JP3858490B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷陰極放電灯を点灯させる点灯回路を備えた放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の放電灯点灯装置としては、商用電源から電源供給され、電源電圧を高周波電圧に変換して放電灯に印加し、放電灯を高周波点灯させるインバータ回路(点灯回路)を備えたものがあった。また、放電灯の寿命末期時における放電灯や点灯回路の構成部品の異常発熱や破損を防止したり、放電灯の交換時や点灯回路の保守点検時に感電などの事故が発生するのを防止するため、放電灯が寿命末期になって、そのインピーダンスが高くなったり、放電灯が正常に装着されていないなどの異常状態を検出して、インバータ回路を停止させたり、その出力を低下させたりする制御回路が組み込まれた放電灯点灯装置も従来より提供されている。このような放電灯点灯装置は、放電灯の電気的特性値(例えばランプ電流やランプ電圧など)から放電灯の点灯状態を検出する点灯状態検出回路を備え、点灯状態検出回路の検出結果に基づいて制御回路が点灯回路を停止させたり、その出力を低下させたりしており、放電灯の点灯中は点灯状態検出回路が常に点灯状態の検出動作を行い、放電灯の異常状態を即座に検出できるようにしている。
【0003】
ところで放電灯の始動時は、放電灯のインピーダンスが大きく、また放電灯が十分に励起されていないので、放電灯の点灯状態が安定せず、点灯状態検出回路が放電灯の点灯状態を誤検出する虞があり、そのため放電灯の始動後所定時間は、点灯状態検出回路の検出動作を停止させたり、検出結果を無視するようにしていた。また、周囲温度が低い場合は、この傾向がより顕著になり、しかも複数灯の放電灯を同時に点灯させる場合は、各放電灯の始動特性のばらつきも考慮する必要があるため、通常、上記所定時間は数秒程度に設定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、各種の放電灯の中でも冷陰極放電灯の場合は、予熱用のフィラメント電極を備えておらず、始動に必要な高周波電圧を印加すれば即座に始動させることが可能であるから、点灯状態の検出に要する時間を熱陰極放電灯に比べて短縮することができるが、その反面、予熱による熱電子放出が無いため、放電灯近傍の照度が極端に暗い状態では、放電灯近傍の照度が明るい場合に比べて放電灯内の電子が十分に励起されず始動しにくくなる。そのため、冷陰極放電灯は正常であるにもかかわらず、放電灯近傍の照度が極端に暗いために、始動後所定時間が経過した時点でも冷陰極放電灯が点灯していない場合がある(このような状態を暗黒状態という)。一方、点灯状態検出回路は始動後所定時間が経過すると検出動作を開始するため、暗黒状態により冷陰極放電灯が始動していない状態を、冷陰極放電灯が何らかの異常(装着異常や寿命末期など)によって点灯していないと誤検出し、制御回路が点灯状態検出回路の検出結果に基づいて点灯回路の動作を停止させたり、その出力を低下させたりする虞があった。また冷陰極放電灯の始動性を改善するために、点灯回路の出力電圧を予め高く設定したり、放電灯近傍に発光ダイオードなどの別の光源を設け、この光源の発光によって外部から冷陰極放電灯を励起したりすることが考えられるが、点灯回路の構成部品の耐圧を高めたり、別の光源を追加したりする必要があるためコストアップとなるという問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、冷陰極放電灯近傍の照度が暗いために冷陰極放電灯が始動しにくくなっている暗黒状態を確実に検出して、冷陰極放電灯を確実に点灯させることのできる放電灯点灯装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、複数灯の冷陰極放電灯を点灯させる点灯回路と、点灯回路の動作を制御する制御回路と、冷陰極放電灯の電気的特性値から冷陰極放電灯の異常状態を検出する点灯状態検出手段と、冷陰極放電灯の始動後であって点灯状態検出手段が動作を開始する時点よりも前の所定期間に全ての冷陰極放電灯が消灯していることから暗黒状態を検出する暗黒状態検出手段とを備え、制御回路は、暗黒状態検出手段によって暗黒状態が検出されたときには点灯回路を継続して動作させたり間欠的に動作させる暗黒状態回避モードに点灯回路を移行させ、点灯状態検出手段によって異常状態が検出されたときには点灯回路の出力を低下又は停止させることを特徴とし、暗黒状態検出手段は始動後の所定期間に全ての冷陰極放電灯が消灯していることから暗黒状態を検出しているので、暗黒状態により冷陰極放電灯が消灯している状態を点灯状態検出手段が誤検出することがなく、暗黒状態と冷陰極放電灯の異常状態とを明確に判別することができる。また、暗黒状態によって冷陰極放電灯が点灯していないのであれば、冷陰極放電灯を徐々に励起することによって点灯させることができ、暗黒状態による始動不良を回避することができる。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、暗黒状態検出手段が暗黒状態の検出に要する時間を、点灯状態検出手段が点灯状態の検出に要する時間よりも短くしたことを特徴とし、暗黒状態により不点状態となっているのを、負荷異常によって不点状態となっていると誤検出するのを防止することができる。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、点灯回路は商用電源およびバッテリを電源とし、商用電源の停電を検出する停電検出手段と、停電検出手段の検出結果に応じて点灯回路の電源を商用電源またはバッテリに切り替える切替手段とを設け、停電検出手段が停電の検出に要する時間を、暗黒状態検出手段が暗黒状態の検出に要する時間よりも短くしたことを特徴とし、停電検出に要する時間を暗黒状態の検出に要する時間よりも短くしているので、停電によって冷陰極放電灯が不点状態となっているのを、暗黒状態により不点状態となっていると誤検出するのを防止することができる。
【0010】
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれか一項の発明において、暗黒状態検出手段は、暗黒状態の検出動作を複数回行うことを特徴とし、検出動作を複数回行うことによって、暗黒状態を確実に検出することができ、暗黒状態による不点状態を負荷異常と誤検出するのを防止できる。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1乃至4のいずれか一項の発明において、暗黒状態回避モードは、点灯回路が冷陰極放電灯に間欠的に電力を供給する動作モードであり、間欠的に電力供給を行う周期は、複数灯の冷陰極放電灯の内少なくとも1灯を始動させることのできる時間に設定されたことを特徴とし、点灯回路が冷陰極放電灯に間欠的に電力を供給することにより、冷陰極放電灯を徐々に励起させることができ、しかも間欠的に電力供給を行う周期は、複数灯の冷陰極放電灯の内少なくとも1灯が始動できるような時間に設定されているので、冷陰極放電灯の内の1灯を十分に励起して点灯させることにより、残りの冷陰極放電灯も点灯させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に関連した参考例、並びに、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
(参考例1)
図1は本参考例の放電灯点灯装置を示す回路図である。この放電灯点灯装置は冷陰極放電灯を光源とする非常用照明装置に用いられる。本回路は、商用電源ACおよびバッテリBから電源供給され、電源電圧を高周波電圧に変換して冷陰極放電灯La1に供給し、冷陰極放電灯La1を点灯させる例えばインバータ回路からなる点灯回路1と、商用電源ACを整流・平滑する整流平滑回路2と、整流平滑回路2の出力電圧を降圧した一定電圧を発生する降圧回路3と、降圧回路3の出力電圧によりバッテリBを充電する充電回路4と、降圧回路3の出力電圧から商用電源ACの停電を検出する停電検出回路と5、停電検出回路5の検出結果に応じて商用電源ACの通電時は点灯回路1の電源を商用電源AC側に切り替えるとともに、商用電源ACの停電時は点灯回路1の電源をバッテリBに切り替える切替回路6と、冷陰極放電灯La1に流れるランプ電流を検出する電流検出手段7aと、電流検出手段7aの出力から冷陰極放電灯La1の点灯状態を判別するとともに、冷陰極放電灯La1の点灯状態と停電検出回路5の検出信号とに基づいて点灯回路1の出力を制御する制御回路8とで構成される。なお、制御回路8はランプ電流から冷陰極放電灯La1の点灯状態を検出しているが、ランプ電流以外の冷陰極放電灯La1の電気的特性値(例えばランプ電圧など)から点灯状態を検出するようにしても良い。ここに、制御回路8から点灯状態検出手段および暗黒状態検出手段が構成される。
【0017】
本回路の動作を図2のタイムチャートを参照して説明する。
【0018】
従来の回路では、放電灯の始動後所定時間が経過するまでの間、制御回路8は冷陰極放電灯La1の点灯状態の検出動作を停止するか、又は、検出結果を無視し、始動後所定時間が経過すると、制御回路8は冷陰極放電灯La1の点灯状態の検出結果に応じて点灯回路1の出力を制御していたが、本参考例の回路では、制御回路8が冷陰極放電灯La1の点灯状態の検出動作を停止するか、又は、検出結果を無視する点灯判別停止区間T1と、制御回路8が冷陰極放電灯La1の点灯状態を検出し、冷陰極放電灯La1が消灯すると点灯回路1の動作を停止させたり、その出力を低下させたりする点灯判別区間T3との間に、冷陰極放電灯La1近傍の照度が極端に暗いために冷陰極放電灯La1が始動しにくくなっている暗黒状態を検出する暗黒状態検出区間T2を設けている。
【0019】
冷陰極放電灯La1の安定点灯時、制御回路8は点灯判別区間に移行しているが、安定点灯中であってもミクロ的に見れば冷陰極放電灯La1の点灯状態は細かく変化しているため、このような点灯状態の変動を制御回路8が誤検出して、点灯回路1の動作を停止させないように、制御回路8では冷陰極放電灯La1のランプ電流の平均値を基準値と比較することによって、冷陰極放電灯La1の点灯状態を検出している。
【0020】
ここで、制御回路8がマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)から構成されている場合、マイコンがメインルーチンを処理する基本演算時間(ベーシックタイマ)を利用して、冷陰極放電灯La1の点灯状態を検出する方法もある。制御回路8はメインルーチン毎に電流検出手段7aの出力を読み込み、冷陰極放電灯La1の点灯状態を検出している。ここに、図3(a)〜(c)の時間軸の各目盛りは冷陰極放電灯La1の点灯状態を検出するタイミングを示している。すなわち、時間軸の1目盛りが基本演算時間Taに相当している。冷陰極放電灯La1が消灯すると、ランプ電流の検出値が基準値よりも小さくなるので、制御回路8では、最初にランプ電流の検出値が基準値を下回った時点から、例えば16回連続してランプ電流の検出値が基準値を下回るのを検出すると、冷陰極放電灯La1が不点状態になったと判断する(以下、この検出方法を16度一致検出という)。
【0021】
例えば、図3(a)(b)に示すように、冷陰極放電灯La1が一定時間Tb(=Ta×16、すなわち16度一致検出に要する時間)よりも短い時間消灯した場合は、最初にランプ電流の検出値が基準値を下回った時点から、ランプ電流の検出値が16回連続して基準値を下回っていないので、制御回路8は冷陰極放電灯La1の放電状態が一時的に変動したと見なして、点灯回路1の動作を継続させるが、図3(c)に示すように、冷陰極放電灯La1が一定時間Tbよりも長い時間消灯した場合、最初にランプ電流の検出値が基準値を下回った時点から、ランプ電流の検出値が16回以上連続して基準値を下回っているので、制御回路8は、使用者によって冷陰極放電灯La1が外されたり、寿命末期や破損などの異常状態が発生したと判断し、感電などの事故を防止したり、冷陰極放電灯La1および回路部品の異常発熱や破損を防止するために、点灯回路1の動作を停止させたり、その出力を低下させたりする。ここで、上述の一定時間Tbは基本演算時間Taの設定に依存するが、冷陰極放電灯La1のミクロ的な点灯状態の変化や瞬時の停電などを誤検知しないよう、数百mS前後に設定するのが望ましい。
【0022】
ところで、冷陰極放電灯La1には予熱用のフィラメントが存在しないため、予熱による熱電子放出が無く、放電灯周囲の照度が極端に暗い場合には放電灯内部の電子が十分に励起されずに始動しにくくなるような暗黒状態が発生する場合がある。この暗黒状態は冷陰極放電灯La1の安定点灯時には発生せず、消灯状態から冷陰極放電灯La1を始動させる際に発生する。暗黒状態が発生した場合、点灯判別停止区間の間に冷陰極放電灯La1は安定点灯に移行することができず、従来の回路では始動後所定時間が経過すると点灯判別停止区間から点灯判別区間に移行するので、点灯判別区間に移行した時点で、制御回路8は冷陰極放電灯La1が不点状態となっていると判断し、点灯回路1の動作を停止させたり、出力を低下させたりするため、冷陰極放電灯La1は正常であるにもかかわらず、点灯状態に移行できなくなるという問題があった。そこで本参考例の回路では、点灯判別停止区間T1と点灯判別区間T3との間に暗黒状態検出区間T2を設けており、この暗黒状態検出区間T2において制御回路8がランプ電流の検出値から冷陰極放電灯La1の不点状態を検出すると、制御回路8は点灯回路1の動作を停止させたり、その出力を低下させたりせず、点灯回路1をそのまま継続して動作させたり、間欠的に動作させたりして、冷陰極放電灯La1を励起し、暗黒状態による始動不良を回避する(暗黒状態回避モード)。
【0023】
以下に図4および図5のフローチャートを参照して説明する。図4は暗黒状態検出区間T2における制御回路8の動作を示し、図5は点灯判別区間T3における制御回路8の動作を示している。なお、図4および図5では暗黒状態や点灯状態の検出に関わる部分以外の処理は省略して図示している。
【0024】
まず暗黒状態検出区間T2における制御回路8の動作について説明する。冷陰極放電灯La1の始動後所定時間が経過して、点灯判別停止区間T1が終了すると、制御回路8はカウント変数i,kに初期値0を、カウント終値nに初期値4を、カウント終値mに初期値16をそれぞれ設定し(ステップS1)、電流検出手段7aが検出したランプ電流の検出値と所定の基準値との大小関係を比較し、検出値が基準値よりも大きい場合は「1」を、検出値が基準値よりも小さい場合は「0」を発生する(ステップS2)。
【0025】
次に、制御回路8は、ステップS2での判別結果を前回のメインルーチンでの判別結果と比較し(ステップS3)、ステップS2での判別結果が前回の判別結果と同じであれば、カウント変数i,kにそれぞれ1を加算して(ステップS4)、カウント変数iとカウント終値nとの大小を比較する(ステップS5)。一方、ステップS2での判別結果が前回の判別結果と異なっていれば、カウント変数iを0にリセットして(ステップS11)、ステップS2に戻り上述の処理を実行する。
【0026】
ステップS5において、カウント変数iとカウント終値nとの大小を比較した結果、カウント変数iがカウント終値nよりも小さければステップS2に戻って上述の処理を実行し、カウント変数iがカウント終値n以上であれば(すなわちステップS2での判別結果が前回の判別結果と4回連続して一致すれば)、制御回路8は冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断する(以下、この検出方法を4度一致検出という)。このように、検出値が基準値を4回連続して下回ると、制御回路8は冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断しているので、冷陰極放電灯La1の一時的な点灯状態の変動を誤検出することはない。次に、制御回路8は、カウント変数kとカウント終値mとの大小を比較し、カウント変数kがカウント終値mよりも小さければカウント変数iを0にリセットし(ステップS11)、ステップS2に戻って上述の処理を実行する。一方、カウント変数kがカウント終値m以上であれば(すなわち、4度一致検出を4回行うと)、冷陰極放電灯La1の点灯状態から暗黒状態か否かの判断を行い(ステップS8)、暗黒状態であれば(すなわち冷陰極放電灯La1が消灯していれば)、暗黒状態回避モードに移行し(ステップS9)、暗黒状態でなければ(すなわち冷陰極放電灯La1が点灯していれば)、図5に示す点灯判別ルーチンへ移行する(ステップS10)。このように制御回路8は4度一致検出を4回繰り返して実行しているので、暗黒状態をより確実に検出することができる。
【0027】
上述のように制御回路8は、暗黒状態検出区間T2において冷陰極放電灯La1が不点状態となった場合は暗黒状態であると判断し、暗黒状態回避モードへ移行して、冷陰極放電灯La1を励起させ、点灯状態に移行させているので、冷陰極放電灯La1が正常であるにも関わらず点灯されなくなることはない。
【0028】
次に点灯判別区間T3における制御回路8の動作について説明する。制御回路8は点灯判別ルーチンに移行すると、カウント変数iに初期値0を、カウント終値値nに初期値16をそれぞれ設定し(ステップS20)、電流検出手段7aが検出したランプ電流の検出値と所定の基準値との大小関係を比較し、検出値が基準値よりも大きい場合は「1」を、検出値が基準値よりも小さい場合は「0」を発生する(ステップS21)。
【0029】
そして、制御回路8は、ステップS21での判別結果を前回のメインルーチンでの判別結果と比較し(ステップS22)、前回の判別結果と同じであればカウント変数iに1を加算して(ステップS24)、カウント変数iとカウント終値nとの大小を比較する(ステップS25)。一方、ステップS21での判別結果が前回の判別結果と異なっていれば、カウント変数iを0にリセットして(ステップS23)、ステップS21に戻り上述の処理を実行する。
【0030】
ステップS25において、カウント変数iとカウント終値nとの大小を比較した結果、カウント変数iがカウント終値nよりも小さければステップS21に戻って上述の処理を実行し、カウント変数iがカウント終値n以上であれば(すなわちステップS21での判別結果が前回の判別結果と16回連続して一致すれば)、制御回路8は冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断して(ステップS26)、冷陰極放電灯La1の点灯状態を判断し(ステップS27)、冷陰極放電灯La1が点灯していれば点灯状態を継続させる点灯モードで点灯回路1を動作させ(ステップS28)、ステップS21に戻って上述の処理を実行し、消灯していれば冷陰極放電灯La1を消灯させる消灯モードに点灯回路1を移行させた後(ステップS29)、ステップS21に戻って上述の処理を実行する。
【0031】
なお、カウント終値n,mの設定値は上記の値に限定する趣旨のものではなく、制御回路8を構成するマイコンの演算速度や冷陰極放電灯La1の特性に合わせて、冷陰極放電灯La1の電気的特性値が瞬間的に変化することによって誤検出しないような値に設定すればよい。
【0032】
(参考例2)
ところで、暗黒状態による冷陰極放電灯La1の始動不良を回避するために、点灯回路1の出力を高めたり、冷陰極放電灯La1の近傍に発光ダイオードなどの別光源を設け、この別光源の光によって外部から冷陰極放電灯La1を励起させる方法もあるが、回路部品の耐圧性能の向上や回路部品の追加などによってコストアップとなるという問題があった。また点灯回路1の出力を高めた場合、冷陰極放電灯La1の交換作業中に万が一充電部に接触すると、感電する虞もあった。
【0033】
したがって、参考例1では制御回路8は暗黒状態回避モードに移行すると、点灯回路1を間欠的に動作させて、冷陰極放電灯La1を徐々に励起させ、ある程度の時間をかけて始動させている。点灯回路1を間欠的に動作させる場合の動作時間は、冷陰極放電灯La1が徐々に励起された場合に確実に始動できるエネルギを確保しつつ、万が一充電部に接触して感電した場合にも危険な状態に至らない程度の短時間であり、且つ、停止時間は、動作時間とのデューティ比によって冷陰極放電灯La1の励起状態を維持できるような間隔に設定する必要があり、例えば動作時間を360mS、停止時間を3Sとして、点灯回路1を間欠的に動作させるのが望ましい。
【0034】
ところで、制御回路8が暗黒状態回避モードに移行して、点灯回路1を間欠的に動作させる場合、点灯回路1の駆動時間毎に制御回路8は図4に示すような暗黒状態の検出処理を実行し、検出処理を実行する間に冷陰極放電灯La1を徐々に励起して安定点灯させるのであるが、点灯回路1を間欠的に動作させる際の駆動時間は360mS程度に設定するのが望ましいので、この駆動時間内に暗黒状態の検出を確実に行う必要があり、放電灯始動時の点灯判別停止区間もこの時間に合わせて短くする必要がある。
【0035】
また、非常用照明装置においては、停電発生時に瞬時に点灯回路1の電源を商用電源ACからバッテリBに切り替える必要があるため、停電検出回路5は数十mS〜数百mSの短時間で停電を検出できるようになっている。しかしながら、停電検出回路5が停電検出に要する時間が、制御回路8が暗黒状態の検出に要する時間よりも長くなると、例えば暗黒状態検出区間T2中に瞬時の停電が発生した場合、商用電源ACからの電源供給が停止したことによる冷陰極放電灯La1の立ち消えを、暗黒状態により冷陰極放電灯La1が消灯していると誤検出する虞がある。一方、安定点灯時の点灯判別に要する時間は、極力点灯状態を維持して、誤動作しないよう数百mS程度に設定されるが、点灯回路1の間欠動作時に、暗黒状態の検出にこのような長い時間をかけることはできないため、暗黒状態の検出に要する時間(t1)を、停電検出に要する時間(Tac)よりも長く、且つ、点灯状態の検出に要する時間(t2)よりも短い時間とするのである(Tac<t1<t2)。
【0036】
図6は本参考例の放電灯点灯装置の動作を示すタイムチャートである。本参考例では、制御回路8は、点灯判別区間T3において点灯状態の検出結果が16回連続して一致すると、冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断し、冷陰極放電灯La1が点灯しているか否かを判別するとともに(16度一致検出)、暗黒状態検出区間T2において点灯状態の検出結果が4回連続して一致すると、冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断し、暗黒状態か否かを判別している(4度一致検出)。図6では暗黒状態判別区間T2中に瞬時の停電が発生し、冷陰極放電灯La1が立ち消えした場合を示している。制御回路8では、停電検出回路5の出力をメインルーチン毎に読み込んでおり、停電検出回路5が商用電源ACの停電状態を例えば4回連続して検出すると、商用電源ACが停電したと判断している。ここで、図6に示すように、商用電源ACの瞬停が発生してから停電検出回路5が停電を検出するまでの遅れ時間は、瞬停により冷陰極放電灯La1の立ち消えが発生するまでの遅れ時間よりも短いので、冷陰極放電灯La1の立ち消えによって制御回路8が暗黒状態を検出するために4度一致の検出動作を開始するよりも前に、停電検出回路5の出力によって制御回路8が停電を検出するために4度一致の検出動作を開始するので、停電検出に要する時間Tacを、暗黒状態の検出に要する時間t1よりも短くすることができる。
【0037】
ところで、暗黒状態判別区間T2の長さは4度一致検出の検出動作を4回行う時間に設定されているが、これは16度一致の検出動作に要する時間Tbよりも暗黒状態の検出に要する時間を短くし、且つ、暗黒状態回避モードにおいて点灯回路1を間欠動作する際の駆動時間360mS内でも確実に暗黒状態の検出動作を行えるようにするためである。なお実験の結果から冷陰極放電灯La1を十分に励起していれば、110mS程度電圧を印加すれば始動することが判明しているので、暗黒状態回避モードにおける点灯判別停止区間は110mS以上確保しておけば十分である。したがって、点灯回路1を間欠動作する際は、駆動時間360mSの内、始めの110mSを点灯判別停止区間とし、残りの250mSを暗黒状態判別区間としている。ここで、基本演算時間Taが15mS程度であれば暗黒状態判別区間内に4度一致の検出動作を4回分行うことができるが、4度一致の検出動作を行う回数は基本演算時間Taの設定値に応じて適宜設定すれば良い。
【0038】
なお、商用電源ACの一時的な変動によって誤検出するのを防止するために、制御回路8では、暗黒状態の検出動作と同様に、停電検出回路5の出力から商用電源ACの停電状態を例えば4回連続して検出すると、商用電源ACが停電したと判断しているが、4度一致の検出動作を行う必要はなく、暗黒状態の検出に要する時間よりも停電検出に要する時間が短くなるように、回数などを適宜設定すれば良く、停電検出に要する時間を暗黒状態の検出に要する時間よりも短くすることによって、停電により冷陰極放電灯La1が消灯している状態を暗黒状態と誤検出するのを防止することができる。
【0039】
また、制御回路8では、図4及び図5に示すように、冷陰極放電灯La1の点灯状態が変化(点灯→消灯など)した時点から4度一致検出の検出動作や16度一致検出の検出動作を開始しているが、判別モードが変化(点灯判別停止区間→暗黒状態検出区間、暗黒状態検出区間→点灯状態検出区間)した時点から規則的に4度一致や16度一致の検出動作を行うようにしても良い。この動作を図7および図8のフローチャートを参照して説明する。図7は暗黒状態検出区間T2における制御回路8の動作を示し、図8は点灯判別区間T3における制御回路8の動作を示している。なお、図7および図8では暗黒状態や点灯状態の検出に関わる部分以外の処理は省略して図示している。
【0040】
まず暗黒状態検出区間T2における制御回路8の動作について図7を参照して説明する。なお基本的な動作は図4に示すフローチャートと同じであるので、同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略する。図4に示すフローチャートでは、ステップS2での判別結果が前回の値と異なっていればカウント変数iをリセットしているが、本参考例では、ステップS2での判別結果が前回の値と異なっていてもカウント変数iをリセットせず(ステップS3)、ステップS12において、ステップS2での4回分の判別結果が全て同じ値か否かを判定しており、判別結果が全て同じであれば冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断し、暗黒状態か否かの検出を行う。
【0041】
次に点灯判別区間T3における制御回路8の動作について図8を参照して説明する。なお基本的な動作は図5に示すフローチャートと同じであるので、同一の処理には同一の符号を付してその説明を省略する。図5に示すフローチャートでは、ステップS21での判別結果が前回の値と異なっていればカウント変数iをリセットしているが、本参考例では、ステップS21での判別結果が前回の値と異なっていてもカウント変数iをリセットせず(ステップS22)、ステップS30において、ステップS2での16回分の判別結果が全て同じ値か否かを判定しており、判別結果が全て同じであれば冷陰極放電灯La1の点灯状態が確定したと判断し、冷陰極放電灯La1が点灯しているか否かの検出を行う。
【0042】
(実施形態1)
図9は本実施形態の放電灯点灯装置の回路図である。本回路では点灯回路1が2灯の冷陰極放電灯La1,La2を点灯させている。なお、図1の放電灯点灯装置と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
2灯の冷陰極放電灯La1,La2を同時に点灯させる場合、全ての冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態を判別する必要があり、制御回路8をマイコンで構成した場合、各冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態を例えば「1」が点灯、「0」が消灯のようにデジタル情報として処理している。
【0044】
また、2灯の冷陰極放電灯La1,La2を1つの点灯回路1で点灯させている場合、制御回路8が各冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態を検出し、その内の1本でも不点と判断すると、点灯回路1の動作を停止させるため、全ての冷陰極放電灯La1,La2が消灯してしまう。使用者によって冷陰極放電灯La1,La2が外されたり、冷陰極放電灯La1,La2が寿命末期時や破損などの異常状態となった場合であれば全く問題はないが、冷陰極放電灯La1,La2近傍の照度が極端に暗いために、冷陰極放電灯La1,La2が始動しにくくなっているような暗黒状態では、暗黒状態による始動不良を回避するような処置を施す必要があり、制御回路8が異常状態と暗黒状態とを明確に判別する必要がある。
【0045】
そこで、暗黒状態判別区間T2において、制御回路8は、各冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態の検出結果に基づいて、暗黒状態か否かを判定している。すなわち、2灯の冷陰極放電灯La1,La2の内の1灯でも点灯している場合は、周囲の照度はある程度明るく、冷陰極放電灯La1,La2が始動しにくくなるような暗黒状態ではなく正常であると判断して、点灯判別ルーチンへ移行し、点灯判別ルーチンにおいて各冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態を検出する。また、全ての冷陰極放電灯La1,La2が消灯している場合は、暗黒状態と判断する(表1参照)。一方、点灯判別区間T3において、制御回路8は、各冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態の検出結果に基づいて、2灯共点灯していれば正常であると判断し、1灯でも消灯していれば不点と判断する(表2参照)。このように、暗黒状態判別区間T2と点灯判別区間T3とで制御回路8の判定方法を変えているので、各冷陰極放電灯La1,La2の特性のばらつきによって、始動時間や立ち消え時間にばらつきが生じたとしても、制御回路8が暗黒状態を誤検出するのを防止できる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
ここで、図10に示すように暗黒状態検出区間T2において商用電源ACの瞬時の停電が発生した場合の制御回路8の動作について以下に説明する。2灯の冷陰極放電灯La1,La2で、瞬停の発生から立ち消えに至るまでの時間がばらついた場合、制御回路8が図4に示すフローチャートにしたがって動作すると、最初に立ち消えした冷陰極放電灯La1の点灯状態が点灯から消灯に切り替わった時点から、制御回路8は4度一致検出の検出動作を開始する。図10のタイムチャートに示す例では、最初の4度一致検出で制御回路8は冷陰極放電灯La1が消灯、冷陰極放電灯La2が点灯していることを検出する。ここで、制御回路8が表2に示す判別方法に基づいて判定した場合、一方の冷陰極放電灯La1が消灯しているので、制御回路8は不点状態であると判断して、点灯回路1を停止させたり、その出力を低下させたりするため、冷陰極放電灯La1,La2が正常であるにもかかわらず、瞬停発生時には負荷異常が発生したと誤検出してしまう。しかしながら、暗黒状態判別区間T2においては、制御回路8は表1に示す判別方法に基づいて判定するので、一方の冷陰極放電灯La2が点灯していることから、冷陰極放電灯La1,La2は「正常」であると判定し、点灯判別ルーチンへ移行するため、制御回路8が瞬停を負荷異常と誤検出することはない。なお、暗黒状態検出区間T2においては、何れか一方の冷陰極放電灯La1,La2が不完全に装着されていた場合であっても、他方の冷陰極放電灯La1,La2が点灯していれば制御回路8は正常と判断するが、本当に負荷が異常であれば、暗黒状態検出区間T2の次にくる点灯状態判別区間T3において、制御回路8は、一方が消灯していることから不点状態と判断して、点灯回路1の動作を停止させるので、負荷異常を見逃す虞はない。すなわち、制御回路8は、暗黒状態検出区間T2において暗黒状態か否かの判断を始動時のみに行っており、始動直後も含めた点灯状態の判別は点灯状態判別区間T3に行っているので、暗黒状態検出区間T2と点灯状態判別区間T3とで検出すべき異常状態を分けている。
【0049】
ところで、暗黒状態検出区間T2において制御回路8が暗黒状態を検出すると、暗黒状態回避モードへ移行して、点灯回路1を間欠動作させている。参考例2で説明したように、1灯の冷陰極放電灯La1を点灯させる場合は、点灯回路1を間欠動作させる際の動作時間を360mSに設定していたが、複数灯の冷陰極放電灯La1,La2を点灯させる場合は、点灯回路1を間欠動作させる際の動作時間を、少なくとも1灯の冷陰極放電灯を十分に励起して点灯させることのできる励起時間に設定すれば良く、この励起時間が定期的に設定されるのであれば、点灯回路1を間欠動作させる周期を均一にする必要はない。すなわち、暗黒状態回避モードにおいて全ての冷陰極放電灯を点灯させる必要はなく、少なくとも1本の冷陰極放電灯が点灯状態に移行すると、制御回路8は暗黒状態回避モードから点灯状態判別区間に移行し、さらに点灯状態判別区間において16度一致検出の検出動作を行う間に残りの冷陰極放電灯に電圧を連続して印加することができるため、既に点灯している少なくとも1本の冷陰極放電灯から放出される光エネルギによって、残りの冷陰極放電灯を励起させ、全ての冷陰極放電灯を点灯させることができるのである。
【0050】
なお、本実施形態では点灯回路1が2灯の冷陰極放電灯La1,La2を点灯させる場合について説明したが、冷陰極放電灯の本数を2灯に限定する趣旨のものではない。
【0051】
(実施形態2)
図11は本実施形態の放電灯点灯装置の暗黒状態検出区間T2における動作を示すフローチャートである。なお、放電灯点灯装置の構成は実施形態1と同様であるので、図示および説明は省略する。
【0052】
冷陰極放電灯La1,La2の始動後所定時間が経過して、点灯判別停止区間T1が終了すると、制御回路8はカウント変数i,kに初期値0を、カウント終値nに設定値4をそれぞれ設定し(ステップS31)、電流検出手段7a,7bが検出したランプ電流の検出値と所定の基準値との大小関係を比較し、検出値が基準値よりも大きい場合は「1」を、検出値が基準値よりも小さい場合は「0」を発生する(ステップS32)。
【0053】
次に、制御回路8は、冷陰極放電灯La1,La2毎にステップS32での判別結果を前回のメインルーチンでの判別結果と比較し(ステップS33)、ステップS32での判別結果が前回の判別結果と同じであれば、カウント変数iに1を加算して(ステップ34)、カウント変数iとカウント終値nとの大小を比較する(ステップS35)。一方、ステップS32での判別結果が前回の判別結果と異なっていれば、カウント変数iを0にリセットして(ステップS36)、ステップS32に戻り上述の処理を実行する。
【0054】
ステップS35において、カウント変数iとカウント終値nとの大小を比較した結果、カウント変数iがカウント終値nよりも小さければステップS32に戻って上述の処理を実行し、カウント変数iがカウント終値n以上であれば(すなわちステップS32での判別結果が前回の判別結果と4回連続して一致すれば)、制御回路8は点灯状態が確定したと判断する(ステップS37)。
【0055】
そして、制御回路8は、各冷陰極放電灯La1,La2の点灯状態から暗黒状態か否かを判断し(ステップS38)、2灯共点灯していれば正常であると判断して、点灯判別ルーチンへ移行し(ステップS40)、2灯共点灯していなければ、カウント変数kとカウント終値Nとの大小を比較する(ステップS39)。ここで、カウント変数kがカウント終値Nと等しくなければ、カウント変数kに1を加算して(ステップS50)、ステップS32に戻り上述の処理を実行し、カウント変数kがカウント終値Nに達すると、暗黒状態回避モードに移行して、点灯回路1を間欠動作させる。このように、制御回路8は、全ての冷陰極放電灯La1,La2が点灯していれば、正常であると判断して点灯判別ルーチンへ移行し(点灯判別モード)、点灯している負荷と消灯している負荷とが混在している場合は、暗黒状態の判別をN回実行している(表3参照)。
【0056】
複数の冷陰極放電灯La1,La2の内の1本が装着されていないような異常状態であれば、暗黒状態の検出動作を繰り返し実行しても、全ての冷陰極放電灯La1,La2が点灯することはないが、瞬停などにより誤検出した場合は、この誤検出の原因(瞬停)が断続的に発生しない限り、暗黒状態の検出動作を繰り返し実行することにより、全ての冷陰極放電灯La1,La2を点灯させることができる。例えば、制御回路8が暗黒状態回避モードに移行して、点灯回路1を間欠動作させる際に、間欠動作の駆動時間を360mS、停止時間を3Sとすると、間欠動作の周期と瞬停の周期とが完全に一致しない限りは点灯状態に移行させることができる。このような瞬停の周期と間欠動作の周期とが一致する確率は皆無であるので、暗黒状態の検出動作を繰り返し実行することによって、瞬停による立ち消えなどの誤検出を防止して、全ての冷陰極放電灯La1,La2を点灯させることができる。
【0057】
【表3】
【0058】
ところで、冷陰極放電灯La1,La2の始動時に暗黒状態が発生した場合や、冷陰極放電灯La1,La2が外れた場合など、負荷の状態を使用者に認識させる機能を放電灯点灯装置に設けても良く、例えば放電灯点灯装置に動作表示用の発光ダイオードを設け、発光ダイオードが点灯していれば、暗黒状態や放電灯外れなどの異常状態であり、発光ダイオードが点滅していれば放電灯の寿命末期状態であるというように、負荷の状態を発光表示するようにしても良い。
【0059】
冷陰極放電灯の場合、寿命末期に達しても照度が低下するなどの光学性能の劣化が顕著になる程度であり、ランプインピーダンスが上昇するなどの電気的性能はほとんど変化しない。従って、冷陰極放電灯を負荷とする放電灯点灯装置では、寿命末期の検出方法として点灯回路の動作時間を累積していくタイマカウンタを付加しているものが多い。つまり、冷陰極放電灯の光学性能が所定のレベルを満足できなくなる時間をあらかじめ設定しておき、累積点灯時間がこの設定時間に達した時点で発光ダイオードを点滅させて、放電灯の寿命末期を使用者に認識させ、放電灯の交換を促すのである。ここで、発光ダイオードを点滅させる周期としては約2kHz程度とするのが望ましい。なお、発光ダイオードを点滅させているのは、点灯状態に比べて点滅状態の方が使用者に認識されやすく、且つ、発光ダイオードの光が明るすぎると、発光ダイオードの光が目立ちすぎるからである。
【0060】
ここで、点灯回路1の動作時間を累積するタイマカウンタを制御回路8に設けた場合、冷陰極放電灯の交換時に何らかの手段でタイマカウンタをリセットする必要があり、冷陰極放電灯の脱着作業を検出してタイマカウントを自動的にリセットさせることも考えられるが、点検作業中に使用者が冷陰極放電灯を一時的に外した場合でも冷陰極放電灯が交換されたと誤検出する虞があるため、タイマカウンタのリセット操作を行うためのリセットスイッチを設け、使用者が放電灯を交換した場合に使用者がリセットスイッチを操作して、タイマカウンタをリセットさせるのが望ましい。
【0061】
ところで、リセットスイッチが押釦スイッチからなり、図13に示すように制御回路8がリセットスイッチの押されるのを検出してリセット信号を発生し、このリセット信号によってタイマカウンタのカウント値をリセットする場合、使用者がリセットスイッチをリセット操作したつもりであっても、リセットスイッチが完全に初期状態に復帰しておらず、半固定状態となった場合は、タイマカウンタ自体はリセットされて点灯時間を累積するものの、リセットスイッチはリセット状態のままになっている。この状態でタイマカウンタを構成するマイコンなどの電源がリセットされると、電源再投入時にリセットスイッチが押された状態となっているので、タイマカウンタが再度リセットされてしまい、それまで累積されていた点灯時間が零に戻ってしまい、タイマカウンタが正常に動作しない虞がある。冷陰極放電灯の寿命は技術革新によって飛躍的に向上し、既に約4万時間の寿命を有する冷陰極放電灯も実用化されているため、最悪の場合、約4万時間を経過したにも関わらず、発光ダイオードが点滅動作せず、4万時間すなわち約5年間もの間、タイマカウンタが正常に動作していないことを使用者が認識できない虞もある。
【0062】
そこで、図12に示すように、制御回路8がリセットスイッチのスイッチ操作の戻りを検出してリセット信号を発生し、このリセット信号によりタイマカウンタをリセットするようにすれば、リセットスイッチが完全に初期状態に戻っていない場合、タイマカウンタもリセットされないので、寿命末期を示す発光ダイオードの点滅動作が継続するため、リセットスイッチが初期状態に戻っていないことに使用者が気付き、リセットスイッチを再度操作したり、点検したりすることを使用者に促すことができる。また、リセットスイッチの操作部分に他の部品が接触して長時間放置された場合でも、スイッチ操作の戻りを検出してタイマカウンタをリセットするので、タイマカウンタを構成するマイコンの電源をリセットした際にも、タイマカウンタがリセットされることはない。
【0063】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、複数灯の冷陰極放電灯を点灯させる点灯回路と、点灯回路の動作を制御する制御回路と、冷陰極放電灯の電気的特性値から冷陰極放電灯の異常状態を検出する点灯状態検出手段と、冷陰極放電灯の始動後であって点灯状態検出手段が動作を開始する時点よりも前の所定期間に全ての冷陰極放電灯が消灯していることから暗黒状態を検出する暗黒状態検出手段とを備え、制御回路は、暗黒状態検出手段によって暗黒状態が検出されたときには点灯回路を継続して動作させたり間欠的に動作させる暗黒状態回避モードに点灯回路を移行させ、点灯状態検出手段によって異常状態が検出されたときには点灯回路の出力を低下又は停止させることを特徴とし、暗黒状態検出手段は始動後の所定期間に全ての冷陰極放電灯が消灯していることから暗黒状態を検出しているので、暗黒状態により冷陰極放電灯が消灯している状態を点灯状態検出手段が誤検出することがなく、暗黒状態と冷陰極放電灯の異常状態とを明確に判別することができるという効果がある。また、暗黒状態によって冷陰極放電灯が点灯していないのであれば、冷陰極放電灯を徐々に励起することによって点灯させることができ、暗黒状態による始動不良を回避することができるという効果がある。
【0064】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、暗黒状態検出手段が暗黒状態の検出に要する時間を、点灯状態検出手段が点灯状態の検出に要する時間よりも短くしたことを特徴とし、暗黒状態により不点状態となっているのを、負荷異常によって不点状態となっていると誤検出するのを防止することができるという効果がある。
【0065】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、点灯回路は商用電源およびバッテリを電源とし、商用電源の停電を検出する停電検出手段と、停電検出手段の検出結果に応じて点灯回路の電源を商用電源またはバッテリに切り替える切替手段とを設け、停電検出手段が停電の検出に要する時間を、暗黒状態検出手段が暗黒状態の検出に要する時間よりも短くしたことを特徴とし、停電検出に要する時間を暗黒状態の検出に要する時間よりも短くしているので、停電によって冷陰極放電灯が不点状態となっているのを、暗黒状態により不点状態となっていると誤検出するのを防止することができるという効果がある。
【0067】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項の発明において、暗黒状態検出手段は、暗黒状態の検出動作を複数回行うことを特徴とし、検出動作を複数回行うことによって、暗黒状態を確実に検出することができ、暗黒状態による不点状態を負荷異常と誤検出するのを防止できるという効果がある。
【0071】
請求項5の発明では、請求項1乃至4のいずれか一項の発明において、暗黒状態回避モードは、点灯回路が冷陰極放電灯に間欠的に電力を供給する動作モードであり、間欠的に電力供給を行う周期は、複数灯の冷陰極放電灯の内少なくとも1灯を始動させることのできる時間に設定されたことを特徴とし、点灯回路が冷陰極放電灯に間欠的に電力を供給することにより、冷陰極放電灯を徐々に励起させることができ、しかも間欠的に電力供給を行う周期は、複数灯の冷陰極放電灯の内少なくとも1灯が始動できるような時間に設定されているので、冷陰極放電灯の内の1灯を十分に励起して点灯させることにより、残りの冷陰極放電灯も点灯させるができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の放電灯点灯装置を示す回路ブロック図である。
【図2】 同上の動作を説明するタイムチャートである。
【図3】 同上の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】 同上の暗黒状態判別区間における動作を説明するフローチャートである。
【図5】 同上の点灯判別区間における動作を説明するフローチャートである。
【図6】 参考例2の放電灯点灯装置の動作を説明するタイムチャートである。
【図7】 同上の暗黒状態判別区間における別の動作を説明するフローチャートである。
【図8】 同上の点灯判別区間における別の動作を説明するフローチャートである。
【図9】 実施形態1の放電灯点灯装置を示す回路ブロック図である。
【図10】 同上の放電灯点灯装置の動作を説明するタイムチャートである。
【図11】 実施形態2の暗黒状態判別区間における別の動作を説明するフローチャートである。
【図12】 同上の放電灯点灯装置の別の動作を説明するタイムチャートである。
【図13】 従来の放電灯点灯装置の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 点灯回路
7a 電流検出手段
8 制御回路
La1 冷陰極放電灯
Claims (5)
- 複数灯の冷陰極放電灯を点灯させる点灯回路と、点灯回路の動作を制御する制御回路と、冷陰極放電灯の電気的特性値から冷陰極放電灯の異常状態を検出する点灯状態検出手段と、冷陰極放電灯の始動後であって点灯状態検出手段が動作を開始する時点よりも前の所定期間に全ての冷陰極放電灯が消灯していることから暗黒状態を検出する暗黒状態検出手段とを備え、制御回路は、暗黒状態検出手段によって暗黒状態が検出されたときには点灯回路を継続して動作させたり間欠的に動作させる暗黒状態回避モードに点灯回路を移行させ、点灯状態検出手段によって異常状態が検出されたときには点灯回路の出力を低下又は停止させることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 暗黒状態検出手段が暗黒状態の検出に要する時間を、点灯状態検出手段が異常状態の検出に要する時間よりも短くしたことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 点灯回路は商用電源およびバッテリを電源とし、商用電源の停電を検出する停電検出手段と、停電検出手段の検出結果に応じて点灯回路の電源を商用電源またはバッテリに切り替える切替手段とを設け、停電検出手段が停電の検出に要する時間を、暗黒状態検出手段が暗黒状態の検出に要する時間よりも短くしたことを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
- 暗黒状態検出手段は、暗黒状態の検出動作を複数回行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置。
- 暗黒状態回避モードは、点灯回路が冷陰極放電灯に間欠的に電力を供給する動作モードであり、間欠的に電力供給を行う周期は、複数灯の冷陰極放電灯の内少なくとも1灯を始動させることのできる時間に設定されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置。
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