JP3855427B2 - 乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミ,おから等の含水性処理物を加熱乾燥させる誘導加熱型の乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種に相当する乾燥装置は特開平07−198254号公報に開示されているようなものが一般的であった。この乾燥装置は図2に示すように鉄心1と誘導コイル2からなる誘導加熱手段3と、誘導加熱手段3によって直接発熱する鉄系の加熱容器4と、前記誘導コイル2の自己発熱を空冷するために設けられた送風手段5と、前記誘導コイル2を空冷し逆に昇温された空気が温風化し、案内手段6を介して加熱容器4の上方より吹き付ける温風加熱手段7とから構成されている。
【0003】
そして上記乾燥装置が加熱容器の直接の発熱と上方からの温風によって加熱容器に収納されている生ゴミ,おから等の含水性処理物を乾燥するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の乾燥装置では、誘導加熱手段3によって鉄系の加熱容器4にうず電流損失を与え、自己発熱させ、本来の含水性処理物を加熱乾燥させる以外に周辺に送風手段や処理物を攪拌する攪拌手段等の要素部品にも悪影響を及ぼすと共に、発熱により要素部品が劣化する恐れがあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、誘導加熱手段の一要素である誘導コイルの周りに電磁遮蔽部を配設し、しかも誘導コイルから発生する磁界を避けた位置に部品を配置する構成としたものである。
【0006】
上記発明によれば電磁遮蔽部によって誘導コイルから発する磁界または磁束が外部へ飛散しないようにすることと、さらに磁界を避けた位置に部品を配置することによって構造が簡単になり省資源化を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、請求項1に記載するように含水性処理物を収納する処理容器と、前記処理容器に付設し、電磁誘導によって自己発熱する磁性金属体と、非導電体の外容器と、前記外容器における前記磁性金属体に対向する位置に配設され、誘導コイルと電磁性体の電磁遮蔽部を重合させてなる電磁誘導発生部と、前記処理容器内の含水性処理物を攪拌するための回転翼と、前記回転翼に回転動力を伝える伝動軸と、前記伝動軸を保持する軸受部と、 回転動力源を具備する攪拌手段とを備えた乾燥装置において、前記電磁誘導発生部からの電磁誘導障害を防止するための電磁性体の電磁遮蔽部を前記誘導コイルと前記軸受部との間に設けるとともに、前記回転動力源に近設する前記電磁誘導発生部によって発生する磁束方向から見て前記電磁誘導発生部の投影面外の領域に前記回転動力源を配設した構成とすることにより、誘導コイルから発せられた磁界は、対面する磁性金属体には影響を及ぼし、反対側あるいは側面の領域には飛散して影響を及ぼさないように電磁遮蔽部を配設しているため近接する要素部品、例えば攪拌手段の軸受部や回転動力源等へ磁界の影響を抑制できる。
【0008】
た、誘導加熱手段からの電磁誘導障害を防止するための電磁遮蔽部を誘導コイルと前記軸受部との間に設けた構成とすることによって、誘導コイルから発せられた磁界が攪拌手段の軸受部に影響を防止することができるので、前記の従来例で述べたように磁界が軸受部にうず電流を誘発し、うず電流損失を招き、軸受部に高温の熱が発生することよって起こり得る軸受部の熱破壊や挿入されている伝動軸への悪影響等を防止することができる。
【0009】
た、回転動力源に近設する電磁誘導発生部によって発生する磁束方向から見て前記電磁誘導発生部を投影する面領域外に位置するように前記回転動力源や磁性金属体の入った要素部品等を配設した構成にすることによって、電磁誘導発生部の投影面外の方が投影面内の領域に比べて磁界強度が弱く、誘導加熱手段の投影面外の領域に配設された要素部品は、磁界から受ける影響が少ない。またこのような部品配置と前記電磁遮蔽部を併用することによってさらに磁界の影響を軽減する効果がある。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施例における乾燥装置を示す構成図である。
【0012】
図1において、10は本発明の一実施例における乾燥装置を示し、第1処理容器11と、第1誘導加熱手段12,第2誘導加熱手段13,攪拌手段14,温風循環手段15,排出手段16,液溜タンク17から成り、このうち、第1処理容器11は、腐食性に強いたとえばステンレス材:SUS304などの非磁性金属体からなる内容器18と、前記内容器18の側壁,底面には、磁界に反応し、磁性金属体の1種である第1感温金属体19,第2感温金属体20と熱伝導性の良いたとえばアルミニウムあるいは銅などの非磁性金属体21,22を、それぞれ重合させた第1自己温度制御部材23と、第2自己温度制御部材24から構成される。また第1誘導加熱手段12は、第1電磁誘導発生部25と、これに対面して配設された前記第1自己温度制御部材23と高周波電源部26からなり、第1電磁誘導発生部25は、第1誘導コイル27と、絶縁体28,第1電磁遮蔽部29を三層に重合させ、高分子プラスチックなどの非導電体からなる外容器30の底面に着接して外容器30と合わせて4層に構成される。また第2誘導加熱手段13は、第2電磁誘導発生部31と、これに対面して配設された前記第2自己温度制御部材24と前記高周波電源部26からなり、第2電磁誘導発生部31は、第2誘導コイル32と、第2電磁遮蔽部33を重合させ、前記外容器30の側壁に着接して外容器30と合わせて三層に構成される。なお第1,第2誘導コイルの磁界に反応し自己発熱する磁性金属体の材料には前記の如く、感温金属体と非磁性金属体の複合材料である第1,第2自己温度制御部材以外に単一の磁性金属体、例えば鉄系の鋼材、あるいはステンレス系のSUS430等があるが、いずれも磁界に反応する金属体と言える。さらに前記第2誘導コイル32と前記第2電磁遮蔽部33との間に絶縁体を置いて三層に重合させ、前記外容器30の側壁に着接して構成する方法もあるが、電気絶縁上、問題がなければ省略しても良く、ここでは省略している。即ち非導電体からなる外容器30と第2誘導コイル32,第2電磁遮蔽部33の3層に構成されている。同様に底面の場合も非導電体の外容器30と第1誘導コイル27,絶縁体28,第1電磁遮蔽部29を重合させ4層構成としているが、絶縁上問題なければ絶縁体28を省略して外容器30と、第1誘導コイル27,第1電磁遮蔽部29の3層構成としてもよい。一方攪拌手段14は、回転翼34と、第1伝動軸35,第2伝動軸36と、前記第1処理容器11を介して前記第1伝動軸35を保持する第1軸受部37と、前記外容器30を介して第2伝動軸36を保持する第2軸受部38と、前記第2伝動軸36に伝動部39a,39bを介して回転動力を与える回転動力源40から構成される。なお第1電磁遮蔽部29は、前記第1誘導コイル27の下方向の物質に第1誘導コイル27から発生する磁界の影響を防止するために配設された例えばフェライト材などの第1電磁性体41と、加えて第1軸受部37,第2軸受部38が前記第1誘導コイル27から発生する磁界の影響を受けて発熱しないように第1軸受部37,第2軸受部38と前記第1誘導コイル27の間に前記第1電磁性体41に近接して設けたフェライト材などの第2電磁性体42から構成される。
【0013】
また、温風循環手段15は、第1処理容器11内の処理ガスを吸い込み、再加熱し、再び処理容器内に戻すように空気加熱手段43,送風循環ファン44,循環経路45、を直列に接続して循環形にして温風循環手段15が構成される。また排出手段16は、循環経路45の一部から処理ガスの一部を一旦脱臭を行い外気へ強制的に排出するために脱臭手段47,排出経路48と排出ファン49を接続して構成される。なお、処理ガスを処理容器11から直接外気へ排出する構成もあり、この間に脱臭手段47,排出経路48と排出ファン49を接続して前記と同様の構成が得られる。液溜タンク17は、脱臭手段47に向う間に凝縮された処理ガスの凝縮液を一時的に溜めるために着脱用意に構成されている。また外気が外気導入口50から高周波電源部26を経て、第1,第2電磁誘導発生部25,31を通流し形成される冷却通路51と、前記冷却通路51を経て循環経路45の一部に流入させる外気導入路52を配設した構成としている。高周波電源部26,第1,第2電磁誘導発生部25,31の冷却と、乾いた外気を前記高周波電源部26,第1,第2電磁誘導発生部25,31の熱で暖められた空気を循環経路45に合流させる構成としている。また特に攪拌手段の回転動力源40は、第1誘導コイル27から発する磁界の中心軸、所謂攪拌手段14の第1伝動軸35,第2伝動軸36の軸方向から見て第1誘導コイル27の投影面外の領域に配置されている。
【0014】
次に動作,作用について説明すると、第1処理容器11に収納された含水性処理物は、第1,第2誘導加熱手段12,13と分割された誘導加熱手段の作動によって第1,第2自己温度制御部材23,24にうず電流損失を誘引し、これに応じた自己発熱によって内容器18の底面と側壁から加熱される。第1,第2感温金属体19,20には温度が一定温度以上になると透磁率が急激に減少するキュリー点を有しする材料であるためキュリー点もしくはキュリー点近傍の温度を設定温度に合わせると、加熱温度が設定温度を超えた場合感温金属体の透磁率が急激に減少し磁気抵抗が上昇する。この結果、磁束は感温金属体の方には流れ難く、非磁性金属体の方へ流れ易くなり、非磁性金属体に電気抵抗が感温金属体に比べて約10分の1から100分の1程度低い銀,銅,アルミニウムを用いたとするとうず電流は極めて多く流れる。この電流増加を高周波電源部26で検知し、出力を抑制する制御が行われる。このため、うず電流損失は入力の抑制と非磁性金属体の低い電気抵抗の相乗作用により急激に小さくなり、同時に加熱温度も急激に低下する。加熱温度が設定温度以下になると、感温金属体の透磁率が急激に上昇し磁束は感温金属体の方に流れ易くなり、非磁性金属体の方へ流れ難くなる。この結果感温金属体の電気抵抗が大きいため加熱温度を上昇する。なお、感温金属体だけでも自己温度制御作用はある。すなわち感温金属体の透磁率が急激に減少し磁気抵抗が上昇するため磁束が流れ難くなると同時に電気抵抗が大きくなるためうず電流が小さくなる方向に作用し、うず電流損失も小さくなり、この結果加熱温度も低くなり自己温度制御作用が得られる。しかし感温金属体だけの自己温度制御部材の場合は若干熱伝導性が悪く熱応答性も低い。一方温風循環手段15においては、第1処理容器11内で発生した処理ガスを、送風循環ファン44によって循環経路45を通流させ、空気加熱手段43へ送り込み再加熱する。再加熱された処理ガスは、再び第1処理容器11へ戻り、処理物を容器上方から加熱するように繰り返し利用される。所謂温風循環形になっている。さらに攪拌手段が加わることによって処理物への熱の浸透性が良くなり乾燥速度が高められる。また排出手段16では、循環経路45の一部から水蒸気を含んだ処理ガスの一部を脱臭手段47で一旦脱臭を図った後外気へ強制的に排出し、匂いを緩和すると共に乾燥速度を速める働きを持っている。また外気導入口50、から冷却通路51を流れる外気の乾いた空気が高周波電源部26と第1,第2電磁誘導発生部25,31からの発熱を冷却し、ここで温められた空気が外気導入路52を経て循環経路45で処理ガスと合流、さらに空気加熱手段43で再加熱された後、含水性処理物の加熱に利用される。したがって乾いた温風加熱作用により乾燥促進が図られる。
【0015】
また液溜タンク17では、処理ガスの一部が循環経路45内で凝縮され滴下する処理液を一時的に溜め匂いの拡散を抑えている。
【0016】
また第1電磁遮蔽部29は、構成部品である第1電磁性体41と第2電磁性体42の電磁界の集束作用によって、第1誘導コイル27の下方向の領域に対しては第1電磁性体41で、第1誘導コイル27の側面の領域に対しては第2電磁性体42で磁界の拡散を抑えている。また第2電磁遮蔽部33は、第2誘導コイル32から発する磁界方向には第2誘導コイル32が外容器30の周囲に巻かれている場合と、側壁に対面して巻かれる場合とによって異なるが、第2誘導コイル32の外側の領域に磁界が飛散し影響を及ぼさないように第2電磁遮蔽部33で磁界を集束させる一方、対面する第2自己温度制御部材には磁界が充分届くように配慮した構成としているため加熱量が低下することなく外容器の周囲にあるケーシングや要素部品に及ぼす磁界の影響が軽減される。また攪拌手段の回動動力源40,第1誘導コイル27から発する磁界の中心軸、所謂攪拌手段14の第1伝動軸35,第2伝導軸36の軸方向から見て第1誘導コイル27を投影する領域外に配置されているため領域内の強い磁界強度領域から逃れられ、磁界が及ぼす影響は軽減される。なお第2誘導コイル32と第2電磁遮蔽部33との間に絶縁体を置いて三層に重合させ、前記非導電体の外容器30の側壁に着接して構成する方法もあるが、電気絶縁上、問題がなければ省略しても良く、ここでは省略して非導電体からなる外容器30と第2誘導コイル32,第2電磁遮蔽部33の3層に構成されている。同様に底面の場合も非導電体の外容器30と第1誘導コイル27,絶縁体28,第電磁遮蔽部29を重合させ4層構成としているが、絶縁上問題なければ絶縁体28を省略して外容器30と、第1誘導コイル27,第1電磁遮蔽部29の3層構成としてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に係る乾燥装置は、生ゴミ,おから等の含水性処理物を収納する処理容器と、前記処理容器に付設し、電磁誘導によって自己発熱する磁性金属体と、非導電体の外容器と、前記外容器における前記磁性金属体に対向する位置に配設され、誘導コイルと電磁性体の電磁遮蔽部を重合させてなる電磁誘導発生部と、前記処理容器内の含水性処理物を攪拌するための回転翼と、前記回転翼に回転動力を伝える伝動軸と、前記伝動軸を保持する軸受部と、回転動力源を具備する攪拌手段とを備えた乾燥装置において、前記電磁誘導発生部からの電磁誘導障害を防止するための電磁性体の電磁遮蔽部を前記誘導コイルと前記軸受部との間に設けるとともに、前記回転動力源に近設する前記電磁誘導発生部によって発生する磁束方向から見て前記電磁誘導発生部の投影面外の領域に前記回転動力源を配設した構成としてあるので、電磁遮蔽部のうち、第1電磁遮蔽部では、第1電磁性体と第2電磁性体の電磁界の集束作用によって、第1誘導コイルの下方向の領域に対しては第1電磁性体で、第1誘導コイルの側面の領域に、即ち攪拌手段の軸受部を占める領域に対しては第2電磁性体で磁界の拡散を抑え、第2電磁遮蔽部では、前記と同様の作用により第2誘導コイルから発する磁界が第2誘導コイルの外側の領域に影響を及ぼさないように磁界の拡散を抑えているため、誘導コイルの周辺に配置されている要素部品への電磁誘導障害や、乾燥装置外で利用する人に対する電磁誘導障害も防止できる。また、電磁誘導障害を受けやすい部品、例えば攪拌手段の回転動力源が、第1誘導コイルから発する磁界の中心軸、所謂攪拌手段の伝動軸の軸方向から見て第1誘導コイルが投影する面の領域外に配置されているため領域内の強い磁界強度領域から逃れられ、磁界からの影響が軽減される。また、このような部品配置による作用と前記電磁遮蔽部の遮蔽作用とが加わることによって相乗効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における乾燥装置の構成図
【図2】 従来例の乾燥装置の構成図
【符号の説明】
11 第1処理容器
12 第1誘導加熱手段
13 第2誘導加熱手段
14 攪拌手段
23 第1自己温度制御部材(磁性金属体)
24 第2自己温度制御部材(磁性金属体)
25 第1電磁誘導発生部
26 高周波電源部
27 第1誘導コイル
29 第1電磁遮蔽部
30 外容器(非電導体)
31 第2電磁誘導発生部
32 第2誘導コイル
33 第2電磁遮蔽部
34 回転翼
35 第1伝動軸
36 第2伝動軸
37 第1軸受部
38 第2軸受部
39a,39b 伝動部
40 回転動力源

Claims (1)

  1. 含水性処理物を収納する処理容器と、前記処理容器に付設し、電磁誘導によって自己発熱する磁性金属体と、非導電体の外容器と、前記外容器における前記磁性金属体に対向する位置に配設され、誘導コイルと電磁性体の電磁遮蔽部を重合させてなる電磁誘導発生部と、前記処理容器内の含水性処理物を攪拌するための回転翼と、前記回転翼に回転動力を伝える伝動軸と、前記伝動軸を保持する軸受部と、回転動力源を具備する攪拌手段とを備えた乾燥装置において、前記電磁誘導発生部からの電磁誘導障害を防止するための電磁性体の電磁遮蔽部を前記誘導コイルと前記軸受部との間に設けるとともに、前記回転動力源に近設する前記電磁誘導発生部によって発生する磁束方向から見て前記電磁誘導発生部の投影面外の領域に前記回転動力源を配設した乾燥装置。
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