以下、本発明の実施の形態1における撮像装置について、図1〜図9を用いて説明する。図1は実施の形態1における撮像装置に使用される沈胴式のレンズ鏡筒の斜視図、図2は同撮像装置に使用される沈胴式のレンズ鏡筒における広角端使用時での断面図、図3は同撮像装置に使用される沈胴式のレンズ鏡筒における望遠端使用時での断面図、図4は同撮像装置に使用される沈胴式のレンズ鏡筒における広角端と望遠端の略中央部での使用時での断面図、図5は同撮像装置に使用される沈胴式のレンズ鏡筒の沈胴時での断面図、図6は同撮像装置に使用される沈胴式のレンズ鏡筒を駆動するハードウェア構成を示すブロック図、図7は同撮像装置のシステムのハードウェア構成を示すブロック図、図8(a)および(b)は同撮像装置の未使用状態および撮影状態をそれぞれ示す斜視図、図9(a)、(b)は同撮像装置の操作ボタン(撮像装置の背面)と撮影画像を表示する表示装置、及び撮影画像を説明する図、図10は同撮像装置の撮影方法を説明するフローチャートである。
最初に、この撮像装置に用いられる沈胴式のレンズ鏡筒20について、図1から図5を用いて説明する。L1は撮影時固定の1群レンズ、L2は変倍用の2群レンズ、L3は撮影時に固定の3群レンズ、L4は変倍に伴う像面変動の補正及び合焦の際に光軸上移動する4群レンズである。
1は第1保持枠であり、1群レンズL1を保持している。第1保持枠1には、2本のガイドポール(ガイド部材)7の一端が固定されている。
一般に、高倍率対応の撮像装置に使われるレンズ鏡筒では、1群レンズL1の直径が一番大きくなる。そこでガイドポール7の一端を、第1レンズ群L1の最外径の位置と同等、あるいはそれより光軸中心方向で固定することにより、沈胴式とすることにより増加するレンズ鏡筒の外径の増加分を最小限に抑えることができる。2は2群レンズL2を保持する第2保持枠であり、2本のガイドポール7によって光軸方向に移動可能となっている。
また第2保持枠2は、ステッピングモータなどの駆動用モータ11からの駆動力により送りネジ(図示せず)を介して光軸方向に移動し、変倍を行う。3は3群レンズL3を保持する固定の第3保持枠であり、本体6とマスターフランジ(固定鏡筒)5により挟まれて固定されている。
4は4群レンズL4を保持する第4保持枠であり、第3保持枠3とマスターフランジ5の間に保持された2本のガイドポール8により光軸方向に移動可能となっている。また、第4保持枠4は、ステッピングモータなどの駆動用モータ12からの駆動力により送りネジ(図示せず)を介して光軸方向に移動し、変倍に伴う像面変動の補正と合焦を行っている。
13は撮像素子(CCD)であり、マスターフランジ5に固定されている。14はシャッターユニットである。
マスターフランジ5には、ガイドポール7を摺動支持するための支持部9、10が光軸中心と平行に設けられている。支持部9はマスターフランジ5と一体の2つのメタル軸受9a、9bで構成され、これらのメタル軸受9a、9bの内径の差、同軸度などの精度が十分に確保されている。したがって、この2つの支持部9、10をガイドポール7が摺動するため、ガイドポール7の一端が固定された第1保持枠1に保持された第1レンズ群L1の光軸中心は、第1保持枠1が移動しても、固定レンズ群L3、合焦レンズ群L4の光軸及び撮像素子13の中心からずれない。したがって、所定の光学性能が確保できる。
また、変倍時に移動する第2保持枠2もこのガイドポール7により光軸方向に移動するため、第1保持枠1と同様に光軸からずれない。
16は第1保持枠1の外側に設けられた外枠であり、その外周は本体6の内周と摺動可能となっている。
外枠16は、第1保持枠1が撮像装置から突出した際、第1保持枠1に直接力が加わらないよう保護するためのものである。
この外枠16の外周の一部には、図5に示すように、複数のカムシャフト16aが設けられている。さらにこのカムシャフト16aが設けられていない部分には歯車16bが形成されている。複数の減速歯車を内蔵したDCモータなどの1群レンズL1駆動用モータ17の出力歯車17aは、本体6に取り付けられた駆動用歯車18と、さらに駆動用歯車18は、外枠16に設けられた歯車16bと噛み合っている。すなわち、駆動用モータ17の回転力は、駆動用モータ17が内蔵した複数の減速歯車により減速されながら、その駆動力は外枠16に伝達され、外枠16は光軸中心に一定速度で回転する。
本体6の一部には、らせん状のカム溝6aが設けられており、外枠16に設けられたカムシャフト16aがカム溝6aと係合している。さらに第1保持枠1は、その一部1bにより外枠16と光軸中心に回転自在に係合されている。
したがって、外枠16が1群レンズL1駆動用モータ17の駆動力により、カム溝6aに沿って光軸方向に回転移動する。そして第1保持枠1も、ガイドポール7が支持部材9、10により支持され、光軸方向に移動可能となっているため、光軸方向に直進移動するような構成となっている。
次に、この沈胴式のレンズ鏡筒20の動作について、まず図2に示す撮影時の状態から、図5に示す非撮影時の状態に移行する際の動作について説明する。
図2の撮影時の状態(広角端)より、電源スイッチ等がオフされると撮影が終了し、最初に第2保持枠2が2群レンズL2駆動用モータ11によりCCD13側(A方向)に移動する。次に1群レンズL1駆動用モータ17が回転し、複数の歯車18を介して外枠16が光軸中心に回転しながら像面方向に移動することにより、第1保持枠1もCCD13方向に移動する。第1保持枠1が所定の位置まで移動したことを位置検出センサ26が検知し、1群レンズL1駆動用モータ17の回転が停止する。
その結果、図5に示すように、図2の場合に比べ鏡筒の光軸方向の長さが距離bだけ短くなった沈胴状態となる。
次に図5に示す非撮影時の状態から、図3に示す撮影時の状態(望遠端)に移行する際の動作について説明する。
図5の非撮影時の状態より、電源スイッチ等がオンとなると撮影準備状態になる。
最初に1群レンズL1駆動用モータ17が回転し、複数の歯車18を介して外枠16が光軸中心に回転しながら物体方向に移動することにより、第1保持枠1も物体方向に移動する。第1保持枠1が所定の位置まで移動したことを位置検出センサ26が検知し、1群レンズL1駆動用モータ17の回転が停止する。
これにより図2に示す第1レンズ群L1が所定の位置に固定された撮影時の状態になる。
ここで第1保持枠1は所定位置まで移動するが、ガイドポール7は精度良く取り付けられたマスターフランジ5の支持部材9、10を摺動することにより、ガイドポール7が固定された第1保持枠1も光軸中心からずれることはなく、所定の光学性能が確保できる。実際の撮影時には、2群レンズL2駆動用モータ11と4群レンズL4駆動用モータ12により、それぞれ第2保持枠2と第4保持枠4を初期位置に移動させた後、それぞれ変倍と変倍に伴う像面変動の補正及び合焦の動作を開始する。
すなわち、2群レンズL2を移動させることにより、1群レンズL1を固定したまま、図2に示す広角端、図4に示す広角端と望遠端との間、そして図3に示す望遠端のすべての領域での撮影が可能となる。
以上、この沈胴式のレンズ鏡筒20において、レンズ鏡筒20の光軸方向の長さを変える沈胴動作については1群レンズL1駆動用モータ17を用い、ズーミング動作については2群レンズL2駆動用モータ11を使用している。したがって、撮影を行う際には、1群レンズL1駆動用モータ17にて沈胴式のレンズ鏡筒20を繰り出した状態で使用するため、1群レンズL1駆動用モータ17を駆動することはなく、図2、図3、図4に示す状態で、2群レンズL2駆動用モータ11を駆動してズーミングを行うことができる。
すなわち、ズーミング動作を行うなど、撮影を行う際には、ズーム倍率に応じて、鏡筒の繰り出し、繰り込み動作を行う必要がない。それに対し従来の沈胴式のレンズ鏡筒においては、沈胴動作及びズーミング動作を、1つの駆動用モータを回転し、減速ギアを介してカム筒を回転させていたため、ズーミング速度が遅く、駆動音が大きい。本発明の沈胴式のレンズ鏡筒20は、2群レンズL2駆動用モータ11にステッピングモータなどを使用し、そのステッピングモータに取り付けられた送りネジを介して、第2保持枠を直接駆動するため、送り速度も速く、動作音も小さい。
したがって、沈胴式のレンズ鏡筒20であっても、円筒カムを用いる従来の沈胴式のレンズ鏡筒に比べ、高速、静音化を図ったズーミングができ、すなわち、撮影者は瞬時に画角を変更することが可能となり、動いている被写体を撮影するなど、従来とは異なる沈胴式のレンズ鏡筒20を提供することができる。
次に、この沈胴式のレンズ鏡筒20のモータを駆動制御するハードウェア構成を、図6を用いて説明する。
撮像装置45には、撮像装置45を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ21が搭載されている。
このマイクロコンピュータ21は、撮像装置45に設けられた電源ボタン22、シャッターボタン23および変倍用レバー24の信号に基づいてモータ制御を行う。モータ駆動制御手段25は、1群レンズL1駆動用モータ17を制御する。
1群レンズL1駆動用モータ17は、電源ボタン22の動作に基づき、モータ駆動制御手段25の指令により所定量回転し、この1群レンズL1駆動用モータ17の駆動力により、第1移動枠1が駆動される。マイクロコンピュータ21は、位置検出センサ26の出力値より、1群レンズL1が保持された第1保持枠1の位置、すなわち、沈胴式のレンズ鏡筒20の沈胴動作を制御する。
2群レンズL2駆動用モータ11は、電源ボタン22、シャッターボタン23、変倍用レバー24の動作に基づき、モータ駆動制御手段27の指令により所定量回転し、この2群レンズL2駆動用モータ11の駆動力により、第2保持枠2が駆動される。
マイクロコンピュータ21は、位置検出センサ28の出力値により、2群レンズL2が保持された第2保持枠2の位置、すなわち、ズーミング動作を制御する。4群レンズL4駆動モータ12は、電源ボタン22、シャッターボタン23、変倍用レバー24の動作に基づき、モータ駆動制御手段29の指令により所定量回転し、この4群レンズL4駆動用モータ12の駆動力により、第4保持枠4の位置、すなわち、フォーカシング動作を制御する。
次に撮像装置45のハードウェア構成を、図7を用いて説明する。
CCD13は、撮像光学系L1、L2、L3、L4を介して入射する映像を電気信号に変換する撮像素子であり、CCD駆動制御手段31により駆動、制御される。アナログ信号処理手段32は、CCD13により得られた映像信号に対し、ガンマ処理などのアナログ信号処理を施す処理手段である。A/D変換手段33は、アナログ信号処理手段から出力されたアナログの映像信号をデジタル信号に変換する変換手段である。
デジタル信号処理手段34は、A/D変換手段33によりデジタル信号に変換された映像信号に対し、ノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す信号処理手段である。フレームメモリ35は、デジタル信号処理手段34を経た画像信号を一旦記憶するものである。フレームメモリ35で一旦記憶された画像は、画像記録制御手段36の指令に従い、内部メモリ、あるいは記録メディア等の画像記録手段37への書き込みが制御される。
また、画像記録手段37に記録された撮影画像は、画像表示制御手段38により、フレームメモリ39を介して、撮像装置45に搭載された液晶モニタ等の画像表示手段40に表示される。
起動ボタン46は、撮像装置45の電源がオフの状態で押すことにより、撮像装置45の電源を立ち上げ、沈胴式のレンズ鏡筒20を繰り出し、複数のズーム位置にて、フォーカスおよび露光調整を行い、複数の撮影画像を撮影するまでの一連の操作を一つのボタンにて行うものである。また、モード設定ボタン43は、その矢印キーを操作することにより、撮影を行うズーム位置、撮影枚数などの設定を行うためのものである。
以上のように構成された実施の形態1の撮像装置に関し、以下にその動作を図10に示すフローチャートを用いて説明する。
撮像装置45の電源がオフの状態で、撮影者が起動ボタン46を押す(S1001)。これにより、撮像装置45の電源がオンされる(S1002)。撮像装置45の電源がオンされると、沈胴式のレンズ鏡筒20の1群レンズL1駆動モータ17を回転させて、図3に示すように所定位置まで1群レンズL1を繰り出す(S1003)。そして2群レンズL2駆動用モータ11を回転させて、図4に示すように、2群レンズL2を広角端と望遠端の略中央部(第1のズーム位置)に移動させ、瞬時にズーミングを行う(S1004)。
なお、この第1のズーム位置については、この位置に限るものでなく、撮影者が定めた任意の場所であって良い。
また、予め設定されるズーム位置が例えば広角端であれば咄嗟の場合に被写体をとらまえやすく、失敗がなくなるため、望ましい。
この第1のズーム位置において、CCD13の出力により、AE処理、AWB処理を行い、最適露出となるようにシャッター14を開閉する。またAF処理を行うため、4群レンズL4駆動モータ12を回転させて、4群レンズL4を光軸方向に移動させて調整する(S1005)。
そして図9(a)に示す第1のズーム位置、この場合には広角端と望遠端の略中央部にて撮影された撮影画像は、CCD13、フレームメモリ35を介して取り込み、画像記録手段37に記録され、1回目の撮影が完了する(S1006)。次に2群レンズL2駆動用モータ11を回転させて、図2に示すように、2群レンズL2を第2のズーム位置(広角端)に移動させる(S1007)。
この第2のズーム位置についても、撮影者が定めた任意の場所であり、どこのズーム位置であっても良い。
この第2のズーム位置において、(S1005)と同様な処理を行う(S1008)。
そして、図9(b)に示す第2のズーム位置、この場合には第1のズーム位置より広角側の位置で撮影された撮影画像は、CCD13、フレームメモリ35を介して取り込み、画像記録手段37に記録され、2回目の撮影が完了する(S1009)。以上より、撮像装置45の電源オフの状態で、起動ボタン46の1回の操作により、撮影が完了する。
以上のようにこの実施の形態によれば、撮像装置45にズーム速度を速くすることが可能な沈胴式のレンズ鏡筒20を搭載し、かつ起動ボタン46を設けたことにより、撮像装置45の電源オフの状態で、咄嗟に被写体を撮影したい場合であっても、1回のボタン操作により、瞬時に撮像装置45の電源をオンにし、沈胴式のレンズ鏡筒20を繰り出して、複数のズーム位置にて撮影することができる。
したがって、特に沈胴式のレンズ鏡筒20が搭載された従来のDSCにおける1枚目の写真を撮影できるまでの起動時間が長いという課題を解決できる。
また、特にズーム倍率の大きいレンズ鏡筒20を搭載したDSCにおいて、瞬時にズーム位置を変えて撮影できるようにしたことにより、従来のズーム速度が遅くて、シャッターチャンスを逃すという課題を解決することができる。
さらに、沈胴状態から撮影状態に移行する際に、広角端を経由することなく、瞬時にズーム位置に移行させることができるので、大事なシャッターチャンスを逃すことがない。さらに、同一の被写体に対し複数の画角で連続撮影できるようになるため、例えば、被写体をアップにした写真と、背景も入れた広角な写真というような2種類の写真を瞬時に連続撮影することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態2における撮像装置について、実施の形態1で説明した図と、図11、図12を用いて説明する。
図11(a)、(b)は同撮像装置の操作ボタン(撮像装置の背面)と撮影画像を表示する表示装置、及び撮影画像を説明する図、図12は同撮像装置の撮影方法を説明するフローチャートである。なお、沈胴式のレンズ鏡筒20を含め、実施の形態1で説明したものについては同一の符号を付し、その説明は省略する。
シャッターボタン23は、電源が立ち上げられた状態で押すことにより、複数のズーム位置にて、フォーカスおよび露光調整を行い、複数の撮影画像を撮影するまでの一連の操作を一つのボタンに行うものである。また、モード設定ボタン43は、矢印キーを操作することにより、撮影を行うズーム位置、撮影枚数などの設定を行うためのものである。
以上のように構成された実施の形態2の撮像装置に関し、以下にその動作を図12に示すフローチャートを用いて説明する。
撮像装置45の電源がオンの状態、すなわち、沈胴式のレンズ鏡筒20の1群レンズL1が繰り出された状態において、撮影者が変倍用レバー24を操作して構図を決定し、第3のズーム位置にて撮影しようとする場合には、シャッターボタン23を押す(S1201)。
シャッターボタン23を押した時に2群レンズL2が位置する第3のズーム位置にて、CCD13の出力により、AE処理、AWB処理を行い、最適露出となるようにシャッター14を開閉する。またAF処理を行うため、4群レンズL4駆動モータ12を回転させて、4群レンズL4を光軸方向に移動させて調整する(S1202)。
そして、図11(a)に示す第3のズーム位置にて撮影された撮影画像は、CCD13、フレームメモリ35を介して取り込み、画像記録手段37に記録され、1回目の撮影が完了する(S1203)。
次に2群レンズL2駆動用モータ11を回転させて、2群レンズL2を第3のズーム位置よりやや広角側の第4のズーム位置に移動させる(S1204)。
この第4のズーム位置において、(S1202)と同様な処理を行う。そして図11(b)に示す第4のズーム位置、この場合には第4のズーム位置よりやや広角側の位置で撮影された撮影画像は、CCD13、フレームメモリ35を介して取り込み、画像記録手段37に記録され、2回目の撮影が完了する(S1205)。
以上のようにこの実施の形態によれば、撮像装置45にズーム速度を速くすることが可能な沈胴式のレンズ鏡筒20を搭載し、かつ1回の操作で、複数のズーム位置での撮影ができるようにするシャッターボタンを設けたことにより、瞬時に複数の画角にて連続撮影することができる。
したがって、撮影者が決めた画角と、やや広い画角にて連続撮影できるようになるため、シャッターボタンを押した時と実際に撮影画像が記録されるまでのタイムラグで、被写体が動いたことにより、撮影者が決めた画角に被写体像が写っていないとか一部が欠けているとかの失敗写真を防止することができる。すなわち、咄嗟の撮影を容易にすることができる。これは、特に、動いている被写体を咄嗟に撮影する場合に有利である。
次に、本発明の実施の形態3における撮像装置について、実施の形態1で説明した図と、図13を用いて説明する。
図13は同撮像装置の撮影方法を説明するフローチャートである。なお、沈胴式のレンズ鏡筒20を含め、実施の形態1で説明したものについては同一の符号を付し、その説明は省略する。
図7における撮影/再生切り替えボタン41は、撮像装置45の撮影モードと再生モードとを切り替えるものである。
再生モードにおいて、撮像装置45に設けられたモード設定ボタン43の矢印キーを操作することにより、画像記録手段37に記録された撮影画像を読み出すことができる。この矢印キーの操作により、画像表示制御手段38は、フレームメモリ39を介して、画像表示手段40に撮影画像を表示させる。またプレビューボタン42は、このボタンを押すことにより、瞬時に撮影モードと再生モードを切り替えることができる。
以上のように構成された実施の形態3の撮像装置に関し、以下にその動作を図13に示すフローチャートを用いて説明する。
撮像装置45の電源がオンの状態、すなわち、沈胴式のレンズ鏡筒20の1群レンズL1が繰り出された状態において、撮影者がシャッターボタン23を押すことにより、撮影画像は画像記録手段37に記録される。撮影者がこの撮影画像を画像表示手段40に表示させて確認するために、撮影/再生切り替えボタン41を押すことにより、撮影モードから再生モードに切り替える(S1301)。
この再生モードにおいて、モード設定ボタン43の矢印キーを操作することにより、任意の撮影画像を画像表示手段40に表示させる(S1302)。次に、再び撮影を行う際には、撮影/再生切り替えボタン41を押すことにより、再生モードから撮影モードに切り替える(S1303)。
撮影モードに切り替わる際には、以前の撮影モードにて使用したズーム位置に関わり無く、2群レンズL2駆動用モータ11を回転させて、2群レンズL2を広角端のズーム位置に移動させる(S1304)。
撮影者は、沈胴式のレンズ鏡筒20が画角の一番大きい広角端にあるため、被写体を捉え易く、瞬時に撮影状態に移行することが可能となる。
すなわち、沈胴式のレンズ鏡筒20が画角の狭い望遠端にある場合には、被写体を探すために、一度、広角側に戻す必要がある。
したがって、撮像装置45を広角側に戻すという撮影者の人為的介在によるタイムラグが生じるため、その間に大事なシャッターチャンスを逃す可能性があるからである。
撮影者は、変倍用レバー24を操作するなどして撮影しようとする構図を決めた後、シャッター23を押す(S1305)。
CCD13の出力により、AE処理、AWB処理を行い、最適露出となるようにシャッター14を開閉する。またAF処理を行うため、4群レンズL4駆動用モータ12を回転させて、4群レンズL4を光軸方向に移動させて調整する(S1306)。そして撮影された撮影画像は、CCD13、フレームメモリ35を介して取り込み、画像記録手段37に記録され、撮影が完了する(S1307)。
以上のようにこの実施の形態によれば、再生モードから撮影モードに移行する際に、以前の撮影モードにて使用したズーム位置に関わり無く、2群レンズL2を広角端に瞬時に移動させることにより、撮影時には、画角の広い状態で撮像装置45を使用することが可能となる。
したがって、撮影者が被写体を探すために、広角側にズーム位置を戻すという人為的介在によるタイムラグが生じることが無いので、シャッターチャンスを逃すことが無く、瞬時に撮影することが可能となる。
なお、再生モードと撮影モードの切り替えについては、撮影/再生モード切り替えボタン41を使用する替わりに、プレビューボタン42を使用しても良い。
次に、本発明の実施の形態4における撮像装置について、実施の形態1で説明した図と、図14、図15を用いて説明する。図14は実施の形態4における撮像装置のシステムのハードウェア構成を示すブロック図、図15は同撮像装置の撮影方法を説明するフローチャートである。
なお、沈胴式のレンズ鏡筒20を含め、実施の形態1で説明したものについては同一の符号を付し、その説明は省略する。
図14に示す焦点距離情報読み取り手段44は、撮影画像に記録された焦点距離情報を読み取る。通常、撮影画像は、Exif形式で保存されているため、このExifという画像形式に含まれる情報を解析し、例えば100mmなどという焦点距離情報を読み取る。マイクロコンピュータ21は、この焦点距離情報をもとに、図6に示すモータ駆動手段27を介して、2群レンズL2モータを駆動し、2群レンズL2を所定のズーム位置、すなわち、焦点位置に移動させる。
以上のように構成された実施の形態4の撮像装置に関し、以下にその動作を図15に示すフローチャートを用いて説明する。
撮像装置50の電源がオンの状態、すなわち、沈胴式のレンズ鏡筒20の1群レンズL1が繰り出された状態において、撮影者がシャッターボタン23を押すことにより、撮影画像は画像記録手段37に記録される。撮影者がこの撮影画像を画像表示手段40に表示させて確認するために、撮影/再生切り替えボタン41を押すことにより、撮影モードから再生モードに切り替える(S1501)。
この再生モードにおいて、モード設定ボタン43の矢印キーを操作することにより、任意の撮影画像を画像表示手段40に表示させる(S1502)。次に、再び撮影を行う際には、撮影/再生切り替えボタン41を押すことにより、再生モードから撮影モードに切り替える(S1503)。
撮影モードに切り替わる際には、現在表示している撮影画像から焦点距離情報読み取り手段44を介して焦点距離情報を読み取り、その焦点距離と一致するように、2群レンズL2駆動用モータ11を回転させて、2群レンズL2を所定のズーム位置に移動させる(S1504)。
撮影者は、表示されている画像と同じ画角に瞬時に移行することが可能であるため、何度も同じ画角で撮影する際には非常に有効である。
撮影者は、シャッターボタン23を押す(S1505)。
CCD13の出力により、AE処理、AWB処理を行い、最適露出となるようにシャッター14を開閉する。
また、AF処理を行うため、4群レンズL4駆動用モータ12を回転させて、4群レンズL4を光軸方向に移動させて調整する(S1506)。そして撮影された撮影画像は、CCD13、フレームメモリ35を介して取り込み、画像記録手段37に記録され、撮影が完了する(S1507)。
以上のようにこの実施の形態によれば、再生モードから撮影モードに移行する際に、現在表示されている撮影画像の焦点距離情報を読み出し、その焦点距離と同じ画角となるように2群レンズL2を移動させることにより、撮影者が何度も同じ画角で撮影する際には、瞬時に所定の画角に変えることが可能となり、シャッターチャンスを逃がすことが無く、瞬時に撮影することが可能となる。