JP3855152B2 - フック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場などで作業者の体や安全帯に連結した命綱の先に取り付けて、建物躯体などの固定物間に張った索状体(ロープやワイヤー等)や仮設足場などで使用される棹状体(単管など)等の被掛止体に掛け止めるためのフックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフックは、図7に示すように、U字状掛止部h1と、これに連接して形成されると共に命綱Tを取り付けるための接続穴Kを有する握部h2と、単管Pなどの被掛止体を通過させる開放部h3から成るフック本体Hと、上記握部h2に回動自在に枢着されて上記開放部h3を開閉する開閉杆Rから構成されていて、高所作業における落下事故を防止するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフックは、図7からも明らかなように、開閉杆Rを直接握る構造となっているので、単管Pが上記開放部h3を通過する際に、上記握部h2を握った指Fがその通路を邪魔するため、特に単管Pなど太い被掛止体への掛け止め掛け外しが困難となるだけでなく、単管Pが指Fに当たって傷付ける恐れがある等の問題点があった。また、命綱Tを取り付ける接続穴Kが完全に閉じられた穴であるため、命綱Tの先端を接続穴に通してから薩摩編みなどによりアイスプライス(索眼)tを形成していたので、命綱Tの接続に手間がかかり、ロープの交換は容易ではなかった。特に、フック等の金属部品に対して損耗が激しい繊維製命綱を簡単かつ迅速に交換できることが望まれていた。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、その要請に応えるためになされたもので、その目的とするところは、指が単管等の被掛止体に接触して傷付けられる恐れが無く、容易に且つ安全に掛け止め掛け外し作業を行うことができ、また、命綱を簡単且つ迅速に接続することができるフックを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のフックは、単管等の被掛止体に掛け止めるU字状掛止部(1a)と、該U字状掛止部(1a)の基端側に連続して設けられ、命綱の先を接続するための接続部(1d)を設けた握部(1b)と、該握部(1b)と上記U字状掛止部(1a)の先端との間に開設されて上記被掛止体を通過させる解放部(1c)から成るフック本体(1)と;上記握部(1b)の先端部(1b′)において基端部(2a)が支軸(3)に回動自在に枢着されて上記解放部(1c)を開閉する開閉杆(2)と;から構成されるフックに於いて、上記握部(1b)をU字状に形成して、上記U字状掛止部(1a)の基端部に連続して一体的に設け、該握部(1b)の先端部(1b′)に操作杆(4)の基端部(4a)を上記支軸(3)より下方に位置する支軸(5)に回動自在に枢着すると共に、操作杆(4)の先端部を上記開閉杆(2)に遊び(ガタツキ)を持たせて連結ピン(6)により枢着せしめ、該操作杆(4)を回動操作することにより上記開閉杆(2)を回動せしめて、上記解放部(1c)を開閉するように構成したことを特徴とする。
また、本発明のフックは、単管等の被掛止体に掛け止めるU字状掛止部(1a)と、該U字状掛止部(1a)の基端側に連続して設けられ、命綱の先を接続するための接続部(1d)を設けた握部(1b)と、該握部(1b)と上記U字状掛止部(1a)の先端との間に開設されて上記被掛止体を通過させる解放部(1c)から成るフック本体(1)と;上記握部(1b)の先端部(1b′)において基端部(2a)が支軸(3)に回動自在に枢着されて上記解放部(1c)を開閉する開閉杆(2)と;から構成されるフックに於いて、上記握部(1b)をU字状に形成して、上記U字状掛止部(1a)の基端部に連続して一体的に設け、該握部(1b)の先端部(1b′)に操作杆(4)の基端部(4a)を上記支軸(3)より下方に位置する支軸(5)に回動自在に枢着すると共に、上記操作杆(4)の先端部を上記開閉杆(2)にスライド可能に且つ弾性的に当接せしめ、該操作杆(4)を回動操作することにより上記開閉杆(2)を回動せしめて、上記解放部(1c)を開閉するように構成したことを特徴とする。
さらに、上記構成のフックにおいて、上記開閉杵をロックするためのロック杵を、上記握部に設けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1において、1はフック本体であって、図2からも明らかなように、主として、U字状掛止部1aと、握部1bと、開放部1cから構成されている。前記握部1bも上記U字状掛止部1aに対向する状態でU字状に形成されていて、該U字状掛止部1aの基端側1a′に連続して一体的に設けられている。該握部1bのU字状の全体形状は、片手で握ることが可能な大きさとなっており、その底奥部は命綱を取り付けるための接続部1dとなっている。上記開放部1cは、上記U字状掛止部1aの先端1a″と上記握部1bとの間の開放された空間であって、単管などの被掛止体を通過させる。
【0007】
再び図1において、2は開閉杆であって、図3(A)からも明らかなように、その基端部2aが、支軸3により上記フック本体1の握部1bの先端部1b′(図2も参照)に回動自在に枢着されている。上記開閉杆2は、適宜弾性付勢手段(ねじりバネやコイルバネ等:図示せず)により反時計方向(図3(A)において実線の方向)に弾性的に付勢されている。該開閉杆2が、上記フック本体1の開放部1cを閉じる状態(図1(A)の状態)では、その先端部2bは、上記U字状掛止部1aの先端1a″に当接している。(図1(C)も参照)
【0008】
4は操作杆であって、図3(C)からも明らかなように、その基端部4aが、支軸5により上記フック本体1の握部1bに回動自在に枢着されている。該操作杆4は、実質的には、握部1bの一部を構成していて、図4に示すように、該操作杆4の外側にも指を掛けるようになっている。操作杆4の先端部4bは、連結ピン6を介して上記開閉杆2に連結されている。なお、該連結ピン6は、上記支軸5を中心とする円弧に沿って往復移動するだけでなく、上記支軸3を中心とする円弧に沿っても往復移動することになるので、それらの両円弧に沿って同時に往復移動できるように、連結ピンとこれが嵌合する操作杆3の穴との間に遊び(ガタツキ)を持たせるか、又は、連結ピン6と開閉杆2の穴との間に遊びを持たせるか、或いは、両穴との間に共に遊びを持たせる。
【0009】
再び図1において、7はロック杆であって、支軸8により上記握部1bに回動自在に枢着されている。該ロック杆7も、適宜弾性付勢手段(ねじりバネやコイルバネ等:図示せず)により時計方向に弾性的に付勢されている。該ロック杆7には、上記開閉杆2側に向けて突出したロック部7aが設けられている。該ロック杆7aには、上記開閉杆2と一体に設けられたロック杆9が、突き合わせ状態で当接している。
【0010】
次に、上記実施例のフックの作用について説明する。図4(A)に示すように、上記フック本体1の握部1bを握り締めると、上記ロック杆7が仮想線状態から実線状態に回動する。ロック杆7が回動すると、上記ロック部7aも回動して、上記ロック杆9との当接状態から外れる。
【0011】
上記ロック杆9との当接状態が外れると、これと一体になった上記開閉杆2のロック状態が解除される。図4(B)に示すように、ロックが解除された状態で更に握り締めて、上記操作杆4を仮想線状態から実線状態に回動せしめる。操作杆4が回動すると、図3(C)からも明らかなように、これにリンクして上記開閉杆2が仮想線状態から実線状態に回動する。その結果、上記フック本体1の開放部1cが開いて、単管P等の被掛止体を通過させることができる。被掛止体がフック本体1内に入ると、上述の握り力を緩めて、上記操作杆4,開閉杆2およびロック杆7を、上述のように弾性付勢手段により元の状態(図1の状態)に戻す。
【0012】
また、上記握部1bをU字状に形成して、上記U字状掛止部1aの基端部に連続して一体的に構成したので、図5に矢印Yとして示すように、命綱Tのアイスプライスtを上記握部1bの底奥部の接続部1dに導入し、命綱Tを接続部1dに簡単且つ迅速に接続することができる。特に、命綱Tが繊維製品であり、フック等の金属部品に対して上記命綱Tが損耗し易いので、予めアイスプライスtを形成した命綱Tを簡単かつ迅速に接続できることは、実用上、非常に有効である。
【0013】
上記実施例では、操作杆4の先端部4bを連結ピン6を介して開閉杆2に連結したが、本発明はこれに限定するものではなく、図6に示すように、支軸5に枢着されて操作杆4′の先端部4b′を開閉杆2の背面に弾性的に当接せしめるように構成してもよい。なお、上記操作杆4′の時計方向の付勢力は、上記開閉杆2の上記反時計方向の付勢力より小さい。以上の構成により、操作杆4′を指の握り力により矢印X方向に押して、開閉杆2を仮想線状態に回動せしめる。該開閉杆2の回動に伴って、上記操作杆4の先端部4b′が開閉杆2の背面に沿ってスライドする。
【0014】
【発明の効果】
1)握部(1b)をU字状に形成して、上記U字状掛止部(1a)の基端部に連続して一体的に設け、該握部(1b)の先端部(1b′)に操作杆(4)の基端部(4a)を上記支軸(3)より下方に位置する支軸(5)に回動自在に枢着すると共に、操作杆(4)の先端部を上記開閉杆(2)に遊び(ガタツキ)を持たせて連結ピン(6)により枢着せしめ、該操作杆(4)を回動操作することにより上記開閉杆(2)を回動せしめて、上記解放部(1c)を開閉するように構成したので、指が単管等の被掛止体に接触して傷付けられる恐れが無く、容易に且つ安全に掛け止め掛け外し作業を行うことができるだけでなく、U字状の握部により命綱を簡単かつ迅速に取り付けることができ、また、操作杆を開閉杆と同じ方向に指を自然に動かすことができる。
2)握部(1b)をU字状に形成して、上記U字状掛止部(1a)の基端部に連続して一体的に設け、該握部(1b)の先端部(1b′)に操作杆(4)の基端部(4a)を上記支軸(3)より下方に位置する支軸(5)に回動自在に枢着すると共に、上記操作杆(4)の先端部を上記開閉杆(2)にスライド可能に且つ弾性的に当接せしめ、該操作杆(4)を回動操作することにより上記開閉杆(2)を回動せしめて、上記解放部(1c)を開閉するように構成したので、指が単管等の被掛止体に接触して傷付けられる恐れが無く、容易に且つ安全に掛け止め掛け外し作業を行うことができるだけでなく、U字状の握部により命綱を簡単かつ迅速に取り付けることができ、また、操作杆を開閉杆と同じ方向に指を自然に動かすことができる。
3)開閉杆をロックするためのロック杆を、握部に設けたので、単に握るだけでロック解除の操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフックの一実施例を示す構成説明図(A)、(A)のイ−イ拡大端面図(B)、ロ−ロ拡大端面図(C)、ハ−ハ拡大断面図(D)である。
【図2】フック本体の構成説明図である。
【図3】開閉杆の作用説明図(A)、その矢視ニ方向から見た拡大側面図(B)、操作杆の作用説明図(C)、その矢視ホ方向から見た拡大側面図(D)である。
【図4】図1の実施例のフックの作用説明図(A)(B)である。
【図5】命綱の取付説明図である。
【図6】操作杆の別の実施例の構成および作用説明図である。
【図7】従来のフック説明図である。
【符号の説明】
1 フック本体
1a U字状掛止部
1a′基端側
1a″先端
1b 握部
1c 開放部
2 開閉杆
2a 基端部
2b 先端部
3 支軸
4 操作杆
4′操作杆
4a 基端部
4b 先端部
4b′先端部
5 支軸
6 連結ピン
7 先端部
7a ロック部
8 支軸
9 ロック杆
P 単管
T 命綱
t アイスプライス
X 方向
Claims (3)
- 単管等の被掛止体に掛け止めるU字状掛止部(1a)と、該U字状掛止部(1a)の基端側に連続して設けられ、命綱の先を接続するための接続部(1d)を設けた握部(1b)と、該握部(1b)と上記U字状掛止部(1a)の先端との間に開設されて上記被掛止体を通過させる解放部(1c)から成るフック本体(1)と;上記握部(1b)の先端部(1b′)において基端部(2a)が支軸(3)に回動自在に枢着されて上記解放部(1c)を開閉する開閉杆(2)と;から構成されるフックに於いて、上記握部(1b)をU字状に形成して、上記U字状掛止部(1a)の基端部に連続して一体的に設け、該握部(1b)の先端部(1b′)に操作杆(4)の基端部(4a)を上記支軸(3)より下方に位置する支軸(5)に回動自在に枢着すると共に、操作杆(4)の先端部を上記開閉杆(2)に遊び(ガタツキ)を持たせて連結ピン(6)により枢着せしめ、該操作杆(4)を回動操作することにより上記開閉杆(2)を回動せしめて、上記解放部(1c)を開閉するように構成したことを特徴とするフック。
- 単管等の被掛止体に掛け止めるU字状掛止部(1a)と、該U字状掛止部(1a)の基端側に連続して設けられ、命綱の先を接続するための接続部(1d)を設けた握部(1b)と、該握部(1b)と上記U字状掛止部(1a)の先端との間に開設されて上記被掛止体を通過させる解放部(1c)から成るフック本体(1)と;上記握部(1b)の先端部(1b′)において基端部(2a)が支軸(3)に回動自在に枢着されて上記解放部(1c)を開閉する開閉杆(2)と;から構成されるフックに於いて、上記握部(1b)をU字状に形成して、上記U字状掛止部(1a)の基端部に連続して一体的に設け、該握部(1b)の先端部(1b′)に操作杆(4)の基端部(4a)を上記支軸(3)より下方に位置する支軸(5)に回動自在に枢着すると共に、上記操作杆(4)の先端部を上記開閉杆(2)にスライド可能に且つ弾性的に当接せしめ、該操作杆(4)を回動操作することにより上記開閉杆(2)を回動せしめて、上記解放部(1c)を開閉するように構成したことを特徴とするフック。
- 上記開閉杵をロックするためのロック杵を、上記握部に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のフック。
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