JP3853036B2 - 通気壁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造材の外面側に通気性防水シートを介在させて受け材が釘着され、かつこの受け材の外面側に複数の無機板が釘着されてなり、その受け材が幅方向に対向する両側面間に亘り通気部を有する通気壁構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築物の柱、間柱及び横架材からなる構造材の外面側に通気性防水シートを貼り、この通気性防水シートの外面側で上記構造材に胴縁材を釘着するとともに、この胴縁材の外面側に外壁材を釘着した壁構造とし、その外壁材及び防水シート間の空間(壁内部)を通気させるように施工して、壁内部に結露水が発生してもその壁内部を通気乾燥させることによって、木材の腐食や金属部品の錆等の発生を防止し、構造材の耐久性を向上させるようにすることは知られている。すなわち、この通気構法では、外壁材を施工する際、胴縁材や外装材を構造材から浮かすことによって外壁材及び防水シート間に通気部を設けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の通気構法では、胴縁材や外装材が構造材と一体化していないため、建設省告示第1100号に認定基準が定められているように、壁倍率が0.5程度と非常に低くなり、耐力壁としては不十分なものとなってしまう。
【0004】
また、特に壁の上下方向に通気性を確保するためには、施工時に横胴縁材を切り欠いたり防水シートとの間に間隙をあけて装着する部分を横胴縁材に形成したりする必要があり、非常に施工手間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述の如く壁内部を通気乾燥させる通気壁構造に対し、その構造を改良することによって、簡単な施工で、壁内部の通気性を維持しつつ、高壁倍率の耐力壁構造が得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、柱、間柱及び横架材からなる構造材の外面側に、胴縁材ではなく、所定の仕様に基づいて構造材に強固に釘着一体化されて耐力壁構造に寄与する受け材を釘着するとともに、この受け材の外面側に複数の無機板を釘着した壁構造とし、少なくとも構造材の横架材に釘着された受け材が、幅方向に対向する両側面間に亘り通気部を有するようにし、上記受け材を、上記柱、間柱及び横架材のそれぞれに200mm以下の釘間隔で釘着し、上記柱に釘着された受け材の長手方向を、当該柱の長手方向と一致させ、上記間柱に釘着された受け材の長手方向を、当該間柱の長手方向と一致させ、上記横架材に釘着された受け材の長手方向を、当該横架材の長手方向と一致させるようにし、各無機板を、端面を隣設する無機板の端面と突き合わせた状態でその周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着するようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、建築物の柱、間柱及び横架材からなる構造材の外面側に、該外面側に貼られた通気性防水シートを介在させて受け材が釘着され、かつ該受け材の外面側に複数の無機板が釘着されてなり、少なくとも上記横架材に釘着された受け材が、上記構造材及び無機板の対向方向と直角の幅方向に対向する両側面間に亘り通気部を有する通気壁構造を対象とする。
【0008】
そして、上記受け材は、上記柱、間柱及び横架材のそれぞれに200mm以下の釘間隔で釘着され、上記柱に釘着された受け材の長手方向が、当該柱の長手方向と一致し、上記間柱に釘着された受け材の長手方向が、当該間柱の長手方向と一致し、上記横架材に釘着された受け材の長手方向が、当該横架材の長手方向と一致しており、上記各無機板は、端面を隣設する無機板の端面と突き合わせた状態で該無機板の周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されているものとする。
【0009】
このことにより、各無機板(耐力面材)が、該無機板の周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されているので、受け材及び無機板が一体化された状態となる。また、その受け材を固定する釘間隔を200mm以下とすることで、受け材は構造材と完全に一体化したものと見做せるようになる。さらに、無機板を固定する釘よりも受け材を固定する釘を太くすれば、その受け材を固定する釘にせん断力が作用しても、構造材と受け材との釘一面せん断変形は小さくなる。この結果、構造材、受け材及び無機板が一体化された状態となる。
【0010】
しかも、少なくとも横架材に釘着された受け材は通気部を有しているので、壁内部における上下方向の通気性は確保され、壁内部に外部から万一水漏れしたり結露水が発生したりしても、下側に排水されるとともに、通気によって早く乾燥し、構造材の耐久性を向上させることができる。そして、予め受け材に通気部を形成しておくことで、施工時に受け材を切り欠いたり防水シートとの間に間隙をあけて装着する部分を受け材に形成したりする等の特別な処理をしなくても済む。
【0011】
また、隣設する無機板の端面同士が突き合わされ、無機板はその突き合わせ端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されていることになるので、突き合わせ端部での無機板の伸縮は殆どなく、構造材が動いたとしても、隣設する無機板同士がその各突き合わせ端部においてその構造材と同じように動くので、その両突き合わせ端部間に隙間が生じることはない。このため、無機板の施工後にその無機板の表面に、特に弾性を有する塗料を用いて直接塗装したとしても、突き合わせ端部において塗膜切れが発生し難くなり、無機板に仕上げ材を装着したり突き合わせ端部にテープ、不織布又はパテ等により処理したりした後に塗装する必要はない。
【0012】
したがって、壁全体の施工が容易となり、工期短縮やコストダウンを図ることができるとともに、壁内部の通気性を維持して構造材の耐久性を向上させつつ、高壁倍率の軸組とすることができる。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、無機板の比重が0.6〜0.9でありかつ曲げ強度が150kgf/cm2 以上であるものとする。
【0014】
すなわち、無機板の比重は、0.6よりも小さいと、釘頭貫通抵抗力や釘側面抵抗力等の釘保持力の低下が著しく、無機板にせん断力が加わったときに釘打ち部で破壊して耐力面材としては不適当な材料となってしまう一方、0.9よりも大きいと、釘打ちし難く、特に無機板の端面から約15mm以下の範囲で釘打ちすると、基材クラックが発生するので、0.6〜0.9の範囲としている。また、曲げ強度は、150kgf/cm2 よりも小さいと、耐力面材として適正な大きさ(3×10尺程度)の大板では持ち運ぶ際にその自重により板が破損する虞れがあるとともに、高耐力を保持することができないので、150kgf/cm2 以上としている。よって、無機板の運搬性や釘打ち性等の施工性を向上させ、耐力面材として良好なものとすることができる。
【0015】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、無機板は、比重が0.9以上でありかつ鉱物質繊維及び有機質結合材からなる表裏層を有する三層構造材であるものとする。
【0016】
この発明により、表裏層は、鉱物質繊維が応力に対して脆さの少ない有機質結合剤で結合されてなるので、その繊維の絡み合いにより、比重が0.9以上と比較的高密度であっても表裏層は弾性変形し易くなり、脆さが改善される。よって、無機板の釘打ち性を維持しつつ、釘保持力を向上させることができ、耐力面材として最適な無機板を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1〜図3は、本発明の実施形態1に係る通気壁構造を示し、上下方向に延びる互いに平行な2本の柱1,1の間に、該各柱1と平行に3本の間柱2,2,…が略等間隔に設けられている。この各柱1及び各間柱2は、上下端部及びその中間部において3本の横架材3,3,…により結合され、各柱1、各間柱2及び各横架材3は全て構造材とされている。
【0018】
上記各柱1、各間柱2及び各横架材3の外面側には、1枚の通気性防水シート5が貼られ、その防水シート5を介在させた状態で上記各柱1、各間柱2及び各横架材3にそれぞれ受け材8,8,…が釘着されている。この各受け材8の長手方向は、その各受け材8が取り付けられている各柱1、各間柱2及び各横架材3の長手方向とそれぞれ一致するようになされている。そして、上記各受け材8の外面側には、3枚の矩形状無機板(耐力面材)17,17,…が複数の釘18,18,…によりそれぞれ釘着されている。この各無機板17は、端面を隣設する各無機板17の端面と突き合わせた状態で該各無機板17の周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されている。
【0019】
上記各無機板17は、比重が0.9以上でありかつ鉱物質繊維及び有機質結合材からなる表裏層を有する三層構造材とされている。また、各無機板17全体の比重は0.6〜0.9とされかつ曲げ強度は150kgf/cm2 以上とされている。
【0020】
すなわち、各無機板17全体の比重は、0.6よりも小さいと、釘頭貫通抵抗力や釘側面抵抗力等の釘保持力が著しく低下し、各無機板17にせん断力が加わったときに釘打ち部で破壊して耐力面材には適さない材料となってしまう一方、0.9よりも大きいと、釘打ちが困難となり、特に各無機板17の端面から約15mm以下の範囲で釘打ちすると、基材クラックが生じるので、0.6〜0.9の範囲としている。また、曲げ強度は、150kgf/cm2 よりも小さいと、各無機板17が耐力面材として適正な大きさ(3×10尺程度)の大板である場合にその各無機板17を持ち運ぶときにその自重により破損させてしまうことがあるとともに、高耐力保持が困難となるので、150kgf/cm2 以上としている。さらに、表裏層の比重は、鉱物質繊維の絡み合いにより、比較的高密度であっても表裏層は弾性変形し易くなり、脆さが改善されて釘打ち性と釘保持力とを向上させることができので、0.9以上としている。
【0021】
ここで、上記無機板17としては、例えば、20〜60重量%の鉱物質繊維、3〜15重量%の有機繊維、20〜65重量%の無機粉体及び5〜30重量%の結合剤を成分とするスラリーを湿式抄造して得られた湿潤マットからなる表裏層間に、40〜80重量%の無機発泡体、5〜30重量%の有機繊維、5〜30重量%の結合剤及び0〜40重量%の無機粉体からなる混合物で中間層を形成し、上記表裏層と中間層とを加熱圧締した後、ドライヤーで乾燥したものが挙げられる。
【0022】
上記各受け材8は、図4〜図6に示すように、上記各構造材1,2,3及び各無機板17の対向方向(受け材8の厚み方向)と直角の幅方向に対向する両側面間に亘り通気部としての複数の切欠き凹部11,11,…が各受け材8の長手方向に略等間隔で形成されている。この各切欠き凹部11は、各受け材8の内面側(防水シート5側)に円弧状に形成されている。
【0023】
尚、各受け材8の各構造材1,2,3への釘打ち部は、隣設する切欠き凹部11,11の間となるようにすることが好ましい。また、その釘間隔は200mm以下とするのがよい。同様に、各無機板17を留め付ける各釘18の釘打ち部も、隣設する切欠き凹部11,11の間となるようにすることが望ましい。
【0024】
したがって、上記実施形態1では、各構造材1,2,3の外面側に受け材8,8,…が、またこの各受け材8の外面側に無機板17,17,…がそれぞれ釘着され、この各無機板17は、該各無機板17の周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されているので、各受け材8及び各無機板17が一体化された状態となる。そして、各無機板17を固定する釘18よりも各受け材8を固定する釘を太くすることにより、その各受け材8を固定する釘にせん断力が作用しても、各構造材1,2,3と各受け材8との釘一面せん断変形は小さくなり、さらに、その各受け材8を固定する釘間隔を200mm以下とすることで、各受け材8は各構造材1,2,3と完全に一体化したものと見做せるようになる。このため、各構造材1,2,3、各受け材8及び各無機板17が一体化された壁構造となる。
【0025】
しかも、各受け材8は複数の切欠き凹部11,11,…を有しているので、壁内部における通気性は確保され、壁内部に外部から万一水漏れしたり結露水が発生したりしても、下側に排水されるとともに、通気によって乾燥が早く行われ、各構造材1,2,3の耐久性を向上させることができる。そして、予め各受け材8に各切欠き凹部11を形成しておくことで、胴縁材を使用するときのように、施工時に各受け材8に切欠部や防水シート5との間に間隙をあけて装着する部分を形成する等の特別な処理をしなくても済む。
【0026】
また、隣設する無機板17,17の端面同士が突き合わされ、各無機板17はその突き合わせ端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されていることになるので、突き合わせ端部での各無機板17の伸縮は考慮する必要がなく、各構造材1,2,3が動いたとしても、隣設する無機板17,17同士がその各突き合わせ端部においてその各構造材1,2,3と一体的に動くので、その両突き合わせ端部間に目隙が生じるということはない。このため、全ての無機板17,17,…を施工した後にその無機板17,17,…の表面に直接塗装を施したとしても、各突き合わせ端部において塗膜切れ等の外観不良が生じ難くなり、塗装前に各無機板17に仕上げ材を装着したり各突き合わせ端部にテープ、不織布又はパテ等による処理を施したりするという手間を省くことができる。
【0027】
よって、壁全体の施工性が良好となり、工期を短縮しかつコストを低減させることができるとともに、高壁倍率の通気壁構造を得ることができる。
【0028】
さらに、各無機板17は、比重が0.9以上でありかつ鉱物質繊維及び有機質結合材からなる表裏層を有する三層構造材とされ、しかも、各無機板17全体の比重が0.6〜0.9とされかつ曲げ強度が150kgf/cm2 以上とされているので、各無機板17の釘打ち性や運搬性等の施工性を維持しつつ、釘保持力を向上させることができ、各無機板17をこの通気壁構造に最適な耐力面材とすることができる。
【0029】
(実施形態2)
図7及び図8は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、各受け材8における各切欠き凹部11の箇所においても通気性防水シート5を押えることができるようにしたものである。
【0030】
すなわち、この実施形態では、各受け材8の内面側における幅方向略中央部に、各受け材8と同じ長さの針金13が各切欠き凹部11を跨ぐように設けられている。この針金13は、各受け材8の各切欠き凹部11が形成されていない部分に設けられかつその針金13の径と略同じ幅及び深さを有する溝8a,8a,…内に嵌め込まれ、隣設する切欠き凹部11,11の間でタッカー14,14,…により各受け材8に留め付けられている。
【0031】
したがって、上記実施形態2では、上記実施形態1と同様に、施工性が良好であり、高壁倍率の通気壁構造とすることができるとともに、各切欠き凹部11の箇所においても針金13により防水シート5を確実に押えることができ、防水シート5が各切欠き凹部11内に浮き上がることによって通気性が阻害されるという問題はない。よって、壁内部の通気性の確実化を図ることができる。
【0032】
尚、上記実施形態2では、各受け材8の内面側に針金13を留め付けたが、防水シート5を押えることが可能であれば、どのようなものであってもよい。
【0033】
(実施形態3)
図9は本発明の実施形態3を示し、各受け材8に形成した通気部が上記実施形態1,2と異なる。すなわち、この実施形態では、受け材8の両側面の厚み方向略中央部に、通気部としての複数の略円形状通気用孔12,12,…が該受け材8の長手方向に略等間隔で設けられている。したがって、この実施形態でも、防水シート5の浮き上がりを防止することができ、上記実施形態2と同様の作用効果が得られる。
【0034】
尚、上記各実施形態では、全ての受け材8,8,…に通気部(切欠き凹部11又は通気用孔12)を形成したが、各横架材3に釘着された受け材8のみに通気部を形成するだけでもよく、この場合でも、壁の上下方向に通気性が確保されるので、各構造材1,2,3の耐久性を十分に向上させることができる。
【0035】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0036】
先ず、上記実施形態1と同様の通気壁構造となるものを作成した。すなわち、通気性防水シート5をタッカーで各柱1、各間柱2及び各横架材3に止め付けた後、各受け材8を、釘N75を用いて各柱1、各間柱2及び各横架材3に200mmピッチでそれぞれ釘着し、各無機板17として幅910mm×長さ1820mm×厚さ12mmの火山性ガラス質複合板を、各釘18としてSFN50を用いて周囲端部近傍においては100mmピッチで、中通においては200mmピッチで上記各受け材8にそれぞれ取り付けた。
【0037】
このとき、各受け材8の幅及び厚さをそれぞれ50mm及び20mmとし、受け材本体9に各切欠き凹部11を100mmピッチで設けるとともに、その各切欠き凹部11の幅及び最大深さをそれぞれ50mm及び6mmとした。尚、上記釘N75及びSFN50の釘打ち部は、隣設する切欠き凹部11,11の間となるようにした。
【0038】
ここで、上記無機板17としての火山性ガラス質複合板の具体的な製造方法について説明する。先ず、50重量%のロックウール(鉱物質繊維)と、5重量%のパルプ(有機繊維)と、30重量%の水酸化アルミニウム(無機粉体)と、10重量%の粉末フェノール(結合剤)と、5重量%のデンプン(結合剤)とを清水中に投入し、攪拌して濃度2%の水性スラリーとし、これを長網式抄造機で抄造して、厚さ7mmの表裏層となる湿潤マットを作製する。
【0039】
一方、65重量%のシラス発泡体(無機発泡体)と、5重量%のパルプ(有機繊維)と、5重量%の熱融着繊維(有機繊維)と、10重量%のアクリル樹脂(結合剤)と、5重量%のデンプン(結合剤)と、10重量%の水酸化アルミニウム(無機粉体)とを、これら固形分が100に対して30の割合となる水の噴霧化で混合して中間層用混合物を作製する。
【0040】
そして、上記湿潤マット(裏層)上に上記中間層用混合物を厚さが33mmとなるように均一に散布して堆積させ、その上に表層となる湿潤マットを配し、全体の厚さが47mmの積層体を作製する。次いで、この積層体を、温度200℃、圧力10kgf/cm2 の連続プレスで加圧して厚さが12mmの板状体とし、この板状体を温度が200℃のドライヤー内で30分間乾燥することにより、比重が約0.95の表裏層と比重が約0.5の中間層とを積層一体化し、このことで、全体の比重が約0.7である三層構造の火山性ガラス質複合板が得られる。
【0041】
また、比較のために、図10〜図12に示すように、上記各受け材8がないことを除けば上記実施例と同じである壁構造となるものを作成した(比較例)。すなわち、上記火山性ガラス質複合板を各受け材8を介することなく防水シート5のみを介在させた状態で直接的に各構造材1,2,3に釘着した。
【0042】
次に、上記実施例及び比較例の壁構造について、JIS規格A1414に規定されている「面内せん断試験B法」に準拠して試験を行った(試験体サイズ幅1820×高さ2730)。
【0043】
この試験の結果、比較例の壁構造の壁倍率が3.45であったのに対し、実施例では3.0であった。すなわち、受け材を使用しても、比較例の壁構造と殆ど同じ壁倍率が得られ、従来の認定基準である0.5を大きく上回っている。これは、構造材、受け材及び無機板が一体化された状態にあるからであり、通気壁構造であっても、高壁倍率の壁構造が得られることが判る。
【0044】
次に、上記実施例の壁構造における火山性ガラス質複合板の表面に、ミラクシーラーES(エスケー化研(株)製)を塗装後、リシンガンにてソフトリシンを塗装した。そして、その外観を観察したところ、塗膜切れ等の外観欠陥は認められなかった。このことで、無機板への直接塗装が可能であることが判る。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、構造材の外面側に、通気性防水シートを介在させて受け材が釘着され、かつ該受け材の外面側に複数の無機板が釘着されてなり、少なくとも構造材の横架材に釘着された受け材が、幅方向に対向する両側面間に亘り通気部を有する通気壁構造に対して、上記受け材を、上記柱、間柱及び横架材のそれぞれに200mm以下の釘間隔で釘着し、上記柱に釘着された受け材の長手方向を、当該柱の長手方向と一致させ、上記間柱に釘着された受け材の長手方向を、当該間柱の長手方向と一致させ、上記横架材に釘着された受け材の長手方向を、当該横架材の長手方向と一致させ、上記各無機板を、端面を隣設する無機板の端面と突き合わせた状態で該無機板の周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着したことにより、壁全体の施工性の向上化を図ることができるとともに、高壁倍率の通気壁構造とすることができる。
【0046】
請求項2の発明によると、無機板の比重を0.6〜0.9としかつ曲げ強度を150kgf/cm2 以上としたことにより、運搬性や釘打ち性等の施工性が良好な耐力面材が得られる。
【0047】
請求項3の発明によると、無機板を、比重が0.9以上でありかつ鉱物質繊維及び有機質結合材からなる表裏層を有する三層構造材としたことにより、無機板の釘打ち性を維持しつつ、釘保持力を向上させることができ、耐力面材として最適な無機板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る通気壁構造を示す正面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図1のIII −III 線断面図である。
【図4】 受け材を構造材に釘着した状態を示す斜視図である。
【図5】 図4のV−V線断面図である。
【図6】 受け材を示す斜視図である。
【図7】 実施形態2に係る受け材を示す平面図である。
【図8】 実施形態2に係る受け材を示す側面図である。
【図9】 実施形態3に係る受け材を示す斜視図である。
【図10】 比較例の壁構造を示す図1相当図である。
【図11】 図10のXI−XI線断面図である。
【図12】 図10のXII −XII 線断面図である。
【符号の説明】
1 柱(構造材)
2 間柱(構造材)
3 横架材(構造材)
5 通気性防水シート
8 受け材
11 切欠き凹部(通気部)
12 通気用孔(通気部)
17 無機板
Claims (3)
- 建築物の柱、間柱及び横架材からなる構造材の外面側に、該外面側に貼られた通気性防水シートを介在させて受け材が釘着され、かつ該受け材の外面側に複数の無機板が釘着されてなり、少なくとも上記横架材に釘着された受け材が、上記構造材及び無機板の対向方向と直角の幅方向に対向する両側面間に亘り通気部を有する通気壁構造であって、
上記受け材は、上記柱、間柱及び横架材のそれぞれに200mm以下の釘間隔で釘着され、
上記柱に釘着された受け材の長手方向が、当該柱の長手方向と一致し、上記間柱に釘着された受け材の長手方向が、当該間柱の長手方向と一致し、上記横架材に釘着された受け材の長手方向が、当該横架材の長手方向と一致しており、
上記各無機板は、端面を隣設する無機板の端面と突き合わせた状態で該無機板の周囲端部近傍において150mm以下の釘間隔で釘着されていることを特徴とする通気壁構造。 - 無機板の比重が0.6〜0.9でありかつ曲げ強度が150kgf/cm2 以上であることを特徴とする請求項1記載の通気壁構造。
- 無機板は、比重が0.9以上でありかつ鉱物質繊維及び有機質結合材からなる表裏層を有する三層構造材であることを特徴とする請求項2記載の通気壁構造。
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