JP3855208B2 - 導電性複合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、より改良されたポリピロールによる被処理材の被覆方法、および該方法により得られた導電性複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリピロール等の導電性物質を繊維等の被処理材の表面に被覆することにより導電化された導電性複合体、特に静電植毛用フロックは、本願以前に開示された特願平5−280474号において既に提案されている。
【0003】
従来、この種の導電性複合体の導電性を向上させるために、ポリピロールの被覆工程前に、ピロールモノマーが繊維表面でより容易に重合しかつポリピロールが繊維表面に強固に付着するように、例えば繊維表面を改質したりもしくはピロールモノマーの重合を阻害する物質を取り除く等の前処理を行っていた。
【0004】
ポリエステル繊維は疎水性繊維であるので、ポリエステル繊維表面に静電気が著しく帯電する傾向がある。そしてこの繊維表面に帯電した静電気は、繊維の取扱い性を低下させていた。そこで、従来、このポリエステル繊維表面に帯電する静電気を抑えるために、例えば、ポリピロールの被覆工程前のトウ製造時やカット時における静電気を防止抑制するために、ポリエステル繊維に紡績油剤を大量に付与していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の油剤の付与により形成される油剤の膜厚は、繊維表面に形成されるポリピロールの膜厚(0.01〜0.1μm程度)と同じかもしくはそれ以上となり、油膜がポリエステル繊維とポリピロールの接着性を低下させていた。またポリエステル繊維は基本的に難接着性繊維であることより、油膜を繊維表面に形成させる方法はポリピロールを繊維表面に均一に被覆することを妨げていた。よって、従来、ポリピロールを繊維表面に均一に被覆させるために、被覆工程の前に、界面活性剤、炭酸ナトリウム、もしくは水酸化ナトリウム等で前記繊維表面の油剤膜を予め完全に洗浄除去していた。また、残存するアルカリがピロールモノマーの重合阻害とならないように繊維を酢酸等で洗浄し、さらに水洗で仕上げを行っていた。
【0006】
一方、ポリエステル繊維とポリピロールの接着性を向上させる方法として繊維を予めコロナ処理する方法が考えられる。しかし、かかる方法は、不織布や織物には適用できるが、短繊維状のものには適用できなかった。
他にも、ポリエステル繊維表面の接着性の改質方法として120〜130℃において、ポリエステル繊維表面をアルカリで加水分解させて水酸基、カルボキシル基を得る方法が一般的に有効であった。しかし、ピロールモノマーの重合に阻害要因となる残留アルカリを完全に除去することは極めて困難であった。
【0007】
更に、前記従来技術に付随する問題として、再現性の悪さがあった。
ここでいう「再現性」とは、顔料(例えば、カーボンブラック)の含有の有無並びにその含有量のいかんに関係なく、同量のピロールモノマーを使用したときには、同程度の導電性が得られることをいう。
そして、従来、原着糸と呼ばれる、顔料を含有する繊維中の顔料量の増加は、特に、再現性を悪くしていた。
例えば、カーボンブラックを練り込んだ原着糸にポリピロールを被覆する場合、原着糸中のカーボンブラック量が原着糸の重量に対して0〜0.8%程度の少量の場合には、ポリピロールの被覆による生じる導電性に変化は見られなかったが、原着糸中のカーボンブラック量が原着糸の重量に対して1.0%以上、特に1.2%を越す場合、かかる導電性がしばしば低下していた。
この導電性の低下の理由は、原着糸中のカーボンブラック量の増加に伴って、混練によりポリエステル繊維の結晶配列が乱され、ピロールモノマーが繊維内部に吸収されてしまい、ピロールモノマーが繊維表面で十分に重合しなかったことに起因するものであると考えられる。
【0008】
以上より、ポリピロールを繊維に被覆する前の繊維表面の前処理方法の改良、および耐光性に優れて利用価値の大きな、特にポリエステル/カーボンを原料とする原着糸の導電性の再現性の向上が強く求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解消するべく、本発明者は鋭意研究した結果、4,4’ジヒドロキシフェニルスルホン/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/硫黄縮合物のスルホン化物、オルトクロロフェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ベンジルアルコール縮合物のスルホン化物で被処理材を前処理行った場合、ピロールモノマーの重合反応が被処理材表面で都合よく進行し、高い接着力を有する導電性複合体が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
従って、本発明は、被処理材を、4,4’ジヒドロキシフェニルスルホン/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/硫黄縮合物のスルホン化物、オルトクロロフェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ベンジルアルコール縮合物よりなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含有する前処理溶液で前処理し、その後、該被処理材をピロールモノマーおよび化学酸化剤を含有する処理溶液と接触させ、そしてピロールの重合反応を行い該被処理材とポリピロールを一体化することよりなる導電性複合体の製造方法に関する。
【0011】
上記のスルホン化物で被処理材を前処理行った場合、ピロールモノマーの重合反応が被処理材表面において都合よく進行したのは、該化合物がカーボンブラックを含有する原着糸に吸着浸透し、この化合物が繊維全体を被覆し、そして前記化合物のスルホン酸基が繊維表面に配位する状態となり、その結果ピロールの重合反応の触媒として働く第二鉄イオンがこの繊維表面に存在するスルホン酸基に吸着することで、ピロールモノマーの重合が都合よく進行したと推量される。
【0012】
本発明における被処理材は典型的にはポリエステル繊維である。
この繊維は短繊維および/もしくは長繊維であってもよく、またこの繊維は染色されていてもよい。特に、紡糸の段階で顔料等を混入して着色した、原着繊維が本発明において用いられる。
さらにこの繊維の繊維径は静電植毛用の原料繊維としては、デニール数;約1〜65d、繊維長;0.3〜6.0mm、そしてアスペクト比;1:30〜1:100の特性を有する繊維が好ましい。アスペクト比が1:100を超える繊維であると、均一な静電植毛を行なうことができない場合がある。繊維の径が大きいほど、アスペクト比がより大きい値の繊維をも使用することができるが、繊維の径が小さい場合には、アスペクト比がより小さい繊維を選択して使用する必要がある。一般に、繊維長がデニール数の0.3倍の長さ(mm)である繊維が、静電植毛の原料繊維として最も適当であるといわれている。
【0013】
本発明における被処理材は、好ましくはカーボンブラック含有ポリエステル繊維、特に好ましくは、カーボンブラック含有ポリエステル短繊維である。
このカーボンブラックは、一般的に顔料として使用されている、商業的に入手可能なものである。また、このカーボンブラック量は、繊維本来の性質を失わない範囲の量において使用される。カーボンブラック量は、例えば繊維の重量に対して、0.8%以上、好ましくは1.2%である。
【0014】
本発明の被処理材の前処理に使用される化合物は、以下の式1に示されるように4,4’ジヒドロキシフェニルスルホン(一般にビスフェノールSと呼ばれている)をホルマリンと縮合重合し、硫酸、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム等を用いてベンゼン環にスルホン酸基またはメチレンスルホン酸基を導入した化合物である。これは一般的にはポリアミド繊維の酸性染料、金属錯塩染料の染色堅牢度向上剤として製造、販売されている。
【化1】
【0015】
さらに、4,4’ジヒドロキシジフェニルスルホン/ホルマリン縮合物以外の本発明に有効な化合物には、以下の構造式を主に有する化合物が挙げられる。
▲1▼ベンジル置換フェノールのスルホン化物
【化2】
▲2▼チオフェノール系化合物のスルホン化物、フェノール、オルトクロロフェノール等のフェノール類と硫黄の加硫による縮合物
【化3】
▲3▼フェノールスルホン酸/ホルマリン縮合物
【化4】
▲4▼ノボラック型樹脂のスルホン化物
【化5】
▲5▼レゾール型樹脂のメタンスルホン酸
【化6】
これらの化合物量は繊維径によっても異なるが、好ましくは繊維の重量に対して0.5〜3%、好ましくは0.8〜1.5%の範囲で使用される。
【0016】
好ましい前処理に使用される化合物は、4,4’ジヒドロキシフェニルスルホン/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/硫黄縮合物のスルホン化物、オルトクロロフェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ベンジルアルコール縮合物のスルホン化物である。
【0017】
被処理材の前処理は、最初に被処理材を水中に加え分散し、次に前記化合物含有溶液をその水溶液に加え、その溶液のpHを1〜3に調整し、さらに所定時間攪拌下加熱することよりなる。
ここで、pHを1〜3に調整したのは、前記化合物の被処理材に対する吸収性を向上させるためである。即ち、前記化合物は中性付近では高温下にあっても繊維に全く吸収されないが、pH3以下、特にpH1〜2においで前記化合物は繊維に吸収されるからである。
このpH1〜3の条件を得るためには、強酸を使用する。この強酸にはスルホン化の残留硫酸を使用することも可能であり、後添加として蟻酸、酢酸等を併用して、pHを調整することも可能である。
加熱温度および加熱時間は、pHに依って変化するが、80〜98℃で10〜60分間である。
また、予め前記化合物を含有する水溶液に被処理材を加えた後に、前記と同様にしてpHの調整、および攪拌下における加熱を行ってもよい。
【0018】
被処理材の前処理が終了した後に、被処理材を水でよく洗浄し、そしてポリピロールの被覆工程に移る。
被覆工程に移る前に、被処理材を一旦、乾燥させてもよい。
【0019】
本発明におけるポリピロールとは、ピロールおよびその誘導体をモノマーとして(即ち、少なくともモノマーの一成分として)重合して得られるポリマーを意味し、無置換ピロールまたは各種の置換ピロールのホモポリマーの他、ピロールと3,5−置換ピロール(3,5−ジメチルピロール等)、3,4−置換ピロール(4−メチルピロール−3−カルボン酸メチル等)、N−置換ピロール(N−メチルピロール等)もしくは3−置換ピロール(3−メチルピロール、3−オクチルピロール等)とをモノマーとして重合して作られたコポリマーも包含される。
無置換ピロールのポリマーであるポリピロールは、繊維等の被処理材との接着強度、導電性の程度、加工性の良否等の点から、特に好ましい材料である。
最も好ましいポリピロールは、ピロールのみをモノマーとして重合して得られるホモポリマーである。
従って、本明細書において、ピロールモノマーとは、本発明のポリピロールの生成に利用されるモノマーとしてのピロールおよびその誘導体を指す。
【0020】
ポリピロールの被覆は前処理された被処理材をピロールモノマー、化学酸化剤、および必要によりドーパント等を含有する処理溶液と接触させて、ピロールモノマーを重合させて被処理材とポリピロールを一体化させるというプロセスにより行う。
【0021】
被処理材とピロールモノマーの接触は、被処理材の種類および形態等により異なる。例えば、被処理材が繊維等であるとき、接触は、▲1▼被処理材それ自体を処理溶液の中に混合し、分散させることにより行う。
また、被処理材が長尺もしく幅広な繊維加工品または平面、立体材料等であるときは、接触は、▲2▼被処理材の全体もしくは導電化すべき部分を処理溶液内に浸漬させるか、または▲3▼被処理材の全体もしくは導電化すべき部分を処理溶液の例えば表面部と接触させるなどにより行う。
そして▲1▼〜▲3▼の条件下において、ピロールモノマーの重合を進行させる。
【0022】
上記▲1▼の場合、被処理材を前処理溶液と混合し、そして前処理の終了後に、被処理材をピロールモノマー含有処理溶液中に移し、ピロールモノマーを重合させて被処理材とピロールポリマーを一体化させることが好ましい。
また、上記▲1▼の場合、被処理材の前処理の終了後に、被処理材含有の前処理溶液にピロールモノマー含有の処理溶液を加え、そしてピロールモノマーを重合させて被処理材とピロールポリマーを一体化させてもよい。
【0023】
ピロールモノマーの重合反応は、できるだけゆっくりと進行させるのが好ましい。その温度条件は低温であることが好ましく、2℃〜35℃、より好ましくは2℃〜25℃である。
重合速度が著しく速いと、水相中での反応が急速に(一瞬のうちに)進行し、重合体が繊維の表面に付着し難くなり、水槽中に遊離した重合体粒子が大量に形成される。
重合反応は、繊維とともに、スラリー形態の処理溶液を攪拌または循環しながら行なわれる。モノマーの重合が進行し、そのうちに溶解度が低下してくると、生成したポリピロールが酸性コロイダルシリカ等の超微細粒子とともに繊維の表面に析出または付着する。本反応は定量的な反応である。
【0024】
ピロールモノマーの被処理材に対する使用量は、被処理材の種類、形状、性質等の要素にかなり依存する。例えば、被処理材が繊維(通常短繊維であり、染色されていてもよい。)である場合、それに対するピロールモノマーの使用量は、繊維の種類、直径等により相当に異なる。一般に、ピロールモノマーは、対繊維重量比で、約0.1ないし約3.0%、より好ましくは約0.11ないし約1.0%の割合で処理溶液に添加される。例えば、ピロールモノマーを3デニール、長さ0.8mmのポリエステル繊維(比重1.34)に対して重量比0.75%で添加した場合には、平均にて、厚さ約0.044(計算値)μmのポリピロール層が繊維の周面および両端面に形成される。
ピロールモノマーの使用量は、導電化された製品の用途に依っても著しく異なる。例えば、静電植毛用フロックのように、その後フロックを単に被処理材上に植毛すれば十分であるような用途(静電植毛製品)では、ピロールモノマーの使用量は少なくて済むが、静電気の除去を目的として十分高い導電性が要求されるような用途では、ピロールモノマーの使用量はかなり多量になる。
【0025】
もっとも、等量のピロールモノマーを使用しても、被処理材の表面に形成されるポリピロール層の厚さは、被処理材の表面性状により異なる。例えば、被処理材が繊維であるとき、繊維表面に形成されるポリピロール層の厚さは、繊維の表面形状(粗さ)、多孔性、繊維組成等によって異なる。例えば、ポリエステル繊維等の非浸透性繊維の場合には、添加モノマー量から算出した平均厚さにほぼ等しい平均厚さの導電性ポリピロール層が形成される。
好適なポリピロール層の厚さは、ポリエステル繊維等の非浸透性繊維の場合は一般に0.01ないし0.05μm程度である。
【0026】
また、被処理材(繊維等)の表面へのポリピロール被膜の形成を均一なものとするために、さらに表面張力低下剤を添加することができる。
表面張力低下剤としては、界面活性剤のほか、アルコール等の有機溶媒、並びに、シリコーン系等の消泡剤などが挙げられる。界面活性剤は、繊維表面のぬれ性を改良するものであり、また、アルコール類も、水との混和により繊維表面のぬれ性を改良するために付加的に混合することができる。
上記の界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン型界面活性剤;あるいは、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール ブロックコポリマー、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのノニオン型界面活性剤が挙げられる。
【0027】
また上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。
表面張力低下剤の添加量は、一般に極少量ないし少量で足り、例えば、界面活性剤の場合は処理溶液の全重量に対して約0.01〜約2%の範囲内の量で十分であり、またアルコール類の場合は、処理溶液の全重量に対して約0.1〜約5.0%の範囲で十分である。
【0028】
触媒の化学酸化剤としては、ピロールモノマーの重合を促進する物質一般が使用することができ、例えば、塩化第二鉄、過塩素酸第二鉄、硝酸第二鉄、クエン酸第二鉄、p−トルエンスルホン酸第二鉄、硫酸第二鉄、過沃素酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸第二鉄、クロロベンゼンスルホン酸第二鉄およびアントラキノンスルホン酸第二鉄等の、第二鉄化合物;過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過マンガン酸、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩;三酸化クロム、重クロム酸カリウム等のクロム酸塩;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;塩素、臭素等のハロゲンなどが挙げられ、これらは単独でまたは二種以上の物質を適宜組み合わせて使用される。
より好ましい化学酸化剤としては過塩素酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄、p−トルエンスルホン酸第二鉄、トリフルオロメタンスルホン酸第二鉄、クロロベンゼンスルホン酸第二鉄およびアントラキノンスルホン酸第二鉄等の、第二鉄化合物が挙げられる。特には、水溶性の第二鉄塩が好ましい。
化学酸化剤は、通常、ピロールモノマー1モル当り約2ないし約3モルの割合で使用されるが、空気中の酸素、過酸化水素、オゾン等の酸素ラジカル発生源を補助酸化剤として併用する場合には、ピロールモノマーに対する化学酸化剤の使用量をそれだけ減量することができる。
【0029】
また、本発明の複合体の導電性を高めるために、必要ならば、ドーパントをピロールモノマーの重合に併用することも可能である。このドーパントは、好適にはpH1〜5、より好ましくはpH1〜3の条件下で使用される。
適するドーパントとしては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロベンゼンスルホン酸、ジクロロベンゼンスルホン酸、トリクロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ナフトキノンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、およびその他の芳香族スルホン酸、およびそのアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)塩もしくはテトラエチルアンモニウム塩;あるいは過塩素酸およびそのアルカリ金属塩もしくはテトラエチルアンモニウム塩;並びに、塩酸、硫酸、硝酸およびスルホサリチル酸などが挙げられる。特に芳香族スルホン酸またはそのアルカリ金属塩が好ましい。
【0030】
また、重合反応の終了後、ポリピロールと一体化した導電性複合体は水洗いされる。その際、得られた複合体が導電性フロックであるときには、必要によりフロック同志の絡み合いを防止しまた静電植毛機中のストレージタンクからの供給路におけるスクリュー等による搬送性を向上させるために、ステアリン酸アミド等の、柔軟剤または平滑剤等を少量添加使用してもよい。
【0031】
その後、導電性フロックは乾燥されるが、フロック同士の絡み合いを最小限に抑えるために、流動槽乾燥法、すなわちスラリー状態ないしはこれを遠心分離で脱水した状態のフロックを流動槽内で熱空気流との接触により乾燥させるという方法を用いるのが最も好ましい。
而して、作られた導電性複合体のフロックは、従来と同様の静電植毛に利用することができ、これにより種々多様な静電植毛品を製造することができる。
【0032】
また、被処理材が繊維または繊維加工品であるとき、本発明による被処理材とポリピロールの一体化処理は、繊維または繊維加工品の染色の後に行なってもよく、また、染色の前に行なってもよい。但し、ポリエステル繊維のアルカリ染色は、脱ドープをひき起こし、導電性を低下せしめるので、アルカリ染色を行なう場合には、その染色を上記の被覆処理の前に行なう必要があり、染色後念のため酸洗することが好ましい。また、一体化処理後の染色は、酸性下で行なう必要がある。
【0033】
そして、かかる染色により、染料による色相とポリピロール等の被覆層の色相とが相俟って、バラエティーに富む色調の導電性複合体が得られる。用いられる染料としては、繊維の種類によっても異なるが、酸性染料、クロム錯体等の金属錯塩染料、分散染料、カチオン染料、反応性染料等が挙げられる。
【0034】
本発明により製造される導電性複合体、特に静電植毛用フロックは、静電植毛一般に利用することができ、建築用内装材(壁紙、カーテン、カーペット、マット等)、履物(草履、鼻緒等)、日用雑貨(装飾カバー、装飾コード、宝石箱、文房具等)、自動車用品(ダッシュボード、サンバイザー、ウェザーストリップ、カーシート用フロッキーヤーン等)、冷暖房機器(こたつ、足温器等)、家具、椅子張り用素材、衣料(帽子、ジャケット、手袋等)および電子機器(ブラシロール等)など、広範な用途における各種の静電植毛品の製造に適するものである。
【0035】
【実施例】
以下に記載された実施例により本発明をより詳細に説明する。
実施例1
カーボンブラック1.2%を含有する3.5デニールの原着ポリエステル繊維を、0.45mmに切断した。この切断した繊維(フロック)を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に固形分約40%の4,4’ジヒドロキシフェニルスルホン/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の3.5%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして90℃で35分間水溶液を攪拌して繊維を前処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.2%を重合反応させた。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定(正負の電極端子を繊維塊の中に挿入して抵抗値を読み取る方法)に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、7×106 Ω/cmの抵抗値を有していた。
【0036】
実施例2
実施例1と同一の繊維および実施例1と同様の操作を使用して、繊維を水中に分散させた。その後、この水溶液に固形分約38%のフェノール/硫黄縮合物のスルホン酸基導入タイプ(分子量約2,000)を3%のスルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.8に調整し、そして85℃で45分間水溶液を攪拌して繊維を前処理した。繊維を十分に水洗いした後に触媒系として実施例1と同様の塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を用いて15℃で4.5時間攪拌下においてピロールモノマー0.2%を重合反応させた。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、8×106 Ω/cmの抵抗値を有していた。
【0037】
比較例1
比較のために、繊維を化合物で前処理を行わなかったことを除いて、実施例1および2と同様にして繊維とピロールを一体化した。得られた繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、1×1011Ω/cmの抵抗値を有していた。
【0038】
以上の実験結果より、繊維を化合物で処理した後に繊維とピロールを一体化した繊維は、化合物で前処理を行わなかった繊維より、より良好な導電性を有することが示された。
【0039】
実施例1および2と同様にして、原着ポリエステルと標準ポリエステルについて、以下の実施例3ないし6、および実施例7および8、並びに比較例1および2を行った。
ここでいう「原着ポリエステル」とは顔料含有ポリエステルを意味し、「標準ポリエステル」とは顔料を含有しないポリエステルを意味する。
原着ポリエステルについての実験
実施例3
カーボンブラック1.2%を含有する1デニールの原着ポリエステル繊維を、0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の3%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして80℃で25分間水溶液を攪拌して繊維を処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する無水酢酸溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.18%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、104 Ω/cm以下の抵抗値を有していた。
【0040】
実施例4
カーボンブラック1.2%を含有する1デニールの原着ポリエステル繊維を、0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に芳香族スルホン酸塩/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の3%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして80℃で25分間水溶液を攪拌して繊維を処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.16%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、104 Ω/cm以下の抵抗値を有していた。
【0041】
実施例5
カーボンブラック1.2%を含有する1デニールの原着ポリエステル繊維を、0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の3%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして80℃で25分間水溶液を攪拌して繊維を処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.16%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、104 Ω/cm以下の抵抗値を有していた。
【0042】
実施例6
カーボンブラック1.2%を含有する1デニールの原着ポリエステル繊維を、0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の5%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして80℃で25分間水溶液を攪拌して繊維を処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.18%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、104 Ω/cm以下の抵抗値を有していた。
【0043】
上記実施例3ないし6の実験結果を表1にまとめた。
A液とは芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物のスルホン化物水溶液を意味し、B液とは芳香族スルホン酸塩/ホルマリン縮合物のスルホン化物水溶液を意味する。
【0044】
原着ポリエステルについて
実施例3および4の実験結果に示されるように、同濃度のA液およびB液で繊維を処理した場合、抵抗値に差は見られなかった。
また、実施例5および6の実験結果に示されるように、ピロールモノマーの濃度を低下させたことおよび処理溶液濃度を増加させたことを除いて実施例4と同一条件下で繊維を処理した場合、それぞれの繊維の抵抗値に変化は見られなかった。
【0045】
標準ポリエステルについての実験
以下の実施例において、0.31%のピロールモノマーを用いて実験を行ったのは、上記原着ポリエステル(1d)と標準ポリエステル(3d)の繊維の単位表面積当たりのポリピロール被覆量を同等にするべく、以下の計算式
(3d/1d)×0.18=0.31
に基づいたことに起因する。
また 以下の実施例において、0.20%のピロールモノマーを用いて実験を行ったのは、ピロールモノマー量の抵抗値に対する影響をみるためである。
【0046】
比較例2
3デニールのポリエステル繊維を0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.31%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、1010Ω/cm以上の抵抗値を有していた。
【0047】
実施例7
3デニールのポリエステル繊維を0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の3%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして80℃で25分間水溶液を攪拌して繊維を処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.31%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、5×106 Ω/cm以上の抵抗値を有していた。
【0048】
比較例3
3デニールのポリエステル繊維を0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.20%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、1010Ω/cm以上の抵抗値を有していた。
【0049】
実施例8
3デニールのポリエステル繊維を0.45mmに切断した。この切断した繊維を、水(水:繊維=10:1)中に攪拌下分散させた。その後、この水溶液に芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物(分子量約1,500)の3%スルホン化物水溶液を添加し、蟻酸でpH1.5に調整し、そして80℃で25分間水溶液を攪拌して繊維を処理した。繊維を十分に水洗いした後に、繊維、ピロールモノマー、および触媒系として塩化第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸を含有する溶液中において、15℃で4.5時間攪拌下において、ピロールモノマー0.20%を重合反応させた。反応終了後、溶液に水を加え、さらに溶液を水酸化ナトリウムで中和した。得られたポリピロールと一体化した繊維を水洗いし、105℃で流動乾燥した。このようにして得られたポリピロールと一体化した繊維は、2端子法測定に従い電気漏洩抵抗値を測定したところ、1010Ω/cm以上の抵抗値を有していた。
【0050】
上記比較例2および3、並びに実施例7および8の実験結果を表2にまとめた。
A液とは芳香族フェノールスルホン酸塩/ホルマリン縮合物のスルホン化物水溶液を意味し、B液とは芳香族スルホン酸塩/ホルマリン縮合物のスルホン化物水溶液を意味する。
*前記の通り、3dのポリエステル繊維のピロールモノマー濃度0.31%は、1dのポリエステル繊維のピロールモノマー濃度0.18%に相当する。
【0051】
標準ポリエステルについて
比較例2および実施例7の実験結果より、繊維を処理溶液で処理することにより、その抵抗値が低下することがいえた。
比較例3および実施例8の実験結果より、両者の抵抗値に差はないことがいえた。
実施例7および実施例8の実験結果より、両者の抵抗値に差が見られたことより、ピロールモノマーの濃度を低下させても抵抗値に変化が見られなかったこともいえた。
【0052】
原着ポリエステルと標準ポリエステルについて
実施例3および比較例2の結果に示されるように、繊維を処理溶液で処理することにより、繊維の抵抗値が顕著に低下することがいえた。
また、実施例3および実施例7の結果より、カーボンブラック含有繊維を処理溶液で処理した場合、カーボンブラックを含有しない繊維を処理溶液で処理した場合よりも、繊維の抵抗値がより低下することがいえた。
【0053】
【発明の効果】
以上の記載よりわかるように、本発明によれば、特定のスルホン化物で被処理材を前処理することにより、導電性複合体の導電性および再現性が従来に比して向上される。
Claims (3)
- 顔料を含有するポリエステル繊維である被処理材を、4,4'ジヒド
ロキシフェニルスルホン/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/硫黄縮合物のスルホン化物、オルトクロロフェノール/ホルマリン縮合物のスルホン化物、フェノール/ベンジルアルコール縮合物のスルホン化物よりなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含有する前処理溶液で前処理し、その後、該被処理材をピロールモノマーおよび化学酸化剤の第二鉄化合物を含有する処理溶液と接触させ、そしてピロールモノマーの重合反応を進行させて該被処理材とポリピロールを一体化することよりなる導電性複合体の製造方法。 - 被処理材がカーボンブラック含有ポリエステル繊維であるところの請求項1記載の導電性複合体の製造方法。
- 請求項1又は2記載の製造方法により得られた導電性複合体。
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