JP3855437B2 - 可変バルブタイミング装置付エンジン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのカム軸に対するスプロケットやタイミングプーリ等の回転位相を変更する液圧機構を設け、この液圧機構によりエンジンの運転状態に応じてバルブの開閉タイミングを変更することで、出力の向上及び燃費並びに排気エミッションの低減を実現可能にした可変バルブタイミング装置(以下、VVTという)付エンジンに関し、特に、上記液圧機構の液圧経路の構成に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のVVT付エンジンとして、例えば、特開平9−250310号公報に開示されるように、エンジンの吸気側のカム軸の一端部に油圧アクチュエータを設け、この油圧アクチュエータによりタイミングプーリとカム軸とを相対的に回動させるようにしたものが知られている。このものでは、油圧アクチュエータの油圧室に対し作動油圧を供給する経路として、一端がカム軸の一端面に開口する一方、他端が1番ジャーナルのジャーナル面に互いに軸線方向に離れて開口する一対の油路を形成するとともに、上記1番ジャーナルの軸受部の軸受面に上記一対の油路に連通するように全周に亘って開口する一対の開口溝を形成し、この開口溝及び上記一対の油路により油圧室に作動油圧を供給するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のVVT付エンジンでは、1番ジャーナルの潤滑にジャーナル面と軸受面との間の僅かなオイルリークを利用しているが、エンジンの運転状態の変化に遅れないようにVVTの高い作動応答性を確保するためには、作動油圧をかなり高くする必要がある。
【0004】
このため、オイルリークによる油圧低下を抑制するために、上記1番ジャーナルの軸受幅をカム軸線方向に広げ、さらに、一対の開口溝を軸受面で軸線方向に十分に離して配置することが考えられる。しかし、このように1番ジャーナルの軸受幅を軸線方向に広げると、その分エンジン全長が長くなるという不具合を生じる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、VVTの油圧機構に対し作動油圧を供給する油圧経路の構成に工夫を凝らし、VVTの高い作動応答性を確保しつつ、エンジン全長の短縮を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の解決手段では、軸受部の軸受面に設ける一対の開口溝を、互いに径方向の反対側に略半周に亘って形成した。
【0007】
具体的には、請求項1記載の発明では、バルブを開閉作動させるカム軸の端部に回転一体に連結された内側回動部材と、該内側回動部材に対して、カム軸の軸線回りに相対回転可能にかつ進角側及び遅角側の液圧室を区画形成するように外嵌合されて連結され、クランク軸側からの回転入力を受ける入力部材に回転一体に連結された外側回動部材と、上記内側及び外側回動部材間の各液圧室に作動液を供給切り替えして、内側回動部材を外側回動部材に対し正逆両側に相対的に回動させる液圧機構とを備えた可変バルブタイミング装置付エンジンを対象とする。
【0008】
そして、上記液圧機構は、上記カム軸内に形成され、かつ一端が上記進角側液圧室に接続される一方、他端がカム軸の外周面に開口する進角側液路と、上記カム軸内に形成され、かつ一端が上記遅角側液圧室に接続される一方、他端が上記進角側液路の開口端に対しカム軸軸線方向に離れた位置でカム軸の外周面に開口する遅角側液路と、上記カム軸の軸受部の軸受面に略半周に亘って形成され、上記進角側液路の開口端が連通する進角側開口溝と、上記軸受部の軸受面に、進角側開口溝に対して径方向の反対側に略半周に亘って形成され、上記遅角側液路の開口端が連通する遅角側開口溝とを備える構成とする。
【0009】
その上で、上記進角側液路又は遅角側液路のいずれか一方を、一端がカム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所にそれぞれ開口する一方、他端がカム軸内を軸線方向に延び、内側回動部材に形成された通路を介して液圧室に連通する2本の独立通路により構成するとともに、上記内側回動部材には、それをカム軸軸線方向に貫通して、一端が上記カム軸の各独立通路の他端に連通する一方、他端が連通路によって互いに連通された2本 の通路を設けたものである。
【0010】
この構成によれば、進角側液圧室の作動液圧を増大させる場合、作動液は軸受部に設けられた進角側開口溝からカム軸内の進角側液路に流通し、カム軸内を軸線方向に流れて液圧室に至る。一方、これに伴い遅角側の液圧室から流出した作動液は遅角側の液路から上記軸受部の遅角側開口溝に流通して、排出される。また、遅角側液圧室の作動液圧を増大させる場合には、作動液は上記の流れと反対に流れて、遅角側液圧室に供給される一方、進角側液圧室から排出される。
【0011】
その際、上記進角側及び遅角側の2つの開口溝は共に略半周に亘って形成されているので、従来までの全周に亘るものに比べてオイルリーク量が少なくなる上、互いに径方向の反対側に配置されているので、それらをカム軸軸線方向に可及的に近接配置してもその間のオイルリーク量は極く僅かなものになる。このことで、軸受部の軸受幅を広げることなく過度のオイルリークを防止することができるので、十分な作動液圧を確保しつつエンジン全長の短縮を図ることができる。
【0012】
また、上記進角側又は遅角側のいずれかの液路を構成する2本の独立通路がカム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所に開口しており、カム軸の回転中に、いずれか一方の独立通路が略半円周状の開口溝に常に連通されることになるので、進角側又は遅角側の液路による作動液の供給をカム軸の回転中に途切れることなく継続することが可能になり、液圧機構の作動を安定確保することができる。
【0013】
さらに、上記内側回動部材には、カム軸の上記2本の独立通路に連通するとともに互いに連通された2本の通路が設けられているので、この通路を介して2本の独立通路が互いに連通されて、それらの内部の作動液圧が略同圧に保たれることになり、液圧機構の作動安定性の向上が図られる。しかも、上記の通路及び連通路をカム軸内に設けていないので、カム軸の強度の確保が容易になる。
【0014】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明における進角側及び遅角側の開口溝は、内側回動部材に最も近い軸受部に設けられており、カム軸の端面の中心部には、上記内側回動部材をカム軸に連結するためのボルト穴が上記軸受部の中間部に対応する位置まで穿孔され、進角側液路又は遅角側液路の他方は、上記ボルト穴よりも深い位置のカム軸内で該カム軸を直径方向に貫通する貫通通路と、一端が該貫通通路に連通する一方、他端がカム軸内を軸線方向に延び、内側回動部材を介して液圧室に連通する軸方向通路とで構成した。
【0015】
このことで、ボルト穴がカム軸の端面から十分に深く穿孔されているので、内側回動部材をカム軸に強固に連結することができる。また、進角側液路又は遅角側液路の他方を構成する貫通通路が、カム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所に開口しているので、カム軸の回転中に、その開口端のいずれか一方が略半円周状の開口溝に常に連通されることになる。よって、進角側液路又は遅角側液路の他方による作動液の供給もカム軸の回転中に途切れることなく継続して、液圧機構の作動を安定確保することができる。
【0016】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2における入力部材はスプロケットである。すなわち、一般に、スプロケットはタイミングプーリよりも幅が狭いので、エンジン全長の一層の短縮が図られる。
【0017】
また、幅広のタイミングプーリを用いた場合には、該タイミングプーリの内周側に軸受部を配置してコンパクト化を図ることも考えられるが、幅の狭いスプロケットを用いた場合にはそのような配置ができないので、請求項1の構成により軸受部の軸受幅を広げないようにすることが極めて有効になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る可変バルブタイミング装置A(以下VVTという)付エンジンを示し、このエンジンは例えば直列4気筒ガソリンエンジンで、4つの気筒が車幅方向に一列に並ぶように車両のエンジンルーム内に横置き配置されるものである。同図において、1は図の左側に延びる吸気側のカム軸であって、このカム軸1は、複数の軸受部2,2,…(図には1つのみ示す)により軸線Xの回りに回転自在に支持され、クランク軸から図示しないチェーンによる回転入力を受けるスプロケット(入力部材)3により回転されて、吸気バルブを開閉作動させるものである。また、4は上記カム軸1の一端部(図の右端部)に回転一体に連結されたロータ(内側回動部材)であり、5はそのロータ4に対し相対的に所定角度だけ回動可能に連結される一方、上記スプロケット3に回転一体に連結されたケーシング(外側回動部材)である。
【0020】
上記ロータ4は、図2及び図3に示すように、円筒状のボス部4aの外周部から径方向外方に突出する4つのベーン4b、4b、…が概ね等間隔に設けられたもので、上記ボス部4aの中心部には軸線Xに沿って貫通孔4cが形成されており、ロータ4は座金部材7を介して上記貫通孔4aを貫通するボルト6によってカム軸1の一端面1aに連結されている。すなわち、上記カム軸1には、一端面1aの中心部から軸線Xに沿って1番ジャーナルの中間部までボルト穴1bが穿孔されており、このように十分に長いボルト穴1bに上記ボルト6を螺合させることで、ロータ4をカム軸1に強固に締結することができる。一方、上記ケーシング5は有底円筒状に形成され、壁部の内周面に径方向内方に突出する4つの突出壁部5a、5a、…が概ね等間隔に形成されたもので、ロータ4に対し一端側(図の右側)から外嵌合された状態で、4本のボルト8,8,8,8によりスプロケット3に連結されている。
【0021】
さらに、上記ロータ4及びケーシング5は軸線Xを中心とする同心位置に位置づけられ、ロータ4のベーン4b、4b、…とケーシング5の突出壁部5a,5a,…とが周方向に交互に配置されており、各ベーン4bの先端面がケーシング5の内周面に摺接する一方、各突出壁部5aの先端面がロータ4のボス部4aの外周面に摺接している。つまり、上記スプロケット3、ロータ4及びケーシング5の間に、ロータ4のベーン4b、4b、…とケーシング5の突出壁部5a,5a,…とにより周方向に並んで8つの受圧室9,10,9,10,…が区画形成されている。
【0022】
上記8つの受圧室9,10,9,10,…のうち、ロータ4の各ベーン4bに対しカム軸1の回転側に位置づけられた4つの受圧室(遅角側受圧室)9,9,…は、それぞれ、ロータ4のボス部4a内に軸線Xを中心として放射状に形成された4つの油路4c,4c,…(図2参照)により、該ボス部4aのヘッドカバー側の端面(図1の右側の端面)に形成された環状溝部4dに連通されていて、この環状溝部4d及びケーシング5の底部により環状通路が区画形成されている。また、上記環状の溝部4dに臨んで軸線Xに対し対称位置に開口する一方、該軸線X方向に延びてボス部4aのエンジン側の端面(図1の左側の端面)に開口する一対の油路4e,4eが形成されている。
【0023】
一方、上記ロータ4の各ベーン4bに対して遅角側受圧室9,9,…の反対側に位置づけられた4つの受圧室(進角側受圧室)10,10,…は、それぞれ、ロータ4のボス部4a内に軸線Xを中心として放射状に形成された4つの油路4f,4f,…(図3参照)により、該ボス部4aのエンジン側の端面に軸線Xに対し対称位置に形成された一対のまゆ状溝部4g,4gに連通されている。このまゆ状溝部4g,4g及びスプロケット3に囲まれてまゆ状の油路が区画形成されている。尚、図示しないが、ベーン4,4,…及び突出壁部5a,5a,…の各先端面にはシール部材が設けられている。
【0024】
上記遅角側及び進角側の合計8つの受圧室9,10,9,10,…によって、ロータ4がケーシング5に対して正逆両側に回動される。すなわち、上記4つの遅角側受圧室9,9,…に供給する作動油圧を増大させれば、各ベーン4bが油圧力により押圧されて、ロータ4はケーシング5に対しカム軸の回転と反対側に回動されることになり、このことで、吸気バルブの作動タイミングが遅角側に変更される。一方、上記4つの進角側受圧室10,10,…に供給する作動油圧を増大させれば、各ベーン4bが油圧力により押圧されて、ロータ4はケーシング5に対しカム軸の回転側に回動されることになり、このことで、吸気バルブの作動タイミングが進角側に変更される。
【0025】
尚、上記図1は、図2及び図3のw−w線における断面図になっている。
【0026】
このようなVVTの作動油圧の制御は、この実施形態では、エンジンのシリンダヘッドカバー12の上面に配置された電磁式のオイルコントロールバルブ(以下OCVという)13により行われる。すなわち、図示しないが、作動油はシリンダブロック内のオイルギャラリから、エンジン外周に設けられたオイルパイプ等を経由してシリンダヘッドカバー12上面に設けられたバルブケース14に至り、このバルブケース14に収容された上記OCV13により油圧制御(流量方向制御)されて、後述の如く中間部材15及び軸受部2内に形成された油路によりカム軸1に供給され、そのカム軸1内に形成された油路を流通して各油圧室9,10,…に供給される。
【0027】
詳しくは、上記バルブケース14には、カム軸間方向に延びてOCV13を収容する配設孔14aが形成され、その配設孔14aに直交して略水平方向に延びるように形成されたインレット孔14bには、図示しないが、油路を有するユニオンボルトやオイルフィルタが内設されていて、オイルギャラリ側からの作動油をOCV13に供給する。また、上記バルブケース14の配設孔14aを隔てた反インレット孔側には、上下方向に延びて下面に開口する嵌挿部14cと、その嵌挿部14cを配設孔14aに連通する2つのポート14d,14eとが形成されている。さらに、配設孔14aの下側にはシリンダヘッドカバー12上面に臨んで開口するドレンポート14fが形成されている。
【0028】
上記中間部材15は、図4及び図5にも示すように逆T字形状とされ、上端部がシリンダヘッドカバー12の開口部12aを貫通して上方に突出して、バルブケース14の嵌挿部14cに嵌挿される一方、下端部が1番ジャーナルの軸受部2の上面に取り付け固定されている。すなわち、各軸受部2は、図示しないシリンダヘッドの上面に突設され、軸受面の下側略半周が形成された半割り形状の下側軸受部2aと、この下側軸受部2aの上面に配設され、軸受面の上側略半周が形成された半割り形状のカムキャップ2bとにより構成されており、そのカムキャップ2b及び上記中間部材15が共にセットボルト16,16により下側軸受部2aに締結されている。
【0029】
尚、上記シリンダヘッドカバー12の開口部12aに続く部位は、バルブケース14のドレンポート14bの下方に対向して、OCV13からリターンされる作動油を開口部12aからシリンダブロック内に還流させるドレン受け部12bとされている。
【0030】
上記中間部材15には、バルブケース14の嵌挿部14cに嵌挿された状態で2つのポート14d,14eのうちの一方14dによりOCV13に連通する横向きの油路21と、この油路21に連通して上下方向に延びる油路22と、上記他方のポート14eによりOCV13に連通する横向きの油路23と、この油路23に連通して斜め下方に延びる油路24とが形成されている。また、上記カムキャップ2bには、中間部材15の一方の油路22に連通して上下方向に延び、軸受面以外の部分に開口する油路25(図4参照)と、上記中間部材15の他方の油路24に連通し、斜め下方に延びて上側の軸受面に開口する油路26(図5参照)と、この油路26の開口部を含んでジャーナル面の上側略半周に対応するように上記上側の軸受面全周に開口する半円周状の開口溝27とが形成されている。さらに、上記下側軸受部2aには、カムキャップ2bの開口溝27に対し軸線X方向に離れた位置でジャーナル面の下側略半周に対応するように開口する半円周状の開口溝28が形成され、この開口溝28の端部がカムキャップ2bの一方の油路25に連通されている。
【0031】
一方、カム軸1には、軸線Xと略平行に延びる4本の油路が軸線Xを中心とする同一円周上に等間隔をあけて形成されている。上記4本の油路のうち、図1において軸線Xを上下に挟んで互いに対称位置に配置された2つの油路(独立通路)30,30は、カムキャップ2bに形成された上側の開口溝27に連通するようにジャーナル面にそれぞれ開口する一方、軸線X方向に延びて一端面1aに個別に開口して、ロータ4のボス部4aにおける一対の油路4e,4eに連通し、さらに、環状溝部4d及び油路4c,4c,…によって遅角側の受圧室9,9,…に連通する。この遅角側の2つの油路30,30は、カム軸1のジャーナル面において直径方向に対向して2カ所に開口しており、このことで、カム軸1の回転位置によらず、いずれか一方の油路30が常に軸受面の上側の開口溝27に連通される。
【0032】
また、カム軸1を図1の状態から90度回転させた状態の図6に示すように、残りの2本の油路(軸方向通路)31,31も軸線Xを挟んで互いに対称位置に配置されていて、ボルト穴1bよりも深い位置のカム軸1内で該カム軸1を直径方向に貫通する貫通通路32に連通する一方、軸線X方向に延びてカム軸1の一端面1aに個別に開口して、ロータ4のボス部4aにおける一対のまゆ状溝部4g,4gに連通し、さらに、それぞれ油路4f,4fにより進角側の受圧室10,10,…に連通する。上記貫通通路32は、カム軸1のジャーナル面において直径方向に対向した2カ所に開口しているので、カム軸1の回転位置によらず常に軸受面の下側の開口溝28に連通される。
【0033】
尚、上記貫通通路32及び2本の油路31,31により、カム軸1内の進角側油路が、また、上記2つの油路30,30により遅角側油路が構成される。
【0034】
上述の構成により、この実施形態のVVT付エンジンにおいて、吸気バルブの作動タイミングを遅角側に変更するときには、OCV13の作動により遅角側の受圧室9,9,…への作動油圧を増大させる。すなわち、オイルギャラリ側から供給される作動油は、図1に矢印で示すように、OCV13からバルブケース14のポート14e、中間部材15の油路23,24及びカムキャップ2bの油路26を流通して上側の開口溝27に至り、その開口溝27に連通されるカム軸1内の遅角側の油路30,30を流通して、ロータ4のボス部4aの一対の油路4e,4eから環状溝部4dに至る。そして、4つの油路4c,4c…に分配されて4つの遅角側受圧室9,9,…に供給され、この4つの遅角側受圧室9,9,…の油圧力が増大して、ロータ4がケーシング5に対しカム軸の回転と反対側に回動されることで、吸気バルブの作動タイミングが遅角側に変更される。
【0035】
これに伴い、進角側受圧室10,10,…からそれぞれ排出された作動油は、ロータ4内の4つの油路4f,4f,…及び一対のまゆ状溝部4g,4gを経て、図6に矢印で示すようにカム軸1内の進角側の油路31,31を流通して貫通通路32に至り、この貫通通路32に連通される下側の開口溝28からカムキャップ2b内の油路25に流通する。そして、中間部材15の油路22,21及びバルブケース14のポート14dを通ってOCV13に戻り、ドレンポート14fから排出されて、シリンダヘッドカバー12のドレン受け部12bから開口部12aを介してシリンダブロック内に還流される。
【0036】
反対に、吸気バルブの作動タイミングを進角側に変更するときには、OCV13の作動により、上記と反対の作動油の流れによって遅角側受圧室10,10,…の作動油圧を増大させるようにすればよい。
【0037】
したがって、この実施形態では、軸受部2の軸受面に形成する開口溝27,28を、従来までのように軸受面の全周に亘って形成せずに、それぞれ軸受面の上側と下側とに略半周に亘って形成したので、これらの開口溝27,28からのオイルリーク量をかなり低減させることができる。また、2つの開口溝27,28を周方向に互いに径方向の反対側に配置したので、両者の軸線X方向の間隔を可及的に小さくしても、その間のオイルリーク量を極く僅かなものとすることができる。このように、軸受部2の軸受幅を広げることなくオイルリーク量を低減することができるので、十分に高い作動油圧を確保しつつエンジン全長の短縮を図ることができる。
【0038】
しかも、カム軸1内に形成した進角側の貫通通路32がジャーナル面の直径方向に対向した2カ所に開口しており、一方、遅角側の2つの油路30,30も同様に2カ所に開口していて、上述の如く2つの開口溝27,28を半円周上に形成していても、カム軸1の回転中に常に遅角側及び進角側の油路がそれぞれ開口溝27,28に連通するようになっている。このことで、進角側及び遅角側の各油圧室9,10,…に対する作動油の供給又は排出をカム軸1の回転中に途切れることなく継続して、その作動を安定確保することができる。
【0039】
さらに、この実施形態では、カム軸1にクランク軸からの回転入力を伝える入力部材として、タイミングプーリよりも幅が狭いスプロケット3を用いており、このことで、エンジン全長の一層の短縮が図られる。しかも、幅広のタイミングプーリを用いた場合には、軸受部2をタイミングプーリの内周側に配置してコンパクト化を図ることも考えられるが、スプロケット3を用いた場合にはそのようにしてコンパクト化を図ることができないので、この実施形態のように軸受部2の軸受幅を広げないで済むことが極めて有効になる。
【0040】
加えて、この実施形態では、カム軸1内で軸線X方向に延びる4本の油路30,30,31,31を軸線Xを中心とする同一円周上に等間隔をあけて配置しているので、油路のコンパクト配置とカム軸1の強度の確保とを図ることができる。しかも、進角側の軸方向の油路31,31を互いに貫通通路32によりカム軸1内で連通する一方、遅角側の2つの油路30,30を連通する環状通路はロータ4に設け、カム軸1内には設けていないので、カム軸1の強度の確保が容易になる。
(他の実施形態)
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、軸受部2の軸受面に形成する半円周状の開口溝27,28を、互いにオーバーラップしないように上下に対向配置しているが、これに限らず、例えば左右に対向配置してもよく、また、斜めに対向配置することも可能である。
【0041】
また、カム軸1内の油路は上記実施形態のものに限らず、種々の構成が可能である。
【0042】
また、上記実施形態では、クランク軸からの回転入力をチェーン及びスプロケット3によりカム軸1に伝達するようにしているが、これに限らず、例えば、タイミングベルト及びタイミングプーリにより伝達するようにしてもよい。
【0043】
さらに、カム軸1をスプロケット3に対して回動させる油圧アクチュエータの構成として、油圧力により軸線X方向に進退するピストン部材を設け、このピストン部材の軸線X方向の相対変位をヘリカルスプラインにより回転方向の相対変位に変換して、カム軸1をスプロケット3に対し相対的に回動させるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明における可変バルブタイミング装置付エンジンによれば、カム軸内の進角側液路又は遅角側液路にそれぞれ連通される軸受部側の2つの開口溝を略半周に亘って形成するとともに、互いに軸受面において径方向の反対側に配置することで、オイルリークを抑制して可変バルブタイミング装置の高い作動応答性を確保しつつ、エンジン全長の短縮を図ることができる。
【0045】
また、進角側液路又は遅角側液路の一方をカム軸の回転中に常に開口溝に連通させて、液圧機構の作動を安定確保することができる上に、カム軸の強度の確保が容易になる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、内側回動部材をカム軸に強固に連結することができる。また、進角側液路又は遅角側液路の他方をもカム軸の回転中に常に開口溝に連通させて、液圧機構の作動を安定確保することができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、幅狭のスプロケットによりエンジン全長の一層の短縮が図られる上、請求項1又は2の発明による効果が極めて有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る可変バルブタイミング装置の構成を示す断面図である。
【図2】 エンジン前端のヘッドカバー側から見てロータの構成を示す説明図である。
【図3】 エンジン側から見たロータの構成を示す説明図である。
【図4】 下側の開口溝と進角側の油路との連通状態を示す、図1のy−y断面図である。
【図5】 上側の開口溝と遅角側の油路との連通状態を示す、図1のz−z断面図である。
【図6】 カム軸が相対的に90度回転した状態を示す図1相当図である。
【符号の説明】
A 可変バルブタイミング装置
X カム軸の軸線
1 カム軸
1a カム軸の一端面
1b カム軸のボルト穴
2 1番ジャーナルの軸受部
3 スプロケット(入力部材)
4 ロータ(内側回動部材)
4d ロータの環状溝部(連通路)
5 ケーシング(外側回動部材)
9 遅角側油圧室
10 進角側油圧室
27 遅角側開口溝
28 進角側開口溝
30,30 油路(独立通路)
31,31 油路(軸方向通路)
32 貫通通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのカム軸に対するスプロケットやタイミングプーリ等の回転位相を変更する液圧機構を設け、この液圧機構によりエンジンの運転状態に応じてバルブの開閉タイミングを変更することで、出力の向上及び燃費並びに排気エミッションの低減を実現可能にした可変バルブタイミング装置(以下、VVTという)付エンジンに関し、特に、上記液圧機構の液圧経路の構成に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のVVT付エンジンとして、例えば、特開平9−250310号公報に開示されるように、エンジンの吸気側のカム軸の一端部に油圧アクチュエータを設け、この油圧アクチュエータによりタイミングプーリとカム軸とを相対的に回動させるようにしたものが知られている。このものでは、油圧アクチュエータの油圧室に対し作動油圧を供給する経路として、一端がカム軸の一端面に開口する一方、他端が1番ジャーナルのジャーナル面に互いに軸線方向に離れて開口する一対の油路を形成するとともに、上記1番ジャーナルの軸受部の軸受面に上記一対の油路に連通するように全周に亘って開口する一対の開口溝を形成し、この開口溝及び上記一対の油路により油圧室に作動油圧を供給するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のVVT付エンジンでは、1番ジャーナルの潤滑にジャーナル面と軸受面との間の僅かなオイルリークを利用しているが、エンジンの運転状態の変化に遅れないようにVVTの高い作動応答性を確保するためには、作動油圧をかなり高くする必要がある。
【0004】
このため、オイルリークによる油圧低下を抑制するために、上記1番ジャーナルの軸受幅をカム軸線方向に広げ、さらに、一対の開口溝を軸受面で軸線方向に十分に離して配置することが考えられる。しかし、このように1番ジャーナルの軸受幅を軸線方向に広げると、その分エンジン全長が長くなるという不具合を生じる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、VVTの油圧機構に対し作動油圧を供給する油圧経路の構成に工夫を凝らし、VVTの高い作動応答性を確保しつつ、エンジン全長の短縮を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の解決手段では、軸受部の軸受面に設ける一対の開口溝を、互いに径方向の反対側に略半周に亘って形成した。
【0007】
具体的には、請求項1記載の発明では、バルブを開閉作動させるカム軸の端部に回転一体に連結された内側回動部材と、該内側回動部材に対して、カム軸の軸線回りに相対回転可能にかつ進角側及び遅角側の液圧室を区画形成するように外嵌合されて連結され、クランク軸側からの回転入力を受ける入力部材に回転一体に連結された外側回動部材と、上記内側及び外側回動部材間の各液圧室に作動液を供給切り替えして、内側回動部材を外側回動部材に対し正逆両側に相対的に回動させる液圧機構とを備えた可変バルブタイミング装置付エンジンを対象とする。
【0008】
そして、上記液圧機構は、上記カム軸内に形成され、かつ一端が上記進角側液圧室に接続される一方、他端がカム軸の外周面に開口する進角側液路と、上記カム軸内に形成され、かつ一端が上記遅角側液圧室に接続される一方、他端が上記進角側液路の開口端に対しカム軸軸線方向に離れた位置でカム軸の外周面に開口する遅角側液路と、上記カム軸の軸受部の軸受面に略半周に亘って形成され、上記進角側液路の開口端が連通する進角側開口溝と、上記軸受部の軸受面に、進角側開口溝に対して径方向の反対側に略半周に亘って形成され、上記遅角側液路の開口端が連通する遅角側開口溝とを備える構成とする。
【0009】
その上で、上記進角側液路又は遅角側液路のいずれか一方を、一端がカム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所にそれぞれ開口する一方、他端がカム軸内を軸線方向に延び、内側回動部材に形成された通路を介して液圧室に連通する2本の独立通路により構成するとともに、上記内側回動部材には、それをカム軸軸線方向に貫通して、一端が上記カム軸の各独立通路の他端に連通する一方、他端が連通路によって互いに連通された2本 の通路を設けたものである。
【0010】
この構成によれば、進角側液圧室の作動液圧を増大させる場合、作動液は軸受部に設けられた進角側開口溝からカム軸内の進角側液路に流通し、カム軸内を軸線方向に流れて液圧室に至る。一方、これに伴い遅角側の液圧室から流出した作動液は遅角側の液路から上記軸受部の遅角側開口溝に流通して、排出される。また、遅角側液圧室の作動液圧を増大させる場合には、作動液は上記の流れと反対に流れて、遅角側液圧室に供給される一方、進角側液圧室から排出される。
【0011】
その際、上記進角側及び遅角側の2つの開口溝は共に略半周に亘って形成されているので、従来までの全周に亘るものに比べてオイルリーク量が少なくなる上、互いに径方向の反対側に配置されているので、それらをカム軸軸線方向に可及的に近接配置してもその間のオイルリーク量は極く僅かなものになる。このことで、軸受部の軸受幅を広げることなく過度のオイルリークを防止することができるので、十分な作動液圧を確保しつつエンジン全長の短縮を図ることができる。
【0012】
また、上記進角側又は遅角側のいずれかの液路を構成する2本の独立通路がカム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所に開口しており、カム軸の回転中に、いずれか一方の独立通路が略半円周状の開口溝に常に連通されることになるので、進角側又は遅角側の液路による作動液の供給をカム軸の回転中に途切れることなく継続することが可能になり、液圧機構の作動を安定確保することができる。
【0013】
さらに、上記内側回動部材には、カム軸の上記2本の独立通路に連通するとともに互いに連通された2本の通路が設けられているので、この通路を介して2本の独立通路が互いに連通されて、それらの内部の作動液圧が略同圧に保たれることになり、液圧機構の作動安定性の向上が図られる。しかも、上記の通路及び連通路をカム軸内に設けていないので、カム軸の強度の確保が容易になる。
【0014】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明における進角側及び遅角側の開口溝は、内側回動部材に最も近い軸受部に設けられており、カム軸の端面の中心部には、上記内側回動部材をカム軸に連結するためのボルト穴が上記軸受部の中間部に対応する位置まで穿孔され、進角側液路又は遅角側液路の他方は、上記ボルト穴よりも深い位置のカム軸内で該カム軸を直径方向に貫通する貫通通路と、一端が該貫通通路に連通する一方、他端がカム軸内を軸線方向に延び、内側回動部材を介して液圧室に連通する軸方向通路とで構成した。
【0015】
このことで、ボルト穴がカム軸の端面から十分に深く穿孔されているので、内側回動部材をカム軸に強固に連結することができる。また、進角側液路又は遅角側液路の他方を構成する貫通通路が、カム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所に開口しているので、カム軸の回転中に、その開口端のいずれか一方が略半円周状の開口溝に常に連通されることになる。よって、進角側液路又は遅角側液路の他方による作動液の供給もカム軸の回転中に途切れることなく継続して、液圧機構の作動を安定確保することができる。
【0016】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2における入力部材はスプロケットである。すなわち、一般に、スプロケットはタイミングプーリよりも幅が狭いので、エンジン全長の一層の短縮が図られる。
【0017】
また、幅広のタイミングプーリを用いた場合には、該タイミングプーリの内周側に軸受部を配置してコンパクト化を図ることも考えられるが、幅の狭いスプロケットを用いた場合にはそのような配置ができないので、請求項1の構成により軸受部の軸受幅を広げないようにすることが極めて有効になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る可変バルブタイミング装置A(以下VVTという)付エンジンを示し、このエンジンは例えば直列4気筒ガソリンエンジンで、4つの気筒が車幅方向に一列に並ぶように車両のエンジンルーム内に横置き配置されるものである。同図において、1は図の左側に延びる吸気側のカム軸であって、このカム軸1は、複数の軸受部2,2,…(図には1つのみ示す)により軸線Xの回りに回転自在に支持され、クランク軸から図示しないチェーンによる回転入力を受けるスプロケット(入力部材)3により回転されて、吸気バルブを開閉作動させるものである。また、4は上記カム軸1の一端部(図の右端部)に回転一体に連結されたロータ(内側回動部材)であり、5はそのロータ4に対し相対的に所定角度だけ回動可能に連結される一方、上記スプロケット3に回転一体に連結されたケーシング(外側回動部材)である。
【0020】
上記ロータ4は、図2及び図3に示すように、円筒状のボス部4aの外周部から径方向外方に突出する4つのベーン4b、4b、…が概ね等間隔に設けられたもので、上記ボス部4aの中心部には軸線Xに沿って貫通孔4cが形成されており、ロータ4は座金部材7を介して上記貫通孔4aを貫通するボルト6によってカム軸1の一端面1aに連結されている。すなわち、上記カム軸1には、一端面1aの中心部から軸線Xに沿って1番ジャーナルの中間部までボルト穴1bが穿孔されており、このように十分に長いボルト穴1bに上記ボルト6を螺合させることで、ロータ4をカム軸1に強固に締結することができる。一方、上記ケーシング5は有底円筒状に形成され、壁部の内周面に径方向内方に突出する4つの突出壁部5a、5a、…が概ね等間隔に形成されたもので、ロータ4に対し一端側(図の右側)から外嵌合された状態で、4本のボルト8,8,8,8によりスプロケット3に連結されている。
【0021】
さらに、上記ロータ4及びケーシング5は軸線Xを中心とする同心位置に位置づけられ、ロータ4のベーン4b、4b、…とケーシング5の突出壁部5a,5a,…とが周方向に交互に配置されており、各ベーン4bの先端面がケーシング5の内周面に摺接する一方、各突出壁部5aの先端面がロータ4のボス部4aの外周面に摺接している。つまり、上記スプロケット3、ロータ4及びケーシング5の間に、ロータ4のベーン4b、4b、…とケーシング5の突出壁部5a,5a,…とにより周方向に並んで8つの受圧室9,10,9,10,…が区画形成されている。
【0022】
上記8つの受圧室9,10,9,10,…のうち、ロータ4の各ベーン4bに対しカム軸1の回転側に位置づけられた4つの受圧室(遅角側受圧室)9,9,…は、それぞれ、ロータ4のボス部4a内に軸線Xを中心として放射状に形成された4つの油路4c,4c,…(図2参照)により、該ボス部4aのヘッドカバー側の端面(図1の右側の端面)に形成された環状溝部4dに連通されていて、この環状溝部4d及びケーシング5の底部により環状通路が区画形成されている。また、上記環状の溝部4dに臨んで軸線Xに対し対称位置に開口する一方、該軸線X方向に延びてボス部4aのエンジン側の端面(図1の左側の端面)に開口する一対の油路4e,4eが形成されている。
【0023】
一方、上記ロータ4の各ベーン4bに対して遅角側受圧室9,9,…の反対側に位置づけられた4つの受圧室(進角側受圧室)10,10,…は、それぞれ、ロータ4のボス部4a内に軸線Xを中心として放射状に形成された4つの油路4f,4f,…(図3参照)により、該ボス部4aのエンジン側の端面に軸線Xに対し対称位置に形成された一対のまゆ状溝部4g,4gに連通されている。このまゆ状溝部4g,4g及びスプロケット3に囲まれてまゆ状の油路が区画形成されている。尚、図示しないが、ベーン4,4,…及び突出壁部5a,5a,…の各先端面にはシール部材が設けられている。
【0024】
上記遅角側及び進角側の合計8つの受圧室9,10,9,10,…によって、ロータ4がケーシング5に対して正逆両側に回動される。すなわち、上記4つの遅角側受圧室9,9,…に供給する作動油圧を増大させれば、各ベーン4bが油圧力により押圧されて、ロータ4はケーシング5に対しカム軸の回転と反対側に回動されることになり、このことで、吸気バルブの作動タイミングが遅角側に変更される。一方、上記4つの進角側受圧室10,10,…に供給する作動油圧を増大させれば、各ベーン4bが油圧力により押圧されて、ロータ4はケーシング5に対しカム軸の回転側に回動されることになり、このことで、吸気バルブの作動タイミングが進角側に変更される。
【0025】
尚、上記図1は、図2及び図3のw−w線における断面図になっている。
【0026】
このようなVVTの作動油圧の制御は、この実施形態では、エンジンのシリンダヘッドカバー12の上面に配置された電磁式のオイルコントロールバルブ(以下OCVという)13により行われる。すなわち、図示しないが、作動油はシリンダブロック内のオイルギャラリから、エンジン外周に設けられたオイルパイプ等を経由してシリンダヘッドカバー12上面に設けられたバルブケース14に至り、このバルブケース14に収容された上記OCV13により油圧制御(流量方向制御)されて、後述の如く中間部材15及び軸受部2内に形成された油路によりカム軸1に供給され、そのカム軸1内に形成された油路を流通して各油圧室9,10,…に供給される。
【0027】
詳しくは、上記バルブケース14には、カム軸間方向に延びてOCV13を収容する配設孔14aが形成され、その配設孔14aに直交して略水平方向に延びるように形成されたインレット孔14bには、図示しないが、油路を有するユニオンボルトやオイルフィルタが内設されていて、オイルギャラリ側からの作動油をOCV13に供給する。また、上記バルブケース14の配設孔14aを隔てた反インレット孔側には、上下方向に延びて下面に開口する嵌挿部14cと、その嵌挿部14cを配設孔14aに連通する2つのポート14d,14eとが形成されている。さらに、配設孔14aの下側にはシリンダヘッドカバー12上面に臨んで開口するドレンポート14fが形成されている。
【0028】
上記中間部材15は、図4及び図5にも示すように逆T字形状とされ、上端部がシリンダヘッドカバー12の開口部12aを貫通して上方に突出して、バルブケース14の嵌挿部14cに嵌挿される一方、下端部が1番ジャーナルの軸受部2の上面に取り付け固定されている。すなわち、各軸受部2は、図示しないシリンダヘッドの上面に突設され、軸受面の下側略半周が形成された半割り形状の下側軸受部2aと、この下側軸受部2aの上面に配設され、軸受面の上側略半周が形成された半割り形状のカムキャップ2bとにより構成されており、そのカムキャップ2b及び上記中間部材15が共にセットボルト16,16により下側軸受部2aに締結されている。
【0029】
尚、上記シリンダヘッドカバー12の開口部12aに続く部位は、バルブケース14のドレンポート14bの下方に対向して、OCV13からリターンされる作動油を開口部12aからシリンダブロック内に還流させるドレン受け部12bとされている。
【0030】
上記中間部材15には、バルブケース14の嵌挿部14cに嵌挿された状態で2つのポート14d,14eのうちの一方14dによりOCV13に連通する横向きの油路21と、この油路21に連通して上下方向に延びる油路22と、上記他方のポート14eによりOCV13に連通する横向きの油路23と、この油路23に連通して斜め下方に延びる油路24とが形成されている。また、上記カムキャップ2bには、中間部材15の一方の油路22に連通して上下方向に延び、軸受面以外の部分に開口する油路25(図4参照)と、上記中間部材15の他方の油路24に連通し、斜め下方に延びて上側の軸受面に開口する油路26(図5参照)と、この油路26の開口部を含んでジャーナル面の上側略半周に対応するように上記上側の軸受面全周に開口する半円周状の開口溝27とが形成されている。さらに、上記下側軸受部2aには、カムキャップ2bの開口溝27に対し軸線X方向に離れた位置でジャーナル面の下側略半周に対応するように開口する半円周状の開口溝28が形成され、この開口溝28の端部がカムキャップ2bの一方の油路25に連通されている。
【0031】
一方、カム軸1には、軸線Xと略平行に延びる4本の油路が軸線Xを中心とする同一円周上に等間隔をあけて形成されている。上記4本の油路のうち、図1において軸線Xを上下に挟んで互いに対称位置に配置された2つの油路(独立通路)30,30は、カムキャップ2bに形成された上側の開口溝27に連通するようにジャーナル面にそれぞれ開口する一方、軸線X方向に延びて一端面1aに個別に開口して、ロータ4のボス部4aにおける一対の油路4e,4eに連通し、さらに、環状溝部4d及び油路4c,4c,…によって遅角側の受圧室9,9,…に連通する。この遅角側の2つの油路30,30は、カム軸1のジャーナル面において直径方向に対向して2カ所に開口しており、このことで、カム軸1の回転位置によらず、いずれか一方の油路30が常に軸受面の上側の開口溝27に連通される。
【0032】
また、カム軸1を図1の状態から90度回転させた状態の図6に示すように、残りの2本の油路(軸方向通路)31,31も軸線Xを挟んで互いに対称位置に配置されていて、ボルト穴1bよりも深い位置のカム軸1内で該カム軸1を直径方向に貫通する貫通通路32に連通する一方、軸線X方向に延びてカム軸1の一端面1aに個別に開口して、ロータ4のボス部4aにおける一対のまゆ状溝部4g,4gに連通し、さらに、それぞれ油路4f,4fにより進角側の受圧室10,10,…に連通する。上記貫通通路32は、カム軸1のジャーナル面において直径方向に対向した2カ所に開口しているので、カム軸1の回転位置によらず常に軸受面の下側の開口溝28に連通される。
【0033】
尚、上記貫通通路32及び2本の油路31,31により、カム軸1内の進角側油路が、また、上記2つの油路30,30により遅角側油路が構成される。
【0034】
上述の構成により、この実施形態のVVT付エンジンにおいて、吸気バルブの作動タイミングを遅角側に変更するときには、OCV13の作動により遅角側の受圧室9,9,…への作動油圧を増大させる。すなわち、オイルギャラリ側から供給される作動油は、図1に矢印で示すように、OCV13からバルブケース14のポート14e、中間部材15の油路23,24及びカムキャップ2bの油路26を流通して上側の開口溝27に至り、その開口溝27に連通されるカム軸1内の遅角側の油路30,30を流通して、ロータ4のボス部4aの一対の油路4e,4eから環状溝部4dに至る。そして、4つの油路4c,4c…に分配されて4つの遅角側受圧室9,9,…に供給され、この4つの遅角側受圧室9,9,…の油圧力が増大して、ロータ4がケーシング5に対しカム軸の回転と反対側に回動されることで、吸気バルブの作動タイミングが遅角側に変更される。
【0035】
これに伴い、進角側受圧室10,10,…からそれぞれ排出された作動油は、ロータ4内の4つの油路4f,4f,…及び一対のまゆ状溝部4g,4gを経て、図6に矢印で示すようにカム軸1内の進角側の油路31,31を流通して貫通通路32に至り、この貫通通路32に連通される下側の開口溝28からカムキャップ2b内の油路25に流通する。そして、中間部材15の油路22,21及びバルブケース14のポート14dを通ってOCV13に戻り、ドレンポート14fから排出されて、シリンダヘッドカバー12のドレン受け部12bから開口部12aを介してシリンダブロック内に還流される。
【0036】
反対に、吸気バルブの作動タイミングを進角側に変更するときには、OCV13の作動により、上記と反対の作動油の流れによって遅角側受圧室10,10,…の作動油圧を増大させるようにすればよい。
【0037】
したがって、この実施形態では、軸受部2の軸受面に形成する開口溝27,28を、従来までのように軸受面の全周に亘って形成せずに、それぞれ軸受面の上側と下側とに略半周に亘って形成したので、これらの開口溝27,28からのオイルリーク量をかなり低減させることができる。また、2つの開口溝27,28を周方向に互いに径方向の反対側に配置したので、両者の軸線X方向の間隔を可及的に小さくしても、その間のオイルリーク量を極く僅かなものとすることができる。このように、軸受部2の軸受幅を広げることなくオイルリーク量を低減することができるので、十分に高い作動油圧を確保しつつエンジン全長の短縮を図ることができる。
【0038】
しかも、カム軸1内に形成した進角側の貫通通路32がジャーナル面の直径方向に対向した2カ所に開口しており、一方、遅角側の2つの油路30,30も同様に2カ所に開口していて、上述の如く2つの開口溝27,28を半円周上に形成していても、カム軸1の回転中に常に遅角側及び進角側の油路がそれぞれ開口溝27,28に連通するようになっている。このことで、進角側及び遅角側の各油圧室9,10,…に対する作動油の供給又は排出をカム軸1の回転中に途切れることなく継続して、その作動を安定確保することができる。
【0039】
さらに、この実施形態では、カム軸1にクランク軸からの回転入力を伝える入力部材として、タイミングプーリよりも幅が狭いスプロケット3を用いており、このことで、エンジン全長の一層の短縮が図られる。しかも、幅広のタイミングプーリを用いた場合には、軸受部2をタイミングプーリの内周側に配置してコンパクト化を図ることも考えられるが、スプロケット3を用いた場合にはそのようにしてコンパクト化を図ることができないので、この実施形態のように軸受部2の軸受幅を広げないで済むことが極めて有効になる。
【0040】
加えて、この実施形態では、カム軸1内で軸線X方向に延びる4本の油路30,30,31,31を軸線Xを中心とする同一円周上に等間隔をあけて配置しているので、油路のコンパクト配置とカム軸1の強度の確保とを図ることができる。しかも、進角側の軸方向の油路31,31を互いに貫通通路32によりカム軸1内で連通する一方、遅角側の2つの油路30,30を連通する環状通路はロータ4に設け、カム軸1内には設けていないので、カム軸1の強度の確保が容易になる。
(他の実施形態)
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、軸受部2の軸受面に形成する半円周状の開口溝27,28を、互いにオーバーラップしないように上下に対向配置しているが、これに限らず、例えば左右に対向配置してもよく、また、斜めに対向配置することも可能である。
【0041】
また、カム軸1内の油路は上記実施形態のものに限らず、種々の構成が可能である。
【0042】
また、上記実施形態では、クランク軸からの回転入力をチェーン及びスプロケット3によりカム軸1に伝達するようにしているが、これに限らず、例えば、タイミングベルト及びタイミングプーリにより伝達するようにしてもよい。
【0043】
さらに、カム軸1をスプロケット3に対して回動させる油圧アクチュエータの構成として、油圧力により軸線X方向に進退するピストン部材を設け、このピストン部材の軸線X方向の相対変位をヘリカルスプラインにより回転方向の相対変位に変換して、カム軸1をスプロケット3に対し相対的に回動させるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明における可変バルブタイミング装置付エンジンによれば、カム軸内の進角側液路又は遅角側液路にそれぞれ連通される軸受部側の2つの開口溝を略半周に亘って形成するとともに、互いに軸受面において径方向の反対側に配置することで、オイルリークを抑制して可変バルブタイミング装置の高い作動応答性を確保しつつ、エンジン全長の短縮を図ることができる。
【0045】
また、進角側液路又は遅角側液路の一方をカム軸の回転中に常に開口溝に連通させて、液圧機構の作動を安定確保することができる上に、カム軸の強度の確保が容易になる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、内側回動部材をカム軸に強固に連結することができる。また、進角側液路又は遅角側液路の他方をもカム軸の回転中に常に開口溝に連通させて、液圧機構の作動を安定確保することができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、幅狭のスプロケットによりエンジン全長の一層の短縮が図られる上、請求項1又は2の発明による効果が極めて有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る可変バルブタイミング装置の構成を示す断面図である。
【図2】 エンジン前端のヘッドカバー側から見てロータの構成を示す説明図である。
【図3】 エンジン側から見たロータの構成を示す説明図である。
【図4】 下側の開口溝と進角側の油路との連通状態を示す、図1のy−y断面図である。
【図5】 上側の開口溝と遅角側の油路との連通状態を示す、図1のz−z断面図である。
【図6】 カム軸が相対的に90度回転した状態を示す図1相当図である。
【符号の説明】
A 可変バルブタイミング装置
X カム軸の軸線
1 カム軸
1a カム軸の一端面
1b カム軸のボルト穴
2 1番ジャーナルの軸受部
3 スプロケット(入力部材)
4 ロータ(内側回動部材)
4d ロータの環状溝部(連通路)
5 ケーシング(外側回動部材)
9 遅角側油圧室
10 進角側油圧室
27 遅角側開口溝
28 進角側開口溝
30,30 油路(独立通路)
31,31 油路(軸方向通路)
32 貫通通路
Claims (3)
- バルブを開閉作動させるカム軸の端部に回転一体に連結された内側回動部材と、
上記内側回動部材に対して、カム軸の軸線回りに相対回転可能にかつ進角側及び遅角側の液圧室を区画形成するように外嵌合されて連結され、クランク軸側からの回転入力を受ける入力部材に回転一体に連結された外側回動部材と、
上記内側及び外側回動部材間の各液圧室に作動液を供給切り替えして、内側回動部材を外側回動部材に対し正逆両側に相対的に回動させる液圧機構とを備えた可変バルブタイミング装置付エンジンにおいて、
上記液圧機構は、
上記カム軸内に形成され、かつ一端が上記進角側液圧室に接続される一方、他端がカム軸の外周面に開口する進角側液路と、
上記カム軸内に形成され、かつ一端が上記遅角側液圧室に接続される一方、他端が上記進角側液路の開口端に対しカム軸軸線方向に離れた位置でカム軸の外周面に開口する遅角側液路と、
上記カム軸の軸受部の軸受面に略半周に亘って形成され、上記進角側液路の開口端が連通する進角側開口溝と、
上記軸受部の軸受面に、進角側開口溝に対して径方向の反対側に略半周に亘って形成され、上記遅角側液路の開口端が連通する遅角側開口溝と
を備えており、
上記進角側液路又は遅角側液路のいずれか一方は、一端がカム軸の外周面において直径方向に対向した2カ所にそれぞれ開口する一方、他端がカム軸内を軸線方向に延び、内側回動部材に形成された通路を介して液圧室に連通する2本の独立通路により構成され、
上記内側回動部材には、それをカム軸軸線方向に貫通して、一端が上記カム軸の各独立通路の他端に連通する一方、他端が連通路によって互いに連通された2本の通路が設けられている
ことを特徴とする可変バルブタイミング装置付エンジン。 - 請求項1において、
進角側及び遅角側の開口溝は、内側回動部材に最も近い軸受部に設けられており、
カム軸の端面の中心部には、上記内側回動部材をカム軸に連結するためのボルト穴が上記軸受部の中間部に対応する位置まで穿孔され、
進角側液路又は遅角側液路の他方は、上記ボルト穴よりも深い位置のカム軸内で該カム軸を直径方向に貫通する貫通通路と、一端が該貫通通路に連通する一方、他端がカム軸内を軸線方向に延び、内側回動部材を介して液圧室に連通する軸方向通路とで構成されていることを特徴とする可変バルブタイミング装置付エンジン。 - 請求項1又は2のいずれかにおいて、
入力部材はスプロケットであることを特徴とする可変バルブタイミング装置付エンジン。
Priority Applications (1)
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JP5793498A JP3855437B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 可変バルブタイミング装置付エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5793498A JP3855437B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 可変バルブタイミング装置付エンジン |
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JPH11257032A JPH11257032A (ja) | 1999-09-21 |
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1998
- 1998-03-10 JP JP5793498A patent/JP3855437B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11257032A (ja) | 1999-09-21 |
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