(認証判別手段)24と、認証判別部24からの認証コードの判別結果に基づいて、発電部21における電気エネルギーの発生状態(発生許可/発生禁止)を制御する出力制御部(出力制御手段)22と、を有して構成されている。
【0070】
コード読取部23は、燃料パック10に設けられる認証コード11の表示形式に対応して、少なくとも、認証コード11に含まれる認証情報を読み取ることができる構成、例えば、認証コード11がバーコードやドットパターン、記号の羅列、刻印や凹凸の配列等の、一次元、二次元又は三次元のパターンにより表示されている場合には、光学式や磁気式、電気式等の読取装置を適用することができる。
【0071】
また、認証判別部24は、図2に示すように、コード読取部23により読み取られた認証コード(暗号化認証コード)を所定の復号化鍵により復号化する復号化部24aと、復号化された認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報と予め設定登録された認証処理の基準となる情報(認証基準情報)とを比較して、両者が同一であるか否かを判定する認証処理部24bと、該認証処理の結果に基づいて、上記認証コードが設けられた燃料パック10が適正であるか否かを判別して、該判別結果を燃料制御部22aに制御信号として出力する判別処理部24cと、を有して構成されている。ここで、本実施形態においては、上記燃料パック10に設けられる認証コード11として、適正な燃料パック10であることを証明する単一の認証情報が所定の暗号化形式(暗号化鍵)により暗号化され、この暗号化認証コードを復号化するための単一の復号化鍵が、予め上記復号化部24aに備えられているものとする。
【0072】
また、出力制御部22は、図1、図2に示すように、上記認証判別部24からの判別結果に基づいて、発電部21への発電用燃料の供給状態を制御する燃料制御部22aと、発電部21(発電部本体21a)への空気(酸素ガス)の供給量を制御する空気制御部22bと、を有して構成されている。すなわち、燃料制御部22aは、認証判別部24(判別処理部24c)から出力される、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であるか否かの判別結果に基づいて、発電部本体21aへの発電用燃料(水素ガス)の供給/遮断を切り換え設定する。
【0073】
さらに、発電部21は、燃料改質方式の固体高分子型燃料電池の構成を有し、図2に示すように、燃料制御部22aを介して供給される発電用燃料を改質して、発電用燃料に含有される水素成分をガス化する改質部21bと、改質部21bを介して供給される改質ガス(水素ガス)及び空気制御部22bを介して供給される酸素ガスを用いて、電気化学反応により所定の電気エネルギーを発生する発電部本体21aと、を有して構成されている。
【0074】
ここで、本実施形態においては、上記改質部21bは、メタノール等の水素を含む液体燃料(アルコール類)と水との混合物が、次の化学反応式(1)に示すような水蒸気改質反応(式中では、液体燃料としてメタノールを使用)を引き起こして、水素ガス(H)を生成する機能を有している。なお、この改質反応により生成される水素以外の微量の生成物(主に、CO)は、大気中に排出される。
CHOH+HO → 3H+CO ・・・(1)
なお、上記化学反応式(1)に示すような水蒸気改質反応は、一般に、200〜300℃程度の温度条件で促進される。
【0075】
また、発電部本体21aは、図3に示すように、大別して、例えば、白金や白金・ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる燃料極(カソード)31と、白金等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる空気極(アノード)32と、燃料極31と空気極32の間に介装されたフィルム状のイオン導電膜(交換膜)33と、を有して構成されている。ここで、燃料極31には、上述した改質部21bを介して抽出された水素ガス(H)が供給され、一方、空気極32には、大気中の酸素ガス(O)が供給されることにより、発電部本体21aにおいて電気化学反応により発電が行われ、負荷34に対して駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーが生成される。
【0076】
具体的には、燃料極31に水素ガス(H)が供給されると、次の化学反応式(2)に示すように、上記触媒により電子(e)が分離した水素イオン(プロトン;H)が発生し、イオン導電膜33を介して空気極32側に通過するとともに、燃料極31を構成する炭素電極により電子(e)が取り出されて負荷34に供給される。
3H → 6H+6e ・・・(2)
【0077】
一方、空気極32に空気が供給されると、次の化学反応式(3)に示すように、上記触媒により負荷34を経由した電子(e)とイオン導電膜33を通過した水素イオン(H)と空気中の酸素ガス(O)が反応して水(HO)が生成される。
6H+3/2O+6e → 3HO ・・・(3)
このような一連の電気化学反応((2)式及び(3)式)は、概ね60〜80℃の比較的低温の温度条件で進行し、電力以外の副生成物は基本的に水(HO)のみとなる。
【0078】
なお、上述したような電気化学反応により負荷34に供給される駆動電源(電圧/電流)は、発電部本体21aの燃料極31に供給される水素ガス(H)の量に依存する。したがって、燃料制御部22aによって、改質部21b及び発電部本体21aに供給される発電用燃料の量を制御することにより、負荷に供給される電気エネルギーを任意に調整することができる。
【0079】
また、上述した空気制御部22bは、発電部21(発電部本体21a)における単位時間当たりの酸素の最大消費量に相当する空気を供給することができるものであれば、発電部本体21aの空気極32に供給する酸素ガス(O)の量を制御することなく、動作時(定常状態)に常に供給するように設定されているものであってもよい。すなわち、出力制御部22は、電気化学反応の進行状態を燃料制御部22aのみで制御し、空気制御部22bの代わりに電気的制御を必要としない通気孔を設け、発電部21における電気化学反応に用いられる最低限以上の量の空気が通気孔を介して、常時供給されるように構成されているものであってもよい。
【0080】
次に、上述した構成を有する電源システムにおける動作制御について、図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、上述した電源システムの構成を適宜参照しながら説明する。
【0081】
上述したような構成を有する電源システムにおける動作制御は、図4に示すように、まず、発電モジュール20に暗号化された認証コード11が設けられた燃料パック10が、I/F部15を介して装着されると(S101)、発電モジュール20側に設けられたコード読取部23により認証コード11が読み取られる(S102)。
【0082】
次いで、発電モジュール20内の認証判別部24に設けられた復号化部24aにより、読み取られた認証コード11が所定の復号化鍵を用いて復号化され(S103)、さらに、認証処理部24bにより、予め設定登録された認証基準情報と、復号化された認証コードに含まれる認証情報とを比較して、両者が同一であるか否かを判定する認証処理を実行する(S104)。
【0083】
ここで、認証処理部24bにより、認証情報と認証基準情報が同一であると判定(認証)された場合には、判別処理部24cにより、発電モジュール20に装着された燃料パック10が、信頼できる製造者により提供され、かつ、品質が高く安全性が保証された適正な燃料パック(適正品)であると判別して(S105)、発電部21における電気エネルギーの発生を許可(発電を許可)する制御信号(発電許可信号)を燃料制御部22aに出力する(S106)。これにより、燃料制御部22aは、燃料パック10からの発電用燃料を発電部21(改質部21b、発電部本体21a)に供給するように切り換え設定され、発電部本体21aにおいて、上述した電気化学反応により所定の電気エネルギーを発生する発電動作が開始される(S107)。
【0084】
一方、上記ステップS104において、認証処理部24bにより、予め設定登録された認証基準情報と、復号化された認証コードに含まれる認証情報が同一でないと判定された場合には、判別処理部24cにより、発電モジュール20に装着された燃料パック10を、正規の製造者以外の他人により模造、提供された品質が低く安全性が保証されない不適正な燃料パック(不正品)であると判別して(S108)、発電部21における電気エネルギーの発生を禁止(発電を禁止)する制御信号(発電禁止信号)を燃料制御部22aに出力する(S109)。これにより、燃料制御部22aは、燃料パック10から発電部21(改質部21b、発電部本体21a)への発電用燃料を供給しない(遮断する)ように切り換え設定されるので、発電部本体21aにおいて、電気エネルギーの発生(発電動作)が行われない。
【0085】
以上の一連の動作制御処理は、発電モジュール20に燃料パック10が装着された直後自動的に、又は、燃料パック10が装着された後、最初に情報機器の電源投入操作が行われた際に、ステップS101〜S109が実行され、装着された燃料パック10が適正品であると判別された後には、該燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなるまで、情報機器の電源投入操作に応じて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が自動的に開始される。なお、上記一連の動作制御処理は、情報機器の電源投入操作毎に毎回、ステップS102〜S109を実行するものであってもよい。
【0086】
このように、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理によれば、燃料パック10に設けられた認証コード11(認証情報)を認証、判別することにより、発電モジュール20に適正な燃料パック10が装着された場合にのみ、該燃料パック10から発電部21に発電用燃料が供給されて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が行われ、一方、適正な燃料パックであることを証明する認証コードが設けられていない不適正な燃料パックが、発電モジュール20に装着された場合には、発電部21における発電動作が行われず、電気エネルギーが出力されないので、該電源システムを携帯端末等の情報機器に搭載した場合であっても、電源としての機能を果たさないようにすることができる。
【0087】
したがって、不適正な燃料パックが市場に出回った場合であっても、品質が低く安全性が保証されない発電用燃料が発電モジュール20に供給されることがないので、該発電用燃料を用いた発電動作の際に生じる可能性が高い事故や不具合により、消費者(利用者)が危険に晒されることがなく、また、情報機器等の動作異常や故障等の発生を未然に防止することができる。
また、不適正な燃料パックの利用が実質的に不可能となるので、そのような燃料パックが市場で流通することを阻止して、排除することができる。特に、認証コードとして、認証情報を暗号化技術を用いて暗号化した暗号化認証コードを適用することにより、認証コードの秘密性を保持することができるので、安易な模倣や盗用を防止して、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止又は抑制する効果を増大させることができる。
【0088】
これにより、消費者に対して、適正かつ品質が保証された信頼性の高い燃料パック(発電用燃料)を提供して、消費者の利益を保護することができるとともに、市場における該電源システムの信頼性を維持して、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0089】
次に、上述した実施形態において、燃料パックに設けられる認証コードとして、他の暗号化形式を適用した場合の構成例について、図面を参照して説明する。図5は、本発明に係る燃料パックに設けられる認証コードに適用される暗号化形式を示す概念図であり、図6は、不正な認証コードが設けられた燃料パックに対する普及抑制効果を説明するための概念図である。
【0090】
上述した実施形態においては、燃料パックに設けられる認証コードとして、単一の復号化鍵により復号化される暗号化認証コードを適用する場合について説明したが、本構成例においては、認証コードとして、複数の復号化鍵により復号化される暗号化認証コードを適用した構成を有している。
【0091】
具体的には、図5に示すように、本構成例においては、適正な燃料パックであることを証明する単一の認証情報11xが、所定の暗号化鍵CDにより暗号化され、暗号化認証コード11aとして燃料パック10の所定の位置に設けられて、消費者に提供される。
ここで、暗号化認証コード11aは、複数の異なる復号化鍵(ここでは、例えば、復号化鍵DCa、DCb、DCc、DCdの4種類)により、復号化が可能な暗号化形式により暗号化されている。
【0092】
一方、市場に流通している(又は、消費者が所有している)発電モジュール、あるいは、情報機器等に予め内蔵された発電モジュールには、上記暗号化認証コード11aに対する複数の復号化鍵DCa、DCb、DCc、DCdのうちのいずれかが備えられている。例えば、図5に示すように、市場に流通する発電モジュールA1、A2、A3、・・・の各々には、復号化鍵DCaが備えられ、発電モジュールB1、B2、B3、・・・の各々には、復号化鍵DCbが備えられ、発電モジュールC1、C2、C3、・・・の各々には、復号化鍵DCcが備えられ、発電モジュールD1、D2、D3、・・・の各々には、復号化鍵DCdが備えられている。
【0093】
すなわち、適正な燃料パックに設けられた暗号化認証コード11aを復号化して、本来の認証情報11xに変換することができる、異なる種類の復号化鍵のいずれかを備えた発電モジュールが、同時期に市場にランダムに流通することになる。
【0094】
これにより、図6に示すように、市場に流通する発電システム(特に、発電モジュール)に備えられた復号化鍵の一つ(例えば、復号化鍵DCb)が不正に解読されて、該復号化鍵DCbにより復号化が可能な不正な暗号化認証コード11zを設けた不適正な燃料パック10zが市場に出回った場合であっても、該不正な暗号化認証コード11zは、解読された復号化鍵DCbによっては復号化されるが、未だ解読されていない他の複数の復号化鍵DCa、DCc、DCdを備えた発電モジュールA1、A2、A3、・・・、C1、C2、C3、・・・、D1、D2、D3、・・・に装着された場合には、復号化されず、本来の認証情報11xに変換されないので、発電動作が禁止されて電気エネルギーが出力されない。
【0095】
したがって、適正な燃料パックであることを証明する単一の認証情報11xが、適正に暗号化された正規の暗号化認証コード11aを復号化することができる復号化鍵の種類を多く設定することにより、不正な暗号化認証コードを設けた不適正な燃料パックが発電モジュールに装着された場合に、適正な燃料パックであると認証、判別する確率を大幅に低下させることができ、実質的に、市場における不適正な燃料パックの流通を抑制又は阻止して、市場から排除することができる。
【0096】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明に係る電源システムの第2の実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図8は、本実施形態に係る電源システムに適用される情報処理部の一構成例を示す要部ブロック図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0097】
上述した実施形態においては、燃料パックに設けられる認証コードを認証、判別する手段(認証判別部24)を、発電モジュール内に備えた構成を示したが、本実施形態においては、本実施形態に係る電源システムが搭載される情報機器に備えられた通信機能により接続される情報処理部(ホストコンピュータ)に認証判別手段を設けた構成を有している。
【0098】
具体的には、本実施形態に係る電源システムは、図7に示すように、大別して、燃料パック10と、発電モジュール20と、I/F部15と、所定のネットワーク(電気通信回線)100に接続されたホストコンピュータ(情報処理部)50と、を備えて構成されている。ここで、燃料パック10及びI/F部15の構成は、上述した第1の実施形態と同等であるので、その説明を省略する。
【0099】
発電モジュール20は、図7に示すように、燃料パック10から供給される発電用燃料を用いて、所定の電気エネルギーを発生する発電部21と、燃料パック10に設けられた認証コード(暗号化認証コード)11を読み取るコード読取部23と、コード読取部により読み取った認証コードをそのまま、所定のネットワーク100に接続された専用のホストコンピュータ40に送信するとともに、ホストコンピュータ40から伝送される該認証コードに関する判別結果を受信する制御を行う伝送制御部(伝送制御手段)25と、ホストコンピュータ40から受信した判別結果に基づいて、発電部21における電気エネルギーの発生状態(発生許可/発生禁止)を制御する出力制御部22と、を有して構成されている。
【0100】
ここで、本実施形態に係る電源システム(発電モジュール20、燃料パック10)が搭載される情報機器50は、上記ネットワーク100に接続し、所望の電子情報を送受信するための機器側通信機能部51を備え、本実施形態に係る発電モジュール20に適用される伝送制御部25は、発電モジュール20に燃料パック10が装着されて、燃料パック10に設けられた認証コードがコード読取部23により読み取られたときに、情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51を動作させて、読み取った認証コードをそのまま、ネットワーク100を介してホストコンピュータ40に伝送する制御を行う。なお、発電モジュール20に備えられる他の構成(コード読取部23、出力制御部22、発電部21)については、上述した第1の実施形態と同等の構成を有しているので、詳しい説明を省略する。
【0101】
一方、ホストコンピュータ40は、図7に示すように、所定のネットワーク100に接続され、情報機器50と認証コード及び判別結果等の情報の送受信を行うホスト側通信機能部41と、情報機器50(発電モジュール20)から送信された認証コードに基づいて、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であるか否かを認証、判別して、該判別結果をホスト側通信機能部41を介して、情報機器50(発電モジュール20)に送信する認証判別部(認証判別手段)42と、を有して構成されている。
【0102】
ここで、認証判別部42は、図8に示すように、ネットワーク100を介して、情報機器50(発電モジュール20)から送信された認証コード(暗号化認証コード)を所定の復号化鍵により復号化する復号化部42aと、復号化された認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報と予め設定登録された認証基準情報とを比較して、両者が同一であるか否かを判定する認証処理部42bと、該認証処理の結果に基づいて、上記認証コードが設けられた燃料パック10が適正であるか否かを判別する判別処理部24cと、該判別結果を所定の暗号化形式に基づいて暗号化する暗号化部42dと、を有して構成されている。
【0103】
すなわち、少なくとも、ネットワーク100を介して、情報機器50(発電モジュール20)とホストコンピュータ40間で送受信される認証処理に関する情報(認証コード及び判別結果)は、常に暗号化された状態にあり、ネットワーク100上での情報の漏洩や盗用に対して高い秘密性が確保されるように構成されている。
【0104】
このように、本実施形態においては、発電モジュール20及び燃料パック10が搭載された情報機器により、所定のネットワーク100を介して接続が可能なホストコンピュータ40内に認証判別手段(認証判別部42)を設け、該ホストコンピュータ40において燃料パック10から読み取った認証コードを認証、判別することにより、市場に流通する発電モジュール20内に認証、判別処理に用いる認証基準情報等を備える必要がないので、該情報の模倣や盗用を防止して、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止又は抑制することができる。
【0105】
なお、情報機器50とホストコンピュータ40との接続媒体であるネットワーク100は、汎用の電気通信回線、例えば、有線通信や無線通信等を利用したインターネット等の公衆回線網、地域内情報通信網(LAN)、広域情報通信網(WAN)等の通信回線網に接続されたホストコンピュータ40に、TCP/IP等の所定の通信プロトコルを用いて接続(アクセス)するものであってもよいし、上記汎用の電気通信回線から切り離された特定の専用回線、光ファイバー回線網やケーブルテレビ回線網等を介してホストコンピュータ40に接続するものであってもよい。
【0106】
次に、上述した構成を有する電源システムにおける動作制御について、図面を参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、上述した電源システムの構成を適宜参照しながら説明する。
【0107】
上述したような構成を有する電源システムにおける動作制御は、図9に示すように、まず、発電モジュール20に暗号化された認証コード11が設けられた燃料パック10が、I/F部15を介して装着されると(S201)、発電モジュール20側に設けられたコード読取部23により認証コード11が読み取られる(S202)。
【0108】
次いで、伝送制御部25により情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51を動作させて、所定のネットワーク100に接続されたホストコンピュータ40に、上記読み取られた認証コード11をそのまま伝送する(S203)。
ホストコンピュータ40は、伝送された認証コード11を受信すると、認証判別部42内の復号化部42aにより、該認証コード11を所定の復号化鍵を用いて復号化し(S204)、さらに、認証処理部42bにより、復号化された認証コードに含まれる認証情報と、予め設定登録された認証基準情報とを比較して、両者が同一であるか否かを判定する認証処理を実行する(S205)。
【0109】
ここで、認証処理部42bにより、認証情報と認証基準情報が同一であると判定(認証)された場合には、判別処理部42cにより、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正な燃料パック(適正品)であると判別して(S206)、発電部21における電気エネルギーの発生を許可する発電許可信号を生成する。この発電許可信号は、認証判別部42内の暗号化部42dにより、所定の暗号化形式(暗号化鍵)で暗号化され、ホスト側通信機能部41により、上記ネットワーク100を介して、情報機器50(発電モジュール20)に伝送される(S207)。
【0110】
発電モジュール20は、情報機器50の機器側通信機能部51を介してホストコンピュータ40から伝送された発電許可信号(判別結果)を受信すると、例えば、伝送制御部25において、暗号化された発電許可信号を所定の復号化鍵を用いて復号化し、出力制御部22に出力する(S208)。これにより、出力制御部22は、燃料パック10からの発電用燃料を発電部21(例えば、図2に示した改質部21b、発電部本体21a)に供給するように切り換え設定され、発電部21において所定の電気エネルギーを発生する発電動作が開始される(S209)。
【0111】
一方、上記ステップS205において、認証情報と認証基準情報とが同一でないと判定(非認定)された場合には、判別処理部42cにより、発電モジュール20に装着された燃料パック10を不適正な燃料パック(不正品)であると判別して(S210)、発電部21における電気エネルギーの発生を禁止する発電禁止信号を生成する。この発電禁止信号は、認証判別部42内の暗号化部42dにより、所定の暗号化形式で暗号化され、ホスト側通信機能部41により、上記ネットワーク100を介して、情報機器50(発電モジュール20)に伝送される(S211)。
【0112】
発電モジュール20は、ホストコンピュータから伝送された発電禁止信号(判別結果)を受信すると、例えば、伝送制御部25において、暗号化された発電許可信号を復号化し、出力制御部22に出力する(S212)。これにより、出力制御部22は、燃料パック10からの発電用燃料を発電部21(例えば、図2に示した改質部21b、発電部本体21a)に供給しない(遮断する)ように切り換え設定され、発電部21における電気エネルギーの発生(発電動作)が行われない。
【0113】
以上の一連の動作制御処理は、上述した第1の実施形態と同様に、発電モジュール20に燃料パック10が装着された直後自動的に、又は、燃料パック10が装着された後、最初に情報機器の電源投入操作が行われた際に、ステップS201〜S212が実行され、装着された燃料パック10が適正品であると判別された後には、該燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなるまで、情報機器の電源投入操作に応じて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が自動的に開始される。なお、上記一連の動作制御処理は、情報機器の電源投入操作毎に毎回、ステップS202〜S212を実行するものであってもよい。
【0114】
このように、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理によれば、上述した実施形態と同様に、発電モジュール20に適正な燃料パック10が装着された場合にのみ、該燃料パック10から発電部21に、品質が高く安全性が保証された発電用燃料が供給されて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が行われるので、不適正な燃料パック(品質が低く安全性が保証されない発電用燃料)による被害(情報機器の動作異常や故障等の発生、消費者利益の損失、関連業界や市場の信頼性の失墜等)を防止することができるとともに、燃料パック10に設けられた認証コード11(認証情報)を、暗号化して伝送し、ネットワーク100を介して接続されたホストコンピュータにおいて、認証、判別した後、さらに、該判別結果を暗号化して発電モジュール20に伝送することにより、市場に流通する発電モジュール20やネットワークから認証情報や認証基本情報、復号化鍵等が読み出されて、模倣や盗用されることを抑制することができるので、不適正な燃料パックが市場に流通することを防止することができる。
【0115】
特に、認証、判別処理を行うための認証基本情報をホストコンピュータ側で集中管理することができるので、予め複数の復号化鍵により復号化が可能な暗号化形式で認証コードを暗号化しておくことにより、不適正な燃料パックが市場に出回った場合であっても、ホストコンピュータ側で復号化鍵等を適宜変更設定することができるので、不適正な燃料パックによる被害を最小限に抑制することができる。
【0116】
なお、上述した第1及び第2の実施形態においては、燃料パックに設けられる認証コードとして、適正な発電用燃料が封入された燃料パックであることを証明する認証情報を暗号化したものを燃料パックに設けて、発電モジュール内又はネットワークに接続されたホストコンピュータ内に備えられた認証判別部により、該認証情報の認証(判別)を行う構成を示したが、本実施形態においては、認証コードとして、発電モジュールの使用行為を許諾する識別情報(使用許諾権に関する情報)を含むように、又は、該識別情報そのものとなるように設定され、該識別情報を認証、判別することにより、電気エネルギーの発生状態を制御するように構成されているものであってもよい。
【0117】
すなわち、認証コードとして、発電モジュールの使用許諾権に関する情報を適用することは、あたかも、コンピュータの利用者が、ソフトウェアメーカーから提供されるプログラムソフトウェアに対して、使用許諾契約の内容を承諾し、適正な使用のみを行うことを約束して、当該ソフトウェアを使用する場合や、映像や音楽ソフト等の視聴者が、該映像や音楽等に設定された著作権を保護する規定を承諾し、適正な使用のみを行うことを約束して、DVDやCD、テープ等を購入する場合等と合致する。
【0118】
このような認証コードを適用した電源システムにおいては、燃料パックの販売時に、不正使用に対して権利侵害として訴訟の対象とすることを明示するとともに、発電用燃料の売買行為としてではなく、発電モジュールの適正な使用を約束する使用許諾権契約を締結する行為として、燃料パックが消費者に譲渡される。そして、該燃料パックが発電モジュールに装着されると、コード読取部により燃料パックに設けられた認証コードが読み取られ、認証コードに含まれる識別情報(使用許諾権に関する情報)に基づいて、上述したような認証、判別処理が行われ、当該判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生状態が制御される。
【0119】
したがって、予め定められた使用の範囲を超えた不正な発電モジュールの使用、すなわち、不適正な発電用燃料が封入された燃料パックが発電モジュールに装着されるような不正使用が行われた場合には、上記使用許諾権を侵害するものと認定して、権利侵害に対する使用の差止や損害賠償等を求めて、訴訟を提起することができるので、このような法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止又は抑制して、市場から排除することができる。なお、このような発電モジュールの不正使用に関する事実を、例えば、発電モジュール内、あるいは、ネットワークに接続されたホストコンピュータ内に予め設けられた記憶手段等に記憶することにより、使用許諾権の侵害を容易に立証することができる。
これにより、消費者に対して、適正かつ品質が保証された信頼性の高い燃料パック(発電用燃料)を提供して、消費者の利益を保護することができるとともに、市場における該電源システムの信頼性を維持して、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0120】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図10は、本発明に係る電源システムの第3の実施形態に適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。ここで、上述した第1の実施形態(図1、図2参照)と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0121】
上述した第1及び第2の実施形態においては、燃料パックに設けられる認証コードとして、適正な発電用燃料が封入された燃料パックであることを証明する認証情報、又は、発電モジュールの使用行為を許諾する識別情報(使用許諾権情報)を適用した場合を示したが、本実施形態においては、認証コードとして、燃料パックの各々に固有の番号情報(例えば、製造シリアル番号)を設け、該番号情報を発電モジュール内に備えられた認証判別手段により認証、判別処理する構成を有している。
【0122】
なお、本実施形態においては、認証コードして、上述した実施形態と同様に、発電モジュールに装着された燃料パックが適正な燃料パック(適正品)であることを証明する認証情報に加え、燃料パック固有の製造シリアル番号情報を含むように設定したものを適用する場合について示すが、本発明は、これに限定されるものではなく、製造シリアル番号自体に上記適正な燃料パックであることを証明する認証情報が含まれるように設定したものであってもよい。
【0123】
図10に示すように、本実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール20は、発電用燃料を用いて所定の電気エネルギーを発生する発電部21と、認証コード(暗号化認証コード)11を読み取るコード読取部23と、読み取った認証コードに基づいて、装着された燃料パック10が適正品であるか否かを認証、判別するとともに、認証コードに含まれる燃料パック10固有の製造シリアル番号を記憶する認証判別部24と、認証コードの判別結果に基づいて、発電部21における電気エネルギーの発生状態を制御する出力制御部22と、を有して構成されている。
【0124】
ここで、認証判別部24は、第1の実施形態(図2参照)に示した構成と同様に、読み取られた認証コード(暗号化認証コード)を復号化する復号化部24aと、復号化された認証コードに含まれる製造シリアル番号を履歴情報として記憶、保持する履歴記憶部24dと、復号化された認証コードに含まれる認証情報と予め設定登録された認証基準情報とを比較して、両者が同一であるか否かを判定するとともに、復号化された認証コードに含まれる製造シリアル番号と過去に上記履歴記憶部に保持されている製造シリアル番号の履歴情報とを比較して、両者が同一であるか否かを判定する認証処理部24bと、該認証処理の結果に基づいて、燃料パック10が適正であるか否かを判別して、該判別結果を燃料制御部22aに制御信号として出力する判別処理部24cと、を有して構成されている。
【0125】
すなわち、発電モジュール20内に備えられた認証処理部24bにおいて、装着された燃料パック10から読み取られた認証コードに基づいて、認証コードに含まれる認証情報が、予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かを判定する第1の認証処理と、認証コードに含まれる製造シリアル番号が、過去に装着された燃料パック10の製造シリアル番号(履歴情報)と同一であるか否かを判定する第2の認証処理が、同時に、あるいは、順次実行され、判別処理部24cにおいて、該認証処理の結果に基づいて、該燃料パック10が適正な燃料パックであるか否かを判別する判別処理が実行される。
【0126】
次に、上述した構成を有する電源システムにおける動作制御について、図面を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、上述した電源システムの構成(図10)を適宜参照しながら説明する。なお、上述した第1の実施形態(図4参照)と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0127】
上述したような構成を有する電源システムにおける動作制御は、図11に示すように、上述した第1の実施形態における処理手順(ステップS101〜S104)と同様に、まず、発電モジュール20に燃料パック10が装着されると(S301)、発電モジュール20に備えられたコード読取部23により認証コード(暗号化認証コード)11が読み取られる(S302)。
【0128】
次いで、認証判別部24に設けられた復号化部24aにより、読み取られた認証コード11が復号化された後(S303)、認証処理部24bにより、復号化された認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報等について、認証処理を実行する。
具体的には、例えば、まず、復号化認証コードに含まれる認証情報について、認証処理部24bに予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かが判定される(S304)。次いで、復号化認証コードに含まれる製造シリアル番号について、履歴記憶部24dに保持されている、過去に装着された燃料パック10の製造シリアル番号(履歴情報)と同一であるか否かが判定される(S305)。なお、これらの認証処理を行うステップS304、S305は、同時に実行されるものであってもよい。
【0129】
そして、ステップS304、S305において、認証処理部24bにより、認証コードに含まれる認証情報と認証基準情報が同一であると判定され、かつ、認証コードに含まれる製造シリアル番号と履歴情報が同一でないと判定された場合には、該製造シリアル番号を履歴記憶部24dに記憶、保持した後(S306)、上述した第1の実施形態における処理手順(ステップS105〜S107)と同様に、判別処理部24cにより、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であると判別して(S307)、発電部21における電気エネルギーの発生を許可する発電許可信号を燃料制御部22aに出力する(S308)。これにより、燃料パック10から発電部21(改質部21b、発電部本体21a)に発電用燃料が供給されて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が開始される(S309)。
【0130】
一方、上記ステップS304、S305において、認証処理部24bにより、認証コードに含まれる認証情報と認証基準情報が同一でないと判定された場合、又は、認証情報と認証基準情報が同一の場合であって、さらに、認証コードに含まれる製造シリアル番号と履歴情報が同一であると判定された場合には、上述した第1の実施形態における処理手順(ステップS108、S109)と同様に、判別処理部24cにより、発電モジュール20に装着された燃料パック10を不正品(又は、不正使用された適正品)であると判別して(S310)、発電部21における電気エネルギーの発生を禁止する発電禁止信号を燃料制御部22aに出力する(S311)。これにより、燃料パック10から発電部21に発電用燃料が供給されないので、発電動作が行われない。
【0131】
以上の一連の動作制御処理は、上述した各実施形態と同様に、発電モジュール20に燃料パック10が装着された直後自動的に、又は、燃料パック10が装着された後、最初に情報機器の電源投入操作が行われた際に、ステップS301〜S311が実行され、装着された燃料パック10が適正品であると判別された後には、該燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなるまで、情報機器の電源投入操作に応じて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が自動的に開始される。
【0132】
このように、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理によれば、上述した実施形態と同様に、適正かつ品質が保証された発電用燃料が封入され、かつ、発電モジュール20に過去に一度も装着されたことがない製造シリアル番号を有する燃料パック10が装着された場合にのみ、該燃料パック10から発電部21に発電用燃料が供給されて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が行われるので、品質が低く安全性が保証されない発電用燃料が封入された不適正な燃料パックのみならず、例えば、適正な発電用燃料が封入され、適正な認証コードが設けられた燃料パックであって、該発電用燃料の使用後に、不正に発電用燃料が再封入(再充填)された燃料パックに対しても、不正品として判別して発電動作を禁止することができ、当該不正品による被害(情報機器の動作異常や故障等の発生、消費者利益の損失、関連業界や市場の信頼性の失墜等)を良好に防止又は抑制することができる。
【0133】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
図12は、本発明に係る電源システムの第4の実施形態に適用される情報処理部の一構成例を示す要部ブロック図である。ここで、上述した第2の実施形態(図7、図8参照)と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0134】
本実施形態においては、上述した第3の実施形態と同様に、認証コードとして、発電モジュールに装着された燃料パックが適正な燃料パックであることを証明する認証情報に加え、燃料パック固有の製造シリアル番号情報を含むように設定し、該製造シリアル番号を所定のネットワークに接続されたホストコンピュータ内に備えられた認証判別手段により認証、判別処理する構成を有している。
【0135】
図12に示すように、本実施形態に係る電源システムに適用されるホストコンピュータ40は、第2の実施形態(図8参照)に示した構成と同様に、情報機器50と所定の情報の送受信を行うホスト側通信機能部41と、認証判別部42と、を備え、認証判別部42は、ネットワーク100を介して、情報機器50(発電モジュール20)から送信された認証コードを復号化する復号化部42aと、復号化された認証コードに含まれる製造シリアル番号を履歴情報として記憶、保持する履歴記憶部42eと、復号化された認証コードに含まれる認証情報と予め設定登録された認証基準情報とを比較、判定するとともに、復号化された認証コードに含まれる製造シリアル番号と上記履歴記憶部に保持されている製造シリアル番号の履歴情報とを比較、判定する認証処理部42bと、該認証処理の結果に基づいて、燃料パック10が適正であるか否かを判別する判別処理部42cと、該判別結果を暗号化する暗号化部42dと、を有して構成されている。
【0136】
すなわち、上述した第3の実施形態と同様に、ホストコンピュータ40内に備えられた認証処理部42bにおいて、装着された燃料パック10から読み取られ、伝送された認証コードに基づいて、認証コードに含まれる認証情報が、予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かを判定する第1の認証処理と、認証コードに含まれる製造シリアル番号が、過去に装着された燃料パック10の製造シリアル番号(履歴情報)と同一であるか否かを判定する第2の認証処理が、同時に、あるいは、順次実行され、判別処理部42cにおいて、該認証処理の結果に基づいて、該燃料パック10が適正な燃料パックであるか否かを判別する判別処理が実行される。
【0137】
次に、上述した構成を有する電源システムにおける動作制御について、図面を参照して説明する。
図13は、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、上述した電源システムの構成(図7、図12)を適宜参照しながら説明する。なお、上述した第2の実施形態(図9参照)と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0138】
上述したような構成を有する電源システムにおける動作制御は、図13に示すように、上述した第2の実施形態における処理手順(ステップS201〜S205)と同様に、まず、発電モジュール20に燃料パック10が装着されると(S401)、発電モジュール20に備えられたコード読取部23により認証コード(暗号化認証コード)11が読み取られ(S402)、情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51によりネットワーク100を介して、ホストコンピュータ40に伝送される(S403)。
【0139】
ホストコンピュータ40は、認証コードを受信すると、認証判別部42内の復号化部42aにより該認証コードを復号化した後(S404)、認証処理部42bにより復号化された認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報等について、認証処理を実行する。
【0140】
すなわち、上述した第3の実施形態に示した処理手順(ステップS304、S305)と同様に、復号化認証コードに含まれる認証情報について、認証処理部42bに予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かが判定され(S405)、さらに、復号化認証コードに含まれる製造シリアル番号について、履歴記憶部42eに保持されている、過去に装着された燃料パック10の製造シリアル番号(履歴情報)と同一であるか否かが判定される(S406)。なお、これらの認証処理を行うステップS405、S406は、同時に実行されるものであってもよい。
【0141】
そして、ステップS405、S406において、認証情報と認証基準情報が同一であると判定され、かつ、製造シリアル番号と履歴情報が同一でないと判定された場合には、該製造シリアル番号を履歴記憶部42eに記憶、保持した後(S407)、上述した第2の実施形態における処理手順(ステップS206〜S209)と同様に、判別処理部42cにより発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であると判別して(S408)、発電許可信号を生成する。この発電許可信号は、暗号化部42dにより暗号化され、ホスト側通信機能部41によりネットワーク100を介して、情報機器50に伝送される(S409)。
【0142】
発電モジュール20は、ホストコンピュータ40から伝送された発電許可信号(判別結果)を受信すると、伝送制御部25により暗号化された発電許可信号を復号化して、出力制御部22に出力する(S410)。これにより、燃料パック10から発電部21に発電用燃料が供給されて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が開始される(S411)。
【0143】
一方、上記ステップS405、S406において、認証情報と認証基準情報が同一でないと判定された場合、又は、認証情報と認証基準情報が同一の場合であって、さらに、製造シリアル番号と履歴情報が同一であると判定された場合には、上述した第2の実施形態における処理手順(ステップS210〜S212)と同様に、判別処理部42cにより発電モジュール20に装着された燃料パック10を不正品であると判別して(S412)、発電禁止信号を生成する。この発電禁止信号は、暗号化部42dにより暗号化され、ホスト側通信機能部41によりネットワーク100を介して、情報機器50に伝送される(S413)。
【0144】
発電モジュール20は、ホストコンピュータから伝送された発電禁止信号(判別結果)を受信すると、伝送制御部25により暗号化された発電許可信号を復号化して、出力制御部22に出力する(S414)。これにより、燃料パック10からの発電部21に発電用燃料が供給されず、電気エネルギーの発生(発電動作)が行われない。
【0145】
以上の一連の動作制御処理は、上述した各実施形態と同様に、発電モジュール20に燃料パック10が装着された直後自動的に、又は、燃料パック10が装着された後、最初に情報機器の電源投入操作が行われた際に、ステップS401〜S414が実行され、装着された燃料パック10が適正品であると判別された後には、該燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなるまで、情報機器の電源投入操作に応じて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が自動的に開始される。
【0146】
このように、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理によれば、上述した実施形態と同様に、発電モジュール20に過去に一度も装着されたことがない製造シリアル番号を有する適正な燃料パック10が装着された場合にのみ、発電動作が行われるので、不適正な燃料パックのみならず、適正な燃料パックであっても、不正に発電用燃料が再封入された燃料パックに対しても、不正品として判別して発電動作を禁止することができ、当該不正品による被害を良好に防止又は抑制することができるとともに、燃料パック10に設けられた認証コード11を、ネットワーク100を介して接続されたホストコンピュータ40において、認証、判別処理し、製造シリアル番号を履歴情報として記憶、保持することにより、認証コード(認証情報、製造シリアル番号)をホストコンピュータ側で集中管理することができるので、不適正な燃料パックが市場に出回った場合には、その事実を直ちに発見することができ、市場への被害を抑制する対策を迅速に講じて、その被害を最小限に抑制することができる。
【0147】
なお、上述した第3及び第4の実施形態においては、発電モジュール20に装着された燃料パック10に設けられた認証コード11に含まれる製造シリアル番号と、履歴記憶部24d、42eに記憶されている製造シリアル番号とを単純(一義的)に比較して、同一であれば、不適正な燃料パックであると判定する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、同一の製造シリアル番号と判定された場合であっても、予め設定した回数だけ同一の燃料パック10の着脱(装着)を許容するものであってもよい。
【0148】
これによれば、例えば、消費者等により、何らかの正当な理由(例えば、電源システムの修理や不注意等)で、一旦分離された適正な燃料パックを再度装着するような使用行為を許容することができるので、適正な燃料パックの着脱を繰り返した場合であっても、不正使用と判定されることがなく、消費者における電源システムの使い勝手を向上することができる。
【0149】
<第5の実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
図14は、本発明に係る電源システムの第5の実施形態に適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。ここで、上述した第3の実施形態(図10参照)と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0150】
上述した第3の実施形態においては、燃料パックに設けられる認証コードとして、燃料パックの各々に固有の製造シリアル番号を設けた場合を示したが、本実施形態においては、製造シリアル番号を含む認証コードに加え、燃料パックに残存する発電用燃料の量(残量)に基づいて、燃料パックの不正使用を判定する構成を有している。
【0151】
図14に示すように、本実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール20は、上述した第3の実施形態(図10)と同様の構成を有する発電部21、出力制御部22、コード読取部23、認証判別部24に加え、燃料パック10に封入された発電用燃料の残量(残存燃料の量)を検出する残量検出部(残量検出手段)26と、を備えて構成されている。
この残量検出部26における発電用燃料の残量の検出は、発電用燃料として、例えば、メタノール等の液体燃料の残量を検出する場合にあっては、光学センサにより燃料の液面を計測する手法や燃料を透過した光の減衰(減光率)等の変化を計測する手法等を採用することができる。
【0152】
また、認証判別部24は、コード読取部23により読み取られた認証コード(暗号化認証コード)を復号化する復号化部24aと、復号化された認証コードに含まれる製造シリアル番号、及び、残量検出部26により検出された発電用燃料の残量を関連付けて記憶、保持する履歴記憶部24dと、復号化された認証コードに含まれる認証情報、製造シリアル番号及び残量検出部26により検出された発電用燃料の残量と予め設定登録された認証基準情報、履歴記憶部に保持されている製造シリアル番号及び発電用燃料の残量とを比較、判定する認証処理部24bと、該認証処理の結果に基づいて、燃料パック10が適正であるか否かを判別し、該判別結果を出力制御部22に制御信号として出力する判別処理部24cと、を有して構成されている。
【0153】
ここで、認証処理部24bは、復号化された認証コードに含まれる認証情報が、予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かを判定する第1の認証処理と、復号化された認証コードに含まれる製造シリアル番号が、過去に上記履歴記憶部24dに保持されている製造シリアル番号の履歴情報と同一であるか否かを判定する第2の認証処理とを同時に、あるいは、順次実行するとともに、認証コードに含まれる製造シリアル番号が、履歴記憶部24dに保持されている製造シリアル番号と同一である場合には、さらに、残量検出部26により検出された発電用燃料の残量が、製造シリアル番号に関連付けられて上記履歴記憶部24dに保持されている発電用燃料の残量に対して、同等以下であるか否かを判定する第3の認証処理を実行する。
【0154】
なお、履歴記憶部24dには、発電モジュール20に装着された燃料パック10に設けられた認証コード11に含まれる製造シリアル番号と、残量検出部26により検出された最新の発電用燃料の残量が関連付けて記憶される。ここで、最新の発電用燃料の残量とは、発電用燃料の使用によって変化(減少)する残量のうち、最も少ない発電用燃料の量であって、上記残量検出部26により随時あるいは所定の時間間隔で、もしくは、燃料パック10が発電モジュール20から分離する直前に検出された残量が履歴記憶部24dに更新記憶される。
【0155】
次に、上述した構成を有する電源システムにおける動作制御について、図面を参照して説明する。
図15は、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、上述した電源システムの構成(図14)を適宜参照しながら説明する。なお、上述した第3の実施形態(図11参照)と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0156】
上述したような構成を有する電源システムにおける動作制御は、図15に示すように、上述した第3の実施形態における処理手順(ステップS301〜S305)と同様に、まず、発電モジュール20に装着された燃料パック10に設けられた認証コードが、コード読取部23により読み取られ、認証判別部24に設けられた復号化部24aにより復号化された後、該認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報等について、認証処理部24bにより認証処理が実行される(S501〜S503)。
【0157】
認証処理においては、具体的には、まず、認証情報について、予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かが判定され(S504)、次いで、復号化認証コードに含まれる製造シリアル番号について、履歴記憶部24dに保持されている履歴情報と同一であるか否かが判定される(S505)。なお、これらの認証処理を行うステップS504、S505は、同時に実行されるものであってもよい。
【0158】
そして、ステップS504、S505において、認証処理部24bにより、認証情報と認証基準情報が同一であり、かつ、製造シリアル番号と履歴情報が同一でないと判定された場合には、該製造シリアル番号を履歴記憶部24dに記憶、保持した後(S506)、上述した第3の実施形態における処理手順(ステップS307〜S309)と同様に、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であると判別して、電気エネルギーの発生を許可する発電許可信号を出力制御部22(燃料制御部22a)に出力することにより、発電部21において発電動作が開始される(S508〜S510)。
【0159】
一方、ステップS504、S505において、認証処理部24bにより、認証情報と認証基準情報が同一であり、かつ、製造シリアル番号と履歴情報が同一であると判定された場合には、残量検出部26により検出された、燃料パック10に封入されている発電用燃料の残量が、該製造シリアル番号に関連付けて履歴記憶部24dに保持されている履歴情報(発電用燃料の残量)に対して同等以下であるか否かが判定される(S507)。
ステップS507において、燃料パック10に封入されている発電用燃料の残量が、履歴記憶部24dに保持されている履歴情報に対して同等以下である場合には、上述したステップS508〜S510と同様に、装着された燃料パック10を適正品と判別して、発電部21における発電動作が開始される。
【0160】
一方、ステップS504において、認証情報と認証基準情報が同一でないと判定された場合、及び、ステップS507において、燃料パック10に封入されている発電用燃料の残量が、履歴記憶部24dに保持されている履歴情報よりも多い場合には、上述した第3の実施形態における処理手順(ステップS310、S311)と同様に、発電モジュール20に装着された燃料パック10を不正品(又は、不正使用された適正品)であると判別して、電気エネルギーの発生を禁止する発電禁止信号を出力制御部22に出力して、発電を行わない(S511、S512)。
【0161】
なお、上記ステップS505、S506、S508における認証処理により、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であると判別された場合には、発電部21における発電動作に伴って変化する、燃料パック10に封入された発電用燃料の残量が、残量検出部26により随時、又は、定期的に検出され、該燃料パック10に設けられた製造シリアル番号に関連付けて、履歴記憶部24dに更新記憶される。
【0162】
以上の一連の動作制御処理は、上述した各実施形態と同様に、発電モジュール20に燃料パック10が装着された直後自動的に、又は、燃料パック10が装着された後、最初に情報機器の電源投入操作が行われた際に、ステップS501〜S512が実行され、装着された燃料パック10が適正品であると判別された後には、該燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなるまで、情報機器の電源投入操作に応じて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が自動的に開始される。
【0163】
このように、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理によれば、適正な発電用燃料が封入され、かつ、発電モジュール20に過去に装着されたことがある製造シリアル番号を有する燃料パック10が一旦分離されて、その後、再装着された場合であっても、正常な使用状態であると判定された場合には、発電部21において発電動作が行われるので、消費者等による何らかの正当な理由により、発電用燃料の使用途中で、一旦分離された適正な燃料パックを再度装着するような使用行為を許容することができ、電源システムの使い勝手を向上することができるとともに、適正な該燃料パック10に不適切な発電用燃料を再封入して、発電モジュール20に再装着するような燃料パック10の不正使用を確実に阻止又は抑制することができる。
【0164】
<第6の実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第6の実施形態について、図面を参照して説明する。
図16は、本発明に係る電源システムの第6の実施形態に適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。ここで、上述した第2及び第4の実施形態(図7、図12参照)と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
本実施形態においては、製造シリアル番号を含む認証コードに加え、燃料パックに残存する発電用燃料の量(残量)に基づいて、燃料パックの不正使用を判定する手段を、所定のネットワークに接続されたホストコンピュータ内に備えた構成を有している。
【0165】
図16に示すように、本実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール20は、上述した第2の実施形態(図7参照)と同様の構成を有する発電部21、出力制御部22、コード読取部23、伝送制御部25に加え、燃料パック10に封入された発電用燃料の残量(残存燃料の量)を検出する残量検出部(残量検出手段)26と、を備えて構成されている。
また、本実施形態に係る電源システムに適用されるホストコンピュータ40は、第4の実施形態(図12参照)と同様の構成を有するホスト側通信機能部41と、認証判別部42(復号化部42a、認証処理部42b、判別処理部42c、暗号化部42d、履歴記憶部42e)と、を備えて構成されている。
【0166】
ここで、発電モジュール20に備えられる伝送制御部25は、コード読取部23により読み取った認証コードと、残量検出部26により検出された発電用燃料の残量とを関連付けて、所定のネットワーク100に接続された専用のホストコンピュータ40に送信するとともに、ホストコンピュータ40から伝送される該認証コード等に関する判別結果を受信する制御を行う。
【0167】
また、ホストコンピュータ40に備えられる認証処理部42bは、上述した第5の実施形態に示した認証処理部24bと同様に、復号化された認証コードに含まれる認証情報が、認証基準情報と同一であるか否かを判定する第1の認証処理と、認証コードに含まれる製造シリアル番号が、履歴記憶部42eに保持されている履歴情報(製造シリアル番号)と同一であるか否かを判定する第2の認証処理とを同時に、あるいは、順次実行するとともに、認証コードに含まれる製造シリアル番号が履歴情報と同一である場合には、さらに、残量検出部26により検出された発電用燃料の残量が、履歴記憶部42eに保持されている履歴情報(発電用燃料の残量)に対して、同等以下であるか否かを判定する第3の認証処理を実行する。
【0168】
なお、履歴記憶部42eには、燃料パック10に設けられた認証コード11に含まれる製造シリアル番号と、残量検出部26により検出された最新の発電用燃料の残量が関連付けて、発電モジュール20からネットワーク100を介して伝送され、随時あるいは所定の時間間隔等で更新記憶される。
【0169】
次に、上述した構成を有する電源システムにおける動作制御について、図面を参照して説明する。
図17は、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、上述した電源システムの構成(図16)を適宜参照しながら説明する。なお、上述した第4の実施形態(図13参照)と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0170】
まず、発電モジュール20に燃料パック10が装着されると(S601)、コード読取部23により認証コード11が読み取られるとともに(S602)、残量検出部26により燃料パック10に封入された発電用燃料の残量(燃料残量)が検出される(S603)。ここで、燃料パック10から認証コード等を読みとるステップS602、S603は、順次実行されるものであってもよいし、同時に実行されるものであってもよい。
【0171】
次いで、伝送制御部25により情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51を動作させて、上記認証コード及び燃料残量を関連付けて、所定のネットワーク100を介して、ホストコンピュータ40に伝送する(S604)。ここで、燃料残量に関する情報は、認証コード(暗号化認証コード)と同様に、所定の暗号化形式により暗号化されているものであってもよい。
【0172】
次いで、ホストコンピュータ40は、ホスト側通信機能部41によりネットワーク100を介して認証コード等を受信すると、認証判別部42に設けられた復号化部42aにより該認証コード等を復号化した後(S605)、認証処理部42bにより復号化された認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報等について、認証処理を実行する。
【0173】
認証処理においては、具体的には、まず、上述した第4の実施形態に示した処理手順(ステップS405、S406)と同様に、認証情報について、予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かが判定され(S606)、次いで、復号化認証コードに含まれる製造シリアル番号について、履歴記憶部42eに保持されている履歴情報と同一であるか否かが判定される(S607)。なお、これらの認証処理を行うステップS606、S607は、同時に実行されるものであってもよい。
【0174】
そして、ステップS606、S607において、認証処理部42bにより、認証情報と認証基準情報が同一であり、かつ、製造シリアル番号と履歴情報が同一でないと判定された場合には、該製造シリアル番号を履歴記憶部42eに記憶、保持した後(S608)、上述した第4の実施形態における処理手順(ステップS408〜S411)と同様に、発電モジュール20に装着された燃料パック10を適正品であると判別して、発電許可信号を生成し、該信号をネットワーク100を介して、情報機器50に伝送することにより、発電部21において発電動作が開始される(S610〜S613)。
【0175】
一方、ステップS606、S607において、認証処理部42bにより、認証情報と認証基準情報が同一であり、かつ、製造シリアル番号と履歴情報が同一であると判定された場合には、認証コードに関連付けられて発電モジュール20から伝送された燃料残量が、該製造シリアル番号に関連付けて履歴記憶部24dに保持されている履歴情報(燃料残量)に対して同等以下であるか否かが判定される(S609)。
ステップS609において、燃料パック10に封入されている発電用燃料の残量が、履歴記憶部24dに保持されている履歴情報に対して同等以下である場合には、上述したステップS610〜S613と同様に、装着された燃料パック10を適正品と判別して、発電部21における発電動作が開始される。
【0176】
一方、ステップS606において、認証情報と認証基準情報が同一でないと判定された場合、及び、ステップS609において、燃料パック10に封入されている発電用燃料の残量が、履歴記憶部24dに保持されている履歴情報よりも多い場合には、上述した第4の実施形態における処理手順(ステップS412〜S414)と同様に、発電モジュール20に装着された燃料パック10を不正品(又は、不正使用された適正品)であると判別して、発電禁止信号を生成し、該信号をネットワーク100を介して、情報機器50に伝送することにより、発電部21における発電動作が禁止される(S614〜S616)。
【0177】
なお、上述した第4の実施形態と同様に、上記ステップS606、S607、S609における認証処理により、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であると判別された場合には、発電部21における発電動作に伴って変化する、燃料パック10に封入された発電用燃料の残量が、残量検出部26により随時、又は、定期的に検出され、該燃料パック10に設けられた製造シリアル番号に関連付けて、ホストコンピュータ40に伝送され、履歴記憶部42eに更新記憶される。
【0178】
以上の一連の動作制御処理は、上述した各実施形態と同様に、発電モジュール20に燃料パック10が装着された直後自動的に、又は、燃料パック10が装着された後、最初に情報機器の電源投入操作が行われた際に、ステップS601〜S616が実行され、装着された燃料パック10が適正品であると判別された後には、該燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなるまで、情報機器の電源投入操作に応じて、所定の電気エネルギーを発生する発電動作が自動的に開始される。
【0179】
このように、本実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理によれば、上述した実施形態と同様に、発電モジュール20に装着された燃料パック10が正常な使用状態(不適正な発電用燃料を再封入する等の不正使用を行っていない状態)であると判定された場合には、発電部21において発電動作が行われるので、電源システムの使い勝手を向上することができるとともに、燃料パック10の不正使用を確実に阻止又は抑制することができる。また、燃料パック10に設けられた認証コード(製造シリアル番号)と燃料残量を関連付けて、ネットワーク100を介して接続されたホストコンピュータ40により集中管理することができるので、不適正な燃料パックが市場に出回った場合や燃料パックの不正使用が行われた場合には、その事実を直ちに発見することができ、市場への被害を抑制する対策を迅速に講じて、その被害を最小限に抑制することができる。
【0180】
<第7の実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第7の実施形態について説明する。
上述した各実施形態においては、適正な燃料パックを認証するための手段(認証コード)として、周知のバーコードや記号の羅列等の一次元又は二次元の平面パターンや、刻印等の三次元の立体パターン等の、不変的な構成を有するものを燃料パックに設けた場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、認証コード又は認証コードに相当する部位が、発電モジュールへの装着等により変化することによって、燃料パック又は発電モジュールの不正使用を抑制するように構成されているものであってもよい。
【0181】
具体的には、認証コードとして、燃料パックの外形形状の一部(便宜的に「認証コード部」と記す)を適用し、該燃料パックを発電モジュールに装着する際に、燃料パックに設けられた認証コード部に相当する部位が不可逆的に変形等するように構成することができる。すなわち、発電モジュールと結合する燃料パックの当該結合部位に、例えば、発電モジュールとの結合(係合)において不可欠な形状等を有して突出する係合ピンや係合突部等が設けられ、燃料パックが発電モジュールに装着される際に、該係合ピン等が不可逆的に変形又は切除等されることにより、当該結合部位の形状が不可逆的に変化して、一旦燃料パックを分離した後においては、発電モジュールとの再結合(係合)が形状的に不可能になるように構成されている。
【0182】
これにより、適正な認証コード部を設けた燃料パックが発電モジュールに装着された場合にのみ、燃料パックと発電モジュールが正常に結合されて、燃料パックに封入された発電用燃料が発電モジュールに供給されて発電動作が行われるので、不適正な認証コード部を設けた燃料パックのみならず、発電用燃料が使用された後に、一旦発電モジュールから分離され、不適正な発電用燃料が再封入された燃料パックに対しても、不正品として判別して発電動作を禁止することができ、当該不正品による被害を良好に防止又は抑制することができる。この場合、燃料パックと発電モジュールが正常に結合(係合)されるか否かという形状的な構成のみで、発電モジュールにおける発電動作を制御することができるので、発電モジュールにコード読取部や認証判別部等を設ける必要がなく、極めて簡易な構成で、不適正な燃料パックの使用を阻止又は抑制することができる電源システムを実現することができる。
【0183】
次に、本実施形態に係る電源システムにおける他の構成例について、図面を参照して説明する。
図18は、本発明に係る電源システムの第7の実施形態の概略構成を示すブロック図である。ここで、上述した各実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
上述した構成例においては、発電モジュールに燃料パックを装着する際に、認証コード部が不可逆的に変形する構成を有する場合について説明したが、本構成例においては、発電部における発電動作に伴って発生する副生成物や廃棄物等により、認証コード部が経時的に変形する構成を有している。
【0184】
図18に示すように、本実施形態に係る電源システムは、第1の実施形態(図1参照)と同様に、燃料パック10と、発電モジュール20と、I/F部15と、を有して構成され、燃料パック10には、上述した認証コード部11bに加え、副生成物保持部12が設けられ、また、発電モジュール20には、上述した発電部21、出力制御部22、コード読取部23、認証判別部24に加え、副生成物回収部27が設けられている。
【0185】
ここで、認証コード部11bは、上述した構成例と同様に、燃料パック10の外形形状の一部が適用された構成を有している。なお、発電部21、出力制御部22、コード読取部23、認証判別部24の構成は、上述した第1の実施形態と同等であるので、その説明を省略する。
副生成物回収部27は、発電モジュール20の出力制御部22及び発電部21において、電気エネルギーを発生する際に生成、排出される副生成物(例えば、燃料部として上述したような燃料電池を適用する場合には、上記化学反応式(1)〜(3)において生成される二酸化炭素(CO)や水(HO)等)のうち、少なくとも1種類以上の特定の成分又は物質を分離、回収する。
【0186】
また、副生成物保持部12は、燃料パック10の内部又はその一部に設けられ、発電モジュール20において電気エネルギーを発生する際に生成、排出される副生成物のうち、副生成物回収部27により分離、回収された特定の成分又は物質を不可逆的に保持するとともに、該回収された副生成物により、例えば、体積(容積)が変化して、認証コード部11bを構成する燃料パック10の外形形状の一部を不可逆的に変形させるように構成されている。
【0187】
すなわち、発電モジュールと結合する燃料パックの当該結合部位に、副生成物回収部27に回収された副生成物の量に応じて形状が変形する認証コード部11bが設けられ、適正な発電用燃料を用いた発電動作の進行に伴って、認証コード部11bの形状が不可逆的に変形等することにより、発電用燃料の使用途中で、一旦燃料パックを分離した後においては、発電モジュールとの再結合(係合)が形状的に不可能になるように構成されている。
【0188】
これにより、適正な発電用燃料が封入され、該発電用燃料を使用していない未使用の燃料パックが発電モジュールに装着された場合にのみ、燃料パックと発電モジュールが正常に結合されて、燃料パックに封入された発電用燃料が発電モジュールに供給されて発電動作が行われるので、不適正な認証コード部を設けた燃料パックのみならず、発電用燃料が使用された後に、一旦発電モジュールから分離され、不適正な発電用燃料が再封入された燃料パックに対しても、不正品として判別して発電動作を禁止することができ、比較的簡易な装置構成により、当該不正品による被害を良好に防止又は抑制することができる。
【0189】
次に、上述した各実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール(発電部)の他の構成について、図面を参照して説明する。
図19は、本発明に係る電源システムに適用される発電モジュールの他の構成を示すブロック図であり、図20は、本発明に係る発電モジュールに適用される発電部の他の具体構成例を示す概略構成図である。ここで、上述した各実施形態に示した発電モジュールと同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0190】
図19に示すように、本構成例に係る発電モジュール20は、第1の実施形態に示した発電モジュール(図2参照)において、発電部21として、燃料制御部22aを介して直接供給される発電用燃料、及び、空気制御部22bを介して供給される酸素ガスを用いて、所定の電気エネルギーを発生する発電部本体21aのみを備えた構成を有している。
【0191】
ここで、発電部本体21aの構成としては、例えば、図20に示すように、大別して、所定の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる燃料極61と、所定の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる空気極62と、燃料極41と空気極62の間に介装されたイオン導電膜63と、を有して構成されている。ここで、燃料極61には、第1の実施形態(図3参照)に示したような改質部21bを介すことなく、燃料パック10に封入された発電用燃料(例えば、メタノール等のアルコール類)が燃料制御部22aを介して直接供給され、一方、空気極62には大気中の酸素ガス(O)が供給される。
【0192】
この発電部本体(燃料電池)21aにおける電気化学反応は、具体的には、燃料極61に発電用燃料であるメタノール(CHOH)が直接供給されると、次の化学反応式(4)に示すように、触媒反応により電子(e)が分離して水素イオン(プロトン;H)が発生し、イオン導電膜63を介して空気極62側に通過するとともに、燃料極61を構成する炭素電極により電子(e)が取り出されて負荷64に供給される。なお、この触媒反応により生成される水素以外の微量の生成物(主に、CO)は、燃料極61側から大気中に排出される。
CHOH+HO → 6H+6e+CO ・・・(4)
一方、空気極62には空気が供給されることにより、上述した化学反応式(3)と同様に、触媒により負荷64を経由した電子(e)とイオン導電膜63を通過した水素イオン(H)と空気中の酸素ガス(O)が反応して、副生成物として水(HO)が生成される。
【0193】
このような一連の電気化学反応((4)式及び(3)式)は、概ね室温から80℃程度の間の比較的低温の温度条件で進行する。ここで、空気極62で発生する副生成物である水(HO)の少なくとも一部を回収し、上述した化学反応式(4)に示したように、燃料極61側に必要量を供給するようにすれば、燃料パック10に予め備蓄(封入)される水(HO)の量を減らすことができるので、小さい燃料パック10で長時間電力を供給することが可能となる。また、上述した第7の実施形態(図18参照)に示したように、回収した副生成物の一部を燃料パック10に設けられた副生成物保持部12に保持するようにしてもよい。
【0194】
このような構成を有する発電部本体21aによれば、上述した燃料改質型の燃料電池を備えた発電モジュール(図2)に比較して、改質部21bを必要としないので、装置構成を簡素化して小型化することができるとともに、継続的に電気エネルギーを発生することができるので、常時電気エネルギーを生成、供給する必要がある構成、例えば、携帯電話等のように常時待機電力を必要とする情報機器に良好に適用することができる。
【0195】
次に、上述した各実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール(発電部)のさらに他の構成について、図面を参照して説明する。
図21は、本発明に係る電源システムに適用される発電モジュールのさらに他の構成を示すブロック図であり、図22は、本発明に係る発電モジュールに適用される発電部の他の具体構成例を示す概略構成図であり、図23は、本発明に係る発電モジュールに適用される発電部のさらに他の具体構成例を示す概略構成図である。ここで、上述した各実施形態に示した発電モジュールと同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0196】
図21に示すように、本構成例に係る発電モジュール20は、第1の実施形態に示した発電モジュール(図2参照)において、発電部21として、燃料制御部22aを介して直接供給される発電用燃料を用いた燃焼反応や力学的なエネルギー変換作用等により、所定の電気エネルギーを発生する発電部本体21aのみを備え、出力制御部22として、発電部本体21aへの発電用燃料の供給状態を制御する燃料制御部22aのみを備えた構成を有している。
【0197】
ここで、発電部本体21aの構成としては、例えば、図22に示すように、複数の羽根が円周に沿って配列され、自在に回転する可動羽根72aと、可動羽根72aの回転中心に直結された発電器75と、可動羽根72aの外周側に複数の羽根が配列された固定羽根72bと、可動羽根72aと固定羽根72bとからなるガスタービン72への気化された発電用燃料(燃料ガス)の供給を制御する吸気制御部73と、燃焼後の排気ガスの排出を制御する排気制御部74と、を有して構成されている。ここで、ガスタービン72、吸気制御部73及び排気制御部74からなる発電部本体21aの構成は、半導体製造技術を適用することにより、例えば、単一のシリコンチップ71上に微細化して形成することができる。
【0198】
このような構成を有する発電部本体21aにおいて、吸気制御部73を介してガスタービン72の燃焼室に燃料ガスを取り込み、所定のタイミングで該燃料ガスを点火、燃焼することにより、燃焼室の圧力が上昇して力学エネルギーに変換されて、可動羽根72aを回転させて発電器75を駆動し、電気エネルギーを発生する。そして、燃焼後の排気ガスは、排気制御部74により所定のタイミングで排出される。ここで、発電部本体21aは、例えば、燃料制御部22aによる燃料ガスの供給状態に連動して、吸気制御部73、ガスタービン72、排気制御部74により、燃料ガスの吸気、点火、排気ガスの排出の各動作が制御される。すなわち、本構成例に係る発電部を備えた発電モジュールは、上述した構成例に示したような燃料電池に替えて、燃料ガスの燃焼反応により生じる熱膨張(圧力差)に基づく力学エネルギーにより発電器を回転させて、電気エネルギーを生成するガス燃焼型タービン発電器を備えた構成を有している。
【0199】
なお、本構成例に係る発電部を適用した電源システムにおいては、燃料パック10に封入される発電用燃料として、発火性又は燃焼性(あるいは、可燃性)を有する液化燃料を用い、ガスタービン72に設けた燃焼室において液化燃料を燃焼する場合について説明したが、燃焼室を設けず、常温常圧で気体となり、高圧化することにより液化される液剤を、液化した状態で燃料パック10に封入することにより、上述した燃料パック10に封入した発火性又は可燃性の発電用燃料の代替として利用して、吸気制御部73が開放して上記液剤が気化したことによる圧力差により、可動羽根72aを回転させて発電するようにしてもよい。
【0200】
つまり、ガスタービン72内の気体は、排気制御部74を開放すると、ガスは気圧の低い方、すなわち、常圧である外気に向けて排出されるので、このときのガスの流動により可動羽根72aを回転させて電気エネルギーを発生させることができる。このようなタービンを設けた発電部の構成によれば、水等の副生成物が発生しないので、副生成物を回収する手段を備える必要がない。ここで、上記液剤は、必ずしも燃焼性を有する必要はなく、むしろ排気ガスとして排気することを考慮すれば、不燃性又は難燃性を有し、さらに、毒性がない方が望ましい。
【0201】
また、発電部本体21aの他の構成としては、例えば、図23に示すように、燃料ガスを触媒燃焼させて熱を発生させる触媒燃焼器81と、概ね一定の温度を保持する定温部82と、触媒燃焼器81を第1の温度端、定温部82を第2の温度端として、第1及び第2の温度端間に生じた温度差により、ゼーベック効果に基づく熱電子を放出させて電気エネルギーを生成する温度差発電器83と、を有して構成されている。ここで、触媒燃焼器81、定温部82及び温度差発電器83からなる発電部本体21aの構成は、上述した構成例と同様に、半導体製造技術を適用することにより、微細化して形成することができる。
【0202】
このような発電部本体21aにおいて、上述した出力制御部22(燃料制御部22a)を介して触媒燃焼器81に燃料ガスが供給されると、該燃料ガスが触媒燃焼反応により発熱して、触媒燃焼器81の温度が上昇する。一方、定温部82の温度はほぼ一定に設定されているので、触媒燃焼器81と定温部82との間には温度勾配(熱傾斜)が発生する。そして、この温度勾配により熱エネルギーが温度差発電器83を移動することにより、ゼーベック効果に基づく熱電子が放出されて電気エネルギーが発生する。
【0203】
これにより、上記2構成例に係る発電部を備えた発電モジュールを適用した電源システムにおいても、上述した電源システムと同様に、燃料パックに設けられた認証コードを認証、判別した結果に基づいて、出力制御部22(燃料制御部22a)によりガスタービン72又は触媒燃焼器81への燃料ガスの供給状態を制御することにより、適正な燃料パックが発電モジュールに装着された場合には、高いエネルギー変換効率で所定の電気エネルギーを発生することができ、一方、不適正な燃料パックが装着された場合には、電気エネルギーの発生を禁止して、実質的に情報機器の動作を不能とすることができる電源システムを提供することができる。
【0204】
なお、上述した各構成例は、発電モジュール20に適用される発電部21の一例を示したに過ぎず、本発明に係る電源システムの構成を何ら限定するものではない。要するに、本発明に適用される発電部21は、燃料パック10に封入された液体燃料又は気体燃料が直接又は間接的に供給されることにより、発電部内部で電気化学反応や燃焼反応等により高いエネルギー変換効率で電気エネルギーを発生することができるものであれば、他の構成を有するものであってもよく、例えば、燃料電池やガス燃焼タービンに替えて、ロータリーエンジンやスターリングエンジン、パルス燃焼エンジン等の内燃機関又は外燃機関(エンジン)と電磁誘導や圧電変換による発電器とを組み合わせたもの、熱音響効果による外力発生手段と電磁誘導や圧電変換による発電器とを組み合わせたもの、あるいは、電磁流体力学(MHD)発電器等を良好に適用することができる。
【0205】
次に、本発明に係る電源システムに適用される外形形状について、図面を参照して説明する。
図24は、本発明に係る電源システムに適用される外形形状の具体例を示す概略構成図であり、図25は、本発明に係る電源システムに適用される外形形状と、汎用の化学電池の外形形状との対応関係を示す概略構成図である。
【0206】
上述したような構成を有する電源システムにおいて、燃料パック10をI/F部15を介して発電モジュール20に装着した状態における外形形状は、例えば、図24に示すように、汎用の化学電池に多用されている円形電池91、92、93や、特殊形状の電池(非円形電池)94、95、96の規格に則って、これらのいずれかと同等の形状及び寸法を有するように形成されているとともに、例えば、図3、図20に示した発電モジュール20の発電部本体21aの燃料極31、61及び空気極32、62が、図24に示す各電池形状の正極及び負極に各々対応するように、電気的に構成されている。
【0207】
円形電池91、92、93は、具体的には、市販のマンガン乾電池やアルカリ乾電池、ニッケル・カドミウム電池、リチウム電池等に最も多用され、対応する情報機器の種類も多いシリンダ型(円筒型:図24(a))や、腕時計等に利用されるボタン型(図24(b))、カメラや電子手帳等に利用されるコイン型(図24(c))等の外形形状を有している。
【0208】
一方、非円形電池94、95、96は、具体的には、コンパクトカメラやデジタルスチルカメラ等、使用する機器の形状等に対応して設計(カスタマイズ)された特殊形状型(図24(d))や、携帯音響機器や携帯電話等の小型薄型化に対応した角型(図24(e))、平型(図24(f))等の外形形状を有している。
【0209】
ここで、図24に示した外形形状はいずれも、日本国内の規格に則って市販、又は、デバイスに付属して流通、販売されている化学電池の一例であって、本発明の適用が可能な構成例のごく一部を示したものに過ぎない。すなわち、本発明に係る電源システムに適用可能な外形形状は、上記具体例以外であってもよく、例えば、世界各国で流通、販売されている化学電池、あるいは、将来実用化が予定されている化学電池の形状に合致し、さらには、電気的特性をも合致するように設計することができることはいうまでもない。
【0210】
なお、上述したように、本発明に係る電源システムに搭載される発電モジュール20は、既存の半導体技術を適用することにより、例えば、数ミクロンオーダーにマイクロチップ化、あるいは、マイクロプラント化することができる。また、発電モジュール20の発電部21として、高いエネルギー利用効率を実現することができる燃料電池を適用することにより、既存の化学電池と同等(又は、それ以上)の電池容量を実現するために必要となる発電用燃料の量を比較的少量に抑制することができる。
【0211】
また、本実施形態に係る電源システム(発電モジュール)を、半導体製造技術を適用して小型軽量化することにより、例えば、図25(a)、(b)に示すように、燃料パック10Aを発電モジュール20Aに装着した状態における外形寸法(例えば、長さLa、直径Da)が、図25(c)に示すような汎用の化学電池に多用されている円形電池91の外形寸法(例えば、長さLp、直径Dp)と略同等になるように構成することができる。したがって、電源システムの外形形状や電気的特性を汎用の化学電池と高い互換性を有するように構成することができるので、既存の電池市場における普及を一層容易なものとしつつ、上述したような認証コードを利用して、不正品の流通を的確に阻止又は抑制することができる。
【0212】
なお、上述した各実施形態においては、出力制御部22として、燃料パックに設けられた認証コードの認証、認証結果に基づいて、発電部21における電気エネルギーの発生状態(発生許可/発生禁止)を切り換え設定するように、発電部21への発電用燃料を供給/遮断制御する機能のみを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図26に示すように、例えば、電源システムから出力される電気エネルギーにより駆動する負荷(情報機器)の駆動状態(負荷駆動情報)に基づいて、主発電部21A(発電部21に相当する)における電気エネルギーの発生量、すなわち、出力電力を調整制御する制御信号を生成、出力する動作制御部を設け、出力制御部22は、該制御信号に基づいて、負荷の駆動状態に応じた電気エネルギー量(電力)を発生するように、発電用燃料の供給量を調整制御するように構成してもよい。
【0213】
このような構成を有する電源システムによれば、燃料パックに設けられた認証コードの認証、認証結果に基づいて、発電動作の許可、禁止制御を行うことができるとともに、該電源システムに接続される負荷の駆動状態に応じて、出力電力の調整制御を行うことができるので、電源システムの不正使用を阻止又は抑制しつつ、発電用燃料を効率的に消費することができる。
【0214】
さらに、発電モジュールの他の構成として、図26に示すように、上述した発電部21に相当する主発電部21Aに加え、所定の電気エネルギーを自立的に発生する副発電部21Bを備えた構成を有するものであってもよい。
副発電部21Bは、電源システム又は発電モジュール20の外部からの燃料供給に依存することなく、電源システムの内部において、常時、所定の電気エネルギーを自立的に発生して、発電モジュール20内の各構成(例えば、コード読取部23、認証判別部24、動作制御部28等)に対して、動作電源(電圧/電流)となる電気エネルギーを供給する。
【0215】
ここで、副発電部21Bにおける電気エネルギーの発生方法は、例えば、発電モジュール20内に、太陽電池や生物電池、振動発電器等を備え、これらにより電気エネルギーを発生するものや、適正な燃料パックから供給される発電用燃料に基づいて、主発電部21Aにより生成された電気エネルギーの一部を、予め充電池やコンデンサ等の電気エネルギー蓄積手段に蓄積し、常時、自立的に電気エネルギーを放出(放電)させるようにしたもの等であってもよい。
【0216】
このような構成を有する電源システムによれば、電源システムの外部から動作電源の供給を受けることなく、副発電部21Bにより供給される電気エネルギーによって、発電モジュール20の各構成を動作させることができるので、燃料パックに封入された発電用燃料が供給されていない状態であっても、燃料パック10に設けられた認証コードを認証、判別して、出力制御部22により主発電部21Aへの発電用燃料の供給状態を制御することができ、主発電部21Aにおける電気エネルギーの発生状態を制御することができる。
【0217】
次に、本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
上述した各実施形態に示した電源システムにおいては、燃料パックに設けられる認証コードとして、認証情報や製造シリアル番号等を適用し、発電モジュール内又はネットワークに接続されたホストコンピュータ内に備えられた認証判別部により、該認証情報の認証(判別)を行う構成を示したが、本実施形態においては、認証コードとして、電源システムにより発生された電気エネルギーを用いて所定のネットワークに接続し、該ネットワークを介して所望の電子情報の送受信を行うサービスの利用行為を許諾する識別情報(利用許諾権に関する情報)を含むように、又は、該識別情報そのものとなるように設定されている。
【0218】
図27は、本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の一実施形態を示す概念図である。ここで、上述した各実施形態に示した電源システムと同等の構成及び処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
図27に示すように、本実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール20は、上述した各実施形態と同様の構成を有する発電部21、出力制御部22、コード読取部23、認証判別部24に加え、認証判別部24における認証コード11の判別結果に基づいて、電源システムが搭載される情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51を動作させて、所定のネットワーク100に接続する制御を行う伝送制御部29と、を備えて構成されている。
【0219】
ここで、認証判別部24は、コード読取部23により読み取られた認証コードに含まれる認証情報(後述するネットワークサービス利用のための識別情報そのものであってもよい)が、予め設定登録された認証基準情報と同一であるか否かを判定し、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であるか否かを判別する認証、判別処理を行い、該判別結果を出力制御部22に出力して、発電部21における電気エネルギーの発生状態を制御するとともに、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であると判別した場合には、伝送制御部29に対して、認証コードに含まれるネットワークサービス利用のための識別情報(利用許諾権に関する情報;具体的には、接続先情報や利用確認番号、パスワード等)を出力して、所定のネットワーク100への接続が可能な状態に設定する。
【0220】
また、伝送制御部29は、認証判別部24からネットワークサービス利用のための識別情報が出力されると、情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51が動作する際に、該識別情報に基づいて、所定のネットワーク100に接続するための接続条件を設定する。これにより、適正な燃料パック10が装着された電源システムを搭載した情報機器50において、電源システムにより供給される電気エネルギーを用いて機器側通信機能部51を動作させる操作を行うと、その都度、伝送制御部29により、機器側通信機能部51におけるネットワーク接続条件が自動的に設定されて、電源システムの販売提供者、あるいは、電源システムにネットワークサービスを付加して提供する事業者(ネットワークサービス提供事業者)等が、予め設定した所定のネットワーク100に接続される。
【0221】
一方、ネットワーク100は、少なくとも、情報機器50の機器側通信機能部51に設定された接続条件に基づいて、有線通信又は無線通信等により情報機器50が直接接続されるネットワーク接続装置(サーバ)110が接続されている。ここで、ネットワーク100がインターネット等の汎用の電気通信回線である場合には、該ネットワーク100には、インターネットサービス提供事業者等により設置され、様々な電子情報やサービスを任意に利用することができるサービス提供装置(WWWサーバやメールサーバ等の各種サーバから構成されるインターネットサーバ)120が接続されている。なお、情報機器50が直接接続されるネットワーク接続装置110は、独自に様々な電子情報やサービスを提供するサービス提供装置としての機能を備えているものであってもよい。
【0222】
すなわち、本実施形態に係る電源システムを搭載した情報機器50によれば、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であるか否かの認証、判別処理が発電モジュール20内で実行され、適正な燃料パック10が装着された電源システムにより電気エネルギーが供給されている期間中(すなわち、燃料パックに封入された発電用燃料がなくなり、発電が停止するまでの期間)、任意にネットワーク100を介して、所望の電子情報を送受信等するサービスを利用することができる。
【0223】
また、認証コードとして、ネットワークサービスの利用許諾権に関する情報を適用することは、あたかも、コンピュータの利用者が、インターネットプロバイダにより提示される利用許諾契約や会員規約の内容を承諾し、インターネット接続サービスを利用する場合等と合致する。
そして、このような認証コードを適用した電源システムにおいては、燃料パックの販売時に、発電用燃料の売買行為としてではなく、ネットワークサービスの利用許諾権契約を締結する行為として、燃料パックが消費者に譲渡される。
【0224】
したがって、不適正な燃料パックが装着された電源システムにより発生された電気エネルギーを用いてネットワーク100に接続する不正行為は、上記利用許諾権を侵害するものと認定して、権利侵害に対する使用の差止や損害賠償等を求めて、訴訟を提起することができるので、このような法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止又は抑制して、市場から排除することができる。
【0225】
次に、本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービスの提供方法について、図面を参照して具体的に説明する。
図28は、本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の実行手順を示すフローチャートである。なお、上述した各実施形態と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0226】
本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービスの実行手順は、図28に示すように、まず、本実施形態に係る電源システムの販売提供者、あるいは、電源システムにネットワークサービスを付加して提供する事業者等により、燃料パック10にネットワークサービス利用のための識別情報を含む認証コード(暗号化認証コード)11が設けられ、該燃料パック10が市場に供給、販売される(S701)。
【0227】
ここで、燃料パックの販売時には、燃料パックの不正使用に対してネットワークサービスの利用許諾権を侵害するものとして訴訟の対象とすることを明示するとともに、発電用燃料の売買行為としてではなく、ネットワークサービスの利用許諾権契約を締結する行為として、燃料パックが消費者やネットワークサービスの利用者に譲渡される。また、燃料パック10の販売価格は、ネットワークサービスの利用料金を予め上乗せした価格、あるいは、含むような価格に設定されている。
【0228】
そして、消費者やネットワークサービスの利用者が、該燃料パック10を購入し、発電モジュール20に装着した状態で、所有する携帯電話や携帯情報端末等の情報機器50に搭載することにより、あるいは、発電モジュール20が内蔵された情報機器50に燃料パック10を直接装着することにより、燃料パック10に設けられた認証コード11が、コード読取部23により読み取られる(S702、S703)。
【0229】
次いで、認証判別部24において認証コードが復号化され、該認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報等について、認証処理部24bにより認証、判別処理が実行される(S704)。ここで、認証コードに含まれる認証情報は、上述した各実施形態に示したように、燃料パックが適正品であるか否かを証明する情報の他に、製造シリアル番号等を含むものであってもよい。
【0230】
この認証、判別処理において、認証処理部24bにより、装着された燃料パック10が適正品であると判別された場合には(S705)、出力制御部22に発電許可信号が出力されて、発電部21における発電動作が可能な状態に設定される(S706)。このとき、認証処理部24bは、該認証コードに含まれるネットワークサービス利用のための識別情報を抽出して、伝送制御部29に出力する。
【0231】
この発電動作が可能な状態において、例えば、情報機器50の利用者が、内蔵された通信機能を動作させるための所定のボタン操作等を行うことにより、電源システムにより発生された電気エネルギーを用いて、機器側通信機能部51を動作(起動)させると(S707)、伝送制御部29により、上記認証コードから抽出された上記識別情報に基づいて、所定のネットワーク100に接続するための接続条件が設定され(S708)、利用者がネットワークの接続先情報の設定や、利用確認番号、パスワードの入力等、何らの操作を行うことなく、ネットワーク接続装置110を介して、ネットワーク100に接続される(S709)。
【0232】
これにより、情報機器50の利用者は、購入した燃料パック10により発電動作が行われている期間中、すなわち、燃料パック10に封入された発電用燃料がなくなり、発電が停止するまでの期間(例えば、数日あるいは数週間)、自由にネットワーク100に接続して、所望のコンテンツの閲覧や電子メールの送受信等のネットワークサービスを利用することができる(S710)。ここで、上述した第5の実施形態に示したように、燃料パック10に封入された発電用燃料の残量を随時あるいは定期的に検出する手段(残量検出手段)を設けることにより、ネットワーク100への接続が可能な概略時間(残り時間)を、利用者に通知することができる。
【0233】
一方、上記認証、判別処理(S705)において、認証処理部24bにより、装着された燃料パック10が不正品(又は、不正使用された適正品)であると判別された場合には、出力制御部22に発電禁止信号が出力されて、発電部21における発電動作が行われない状態に設定されるとともに(S711)、例えば、アラーム等を発報して、情報機器の利用者に当該燃料パック10が不正品であることを報知する(S712)。
【0234】
したがって、消費者又は情報機器の利用者は、通常の消費行動により燃料パックを購入することにより、ネットワークサービスの利用の都度又は利用後に、料金を支払う必要がなく、かつ、一定期間、ネットワークに自由に接続する権利を得ることができるので、実質的に無料でネットワークサービスを利用することができる。
【0235】
一方、電源システムの販売提供者やネットワークサービスの提供事業者は、ネットワークサービスの利用許諾権に関する情報を含む認証コードを、燃料パックに設けることにより、上述したような認証コードに含まれる認証情報を認証、判別する技術的な認証方法に加え、ネットワークサービスの利用許諾権に基づく法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止又は抑制して、市場から排除することができるので、消費者に安全かつ信頼性の高い電源システムを提供しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0236】
また、ネットワークサービスの利用許諾権に関する情報を含む認証コードが設けられた燃料パックを、ネットワークサービスの利用料金(又は、提供料金)を予め上乗せした価格で、あるいは、含む価格で販売することにより、ネットワークサービスの利用者に対して、ネットワークサービスの提供に係る課金を確実に行うことができる課金システムを確立することができるので、電源システムの販売提供者やネットワークサービス提供事業者等の関連業界の良好な収益体制を確立して、新たなビジネスの形態を構築することができるとともに、より良質なサービスの提供や燃料パックのコストダウン等を行うことができ、消費者に対して利益の還元を図ることができる。
【0237】
次に、本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の他の実施形態について、図面を参照して説明する。
上述した実施形態においては、燃料パックに設けられる認証コードを認証、判別処理する手段(認証判別部24)を、発電モジュール内に備えた構成を示したが、本実施形態においては、情報機器に備えられた通信機能により接続されるホストコンピュータ(情報処理部)に認証判別手段を設けた構成を有している。
図29は、本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の他の実施形態を示す概念図である。ここで、上述した実施形態に示した電源システムと同等の構成及び処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0238】
図29に示すように、本実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュール20は、上述した第2の実施形態(図7参照)と同様の構成を有する発電部21、出力制御部22、コード読取部23、伝送制御部25を備え、また、本実施形態に係る電源システムに適用されるホストコンピュータ40は、上述した第2の実施形態(図7、図8参照)と同様の構成を有するホスト側通信機能部41と、認証判別部42と、を備えている。
【0239】
ここで、上述した実施形態と同様に、燃料パック10には、ネットワークサービス利用のための識別情報(利用許諾権に関する情報)を含む認証コードが設けられており、伝送制御部25は、コード読取部23により読み取られた認証コードをそのまま、所定のネットワーク100に接続されたホストコンピュータ40に送信し、ホストコンピュータ40から伝送される該認証コードに関する判別結果を受信する制御を行うとともに、上記認証コードからネットワークサービス利用のための識別情報を抽出して、情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51に対して、所定のネットワーク100を介してホストコンピュータ40に接続するための接続条件を設定する。
【0240】
また、ホストコンピュータ40は、情報機器50の機器側通信機能部51に設定された接続条件に基づいて、有線通信又は無線通信等により直接又はネットワーク100を介して間接的に情報機器50に接続される。ここで、ホストコンピュータ40に設けられるホスト側通信機能部41は、ネットワーク100に接続され、情報機器50(発電モジュール20)に対して認証コード及び判別結果等の情報の送受信を行うとともに、例えば、情報機器50からの要求に対して、所定の電子情報をネットワーク100を介して、サービス提供装置120に送受信(転送)するネットワーク接続装置としての機能を備えている。
【0241】
すなわち、本実施形態に係る電源システムを搭載した情報機器50によれば、発電モジュール20に装着された燃料パック10が適正品であるか否かの認証、判別処理がネットワーク100に接続されたホストコンピュータ40内で実行され、適正な燃料パック10が装着された電源システムにより電気エネルギーが供給されている期間中、ホストコンピュータ40及びネットワーク100を介して、所望の電子情報を送受信等するサービスを利用することができる。
【0242】
次に、本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービスの提供方法について、図面を参照して具体的に説明する。
図30は、本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の実行手順を示すフローチャートである。なお、上述した各実施形態と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0243】
本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービスの実行手順は、図30に示すように、上述した実施形態に示した処理手順(ステップS701〜S703)と同様に、まず、ネットワークサービスの提供事業者等により、ネットワークサービス利用のための識別情報を含む認証コード(暗号化認証コード)11が設けられた該燃料パック10が市場に供給、販売される(S801)。
ここで、燃料パックの販売時には、発電用燃料の売買行為としてではなく、ネットワークサービスの利用許諾権契約を締結する行為として、燃料パックが消費者やネットワークサービスの利用者に譲渡され、また、該燃料パック10の販売価格は、ネットワークサービスの利用料金を予め上乗せした価格、あるいは、含むような価格に設定されている。
【0244】
そして、情報機器50の利用者等が、該燃料パック10を発電モジュール20に装着して情報機器50に搭載することにより、燃料パック10に設けられた認証コード11が読み取られる(S802、S803)。
次いで、伝送制御部25により、読み取られた認証コードに含まれるネットワークサービス利用のための識別情報に基づいて、ホストコンピュータ40に接続するための接続条件が、情報機器50に備えられた機器側通信機能部51に設定され(S804)、消費者が接続先情報の設定等、何らの操作を行うことなく、ホストコンピュータ40に接続されて、上記認証コードをそのまま伝送する(S805)。
【0245】
次いで、ホストコンピュータ40は、ホスト側通信機能部41により情報機器50から伝送された認証コードを受信すると、認証判別部42において認証コードが復号化され、該認証コード(復号化認証コード)に含まれる認証情報等について、認証、判別処理が実行される(S806)。
この認証、判別処理において、認証判別部42により、装着された燃料パック10が適正品であると判別された場合には(S807)、発電許可信号が生成されて、情報機器50(出力制御部22)に伝送され(S808)、発電部21における発電動作が可能な状態に設定される(S809)。
【0246】
この発電動作が可能な状態において、利用者が情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51を動作(起動)させると(S810)、伝送制御部29により、上記認証コードに含まれるネットワークサービス利用のための識別情報に基づいて、所定のネットワーク100に接続するための接続条件が設定され(S811)、利用者がネットワークの接続先情報の設定や、利用確認番号、パスワードの入力等、何らの操作を行うことなく、ホストコンピュータ40を介して、ネットワーク100に接続される(S812)。
これにより、情報機器50の利用者は、購入した燃料パック10により発電動作が行われている期間中、自由にネットワーク100に接続して、所望のサービスを利用することができる(S813)。
【0247】
一方、上記認証、判別処理(S807)において、認証判別部42により、装着された燃料パック10が不正品であると判別された場合には、発電禁止信号が生成されて、情報機器50(出力制御部22)に伝送され(S814)、発電部21における発電動作が禁止された状態に設定されるとともに(S815)、アラーム等を発報して、情報機器の利用者に当該燃料パック10が不正品であることを報知する(S816)。
【0248】
なお、上述した一連の実行手順においては、伝送制御部25により認証コードに含まれるネットワークサービス利用のための識別情報に基づいて、情報機器50に内蔵された機器側通信機能部51に、ネットワーク接続条件を設定する処理を、ステップS804及びS811において個別に行う場合について説明したが、情報機器50をネットワーク100又はホストコンピュータ40に接続する際の接続条件が同一である場合には、ステップS804においてのみネットワーク接続条件を設定し、該接続条件を機器側通信機能部51に保持することにより、ステップS811の設定処理を省略することもできる。
【0249】
したがって、上述した実施形態と同様に、消費者又は情報機器の利用者は、通常の消費行動により燃料パックを購入することにより、ネットワークサービスの利用料金を別個に支払うことなく、実質的に無料でネットワークサービスを利用することができる。
また、ネットワークサービスの利用許諾権に関する情報を含む認証コードを、燃料パックに設けることにより、認証コードに含まれる認証情報を認証、判別する技術的な認証方法に加え、ネットワークサービスの利用許諾権に基づく法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止又は抑制して、市場から排除することができる。
【0250】
さらに、ネットワークサービスの利用許諾権に関する情報を含む認証コードが設けられた燃料パックを、ネットワークサービスの利用料金(又は、提供料金)を予め上乗せした価格で、あるいは、含む価格で販売することにより、ネットワークサービスの提供に係る課金を確実に行うことができるので、電源システムの販売提供者やネットワークサービス提供事業者等の良好な収益体制を確立して、新たなビジネスの形態を構築することができる。
【0251】
加えて、ネットワーク100に接続されたホストコンピュータ40により、発電モジュール20に装着された燃料パック10に設けられた認証コードを集中管理することができるので、不適正な燃料パックが市場に出回った場合には、その事実を直ちに発見することができ、市場への被害を抑制する対策を迅速に講じて、その被害を最小限に抑制することができる。
【0252】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液体又は気体からなる発電用燃料が充填、封入された燃料封入部(燃料パック)と、該発電用燃料から供給される特定の成分(例えば、水素)を用いて発電を行う発電モジュール(発電器)を備え、燃料封入部が着脱可能に構成されたポータブル型の電源システムにおいて、燃料封入部に設けられた所定の認証情報に基づいて、該燃料封入部が適正な製造者(企業や関連業界)により提供されたものであって、かつ、封入された発電用燃料の品質が保証されたもの(適正品)であるか否かが判別され、その結果に応じて、発電モジュールにおける電気エネルギーの発生状態(発電状態)が決定されるように構成されている。
【0253】
したがって、適正な製造者により提供され、品質の高い発電用燃料が封入された燃料封入部を、発電モジュールに装着した場合にのみ、電気エネルギーが発生されて、所定の負荷を駆動することができ、不正な製造者により提供され、品質が保証されない(あるいは、低い)発電用燃料が封入された燃料封入部(不正品)を、発電モジュールに装着した場合には、電気エネルギーが発生されないので、不適正な燃料封入部が市場に普及することを防止して、消費者に安全かつ信頼性の高い電源システム(発電用燃料)を提供することができるとともに、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0254】
ここで、上記電源システムに適用される一構成として、発電モジュールが、燃料封入部の所定の位置に設けられた認証情報を読み取る読取手段と、該読み取られた認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、該判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、を有するように構成することにより、仮に、不適正な燃料封入部が市場に出回ったとしても、該燃料封入部(発電用燃料)によっては、発電が行われず、市場での流通が実質的に阻止されることになり、消費者が不適正な製品を入手する機会が低減して、適正かつ品質が保証された発電用燃料による発電を行うことができるので、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の信頼性を維持して、健全な市場を構成することができる。
【0255】
また、上記電源システムに適用される他の構成として、電源システムが、発電モジュール及び燃料封入部とは離間して、所定の電気通信回線に接続された情報処理部を備えたものであって、発電モジュールが、燃料封入部の所定の位置に設けられた認証情報を読み取る読取手段と、所定の電気通信回線を介して、読み取られた認証情報を情報処理部に送信するとともに、情報処理部から伝送される認証情報に関する判別結果を受信する制御を行う伝送制御手段と、受信された判別結果に基づいて、電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、を有し、かつ、情報処理部が、発電モジュールから送信された認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、を有するように構成することにより、発電モジュール内に認証判別手段を備えることがないので、認証処理ための基本情報(認証基本情報)が発電モジュールから漏洩したり、盗用されることがなく、市場における不適正な燃料封入部の流通を阻止することができる。
【0256】
また、認証基本情報を情報機器から離間して設置された情報処理部側で集中管理することができるので、不正な認証情報が設けられた燃料封入部が市場に出回った場合であっても、情報処理部側で、該不正な認証情報を排除するような暗号化形式(暗号化鍵や復号化鍵)や認証基本情報等を適宜変更設定することができ、不適正な燃料パックによる被害(消費者の利益や電源システムの安全性の損失、業界や市場の信頼性の失墜等)を最小限に抑制することができる。
【0257】
さらに、上記電源システムの具体的な他の構成として、発電モジュールが、燃料封入部に封入された発電用燃料の残量を検出する残量検出手段を有するものであって、認証判別手段が、燃料封入部に設けられた認証情報及び発電用燃料の残量を関連付けて記憶し、該記憶された認証情報及び発電用燃料の残量と、新たに発電モジュールに装着された燃料封入部に設けられた認証情報及び発電用燃料の残量とを比較して、燃料封入部が適正品であるか否かを判別するように構成することにより、適正な認証コードが設けられた燃料封入部を、発電用燃料の使用途中で、消費者等の何らかの正当な(悪意のない)理由により、発電モジュールから分離した場合であっても、認証情報と発電用燃料の増減に基づいて、燃料封入部の適正な使用であると判別して、電気エネルギーを発生することができるので、消費者等の使用形態に対応した使い勝手の良い電源システムを提供することができる。
【0258】
また、上記認証情報は、少なくとも、燃料封入部の各々に固有の番号情報を含むように設定され、かつ、認証判別手段が、読取手段により読み取られた、燃料封入部に設けられた認証情報に含まれる番号情報を記憶し、該記憶された製造番号情報と、新たに発電モジュールに装着された燃料封入部に設けられた認証情報に含まれる番号情報が不一致の場合に、燃料封入部が適正品であると判別するように構成することにより、発電モジュールに不適正な燃料封入部が装着された場合だけでなく、適正な燃料封入部であって、発電用燃料の使用後に不適正な発電用燃料が再封入された燃料封入部が装着された場合であっても、該燃料封入部を不正品と判別し、発電動作を禁止することができ、燃料封入部の不正使用を排除することができるので、不正品による被害(情報機器の動作異常や故障等の発生、消費者利益の損失、関連業界や市場の信頼性の失墜等)を良好に防止又は抑制することができる。
【0259】
特に、当該履歴情報を所定の通信回線に接続されたホストコンピュータ内に記憶、保持することにより、市場における燃料封入部の使用状態を一括管理することができるので、不適正な燃料封入部が市場に出回った場合には、その事実を直ちに発見することができ、市場への被害を抑制する対策を迅速に講じることができる。
【0260】
さらに、上記認証情報は、少なくとも、発電モジュールの使用行為を許諾する識別情報(使用許諾権に関する情報)、あるいは、所定の電気通信回線に接続し、所望の電子情報の送受信を行うための固有の識別情報(利用許諾権に関する情報)を含むように設定されていることにより、不適正な燃料封入部が発電モジュールに装着された場合には、燃料封入部に設けられた認証情報(識別情報)に基づいて、電気エネルギーの発生が禁止され、実質的に電源システムを搭載した情報機器の利用が不可能となるとともに、発電モジュールの使用許諾権又はネットワークサービス利用権を不当に侵害するものとして、訴訟の対象とすることができる。したがって、発電モジュール及び燃料封入部の不正な使用を技術的に阻止又は抑制することができるとともに、上述したような法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止することができるので、消費者に安全かつ信頼性の高い電源システムを提供しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0261】
さらに、上述した各電源システムの構成において、認証情報は、所定の暗号化形式により暗号化されているとともに、認証判別手段は、該暗号化された認証情報を復号化して、復号化された認証情報に基づいて、記燃料封入部が適正品であるか否かを判別するように構成されていることにより、市場に流通する燃料封入部の各々に、暗号化された認証情報(異なる認証コード)を設けて、本来の認証情報を秘密化することができるので、燃料封入部に設けられた暗号化された認証情報を模倣や盗用した不正な認証情報を設けた燃料封入部が市場に流通することを防止又は抑制することができる。
【0262】
ここで、上記暗号化された認証情報は、異なる複数の復号化鍵により復号化が可能であり、認証判別手段は、複数の復号化鍵のうちのいずれか一つを備え、該復号化鍵を用いて復号化された認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別するように構成されていることにより、市場に流通している発電モジュールに備えられた復号化鍵の一つが解読され、該復号化鍵に対応した不正な認証情報を設けた燃料封入部が市場に出回った場合であっても、未だ解読されていない他の復号化鍵を備えた発電モジュールによっては、不正な認証情報を復号化して、電気エネルギーを発生することができないので、全ての発電モジュールにおける不適正な燃料封入部の利用を不可能として、実質的に市場での流通を阻止又は抑制して、市場から排除することができる。
【0263】
なお、上述した各電源システムにおいては、認証情報として、1次元的又は2次元的に形成された平面パターンにより構成されたものを適用することにより、バーコードや記号の羅列等の特定の平面パターンを燃料封入部の外面に印刷技術等を適用して簡易に設けることができるので、消耗品としての燃料封入部の構成を簡素化しつつ、安価な値段で市場に供給することができる。
【0264】
また、上述した電源システムにおいて、認証情報として、3次元的に形成された立体パターンにより構成されたものを適用し、かつ、発電モジュールが、認証情報と係合する3次元的に形成された読取手段と、認証情報と読取手段が係合した場合にのみ、電気エネルギーの発生を許可する出力制御手段と、電気エネルギーの発生が許可された場合のみ、電気エネルギーを発生する発電手段と、を有するように構成することにより、認証情報としての立体パターンと読取手段とが3次元的に係合した場合にのみ、発電モジュールに装着された燃料封入部が適正品と判別されるとともに、電気エネルギーが発生されるように構成されているので、認証情報の読取手段として光学式や磁気式、電気式等の複雑かつ高価な構成を必要とせず、簡易かつ安価な値段で電源システムを提供することができる。
【0265】
ここで、上記立体パターンからなる認証情報としては、燃料封入部を発電モジュールに装着する際に、少なくとも、該立体パターンの一部が不可逆的に変形するように構成したものであってもよく、例えば、燃料封入部が発電手段において電気エネルギーを発生する際に生成される副生成物を回収して保持する保持手段を備え、保持手段に副生成物が保持されることにより、少なくとも、立体パターンの一部が不可逆的に変形するように構成したものを適用することができる。これにより、適正な燃料封入部であって、発電用燃料の使用後、又は、使用途中で不適正な発電用燃料を再封入した燃料封入部を、発電モジュールに再装着する不正使用を物理的に防止して、電気エネルギーの発生を禁止することができるので、適正な燃料封入部のみが発電モジュールに装着されることになり、不正品による被害(情報機器の動作異常や故障等の発生、消費者利益の損失、関連業界や市場の信頼性の失墜等)を良好に防止又は抑制することができる。
【0266】
また、上記発電モジュールは、(各発電部)における電気エネルギーの発生方法(発電方法)は、発電用燃料を用いた電気化学反応によるもの、例えば、各発電部を構成する燃料極(カソード)に供給される発電用燃料(水素)と、空気極(アノード)に供給される酸素による電気化学反応により電気エネルギーを発生する燃料電池を良好に適用することができるし、発電用燃料を用いた燃焼反応によるもの、例えば、ガス燃焼型タービン発電器やゼーベック効果を利用した温度差発電器によるものを良好に適用することもできる。これにより、汎用の化学電池に比較して、極めてエネルギー利用効率の高い燃料電池やガス燃焼型タービン発電器等の発電手段を適用することができるので、電気エネルギーの効率的な発生(発電)を行うことができ、エネルギー資源の消費量を削減して有効な利用を図ることができる。
【0267】
そして、本発明に係る電源システムを利用したネットワークサービス提供方法は、発電用燃料が封入された燃料封入部(燃料パック)と、該発電用燃料を用いて発電を行う発電モジュール(発電器)を備え、燃料封入部が着脱可能に構成されたポータブル型の電源システムであって、燃料封入部に設けられた認証情報に基づいて、発電モジュール内、又は、所定の電気通信回線(ネットワーク)に接続された情報処理部(ホストコンピュータ)内で、該燃料封入部が適正な製造者により提供され、かつ、品質の高い発電用燃料が封入された適正品であるか否かが認証、判別され、適正な燃料封入部が発電モジュールに装着された場合にのみ、電気エネルギーが発生されるとともに、該電気エネルギーにより情報機器に内蔵された通信機能が動作して、所定の電気通信回線(ネットワーク)への接続が可能となり、所望の電子情報を送受信するサービスを利用することができるように構成されている。
【0268】
これにより、不適正な燃料封入部が発電モジュールに装着された場合には、燃料封入部に設けられた認証情報(識別情報)に基づいて、電気エネルギーの発生が禁止され、実質的に電源システムを搭載した情報機器の利用が不可能となるとともに、発電モジュールのネットワークサービス利用権を不当に侵害するものとして、訴訟の対象とすることができる。したがって、発電モジュール及び燃料封入部の不正な使用を技術的に阻止又は抑制することができるとともに、権利侵害訴訟等の法的効力に基づいて、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止することができるので、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【0269】
また、消費者(ネットワークサービスの利用者)は、燃料封入部を購入する通常の消費行動により、所定のネットワークに接続し、所望の電子情報の送受信を行うサービスを利用するための識別情報(ネットワークサービスの利用許諾に関する権利情報)を得ることができ、該識別情報に基づいて、所定のネットワークに接続し、所望の電子情報を送受信するサービスを利用することができるので、該ネットワークサービスの利用に関して、直接的な利用料金の支払いの手間が省かれ、適正な燃料封入部による電気エネルギーの発生(発電)が行われている期間中、実質的に無料のネットワークサービスを利用することができる。
【0270】
一方、関連業界又は企業等(電源システムの提供者)は、燃料封入部の販売行為のみで、特別な料金徴収行為を伴うことなく、ネットワークサービスの利用料を確実に徴収することができる課金システムを構築することができる。
したがって、情報機器において不可欠な動作電源である電源システムの供給サービス業務と、近年の情報技術(IT)の核であるネットワークサービスの提供業務とを融合した新たなビジネスの形態を提供することができる。
【0271】
なお、本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法に適用される上記認証情報は、所定の暗号化形式により暗号化されているとともに、認証判別手段は、前記暗号化された認証情報を復号化して、該復号化された認証情報に基づいて、燃料封入部が適正品であるか否かを判別することが好ましい。これにより、各燃料封入部に設けられ、所定のネットワークに接続し、所望の電子情報の送受信を行うサービスを利用するための識別情報(ネットワークサービスの利用許諾に関する権利情報)を含む認証情報、及び、該認証情報に対する認証、判別処理の結果の秘密性を高めることができるので、認証情報の認証、判別処理の際に当該情報が容易に盗用されることを防止して、市場における不適正な燃料パックの流通を阻止することができ、消費者の利益を保護しつつ、関連業界や市場の健全な発展を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る電源システムに適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る発電モジュールに適用される発電部の具体構成例を示す概略構成図である。
【図4】第1の実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る燃料パックに設けられる認証コードに適用される暗号化形式を示す概念図である。
【図6】不正な認証コードが設けられた燃料パックに対する普及抑制効果を説明するための概念図である。
【図7】本発明に係る電源システムの第2の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態に係る電源システムに適用される情報処理部の一構成例を示す要部ブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る電源システムの第3の実施形態に適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。
【図11】第3の実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る電源システムの第4の実施形態に適用される情報処理部の一構成例を示す要部ブロック図である。
【図13】第4の実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る電源システムの第5の実施形態に適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。
【図15】第5の実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る電源システムの第6の実施形態に適用される発電モジュールの一構成例を示す要部ブロック図である。
【図17】第6の実施形態に係る電源システムにおける動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る電源システムの第7の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図19】本発明に係る電源システムに適用される発電モジュールの他の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明に係る発電モジュールに適用される発電部の他の具体構成例を示す概略構成図である。
【図21】本発明に係る電源システムに適用される発電モジュールのさらに他の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明に係る発電モジュールに適用される発電部の他の具体構成例を示す概略構成図である。
【図23】本発明に係る発電モジュールに適用される発電部のさらに他の具体構成例を示す概略構成図である。
【図24】本発明に係る電源システムに適用される外形形状の具体例を示す概略構成図である。
【図25】本発明に係る電源システムに適用される外形形状と、汎用の化学電池の外形形状との対応関係を示す概略構成図である。
【図26】本発明に係る電源システムに適用される発電モジュールのさらに他の構成を示すブロック図である。
【図27】本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の一実施形態を示す概念図である。
【図28】本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図29】本発明に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の他の実施形態を示す概念図である。
【図30】本実施形態に係る電源システムを用いたネットワークサービス提供方法の実行手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 燃料パック
11 認証コード
15 I/F部
20 発電モジュール
21 発電部
21a 発電部本体
22 出力制御部
22a 燃料制御部
23 コード読取部
24、42 認証判別部
24a、42a 復号化部
24b、42b 認証処理部
24c、42c 判別処理部
24d、42e 履歴記憶部
25、29 伝送制御部
26 残量検出部
40 ホストコンピュータ
41 ホスト側通信機能部
42d 暗号化部
50 情報機器
51 機器側通信機能部
100 ネットワーク

Claims (25)

  1. 所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
    該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
    を備え、
    前記発電モジュールは、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取る読取手段と、
    前記読み取られた認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、
    前記認証判別手段による判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、
    前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、
    を有し、
    前記燃料封入部に設けられた所定の認証情報の判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生状態を切り換え制御することを特徴とする電源システム。
  2. 前記電源システムは、
    前記発電モジュール及び前記燃料封入部とは離間して、所定の電気通信回線に接続された情報処理部を備え、
    前記発電モジュールは、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取る読取手段と、
    前記所定の電気通信回線を介して、少なくとも、前記読み取られた認証情報を前記情報処理部に送信するとともに、前記情報処理部から伝送される前記認証情報に関する判別結果を受信する制御を行う伝送制御手段と、
    前記受信された判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、
    前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、
    を有し、
    前記情報処理部は、
    前記発電モジュールから送信された前記認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別して、前記判別結果を前記発電モジュールに送信する認証判別手段と、
    を有していることを特徴とする請求項1記載の電源システム。
  3. 前記発電モジュールは、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部に封入された前記発電用燃料の残量を検出する残量検出手段を有し、
    前記認証判別手段は、前記読取手段により読み取られた、前記燃料封入部に設けられた前記認証情報及び該燃料封入部に封入された前記発電用燃料の残量を関連付けて記憶し、該記憶された前記認証情報及び前記発電用燃料の残量と、新たに前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部に設けられた前記認証情報及び前記発電用燃料の残量とを比較して、該比較結果に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別することを特徴とする請求項又は記載の電源システム。
  4. 前記認証判別手段は、前記記憶された認証情報と、新たに前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部に設けられた認証情報が一致し、かつ、前記記憶された発電用燃料の残量と、新たに前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部に封入された前記発電用燃料の残量が一致、又は、新たに前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部に封入された前記発電用燃料の残量の方が少ない場合にのみ、前記燃料封入部が適正品であると判別することを特徴とする請求項記載の電源システム。
  5. 前記認証情報は、少なくとも、前記燃料封入部及び該燃料封入部に封入された前記発電用燃料の品質を保証し、証明する情報を含んでいることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電源システム。
  6. 前記認証情報は、少なくとも、前記燃料封入部の各々に固有の番号情報を含んでいるとともに、
    前記認証判別手段は、前記読取手段により読み取られた、前記燃料封入部に設けられた前記認証情報に含まれる前記番号情報を記憶し、該記憶された番号情報と、新たに前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部に設けられた認証情報に含まれる番号情報が不一致の場合に、前記燃料封入部が適正品であると判別することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電源システム。
  7. 前記認証情報は、少なくとも、前記発電モジュールの使用行為を許諾する識別情報を含んでいることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電源システム。
  8. 前記認証情報は、少なくとも、所定の電気通信回線に接続し、所望の電子情報の送受信を行うための固有の識別情報を含んでいることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電源システム。
  9. 前記認証情報は、所定の暗号化形式により暗号化されているとともに、
    前記認証判別手段は、前記暗号化された認証情報を復号化して、該復号化された認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電源システム。
  10. 前記暗号化された認証情報は、異なる複数の復号化鍵により復号化が可能であり、
    前記認証判別手段は、前記複数の復号化鍵のうちのいずれか一つを備え、該復号化鍵を用いて復号化された認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別することを特徴とする請求項記載の電源システム。
  11. 前記認証情報は、1次元的又は2次元的に形成された平面パターンにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電源システム。
  12. 前記認証情報は、3次元的に形成された立体パターンにより構成され、
    前記発電モジュールは、
    前記認証情報と係合する3次元的に形成された読取手段と、
    前記認証情報と前記読取手段が係合した場合にのみ、前記電気エネルギーの発生を許可する出力制御手段と、
    前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、
    を有していることを特徴とする請求項1記載の電源システム。
  13. 前記認証情報は、前記燃料封入部を前記発電モジュールに装着する際に、少なくとも、前記立体パターンの一部が不可逆的に変形することを特徴とする請求項12記載の電源システム。
  14. 前記燃料封入部は、前記発電手段により前記電気エネルギーを発生する際に生成される副生成物を回収して保持する保持手段を備え、
    前記認証情報は、前記保持手段に前記副生成物を保持することにより、少なくとも、前記立体パターンの一部が不可逆的に変形することを特徴とする請求項12記載の電源システム。
  15. 前記発電モジュールは、前記発電用燃料が直接的又は間接的に供給される燃料極と、空気中の酸素が供給される空気極と、を備え、前記燃料極及び空気極における電気化学反応により、前記電気エネルギーを発生することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電源システム。
  16. 前記発電用燃料は、水素を含む液体燃料又は気体燃料であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電源システム。
  17. 電気通信回線に接続して、所望の電子情報を送受信する通信機能を備えた情報機器に搭載される電源システムであって、
    該電源システムは、
    所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
    該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
    を備え、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられ、少なくとも、所定の電気通信回線を介して、所定の電子情報の提供サービスの利用を許諾する識別情報を含む前記認証情報を、前記読取手段により読み取るステップと、
    前記読み取られた認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別するステップと、
    前記燃料封入部が適正品であると判別された場合にのみ、前記電気エネルギーを発生するステップと、
    前記電気エネルギーを用いて前記情報機器に備えられた前記通信機能を動作させるステップと、
    前記認証情報に含まれる前記識別情報に基づいて、前記電気通信回線に接続し、前記所望の電子情報の送受信を行うステップと、
    を含むことを特徴とする電源システムを用いたネットワークサービス提供方法。
  18. 前記発電モジュールは、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取る読取手段と、
    前記読取手段により読み取られた認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別する認証判別手段と、
    前記認証判別手段による判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、
    前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、
    前記電気エネルギーを用いて前記情報機器に備えられた前記通信機能を動作させ、前記認証情報に含まれる前記識別情報に基づいて、前記電気通信回線に接続する制御を行う伝送制御手段と、
    を有し、
    前記発電モジュールにより、前記一連のステップを実行することを特徴とする請求項17記載の電源システムを用いたネットワークサービス提供方法。
  19. 該電源システムは、前記発電モジュール及び前記燃料封入部とは離間して、前記電気通信回線に接続された情報処理部を備え、
    前記発電モジュールは、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取る読取手段と、
    前記情報機器に備えられた前記通信機能を動作させ、少なくとも、前記読取手段により読み取られた認証情報を、前記電気通信回線を介して、前記情報処理部に送信するとともに、前記情報処理部から伝送される前記認証情報に関する判別結果を受信する制御を行う伝送制御手段と、
    前記受信された判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行う出力制御手段と、
    前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、
    を有し、
    前記情報処理部は、
    前記発電モジュールから送信された前記認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別して、前記判別結果を前記発電モジュールに送信する認証判別手段を有することを特徴とする請求項17記載の電源システムを用いたネットワークサービス提供方法。
  20. 前記認証情報は、所定の暗号化形式により暗号化されているとともに、
    前記認証判別手段は、前記暗号化された認証情報を復号化して、該復号化された認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別することを特徴とする請求項18又は19記載の電源システムを用いたネットワークサービス提供方法。
  21. 所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
    該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
    を備え、
    前記発電モジュールは、前記燃料封入部に設けられた1次元的又は2次元的に形成された平面パターンにより構成されている所定の認証情報の判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生状態を切り換え制御することを特徴とする電源システム。
  22. 所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
    該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
    を備え、
    前記燃料封入部は、3次元的に形成された立体パターンにより構成される認証情報を有し、
    前記発電モジュールは、前記認証情報と係合する3次元的に形成された読取手段と、前記認証情報と前記読取手段が係合した場合にのみ、前記電気エネルギーの発生を許可する出力制御手段と、前記出力制御手段により前記電気エネルギーの発生が許可された場合のみ、前記電気エネルギーを発生する発電手段と、を有することを特徴とする電源システム。
  23. 前記認証情報は、前記燃料封入部を前記発電モジュールに装着する際に、少なくとも、前記立体パターンの一部が不可逆的に変形することを特徴とする請求項22記載の電源システム。
  24. 前記燃料封入部は、前記発電手段により前記電気エネルギーを発生する際に生成される副生成物を回収して保持する保持手段を備え、
    前記認証情報は、前記保持手段に前記副生成物を保持することにより、少なくとも、前記立体パターンの一部が不可逆的に変形することを特徴とする請求項22記載の電源システム。
  25. 所定の発電用燃料を用いて電気エネルギーを発生する発電モジュールと、
    該発電モジュールに対して着脱可能に構成され、前記発電モジュールに供給するための前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、
    を備え、
    前記発電モジュールは、
    前記発電モジュールに装着された前記燃料封入部の所定の位置に設けられた前記認証情報を読み取り、
    前記読み取られた認証情報に基づいて、前記燃料封入部が適正品であるか否かを判別し、
    前記認証判別手段による判別結果に基づいて、前記電気エネルギーの発生を許可又は禁止する切り換え設定を行い、
    前記電気エネルギーの発生が許可設定された場合のみ、前記電気エネルギーを発生することを特徴とする電源システムの発電方法。
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