JP3852902B2 - 耐摩耗性に優れた摺動部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種産業用機械の軸受部材、排水・揚水用ポンプ類の軸受部材、内燃機関用バルブガイド等の摺動部材、樹脂混練・成形機の構成部材であるシリンダ,スクリュー,ノズル等の摺動部構成材料として有用な摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸受装置を構成する軸および軸受部材等の摺動部材は、摺動面の耐摩耗性、負荷応力や環境温度変化等に耐え得る強度・靭性、耐熱衝撃性等を必要とする。
苛酷な摺動・摩擦環境におかれる軸受装置では、軸側に超硬合金(Co基合金等の金属マトリックスと約75体積%以上の硬質粒子からなる)で摺動面を形成し、これを支承する軸受側に炭化珪素セラミックスを適用して耐摩耗性を持たせるようにした軸受構造が知られている。この組み合わせになる摺動部材は良好な耐摩耗性を有するが、両部材とも靭性に乏しく機械的・熱的応力よる亀裂・破損を生じ易い。その改良として、軸受側の炭化珪素セラミックスを窒化珪素に代替することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
窒化珪素セラミックスは、高い破壊靭性値を有すると共に、熱衝撃特性に優れているので、これを軸受装置の一方の摺動部材とすることにより、熱的・機械的衝撃に対する安定性を高めることができる。しかしならが、炭化珪素セラミックスに比し、超硬合金からなる摺動部材に対する耐摩耗性に劣る。また、セラミックスが高靭性化されても、これに対向する摺動部材の超硬合金は、靭性に乏しく熱応力や衝撃による亀裂損傷を生じ易いという問題が残されいている。
本発明は上記問題を解決することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1〜4の摺動部材(請求項1〜4)は、窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、該固定側摺動部材と対面する領域の円周面に、Co基合金又はNi基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が形成されている回転軸であり、
第1の摺動部材(請求項1)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20% , B:0 . 72〜5% , Fe:3%以下 , Ni:5%以下 , C:3%以下 , Si:2%以下 , 残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金(以下「Co基合金1」という)、
第2の摺動部材(請求項2)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:20〜40% , Ni:3%以下 , W:4〜20% , Fe:5%以下 , C:2 . 5%以下 , Si:2%以下 , 残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金(以下「Co基合金2」という)、
第3の摺動部材(請求項3)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20% , B:1〜5% , Fe:3%以下 , Ni:5%以下 , C:3%以下 , Si:2%以下 , 残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金(以下「Co基合金3」という)、
第4の摺動部材(請求項4)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:5〜30% , B:5%以下 , Fe:5%以下 , C:2 . 0%以下 , Si:10%以下 , 残部Niおよび不可避不純物からなるNi基合金、
である。
【0005】
本発明に係る第5〜8の摺動部材(請求項5〜8)は、窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
円筒状の金属基材の外側表面に、Co基合金又はNi基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が積層形成されたスリーブ形状を有する複合部材が、前記固定側摺動部材と対面する部位に装着された回転軸であり、
第5の摺動部材(請求項5)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20% , B:0 . 72〜5% , Fe:3%以下 , Ni:5%以下 , C:3%以下 , Si:2%以下 , 残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金(Co基合金1)、
第6の摺動部材(請求項6)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:20〜40% , Ni:3%以下 , W:4〜20% , Fe:5%以下 , C:2 . 5%以下 , Si:2%以下 , 残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金(Co基合金2)、
第7の摺動部材(請求項7)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20% , B:1〜5% , Fe:3%以下 , Ni:5%以下 , C:3%以下 , Si:2%以下 , 残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金(Co基合金3)、
第8の摺動部材(請求項8)における前記金属マトリックスは、
重量%で、Cr:5〜30% , B:5%以下 , Fe:5%以下 , C:2 . 0%以下 , Si:10%以下 , 残部Niおよび不可避不純物からなるNi基合金、
である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明摺動部材の硬質層のマトリックスである金属材種は、耐焼付き性、高温強度、耐食性(例えば海水に対する耐食性)等の点から、Co基合金、Ni基合金、Ti基合金が好適である。これらの合金は、機械強度や耐食性等の物性をより高めるための合金元素として、所望によりCr,Mo,B,Ni,Fe,W,Al,V等の1種ないし2種以上を適量含有する化学組成が与えられる。また、マトリックスが高硬度(好ましくはHRC20以上)を有している場合は、強化材である硬質粒子の配合量を少な目に調整できるので有利である。
【0007】
金属マトリックスの具体例として、下記の化学組成を有する合金が挙げられる(元素含有量は、すべて重量%である)。
[Co基合金]
(Co 基合金1 ) Cr:15〜35%,Mo:5〜20%,B:0 . 72〜5%,Fe:3%以下、Ni:5%以下,C:3%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物。
(Co 基合金2 ) Cr:20〜40%,Ni:3%以下,W:4〜20%,Fe:5%以下,C:2.5%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物。
(Co 基合金3 ) Cr:15〜35%,Mo:5〜20%,B:1〜5%,Fe:3%以下、Ni:5%以下,C:3%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物。
【0008】
[Ni基合金]
Cr:5〜30%,B:5%以下,Fe:5%以下,C:2.0%以下,Si:10%以下,残部Niおよび不可避不純物。
【0009】
硬質層の分散相である硬質粒子は、炭化物系,硼化物系,窒化物系,珪化物系,酸化物系等の各種セラミックスである。特に、炭化物系,硼化物系,窒化物系セラミックスは、高硬度を有すると共に、摺動性に優れている点で好適である。その炭化物系の例として、WC,W2C,TiC,NbC,VC,Mo2C,Cr3C2,TaC,ZrC等、硼化物系の例としてMoB,TiB2,CrB,VB2,NbB2,TaB2,WB等、窒化物系の例としてTiN,CrN等が挙げられる。硬質層中の硬質粒子は異種成分粒子を共存させてもよい。
【0010】
硬質粒子の含有量は、40〜75体積%であることを要する。40体積%に満たないと、相手材(窒化珪素セラミックス)に対する摺動摩耗抵抗性が不足し、また排水ポンプの軸受部のように、土砂を含むスラリーと接触する使用環境における耐摩耗性を確保することができない。75体積%を上限とするのは、これを越えると、硬質層自身の靭性が乏しく、機械的・熱的衝撃に対する安定性が損なわれるほか、相手材(窒化珪素セラミックス)に対する攻撃性が強くなり、摺動構造の安定性が損なわれるからである。
【0011】
複層部材(後記、図1)を装着された摺動部材における該複層部材(1:硬質層、2:金属基材)の金属基材は、摺動部材の用途・使用環境条件に応じて適宜選択される。ステンレス鋼、Ti基合金(前記)は海水などに対する耐食性に優れ、排水ポンプ等の軸受装置を構成する摺動部材の構成材料として好ましい。ステンレス鋼では、特にオーステナイト系(例えばSUS304,SUS316等)、二相ステンレス鋼(例えばSUS329J1)等が好適である。複層部材における硬質層の構成は前記と同じである。
【0012】
本発明の摺動部材の硬質層は、マトリックスとなる金属粉末と分散相粒子である硬質粒子の粉末とをボールミル等で均一に混合して原料粉末とし、熱間静水圧加圧成形法(HIP法)等による焼結体として、または溶接肉盛層(例えば、粉体プラズマ溶接肉盛法)として形成される。
【0013】
HIP処理は、加圧・加熱下に適当時間保持することにより行われる。処理温度は約900〜1200℃、加圧力は約70〜150MPaの範囲で適宜設定される。処理時間は約1〜10Hrである。
【0014】
溶接肉盛法は、例えば粉体プラズマ溶接肉盛法が適用され、母材表面に原料粉末(金属粉末と硬質粒子粉末の混合物)を供給しながらプラズマアーク熱で金属粉末を溶融し、溶融プールに硬質粒子を懸濁させて凝固することにより、溶接ビードとして硬質層を形成する。
【0015】
HIP成形法と溶接肉盛法とを対比すると、HIP成形法は、溶接肉盛法に比し処理温度が低く、硬質粒子の溶解(硬質粒子の粒径変化・消失とそれに伴う硬質層の硬質粒子の体積%の変化および金属マトリックスの組成変化)がなく、硬質粒子の分散強化作用を効果的に発現させることができるという利点を有する。また、積層界面の溶融・希釈(成分変化)が少ないので、金属マトリックスおよび硬質粒子の材種の選択・組み合わせ等の自由度が大きくかつ、成分設計が容易である。
【0016】
図1は、本発明の摺動部材を構成するための複層部材の例を示している。1は硬質層、2は金属基材である。この複層部材(3)は、円筒状の金属基材(2)の円周面に硬質層(1)を積層形成したスリーブ形状を有し、例えば回転軸側摺動部材を形成するのに使用される。図の複層部材は、金属基材(2)の外周面側に硬質層(1)を有しているが、摺動部材への適用態様により、内周面側に硬質層(1)を有する形態が与えられる。
【0017】
上記複層部材(3)をHIP法で製作する場合は、カプセル(軟鋼製)に金属基材と硬質層形成材料を充填し脱気密封してHIP処理する。処理後、カプセルを機械加工等で除去して、金属基材(2)と焼結体である硬質層(1)からなる複層部材(3)を得る。硬質層(1)と金属基材(2)の界面はHIP処理時の固相拡散により強固に接合されている。
【0018】
図2は、本発明の摺動部材を適用して軸受装置(例えば排水ポンプの軸受部)を構成した例を示している。10は回転軸側摺動部材、20は固定側摺動部材(軸受)である。回転軸側の摺動部材(10)は、回転軸(4)に、前記図1の複層部材(スリーブ)(3)を装着することにより構成されている。軸受(20)は、窒化珪素セラミックス(5)からなる摺動面を有し、回転軸側摺動部材(10)の硬質層(1)と摺動関係を形成している。
【0019】
図3は、本発明の摺動部材を適用した軸受装置の他の例を示している。この例では、回転軸(4)の円周面に硬質層(1)を形成して回転側摺動部材(10)とし、相手材(軸受側の窒化珪素セラミックス)と摺動関係をもたせた構成を有している。この回転軸側摺動部材(10)は、回転軸(4)の所要部位に円周面を一周する凹陥溝(7)を設け、該溝内に硬質層(1)を形設している。硬質層(1)は、HIP法による焼結体として、または溶接肉盛層として形成される。
【0020】
本発明の摺動部材は、各種産業用機械の軸受部材、排水・揚水用ポンプ類の軸受部材、内燃機関用バルブガイド等の摺動部材、樹脂混練・成形機の構成部材であるシリンダ,スクリュー,ノズル等の摺動部材として好適に使用される。
【0021】
【実施例】
マトリックスとなる金属粉末と強化材である硬質粒子とをボールミルで混合した混合粉末と金属基材とを使用しHIP法により供試材を作成する。
【0022】
(1)金属マトリックス(元素含有量:重量%)
(Co合金1)
Cr:15.50,Mo:5.20,B:0.72,Ni:1.03,Fe:0.94,C:1.14,Si:0.33,Co:Bal
HRC=53
(Co合金2)
Cr:31.35,W:8.39,Ni:1.98,Fe:2.06,C:1.71,Si:1.27,Co:Bal
HRC=43
(Ni合金)
Cr:15.77,B:2.70,Fe:3.68,C:0.64,Si:4.72,Ni:Bal
HRC=51
【0023】
(3)硬質粒子の材種および粒径
W2C …100-200μm
TiC… 75-150μm
NbC… 75-150μm
【0024】
(4)HIP処理
硬質層形成原料粉末と金属基材とをカプセル(軟鋼製)に減圧封入しHIP処理する。処理後、カプセルを機械加工により除去して供試材を取出す。
温度 :1100℃
加圧力 :110MPa
処理時間:2Hr
【0025】
供試複合材料から試験片を調製し下記の試験を行った。
[摩耗試験]
セラミックスを相手材とする耐摩耗性の評価試験。
大越式迅速摩耗試験機による。試験片を相手材(回転円盤)に押し付け、試験片表面に生じた摩耗疵の深さ・幅等から、試験片表面の摩耗減肉量(mm2/N)を算出する。
相手材:窒化珪素セラミックス
周速度:3.38m/s
摩擦距離:400m
荷重:61N
【0026】
[摺動試験]
摩擦摩耗試験機(高千穂精機(株)製「TRAS-300」)により摩擦係数(μ)を測定する。なお、この摺動試験において摺動面の耐焼きつき性が評価される(焼きつき状態:異常トルクとなり摺動装置が止まった状態)。
相手材:窒化珪素又は炭化珪素セラミックス
荷重:20N
回転数:500rpm
試験時間:60分
【0027】
[曲げ強度]
試験法:三点曲げ試験(JIS B1601)
試験片サイズ:3×4×40,mm
スパン距離:30mm
試験温度:室温
【0028】
【表1】
【0029】
表1は、各供試材の成分組成と物性の測定結果を示している。
比較例No.101は、硬質層の耐摩耗性は良好であるが、炭化珪素セラミックスを相手材とする例であり、摺動面の摩擦係数が高く、耐焼きつき性に劣る。No.102は硬質層の硬質粒子の含有量が不足し、耐摩耗性に劣る。また、No.103は硬質層の硬質粒子の含有量が過多であるため、曲げ強度が著しく低い(強度不足のため摩擦係数測定試験中、試験片破断)。なお、No.104は、超硬合金(G5)と窒化珪素セラミックスとを組み合わせた従来の摺動構造の例であり、摺動面の耐摩耗性は良好であるが、摩擦係数が高く、短時間で焼きつきをきたしている。
【0030】
他方、発明例は、耐摩耗性に優れ、かつ高強度を有すると共に、窒化珪素セラミックスを相手材とする良好な摺動特性を有し、低摩擦性が安定に維持され、耐焼きつき性にも優れている。
【0031】
【発明の効果】
本発明の摺動部材は、耐摩耗性および強度等に優れ、かつ窒化珪素セラミックスを相手材とする良好な摩耗摺動特性を有している。従って、苛酷な摺動・摩擦環境供される、例えば排水ポンプの軸受部その他の摺動部材料として、摺動機能の安定性を高め、耐久性の向上、メンテナンスの軽減等に多大の効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摺動部材を構成する複層部材の例を示す断面図である。
【図2】本発明の摺動部材が組み込まれた軸受装置の例を示す正面断面図である。
【図3】本発明の摺動部材が組み込まれた軸受装置の他の例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1:硬質層
2:金属基材
3:複層部材
4:回転軸
5:窒化珪素セラミックス
10:摺動部材
20:相手側摺動部材
Claims (10)
- 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20%,B:0.72〜5%,Fe:3%以下,Ni:5%以下,C:3%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が、前記固定側摺動部材と対面する領域の円周面に形成された回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
重量%で、Cr:20〜40%,Ni:3%以下,W:4〜20%,Fe:5%以下,C:2.5%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が、前記固定側摺動部材と対面する領域の円周面に形成された回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20%,B:1〜5%,Fe:3%以下,Ni:5%以下,C:3%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が、前記固定側摺動部材と対面する領域の円周面に形成された回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
重量%で、Cr:5〜30%,B:5%以下,Fe:5%以下,C:2.0%以下,Si:10%以下,残部Niおよび不可避不純物からなるNi基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が、前記固定側摺動部材と対面する領域の円周面に形成された回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
円筒状の金属基材の外側表面に、重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20%,B:0.72〜5%,Fe:3%以下,Ni:5%以下,C:3%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が積層形成されたスリーブ形状を有する複合部材を、前記固定側摺動部材と対面する部位に装着してなる回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
円筒状の金属基材の外側表面に、重量%で、Cr:20〜40%,Ni:3%以下,W:4〜20%,Fe:5%以下,C:2.5%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が積層形成されたスリーブ形状を有する複合部材を、前記固定側摺動部材と対面する部位に装着してなる回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
円筒状の金属基材の外側表面に、重量%で、Cr:15〜35%、Mo:5〜20%,B:1〜5%,Fe:3%以下,Ni:5%以下,C:3%以下,Si:2%以下,残部Coおよび不可避不純物からなるCo基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が積層形成されたスリーブ形状を有する複合部材を、前記固定側摺動部材と対面する部位に装着してなる回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 窒化珪素セラミックスからなる摺動面を有する固定側摺動部材と組み合わせられる摺動部材であって、
円筒状の金属基材の外側表面に、重量%で、Cr:5〜30%,B:5%以下,Fe:5%以下,C:2.0%以下,Si:10%以下,残部Niおよび不可避不純物からなるNi基合金の金属マトリックスと、40〜75体積%の炭化物,硼化物または窒化物系セラミックス粒子から選ばれる1種ないし2種以上の硬質粒子からなる焼結体又は溶接肉盛層である硬質層が積層形成されたスリーブ形状を有する複合部材を、前記固定側摺動部材と対面する部位に装着してなる回転軸である耐摩耗性に優れた摺動部材。 - 炭化物系セラミックスは、WC,W2C,TiC,NbC,VC,Mo2C,Cr3C2,TaC,ZrC、硼化物系セラミックスは、MoB,TiB2,CrB,VB2,NbB2,TaB2,WB、窒化物系セラミックスはTiN,CrNである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の耐摩耗性に優れた摺動部材。
- 排水・揚水用ポンプの軸受部に使用される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の耐摩耗性に優れた摺動部材。
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