以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら、詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
<1:カメラシステムの全体構成>
図1〜図3を用いて第1実施形態に係るカメラシステム1の全体構成について説明する。図1にカメラシステム1のブロック図を示す。図2にカメラ本体3のブロック図を示す。図3にカメラ本体3の概略構成図を示す。
図1に示すように、カメラシステム1は、交換レンズ式のデジタル一眼レフカメラシステムであり、主に、カメラシステム1の主要な機能を有するカメラ本体3と、カメラ本体3に取り外し可能に装着された交換レンズユニット(レンズ鏡筒)2とから構成されている。交換レンズユニット2は、レンズマウント79を介して、カメラ本体3の前面に設けられたボディーマウント4に装着されている。
(1.1:カメラ本体)
図1および図2に示すように、カメラ本体3は主に、被写体を撮像する撮像部71と、撮像部71などの各部の動作を制御する本体制御部としてのボディーマイコン(制御部)10と、撮影された画像や各種情報を表示する画像表示部72と、画像データを格納する画像格納部73と、被写体像を視認するファインダ光学系22とから構成されている。
撮像部71は主に、入射光をファインダ光学系22および焦点検出ユニット5に導くクイックリターンミラー23と、光電変換を行うCCD(Charge Coupled Device)などの撮像センサ11と、撮像センサ11の露光状態を調節するシャッターユニット33と、ボディーマイコン10からの制御信号に基づいてシャッターユニット33の駆動を制御するシャッター制御部31と、撮像センサ11の動作を制御する撮像センサ駆動制御部12と、焦点(被写体像の合焦状態)を検出する焦点検出ユニット5とから構成されている。焦点検出ユニット5は、例えば一般的な位相差検出方式によって焦点検出を行う。なお、焦点検出方式については、カメラシステム1の使用状況により、上記の焦点検出ユニット5を使用する位相差検出方式と、撮像センサ11から出力される画像信号に基づくコントラスト検出方式とのいずれかが用いられる。コントラスト検出方式の場合、ボディーマイコン10によりコントラスト値が求められ焦点が検出される。すなわち、ボディーマイコン10がコントラスト検出部を含んでいると言える。この焦点検出結果は後述のレンズマイコン40に送信され、第2レンズ群(以下、「フォーカスレンズ群」ともいう)L2の駆動に用いられる。
撮像センサ11は、撮像光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な信号に変換する、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサである。撮像センサ11は、撮像センサ駆動制御部12により発生されるタイミング信号により駆動制御される。なお、撮像センサ11はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサでもよい。
ボディーマイコン10は、カメラ本体3の中枢を司る制御装置であり、各種シーケンスをコントロールする。具体的には、ボディーマイコン10にはCPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、ボディーマイコン10は様々な機能を実現することができる。例えば、ボディーマイコン10は、交換レンズユニット2がカメラ本体3に装着されたことを検知する機能、あるいは交換レンズユニット2から焦点距離情報などのカメラシステム1を制御する上で不可欠な情報を取得し交換レンズユニット2の動作を制御する機能などを有している。さらに、ボディーマイコン10は、交換レンズユニット2が電動ズームに対応しているか否か、電動ズームに対応している場合には交換レンズユニット2がズーム操作レバーを有しているか否かの情報を交換レンズユニット2から取得する機能を有している。さらには、交換レンズユニット2が動画撮影に対応しているか否かを判断する機能、撮像センサ駆動制御部12を介して撮像センサ11の動作を静止画撮影モードおよび動画撮影モードに設定する機能を有していてもよい。図1に示すように、ボディーマイコン10はカメラ本体3に設けられた各部と接続されている。
また、ボディーマイコン10は、図3に示す電源スイッチ25、レリーズボタン30、ズーム操作レバー(B)(本体側ズーム操作部)39、モード切換ダイアル26、十字操作キー27、MENU設定ボタン28およびSETボタン29、ファインダ切換ボタン(撮影モード選択部)34、動画撮影操作ボタン35の信号を、それぞれ受信可能である。ボディーマイコン10は、本体制御部の一例である。
さらに、図2に示すように、ボディーマイコン10内のメモリ38には、カメラ本体3に関する各種情報(本体情報)が格納されている。この本体情報には、例えば、カメラ本体3の製造会社名、製造年月日、型番、ボディーマイコン10にインストールされているソフトのバージョン、およびファームアップに関する情報などのカメラ本体3を特定するための型式に関する情報(カメラ特定情報)などが含まれている。なお、メモリ38は、レンズマイコン40から送信された情報を格納可能である。
ボディーマイコン10は、レリーズボタン30などの操作に応じて、撮像センサ11などのカメラシステム全体を制御する。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器に送信する。これと並行して、ボディーマイコン10は、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。ボディーマイコン10は、生成した露光同期信号を、ボディーマウント4およびレンズマウント79を介して、レンズマイコン40に周期的に繰り返して送信する。
また、ボディーマイコン10は、ズーム操作レバー(B)39の操作に基づくズーム操作信号をボディーマウント4およびレンズマウント79を介して、レンズマイコン40に送信し、レンズマイコン40からズームレンズ駆動制御部61に指令を送ることで交換レンズユニット2の第1レンズ群(以下、「ズームレンズ群」ともいう)L1を望遠側あるいは広角側に移動させる。
ボディーマウント4は、交換レンズユニット2のレンズマウント79と機械的および電気的に接続可能である。ボディーマウント4は、レンズマウント79を介して、交換レンズユニット2との間で、データを送受信可能である。例えば、ボディーマウント4は、ボディーマイコン10から受信した露光同期信号を、レンズマウント79を介してレンズマイコン40に送信する。また、ボディーマウント4は、ボディーマイコン10から受信したその他の制御信号を、レンズマウント79を介してレンズマイコン40に送信する。また、ボディーマウント4は、レンズマウント79を介してレンズマイコン40から受信した信号をボディーマイコン10に送信する。また、ボディーマウント4は、電源ユニット(図示せず)から供給された電力を、レンズマウント79を介して交換レンズユニット2全体に供給する。
図3に示すように、カメラ本体3の筐体3aは、被写体を撮影する際にユーザーによって支持される。筐体3aの背面には、表示部20と、電源スイッチ25と、モード切換ダイアル26と、十字操作キー27と、MENU設定ボタン28と、SETボタン29と、ファインダ切換ボタン34と、動画撮影操作ボタン35と、が設けられている。
電源スイッチ25は、カメラシステム1あるいはカメラ本体3の電源の入切を行うためのスイッチである。電源スイッチ25により電源がON状態になると、カメラ本体3および交換レンズユニット2の各部に電源が供給される。モード切換ダイアル26は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードを切り換えるためのダイアルであり、ユーザーはモード切換ダイアル26を回転させてモードを切り換えることができる。モード切換ダイアル26により静止画撮影モードが選択されると、撮影モードを静止画撮影モードへ切り換えることができ、モード切換ダイアル26により動画撮影モードが選択されると、撮影モードを動画撮影モードへ切り換えることができる。動画撮影モードでは、基本的に動画撮影が可能となる。さらに、モード切換ダイアル26により再生モードが選択されると、モードを再生モードへ切り換えることができ、表示部20に撮影画像を表示させることができる。
MENU設定ボタン28は、カメラシステム1の各種動作を設定するためのボタンである。十字操作キー27は、ユーザーが上下左右の部位を押圧して、表示部20に表示された各種メニュー画面から所望のメニューを選択するための操作部材である。SETボタン29は、各種メニューの実行を確定するためのボタンである。ファインダ切換ボタン34は、ファインダ撮影モードとモニタ撮影モードとを切り換えるボタンである。動画撮影操作ボタン35は、動画撮影の開始および停止を指示するボタンであり、モード切換ダイアル26において設定された撮影モードが静止画撮影モードまたは再生モードであっても、この動画撮影操作ボタン35を押すことにより、モード切換ダイアル26での設定内容に関係なく、強制的に動画撮影モードが開始される。さらに、動画撮影モードにおいて、この動画撮影操作ボタン35を押すことにより、動画撮影が終了し、静止画撮影モード、あるいは再生モードへと移行する。
図3(b)に示すように、筐体3aの上面にはレリーズボタン30が設けられている。レリーズボタン30が操作されると、タイミング信号がボディーマイコン10に出力される。レリーズボタン30は、半押し操作および全押し操作が可能な2段式のスイッチであり、ユーザーがレリーズボタン30を半押し操作すると測光処理および測距処理を開始する。また、この半押し操作により、ボディーマイコン10およびレンズマイコン40をはじめとする各部に電力が供給される。続いてユーザーがレリーズボタン30を全押し操作するとボディーマイコン10へタイミング信号が出力される。シャッター制御部31は、タイミング信号を受信したボディーマイコン10から出力される制御信号に従って、シャッター駆動モータ32を駆動し、シャッターユニット33を動作させる。
また、図3(a)に示すように、筐体3aの上面にはズーム操作レバー(B)39が設けられている。ズーム操作レバー(B)39が、右方向(図3(a)における“T”方向)に操作されると、ボディーマイコン10は、ズーム操作レバー(B)39の操作に基づきズーム操作信号をボディーマウント4およびレンズマウント79を介して、レンズマイコン40に送信する。ズーム操作信号を受信したレンズマイコン40はズームレンズ駆動制御部61に指令を送ることで交換レンズユニット2のズームレンズ群L1を望遠側に移動させる。一方、ズーム操作レバー(B)39が、左方向(図3(a)における“W”方向)に操作されると、ボディーマイコン10は、ズーム操作レバー(B)39の操作に基づきズーム操作信号をボディーマウント4およびレンズマウント79を介して、レンズマイコン40に送信する。ズーム操作信号を受信したレンズマイコン40はズームレンズ駆動制御部61に指令を送ることで交換レンズユニット2のズームレンズ群L1を広角側に移動させる。
図2に示すように、静止画撮影モードでは、レリーズボタン30の操作によるタイミング信号を受信したボディーマイコン10は、ストロボ制御部47に制御信号を出力する。そしてストロボ制御部47は、制御信号に基づいてLEDなどにて構成されるストロボ48を発光させる。ストロボ48は、撮像センサ11が受光する光量に応じて制御される。すなわち、ストロボ制御部47は、撮像センサ11からの画像信号の出力が一定値以下の場合にはシャッター動作と連動して自動的に発光させる。一方、画像信号の出力が一定値以上の場合には、ストロボ制御部47はストロボ48を発光させないように制御する。
ストロボスイッチ49は、上述の撮像センサ11の出力に関係なくストロボ48の動作を設定するための操作部である。すなわち、ストロボ制御部47は、ストロボスイッチ49が「入」の場合にはストロボ48を発光させ、「切」の場合にはストロボ48を発光させない。
また、動画撮影モードでは、レリーズボタン30、あるいは動画撮影操作ボタン35の操作により、LEDなどにて構成されるストロボ48は、ビデオライトとしての機能を果たし、動画撮影中は被写体に向けて、光を照射する。
撮像センサ11から出力された画像信号(静止画、あるいは動画)は、アナログ信号処理部13から、A/D変換部14、デジタル信号処理部15、バッファメモリ16、画像圧縮部17へと、順次送られて処理される。アナログ信号処理部13は、撮像センサ11から出力される画像信号にガンマ処理などのアナログ信号処理を施す。A/D変換部14は、アナログ信号処理部13から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部15は、A/D変換部14によりデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調などのデジタル信号処理を施す。バッファメモリ16は、RAMであり、画像信号を一旦記憶する。
バッファメモリ16に記憶された画像信号は、画像圧縮部17から画像記録部18へと、順次送られて処理される。バッファメモリ16に記憶された画像信号は、画像記録制御部19の指令により読み出されて、画像圧縮部17に送信される。画像圧縮部17に送信された画像信号のデータは、画像記録制御部19の指令に従って圧縮処理される。画像信号は、この圧縮処理により、元のデータより小さなデータサイズになる。圧縮方式として、静止画の場合には、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。また、動画の場合には、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式が用いられる。圧縮された画像信号は、画像記録制御部19により画像記録部18に記録される。
画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号と記録すべき所定の情報とを関連付けて記録する、例えば内部メモリおよび/または着脱可能なリムーバブルメモリである。なお、画像信号とともに記録すべき所定の情報には、画像を撮影した際の日時と、焦点距離情報と、シャッタースピード情報と、絞り値情報と、撮影モード情報などとが含まれる。これらの情報の形式は、例えばExif(登録商標)形式やExif(登録商標)形式に類する形式などである。
表示部20は、例えば液晶モニタであり、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示する。ここで表示部20の表示形態としては、画像信号のみを可視画像として表示する表示形態と、画像信号と撮影時の情報とを可視画像として表示する表示形態とがある。なお、表示部20は、カメラ本体3の筐体3aに対して、自由に角度を変更できる角度可変型のモニタであってもよい。
図1に示すように、クイックリターンミラー23は、入射光を反射および透過可能なメインミラー23aと、メインミラー23aの背面側に設けられメインミラー23aからの透過光を反射するサブミラー23bとから構成されており、クイックリターンミラー制御部36により光軸AZ外に跳ね上げが可能である。入射光は、メインミラー23aにより2つの光束に分割され、反射光束はファインダ光学系22へ導かれる。一方、透過光束は、サブミラー23bで反射されて、焦点検出ユニット5のAF用光束として利用される。通常の撮影時には、クイックリターンミラー制御部36により、クイックリターンミラー23が光軸AZ外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット33が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。また非撮影時には、図1に示すようにクイックリターンミラー23が光軸AZ上に配置されるとともに、シャッターユニット33は閉状態とされる。
ファインダ光学系22は、被写体像が結像されるファインダスクリーン6と、被写体像を正立像に変換するペンタプリズム7と、被写体の正立像をファインダ接眼窓9に導く接眼レンズ8と、ユーザーが被写体像を観察するファインダ接眼窓9とから構成されている。
(1.2:交換レンズユニット)
図1に示すように、交換レンズユニット2は主に、カメラシステム1内の撮像センサ11に被写体像を結ぶための撮像光学系Lと、撮影倍率を変更するズームレンズ駆動制御部61と、フォーカシングを行うフォーカスレンズ群駆動制御部41と、絞りを調節する絞り駆動制御部42と、交換レンズユニット2の動作を制御するレンズ制御部としてのレンズマイコン40とから構成されている。
ズームレンズ駆動制御部61は、撮影倍率を望遠側あるいは広角側に調整する第1レンズ群L1を駆動制御する。フォーカスレンズ群駆動制御部41は主に、フォーカスを調節する後述の第2レンズ群L2を駆動制御する。絞り駆動制御部42は、主に絞りまたは開放を調節する絞り部43を駆動制御する。
レンズマイコン40は、交換レンズユニット2の中枢を司る制御装置であり、交換レンズユニット2に搭載された各部に接続されている。具体的には、レンズマイコン40には、CPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、様々な機能を実現することができる。また、レンズマウント79に設けられた電気切片(図示せず)を介してボディーマイコン10およびレンズマイコン40は電気的に接続されており、互いに情報の送受信が可能となっている。
また、交換レンズユニット2には、ズーム操作レバー(A)(レンズ側ズーム操作部)64と、ズーム操作レバー(A)検出部65を有している。ズーム操作レバー(A)64は後述するように、そのレバーを操作することにより撮影倍率を望遠側あるいは広角側に調整するレバーである。ズーム操作レバー(A)64が操作することにより、ズーム操作レバー(A)検出部65にて望遠側あるいは広角側に操作されたことを検出して、レンズマイコン40にその操作情報を伝達する。レンズマイコン40は、その操作情報からズーム操作レバー(A)64が望遠側に操作されていると判断した場合には、ズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を望遠側に移動制御させる。一方、レンズマイコン40は、その操作情報からズーム操作レバー(A)64が広角側に操作されていると判断した場合には、ズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を広角側に移動制御させる。
また、レンズマイコン40内のメモリ44には、交換レンズユニット2に関する各種情報(レンズ情報)が格納されている。この各種情報の具体的な内容については後述する。このメモリ44に記憶されている各種情報については、撮影時に使用するために、交換レンズユニット2がカメラ本体3に取り付けられた際に、カメラ本体3側に送られる。
(1.3:交換レンズユニットに関する情報)
ここで、交換レンズユニット2に関する情報について説明する。レンズマイコン40内のメモリ44には、交換レンズユニット2に関する各種情報(レンズ情報)が格納されている。具体的には、交換レンズユニット2の焦点距離の最大値と最小値(焦点距離可変範囲)を示す焦点距離情報、あるいは物点距離情報などがメモリ44に格納されている。
さらに、メモリ44には、交換レンズユニット2が先述した動画撮影に対応しているか否かに関する情報が格納されている。この情報は、メモリ44内の所定のアドレス(例えば、通常使用されていない予備のアドレスなど)に記録されている。
交換レンズユニット2が動画撮影に対応しているかは、例えば、フォーカスレンズ群としての第2レンズ群L2がウォブリング(微小往復振動)可能であるか否かで判断してもよい。第2レンズ群L2がガイドポールにより支持されており、超音波アクチュエータなどにより第2レンズ群L2がダイレクトに駆動される構成であれば、ウォブリング可能と判断できる。したがって、交換レンズユニット2が動画撮影に対応しているか否かに関する情報として、第2レンズ群L2の駆動方式でもよい。
さらには、フォーカスレンズ群をウォブリングさせた際に、撮像センサ11上での像の倍率変化量が所定値以下であるという構成も動画撮影に対応しているか否かの判断基準としてもよい。
また、動画撮影に対応できるということは、交換レンズユニット2がコントラスト検出方式に対応していることを意味している。したがって、交換レンズユニット2が動画撮影に対応しているか否かに関する情報として、コントラスト検出方式に対応可能かどうかという内容の情報を使ってもよい。
さらには、電動ズームに対応しているか否かに関する情報、ズーム操作レバーを有しているか否かに関する情報もメモリ44内に記憶されている。電動ズームに対応している場合とは、ズームレンズ駆動制御部61によりズームレンズ群L1が移動制御される構成になっている場合である。ズームレンズ群L1はステッピングモータ、DCモータ、電磁リニアモータ、超音波モータなどで駆動される。ズームレンズ駆動制御部61はこれらのアクチュエータとアクチュエータに電力を供給して速度あるいは位置制御を行う回路で構成される。また、ズーム操作レバーとは、ズーム操作レバーの操作状態を検出して、先に説明したようにアクチュエータを用いてズームレンズ群L1の移動制御を電気的に行うことができるレバーのことをいう。
これらの情報が交換レンズユニット2内に記憶されている場合には、カメラ本体3に取り付けられた際に、カメラ本体3側のボディーマイコン10により、動画撮影が可能であるか否かが判断され、また、電動ズームに対応しているか否か、ズーム操作レバーを有しているか否かが判断される。また、超音波アクチュエータなどのフォーカスレンズ群駆動用アクチュエータの性能により、フォーカス速度、最小分解能などを個別に記憶し、カメラ本体3との組み合わせにより、最適なフォーカス性能を設定するようにしてもよい。例えば、そのフォーカス性能に合わせて、カメラシステム1として、動画撮影時のフレームレート(30fps、60fpsなど)、記録画素数などを自動的に設定するなどである。
なお、これらの情報は、交換レンズユニット2がカメラ本体3に取り付けられた際に、レンズマイコン40からボディーマイコン10へ送信される。これにより、ボディーマイコン10は交換レンズユニット2の各種情報を把握することができる。
<2:カメラシステムの動作>
以下、上述のように構成されたカメラシステム1の撮影動作を説明する。
図4および図5は、第1実施形態に係るカメラシステム1での撮像時の概念図であり、図4はファインダ撮影モードを説明する図、図5はモニタ撮影モードを説明する図である。
(2.1:撮像前の状態)
図4および図5に示すように、被写体(図示せず)からの光は、交換レンズユニット2を透過し、半透過ミラーであるメインミラー23aに入射する。メインミラー23aに入射した光の一部は反射してファインダスクリーン6に入射し、残りの光は透過してサブミラー23bに入射する。ファインダスクリーン6に入射した光は被写体像として結像する。この被写体像は、ペンタプリズム7によって正立像に変換され接眼レンズ8に入射する。これにより、ユーザーは、ファインダ接眼窓9を介して被写体の正立像を観察できる。また、サブミラー23bに入射した光は反射され、焦点検出ユニット5に入射する。
(2.2:ファインダ撮影モードおよびモニタ撮影モード)
このカメラシステム1は、2つの撮影モード、すなわちファインダ撮影モードおよびモニタ撮影モードを有する。ファインダ撮影モードは、ユーザーがファインダ接眼窓9を観察しながら撮影するモードであり、従来の一眼レフカメラにおける通常の撮影モードである。モニタ撮影モードは、液晶モニタなどの表示部20をユーザーが観察しながら撮影するモードである。
ファインダ撮影モードにおいては、図4に示すように、クイックリターンミラー23は、光軸AZ内の所定位置に配置されており、被写体光は、ファインダ光学系22に導かれるので、ユーザーは、ファインダ接眼窓9から被写体像を観察することができる。実際の撮影時には、クイックリターンミラー23が光軸AZ外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット33が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。
一方、モニタ撮影モードにおいては、図5に示すように、クイックリターンミラー23を光軸AZ内から退避させる。これにより、表示部20には、撮像センサ11を介して被写体の画像、いわゆるスルー画像が表示される。
(2.3:ファインダ撮影モードの動作)
カメラシステム1の撮影動作について説明する。図1〜図4を用いて、ユーザーがファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
ファインダ撮影モードにおいて撮影する場合、ユーザーは、筐体3aの背面に設けられたファインダ切換ボタン34を操作して、撮影モードとしてファインダ撮影モードを選択する。
ユーザーのレリーズボタン30の半押し動作により、カメラシステム1内のボディーマイコン10および各種ユニットには、電源が供給される。電源供給により起動するカメラシステム1内のボディーマイコン10は、同じく電源供給で起動する交換レンズユニット2内のレンズマイコン40より、レンズマウント79およびボディーマウント4を介して、各種レンズデータを受け取り、内蔵するメモリ38に保存する。次に、ボディーマイコン10は、焦点検出ユニット5より、焦点ずれ量(以後、「Df量」という)を取得し、そのDf量分、フォーカスレンズ群L2を駆動するようにレンズマイコン40に指示する。レンズマイコン40は、フォーカスレンズ群駆動制御部41をコントロールして、Df量分だけ第2レンズ群L2を動作させる。このように、焦点検出と第2レンズ群L2の駆動とを繰り返すうち、Df量は小さくなり、所定量以下になったときにボディーマイコン10により合焦と判断され、第2レンズ群L2の駆動が停止される。
この後、ボディーマイコン10は、ユーザーによりレリーズボタン30が全押しされると、レンズマイコン40に対して、絞り値を測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算された絞り値にするよう指示する。そして、レンズマイコン40は、絞り駆動制御部42をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時にボディーマイコン10は、クイックリターンミラー制御部36により、クイックリターンミラー23を光軸AZ内から退避させる。クイックリターンミラー23の退避完了後、撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッターユニット33の動作を指示する。なお、撮像センサ駆動制御部12は、測光センサからの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
露光完了後、撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理を実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。また、撮像センサ11から読み出され、所定の画像処理が実行された画像データは、画像記録部18を介して、記憶媒体に画像データとして書き込まれる。また、露光終了後、クイックリターンミラー23とシャッターユニット33とは、初期位置にリセットされる。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40へ、絞りを開放位置にリセットするよう指示し、レンズマイコン40は、各ユニットに対してリセット命令を行う。リセット完了後、レンズマイコン40は、ボディーマイコン10にリセット完了を伝える。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、レリーズボタン30の状態が、押し込みされていない状態であることを確認し、撮影シーケンスを終了させる。
(2.4:モニタ撮影モードの動作)
次に、図1〜図3および図5を用いて、ユーザーが表示部20を用いて撮影するモニタ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
表示部20を用いて撮影する場合、ユーザーは、ファインダ切換ボタン34を操作して、モニタ撮影モードを選択する。モニタ撮影モードに設定されると、ボディーマイコン10は、クイックリターンミラー23を光軸AZ内から退避させる。これにより、被写体からの光が撮像センサ11に達する。撮像センサ11は、撮像センサ11上に結像される被写体からの光を画像データに変換し、画像データとして取得し、出力することができる。撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理が実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。このように、撮影画像を表示部20に表示させることにより、ユーザーは、ファインダ接眼窓9を覗くことなく、被写体を追いかけることが可能となる。
また、このモニタ撮影モードについては、モード切換ダイアル26により、動画撮影モードが選択された場合には、自動的にモニタ撮影モードへと移行する。さらに、動画撮影操作ボタン35が押された場合にも、自動的にモニタ撮影モードへと移行する。さらには、LCDモニタなどの表示部20が開閉式になっているカメラでは、ユーザーが表示部20を開いた場合に自動的にモニタ撮影モードへ移行するようにしてもよい。
このモニタ撮影モードにおいては、その合焦方法として、焦点検出ユニット5を用いた位相差検出方式に代わり、撮像センサ11で生成された画像データに基づいて、コントラスト方式のオートフォーカスが用いられる。表示部20を用いたモニタ撮影モードにおけるオートフォーカス動作の方式としては、コントラスト方式を用いることにより、カメラシステムとして、精度の良いフォーカス動作を実現することができる。このモニタ撮影モードでは、定常的に、撮像センサ11で画像データを生成しているので、従来の位相差検出方式に比べ、その画像データを用いたコントラスト方式のオートフォーカス動作をするのが容易である。
ここで、コントラスト方式を用いたオートフォーカス動作について説明する。
コントラスト方式のオートフォーカス動作を行う際には、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、コントラストAF用データを要求する。コントラストAF用データは、コントラスト方式のオートフォーカス動作の際に必要なデータであり、例えば、フォーカス駆動速度、フォーカスシフト量、像倍率、コントラストAF可否情報などが含まれる。
ボディーマイコン10は、垂直同期信号を定期的に生成する。また、ボディーマイコン10は、これと並行して、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。これは、ボディーマイコン10が垂直同期信号を基準にして、露光開始タイミングと露光終了タイミングとを予め把握しているために、露光同期信号を生成できるのである。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器(図示せず)に出力し、露光同期信号をレンズマイコン40に出力する。レンズマイコン40は、露光同期信号に同期して、第2レンズ群L2の位置情報を取得する。
撮像センサ駆動制御部12は、垂直同期信号に基づいて、撮像センサ11の読み出し信号と電子シャッター駆動信号とを定期的に生成する。撮像センサ駆動制御部12は、読み出し信号および電子シャッター駆動信号に基づいて、撮像センサ11を駆動する。すなわち、撮像センサ11は、読み出し信号に応じて、撮像センサ11内に多数存在する光電変換素子(図示せず)で生成された画素データを垂直転送部(図示せず)に読み出す。
静止画撮影モードの場合には、ユーザーのレリーズボタン30の半押し動作により、カメラシステム1のボディーマイコン10は、交換レンズユニット2内のレンズマイコン40より、レンズマウント79およびボディーマウント4を介して、各種レンズデータを受け取り、内蔵するメモリ38に保存する。また、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、オートフォーカス開始コマンドを発信する。レリーズボタン30が半押しされた場合、オートフォーカス開始コマンドは、コントラスト方式のオートフォーカス動作を開始する旨を示すコマンドである。このコマンドに基づいて、レンズマイコン40は、第2レンズ群L2を光軸AZに沿った方向に駆動制御する。ボディーマイコン10は、受信した画像データに基づいて、オートフォーカス動作用の評価値(以下、「AF評価値」という)を算出する。具体的には、撮像センサ11で生成された画像データから輝度信号を求め、輝度信号の画面内における高周波成分を積算して、AF評価値を求め、この算出したAF評価値は、露光同期信号と関連付けた状態でDRAM(図示せず)に保存される。そして、レンズマイコン40から取得したレンズ位置情報も露光同期信号と関連付けられている。そのため、ボディーマイコン10は、AF評価値をレンズ位置情報と関連付けて保存することができる。
次に、ボディーマイコン10は、DRAMに保存されたAF評価値に基づいて、コントラストピークを求め、合焦点を抽出できたかどうかを監視する。具体的には、AF評価値が極大値となる第2レンズ群L2の位置を合焦点として抽出する。このレンズ駆動の方式としては、一般的には山登り方式が用いられる。
また、この状態では、カメラシステム1は、撮像センサ11で生成した画像データが示す画像をスルー画像として表示部20に表示する。このスルー画像が動画で表示部20に表示されるので、ユーザーは、表示部20を見ながら静止画を撮像するための構図を決めることができる。
この後、ボディーマイコン10は、ユーザーによりレリーズボタン30が全押しされると、レンズマイコン40に対して、絞り値を不図示の測光センサからの出力に基づいて計算された絞り値にするよう指示する。そして、レンズマイコン40は、絞り駆動制御部42をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッターユニット33の動作を指示する。なお、撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の出力より算出された所定のシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
露光完了後、撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理を実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。また、撮像センサ11から読み出され、所定の画像処理を実行された画像データは、画像記録部18を介して、記憶媒体に画像データとして書き込まれる。また、露光終了後、クイックリターンミラー23は、光軸AZ内から退避した状態に位置しているので、引き続き、ユーザーは、モニタ撮影モードにより、被写体を表示部20上の撮影画像として見ることができる。
同様に、動画撮影モードの場合には、ユーザーのレリーズボタン30の全押し動作により、動画記録を行うことが可能となる。また、いかなるモードであろうとも、動画撮影操作ボタン35を押すことにより、動画記録を行うことが可能となる。さらには、交換レンズユニット2が動画撮影に対応している場合には、交換レンズユニット2をカメラ本体3に取り付けた際に、自動的に動画撮影モードへ移行するようにしてもよい。
また、モニタ撮影モードを解除する場合には、ユーザーが、ファインダ切換ボタン34を操作して、ファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードに移行させる。ファインダ撮影モードに移行された場合、クイックリターンミラー23は、光軸AZ内の所定位置に戻される。また、カメラシステム1本体の電源を切断する際にも、クイックリターンミラー23は、光軸AZ内の所定位置に戻される。
(2.5:ズーム操作レバー選択動作)
カメラ本体3において、交換レンズユニット2に搭載されたズーム操作レバー(A)64と、カメラ本体3に搭載されたズーム操作レバー(B)39とのどちらを選択するかについて、カメラ本体3におけるボディーマイコン10での処理を図6を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係るカメラシステム1の交換レンズユニット2に搭載されたズーム操作レバー(A)64と、カメラ本体3に搭載されたズーム操作レバー(B)39とのどちらを選択させるかという処理について具体的な動作フローを示すフローチャートである。
図6に示すように、ユーザーは、まず筐体3aの背面に設けられたファインダ切換ボタン34を操作して、ファインダ撮影モード(以下、「EVFモード」ともいう)として撮影する場合、あるいは、モニタ撮影モード(以下、「LCDモード」ともいう)として撮影する場合を選択する(ステップS1)。EVFモードが選択された場合には、ステップS2に処理を進める。一方、LCDモードが選択された場合には、ステップS4に処理を進める。
EVFモードが選択された場合には、交換レンズユニット2に搭載されたズーム操作レバー(A)を有効にする(ステップS2)。次に、ズーム操作レバー(A)が有効である旨を、例えば表示部20に表示させて(ステップS3)、処理を終了する。LCDモードが選択された場合には、カメラ本体3に搭載されたズーム操作レバー(B)を有効にする(ステップS4)。次に、ズーム操作レバー(B)が有効である旨を、例えば表示部20に表示させて(ステップS5)、処理を終了する。
以上のように、カメラ本体3は、交換レンズユニット2とカメラ本体3の双方にズーム操作レバーが取り付けられている場合に、撮影モードがEVFモードかLCDモードかによって交換レンズユニット2側のズーム操作レバー(A)を選択するか、カメラ本体3側のズーム操作レバー(B)を選択するかについて判断処理を行う。
以上、説明したように本実施の形態では、EVFモードのようにファインダ接眼窓9にユーザーが接眼しながら撮影する条件では、交換レンズユニット2側に搭載されたズーム操作レバー(A)を選択して、ズーム操作を行うように設定する。EVFモードでは、例えばカメラ本体3を右手で支え、左手で交換レンズユニット2を支える状態になるので、左手で交換レンズユニット2を支えながら安定した状態で交換レンズユニット2側のズーム操作レバー(A)64を操作してズーム操作を行うことが可能になる。一方、本実施の形態では、LCDモードのようにカメラ本体3から目を離して、表示部20を見ながら撮影する条件では、カメラ本体側に搭載されたズーム操作レバー(B)を選択して、ズーム操作を行うように設定する。LCDモードではカメラ本体3から目を離して撮影する関係で、左右の手は交換レンズユニット2には掛からず、カメラ本体3を両手でホールドする状態になるので、右手でカメラ本体3を支えながら安定した状態でカメラ本体3側のズーム操作レバー(B)39を操作してズーム操作を行うことが可能になる。
なお、上記説明では、筐体3aの背面に設けられたファインダ切換ボタン34をユーザーが操作して、EVFモードかLCDモードかを選択するようにしているが、撮影モードの選択のやり方はこれに限定されるものではない。例えば、ファインダ接眼窓9の近傍にユーザーが接眼したか否かを検出する接眼検出部(図示せず)を備え、この接眼検出部からの情報に基づいて上記撮影モードを切り換えるようにしてもよい。こうすることにより、ユーザーが撮影モードを手動で選択する必要がないので、LCDモードで撮影していて急にEVFモードに切り換えたい場合にも迅速な切換が可能となる。
(2.6:ズーム操作およびフォーカス操作)
次に、ユーザーがズーム操作およびフォーカス操作を行う際の交換レンズユニット2の動作を説明する。
図7に示すように、ユーザーによりズーム操作レバー(A)64が操作されるとズーム操作レバー(A)検出部65にてズーム操作レバー(A)64が望遠側(64T)にズーム操作されたか広角側(64W)にズーム操作されたかを検出される。レンズマイコン40はこの検出結果に基づいて望遠側(64T)にズーム操作された場合にはズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を望遠側に移動制御させ、広角側(64W)にズーム操作された場合にはズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を広角側に移動制御させる。
ユーザーによりフォーカスリング67が回転操作されると、第2回転角度検出部68はフォーカスリング67の回転角度を検出し、その回転角度に応じた信号を出力する。レンズマイコン40は、フォーカスリング回転角度信号に基づいて、フォーカスレンズ群駆動制御部41にフォーカスレンズ群L2を駆動する駆動信号を伝達する。フォーカスリング67の回転方向が無限遠側に回転操作されたことを第2回転角度検出部68が検出した場合には、レンズマイコン40はこの検出結果に基づいてフォーカスレンズ群駆動制御部41を介してフォーカスレンズ群L2を無限遠側に移動制御させる。フォーカスリング67の回転方向が至近側に回転操作されたことを第2回転角度検出部68が検出した場合には、レンズマイコン40はこの検出結果に基づいてフォーカスレンズ群駆動制御部41を介してフォーカスレンズ群L2を至近側に移動制御させる。
なお、ズーム操作のためのレンズ側操作部としては図8に示すようなフォーカスリング67と同様な回転構造のズームリング69でもよい。このズームリング69の動作を図8および図9を用いて説明する。図9はズームリング69をレンズ側操作部として搭載した交換レンズユニットを装着したカメラシステムの構成を示すブロック図である。この場合は、ズームリング69の回転方向および回転角度はズームリング回転角度検出部70で検出される。レンズマイコン40はこの検出結果に基づいてズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を移動制御させる。図8に示すように、ユーザーによりズームリング69が操作されるとズームリング回転角度検出部70にてズームリング69が望遠側に回転したか広角側に回転したかの回転方向と回転角度を検出して、レンズマイコン40はこの検出結果に基づいて望遠側に回転した場合にはズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を望遠側に移動制御させ、広角側に回転した場合にはズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を広角側に移動制御させる。なお、図8、図9ともにその他の構成はそれぞれ図7、図1と同じであるので対応する構成には同じ符号を付して説明は省略する。
(2.7:フォーカシング動作)
次に、カメラシステム1のフォーカス動作について説明する。カメラシステム1は、オートフォーカス撮影モードと、マニュアル撮影モードとの2つのフォーカスモードを有する。
ユーザーは、交換レンズユニット2、あるいはカメラ本体3に設けられたオート撮影モード、マニュアル撮影モード設定ボタン(図示せず)により、所定の撮影モードを設定する。
オート撮影モード時においては、レリーズボタン30の半押し動作、あるいは動画撮影操作ボタン35の操作に応じて、レンズマイコン40は、フォーカスレンズ群駆動制御部41へ制御信号を送信し、フォーカスレンズ群L2を移動させる。ボディーマイコン10は、デジタル信号処理部15へ指令を送信する。デジタル信号処理部15は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をボディーマイコン10へ送信する。ボディーマイコン10は、受信した画像信号と、予めズーム操作レバー(A)検出部65あるいはズームリング回転角度検出部70から受信した焦点距離情報とに基づいて、撮像光学系Lが合焦状態になる第2レンズ群L2の光軸AZに沿った方向の移動量を演算する。ボディーマイコン10は、演算結果に基づいて制御信号を生成する。ボディーマイコン10は、制御信号をフォーカスレンズ群駆動制御部41へ送信する。
フォーカスレンズ群駆動制御部41は、ボディーマイコン10からの制御信号に基づいて、フォーカスレンズ群L2を自動でZ軸方向に移動させる。
以上のようにして、カメラ本体3、あるいは交換レンズユニット2のオートフォーカス撮影モードによるフォーカシングが行われる。以上の動作は、ユーザーのレリーズボタン30の半押し動作、あるいは動画撮影操作ボタン35の操作実行後、瞬時に実行される。ユーザーがレリーズボタン30を全押し動作する、あるいは動画撮影操作ボタン35を操作すると、ボディーマイコン10は、撮影処理を実行し、撮影が終了すると、画像記録制御部19に制御信号を送信する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号を内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号とともに撮影モードがオートフォーカス撮影モードである旨の情報を、内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。
一方、マニュアルフォーカス撮影モード時には、レンズマイコン40は、フォーカスレンズ群駆動制御部41へ、フォーカスリングユニット66の回転角度情報を要求する。レンズマイコン40は、フォーカスリング67の回転角度より検出した検出値に基づいて、第2レンズ群L2を移動するための制御信号を生成する。レンズマイコン40は、生成した制御信号をフォーカスレンズ群駆動制御部41へ送信する。
フォーカスレンズ群駆動制御部41は、フォーカスリング67の回転角度および回転方向に応じて、レンズマイコン40からの制御信号に基づいてフォーカスレンズ群L2をZ軸方向に移動させる。
以上のようにして、カメラシステム1のマニュアルフォーカスモードによるフォーカシングが行われる。マニュアルフォーカスモードにおいて、ユーザーがレリーズボタン30を全押し操作する、あるいは動画撮影操作ボタン35を操作すると、その状態のまま撮影が行われる。
ボディーマイコン10は、撮影が終了すると、画像記録制御部19に制御信号を送信する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号を内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号とともに撮影モードがマニュアルフォーカスモードである旨の情報を、内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。
<3:カメラシステムの特徴>
以上に説明したように、このカメラシステム1では、電動ズーム機能を搭載し、ズーム操作レバーを有する交換レンズが、ズーム操作レバーを有するカメラ本体と接続された場合に、本体側ズーム操作部および上記レンズ側ズーム操作部のどちらか一方を光学ズームのズーム操作部材として機能させるので、交換レンズおよびカメラ本体のズーム操作レバーが競合してシステムを破綻させることなく、ズーム操作の利便性を向上させることができる。すなわち、カメラシステム1の利便性を高めることができる。
さらにまた、ファインダに接眼して撮影を行う際にはレンズ側ズーム操作部を光学ズームのズーム操作部材として機能させ、ファインダに接眼しないで撮影を行う際には本体側ズーム操作部を光学ズームのズーム操作部材として機能させるので、カメラ本体のホールドのしやすさとズーム操作のしやすさを両立させることによりユーザーの撮影姿勢に適したズーム操作が可能となる。
なお、本実施の形態では、ファインダに接眼して撮影を行う際にはレンズ側ズーム操作部を光学ズームのズーム操作部材として機能させ、ファインダに接眼しないで撮影を行う際には本体側ズーム操作部を光学ズームのズーム操作部材として機能させるとしたが、どちらか一方を動作させるように機能すればよい。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、クイックリターンミラー23が採用されている。しかし、コントラスト検出方式によりフォーカシングが可能である場合、クイックリターンミラー23を省略することができる。図10を用いて第2実施形態に係るカメラシステム1Aについて説明する。図10はカメラシステム1Aの構成を示すブロック図である。図1に示す構成と実質的に同一の機能を有する構成については、同一符号を付すとともに、その説明は省略する。
<1:カメラシステムの全体構成>
図10において、カメラシステム1Aは、交換レンズ式のデジタル一眼レフカメラのシステムであり、主に、カメラシステム1Aの主要な機能を有するカメラ本体3Aと、カメラ本体3Aに取り外し可能に装着された交換レンズユニット2とから構成されている。交換レンズユニット2は、最後部に設けられたレンズマウント79を介して、カメラ本体3Aの前面に設けられたボディーマウント4に装着されている。
図10に示すカメラ本体3Aは、図1に示すカメラ本体3に比べて、撮像部71からの入射光をファインダ光学系22および焦点検出ユニット5に導くクイックリターンミラー23が省略されており、その代わりに、液晶ファインダなどの電子ファインダ部95が設けられている。この電子ファインダ部95には、表示部20と同様に、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示することができる。これにより、クイックリターンミラー23が搭載されていなくても、撮像光学系Lにより形成された被写体の光学像を、ファインダ接眼窓9を通して観察することが可能となる。
この場合、カメラ本体3Aは、ファインダ光学系22およびクイックリターンミラー23を省略することにより、カメラ本体3Aの光軸AZ方向における薄型化を図ることができる。さらには、交換レンズユニット2の最後部にあるレンズから撮像センサ11までの距離(レンズバック)を短くできるため、交換レンズユニット2の小型化を図ることが可能となる。
また、交換レンズユニット2が動画撮影に対応している場合、図10におけるカメラ本体3Aにおいては、その焦点検出方式として、常に撮像センサ11で生成された画像データに基づいたコントラスト方式を用いることができる。これにより、精度の良いフォーカス動作を実現することができる。さらには、クイックリターンミラー23の開閉動作が不必要となるため、フォーカス動作の高速化、静音化などを図ることができ、静止画撮影のみならず、動画撮影にも容易に対応することが可能となる。
また、交換レンズユニット2は、電動ズームに対応している。ズームレンズ駆動制御部61によりズームレンズ群L1が移動制御される構成になっている。ズームレンズ群L1はステッピングモータ、DCモータ、電磁リニアモータ、超音波モータなどで駆動される。ズームレンズ駆動制御部61はこれらのアクチュエータとアクチュエータに電力を供給して速度あるいは位置制御を行う回路で構成される。交換レンズユニット2には、ズーム操作レバー(A)64と、ズーム操作レバー(A)検出部を有している。ズーム操作レバー(A)64は先述したように、そのレバーを操作することにより撮影倍率を望遠側あるいは広角側に調整するレバーである。ズーム操作レバー(A)64が操作することにより、ズーム操作レバー(A)検出部にて望遠側あるいは広角側に操作されたことを検出して、レンズマイコン40にその操作情報を伝達する。レンズマイコン40では、その操作情報が望遠側に操作されていると検出した場合には、ズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を望遠側に移動制御させる。一方、レンズマイコン40で、その操作情報が広角側に操作されていると検出した場合には、ズームレンズ駆動制御部61を介してズームレンズ群L1を広角側に移動制御させる。
<2:カメラシステムの特徴>
以上に説明したように、このカメラシステム1Aでもカメラシステム1と同様に、図6の動作フローに従ってファインダ撮影モードとモニタ撮影モードの選択処理を行うことが可能である。
電動ズーム機能を搭載し、ズーム操作レバーを有する交換レンズが、ズーム操作レバーを有するカメラ本体と接続された場合には、本体側ズーム操作部および上記レンズ側ズーム操作部のどちらか一方を光学ズームのズーム操作部材として機能させることができる。したがって、ズーム操作レバーが競合してシステムを破綻させることなく、ズーム操作の利便性を向上させることができる。すなわち、カメラシステム1Aの利便性を高めることができる。
さらにまた、カメラシステム1と同様に、ファインダに接眼して撮影を行う際にはレンズ側ズーム操作部を光学ズームのズーム操作部材として機能させ、ファインダに接眼しないで撮影を行う際には本体側ズーム操作部を光学ズームのズーム操作部材として機能させることができる。したがって、カメラ本体のホールドのしやすさとズーム操作のしやすさを両立させることによりユーザーの撮影姿勢に適したズーム操作が可能となる。
〔他の実施形態〕
(1)
本実施の形態においては、交換レンズユニット2の動画撮影可否の情報に基づき、表示部を用いて、動画撮影用の各種設定メニューを設定できるようにしてもよい。
(2)
像ブレ補正ユニットが交換レンズユニット2およびカメラ本体3内のいずれか、あるいはその両方に設けられていてもよい。この場合、いずれかの像ブレ補正ユニットを選択できるようなカメラシステムであってもよい。
(3)
本実施の形態では、シャッターを動作させることにより撮像センサへの露光時間を制御したが、これに限らず、電子シャッターなどにより撮像センサの露光時間を制御してもよい。
(4)
本実施の形態では、レンズ情報に動画撮影に対応しているか否かの情報が含まれている。しかし、動画撮影に対応しているか否かは、フォーカスレンズ群の駆動方式あるいはフォーカスレンズ群駆動制御部41などがコントラスト検出方式に対応しているか否かなどにより判断されてもよい。
(5)
本実施の形態では、交換レンズユニット2は動画撮影に対応している。しかし、前述のように交換レンズユニットが動画撮影に対応していない場合もあり得る。