JP3853287B2 - 可変動弁機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の低回転時から高回転時まで、バルブタイミング及びリフト量を連続的に又は段階的に変化させる可変動弁機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の低回転時と高回転時とで、バルブタイミング(開弁作用角と位相とを含む)及びリフト量を二段階に変化させる動弁機構が種々知られている。
例えば、開弁作用角及びリフト量の小さい低回転用カムと、開弁作用角及びリフト量の大きい高回転用カムとを切り替えて、それぞれスイングアームを揺動させるタイプの可変動弁機構がある。このタイプでは、低回転時に、図23に実線で示すように、左側の排気バルブも右側の吸気バルブも開弁作用角及びリフト量を小さくして、吸気にスワールを与え、低速トルクを高めるとともに、燃費を向上させている。また、高回転時には、図23に破線で示すように、排気バルブも吸気バルブも開弁作用角及びリフト量を大きくして、吸気量を増やし、高速出力を高めている。
【0003】
また、内燃機関の低回転時と高回転時とで、吸気側のカムシャフトをヘリカルスプライン使用の変位装置で一定角度回転させることにより、開弁作用角及びリフト量はそのままで、バルブタイミングの位相のみを変化させ、その吸気カムで直打式バルブリフタを押圧するタイプの可変動弁機構がある。このタイプでは、低回転時に、図24に実線で示すように、右側の吸気バルブのバルブタイミングの位相を左側の排気バルブ側にずらし、バルブオーバーラップを大きくして、吸気早閉効果を得、低速トルクを高めつつ燃費を向上させている。また、高回転時には、図24に破線で示すように、吸気バルブのバルブタイミングの位相を左側の排気バルブから離す方向にずらし、バルブオーバーラップを小さくして、吸気時間を長くとり、高速出力を高めている。
【0004】
これら従来の可変動弁機構によれば、一般的な動弁機構に比べて、トルク、出力、燃費、排気ガスのクリーン度等の諸特性がかなり向上する。図7には、これら従来の可変動弁機構により得られる内燃機関のトルク特性を一点鎖線で示し、可変性の無い一般的な動弁機構により得られる内燃機関のトルク特性を破線で示したが、前者は後者に対し全回転域にわたってトルクが増加している。また、設定にもよるが、燃費は最大で8〜10%程度向上するといわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これら従来の可変動弁機構にも、次のような課題が残っていた。
▲1▼ 上記のいずれのタイプにおいても、低回転時と高回転時とでバルブタイミング又はリフト量を二段階に変化させるだけなので、内燃機関の運転状況に応じた精密な制御は難しかった。そして、図7に一点鎖線で示すように、低回転時と高回転時との切替ポイントでトルク特性に谷が生じることがあった。この現象は、特に高回転域(例えば8000rpm以上)を重視した設定を行なった場合に現れやすかった。
【0006】
▲2▼ 開弁作用角及びリフト量はそのままで、バルブタイミングの位相のみを変化させる場合には、高回転時の出力を重視して開弁作用角を大きくしておくと、低回転時のトルクが犠牲になってアイドリングも不安定になり、低回転時のトルクを重視して開弁作用角を小さくしておくと、高回転時の出力が犠牲になる、という二律背反の問題があった。
【0007】
▲3▼ 開弁作用角及びリフト量の小さい低回転用カムと、開弁作用角及びリフト量の大きい高回転用カムとを切り替える場合には、上記二律背反の問題は解決できるが、一つのバルブに対して二つのカムと二つ〜三つのアームとが必要になるため、構造が複雑になり、コンパクト化が難しいという問題があった。また、切替機構としてはピンを高油圧で移動させるタイプが主流であったため、一回の作動でスムーズに切り替わらなかったり、切替時に異音が発生したり、一部が摩耗したりして、精度や信頼性に欠けるという問題があった。さらに、切替応答性を早くするために高油圧源が必要になるという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、内燃機関の低回転時から高回転時まで、バルブタイミング及びリフト量を連続的に又は段階的に変化させて、内燃機関の運転状況に応じた精密な制御を行なうことができ、さらには、内燃機関が中・高回転時に突然停止したような場合でも、自動的に低回転用カムプロフィールが作用するように戻して内燃機関のスムーズな再始動を可能にする新規な可変動弁機構を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の可変動弁機構は、低回転用カムプロフィールから高回転用カムプロフィールまでカムプロフィールを軸方向に連続的に変化させた立体カムを備えたカムシャフトと、内燃機関の回転数等の運転状況に応じてカムシャフトを軸方向へ連続的に又は段階的に変位させる変位装置と、立体カムとバルブとの間に介在して、カムプロフィールに基づいてバルブを開閉する介在部材とを備え、変位装置は、カムシャフトを油圧に応じた変位量だけ軸方向へ変位させる油圧式アクチュエータと、内燃機関の回転数等の運転状況に応じて油圧式アクチュエータへの油圧を変化させる制御装置と、内燃機関が停止して油圧式アクチュエータへの油圧が低下した時に、カムシャフトを低回転用カムプロフィールが介在部材に作用する低回転位置へ自動的に戻すリターンスプリングとを備え、油圧式アクチュエータは、カムシャフトに外挿された筒状のスリーブと、スリーブに共回転可能に取着されたタイミングプーリーと、タイミングプーリーに取着されたカップ状シリンダと、カップ状シリンダの内部に摺動可能に挿入されてカムシャフトに取着された円盤状の可動ピストンとを備え、カムシャフトの外周面とスリーブの内周面とに形成された多条のスプライン歯の噛み合いにより、カムシャフトはスリーブに対して、軸方向に変位可能かつ相対回転せずに共回転可能となっており、タイミングプーリーとクランクシャフトプーリーとに掛けられたタイミングベルトによって、カムシャフトとクランクシャフトとが同期回転するようになっていることを特徴としている。
【0010】
ここで、低回転用カムプロフィールにおけるバルブタイミングの位相、開弁作用角及びリフト量と、高回転用カムプロフィールにおけるバルブタイミングの位相、開弁作用角及びリフト量は、個々の内燃機関における要求事項に応じて適宜設定することができる。もっとも、多くの場合、低回転用カムプロフィールは開弁作用角及びリフト量が小さく、高回転用カムプロフィールは開弁作用角及びリフト量が大きい。
【0011】
変位装置によりカムシャフトを段階的に変位させる場合、二段階に変化させてもよいが、その場合は二段階の変位を調節できるようにすることが好ましい。さらに好ましくは、カムシャフトを少なくとも三段階に変位させることである。最も好ましくは、カムシャフトを連続的に変位させることである。
【0013】
前記介在部材も特定の構造に限定されず、次のものを例示できる。
a) 立体カムのカムプロフィールに基づいて揺動することによりバルブを開閉するアーム。該アームに、立体カムの回転に伴う接触線角度の変化に追従しながら立体カムに接触する追従接触部付ローラ機構を設けることが好ましい。
b) 立体カムのカムプロフィールに基づいて直線的に往復動することによりバルブを開閉するカップ状の直打式バルブリフタ。該バルブリフタに、立体カムの回転に伴う接触線角度の変化に追従しながら立体カムに接触する追従接触部を設けることが好ましい。
【0014】
前記a)のアームとしては、次のものを例示できる。
1) 一端部がロッカシャフトに揺動可能に軸支され、他端部にバルブ押圧部を備え、中央部に追従接触部付ローラ機構を備えたスイングアーム。
2) 一端部がピボットに揺動可能に支持され、他端部にバルブ押圧部を備え、中央部に追従接触部付ローラ機構を備えたスイングアーム。
3) 一端部に追従接触部付ローラ機構を備え、他端部にバルブ押圧部を備え、中間部がロッカシャフトに揺動可能に軸支されたロッカアーム。
【0015】
前記追従接触部付ローラ機構としては、次のものを例示できる。
イ) アームに取り付けられた支軸と、支軸に滑り回動可能に外挿された球面滑り軸受とで構成され、球面滑り軸受の外レースが追従接触部とされたもの。
ロ) アームに取り付けられた支軸と、支軸に滑り回動可能に外挿された自動調心ころがり軸受とで構成され、自動調心ころがり軸受の外レースが追従接触部とされたもの。
ハ) 外周面が凸状球面とされアームに取り付けられたボール支軸と、内レースの内周面が凹状球面とされボール支軸に滑り回動可能かつ傾動可能に外挿されたころがり軸受とで構成され、ころがり軸受の外レースが追従接触部とされたもの。
ニ) アームに取り付けられた支軸と、外周面が凸状球面とされ支軸に滑り回動可能に外挿されたローラとで構成され、ローラの特に凸状球面が追従接触部とされたもの。
【0016】
なお、本発明の可変動弁機構は、吸気バルブ又は排気バルブの何れか一方に適用することもできるが、両方に適用することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を吸気バルブ及び排気バルブの両方に実施した可変動弁機構の形態例について、図面を参照して説明する。よって、以下の実施形態において単にバルブというときは、吸気バルブと排気バルブの両方を指す。
【0018】
まず、図1〜図7は第一実施形態の可変動弁機構の本体部分を示し、図18〜図22は同機構におけるカムシャフトの変位装置とその変更例を示している。
カムシャフト1には、図1において右側の低回転用カムプロフィールから左側の高回転用カムプロフィールまで、カムプロフィールを軸方向に連続的に変化させた立体カム2が形成されている。立体カム2はベース円部2aとノーズ部2bとからなり、ベース円部2aは、低回転用カムプロフィールにおいても高回転用カムプロフィールにおいても同一半径であるため、傾斜の無い円柱面である。しかし、ノーズ部2bは、低回転用カムプロフィールにおいては開弁作用角及びリフト量が小さく、高回転用カムプロフィールにおいては開弁作用角及びリフト量が大きいため、円錐面のように傾斜している。
【0019】
カムシャフト1の端部には、カムシャフト1の変位装置3が設けられている。変位装置3は、図18〜図20に示すように、カムシャフト1を油圧に応じた変位量だけ軸方向へ連続的に変位させる油圧式アクチュエータ33と、内燃機関の回転数等の運転状況に応じて油圧式アクチュエータ33への油圧を変化させる制御装置53と、内燃機関が停止して油圧式アクチュエータ33への油圧が低下した時に、カムシャフト1を、低回転用カムプロフィールが下記のスイングアームに作用する低回転位置へ戻すリターンスプリング34とを備えている。
【0020】
油圧式アクチュエータ33は次のように構成されている。カムシャフト1には筒状のスリーブ35が外挿され、カムシャフト1の外周面とスリーブ35の内周面とに形成された多条のスプライン歯36,37の噛み合いにより、カムシャフト1はスリーブ35(これ自体は軸方向に変位しない)に対して、軸方向に変位可能かつ相対回転せずに共回転可能となっている。スリーブ35にはタイミングプーリー38が共回転可能に取着され、該タイミングプーリー38とクランクシャフトプーリー(図示略)とに掛けられたタイミングベルトによって、カムシャフト1とクランクシャフト(図示略)とが同期回転するようになっている。
タイミングプーリー38には、カップ状シリンダ39が開口フランジ部においてネジで取着されている。40はオイルシールである。カップ状シリンダ39の内部には円盤状の可動ピストン41が摺動可能に挿入され、該可動ピストン41はカムシャフト1の端面にボルト42で取着されている。43はオイルシールである。
【0021】
可動ピストン41とカップ状シリンダ39の端壁との間がオイル59の入る高圧室44となっている。オイル59は、オイルパン45→オイルポンプ46→オイルコントロールバルブ47→スリーブ35に貫設された導入孔48→スリーブ35の内周面に周状に凹設された内周溝49→カムシャフト1内の半径方向及び軸方向に設けられたシャフト内孔50→ボルト42に貫設された中空孔51、の順に構成された流路を経て高圧室44に流入し、また、逆に流出し得るようになっている。
一方、可動ピストン41とタイミングプーリー38との間に前記リターンスプリング34が装着されている。この間には空気が入るが、この空気が可動ピストン41の摺動速度を低下させないようにするため、カムシャフト1には空気抜きドレーン52が貫設されている。
【0022】
制御装置53は、クランクシャフトのクランク角を検出するクランク角センサ54、内燃機関の吸気系の負圧変動を検出する負圧センサ55、カムシャフト1の位置を検出してサーボ制御するためのカムシャフト位置センサ56、その他のセンサ57、及びこれらのセンサに基づいてオイルコントロールバルブ47の開度を連続的に制御して、高圧室44への油圧を連続的に変化させるマイクロコンピュータ58により構成されている。
【0023】
カムシャフト1の斜め下方に配されたロッカシャフト4には、立体カム2のカムプロフィールに基づいて揺動することによりバルブ5を開閉するスイングアーム6が回動可能に軸着されている。スイングアーム6は、右端部にロッカシャフト4の挿通孔7を備え、左端部にバルブ押圧部としての雄ねじ付ピン8及びその固定ナット9とを備え、中央部の上下方向に貫設された収容孔10には、立体カム2の回転に伴う接触線角度の変化に追従しながら立体カム2に接触する追従接触部付ローラ機構11を備えている。
【0024】
追従接触部付ローラ機構11は、収容孔10に通されスイングアーム6に対しカシメにより固定された中空支軸12と、該中空支軸12に滑り回動可能に外挿された球面滑り軸受13とで構成されている。球面滑り軸受13は、外周面が凸状球面とされた内レース14と、内周面が凹状球面とされ内レース14に滑り回動可能かつ傾動可能に外挿された外レース15とで構成され、外レース15が立体カム2への追従接触部とされている。なお、外レース15は内レース14より幅狭に形成され、内レース14の両端の溝には外レース15の外れを防ぐストッパリング16が嵌着されている。
【0025】
以上のように構成された可変動弁機構は、次のように作用する。
まず、内燃機関の低回転時には、図18に示すように、マイクロコンピュータ58がオイルコントロールバルブ47の開度を小さく又はゼロにし、変位装置3の高圧室44の油圧が低下するため、カムシャフト1は可動ピストン41と共にリターンスプリング34の弾発力によって左方向へ変位し、図4に示すように、立体カム2のうちの右側の低回転用カムプロフィールが追従接触部付ローラ機構11に対応する。
そして、図4(a)に示すように、ベース円部2aが外レース15に接触するとき、その接触線角度は立体カム2の軸線に対し平行であるから、外レース15は内レース14に対し傾かないで、ベース円部2aに接触する。
しかし、図4(b)に示すように、ノーズ部2bが外レース15に接触するとき、その接触線角度は立体カム2の軸線に対し例えば10度程度傾くから、外レース15は内レース14に対し10度程度傾動して、ノーズ部2bにうまく接触する。
【0026】
このように、外レース15は立体カム2の1回転毎に1回傾動して、接触線角度の変化に追従しながら立体カム2に接触し、ノーズ部2bに押圧される。従って、スイングアーム6は低回転用カムプロフィールに基づいて揺動し、図6の曲線Lに示すように、排気側及び吸気側のバルブ5を小さい開弁作用角及びリフト量で開閉させ、低速トルクを高めるとともに、燃費を向上させる。
【0027】
また、内燃機関の高回転時には、図19に示すように、マイクロコンピュータ58がオイルコントロールバルブ47の開度を大きくし、変位装置3の高圧室44へオイル59が入り込んで油圧が上昇するため、カムシャフト1は可動ピストン41と共に右方向へ変位し、図5に示すように、立体カム2のうちの左側の高回転用カムプロフィールが追従接触部付ローラ機構11に対応する。
そして、外レース15は、図5(a)(b)に示すように、立体カム2の1回転毎に1回傾動して、接触線角度の変化に追従しながら立体カム2に接触し、ノーズ部2bに押圧される。従って、スイングアーム6は高回転用カムプロフィールに基づいて揺動し、図6の曲線Lに示すように、バルブ5を大きい開弁作用角及びリフト量で開閉させ、吸気量を増やし、高速出力を高める。
【0028】
そして、上記の低回転時から高回転時に至る途中においても、回転数、アクセル開度等の運転状況に応じて、カムシャフト1が変位装置3により連続的に変位し、立体カム2のうちの中間部位のカムプロフィールが追従接触部付ローラ機構11に対応する。従って、スイングアーム6はそのカムプロフィールに基づいて揺動し、図6の曲線Mに示すように、バルブ5を中間的な開弁作用角及びリフト量で開閉させ、運転状況に応じたトルク及び出力を発生させる。
【0029】
また、内燃機関が中・高回転時に突然停止したような場合には、リターンスプリング34がその弾発力によってカムシャフト1を可動ピストン41と共に左方向の低回転位置に戻し、図4に示すように、立体カム2のうちの右側の低回転用カムプロフィールを追従接触部付ローラ機構11に対応させる。従って、内燃機関のスムーズな再始動が可能になる。
【0030】
以上のように、第一実施形態の可変動弁機構によれば、内燃機関の低回転時から高回転時まで、バルブタイミング及びリフト量を連続的に変化させて、内燃機関の運転状況に応じた精密な制御を行なうことができ、もってトルク、出力、燃費、排気ガスのクリーン性等の諸特性を全回転域にわたって最大限に向上させることができる。図7には、本実施形態により得られる内燃機関のトルク特性を実線で示したが、前述の一点鎖線で示した従来の可変動弁機構に対し、全回転域にわたってトルクが増加しており、谷も生じていない。また、設定にもよるが、燃費は最大で15〜20%程度向上させられると考えられる。
【0031】
また、カムシャフト1の変位によって、前記変化をスムーズかつ静かに行なわせることができ、さらに、一つのバルブ5に対して一つの立体カム2と一つのスイングアーム6で済むようにでき、構造をシンプルにしてコンパクト化を図ることができる。
【0032】
なお、図21及び図22は変位装置3の変更例を示している。この変更例は、可動ピストン41とタイミングプーリー38との間がオイルの入る高圧室44となっているとともに、可動ピストン41とカップ状シリンダ39の端壁との間にリターンスプリング34が装着されており、これに伴ってシャフト内孔50と空気抜きドレーン52の開口位置が変更されている点において、前記例と相違するもので、その他は共通である。
従って、内燃機関の低回転時には、図21に示すように、カムシャフト1は可動ピストン41と共にリターンスプリング34の弾発力によって右方向へ変位しする。また、内燃機関の高回転時には、図22に示すように、カムシャフト1は可動ピストン41と共に高圧室44の油圧によって左方向へ変位する。よって、立体カム2は、前記例とは逆に、左側が低回転用カムプロフィールで右側が高回転用カムプロフィールとされている。
【0033】
次に、図8は第二実施形態の可変動弁機構を示し、スイングアーム6の右端部が油圧アジャスタ18付のピボット19に揺動可能に支持された点においてのみ、第一実施形態と相違するものである。
【0034】
次に、図9〜図12は第三実施形態の可変動弁機構を示し、スイングアームに変えてロッカアーム20を使用した点においてのみ、第一実施形態と相違するものである。このロッカアーム20は、右端部に追従接触部付ローラ機構11を備え、左端部にバルブ押圧部としての雄ねじ付ピン8及びその固定ナット9を備え、中間部にロッカシャフト4の挿通孔7を備えている。カムシャフト1及びその立体カム2は追従接触部付ローラ機構11の下方に位置する。
【0035】
そして、ロッカアーム20はスイングアームと異なりシーソー的な揺動をするが、本実施形態のそれ以外は第一実施形態と同様の作用を奏する。
図11(a)(b)は、内燃機関の低回転時における立体カム2と追従接触部付ローラ機構11との対応関係を示し、第一実施形態の図4(a)(b)に相当する。
図12(a)(b)は、内燃機関の高回転時における立体カム2と追従接触部付ローラ機構11との対応関係を示し、第一実施形態の図5(a)(b)に相当する。
【0036】
次に、図13、図14、図15並びに図16及び図17はそれぞれ第四、第五、第六及び第七実施形態の可変動弁機構を示し、追従接触部付ローラ機構11の具体的構成においてのみ、第一実施形態と相違するものである。
【0037】
図13に示す第四実施形態の追従接触部付ローラ機構11は、外レース15を二つに分割形成して内レース14に外挿しやすくするとともに、両外レース15が離れないようその外周にカバーリング21をカシメにより取り付けたものである。
【0038】
図14に示す第五実施形態の追従接触部付ローラ機構11は、中空支軸12と、中空支軸12に滑り回動可能に外挿された自動調心ころがり軸受22とで構成されたもので、自動調心ころがり軸受22は内レース23とローラ24(又はボール)と内周面が凹状球面とされた外レース25とからなり、外レース25が追従接触部となっている。
【0039】
図15に示す第六実施形態の追従接触部付ローラ機構11は、外周面が凸状球面とされ、スイングアーム6に取り付けられたボール支軸26と、ボール支軸26に滑り回動可能かつ傾動可能に外挿されたころがり軸受27とで構成され、ころがり軸受27は内周面が凹状球面とされた内レース28とローラ29(又はボール)と外レース30とからなり、外レース30が追従接触部となっている。
【0040】
図16及び図17に示す第七実施形態の追従接触部付ローラ機構11は、中空支軸12と、外周面が凸状球面とされ、中空支軸12に滑り回動可能に外挿されたローラ31とで構成され、ローラ31の凸状球面が追従接触部となっている。
【0041】
図16は、内燃機関の低回転時における立体カム2と追従接触部付ローラ機構11との対応関係を示している。同図(a)に示すように、ベース円部2aがローラ31に接触するとき、その接触線角度は立体カム2の軸線に対し平行であるから、ローラ31の凸状球面の頂部がベース円部2aに接触する。また、同図(b)に示すように、ノーズ部2bがローラ31に接触するとき、その接触線角度は立体カム2の軸線に対し傾くから、ローラ31の凸状球面の頂部から少し下った部位がノーズ部2bにうまく接触する。
図17は、内燃機関の高回転時における立体カム2と追従接触部付ローラ機構11との対応関係を示し、同図(a)(b)に示す通り、立体カム2とローラ31の凸状球面との接触の仕方は図16(a)(b)と同じである。
【0042】
これらの第二〜第七実施形態の可変動弁機構によっても、第一実施形態と同様の効果が得られる。また、第四、第五、第六及び第七実施形態の追従接触部付ローラ機構11を第二実施形態のロッカアーム20に適用することもできる。
【0043】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)カムシャフト1を段階的に変位させるようにすること。
(2)変位装置3の構成や制御の仕方を適宜変更すること。例えば、可動ピストン41の左右両側を高圧室とし、油圧で双方向制御するようにすること。
【0044】
【発明の効果】
本発明の可変動弁機構は、上記の通り構成されているので、内燃機関の低回転時から高回転時まで、バルブタイミング及びリフト量を連続的に又は段階的に変化させて、内燃機関の運転状況に応じた精密な制御を行なうことができ、さらには、内燃機関が中・高回転時に突然停止したような場合でも、自動的に低回転用カムプロフィールが作用するように戻して内燃機関のスムーズな再始動を可能にする、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態の可変動弁機構を示す斜視図である。
【図2】同可変動弁機構の正面図である。
【図3】同可変動弁機構の平面図である。
【図4】内燃機関の低回転時における図2のIV−IV線断面図である。
【図5】内燃機関の高回転時における図2のIV−IV線断面図である。
【図6】同可変動弁機構によるバルブタイミング及びリフト量を示すグラフである。
【図7】同可変動弁機構により得られる内燃機関のトルク特性を従来例と比較して示すグラフである。
【図8】第二実施形態の可変動弁機構を示す正面図である。
【図9】第三実施形態の可変動弁機構を示す正面図である。
【図10】同可変動弁機構の平面図である。
【図11】内燃機関の低回転時における図9のXI−XI線断面図である。
【図12】内燃機関の高回転時における図9のXI−XI線断面図である。
【図13】第四実施形態の要部断面図である。
【図14】第五実施形態の要部断面図である。
【図15】第六実施形態の要部断面図である。
【図16】第七実施形態の内燃機関の低回転時における要部断面図である。
【図17】同実施形態の内燃機関の高回転時における要部断面図である。
【図18】上記各実施形態での低回転時におけるカムシャフトの変位装置を示す断面図である。
【図19】高回転時における同変位装置を示す断面図である。
【図20】図18のXX−XX線断面図である。
【図21】低回転時における同変位装置の変形例を示す断面図である。
【図22】高回転時における同変位装置の変形例を示す断面図である。
【図23】従来の可変動弁機構によるバルブタイミング及びリフト量を示すグラフである。
【図24】従来の別の可変動弁機構によるバルブタイミング及びリフト量を示すグラフである。
【符号の説明】
1 カムシャフト
2 立体カム
3 変位装置
4 ロッカシャフト
5 バルブ
6 スイングアーム
8 雄ねじ付ピン
11 追従接触部付ローラ機構
12 支軸
13 球面滑り軸受
14 内レース
15 外レース
19 ピボット
20 ロッカアーム
22 自動調心ころがり軸受
25 外レース
26 ボール支軸
27 ころがり軸受
28 内レース
30 外レース
31 ローラ
33 油圧式アクチュエータ
34 リターンスプリング
53 制御装置

Claims (2)

  1. 低回転用カムプロフィールから高回転用カムプロフィールまでカムプロフィールを軸方向に連続的に変化させた立体カム(2)を備えたカムシャフト(1)と、
    内燃機関の回転数等の運転状況に応じて前記カムシャフト(1)を軸方向へ連続的に又は段階的に変位させる変位装置(3)と、
    前記立体カム(2)とバルブ(5)との間に介在して、カムプロフィールに基づいてバルブ(5)を開閉する介在部材(6,20)とを備え、
    前記変位装置(3)は、カムシャフト(1)を油圧に応じた変位量だけ軸方向へ変位させる油圧式アクチュエータ(33)と、内燃機関の回転数等の運転状況に応じて油圧式アクチュエータ(33)への油圧を変化させる制御装置(53)と、内燃機関が停止して油圧式アクチュエータ(33)への油圧が低下した時に、カムシャフト(1)を低回転用カムプロフィールが介在部材(6,20)に作用する低回転位置へ自動的に戻すリターンスプリング(34)とを備え、
    前記油圧式アクチュエータ(33)は、カムシャフト(1)に外挿された筒状のスリーブ(35)と、スリーブ(35)に共回転可能に取着されたタイミングプーリー(38)と、タイミングプーリー(38)に取着されたカップ状シリンダ(39)と、カップ状シリンダ(39)の内部に摺動可能に挿入されてカムシャフト(1)に取着された円盤状の可動ピストン(41)とを備え、
    カムシャフト(1)の外周面とスリーブ(35)の内周面とに形成された多条のスプライン歯(36,37)の噛み合いにより、カムシャフト(1)はスリーブ(35)に対して、軸方向に変位可能かつ相対回転せずに共回転可能となっており、
    タイミングプーリー(38)とクランクシャフトプーリーとに掛けられたタイミングベルトによって、カムシャフト(1)とクランクシャフトとが同期回転するようになっていることを特徴とする可変動弁機構。
  2. 前記油圧式アクチュエータ(33)は、オイル(59)を流すための、スリーブ(35)に貫設された導入孔(48)と、スリーブ(35)の内周面に周状に凹設された内周溝(49)と、カムシャフト(1)内の半径方向及び軸方向に設けられたシャフト内孔(50)とを備える請求項1記載の可変動弁機構。
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