JP3858069B2 - 多孔質セラミックスインプラント材料およびその製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックスインプラント材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質セラミックス材料およびその製造方法にかかり、特にインプラント用材料として適したセラミックス材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
傷病などによる骨の欠損に対して、従来金属、あるいはセラミックスからなる成形体を人工骨や人工関節として用いることが検討されている。このような人工骨等においては、骨を再生する際の補助部材として、体内に埋設され、多孔質体の気孔内部に骨芽細胞が進入して骨を再生するため、生体細胞との親和性が重要であり、また、骨が再生するまでは、骨に代わって荷重を支えることになるため機械的な強度が必要である。この用途に適した部材として、近年多孔質セラミックス焼結体が検討されている。
【0003】
従来から、インプラント用材料に特定しない一般の開気孔を有するセラミックス多孔体の製造方法として、例えば、(1)成形体密度や焼結温度を調整して、あるいは反応焼結などを利用して多孔体を作製する方法、(2)予め焼成時に炭化する物質あるいはカーボンを一緒に混合して成形し、焼結過程においてCOあるいはCOなどのガスとして焼失させ開気孔を形成する方法、(3)薬品に対して不溶な相と可溶な相とからなる焼結体を作製し、後に該薬品により可溶成分を溶出除去して開気孔を形成する方法などが知られている。
【0004】
しかしながら、これらの方法では気孔の大きさや分布を制御することは困難であり、また、流体透過能を挙げるために高い気孔率の多孔体を作製しようとすると焼結し難かったり極端に強度の低いものになってしまうという問題点がある。
【0005】
また、比較的孔サイズが均一で高い開気孔率の多孔体を作製する方法として、(4)樹脂フォームにセラミックスラリーを含浸着肉させて樹脂部を脱脂したのち焼結する方法や、(5)押出し成形によりハニカムを作製して焼結する方法などが知られている。
【0006】
しかし、(4)による方法では気孔率は80%以上と非常に高い値であるが加熱時に樹脂の熱膨張や熱分解で発生するガス等によりセラミックスの骨格部分にクラックが発生しやすく強度が極端に低くなるという問題点がある。また、(4)も(5)も最終的に形成される孔の大きさが最初に用いる樹脂フォームの目の粗さや押出し成形時の口金の大きさによって決定され、小さな気孔径のセラミックスを得ることが難しい。また、一般的にセラミックス成型時に有機バインダーが用いられ、これを取り除くための脱脂工程も必要である。
【0007】
そのような中で、セラミックス原料粉末を水に分散したスラリーを用いて、一方向から凍結し、乾燥後焼結する多孔質セラミックス焼結体の製造方法が知られている(特許文献1参照)。この方法によると、高気孔率で高比表面積の多孔質セラミックス材料を製造することが可能となるが、気孔径の制御が困難で、また、骨芽細胞が進入しやすい気孔を形成することが困難であり、生体親和性の多孔質セラミックス焼結体を作成することは困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−192280号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のセラミックス多孔体の作製方法では、製造工程が煩雑であり、気孔率が高く、ほぼ等しい均一な径を有する多孔質体を得ることが困難であったり、得られたとしても作製したものが非常に強度の低いものであった。本発明は、これらの従来技術を改良したものであり、高い生体親和性を有し、かつ機械的特性にも優れるインプラント材料として適したセラミックス多孔体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、リン酸カルシウムを含有するセラミックス原料粉末およびポリエチレングリコール、ゼラチン、及びポリビニルアルコールから選ばれた少なくとも1種の添加剤を水に分散させてスラリーを調製する工程と、
容器に、前記スラリーを収容し、前記容器の底部から冷却して、スラリーを一方向に凍結させる工程と、
前記工程で得られた凍結したスラリーを真空中で乾燥させ、多孔質成形体を作成する工程と、
前記工程で得られた成形体を焼成する工程を少なくとも備えたことを特徴とする多孔質セラミックスインプラント材料の製造方法である。
【0012】
第2の本発明は、リン酸カルシウムを含有するセラミックス原料粉末およびポリエチレングリコール、ゼラチン、及びポリビニルアルコールから選ばれた少なくとも1種の添加剤を水に分散させてスラリーを調製する工程と、
容器に、前記スラリーを収容し、前記容器の底部から冷却して、スラリーを一方向に凍結させる工程と、
前記工程で得られた凍結したスラリーを真空中で乾燥させ、多孔質成形体を作成する工程と、
前記工程で得られた成形体を焼成する工程を少なくとも備えた工程によって製造され、直径が50〜500μmで、一方向に配向して貫通している気孔を有することを特徴とする多孔質セラミックスインプラント材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】
[多孔質セラミックスインプラント材料]
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明の多孔質セラミックスインプラント材料は、一方向に貫通する孔を有する多孔質セラミックス焼結体である。このセラミックス材料としては、リン酸カルシウム系のセラミックス材料が適しており、具体的には、CaHPO、Ca(PO、Ca(POOH、CaO(PO、Ca10(PO(OH)、CaP11、Ca(PO、Ca、Ca(HPO、Ca、Ca(HPO・HO等があげられる。
また、このリン酸カルシウム系多孔質焼結体を構成する、リン酸カルシウムと称される1群の化合物は、そのCa成分の一部が、Sr、Ba、Mg、Fe、Al、Y、La、Na、K、Ag、Pd、Zn、Pb、Cd、Hおよび、この他の希土類から選ばれる一種以上で置換されてもよい。また、(PO)成分の一部が、VO、BO、SO、CO、SiOなどから選ばれる一種以上で置換されても良い。さらに、(OH)成分の一部が、F、Cl、O、CO、I、Brから選ばれる一種以上で置換されても良い。
なお、これらのリン酸カルシウムと称される1群の化合物は、通常の結晶体のほかに、同型固溶体、置換型固溶体、侵入型固溶体のいずれかであっても良く、非化学量論的欠陥を含むものであっても良い。
【0015】
この多孔質セラミックスインプラント材料の気孔率は、30〜90%の範囲が好ましい。気孔率がこの範囲を下回った場合、多孔質体中に進入する骨芽細胞等の数が減少し、再生する骨組織などの生体組織の密度が減少して好ましくない。一方、気孔率が上記範囲を上回った場合、多孔質体の強度が低下して好ましくない。
【0016】
本発明の多孔質セラミックス焼結体の気孔率は以下の方法で測定することができる。すなわち、あらかじめ、被測定物のリン酸カルシウム系多孔質焼結体と同一組成を有する焼結体を作成し、真密度計を用いて測定し真密度(ρ*)を求める。被測定物のリン酸カルシウム系多孔質焼結体を直方体もしくは円柱に加工し、その寸法を測定し計算により体積を求める。さらに、重量を測定し、重量を体積で除してその密度(ρ)を求める。これらの値を用いて、気孔率(P)は、次の式により算出される。
P=1−ρ/ρ*
【0017】
また他の方法としては、多孔質セラミックス焼結体を樹脂中に包埋し、これを研磨して顕微鏡等で観察し、画像解析により気孔部分の面積(Ap)および気孔部分の面積を測定した部分の面積(Am)を求める。これらの値を用いて、気孔率(P)は、次式により算出される。
P=Ap/Am
【0018】
この多孔質セラミックス焼結体の気孔径は、50〜500μmの範囲のものが好ましい。気孔径が、この範囲を下回った場合、この気孔内部に骨芽細胞が進入しにくくなり、骨再生が困難となる。一方、気孔径がこの範囲を上回った場合、十分な機械的強度を有する多孔質体を形成することが困難で、インプラント材料としては適さない。
【0019】
本発明の多孔質セラミックス焼結体の気孔径は以下の方法で測定することができる。すなわち、多孔質セラミックス焼結体を樹脂中に包埋し、これを研磨して顕微鏡等で観察し、画像解析によりほぼ球状の気孔面積を求める。ここで測定する気孔数は精度上多いほど良いが、一般に300個以上の気孔について測定を行えば良い。ここで求められる気孔面積はほぼ球状の気孔の一部を通過する平面での断面であり、気孔の直径ではないために、三次元的な補正を行う。
補正の方法として、Johnson−Saltkov法を用いる。Johnson−Saltkov法では、観測される気孔の面積から、直接気孔の直径分布が得られるが、平均的な気孔径としては、気孔体積の累積分布において総気孔体積の50%を占める気孔径を算出する。
【0020】
この貫通孔を形成するセラミックス隔壁の厚さは、5〜50μmの範囲のものが好ましい。隔壁の厚さがこれより薄いと、多孔質セラミックス焼結体の強度が不十分となり、インプラント材料としては適さない。一方、隔壁の厚さがこれより厚いと、気孔率が低下し、この多孔質体中に進入する骨芽細胞の数が減少するため、再生する骨組織の密度が低下し好ましくない。
【0021】
貫通する気孔の断面形状は、円形であることが好ましいが、長円形あるいは不定形であっても差し支えない。この気孔は、直径が均一であることが好ましく、かつ、貫通する気孔の長手軸方向に枝分かれすることなく延在していることが好ましい。
また、上記貫通する気孔に接続したさらに微細な気孔を有していることが好ましい。
【0022】
この多孔質セラミックスインプラント材料の気孔内部表面には、骨芽細胞の成長を促進する薬剤を被覆しておくこともできる。また、このような薬剤を連通する気孔に接続したミクロな気孔中に含浸することもできる。
【0023】
[製造方法]
本実施の形態である製造方法について説明する。
図1が、本発明の気孔構造を有する多孔質セラミックス焼結体の製造方法の一例を示すための概念図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の気孔構造を有する多孔質セラミックス焼結体の製造方法は、セラミックス原料粉末1を水2中に分散させるスラリー調整工程と(工程1)、得られたスラリーを特定方向(図面の矢印方向)から凍結させ霜柱状の氷3を成長させる凍結工程と(工程2)、凍結したスラリーを真空凍結乾燥し氷3を昇華させ、マクロ孔4を有する成形体を作る乾燥工程と(工程3)、氷を昇華させた成形体を加熱処理により焼成し、成形体を構成する骨格5中にミクロ孔を形成する焼成工程(工程4)によって作製することを特徴とする。
【0025】
以下、各工程に従って、本実施の形態の製造方法について説明する。
工程1に用いるセラミックス原料粉末は、前述のセラミックス原料と添加剤を水に分散させて調整される。
セラミックス原料粉末としては、平均粒径20μm以下のものを用いることが好ましい。平均粒径が上記範囲を上回ると、スラリーからセラミックス原料粉末が沈降しやすく、安定なスラリーを得ることができない。
【0026】
添加剤としては、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリビニルアルコールから選ばれた少なくとも1種を用いる。この添加剤は、スラリーの粘度を増加させてスラリーの分散性を向上させる分散剤と、焼成前のセラミックス多孔質成形体の形状を保持する可塑剤としての役割を持つ。スラリー重量に対して、5〜20%の範囲で添加することによって分散性が改善され好ましい。添加量がこの範囲を下回った場合、安定なスラリーを得ることができずにセラミックス原料粉末が沈降分離しやすく、また凍結乾燥体が自壊する。一方、分散剤の添加量が上記範囲を上回っても、分散性・可塑性に対して効果の改善が見られず、添加する意味がない。
【0027】
また、工程1で得られるスラリー中の含水率は30〜90wt%の範囲にすることが望ましい。含水率がこの範囲を下回ると、スラリーを静置した場合セラミックス原料粉末が凝集沈殿しやすく、安定した分散状態を保つことが困難になる。一方、水の比率が上記範囲を上回った場合、水を昇華した後、成形体の密度が低く、形を保つのが難しいため適当でない。すなわち、水分比率を上記範囲とすることにより、スラリーの分散状体を安定に保ち流動性のパターンが擬塑性流動になる。
【0028】
スラリーの調整は、公知の方法によって水を攪拌しながらセラミックス原料粉末と添加剤を加えることによって行われる。この際に真空中で攪拌しながら脱泡処理を行うことが好ましい。この脱泡処理を行わない場合には気泡がスラリー中に残留し、結果として焼結体中にこの気泡に起因した孔(欠陥)を形成してしまう恐れがあるからである。
【0029】
次に工程2について説明する。工程2では、前述のスラリーを一方向から凍結させる。このようにすることで、水成分が凍結方向に平行に凍結し、スラリー中に霜柱状の氷が形成され、一方向への配向性に優れた構造の多孔質セラミックス成形体を形成することができる。
【0030】
本工程において用いられる凍結装置について、図2を用いて説明する。
この装置は、前述の原料スラリー32を収容する原料スラリー容器31と、この原料スラリー容器31の底部34を冷却するための液体窒素のような冷却媒体38を収容した冷却媒体容器39と、前記原料スラリー容器31と前記冷却媒体容器39とを熱的に接続する熱伝達部37からなるものである。
【0031】
原料スラリー容器31は、底部34及び側壁34から構成されている。そして、その原料スラリー容器31の底部34は、熱伝導体である真鍮、ステンレス鋼、焼き入れ鋼などのような金属の板状体で形成されており、その表面に凹部36が形成されていて、この凹部36に囲まれた領域は凹部36から突出した島部35を構成している。この凹部36には、この底部34を構成する前記金属板状体より熱伝導率の低い熱絶縁材料が充填されており、前記島部35の頂部表面は、ここに収容される原料スラリー32と直接接触するように、熱絶縁材料によって被覆されることなく、露出している。
前記凹部36に充填される熱絶縁材料としては、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂などのような、樹脂材料が適している。
【0032】
原料スラリー容器31の側壁33は、この装置を用いて凍結乾燥した成形体を取り出しやすくするために、底部34と着脱自在に構成されている。そして原料スラリー容器31中の原料スラリー32が、冷却中にこの側壁33を通して冷却されないよう塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂のような熱絶縁性材料で形成されていることが望ましい。この側壁33の厚さは、0.5〜10mmの範囲が適切である。側壁の厚さが、この範囲を下回った場合、収容するスラリーが側壁に接する部分から凍結し、霜柱状の凍結した氷結晶構造が乱れることになり好ましくない。一方、側壁の厚さが上記範囲を上回っても、技術的に何らの利点もなく、不経済である。
【0033】
前記原料スラリー容器31の底部34と熱伝達部37とは、金属のような熱良導体材料を用いて一体成形されていることが好ましいが、熱良導体であれば異種材料を接合して成形したものであってもよい。図2においては、この熱伝達部37の径を、前記底部板状体34より小径としているが、等しい径であってもよい。
また、前記図2において、熱伝達部37は、1本の柱状部材で形成した場合を示したが、熱伝達部37は複数の柱状部材からなるものであっても差し支えない。熱伝達部を複数の柱状部材で構成すると、底部34の面積を増加させた場合でも、均一な冷却面を実現することができ、長手方向の一方向凝固が可能となる。
【0034】
前述の凍結装置の原料スラリー容器31底部34の凹部36は、板状体に形成された直線状に形成された溝であっても良い。この溝は、板状体の平面内において交差するような少なくとも2方向から形成された複数本の溝とすることができる。これによって、島部35と、これを取り巻く溝である凹部36とからなる原料スラリー容器31の底部構造を構成することができる。
【0035】
島部35の表面形状は、円形、楕円形、矩形、多角形等任意であるが、製作の容易性から、矩形であることが望ましい。島部35の径は、10〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は30〜60μm程度である。
【0036】
凹部36の断面形状は、任意であるが、形成作業性を考慮すると、矩形であることが好ましい。
この凹部36の深さは樹脂部分による断熱効果に依存し、熱伝導性の低い樹脂材料を採用する場合には、浅い凹部で十分であるし、一方熱伝導性の高い樹脂材料を採用する場合には、深い凹部とする必要があるが、凹部36は深いほど気孔径制御には効果的であり、0.5〜10mmとすることが好ましい。凹部36の幅、すなわち、複数の島部間の間隔は、0.01〜0.5mmの範囲が好ましい。凹部36の幅が、上記範囲を下回ると、凹部における断熱効果が期待できず、秩序だった水の霜柱状結晶を形成することが困難となる。また、この凹部36の幅が、上記範囲を上回ると、気孔率の高い成形体を得ることができない。
【0037】
島部35と凹部36の面積比は、原料スラリーの含水率との関係によって決定される。底面総面積に対する島部の総面積の比がスラリーの含水率に等しい場合、理想的な気孔径制御が行われるので好ましい。
【0038】
島部35の熱良導体材料と凹部36に充填された熱絶縁材料との熱伝導率の比は、冷却速度に依存するが、具体的には0.01以下が好ましい。この比が、前記範囲を上回る場合には、秩序だった霜柱状の結晶構造を得ることが困難であり好ましくない。
【0039】
図3に示みられるように、底部を構成する円形の板状体の外周部を凹部36とすることにより、形成する多孔質体の内外の密度差を形成することができる。このような構造とすることによって、人工骨の様に表面は堅固な外皮で内部が連通孔の形状を形成することができる。また、島部35配置の底部平面内密度を制御することによって、傾斜機能を持つ多孔体とすることもできる。
【0040】
前述のような熱絶縁性充填剤を有する表面構造を有する板状体を作製するには、金属板状体34平板表面に島部35を残すように切削加工を施して凹部36である溝を形成し、この溝にエポキシ樹脂のような材料を充填し硬化することによって作製することができる。また、金属のような熱伝導性材料板材を、プレスしたりエッチングしたりして島部を作ることもできる。さらに、熱絶縁性皮膜を形成した板状体上の被膜の一部を切除した後、この切除部分に熱伝導性材料を充填しても良い。
【0041】
以下このような凍結装置を用いて原料スラリーを凍結する具体的な方法を説明する。
【0042】
前記凍結装置を用い、その原料スラリー容器に原料スラリーを収容する。この際、原料スラリーの深さは、5〜50mmが適切である。スラリー深さがこれより浅い場合には、実用的な寸法を有する多孔質セラミックス焼結体を得ることができない。一方、スラリー深さがこれより深い場合には、得られる多孔質成形体の上部付近の気孔形状が乱れ、インプラント材料として不適切なものとなってしまう。
【0043】
ついで、スラリーを注入した原料スラリー容器31に接続した熱伝導部37を、液体窒素などの冷却媒体38を収容された冷却媒体容器39に、浸漬し静置する。原料スラリー容器31の上部を解放し大気と接するようにしておくと、原料スラリー容器31の底部34板状体に形成された島部35直上部から水が凍結し、溝部に充填された熱絶縁性材料の直上部は、直ちに凍結することはない。従って、丁度霜柱が形成されるようにスラリー底部より垂直方向上方に向かって氷の柱が成長する。この凍結体においては、霜柱状に早期に凍結した柱状の部分には、原料となるセラミックス粒子が、わずかに含まれているのみで、その残部に大部分のセラミックス粒子が含まれ、その結果これを凍結乾燥させると、一方向に配向した気孔が配列した構造を有する多孔質体が形成されることになる。
【0044】
この工程において、原料スラリーの冷却速度は、1.0mm/分以下である。この冷却速度が、この範囲より早い場合には、10μm以上の大きな径を有する多孔質体の形成が困難になる。
【0045】
この際に、スラリーの冷却は、スラリー容器全体を冷却してしまうと容器側面からの伝熱による氷の成長が起こる可能性があるために好ましくない。原料スラリー容器31の底部34のみから冷却することによって、配向性に優れ、秩序だった霜柱形状の氷結晶が得られ、その結果均一な多孔質組織を有する多孔質焼結体を得ることができる。
【0046】
工程3では凍結したスラリーを容器ごと減圧下で凍結乾燥を行う。この操作により氷部分を、液体(水)を経ないで直接昇華させ、前述の凍結方向にそろった昇華痕として成形体中に気孔を形成する。
【0047】
工程4は得られた成形体の焼成過程である。工程3で形成した成形体を注意深く原料スラリー容器31から抜き取り、それぞれのセラミックスに適した温度および焼結時間で焼成する。この焼結に際しては、多孔質体の機械的強度を、生体内への埋入に適した強度、すなわち、手術作業現場で、メスなどによる切削が可能であり、かつ、生体挿入後に破損等の事態が生じない程度の強度となるように焼結条件を決めることが望ましい。この条件は、多孔質体の気孔率、平均気孔径、及び気孔の配向性等を考慮して適宜決定することができる。
これにより霜柱状の氷の昇華痕をマクロ孔とする多孔質セラミックス焼結体が作製される。このマクロ孔は前述の昇華痕に準じ、焼結体を一方向に貫通した連続孔となる。
【0048】
また、工程2において、スラリー中には霜柱状の氷以外に、この霜柱状の氷の径に比べ極めて径の小さな氷も形成される。この氷も前記工程3において昇華されるために、このマクロ孔の壁面やセラミックス骨格内部にも氷が昇華した痕跡である微細な孔が形成される。その結果、セラミックス骨格内部には微細なミクロ孔が形成され、比表面積の大きな多孔質体になる。
【0049】
前記マクロ孔の大きさは、スラリー調整時の水分量、あるいは凍結速度を調整することで制御可能である。また、焼結の温度や時間を調整することで、マクロ孔の大きさの微調整や、ミクロ孔の大きさの調整を行うことも可能である。
【0050】
一方、上記と全く同様のプロセスで、原料となるスラリーとして、セラミックスの前駆体を原料成分として使用し、前記工程4において反応焼結して多孔質セラミックス焼結体を製造することもできる。
【0051】
【実施例】
径250mmの真鍮円板上に微細な溝(幅・間隔300μm、深さ2mm)を縦横に20本ずつ彫り、そこにエポキシ樹脂を流し込んで固化させることにより、熱伝導率の低い樹脂間に島状に真鍮が露出した構造体を作成し、この板を底板とし、塩化ビニル樹脂を側壁とした円柱状容器を作製した。一方、水中にアパタイトおよび可塑剤(ゼラチン、ポリエチレングリコールあるいはポリビニルアルコール)を分散・溶解させたスラリーを調製する。これを図2に示す冷凍装置の原料スラリー容器に入れ、底板を液体窒素により冷却すると、島状の真鍮部分を核形成の起点として霜柱状の氷がスラリー中に生成する。この氷を真空中で乾燥昇華させた後、1200℃にて焼結することで、配向した気孔を持つ高強度の多孔体を得た。
【0052】
【発明の効果】
上記本発明のセラミックス多孔質体によれば、この多孔体は気孔が配向しているため、その方向の圧縮強度およびそれに垂直な方向に対する曲げ強度が高く、特に人工骨などに適したセラミックス多孔質体を実現することができる。また、上記セラミックス多孔質体の製造方法によれば、極めて寸法精度のよい、また、貫通孔が一方向に均一に配向したセラミックス多孔質体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にセラミックス多孔質体を製造する工程を説明するための概略図。
【図2】 本発明において用いられる凍結装置の概略図。
【図3】 本発明の凍結装置のスラリー容器の底部を示す上面図。
【符号の説明】
1…セラミックス原料粉末
2…水
3…氷
4…気孔
31…原料スラリー容器
32…原料スラリー
33…容器側壁
34…底部
35…島部
36…凹部(熱絶縁材料)
37…熱伝達部
38…冷却媒体
39…冷却媒体容器

Claims (3)

  1. リン酸カルシウムを含有するセラミックス原料粉末およびポリエチレングリコール、ゼラチン、及びポリビニルアルコールから選ばれた少なくとも1種の添加剤を水に分散させてスラリーを調製する工程と、
    容器に、前記スラリーを収容し、前記容器の底部から冷却して、スラリーを一方向に凍結させる工程と、
    前記工程で得られた凍結したスラリーを真空中で乾燥させ、多孔質成形体を作成する工程と、
    前記工程で得られた成形体を焼成する工程を少なくとも備えたことを特徴とする多孔質セラミックスインプラント材料の製造方法。
  2. 前記容器が、表面に熱伝導体からなる領域の周囲に熱絶縁体からなる領域によって囲繞された形状を有する該容器の底部となる板状体と、熱絶縁性の材料によって形成された側壁からなる容器であることを特徴とする請求項1記載の多孔質セラミックスインプラント材料の製造方法。
  3. リン酸カルシウムを含有するセラミックス原料粉末およびポリエチレングリコール、ゼラチン、及びポリビニルアルコールから選ばれた少なくとも1種の添加剤を水に分散させてスラリーを調製する工程と、
    容器に、前記スラリーを収容し、前記容器の底部から冷却して、スラリーを一方向に凍結させる工程と、
    前記工程で得られた凍結したスラリーを真空中で乾燥させ、多孔質成形体を作成する工程と、
    前記工程で得られた成形体を焼成する工程を少なくとも備えた工程によって製造され、直径が50〜500μmで、一方向に配向して貫通している気孔を有することを特徴とする多孔質セラミックスインプラント材料。
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