JP3853649B2 - 生産管理支援システム、方法、および装置、ならびにプログラム - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、生産管理支援システム、生産管理支援方法、生産管理支援装置、および、プログラムに関し、特に、複数の生産方式が混在する生産過程で有用な生産管理支援システム、生産管理支援方法、および、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工業製品などの生産過程において、複数の生産方式が存在することが知られている。代表的なものとして、かんばん方式(ジャスト・イン・タイム方式)、ATO(Assemble To Order:受注組立)、MTO(Make To Order:受注生産)などがあげられる。製品生産の現場では、これらの複数の生産方式が混在している場合があり、適宜選択して適用されている。いずれの生産方式を適用するかの基準は、各生産方式の長所・短所を考慮して決定される。この判断を誤ると、例えば、大量の廃棄在庫が生じるなどの損失が発生する場合があるので、的確な判断が要求される。
【0003】
このような生産方式の決定は、従来、生産管理担当者の経験に基づく人手による判断によって行われていた。このため、多種多様な製品を生産する生産工程などにおいては、生産管理上の処理が煩雑であった。
【0004】
また、生産管理において納期遵守は重要な課題であるため、正確な生産スケジュールをたてて納期を決定する必要がある。このような納期決定のための技術が特開平10−214293号公報に開示されている。これによれば、平均化するように生産負荷の割り付けをおこない、この結果に基づいて納期を決定している。
【0005】
しかしながら、上述のように複数の生産方式が混在している場合において、製品毎に異なる生産方式が適用された場合、各生産方式間で整合性をもたせたスケジューリングをしなければ正確な生産スケジュールを算出することができない。特に、生産方式としてかんばん方式が含まれている場合、かんばんが何時はずれるか分からないため、正確な生産スケジュールの作成は極めて困難である。上記特開平10−214293号公報に開示されている技術では、このような複数の生産方式が混在したケースには対応できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、複数の生産方式が混在する生産過程で有用な生産管理支援システム、生産管理支援方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる生産管理支援システムは、
複数の生産方式が混在する生産過程における生産管理を支援するための生産管理支援システムであって、
種々の製品を示す情報と、各前記製品についての製品ライフサイクルの各段階での特徴を示す情報とを取得し、対応付けて蓄積する特徴情報取得手段と、
各前記生産方式の特性を示す情報を蓄積する生産方式情報蓄積手段と、
生産対象物とその予定生産量、および対象となる製品ライフサイクルとを指定する生産対象指定手段と、
前記生産対象指定手段が指定した生産対象物と近似する製品を、前記特徴情報取得手段が蓄積した製品情報から指定する近似製品指定手段と、
前記生産対象指定手段が指定した予定生産量および製品ライフサイクルと、前記近似製品指定手段が指定した製品に対応する特徴情報と、前記生産方式情報蓄積手段が蓄積した特性情報と、に基づいて、前記生産対象物を生産する際の生産方式を決定して提示する生産方式決定手段と、
前記生産対象指定手段が指定した予定生産量を示す情報と前記生産方式決定手段が決定した生産方式とを対応付けた受注情報を蓄積する受注情報蓄積手段と、
前記生産方式決定手段が決定した生産方式に応じて、前記生産対象物のラインの過剰負荷が最小となるよう当該生産対象物の生産スケジュールを作成して提示する生産計画手段と、を備え、
前記生産計画手段は、
前記生産対象指定手段が指定した生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報を取得する在庫情報取得手段と、
前記生産過程における各ラインの生産能力を示す情報を取得する生産能力情報取得手段と、
対象となる生産拠点において同一の生産方式での同一製品の受注が複数存在する場合に、前記生産方式決定手段が決定した生産方式に基づき、最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかを算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかに基づいて、前記受注情報をソートするソート手段と、
前記ソート手段がソートした受注情報を集約してロットを作成するロット作成手段と、
前記ロット作成手段が作成したロットを、前記生産能力情報取得手段が取得した各ラインの生産能力を示す情報に基づいて割り当てるロット割り当て手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする。
【0009】
上記生産管理支援システムにおいて、
前記生産対象物の所望納期を指定する納期指定手段をさらに備え、
前記生産計画手段は、前記納期指定手段が指定した納期に基づいて前記生産対象物の生産スケジュールを作成することが望ましい。
【0010】
上記生産管理支援システムにおいて、
前記生産計画手段が作成した生産スケジュールに基づいて、前記納期指定手段が指定した納期を遵守できるか否かを判定し、判定結果を提示する納期遵守可否判定手段をさらに備え、
前記生産計画手段は、前記納期遵守可否判定手段が前記納期の遵守が不可であると判定したことを契機に、生産方式決定手段が決定した生産方式に応じて、納期遅延が最小となるよう前記生産対象物の生産スケジュールを再度作成することが望ましい。
【0011】
上記生産管理支援システムにおいて、
前記納期遵守可否判定手段は、前記納期の遵守が不可であると判定した場合、前記生産計画手段が作成した生産スケジュールに基づいて最早納期を算出して提示する納期算出手段をさらに備えることが望ましい。
【0012】
上記のような構成によれば、生産対象製品について、過去の実績データに基づいて製品ライフサイクルごとの特徴を判定し、その特徴に基づいて、最適な生産方式を決定する。また、ライン負荷を最小化するよう生産計画を立てると共に、その生産計画を踏まえて、納期の遅延を最小化するよう生産計画を調整することができる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる生産管理支援方法は、
複数の生産方式が混在する生産過程における生産管理を支援するための生産管理支援方法であって、
種々の製品を示す情報と、各前記製品についての製品ライフサイクルの各段階での特徴を示す情報とを取得し、対応付けて蓄積する特徴情報取得ステップと、
各前記生産方式の特性を示す情報を取得する生産方式情報取得ステップと、
生産対象となる物と、対象となる製品ライフサイクルと、予定生産量とを指定する生産対象指定ステップと、
前記生産対象指定ステップで指定された生産対象物と近似する製品を、前記特徴情報取得ステップで蓄積された製品情報から指定する近似製品指定ステップと、
前記生産対象指定ステップで指定された製品ライフサイクルと、前記近似製品指定ステップで指定された製品に対応する特徴情報と、前記生産方式情報取得ステップで蓄積された特性情報と、に基づいて、前記生産対象物を生産する際の生産方式を決定する生産方式決定ステップと、
前記生産対象指定ステップで指定された予定生産量を示す情報と前記生産方式決定ステップで決定された生産方式とを対応付けた受注情報を蓄積する受注情報蓄積ステップと、
前記生産方式決定ステップで決定された生産方式に基づいて、ラインの過剰負荷が最小となるよう前記生産対象物の生産スケジュールを作成する生産計画ステップと、を備え、
前記生産計画ステップは、
前記生産対象指定ステップで指定された生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報を取得する在庫情報取得ステップと、
前記生産過程における各ラインの生産能力を示す情報を取得する生産能力情報取得ステップと、
対象となる生産拠点において同一の生産方式での同一製品の受注が複数存在する場合に、前記生産方式決定ステップで決定された生産方式に基づき、最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかを算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかに基づいて、前記受注情報をソートするソートステップと、
前記ソートステップでソートされた受注情報を集約してロットを作成するロット作成ステップと、
前記ロット作成手段で作成されたロットを、前記生産能力情報取得手段が取得した各ラインの生産能力を示す情報に基づいて割り当てるロット割り当て手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする。
【0014】
上記生産管理支援方法において、
前記生産対象物の生産納期を指定する納期指定ステップと、
前記生産計画ステップで作成された生産スケジュールと、前記生産能力情報取得ステップで取得された各ラインの生産能力を示す情報とに基づいて、前記生産方式決定ステップで決定された生産方式に応じて前記納期指定ステップで指定された納期の遵守が可能か否かを判定する納期遵守可否判定ステップと、
を備えることが望ましい。
【0015】
上記生産管理支援方法において、
前記納期遵守可否判定ステップは、前記生産方式決定ステップで決定された生産方式がかんばん方式である場合、前記生産能力情報に基づいて前記生産計画ステップで作成された生産スケジュールに示される日程毎にかんばんの外れ枚数を最適化して納品可能日を算出することで納期遵守の可否を判定することが望ましい。
【0016】
上記生産管理支援方法において、
前記生産計画ステップは、前記納期遵守可否判定ステップで、納期の遵守が不可であると判定された場合、納期遅延が最小となるよう前記生産対象物の生産計画を再度作成することが望ましい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる生産管理支援装置は、
種々の製品について、製品ライフサイクルに対応する特徴を示す情報と、複数の生産方式に関する情報とを対応付けて蓄積する特徴情報蓄積部と、
生産対象物を指定する生産対象物指定部と、
前記生産対象物指定部が指定した生産対象物に近似する製品の特徴情報を前記特徴情報蓄積部から取得する特徴情報取得部と、
前記特徴情報取得部が取得した特徴情報に対応する生産方式を、前記生産対象物の生産に適用する生産方式として決定する生産方式決定部と、
前記生産対象指定部が指定した予定生産量を示す情報と前記生産方式決定部が決定した生産方式とを対応付けた受注情報を蓄積する受注情報蓄積部と、
前記生産方式決定部が決定した生産方式に応じて、ラインの過剰負荷が最小となるよう前記生産対象物の生産スケジュールを作成する生産計画部と、を備え、
前記生産計画部は、
前記生産対象指定部が指定した生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報を取得する在庫情報取得部と、
前記生産過程における各ラインの生産能力を示す情報を取得する生産能力情報取得部と、
対象となる生産拠点において同一の生産方式での同一製品の受注が複数存在する場合に、前記生産方式決定部が決定した生産方式に基づき、最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかを算出する算出部と、
前記算出部が算出した最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかに基づいて、前記受注情報をソートするソート部と、
前記ソート部がソートした受注情報を集約してロットを作成するロット作成部と、
前記ロット作成部が作成したロットを、前記生産能力情報取得部が取得した各ラインの生産能力を示す情報に基づいて割り当てるロット割り当て部と、をさらに備える、
ことを特徴とする。
【0018】
上記生産管理支援装置は、
前記受注情報蓄積部に蓄積されている受注情報から所定の製品についての受注情報を抽出する受注情報抽出部を、
さらに備えていることが望ましく、この場合、
前記生産計画部は、前記受注情報抽出部が抽出した受注情報について、生産可能な単位生産数に基づいて、生産スケジュールを作成することが望ましい。
【0019】
上記生産管理支援装置は、
予め作成された生産スケジュールを示す生産スケジュール情報を蓄積する生産スケジュール情報蓄積部と、
通信ネットワークに接続する接続部と、
前記接続部を制御し、少なくとも発注者が所望する納期を示す要求納期情報を含んだ生産対象物の受注情報を受信する受注情報受信部と、
前記生産スケジュール情報蓄積部に蓄積された生産スケジュール情報を参照し、要求納期を遵守できるように、当該受注情報を生産スケジュールに割り当てる納期調整部と、
前記納期調整部により要求納期を遵守できるように受注情報が割り当てられない場合は、適用される生産方式に基づいて納期遅延が最小となるよう前記生産スケジュールを調整する生産スケジュール調整部と、
を備えることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点にかかるプログラムは、
コンピュータを、
生産対象物に関する情報を入力する入力部と、
種々の製品を示す情報、各前記製品の各製品ライフサイクルにおける特徴を示す情報、前記生産方式に関する情報、前記生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報、および、各ラインの生産能力を示す情報を取得して蓄積する情報取得部と、
前記入力部が入力した生産対象物に近似する製品を、前記情報取得部が取得した製品情報から指定する近似製品指定部と、
前記近似製品指定部が近似製品として指定した製品の特徴情報と、前記入力部が入力した生産対象に関する情報と、に基づいて、該生産対象物を生産する際の生産方式を決定する生産方式決定部と、
前記生産方式決定部が決定した生産方式に基づき、前記生産対象物に関する情報と、前記在庫情報と、前記生産能力情報とを分析して、ラインの過剰負荷が最小となるよう前記生産対象の生産スケジュールを作成する生産計画部と、
前記生産計画部による生産スケジュールに基づいて、納期遵守の可否を判定する納期遵守可否判定部と、
前記納期遵守可否判定部の判定結果に基づき、納期遅延が最小となるよう前記生産スケジュールを調整するスケジュール調整部と、
前記生産方式決定手段が決定した生産方式、前記納期遵守可否判定手段の判定結果、および、前記生産計画手段が作成した生産スケジュールを出力する出力手段と、
を備える生産管理支援装置として機能させることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、かんばん方式、ATO(Assemble To Order:受注組立)、MTO(Make To Order:受注生産)の3種類の生産方式が混在する生産工程において、本発明にかかる生産管理支援システムが適用される場合を例に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態にかかる生産管理支援システムの構成を示す図である。図示するように、本実施の形態にかかる生産管理支援装置100は、制御部110と、外部記憶装置120と、主記憶装置130と、製品情報データベース140と、生産能力情報データベース150と、在庫情報データベース160と、入力部170と、出力部180と、通信部190と、から構成される。
【0023】
本実施の形態にかかる生産管理支援装置100は、例えば、メインフレームやワークステーションなどの所定のコンピュータ装置から構成されるものとする。したがって、制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、生産管理支援装置100の各部を制御すると共に、主記憶装置130にロードされた所定の動作プログラムを実行することで、後述する各処理を実現する。
【0024】
外部記憶装置120は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、後述する各処理を実行するためのプログラムを記憶している。
【0025】
主記憶装置130は、例えば、半導体記憶装置などの書換可能な記憶装置から構成され、制御部110の制御により、外部記憶装置120に記憶されたプログラムが展開されると共に、制御部110が処理を行う上で必要なデータが記憶される。また、制御部110による処理結果が一時的に保持される。すなわち、主記憶装置130は、制御部110のワークエリアとして機能し、後述する各処理は主記憶装置130に展開されたプログラムを制御部110が実行することで実現される。
【0026】
製品情報データベース140は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、種々の製品について、その製品ライフサイクルに関する情報などを記憶する。図2に、製品情報データベース140に記憶される情報の例を示す。
【0027】
図2(a)に示すように、製品情報データベース140には、対象となる生産工程における生産製品に対応するカテゴリ(例えば、用途や適用対象分野などによる分類)毎にレコードが作成され、各カテゴリに対応する製品種別(例えば、製品の一般的名称など)毎に、製品ライフサイクルの各段階(「導入期」、「成長期」、「成熟期」、「衰退期」)における「需要変動」、「受注数量」、「製品在庫リスク」の各項目のパラメータ(例えば、「大」、「中」、「小」など)が記録される。図2(a)に示される情報を、以下「特徴データ」とする。
【0028】
また、図2(b)に示すように、図2(a)に示される特徴データのパターン毎に、対応する生産方式を記録した「特徴−生産方式」対照テーブル(以下、単に「対照テーブル」とする)が記録される。
【0029】
生産能力情報データベース150は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、対象となる生産拠点における生産能力を示す情報を記録するものであり、例えば、ライン数、各ラインの生産製品種別、各ラインの生産能力(例えば、月産量など)などを示す情報を記録する。
【0030】
在庫情報データベース160は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、各生産拠点において保有している部品や原材料などの在庫量を示す情報を記録する。
【0031】
入力部170は、例えば、キーボードや各種ポインティングデバイスなどの所定の入力装置などから構成され、制御部110への指示や各データベース140〜160に記録される情報の入力に用いられる。
【0032】
出力部180は、例えば、ディスプレイ装置やプリンタなどの所定の出力装置から構成され、制御部110による処理結果を必要に応じて出力する。なお、以下に説明する各処理においては、出力部180としてディスプレイ装置が用いられるものとする。
【0033】
通信部190は、例えば、ルータ、TA(Terminal Adapter:ターミナルアダプタ)、モデムなどの通信装置から構成され、生産管理支援装置100を所定の通信回線に接続し、当該通信回線に接続された他の端末と情報の送受信を行う。ここで、所定の通信回線には、LAN(Local Area Network:構内通信網)およびWAN(Wide Area Network:広域通信網)が含まれるものとする。すなわち、生産管理支援装置100が設置されている施設の敷地内の他の端末および敷地外の他の端末との間で送受信ができるものとする。
【0034】
次に、本実施の形態にかかる生産管理支援装置100の動作を図面を参照して説明する。
【0035】
はじめに、本実施の形態にかかる生産方式決定処理を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
生産管理支援装置100の制御部110が、外部記憶装置120から主記憶装置130にロードしたプログラムを実行することで、所定の入力画面を出力部180に表示する。操作者による入力部170の操作により、生産対象となる品目と予定生産量、および要求納期が入力画面上で入力される(ステップS101)。
【0037】
制御部110は、ステップS101で入力された生産対象品目情報に基づいて、製品情報データベース140を検索し、入力された生産対象物と類似する製品を特定する。ここで、生産対象物と類似する製品を特定するのは、生産対象物の製品ライフサイクル毎の特徴を、過去のデータに基づいて特定するためである。
【0038】
ここで、製品の製品ライフサイクル毎の特徴を図面を参照して説明する。まず、製品ライフサイクルとは、製品は、開発されてから「導入期」、「成長期」、「成熟期」、「衰退期」の各ステージそれぞれのステージを辿ることをいう。各ステージにおける生産量(販売量)の推移傾向は、製品毎に所定の特徴を示すといえる。図4(a),(b)は、その代表例を説明するためのグラフおよび表である。図4(a)のグラフでは、縦軸が生産量(または販売量。以下「生産量」とする)を示し、横軸が時間推移を示している。図示するように、生産量の推移傾向は、導入期から成長期にかけて徐々に上昇し、成熟期でピークを迎える(いわゆる、「売れ筋」)。そして、成熟期の後半から下降し始め、衰退期で収束する(いわゆる、「死に筋」)。
【0039】
図4(b)は、この特性を「需要変動」、「受注数量」、「製品在庫リスク」の各パラメータで表したものである。この図4(a),(b)に示した特性は、一般的な製品に見られる代表的な特性であるといえる。しかし、製品の特殊性により、上記のような特性を示さない製品もある。したがって、製品情報データベース140には、図2(a)に示すように、種々の製品(種別)について、特徴データを記録しているのである。
【0040】
よって、制御部110は、ステップS101で入力された生産対象品目情報分析し、まず当該製品のカテゴリを特定した後、さらに製品種別を生産対象物の類似製品として特定する。そして、特定された製品種別に対応する特徴データを取得し、主記憶装置130に一時的に保持させる(ステップS102)。
【0041】
ステップS102で類似製品が特定されると、制御部110は、生産対象物が生産される際の製品ライフサイクルを入力するための入力画面を出力部180に出力する。操作者による入力部170の操作により、生産対象製品の生産予定時の製品ライフサイクルを示す情報が入力される(ステップS103)。
【0042】
制御部110は、ステップS102で取得した特徴データと、ステップS103で入力された製品ライフサイクル情報と、に基づいて、生産対象物を生産する際に最適な生産方式を決定する(ステップS104)。
【0043】
ここで、特徴データと生産方式との関係について説明する。上述した本実施の形態にかかる生産方式、すなわち、かんばん方式、ATO(Assemble To Order:受注組立)、MTO(Make To Order:受注生産)のそれぞれにも特性があり、この特性に基づいて、図2(b)に示すように、特徴データのパターンと最適生産方式とが関連している。以下に各生産方式の特性について説明する。
【0044】
(1)かんばん方式
「かんばん」と呼ばれる発注指示カードを用いて、必要なものを、必要なときに、必要な量だけ生産するのに適した生産方式である。したがって、大量に生産しても安定して販売できる場合に適している。すなわち、「需要変動」が小さく、「受注数量」が多い場合である。また、かんばん方式では、製品および部品を在庫として保有するため、廃棄在庫となった場合の損害が大きい。したがって、「製品在庫リスク」が小さい場合に適している。
(2)ATO
見込みで部品や半製品を作っておき、注文に基づいて最終製品を生産する「受注生産」方式の生産方式である。したがって、いわゆる「売れ筋」と「死に筋」の中間にあたる製品の生産に適している。また、製品の在庫は保有しないが、部品の在庫を保有しているため、廃棄在庫となった場合の損害がやや大きい。したがって、「製品在庫リスク」が大きくも小さくもない場合に適している。
(3)MTO
製品の注文に応じて、各種部品の調達から入る完全受注生産である。したがって、「死に筋」商品などの少量生産に適している。また、無駄な在庫を一切保有しないため、廃棄在庫となることがなく、損害がない。したがって、「製品在庫リスク」が大きい場合に適している。
【0045】
上記生産方式の特色に基づいて、特徴データの各パターンと最適生産方式とが対応付けらており、この関係を示す対照テーブルが製品情報データベース140に記録されている(図2(b))。
【0046】
よって、ステップS104では、制御部110が、ステップS102で取得した特徴データのうち、ステップS103で入力された製品ライフサイクルに対応するパターンをまず特定する。そして、ステップS101で入力された予定生産量と、特定された特徴データパターンの「受注数量」パラメータと比較する。予定生産量と受注数量パラメータが一致すれば、特定されたパターンをそのまま用いるものとする。一方、予定生産量と受注数量パラメータが不一致の場合は、受注数量パラメータを予定生産量に対応したものに変更する。
【0047】
そして、制御部110は、製品情報データベース140の対照テーブル(図2(b))から、決定した特徴データパターンに対応する生産方式を特定する。
【0048】
ステップS104で特定された最適生産方式は、例えば、出力部180に表示される他、ステップS101で入力された情報と対応付けられ、受注情報として外部記憶装置120の所定の領域に蓄積され、後述する生産計画処理で用いられる。以上で、生産方式決定処理は終了する。
【0049】
次に、本発明の実施の形態にかかるライン負荷最小化処理を図面を参照して説明する。図5は、本実施の形態にかかるライン負荷最小化処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下に示す処理は、例えば、夜間のバッチ処理などで処理が実行される。
【0050】
制御部110は、上記生産方式決定処理で蓄積された受注情報から、ステップS104で決定された生産方式が同一のものを抽出し、さらにその中から製品品目が同一のものを抽出する(ステップS201)。以下、生産方式がかんばん方式のものから同一製品が抽出された場合を例に説明する。
【0051】
ここでは、図6に示すように同一製品の受注情報が4つ抽出されたとする。また、ここでは、かんばん1枚につき生産数量(個数)が50であるものとする。
【0052】
制御部110は、生産能力情報データベース150にアクセスし、対象となる生産拠点(工場など)についての生産能力情報を取得する(ステップS202)。
【0053】
次に各受注情報について、最遅引取日を算出する(ステップS203)。ここで引取日とは、生産段階での製品生産が完了する日を指す。制御部110は、ステップS202で取得した生産能力情報に基づき、各受注情報について、要求納期を起点として、販売リードタイムおよび引取リードタイムを遡ることで算出される。ここで、引取リードタイムとは、図7に示すように、製造拠点での製造完了(引取日)から、販売拠点に入荷される日までに要する営業日日数を示し、販出(販売・出荷)リードタイムとは、販売拠点での出荷日から顧客指定の納期までに要する営業日日数を示す。なお、本実施の形態では、土日祝日には生産を行わないものとして、以下の例を説明する。
【0054】
次に制御部110は、ステップS203で算出した最遅引取日で、受注情報をソートする(ステップS204)。図6の例では、受注番号1〜4の順にソートされる。
【0055】
制御部110は、ステップS204でソートした受注情報について、各指定数量に基づいて各受注情報を集約しロットを作成する(ステップS205)。すなわち、かんばん単位に受注を集約する。ここで、かんばん1枚あたりの生産個数が50個であるため、各受注情報の指定数量がかんばん単位になるようロットを最適化させる(ステップS206)。図6の例では、受注番号1の指定数量が70であるため、かんばん1枚分の50個を割り当てると残りは20個となる。次の受注番号2の指定数量は40個であるため、上記残り20個に加えることで50個となる数量は30個である。したがって、受注番号2の残り個数は10個となる。後続の受注情報の指定個数を同様に処理していくと、最後の受注番号4において、40個が残ることになる。したがって、計画在庫として10個を割り当てることで、かんばん1枚分にする。この処理により、5枚分のかんばんが割り当てられることになる。
【0056】
このように割り当てられた各かんばん(図中、ロットA〜E)について、最遅引取日が算出される。ここで、1枚のかんばんに対応する受注情報が複数ある場合は、最早の最遅引取日を代表値として決定する。
【0057】
次に、このようにして作成したロットを、図8に示すように日程計画に割り当てる(ステップS207)。すなわち、各ロットについて算出された最遅引取日およびステップS202で取得した生産能力情報(キャパシティ)に基づいて、各ロットを最適な日に割り当てていく。ここで、図8下段に示すように、外れかんばんを入れ子になるように次営業日にスライドさせ、かんばん枚数を平準化させ、処理を終了する。
【0058】
このようにして、生産方式がかんばん方式である場合、かんばん枚数の平準化を行うことにより、ラインの過剰負荷を最小化するように生産計画が行われる。
【0059】
ステップS201で他の生産方式(本例ではATOまたはMTO)の生産対象が抽出された場合、上記ステップS203〜S207の処理が、かんばん方式の場合とは多少異なる。以下に、生産方式がATOまたはMTOである場合の上記ステップS201〜S207の処理を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
まず、同一生産方式による同一製品の受注情報を抽出し(ステップS201)、当該製品の生産ラインの生産能力情報を取得する(ステップS202)。
【0061】
次に、生産方式がATOである場合、制御部110は、ステップS201で抽出した受注情報それぞれについて、最遅組立着手日を算出する(ステップS203)。ここで、最遅組立着手日としたのは、ATOでは、部品や半製品の在庫を保有するので、納品に必要となるリードタイムは、組立ラインに部品が到着してから納品までの期間となる。すなわち、図7における、販出リードタイム+引取リードタイム+組立リードタイムということになる。したがって、制御部110は、販出リードタイム→引取リードタイム→組立リードタイム、と遡ることで組立着手日を算出する。
【0062】
一方、生産方式がMTOである場合、各受注情報について最遅加工品出庫日を算出する。MTOでは、注文に応じて部品発注から開始するので、納品までに必要となるリードタイムは、図7における、販出リードタイム+引取リードタイム+組立リードタイム(+出庫リードタイム)+調達リードタイムとなる(ここで、出庫リードタイムは、部品ラインと組立ラインが遠隔である場合に設定されるものである)。したがって、制御部110は、販出リードタイム→引取リードタイム→組立リードタイム(→出庫リードタイム)→調達リードタイムを遡ることで最遅加工品出庫日を算出する。
【0063】
以下の処理においては、ATOとMTOでは「最遅組立着手日」と「最遅加工品出庫日」とが異なるのみなので、ATOの場合を例に説明し、MTOの場合の説明は省略する。図9に示すように、制御部110は、ステップS203で算出した最遅組立着手日で各受注情報をソートする(ステップS204)。
【0064】
次に、制御部110は、ソートされた受注情報に基づいてロットを作成する(ステップS205)。ここで、1ロットに対する生産個数を50個とした場合、前述のかんばん方式の場合の処理と同様の処理を行うことにより、順次ロットを作成する。しかし、かんばん方式の場合と異なり、最後の受注情報について端数が生じても計画在庫の割り当ては行わない。これは、ATOおよびMTOにおいては、製品在庫を保有しないこととしているためである。
【0065】
制御部110は、作成されたロットを、最遅組立開始日に基づいて、ロット単位に受注を集約する(ステップS206)。
【0066】
そして、制御部110は、このように作成された各ロットを、図10に示すように、日程計画に割り当てる(ステップS207)。すなわち、各ロットについて算出された最遅引取日およびステップS202で取得した生産能力情報(キャパシティ)に基づいて、各ロットを最適な日に割り当て、処理を終了する。
【0067】
次に、本発明の実施の形態にかかる納期遅延最小化処理を図面を参照して説明する。ここでは、生産方式がかんばん方式である場合の納期遅延最小化処理について説明する。なお、以下の例では、各日の最大かんばん枚数を3枚とし、1日につき新たに作成できるかんばんの枚数を1枚とする。
【0068】
図11は、本実施の形態にかかる納期遅延最小化処理を説明するためのフローチャートである。また図12は、本処理を具体的に説明するための図である。なお、以下に説明する納期遅延最小化処理は、例えば、オンライン処理などにより、実用時間内に処理されるものとする。すなわち、通信部190が、例えば顧客端末などから受注問い合わせを受信し、納期回答を行うものである。なお、例えば、顧客が電話やファクシミリで問い合わせ、これに基づき、オペレータが入力部170を操作し、出力部180に出力された処理結果を電話・ファクシミリなどにより回答してもよい。
【0069】
まず、通信部190が受注情報を受信すると(ステップS301)、制御部110は、当該受注情報の要求納期情報に基づいて、当該受注の最遅引取日を算出する(ステップS302)。
【0070】
制御部110は、図8に示す生産計画日程を参照し、ステップS302で算出した最遅引取日に対応する所定期間内に計画在庫があるか否かを検索する(ステップS303,S304)。
【0071】
該当期間内に計画在庫がある場合(ステップS304:Yes)、当該計画在庫を用いてロット集約を行う(ステップS305)。すなわち、図12(a)に示すように、最遅引取日が2001年1月31日で、個数60である受注5は、図8に示すロットEに対する計画在庫を用いて集約されることで、ロットEとロットFとが作成される。
【0072】
一方、該当期間内に計画在庫がない場合(ステップS304:No)、計画在庫を割り当てる(ステップS306)。すなわち、図12(b)に示すように、最遅引取日が2001年1月16日で、個数40個である受注6には、10個分の計画在庫が割り当てられることでロットGが作成される。なお、受注数量が、ロット数量の倍数であった場合は、計画在庫が未割当となった状態でロットが作成されるものとする。
【0073】
次に制御部110は、図8に示す生産計画日程を参照し(ステップS307)、ラインのキャパシティに基づいて、ステップS302で算出した最遅引取日でかんばんをはずすことが可能か否かを判断することで、要求納期を遵守できる日程に作成したロットが割り当てられるか否かを判別する(ステップS308)。
【0074】
割り当てが可能である場合(ステップS308:Yes)、最適な日程にロットを割り当て(ステップS309)、処理を終了する。
【0075】
一方、割り当てが不可能である場合(ステップS308:No)について、図13のフローチャートを参照して説明する。ここで、割り当てが不可能である場合としては、例えば、当該日程には、ラインキャパシティの制限から割り当てができない場合や、当該日程のかんばんをはずしてしまうと安全在庫が無くなってしまう場合である。ここで、安全在庫とは、不良品の発生などに備えて予備的に用意しておくかんばんであり、最大かんばん枚数(本例では3枚)にふくまれているものである。
【0076】
制御部110は、当該ロットを割り当て可能な日程に基づいて、要求納期から所定日数加算した回答納期を設定する(ステップS310)。制御部110は、通信部190を制御し、設定した回答納期を、当該顧客の端末に通知する(ステップS311)。
【0077】
顧客端末から、当該回答納期を許諾する旨の指示を通信部190が受信すると(ステップS312:Yes)、当該回答納期に基づいてステップS302〜S309の処理を行うことで、ロットの割り当てを行う。
【0078】
一方、顧客端末から、当該回答納期は許諾できない旨の指示を通信部190が受信すると(ステップS312:No)、要求納期に対応する期間(すなわち要求納期〜最遅引取日)におけるすべての受注情報について、上述のライン負荷最小化処理におけるステップS201〜S207を実行することで、生産計画の最適化を行う(ステップS313)。
【0079】
制御部110は、ステップS313で最適化された生産計画に基づいて、再度回答納期を設定し(ステップS314)、当該顧客端末に送信する(ステップS315)。
【0080】
ステップS315で提示した回答納期を許諾する旨の指示を通信部190が受信すると(ステップS316:Yes)、当該回答納期に基づいて、上記ステップS302〜S309を実行して、ロットを割り当てる。確定した回答納期は、通信部190により顧客端末に通知される。
【0081】
一方、ステップS315で提示した回答納期を許諾できない旨の指示を通信部190が受信すると(ステップS316:No)、制御部110は、通信部190を制御して、受注不可の旨を顧客端末に通知して(ステップS317)、処理を終了する。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、生産対象製品について、過去の実績データに基づいて製品ライフサイクルごとの特徴を判定し、その特徴に基づいて、最適な生産方式を決定する。また、ライン負荷を最小化するよう生産計画を立てると共に、その生産計画を踏まえて、納期の遅延を最小化するよう生産計画を調整することができる。
【0083】
なお、上記実施の形態では、かんばん方式、ATO、MTOの3種類の生産方式が混在する場合を例に説明したが、本発明に適用可能な生産方式の種類およびその組み合わせは任意である。
【0084】
なお、本発明の実施の形態にかかる生産管理支援装置100は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する生産管理支援装置100を構成することができる。
【0085】
また、コンピュータにプログラムを供給するための手段は任意である。例えば通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。一例を挙げると、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して配信する。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の生産方式が混在する生産過程で有用な生産管理支援システム、生産管理支援方法、生産管理支援装置、および、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる生産管理支援装置100の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1に示す製品情報データベースに記録される情報の例を示す図であり、(a)は特徴データを示し、(b)は対照テーブルを示す。
【図3】本発明の実施の形態にかかる生産方式決定処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】製品ライフサイクル毎の特徴と生産方式との関係を説明するための図であり、(a)は製品ライフサイクルと生産量との関係を示し、(b)は特徴データの代表例を示す。
【図5】本発明の実施の形態にかかるライン負荷最小化処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5に示すライン負荷最小化処理において、生産方式がかんばん方式である場合の処理を説明するための図である。
【図7】図5に示すライン負荷最小化処理で適用される各リードタイムを説明するための図である。
【図8】図5に示すライン負荷最小化処理において生産方式がかんばん方式である場合のロット割り付けおよびかんばん推移を説明するための図である。
【図9】図5に示すライン負荷最小化処理において生産方式がATOまたはMTOである場合の処理を説明するための図である。
【図10】図5に示すライン負荷最小化処理において生産方式がATOまたはMTOである場合のロット割り付けを説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる納期遅延最小化処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に示す納期遅延最小化処理において、生産方式がかんばん方式である場合のロット作成処理を説明するための図であり、(a)は計画在庫がある場合の例を示し、(b)は計画在庫がない場合の例を示す。
【図13】本発明の実施の形態にかかる納期遅延最小化処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
100 生産管理支援装置
140 製品情報データベース
150 生産能力情報データベース
160 在庫情報データベース
190 通信部
Claims (12)
- 複数の生産方式が混在する生産過程における生産管理を支援するための生産管理支援システムであって、
種々の製品を示す情報と、各前記製品についての製品ライフサイクルの各段階での特徴を示す情報とを取得し、対応付けて蓄積する特徴情報取得手段と、
各前記生産方式の特性を示す情報を蓄積する生産方式情報蓄積手段と、
生産対象物とその予定生産量、および対象となる製品ライフサイクルとを指定する生産対象指定手段と、
前記生産対象指定手段が指定した生産対象物と近似する製品を、前記特徴情報取得手段が蓄積した製品情報から指定する近似製品指定手段と、
前記生産対象指定手段が指定した予定生産量および製品ライフサイクルと、前記近似製品指定手段が指定した製品に対応する特徴情報と、前記生産方式情報蓄積手段が蓄積した特性情報と、に基づいて、前記生産対象物を生産する際の生産方式を決定して提示する生産方式決定手段と、
前記生産対象指定手段が指定した予定生産量を示す情報と前記生産方式決定手段が決定した生産方式とを対応付けた受注情報を蓄積する受注情報蓄積手段と、
前記生産方式決定手段が決定した生産方式に応じて、前記生産対象物のラインの過剰負荷が最小となるよう当該生産対象物の生産スケジュールを作成して提示する生産計画手段と、を備え、
前記生産計画手段は、
前記生産対象指定手段が指定した生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報を取得する在庫情報取得手段と、
前記生産過程における各ラインの生産能力を示す情報を取得する生産能力情報取得手段と、
対象となる生産拠点において同一の生産方式での同一製品の受注が複数存在する場合に、前記生産方式決定手段が決定した生産方式に基づき、最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかを算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかに基づいて、前記受注情報をソートするソート手段と、
前記ソート手段がソートした受注情報を集約してロットを作成するロット作成手段と、
前記ロット作成手段が作成したロットを、前記生産能力情報取得手段が取得した各ラインの生産能力を示す情報に基づいて割り当てるロット割り当て手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする生産管理支援システム。 - 前記生産対象物の所望納期を指定する納期指定手段をさらに備え、
前記生産計画手段は、前記納期指定手段が指定した納期に基づいて前記生産対象物の生産スケジュールを作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の生産管理支援システム。 - 前記生産計画手段が作成した生産スケジュールに基づいて、前記納期指定手段が指定した納期を遵守できるか否かを判定し、判定結果を提示する納期遵守可否判定手段をさらに備え、
前記生産計画手段は、前記納期遵守可否判定手段が前記納期の遵守が不可であると判定したことを契機に、生産方式決定手段が決定した生産方式に応じて、納期遅延が最小となるよう前記生産対象物の生産スケジュールを再度作成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の生産管理支援システム。 - 前記納期遵守可否判定手段は、前記納期の遵守が不可であると判定した場合、前記生産計画手段が作成した生産スケジュールに基づいて最早納期を算出して提示する納期算出手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の生産管理支援システム。 - 複数の生産方式が混在する生産過程における生産管理を支援するための生産管理支援方法であって、
種々の製品を示す情報と、各前記製品についての製品ライフサイクルの各段階での特徴を示す情報とを取得し、対応付けて蓄積する特徴情報取得ステップと、
各前記生産方式の特性を示す情報を取得する生産方式情報取得ステップと、
生産対象となる物と、対象となる製品ライフサイクルと、予定生産量とを指定する生産対象指定ステップと、
前記生産対象指定ステップで指定された生産対象物と近似する製品を、前記特徴情報取得ステップで蓄積された製品情報から指定する近似製品指定ステップと、
前記生産対象指定ステップで指定された製品ライフサイクルと、前記近似製品指定ステップで指定された製品に対応する特徴情報と、前記生産方式情報取得ステップで蓄積された特性情報と、に基づいて、前記生産対象物を生産する際の生産方式を決定する生産方式決定ステップと、
前記生産対象指定ステップで指定された予定生産量を示す情報と前記生産方式決定ステップで決定された生産方式とを対応付けた受注情報を蓄積する受注情報蓄積ステップと、
前記生産方式決定ステップで決定された生産方式に基づいて、ラインの過剰負荷が最小となるよう前記生産対象物の生産スケジュールを作成する生産計画ステップと、を備え、
前記生産計画ステップは、
前記生産対象指定ステップで指定された生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報を取得する在庫情報取得ステップと、
前記生産過程における各ラインの生産能力を示す情報を取得する生産能力情報取得ステップと、
対象となる生産拠点において同一の生産方式での同一製品の受注が複数存在する場合に、前記生産方式決定ステップで決定された生産方式に基づき、最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかを算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかに基づいて、前記受注情報をソートするソートステップと、
前記ソートステップでソートされた受注情報を集約してロットを作成するロット作成ステップと、
前記ロット作成ステップで作成されたロットを、前記生産能力情報取得ステップで取得された各ラインの生産能力を示す情報に基づいて割り当てるロット割り当てステップと、をさらに備える、
ことを特徴とする生産管理支援方法。 - 前記生産対象物の生産納期を指定する納期指定ステップと、
前記生産計画ステップで作成された生産スケジュールと、前記生産能力情報取得ステップで取得された各ラインの生産能力を示す情報とに基づいて、前記生産方式決定ステップで決定された生産方式に応じて前記納期指定ステップで指定された納期の遵守が可能か否かを判定する納期遵守可否判定ステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の生産管理支援方法。 - 前記納期遵守可否判定ステップは、前記生産方式決定ステップで決定された生産方式がかんばん方式である場合、前記生産能力情報に基づいて前記生産計画ステップで作成された生産スケジュールに示される日程毎にかんばんの外れ枚数を最適化して納品可能日を算出することで納期遵守の可否を判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の生産管理支援方法。 - 前記生産計画ステップは、前記納期遵守可否判定ステップで、納期の遵守が不可であると判定された場合、納期遅延が最小となるよう前記生産対象物の生産計画を再度作成する、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の生産管理支援方法。 - 種々の製品について、製品ライフサイクルに対応する特徴を示す情報と、複数の生産方式に関する情報とを対応付けて蓄積する特徴情報蓄積部と、
生産対象物を指定する生産対象物指定部と、
前記生産対象物指定部が指定した生産対象物に近似する製品の特徴情報を前記特徴情報蓄積部から取得する特徴情報取得部と、
前記特徴情報取得部が取得した特徴情報に対応する生産方式を、前記生産対象物の生産に適用する生産方式として決定する生産方式決定部と、
前記生産対象指定部が指定した予定生産量を示す情報と前記生産方式決定部が決定した生産方式とを対応付けた受注情報を蓄積する受注情報蓄積部と、
前記生産方式決定部が決定した生産方式に応じて、ラインの過剰負荷が最小となるよう前記生産対象物の生産スケジュールを作成する生産計画部と、を備え、
前記生産計画部は、
前記生産対象指定部が指定した生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報を取得する在庫情報取得部と、
前記生産過程における各ラインの生産能力を示す情報を取得する生産能力情報取得部と、
対象となる生産拠点において同一の生産方式での同一製品の受注が複数存在する場合に、前記生産方式決定部が決定した生産方式に基づき、最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかを算出する算出部と、
前記算出部が算出した最遅組立着手日、最遅加工品出庫日、または、最遅引取日のいずれかに基づいて、前記受注情報をソートするソート部と、
前記ソート部がソートした受注情報を集約してロットを作成するロット作成部と、
前記ロット作成部が作成したロットを、前記生産能力情報取得部が取得した各ラインの生産能力を示す情報に基づいて割り当てるロット割り当て部と、をさらに備える、
ことを特徴とする生産管理支援装置。 - 前記受注情報蓄積部に蓄積されている受注情報から所定の製品についての受注情報を抽出する受注情報抽出部、をさらに備え、
前記生産計画部は、前記受注情報抽出部が抽出した受注情報について、生産可能な単位生産数に基づいて、生産スケジュールを作成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の生産管理支援装置。 - 予め作成された生産スケジュールを示す生産スケジュール情報を蓄積する生産スケジュール情報蓄積部と、
通信ネットワークに接続する接続部と、
前記接続部を制御し、少なくとも発注者が所望する納期を示す要求納期情報を含んだ生産対象物の受注情報を受信する受注情報受信部と、
前記生産スケジュール情報蓄積部に蓄積された生産スケジュール情報を参照し、要求納期を遵守できるように、当該受注情報を生産スケジュールに割り当てる納期調整部と、
前記納期調整部により要求納期を遵守できるように受注情報が割り当てられない場合は、適用される生産方式に基づいて納期遅延が最小となるよう前記生産スケジュールを調整する生産スケジュール調整部と、
を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の生産管理支援装置。 - コンピュータを、
生産対象物に関する情報を入力する入力部と、
種々の製品を示す情報、各前記製品の各製品ライフサイクルにおける特徴を示す情報、前記生産方式に関する情報、前記生産対象物の生産に必要となる物の在庫量を示す情報、および、各ラインの生産能力を示す情報を取得して蓄積する情報取得部と、
前記入力部が入力した生産対象物に近似する製品を、前記情報取得部が取得した製品情報から指定する近似製品指定部と、
前記近似製品指定部が近似製品として指定した製品の特徴情報と、前記入力部が入力した生産対象に関する情報と、に基づいて、該生産対象物を生産する際の生産方式を決定する生産方式決定部と、
前記生産方式決定部が決定した生産方式に基づき、前記生産対象物に関する情報と、前記在庫情報と、前記生産能力情報とを分析して、ラインの過剰負荷が最小となるよう前記生産対象の生産スケジュールを作成する生産計画部と、
前記生産計画部による生産スケジュールに基づいて、納期遵守の可否を判定する納期遵守可否判定部と、
前記納期遵守可否判定部の判定結果に基づき、納期遅延が最小となるよう前記生産スケジュールを調整するスケジュール調整部と、
前記生産方式決定手段が決定した生産方式、前記納期遵守可否判定手段の判定結果、および、前記生産計画手段が作成した生産スケジュールを出力する出力手段と、
を備える生産管理支援装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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