JP3858323B2 - 自動変速機の変速状態表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機、特に車速やスロットル開度等の運転状態をパラメータとして予め設定されている変速特性に基づいて目標変速段を自動的に切り換える第一の変速モード(以下、Dモードという)と手動操作に応じて変速段を切り換える第二の変速モード(以下、Mモードという)とが設定されていると共に、Dモードに設定されているとき、Dモードにおける変速可能な変速段の範囲を変更し、かつその変更された変速段の範囲内で上記変速特性に基づいて目標変速段を自動的に切り換えるように変速制御を行う制御手段を備えた自動変速機の変速状態表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車に搭載される自動変速機は、エンジンと駆動輪との間にトルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせて備え、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所定の変速段が達成されるように構成したものである。
【0003】
ところで近年、このような車両用の自動変速機として、予め車速やスロットル開度等の運転状態に応じて設定されている変速特性とこれらの実測値とに基づいて変速段を決定し、この決定された変速段が達成されるように上記動力伝達経路を自動的に切り換えるDモードの他に、シフトレバーを前後方向に揺動操作することにより変速段を切り換えるMモードを備えたものが実用化されつつあり、また、上記Dモードに設定されているとき、手動スイッチの操作によってDモードにおける変速可能な変速段の範囲を変更すると共に、その変更された変速段の範囲内で動力伝達経路を自動的に切り換えるように制御を行う制御機構を備えたものも知られている。
【0004】
前者の自動変速機としては、例えば特開平2−133240号公報に開示されたものがある。
【0005】
この自動変速機においては、車体前後方向の第1の切り換え通路に沿ったシフトレバーの揺動操作によって、P(駐車)、R(後退)、N(中立)、D(1速〜4速間の自動変速)、3(1速〜3速間の自動変速)、2(1,2速間の自動変速)、1(1速に限定)のレンジが選択可能とされていると共に、上記Dレンジの選択位置から横方向に延びる通路を介して第1の切り換え通路に平行なMモード用の第2の切り換え通路に操作することができ、この第2の切り換え通路内におけるシフトレバーの前方または後方への操作により、変速段を1段シフトアップもしくはシフトダウンすることができるようになっている。
【0006】
そして、この自動変速機にあっては、シフトレバーにより選択されたレンジ位置と、Mモードに設定されているときその時点の変速段とを表示する表示装置が計器盤内に備えられている。
【0007】
その場合、この表示装置は、図20に示すようにP,R,N,D,3,2,1の各レンジの表示文字とこれら各文字に対応して側方に配置された三角形の発光部材ア…アとがそれぞれ上下方向に列設されてなる第1の表示要素Aと、該第1の表示要素Aから側方に離れた位置にIV,III,II,Iの各変速段を表示する文字とこれら各文字に対応して側方に配置された三角形の発光部材イ…イとがそれぞれ上下方向に列設されてなる第2の表示要素Bとを有し、上記シフトレバーで選択されたレンジ位置がP,R,N,D,3,2,1のいずれかである場合には、これに対応する第1の表示要素Aの発光部材アを点灯させるにより表示すると共に、シフトレバーがMレンジに操作されているときには、該レバーによるその時点の変速段に対応する第2の表示要素Bの発光部材イを点灯させることにより表示するようになっている。
【0008】
また、後者の自動変速機としては、例えば特開昭62−49060号公報に開示されたものがある。
【0009】
この自動変速機においては、シフトレバーがDモードに設定されている状態で、手動スイッチを操作することにより、制御機構によってDモードにける変速可能な変速段の範囲を、通常の1速〜4速の範囲から1速〜3速の範囲に変更し、1速〜3速の範囲で動力伝達経路を自動的に切り換えるようになっている。
【0010】
そして、これら両自動変速機から、例えば車速やスロットル開度等の運転状態をパラメータとして予め設定された変速特性に基づいて目標変速段を自動的に切り換えるDモードと、シフトレバーを前後方向に揺動操作することにより変速段を切り換えるMモードとが設定されていると共に、Dモードにおいて手動スイッチの操作によって変速可能な変速段の範囲を変更し、その範囲内で変速段を自動的に切り換える制御機構が備えられた自動変速機を得ることが考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような自動変速機を得ようとした場合、運転者が、Mモードにおいてはその時点の変速段を、またDモードにおいてはその時点の変速可能な変速段の範囲についての情報をそれぞれ把握できるような表示装置を備える必要がある。
【0012】
しかし、前者の公報に開示された自動変速機の表示装置では、Dモード時における変速可能な変速段の範囲を表示することはできない。
【0013】
そのため、Dモード時における変速可能な変速段の範囲の情報を把握するには、特別にその変速可能な変速段の範囲を表示するための表示部を設ける必要がある。その場合、レンジ表示部とは別に、Mモードにおいてその時点の変速段を表示する変速段表示部を設けたうえで、さらに変速可能な変速段の範囲を表示するための表示部を新たに設けることになる。その結果、表示部の数が非常に多くなり、また、多くの表示器も必要となって表示装置のコストが高くつく問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、DモードとMモードとが設定され、かつ、Dモードにおいて変速可能な変速段の範囲を変更し、その範囲内で変速段を自動的に切り換える制御手段が備えられた自動変速機において、Dモード時におけるその時点の変速可能な変速段範囲についての情報と、Mモード時におけるその時点の変速段とを、1つの変速段表示部を用いてその設定された変速モードに応じて表示することができる自動変速機の変速状態表示装置の提供を課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0016】
まず、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明(以下、第1発明という)は、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段の検出結果と、予め運転状態に応じて設定されている変速特性に基づき、変速可能な変速段の範囲内で目標変速段を自動的に決定する第一の変速モードと、運転者の手動操作を受けて目標変速段を決定する第二の変速モードとを選択的に設定するモード設定手段と、該モード設定手段に第二の変速モードを選択させる運転者の第一の所定操作を検出する第一所定操作検出手段と、上記第一の変速モードにおいて変速可能な変速段の範囲を変更する運転者の第二の所定操作を検出する第二所定操作検出手段と、上記モード設定手段により上記第一の変速モードに設定されているとき、上記第二所定操作検出手段の検出結果を受けて該第一の変速モードにおける変速可能な変速段の範囲を変更すると共に、上記モード設定手段により設定された変速モードに基づいて目標変速段を決定し、自動変速機の変速制御を行う制御手段とを有する自動変速機の変速状態表示装置であって、上記運転者の第一の所定操作が、第一の変速モードが設定されるレンジの選択位置においてシフトレバーに対して行う操作であって、そのレンジ選択位置内でシフトレバーを中立位置から一方向へ揺動操作し又は他方向へ揺動操作することにより変速段が手動で切り換えられるようになっており、上記運転者の第二の所定操作が、第一の変速モードが設定されているときに、運転者が変速可能な変速段の範囲の最高段を制限する操作であると共に、変速段を表示する変速段表示部と、上記制御手段において決定された目標変速段と、上記モード設定手段において設定された変速モードに基づき、上記第一の変速モードが設定されているときは、その時点の変速可能な変速段の範囲の最高段を表示させる一方、上記第二の変速モードが設定されているときは、その時点の変速段を表示させるべく上記変速段表示部を制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項2に記載した発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、各変速段に対応してそれぞれ配置された発光部材を有する変速段表示部を用い、表示制御手段が、第一の変速モードが設定されているときは、その時点での変速可能な変速段に対応するすべての上記発光部材を発光させる一方、第二の変速モードが設定されているときは、その時点の変速段に対応する発光部材を発光させるように上記発光部材を制御することを特徴とする。
【0019】
また、請求項3に記載した発明(以下、第3発明という)は、上記第1発明又は第2発明のいずれかにおいて、モード設定手段によって設定された変速モードに応じて、変速段表示部の表示色を変える表示色変更手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項4に記載した発明(以下、第4発明という)は、上記第1発明から第3発明までのいずれかにおいて、自動変速機が、運転者の意図した変速制御ができない状態になっていることを検出するエラー検出手段を備え、表示制御手段が、該エラー検出手段が上記状態を検出したとき、上記変速段表示部に上記状態であることを表示させるように制御することを特徴とする。
【0021】
上記の手段を用いることにより、本願の各発明はそれぞれ次のように作用する。
【0022】
まず、第1発明によれば、変速段表示部を制御する表示制御手段が、モード設定手段において設定された変速モードと制御手段において決定された目標変速段に基づき、第一の変速モードに設定されているときは、その時点の変速可能な変速段の範囲の最高段を表示させるように変速段表示部を制御し、また第二の変速モードに設定されているときは、その時点の変速段を表示させるように変速段表示部を制御することになる。これにより1つの変速段表示部を用いて、第一の変速モードに設定されているときはその時点の変速可能な変速段の範囲の最高段が表示され、第二の変速モードに設定されているときはその時点の変速段が表示されることになる。
【0024】
また、第2発明によれば、表示制御手段の制御により、第一の変速モードに設定されているときは、各変速段に対応してそれぞれ配置された発光部材を有する変速段表示部のうち、その時点での変速可能な変速段に対応するすべての発光部材を発光させ、第二の変速モードに設定されているときは、上記変速段表示部のうち、その時点の変速段に対応する発光部材を発光させることになる。これにより第一の変速モードに設定されているときには、発光されたすべての発光部材から変速可能な変速段の範囲を正確に把握することが可能となり、第二の変速モードにおいては、発光している発光部材からその時点の変速段を把握することが可能となる。
【0025】
また、第3発明によれば、モード設定手段によって設定された変速モードに応じて表示色変更手段が変速段表示部の表示色を変更するようにしたから、変速段表示部の表示色により第一の変速モードと第二の変速モードの判別を容易に行うことが可能となる。
【0026】
さらに、第4発明によれば、自動変速機が、運転者の意図した変速制御ができない状態になっているときには、これをエラー検出手段が検出し、このエラー検出手段からのエラー検出信号に基づいて表示制御手段が変速段表示部に上記状態であることを表示させることになる。これにより、変速段表示部を利用して上記状態が発生したことを運転者に報知することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
まず、図1は、この実施の形態に係る変速状態表示装置を備えた自動変速機における変速操作入力部1の外観を示すもので、該変速操作入力部1はカバー2を有し、該カバー2に設けられた前後方向に細長い開口部2aからシフトレバー3の上部が突出されている。
【0029】
このシフトレバー3は、上記カバー2の開口部2aに沿って前後方向に操作されて、その操作位置により、前方からPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、及び自動変速が行なわれるDモードと手動変速が行なわれるMモードとが達成されるDレンジが選択されるようになっている。また、このDレンジの操作位置には、Mモードで手動変速する際の中立位置を中心とした前後のシフトアップ位置及びシフトダウン位置がそれぞれ設けられている。そして、これらの操作位置を示す表示板4が上記カバー2における開口部2aの側方に設けられていると共に、該開口部2aは、シフトレバー3に係合されて該レバー3の操作に従って前後にスライドするスライドプレート5によって閉鎖されている。
【0030】
また、このシフトレバー3は、パイプ部材3aによって本体が構成されていると共に、その中間部より上方の部分は被覆部材3bで覆われており、また該レバー3の上端の操作部3cには、シフト操作に対する規制を解除するための規制解除ボタン3dが設けられている。
【0031】
そして、シフトレバー3を他のレンジからDレンジの選択位置に操作したときは、車速及びスロットル開度をパラメータとして予め設定されている変速特性に基づいて目標変速段が切り換えられる一方、シフトレバー3をこのDレンジ内で後方に揺動操作したときには、該シフトレバー3をそのDレンジ選択位置内において中立位置を中心として前後のシフトアップ位置又はシフトダウン位置に揺動操作することにより、変速段が切り換えられるようになっている。また、規制解除ボタン3dを操作してシフト操作に対する規制を解除することにより手動変速が行なわれるMモードから自動変速が行なわれるDモードに変更されるようになっている。
【0032】
さらに、シフトレバー3の操作部3cの側面には、シフトリミッタスイッチ6と、キャンセルスイッチ7とが設けられている。ここで、シフトリミッタスイッチ6は、Dモードに設定されている状態においてON操作されるごとに、図示しない変速制限機構によって1速〜3速間の自動変速を行う3ATモードと、1、2速間での自動変速を行う2ATモードとに交互に設定するようになっており、また、キャンセルスイッチ7は、ON操作することにより、上記変速制限機構による変速制限を解除して、通常の1速〜4速間のDモードに復帰させるようになっている。
【0033】
また、このシフトレバー3には、図2に示すように、該レバー3のシフト操作により移動する操作ケーブル8が連係されており、該操作ケーブル8はPレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12、Nレンジスイッチ13、Dレンジスイッチ14を有するインヒビタスイッチ10や、コントロールバルブユニットにおけるマニュアルバルブ(図示せず)等に導かれ、これらにシフトレバー3の操作を伝達するようになっている。また、シフトレバー3の操作経路のDレンジ位置近くには、シフトレバー3がMモードに操作されたことを検出するMモードスイッチ15と、Mモードのときにおけるシフトレバー3のシフトアップ、シフトダウン操作を検出するシフトアップスイッチ16及びシフトダウンスイッチ17がそれぞれ設けられている。
【0034】
次に、上記した変速操作入力部1を有する自動変速機の選択レンジ及び変速状態を表示する表示装置20について説明する。
【0035】
この表示装置20は、図3〜図5に示すように、速度計42、タコメータ43、水温計44、燃料計45などを備えたインストルメント・パネル41に設けられて、シフトレバー3により選択されたレンジを表示するP,R,N,Dの各レンジ表示部21〜24と、Mモードが選択されていることを表示するMモード表示部25と、Mモード時にその時点の変速段を数字で表示し、Dモードのときにはその時点での変速可能な変速段範囲についての情報を表示させる変速段表示部26とを有している。
【0036】
なお、上記インストルメント・パネル41は、パネル本体41aと、該本体41aに設けられた複数の開口部に着脱可能に組み付けられる速度表示用計器板41b、エンジン回転数表示用計器板41c、水温及び燃料表示用計器板41dとを有する構成となっている。
【0037】
そして、上記各表示部21〜26は、図4及び図5に示すように上記水温及び燃料用計器板41dに、水温計44及び燃料計45の設置側とは反対側のスペース部分を利用して設けられている。
【0038】
その場合、上記計器板41dに直接形成されたり或は別に備えられるP,R,N,D,Mの透光文字と、これらの透光文字に対向するように計器板41dの裏面側に設けられるPレンジランプ31、Rレンジランプ32、Nレンジランプ33、Dレンジランプ34及びMモードランプ35とで、上記P、R、N、Dレンジ表示部21〜24及びMモード表示部25が構成されている。そして、これらのP、R、N、Dレンジ表示部21〜24とMモード表示部25とは、上下一列に配置されている。また、変速段表示部26は計器板41dにおけるMモード表示部25の下方に形成された透孔41eに対応して設けられるセブンセグメント式の表示器により構成されている。
【0039】
また、上記P,R,N,Dの各レンジランプ31〜34及びMモードのランプ35、変速段表示部(以下、変速段表示器という)26は、図5に示すようにランプ保持ユニット50にそれぞれ保持されている。このランプ保持ユニット50は、上記各表示部21〜25と変速段表示器26とにそれぞれ対応するように区画された複数の区画室51〜56を有する前面が開口された枠体57を有し、該枠体57の各区画室51〜56に、上記各ランプ31〜35と上記変速段表示器26とをそれぞれ内装保持した構成となっている。そして、ランプ保持ユニット50は、その前面が上記計器板41dの裏面に当接された状態で支持部材46を介して支持されると共に、ランプの交換等必要に応じて取り外しができるようになっている。
【0040】
これにより、シフトレバー3で選択されたレンジに対応するランプ31〜34またはMモードランプ35のいずれかを点灯することによりその透光文字を介して該当のレンジ表示部またはMモード表示部25が点灯表示されると共に、Mモードに操作されているときには、変速段表示器26にその時点の変速段が数字で表示されることになる。また、Dモードに操作されているときには、変速段表示器26にその時点での変速可能な変速段のうち、最高段のみが数字で表示されることになる。
【0041】
ここで、上記変速段表示器26がセブンセグメント式の表示器であるので、Mモード時における変速段やDモード時における変速可能な変速段のうち、最高段が液晶や発光ダイオード等によって数字で表示される。また、このセブンセグメント式の表示器によれば、変速段の数字表示に代えて簡単なアルファベットも表示できるので、例えばシフトレバー3を所定のレンジ位置に操作してレンジを選択した際にそのレンジのスイッチがONされないといったときには、エラーが生じたものとしてエラーメッセージとしての警告記号E等を表示するようになっている。
【0042】
次に、この自動変速機の選択レンジ及び変速状態等の表示制御について説明する。
【0043】
この自動変速機は、図6に示すような選択レンジ及び変速状態等の表示制御を行うコントロールユニット60を有し、このコントロールユニット60に、上記インヒビタスイッチ10におけるPレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12、Nレンジスイッチ13及びDレンジスイッチ14からの信号と、前述の変速操作入力部1におけるMモードスイッチ15、シフトアップスイッチ16及びシフトダウンスイッチ17からの信号と、シフトレバー3に備えられたシフトリミッタスイッチ6及びキャンセルスイッチ7からの信号とが入力されるようになっている。
【0044】
そして、コントロールユニット60は、これらの信号に基づいて選択されたレンジを表示する表示部21〜24、Mモードを表示する表示部25及びMモード時の変速段やDモード時の変速可能な変速段の範囲を表示する変速段表示器26を表示制御するようになっている。
【0045】
なお、コントロールユニット60には、図示していないが変速制御部が備えられており、この変速制御部は、自動車の運転状態を検出する検出手段としての車速及びエンジンのスロットル開度をそれぞれ検出する車速センサ(図示せず)及びスロットル開度センサ(図示せず)からの信号を入力すると共に、該入力信号と上記インヒビタスイッチ10における各スイッチ11,12,13,14からの信号と、前述の変速操作入力部1におけるMモードスイッチ15、シフトアップスイッチ16及びシフトダウンスイッチ17からの信号と、シフトレバー3に備えられたシフトリミッタスイッチ6及びキャンセルスイッチ7からの入力信号とに基づいて目標変速段を設定し、その目標変速段が実現されるように油圧制御回路(図示せず)に制御信号を出力するようになっている。
【0046】
次に、このコントロールユニット60による表示制御の具体的動作を図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0047】
まず、ステップS1でMモードスイッチ15がONか否かを判定し、ONでないときは、ステップS2でDレンジスイッチ14がONか否かを判定する。そして、このDレンジスイッチ14もONでないときは、さらにステップS3,S5,S7で、Pレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12及びNレンジスイッチ13がONか否かを順次判定し、ステップS4,S6,S8のいずれかで、Pレンジランプ31、Rレンジランプ32及びNレンジランプ33のうち、スイッチがONのレンジのランプを点灯する。
【0048】
なお、この場合は、変速制御は行われないから、ステップS9で変速段表示器26を消灯する。
【0049】
また、Mモードスイッチ15、Dレンジスイッチ14、Pレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12及びNレンジスイッチ13がいずれもONでない場合には、自動変速機が、運転者の意図した変速制御ができない状態になっているものとしてステップS10で最高段フラグGDの値をEにセットし、ステップS11でエラーメッセージとしての警告記号Eを変速段表示器26に表示する。
【0050】
一方、上記ステップS2で、Dレンジスイッチ14がONであると判定したときは、ステップS12でDレンジランプ34を点灯した後、ステップS13でシフトリミッタスイッチ6がON操作されたか否かを判定し、操作されたときには、その操作回数に応じて変速モードを3ATモードまたは2ATモードに設定する。そして、このとき、3ATモードに設定したときにはシフトリミットフラグF13を1にセットし、また、2ATモードに設定したときにはシフトリミットフラグF12を1にセットする。
【0051】
また、シフトリミッタスイッチ6がON操作されたときには、ステップS14で、シフトリミットフラグF13の値を判定する。そして、2ATモードに設定されておれば、F13=0であるから、次にステップS15を実行して、F12=1,F13=0とセットし、また、3ATモードに設定されていれば、ステップS16で、F12=0,F13=1とセットする。また、シフトリミッタスイッチ6がON操作されなかったときには、ステップS17で、キャンセルスイッチ7がON操作されたか否かを判定し、操作されたときには、変速モードは1速〜4速間の通常の自動変速モードに復帰するので、ステップS18で、シフトリミットフラグF12,F13を共に0にセットする。なお、キャンセルスイッチ7がON操作されなかった場合には、その時点の変速モードが継続されることになる。
【0052】
次に、コントロールユニット60は、ステップS19,S20で、上記シフトリミットフラグF12,F13の値を判定し、F12=1のときは、ステップS21で最高段フラグGDの値を2にセットし、さらに上記ステップS11で、最高段フラグGDの値、つまり1、2速のうちの最高段の2速を示す数字の2を変速段表示器26に表示する。また、F13=1のときは、ステップS22で最高段フラグGDの値を3にセットし、上記ステップS11で最高段フラグGDの値、つまり1速〜3速のうちの最高段である3速を示す数字の3を変速段表示器26に表示する。さらに、F12、F13が共に0のときは、ステップS23で最高段フラグGDの値を4にセットし、上記ステップS11で、最高段フラグGDの値、つまり1速〜4速のうちの最高段である4速を示す数字の4を変速段表示器26に表示する。
【0053】
これにより、Dレンジにおいて、シフトリミッタスイッチ6とキャンセルスイッチ7の操作もしくは非操作により設定された3つの変速モードに従って、変速段表示器26にその時点における自動変速可能な変速段の最高段が数字で表示されることになる。
【0054】
一方、前述したようにシフトレバー3がDレンジに操作された状態から、該レバー3がさらに後方に操作されてMモードが選択されて、図2に示すMモードスイッチ15がON操作されると、コントロールユニット60は、ステップS24で現時点の目標変速段GMの値を読み込むと共に、ステップS25で図2に示すシフトアップスイッチ16がON操作されたか否かを判定する。そして、シフトレバー3のDレンジ内での前方への操作により、このシフトアップスイッチ16がON操作されたときには、ステップS26で現時点の実際の変速段に一致している目標変速段GMの値が4であるか否かを判定し、GM=4でなければ、シフトアップが可能なので、ステップS27で、目標変速段GMを1だけプラスする。
【0055】
また、シフトアップスイッチ16がON操作されていないときは、ステップS28で、シフトダウンスイッチ17がON操作されたか否かを判定し、シフトレバー3のDレンジ内での後方への操作により、このシフトダウンスイッチ17がON操作されたときには、ステップS29で目標変速段GMの値が1であるか否かを判定し、GM=1でなければ、シフトダウンが可能なので、ステップS30で、目標変速段GMを1だけマイナスする。
【0056】
そして、コントロールユニット60は、ステップS31で、Mモードランプ35を点灯すると共に、ステップS32で現時点の目標変速段GMの値を変速段表示器26に表示する。
【0057】
以上のように、コントロールユニット60により選択されているレンジと変速状態との表示制御が行われる。
【0058】
その場合、一つの変速段表示器26を用いてDモードにおいてはその時点の自動変速可能な変速段のうちの最高段を、Mモードにおいてはその時点の変速段をそれぞれ数字で表示することができ、そして、Dモードにはその数字を基に変速段範囲についての情報を把握することができる。これによりMモードの変速段を表示する変速段表示器と、Dモードにおいて変速可能な変速段の範囲についての情報を表示する変速段表示部とを個別に設ける必要がない。
【0059】
また、以上の実施の形態においては、上記変速段表示部26として、セブンセグメント式の表示器を用いたけれども、これに代えて例えば図8に示すようにダイオード等の発光素子を多数配設してなるドットマトリックス式の変速段表示器126等を用いて数字や記号等を表示するようにしてもよい。なお、図8において符号120,121〜125,131〜135,150,157は、前述した実施形態の符号20,21〜25,31〜35,50,57とそれぞれ対応するものであってその構成についての説明は省略する。
【0060】
さらに、このドットマトリックス式の変速段表示器126として、図9に示すように、例えば赤色の発光素子126′と緑色の発光素子126″など色の異なる発光素子が多数組み合わされたものを用い、例えば数字や文字記号等を発光させる場合に、MモードとDモードとに設定された場合における表示色及びエラーメッセージの表示色をコントロールユニット60による制御で変更するように構成してもよい。
【0061】
その場合、図10に示すように、コントロールユニット60は、前述したフローチャートにおけるステップS10′で最高段フラグGDの値をEにセットし、ステップS11′でエラーメッセージとしての警告記号Eを変速段表示器126に表示するとき、変速段表示器126の赤色発光素子126′だけを発光させて赤色で表示させる。また、Dレンジにおいて、シフトリミッタスイッチ6とキャンセルスイッチ7の操作もしくは非操作により設定された3つの自動変速モードに従って、変速段表示器26にその時点における自動変速可能な変速段の最高段をそのステップS21′,S22′,S23′においてセットされた最高段フラグGDの値をステップS11″で数字表示するときには、その変速段表示器126の緑色発光素子126″だけを発光させて緑色で表示させる。また、Mモードにおいてその時点における目標変速段GMをステップS32′において数字表示するときには、変速段表示器126の赤色発光素子126′だけを発光させて赤色で表示させる。これにより、その表示される色によりDモードとMモードの判別を容易に行うことが可能となるし、また、エラーメッセージとしての警告記号Eについても警告色である赤色で表示することにより、運転者はこれを容易に視認することが可能となる。
【0062】
また、Mモードへの操作時に、これを検出するMモードスイッチとして、図2において仮想線で示すように、前述のMモードスイッチ(以下、Mモード第1スイッチという)15とは別に第2のMモードスイッチ(以下、Mモード第2スイッチという)15aを設けるようにしてもよい。これにより、シフトレバー3のMモードへの操作時に、Mモード第1スイッチ15,Mモード第2スイッチ15aのうち、一方のみがONのときには、例えばシフトレバー3のこじれ等による切換不良や、一方のMモードスイッチの断線等のエラーが発生したときにこれを精度よく検出でき、信頼度を高めることができる。また、その場合、Mモードの操作機構に関連した箇所のエラーと、全レンジのOFFによる自動変速機全体におけるエラーとを区別するために、全レンジのOFFによるエラー検出時には、変速段表示器26に3の数字で点滅表示し、また、Mモードに関連した箇所におけるエラーの検出時には、上記変速段表示器26にEの記号で点滅表示するように構成する。
【0063】
つまり、図11のフローチャートに示すように、前述した実施の形態のフローチャートにおけるステップS1に代えて、まず、ステップR1で、Mモード第1スイッチ15がONか否かを判定し、ONでないときは、ステップR2で、Mモード第2スイッチ15aがONか否かを判定し、ONでないときは、ステップR3でDレンジスイッチ14がONか否かを判定して、以後前述した実施の形態のフローチャートのステップS3〜11とステップS12〜23とに対応したR4〜12とステップR13〜25とほぼ同様の表示制御が行われる。その場合、全レンジのスイッチがONされていないときには、ステップR11で最高段フラグGDの値を3にセットし、ステップR12において変速段表示器26に3の数字を点滅表示する。また、ステップR2で、Mモード第2スイッチ15aがONのときは、ステップR26で最高段フラグGDの値をEにセットし、ステップR27において変速段表示器26に警告記号Eを点滅表示する。
【0064】
一方、ステップR1で、Mモード第1スイッチ15がONのときは、ステップR28で、Mモード第2スイッチ15aがONか否かを判定し、Mモード第2スイッチ15aがONでないときは、上記ステップR26,R27で変速段表示器26に警告記号Eを点滅表示する。また、ステップR28で、Mモード第2スイッチ15aがONのときは、以後前述した実施の形態のフローチャートにおけるステップS24〜32に対応するステップR29〜37の表示制御が同様に行われる。
【0065】
これにより、全レンジのOFFによるエラー検出時には、変速段表示器26に3の数字が点滅表示され、また、Mモードに関連した箇所におけるエラーの検出時には、変速段表示器26にEの記号が点滅表示されるので、両者の区別が容易に行えると共に、全レンジのOFFによるエラー検出時には、その時点における変速段が3速であることが認識できる。なお、エラーが発生した時、その場合の変速段を例えば2速にするタイプについては、変速段表示器26による点滅表示は2の数字となる。
【0066】
また、図12は、数字や文字記号により変速段を表示するタイプの上記した変速段表示器26,126とは別の実施の形態の変速段表示部226を備えた表示装置220を示す。なお、図12において符号220,221〜225,231〜235,250,257は、前述した実施形態の符号20,21〜25,31〜35,50,57とそれぞれ対応するものであってその構成についての説明は省略する。
【0067】
この表示装置220における変速段表示部226は、全変速段を表示するI,II,III,IVの文字とこれら各文字に対応してそれぞれ配置された発光部材226a〜226dとを有し、Dモードにおいてはその時点での変速可能な変速段に対応するすべての発光部材が発光され、Mモードにおいてはその時点の変速段に対応する発光部材が発光されるようコントロールユニットで表示制御されようになっている。
【0068】
その場合、上下方向に列設されたP、R、N、Dの各レンジ表示部221〜224及びMモードの表示部225の側方に離れた位置にI,II,III,IVの各変速段を表示する文字が配置され、これら各文字の側方に配置された円形の第1〜第4発光部材226a〜226dとがそれぞれ上下方向に配置されている。
【0069】
また、この第1〜第4発光部材226a〜226dとしては、前述の図9に示したダイオード等の発光素子を多数配設してなるドットマトリックス式表示器と同様の赤色発光素子と緑色発光素子とを組み合わせてなる発光器を用いている。そして、これらの第1〜第4発光部材(以下、第1〜第4発光器という)226a〜226dは、Mモードにおいてその時点の変速段を表示するときには赤色発光素子により赤色で、Dモードにおいて変速可能な変速段を表示するときには緑色発光素子により緑色でそれぞれ点灯表示するようにその表示色をコントロールユニットによる制御で変更されるようになっている。さらに、エラーを表示する場合には、すべての発光器226a〜226dが赤色発光素子により赤色で点滅表示するように制御される。
【0070】
次に、この自動変速機の選択レンジ及び変速状態等の表示制御について説明する。
【0071】
この自動変速機は、図13に示すように、前述した実施の形態の場合と同様に、選択レンジ及び変速状態等の表示制御を行うコントロールユニット260に、上記インヒビタスイッチ210におけるPレンジスイッチ211、Rレンジスイッチ212、Nレンジスイッチ213及びDレンジスイッチ214からの信号と、2つのMモードスイッチ215、215a、シフトアップスイッチ216及びシフトダウンスイッチ217からの信号と、シフトレバーに備えられたシフトリミッタスイッチ206及びキャンセルスイッチ207からの信号とが入力されるようになっている。なお、図13において符号206,207,210〜216,260は、前述した実施形態の符号6,7,10〜16,60とそれぞれ対応するものであってその構成についての説明は省略する。
【0072】
そして、コントロールユニット260は、これらの信号に基づいて選択されているレンジや変速制御モードの設定を行うと共に、選択されたレンジを表示する表示部221〜224、Mモードを表示する表示部225、Mモード時における変速段やDモード時における変速可能な変速段の範囲を表示する変速段表示部226の第1〜第4発光器226a〜226dを制御するようになっている。
【0073】
次に、このコントロールユニット260による表示制御の具体的動作を図14に示すフローチャートに従って説明する。
【0074】
まず、ステップT1でMモード第1スイッチ215がONか否かを判定し、ONでないときには、ステップT2で、Mモード第2スイッチ215aがONか否かを判定し、ONでないときには、ステップT3でDレンジスイッチ214がONか否かを判定する。そして、このDレンジスイッチ214もONでないときには、さらにステップT4,T6,T8で、Pレンジスイッチ211、Rレンジスイッチ212及びNレンジスイッチ213がONか否かを順次判定し、ステップT5,T7,T9のいずれかで、Pレンジランプ231、Rレンジランプ232及びNレンジランプ233のうち、スイッチがONのレンジのランプを点灯する。
【0075】
また、この場合は、変速制御は行われないから、ステップT10で変速段表示部226の第1〜第4発光器226a〜226dをいずれも消灯する。
【0076】
また、Mモード第1スイッチ215,Mモード第2スイッチ215a、Dレンジスイッチ214、Pレンジスイッチ211、Rレンジスイッチ212及びNレンジスイッチ213がいずれもONでないときには、ステップT11でエラーメッセージとして変速段表示部226の第1〜第4発光器226a〜226dをいずれも赤色発光素子により赤色で点滅表示する。
【0077】
また、ステップT2で、Mモード第2スイッチ215aがONのときにも、ステップT11で変速段表示部226の第1〜第4発光器226a〜226dをいずれも赤色発光素子により赤色で点滅表示する。
【0078】
一方、上記ステップT3で、Dレンジスイッチ214がONであると判定されたときは、ステップT12でDレンジランプ234を点灯した後、ステップT13でシフトリミッタスイッチ206がON操作されたか否かを判定し、操作されたときには、その操作回数に応じて変速モードを3ATモードまたは2ATモードに設定する。そして、このとき、3ATモードに設定したときにはシフトリミットフラグF13を1にセットし、また、2ATモードに設定したときにはシフトリミットフラグF12を1にセットする。
【0079】
また、シフトリミッタスイッチ206がON操作されたときには、ステップT14で、シフトリミットフラグF13の値を判定する。そして、2ATモードに設定されておれば、F13=0であるから、次にステップT15を実行して、F12=1,F13=0とセットし、また、3ATモードに設定されていれば、ステップS16で、F12=0,F13=1とセットする。また、シフトリミッタスイッチ206がON操作されなかったときには、ステップT17で、キャンセルスイッチ207がON操作されたか否かを判定し、操作されたときには、変速モードは変速段1〜4間の通常の自動変速モードに復帰するので、ステップT18で、シフトリミットフラグF12,F13を共に0にセットする。なお、キャンセルスイッチ207がON操作されなかった場合には、その時点の変速モードがそのまま継続される。
【0080】
次に、コントロールユニット260は、ステップT19,T20で、上記シフトリミットフラグF12,F13の値を判定し、F12=1のときは、ステップT21で、自動変速可能な変速段1、2に対応する変速段表示部226の第1、第2発光器226a,226bをいずれも緑色発光素子により緑色で点灯し、第3,第4発光器226c,226dを消灯する。
【0081】
また、F13=1のときは、ステップT22で、自動変速可能な変速段1〜3に対応する変速段表示部226の第1〜3発光器226a〜226cを緑色発光素子により緑色で点灯し、第4発光器226dを消灯する。
【0082】
さらに、F12、F13が共に0のときは、ステップT23で、すべての変速段1〜4に対応する変速段表示部226の第1〜4発光部材226a〜226dをいずれも緑色発光素子により緑色で点灯する。
【0083】
これにより、Dレンジにおいて、シフトリミッタスイッチ206とキャンセルスイッチ207の操作もしくは非操作により設定された3つの変速モードに従って、変速段表示部226にその時点における変速可能な変速段の範囲が複数の発光器の点灯により表示されることになる。
【0084】
一方、シフトレバー3がDレンジに操作された状態から、該レバー3がさらに後方に操作されてMモードが選択されて、Mモード第1スイッチ215、Mモード第2スイッチ215aが共にON操作されると、コントロールユニット260は、ステップT25で現時点の目標変速段GMの値を読み込むと共に、ステップT26でシフトアップスイッチ216がON操作されたか否かを判定する。そして、シフトレバー3のDレンジ内での前方への操作により、このシフトアップスイッチ216がON操作されたときには、ステップT27で現時点の変速段と一致する目標変速段GMの値が4であるか否かを判定し、GM=4でなければ、シフトアップが可能なので、ステップT28で、現時点の目標変速段GMを1だけプラスする。
【0085】
また、シフトアップスイッチ216がON操作されていないときは、ステップT29で、シフトダウンスイッチ217がON操作されたか否かを判定し、シフトレバー3のDレンジ内での後方への操作により、このシフトダウンスイッチ217がON操作されたときには、ステップT30で現時点の目標変速段GMの値が1であるか否かを判定し、GM=1でなければ、シフトダウンが可能なので、ステップT31で、現時点の目標変速段GMを1だけマイナスする。
【0086】
そして、コントロールユニット260は、ステップT32で、Mモードランプ235を点灯すると共に、ステップT33,T34,T35で現時点の目標変速段GMの値が1であるか否かを判定し、GM=1のときにはステップT36で、変速段表示器226の第1発光器226aを赤色発光素子により赤色で点灯し、第2〜第4発光器226b〜226dを消灯する。
【0087】
また、GM=2のときにはステップT37で、変速段表示器226の第2発光器226bを赤色発光素子により赤色で点灯し、第1、第3、第4発光器226a,226c,226dを消灯する。
【0088】
また、GM=3のときにはステップT38で、変速段表示器226の第3発光器226cを赤色発光素子により赤色で点灯し、第1、第2、第4発光器226a,226b,226dを消灯する。
【0089】
また、GM=1、GM=2、GM=3のいずれにも該当しない場合には、ステップT39で変速段表示部226の第4発光器226dを赤色発光素子により赤色で点灯し、第1〜第3発光器226a〜226cを消灯する。
【0090】
一方、ステップT24で、Mモード第2スイッチ215aがONでないときは、先のステップT11に移って、変速段表示器226の第1〜第4発光器226a〜226dを赤色発光素子により赤色で点滅表示する。
【0091】
以上のように、コントロールユニット260により選択されているレンジと変速状態との表示制御が行われる。
【0092】
その場合、Mモードにおいては、発光している発光器からその時点の変速段を確認することができ、しかも、Dモードにおいては、その時点での変速可能な変速段に対応するすべての発光器が発光されるので、その時点での変速可能な変速段の範囲を明確に把握することができる。
【0093】
また、変速段表示部226の各発光部材226a〜226dとしては、上記したドットマトリックス式の発光器を用いる他、例えば図15に示すようにランプ226a′〜226d′を用いてもよい。なお、図15において符号220′,221′〜225′,231′〜235′,250′,257′は、前述した実施形態の符号220,221〜225,231〜235,250,257とそれぞれ対応するものであってその構成についての説明は省略する。
【0094】
また、上記した実施の形態では、いずれも変速操作入力部1として、P,R,N,Dの4つのレンジを備え、そのDレンジにおいて、変速段を予め設定された変速特性に基づいて自動的に切り換えるDモードと手動操作により切り換えるMモードとが設定されている4ポジションタイプものについて説明したが、例えば図16及び図17に示したように、P,R,N,Dの4つのレンジとは別にMレンジを設けて、このMレンジにおけるシフトレバーの前方または後方への操作により、変速段を1段シフトアップもしくはシフトダウンすることができるようした構成の5ポジションタイプものとしてもよい。なお、図16及び図17において符号302〜307,310〜317は、前述した実施形態の符号2〜7,10〜17とそれぞれ対応するものであってその構成についての説明は省略する。
【0095】
さらに、図18及び図19に示したように、P,R,N,Dの4レンジからなる4ポジションタイプのもので、Dレンジの選択位置から横方向に延びる通路402bを介してレンジの切り換え通路402aに平行なMレンジ用の切り換え通路402cに移動操作できるようにして、この切り換え通路402c内におけるシフトレバーの前方または後方への操作により、変速段を1段シフトアップもしくはシフトダウンする構成であってもよいことは勿論である。なお、図18及び図19において符号402〜407,410〜417は、前述した実施形態の符号2〜7,10〜17とそれぞれ対応するものであってその構成についての説明は省略する。
【0096】
また、上記した実施形態の表示装置20,120,220において、Mの文字を点灯表示してMモード状態であることを表示するMモード表示部25,125,225に代えて、例えばHOLDの文字を点灯表示してHOLDモード状態であることを表示するHOLD表示部としてもよい。その場合、HOLD表示部の点灯時には、Dレンジ表示部24も同時に点灯表示するようにする。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、本願の第1発明によれば、車速やスロットル開度等の運転状態をパラメータとして予め設定されている変速特性に基づいて目標変速段を自動的に切り換える第一の変速モードと手動操作により変速段を切り換える第二の変速モードとが設定されていると共に、第一の変速モードに設定されているとき、第一の変速モードにおける変速可能な変速段の範囲を変更し、かつその変更された変速段の範囲内で上記変速特性に基づいて目標変速段を自動的に切り換えるように変速制御を行う制御手段を備えた自動変速機であって、モード設定手段において設定された変速モードと制御手段において決定された目標変速段に基づき、第一の変速モードに設定されているときは、その時点の変速可能な変速段の範囲の最高段を表示させるように変速段表示部を制御し、第二の変速モードにおいてはその時点の変速段を表示させるように変速段表示部を制御する表示制御手段を設けたことにより、上記変速段表示部に、第一の変速モードに設定されているときはその時点の変速可能な変速段の範囲についての情報を表示させ、第二の変速モードに設定されているときはその時点の変速段を表示させることが可能となる。これにより、例えば第二の変速モードの変速段表示器とは別に、第一の変速モードに設定されているときに変速可能な変速段の範囲の最高段を表示する変速状態表示部を特設する必要がなくなり、表示部の個数を減らし表示装置のコストを抑えることができる。
【0099】
また、第2発明によれば、各変速段に対応してそれぞれ配置された発光部材を有する変速段表示部を用い、かつ、表示制御手段により第一の変速モードに設定されているときは、その時点での変速可能な変速段に対応するすべての発光部材を発光させ、第二の変速モードに設定されているときは、その時点の変速段に対応する発光部材を発光させるようにしたから、第一の変速モードに設定されているときには、発光されたすべての発光部材から自動変速可能な変速段の範囲を正確に把握することが可能となり、第二の変速モードにおいては、発光している発光部材からその時点の変速段を把握することができる。
【0100】
また、第3発明によれば、モード設定手段によって設定された変速モードに応じて表示色変更手段が変速段表示部の表示色を変更するようにしたから、変速段表示部の表示色により変速モードの判別を容易に行うことができる。
【0101】
さらに、第4発明によれば、自動変速機が、運転者の意図した変速制御ができない状態になっているときには、これをエラー検出手段が検出し、このエラー検出手段からのエラー検出信号に基づいて表示制御手段が変速段表示部に上記状態であることを表示させることになる。これにより、変速段表示部を利用して上記状態が発生したことを運転者に報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る表示装置を備えた自動変速機の変速操作入力部におけるシフトレバー及びその周辺の外観図である。
【図2】 同変速操作入力部の一部省略平面図である。
【図3】 同表示装置が取付けられたインストルメントパネルの正面図である。
【図4】 同表示装置におけるランプ保持ユニットの正面図である。
【図5】 図4のア−ア線断面図である。
【図6】 自動変速機におけるシステムブロック図である。
【図7】 コントロールユニットによる表示制御の動作を示すフローチャート図である。
【図8】 別の変速段表示器を備えた表示装置の正面図である。
【図9】 同変速段表示器における発光素子の一部拡大図である。
【図10】 同表示器を用いた場合のコントロールユニットによる表示制御の動作を示す一部省略フローチャート図である。
【図11】 Mモードスイッチを2個用いた場合のコントロールユニットによる表示制御の動作を示すフローチャート図である。
【図12】 別の実施の形態に係る表示装置の正面図である。
【図13】 同自動変速機におけるシステムブロック図である。
【図14】 同コントロールユニットによる表示制御の動作を示すフローチャート図である。
【図15】 別の変速段表示器を備えた表示装置の正面図である。
【図16】 別の自動変速機の変速操作入力部におけるシフトレバー及びその周辺の外観図である。
【図17】 同変速操作入力部の一部省略平面図である。
【図18】 さらに別の自動変速機の変速操作入力部におけるシフトレバー及びその周辺の外観図である。
【図19】 同変速操作入力部の一部省略平面図である。
【図20】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
3 シフトレバー
6 シフトリミッタスイッチ
7 キャンセルスイッチ
12 Dレンジスイッチ
15 Mモードスイッチ
16 シフトアップスイッチ
17 シフトダウンスイッチ
20,220 表示装置
26,126,226 変速段表示部(変速段表示器)
60,260 コントロールユニット
126′ 赤色発光素子
126″ 緑色発光素子
226a〜226d,226a′〜226d′ 発光部材(発光器)
Claims (4)
- 車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段の検出結果と、予め運転状態に応じて設定されている変速特性に基づき、変速可能な変速段の範囲内で目標変速段を自動的に決定する第一の変速モードと、運転者の手動操作を受けて目標変速段を決定する第二の変速モードとを選択的に設定するモード設定手段と、該モード設定手段に第二の変速モードを選択させる運転者の第一の所定操作を検出する第一所定操作検出手段と、上記第一の変速モードにおいて変速可能な変速段の範囲を変更する運転者の第二の所定操作を検出する第二所定操作検出手段と、上記モード設定手段により上記第一の変速モードに設定されているとき、上記第二所定操作検出手段の検出結果を受けて該第一の変速モードにおける変速可能な変速段の範囲を変更すると共に、上記モード設定手段により設定された変速モードに基づいて目標変速段を決定し、自動変速機の変速制御を行う制御手段とを有する自動変速機の変速状態表示装置であって、上記運転者の第一の所定操作が、第一の変速モードが設定されるレンジの選択位置においてシフトレバーに対して行う操作であって、そのレンジ選択位置内でシフトレバーを中立位置から一方向へ揺動操作し又は他方向へ揺動操作することにより変速段が手動で切り換えられるようになっており、上記運転者の第二の所定操作が、第一の変速モードが設定されているときに、運転者が変速可能な変速段の範囲の最高段を制限する操作であると共に、変速段を表示する変速段表示部と、上記制御手段において決定された目標変速段と、上記モード設定手段において設定された変速モードに基づき、上記第一の変速モードが設定されているときは、その時点の変速可能な変速段の範囲の最高段を表示させる一方、上記第二の変速モードが設定されているときは、その時点の変速段を表示させるべく上記変速段表示部を制御する表示制御手段とが備えられていることを特徴とする自動変速機の変速状態表示装置。
- 変速段表示部は、各変速段に対応してそれぞれ配置された発光部材を有し、表示制御手段は、第一の変速モードが設定されているときは、その時点での変速可能な変速段に対応するすべての上記発光部材を発光させる一方、第二のモードが設定されているときは、その時点の変速段に対応する発光部材を発光させるように上記発光部材を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速状態表示装置。
- モード設定手段によって設定された変速モードに応じて、変速段表示部の表示色を変える表示色変更手段が備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の自動変速機の変速状態表示装置。
- 自動変速機が、運転者の意図した変速制御ができない状態になっていることを検出するエラー検出手段が備えられ、表示制御手段は、該エラー検出手段が上記状態を検出したとき、上記変速段表示部に上記状態であることを表示させるように制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機の変速状態表示装置。
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