JP3707988B2 - 表示装置及び表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置及び表示方法に係り、特には非発光素子を用いた表示装置及び表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マトリクス状に配列された画素を有する表示装置としては、液晶表示装置(以下、LCDという)が広く用いられている。LCDは、小型化や薄型化が可能であり、光学系を工夫することにより大画面を実現することができるといった利点を有している。そのため、LCDに関する研究開発は活発に行われている。
【0003】
LCDは、電圧印加に伴って生ずる液晶材料の光学的特性の変化を利用して表示を行うものである。例えば、典型的なLCDは、それぞれの対向面に電極を有し且つ配向処理を施した一対の基板間に液晶層を挟持し、これら基板の外面に偏光板をそれぞれ貼り付けた構造を有している。
【0004】
このようなLCDでは、光源からの光のうち特定の偏光方向の光成分のみを液晶層に入射させ、液晶層に印加する電圧に応じて液晶層から出射する光の偏光方向を変化させることにより、透過光の光量変化を生じさせている。そのため、上記LCDにおける光の利用効率は最大でも50%に過ぎず、現実的には10%にも満たない。したがって、このようなLCDは高輝度の光源を必要とし、LCD全体の消費電力に光源の消費電力が占める割合は高い。さらに、LCDでは、暗色表示時に漏れる光の影響が大きいため、高コントラストを実現することが困難である。
【0005】
上述した消費電力に関する問題を解決する技術として、米国特許第4,822,145号は、光源と導光板との組み合わせを有する液晶表示装置を開示している。この液晶表示装置は、導光板の一方の面に接するように液晶層が設けられた構造を有している。この表示装置によると、暗色表示時には、光源からの光は全反射を利用して導光板の中に閉じ込められる。また、明色表示時には、液晶分子の配向状態を変化させることにより、導光板の中に閉じ込められた光は液晶層中に入射し、それにより表示光として外部に出力される。この表示装置によれば、光源の消費電力を低減することは可能である。しかしながら、この表示装置は、画素のONとOFFとの切り替えに液晶を利用しているので、高コントラストを実現することができない。また、この表示装置では導光板を用いているため、液晶層に入射する光は指向性を有していない。すなわち、この表示装置から出力される光は指向性を有していない拡散光である。そのため、この表示装置を、散乱面が液晶パネルから離れて配置される投射型の表示装置として利用することは困難である。
【0006】
特開平11−73142号は、液晶を用いる代わりに、アクチュエータを用いて導光板の一方の面に対して透明体を接離移動させることにより光を取り出す表示装置を開示している。この表示装置によると、暗色表示時には、透明体を導光板の一方の面から離間させることにより、光源からの光は全反射を利用して導光板の中に閉じ込められる。また、明色表示時には、透明体を導光板の一方の面に接触させることにより、導光板の中に閉じ込められた光は、導光板の透明体とは裏面側から表示光として外部に出力される。この表示装置は液晶を用いていないため、より高いコントラストを実現することができる。しかしながら、この表示装置も同様に導光板を用いているため、出力される光は指向性を有していない拡散光である。したがって、この装置も投射型の表示装置として利用することは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の表示装置は、光の利用効率が低い、高コントラストを実現することができない、及び投射型の表示装置として利用することができない等の様々な問題を有している。
【0008】
本発明の目的は、高い光の利用効率を有する新規な表示装置及び表示方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、高コントラストを実現し得る新規な表示装置及び表示方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、投射型の表示が可能な新規な表示装置及び表示方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高い光の利用効率を有し、高コントラストを実現し得て、投射型の表示が可能な新規な表示装置及び表示方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によると、光透過性部材と、前記光透過性部材に光を照射する光源と、前記光源から前記光透過性部材に入射した光の前記光透過性部材と前記光透過性部材に隣接する外部領域との界面における挙動を全反射と透過との間で切り替える制御機構とを具備し、前記光源から前記光透過性部材に照射された光の少なくとも一部は前記光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、前記光成分が表示に利用されることを特徴とする表示装置が提供される。
【0010】
本発明の第2の側面によると、光透過性部材と、前記光透過性部材に光を照射する光源と、前記光透過性部材上に配列され、それぞれ、前記光源から前記光透過性部材に入射した光の前記光透過性部材と前記光透過性部材に隣接する外部領域との界面における挙動を全反射と透過との間で切り替える複数の制御機構とを具備し、前記光源から前記光透過性部材に照射された光の少なくとも一部は前記光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、前記光成分が表示に利用されることを特徴とする表示装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の側面によると、光透過性部材と、光透過性材料と、前記光透過性部材に光を照射する光源と、前記光の光路上で前記光透過性材料の前記光透過性部材との接触状態を変化させる制御機構とを具備し、前記光源から前記光透過性部材に照射された光の少なくとも一部は前記光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、前記光成分が表示に利用されることを特徴とする表示装置が提供される。
【0012】
本発明の第4の側面によると、光透過性部材と、光透過性材料と、前記光透過性部材に光を照射する光源と、前記光透過性部材上に配列され、それぞれ、前記光の光路上で前記光透過性材料の前記光透過性部材との接触状態を変化させる複数の制御機構とを具備し、前記光源から前記光透過性部材に照射された光の少なくとも一部は前記光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、前記光成分が表示に利用されることを特徴とする表示装置が提供される。
【0013】
本発明の第5の側面によると、平板状の光透過性部材と、前記光透過性部材の一方の主面側に配置され前記一方の主面に光を照射する光源と、前記光透過性部材の他方の主面に接離可能に設けられた透明体と、前記光透過性部材の他方の主面に対する前記透明体の状態を密着状態と離間状態との間で変化させる移動機構とを具備することを特徴とする表示装置が提供される。
【0014】
本発明の第6の側面によると、平板状の光透過性部材と、前記光透過性部材の一方の主面側に配置され前記一方の主面に光を照射する光源と、前記光透過性部材の他方の主面に接離可能に設けられた複数の透明体と、前記光透過性部材の他方の主面に対する前記複数の透明体の状態をそれぞれ密着状態と離間状態との間で変化させる複数の移動機構とを具備することを特徴とする表示装置が提供される。
【0015】
本発明の第7の側面によると、光透過性部材と、前記光透過性部材に光を照射する光源と、前記光透過性部材上に液体を供給する供給機構と、前記光透過性部材上に供給された液体を除去する除去機構とを具備することを特徴とする表示装置が提供される。
【0016】
本発明の第8の側面によると、光透過性部材と、前記光透過性部材に光を照射する光源と、前記光透過性部材上に液体を供給する複数の供給機構と、前記光透過性部材上に供給された液体を除去する複数の除去機構とを具備することを特徴とする表示装置が提供される。
【0017】
本発明の第9の側面によると、光源から光透過性部材に入射した光の前記光透過性部材と前記光透過性部材に隣接する外部領域との界面における挙動を全反射と透過との間で切り替える工程を具備し、前記界面を透過した光及び前記界面で全反射した光のいずれか一方は前記光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、前記光成分が表示に利用されることを特徴とする表示方法が提供される。
【0018】
本発明の第10の側面によると、光源から光透過性部材に光を照射しつつ、前記光の光路上で前記光透過性材料の光透過性部材との接触状態を変化させる工程を具備し、前記光源から前記光透過性部材に入射した光の少なくとも一部は前記光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、前記光成分が表示に利用されることを特徴とする表示方法が提供される。
【0019】
本発明の第11の側面によると、光源から平板状の光透過性部材の一方の主面に光を照射しつつ、前記光透過性部材の他方の主面に対して透明体を接離移動させる工程を具備し、前記光透過性部材から出力される光の前記透明体を移動させるのに伴って生ずる強度変化を利用して表示を行うことを特徴とする表示方法が提供される。
【0020】
本発明の第12の側面によると、光透過性部材に光を照射しつつ前記光透過性部材上に液体を供給する工程と、前記光透過性部材に光を照射しつつ前記光透過性部材上に供給された液体を除去する工程とを具備し、前記光透過性部材から出力される光の前記光透過性部材上への前記液体の供給及び除去に伴って生ずる強度変化を利用して表示を行うことを特徴とする表示方法が提供される。
【0021】
本発明においては、光透過性部材に入射した光のうち、その外部領域との界面を透過した光及びその界面で全反射した光のいずれか一方の強度変化を利用して表示が行われる。すなわち、本発明においては、透過と全反射との間の変化を利用して表示が行われる。
【0022】
この透過と全反射との間の変化は、光透過性部材から外部領域に入射する光の臨界角を変化させること、例えば、外部領域の屈折率を変化させることにより生じさせることができる。
【0023】
このように、本発明においては、透過と全反射との間の変化を利用して表示が行われるため、理想的には、暗色表示時に出力される光強度を0%とすること、或いは明色表示時に出力される光強度を100%とすることができる。これらはいずれも、光源に平行光を使用すること及び光散乱や光反射等を防止すること−光散乱や光反射等による光損失の低減は原理的に可能である−により達成される。したがって、本発明によると、光の利用効率の向上と低消費電力化とを実現することができ、さらに高コントラストの表示が可能となる。
【0024】
本発明において、光源から出力される光は指向性を有する光、理想的には平行光である。しかしながら、光源から出力される光は必ずしも平行光である必要はない。例えば、光源から出力される光が完全な平行光でない場合は、全反射条件を入射光の全ての光成分が全反射するのに十分な程度に制御すればよい。また、光源から出力される光が完全な平行光でない場合、必ずしも入射光の全ての光成分を全反射させなくともよい。すなわち、入射光の大部分の光成分を全反射させることができれば、全ての光成分を全反射させた場合ほどではないが、上述した効果を得ることができる。
【0025】
本発明において、光源から光透過性部材に照射された光の少なくとも一部は光透過性部材から指向性を有する光成分として出力され、この光成分が表示に利用される。したがって、本発明によると、散乱面を光透過性部材の近傍に配置してもよく、散乱面を光透過性部材から離れて配置してもよい。すなわち、本発明の表示装置は、平面ディスプレイ及び投射型ディスプレイのいずれとしても利用可能である。なお、光透過性部材から出力される光成分の指向性は、この表示装置を投射型ディスプレイとして用いることが可能な程度に高いことが好ましい。また、光透過性部材から出力される光成分は平行光であることがより好ましい。
【0026】
透過と全反射との間の変化は、例えば、光透過性部材の外部領域の屈折率を変化させることにより生じさせることができる。また、この光透過性部材の外部領域の屈折率変化は、光透過性部材と光透過性材料との接触状態を変化させることにより生じさせることができる。
【0027】
例えば、光透過性材料として透明体(固体)を用いた場合には、光透過性部材に対向して透明体を配置し、光源から光透過性部材に照射した光の光路上で、この透明体の光透過性部材に対する状態を移動機構を用いて密着状態と離間状態との間で変化させることにより、透過と全反射との間の変化を生じさせることができる。すなわち、離間状態において透明体と光透過性部材との間に光透過性部材よりも屈折率の低い材料−通常は空気等のガス或いは真空−を介在させ、透明体をこの材料よりも高い屈折率を有する材料で構成すれば、密着状態と離間状態との間の状態変化を用いて、透過と全反射との間の変化を生じさせることができる。
【0028】
この場合、透明体が弾性を有していれば、移動機構から透明体に加える力に応じて、透明体と光透過性部材との接触面積を変化させることができる。したがって、階調表示が可能となる。
【0029】
光透過性材料として液体を用いることもできる。この場合、供給機構と除去機構とを用いて、光透過性部材上に液体を供給及び除去することにより、透過と全反射との間の変化を生じさせることができる。例えば、上記外部領域が空気で占められている場合に全反射を生じさせ、それを液体(液体は、空気よりも高い屈折率を有している)で置換することにより透過状態とすることができる。なお、光透過性材料として液体を用いた場合、供給機構及び除去機構は制御機構を構成する。また、通常、供給機構及び除去機構は、光透過性部材上への液体の供給及び除去の双方が可能な制御機構を構成する。
【0030】
本発明においては、通常、複数の制御機構が用いられ、これら複数の制御機構は光透過性部材に対して配列される。なお、ここで使用される用語「配列」は、一次元的な配列及び二次元的な配列を包含する。この場合、複数の制御機構のそれぞれに対応して光源を設けてもよく、単一の光源を用いてもよい。
【0031】
本発明において、光透過性部材から出力された光は、通常、散乱面で散乱光とされる。この散乱面は、表示装置と一体化された透過型のスクリーン、表示装置とは別体の透過型スクリーン、或いは表示装置とは別体の反射型スクリーン等である。
【0032】
本発明の表示装置を投射型ディスプレイに適用する場合、散乱面は光透過性部材や透明体から離間して設ける必要がある。また、本発明の表示装置を平面ディスプレイのように非投射型ディスプレイに適用する場合、散乱面は光透過性部材や透明体から離間して設けてもよく、それらの表面に設けてもよい。但し、散乱面は、散乱面は光源からの光が光透過性部材に入射する入射面や光透過性部材と透明体との界面に設けることはできない。なお、光透過性部材と散乱面との間にレンズを配置してもよい。
【0033】
本発明において、光透過性部材の屈折率は通常は均一であるが、必ずしも均一である必要はない。すなわち、光透過性部材は、互いに屈折率の異なる第1の部分と第2の部分とで構成することができる。このような場合、第1の部分と第2の部分とでは全反射条件が異なるが、第1の部分に向けて照射する光と第2の部分に向けて照射する光とで照射方向を異ならしめるか、或いは第1の部分の形状と第2の部分の形状とを異ならしめればよい。
【0034】
本発明の表示装置において、光透過性部材の光源側の面には、光源からの光が光透過性部材への入射光率を向上させるように設計された凹凸を設けることが好ましい。また、本発明の表示装置において、光透過性部材の光源側の面には、光透過性部材の外部領域との界面で全反射した光が他の界面で再度全反射するのを防止するように設計された凹凸を設けることが好ましい。
【0035】
本発明の表示装置が複数の制御機構、複数の移動機構、或いは複数の供給及び除去機構を有する場合、画像情報に応じてそれぞれを独立に駆動する駆動回路を設けることが好ましい。特に、その駆動回路を設けた場合、表示装置は、画像情報を保持する複数の情報保持部を各機構に対応して有することが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、各図において同様の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
以下、本発明の第1〜第5の実施形態について図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、各図において、共通する部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。まず、第1〜第5の実施形態に共通する事項について説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置の一例を概略的に示す側面図である。図1に示す表示装置1は、平板状の透明基体2と、複数の光源3と、制御機構である制御部4と、散乱面である透過型のスクリーン5とを有している。なお、ここでは、透明基体2が光透過性部材に相当するものとする。また、図1において制御部4は簡略化されて描かれており、その詳細な構造は各実施形態毎に後で説明する。
【0039】
この表示装置1によると、光源3から出力された光25は透明基体2に斜め入射し、透明基体2のスクリーン5側の面に至る。制御部4は、入射光25を、明色表示時にはスクリーン5へ向けて透過させ、暗色表示時には透明基体2のスクリーン5側の面において全反射させる。その結果、すりガラスやトレーシングペーパ等からなるスクリーン5上に画像が表示される。
【0040】
図1に示す表示装置1では全反射時に暗色表示が行われるが、全反射時に明色表示を行うことも可能である。これについては、図2を参照しながら説明する。
【0041】
図2は、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置の他の例を概略的に示す側面図である。図2に示す表示装置1は、透明基体2と、複数の光源3と、複数の制御部4と、散乱面であるスクリーン5とを有している。なお、図2においても、透明基体2が光透過性部材に相当するものとし、制御部4は簡略化されて描かれている。
【0042】
図2に示す表示装置1においては、図1に示す表示装置1とは異なり、スクリーン5は制御部4側には配置されておらず、全反射した光25を散乱するように配置されている。また、透明基体2も平板状ではなく三角柱状の形状を有している。表示装置1を図2に示すような構造とした場合、透明基体2のサイズは大きくなるが、図1に示す構造に比べて高いコントラストを実現することができる。
【0043】
図1及び図2に示す表示装置1において、透明基体2としては、ルビー及びサファイア等の光学ガラスや、ポリカーボネート及びスチレン等の光学樹脂を用いることができる。透明基体2には、例えば、KRS−5のように市販のものを用いることができる。
【0044】
また、上記表示装置1において、光源3としては、一般に光源として使用されるものを用いることができる。上記表示装置1に用いられる光源3について、図1,図2,及び図3(a)〜(c)を参照しながら説明する。なお、図3(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置1において用いられる光源3を概略的に示す側面図である。
【0045】
光源3としては、例えば、発光ダイオードや半導体レーザを使用することができる。この場合、図1及び図2に示すように、これらは、発光ダイオードアレイ或いは半導体レーザアレイとして用いることができる。また、図3(a)に示すように、光源3として面発光レーザを使用してもよい。光源3としてレーザを用いた場合、平行光を出力することができるので、例えば暗色表示時における不所望な光透過を防止することができる。また、この場合、光源3からの光を平行光とするための装置を別途設ける必要がないので、装置を薄型化することが可能である。
【0046】
また、光源3としてハロゲンランプや蛍光灯のように拡散光を生ずるものも使用することもできる。例えば、光源3としてハロゲンランプ等を使用する場合、光透過性部材2に入射する光を平行光に近づけるため及び光の利用効率を高めるために、図3(b)に示すような凹状の放物面鏡11を用いることができる。また、光源3として蛍光灯等を使用する場合、図3(c)に示すように導光板12を用いて透明基体2の全面に光を照射することができる。この場合、導光板12から照射される光は平行光ではないので、導光板12と透明基体2との間にスリット13を介在させて平行光とすることができる。図3(c)に示すような構造の表示装置1においては、光量のムラが少ないという特徴がある。
【0047】
透明基体2の光源3側の面と制御部4側の面とは、平行ではないことが好ましい。このような場合、制御部4側の面で全反射した光が光源3側の面で全反射されて再び制御部4側の面に至るのを防止することができる。
【0048】
図4(a)及び(b)は、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置1に用いられる透明基体2を拡大して示す側面図である。図4(a)に示す透明基体2において、その光源3側の面は単一の平面で構成されている。また、図4(b)に示す透明基体2において、その光源3側の面は複数の平面で構成されている。
【0049】
図4(a)に示す透明基体2において、その光源3側の面は、制御部4側の面で全反射した光25を全反射するように設計されている。光源3側の面で全反射した光は図の上方向に進み、図示しない端面に至る。この図示しない端面は、光源3側の面で全反射した光が例えば0°の入射角で入射するように形成されており、したがって、この端面に到達した光は全反射することなく外部に出射される。
【0050】
一方、図4(b)に示す透明基体2において、その光源3側の面は、制御部4側の面で全反射した光を全反射しないように設計されており、光源3側の面に到達した光の多くは透過する。したがって、図4(a)及び(b)に示す透明基体2を用いた場合、全反射を生じさせる際に透明基体2の制御部4側の面から光が出射するのを抑制することができる。
【0051】
なお、図4(a)に示す透明基体2は、その光源3側の面は単一の平面で構成されているので比較的容易に形成することができる。また、図4(b)に示す透明基体2は、薄く形成することが可能であるため装置の薄型化に有効である。
【0052】
透明基体2は、ガラスで構成する場合には、ガラス研磨技術、ガラスエッチング技術、及び切断技術等を用いて形成することができる。また、図4(a)及び(b)に示す透明基体2は、透明樹脂で構成する場合には、鋳造成形技術、圧縮成形技術、及び射出成形技術等を用いて形成することができる。
【0053】
透明基体2の屈折率は、表示装置1の構造に影響を与える。例えば、透明基体2が光透過性部材として用いられる場合には、透明基体2の屈折率に応じて臨界角が決定され、この臨界角を基準として光源3の光軸の方向が設定される。ここで、臨界角について図5を参照しながら説明する。
【0054】
図5は、光の屈折の法則を説明するための概略図である。図5に示すように、屈折率がn1である媒質Iから屈折率がn2である媒質IIに、入射角θiで入射光Siを入射させた場合、透過光Stの屈折角θtは下記等式で表される。
【0055】
【数1】
【0056】
臨界角θcは屈折角θtがπ/2の場合の入射角θiであり、入射光Siの入射角θiが臨界角θcよりも大きな場合に全反射が生じる。臨界角θcは下記等式で表される。
【0057】
【数2】
【0058】
透明基体2に用いる材料は、光透過性を有するものであれば特に制限はない。例えば、透明基体2に眼鏡レンズに用いられるガラスやプラスチックを用いることができる。なお、眼鏡レンズに用いるガラスの屈折率は約1.53〜1.81であり、プラスチックの屈折率は約1.49〜1.65である。また、透明基体2と空気との界面についての臨界角は、透明基体2を上記ガラスで構成した場合には約33.5〜40.1°であり、透明基体2を上記プラスチックで構成した場合には約37.3〜42.2°である。
【0059】
上述した表示装置1でカラー表示を行うには、例えば、光源3として、赤色、青色、及び緑色の発光ダイオード列や半導体レーザ列を用い、各色に対応して制御部4をそれぞれ駆動すればよい。また、光源3として白色の発光ダイオード列を用い、制御部4やスクリーン5等の表面にカラーフィルタを設けてもよい。これら方法では、1つの画素を構成するのに少なくとも3つの表示素子が必要である。
【0060】
さらに、光源3と透明基体2との間に三原色の色領域を有するカラーフィルタを配置し、光源3から出力される光の光軸上に位置する色領域を経時的に変化させてもよい。この場合、1つの表示素子で1つの画素を構成することができる。
【0061】
また、図6に示す構造を採用してカラー表示を行うこともできる。なお、図6は、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置1のさらに他の例を概略的に示す図である。
【0062】
図6に示す表示装置1は、透明材料からなる柱状体6の周囲に、制御部4を有する透明基体2、光源3-1〜3-3、赤色・青色・青緑色のフィルタ7-1〜7-3、シャッタ8-1〜8-3、及び凹状の放物面鏡11-1〜11-3が配置された構造を有している。なお、図6において、スクリーン5は省略されている。
【0063】
柱状体6は、三角形状の断面を有する柱状体と四角形状の断面を有する柱状体とを組み合せて構成されており、それらの側面はいずれも鏡面研磨されている。透明基体2は、柱状体6の一側面に接するように配置されている。また、透明基体2の柱状体6の裏面には制御部4が形成されている。
【0064】
図6に示す表示装置1によると、シャッタ8-1〜8-3の開閉を適宜切り替えることにより、所望の色を表示させることが可能である。すなわち、光源3-1〜3-3から出力される光のいずれか1つ、或いは光源3-1〜3-3から出力される光の2つ、或いは光源3-1〜3-3から出力される光の全てを表示に利用することができる。なお、この場合も、1つの表示素子で1つの画素を構成することができる。
【0065】
以上説明した第1〜第5の実施形態に係る表示装置1は、透明基体2から指向性を有する光を出力し、その光を透過型のスクリーン5で散乱させることにより表示を行うものである。スクリーン5は、表示装置1の一部を構成するものであってもよく、室内の壁面のように表示装置1とは別体であってもよい。また、第1〜第5の実施形態に係る表示装置1は、図7及び図8に示す構造を有することもできる。
【0066】
図7は、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置1のさらに他の例を概略的に示す図である。図7に示す表示装置1は、透明基体2と、複数の光源3と、制御部4と、スクリーン5とを有している。
【0067】
図7に示す表示装置1は、図1に示すのとは異なり、複数の光源3から出力される光の光軸は互いに平行ではない。また、透明基体2の屈折率は、複数の光源3から出力される光の光路毎に異なっている。このように、屈折率が場所によって異なる透明基体2を用いた場合、複数の光源3から出力される光をスクリーン5上に収束させることにより縮小表示を行うことや、拡大表示を行うことができる。なお、屈折率が場所によって異なる透明基体2は、屈折率の異なる複数の透明体を一体化させる方法などにより得ることができる。
【0068】
縮小表示や拡大表示は、他の方法で行うこともできる。
【0069】
図8は、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置1のさらに他の例を概略的に示す図である。図8に示す表示装置1は、透明基体2と、複数の光源3と、制御部4と、光学レンズ50と、スクリーン5とを有している。図8に示す表示装置1では、図7に示すのとは異なり、屈折率の均一な透明基体2を用いて縮小表示や拡大表示を行うことができる。
【0070】
以上、透明基体2を光透過性部材として用いた場合について説明したが、透明基体2のみが光透過性部材として用いられる訳ではない。例えば、透明基体2上に透明電極のような透明薄膜等を形成した場合には、この透明薄膜が光透過性部材として機能する。以下に詳述する各実施形態のうち、第1〜第3及び第5の実施形態においては、主に透明電極が光透過性部材として用いられる。
【0071】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1の制御部4を概略的に示す斜視図である。図9に示す制御部4は、透明基体である透明基板2上に形成された透明電極15、透明基板2と対向するように及び所定の間隙を隔て配置された板状の透明体17、透明基板2上に形成され透明体17の一端を支持する梁18、透明体17の透明基板2側の裏面に形成された透明電極16、及び透明電極16上に形成された全反射防止部材19を有している。なお、透明電極15、梁18、及び透明電極16は、移動機構を構成している。また、透明基板2上には配線20,21が形成されており、これらは透明電極15,16にそれぞれ接続されている。図9に示す制御部4の動作について、図10(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0072】
図10(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す側面図である。図10(a)は、透明電極15,16に電圧を印加していない状態を示しており、板状の透明体17と透明電極15とは離間されている。この場合、板状の透明体17と透明電極15との間には空気等が介在するので、入射光25は透明体17側に出射することなく全反射される。
【0073】
透明電極15,16間に電圧を印加すると、図10(b)に示すように静電引力により透明体17は変形し、部分的に透明電極15に接触する。これにより、入射光25の一部が透明体17側に出射する。
【0074】
透明電極15,16間に印加する電圧をさらに高めると、図10(c)に示すように透明体17はより大きく変形し、透明電極15との接触面積が増加する。その結果、入射光25の殆ど全てが全反射することなく透明体17側に出射する。なお、全反射防止部材19は、透明基板2から透明体17に入射した光25が、透明体17の上面等で全反射されて透明基板2内に再度入射するのを防止するものである。通常、全反射防止部材19は、図9及び図10(a)〜(c)等に示すような三角柱状の形状を有しており、その長軸が透明基板2と平行になるように及び光25の光軸と垂直となるように配置される。
【0075】
以上説明したように、図9及び図10(a)〜(c)に示す制御部4を用いた場合、透明電極15,16間に印加する電圧を調節することにより、透過光量を制御すること、すなわち階調表示を行うことができる。
【0076】
また、図9及び図10(a)〜(c)に示す制御部4において、電圧非印加時における透明体17と透明電極15との間隔は、これらが離間される程度で十分である。したがって、僅かな電圧で制御部4を駆動することができる。
【0077】
さらに、図9及び図10(a)〜(c)に示す制御部4において、透明体17は、電圧非印加時には透明基板2の対向面に対して平行である。そのため、透明体17を大きなサイズとした場合にも、透明体17と透明電極15との間隔を広くする必要がない。すなわち、透明体17のサイズが小さい場合と同様の機構で透明体17を変形させることができる。したがって、表示装置1を大画面化することが可能である。
【0078】
上述した図9及び図10(a)〜(c)に示す制御部4において、透明体17は片持ち梁18により透明基板2に支持されている。このような構造を採用した場合、透明体17に対する片持ち梁18の位置と光25の入射方向との関係に、特に制限はない。すなわち、表示装置1は、図11(a)〜(d)に示すように様々な構造を有することができる。
【0079】
図11(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す平面図及び側面図である。なお、図11(a)〜(d)において、平面図は上方に描かれており側面図は下方に描かれている。また、図11(a)〜(d)において光源3等は省略されており、全反射防止部材19は側面図にのみ描かれている。
【0080】
図11(a)に示す表示装置1は、図9及び図10(a)〜(c)に示したのと同様の構造を示している。また、図11(b)においては、図11(a)に示すのとは逆の位置に梁18が設けられている。
【0081】
図11(c)においては、平面図で見た場合に、光25の進行方向に平行に梁18が設けられている。図11(c)に示すように梁18を設けた場合、電圧印加時に透明基板2から透明体17に入射する光の光路長は一定に保たれる。そのため、透明体17から出射する光の光量が梁18の近傍と梁18から離れた位置とで不均一となることがない。
【0082】
図11(d)においては、平面図で見た場合に、光25の進行方向に対して斜めに梁18が設けられている。この場合、図11(d)の平面図に示すように、通常、全反射防止部材19は梁18に対して平行には配置されず、光25の光軸に対して垂直に配置される。
【0083】
上述した図9,図10(a)〜(c),及び図11(a)〜11(d)に示す表示装置1は、TFTのような能動素子を用いて駆動させることができる。上記表示装置1の駆動方法について、図12を参照しながら説明する。
【0084】
図12は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1を駆動するための駆動回路の一例を概略的に示す図である。図12に示す駆動回路30は、信号制御部31、電源部32、走査線駆動回路33、及び信号線駆動回路34で主に構成されている。
【0085】
走査線駆動回路33は、1フレームに一度、各走査線35に電圧を印加する。また、信号線駆動回路34は、走査線35に走査電圧を印加したときに、信号線36から、その走査線35に接続されたメモリセル101を介して透明電極15,16間に影像情報に対応した電圧を印加するための回路である。この信号線駆動回路34は、アナログ駆動回路であってもよく、デジタル駆動回路であってもよい。
【0086】
図13(a)〜(c)は、図12に示す駆動回路30のメモリセル101の例を概略的に示す図である。
【0087】
図13(a)に示すメモリセル101は、保持容量51及びトランジスタ54で主に構成されている。メモリセル101がこのような構造を有する場合、保持容量51の電荷がリーク電流などにより消滅するので、一定時間毎に画像データに応じてリフレッシュ電圧を印加する必要がある。
【0088】
図13(b)に示すメモリセル101は、保持容量51及びダイオード52で主に構成されている。表示装置1の製造に半導体プロセスを用いる場合、図13(b)に示すメモリセル101は、図13(a)に示すメモリセル101に比べて構造が簡略化されている。したがって、製造プロセスを簡略化することができ、コストをより低減することが可能である。なお、図13(b)に示すメモリセル101を有する駆動回路30においても同様に、保持容量51の電荷がリーク電流などにより消滅するので、一定時間毎に画像データに応じてリフレッシュ電圧を印加する必要がある。
【0089】
図13(c)に示すメモリセル101は、保持容量51及び双安定回路55で主に構成されている。図13(a)及び(b)に示すメモリセル101とは異なり、図13(c)に示す構造のメモリセル101を用いた場合、リーク電流が発生することはないため、リフレッシュ電圧を印加する必要はない。
【0090】
図14は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1を駆動するための駆動回路30の他の例を概略的に示す図である。なお、図14においては、駆動回路30の一部が拡大して描かれている。図14に示す駆動回路30は、図12に示す駆動回路30とは異なり、photo−MOSリレー回路56を有している。このような駆動回路30を用いた場合、表示装置1の制御部4により高い電圧を印加することができる。半導体プロセスを用いて表示装置1を製造する場合、表示装置1間やメモリセル101間に特性のばらつきを生ずることがある。そのため、制御部4の動作特性にばらつきを生ずるおそれがあるが、図14に示すようにphoto−MOSリレー回路56を設けた場合、メモリセル101間の特性のばらつきによる影響をphoto−MOSリレー回路56によって低減することができる。したがって、図14に示す構造を採用した場合、製造歩留まりを向上させることができる。
【0091】
上述した表示装置1を一次元的或いは二次元的に配列し、且つこのような能動素子を用いてそれぞれの表示装置を駆動することにより、動画等を表示することが可能となる。
【0092】
以上説明した第1の実施形態に係る表示装置1は、例えば、以下に示す方法により作製することができる。図15(a)〜(l)を参照しながら説明する。
【0093】
図15(a)〜(l)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る表示装置1の製造方法を概略的に示す断面図である。表示装置1を作製するに当たり、まず、図15(a)に示す透明基板2を準備する。なお、透明基板2の一方の主面には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いてアルミニウム等からなる配線20,21等を形成し、さらにTFT等も形成しておく。
【0094】
次に、図15(b)に示すように、透明基板2の一方の主面に、スパッタリング法やCVD法を用いてITO等の透明導電材料からなる透明電極15を形成する。その後、図15(c)に示すように、透明基板2の透明電極15を形成した面にレジスト膜40を形成し、さらに、このレジスト膜40をリソグラフィー技術を用いてパターニングする。
【0095】
レジスト膜40上には、図15(d)に示すように、低温プラズマCVD法を用いてシリコン酸化膜41を形成する。図15(e)に示すように、このシリコン酸化膜41を、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングして透明体17と梁18とを形成した後、図15(f)に示すように、スパッタリング法やCVD法を用いて、透明体17上にITO等の透明導電材料からなる透明電極16を形成する。
【0096】
次に、図15(g)に示すように、透明電極16上に低温ポリシリコン成膜技術を用いてシリコン膜42を形成し、このシリコン膜42を、リソグラフィー技術とRIE法とを用いて図15(h)に示すように薄板状に加工する。さらに、図15(i)に示すように、透明基板2の薄板状のシリコン膜42が形成された面に、感光性ポリイミドのような感光性の透明絶縁材料を用いて薄膜43を形成する。
【0097】
その後、この薄膜43に対して斜め方向(図15(i)では、左上の方向)から、例えば45°の角度で平行光を照射する。薄板状のシリコン膜42は光透過性を有していないので、薄膜43の一部は薄板状のシリコン膜42の陰に隠れて露光されずに残される。したがって、露光後の薄膜43を現像することにより、図15(j)に示す全反射防止部材19を得る。
【0098】
以上のようにして全反射防止部材19を形成した後、透明体17と透明電極15との間に介在するレジスト膜40を除去することにより、図15(k)に示す表示装置1を得る。
【0099】
なお、図15(l)に示すように、透明基板2の薄膜43が形成された面の裏面に、一方の面にエンボス加工などにより凹凸が形成された透明基板53を接着することが好ましい。このような透明基板53を設けることにより、光源3からの光が透明基板2への入射光率を向上させること並びに透明体17との界面で全反射した光が他の界面で再度全反射するのを防止することができる。この透明基板53としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることができる。また、透明基板53へのエンボス加工は、プレス技術を用いることにより実現可能である。
【0100】
以上説明した第1の実施形態においては、透明体17の移動に静電力を用いたが、磁力を用いることもできる。この場合、透明体17の表面にアルミニウム等からなるコイルを形成し、光透過性部材2の透明体17側の表面にはNiFe合金膜を形成する。コイルに電流を流すことにより、透明体17を光透過性部材2に密着させることができる。なお、この場合、表示装置1を駆動するための能動素子としては、例えば、図12に示す制御回路のキャパシタ部を上記コイルで置き換えたものを使用することができる。
【0101】
また、透明体17の移動に静電力や磁力を用いる代わりに、圧電素子やバイメタルを用いることも可能である。
【0102】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、透明体17を支持する梁18の形状が異なること以外は第1の実施形態と同様である。すなわち、第1の実施形態においては片持ち梁を採用したのに対し、第2の実施形態においては両持ち梁が採用され、それ以外の構成等は同様である。したがって、第2の実施形態については、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0103】
図16は、本発明の第2の実施形態に係る表示装置1の制御部4を概略的に示す斜視図である。図16に示す制御部4は、光透過性部材2上に形成された透明電極(図示せず)、光透過性部材2と対向するように及び所定の間隙を隔て配置された板状の透明体(図示せず)、光透過性部材2上に形成され透明体の周囲を支持する梁18、透明体の光透過性部材2側の裏面に形成された透明電極16、及び透明電極16上に形成された全反射防止部材19を有している。また、光透過性部材2上には配線20,21が形成されており、これらは上記2つの透明電極にそれぞれ接続されている。図16に示す制御部4の動作について、図17(a)及び(b)を参照しながら説明する。
【0104】
図17(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す側面図である。図17(a)は、透明電極間に電圧を印加していない状態を示しており、板状の透明体17と光透過性部材2上に形成された透明電極とは離間されている。この場合、この透明電極と板状の透明体17との間には空気等が介在するので、入射光25は透明体17側に出射することなく全反射される。
【0105】
透明電極間に電圧を印加すると、図17(b)に示すように静電引力により透明体17は変形し、光透過性部材2に形成された透明電極に接触する。その結果、入射光25の殆ど全てが全反射することなく透明体17側に出射する。
【0106】
図16並びに図17(a)及び(b)に示す制御部4によると、透明体17は光透過性部材2の主面に対して垂直方向に移動し、且つ片持ち梁を採用した場合とは異なり、透明体17及び光透過性部材2の対向面は常に平行に保たれる。そのため、第1の実施形態において説明した方法をこれに適用しても、中間階調を表示させることはできない。
【0107】
両持ち梁を採用した場合には、例えば、図12に示した駆動回路を用いることにより階調表示を行うことができる。すなわち、例えば約15〜40μ秒の走査時間内で、信号線駆動回路34によりパルス幅変調(PWM)することにより階調表示を実現することができる。なお、このときの信号線駆動周波数は数10MHz〜100MHzである。また、1つの画素をそれぞれ独立に駆動可能な複数の素子で構成すること、例えば1つの画素を16×16のマトリクス構造とすることにより、階調表示を実現することができる。
【0108】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、透明体17の形状が異なること以外は第2の実施形態と同様である。すなわち、第2の実施形態において透明体17は平板状であったのに対し、第3の実施形態において透明体17の光透過性部材2と対向する面には複数のテーパー状の突起部が設けられる。以下に説明する第3の実施形態においては、第2の実施形態との相違点についてのみ記載する。
【0109】
図18は、本発明の第3の実施形態に係る表示装置1の透明体17を概略的に示す斜視図である。図18に示す透明体17の光透過性部材2と対向する面には、複数のテーパー状の突起部が配列されている。この透明体17はシリコン樹脂やポリカーボネートのような弾性係数の小さな弾性体で構成されており、したがって、これら突起部は変形可能である。図18に示す透明体17を有する制御部4の動作について、図19(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0110】
図19(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す側面図である。図19(a)は、透明電極間に電圧を印加していない状態を示しており、透明体17と光透過性部材2上に形成された透明電極とは離間されている。この場合、この透明電極と透明体17との間には空気等が介在するので、入射光25は透明体17側に出射することなく全反射される。
【0111】
透明電極間に電圧を印加すると、図19(b)に示すように静電引力により透明体17の突起部は変形し、部分的に光透過性部材2上に形成された透明電極に接触する。これにより、入射光25の一部が透明体17側に出射する。
【0112】
透明電極間に印加する電圧をさらに高めると、図19(c)に示すように透明体17はより大きく変形し、光透過性部材2上に形成された透明電極との接触面積が増加する。その結果、入射光25の殆ど全てが全反射することなく透明体17側に出射する。
【0113】
このように、本発明の第3の実施形態に係る表示装置1によると、透明電極間に印加する電圧を調節することにより階調表示を行うことができる。
【0114】
上述した第1〜第3の実施形態に係る表示装置1によると、高い光の利用効率と高いコントラストとを実現することができる。例えば、透明基体2として屈折率が1.81の光学ガラスを使用した場合を考える。この透明基体2は、少なくとも1つの端面を有しており、この端面は鏡面研磨された単一の平面で構成されていることとする。
【0115】
この端面上には、ITOからなる透明電極15を均一な厚さで形成する。なお、この透明電極15は光透過性部材として用いられるが、透明電極15と外気との界面における光の挙動と光の透明基板2への入射角との関係を論ずるに当り、透明電極15が透明基体2上に均一な厚さで形成されていれば、透明電極15の屈折率は考慮する必要がない。すなわち、上記関係は、透明基板2と外気との界面における光の挙動と光の透明基板2への入射角との関係に等しい。したがって、以下の算出はこのような条件を仮定して行う。
【0116】
次に、上述した方法により屈折率が約1.45であるシリコン酸化物からなる透明体17を、透明基板2の透明電極15を形成した端面に対して接離移動可能に形成する。また、光源3としては発光ダイオードアレイを使用し、微小反射板を用いてその出力光に指向性を付与する。
【0117】
光源3から透明基板2に入射した光の上記端面に対する入射角が35°である場合、透明電極15が外気に露出されているとすると、透明電極15と外気との界面で全反射が生ずる。一方、透明電極15に透明体17を密着させると、透明基板2と外気との界面に関する臨界角は約52°となるため全反射は生じずに、入射光は透明体17へと透過する。なお、このような条件下において、透明電極15から透明体17へと透過する光の屈折角は45.7°である。
【0118】
また、以下に説明する透明体17を用いたこと以外は上述したのと同様の条件で光を照射した場合を考える。すなわち、透明体17を屈折率が1.49であるシリコン酸化物で構成する。また、透明体17の形状は、直角二等辺三角形状の断面を有する三角柱状とする。
【0119】
このような透明体17を透明基板2に密着させ、上述したのと同様の条件で光を照射した場合、透明基板2から透明体17へと透過する光の屈折角は44.1°である。このとき、透明体17の方位が適切に設定されていれば、透明体17に入射した光は、透明体17と大気との界面に0.9°(45°−44.1°)の角度で入射する。透明体17と大気との界面に関する臨界角は約43°であるので、透明体17に入射した光は、全反射を起こすことなく外部に出射される。
【0120】
上述した条件の下では、光源3から出力され透明基板2を透過する光の透過率は92%である。また、透明基板2と透明体17とにおいて光吸収が生じず、透明基板2と透明体17との界面及び透明体17と外気との界面において光散乱が発生せず、透明電極15,16の透過率が90%であるとする。このような場合、透明体17から出射される光の光源から出力された光に対する透過率は約73%と高い値となる。すなわち、第1〜第3の実施形態に係る表示装置1によると、高い光の利用効率を実現することができる。また、全反射時には透明体17からは光は出射されないので、第1〜第3の実施形態に係る表示装置1によると、高いコントラストを実現することができる。
【0121】
以上説明した第1〜第3の実施形態では、例えば図15(a)〜(l)に示すように半導体プロセスを用いて表示装置1を製造したが、画素のサイズをより大きくする場合には、以下の第4の実施形態で説明する構造を採用することが好ましい。すなわち、以下の第4の実施形態で説明する構造を採用することにより、大画面の表示装置1を実現することができる。
【0122】
図20は、本発明の第4の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す斜視図である。なお、図20において、透明基板2と透明基板105とは離間されているが、実際には、透明基板105は透明基板2上に設けた支持部材100によって支持される。また、図20において、光源3及びスクリーン5は省略されている。
【0123】
図20に示す表示装置1において、透明基板2の一方の主面には、複数の透明電極15が配列されている。透明基板2の透明電極15が設けられた面には、さらに、透明電極15に電圧を印加するための配線35及び36並びに画像データを保持するメモリセル101が設けられている。透明電極15上には図示しない絶縁膜及び支持部材100が順次設けられており、透明基板105は支持部材100によって支持されている。なお、透明基板105は導電性を有しており、複数の透明体17を有している。また、透明基板105は接地されている。
【0124】
図20に示す表示装置1は、基本的には、第1〜第3の実施形態で説明した表示装置1と同様の構造を有している。すなわち、図20に示す表示装置1によると、第1〜第3の実施形態で説明したのと同様の原理で表示を行うことができる。したがって、図12に示した駆動回路30などを用いることができる。
【0125】
図20に示す表示装置1は、図20に示す表示装置1を構成する殆どの部材が、シート或いはフィルムをラミネートし、それをレーザ加工機やカッタなどでパターニングすることにより形成可能である点で第1〜第3の実施形態で説明した表示装置1とは異なっている。すなわち、図20に示す表示装置1は、半導体プロセスを用いることなく製造することができる。
【0126】
このような構造を採用した場合、画素のサイズをより大きくすること、すなわち、大画面の表示装置1を実現することができる。例えば、本実施形態によると、厚さ100μmの透明基板105を用い、支持体100の高さを75μm、透明電極15及び透明体17のサイズをそれぞれ10mm×10mmとした表示装置1が得られる。なお、この場合、表示を行うには、透明電極15と透明体17との間に約25Vの電圧を印加すればよい。
【0127】
図20に示す表示装置1は、例えば、図21(a)〜(j)に示す方法により製造することができる。
【0128】
図21(a)〜(j)は、それぞれ、本発明の第4の実施形態に係る表示装置1の製造方法を概略的に示す断面図である。表示装置1を作製するに当たり、まず、図21(a)に示す透明基板2を準備する。透明基板2としては、例えば、PETフィルムのような透明樹脂製の基板を用いることができる。
【0129】
次に、図21(b)に示すように、透明基板2の一方の主面にエンボス加工などにより凹凸を形成する。このような凹凸を受けることにより、光源3からの光が透明基板2への入射光率を向上させること並びに透明体17との界面で全反射した光が他の界面で再度全反射するのを防止することができる。なお、透明基板2へのエンボス加工は、プレス技術を用いることにより実現可能である。
【0130】
その後、図21(c)に示すように、透明基板2の凹凸を形成した面の裏面に、導電性シート113及び絶縁シート110を順次接着する。次に、図21(d)に示すように、レーザ加工機やカッタなどを用いて、これら導電性シート113及び絶縁シート110を透明電極15並びに配線35及び36に対応して切断する。さらに、メモリセル101をボンディングするために、絶縁シート110の一部に穴をあけて導電性シート113の一部を露出させる。この導電性シート113の露出部上には、図21(e)に示すように、チップマウンタなどを用いてメモリセル101をボンディングする。
【0131】
次に、透明基板2の透明電極15等を形成した面にシートを接着し、レーザ加工機等を用いてそれをパターニングする。それにより、図21(f)に示す支持体100を得る。支持体100に用いるシートは、支持体100と透明電極15並びに配線35及び36とが絶縁シート113により絶縁されている場合には、導電性シート及び絶縁性シートのいずれであってもよい。しかしながら、支持体100と透明電極15並びに配線35及び36とが絶縁されていない場合には、支持体100は絶縁性シートを用いて形成することが好ましい。
【0132】
次に、図21(g)に示す導電性の透明基板105を準備する。図21(h)に示すように、透明基板105の一方の主面にエンボス加工などにより凹凸を形成する。このような凹凸を受けることにより、透明体17に入射した光が透明基板2に再度入射するのを防止することができる。
【0133】
その後、図21(i)に示すように、透明基板105の凹凸を形成した面の裏面と支持体100とを接着させる。さらに、図21(j)に示すように、透明基板105をレーザ加工機などを用いてパターニングして、複数の透明体17を形成する。以上のようにして、図20に示す表示装置1を得る。
【0134】
このように、本実施形態に係る表示装置1は、半導体プロセスを利用することなく製造可能であるため、より低いコストで製造することができる。また、本実施形態によると、大画面の表示装置1を容易に製造することができる。
【0135】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。上述した第1〜第4の実施形態においては、透明体17を用いることにより透過と全反射との間の変化を生じさせた。それに対し、第5の実施形態によると、透明体17の代わりに液体が用いられる。
【0136】
図22は、本発明の第5の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す側面図である。図22に示す表示装置1は、透明基板2と、光源3と、透明セル45と、透明セル45に一端を接続された配管(図示せず)と、この配管の他端に接続された容器(図示せず)と、上記配管に設けられたマイクロポンプ(図示せず)と、散乱面である透過型のスクリーン5とを有している。なお、透明セル45、配管、透明容器、及びマイクロポンプは供給・除去機構を構成し、この供給・除去機構は制御部4に相当する。また、透明容器は透明な液体を収容している。図22に示す制御部4の動作について、図23(a)及び(b)を参照しながら説明する。
【0137】
図23(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第5の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す側面図である。図23(a)は、透明セル45が空の状態を示している。この場合、透明基板2に隣接する透明セル45の内部空間は空気等で満たされているので、入射光25は透明セル45側に出射することなく全反射される。
【0138】
図23(b)に示すように、マイクロポンプ46を駆動して透明容器47内に収容された液体48を配管49を介して透明セル45に供給すると、透明基板2と透明セル45との界面における臨界角が変化する。その結果、入射光25の殆ど全てが全反射することなく液体48側に出射する。なお、透明セル45は、第1の実施形態において説明した全反射防止部材19と同様の外形を有している。したがって、透明セル45内に入射した光が透明セル45と外気との界面で全反射することはない。
【0139】
このように、第5の実施形態に係る表示装置1においては液体を移動させることにより透過と全反射との間の変化を生じさせている。マイクロポンプ46を駆動するのに必要なエネルギーは、第1〜第4の実施形態に係る表示装置1において用いた透明体17を移動させる或いは変形させるのに必要なエネルギーに比べて小さい。すなわち、第5の実施形態に係る表示装置1は、より少ない消費電力で駆動可能である。
【0140】
また、上述した第5の実施形態に係る表示装置1によると、高い光の利用効率と高いコントラストとを実現することができる。例えば、透明基板2として屈折率が1.81の光学ガラスを使用し、液体48として屈折率が1.33の水を用いた場合を考える。なお、この光学ガラスと空気とについての臨界角は33.5°である。また、この光学ガラスと水とについての臨界角は47.2°である。
【0141】
光源3から35°の入射角で入射した光は、透明セル45内が液体48で満たされていない場合には全反射する。一方、透明セル45内を液体48で満たした場合、透明基板2と液体48との界面での全反射は生じない。
【0142】
このとき、透明セル45が直角二等辺三角形状の断面を有する三角柱状の形状であるとすると、透明基板2から液体48に入射した光は、透明セル45と外気との界面に6.3°の入射角で入射する。したがって、液体48に入射した光は、全反射を生ずることなく外部に出射される。すなわち、第5の実施形態に係る表示装置1によると、高い光の利用効率と高いコントラストとを実現することができる。
【0143】
第5の実施形態に係る表示装置1においては、例えば、透明セル45に供給する液体48の量を調節することにより階調表示を行うことができる。すなわち、幾つかの透明セル45を連結し、これら透明セル45で1つの画素を構成する。また、連結された透明セル45のうちの1つのセルのみにマイクロポンプ46や配管49等を設ける。これら透明セル45がマイクロポンプ46側から段階的に液体48で満たされるようにすれば、液体48の供給量を制御することにより、階調表示が可能となる。
【0144】
また、透明セル45のそれぞれにマイクロポンプ46や配管49等を設けても階調表示を行うことができる。透明セル45内を液体48で完全に満たしていない場合、透明セル45内には液体48と空気との界面が形成される。この界面で全反射を生じさせることができれば、透明基板2から液体48に入射した光の一部のみを外部に出射させることができる。すなわち、階調表示が可能となる。
【0145】
図22並びに図23(a)及び(b)に示す表示装置1のマイクロポンプ46は、例えば、特開平10−274164号公報や特開平10−299659号公報等において開示されているマイクロマシン技術を用いて形成することができる(これら文献はここに参照により含められる)。また、透明セル45、透明容器47、及び配管49は、ガラス等の透明材料を用い、液晶セルの形成に使用されるのと同様のプロセスを使用して形成することができる。
【0146】
上述したように、本発明の第1〜第5の実施形態によると、全反射と透過との間の変化を利用して表示が行われるため、偏光板は不要である。すなわち、高い光の利用効率を実現することができる。
【0147】
また、第1〜第5の実施形態に係る表示装置1においては、高い光の利用効率を実現することができるので、その光源は、LCDにおいて要求されるほどの高輝度のものである必要はない。したがって、第1〜第5の実施形態に係る表示装置1によると、比較的低い消費電力で表示を行うことができる。
【0148】
また、第1〜第5の実施形態に係る表示装置1において、光透過性部材からは指向性を有する光が出力される。したがって、第1〜第5の実施形態に係る表示装置1によると、スクリーンのような散乱面に画像を表示させること、すなわち、投射型の表示が可能である。
【0149】
さらに、本発明の第1〜第5の実施形態においては、全反射と透過との間の変化を利用して表示が行われるため、理想的には、暗色表示時に出力される光強度を0%とすること、及び明色表示時に出力される光強度を100%とすることができる。これらはいずれも、光散乱や光反射等による光損失を低減することにより、高いレベルで達成可能である。したがって、第1〜第5の実施形態に係る表示装置1によると、高コントラストの表示が可能となる。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、全反射と透過との間の変化を利用して表示が行われる。そのため、本発明によると、偏光板を必要とすることなく表示を行うことができ、したがって、高い光の利用効率を実現することができる。また、本発明においては、光透過性部材から指向性を有する光が出力されるため、投射型の表示が可能である。さらに、本発明においては、全反射と透過との間の変化を利用して表示が行われるため、高コントラストの表示が可能である。
【0151】
すなわち、本発明によると、高い光の利用効率を有し、高コントラストを実現し得て、投射型の表示が可能な新規な表示装置及び表示方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置の一例を概略的に示す側面図。
【図2】本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置の他の例を概略的に示す側面図。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置において用いられる光源を概略的に示す側面図。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置に用いられる光透過性部材を拡大して示す側面図。
【図5】光の屈折の法則を説明するための概略図。
【図6】本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置のさらに他の例を概略的に示す図。
【図7】本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置のさらに他の例を概略的に示す図。
【図8】本発明の第1〜第5の実施形態に係る表示装置のさらに他の例を概略的に示す図。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の制御機構を概略的に示す斜視図。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を概略的に示す側面図。
【図11】(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図及び側面図。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る表示装置を駆動するための駆動回路を概略的に示す図。
【図13】(a)〜(c)は、図12に示す駆動回路のメモリセルの例を概略的に示す図。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る表示装置を駆動するための駆動回路の他の例を概略的に示す図。
【図15】(a)〜(l)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の制御部を概略的に示す斜視図。
【図17】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係る表示装置を概略的に示す側面図。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の透明体を概略的に示す斜視図。
【図19】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係る表示装置を概略的に示す側面図。
【図20】本発明の第4の実施形態に係る表示装置を概略的に示す斜視図。
【図21】(a)〜(j)は、それぞれ、本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を概略的に示す断面図。
【図22】本発明の第5の実施形態に係る表示装置を概略的に示す側面図。
【図23】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第5の実施形態に係る表示装置を概略的に示す側面図。
【符号の説明】
1…表示装置 ; 2…透明基体 ; 3,3-1〜3-3…光源
4…制御部 ; 5…スクリーン ; 6…柱状体
7-1〜7-3…フィルタ ; 8-1〜8-3…シャッタ
11,11-1〜11-3…放物面鏡 ; 12…導光板
13…スリット ; 15,16…透明電極 ; 17…透明体
18…梁 ; 19…全反射防止部材 ; 20,21…配線
25…光 ; 30…駆動回路 ; 31…信号制御部
32…電源部 ; 33…走査線駆動回路 ; 34…信号線駆動回路
35…走査線 ; 36…信号線 ; 40…レジスト膜
41…シリコン酸化膜 ; 42…シリコン膜 ; 43…薄膜
45…透明セル ; 46…マイクロポンプ ; 47…透明容器
48…液体 ; 49…配管 ; 50…光学レンズ
51…保持容量 ; 52…ダイオード ; 53…透明基板
54…トランジスタ ; 55…双安定回路
56…photo−MOSリレー回路 ; 100…支持部材
101…メモリセル ; 105…透明基板 ; 110…絶縁シート
113…導電性シート
Claims (6)
- 第1及び第2主面を有する平板状の光透過性部材と、
前記第1主面に光を照射する光源と、
第1及び第2端を有し、前記第2主面と間隙を隔てて向き合った板状の透明弾性体と、
前記光透過性部材上に配置されると共に前記透明弾性体の前記第1端を支持した片持ち梁を備え、前記第2主面に対する前記透明弾性体の接触状態を密着状態と離間状態との間で変化させる移動機構とを具備したことを特徴とする表示装置。 - 前記第2主面に対する前記透明弾性体の接触状態が、表示すべき階調に応じて、前記離間状態である第1状態と、前記透明弾性体の前記第2端側の部分が前記第2主面と接触するように前記透明弾性体が変形した第2状態と、前記透明弾性体の前記第2主面との接触面積が前記第2状態よりも大きくなるように前記透明弾性体がさらに変形した第3状態との少なくとも3つの状態の間で切り替わるように、前記移動機構の動作を制御する制御手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 第1及び第2主面を有する平板状の光透過性部材と、
前記第1主面に光を照射する光源と、
前記第2主面と間隙を隔てて向き合い、前記第2主面との対向面にテーパ状の突起が設けられた透明弾性体と、
前記光透過性部材上に配置されると共に前記透明弾性体の周縁を支持した両持ち梁を備え、前記第2主面に対する前記透明弾性体の接触状態を密着状態と離間状態との間で変化させる移動機構とを具備したことを特徴とする表示装置。 - 前記第2主面に対する前記透明弾性体の接触状態が、表示すべき階調に応じて、前記離間状態である第1状態と、前記突起の高さが減少するように前記透明弾性体が前記第2主面に押し当てられた第2状態と、前記突起が消失するように前記透明弾性体が前記第2主面に押し当てられた第3状態との少なくとも3つの状態の間で切り替わるように、前記移動機構の動作を制御する制御手段をさらに具備したことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 請求項1に記載の表示装置で表示を行う表示方法であって、前記第2主面に対する前記透明弾性体の接触状態が、表示すべき階調に応じて、前記離間状態である第1状態と、前記透明弾性体の前記第2端側の部分が前記第2主面と接触するように前記透明弾性体が変形した第2状態と、前記透明弾性体の前記第2主面との接触面積が前記第2状態よりも大きくなるように前記透明弾性体がさらに変形した第3状態との少なくとも3つの状態の間で切り替わるように、前記移動機構の動作を制御することを特徴とする表示方法。
- 請求項3に記載の表示装置で表示を行う表示方法であって、前記第2主面に対する前記透明弾性体の接触状態が、表示すべき階調に応じて、前記離間状態である第1状態と、前記突起の高さが減少するように前記透明弾性体が前記第2主面に押し当てられた第2状態と、前記突起が消失するように前記透明弾性体が前記第2主面に押し当てられた第3状態との少なくとも3つの状態の間で切り替わるように、前記移動機構の動作を制御することを特徴とする表示方法。
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