JP3852490B2 - 放射性廃棄物処分用オーバーパック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントなどの原子炉において使用後の放射性廃棄物を、安定した状態で地層処分することができるようにした放射性廃棄物処分用オーバーパックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高・中・低放射能レベルの放射性物質(放射性廃棄物、使用済燃料等)は放射性レベル(高・中・低)毎に分類して、それらに該当する専用の密封容器に収納して、保管、貯蔵するようにしている。
【0003】
放射性廃棄物を深地層内に収納処分して生活圏から隔離するために、放射性廃棄物をガラス固化処理した収納容器を、金属セラミックス等のオーバーパック材で囲み、オーバーパック処理を施した地層処分場所に搬入し、これらを処分孔の中に装填してその回りにベントナイト等の緩衝材を充填した状態とする地層処分を行なうようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記手段では、オーバーパックを金属製の容器とするようになっているが、単に金属製と言っても、地下約1000mの地圧に耐えられる強度と、長期間に亘って腐食に耐えられる特性を併せて持つようにしなければならない。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑み、放射性廃棄物を地中に長期間安定して閉じ込め得る構造とした放射性廃棄物処分用オーバーパックを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、緩衝材製のブロックを介して地中岩盤と隔てられる放射性廃棄物処分用オーバーパックであって、
放射性廃棄物をガラスに封入固化して成るガラス固化体を、耐食材製内層容器で覆い、耐食材製内層容器の外側を強度材製外層容器で覆い、
前記耐食材製内層容器は、チタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材で構成されると共に、耐食材製内層容器の肉厚を5〜10mm程度とし、
前記強度材製外層容器は、炭素鋼などの強度材で構成されると共に、強度材製外層容器の肉厚を50〜200mm程度とし、
前記緩衝材製のブロックの酸素が消費されるよう前記強度材製外層容器が酸化腐食されて、腐食の形態が還元性腐食に移行した後に初めて耐食材製内層容器による耐食性能が発揮されるよう構成したことを特徴とする放射性廃棄物処分用オーバーパックにかかるものである。
【0009】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0010】
地層内処分場の容器収容孔に収容された処分用オーバーパックは、外層を構成する炭素鋼などの50〜200mm程度と厚肉の強度材製外層容器により、地下約1000mの地圧に十分耐えられる強度を持たせることができる。
【0011】
そして、数年と時間が経つうちに、地下水などに含まれる酸素分(地下水はもともと還元性であり、酸素分をほとんど含まないものとされているが、地層内処分場の開削の時に酸素が混入されたりする)によって外層を構成する炭素鋼などの強度材製外層容器が酸化して腐食されて行くが、強度材製外層容器の肉厚を50mm以上とすることにより、初期の酸化腐食に十分耐えさせることができる。
【0012】
又、厚肉の強度材製外層容器の一部又は全部が酸化腐食されると、緩衝材製のブロックにしみこんだ地下水などに含まれる酸素が消費し尽くされてしまうため、以後は、非常に進行速度の遅い還元性の腐食が始まることとなるが、処分用オーバーパックは内層にチタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材製内層容器を備えているので、厚肉の強度材製外層容器が或る程度酸化腐食されて腐食の形態が還元性腐食に移行した後に初めて耐食材製内層容器による耐食性能が発揮されることとなり、依って、耐食材製内層容器が酸化腐食にさらされない分だけ処分用オーバーパックの寿命が長期化されると共に、長期間に亘り安定してガラス固化体を閉じ込めることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0014】
図1〜図3は、本発明の実施の形態の一例である。
【0015】
先ず、図1を用いて地層内処分場について説明する。
【0016】
地上1から地下約1000m程度の位置にある地中岩盤2へ向けて縦穴3を掘削し、地中岩盤2に、縦穴3の下端からほぼ水平方向へ拡がる容器収容空間4を形成し、容器収容空間4の床面5に円筒状の容器収容孔6を複数形成して地層内処分場7を構成する。
【0017】
そして、地上1に前記縦穴3を取囲むように建屋8を設置すると共に、建屋8内にウインチなどの巻取装置9を設け、巻取装置9に巻取られたワイヤロープ10の先端を縦穴3に昇降可能に配置された昇降機11へ接続して昇降機構12を構成する。
【0018】
又、前記容器収容空間4の天井部13に、特に詳細には図示しないが、前後方向や左右方向などへ移動することにより各容器収容孔6に対して処分用オーバーパック14を搬送及び挿入可能な、天井クレーンなどの挿入装置15を設け、昇降機構12と挿入装置15との間に、処分用オーバーパック14を受け渡し可能な搬送台車16などの受渡装置を設ける。
【0019】
そして、上記処分用オーバーパック14を、図2・図3に示すような構成とする。即ち、放射性廃棄物をガラスに封入固化して成るガラス固化体17を、チタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材製内層容器18で覆い、耐食材製内層容器18の外側を炭素鋼などの強度材製外層容器19で覆う。
【0020】
尚、耐食材製内層容器18は肉厚Aを5〜10mm程度とし、強度材製外層容器19は肉厚Bを50〜200mm程度とする。
【0021】
尚、図中、20は容器収容孔6に予め挿入配置された、地中岩盤2と処分用オーバーパック14とを隔てるため容器収容孔6内部に配置されたベントナイトを主成分とする緩衝材製のブロック、21は容器収容孔6を閉止するための緩衝材製の収容孔蓋、22は耐食材製内層容器18を構成する内層容器本体、23は耐食材製内層容器18を構成する内層容器蓋体、24は内層容器本体22と内層容器蓋体23との溶接部、25は強度材製外層容器19を構成する外層容器本体、26は強度材製外層容器19を構成する外層容器蓋体、27は外層容器本体25と外層容器蓋体26との溶接部である。
【0022】
次に、作動について説明する。
【0023】
放射性廃棄物をガラスに封入固化して成るガラス固化体17を、地上にて処分用オーバーパック14に収容する。
【0024】
該処分用オーバーパック14は、図2・図3に示すように、チタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材製内層容器18と、耐食材製内層容器18の外側を覆う炭素鋼などの強度材製外層容器19とによる二重構造を備えている。
【0025】
こうして処分用オーバーパック14ができたら、図1に示すように、処分用オーバーパック14を昇降機構12の昇降機11に乗せ、ウインチなどの巻取装置9を巻戻すことにより、地上1の建屋8から縦穴3を介して地下約1000m程度の位置にある地中岩盤2に形成された水平方向へ拡がる地層内処分場7の容器収容空間4へ送る。
【0026】
そして、容器収容空間4へ送られた処分用オーバーパック14を搬送台車16などの受渡装置で受け取り、搬送台車16から天井クレーンなどの挿入装置15へ受け渡す。
【0027】
そして、処分用オーバーパック14を受け取った天井クレーンなどの挿入装置15を前後方向や左右方向などへ移動することにより目的とする容器収容孔6の位置まで搬送し、容器収容孔6へ処分用オーバーパック14を嵌入させる。
【0028】
ここで、容器収容孔6には、内部に予め、ベントナイトを主成分とする緩衝材製のブロック20が配置されており、容器収容孔6へ挿入された処分用オーバーパック14が地中岩盤2から隔てられて保管されるようになっている。
【0029】
そして、容器収容孔6に処分用オーバーパック14を挿入したら、容器収容孔6に収容孔蓋21をして、収容孔蓋21が容器収容空間4の床面5と面一になるようにする。
【0030】
こうして容器収容孔6に収容された処分用オーバーパック14は、外層を構成する炭素鋼などの厚肉の強度材製外層容器19により、地下約1000mの地圧に十分耐えられる強度を持たせることができる。
【0031】
そして、数年と時間が経つうちに、緩衝材製のブロック20にしみこんだ地下水などに含まれる酸素分(地下水はもともと還元性であり、酸素分をほとんど含まないものとされているが、地層内処分場7の開削の時に酸素が混入されたりする)によって外層を構成する炭素鋼などの強度材製外層容器19が酸化して腐食されて行くが、強度材製外層容器19の肉厚Bを50mm以上とすることにより、初期の酸化腐食に十分耐えさせることができる。
【0032】
又、厚肉の強度材製外層容器19の一部又は全部が酸化腐食されると、緩衝材製のブロック20にしみこんだ地下水などに含まれる酸素が消費し尽くされてしまうため、以後は、非常に進行速度の遅い還元性の腐食が始まることとなるが、処分用オーバーパック14は内層にチタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材製内層容器18を備えているので、厚肉の強度材製外層容器19が或る程度酸化腐食されて腐食の形態が還元性腐食に移行した後に初めて耐食材製内層容器18による耐食性能が発揮されることとなり、依って、耐食材製内層容器18が酸化腐食にさらされない分だけ処分用オーバーパック14の寿命が長期化されると共に、長期間に亘り安定してガラス固化体17を閉じ込めることが可能となる。
【0033】
反対に、外層をチタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材で構成し、内層を炭素鋼などの強度材で構成するようにした場合、処分用オーバーパック14を運搬して容器収容孔6へ挿入するまでの間に耐食材性の外層の表面に傷が付き易く、傷部分から外層に酸化腐食が進行して保管の初期において耐食材性の外層が破られてしまい、腐食に弱い強度材製の内層のみが残されてしまうおそれがあるので、ガラス固化体17に対する閉じ込め性能を長期間に亘って発揮できなくなるおそれがある。
【0034】
尚、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、放射性廃棄物を地中に長期間安定して閉じ込めることができるようになるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例にかかる地層内処分場の概略側方断面図である。
【図2】放射性廃棄物処分用オーバーパックの側方断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【符号の説明】
17 ガラス固化体
18 耐食材製内層容器
19 強度材製外層容器

Claims (1)

  1. 緩衝材製のブロックを介して地中岩盤と隔てられる放射性廃棄物処分用オーバーパックであって、
    放射性廃棄物をガラスに封入固化して成るガラス固化体を、耐食材製内層容器で覆い、耐食材製内層容器の外側を強度材製外層容器で覆い、
    前記耐食材製内層容器は、チタンや銅やステンレスやニッケル基合金などの耐食材で構成されると共に、耐食材製内層容器の肉厚を5〜10mm程度とし、
    前記強度材製外層容器は、炭素鋼などの強度材で構成されると共に、強度材製外層容器の肉厚を50〜200mm程度とし、
    前記緩衝材製のブロックの酸素が消費されるよう前記強度材製外層容器が酸化腐食されて、腐食の形態が還元性腐食に移行した後に初めて耐食材製内層容器による耐食性能が発揮されるよう構成したことを特徴とする放射性廃棄物処分用オーバーパック。
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