以下、図1ないし図35に示される本発明の第1実施形態について説明する。
図1ないし図3に示されるように、ビリヤードゲーム装置1の筺体2は、左右一対の側板3と、前板4と、後板5と、頂板6と、図示されない底板とよりなり、図2ないし図5に図示されるように、両側板3の上下中央部手前側に模擬ビリヤードテーブル7が水平に張設され、該模擬ビリヤードテーブル7の両側縁面と手前縁面とに、弾性に富んだゴム製のキュー落下防止部材8が、該模擬ビリヤードテーブル7の上面より上方へ隆出して一体に装着され、該模擬ビリヤードテーブル7より上方に所要の間隔をなして表示装置9が配設され、該表示装置9の下面に保護木板10が張設されている。
また、図3ないし図4に示されるように、前記表示装置9の手前面直下から手前側に露出した模擬ビリヤードテーブル7のプレー面7aの略中央に、上方へ盛り上がりかつ左右中央部が窪んだ形状の模擬ブリッジ11が配設されており、該模擬ブリッジ11は模擬ビリヤードテーブル7の上面に沿って前後左右に所定の範囲内で移動できるとともに、放置状態では自動的に中心位置に復帰できるようになっている。
さらに、図3に示されるように、模擬ビリヤードテーブル7のプレー面7aにおいて、前記模擬ブリッジ11の左側でややこれよりも手前寄りに位置してキュー方向制御ボール12が配設されるとともに、該キュー方向制御ボール12よりも左右方向中央寄りでかつ手前寄りに位置してスタート・モード切換ボタンスイッチ13が配設され、また、前記キュー方向制御ボール12よりも奥側の左寄りに位置してトップ画面押ボタンスイッチ14が配設され、かつ該トップ画面押ボタンスイッチ14より左右方向中央寄りに位置して前後に拡大選択ボタンスイッチ15および縮小選択ボタンスイッチ16が配設されている。
さらにまた、図1に示されるように、前板4の手前面における右側に位置してメダル投入口17が配置されるとともに該メダル投入口17の下方に投入メダル数表示器18が配置されている。
しかも、図4に示されるように、前記模擬ブリッジ11のカバー20の左右中央凹部20a(図7ないし図10)に遊嵌される程度の太さで実物のキューより短い長さの模擬キュー19が用意されており、該模擬キュー19が、2点鎖線で図示されるように、模擬ビリヤードテーブル7上に置かれた状態では、模擬ビリヤードテーブル7より上方へ盛り上がったキュー落下防止部材8により、模擬キュー19は塞き止められて、模擬ビリヤードテーブル7から下方へ落下できないようになっている。
前記模擬ブリッジ11は、図7に示されるように、模擬ビリヤードテーブル7上で該模擬ビリヤードテーブル7の上面に接したまま前後左右にカバー20を移動させるブリッジ水平スライドユニット21と、図24および図25に示されるように、該ブリッジ水平スライドユニット21の水平移動に連動して前後左右に傾動する揺動シャフト23を枢支してカバー20の前後左右移動量を検出するブリッジ位置検出ユニット22とよりなっている。そして、前記模擬ブリッジ11を最も手前に移動させた場合でも、模擬ブリッジ11上に模擬キュー19を載せるとともに模擬キュー19を模擬ビリヤードテーブル7のキュー落下防止部材8の上縁8a(ビリヤードテーブルのレール頂面に相当)に載せた状態で、模擬キュー19を前方へ撞き出した際に、模擬キュー19の先端19aが表示装置9の表示面9aに衝突せず、保護木板10と模擬ブリッジ11との間のキュー進入空間49内に進入することができる寸法関係に、表示装置9および模擬ブリッジ11の大きさと、模擬ビリヤードテーブル7に対する模擬ブリッジ11および表示装置9の配置間隔と模擬ビリヤードテーブル7のキュー落下防止部材8の上縁8aの高さとが設定されている。
図7ないし図23を参照してブリッジ水平スライドユニット21の構造について説明する。なお、図7における矢印Fは前方を指している。
図7、図26および図27に示されるように、模擬ビリヤードテーブル7は、木板24と金属板25と合成樹脂板26とよりなり、木板24の上方に順次金属板25および合成樹脂板26が重ね合わされ、図5、図7、図11および図12に示されるように、模擬ビリヤードテーブル7の木板24の手前側左右中央部分に、対向する前後縁中央部に凹部24cを有する方形開口24aが形成されるとともに、該開口24aの前後縁下面に切り欠き24b(図11)が形成されており、これら切り欠き24bに下方からベースプレート27が嵌装されるようになっている。切り欠き24bと凹部24cの位置は図11に示すように対応している。
また、図13に示されるように、模擬ビリヤードテーブル7より下方に配置されたベースプレート27の中心に円孔27aが形成されるとともに、該円孔27aを挟んで前後に前後溝27bが形成され、図15および図16に示されるガイドプレート28が、図7において、前記ベースプレート27の前後溝27bを上方から塞ぐように、該ベースプレート27の上面に前記ガイドプレート28が重ねられて一体に装着され、図17および図18に示される前後スライドプレート29の下面より下方へ突出した前後のガイドピン29aが、ガイドプレート28のガイド溝28aに前後へ移動可能に嵌合されており、これらガイドプレート28および前後スライドプレート29は木板24の前記開口24a内に納められるようになっている。
さらに、模擬ビリヤードテーブル7より上方に配置されたカバー底板30は、図19および図20に示されるように、小判状に形成され、該カバー底板30の前後中央には、左右方向に指向した左右溝30aが設けられ、図7において、2枚のガイドプレート28が該左右溝30aの左右部分をそれぞれ塞ぐように、該ガイドプレート28は前記カバー底板30に重ねられて一体に装着されている。該ガイドプレート28のガイド溝28aは、前記の前後スライドプレート29の上面から突出した左右のガイドピン29bに移動可能に嵌合されており、これによって、カバー底板30は上記の前後スライドプレート29に対して左右方向に移動可能となっている。
さらに、また、支持ブラケット31は、図21に示されるように平面視でコ字状をなし、左右の脚部31aは、後部の連結部31bで相互に一体に連結され、支持ブラケット31の左右脚部31aの下部折り曲げ部31cが前記ガイドプレート28を跨いでカバー底板30の上面に一体に装着され、該支持ブラケット31における前後脚部31aの上部切り欠き31dにキュー支持ローラ32の両端軸部32aが嵌合され、該左右脚部31aの上部の折り曲げ部31eに押え板33が一体に装着され、前記キュー支持ローラ32の左端に切り欠き円板34が一体に嵌着され、左右脚部31aの左方の脚部31aには、発光素子と受光素子を備えたセンサー本体35が一体に取り付けられ、切り欠き円板34およびセンサー本体35でもってロータリエンコーダ36が構成されており、切り欠き円板34の回転量すなわちキュー支持ローラ32の回転角度がロータリエンコーダ36でもって検出されるようになっている。
次に、図24および図25に示されるブリッジ位置検出ユニット22を説明すると、ブリッジ位置検出ユニット22の外殻は、上方のベース37と、このベース37の下部に一体に装着されるベアリングカバー38とよりなり、該ベース37の下面左右前後に略半円筒状のベアリング受け凹部37a、37bと、中央部に円形開口37cとが形成され、前記ベアリングカバー38の上面左右前後に略半円筒状のベアリング受け凹部38a、38bが形成されている。なお、図24、図25において、矢印Fは前方を指している。
また、ベース37およびベアリングカバー38を上下に重ねた左右ベアリング受け凹部37a、38aにベアリング39を介して前後揺動部材40の軸部40aが前後へ揺動自在に枢支されるとともに、前後ベアリング受け凹部37b、38bにベアリング39を介して左右揺動部材41の軸部41aが左右へ揺動自在に枢支され、これら前後揺動部材40および左右揺動部材41は、この前後揺動部材40および左右揺動部材41とベース37およびベアリングカバー38とにその両端が結合されたコイルスプリング42のバネ力により、常に中立位置に復帰できるように付勢されている。
さらに、前記前後揺動部材40および左右揺動部材41の各軸部40a、41aにはセグメントギア43がそれぞれ一体に嵌着され、該セグメントギア43に前後位置検出エンコーダ44、左右位置検出エンコーダ45のピニオン44a、45aが噛み合うように、前後位置検出エンコーダ44および左右位置検出エンコーダ45がベアリングカバー38に装着されている。
さらにまた、前記揺動シャフト23の左右両側に一体に前後揺動軸46が装着され、該前後揺動軸46は前記左右揺動部材41の略前後中央部に前後へ揺動自在に枢支されており、揺動シャフト23の下部23aは前記前後揺動部材40のガイド溝40bに摺動自在に嵌合されており、揺動シャフト23が前後に揺動すると、揺動シャフト23の下部23aに係合している前後揺動部材40が揺動シャフト23の揺動に対応して前後に揺動し、その前後揺動角は前後位置検出エンコーダ44によって検出され、また揺動シャフト23が左右に揺動すると、該揺動シャフト23の揺動と一体となって左右揺動部材41が左右に揺動し、その左右揺動角は左右位置検出エンコーダ45によって検出されるようになっている。
また、ベース37の中央開口37cには、円板の揺動制限ストッパー47が装着され、揺動シャフト23の上端には、ユニバーサルジョイント部材48が揺動シャフト23の軸方向に沿って摺動自在に嵌着されるとともに、該ユニバーサルジョイント部材48は前記カバー底板30に一体に装着されている。
ビリヤードゲーム装置1の動作を制御するゲーム制御装置50は、筺体2に内蔵され、該ゲーム制御装置50は、図28に示されるように、プログラムデータ記憶装置51と、CPU52と、システムメモリ53と、BOOT ROM 54と、バスアビータ55と、レンダリングプロセッサ56と、グラフィックメモリ57と、サウンドプロセッサ58と、サウンドメモリ59とを備え、これらは、図28のブロック図に図示されるように、バスでもって相互に接続されている。
プログラムデータ記憶装置51は、ナインボール、エイトボール等の複数のビリヤードゲームプログラムと、図31ないし図32に示されるフローチャートを実行するゲーム実行プログラムと、これらのビリヤードゲームを再現するための映像や音声等のデータが格納されており、該プログラムデータ記憶装置51はバスを介してバスアビータ55に接続されている。なお、プログラムデータ記憶装置51の代りに、光ディスクや光ディスクドライブ等よりなるプログラムデータ記憶媒体を用いてもよく、該プログラムデータ記憶媒体を用いた場合には、ゲーム制御装置50に出し入れ自在にこのプログラムデータ記憶媒体を装入でき、多種類のビリヤードゲームを実行することができる。
また、CPU52は、ビリヤードゲームプログラムを実行し、全体システムを制御し、画像表示のための座標計算等を行ない、システムメモリ53には、該CPU52が処理を行なうに必要なプログラムやデータが格納され、BOOT ROM54には、ゲーム制御装置50を起動するときに必要なプログラムやデータが格納され、バスアビータ55はゲーム制御装置50の各ブロックや後記コントローラ63から出力されるプログラムやデータの流れを制御するようになっている。
さらに、レンダリングプロセッサ56は、プログラムデータ記憶装置51から読み出された映像データや、プレーヤの操作により出力された操作データや、ゲーム展開に応じて生成すべき画像データをディスプレイモニタ60に送信し、この生成すべき画像をこのディスプレイモニタ60に表示させるようになっている。なお、ディスプレイモニタ60は、前記表示装置9に対応するものである。そして、グラフィックメモリ57には、レンダリングプロセッサ56が画像生成を行なうに必要なグラフィックデータ等が格納されている。
さらにまた、サウンドプロセッサ58は、プログラムデータ記憶装置51から読み出された音声データや、プレーヤの操作により出力された操作データやゲーム展開に応じて生成すべき音声データをスピーカ61に送信し、この生成すべき音声をスピーカ61から発生させるようになっている。
また、ゲーム制御装置50には、図示されないモデムおよび電話回線を介して他のゲーム制御装置50やネットワークサーバと通信を行なうことができるようになっている。
さらに、ゲーム制御装置50には、CPU52とバスアビータ55とが、ビリヤードゲームの途中経過の情報やモデムを通じて入出力されるプログラムデータを記録しておくバックアップメモリ62に接続されるとともに、コントローラ63が、バスアビータ55に接続されており、コントローラ63は、プレーヤによって操作されるメダル投入口17のメダル投入検出器、キュー方向制御ボール12、スタート・モード切換ボタンスイッチ13、トップ画面押ボタンスイッチ14、拡大選択ボタンスイッチ15、縮小選択ボタンスイッチ16、および模擬ブリッジ11のロータリエンコーダ36、前後位置検出エンコーダ44、左右位置検出エンコーダ45よりなり、該コントローラ63はこれら各検出器の制御信号をゲーム制御装置50に出力するようになっている。
しかして、ゲーム制御装置50では、図31のフローチャートに示されるように、ビリヤードゲーム装置1に電源が接続されると(ステップS1)、ディスプレイモニタ60上に仮想三次元空間内においてビリヤードの画面が表示される(ステップS2)。ゲーム制御装置50では、下記に説明するような動作を行なうことができるようになっている。
まず、プレーヤがスタート・モード切換ボタンスイッチ13を押すと(ステップS3)、何種類かのビリヤードゲームが表示され(ステップS4)、続いて、プレーヤがそのいずれかのビリヤードゲームを選択すると(ステップS5)、選択されたビリヤードゲームの画面がディスプレイモニタ60に表示され、ディスプレイモニタ60の画面上では、多数の球オブジェクトの内、手前側に手球オブジェクトと、この手球オブジェクトにキュー延長方向が向いたキューオブジェクトとが表示されるとともに、的球オブジェクトと、前記手球オブジェクトをこの的球オブジェクトに当てた際に的球オブジェクトをポケットオブジェクトに入れることができるイマジナリボールオブジェクトとが表示される(ステップS6)。
さらに、プレーヤがキュー方向制御ボール12を左右に転がすと(ステップS7)、画面上のキュー延長線と手球オブジェクトが静止したまま、画面上のテーブルオブジェクトおよび該テーブルオブジェクト上の多数の球オブジェクトは、相互の位置関係が変らずに全体として左右に回転し、また、プレーヤがキュー方向制御ボール12を前後に転がすと、画面上の映像の俯瞰状態が高くまたは低くなる(ステップS8)。
さらにまた、プレーヤが拡大選択ボタンスイッチ15を押すと(ステップS9)、ディスプレイモニタ60の画面上の手球オブジェクトと的球オブジェクトの相互距離が短縮して、ディスプレイモニタ60の画面が拡大し(ステップS10)、プレーヤが縮小選択ボタンスイッチ16を押すと(ステップS11)、ディスプレイモニタ60の画面上の手球オブジェクトと的球オブジェクトの相互距離が拡大して、ディスプレイモニタ60の画面が縮小する(ステップS12)。
そして、トップ画面押ボタンスイッチ14を押すと(ステップS13)、ビリヤードテーブルを真上から見た画面となり、キューと手球と的球の平面的位置関係が明確に一定時間表示される(ステップS14)。トップ画面押ボタンスイッチ14の操作でこの表示状態が出現した場合には、模擬キュー19を模擬ブリッジ11上で撞き操作しても、ディスプレイモニタ60の画面上では、キューが撞かれた状態とはならないようになっている。
また、プレーヤが模擬ブリッジ11を中立位置から左右に移動させると(ステップS15)、ディスプレイモニタ60の画面上のキュー延長線が手球オブジェクトと交わる撞きポイントが左右に移動し、画面上においてキューで撞かれた手球オブジェクトの転がり経路が右方または左方へ彎曲するようになっている(ステップS16)。
さらに、プレーヤが模擬ブリッジ11を中立位置から手前に移動させると(ステップS17)、ディスプレイモニタ60の画面上の手球オブジェクトの撞きポイントが下方へ移動し、画面上においてキューで撞かれた手球オブジェクトが転がり方向と逆方向へ逆回転し、ドローショットが表示されるようになっている(ステップS18)。
さらにまた、プレーヤが模擬ブリッジ11を中立位置から奥側に移動させると(ステップS19)、ディスプレイモニタ60の画面上の手球オブジェクトの撞きポイントが上方へ移動し、画面上においてキューで撞かれた手球オブジェクトが直ちに前進方向へ回転し、フォローショットが表示されるようになっている(ステップS20)。
そして、プレーヤが模擬キュー19を模擬ブリッジ11のキュー支持ローラ32上に載せてセットし、該模擬キュー19を引くと(ステップS21)、ロータリエンコーダ36によりキュー支持ローラ32の逆方向回転角度が検出されて、キューと手球との距離が演算され(ステップS22)、この距離が所定の距離以下、すなわちキュー引き量が所定値以下か否か判断され(ステップS23)、このキュー引き量が所定値以下であれば、画面上のキューオブジェクトが半透明となり(ステップS24)、ステップS22に戻り、前記キュー引き量が所定値以上であれば、画面上のキューが半透明から不透明にはっきりと表示されるようになっている(ステップS25)。
また、プレーヤが模擬キュー19を撞いて、キュー支持ローラ32を正回転させると(ステップS26)、キューと手球との距離が演算され(ステップS27)、キューが手球に当ったか否か判定され(ステップS28)、手球に対するキュー先端撞き個所、キューの移動速度、移動距離、手球、的球、その他の球の配置位置等に基き、これらの球の転動状態が画面上に表示され(ステップS29)、さらにこれらの球が静止した最終結果の画面が表示され(ステップS30)、ゲームが終了したか否か判定され(ステップS31)、終了したならばエンドとなり(ステップS32)、ゲームが終了しなければ、ステップS7に戻るようになっている。
しかも、ロータリエンコーダ36により検出されたキュー支持ローラ32の回転速度に対応して、ディスプレイモニタ60すなわち表示装置9に表示される手球オブジェクトが速くまたは遅く前進するとともに、遠くまたは短い距離を移動するようになっている。
図1ないし図35に示す第1実施形態では、前記模擬ブリッジ11を最も手前に移動させた場合でも、模擬ブリッジ11上に模擬キュー19を載せるとともに模擬キュー19を模擬ビリヤードテーブル7のキュー落下防止部材8の上縁8aに載せた状態で、模擬キュー19を前方へ撞き出した際に、模擬キュー19の先端19aが表示装置9の表示面9aに衝突せず、保護木板10と模擬ブリッジ11との間のキュー進入空間49内に進入することができる寸法関係に、表示装置9および模擬ブリッジ11の大きさと、模擬ビリヤードテーブル7に対する模擬ブリッジ11および表示装置9の配置間隔と模擬ビリヤードテーブル7のキュー落下防止部材8の上縁8aの高さとが設定されているため、プレーヤが模擬ブリッジ11をどのような位置に移動させて、模擬ブリッジ11に模擬キュー19をセットし、該模擬キュー19を前方へ撞いても、誤って模擬キュー19の先端19aが表示装置9の表示面9aに衝突することがなく、模擬キュー19の撞き操作による表示装置9の破壊が未然に防止される。
また、模擬ビリヤードテーブル7の外周に上方へ盛り上がった状態でキュー落下防止部材8が設けられているため、模擬キュー19がキュー落下防止部材8に塞ぎ止められて、模擬ビリヤードテーブル7より模擬キュー19の落下が阻止され、模擬キュー19の破損が未然に回避される。
さらに、プレーヤが模擬キュー19を模擬ブリッジ11上にセットし、所定距離だけ手前に引かないと、ディスプレイモニタ60の画面上でビリヤードゲームが実行されないので、実際にビリヤードをプレーするのと同じようなプレー感覚を持つことができる。
さらに、プレーヤがキュー方向制御ボール12を前後、左右に転がすことにより、実際にビリヤードをプレーしようとして、手球の前方延長線上に的球が位置するように、体を移動させ、フィンガーブリッジを組むと同じような状況の画面をディスプレイモニタ60すなわち表示装置9の表示面9a上に表示でき、実際に手球と的球とを結ぶ線上に体を動かしたと同様な感じをプレーヤに与えることができる。
具体的には、プレーヤがキュー方向制御ボール12を左方に回転した場合、表示装置9の表示面9a上に図33に示すように表示された的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66およびテーブルオブジェクト69は、キューオブジェクト68の向きを変えないまま、手球オブジェクト64を中心として、図34に示されるように、右方へ回転した画面に表示される。これは、的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66およびテーブルオブジェクト69が固定された場合には、プレーヤの向きとキューオブジェクト68の向きが左方へ旋回したことと同じことになる。
また、プレーヤがキュー方向制御ボール12を奥の方へ回転した場合、表示装置9の表示面9a上に図33に示されるように表示された手球オブジェクト64,的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66,キューオブジェクト68およびテーブルオブジェクト69は左右へ回転することなく、図35に示されるように、俯瞰状態を変えた(水平に近い視線状態から鉛直下方に近い視線状態)画面が表示される。
さらにまた、プレーヤは縮小選択ボタンスイッチ16を押すことにより、手球と的球とを遠くから離れて見たと同様な状況の画面を表示装置9の表示面9a上に表示でき、次に拡大選択ボタンスイッチ15を押すことにより、手球に接近したと同様な状況の画面を表示装置9の表示面9aに表示でき、実際に手球に向かってキューを構えたと同様な感じをプレーヤに与えることができる。
そして、トップ画面押ボタンスイッチ14をプレーヤが押せば、模擬ビリヤードテーブル7の表示面9aにはビリヤードテーブルを真上から見た画像が表示されるため、手球と的球の位置関係を正確にプレーヤは把握することができる。
また、模擬ブリッジ11のキュー支持ローラ32上に模擬キュー19がセットされ、模擬キュー19が所定距離手前へ引かれない状態では、表示装置9の表示面9a上のキューオブジェクトの先端部は半透明となるため、手球にキュー先端が接触する位置関係が明瞭に表示され、狙いが付け易い。
さらに、模擬ブリッジ11のキュー支持ローラ32上に模擬キュー19がセットされ、模擬キュー19が所定距離以上手前に引かれると、表示装置9の表示面9a上の半透明キュー先端部オブジェクトは、不透明となり、実際にビリヤードをプレーするのと同じような状況に切り換えられる。
さらにまた、キュー方向制御ボール12が適宜操作されて、表示装置9の表示画面9a上のキューオブジェクトの向きが適正であり、また、模擬ブリッジ11の前後左右位置が適正であって、表示装置9の表示面9a上の手球オブジェクトに対するキューオブジェクトの撞き位置が適正であり、しかも、模擬ブリッジ11のキュー支持ローラ32上にセットされた模擬キュー19の前進速度が適切であれば、これらのデータは全て、コントローラ63よりゲーム制御装置50に送信されて、ゲーム制御装置50内における映像データと共に計算され、手球が的球に衝突した後、的球がポケットに向かって転がり、該ポケットに的球が入るショット成功画像が、表示装置9の表示面9aの仮想三次元空間内に表示される。
そして、キュー方向制御ボール12、模擬ブリッジ11および模擬キュー19の操作が適正でないと、的球がポケットに入らず、ショットが不成功に終った画像が、表示装置9の表示面9a上の仮想三次元空間内に表示される。
また、スタート・モード切換ボタンスイッチ13の選択操作により、初心者向けのゲームモードに選択された場合には、図29、図30に示されるように、表示装置9の表示面9a上には、手球オブジェクト64、的球オブジェクト65、ポケットオブジェクト66のほか、イマジナリ球オブジェクト67が表示されるため、手球と的球とポケットの位置関係で決定されるイマジナリ球を想定できないような初心者でも、表示装置9の表示面9a上に表示されるイマジナリ球オブジェクト67に向かって適正に手球オブジェクト64を進行させることができれば、ショットを成功させることができ、プレーヤの興趣を盛り上げることができる。
前記実施形態では、模擬キュー19を模擬ブリッジ11上で所定距離引いた結果、模擬キューの前方撞き操作によるディスプレイモニタ60の画面上のキューオブジェクト撞き動作が可能になった時、半透明のキューオブジェクトが不透明となるので、キューオブジェクト撞き動作が可能となったことをプレーヤはディスプレイモニタ60の画面で知ることができるが、このキューオブジェクト撞き動作可能を、ディスプレイモニタ60の画面に表示し、または音声でこれを知らせるようにしてもよい。
図1ないし図35に示された第1実施形態では、キュー方向制御ボール12の左右方向および前後方向の回転操作でもって、表示装置9の表示画面9a上の手球オブジェクト64とキューオブジェクト68を手前側から奥に向けたまま、キューオブジェクト68の延長線上にある手球オブジェクト64を中心とし、テーブルオブジェクト69と該テーブルオブジェクト69上の的球オブジェクト64やその他の的球オブジェクト65を左右に回転し、またはこれらの表示画面9a上の各オブジェクト64,65,66,67,68,69の俯瞰状態を変えることができるようになっているため、プレー進行中、模擬キューのプレーヤ操作が適切でない結果、相手プレーヤが手球を的球に当てられなかった場合や、手球をポケットに入れてしまった場合(スクラッチ)に、手球オブジェクト64をテーブルオブジェクト69上の好きな個所に自由に設定することができなかった。
これを解消するために、模擬ビリヤードテーブル7上にキュー方向制御ボール12を設ける代りに、図36に示すように、トラックボール70と視点移動ボタン71を設け、下記に説明の動作を行なわせる第2実施形態を構成してもよい。
すなわち、視点移動ボタン71を押さずに、トラックボール70のみを左方に回転操作した場合には、図33に示された各種オブジェクト64,65,66,68,69の配置状態から、図37に示されるように、表示画面9a上の手球オブジェクト64およびキューオブジェクト68は固定されたまま、的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66およびテーブルオブジェクト69は、トラックボール70の回転操作量に対応した距離だけ右方に手前方向(図面では下方)に移動するようになっている。
また、視点移動ボタン71を押さずに、トラックボール70のみを前方へ回転操作した場合には、図33に示された各種オブジェクト64,65,66,68,69の配置状態から、図38に示されるように、表示画面9a上の手球オブジェクト64およびキューオブジェクト68は固定されたまま、的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66およびテーブルオブジェクト69は、トラックボール70の回転操作量に対応した距離だけ手前方向に移動するようになっている。そして、トラックボール70の回転方向を斜にした場合には、その左右成分と前後成分のベクトル和の方向に的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66およびテーブルオブジェクト69を移動させることができるようになっている。
さらに、視点移動ボタン71を押しながら、トラックボール72を左右、前後に回転した場合には、図1ないし図35に示される実施形態と同じように動作するようになっている。
したがって、図36ないし図38に示される実施形態では、図1ないし図35に示される実施形態の動作の外に、的球オブジェクト65,テーブルオブジェクト69に対し、手球オブジェクト64およびキューオブジェクト68を表示画面9a上で移動することができる。
なお、前記図1ないし図35に示される第1実施形態および図36ないし図38に示される第2実施形態において、キュー方向制御ボール12およびトラックボール70の回転方向と、表示画面9a上の的球オブジェクト65,ポケットオブジェクト66,イマジナリ球オブジェクト67およびテーブルオブジェクト69の移動方向とを逆にしてもよい。
そして図1ないし図35の第1実施形態および図36ないし図38の第2実施形態では、模擬ビリヤードテーブル7上の模擬ブリッジ11にプレーヤによってセットされた模擬キュー19の向きとは無関係に、図33ないし図35および図37ないし図38に示されるように、表示装置9の表示画面9上のキューオブジェクト68は、常に手前側から奥側に向け表示画面9aの下縁9cに対し直角奥方向に向くように表示されているため、実物のビリヤードと異なったプレーを行なう感覚が与えられていた。
これを改善するために、図39ないし図40に示すように、模擬キュー19の多数の水平方向検出センサー72および鉛直方向検出センサー73を、模擬ブリッジ11のキュー支持ローラ32の頂部を中心とした半径rの円弧上に沿い、模擬ビリヤードテーブル7および側板3にそれぞれ等間隔に配置し、模擬ブリッジ11の水平位置X,Yと、模擬キュー19を検出した水平方向検出センサー72の配置位置と、模擬キュー19を検出した鉛直方向検出センサー73の配置位置を基にして、ゲーム制御装置50にて、模擬ビリヤードテーブル7上の模擬キュー19の向きを算出し、これを表示画面9a上に表示させるように構成する。
また、キュー方向制御ボール12を回転操作すると、表示画面9a上で、手球オブジェクト68を中心としたテーブルオブジェクト69の向きが変り、すなわち、プレーヤがビリヤードのどの位置に接近したかを示す画像が表示されるように、画像形成装置を構成する。
さらに、模擬ブリッジ11の位置を前後、左右に変えると、表示画面9a上に表示されたブリッジオブジェクト(図示されず)をそれに対応して変更させるように、画像形成装置を構成する。
図39ないし図40に示された第3実施形態では、プレーヤが実物のビリヤードテーブルに近づき、ビリヤードテーブル上に左手でブリッジを組み、その上にキューを載せて、手球に向ってプレーを行なった同様な状況を表示画面上に表示することができる。
1…ビリヤードゲーム装置、2…筺体、3…側板、4…前板、5…後板、6…頂板、7…模擬ビリヤードテーブル、8…キュー落下防止部材、9…表示装置、10…保護木板、11…模擬ブリッジ、12…キュー方向制御ボール、13…スタート・モード切換ボタンスイッチ、14…トップ画面押ボタンスイッチ、15…拡大選択ボタンスイッチ、16…縮小選択ボタンスイッチ、17…メダル投入口、18…投入メダル数表示器、19…模擬キュー、20…カバー、21…ブリッジ水平スライドユニット、22…ブリッジ位置検出ユニット、23…揺動シャフト、24…木板、25…金属板、26…合成樹脂板、27…ベースプレート、28…ガイドプレート、29…前後スライドプレート、30…カバー底板、31…支持ブラケット、32…キュー支持ローラ、33…押え板、34…切り欠き円板、35…センサー本体、36…ロータリエンコーダ、37…ベース、38…ベアリングカバー、39…ベアリング、40…前後揺動部材、41…左右揺動部材、42…コイルスプリング、43…セグメントギア、44…前後位置検出エンコーダ、45…左右位置検出エンコーダ、46…前後揺動軸、47…揺動制限ストッパー、48…ユニバーサルジョイント部材、49…キュー進入空間、50…ゲーム制御装置、51…プログラムデータ記憶装置、52…CPU、53…システムメモリ、54…BOOT ROM、55…バスアビータ、56…レンダリングプロセッサ、57…グラフィックメモリ、58…サウンドプロセッサ、59…サウンドメモリ、60…ディスプレイモニタ、61…スピーカ、62…バックアップメモリ、63…コントローラ、64…手球オブジェクト、65…的球オブジェクト、66…ポケット、67…イマジナリ球オブジェクト。