JP3726382B2 - 車両の表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、特に変速段を予め設定されている変速特性に基づいて自動的に切り換えるオートレンジ(以下、Dレンジという)等の他に、手動操作で変速段を切り換えるマニュアルレンジ(以下、Mレンジという)を有する自動変速機を搭載した車両の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用の自動変速機として、変速段を自動的に切り換えるDレンジ等の他に手動操作で変速段を切り換えるMレンジを備えたものが実用化されつつあり、このような自動変速機として、例えば特開平2−133240号公報に開示されたものがある。
【0003】
この自動変速機においては、車体前後方向の第1の切り換え通路に沿ったシフトレバーの揺動操作によって、P(駐車)、R(後退)、N(中立)、D(ドライブ)、3(3速)、2(2速)、1(1速)のレンジが選択可能とされていると共に、上記Dレンジの選択位置から横方向に延びる通路を介して第1の切り換え通路に平行なMレンジ用の第2の切り換え通路に操作することができ、この第2の切り換え通路内におけるシフトレバーの前方または後方への操作により、変速段を1段シフトアップもしくはシフトダウンすることができるようになっている。そして、この自動変速機においては、運転者の前方位置においてシフトレバーにより選択されたレンジ位置とMレンジが選択されているときにシフトレバーによる変速段とを表示する表示装置が備えられている。
【0004】
その場合、この表示装置は、図9に示すように運転者の前方位置においてP、R、N、D、3、2、1の各レンジの文字とこれら各文字の側方に近接して配置される三角印の表示要素ア…アとがそれぞれ上下方向に列設された第1の表示部と、該第1の表示部から側方に離れた位置にIV、III、II、Iの各変速段の文字とこれら各文字の側方に近接して配置される三角印の表示要素イ…イとがそれぞれ上下方向に列設された第2の表示部とを有し、上記シフトレバーで選択されたレンジ位置がP、R、N、D、3、2、1のいずれかである場合には、これを第1の表示部により表示すると共に、シフトレバーがMレンジに操作されているときには、該レバーによるその時点の変速段を上記第2の表示部における三角印の一つを点灯させることにより表示するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した表示装置によれば、複数のレンジ表示部を有する第1の表示部には、Mレンジ用の表示部がなく、また、シフトレバーがMレンジに操作されているときに、該レバーによるその時点の変速段を表示する第2の表示部は、上記第1の表示部から場所的に離れた位置に設けられているから、第1の表示部を見ただけでは、Mレンジであるかどうかが分かりにくいし、しかも、上記第2の表示部がIV、III、II、Iの各変速段の文字にこれら各文字の側方に近接して配置される三角印の表示要素イ…イを組み合わせてなるものであるから、シフトレバーがMレンジに操作されているときに、該レバーによるその時点の変速段を確認する際には、第2の表示部における上下に配置された4個の三角印の表示要素イ…イの中から点灯されている三角印を見つけ出し、そのうえで、その三角印の側方に配置された変速段の文字を読み取って変速段を確認する必要がある。したがって、シフトレバーによってMレンジが選択されているかどうかが分かりにくいばかりか、Mレンジが選択されているときにシフトレバーによるその時点変速段を迅速に読み取りにくい問題を有していた。
【0006】
そこで、本発明は、変速段を自動的に切り換えるDレンジ等の他に手動操作で変速段を切り換えるMレンジを有する自動変速機を搭載した車両において、Mレンジが選択されているかどうかの見分けが通常行われているレンジ表示部の目視による確認だけで容易に行えながら、Mレンジが選択されているときにその時点の変速段を上記レンジ位置の確認時に即座に読み取ることができる車両の表示装置の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0008】
まず、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明(以下、第1発明という)は、変速段を自動的に切り換えるDレンジと手動操作で切り換えるMレンジとを含む複数のレンジを選択するシフトレバーが備えられ、該シフトレバーがMレンジ内において手動操作されることにより変速段の切り換えが行われる自動変速機を搭載した車両の表示装置において、上記Dレンジと上記Mレンジとを含む複数のレンジ選択位置を前後方向に一列に配設し、これに対応させて、運転者の前方位置にDレンジ表示部とMレンジ表示部とを含む複数のレンジ表示部を上下方向に一列に配設すると共に、上記Mレンジ表示部をこの列の一端においてDレンジ表示部に隣接して配置し、かつ上記シフトレバーで選択されたレンジ位置を表示する第1の表示部と、上記シフトレバーがMレンジに操作されているときにその時点の変速段を数字で表示する第2の表示部とを有すると共に、該第2の表示部を上記第1の表示部の列方向でMレンジ表示部のDレンジ表示部とは反対側に隣接して配置したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載した発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、シフトレバーがMレンジに操作されているときにのみその時点の変速段を第2の表示部に表示させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載した発明(以下、第3発明という)は、上記第1発明において、シフトレバーがMレンジに操作されているときに自動変速機の変速段を制御する変速段制御手段を備え、該変速段制御手段からの変速段検出信号に基づいてその時点の変速段を第2の表示部に表示させることを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項4に記載した発明(以下、第4発明という)は、上記第1発明において、第2の表示部として、セブンセグメント式の表示器を用いていることを特徴とする。
【0013】
上記の手段を用いることにより、本願各発明はそれぞれ次のように作用する。
【0014】
まず、第1発明によれば、変速段を自動的に切り換えるDレンジ等の他に手動操作で変速段を切り換えるMレンジを有する自動変速機を搭載した車両において、シフトレバーがMレンジに操作されているときには、Dレンジ表示部とMレンジ表示部とを含む複数のレンジ表示部が一列に配設され、かつ上記Mレンジ表示部がこの列の一端においてDレンジ表示部に隣接して配置された第1の表示部におけるMレンジ表示部がたとえば点灯されてMレンジが選択されていることを表示することになると共に、該Mレンジ表示部の近傍に配置された第2の表示部がその時点の変速段を数字で明確に表示することになる。したがって、上記Mレンジ表示部によりシフトレバーがMレンジに操作されているかどうかの見分けを通常行われているレンジ表示部の目視による確認だけで容易に行えることになり、しかも、Mレンジが選択されているときには、該Mレンジ表示部の近傍に配置された第2の表示部によりその時点の変速段を上記レンジ位置の確認時に即座に読み取れることになる。
【0015】
また、第1発明によれば、第2の表示部が、第1の表示部の列方向でMレンジ表示部のDレンジ表示部とは反対側に隣接して配置されていることにより、Mレンジ表示部をSレンジとし、第2の表示部をLレンジとして、Mレンジが設定されていない自動変速機を備えた車種との表示部周りの共通化が容易に図れることになる。
【0016】
また、第2発明によれば、第2の表示部が、シフトレバーがMレンジに操作されているときにのみその時点の変速段を表示することにより、MレンジであるかDレンジであるかの区別を第2の表示部への変速段の表示の有無よっても確認できることになる。
【0017】
また、第3発明によれば、シフトレバーがMレンジに操作されているときに自動変速機の変速段を制御する変速段制御手段を備え、該変速段制御手段からの変速段検出信号に基づいてその時点の変速段を第2の表示部により表示するようにしたから、第2の表示部には常にその時点の変速段が正確に表示されることになる。
【0018】
さらに、第4発明によれば、第2の表示部として、セブンセグメント式の表示器を使えば、変速段の数字表示に代えて例えばエラーメッセージとしての警告記号E等を表示することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、図1は、この実施の形態に係る表示装置を備えた車両における自動変速機の操作部1の外観を示すもので、この操作部1は、変速段を自動的に切り換えるDレンジ等の他に手動操作で変速段を切り換えるMレンジを備えた構造となっている。
【0020】
詳しくは、当該車両の運転席側方の車体部材Aにカバー2が取り付けられ、該カバー2に設けられた前後方向に細長い開口部2aからシフトレバー3の上部が突出されている。このシフトレバー3は、上記カバー2の開口部2aに沿って前後方向に操作されて、その操作位置により、前方からPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ及びMレンジが選択されるようになっている。また、Mレンジの操作位置には、中立位置を中心として前後にシフトアップ位置及びシフトダウン位置がそれぞれ設けられている。そして、これらの操作位置を示す表示板4が上記カバー2における開口部2aの側方に設けられていると共に、該開口部2aは、シフトレバー3に係合されて該レバー3の操作に従って前後にスライドするスライドプレート5によって閉鎖されている。
【0021】
なお、このシフトレバー3は、パイプ3aによって本体が構成されていると共に、その中間部より上方の部分は被覆部材3bで覆われており、また上端の操作部には、シフト操作に対する規制を解除するためのシフトボタン3cが設けられている。
【0022】
また、このシフトレバー3には、図2に示すように、該レバー3のシフト操作により移動する操作ケーブル6が連係されており、該操作ケーブル6はPレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12、Nレンジスイッチ13、Dレンジスイッチ14を有するインヒビタスイッチ10や、コントロールバルブユニットにおけるマニュアルバルブ(図示せず)等に導かれ、これらにシフトレバー3の操作を伝達するようになっている。また、シフトレバー3の操作経路のMレンジ位置近くには、シフトレバー3がMレンジに操作されたことを検出するMレンジスイッチ15と、Mレンジ内におけるシフトレバーのシフトアップ、シフトダウン操作を検出するシフトアップスイッチ16及びシフトダウンスイッチ17がそれぞれ配設されている。
【0023】
さらに、シフトレバー3の操作部の側面位置には、シフトリミッタスイッチ18と、キャンセルスイッチ19とが設けられている。
【0024】
ここで、シフトリミッタスイッチ18は、DレンジにおいてON操作されるごとに、1速〜3速間の自動変速を行う3ATモードと、1,2速間での自動変速を行う2ATモードとに交互に設定するようになっており、また、キャンセルスイッチ19は、ON操作することにより、上記のような変速制限を解除して、通常の1速〜4速間の自動変速モードに復帰させるようになっている。
【0025】
次に、上記した自動変速機が搭載された車両に備えられる表示装置20について説明する。
【0026】
この表示装置20は、図3〜図5に示すように、速度計42、エンジン回転数表示計43、水温計44、燃料計45などを備えたインストルメント・パネル41に設けられて、シフトレバー3により選択されたレンジを表示するP,R,N,D,Mの各レンジ表示部21〜25と、Dレンジにおける変速制限モードを表示する3AT及び2ATの両レンジ表示部26,27と、Mレンジにおける変速段を数字で表示する変速段表示部28とを有している。
【0027】
ここで、上記インストルメント・パネル41は、パネル本体41aと、該本体41aに設けられた複数の開口部に着脱可能に組み付けられる速度表示用計器板41b、エンジン回転数表示用計器板41c、水温及び燃料表示用計器板41dとを有する構成となっている。
【0028】
そして、上記各表示部21〜28は、図4及び図5に示すように上記水温及び燃料用計器板41dに、水温計44及び燃料計45の設置側とは反対側のスペース部分を利用して設けられている。
【0029】
その場合、上記計器板41dに、透光文字を有するP,R,N,D,Mの各レンジ表示部21〜25が上下一列に配置されていると共に、上記Dレンジ表示部24の側方に隣接して透光文字を有する3AT及び2AT表示部26,27が上下二段に配置され、さらに、上記Mレンジ表示部25の下方に隣接して透光窓を有する変速段表示部28が配置されている。そして、この計器板41dの裏面側に、上記各表示部21〜28にそれぞれ対向してシフトレバー3により選択されたレンジを示すP,R,N,D,Mレンジの各ランプ31〜35と、Dレンジにおける変速制限モードを示す3ATランプ36及び2ATランプ37と、Mレンジにおける変速段を数字で表示する変速段表示器38を保持したランプ保持ユニット50が設けられている。
【0030】
これにより、上記レバー3で選択されたレンジに対応するランプ31〜35または3ATランプ36或は2ATランプ37のいずれか1つを点灯することによりその透光文字を介して該当の表示部が点灯表示され、上記レンジまたは自動変速モードが表示されると共に、Mレンジに操作されているときには、変速段表示器38でその時点の変速段が数字で表示されるようになっている。
【0031】
上記変速段表示器38としては、セブンセグメント式の表示器を用い、上記シフトレバー3がMレンジに操作されているときにのみ変速段を液晶や発光ダイオード等によって数字で表示するようになっている。このセブンセグメント式の表示器を用いれば、変速段の数字表示に代えて簡単なアルファベットも表示できるので、例えばエラーメッセージとしての警告記号E等も表示できるようになっている。
【0032】
なお、セブンセグメント式の表示器に代えて、たとえばドットマトリックス式の表示器等を用いてもよい。
【0033】
また、上記ランプ保持ユニット50は、図5に示すように上記各表示部21〜28にそれぞれ対応するように区画された複数の区画室51〜58を有する前面が開口された区画枠59の各区画室51〜58に、上記各ランプ31〜37と上記変速段表示器38とがそれぞれ内装された構成となっている。また、ランプ保持ユニット50は、その前面が上記計器板41dの裏面に当接された状態となるように支持部材46を介して着脱自在に支持されている。
【0034】
次に、この自動変速機の制御について説明する。
【0035】
この自動変速機は、図6に示すような変速制御及び選択レンジ等の表示制御を行うコントロールユニット60を有し、このコントロールユニット60に、上記インヒビタスイッチ10におけるPレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12、Nレンジスイッチ13、及びDレンジスイッチ14からの信号と、前述の操作部1におけるMレンジスイッチ15、シフトアップスイッチ16及びシフトダウンスイッチ17からの信号と、シフトレバー3に備えられたシフトリミッタスイッチ18及びキャンセルスイッチ19からの信号と、さらに当該車両の運転状態として車速及びエンジンのスロットル開度をそれぞれ検出する車速センサ61及びスロットル開度センサ62からの信号とが入力されるようになっている。
【0036】
そして、コントロールユニット60は、これらの信号に基づいて変速制御部60aで目標変速段を設定し、その目標変速段が実現されるように油圧制御回路63に制御信号を出力し、また表示制御部60bが選択されているレンジや変速制御モードの設定、さらにはMレンジでの変速段等を表示する表示部を制御するようになっている。
【0037】
次に、このコントロールユニット60による変速制御と表示制御の具体的動作を図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0038】
まず、ステップS1でMレンジスイッチ15がONか否かを判定し、OFFのときは、ステップS2でDレンジスイッチ14がONか否かを判定する。そして、このDレンジスイッチ14もOFFのときは、さらにステップS3,S5,S7で、Pレンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12及びNレンジスイッチ13がONか否かを順次判定し、ステップS4,S6,S8のいずれかで、Pレンジランプ31、Rレンジランプ32及びNレンジランプ33のうち、スイッチがONのレンジのランプを点灯する。
【0039】
また、この場合は、変速制御は行われないから、ステップS9〜S11で、2ATランプ36、3ATランプ37をいずれも消灯すると共に、変速制御で用いられる目標変速段Gの値をホームポジションとしての値3に設定する。なお、Rレンジに操作されている場合には、コントロールユニット60は後退速を実現するように目標を設定する。
【0040】
一方、上記ステップS2で、DレンジスイッチがONであると判定されたときは、ステップS12でDレンジランプ34を点灯した後、ステップS13でシフトリミッタスイッチ18がON操作されたか否かを判定し、操作されたときには、その操作回数に応じて変速モードを3ATモードまたは2ATモードに設定する。そして、このとき、3ATモードに設定したときにはシフトリミットフラグF13を1にセットし、また、2ATモードに設定したときにはシフトリミットフラグF12を1にセットする。
【0041】
また、シフトリミッタスイッチ18がON操作されたときには、次に、ステップS14で、キャンセルスイッチ19がON操作されたか否かを判定し、操作されていないとき、つまり、いずれかの変速モードに設定されているときは、さらにステップS15で、シフトリミットフラグF13の値を判定する。そして、2ATモードに設定されておれば、F13=0であるから、次にステップS16を実行して、F12=1,F13=0とセットし、また、3ATモードに設定されていれば、ステップS17で、F12=0,F13=1とセットする。また、上記ステップS14で、キャンセルスイッチ19がON操作されたものと判定すれば、変速モードは1速〜4速間の通常の自動変速モードに復帰するので、ステップS18で、シフトリミットフラグF13,F12を共に0にセットする。
【0042】
次に、コントロールユニット60は、ステップS19,S20で、上記シフトリミットフラグF12,F13の値を判定し、F12=1のときは、ステップS21〜S23で、2ATランプ37を点灯し、3ATランプ36を消灯すると共に、目標変速段Gを、1速または2速のうちで、車速とスロットル開度とに応じて設定し、その変速段が実現されるように油圧制御回路63に信号を出力する。また、F13=1のときは、ステップS24〜S26で、2ATランプ37を消灯し、3ATランプ36を点灯すると共に、目標変速段Gを、1速〜3速のうちから、車速とスロットル開度とに応じて設定し、その変速段が実現されるように油圧制御回路63に信号を出力する。
【0043】
さらに、F12、F13が共に0のときは、ステップS27〜S29で、2ATランプ37及び3ATランプ36を共に消灯すると共に、目標変速段Gを、1速〜4速の全変速段のうちから、車速とスロットル開度とに応じて設定し、その変速段が実現されるように油圧制御回路63に信号を出力する。これにより、Dレンジにおいて、シフトリミッタスイッチ18とキャンセルスイッチ19の操作もしくは非操作により設定された変速モードに従って、変速段の切り換えが行われることになる。
【0044】
一方、シフトレバー3がMレンジに操作されて、図2に示すMレンジスイッチ15がON操作されると、コントロールユニット60は、ステップS1からステップS30を実行し、図2に示すシフトアップスイッチ16がON操作されたか否かを判定する。そして、シフトレバー3のMレンジ内での前方への操作により、このシフトアップスイッチ16がON操作されたときには、ステップS31で現時点の実際の変速段に一致している目標変速段Gの値が4であるか否かを判定し、G=4でなければ、シフトアップが可能なので、ステップS32で、目標変速段Gを1だけプラスする。
【0045】
また、シフトアップスイッチ16がON操作されていない時は、ステップS33で、シフトダウンスイッチ17がON操作されたか否かを判定し、シフトレバー3のMレンジ内での後方への操作により、このシフトダウンスイッチ17がON操作されたときには、ステップS34で目標変速段Gの値が1であるか否かを判定し、G=1でなければ、シフトダウンが可能なので、ステップS35で、目標変速段Gを1だけマイナスする。
【0046】
そして、このようにして設定された目標変速段が実現されるように、油圧制御回路63に信号を出力すると共に、ステップS36で、Mレンジランプ35を点灯すると共に、ステップS37で変速段表示器38に現時点の目標変速段Gを表示するとともに、ステップS38及びS39で、2ATランプ37及び3ATランプ36を消灯する。
【0047】
以上のように、コントロールユニット60により変速制御と選択されているレンジ等の表示制御とが行われるが、その場合、そのシフトレバー3がMレンジに操作されているときには、上記した表示装置20における各レンジ表示部21〜25の列方向一端においてDレンジ表示部24に隣接して配置されたMレンジ表示部25がMレンジランプ35により点灯表示されると共に、該Mレンジ表示部25の下方に隣接して配置された変速段表示部28においてその時点の変速段が変速段表示器38により数字で明確に表示されることになる。これにより、上記Mレンジ表示部25によりシフトレバー3がMレンジに操作されているかどうかの見分けを通常行われているレンジ表示部の目視による確認だけで容易に行えることになり、しかも、Mレンジが選択されているときには、該Mレンジ表示部25の下方に隣接して配置された変速段表示器38によりその時点の変速段を上記レンジ位置の確認時に即座に読み取ることが可能となる。
【0048】
一方、上記変速段表示器38によりその時点の変速段を表示するに際し、たとえばMレンジに操作されているシフトレバーによるシフトアップスイッチまたはシフトダウンスイッチのON−OFF回数に基づいて、変速段を変速段表示器38で表示する場合には、そのレバーによるレバー操作が素早く連続的に行われたときには、必ずしもシフトアップスイッチ16またはシフトダウンスイッチ17のON−OFF回数とその時点の変速段とが一致しないといったことが生じる恐れがある。
【0049】
しかし、コントロールユニット60の変速制御部60aで、シフトアップスイッチ16、シフトダウンスイッチ17の操作に応じて目標変速段Gをきめ、この変速制御部60aからの信号に基づいて上記目標変速段Gをその時点の変速段として変速段表示器38に表示するようにすれば、シフトレバー3のシフトアップスイッチ16またはシフトダウンスイッチ17のON−OFF回数に基づく変速段が変速段表示器38に表示されるのではなく、常に自動変速機におけるその時点の変速段が正確に表示されることになる。
【0050】
また、上記した実施の形態では、変速段表示器38が、各レンジ表示部の列方向でMレンジ表示部25のDレンジ表示部24とは反対側に隣接して配置されているので、図8に示すように、水温及び燃料表示用計器板41d′におけるMレンジ表示部25をSレンジ表示部25′に、また、変速段表示部28をLレンジ表示部28′に代え、また、ランプ保持ユニット50における変速段表示器38をLレンジランプ38′に変更するだけで、Mレンジが設定されていない自動変速機を備えた車種との共通化が容易に図れることになる。
【0051】
なお、上記した実施の形態では、インストルメントパネル41に、上記各レンジ表示部21〜25と、3AT及び2AT表示部26,27と、変速段表示部28を設けたけれども、この他、運転者の前方視角内であれば、たとえばダッシュボードやインストルメントパネル41の前面に設けられるガラス板等に設けてもよいし、また、上記変速段表示部28は、Mレンジ表示部25に近傍に配置するようにしてもよい。さらに、シフトリミッタスイツチ18及びキャンセルスイツチ19についてはシフトレバー3に設ける他、運転席周りに設けるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数のレンジ表示部が一列に配設された第1の表示部の列方向一端においてDレンジ表示部に隣接して配置されたMレンジ表示部によりシフトレバーがMレンジに操作されているかどうかの見分けを通常行われているレンジ表示部の目視による確認だけで容易に行うことができ、しかも、Mレンジが選択されているときには、該Mレンジ表示部の近傍に配置された第2の表示部に表示された数字により、その時点の変速段を上記レンジ位置の確認時に即座に読み取ることができてその視認性を良好にできる。
【0053】
その場合、第2の表示部を、第1の表示部の列方向でMレンジ表示部のDレンジ表示部とは反対側に隣接されて配置することにより、Mレンジ表示部をSレンジとし、第2の表示部をLレンジとして、Mレンジが設定されていない自動変速機を備えた車種との表示部周りの共通化が容易に行える。
【0054】
また、第2の表示部で、シフトレバーがMレンジに操作されているときにのみその時点の変速段を表示するようにすれば、MレンジであるかDレンジであるかの区別が第2の表示部における変速段の表示の有無によってより明確に行えると共に、Mレンジでの操作であることを印象付けることができる。
【0055】
さらに、シフトレバーがMレンジに操作されているときに自動変速機の変速段を制御する変速段制御手段を備え、該変速段制御手段からの変速段検出信号に基づいてその時点の変速段を第2の表示部により表示するようにすれば、第2の表示部により常に自動変速機のその時点の変速段を正確に表示することができる。
【0056】
また、第2の表示部として、セブンセグメント式の表示器を使えば、変速段の数字表示に代えて例えばエラーメッセージとしての警告記号E等を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る表示装置を備えた車両における自動変速機の操作部の外観図である。
【図2】 同操作部の一部省略平面図である。
【図3】 インストルメントパネルの正面図である。
【図4】 ランプ保持ユニットの正面図である。
【図5】 図4のア−ア線断面図である。
【図6】 自動変速機におけるシステムブロック図である。
【図7】 コントロールユニットによる変速制御と表示制御の動作を示すフローチャート図である。
【図8】 Mレンジを有しない自動変速機を搭載した車両に適用する第1の表示部とランプ保持ユニットとの説明図である。
【図9】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 操作部
3 シフトレバー
21 Pレンジ表示部(第1の表示部)
22 Rレンジ表示部(第1の表示部)
23 Nレンジ表示部(第1の表示部)
24 Dレンジ表示部(第1の表示部)
25 Mレンジ表示部(第1の表示部)
28 変速段表示部(第2の表示部)
38 変速段表示器
60 変速段制御手段(コントロールユニット)
Claims (4)
- 変速段を予め設定された変速特性に基づいて自動的に切り換えるオートレンジと手動操作で切り換えるマニュアルレンジとを含む複数のレンジを選択するシフトレバーが備えられた自動変速機を搭載した車両の表示装置であって、上記オートレンジと上記マニュアルレンジとを含む複数のレンジ選択位置が前後方向に一列に配設され、これに対応して、運転者の前方位置にオートレンジ表示部とマニュアルレンジ表示部とを含む複数のレンジ表示部が上下方向に一列に配設されていると共に、上記マニュアルレンジ表示部がこの列の一端においてオートレンジ表示部に隣接して配置され、かつ上記シフトレバーで選択されたレンジ位置を表示する第1の表示部と、上記シフトレバーがマニュアルレンジに操作されているときにその時点の変速段を数字で表示する第2の表示部とを有していると共に、該第2の表示部が上記第1の表示部の列方向でマニュアルレンジ表示部のオートレンジ表示部とは反対側に隣接して配置されていることを特徴とする車両の表示装置。
- 第2の表示部は、シフトレバーがマニュアルレンジに操作されているときにのみその時点の変速段を表示することを特徴とする請求項1に記載の車両の表示装置。
- シフトレバーがマニュアルレンジに操作されているときに自動変速機の変速段を制御する変速段制御手段を備え、第2の表示部は、該変速段制御手段からの変速段検出信号に基づいてその時点の変速段を表示することを特徴とする請求項1に記載の車両の表示装置。
- 第2の表示部は、セブンセグメント式の表示器を用いていることを特徴とする請求項1に記載の車両の表示装置。
Priority Applications (1)
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JP28002196A JP3726382B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 車両の表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP28002196A JP3726382B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 車両の表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10100725A JPH10100725A (ja) | 1998-04-21 |
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Family Applications (1)
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JP28002196A Expired - Lifetime JP3726382B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 車両の表示装置 |
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JP (1) | JP3726382B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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JP4774781B2 (ja) | 2005-03-29 | 2011-09-14 | マツダ株式会社 | 自動変速機付き車両の表示装置 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP28002196A patent/JP3726382B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH10100725A (ja) | 1998-04-21 |
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