JP3852937B2 - 運送パレット用支柱、運送パレット用基材、運送パレット及び運送パレット用支柱の製造方法 - Google Patents

運送パレット用支柱、運送パレット用基材、運送パレット及び運送パレット用支柱の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属製の運送パレットを製作する際に部品として使用される運送パレット用支柱、その運送パレット用支柱等を使用して製作される運送パレット用基材、その運送パレット用基材等を使用して製作される運送パレット、及び、運送パレット用支柱の製造方法に関する。
従来、各種積載物を積載して運搬及び保管の用に供するため、各種矩形平板状の運送パレットが使用される。また、この運送パレットのうち、耐火性、耐久性等が要求される場合には、素材としてスチール等の金属を使用した運送パレットが使用される。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特開平9−124038号公報
特許文献1には、フォークリフト用スチールパレットを開示している。このスチールパレットは、溝と山とが交互に繰り返すよう金属性薄板材を折曲して、両端に山が来る矩形パルス状の天板を形成すると共に、金属性薄板材を折曲して略角柱状の支柱を形成する。そして、天板の折曲方向と直角に支柱を配置した際、前記各溝の外周が挿入されると共に、各山の裏面が支柱の平面部と当接するように、多数の切欠き或いは挿入溝を、前記支柱の上面或いは上下面に穿設する。更に、各山と支柱の平面部とをスポット溶接で少なくとも固定している。
このように、特許文献1に係る技術は、複数の金属製部品を組み合わせ、または、結合して、全体として略矩形平板状となる運送パレットを形成している。
特許文献1に記載の技術は、上下一対の天板と、複数の支柱とを使用する。ここで、各天板は、大面積の金属製薄板材を矩形パルス状に折曲して、パレット全体の外形に対応する寸法の矩形状に形成される。よって、金属性薄板材として大面積のものが必要となり、全体の材料費が高騰する。
そこで、本発明は、使用する材料を削減して製造コストを低減することができ、かつ、運送パレットを構成したときに運送パレットに対してフォークリフトのフォークの抜き差しを容易に行えるようにした運送パレット用支柱の提供を課題とする。
請求項1に係る運送パレット用支柱は、上下で対をなす板材間に介装して配置及び固定され、前記上下で対をなす板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して荷重を支持する。請求項1に係る運送パレット用支柱は、上下方向に略垂直に延びる後壁と、前記後壁の左右両端側から前記後壁と略直交してそれぞれ前方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の少なくとも一方の前端側から内側斜め前方に向かって傾斜するよう延びる斜板部とを備える。
請求項2に係る運送パレット用支柱は、上下で対をなす板材間に介装して配置及び固定され、前記上下で対をなす板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して荷重を支持する。請求項2に係る運送パレット用支柱は、上下方向に略垂直に延びる略矩形板状の後壁と、前記後壁の左右両端側から前記後壁と略直交してそれぞれ前方に延びる左右一対の略矩形板状の側壁と、前記左右一対の側壁の前端側からそれぞれ内側斜め前方に向かって傾斜するよう延びる左右一対の略矩形板状の斜板部とを備える。
請求項3に係る運送パレット用支柱は、請求項2の構成において、前記各板材として、少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に、前記溝部間に突起状の山部を有する略帯板状の板材を使用し、前記側壁に対応する部分を、その上下両端部が前記板材の溝部に嵌合自在な形状及び寸法とし、前記側壁に対応する部分以外の前記後壁及び前記斜板部を、その上下両端が前記板材の山部に当接自在な形状及び寸法とした。
請求項4に係る運送パレット用支柱は、請求項2の構成において、前記各板材として、少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に、前記溝部間に突起状の山部を有する略帯板状の板材を使用し、前記各斜板部を、前記側壁と略同一高さ位置に略同一高さ寸法となるよう設けた前側嵌合部と、前記後壁と略同一高さ位置に略同一高さ寸法となるよう設けた前壁とより構成し、前記側壁の上下両端を前記後壁及び前記前壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出させ、前記両側壁と前記後壁の左右両端との間に、前記後壁の左右両端縁に沿ってそれぞれ上下方向に略垂直に延びると共に、前記側壁と同一高さ位置で同一高さ寸法を有する左右一対の後側嵌合部を設け、前記前側嵌合部が、前記両側壁と前記両前壁との間で、それぞれ、前記両側壁の端縁に沿って上下方向に略垂直に延びると共に、前記前壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出するようにし、前記後側嵌合部が、前記後壁の左右両端と前記両側壁との間で、それぞれ、前記後壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出するようにし、前記板材の溝部に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部をそれぞれ嵌合すると共に、前記板材の山部に前記後壁の上下両端及び前記前壁の上下両端を当接させて、前記上下で対をなす板材間に配置及び固定される。
請求項5に係る運送パレット用支柱は、少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に前記溝部間に突起状の山部を有する上下一対の略帯板状の板材間に介装して配置及び固定され、前記上下一対の板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して荷重を支持する。請求項5に係る運送パレット用支柱は、上下方向に略垂直に延びる略矩形板状の後壁と、前記後壁の左右両端縁に沿ってそれぞれ上下方向に略垂直に延びると共に、前記後壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出する柱状をなし、かつ、前記後壁の左右両端から略直交してそれぞれ後方に突出する断面略チャンネル状をなす左右一対の後側嵌合部と、前記左右一対の後側嵌合部の左右両端縁から前記後壁と略直交するようそれぞれ前方に延びると共に、前記後側嵌合部と同一高さの略矩形板状をなす左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の前端縁からそれぞれ内方に向かって傾斜するよう前方に延びる左右一対の斜板部とを備え、前記斜板部の前記側壁に連続する部分である後端部を、前記側壁と同一高さの略矩形板状をなす前側嵌合部とし、前記斜板部の前記前側嵌合部に連続する部分を、前記後壁と同一高さの略矩形板状をなす前壁とし、前記板材の溝部に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部をそれぞれ嵌合すると共に、前記板材の山部に前記後壁の上下両端及び前記前壁の上下両端を当接させて、前記上下で対をなす板材間に配置及び固定される。
請求項6に係る運送パレット用支柱は、請求項4または5の構成において、更に、前記後壁の上下両端から略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の山部に当接して固着自在な後側固着部と、前記前壁の上下両端から略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の山部に当接して固着自在な前側固着部とを備える。
請求項7に係る運送パレット用支柱は、請求項4または5の構成において、前記各板材が、幅方向両端側と幅方向中央とにそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に前記3つの溝部間に突起状の2つの山部を有するものであり、更に、前記後壁の上下両端からそれぞれ上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出する略矩形板状をなし、前記板材の幅方向中央の溝部に嵌合自在な中央嵌合部と、前記中央嵌合部の左右両側において前記後壁の上下両端と略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の一対の山部にそれぞれ当接して固着自在な一対の後側固着部と、前記前壁の上下両端から略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の一対の山部にそれぞれ当接して固着自在な一対の前側固着部とを備える。
請求項8に係る運送パレット用支柱は、請求項4乃至7のいずれかの構成において、更に、前記後壁及び前記前壁に、それぞれ、上下方向に垂直に延びる長溝状の補強用凹部を一体形成した。
請求項9に係る運送パレット用支柱は、請求項4乃至8のいずれかの構成において、更に、前記後壁と後側固着部との境界部分及び前記前壁と前記前側固着部との境界部分に、それぞれ、略四面体状の補強用小凹部を一体形成した。
請求項10に係る運送パレット用基材は、上下に対向配置した対をなす2枚の前記板材の間に、請求項1乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を複数配置して固定することにより、前記対をなす板材を互いに連結して略長尺ブロック状に形成してなる。
請求項11に係る運送パレットは、請求項10記載の運送パレット用基材を等間隔で複数本同一平面上に配置すると共に、前記複数の運送パレット用基材を直交して横断するよう、前記運送パレット用基材の上側の板材の上面に、複数の前記板材を固定してなる。
請求項12に係る運送パレット用支柱の製造方法は、請求項6乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を展開した状態の幅と同一の一定幅の帯鋼状をなす金属シート材料を、その長さ方向に、前記運送パレット用支柱の最大高さ寸法に対応する一定の供給間隔で間歇的に供給して、プレス加工及び/または打ち抜き加工により請求項6乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を製造する。請求項12に係る運送パレット用支柱は、前記金属シート材料において前記前側固着部及び前記後側固着部に対応する位置を打ち抜き加工して、前記前側固着部及び前記後側固着部となるべき部分を形成する固着部予備形成工程と、前記金属シート材料において前記後壁に対応する位置をプレス加工して前記後壁を形成する後壁形成工程と、前記金属シート材料において前記前側固着部及び前記後側固着部となるべき部分をプレス加工して、前記前側固着部及び前記後側固着部を折曲形成する固着部形成工程と、前記金属シート材料において前記斜板部に対応する位置をプレス加工して前記斜板部を折曲形成する斜板部形成工程と、前記金属シート材料において前記後側嵌合部に対応する位置をプレス加工して前記後側嵌合部及び前記側壁を折曲形成する後壁嵌合部・側壁形成工程と、前記金属シート材料において前記後側固着部に対応する部分を切断して、前記運送パレット用支柱を得る切断工程とを備える。
請求項13に係る運送パレット用支柱の製造方法は、請求項12の構成において、前記金属シート材料の前記供給間隔に対応する位置に、前記金属シート材料の供給時における位置決め用の小孔をそれぞれ穿設し、前記小孔により前記金属シート材料の前記供給間隔の位置決めを行い、前記各工程を行う。
請求項1に係る運送パレット用支柱は、斜板部を設けたことにより、全体を単なる四角柱状とする場合と比較して、使用する材料を削減して製造コストを低減することができ、かつ、斜板部の存在により、運送パレットを構成したときに運送パレットに対してフォークリフトのフォークの抜き差しを容易に行える。
請求項2に係る運送パレット用支柱は、斜板部を設けて全体を略五角形柱状とすることにより、全体を単なる四角柱状とする場合と比較して、使用する材料を削減して製造コストを低減することができ、かつ、斜板部の存在により、運送パレットを構成したときに運送パレットに対してフォークリフトのフォークの抜き差しを容易に行える。
請求項3に係る運送パレット用支柱は、請求項2の効果に加え、側壁に対応する部分の上下両端部を板材の溝部に嵌合して位置決めすると共に、側壁に対応する部分の上下両端部により板材からの荷重を支持することができる。また、前記側壁に対応する部分以外の前記後壁及び前記斜板部の上下両端を前記板材の山部に当接させることにより、それらの部分により板材からの荷重を支持することができる。
請求項4に係る運送パレット用支柱は、板材の溝部に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部をそれぞれ嵌合して位置決めすると共に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部により、板材からの荷重を支持することができる。また、前記後壁の上下両端及び前記前壁の上下両端を前記板材の山部に当接させることにより、それらの部分により板材からの荷重を支持することができる。
請求項5に係る運送パレット用支柱は、斜板部を設けて全体を略五角形柱状とすることにより、全体を単なる四角柱状とする場合と比較して、使用する材料を削減して製造コストを低減することができ、かつ、斜板部の存在により、運送パレットを構成したときに運送パレットに対してフォークリフトのフォークの抜き差しを容易に行える。更に、板材の溝部に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部をそれぞれ嵌合して位置決めすると共に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部により、板材からの荷重を支持することができる。また、前記後壁の上下両端及び前記前壁の上下両端を前記板材の山部に当接させることにより、それらの部分により板材からの荷重を支持することができる。
請求項6に係る運送パレット用支柱は、請求項4または5の効果に加え、後側固着部を板材の山部に当接して固着すると共に、前側固着部を板材の山部に当接して固着することができ、上下一対の板材間に安定して確実に固定することができる。
請求項7に係る運送パレット用支柱は、請求項4または5の効果に加え、後側固着部を板材の山部に当接して固着すると共に、前側固着部を板材の山部に当接して固着することができ、上下一対の板材間に安定して確実に固定することができる。更に、中央嵌合部を板材の中央の溝部に嵌合して位置決め及び荷重支持に利用することができる。
請求項8に係る運送パレット用支柱は、請求項4乃至7のいずれかの効果に加え、補強用凹部により、後壁及び前壁の強度を増大することができる。
請求項9に係る運送パレット用支柱は、請求項4乃至8のいずれかの効果に加え、補強用小凹部により、前記後壁と後側固着部との境界部分及び前記前壁と前記前側固着部との境界部分の強度を、それぞれ増大することができる。
請求項10に係る運送パレット用基材は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を利用するため、製造コスト低減、フォークリフトのフォークの挿入作業の容易化等、上記のような各種の効果を結果的に有する運送パレット用基材となる。
請求項11に係る運送パレットは、請求項10記載の運送パレット用基材を利用するため、製造コスト低減、フォークリフトのフォークの挿入作業の容易化等、上記のような各種の効果を結果的に有する運送パレットとなる。
請求項12に係る運送パレット用支柱の製造方法は、請求項6乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を、一連の加工工程により安定して効率よく製造することができる。
請求項13に係る運送パレット用支柱の製造方法は、請求項12の効果に加え、一連の加工工程における金属シート材料の位置決め及び搬送停止を正確かつ確実に行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す正面図である。図3は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す背面図である。図4は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す側面図である。図5は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す平面図である。図6は図1をA−A線で切断して示す端面図である。図7は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を板材に装着した状態を示す斜視図である。
実施の形態1に係る運送パレット用支柱は、上下で対をなす略帯板状の板材間に介装して配置及び固定され、前記上下で対をなす板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して、金属板、ガラス板等の積載物の荷重を支持するものである。図1及び図6に示すように、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、全体として、帯板状(帯鋼状)をなす亜鉛めっき鋼板等の金属製の薄板材をプレス加工や打ち抜き加工等により屈曲、折曲、打ち抜き加工等することにより、背面側の後半部分を断面略チャンネル状(略逆U字状)とすると共に、正面側の前半部分を断面略逆ハ字状とし、正面(前端)中央部分に上下方向に延びる幅狭の開口を有する断面略五角形状の筒状としている。詳細には、まず、各板材50は、図7に示すように、幅方向両端側と幅方向中央とにそれぞれ長さ方向に延びる溝部51,52,53を有する。また、各板材50は、前記3つの溝部51,52,53間に突起状の2つの山部54,55を有する。即ち、板材50は、帯板状(帯鋼状)をなす亜鉛めっき鋼板等の金属製の薄板材をプレス加工やフォーミング加工等により折曲または屈曲加工することにより、幅方向に凹凸を繰り返す長尺板状(略帯板状)とされている。なお、本発明において、板材は、少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に、前記溝部間に突起状の山部を有する略帯板状のものであればよい。一方、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、上下方向に略垂直に延びる略矩形板状の後壁10と、後壁10の左右両端側から後壁10と略直交してそれぞれ前方に延びる左右一対の略矩形板状の側壁20と、左右一対の側壁20の前端側からそれぞれ内側斜め前方に向かって傾斜するよう延びる左右一対の斜板部30とを備えている。
運送パレット用支柱1は、更に、後壁10の左右中央部に中央嵌合部11を一体形成している。中央嵌合部11は、後壁10の上下両端から、それぞれ、上方及び下方に前記板材50の溝部51,52,53の深さと略同一高さ突出する略矩形板状をなしている。各中央嵌合部11は、板材50の幅方向中央の溝部52の断面形状に対応する(または略同一の)小さく略矩形板状をなし、板材50の幅方向中央の溝部52に嵌合して、その上端を溝部52の底面に当接自在となっている。これにより、中央嵌合部11が、板材50からの荷重を支持できるようになっている。なお、中央嵌合部11は、板材50の幅方向中央の溝部52に嵌合して、その上端を溝部52の底面に当接自在とし、板材50からの荷重を支持できる限りにおいて、上記矩形板状以外の任意の形状とすることができる。また、後壁10の上下両端において、中央嵌合部11の左右両側には、左右一対の後側固着部12が一体形成されている。各後側固着部12は、後壁10の上端または下端と略直交して後方に延びる略矩形平板状をなしている。各後側固着部12は、前記中央部嵌合部11と略同一の長さを有している。ここで、中央嵌合部11は、後壁10の上端または下端から、前記側壁20と同一高さ位置まで上方または下方に垂直に延びている。一方、後側固着部12は、中央嵌合部11の高さ寸法と同一の長さで、後壁10の上端または下端から後方へと直交して延びている。前記左右一対の後側固着部12は、運送パレット用支柱1の後側(後壁10部分)で、それぞれ、前記板材50の一対の山部54,55に当接または密接して、スポット溶接等により山部54,55に固着自在となっている。なお、後側固着部12は、板材50の山部54,55に当接または密接して、スポット溶接等により山部54,55に固着自在とする限りにおいて、上記矩形板状以外の任意の形状とすることができる。また、後側固着部12は、板材50の山部54,55の長さ方向に沿って延びるよう、後壁10から後方に突出させることが好ましいが、若干異なる方向に突出させることもできる。更に、後側固着部12の長さは、中央嵌合部11の高さと相違させてもよい。即ち、後側固着部12の長さは、後側嵌合部15の上端と後壁10上端との間の間隔と相違させてもよい。しかし、運送パレット用支柱1の製造工程に鑑みて、中央嵌合部11と後側固着部12とを同一長さとすることが好ましい。一方、後側固着部12の幅は、板材50の山部54,55の幅と略同一とすることが、固着強度等の点で好ましいが、板材50の山部54,55の幅より若干大きくしたり小さくしたりすることも可能である。
後壁10と一対の後側固着部12との境界部分の左右略中央には、それぞれ、略四面体状または略V溝状の補強用小凹部13が一体形成されている。また、後壁10には、上下で対をなす後側固着部12間に、上下方向に垂直に延びる長溝状の補強用凹部14が一体形成されている。補強用凹部14は、後壁10の裏面(内面)側に若干突出している。なお、補強用小凹部13は、後壁10と後側固着部12との境界部分の強度(曲げ強度等)を増大するためのものであり、運送パレット用支柱1の材質等、必要に応じて設ければよく、省略することも可能である。同様に、補強用凹部14は、後壁10の強度(特に鉛直荷重に対する強度)を増大するためのものであり、運送パレット用支柱1の材質等、必要に応じて設ければよく、省略することも可能である。
実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、更に、左右一対の後側嵌合部15を有する。左右一対の後側嵌合部15は、後壁10の左右両端縁に沿ってそれぞれ上下方向に略垂直に延びると共に、後壁10の上下両端から上方及び下方に前記板材50の溝部51,52,53の深さと略同一高さ突出する柱状をなしている。また、左右一対の後側嵌合部15は、後壁10の左右両端から略直交してそれぞれ後方に突出する断面略チャンネル状(略コ字状)をなしている。なお、後側嵌合部15は、その上下両端部を板材50の溝部51,53に嵌合して、その上端を板材50の溝部51,53の底面に当接し、板材50からの荷重を支持自在とする限りにおいて、断面略チャンネル状(略コ字状)以外の任意の断面形状(例えば略U字状)とすることができる。
ここで、運送パレット用支柱1は、前記側壁20に対応する部分を、その上下両端部が板材50の幅方向両側の溝部51,53に嵌合自在な形状及び寸法としている。また、運送パレット用支柱1は、側壁20に対応する部分以外の前記後壁10及び前記斜板部30を、その上下両端が板材50の山部54,55に当接自在な形状及び寸法としている。詳細には、側壁20は、左右一対の後側嵌合部15の左右両端縁から後壁10と略直交するようそれぞれ前方に延びると共に、後側嵌合部15と同一高さの略矩形板状をなす。また、左右一対の斜板部30は、左右一対の側壁20の前端縁からそれぞれ内方に向かって所定角度(同一角度)で傾斜するよう前方に延びている。一対の斜板部30は、左右対称に配置される。各斜板部30は、前側嵌合部31と前壁32とを有している。前側嵌合部31は、側壁20と略同一高さ位置に略同一高さ寸法となるよう設けた上下方向に垂直に延びる帯板状(長板状)をなしている。即ち、前側嵌合部31は、側壁20の前端に連続して、前記傾斜角度で内方に傾斜して延びるよう、側壁20に一体形成されている。また、前壁32は、後壁10と略同一高さ位置に略同一高さ寸法となるよう設けた上下方向に延びる(前記前側嵌合部31より幅広の)帯板状をなしている。即ち、前壁32は、前側嵌合部31の前端に連続して同一方向に延びている。換言すれば、斜板部30の前記側壁20に連続する部分である後端部が、側壁20と同一高さの略矩形板状をなす前側嵌合部31とされ、斜板部30の前記前側嵌合部31に連続する部分が、後壁10と同一高さの略矩形板状をなす前壁32とされている。なお、一対の斜板部30では、それぞれ、例えば、後端側の約3分の1の幅の部分が、前側嵌合部31(所定高さの縦長長方形板状部分)として設けられ、前端側の約3分の2の幅の部分が、前記前側嵌合部31の上下両端より各々所定高さだけ短くなるよう切欠いた縦長長方形板状をなす前壁32として設けられる。
運送パレット用支柱1は、更に、各前壁32の上下両端に、それぞれ、前側固着部33を一体形成している。前側固着部33は、前壁32の上端または下端と略直交して前方(斜め前方を含む)へと延びる略台形平板状をなしている。各前側固着部33は、前記中央嵌合部11の高さ寸法または前記後側固着部12の長さと同一の長さで、前壁32の上端または下端から斜め前方へと略直交して延びている。前記左右一対の前側固着部33は、運送パレット用支柱1の前側(前壁32部分)で、それぞれ、前記板材50の一対の山部54,55に当接または密接して、スポット溶接等により山部54,55に固着自在となっている。なお、前側固着部33は、板材50の山部54,55に当接または密接して、スポット溶接等により山部54,55に固着自在とする限りにおいて、上記台形板状以外の任意の形状とすることができる。また、前側固着部33は、板材50の山部54,55の長さ方向に沿って延びるよう、前壁32から前方に突出させることが好ましいが、若干異なる方向に突出させることもできる。更に、前側固着部33の長さは、中央嵌合部11または後側固着部12の長さと相違させてもよい。即ち、前側固着部33の長さは、前側嵌合部31の上端と前壁32上端との間の間隔と相違させてもよい。しかし、前側固着部33の長さは、運送パレット用支柱1の製造工程に鑑みて、中央嵌合部11及び後側固着部12と同一長さとすることが好ましい。一方、前側固着部33の幅は、板材50の山部54,55の幅と略同一とすることが、固着強度等の点で好ましいが、板材50の山部54,55の幅より若干大きくしたり小さくしたりすることも可能である。
前記前壁32と前記前側固着部33との境界部分の左右略中央には、それぞれ、略四面体状または略V溝状の補強用小凹部34が一体形成されている。また、前壁32には、上下で対をなす前側固着部33間に、上下方向に垂直に延びる長溝状の補強用凹部35が一体形成されている。補強用凹部35は、前壁33の裏面(内面)側に若干突出している。なお、補強用小凹部34は、前壁32と前側固着部33との境界部分の強度(曲げ強度等)を増大するためのものであり、運送パレット用支柱1の材質等、必要に応じて設ければよく、省略することも可能である。同様に、補強用凹部35は、前壁32の強度(特に鉛直荷重に対する強度)を増大するためのものであり、運送パレット用支柱1の材質等、必要に応じて設ければよく、省略することも可能である。ここで、左右一対の斜板部30の前端間、または、左右一対の前壁32の前端間には、上下方向に垂直に延びる幅狭の開口40が形成されている。
上記のように、側壁20の上下両端は、後壁10及び前壁32の上下両端から上方及び下方に前記板材50の溝部51,52,53の深さと略同一高さ突出している。更に、左右一対の後側嵌合部15は、両側壁20と後壁10の左右両端との間において、後壁10の左右両端縁に沿ってそれぞれ上下方向に略垂直に延びると共に、側壁20と同一高さ位置で同一高さ寸法を有する柱状をなし、かつ、後壁10の左右両端から略直交してそれぞれ後方に突出する断面略チャンネル状をなしている。また、後側嵌合部15は、後壁10の左右両端と両側壁20との間で、それぞれ、後壁10の上下両端から上方及び下方に前記板材50の溝部51,52,53の深さと略同一高さ突出している。更に、前側嵌合部31は、両側壁20と両前壁32との間で、それぞれ、両側壁20の端縁に沿って上下方向に略垂直に延びると共に、前壁32の上下両端から上方及び下方に前記板材50の溝部51,52,53の深さと略同一高さ突出している。これにより、実施の形態1の運送パレット用支柱1は、前記板材50の幅方向両側の溝部51,52に、左右一対の後側嵌合部12、左右一対の側壁20の上下両端及び左右一対の前側嵌合部31をそれぞれ嵌合すると共に、前記板材50の山部54,55に、後壁10の上下両端に設けた後側固着部12及び前壁32の上下両端に設けた前側固着部33を当接させて、前記上下で対をなす板材50間に配置及び固定されるようになっている。ここで、前記後側嵌合部15、側壁20及び前側嵌合部31は、その上下両端部(後壁10または前壁32の上下両端から突出する部分)が、運送パレット用支柱1の左右で、板材50の溝部51,53内に嵌合される。また、前記後側固着部12及び前側固着部33は、運送パレット用支柱1の左右で、板材50の山部54,55に沿って一直線状に配置され、山部54,55に当接し、スポット溶接等により固着される。
作用及び効果
上記のように構成した実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、斜板部30を設けて全体を略五角形柱状とすることにより、全体を単なる四角柱状とする場合と比較して、使用する材料を削減して製造コストを低減することができ、かつ、斜板部30の存在により、運送パレット70を構成したときに運送パレット70に対してフォークリフトのフォークの抜き差しを容易に行える。また、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、側壁20に対応する部分の上下両端部を板材50の溝部51,53に嵌合して位置決めすると共に、側壁20に対応する部分の上下両端部により板材50からの荷重を支持することができる。更に、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、側壁20に対応する部分以外の後壁10及び斜板部30の上下両端を板材50の山部54,55に当接させることにより、それらの部分により板材50からの荷重を支持することができる。詳細には、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、板材50の溝部51,53に、後側嵌合部15、側壁20の上下両端及び前側嵌合部33をそれぞれ嵌合して位置決めすると共に、後側嵌合部15、側壁20の上下両端及び前側嵌合部33により、板材50からの荷重を支持することができる。また、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、後壁10の上下両端及び前壁32の上下両端を板材50の山部54,55に当接させることにより、それらの部分により板材50からの荷重を支持することができる。更に、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、後側固着部12を板材50の山部54,55に当接して固着すると共に、前側固着部33を板材50の山部54,55に当接して固着することができ、上下一対の板材50間に安定して確実に固定することができる。更に、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、中央嵌合部11を板材50の中央の溝部52に嵌合して位置決め及び荷重支持に利用することができる。また、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、補強用凹部14,35により、後壁10及び前壁32の強度を増大することができる。更に、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、補強用小凹部13,34により、後壁10と後側固着部12との境界部分及び前壁32と前側固着部33との境界部分の強度を、それぞれ増大することができる。
図8は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を使用した基材を使用して製作される運送パレットを示す斜視図である。
実施の形態1に係る運送パレット用支柱1は、運送パレット用基材の製造に使用される。即ち、図7に示すように、上下に対向配置した2枚(上下一対)の板材50の間に、複数の実施の形態1に係る運送パレット用支柱1を配置して、スポット溶接等で固定することにより、前記一対の板材50を互いに連結して略長尺ブロック状に形成し、運送パレット用基材60を製造することができる。詳細には、まず、板材50を水平面としての作業台上に載置し、所望数の運送パレット用支柱1を板材50の上面に所定間隔で配置する。このとき、各運送パレット用支柱1の左右一対の後側嵌合部15、左右一対の側壁20及び左右一対の前側嵌合部31のそれぞれの下端部を、板材50の左右の溝部51,53内に上方から嵌合する。すると、下側の後側固着部12及び前側固着部33の下面が、運送パレット用支柱1の左右で、板材50の山部54,55の長さ方向(図7中の板材50の長さ方向L)に沿って一直線状に位置決めして配置され、山部54,55の上面に当接する。その後、下側の後側固着部12及び前側固着部33を、板材50の山部54,55の上面にスポット溶接等により固着する。次に、下側の板材50の上面に固定した運送パレット用支柱1の上端側に、上側の板材50を載置する。このとき、各運送パレット用支柱1の左右一対の後側嵌合部15、左右一対の側壁20及び左右一対の前側嵌合部31のそれぞれの上端部を、上側の板材50の左右の溝部51,53内に下方から嵌合する。すると、上側の後側固着部12及び前側固着部33の上面が、運送パレット用支柱1の左右で、上側の板材50の山部54,55の長さ方向に沿って一直線状に位置決めして配置され、山部54,55の下面に当接する。その後、上側の後側固着部12及び前側固着部33を、板材50の山部54,55の下面にスポット溶接等により固着する。これにより、前記運送パレット用基材60が完成する。
上記において、例えば、図8に示すように、上下一対の板材50間には、合計4個の運送パレット用支柱1を配置する。このとき、図示しない治具や位置決め手段を使用して、運送パレット用支柱1を板材50の長さ方向Lに所定間隔で位置決めして配置する。また、前記スポット溶接等の固着手段を、前記位置決め手段により位置決めした運送パレット用支柱1の位置に配置するようにすると、前記スポット溶接等を効率よく行うことができる。更に、このとき、少なくとも、板材50の最も右側に配置される運送パレット用支柱1と、板材50の最も左側に配置される運送パレット用支柱1とは、その開口40(斜板部30側)を互いに対向するよう配置することが好ましい。こうすると、板材50の長さ方向両端において、運送パレット用支柱1の開口40が内方に配置され、製造した運送パレット用基材60の見栄えを向上することができる。特に、フォークリフトのフォークを運送パレット用基材60の運送パレット用支柱1間に斜め方向から挿入する際に、運送パレット用支柱1の斜板部30が運送パレット用基材60の内側に位置し、運送パレット用支柱1がフォークリフトのフォークと干渉する可能性を低減して、フォークの挿入作業を円滑に行うことができる。同様の理由から、板材50の右側に配置される2個の運送パレット用支柱1は、その開口40(斜板部30側)を互いに対向するよう配置することが好ましい。また、板材50の左側に配置される2個の運送パレット用支柱1は、その開口40(斜板部30側)を互いに対向するよう配置することが好ましい。
一方、運送パレットを製造するには、図8に示すように、上記のように形成した運送パレット用基材60を、所定の作業台や治具の上(水平面上)に一定間隔で複数本(例えば3本)互いに平行となるよう、図示しない位置決め手段等により位置決めして配置する。このとき、上下一対の板材50を上下に配置し、各運送パレット用支柱1が上下方向に延びるよう配置する。次に、前記複数の運送パレット用基材60を直交して横断するよう、運送パレット用基材60の上面(上側の板材50の上面)に、前記板材と同様の複数の板材50をスポット溶接等により固定する。例えば、運送パレット用基材60の上面に5本の板材50を一定間隔で配置する。このとき、図示しない治具や位置決め手段を使用して、板材50を運送パレット用基材60の長さ方向Lに一定間隔で位置決めして配置する。次に、各板材50を、運送パレット用基材60の上面(上側の板材50の上面)にスポット溶接等により固着する。このとき、前記スポット溶接等の固着手段を、前記位置決め手段により位置決めした板材50の位置に配置するようにすると、前記スポット溶接等を効率よく行うことができる。これにより、運送パレット70が製作される。
作用及び効果
実施の形態1に係る運送パレット用基材60は、実施の形態1の運送パレット用支柱1を利用するため、製造コスト低減、フォークリフトのフォークの挿入作業の容易化等、上記のような各種の効果を結果的に有する運送パレット用基材60となる。また、実施の形態1に係る運送パレット70は、実施の形態1の運送パレット用基材60を利用するため、製造コスト低減、フォークリフトのフォークの挿入作業の容易化等、上記のような各種の効果を結果的に有する運送パレット70となる。
製造方法
上記のように構成した実施の形態1に係る運送パレット用支柱1の製造方法の一例を説明する。
図9は実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法による一連の加工工程により金属シート材料を加工して得られる運送パレット用支柱の加工形状を連続的に示す平面図である。図10は実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法による第1工程から第4工程までの加工工程で得られる運送パレット用支柱の加工形状を示す平面図である。図11は実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法による第5工程から第8工程までの加工工程で得られる運送パレット用支柱の加工形状を示す平面図である。
図9〜11に示すように、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1の製造方法は、運送パレット用支柱1を展開した状態の幅と同一の一定幅の帯鋼状をなす金属シート材料Mを、その長さ方向に、前記運送パレット用支柱1の最大高さ寸法(後側嵌合部15、側壁20または前側嵌合部31の高さ)に対応する一定の供給間隔(図9中に一点鎖線で示す供給停止位置(搬送停止位置)S0〜S8間の各間隔)で間歇的に供給して、図示しないプレス金型をセットしたプレス加工装置を使用して、プレス加工及び/または打ち抜き加工等により運送パレット用支柱1を製造するものである。実施の形態1に係る運送パレット用支柱1の製造方法では、まず、補強用凹部形成工程で、金属シート材料Mを、搬送開始位置(原点位置)S0から第1の搬送位置S1まで搬送する。そして、プレス加工装置の上型及び下型間で金属シート材料Mをプレスする。即ち、前記金属シート材料Mにおいて運送パレット用支柱1の前記補強用凹部14,35に対応する位置をプレス加工して、金属シート材料Mに対して前記補強用凹部14,35を形成する。次に、第1の固着部予備形成工程で、金属シート材料Mを、第1の搬送位置S1から第2の搬送位置S2まで搬送する。そして、金属シート材料Mにおいて運送パレット用支柱1の上端側または下端側の一方の前記前側固着部12及び前記後側固着部33に対応する位置を所定形状102に打ち抜き加工して、金属シート材料Mに上下一方の側の前側固着部12及び後側固着部33となるべき部分を形成する。次に、第2の固着部予備形成工程で、金属シート材料Mを、第2の搬送位置S2から第3の搬送位置S3まで搬送する。そして、金属シート材料Mにおいて運送パレット用支柱1の上端側または下端側の他方の前記前側固着部12及び前記後側固着部33に対応する位置を所定形状102に打ち抜き加工して、金属シート材料Mに上下他方の側の前側固着部12及び後側固着部33となるべき部分を形成する。
次に、後壁形成工程で、金属シート材料Mを、第3の搬送位置S3から第4の搬送位置S4まで搬送する。そして、前記金属シート材料Mにおいて前記後壁10に対応する位置をプレス加工して前記後壁10を形成する。即ち、金属シート材料Mにおいて後壁10の左右両端に対応する位置を上方(垂直方向)に直角に折曲すると共に、前記左右の後側嵌合部の内側のコーナー部に対応する位置を左右方向(水平方向)に直角に折曲する。次に、固着部形成工程で、金属シート材料Mを、第4の搬送位置S4から第5の搬送位置S5まで搬送する。そして、金属シート材料Mにおいて前記前側固着部33及び前記後側固着部12となるべき部分をプレス加工して、前記前側固着部12及び前記後側固着部33を直角に折曲形成する。このとき、同時に、金属シート材料Mにおいて前記補強用小凹部13,34に対応する位置をプレス加工して、前記補強用小凹部13,34を形成する。次に、斜板部形成工程で、金属シート材料Mを、第5の搬送位置S5から第6の搬送位置S6まで搬送する。そして、前記金属シート材料Mにおいて前記斜板部30に対応する位置をプレス加工して所定角度折り曲げ、前記斜板部30を形成する。次に、後壁嵌合部・側壁形成工程で、金属シート材料Mを、第6の搬送位置S6から第7の搬送位置S7まで搬送する。そして、前記金属シート材料Mにおいて前記後側嵌合部15に対応する位置をプレス加工して前記後側嵌合部15及び前記側壁20を折曲形成する。即ち、金属シート材料Mにおいて後側嵌合部15の外側のコーナー部に対応する位置を下方(垂直方向)に直角に折曲する。次に、切断工程で、金属シート材料Mを、第7の搬送位置S7から第8の搬送位置S8まで搬送する。そして、前記金属シート材料Mにおいて前記一対の後側固着部間に位置する中央嵌合部11に対応する部分(図11中の符号Cにて示す二点鎖線部分)を切断して、前記運送パレット用支柱1を得る。
ここで、上記運送パレット用支柱の製造方法においては、前記金属シート材料Mの前記供給間隔に対応する位置に、金属シート材料Mの供給時における位置決め用の小孔101をそれぞれ穿設し、前記小孔101により金属シート材料Mの前記供給間隔の位置決めを行い、前記各工程を行うことが好ましい。
作用及び効果
実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法は、実施の形態1の運送パレット用支柱1を、一連の加工工程により安定して効率よく製造することができる。また、小孔101により、一連の加工工程における金属シート材料Mの位置決め及び搬送停止を正確かつ確実に行うことができる。
実施の形態2
図12は本発明の実施の形態2に係る運送パレット用支柱を示す斜視図である。
実施の形態2に係る運送パレット用支柱200は、後壁210の上下両端に一体形成する後側固着部212の構成において実施の形態1に係る運送パレット用支柱1と異なる。それ例外の構成は、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1と同様である。即ち、実施の形態2に係る運送パレット用支柱200は、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1の後壁10と同様の後壁210を有している。一方、後壁210の上下両端には、その略全体にわたって、それぞれ、1枚の幅広の矩形平板状をなす後側固着部212が、後方に略直交して延びるよう一体形成されている。よって、後壁210の上下両端には、実施の形態1のような中央嵌合部11は設けられていない。また、後壁210と後側固着部212との境界部分の左右両側には、それぞれ、略四面体状または略V溝状の補強用小凹部213が一体形成されている。
上記のように構成した実施の形態2に係る運送パレット用支柱200は、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1と同様の作用及び効果を発揮する。また、実施の形態2に係る運送パレット用支柱200は、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1と同様の製造方法により製造することができる。更に、実施の形態2に係る運送パレット用支柱200は、実施の形態1に係る運送パレット用支柱1と同様にして、運送パレット用基材60の部品として使用することができ、また、かかる運送パレット用基材60を使用した運送パレット70の部品として使用することができる。
ところで、本発明に係る運送パレット用支柱においては、前記後壁を矩形板状以外の任意の形状とすることも可能である。また、斜板部30は、側壁20に対して全体として傾斜していればよく、一部が別の傾斜角度で前方に延びるよう形成したり、一部が前方に傾斜することなく延びるよう形成したりすることもできる。更に、前側嵌合部31は、帯板状ではなく、後側嵌合部15と同様、断面略チャンネル状とすることもできる。また、本発明に係る運送パレット用支柱においては、後側固着部12,212を設けることなく、後壁10,210の上下両端縁を、板材50の山部54,55に当接する部分として使用することもできる。同様に、本発明に係る運送パレット用支柱においては、前側固着部33を設けることなく、前壁32の上下両端縁を、板材50の山部54,55に当接する部分として使用することもできる。また、本発明に係る運送パレット用支柱においては、後壁10,210、側壁20、前壁32は、矩形板状以外の形状とすることもできる。更に、斜板部30は、少なくとも、左右の側壁20のいずれか一方の側に設ければよい。また、本発明に係る運送パレットは、上記のように板材50を運送パレット用基材60の片面に一定間隔で間隙を置いて配置する以外に、互いに密接して隙間なく配置したものや、板材50を運送パレット用基材60の両面に一定間隔で間隙を置いて配置したり、互いに密接して隙間なく配置したりすることができる。また、本発明に係る運送パレット用支柱は、これら以外の運送パレットに使用することも無論可能である。
図1は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す斜視図である。 図2は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す正面図である。 図3は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す背面図である。 図4は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す側面図である。 図5は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を示す平面図である。 図6は図1をA−A線で切断して示す端面図である。 図7は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を板材に装着した状態を示す斜視図である。 図8は本発明の実施の形態1に係る運送パレット用支柱を使用した基材を使用して製作される運送パレットを示す斜視図である。 図9は実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法による一連の加工工程により金属シート材料を加工して得られる運送パレット用支柱の加工形状を連続的に示す平面図である。 図10は実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法による第1工程から第4工程までの加工工程で得られる運送パレット用支柱の加工形状を示す平面図である。 図11は実施の形態1に係る運送パレット用支柱の製造方法による第5工程から第8工程までの加工工程で得られる運送パレット用支柱の加工形状を示す平面図である。 図12は本発明の実施の形態2に係る運送パレット用支柱を示す斜視図である。
符号の説明
1 運送パレット用支柱、10 後壁、11 中央嵌合部、12 後側固着部
13 補強小凹部、14 補強凹部、15 後側嵌合部、20 側壁
30 斜板部、31 前側嵌合部、32 前壁、33 前側固着部、34 補強小凹部
35 補強凹部、60 運送パレット用基材、70 運送パレット
200 運送パレット用支柱、210 後壁、212 後側固着部

Claims (13)

  1. 上下で対をなす板材間に介装して配置及び固定され、前記上下で対をなす板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して荷重を支持する運送パレット用支柱であって、
    上下方向に略垂直に延びる後壁と、
    前記後壁の左右両端側から前記後壁と略直交してそれぞれ前方に延びる左右一対の側壁と、
    前記左右一対の側壁の少なくとも一方の前端側から内側斜め前方に向かって傾斜するよう延びる斜板部と
    を備えることを特徴とする運送パレット用支柱。
  2. 上下で対をなす板材間に介装して配置及び固定され、前記上下で対をなす板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して荷重を支持する運送パレット用支柱であって、
    上下方向に略垂直に延びる略矩形板状の後壁と、
    前記後壁の左右両端側から前記後壁と略直交してそれぞれ前方に延びる左右一対の略矩形板状の側壁と、
    前記左右一対の側壁の前端側からそれぞれ内側斜め前方に向かって傾斜するよう延びる左右一対の略矩形板状の斜板部と
    を備えることを特徴とする運送パレット用支柱。
  3. 前記各板材として、少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に、前記溝部間に突起状の山部を有する略帯板状の板材を使用し、
    前記側壁に対応する部分を、その上下両端部が前記板材の溝部に嵌合自在な形状及び寸法とし、
    前記側壁に対応する部分以外の前記後壁及び前記斜板部を、その上下両端が前記板材の山部に当接自在な形状及び寸法としたことを特徴とする請求項2記載の運送パレット用支柱。
  4. 前記各板材として、少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に、前記溝部間に突起状の山部を有する略帯板状の板材を使用し、
    前記各斜板部を、前記側壁と略同一高さ位置に略同一高さ寸法となるよう設けた前側嵌合部と、前記後壁と略同一高さ位置に略同一高さ寸法となるよう設けた前壁とより構成し、
    前記側壁の上下両端を前記後壁及び前記前壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出させ、
    前記両側壁と前記後壁の左右両端との間に、前記後壁の左右両端縁に沿ってそれぞれ上下方向に略垂直に延びると共に、前記側壁と同一高さ位置で同一高さ寸法を有する左右一対の後側嵌合部を設け、
    前記前側嵌合部が、前記両側壁と前記両前壁との間で、それぞれ、前記両側壁の端縁に沿って上下方向に略垂直に延びると共に、前記前壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出するようにし、
    前記後側嵌合部が、前記後壁の左右両端と前記両側壁との間で、それぞれ、前記後壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出するようにし、
    前記板材の溝部に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部をそれぞれ嵌合すると共に、前記板材の山部に前記後壁の上下両端及び前記前壁の上下両端を当接させて、前記上下で対をなす板材間に配置及び固定されることを特徴とする請求項2記載の運送パレット用支柱。
  5. 少なくとも幅方向両端側にそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に前記溝部間に突起状の山部を有する上下一対の略帯板状の板材間に介装して配置及び固定され、前記上下一対の板材を互いに連結すると共に、前記板材を介して荷重を支持する運送パレット用支柱であって、
    上下方向に略垂直に延びる略矩形板状の後壁と、
    前記後壁の左右両端縁に沿ってそれぞれ上下方向に略垂直に延びると共に、前記後壁の上下両端から上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出する柱状をなし、かつ、前記後壁の左右両端から略直交してそれぞれ後方に突出する断面略チャンネル状をなす左右一対の後側嵌合部と、
    前記左右一対の後側嵌合部の左右両端縁から前記後壁と略直交するようそれぞれ前方に延びると共に、前記後側嵌合部と同一高さの略矩形板状をなす左右一対の側壁と、
    前記左右一対の側壁の前端縁からそれぞれ内方に向かって傾斜するよう前方に延びる左右一対の斜板部とを備え、
    前記斜板部の前記側壁に連続する部分である後端部を、前記側壁と同一高さの略矩形板状をなす前側嵌合部とし、前記斜板部の前記前側嵌合部に連続する部分を、前記後壁と同一高さの略矩形板状をなす前壁とし、
    前記板材の溝部に、前記後側嵌合部、前記側壁の上下両端及び前記前側嵌合部をそれぞれ嵌合すると共に、前記板材の山部に前記後壁の上下両端及び前記前壁の上下両端を当接させて、前記上下で対をなす板材間に配置及び固定されることを特徴とする運送パレット用支柱。
  6. 更に、前記後壁の上下両端から略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の山部に当接して固着自在な後側固着部と、
    前記前壁の上下両端から略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の山部に当接して固着自在な前側固着部とを備えることを特徴とする請求項4または5記載の運送パレット用支柱。
  7. 前記各板材は、幅方向両端側と幅方向中央とにそれぞれ長さ方向に延びる溝部を有すると共に前記3つの溝部間に突起状の2つの山部を有するものであり、
    更に、前記後壁の上下両端からそれぞれ上方及び下方に前記板材の溝部の深さと略同一高さ突出する略矩形板状をなし、前記板材の幅方向中央の溝部に嵌合自在な中央嵌合部と、
    前記中央嵌合部の左右両側において前記後壁の上下両端と略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の一対の山部にそれぞれ当接して固着自在な一対の後側固着部と、
    前記前壁の上下両端から略直交して延びる略平板状をなし、前記板材の一対の山部にそれぞれ当接して固着自在な一対の前側固着部とを備えることを特徴とする請求項4または5記載の運送パレット用支柱。
  8. 更に、前記後壁及び前記前壁に、それぞれ、上下方向に垂直に延びる長溝状の補強用凹部を一体形成したことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載の運送パレット用支柱。
  9. 更に、前記後壁と後側固着部との境界部分及び前記前壁と前記前側固着部との境界部分に、それぞれ、略四面体状の補強用小凹部を一体形成したことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項記載の運送パレット用支柱。
  10. 上下に対向配置した対をなす2枚の前記板材の間に、請求項1乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を複数配置して固定することにより、前記対をなす板材を互いに連結して略長尺ブロック状に形成してなることを特徴とする運送パレット用基材。
  11. 請求項10記載の運送パレット用基材を等間隔で複数本同一平面上に配置すると共に、前記複数の運送パレット用基材を直交して横断するよう、前記運送パレット用基材の上側の板材の上面に、複数の前記板材を固定してなることを特徴とする運送パレット。
  12. 請求項6乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を展開した状態の幅と同一の一定幅の帯鋼状をなす金属シート材料を、その長さ方向に、前記運送パレット用支柱の最大高さ寸法に対応する一定の供給間隔で間歇的に供給して、プレス加工及び/または打ち抜き加工により請求項6乃至9のいずれか1項記載の運送パレット用支柱を製造する運送パレット用支柱の製造方法であって、
    前記金属シート材料において前記前側固着部及び前記後側固着部に対応する位置を打ち抜き加工して、前記前側固着部及び前記後側固着部となるべき部分を形成する固着部予備形成工程と、
    前記金属シート材料において前記後壁に対応する位置をプレス加工して前記後壁を形成する後壁形成工程と、
    前記金属シート材料において前記前側固着部及び前記後側固着部となるべき部分をプレス加工して、前記前側固着部及び前記後側固着部を折曲形成する固着部形成工程と、
    前記金属シート材料において前記斜板部に対応する位置をプレス加工して前記斜板部を折曲形成する斜板部形成工程と、
    前記金属シート材料において前記後側嵌合部に対応する位置をプレス加工して前記後側嵌合部及び前記側壁を折曲形成する後壁嵌合部・側壁形成工程と、
    前記金属シート材料において前記後側固着部に対応する部分を切断して、前記運送パレット用支柱を得る切断工程と
    を備えることを特徴とする運送パレット用支柱の製造方法。
  13. 前記金属シート材料の前記供給間隔に対応する位置に、前記金属シート材料の供給時における位置決め用の小孔をそれぞれ穿設し、
    前記小孔により前記金属シート材料の前記供給間隔の位置決めを行い、前記各工程を行うことを特徴とする請求項12記載の運送パレット用支柱の製造方法。
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