JP3853166B2 - 液晶表示パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルとして、ネマチック液晶を用い、優れた視角特性をもつOCB(Optically Compensated Birefringence)方式の液晶表示パネルが知られている。従来から、ネマチック液晶を用いた表示素子は、液晶分子の配向によっていくつかのモードがある。もっとも普及しているのは、捻れネマチック(TN)モードであり、その他にホメオトロピック(垂直)配向、またはホモジニアス(水平)配向の複屈折モードやゲストホストモード等がある。TNモードは、とくに一方の基板に画素電極毎に能動素子を設けたアクティブアマトリクス液晶表示パネルにおいて主流となっている。
【0003】
TN液晶は、誘電異方性が正の液晶を、水平配向処理した電極付きの一対の基板どうしの間に挟んで、90度捻った状態を安定状態とする。そして、その液晶の配向に沿って偏波面が90度回転するので、液晶層を挟んで配置した偏光子と検光子との透過軸を直交させていると、白表示となる。電圧印加により液晶分子が立つと、入射偏光はそのまま液晶層を進むので、検光子により吸収されて黒表示となる。これをノーマリホワイトTNモードと称する。
【0004】
水平配向処理は、通常、ポリイミドをラビングすることにより達成される。このとき、ラビング方向に対応して数度程度の液晶のプレチルトが生じる。TN液晶の捻れ方向は、この一対の基板におけるプレチルト方向により基本的に決まる。つまり、液晶層がスプレイ歪みを伴わないように配向することで捻れ方向が決定される。さらに、逆捻れ配向を防止し、捻れ方向を均一に揃えるために、両方の基板でのプレチルト方向と符合させて、液晶中に微量のカイラル物質(光学活性物質)を添加して捻れ方向を決めている。液晶は、一方の基板界面近傍から反対側の基板界面近傍まで、ほぼ一様なプレチルトをもって配向する。
【0005】
一対の基板間に電圧を印加すると、まず液晶層中央部の液晶分子が初期に与えられたプレチルト方向に立ち上がり、液晶層全体がそれに追従する。したがって、液晶の立ち上がる向きはパネル全体で同一であり、パネルを観察する方向によって液晶層の屈折率変化の仕方が違うため、視角方向によって光透過率が大きく変わる。このため、視角方向によってコントラストの大幅な低下や色変化や階調反転などが発生し、視角特性に非常に問題がある。とくにノーマリホワイトモードでは、液晶層中央部の液晶分子の立ち上がり方向(視角方向)から観察する場合ととその逆の方向(反視角方向)から観察する場合では、視角特性が大きく異なる。正面から視角方向側では階調反転現象が激しく、反視角方向側ではコントラスト低下が著しく白浮きが発生する。通常、視角方向は上下方向に設定されるため、TNモードでは上下方向で視角特性が非対称となる。
【0006】
このようなTNモードの視角特性を改善するために、多くの方法が提案されている。例えば、SID 94 DIGEST,927に記載されているように、液晶をベンド配向させて視覚補償を行い、さらに、これに光学位相補償フィルムを組み合わせることにより広い視野角を得るようにした、上述のOCB方式がある。OCB方式は、TN方式に比べて応答速度が非常に速いという特徴も有しており、非常に魅力的な方式である。
【0007】
このOCB方式では、液晶を初期的にはスプレイ配向させておき、使用時に、液晶に電界を加えることにより、ベンド配向(またはπツイスト配向)へ配向転移させる必要がある。つまり、電圧を加えることにより液晶が立ち上がると、スプレイ配向の歪みが増大し、安定なπツイスト配向またはベンド配向への転移が起こる。この様子を観察すると、スプレイ配向の中にπツイスト配向またはベンド配向をもつ所望の正常ドメインの核が発生し、成長する様子が見られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの実験によれば、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を発生させることは容易ではなく、10V程度の相当に高い電圧を必要とする。このような高い電圧を加えることは、一般には駆動電圧の制約上、困難である。さらに、全ての画素で転移を起こすことは非常に困難であり、転移の起こらない画素が残ってしまう。配向転移が起こらず、スプレイ配向のままで残った画素が存在すると、その画素は表示欠陥として認識され、ディスプレイとしての表示品位を大きく低下させる。
【0009】
すなわち従来の技術においては、配向欠陥のない均一配向を実現するためには新たな手段の開発が必要であるという技術的課題が存在する。
【0010】
そこで本発明は、このような課題を解決して、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を容易に発生させることができるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶パネルは、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を促進する核を発生させるための核発生手段を備えたものである。
【0012】
したがって本発明によれば、核発生手段によって、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を容易に発生させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の本発明は、一対の基板間に正の誘電率異方性を有する液晶が挟持され、これら一対の基板のそれぞれの内面に、前記液晶に電界を加えるための電極が形成され、かつ前記液晶がスプレイ配向され、前記一対の基板に電界を印加することにより前記スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向へ転移する液晶表示パネルにおいて、前記転移を促進する核を発生させるための核発生手段を備え、前記核発生手段が、画素内に形成され、前記画素の他の領域に比べてプレチルト角が大きい領域によって構成され、前記プレチルト角が大きい領域がテーパー形状を有する凸部または凹部のテーパー部分によって形成されているものである。これにより、上述のように、核発生手段によって、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を容易に発生させることができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明は、一対の基板間に正の誘電率異方性を有する液晶が挟持され、これら一対の基板のそれぞれの内面に、前記液晶に電界を加えるための電極が形成され、かつ前記液晶がスプレイ配向され、前記一対の基板に電界を印加することにより前記スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向へ転移する液晶表示パネルにおいて、前記転移を促進する核を発生させるための核発生手段を備え、前記核発生手段が、画素内に形成され、前記画素の他の領域に比べてプレチルト角が大きい領域によって構成され、前記プレチルト角が大きい領域がフォトリソグラフィープロセスを用いた表面処理によって形成されている。これにより、上述の縦電界が強い領域の形成に代わる手法で核発生手段が構成される。
【0020】
請求項に記載の本発明は、全ての前記画素に対応して、少なくとも1カ所以上の核発生手段を設けたものである。
【0021】
請求項に記載の本発明は、前記一対の基板の界面近傍での液晶のプレチルト角が3°以上であるものである。これにより、エネルギー差を大きくして、正常ドメインを成長しやすくすることができる。
【0022】
請求項に記載の本発明は、配向処理がラビングによって行われているようにしたものである。
【0023】
請求項に記載の本発明は、配向膜がポリイミド、またはポリアミック酸を含む材料で形成されているようにしたものである。
【0024】
請求項に記載の本発明は、前記液晶表示パネルが各画素毎に能動素子を設けたアクティブマトリクスパネルであるようにしたものである。
【0025】
以下、図面を用いて説明する。図9(a)は、本発明の液晶表示パネルの電圧無印加時における液晶配向状態を模式的に示したものである。一対の基板91、92どうしの間における液晶分子93の配向方位は略平行で、基板91、92の界面付近でのプレチルトは、液晶分子93がスプレイ配向するように付与される。このような配向状態の液晶表示パネルにおける一対の基板91、92の間に電界を加えると、図9(b)に示すように液晶分子93が立ち上がり、スプレイ歪みが非常に大きくなって、πツイスト配向またはベンド配向(図9(c)に示す)への転移が起こる。液晶がかなり立ち上がった状態では、πツイスト配向とベンド配向は光学的に非常に近い状態となり、ほぼ等価なものとみなすことができる。したがって、ベンド配向へ転移するかπツイスト配向へ転移するかは、大きな問題でない。本発明者らの実験結果によれば、実際には、πツイスト配向への転移が起こる場合が多いと考えられる。
【0026】
本発明に用いる配向膜材料としては、安定性にすぐれたポリイミドまたはポリアミック酸がとくに好ましいが、配向膜の材質はこれらに限定するものではない。配向パターニング処理はラビング処理によるのが一般的であるが、ラビング処理法に限定するものではなく、斜方蒸着法や偏光UV光照射などによっても行うことが可能である。
【0027】
本発明は、電界無印加時のスプレイ配向から、電界印加によるπツイスト配向またはベンド配向への転移の発生確率を高め、配向欠陥となる画素を低減することを目的としている。そのため、部分的に電界強度を強めることにより、または部分的にプレチルト角を大きくすることにより、スプレイ配向の歪みを大きくして、配向転移を促進し、核を発生、成長させるものである。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
図1、図2は、本発明の実施例1の液晶表示パネルの1画素の平面図および断面図である。実際のパネルは、対角26cmの縦640(XRGBトリオ)×横480の画素で構成した。図2は図1の一点鎖線部22に沿った断面図である。下基板1の上面には、酸化インジウム錫(ITO)の画素電極2と、この画素電極2を駆動する薄膜トランジスター3とを形成した。上基板20の下面には、クロムからなるブラックマトリクス遮光層4とカラーフィルター5とITOの共通電極7とを形成した。遮光層4は開口部以外をすべて覆うようにした。そして、下基板1のITO画素電極2上には、液晶14よりも誘電率が大きい酸化タンタルからなる高さ1ミクロンの凸部31を形成した。
【0029】
それぞれの電極2、7上には、可溶性のポリイミドからなる配向膜15を塗布した。配向処理はラビングによって行った。それぞれの基板1、20のラビング方向は、下基板1のラビング方向を図1における破線矢印Aで、上基板20のラビング方向を実線矢印Bで示した。
【0030】
次に、直径8ミクロンの球形スペーサを散布して、セル厚約8ミクロンの空セルを組み立てた。そして、カイラル剤を添加していない屈折率異方性Δn=0.134、誘電異方性Δε=9.5のフッ素系ネマチック液晶を注入し、液晶の等方相転移温度以上の温度で1時間アニール処理後、室温に冷却した。この状態では、液晶は全面スプレイ配向状態となっていた。
【0031】
なお、液晶のプレチルトを調べるために、同様の配向処理をしたプレチルト評価用セルを作製した。その測定結果より、ここで用いた配向膜と液晶の組み合わせで得られるプレチルト角は約5°であることがわかった。
【0032】
この液晶表示パネルの画素電極2と共通電極7との間に5Vの電圧を加えると、当初存在していたスプレイ配向領域がπツイスト配向へと転移した。
【0033】
偏光顕微鏡下で電圧印可時の配向転移の様子を観察すると、電極2上に形成した酸化タンタルの凸部31から効果的にπツイスト配向の核が発生し、成長していく過程が観察された。5Vの電圧を1分間加えた後に配向状態を調べたところ、配向欠陥はほとんどなく、ほぼ全ての画素でπツイスト配向が得られた。
【0034】
本実施例では、凸部31の材質に酸化タンタルを用いたが、この凸部31の材料は、液晶14の長軸方向の誘電率よりも大きな誘電率をもつものであればよい。その場合は、酸化タンタルの場合と同様に凸部31上の液晶14層に加わる電界強度が周囲よりも強くなり、通常TN配向への転移が促進される。
【0035】
本実施例では液晶14よりも大きな誘電率をもつ材料からなる凸部31を下基板1の画素電極2上に形成したが、これを上基板20の共通電極7上、または両方の基板1、20に形成しても同様な効果が得られる。
(比較例1)
酸化タンタルでできた凸部を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを作製した。アニール後の液晶配向状態は、実施例1と同様に、全面スプレイ配向となっていた。
【0036】
この液晶表示パネルの画素電極と共通電極間に5Vの電圧を加え、1分後に配向状態を調べたところ、スプレイTN配向領域が多数残存していた。無作為に約1000画素をサンプリングして調べたところ、配向欠陥が存在する画素は14%に達した。
(実施例2)
図3、図4は、本発明の実施例2の液晶表示パネルの1画素の平面図および断面図である。実際のパネルは、実施例1の場合と同様に、対角26cmの縦640(XRGBトリオ)×横480の画素で構成されている。図4は、図3の一点鎖線部23に沿った断面図である。これら図3、図4において、図1、図2に示したものと同一の部材には同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略するが、下基板1のITO画素電極2上には、アルミニウムからなる高さ1ミクロンの凸部32を形成して、ITO画素電極2とアルミニウムの凸部32とは導通させた。
【0037】
次に、直径7ミクロンの球形スペーサを散布して、セル厚約7ミクロンの空セルを組み立てた。そして、カイラル剤を添加していない屈折率異方性Δn=0.134、誘電異方性Δε=9.5のフッ素系ネマチック液晶を注入し、液晶の等方相転移温度以上の温度で1時間アニール処理後、室温に冷却した。この状態では、液晶は、全面スプレイ配向状態となっていた。
【0038】
実施例1と同様に、液晶のプレチルトを調べるために、同様の配向処理をしたプレチルト評価用セルを作製した。その測定結果より、ここで用いた配向膜と液晶の組み合わせで得られるプレチルト角は約5°であることがわかった。
【0039】
この液晶表示パネルの画素電極2と共通電極7との間に5Vの電圧を加えると、当初存在していたスプレイ配向領域がπツイスト配向へと転移した。
【0040】
偏光顕微鏡下で電圧印可時の配向転移の様子を観察すると、電極2上に形成したアルミニウムの凸部32から効果的にπツイスト配向の核が発生し、成長していく過程が観察された。5Vの電圧を1分間加えた後に配向状態を調べたところ、配向欠陥はほとんどなく、ほぼ全ての画素でπツイスト配向が得られた。
【0041】
本実施例では凸部32にアルミニウムを用いたが、アルミニウムに限らず、導電性の材料で画素電極2と導通していれば、アルミニウムと同様に凸部32上の液晶層14に加わる電界強度が周囲よりも強くなり、通常TN配向への転移が促進される。
【0042】
本実施例では導電性材料からなる凸部32を下基板1の画素電極2上に形成したが、これを上基板20の共通電極7上、または両方の基板1、20に形成しても同様な効果が得られる。
(実施例3)
図5、図6は、本発明の実施例3の液晶表示パネルの1画素の平面図および断面図を示す。実際のパネルは、同様に対角26cmの縦640(XRGBトリオ)×横480の画素で構成されている。図6は、図5の一点鎖線部24に沿った断面図である。これら図5、図6において、図1、図2に示したものと同一の部材には同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略するが、下基板1のITO画素電極2上には、窒化シリコンによって、基板表面と約30°の角度をなすテーパー形状を有した凸部33を形成した。
【0043】
次に、直径7ミクロンの球形スペーサを散布して、セル厚約7ミクロンの空セルを組み立てた。そして、カイラル剤を添加していない屈折率異方性Δn=0.134、誘電異方性Δε=9.5のフッ素系ネマチック液晶を注入し、液晶の等方相転移温度以上の温度で1時間アニール処理後、室温に冷却した。この状態では、液晶は、全面スプレイ配向状態となっていた。
【0044】
実施例1と同様に、液晶のプレチルトを調べるために、同様の配向処理をしたプレチルト評価用セルを作製した。その測定結果より、ここで用いた配向膜と液晶の組み合わせで得られるプレチルト角は約5°であることがわかった。
【0045】
この液晶表示パネルの画素電極2と共通電極7との間に5Vの電圧を加えると、当初存在していたスプレイ配向領域がπツイスト配向へと転移した。
【0046】
これは、突部33のテーパー形状により、プレチルトが実効的に高められたからであり、そのためにスプレイ配向がより不安定化されたためである。つまり、突部33のテーパーの部分では、液晶のプレチルト角が実効的に35゜になっているのと同等の効果が期待できた。
【0047】
偏光顕微鏡下で電圧印可時の配向転移の様子を観察すると、電極2上に形成したテーパー形状をもつ窒化シリコンからなる凸部33から効果的にπツイスト配向の核が発生し、成長していく過程が観察された。5Vの電圧を1分間加えた後に配向状態を調べたところ、配向欠陥はほとんどなく、ほぼ全ての画素でπツイスト配向が得られた。
【0048】
本実施例ではテーパー形状を有する凸部33に窒化シリコンを用いたが、窒化シリコンに限らず、別の誘電体でもよいことはいうまでもない。また、テーパー形状を有する凸部33は、導電性の材料で形成してもよく、この導電性の凸部は、画素電極と導通していても、していなくてもよい。
【0049】
本実施例ではテーパー形状を有する凸部33を下基板1の画素電極2上に形成したが、これを上基板20の共通電極7上、または両方の基板1、20に形成しても同様な効果が得られる。
【0050】
また、本実施例3では、テーパー形状を有する凸部33の例を示したが、テーパー形状を有する凹部であっても同様な効果が得られる。
【0051】
テーパー形状部分と基板とのなす角度は、液晶のスプレイ配向歪みを増大させる向きであれば何度でもかまわないが、効果的に正常ドメインを発生させるためには、5゜以上が好ましい。
(実施例4)
図7、図8は、本発明の実施例4の液晶表示パネルの1画素の平面図および断面図を示す。実際のパネルは、実施例3の場合と同様に、対角26cmの縦640(XRGBトリオ)×横480の画素で構成されている。図8は、図7における一点鎖線部25に沿った断面図である。これら図7、図8において、図5、図6に示したものと同一の部材には同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略するが、下基板1のITO画素電極2上には、周りよりもプレチルト角が大きい領域34を形成した。領域34はフォトリソグラフィープロセスを用いた表面処理によって形成し、この領域34の基板界面付近のプレチルト角は約25°であった。図8には、下基板1界面付近での液晶のプレチルトを模式的に示す。
【0052】
次に、直径8ミクロンの球形スペーサを散布して、セル厚約8ミクロンの空セルを組み立てた。そして、カイラル剤を添加していない屈折率異方性Δn=0.134、誘電異方性Δε=9.5のフッ素系ネマチック液晶を注入し、液晶の等方相転移温度以上の温度で1時間アニール処理後、室温に冷却した。この状態では、液晶は、全面スプレイ配向状態となっていた。
【0053】
実施例3と同様に、液晶のプレチルトを調べるために、同様の配向処理をしたプレチルト評価用セルを作製した。その測定結果より、ここで用いた配向膜と液晶の組み合わせで得られるプレチルト角は約5°であることがわかった。
【0054】
この液晶表示パネルの画素電極2と共通電極7との間に5Vの電圧を加えると、当初存在していたスプレイ配向領域がπツイスト配向へと転移した。
【0055】
偏光顕微鏡下で電圧印可時の配向転移の様子を観察すると、電極2上に形成したプレチルトの高い領域34から効果的にπツイスト配向の核が発生し、成長していく過程が観察された。5Vの電圧を1分間加えた後に配向状態を調べたところ、配向欠陥はほとんどなく、ほぼ全ての画素でπツイスト配向が得られた。
【0056】
部分的に形成した高プレチルト領域34のプレチルト角は、周囲に比べて高ければよいわけであるが、効果的に核発生を起こさせるためには、10゜以上に設定することが好ましかった。
【0057】
なお、実施例1〜4の液晶表示パネルにおいて、電圧印加により全画素にわたって均一配向が得られるかどうかを、液晶のプレチルト角を変化させて検討した。その結果、プレチルト角が大きいほど、電圧印加による正常ドメイン形成は、低い電圧でかつ短時間で可能になることがわかった。しかし、プレチルトが2°以下の場合は、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移が完全には起こらず、配向欠陥の画素が残存した。このことから、液晶のプレチルト角は3°程度は必要であることがわかった。
【0058】
スプレイTN配向から通常TN配向への転移を促す核発生手段は、各画素にそれぞれ対応させて形成するのが好ましい。電界印可による配向転移を確実に発生させるためには、図示のように各配向領域に複数個設けることも好ましい。
【0059】
また、上記の各実施例ではアクティブマトリクス型の液晶パネルの例を示したが、一対の基板がストライプ電極からなる単純マトリスクの場合でも、本発明は有効である。
【0060】
本発明に用いられる液晶材料は、フッ素系の材料に限定するものではななく、シアノ系の液晶など誘電率異方性が正の材料系であれば使用が可能である。しかし、アクティブマトリクス型液晶表示パネル用には、電圧保持率が高く、信頼性に優れたフッ素系の材料を主成分とする液晶組成物を用いることが、とくに好ましい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液晶表示素子によれば、スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を促進する核を発生させるための核発生手段を備えたことにより、このスプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向への転移を容易に発生させることができ、このため、配向欠陥のない、高品位な液晶表示パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示パネルの平面図である。
【図2】図1における一点鎖線22に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施例2の液晶表示パネルの平面図である。
【図4】図3における一点鎖線23に沿った断面図である。
【図5】本発明の実施例3の液晶表示パネルの平面図である。
【図6】図5における一点鎖線24に沿った断面図である。
【図7】本発明の実施例4の液晶表示パネルの平面図である。
【図8】図7における一点鎖線25に沿った断面図である。
【図9】本発明に基づくスプレイ配向からベンド配向への転移をあらわす模式図である。
【符号の説明】
1 下基板
2 画素電極
7 共通電極
14 液晶
20 上基板
31 液晶よりも高誘電率の材質からなる凸部
32 導電性の材質からなる凸部
33 テーパー形状を有する凸部
34 周囲よりもプレチルト角の大きい領域

Claims (7)

  1. 一対の基板間に正の誘電率異方性を有する液晶が挟持され、これら一対の基板のそれぞれの内面に、前記液晶に電界を加えるための電極が形成され、かつ前記液晶がスプレイ配向され、前記一対の基板に電界を印加することにより前記スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向へ転移する液晶表示パネルにおいて、
    前記転移を促進する核を発生させるための核発生手段を備え、
    前記核発生手段が、画素内に形成され、前記画素の他の領域に比べてプレチルト角が大きい領域によって構成され、前記プレチルト角が大きい領域がテーパー形状を有する凸部または凹部のテーパー部分によって形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 一対の基板間に正の誘電率異方性を有する液晶が挟持され、これら一対の基板のそれぞれの内面に、前記液晶に電界を加えるための電極が形成され、かつ前記液晶がスプレイ配向され、前記一対の基板に電界を印加することにより前記スプレイ配向からπツイスト配向またはベンド配向へ転移する液晶表示パネルにおいて、
    前記転移を促進する核を発生させるための核発生手段を備え、
    前記核発生手段が、画素内に形成され、前記画素の他の領域に比べてプレチルト角が大きい領域によって構成され、前記プレチルト角が大きい領域がフォトリソグラフィープロセスを用いた表面処理によって形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
  3. 全ての前記画素に対応して、少なくとも1カ所以上の前記核発生手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネル。
  4. 前記一対の基板の界面近傍での液晶のプレチルト角が3°以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の液晶表示パネル。
  5. 配向処理がラビングによって行われていることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の液晶表示パネル。
  6. 配向膜がポリイミド、またはポリアミック酸を含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の液晶表示パネル。
  7. 前記液晶表示パネルが各画素毎に能動素子を設けたアクティブマトリクスパネルであることを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の液晶表示パネル。
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