JP3858347B2 - ターボチャージャ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車エンジン等に適用されるターボチャージャに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にターボチャージャはタービン部とコンプレッサ部とを有し、コンプレッサ部ではタービン部からの駆動力を受けて、コンプレッサインペラがコンプレッサハウジング内で高速回転し、過給圧を発生する。ここでコンプレッサインペラとコンプレッサハウジングとの間はできるだけクリアランスがない方が効率上望ましいが、コンプレッサインペラが運転中極めて高速で回転するため(20万回転程度)、クリアランスをあまりに狭めると焼付き等の問題が生じる。そこでこのゼロクリアランスを達成するため、従来は所謂アブレダブルシールを用いる方法が採られている。このアブレダブルシールは、アルミ鋳造されたコンプレッサハウジングのうち、コンプレッサインペラのシュラウドに対面する部分に、樹脂や軟質金属等による被削性材料のパウダーをプラズマ容射して形成される。或いは、当該部分に樹脂等のピースを埋め込み、ネジ止めして形成される。このアブレダブルシールを用いた場合、アルミ鋳造されたコンプレッサインペラが回転中アブレダブルシールに接触し、アブレダブルシールが適度に削られることによってゼロクリアランスが達成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このアブレダブルシールの場合、プラズマ容射やピースの成形・組付けに比較的高いコストを要する欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るターボチャージャは、コンプレッサハウジングのうち、コンプレッサインペラのシュラウドに対面する部分をハウジング本体とは別体のシュラウド部材から構成し、該シュラウド部材を、ダイキャスト用アルミニウム合金をベースとし、これを鉛、すず又はモリブデンからなる被削性材料を含ませて鋳造品としたものである。
【0005】
従来より、生産性向上の目的から、コンプレッサハウジングのうち、コンプレッサインペラのシュラウドに対面する部分を別体のシュラウド部材から構成するターボチャージャが知られている。そこでこれを利用し、シュラウド部材を鉛、すず、モリブデン等の被削性材料を含む鋳造品とすれば、従来の構造を何等変更することなくアブレダブルシールと同様の効果を得られ、製造コストを極めて安価にできる。
【0006】
また本発明の請求項2に係るターボチャージャは、コンプレッサハウジングのうち、コンプレッサインペラのシュラウドに対面する部分をハウジング本体とは別体のシュラウド部材から構成し、該シュラウド部材を、鋳造による発泡構造とした請求項1に記載のターボチャージャである。
【0007】
これにおいては、シュラウド部材を鋳造による発泡構造として被削性を良好とし、アブレダブルシールと同様の性質を具備するようにしている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0009】
図1は、本発明に係るターボチャージャのコンプレッサ部を示す縦断面図である。図示するように、コンプレッサハウジング1はベアリングハウジング2に取り付けられてコンプレッサ部を区画している。コンプレッサハウジング1内にはコンプレッサインペラ3が収容され、コンプレッサインペラ3はタービンシャフト4に取り付けられ、タービンシャフト4はベアリングハウジング2内の軸受部5によって回転自在に支持されている。なお軸受部5は、タービンシャフト4をラジアル方向から支持するフローティングメタルと、タービンシャフト4をスラスト方向から支持するスラスト軸受等からなっている。タービンシャフト4の図外の左方にはタービンホイールが取り付けられる。互いのハウジング1,2内はシールプレート6で仕切られ、シールプレート6はベアリングハウジング2に取り付けられて、油切り7との間でシールを行っている。
【0010】
コンプレッサインペラ3は、ダイキャスト用アルミニウム合金(ADC10,12等)を用いて鋳造により一体に作られ、ハブ8の表面上に複数のブレード9を立設して構成されている。ここでのコンプレッサ部は遠心式の構成が採られ、ブレード9は軸方向から径外方向に空気を導くよう径外方向に湾曲されている。ブレード9のガス流れ方向に沿う部分の最も径方向外側の端縁がコンプレッサインペラ3のシュラウド10となる。このシュラウド10に対面して、コンプレッサハウジング1にはシュラウド部11が形成されるが、ここでは従来から知られているように、シュラウド部11が別体のシュラウド部材12から構成されている。即ちコンプレッサハウジング1は2分割に構成され、ハウジング本体13にシュラウド部材12を組み付けて構成されている。ここではシュラウド部材12と、コンプレッサインペラ3のシュラウド10とのクリアランスがタービン効率に影響するようになる。
【0011】
ハウジング本体13は、コンプレッサインペラ3同様、ダイキャスト用アルミニウム合金(ADC10,12等)を用いて鋳造により一体に作られる。一方、シュラウド部材12は、鋳造により一体に作られる点は同じであるが、その材料が、ダイキャスト用アルミニウム合金をベースとして、鉛、すず、モリブデン等の被削性材料を含むものである点が異なる。ここで被削性材料とは、被削性が良好で比較的軟らかく、回転するコンプレッサインペラ3のシュラウド10との摺接により削れ易い材料をいう。上述の鉛、すず、モリブデンのような金属はこのような性質を満たしており、またこのような性質を満たした材料は金属、非金属を問わず他にも考えられる。このようにすると従来のアブレダブルシール同様、コンプレッサインペラ3とコンプレッサハウジング1との間のゼロクリアランスを達成でき、効率を向上できる。
【0012】
ところで、シュラウド部材12は、ハウジング本体13に形成された取付穴14に圧入して取り付けられる。またシュラウド部材12は、ガス入口部を区画し軸方向に延出する入口側部分15と、ガス出口部のディフューザ16を区画して径外方向に延出する出口側部分17とを有する。そしてその途中の折れ曲がり部の内面が、シュラウド10に沿って湾曲されたシュラウド摺接面18となる。出口側部分17が、スクロール室19をも区画すべくハウジング本体13より突出されることから、このようにシュラウド部11を別体のシュラウド部材12で構成し圧入するようにすると、コンプレッサハウジング1(ハウジング本体13)の鋳造が容易となり製造コストが低減できる。
【0013】
このように、本案では、従来より鋳造で作られていたシュラウド部材12の材料の見直しにより、被削性を良好とし、従来のアブレダブルシール同様の効果を極めて安価な製造コストで得ることができる。そして従来のプラズマ容射等の高コストの製造方法を廃止し、安価で高効率なターボチャージャを提供できるようになる。また容射の場合の剥離、ネジ止めの場合の離脱等のおそれも排除でき、信頼性が高まる。
【0014】
ところで、本案の場合、上記シュラウド部材12を発泡構造(ポーラス構造)とし、被削性を良好とすることもできる。この場合、シュラウド部材12の鋳造時に冷却速度を制御すると発泡構造が出来上がることになる。なおこの構造と上述の構造とを組み合わせ、発泡組織内に被削性材料を含ませるようにしても構わない。
【0015】
他にも本発明は様々な実施の形態を採ることが可能で、例えばシュラウド部材のうち、シュラウドに対面し摺接する表面部のみを上述の構造として被削性を良好とすることもできる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0017】
(1) 従来のアブレダブルシールと同様の効果を低コストで得られる。
【0018】
(2) 従来のアブレダブルシールに比べ信頼性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るターボチャージャを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサハウジング
3 コンプレッサインペラ
10 シュラウド
11 シュラウド部
12 シュラウド部材
Claims (2)
- コンプレッサハウジングのうち、コンプレッサインペラのシュラウドに対面する部分をハウジング本体とは別体のシュラウド部材から構成し、該シュラウド部材を、ダイキャスト用アルミニウム合金をベースとし、これを鉛、すず又はモリブデンからなる被削性材料を含ませて鋳造品としたことを特徴とするターボチャージャ。
- コンプレッサハウジングのうち、コンプレッサインペラのシュラウドに対面する部分をハウジング本体とは別体のシュラウド部材から構成し、該シュラウド部材を、鋳造による発泡構造としたことを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
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JP14245397A JP3858347B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | ターボチャージャ |
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JP14245397A Expired - Fee Related JP3858347B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | ターボチャージャ |
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- 1997-05-30 JP JP14245397A patent/JP3858347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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