JP3857933B2 - ショーケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陳列室内に架設した棚上に缶飲料やペットボトル入り飲料等の商品を陳列し、これら商品を電気ヒータにて加熱して成るショーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、例えば特開平6−165721号公報(A47F3/04)に示される如きショーケースが設置されている。このショーケースは、本体内に商品の陳列棚を備え、この陳列棚にはコードヒータ(電気ヒータ)が取り付けられている。そして、棚上には缶コーヒー等の商品を載置し、コードヒータにて加熱する構造とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、棚上の商品は購買者により通常手前側(棚上の前部)から取り出されていくが、陳列室は前面に開口している関係上、外気に近い棚の前部の温度制御が困難となる問題があった。
【0004】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、棚上の商品を電気ヒータにて加熱しながら陳列するショーケースにおいて、棚前部の商品の加熱性能を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のショーケースは、前面に開口する本体内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を引出可能に架設すると共に、この棚の商品載置面を構成する熱良導性の棚板には当該棚板上の商品を加熱するための電気ヒータを交熱的に取り付けて成るものであって、電気ヒータを構成する保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータと、棚板の左右方向の中央部に交熱的に設けられ、保温用ヒータの通電を制御するための第1の温度検出手段と、この第1の温度検出手段の後側において棚板に交熱的に設けられ、急速加熱用ヒータの通 電を制御するための第2の温度検出手段と、棚が引き出され、陳列室内に押し込まれたことを検出するための棚スイッチと、第1及び第2の温度検出手段と棚スイッチに基づき、保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、保温用ヒータは、少なくとも棚板の前部及び左右両側部の略全幅に対応して設けられると共に、当該棚板の前部中央に位置する部分は前側に片寄って配置され、制御装置は、棚スイッチにより棚上に商品が補充されたことを判断し、第2の温度検出手段に基づいて急速加熱用ヒータに通電することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、前面に開口する本体内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を引出可能に架設すると共に、この棚の商品載置面を構成する熱良導性の棚板には当該棚板上の商品を加熱するための電気ヒータを交熱的に取り付けて成るショーケースにおいて、電気ヒータを構成する保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータと、棚板の左右方向の中央部に交熱的に設けられ、保温用ヒータの通電を制御するための第1の温度検出手段と、この第1の温度検出手段の後側において棚板に交熱的に設けられ、急速加熱用ヒータの通電を制御するための第2の温度検出手段と、棚が引き出され、陳列室内に押し込まれたことを検出するための棚スイッチと、第1及び第2の温度検出手段と棚スイッチに基づき、保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、保温用ヒータは、少なくとも棚板の前部及び左右両側部の略全幅に対応して設けられると共に、当該棚板の前部中央に位置する部分は前側に片寄って配置され、制御装置は、棚スイッチにより棚上に商品が補充されたことを判断し、第2の温度検出手段に基づいて急速加熱用ヒータに通電するので、保温用ヒータとの間隔を確保しながら第1の温度検出手段を棚板の前側に寄せて配置することができるようになる。
【0007】
これにより、棚板の前部の商品の温度に近い温度で保温用ヒータを通電制御できるようになり、棚板前部の商品の加熱性能が向上する。そして、前述の如く棚板の前部中央に位置する部分の保温用ヒータは前側に片寄って配置されているので、保温用ヒータと第1の温度検出手段との距離も確保でき、第1の温度検出手段が保温用ヒータから直接加熱されて制御に支障が生じることも回避できるようになる。特に、棚が引き出されて棚上後部に商品が補充された場合、第2の温度検出手段に基づいて急速加熱用ヒータに通電し、温度の低い商品を迅速に昇温させることができるようになるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する実施例のショーケース1の縦断側面図、図2はショーケース1の棚2の平面図をそれぞれ示している。
【0009】
図1において、ショーケース1は例えばコンビニエンスストアの店舗内に設置される冷・温切替式のオープンショーケースであり、断面略コ字状の断熱壁3とその両側に取り付けられた側板4とから前面に開口する本体6が構成されている。
【0010】
断熱壁3の内側には間隔を存して仕切壁7が取り付けられ、これら仕切壁7と断熱壁3間にダクト8が構成され、仕切壁7の内側に前面に開口した陳列室9が構成されている。陳列室9(本体6)の前面開口の上下縁には吐出口11と吸込口12が構成されてダクト8に連通しており、ダクト8内には図示しない冷却装置の冷却器13と送風機14とが配設されている。
【0011】
一方、陳列室9内には上下複数段の商品陳列用の棚2・・・(実施例では6段)が架設され、各棚2上には缶飲料やペットボトル入り飲料等の商品Gが載置され、陳列される。各棚2・・・は前側が低く傾斜して架設されており、これにより、最も手前の商品Gが取り出されると、その列の後方の商品Gが順次前方に移動する構成とされている。また、各棚2・・・は棚段数や棚間隔を変更するため、ブラケット16と図示しない支柱との係合により着脱自在の構成とされている。更に、棚2・・・はそれぞれ前方に引出可能なスライド構造とされ、図1の如く陳列室9内に保持された状態と、商品補充時に前面開口から手前側に引き出された状態とに保持可能とされている。
【0012】
次に、図2及び図5、図6を用いて各棚2・・の構造を説明する。棚2は熱良導性のアルミニウムなどの金属板にて構成され、上面が商品Gの載置面となる棚板41と、この棚板41の下側に間隔を存して取り付けられる裏板42と、両板41、42間に装填された成形断熱材43などから構成されている。
【0013】
この場合、棚板41の裏面(下面)左右両側部には、アルミニウムなどの熱良導性金属板から構成された板材44、44が交熱的に密着して貼り付けられている(図6)。各板材44、44は棚板41の左右の前隅部からそれぞれ後部まで渡る略全幅の範囲に対応しており、これにより、板材44の部分の棚2の棚板41の厚さ寸法は、板材41の分だけ厚くなっている。
【0014】
更に、棚板41の裏面(下面)には商品Gを加熱するための電気ヒータ21、22、23、26、27、28が交熱的に取り付けられている。このうち、電気ヒータ21、22、23は棚2(棚板41)の前部及び左右両側部(両側部は板材44の裏面に取り付けられることになる)の略全幅と、後部の左右に対応して略均等に取り付けられ、電気ヒータ26、27、28は棚2(棚板41)の後部中央から中央部に渡り、対応して略均等に取り付けられている。これら3本の電気ヒータ21〜23によって保温用ヒータ24が構成され、電気ヒータ26〜28によって急速加熱用ヒータ29が構成される。
【0015】
また、保温用ヒータ24を構成する3本の電気ヒータ21〜23は全て同一の容量とされ、急速加熱用ヒータ29を構成する3本の電気ヒータ26〜28も全て同一容量とされている。そして、このとき各板材44、44は保温用ヒータ24の両側部分に対応すると共に、急速加熱用ヒータ29の一部にも対応している(図2)。
【0016】
また、各棚2・・の棚板41の左右方向の中央の前側裏面には第1の温度センサ31(温度検出手段)が交熱的にそれぞれ取り付けられており、その後側裏面には第2の温度センサ32(温度検出手段)が交熱的にそれぞれ取り付けられている(図5)。この場合、保温用ヒータ24における棚板41の左右方向の中央前部に対応する部分(図2に24Aで示す)は、前側に片寄って配置されている。これにより、第1の温度センサ31を棚板41の前側にできるだけ寄せて取り付けても、保温用ヒータ24との間に充分な間隔を確保できるようになる。
【0017】
そして、前記電気ヒータ21〜23、26〜28や温度センサ31、32の配線は棚2より後方に引き出され、ソケットを介して仕切壁7に設けられた図示しないコンセントに着脱自在に接続されることになる。また、これらの配線は前述の如く棚2が引き出された場合にも支障ないように余裕を持って引き回されている。
【0018】
次に、図3は係る保温用ヒータ24及び急速加熱用ヒータ29を構成する電気ヒータ21〜23、26〜28の電気回路を示している。これらヒータの給電には三相200V電源ACが使用される。即ち、この電源ACのRST各相間の電圧は交流200Vである。そして、各棚2の前記保温用ヒータ24の電気ヒータ21は電源ACのR相に、電気ヒータ22はS相に、電気ヒータ23はT相にそれぞれ接続され、前記急速加熱用ヒータ29の電気ヒータ26は電源ACのR相に、電気ヒータ27はS相に、電気ヒータ28はT相にそれぞれ接続される。
【0019】
また、保温用ヒータ24の各電気ヒータ21〜23と電源AC間には3連のリレー接点R1が接続され、急速加熱用ヒータ29の各電気ヒータ26〜28と電源AC間には3連のリレー接点R2が接続されている。また、各電気ヒータ21〜23、26〜28の給電線にはそれぞれカレントトランスCTが設けられている。尚、図3は一枚の棚2の回路を示しており、同様の回路が各棚2・・についてそれぞれ構成されているものとする。
【0020】
次に、図4はショーケース1の制御装置Cの電気回路のブロック図を示している。制御装置Cは汎用のマイクロコンピュータ34により構成されており、マイクロコンピュータ34の出力には前記各棚2・・・の電気ヒータ21〜23、26〜28のリレーR1、R2のコイルR1C、R2Cが接続されている。係る構成により保温用ヒータ24の電気ヒータ21〜23と急速加熱用ヒータ29の電気ヒータ26〜28は独立制御可能となる。また、マイクロコンピュータ34の出力にはLED等から構成される表示回路36が接続されると共に、更に図示しない前記冷却装置の制御出力も行われる。
【0021】
マイクロコンピュータ34の入力には各棚2・・・が引き出され、再度陳列室9内に押し込まれたことを検出するための棚スイッチ2D・・・が接続されており、更に、前記カレントトランスCT・・・の出力も接続されている。また、マイクロコンピュータ34にはセンサ・スイッチ回路37を介して各種操作スイッチや前記各棚2・・・の温度センサ31、32、吐出口11からの吐出冷気温度を検出する図示しない温度センサや冷却器13の温度を検出する温度センサなどの出力が入力される。
【0022】
以上の構成で次に動作を説明する。実施例のショーケース1は冷蔵モードと温蔵モードとに切替使用可能であり、そのモード切換はセンサ・スイッチ回路37の切替操作スイッチにて行われる。そして、冷蔵モードではマイクロコンピュータ34は各電気ヒータ21〜23、26〜28への通電を禁止し、前記吐出口11の温度を検出する温度センサの出力に基づいて前記冷却装置を運転制御する。
【0023】
冷却装置が運転されると冷却器13が冷却作用を発揮する。この冷却器13と熱交換した冷気は送風機14によりダクト8内を吹き上げられ、吐出口11から陳列室9の開口に向けて吐出され、吸込口12からダクト8内に吸引される。これにより、陳列室9の前面開口には冷気エアーカーテンが構成されると共に、冷気の一部は陳列室9内にも循環して貯蔵室9内を所定の冷蔵温度に冷却する。
【0024】
一方、温蔵モードとされた場合、マイクロコンピュータ34は前記冷却装置(冷却器13、送風機14を含む)の運転を禁止し、温度センサ31、32の出力に基づいてリレーR1、R2により各棚2・・の前記保温用ヒータ24及び急速加熱用ヒータ29の各電気ヒータ21〜23、26〜28の通電を制御する。尚、以下の制御は各棚2・・・についてそれぞれ独立して行われるものとし、以下の説明では一枚の棚2について説明する。
【0025】
今、棚2上には例えばペットボトル入り飲料(お茶など)である商品Gが左右及び前後に渡って複数列載置され、満載されているものとする。また、全ての棚2は陳列室9内に押し込まれており、全棚スイッチ2D・・がこれを検出しているものとする。更に、マイクロコンピュータ34は温度センサ31が検出する棚板41の前部中央の温度に基づいてリレーコイルR1Cを通電制御し、リレーR1により保温用ヒータ24の電気ヒータ21〜23を通電制御する。また、温度センサ32が検出する棚板41の中央部の温度に基づいてリレーコイルR2Cを通電制御し、リレーR2により急速加熱用ヒータ29の電気ヒータ26〜28を通電制御する。
【0026】
そして、各ヒータ24、29の通電が開始されて温度センサ32が検出する温度が例えば+64℃に達するとリレーR2を開いて急速加熱用ヒータ29の電気ヒータ26〜28の通電を停止し、温度センサ32が検出する温度が例えば+62℃まで降下したらリレーR2を閉じて急速加熱用ヒータ29に通電する制御を実行する。また、温度センサ31が検出する温度が例えば+72℃に達するとリレーR1を開いて保温用ヒータ24の電気ヒータ21〜23の通電を停止し、温度センサ31が検出する温度が例えば+70℃まで降下したらリレーR1を閉じて保温用ヒータ24に通電する制御を実行する。
【0027】
これにより、購買者により取り出される棚2の棚板41上の前部(左右に渡る)にある商品Gと、左右の前後に渡る位置の商品G及び後部の商品Gは電気ヒータ21〜23の直接の加熱により平均+58℃程の飲み頃温度に保温される。
【0028】
商品販売時には通常売れ筋の商品が棚2の棚板41中央部に陳列され、販売が少ない商品は左右の脇の位置に陳列される。従って、商品Gが購買者により手前側から取り出されていくと、順次手前に移動することで棚板41上の商品は中央後部から無くなっていき、左右は後部まで残存する状況となるが、本発明では棚2の棚板41の前部の左右の略全幅に対応して保温用ヒータ24の電気ヒータ21〜23が取り付けられているので、棚板41上に残存する商品G・・・を良好に加熱保温することができるようになる。
【0029】
次に、棚2の板41上の商品が少なくなった場合には使用者により商品補充が行われる。この場合には、棚2は前述の如く手前側にスライドされて引き出される。そして、棚2上の後部に新たな商品Gが補充されて再び押し込まれる。この棚2の移動は棚スイッチ2Dにより検出される。
【0030】
マイクロコンピュータ34は係る棚スイッチ2Dにより棚2が押し込まれたことを検出すると、当該棚2上の後部に商品Gが補充されたものと判断する。係る商品補充で温度センサ32が検出する温度が+62℃まで降下すると、マイクロコンピュータ34はリレーコイルR2Cを通電制御し、リレーR2により急速加熱用ヒータ29の電気ヒータ26〜28を通電する。これにより、使用者によって棚2上の後部に補充された比較的温度の低い商品Gは、電気ヒータ26〜28の直接の加熱により急速に加熱され、迅速に昇温していくことになる。
【0031】
以上の如き棚2の加熱制御において、陳列室9は前面に開口している関係上、棚板41上の前部の商品Gは外気に晒されて温度が上がり難くなる。この場合、本発明では前述の如く温度センサ31を棚板41の左右方向の中央の前側に寄せて取り付けているので、棚板41の前部の商品Gの温度に近い温度で保温用ヒータ24を通電制御できるようになり、商品Gの加熱性能は向上する。この場合、前述の如く棚板41の左右方向の中央前部に対応する部分の保温用ヒータ24は前側に片寄って配置されているので、温度センサ31と保温用ヒータ24との間には充分な間隔が確保される。これにより、温度センサ31が保温用ヒータ24から直接加熱され難くなり、制御に支障が生じなくなる。
【0032】
一方、棚板41の前部中央付近の商品Gは係る保温用ヒータ24の制御によって加熱を確保できるが、棚板41の左右の前隅部の商品Gはどうしても周囲が外気に近くなるために温度が上がり難くなる。しかしながら、上述の如く棚板41の裏面(下面)左右両側部には板材44、44が交熱的に密着して貼り付けられてており、それによって、棚板41の左右の前隅部からそれぞれ後部まで渡る略全幅の範囲は板材41の分だけ厚さが厚くなっている。
【0033】
即ち、厚さが厚くなることでこの範囲の熱伝導率は高くなっており、従って、棚板41の前隅部とその後方の部分との間の熱伝導が良好に行われるようになる。これにより、温度が上がり難い棚2の前隅部にその後方の部分の保温用ヒータ24や急速加熱用ヒータ29の一部から熱を円滑に伝達させ、当該前隅部における商品Gの加熱性能を補完して円滑な商品加熱販売を実現することができるようになる。
【0034】
また、棚2の棚板41の前隅部から後方に渡る所定の範囲に渡って熱良導性の板材44を取り付けることで棚板41の厚みを厚くしているので、棚2の棚板41自体の厚さを絞り加工などで厚くするなどの必要が無くなり、構造が簡素化されての生産コストも削減できる。
【0035】
ここで、温度センサ31や32は係る板材44、44から離間した中央部に位置しているため、温度センサ31、32に伝わる熱の慣性が増大することはない。これにより、温度センサ31、32の応答性が悪化することも防止される。
【0036】
ここで、マイクロコンピュータ34は一定時間毎に全棚2の電気ヒータ21〜23、26〜28を一斉に通電する。そして、リレーR1、R2により順次各電気ヒータ21〜23、26〜28を一つずつ非通電とし、各カレントトランスCT・・によりその場合の通電電流の変化を検出する。
【0037】
そして、例えば或る棚2の保温用ヒータ24の電気ヒータ21のリレーR1を開いたときに通電電流に変化が無かった場合、当該電気ヒータ21が断線しているものとして表示回路36のLEDで表示する(報知)。他の電気ヒータの場合にも同様である。また、例えば一枚の棚2の全電気ヒータ21〜23、26〜28の全てが断線していると判断される状況で、且つ、棚スイッチ2Dにより当該棚2が押し込まれていることが検出されている場合は、当該棚2の電気ヒータのソケットが接続されていないものと判断して表示回路36でLED表示を行う。尚、この場合のLED表示は前述の表示とは異なった表示とする。また、各電気ヒータの断線の場合にも当該電気ヒータを特定できる表示を行う。
【0038】
これにより、各棚2の電気ヒータ21〜23、26〜28の断線や接続不良を確実に検出して報知できるので、商品Gが加温されずに放置される不都合を未然に回避することができるようになる。また、電流値の変化で故障を検出するので、設定されたしきい値と比較して判断する場合に比べて、電圧変動等の影響を受け難く、精度が向上する。
【0039】
他方、各棚2・・・は前述の如く着脱自在とされているが、例えば図1の状態から一枚の棚2を取り外した場合には、当然に当該棚2の電気ヒータ21〜23、26〜28も電源ACから外されることになる。しかしながら、本発明では保温用ヒータ24を構成する3本の電気ヒータ21〜23と急速加熱用ヒータ29を構成する3本の電気ヒータ26〜28が三相の電源ACの各相に接続されているので、棚2が撤去されても電源ACに不平衡が発生することがない。
【0040】
尚、実施例では板材44を取り付けることで棚2の棚板41の厚さを厚くしたが、これに限らず、他の加工法にて前隅部から後方に渡る所定範囲の棚板41の厚さを厚くしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、前面に開口する本体内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を引出可能に架設すると共に、この棚の商品載置面を構成する熱良導性の棚板には当該棚板上の商品を加熱するための電気ヒータを交熱的に取り付けて成るショーケースにおいて、電気ヒータを構成する保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータと、棚板の左右方向の中央部に交熱的に設けられ、保温用ヒータの通電を制御するための第1の温度検出手段と、この第1の温度検出手段の後側において棚板に交熱的に設けられ、急速加熱用ヒータの通電を制御するための第2の温度検出手段と、棚が引き出され、陳列室内に押し込まれたことを検出するための棚スイッチと、第1及び第2の温度検出手段と棚ス イッチに基づき、保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、保温用ヒータは、少なくとも棚板の前部及び左右両側部の略全幅に対応して設けられると共に、当該棚板の前部中央に位置する部分は前側に片寄って配置され、制御装置は、棚スイッチにより棚上に商品が補充されたことを判断し、第2の温度検出手段に基づいて急速加熱用ヒータに通電するので、保温用ヒータとの間隔を確保しながら第1の温度検出手段を棚板の前側に寄せて配置することができるようになる。
【0042】
これにより、棚板の前部の商品の温度に近い温度で保温用ヒータを通電制御できるようになり、棚板前部の商品の加熱性能が向上する。そして、前述の如く棚板の前部中央に位置する部分の保温用ヒータは前側に片寄って配置されているので、保温用ヒータと第1の温度検出手段との距離も確保でき、第1の温度検出手段が保温用ヒータから直接加熱されて制御に支障が生じることも回避できるようになる。特に、棚が引き出されて棚上後部に商品が補充された場合、第2の温度検出手段に基づいて急速加熱用ヒータに通電し、温度の低い商品を迅速に昇温させることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のショーケースの縦断側面図である。
【図2】 図1のショーケースの棚の平面図である。
【図3】 図1のショーケースの一枚の棚の電気ヒータの電気回路図である。
【図4】 図1のショーケースの制御装置の電気回路のブロック図である。
【図5】 図1のショーケースの棚の縦断側面図である。
【図6】 図1のショーケースの棚のもう一つの縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ショーケース
2 棚
3 断熱壁
9 陳列室
21〜23、26〜28 電気ヒータ
24 保温用ヒータ
29 急速加熱用ヒータ
31、32 温度センサ(温度検出手段)
34 マイクロコンピュータ
41 棚板
44 板材
C 制御装置
Claims (1)
- 前面に開口する本体内に陳列室を構成し、該陳列室内に商品陳列用の棚を引出可能に架設すると共に、該棚の商品載置面を構成する熱良導性の棚板には当該棚板上の商品を加熱するための電気ヒータを交熱的に取り付けて成るショーケースにおいて、
前記電気ヒータを構成する保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータと、
前記棚板の左右方向の中央部に交熱的に設けられ、前記保温用ヒータの通電を制御するための第1の温度検出手段と、
該第1の温度検出手段の後側において前記棚板に交熱的に設けられ、前記急速加熱用ヒータの通電を制御するための第2の温度検出手段と、
前記棚が引き出され、前記陳列室内に押し込まれたことを検出するための棚スイッチと、
前記第1及び第2の温度検出手段と前記棚スイッチに基づき、前記保温用ヒータ及び急速加熱用ヒータの通電を制御する制御装置とを備え、
前記保温用ヒータは、少なくとも前記棚板の前部及び左右両側部の略全幅に対応して設けられると共に、当該棚板の前部中央に位置する部分は前側に片寄って配置され、前記制御装置は、前記棚スイッチにより前記棚上に商品が補充されたことを判断し、前記第2の温度検出手段に基づいて前記急速加熱用ヒータに通電することを特徴とするショーケース。
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