JP3854141B2 - 高温ガス冷却装置、高温ガス化炉及び高温ガス冷却方法 - Google Patents

高温ガス冷却装置、高温ガス化炉及び高温ガス冷却方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般廃棄物や産業廃棄物、RDF(Reduced Derive Fuel:廃棄物固形化燃料)、石炭、バイオマス等、部分酸化または完全燃焼により飛灰や溶融スラグを含有する燃焼排ガスまたは可燃成分を含むガスを生成する燃焼炉又はガス化炉に用いて好適な高温ガス冷却装置及び高温ガス冷却方法に関し、特に部分酸化または完全燃焼により発生する高温ガスから飛灰や溶融スラグを除去して大気汚染防止を行うと共に、高温ガスからのエネルギ回収効率を高める改良に関する。また本発明は、一般廃棄物や産業廃棄物、RDF、バイオマス等の低級資源や、石炭等の化石燃料から、付加価値の高いエネルギー資源或いは化学原料を生成する高温ガス化炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス化炉では生成ガスの下流側での利用の観点から煤塵の処理が大切である。また、燃焼炉においては、大気汚染防止の観点から燃焼排ガスの煤塵の処理が大切である。特に、ガス化炉が飛灰や溶融スラグを多量に含有するガス化ガスを生成したり、燃焼炉が飛灰や溶融スラグを多量に含有する燃焼排ガスを排出する場合は大事になる。図13は直接接触冷却型の高温ガス冷却装置の構成図である。ガス化炉本体1は周囲が耐熱レンガ2で囲われたガス化室3を備えており、ガス化室3の下側にはスラグ水冷室4が設けられている。スラリータンク5は、微粉炭と水を混合するもので、混合物が燃料としてバーナー6に供給される。バーナー6はガス化室3の上方に設けられたもので、スラリータンク5から供給された微粉炭を酸素と燃焼反応させる。冷却水は、バーナー6で発生する高温から耐熱レンガ2を保護するために供給される。ガス化室3で反応した高温ガスは、スラグ水冷室4にてスラグ冷却水に飛灰や溶融スラグが捕捉されると共に冷却されて、粗ガスとして外部に排出される。水砕スラリーは、スラグ冷却水に捕捉された飛灰や溶融スラグで、適宜スラグ水冷室4から排出される。
【0003】
このような直接接触冷却型の高温ガス冷却装置においては以下の利点がある。
▲1▼スラグ水冷室4にてガス化ガス(例えば1500℃)が急冷される(例えば300℃)ので、ダイオキシンの再合成抑制効果が高い。
▲2▼ガス化ガスはスラグ水冷室4を通過して粗ガスとして排出されるので、ガス洗浄効果が高く、溶融スラグの冷却と分離が確実に行えると共に、後段へ飛散する飛灰量を減少させることができる。
▲3▼排出される粗ガスの成分が安定している。
【0004】
図14は顕熱回収型の高温ガス冷却装置の構成図である。顕熱回収型の高温ガス冷却装置は、ガス化ガスに含まれる熱エネルギを効率良く回収することができエネルギ効率の改善に役立つ。圧力容器7の内部はガス化炉8となっており、内壁は耐火レンガ9にて被覆されている。ガス化炉8には燃料としてのCWM(微粉炭と水の混合スラリ)と酸素又は空気が供給され、ガス化した混合気が蒸発器10に供給される。蒸発器10では、燃焼反応が進行して、蒸発器10の下側に貯留されたスラグ冷却水にガス化ガスに含まれる飛灰や溶融スラグが捕捉される。そして、ガス化ガスは蒸発器10から連結管路12を介して対流クーラ13に送られ、対流クーラ13内部に設けられた熱交換器14によりガス化ガスの顕熱が回収されて、生成ガスとして排出される。
【0005】
このような顕熱回収型の高温ガス冷却装置においては、ガス化ガスが直接スラグ冷却水に接触する構造ではないため、過冷却されず、ガス顕熱の利用が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、直接接触冷却型の高温ガス冷却装置においては、粗ガスの出口温度が蒸気飽和温度となり圧力条件で温度が決まってしまう。そこで、高温ガスの顕熱はスラグ冷却水によって100℃〜200℃(常圧プラントでは約100℃、0.8MPa(ゲージ)程度の加圧プラントでは200℃前後となる)の排水低レベル熱となり、利用しにくいという課題がある。
【0007】
また、顕熱回収型の高温ガス冷却装置においては、蒸発器10から連結管路12に流れ込む部分でガスが偏流しやすく、スラグ冷却水に飛灰や溶融スラグが旨く捕捉されない場合がある。するとガス化ガスは、飛灰や溶融スラグが除去されないまま連結管路12に流れ込む為、連結管路12入口でのスラグ付着が発生して連結管路12の流体抵抗が増大したり、対流クーラ13にスラグ付着が発生して熱交換効率が低下するという課題があった。
【0008】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、燃焼反応や部分酸化により発生する高温ガスから飛灰や溶融スラグを除去すると共に、高温ガスからのエネルギ回収を効率良く行いうる高温ガス冷却装置、高温ガス化炉及び高温ガス冷却方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の高温ガス冷却装置は、例えば図1に示すように、飛灰及び/又は溶融スラグを含有する高温ガス40を導入する導入口31と、導入口31から導入された前記飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、高温ガス40を冷却する液体領域部と、高温ガス40を液体領域部の液体界面方向若しくは液体界面に対して上方向に排出する排出口36とを備えている。ここで、飛灰及び/又は溶融スラグとは、飛灰と溶融スラグの少なくとも一方を含む場合と、飛灰と溶融スラグの双方を含む場合とがある。
【0010】
このように構成された装置において、液体領域部は貯留水により導入口31から導入された飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、また導入口31から導入された高温ガス40を冷却する。排出口36は液体領域部に流れてくる高温ガス40を液体領域部の液体界面方向若しくは液体界面に対して上方向に排出させる構造としているので、排出された高温ガス40から熱回収する場合や、高温ガス40を外部のプロセスの原料として用いる場合に、排出方向を適宜に採択できる。
【0011】
好ましくは、例えば図1に示すように、前記液体領域部は、導入口31から流入した前記飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却する貯留水を貯える水冷室(例えば飛灰水冷室33)とする良い。飛灰水冷室33は、多量の貯留水を貯えることができるので、多量の飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却するのが容易に行える。
【0012】
好ましくは、例えば図1に示すように、飛灰水冷室33に流れてくる高温ガス40を、前記貯留水の水面に沿って移動させる連絡部34と、高温ガス40が連絡部34に流入する位置に設けられ、高温ガス40の流れ方向を連絡部34方向に急変させると共に、表面が液体で濡れている覆液部(例えば、濡れ壁邪魔板部35)とを更に備え、連絡部34を通過してきた高温ガス40を前記貯留水の水面方向若しくは水面に対して上方向に排出する排出口36とを有する構成とする。
【0013】
このように構成された装置において、連絡部34と濡れ壁邪魔板部35が協働して、高温ガス40の流れ方向を導入口31方向から連絡部34方向に急変させることで、高温ガス40に含まれる大粒径の飛灰及び/又は溶融スラグを貯留水に捕捉させる。濡れ壁邪魔板部35は表面が液体で濡れているので、連絡部34付近の高温ガス40に含まれる飛灰及び/又は溶融スラグが有効に捕捉される。
【0014】
好ましくは、例えば図5に示すように、連絡部34が排出口36の機能をも有し、連絡部34の入口に位置する壁面に濡れ壁邪魔板部35を備える構造とすると、高温ガス冷却装置30の設置面積が少なくて済み、例えば隣に熱回収プラントを併設する場合に、プラント配置が容易に行える。
【0015】
好ましくは、例えば図6、図7又は図8に示すように、連絡部34が排出口36の機能も備える飛灰水冷室33であって、連絡部34の接続部近傍に設けられた壁面、若しくは排出口36に接続された排出管が覆液構造(或いは、濡れ壁構造)であり、覆液構造より溢流した液滴が落下して、連絡部34に流入する高温ガス40に接触する構造とすると、飛灰水冷室33にて捕捉されなかった高温ガス40に含まれる中小粒径の飛灰及び/又は溶融スラグが、排出口36の接続部に設けられた壁面、若しくは排出口36に接続された排出管の覆液構造によって捕捉される。
【0016】
好ましくは、例えば図1に示すように、導入口31から流入した高温ガス40に含有される飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却する貯留水が、連絡部34の底部にも貯えられている構造とすると、導入口31の直下付近に位置する貯留水により大粒径の飛灰及び/又は溶融スラグが捕捉され、連絡部34の底部付近に位置する貯留水により中小粒径の飛灰及び/又は溶融スラグが捕捉され、飛灰及び/又は溶融スラグの全粒径範囲での捕捉が効率良く行える。
【0017】
好ましくは、例えば図1又は図8に示すように、さらに連絡部34と排出口36の間であって、高温ガス40が通過する位置に、液滴を噴霧させる噴霧器37又は落下させる排出口濡れ壁38Gを有する構造とすると、排出ガスの温度を低下させたり、ガス中の蒸気分圧を高めることができる。好ましくは、噴霧器37より液滴を噴霧させている場合に、さらに液滴量又は/及び液滴径により高温ガス40の性状を制御する排ガス性状制御手段を備える構造とすると、排出された高温ガス40から熱回収する場合や、高温ガス40を外部のプロセスの原料として用いる場合等の用途に合せたガス性状を得ることが出来る。
【0018】
好ましくは、例えば図1に示すように、導入口31の壁面にジャケット構造を有し、且つ飛灰水冷室33の壁面に覆液構造を有する構造とすると、導入口31の壁面や飛灰水冷室33の壁面に飛灰及び/又は溶融スラグが固着することが防止できる。もし、導入口31の壁面や飛灰水冷室33の壁面に飛灰及び/又は溶融スラグが固着すると、導入口31や飛灰水冷室33の高温ガス40流路形状が変化して、設計時に意図した飛灰及び/又は溶融スラグの除去効率や熱回収効率が得られなくなったり、固着スラグの上に次々とスラグが固着して成長することにより、炉が閉塞状態となる。
【0019】
好ましくは、例えば図6、図7又は図8に示すように、さらに請求項に記載の覆液構造より溢流した液滴の落下量により高温ガス40の温度、湿度等の性状を制御する排ガス性状制御手段(50B、50C、50D)を備える構造とするとよい。
【0020】
好ましくは、例えば図4に示すように、濡れ壁邪魔板部35と飛灰水冷室33の貯留水水面との距離を変化させて、高温ガス40の性状を制御する排ガス性状制御手段50Aを備える構造とすると、排出された高温ガス40から熱回収する場合や、高温ガス40を外部のプロセスの原料として用いる場合等の用途に合せたガス性状を得ることが出来る。
【0021】
好ましくは、例えば図9に示すように、前記液体領域部は、導入口31から排出口36に至る前記高温ガス40の流路に形成された、表面が液体で濡れている濡れ壁(68A、68B、68C)とするとよい。濡れ壁は高温ガス冷却装置の壁面の表面を液体で濡れた状態にすれば良いので、貯留水を貯える飛灰水冷室に比較して設置できる場所の自由度が高く、柔軟な配置が可能である。
【0022】
上記目的を達成する本発明の高温ガス冷却装置は、例えば図1に示すように、飛灰及び/又は溶融スラグを含有する高温ガス40を導入する導入口31と、導入口31から導入された前記飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、高温ガス40を冷却する水冷室(例えば飛灰水冷室33)と、水冷室に流れてくる高温ガス40を、前記貯留水の水面に沿って移動させる連絡部34と、高温ガス40が連絡部34に流入する位置に設けられ、高温ガス40の流れ方向を連絡部34方向に急変させると共に、表面が液体で濡れている覆液部(例えば、濡れ壁邪魔板部35)と、連絡部34を通過してきた高温ガス40を前記貯留水の水面方向若しくは水面に対して上方向に排出する排出口36とを備えている。
【0023】
上記目的を達成する本発明の高温ガス化炉は、例えば図1に示すように、燃料を投入する燃料投入部25と、酸素を含有するガスを投入する酸化剤投入部26と、燃料の一部又は全量を燃焼させるガス化部24と、燃料に含有される飛灰と、当該飛灰から生成される溶融スラグとを含有する高温ガス40を流入させる導入口31と、導入口31から流入した前記飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却する液体領域部と、液体領域部に流れてくる高温ガス40を液体領域部の液体界面方向若しくは液体界面に対して上方向に排出する排出口36とを備えている。
【0024】
このように構成された装置においては、高温ガス化炉として燃料投入部25、酸化剤投入部26、ガス化部24、並びにガス化ガスを処理する請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の高温ガス冷却装置30を備えている。そこで、燃料として重油、灯油、天然ガス等に加え、ダストや溶融スラグを発生する石炭、微粉炭を燃焼或いはガス化する場合や、不純物の多い各種廃棄物、バイオマス、汚泥などの有効利用されていない低級燃料の燃焼やガス化の場合でも、発生ガスに含まれる飛灰及び/又は溶融スラグが高温ガス冷却装置30によって有効に除去されて、後段機器へのダスト負荷が低減される。これにより、ダスト付着による後段機器の熱回収率低下などのトラブルが回避できると共に、ガス洗浄プロセスが容易になることで大気汚染防止に役立つ。さらに、高温ガスの飛灰及び/又は溶融スラグ除去処理に付随するガス温度低下が少なくて済むので、高温ガス顕熱の有効利用にも役立つ。
【0025】
上記目的を達成する本発明の高温ガス冷却方法は、例えば図1、図10、図11に示すように、高温ガス40中に含有される飛灰及び/又は溶融スラグを液体領域部(例えば飛灰水冷室33、スラグ水封水64、飛灰水冷室83)にて捕捉すると共に、高温ガス40を冷却する工程と、前記冷却された高温ガス40を、前記液体領域部の液体界面方向若しくは液体界面に対して上方向に排出する工程とを有している。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号又は類似符号を付し、重複した説明は省略する。図1は本発明の一実施の形態を説明する構成図で、高温ガス化炉と高温ガス冷却装置の結合プラントを示している。
【0027】
高温ガス化炉20は、水管壁21、断熱材22、耐火材23、ガス化部としてのガス化室24、炉頂に設けられた燃料投入部25、酸化剤投入部26、炉底に設けられたスラグ落ち口27を備えている。ガス化室24は900℃〜1600℃の高温になるから、炉壁を保護するために水管壁21、断熱材22、耐火レンガのような耐火材23が積層されている。炉の大きさや使用目的によっては、水管壁21と耐火材23のみ、或いは断熱材22と耐火材23のみの組合せも用いられる。燃料投入部25には一般廃棄物や産業廃棄物、建設廃材、RDF、汚泥のような燃やすと飛灰を大量に発生する燃料や、石炭、重油、天然ガスなどの化石燃料、廃プラスチックのような高カロリー燃料、並びにこれら燃料をガス化して得た燃料ガスが供給される。酸化剤投入部26には、酸素、空気、並びにガス化ガスのガス成分を調整する為の水蒸気等が供給される。スラグ落ち口27は、飛灰が溶融して生成した溶融スラグ28が、ガス化室24から高温ガス冷却装置30に向けて落下する開口部である。
【0028】
高温ガス冷却装置30は、導入口31、水冷ジャケット32、飛灰水冷室33、連絡部34、濡れ壁邪魔板部35、排出口36、噴霧器37、濡れ壁38A、38B、38Cを備えている。導入口31は、ここではスラグ落ち口27の飛灰水冷室33側への開口部が該当している。水冷ジャケット32は、自然循環水RWの供給を受け、帰還循環水RWRとして排水することにより壁面を水冷するものである。なお、水冷ジャケット32の冷却能力は、スラグ落ち口27が過度に冷却されて、溶融スラグ28の固化によりスラグ落ち口27が閉塞するのを防止する為、適切な範囲に設定する。
【0029】
飛灰水冷室33は高温ガス冷却装置30の底部に設けられた貯留水を貯える室で、ここでは導入口31側と排出口36側とを共通の室とする一室構造になっている。飛灰水冷室33の底部には、水砕スラグを排出する水砕スラグ排出口33Aが設けられている。連絡部34は、飛灰水冷室33に流入した高温ガス40を貯留水の水面33Bに沿って移動させて、排出口36側に導くガス通路である。濡れ壁邪魔板部35は、水冷ジャケット32の連絡部34側の下側に設けられたもので、飛灰水冷室33側の表面が水で濡れた濡れ壁38Bを有すると共に、高温ガス40の流通する連絡部34の天井側を規制する邪魔板としても機能する。
【0030】
排出口36は、連絡部34を通過してきた高温ガス40を貯留水の水面33B上側に排出させる開口部である。噴霧器37は、排出口36付近に設けられた冷却水の噴霧器で、排出される高温ガス40の性状、例えば温度を300℃〜900℃の範囲で調整したり、或いは排出される高温ガス40を原料として利用する下流側プロセスの仕様に適合するように、水分の含有率を調整するのに用いる。濡れ壁38Aは高温ガス冷却装置30の導入口31側壁面を水で濡れた状態に保持する。濡れ壁38Cは高温ガス冷却装置30の排出口36側壁面の表面を水で濡れた状態に保持する。
【0031】
このように構成された装置の動作を説明する。高温ガス化炉20は、飛灰を大量に発生する燃料や、これら燃料をガス化して得た飛灰を多量に含む燃料ガスを燃焼させるのに特に適する構造となっている。高温ガス冷却装置30の導入口31には、燃料や燃料ガスから生成された高温ガスが供給される。高温ガスの温度は、ガス化室24内部では例えば1300℃以上に到達しているので、飛灰が溶融して溶融スラグが生成する。溶融スラグのうち、ガス化室24の壁面に捕捉された溶融スラグ28は、ガス化室24の壁面からスラグ落ち口27に流下し、さらにスラグ落ち口27から飛灰水冷室33の貯留水に落下して、水砕スラグとして固体化される。なお、高温ガスの温度が非常に高い場合、例えば1600℃以上の場合には実質的にほとんどが溶融スラグとなる。高温ガスの温度が中間的な場合、例えば1000℃から1600℃の間では飛灰と溶融スラグの双方が含まれる。高温ガスの温度が比較的低い場合、例えば900℃から1000℃の間では、飛灰が多くなる。
【0032】
飛灰や溶融スラグを同伴する高温ガス40は、導入口31から連絡部34を経て排出口36に排出される。この高温ガス40の流れの経路は、導入口31から飛灰水冷室33の貯留水水面33Bへの重力方向への流れと、貯留水水面33Bに沿って連絡部34に移動する水平方向の流れにて構成される。濡れ壁邪魔板部35により連絡部34の入口が狭くなっている為、高温ガス40の重力方向の流れと水平方向の流れの境界領域では、流れの方向が急変している。そこで、高温ガス40に同伴される飛灰や溶融スラグのうち、大粒径のものは慣性が大きいため、高温ガス40の重力方向への流れにより飛灰水冷室33の貯留水に捕捉される。
【0033】
他方、中小粒径のものは慣性が小さいため、高温ガス40の水平方向の流れに沿って連絡部34の入口へ移動する。しかし、中小粒径の飛灰や溶融スラグにも重力が作用しているから、連絡部34から排出口36への流れの途中で飛灰水冷室33の貯留水に捕捉される。また、中小粒径の飛灰や溶融スラグのうち、排出口36まで到達したものは、噴霧器37の噴霧する液滴により凝集して粒径が大型化し、重力の作用で飛灰水冷室33の貯留水に落下する。
【0034】
高温ガス40に同伴される飛灰や溶融スラグを捕捉する機能を有する構成要素として、濡れ壁38A、38B、38Cがある。濡れ壁38A、38B、38Cの表面は水で濡れているので、飛灰や溶融スラグが捕捉されやすくなっている。そして、捕捉された飛灰や溶融スラグは水と共に流下して、飛灰水冷室33の貯留水に落下する。さらに、濡れ壁38A、38B、38Cには、スラグ付着を防止して缶体を保護すると共に、排出口36に熱交換器のような顕熱回収部を設けている場合には、噴霧器37との協働によるガス洗浄効果により伝熱管へのダスト堆積によって促進される溶融塩腐食を低減できる。
【0035】
図2は本発明の第2の実施の形態を説明する構成図で、(A)は高温ガス冷却装置単体、(B)は飛灰水冷室の要部を示している。ここでは、飛灰水冷室33は隔壁33Eによって、導入口側室33Cと排出口側室33Dとを区画する二室構造になっている。高温ガス40に同伴される飛灰や溶融スラグは、大粒径のものが導入口側室33Cの貯留水に捕捉され、中小大粒径のものが排出口側室33Dの貯留水に捕捉されるので、水砕スラグの粒径分類を行うことが出来る。また、濡れ壁邪魔板部35から落下する飛灰を捕捉した水は、大粒径のスラグを含むので、導入口側室33Cに落下するように隔壁33Eの位置を選定してある。
【0036】
また、排出口側室33Dの水位は、導入口側室33Cの水位よりも高くなっている為、隔壁33Eの導入口側室33Cの上端部が濡れ壁38Dとして作用する。即ち、濡れ壁38Dでは排出口側室33Dの貯留水が越流して導入口側室33Cに流下しているので、この越流水に高温ガス40に同伴される飛灰や溶融スラグを捕捉する機能がある。
【0037】
図3は本発明の第3の実施の形態を説明する構成図である。第2の実施の形態と比較すると、排出口側室33Dの水位が導入口側室33Cの水位よりも低くなっている点で相違する。例えば、高温ガス40に同伴される飛灰や溶融スラグは、大部分が大粒径であって、導入口側室33Cで大部分が捕捉され、排出口側室33Dで捕捉される中小粒径の割合が低い場合がある。このような場合には、排出口側室33Dの水位を下げたり、極端な場合には排出口側室33Dの貯留水を空にして、排出口36から成るべく高温の排出ガスが排出されるように操業してもよい。
【0038】
図4は本発明の第4の実施の形態を説明する構成図である。ここでは、排出口36のガス温度を測定する温度計T、排ガス性状制御手段50A、並びに飛灰水冷室33の貯留水水位計Hを有している。温度計Tには放射温度計や熱伝対を用い、貯留水水位計Hには圧力式や超音波式を用いるとよい。排ガス性状制御手段50Aは、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)のようなPID制御機能を有する調節計を用いると良い。排ガス性状制御手段50Aは、温度計Tで測定した排ガス温度が所定値になるように、飛灰水冷室33に給水するポンプPや、濡れ壁邪魔板部35に給水するポンプPや管路の途中に設けられたバルブに給水量制御信号を送り、水位計Hの測定値が目標値になるように制御している。
【0039】
飛灰水冷室33の貯留水水位を制御することで、濡れ壁邪魔板部35と貯留水水面33Bとのクリアランスが制御され、実質的に連絡部34の形状を最適に保持することができる。濡れ壁邪魔板部35と貯留水水面33Bとのクリアランスは、狭すぎると連絡部34を通過する高温ガス40が偏流して飛灰や溶融スラグを同伴してまい、広すぎると高温ガス40の流れを急変させる効果が薄くなって、貯留水水面33Bに捕捉される大粒径スラグの割合が低下する性質がある。
【0040】
図5は本発明の第5の実施の形態を説明する構成図で、顕熱回収型の高温ガス冷却装置に適合するものである。飛灰水冷室33は、導入口31側の一室構造になっている。連絡部34の入口に位置する壁面に濡れ壁邪魔板部35を備えている。連絡部34の出口側が排出口36の機能も有し、排出口36は連絡部34を通過してきた高温ガス40を貯留水の水面方向に排出させる構造としている。排出口36は貯留水の水面方向を向いている構造なので、後段に顕熱回収施設を接続する顕熱回収型の高温ガス冷却装置に適合する。
【0041】
図6は本発明の第6の実施の形態を説明する構成図で、第5の実施の形態と比較すると、濡れ壁邪魔板部35に代えて濡れ壁38E並びに排ガス性状制御手段50Bが設けられている。濡れ壁38Eは、連絡部34のガス流入側の接続部近傍に設けられた壁面表面を水で濡れた状態にするもので、濡れ壁38Eより溢流した液滴が落下して、連絡部34に流入する高温ガス40に接触する構造としている。排ガス性状制御手段50Bは、温度計Tで測定した排ガス温度が所定値になるように、濡れ壁38Eに給水するポンプPや管路の途中に設けられたバルブに給水量制御信号を送り、液滴落下量が目標値になるように制御している。
【0042】
図7は本発明の第7の実施の形態を説明する構成図で、第5の実施の形態と比較すると、濡れ壁邪魔板部35に代えて二重管式濡れ壁38F並びに排ガス性状制御手段50Cが設けられている。二重管式濡れ壁38Fは、連絡部34並びに排出口36を二重管で構成すると共に、二重管のガス流入側の端部表面が水で濡れた状態にするものである。二重管式濡れ壁38Fの、ガス流入側端部より溢流した液滴が落下して、連絡部34に流入する高温ガス40に接触する構造としている。排ガス性状制御手段50Cは、温度計Tで測定した排ガス温度が所定値になるように、二重管式濡れ壁38Fに給水するポンプPや管路の途中に設けられたバルブに給水量制御信号を送り、液滴落下量が目標値になるように制御している。
【0043】
図8は本発明の第8の実施の形態を説明する構成図で、第5の実施の形態と比較すると、排出口濡れ壁38G並びに排ガス性状制御手段50Dが設けられている。排出口36は、連絡部34を通過してきた高温ガス40を貯留水の水面33B上側に排出させる開口部で、内壁に排出口濡れ壁38Gが設けてある。排出口濡れ壁38Gより溢流した液滴が落下して、排出口36から排出される高温ガス40に接触する構造としている。排ガス性状制御手段50Dは、温度計Tで測定した排ガス温度が所定値になるように、排出口濡れ壁38Gや濡れ壁邪魔板部35に給水するポンプPや管路の途中に設けられたバルブに給水量制御信号を送り、液滴落下量が目標値になるように制御している。
【0044】
また、上記第2乃至第8の実施の形態においては、さらに第1の実施の形態で示した噴霧器を併設してもよい。噴霧器によるガス冷却効果は、濡れ壁や飛灰水冷室33の貯留水に比較して高く、排出口36でのガス温度制御が充分可能となる。噴霧器によるガス冷却効果が高い理由は、高温ガスとの接触効率が良いためであるが、接触効率は噴霧量だけでなく、噴霧器から噴霧される液滴の大きさにも依存し、液滴が細かいほど接触効率は上昇する。そこで、排ガス性状制御手段50により噴霧器37を制御する場合は、噴霧量制御と液滴径最適化制御とを併用するとよい。液滴径を最適化するには、スプレーノズルを使用したり、蒸気によって水を散らして飛ばすような、2流体ノズルを使用するとよい。さらに、噴霧器と濡れ壁の相乗効果により、ガス洗浄効果が高まることで、後段へ飛散する付着性腐食促進物質を含む溶融飛灰量が減少し、顕熱回収装置で問題となっている溶融塩腐食環境を改善することができる。
【0045】
また濡れ壁へ供給する液体や噴霧する液体にアルカリ性液体を用いると、高温ガスに塩素のような酸性腐食ガス成分が含まれていても、化学反応により害悪を及ぼす成分を除去できる。また、アミンのように特定のガスを選択的に吸収する液体を使用すれば、高温ガスから特定のガス成分を除去あるいは減少させてガス成分を調整することもできる。液体にメタノールのようなアルコール類を用いても良い。この場合、蒸発潜熱による冷却に加えて、アルコールが吸熱分解されることにより冷却効果が促進されると共に、吸熱分解により発生する熱分解ガスにより高温ガスの成分補完、例えば水素濃度上昇などの効果を得ることができる。
【0046】
次に、高温ガス化炉がトラフ型の場合に好適な高温ガス冷却装置について説明する。ここでトラフ型高温ガス化炉とは、高温ガス化炉としてのガス化溶融炉において、スラグ落ち口の下側に傾斜している濡れ壁を設け、スラグ落ち口から落下してくるスラグを流水で冷やして水封する形式の高温ガス化炉をいう。トラフ型高温ガス化炉では、水封されたスラグを排出コンベヤで連続排出するので、炉内のスラグ処理が容易であると共に、高温ガス化炉からの輻射熱の影響によるスラグ水封水の蒸発量が少なくて済むという利点がある。
【0047】
図9は本発明の第9の実施の形態を説明する構成図で、トラフ型高温ガス化炉に好適な高温ガス冷却装置を示しており、(A)はスラグ水封水のある型、(B)はスラグ水封水と濡れ壁邪魔板を併設してある型、(C)は高温ガス冷却装置にスラグ水封水を内在させない型、(D)は高温ガス冷却装置にスラグ水封水を内在させないが、濡れ壁邪魔板を設ける型を示している。図において、高温ガス化炉20には燃料25と空気や酸素などの酸化剤26が供給されて、ガス化反応が進行し、スラグ落ち口27から高温ガス40と溶融スラグが高温ガス冷却装置60に送られる。
【0048】
図9(A)に示すように、高温ガス冷却装置60は、スラグ落ち口27側に設けられたジャケット61、傾斜壁62、スラグ排出口63、ガス排出口66並びに後壁69を備えている。高温ガス冷却装置60と高温ガス化炉20とが密接な構造をしているため、導入口には実質的に高温ガス化炉20のスラグ落ち口27が対応している。スラグ水封水64は、飛灰水冷室としての傾斜壁62と後壁69のスラグ排出口63側の領域を水で満たすもので、水砕スラグを生成する。濡れ壁68は表面が水で濡れている壁面で、濡れ壁68Aはジャケット61が濡れ壁用の給水設備を有する場合に存在し、濡れ壁68Bは傾斜壁62の頂部に濡れ壁用の給水設備を有する場合に存在し、濡れ壁68Cは後壁69に濡れ壁用の給水設備を有する場合に存在する。
【0049】
このように構成された装置においては、溶融スラグが濡れ壁68A、B、Cによって捕捉され、捕捉された水砕スラグがスラグ水封水64に流下して、スラグ排出口63より排出される。高温ガス40は濡れ壁68A、B、Cやスラグ水封水64にて大粒径の溶融スラグが除去されて、ガス排出口66より排出される。
【0050】
図9(B)に示すように、高温ガス冷却装置60において、濡れ壁邪魔板部65をジャケット61のガス排出口66側の壁面であって、スラグ水封水64側に伸延する構造としてもよい。濡れ壁68Dが、濡れ壁邪魔板部65の高温ガス40流入側に形成されている。このように、濡れ壁邪魔板部65を高温ガス40の流路の途中に設けると、大粒径の溶融スラグばかりでなく、中小粒径の溶融スラグについても高温ガス40の気流による慣性が有効に作用して、貯留水としてのスラグ水封水64に捕捉される割合が高まる。また、濡れ壁68Dにより捕捉される中小粒径の溶融スラグが増える。
【0051】
図9(C)に示すように、高温ガス冷却装置60として、スラグ水封水64の水位がスラグ排出口63に達しない形式も存在している。この場合には、常圧式の高温ガス冷却装置60では、スラグ排出口63の下側にスラグ水封水を有する機器が接続されており、濡れ壁68A、B、Cにて捕捉された水砕スラグを水封する。また加圧式の高温ガス冷却装置60では、ロックホッパ等を利用するとよい。
【0052】
このように構成された装置においては、濡れ壁68A、B、Cに存在する流水が、貯留水としての機能を発揮する。スラグ水封水64の水位がスラグ排出口63に達しない為、図9(A)に示す高温ガス冷却装置60に比較して濡れ壁68A、B、Cからの蒸発量が多くなるから、濡れ壁68A、B、Cに給水する水量を増して、貯留水としての機能を発揮させるのが良い。
【0053】
図9(D)に示すように、高温ガス冷却装置60として、スラグ水封水64の水位がスラグ排出口63に達しない形式であって、濡れ壁邪魔板部65をジャケット61のガス排出口66側の壁面であって、スラグ水封水64側に伸延する構造としてもよい。濡れ壁68Dが、濡れ壁邪魔板部65の高温ガス40流入側に形成されている。この場合の効果は、図9(B)、(C)で記載した効果を合わせたものとなる。
【0054】
図10は本発明の第10の実施の形態を説明する構成図で、図9に示す各形式の高温ガス冷却装置に噴霧器67を付設する形式を示している。高温ガス冷却装置として、図10(A)はスラグ水封水のある型、(B)はスラグ水封水と濡れ壁邪魔板を併設してある型、(C)は高温ガス冷却装置にスラグ水封水を内在させない型、(D)は高温ガス冷却装置にスラグ水封水を内在させないが、濡れ壁邪魔板を設ける型を示している。噴霧器67は、ガス排出口66のスラグ排出口63側に設けられたもので、水、液体、並びに必要に応じて蒸気を供給して、高温ガスに含まれる中小粒径の溶融スラグを捕捉している。
【0055】
次に、高温ガス化炉のガス化ガスの温度が1300℃以下、特に1000℃以下の場合に好適な高温ガス冷却装置について説明する。ここでの高温ガス冷却装置は、ガス化ガスの温度が1300℃以下、特に1000℃以下の高温ガス化炉に適用可能なもので、特段のスラグ落ち口が設けられていない点に特徴がある。ガス化ガスの温度が1000℃以下であるため、ガス化ガスに存在する飛灰及び/又はスラグが溶融しないという性質がある。
【0056】
図11は本発明の第11の実施の形態を説明する構成図で、横置き型高温ガス化炉に好適な高温ガス冷却装置を示しており、(A)はスラグ水封水のある型、(B)はスラグ水封水と濡れ壁邪魔板を併設してある型を示している。横置き型高温ガス化炉70は、燃料75と空気や酸素などの酸化剤76が供給されて、ガス化反応が進行し、高温ガス冷却装置80に送られる。
【0057】
図11(A)に示すように、高温ガス冷却装置80は、ジャケット81、飛灰水冷室83、後壁84並びにガス排出口86を備えている。高温ガス冷却装置80と横置き型高温ガス化炉70とが密接な構造をしているため、導入口には実質的にジャケット81と横置き型高温ガス化炉70との結合部が対応している。給水壁82は、高温ガス冷却装置80の高温ガス化炉70と接続された天井に設けられたもので、濡れ壁88Aを生成する。濡れ壁88Bは後壁84の頂部に濡れ壁用の給水設備を有する場合に存在する。
【0058】
このように構成された装置においては、飛灰水冷室83に濡れ壁88A、88Bから供給される流水が流れ込む。横置き型高温ガス化炉70から高温ガス冷却装置80に流入する高温ガス40は、濡れ壁88Bにて流れの方向をガス排出口86側に急変させている。そこで、濡れ壁88Bの流水が貯留水としての機能を発揮する。また濡れ壁88Aにも溶融しない飛灰(ドライアッシュ)及び/又はスラグが捕捉される。濡れ壁88A、88Bにてドライアッシュ及び/又はスラグを捕捉した水封水は、飛灰水冷室83に流れ込む。
【0059】
図11(B)に示すように、高温ガス冷却装置80として、ジャケット81が高温ガス冷却装置80の高温ガス化炉70と接続された底部並びに天井に設けられいる形式もある。濡れ壁邪魔板部85は、天井側のジャケット81のガス排出口86側に設けられており、飛灰水冷室83に伸延する構造となっている。濡れ壁88Cが、濡れ壁邪魔板部85の高温ガス40流入側に形成されている。このように、濡れ壁邪魔板部85を高温ガス40の流路の途中に設けると、大粒径のドライアッシュ及び/又はスラグばかりでなく、中小粒径のドライアッシュ及び/又はスラグについても高温ガス40の気流による慣性が有効に作用して、貯留水としての飛灰水冷室83に捕捉される割合が高まる。また、濡れ壁88Cにより捕捉される中小粒径のドライアッシュ及び/又はスラグが増える。
【0060】
図12は本発明の第12の実施の形態を説明する構成図で、図11に示す各形式の高温ガス冷却装置に噴霧器87を付設する形式を示している。高温ガス冷却装置として、図12(A)はスラグ水封水のある型、(B)はスラグ水封水と濡れ壁邪魔板を併設してある型を示している。噴霧器87は、ガス排出口86の飛灰水冷室83と対向する側に設けられたもので、水、液体、並びに必要に応じて蒸気を供給して、高温ガスに含まれる中小粒径のドライアッシュ及び/又はスラグを捕捉している。
【0061】
なお、上記の実施の形態においては一般廃棄物等を部分酸化するガス化炉を例に説明したが、本発明はガス化炉に限定されるものではなく、一般廃棄物等を完全燃焼させる燃焼炉に適用しても良い。高温ガスとしては、ガス化ガスでもよく、また燃焼排ガスでも良く、さらに加圧されていても、また常圧でもよい。また、高温ガス化炉は縦置き型でも横置き型でもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の高温ガス冷却装置によれば、導入口から導入された飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却する液体領域部を設けているので、高温ガスに含まれる飛灰及び/又は溶融スラグが有効に捕捉される。また、排出口は高温ガスを液体領域部の液体界面方向若しくは液体界面に対して上方向に排出させる構造としているので、排出された高温ガスから熱回収する場合や、高温ガスを外部のプロセスの原料として用いる場合に、排出方向を適宜に採択できる。
【0063】
また、本発明の高温ガス冷却装置によれば、水冷室に流れてくる高温ガスを、貯留水の水面に沿って移動させる連絡部と、前記高温ガスが前記連絡部に流入する位置に設けられ、前記高温ガスの流れ方向を連絡部方向に急変させると共に、表面が液体で濡れている覆液部とをさらに備える構造としているので、連絡部と覆液部が協働して、高温ガスの流れ方向を導入口方向から連絡部方向に急変させることで、高温ガスに含まれる大粒径の飛灰及び/又は溶融スラグを水冷室の貯留水に捕捉させることができる。また、覆液部は表面が液体で濡れているので、連絡部付近の高温ガスに含まれる飛灰及び/又は溶融スラグが有効に捕捉される。
【0064】
本発明の高温ガス化炉によれば、燃料投入部、酸化剤投入部、ガス化部、並びにガス化ガスを処理する請求項1〜請求項10に記載の高温ガス冷却装置を備えている構造としているので、燃料として重油、灯油、天然ガス等に加え、ダストや溶融スラグの発生する石炭、微粉炭を燃焼あるいはガス化する場合や、不純物の多い各種廃棄物、バイオマス、汚泥などの有効利用されていない低級燃料の燃焼やガス化の場合でも、発生ガスに含まれる飛灰及び/又は溶融スラグが高温ガス冷却装置によって有効に除去されて、後段機器へのダスト負荷が低減される。これにより、ダスト付着による後段機器の熱回収率低下などのトラブルが回避できると共に、ガス洗浄プロセスが容易になることで大気汚染防止に役立つ。さらに、高温ガスの飛灰及び/又は溶融スラグ除去処理に付随するガス温度低下が少なくて済むので、高温ガス潜熱の有効利用にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を説明する構成図で、高温ガス化炉と高温ガス冷却装置の結合プラントを示している。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を説明する構成図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態を説明する構成図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態を説明する構成図である。
【図5】 本発明の第5の実施の形態を説明する構成図で、顕熱回収型の高温ガス冷却装置に適合するものである。
【図6】 本発明の第6の実施の形態を説明する構成図である。
【図7】 本発明の第7の実施の形態を説明する構成図である。
【図8】 本発明の第8の実施の形態を説明する構成図である。
【図9】 本発明の第9の実施の形態を説明する構成図で、トラフ型高温ガス化炉に好適な高温ガス冷却装置を示している。
【図10】 本発明の第10の実施の形態を説明する構成図である。
【図11】 本発明の第11の実施の形態を説明する構成図で、横置き型高温ガス化炉に好適な高温ガス冷却装置を示している。
【図12】 本発明の第12の実施の形態を説明する構成図である。
【図13】 直接接触冷却型の高温ガス冷却装置の構成図である。
【図14】 顕熱回収型の高温ガス冷却装置の構成図である。
【符号の説明】
20、70 高温ガス化炉
30、60、80 高温ガス冷却装置
31 導入口
33、83 飛灰水冷室
34 連絡部
35、65、85 濡れ壁邪魔板部
40 高温ガス
50 排出ガス性状制御手段

Claims (12)

  1. 飛灰及び/又は溶融スラグを含有する高温ガスを導入する導入口と;
    前記導入口から導入された前記飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、該高温ガスを冷却する液体領域部と;
    前記高温ガスを、前記液体領域部の液体界面方向若しくは液体界面に対して上方向に排出する排出口を備え;
    前記液体領域部は、前記導入口から導入した前記飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却する貯留水を貯える水冷室であり;
    前記水冷室に流れてくる前記高温ガスを、前記貯留水の水面に沿って移動させる連絡部と;
    前記高温ガスが前記連絡部に流入する位置に設けられ、前記高温ガスの流れ方向を連絡部方向に急変させると共に、表面が液体で濡れている覆液部とをさらに備え;
    前記排出口が、前記連絡部を通過してきた前記高温ガスを前記貯留水の水面方向若しくは水面に対して上方向に排出させる;
    高温ガス冷却装置。
  2. 前記連絡部が前記排出口の機能も有し、前記連絡部の入口に位置する壁面に前記覆液部を備える請求項に記載の高温ガス冷却装置。
  3. 前記連絡部が前記排出口の機能も有し;
    前記連絡部の接続部に設けられた壁面、若しくは前記排出口に接続された排出管が覆液構造であり;
    前記覆液構造より溢流した液滴が落下して、前記連絡部に流入する前記高温ガスに接触する;
    請求項又は請求項に記載の高温ガス冷却装置。
  4. 前記導入口から流入した高温ガスに含まれる飛灰及び/又は溶融スラグを捕捉し、冷却する貯留水が、前記連絡部の底部にも貯えられている請求項乃至請求項の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置。
  5. さらに前記連絡部と前記排出口の間であって、前記高温ガスが通過する位置に、液滴を噴霧或いは落下させている請求項乃至請求項の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置。
  6. 前記液滴を噴霧させている場合に、さらに液滴量又は/及び液滴径により前記高温ガスの性状を制御する手段を備える請求項に記載の高温ガス冷却装置。
  7. 前記導入口の壁面にジャケット構造を有し;
    且つ前記水冷室の壁面に覆液構造を有する;
    請求項乃至請求項の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置。
  8. 前記覆液部と前記水冷室の貯留水水面との距離を変化させて、前記高温ガスの性状を制御する手段を備える請求項乃至請求項の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置。
  9. 前記覆液部は、表面が液体で濡れている濡れ壁であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置。
  10. 前記水冷室が、異なる水位で前記貯留水を貯える二室に前記水冷室を区画する隔壁を有する請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置。
  11. 燃料を投入する燃料投入部と;
    酸素を含有するガスを投入する酸化剤投入部と;
    前記燃料の一部又は全量を燃焼させるガス化部と;
    請求項1乃至請求項10の何れか一つに記載の高温ガス冷却装置とを備える;
    高温ガス化炉。
  12. 飛灰及び/又は溶融スラグを含有する高温ガスを貯留水水面への重力方向の流れから貯留水水面に沿った水平方向の流れに急変させて前記高温ガス中に含有される飛灰及び/又は溶融スラグを前記高温ガスの流れを急変させる覆液部の表面の液体 及び前記貯留水で捕捉すると共に、前記高温ガスを冷却し;
    前記冷却された高温ガスを、前記貯留水水面に沿った水平方向若しくは前記貯留水水面に対して上方向に排出する;
    高温ガス冷却方法。
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