JP3854676B2 - 袋体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は袋体の製造方法に関し、より詳しくは、製筒段階で製造されたひだ付筒状体を底仕上げ段階の給筒工程で1枚づつその長さ方向と直角の方向に送り出す際、開口端及び/又はひだが開かないよう改良されたひだ付又はひだ無し袋体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、重包装紙袋の製造方法においては、製筒工程で作られたひだ付筒状体を底仕上げ工程において、該筒状体の長さ方向と直角の方向に1枚づつ給筒する際、ひだが開くのを防ぐため、筒状体を山形又は台形に曲げた状態になるよう吸盤で吸上げて前方に送る方法が取られてきた(特公昭51−14793号及び実公昭63−19139号各公報参照)。
しかしながら、図8及び9に示すように、ひだの有無にかかわらず筒状体5を山形又は台形に曲げた状態になるよう吸盤10′bで吸上げても、筒状体の両開口端が開くという問題があった。
そして、このように開口端が開くと、開口端の下辺が機械部品などに触れて、変形したり、また、該部分がローラー、チェーン、ベルト等の送り手段の間に詰り、底仕上げ段階でトラブルの原因ともなっていた。
このような問題を解決するため、米国特許第3,361,334号明細書に提案されているような両開口端の内面口縁全周に渉って熱可塑性接着剤層を設け、該部分をヒートシールして、両開口端部を閉鎖した袋体も用いられたが、これは工程を複雑化すると共に高価な設備を必要とした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑み、なされたもので、その課題はごく僅かの変更で、底仕上げ段階の給筒工程で、筒状体の両開口端及び/又はひだが開くのを防ぐことのできる、ひだ付き又はひだ無し袋体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の袋体の製造方法は、少なくとも一層の原紙からなるひだ付又はひだ無し筒状体を成形する工程を含む製筒段階と、成形された筒状体をその長さ方向と直角の方向に1枚づつ供給する給筒工程及びその両開口端を閉鎖する工程を含む底仕上げ段階とよりなるひだ付又はひだ無し袋体の製造方法において、前記給筒工程以前に、筒状体の両開口端の筒幅方向中央部内で、前、後壁の内面同志を部分的に接着する工程を含むことを特徴とするひだ付又はひだ無し袋体の製造方法。
【0005】
また、本発明は前記の袋体の製造方法において、その給筒工程以前の工程で形成される、筒状体の両開口端の筒幅方向中央部内で、前後壁の内面同志を部分的に接着した袋体製造用の筒状体に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明方法の実施により形成されるひだ付又はひだ無しの筒状体はその両開口端の(両ひだ部を除く)筒幅方向中央部内で、前、後壁の内面同志を部分的に接着した構成としたものである。
本発明方法において、前記給筒工程に達する前に、筒状体の両開口端の中央部内で、前、後壁の内面同志を部分的に接着するための方法には、単に前記接着部分に接着を塗布して接着する方法だけでなく、該筒状体の胴貼り部が、筒幅方向中央部内に存在する場合は、胴貼り部において内側に重ね合せられる重ね合せ代の筒状体開口端予定位置近傍に穴、切欠き、あるいは単数又は複数の切れ目を設け、胴貼部において外側に重ね合される重ね合せ代に塗布した胴糊を前記穴、切欠き、あるいは切れ目から露出もしくは浸透させ、前記筒状体の前、後壁の内面同志を部分的に接着させる方法も含まれる。
【0007】
また、底仕上げ段階における底閉鎖工程はミシン縫、閉鎖フラップによる一度折り曲げ貼着、二回折り曲げ貼着、テーピングによる閉鎖、六角底折畳み貼着等常法として知られる閉鎖方法が含まれる。
更に、前記製筒段階には例えば、層間接着工程、印刷工程、パーフォレーション工程、電気掃除機用集塵袋の集塵口を打抜く工程、あるいは集塵口となる部分に放射状のスリットを設ける工程等をその目的に応じ、適宜、選択して含むことができ、また底仕上段階には例えば電気掃除機用集塵袋の支持板の貼着工程や集塵口周縁部のパッキンを構成する部材又は素材の貼着又は塗布する工程、袋体両側端部を支持板の背面側に折畳む工程等公知の工程を適宜含むことができる。
【0008】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明方法の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、電気掃除機用集塵袋を製造する、本発明方法の一実施例の製筒段階に用いられる装置の概略平面図、図2は図1の装置で形成された筒状体の底仕上げ段階に用いられる装置の概略平面図、図3は図1の装置で形成された筒状体の要部斜視図で、説明の都合上、筒状体の一開口端で、前、後壁の部分接着と、胴貼部の一部を剥離した状態を示している。図4の(A),(B)は図2に示す底仕上げ段階の給筒工程で筒状体を1枚づつ送り出す給筒装置の概略背面図で、(A)及び(B)はその作動の各段階の状態を示す。図5は図4の装置を図4(B)の矢印Xの方向から見た側面図である。
【0009】
図中の符号1は原紙ウェッブ、2は集塵口、2aは円孔、2bは切欠き、3は胴貼代、3aは胴糊、4は点状接着剤、5は筒状体、6はひだ部、7は袋体、8は支持板、9は小孔、10は給筒工程、10aは堆積された筒状体群、10bは吸盤、10cは回転シリンダー、10dはすくい上げ部材、11は溝付け工程、11aは第1折線、11bは第2折線、12は第1底折り工程、13は第2底折り工程、14は支持板貼着工程、15は送りチェーン、15aは送り爪である。
【0010】
本実施例の製筒段階は図1に示すように、(図示していない原紙巻取から巻出した原紙ウェッブ1に、後に集塵口2を形成するための円孔2a及び円弧状の切欠き2bを設け、次に前記原紙ウェッブ1を筒状体5に成形する際、該原紙ウェッブの外側から被せられる方の一辺に胴糊を塗布し、次に該ウェッブを両側部にひだ部6を有する筒状に成形しながら、胴貼り(3)した後、所定の位置で所定の長さに切断し、ひだ付筒状体5を得る。以上の工程は従来の電気掃除機用集塵袋を製造するための製筒段階と異なるところはない。
【0011】
本発明方法の特徴は、本実施例では原紙ウェッブ1を筒状に成形する前に、該原紙ウェッブが筒状に成形されたときに胴貼部3において内側に重ね合される方の辺、すなわち胴糊3aと反対側の辺に点状に接着剤4を塗布して、これにより、図3に示すように筒状体5の両開口端において、両ひだ部6を除く筒幅方向中央部内で前、後壁の内面同志を部分的に接着することにある。
【0012】
本実施例の底仕上げ段階は、図2に示すように、前記製筒段階で形成された筒状体5を(例えばマガジン内に)堆積し、下から1枚づつ取出して送り出す給筒工程10と、両開口端に2本づつの折り線11a,11bを付ける溝付け工程11と、その外側の折線(第1折線)11aから両開口端部を折曲げる第1底折り工程12と、更に内側の折線(第2折線)11bからもう一度折曲げて、該折曲げ部を袋壁面上に貼着する第2底折工程13と、両開口端を閉鎖された袋体7の集塵口2の上に同じく集塵口を有する支持板8を貼着する支持板貼着工程14とで構成されるが、これらの工程を組合せた底仕上げ段階は公知の電気掃除機用集塵袋のそれと異なるところはない。
【0013】
本発明方法の効果は前記底仕上げ段階の給筒工程10で発揮される。図4(A)に示すように、堆積された筒状体群10aの最下部の筒状体5は先づ吸盤10bと回転シリンダー10cによって、吸着され、図4(B)に示すように該吸盤が傾斜して筒状体5の端面が台形になるよう、その両端を折曲げるが、その際、筒状体5の両開口端は、その前、後壁の内面同志が接着剤4によって接着されているので、図4(B)に点線で示すように開くことがない。
【0014】
次いで、筒状体5の折曲げ部分の上方にすくい上げ部材10dが挿入され、その上方に堆積されている筒状体群10aを僅かに持上げ、吸着されている筒状体5と分離する。次に、吸盤10bの吸引が停止すると、回転シリンダー10cが矢印の方向に回転して筒状体5を引出して送りチェーン15上に送り出す。筒状体5はチェーンの送り爪15aに押されて筋付工程11に送られ、両開口端にそれぞれ第1、第2折線11a,11bが設けられ、次いで第1底折り工程12、第2底折り工程13、支持板貼着工程14を経て完成品となる。これらの工程は公知であるから詳細な説明を省略する。
【0015】
なお、接着剤4の塗布はノズル・アプリケーターやホットメルト・ガンによって行うこともできるが、図6及び図7に示すように、接着剤4を塗布する場合に、該塗布個所に小孔9を設けると、製筒工程でその上に重ねられる胴貼代3に塗布されている胴糊3aが前記小孔9から滲出し、筒状体5の開口端の前、後壁の内面同志を部分的に接着することができる。この小孔の代りに切欠き、あるいは単数又は複数の切れ目(パーフォレーションを含む)を設けてもよい。
前記製筒段階には例えば、複数の原紙ウェッブの層間接着工程、印刷工程、筒状体の両開口端を段階状に切断するためのパーフォレーション工程等をその目的に応じ、適宜選択して包含させることができる。
【0016】
前記底仕上げ工程には集塵口2の周縁又は口縁にパッキンを設ける工程、あるいは袋体7の両側部を支持板8の背面側に折畳む工程等をその目的に応じ適宜選択して包含させることができる。
更に前記底仕上げ段階は、それ以外に、ひだ付又はひだ無しの筒状体の両開口端を閉鎖するよう設計されたピンチ式又はダブル・フォールド式ボトマーあるいは六角底両貼りボトマーであってもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明方法では筒状体の両開口端において筒幅方向中央部内で前、後壁の内面同志を部分的に接着することによって、給筒工程で両開口端及び/又はひだが開くのを有効に防止することができる。
以上、詳述したように、本発明によれば、ごく僅かの変更で、底仕上げ段階の給筒工程において、筒状体の両開口端及び/又はひだ部が開くのを防ぐことのできるひだ付又はひだ無し袋体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例の製筒段階に用いられる装置の概略平面図である。
【図2】図1の装置で形成された筒状体の底仕上げ段階に用いられる装置の概略平面図である。
【図3】図1の装置で形成された筒状体の要部斜視図である。
【図4】図2の装置の給筒工程の給筒装置の背面図で、(A)及び(B)はその作動の各段階の状態を示す。
【図5】図4の装置を図4(B)の矢印Xの方向から見た側面図である。
【図6】本発明方法の第2の実施例の製筒段階に用いられる装置の概略平面図である。
【図7】図6の装置で形成された筒状体の要部斜視図である。
【図8】従来の方法で形成された筒状体を底仕上げ段階の給筒工程で、ひだ付筒状体を吸盤で吸上げた状態を示す端面図である。
【図9】従来の方法で形成された筒状体を底仕上げ段階の給筒工程で、ひだ付筒状体を吸盤で吸上げた状態を示す端面図である。
【符号の説明】
1;原紙ウェッブ1、2;集塵口、2a;円孔、2b;切欠き、3;胴貼代、3a;胴糊、4;点状接着剤、5;筒状体、6;ひだ部、7;袋体、8;支持板、9;小孔、10;給筒工程、10a;堆積された筒状体群、10b;吸盤、10c;回転シリンダー、10d;すくい上げ部材、11;溝付け工程、11a;第1折線、11b;第2折線、12;第1底折り工程、13;第2底折り工程、14;支持板貼着工程、15;送りチェーン、15a:送り爪。
Claims (1)
- 少なくとも一層の原紙からなるひだ付又はひだ無し筒状体を成形する工程を含む製筒段階と、成形された筒状体をその長さ方向と直角の方向に1枚づつ供給する給筒工程及びその両開口端を閉鎖する工程を含む底仕上げ段階とよりなるひだ付又はひだ無し袋体の製造方法において、前記給筒工程以前に、筒状体の両開口端の筒幅方向中央部内で、前、後壁の内面同志を部分的に接着する工程を含むことを特徴とするひだ付又はひだ無し袋体の製造方法。
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JP01195197A JP3854676B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 袋体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01195197A JP3854676B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 袋体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10193481A JPH10193481A (ja) | 1998-07-28 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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1997
- 1997-01-07 JP JP01195197A patent/JP3854676B2/ja not_active Expired - Fee Related
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