JP3855598B2 - 光スイッチングユニット、光スイッチングデバイス、光ガイド、および光スイッチングユニットの製造方法、映像表示装置 - Google Patents

光スイッチングユニット、光スイッチングデバイス、光ガイド、および光スイッチングユニットの製造方法、映像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エバネセント光を用いた光スイッチングユニットおよびそれを構成する光スイッチングデバイスおよび光ガイド(導光部)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタなどの映像表示装置のライトバルブとして光をオンオフ制御できる映像表示デバイスとしては、液晶を用いたものが知られている。しかしながら、この液晶を用いた映像表示装置は、高速応答特性が悪く、たかだか数ミリ秒程度の応答速度でしか動作しない。このため、高速応答を要求されるような高解像度の画像を表示する装置、さらには、光通信、光演算、ホログラムメモリー等の光記録装置、光プリンターは、液晶を用いたスイッチングデバイスで実現するのは難しい。
【0003】
そこで、上記のような用途に対応できる高速動作可能なスイッチングデバイスあるいは映像表示デバイスが求められており、ミクロンオーダあるいはさらに小さなサブミクロンオーダの微細構造(マイクロストラクチャ)を備えたスイッチングデバイスの開発が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
その1つに本願出願人が出願中の、光を全反射して伝達可能な導光部の全反射面に対しスイッチング部の抽出面を接近させてエバネセント光を抽出し、光学素子の1波長程度あるいはそれ以下の微小な動きによって、高速で光を変調制御可能な光スイッチングデバイスがある。
【0005】
図1に、エバネセント光によるスイッチングを行う光スイッチングデバイスを用いた映像表示装置の一例としてプロジェクタ80の概略を示してある。このプロジェクタ80は、白色光源81と、この白色光源81からの光を3原色に分解して光スイッチングデバイス55の導光板(光ガイド)1に入射させる回転色フィルタ82と、各色の光を変調して出射する光スイッチングデバイス55と、出射された光85を投映する投写用レンズ86とを備えている。そして、各色毎の変調された光85がスクリーン89に投写され、時間的に混色されることにより多諧調のマルチカラーの画像が出力される。プロジェクタ80は、さらに、光スイッチングデバイス55および回転色フィルタ82を制御してカラー画像を表示する制御回路84を備えている。光スイッチングデバイス55は、光ガイド1と以下に詳述する光スイッチングデバイス50とにより構成されており、この制御回路84からカラー画像を表示するためのデータφなどは光スイッチングデバイス50に供給される。
【0006】
このように、図1に示したプロジェクタ80は、光を全反射しながら伝達する光ガイド1に投影用の光を供給する光源81などと共に光ガイド1から出射された光を投写するレンズ85などを備えた光を入出力する手段と、光ガイド1に供給された投映用の光を変調する光スイッチングデバイス50とを備えており、光スイッチングデバイス50により光ガイド1から漏出するエバネセント光を制御して画像が表示される。
【0007】
図2に、エバンセント波(エバネセント光)を利用して光を変調する映像表示デバイス(エバネセント光スイッチングデバイス)50の概要を示してある。光スイッチングデバイス50は複数の光スイッチング素子(光スイッチング機構)10が2次元に配列されたスイッチングデバイスであり、個々の光スイッチング素子10は、単体では導入された光2を全反射して伝達可能な導光板(光ガイド)1に接近および離反して光を変調可能な光学素子(スイッチング部)3と、この光学素子部3を駆動するアクチュエータ6とを備えている。そして、光学素子3の層およびアクチュエータ6の層がアクチュエータ6を駆動する駆動回路およびデジタル記憶回路(記憶ユニット)が作りこまれた半導体基板20の上に積層され、1つの映像表示デバイスとして集積化されている。
【0008】
図2を参照してエバネセント光を利用した本例の光スイッチングデバイス50についてさらに詳しく説明しておく。個々の光スイッチング素子10をベースに説明すると、図2の左側に示した光スイッチング素子10aはオン状態であり、右側に示した光スイッチング素子10bがオフ状態である。光学素子3は、導波路としての機能を果たす導光板1の面(全反射面)1aに密着する面(接触面または抽出面)3aと、この面3aが全反射面1aに密着したときに漏れ出たエバネセント波を抽出するV字型のプリズム(マイクロプリズム4)と、このプリズム4の底面で導光板1に対しほほ垂直な方向に反射するための反射膜46と、V字型のプリズム4を支持するサポート構造5とを備えている。
【0009】
アクチュエータ6は、光学素子3を静電駆動するタイプであり、そのために、光学素子3のサポート構造5と機械的に連結されて光学素子3と共に動く上電極(第1の電極)7と、この上電極7と対峙した位置で半導体基板20に固定された下電極(第2の電極)8を備えている。さらに、上電極7はアンカープレート9から上方に伸びた支柱11により支持されている。
【0010】
図2に示したように、導光板1には光源から照明光2が全反射面1aで全反射する角度で供給されており、その内部の全ての界面、すなわち、光学素子部(光スイッチング部)3に面した側1aと、上方の面(出射面)において光が繰り返し全反射し、導光板1の内部が光線で満たされる。したがって、この状態で巨視的には照明光2は導光板1の内部に閉じ込められ、その中を損失なく伝播している。一方、微視的には、導光板1の全反射している面1aの付近では、導光板1から光の波長程度のごく僅かな距離だけ、照明光2が一度漏出し、進路を変えて再び導光板1の内部に戻るという現象が起きている。このように面1aから漏出した光を一般にエバネッセント波と呼ぶ。このエバネッセント波は、全反射面1aに光の波長程度またはそれ以下の距離で他の光学部材を接近させることにより取り出すことができる。本例の光スイッチング素子10は、この現象を利用して導光板1を伝達する光を高速で変調、すなわち、スイッチング(オンオフ)することを目的としてデザインされている。
【0011】
たとえば、図2の光スイッチング素子10aでは、光学素子3(マイクロプリズム4)が導光板1の全反射面1aに接触した第1の位置にあるので、光学素子3の抽出面3aによりエバネセント波を抽出することができる。このため、光学素子3のマイクロプリズム4で抽出した光2は反射膜46で角度が変えられて出射光2aとなる。そして、この出射光2aが図1に示すプロジェクタ80の投映用の光85として利用される。一方、光スイッチング素子10bでは、電極7および8の間に働く静電力により光学素子3が導光板1から離れた第2の位置に動かされる。したがって、光学素子3によってエバネセント波は抽出されず、光2は導光板1の内部から出ない。
【0012】
エバネセント波を用いた光スイッチング素子は単独でも光をスイッチングできる装置として機能するが、図2に示したように、これらを1次元あるいは2次元方向、さらには3次元に並べて配置することができる構成になっている。特に、2次元にマトリクスあるいはアレイ状に並べて配置することにより、液晶あるいはDMDと同様に平面的な画像を表示可能な光スイッチングデバイス55を提供することができる。そして、エバネセント光を用いた光スイッチングデバイス50では、スイッチング部である光学素子3の移動距離がサブミクロンオーダとなるので、液晶より1桁あるいはそれ以上応答速度の速い光変調装置として利用でき、これを用いた高速動作が可能なプロジェクタ80あるいは直視型の映像表示装置を提供することが可能となる。さらに、エバネセント光を用いた光スイッチング素子10は、サブミクロンオーダの動きで光をほぼ100パーセント、オンオフすることが可能であり、非常にコントラストの高い画像を表現することができる。このため、時間的な分解能を高くすることが容易であり、高コントラストの映像表示装置を提供できる。
【0013】
さらに、この光スイッチングデバイス50では、駆動回路などが作りこまれた半導体集積基板20にアレイ状に配置されたアクチュエータ6および光学素子3が積層された構成の光スイッチングデバイス50を1チップで提供することが可能である。すなわち、半導体基板20の上にアクチュエータ6および光学素子3といったマイクロストラクチャが構築されたマイクロマシンあるいは集積化デバイスである光スイッチングデバイス50と光ガイド1とを組み立てることにより光スイッチングデバイス55を供給でき、これを組み込むことにより動作速度が速く高解像で、さらに、高コントラストの画像を表示できるプロジェクタを提供できる。
【0014】
アクチュエータ6は、図2の上下1対の電極を備えたものに限定されず、上電極7および下電極8に加え、これらの間で動く中間電極を備えたもの等も考えられている。したがって、以下、本明細書では、簡単のため上下電極の静電駆動タイプのアクチュエータに基づき説明するが、アクチュエータの構成はこれに限定されるものではない。
【0015】
このように、光ガイド1および光学素子3(マイクロプリズム4)は、互いに接する光学面を光の利用効率を向上させるために、それぞれ面粗さを高精度で制御している。このため、光ガイド1の全反射面1aとマイクロプリズム4の抽出面3aには、互いに吸着が起こり易い。吸着、いわゆるステッキング現象が起こると、本来ならば静電アクチュエータの静電力あるいは弾性力、さらにはこれらの合成力により、図2の右側の光スイッチング素子10bに示す、第2の位置に駆動するのが難しくなる。したがって、電圧を印加しても所望の動作をしなくなったり、あるいはスイッチング速度が低下するという障害が発生する。さらには、駆動電圧を高くする必要があり、消費電力が増大する可能性がある。
【0016】
これに対して、光ガイドの全反射面あるいは光学素子の摩擦係数を小さくすることにより吸着が発生しにくくすることが可能である。例えば、ダイヤモンドライクカーボンを抽出面に形成するとも考えられる。しかしながら、抽出面にダイヤモンドライクカーボンを成膜するときにそのパーティクルが発生してこれらが抽出面に付着することがあり、光ガイドと光学素子との隙間、すなわち、光ガイドの全反射面とマイクロ光学素子の抽出面との間の隙間(ギャップ)をサブミクロンオーダで管理することが困難となる。また、屈折率がガラスより著しく高いため、光学特性が変わる等の問題もある。
【0017】
そこで、本発明においては、光ガイドと光スイッチング素子の抽出面との吸着を防止するとともに、抽出面と全反射面との隙間を精度良く管理することができる光スイッチングユニット、およびこれを構成する光スイッチングデバイスおよび光ガイド、さらに光スイッチングユニットの製造方法を提供することを目的としている。そして、光の利用効率が高く、低電圧で高速駆動できる信頼性の高い光スイッチングユニットを提供することを目的としている。さらに、本発明の光スイッチングユニットを採用することにより、解像度が高く、明るい画像を表示できる映像表示装置を提供することも本発明の目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、全反射面または抽出面に、ダイヤモンドライクカーボンのような新たな層を形成するのではなく、これらの面のいずれかをそれ自体が微小凸部を備えた形状とすることにより、吸着を防止し、さらに、全反射面と抽出面との間隔を管理できるようにしている。
すなわち、本発明は、入射光を全反射して伝達可能な全反射面を備えた光ガイドと、この全反射面に接近した第1の位置および全反射面から離れる第2の位置に駆動されるマイクロ光学素子であって、第1の位置では全反射面に当該マイクロ光学素子の抽出面が近接し、光ガイドから光を抽出可能であり、第2の位置では全反射面から抽出面が離れて光を抽出しないマイクロ光学素子とを有する光スイッチングユニットであって、全反射面および抽出面の少なくとも一方に、光ガイドまたはマイクロ光学素子の少なくとも一部を延設した微小凸部が隣接するマイクロ光学素子との間に跨って形成され、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列されており、前記微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成されていることを特徴としている。
【0019】
第1の位置で接触する光ガイドおよびマイクロ光学素子の少なくともどちらかの光学面(全反射面または抽出面)に、これらの面の一部を延設して微小凸部を形成することで、全反射面と抽出面との接触面積を小さくし、吸着力を弱めることができる。そして、これらの面の間に僅かに生じる隙間によって吸着力を弱めるとともに、剥離しやすくできる。このため、吸着によるディメリットを防止でき、スイッチングの信頼性および応答速度を速くすることができる。同時に、新たな層を形成しないので、それに伴ってギャップ制御が困難になることもなく、微小凸部の形状を制御して形成することにより、エバネセント光を十分に抽出できるように全反射面または抽出面との間隔を管理できる。このため、光の利用効率が高く、吸着による動作不良および動作特性などの劣化がなく、耐久性および信頼性の高い光スイッチングユニット、およびこれを構成するデバイス、さらには光ガイドを提供できる。
【0020】
エバネセント光を利用する光スイッチングユニットでは、エバネセント光は、抽出距離に対して、指数関数的に急速に減衰する。このため、光の利用効率を上げるためにも、微小凸部の高さは、1ないし50nmの範囲にすることが望ましい。さらには、微小凸部の高さは、1ないし30nmの範囲にあることが望ましい。これにより、エバネセント波の抽出効率が50%以上から90%以上にすることができる。エバネセント波の抽出効率が95%以上になるように、微小凸部の高さは、1ないし20nmの範囲にすることも可能である。したがって、このような高さに微小凸部を制御することにより、吸着力が充分に弱められ、動作速度なども速くできる光スイッチングユニットであって、光の利用効率も充分に高い光スイッチングユニットを提供できる。
【0021】
平坦な面上に延設される微小凸部は、段差状に形成しても良いが、ドーム型に形成することが望ましい。ドーム型にすると、光ガイドと抽出面が点接触になるので、さらに、吸着による問題をし易い。また、ドーム型のサブミクロンオーダの微小凸部は、全反射面または抽出面の表面をレーザ照射することにより、新たな層を設けなくても、簡単に成形できる。さらに、レーザ光の口径、エネルギー、照射時間などを調整することで、簡単に、ドーム型の微小凸部の径、高さなどを精度良く制御できる。したがって、全反射面と抽出面が接近した第1の位置における、全反射面と抽出面との間に生じる隙間の大きさ(距離)を容易に管理できる。
【0022】
このように、本発明の光スイッチングユニットは、全反射面および抽出面の少なくとも一方に、光ガイドまたはマイクロ光学素子の少なくとも一部を延設した微小凸部を隣接するマイクロ光学素子との間に跨って形成し、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列され、前記微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成する工程を有する製造方法によって製造でき、このような微小凸部は、全反射面または抽出面のいずれかにレーザ照射することにより簡単に、また、精度良く形成できる。
【0023】
また、複数のマイクロ光学素子が所定のピッチで配列されている光スイッチングユニットにおいては、微小凸部は該マイクロ光学素子のピッチと同じあるいは2倍で形成することが望ましい。
微小凸部の抽出効率の最大となる部分、すなわち、微小凸部を設けたときにその頂点が全反射面あるいは抽出面のいずれかに接触する部分を各マイクロ光学素子に配置できる。これにより、微小凸部を各マイクロ光学素子に対して均等に配置できる。
したがって、各マイクロ光学素子により確実にエバネセント光を抽出でき、さらに、その抽出するエバネセント光の強度、あるいは効率を均等にし易い光スイッチングユニットを提供できる。
また、前述した均等配置に加えて抽出面、あるいは抽出面が接触する全反射面において、抽出面単位で微小凸部の配置の自由度があがるので、抽出面で抽出する光のばらつきを小さくすることができる。すなわち、微小凸部の頂点を抽出面の中心に設置して画素の中心を明るくしたり、複数の微小凸部を1つの抽出面に配置して、画素内の明るさのバランスを向上することができる。
したがって、光の利用効率が高く、吸着防止効果もあり、カラーバランスも優れた、高品質で信頼性の高い光スイッチングユニットを提供できる。
【0024】
さらに、本発明では、微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成されているので、マイクロ光学素子の四角が最も明るく中心にいくにつれて暗くなる。四角が必ず明るく、対称性も高いので、高品質な画像を表示することができる。
また、マイクロ光学素子の辺が最も明るく中心にいくにつれて暗くなる。マイクロ光学素子の辺が必ず明るく、対称性も高いので、高品質な画像を表示することができる。
また、マイクロ光学素子のいずれか1つの角が明るく、対角線方向に行くにつれて明るさが低下する。マイクロ光学素子毎に明るい部分が必ずあり、マイクロ光学素子同士の光強度は同じ程度になる。
【0025】
本発明の光スイッチングユニットは、個々のマイクロ光学素子を駆動するマイクロアクチュエータをそれぞれ有しており、光ガイド、マイクロ光学素子、マイクロアクチュエータが上から順番に基板上に積み重ね構成で実現できる。マイクロアクチュエータとしては、静電アクチュエータを採用でき、本発明の光スイッチングユニットにおいては、吸着による負荷がない、あるいは非常に少ないので、マイクロ光学素子を第1の位置および第2の位置に動かし高速でオンオフできる。したがって、低電圧で高速駆動が可能であり、省エネルギーで分解能の高い光スイッチングユニットを提供できる。
【0026】
したがって、本発明の光スイッチングユニットと、光ガイドへ画像を形成するための光を入出力する手段とを有するプロジェクタ型などの映像表示装置においては、消費電力が小さく、高周波で駆動でき、分解能も高く信頼性の良い映像表示装置を提供できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をさらに説明する。以下では、先に説明したエバネセント波を用いて光をスイッチングするデバイスに本発明を適用した例で説明する。図3および図4に示すように、本例の光スイッチング素子10は、単体では導入された光2を全反射して伝達可能な導光板(光ガイド)1と、この導光板1に接近(第1の位置)および離反(第2の位置)するマイクロ光学素子(以降においては光学素子)3と、この光学素子3を駆動するマイクロアクチュエータ(以降においてはアクチュエータ)6と、このアクチュエータ6を制御する回路が作り込まれた半導体基板20とを備えている。
【0028】
光学素子3は樹脂により型成形されており、光ガイド1の面(全反射面)1aに面した側が、この全反射面1aに接する面(接触面または抽出面)3aであり、この面3aが全反射面1aに接近したときに漏れ出たエバネセント波を抽出して内部に導くV字型のマイクロプリズム(プリズム)4と、導かれた光を光ガイド1に対しほほ垂直な方向に反射する反射膜46と、V字型のプリズム4を支持するサポート構造5とを備えている。
【0029】
本例のアクチュエータ6の構成は、先に図2に基づき説明したものと同様であるので、以下では構成およびその動作についての詳しい説明は省略する。本例の光スイッチングデバイス50は、個々には光学素子3とこれを駆動するアクチュエータ6により構成される光スイッチング素子10が複数用意されており、これらの光スイッチング素子10を半導体基板20の上にアレイ状に並べ、半導体基板20のCMOS回路によって各々の光スイッチング素子を制御する画像デバイス(光スイッチングデバイス)50となっている。そして、光ガイド1と、光スイッチングデバイス50とを積層することにより光スイッチングユニット55を構成でき、上記と同様に映像表示装置80のライトバルブとして使用することができる。
【0030】
本例の光学素子3の抽出面3aは、ミクロンオーダではほぼ平坦であるが、サブミクロンオーダでは、マイクロプリズム4を構成する樹脂が延設された、すなわち、プリズム4と同一の素材で形成された複数のドーム状の微小凸部70が設けられている。図5に、抽出面3aに設けられた微小凸部70を拡大して模式的に示してある。このような微小凸部70は、以下で説明するように、マイクロプリズム4に新たに層(膜)を重ねるのではなく、マイクロプリズム4の表面(抽出面)3aに、CO2レーザを照射することにより形成できる。すなわち、表面3aを適当なエネルギーのレーザ光を適当な時間だけ照射することにより部分的に熱膨張させ、ドーム状とすることが可能である。さらに、レーザ光のスポット径、出力および照射時間を制御することにより、その形状を自由に精度良く形成できる。本例では、高さhが20nm、直径dがφ10μm程度となるように抽出面3aに微小凸部70を形成しているが、この高さおよび径を制御することは容易である。
【0031】
図3に、微小凸部70が設けられた抽出面3aを全反射面1aに接したときの、第1の位置における状態を示してある。抽出面3aは、微小凸部70の先端70aで光ガイド1の全反射面1aと接触する。本例の光スイッチングユニット55においては、ドーム型の微小凸部70が設けられおり、光ガイド1(全反射面1a)と抽出面3aは点で接触する。したがって、接触面積が小さくなり、全面が接したときに対し吸着による効果を少なくすることができる。すなわち、抽出面3aには微小凸部70が加工されているので、オン状態で光ガイド1の全反射面1aに全面的が着くのではなく、頂点70aあるいはその近傍が部分的に光ガイド1の全反射面1aに着き、その他の部分では、全反射面1aと抽出面3aとの間に僅かな隙間sが構成される。本例では、ドーム状の微小凸部70の高さhが20nmに調整されているので、最大で20nm程度の僅かな隙間sがあく。したがって、全反射面1aと抽出面3aとが密着して強い吸着力が発生することがない。
【0032】
さらに、図4に示すように光学素子3を全反射面1aから引き剥がす(第2の位置)ときに隙間sから空気が入るので、簡単に、少ない駆動力で光学素子3を全反射面1aから剥離することができる。このため、図4に示すようにオフ状態(第2の位置)にする駆動力を小さくすることができる。したがって、光スイッチング素子10をオンオフする際の駆動電圧を下げることができるとともに、低電圧で高速駆動できる。さらに、スティッキングなどの恐れもなくなる。このため、省エネルギーで動作周波数が高く、さらに、信頼性の高い光スイッチング素子10(光スイッチングデバイス50)および光スイッチングユニット55を提供できる。
【0033】
一方、抽出面3aに形成されている微小凸部は、プリズム4をレーザ加工することにより形成しているので、プリズム4と同素材(樹脂剤)であり、ほぼ同じ屈折率となる。したがって、素材から光学的なディメリットは生じない。さらに、ドーム状の微小凸部70の高さhは、オン状態でエバネセント光の抽出効率がほとんど低下しない範囲に抑えられている。すなわち、微小凸部70によりオン状態で生ずる隙間sはエバネセント光の抽出効率が大きく変化しない範囲であり光の利用効率が殆ど低下しない。この結果、オン状態で微小凸部70を含む光学素子部3の面3aによりエバネセント波を効率良く抽出することができマイクロプリズム4で導光板1に対し垂直な方向の出射光2aが得られる。これにより光2をスイッチングして画像などを表現することが可能となる。
【0034】
図6に、エバネセント光の抽出率を計算した結果を示してある。入射光2の入射角を50度、光ガイド1の屈折率1.5とし、入射光2として、350nm(実線)、500nm(一点鎖線)、700nm(破線)を用いた場合の抽出面3aと全反射面1a、すなわち間隔あるいはギャップsと、そのときに抽出される率の関係を示してある。この図から分かるように、エバネセント波の抽出率は、光ガイド1の全反射面1aと、光スイッチング素子10の抽出面3aの距離に対して指数関数的に減衰する。しかしながら、間隔sが20nm程度ではエバネセント波の抽出効率は95%以上である。したがって、本例の光スイッチング素子10あるいは光スイッチングユニット55においては、上記のように、省エネルギで高速駆動が可能であり、さらに信頼性の高い光スイッチングユニット55でありながら、光の利用効率もほとんど減少しない光スイッチングユニットを提供することができる。
【0035】
抽出面3aと全反射面1aとの吸着力を下げて、駆動エネルギーを減少し、動作周波数を上げて、さらに信頼性を高くするには、隙間sは大きい方が望ましい。すなわち、ドーム状の微細凸部70の高さhは高いほうが望ましい。しかしながら、隙間sが大きくなると図6に示すようにエバネセント光の抽出率は低下し、光の利用効率が低下する。このような関係を考慮すると、動作周波数および信頼性を向上するという点では、微小凸部70の高さhは1ないし30nm程度が望ましく、微小凸部70の高さhが30nmのとき、すなわち、隙間sの最大が30nmになるときでも、最もエバネセント光の利用効率が低下する部分で90%程度の光の抽出効率を維持できる。この抽出効率は、ドーム状の微小凸部70の頂点70aに近づくにつれて高くなる。したがって、微小凸部70の周辺部でのエバネセント光の抽出効率が90%程度になっても、その中心部ではエバネセント光の抽出効率は高く、スイッチング素子あるいは画素10の全体としてはほとんど光の利用効率が減少することはない。
【0036】
さらに、吸着防止効果を上げて、より高速化および低電力化を実現するには、微小凸部70の高さh、すなわち、隙間sを1ないし50nm程度にすることができる。隙間sが50nmのところ、すなわち、最も光の利用効率が低下するポイントでも、75%程度のエバネセント光の抽出効率を維持することができる。したがって、上述したように、微小凸部70の中心に行くにしたがって光の利用効率は向上する。したがって、本発明により、スイッチング素子あるいはスイッチングユニット55全体としての光の利用効率を高く維持したままで、消費電力を減らし、動作速度を上げ、さらに、信頼性も上げることができる。
【0037】
図7ないし図11を参照しながら、微小凸部70のレイアウトについて検討する。まず、図7は、各々が画素を構成する複数の光スイッチング素子10がアレイ状に配置されている様子を示してある。映像を表示する際の画素となる正方形の20μm角のマイクロプリズム4がピッチLで碁盤目状に配置されている。
【0038】
図8ないし図11は、これらの画素あるいはプリズム4の抽出面3aを上方から見た様子を模式的に示してあり、微小凸部70のレイアウトのいくつかの例を示してある。図8は、直径dが10μmあるいはそれ以下の微小凸部70が画素ピッチLの1/2あるいはそれ以下のピッチMで配置されている例である。本例では、具体的には直径dが8μmの微小凸部70が1/2LのピッチMで配置されている。したがって、1つのマイクロプリズム10の中に4個の微小凸部70を均等に重なりのないように配置することができる。これらの微小凸部70は、それらが形成された部分が互いに重ならないようにすることが望ましく、これにより曲率が複雑に入り組んだ面が抽出面3aに形成されるのを防止できる。したがって、表面に微小凸部70が形成された光学素子3であっても不要な光の散乱や、干渉を防止することができる。
【0039】
本例の光スイッチングデバイス50では、1つの画素あるいはプリズム4に複数の微小凸部70が規則的に配置されている。上述したように、ドーム状の微小凸部70では、中心70aほどエバネセント光の抽出率が高く明るくなり、中心70aから外れるほど隙間sが大きくなるので、エバネセント光の抽出率は低く暗くなる。本例では1つの画素あるいはプリズム4の中に、非常に微視的ではあるが、規則的に複数の明るい部分と暗い部分があり、全体として均一な強度が得られる。さらに、隣接する他の画素あるいはプリズム4においても同様である。したがって、画素あるいはプリズム4の内のみならずデバイス50全体に、光強度のばらつきが小さく、より高品質な画像を表示することができる光スイッチングデバイス50およびユニット55を提供できる。
【0040】
図9は、直径dがφ18μmの微小凸部70を、画素あるいはプリズム4のピッチLと同じピッチMで配置した例であり、さらに、微小凸部70の中止70aが画素あるいはプリズム4の中心4aと一致するように配置している。したがって、本例の光スイッチングデバイス50では、画素あるいはプリズム4の中心4aがもっとも明るく周囲では若干暗くなる画素表示が得られる。しかしながら、本例でも画素の中心に最も明るい部分が必ずあり、対称性も高いので、高品質な画像を表示することができる。
【0041】
図10は、図9と同じ直径dおよびピッチMで微小凸部70を配置した例であるが、微小凸部70の中心70aが画素あるいはプリズム4の中心4aではなく、その4角4bに一致するように配列している。したがって、本例の光スイッチングデバイス50では、画素あるいはプリズム4の4角4bが最も明るく中心4aにいくにつれて暗くなる。しかしながら、本例の配置でも、画素の4角が必ず明るく、対称性も高い。したがって、高品質な画像を表示することができる。
【0042】
図11も、図9と同じ直径dおよびピッチMで微小凸部70を配置した例であるが、微小凸部70の中心70aを画素あるいはプリズム4の中心4aからプリズムの辺の中心4cに一致するように配列している。したがって、本例の光スイッチングデバイス50では、画素あるいはプリズム4の辺4cが最も明るく中心4aにいくにつれて暗くなる。しかしながら、本例の配置でも、画素の辺が必ず明るく、対称性も高い。したがって、高品質な画像を表示することができる。
【0043】
図12は、直径dがφ38μmの微小凸部70を2LのピッチMで配置した例である。本例では、微小凸部70のピッチMが画素ピッチLの2倍となっており、4個の画素またはプリズム4に対して1つの微小凸部70が設けてある状態となる。本例でも、微小凸部70の中央70aを、たとえば、4つの画素あるいはプリズム4の中心に配置することが可能である。この配置であると、画素あるいはプリズム4の単体では、いずれか1つの角が明るく、対角線方向に行くにつれて明るさが低下する。したがって、この配列では、画素あるいはプリズム毎に明るい部分が必ずあり、画素同士の光強度は同じ程度になるが、画素内では対称性は低下してしまい上記の各配列に比較すると画質は若干劣る。
【0044】
これらに対し、さらに直径dが大きな微小凸部70を形成することも可能である。図12に直径dがφ78μmの微小凸部69を配置した例を一点鎖線で示してある。この例では、微小凸部69の中心69aが含まれる画素あるいはプリズム4と、中心69aが含まれない画素あるいはプリズム4が生ずることになる。上述したように中心69aがもっとも明るくなるので、本例の配置では、画素内で強度分布が生ずるのに加えて、画素間でも強度分布が発生する。したがって、さらに画質が劣化する要因となる。
【0045】
これらから分かるように、画素間の光強度あるいは光の利用率のバランスを保持するためには、微小凸部70のピッチMは画素あるいはプリズム4のピッチLの2倍あるいはそれ以下が望ましい。さらに、画素内の光強度あるいは光の利用効率のバランスを保持することを考えると、微小凸部70のピッチMは、画素あるいはプリズム4のピッチLと同じあるいはそれ以下が望ましい。また、微小凸部70は、互いに重複しなければ、碁盤目状に、すなわち、直線的な配列に限らず、ランダムな配置であっても良い。ただし、ランダムな配置の場合は、画素間で強度分布が大きくならないように考慮する必要がある。そして、微小凸部70を設けることにより、吸着を防ぎ、信頼性および応答速度の高い光スイッチングデバイス50およびユニットを提供することができる。
【0046】
このような微小凸部70を備えた光スイッチングデバイス50(光スイッチング素子10)が製造される様子を説明する。本例の光スイッチングデバイス50は、図13に示すように、CMOSが構成されている基板20の上面21に、犠牲層31を用いて、下電極8と、ばねと上電極を兼ねた電極層7と、ポスト11などのアクチュエータ6としての構造が形成される。そして、このアクチュエータ6の上に型転写によりマイクロ光学素子3を形成する。型転写で光学素子3を製造する工程では、2枚の基板(1枚の基板は形状を転写する型)に、紫外線硬化型の樹脂剤を挟み込み、両側から圧力をかけながら、またはかけた後に、光または熱により硬化させる2P(Photo-polymerization)法により製造する。まず、V字型のサポート5となる樹脂層をV字型の転写型を用いて2P法により成形し、次に、反射膜46をスパッタリング等により形成した後に、マイクロプリズム4となる樹脂層を平坦な転写型を用いて同じく2P法により成形する。
【0047】
次に、図14に示すように、マイクロプリズム4の表面3aにCO2レーザを照射し、プリズム4を構成する樹脂層を部分的に熱膨張させて微小凸部70を形成する。このとき、表面3aに照射するレーザ光39のスポット径、エネルギーおよび照射時間を制御することにより、所望の径および高さの微小凸部70を形成することができる。
【0048】
そして、図15に示すように、光スイッチングユニット55として用いる光スイッチングデバイス50となるように、プラズマエッチング等により、個々の画素あるいはマイクロプリズム4を構成する単位に光学素子3を分離する。素子分離を行った後にレーザ照射により微小凸部70を形成しても良いが、レーザ照射により光学素子3が素子間47の方向に膨張する可能性があり、そのような変形が生ずるとスティッキングなどの原因なる。したがって、本例のように素子分離する前に抽出面3aを加工することが望ましい。
【0049】
以上の工程で半導体基板20の上にアクチュエータ6および光学素子3が垂直に積み重ねあわされ、光学素子3の表面に微小凸部70が設けられた光スイッチングデバイス50が製造される。このような光スイッチングデバイス50と光ガイド1とを組み合わせることにより図1および図2に基づき説明した光スイッチングユニット55を提供することができる。
【0050】
なお、図16および図17に示すように、光スイッチング素子10の側ではなく、光ガイド1の全反射面1aの表面に微小凸部71を設けることも可能である。この場合も同様に、上記と同様に、光ガイド1の全反射面1aにレーザ光を照射することによりドーム状で、高さが1〜50nm程度、望ましくは1から30nm程度、さらに望ましくは1〜20nm程度の高さhの微小凸部71を設けることができ、上記と同様に全反射面1aと抽出面3aとの隙間sを管理することができる。したがって、本例の光スイッチングユニット55においても、全反射面1aと抽出面3aとの接触面積を減らすことができ、その一方で光の抽出効率をほぼ維持することが可能となる。さらに、レーザ照射により微小凸部71を形成することにより、全反射面1aに同一の素材により精度の高い形状の微小凸部71を延設することが可能となり、光学的な性能も非常に良好な光スイッチングユニット55を歩留まり良く提供することができる。したがって、エバネセント光の利用効率を維持しながら、さらに、吸着を防止してスイッチングの動作不良などを回避し、応答速度の速い光スイッチングデバイス55を提供できる。また、光ガイド1の側に微小凸部71を設けた場合もレイアウトについても、上記にて図7ないし図12に基づき説明したことと同様のことが言える。
【0051】
このように、本発明の光スイッチングユニット55および上記の製造方法では、微小凸部70を形成する際にレーザの強度および時間を管理することにより、微小凸部70の高さhを精度良く管理することが可能であり、抽出面3aを構成するプリズム4の一部、あるいは全反射面1aを構成する光ガイド1の一部を熱膨張させ、これらと同素材の微小凸部70あるいは71を非常に精度良く延設することができる。したがって、全反射面1aと抽出面3aとの接触面積を削減し、吸着を防止すると共に剥離し易くでき、その上で光の利用効率も充分に高く維持できる光スイッチングデバイス50を歩留まり良く製造および提供できる。このため、本発明により、光の利用効率を下げることなく、吸着による速度低下あるいは駆動電圧の上昇を防ぐことができ、スティッキングなどによる動作不良も未然に防止できる。したがって、動作速度が速く、駆動電力も小さく、信頼性の高い光スイッチングデバイス50を歩留まり良く、低コストで製造することが可能となり、これを用いることにより光ガイド1と組み合わせた高品質の光スイッチングユニット55を低コストで供給できる。さらに、光スイッチングユニット55をライトバルブとして採用することにより、動作周波数が高く、高分解能で、明るい画像を表示できる信頼性の高い映像表示装置を低コストで提供することができる。
【0052】
さらに、マイクロプリズム4または光ガイド1を形成している表面の一部をレーザにより熱膨張させているので、新たに、ダイヤモンドライクカーボン等により層(膜)を設ける場合と異なり、表面にパーティクル等が発生する恐れもなく、新たな膜を形成することに伴うトラブル、歩留まりの低下を避けることができる。さらに、同一の素材で形成することにより製造方法は簡略化でき、光ガイド1とマイクロプリズム4との間の隙間をサブミクロンオーダで管理することも容易となる。また、微小凸部が、それぞれの面に延設され同素材からなるので、屈折率が変わったり、電気的な光学特性が変わることもない。したがって、光学的なマッチングも良く、信頼性が高く、高品質な光スイッチングデバイス50および光スイッチングユニット55を簡単に提供できる。
【0053】
なお、上記では、微小凸部70としてレーザ光を用いて形成されるドーム型のものを例に説明しているが、フォトリソ等の技術を用いてドーム型あるいは他の形状、たとえば、段差型の微小凸部を形成することも可能であり、全反射面と抽出面とのギャップを精度良く管理しながら接触面積を小さくすることができる。しかしながら、微小凸部の形状としては、より点で接触する形状であるドーム型あるいは半球状などの円形が優れており、また、円錐状あるいは円錐台なども優れている。これらの形状のうちで、フォトリソ後の加熱処理によってこれらの形状を制御することも可能であるが、やはり、製造の容易さや樹脂の耐熱性を考慮すると、レーザで照射する方法が最も簡単で形成される微小凸部の形状も制御しやすい。そして、ドーム型といった点接触に近い形状も得られるので、レーザで微小凸部を製造することが本発明には最も適した微小凸部の形状およびそれを製造する方法であると言える。
【0054】
さらに、上記の光スイッチングデバイス50では、アクチュエータとして静電タイプを示してあるが、ピエゾタイプなどの他のアクチュエータであってももちろん良い。そして、本発明の光スイッチングデバイス50および光スイッチングユニット55を用いた例として映像表示装置80を示してあるが、是に限らず、本発明の光スイッチングユニット55は光コンピュータ、光プリンタなどの多種多様な装置に適用することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の光スイッチングユニットにおいては、全反射面または抽出面に、ダイヤモンドライクカーボンのような新たな層を形成するのではなく、これらの面自体を微小凸部を備えた形状とすることにより、吸着を防止し、さらに、全反射面と抽出面との間隔を精度良く管理できるようにしている。したがって、光の利用効率を維持した条件で、マイクロ光学素子の吸着による動作不良、動力アップなどの問題を歩留まり良く解決することが可能となり、高速駆動が可能で、省エネルギーであり、さらに耐久性および信頼性の高い光スイッチングユニットを低コストで提供することができる。さらに、この光スイッチングユニットを採用することにより、解像度が高く、明るい画像を表示できる映像表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エバネセント光を利用した映像表示装置を用いたプロジェクタの概要を示す図である。
【図2】エバネセント光を利用した光スイッチングユニットの概要を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光スイッチングユニットの全体構成を示す断面図であり、オン状態を示す図である。
【図4】図3に示す光スイッチングデバイスのオフ状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る抽出面に延設された微小凸部を模式的に示す拡大図である。
【図6】抽出面の距離とエバネセント波の抽出率の関係を示すグラフである。
【図7】画素またはマイクロプリズムの配列を示す説明図である。
【図8】図7に示した画素あるいはマイクロプリズムの抽出面に延設された微小凸部のレイアウトを示す図である。
【図9】図8に示したレイアウトと異なる例を示す図である。
【図10】図8に示したレイアウトとさらに異なる例を示す図である。
【図11】図8に示したレイアウトとさらに異なる例を示す図である。
【図12】さらに、異なる微小凸部のレイアウトを示す図である。
【図13】図3に示す光スイッチング素子の製造プロセスを示す図であり、半導体基板の上にアクチュエータが形成され、さらに、光学素子が樹脂により型成形された状態を示す図である。
【図14】図3に示す光スイッチング素子の製造プロセスを示す図であり、光学素子の表面にレーザ照射により微小凸部を形成する様子を示す図である。
【図15】図3に示す光スイッチング素子の製造プロセスを示す図であり、樹脂層を分離し、犠牲層を除去した状態を示す図である。
【図16】本発明の異なる例を示す図であり、光ガイドの側に微小凸部が設けられている光スイッチングユニットの概要を示す図であり、オン状態を示す図である。
【図17】図16に示す光スイッチングユニットのオフ状態を示す図である。
【符号の説明】
1 光ガイド
1a 全反射面
2 入射光
3 光学素子
3a 抽出面
4 マイクロプリズム
5 V型のサポート構造
6 アクチュエータ部
7 上電極およびばね構造
8 下電極
9 アンカー
10 光スイッチング素子
11 ポスト(支柱)
20 半導体基板
46 反射膜
70、71 微小凸部
70a、71a 微小凸部の中心

Claims (33)

  1. 入射光を全反射して伝達可能な全反射面を備えた光ガイドと、この全反射面に接近した第1の位置および前記全反射面から離れる第2の位置に駆動されるマイクロ光学素子であって、前記第1の位置では前記全反射面に当該マイクロ光学素子の抽出面が近接し前記光ガイドから光を抽出可能であり、前記第2の位置では前記全反射面から前記抽出面が離れて光を抽出しないマイクロ光学素子とを有する光スイッチングユニットであって、
    前記全反射面および前記抽出面の少なくとも一方に、前記光ガイドまたは前記マイクロ光学素子の少なくとも一部を延設した微小凸部が隣接するマイクロ光学素子との間に跨って形成され、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列されており、前記微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成されていることを特徴とする光スイッチングユニット。
  2. 請求項1において、前記微小凸部はドーム型であることを特徴とする光スイッチングユニット。
  3. 請求項1において、前記微小凸部の高さは、1ないし50nmの範囲にあることを特徴とする光スイッチングユニット。
  4. 請求項1において、前記微小凸部の高さは、1ないし30nmの範囲にあることを特徴とする光スイッチングユニット。
  5. 請求項1において、前記微小凸部の高さは、1ないし20nmの範囲にあることを特徴とする光スイッチングユニット。
  6. 請求項1において、前記微小凸部はレーザ照射により形成されたものであることを特徴とする光スイッチングユニット。
  7. 請求項1において、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列されており、前記微小凸部は該マイクロ光学素子のピッチと同じあるいは2倍のピッチで形成されている光スイッチングユニット。
  8. 請求項1において、さらに、前記マイクロ光学素子を駆動するマイクロアクチュエータを有し、前記マイクロ光学素子およびマイクロアクチュエータが基板上に積み重ねられていることを特徴とする光スイッチングユニット。
  9. 請求項8において、前記マイクロアクチュエータは、静電アクチュエータである光スイッチングユニット。
  10. 請求項1に記載の光スイッチングユニットと、前記光ガイドに対し画像を形成するための光を入出力する手段とを有する映像表示装置。
  11. 入射光を全反射して伝達可能な光ガイドの全反射面に接近した第1の位置および前記全反射面から離れる第2の位置に駆動されるマイクロ光学素子であって、前記第1の位置では前記全反射面に当該マイクロ光学素子の抽出面が近接し、前記光ガイドから光を抽出可能であり、前記第2の位置では前記全反射面から前記抽出面が離れて光を抽出しないマイクロ光学素子を有する光スイッチングデバイスであって、
    前記抽出面に、前記マイクロ光学素子の少なくとも一部を延設した微小凸部が隣接するマイクロ光学素子との間に跨って形成され、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列されており、前記微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成されていることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  12. 請求項11において、前記微小凸部はドーム型であることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  13. 請求項11において、前記微小凸部の高さは、1ないし50nmの範囲にあることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  14. 請求項11において、前記微小凸部の高さは、1ないし30nmの範囲にあることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  15. 請求項11において、前記微小凸部の高さは、1ないし20nmの範囲にあることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  16. 請求項11において、前記微小凸部はレーザ照射により形成されたものであることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  17. 請求項11において、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列されており、前記微小凸部は該マイクロ光学素子のピッチと同じあるいは2倍のピッチで形成されている光スイッチングデバイス。
  18. 請求項11において、さらに、前記マイクロ光学素子を駆動するマイクロアクチュエータを有し、前記マイクロ光学素子およびマイクロアクチュエータが基板上に積み重ねられていることを特徴とする光スイッチングデバイス。
  19. 請求項18において、前記マイクロアクチュエータは、静電アクチュエータである光スイッチングデバイス。
  20. 入射光を全反射して伝達可能な全反射面を有し、抽出面を備えたマイクロ光学素子が前記全反射面に接近した第1の位置および前記全反射面から離れる第2の位置に駆動され、前記第1の位置では前記全反射面に当該マイクロ光学素子の抽出面が近接し、前記光ガイドから光を抽出可能であり、前記第2の位置では前記全反射面から前記抽出面が離れて光が抽出されない光ガイドであって、
    前記全反射面に、前記光ガイドの少なくとも一部を延設した微小凸部が隣接するマイクロ光学素子との間に跨って形成され、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列され、前記微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成されていることを特徴とする光ガイド。
  21. 請求項20において、前記微小凸部はドーム型であることを特徴とする光ガイド。
  22. 請求項20において、前記微小凸部の高さは、1ないし50nmの範囲にあることを特徴とする光ガイド。
  23. 請求項20において、前記微小凸部の高さは、1ないし30nmの範囲にあることを特徴とする光ガイド。
  24. 請求項20において、前記微小凸部の高さは、1ないし20nmの範囲にあることを特徴とする光ガイド。
  25. 請求項20において、前記微小凸部はレーザ照射により形成されたものであることを特徴とする光ガイド。
  26. 請求項20において、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列され、前記微小凸部は該マイクロ光学素子のピッチと同じあるいは2倍のピッチで形成されている光ガイド。
  27. 入射光を全反射して伝達可能な全反射面を備えた光ガイドと、この全反射面に接近した第1の位置および前記全反射面から離れる第2の位置に駆動されるマイクロ光学素子であって、前記第1の位置では前記全反射面に当該マイクロ光学素子の抽出面が近接し、前記光ガイドから光を抽出可能であり、前記第2の位置では前記全反射面から前記抽出面が離れて光を抽出しないマイクロ光学素子とを有する光スイッチングユニットの製造方法であって、
    前記全反射面および前記抽出面の少なくとも一方に、前記光ガイドまたは前記マイクロ光学素子の少なくとも一部を延設した微小凸部を隣接するマイクロ光学素子との間に跨って形成し、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列され、前記微小凸部の中心が該マイクロ光学素子の四角あるいは辺の中心に一致するように形成する工程を有することを特徴とする光スイッチングユニットの製造方法。
  28. 請求項27において、前記微小凸部を成形する工程では、前記全反射面または前記抽出面のいずれかにレーザ照射して微小凸部を形成する工程を有する光スイッチングユニットの製造方法。
  29. 請求項27において、前記微小凸部を成形する工程では、ドーム型の前記微小凸部を形成することを特徴とする光スイッチングユニットの製造方法。
  30. 請求項27において、前記微小凸部を成形する工程では、高さが1ないし50nmの範囲の前記微小凸部を形成することを特徴とする光スイッチングユニットの製造方法。
  31. 請求項27において、前記微小凸部を成形する工程では、高さが1ないし30nmの範囲の前記微小凸部を形成することを特徴とする光スイッチングユニットの製造方法。
  32. 請求項27において、前記微小凸部を成形する工程では、高さが1ないし20nmの範囲の前記微小凸部を形成することを特徴とする光スイッチングユニットの製造方法。
  33. 請求項27において、複数の前記マイクロ光学素子が所定のピッチで配列されており、
    前記微小凸部を成形する工程では、前記微小凸部を該マイクロ光学素子のピッチと同じあるいは2倍のピッチで形成することを特徴とする光スイッチングユニットの製造方法。
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