JP3852314B2 - 多分力検出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多分力検出器に係り、特に各分力が干渉しないように検出するよう構成した多分力検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の多分力検出器としては、例えば、実開昭57−93833号公報に開示されたものがある。この公報には、揺動物体が結合されたボルトが挿通される環状の荷重印加部と、一端が荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する4本の腕部と、荷重印加部を囲むように形成され各腕部の他端に結合された環状枠部と、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する歪ゲージ(検出部材)と、を備えてなる多分力検出器が開示されている。
【0003】
また、上記多分力検出器においては、X方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する歪ゲージが4本の腕部に貼着されている。そして、各歪ゲージが各方向毎のブリッジ回路を形成するように接続されており、荷重印加部に印加された荷重によって生じた各方向の歪に応じた出力が得られるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された多分力検出器では、同一平面に配置された4本の腕部に各方向の分力を測定する歪ゲージが貼着されており、例えば、上下方向(Z方向)の分力Fzを測定する歪ゲージと前後方向(Y方向)の分力Fzを測定する歪ゲージとが同一の腕部に貼り付けられている。
【0005】
そのため、荷重印加部に揺動物体の揺動動作による荷重が印加された場合、各腕部を捩じるような力が働いて各腕部に複数方向の荷重が作用してしまう。従って、従来のものでは、荷重印加部に印加される力の作用方向によって各方向分力に他の方向の分力が干渉してしまった場合、上記腕部に貼着された歪ゲージによって各分力Fx,Fy,Fzを正確に測定することが難しいという問題があった。
【0006】
また、上記公報には、荷重印加部を支持する腕部に上下方向(Z方向)の分力Fzを測定する歪ゲージを貼着し、荷重印加部の貫通穴に挿通されたボルトの外周に左右方向(X方向)の分力Fxを測定する歪ゲージと前後方向(Y方向)の分力Fzを測定する歪ゲージを貼着する構成も開示されているが、揺動物体の揺動動作が直接ボルトに作用するため、X,Y方向以外の力も作用して干渉してしまい、各分力Fx,Fy,Fzを正確に測定することが難しかった。
【0007】
さらに、従来の構成のものでは、小型化及び薄型化を図ることが難しく、狭い取付スペースに設置することができない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決した多分力検出器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
【0010】
上記請求項1記載の発明は、垂直方向からの荷重が印加される荷重印加部と、一端が荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する第1乃至第4の腕部と、荷重印加部を囲むように形成され、第1乃至第4の腕部の他端に結合された枠部と、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する第1、第2、第3の検出部材と、を備えてなる多分力検出器において、一方向に延在する第1、第3の腕部を荷重印加部の上部のみに設け、一方向と直交する他方向に延在する第2、第4の腕部を荷重印加部の下部のみに設けたものであり、荷重印加部に揺動動作による荷重が印加された場合でも腕部を捩じるような偶力が作用することを防止して荷重印加部に第1乃至第4の腕部にZ方向以外の分力が作用しにくい構成にでき、各方向の分力Fx,Fy,Fzが干渉しにくくなる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、第1乃至第4の腕部に第3の検出部材を設け、第1の検出部材を枠部のX方向の側面に設け、第2の検出部材を前記枠部のY方向の側面に設けるものであり、各検出部材を各方向の分力Fx,Fy,Fzを測定しやすい位置に配置できると共に、各方向の分力Fx,Fy,Fzが干渉しにくくなる。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、第1、第2、第3の検出部材が歪ゲージであるので、各腕部及び枠部に生じた歪から各分力を測定することが可能になり、各腕部及び枠部の形状によって計測精度を確保することが可能になる。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、垂直方向からの荷重が印加される荷重印加部と、一端が荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する第1乃至第4の腕部と、荷重印加部を囲むように形成され、第1乃至第4の腕部の他端に結合された枠部と、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する第1、第2、第3の検出部材と、X軸、Y軸、Z軸周りの偶力Mx,My,Mzを測定する第4、第5、第6の検出部材と、を備えてなる多分力検出器において、第1乃至第4の腕部に第3の検出部材及び第6の検出部材を設け、一方向に延在する第1、第3の腕部を荷重印加部の上部のみに設け、一方向と直交する他方向に延在する第2、第4の腕部を荷重印加部の下部のみに設けたものであり、荷重印加部に揺動動作による荷重が印加された場合でも腕部を捩じるような偶力が作用することを防止して荷重印加部に第1乃至第4の腕部にZ方向以外の分力が作用しにくい構成にでき、各方向の分力Fx,Fy,Fz及び偶力Mx,My,Mzが干渉しにくくなる。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、第1乃至第6の検出部材が歪ゲージであり、少なくとも第3の検出部材と第4の検出部材または第3の検出部材と第5の検出部材とを同一のフィルムに形成したものであり、各腕部及び枠部に生じた歪から各分力を測定することが可能になり、各腕部及び枠部の形状によって計測精度を確保することが可能になると共に、複数の歪ゲージを所定の検出位置に正確に貼り付けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明になる多分力検出器の一実施例を示す斜視図である。図2は多分力検出器の平面図である。
【0016】
図1及び図2に示されるように、多分力検出器10は、中心に設けられた円筒状の荷重印加部12の貫通孔12aに挿通された軸(図示せず)が揺動することにより印加された荷重のX,Y,Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定するものであり、荷重印加部12の外周より水平な4方向へ90度間隔で十字状に延在する第1乃至第4の腕部14〜17と、腕部14〜17の端部に結合され荷重印加部12の周囲を囲むように形成された枠部18とを有する。
【0017】
第1乃至第4の腕部14〜17は、荷重印加部12に印加された荷重のうちZ方向(垂直方向)の分力Fzを検出するためのZ方向感度部である。第1乃至第4の腕部14〜17は、Z方向の分力Fzを検出するZ方向歪ゲージ22〜25(Sz1〜Sz4)が貼着されている。このZ方向歪ゲージ22〜25は、腕部14〜17の表面に生じた機械的な弾性変形による歪に応じて抵抗値が変化する性質を利用して腕部14〜17に作用した歪の大きさを検出する。
【0018】
また、第1乃至第4の腕部14〜17の他端は、くびれ部26〜29を介して枠部18の内周面に結合されるように形成されている。このくびれ部26〜29は、荷重印加部12にX,Y方向の荷重が印加されたとき、腕部14〜17がX,Y方向に変位する際の支点になるように形成されている。
【0019】
第1,第3の腕部14,16の上面には、Z方向歪ゲージ22,24が貼着されており、第2,第4の腕部15,17の下面には、Z方向歪ゲージ23,25が貼着されている。
【0020】
図3は図2中A−A線に沿う縦断面図である。図4は図2中B−B線に沿う縦断面図である。
図3に示されるように、第1,第3の腕部14,16は、下面側に凹部32,34が設けられているので、一端が荷重印加部12の上部に結合されるように形成されている。また、図4に示されるように、第2,第4の腕部15,17は、上面側に凹部33,35が設けられているので、一端が荷重印加部12の下部に結合されるように形成されている。
【0021】
従って、荷重印加部12の外周に対する第1,第3の腕部14,16の結合高さ位置と第2,第4の腕部15,17の結合高さ位置とが上下方向にずれており、荷重印加部12に水平方向のX軸、Y軸周りの偶力が発生しにくい。よって、多分力検出器10は、腕部14〜17にX方向及びY方向の分力Fx,Fyが干渉しにくい構成になっており、腕部14〜17に生じた歪がZ方向の荷重に応じた大きさで変化する。そのため、腕部14〜17に貼着されたZ方向歪ゲージ22〜25によってZ方向の分力Fzを正確に検出することが可能になる。
【0022】
さらに、枠体18は、各角部に突出する鍔部38a〜41a,38b〜41bと、鍔部38a〜41a,38b〜41bの間にX,Y方向に延在形成された第1乃至第4の梁部44〜47とが設けられている。枠体18は、各角部に突出する鍔部38a〜41a,38b〜41bがブラケットなどの固定部材(図示せず)に固定される。そのため、荷重印加部12に荷重が印加されると、荷重印加部12を支持する腕部14〜17、くびれ部26〜29を介して腕部14〜17を支持する梁部44〜47が弾性変形する。
【0023】
また、枠体18は、上方からみると正方形であるので、鍔部38a〜41a,38b〜41bの各側面を固定する際の取付位置を位置合わせるための基準面として用いることが可能である。例えば、印加される荷重の作用方向をX方向またはY方向に限定して印加する場合にも多分力検出器10の方向を正確に位置合わせできる。
【0024】
梁部44〜47の中央部は、第1乃至第4の腕部14〜17の他端がくびれ部26〜29を介して結合される結合部分に位置している。そして、第1,第3の梁部44,46には、Y方向の分力Fyを検出するためのY方向歪ゲージ50〜53(Sy1〜Sy4)が貼着されている。また、第2,第4の梁部45,47には、X方向の分力Fxを検出するためのX方向歪ゲージ56〜59(Sx1〜Sx4)が貼着されている。よって、梁部44,46はY方向感度部として機能し、梁部45,47はX方向感度部として機能する。
【0025】
荷重印加部12にY方向の荷重が印加されると、荷重印加部12がY方向に変位してY方向の梁部44,46を押圧すると共に、直交するX方向の腕部15,17がくびれ部27,29を支点としてY方向に揺動する。また、荷重印加部12にX方向の荷重が印加されると、荷重印加部12がX方向に変位してX方向の梁部45,47を押圧すると共に、直交するY方向の腕部14,16がくびれ部26,28を支点としてX方向に揺動する。
【0026】
Y方向歪ゲージ50〜53及びX方向歪ゲージ56〜59は、夫々対応する位置に設けられたくびれ部26〜29の左右両側に配置されており、くびれ部26〜29を介して梁部44〜47に伝達されたY方向の分力Fy及びX方向の分力Fxによる歪を検出できる位置に設けられている。
【0027】
このように、Z方向歪ゲージ22〜25、Y方向歪ゲージ50〜53、X方向歪ゲージ56〜59は、夫々他方向の分力が干渉しない位置に配置されており、各方向の分力を高精度に検出することが可能になる。
【0028】
図5は多分力検出器10の起歪体の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は背面図、(D)は断面A−O−Bの縦断面図である。図5(A)〜(D)に示されるように、多分力検出器10の起歪体60は、平板上の金属ブロックを切削加工することにより上記荷重印加部12、腕部14〜17、枠部18、くびれ部26〜29、鍔部38a〜41a,38b〜41b、梁部44〜47が形成される。このように、起歪体60の構造をX,Y,Z方向の各分力が干渉しないように構成すると共に、多分力検出器10の小型化及び薄型化が促進されている。
【0029】
また、起歪体60は、鍔部38a〜41aの上面及び鍔部38b〜41bの下面に円形状凹部の一部を形成する円弧状凹部62a〜65a,62b〜65bが設けられている。
【0030】
さらに、起歪体60は、上方からみると腕部14〜17を十字形状に形成するための空間66〜69が鍔部38a〜41a,38b〜41bとの間に形成される。梁部44,45には、空間67,68に連通するように起歪体60を水平方向に貫通する第1乃至第3のケーブル挿通孔70〜72が設けられている。
【0031】
第1のケーブル挿通孔70は、X方向歪ゲージ56〜59から引き出された各ケーブルが挿通される。第2のケーブル挿通孔71は、Y方向歪ゲージ50〜53から引き出された各ケーブルが挿通される。第3のケーブル挿通孔72は、Z方向歪ゲージ22〜25から引き出された各ケーブルが挿通される。
【0032】
腕部14〜17は、夫々上方からみると同一形状であり、腕部14の構成について説明する。
【0033】
図6は腕部14を拡大して示す平面図である。図7はA−A断面を示す断面斜視図である。
図6及び図7に示されるように、腕部14は、起歪体60の中央に形成された荷重印加部12の外周よりY方向に延在するように空間66と69との間に形成される。従って、腕部14の輪郭形状は、空間66,69を切削加工することにより形成される。
【0034】
そして、腕部14は、荷重印加部12の外周に結合される一端14aが幅広形状に形成されており、枠体18に結合される他端14bが両側から円形に切削されて幅狭形状のくびれ部26に結合されている。また、腕部14の一端14aの下面側には、凹部32が設けられている。
【0035】
そのため、荷重印加部12にZ方向の荷重が印加されると、腕部14は凹部32を有する一端14a付近が撓んで一端14a付近の表面にZ方向荷重による歪が生じる。
【0036】
Z方向歪ゲージ22は、腕部14の一端14a近傍に貼着されており、Z方向荷重を検出しやすい位置に設けられている。
【0037】
また、くびれ部26を介して腕部14に結合された枠体18の梁部44は、鍔部38a,38bと鍔部39a,39bとの間に形成されており、その背面側の左右両端付近にY方向歪ゲージ51,52が貼着されている。
【0038】
荷重印加部12にY方向の荷重が印加されると、腕部14及びくびれ部26を介して梁部44にY方向の分力Fyが作用する。そのため、梁部44は、固定部(図示せず)に固定された鍔部38a,38b及び鍔部39a,39b付近を支点としてY方向に揺動する。
【0039】
よって、梁部44の両端付近に設けられたY方向歪ゲージ51,52は、鍔部38a,38b及び鍔部39a,39b付近におけるY方向の歪を検出しすい位置に設けられている。尚、荷重印加部12にX方向の荷重が印加された場合も、Y方向の場合と同様に検出される。
【0040】
図8は多分力検出器の組み立て完了状態を示す図であり、(A)は底面図、(B)は側面図である。
図8(A)(B)に示されるように、多分力検出器10は、起歪体60のケーブル挿通孔70〜72に各方向のケーブル76〜78が接続されており、各ケーブル76〜78はX方向歪ゲージ56〜59、Y方向歪ゲージ50〜53、Z方向歪ゲージ22〜25に接続されている。
【0041】
また、多分力検出器10は、上下面に形成された円弧状凹部62a〜65a,62b〜65bに円盤状のダイヤフラム80,81が圧入される。このダイヤフラム80,81は、腕部14〜17に貼着されたZ方向歪ゲージ22〜25を保護するものである。さらに、枠体18の各側面に形成された梁部44〜47の側面は、鍔部38a,38b及び鍔部39a,39b間に形成された溝であり、この溝内にはX方向歪ゲージ56〜59、Y方向歪ゲージ50〜53を覆うように樹脂(図示せず)が注入され、X方向歪ゲージ56〜59、Y方向歪ゲージ50〜53の耐水性・耐油性が確保される。
【0042】
ここで、上記のように構成された多分力検出器10の検出動作について説明する。
図9は各方向の分力を検出するためのブリッジ回路を示す図であり、(A)は分力Fxを検出するブリッジ回路を示す回路図、(B)は分力Fyを検出するブリッジ回路を示す回路図、(C)は分力Fzを検出するブリッジ回路を示す回路図である。
【0043】
図9(A)に示されるように、X方向歪ゲージ56〜59は、ホイストンブリッジ回路84を構成する。このホイストンブリッジ回路84では、抵抗値Sx1〜Sx4がSx1・Sx4=Sx2・Sx3のような平衡状態を保つように構成することにより、歪のない状態でA点とB点とが同電位となり、電流が流れない。
【0044】
ここで、X方向歪ゲージ56〜59が取り付けられた梁部45,47に歪が生じると、例えば、X方向歪ゲージ56〜59のうちX方向歪ゲージ56,59に圧縮荷重による歪が印加されて抵抗値が増大すると共に、X方向歪ゲージ57,58に引っ張り荷重による歪が印加されて抵抗値が減少する。
【0045】
その結果、Sx1・Sx4>Sx2・Sx3となるため、A点とB点との間で電位差が生じる。よって、ホイストンブリッジ回路84では、この電位差が梁部45,47に生じた歪の大きさに比例した値となるので、この電圧値を増幅して抽出することによりX方向の分力Fxが検出される。
【0046】
図9(B)(C)に示されるように、Y方向歪ゲージ50〜53により構成されたホイストンブリッジ回路85及びZ方向歪ゲージ22〜25により構成されたホイストンブリッジ回路86においても上記X方向の分力Fxを検出するのと同様にY方向の分力Fy及びZ方向の分力Fzを検出する。
【0047】
ここで、変形例について説明する。
図10は多分力検出器の変形例1を示す平面図である。尚、図10において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図10に示されるように、変形例1の多分力検出器90は、枠体18の輪郭形状が円弧状に形成されており、角部のない形状に構成されている。従って、上記起歪体60を加工する場合、丸棒材を輪切りにして加工することができ、加工の手間を削減できると共に、起歪体60の軽量化を図ることが可能になる。
【0048】
また、多分力検出器90は、外周に角部が突出しないため、取付スペースが小さくて済み、省スペース化が図れている。そのため、多分力検出器90を回転部分に内蔵させて各方向の分力を検出することが可能になり、例えば、ロボットの関節部分に設けることも実現できる。
【0049】
図11は多分力検出器の変形例2を示す平面図である。尚、図11において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図11に示されるように、変形例2の多分力検出器100は、第1乃至第4の腕部14〜17にZ方向歪ゲージ22〜25(Sz1〜Sz4)が貼着され、第1,第3の梁部44,46にY方向歪ゲージ50〜53(Sy1〜Sy4)が貼着され、第2,第4の梁部45,47にX方向歪ゲージ56〜59(Sx1〜Sx4)が貼着されている。
【0050】
さらに、第2,第4の腕部15,17の下面には、X方向の軸回りの偶力(モーメント)Mxを検出する偶力検出歪ゲージ102〜105(Mx1〜Mx4)が貼着されている。また、第1,第3の腕部14,16の上面には、Y方向の軸回りの偶力(モーメント)Myを検出する偶力検出歪ゲージ108〜111(My1〜My4)が貼着されている。
【0051】
また、くびれ部26〜29の側面には、Z方向の軸回りの偶力(モーメント)Mzを検出する偶力検出歪ゲージ114〜117(Mz1〜Mz4)が貼着されている。尚、くびれ部26〜29の側面は、上記実施例のように円弧状ではなく平面形状に加工されている。
【0052】
各方向の偶力Mx,My、Mzを検出する偶力検出歪ゲージ102〜105、108〜111、114〜117は、前述したホイストンブリッジ回路(図9参照のこと)を構成するように接続されており、X,Y,Z方向の分力Fx,Fy,Fzを検出する方法と同様な方法で検出される。
【0053】
また、多分力検出器100においては、各方向の偶力Mx,My、Mzを検出する偶力検出歪ゲージ102〜105、108〜111、114〜117が上記位置に分散配置されているので、各方向の偶力Mx,My、Mzが干渉しないように検出することが可能になる。そのため、多分力検出器100では、X,Y,Z方向の分力Fx,Fy,Fz及び偶力Mx,My、Mzを高精度に検出することができる。
【0054】
また、腕部14〜17には、Z方向歪ゲージ22〜25と、偶力Mx,Myを検出する偶力検出歪ゲージ102〜105、108〜111とが取り付けられるため、各歪ゲージのうち同じ腕部に取り付けられる3個の歪ゲージが同一のフィルム120〜123に形成されている。
【0055】
すなわち、第1のフィルム120には、歪ゲージ22,108,109が一体に形成されている。第2のフィルム121には、歪ゲージ23,102,103が一体に形成されている。第3のフィルム122には、歪ゲージ24,110,111が一体に形成されている。第4のフィルム123には、歪ゲージ25,104,105が一体に形成されている。
【0056】
このように、フィルム120〜123には、各検出方向に応じた3個の歪ゲージが一体的に形成されているので、各歪ゲージを個別に貼着する方法よりも組み付け作業時の作業効率を高めることができると共に、各歪ゲージの取付精度をより高めることができる。
【0057】
そのため、腕部14〜17のような狭いスペースにも複数の歪ゲージを正確かつ迅速に取り付けることが可能になり、製造コストも安価に抑えることが可能になる。
【0058】
また、上記変形例2では、腕部14〜17に取り付けられる複数の歪ゲージを同一のフィルム120〜123に一体に形成する場合を一例として挙げたが、これ以外の個所に取り付ける場合にも複数の歪ゲージを一体に形成する方法を用いることができるのは勿論である。
【0059】
さらに、上記変形例2では、3個の歪ゲージを同一のフィルム120〜123に一体に形成する場合を一例として挙げたが、これに限らず、2個あるいは4個以上の歪ゲージを同一のフィルムに設けることも可能である。
【0060】
また、複数の歪ゲージは、同一方向に形成しても良いし、あるいは、異なる方向の歪ゲージを同一のフィルムに設けることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、垂直方向からの荷重が印加される荷重印加部と、一端が荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する第1乃至第4の腕部と、荷重印加部を囲むように形成され、第1乃至第4の腕部の他端に結合された枠部と、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する第1、第2、第3の検出部材と、を備えてなる多分力検出器において、一方向に延在する第1、第3の腕部を荷重印加部の上部のみに設け、一方向と直交する他方向に延在する第2、第4の腕部を荷重印加部の下部のみに設けたため、荷重印加部に揺動動作による荷重が印加された場合でも腕部を捩じるような偶力が作用することを防止して荷重印加部に第1乃至第4の腕部にZ方向以外の分力が作用しにくい構成にでき、各方向の分力Fx,Fy,Fzが干渉しにくくなる。よって、各方向の分力Fx,Fy,Fzを高精度に検出することが可能になる。
【0062】
また、請求項2記載の発明によれば、第1乃至第4の腕部に第3の検出部材を設け、第1の検出部材を枠部のX方向の側面に設け、第2の検出部材を前記枠部のY方向の側面に設けたため、各検出部材を各方向の分力Fx,Fy,Fzを測定しやすい位置に配置できると共に、各方向の分力Fx,Fy,Fzが干渉しにくくなる。
【0063】
また、請求項3記載の発明によれば、第1、第2、第3の検出部材が歪ゲージであるため、各腕部及び枠部に生じた歪から各分力を測定することが可能になり、各腕部及び枠部の形状によって計測精度を確保することが可能になる。
【0064】
また、請求項4記載の発明によれば、垂直方向からの荷重が印加される荷重印加部と、一端が荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する第1乃至第4の腕部と、荷重印加部を囲むように形成され、第1乃至第4の腕部の他端に結合された枠部と、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する第1、第2、第3の検出部材と、X軸、Y軸、Z軸周りの偶力Mx,My,Mzを測定する第4、第5、第6の検出部材と、を備えてなる多分力検出器において、第1乃至第4の腕部に第3の検出部材及び第6の検出部材を設け、一方向に延在する第1、第3の腕部を荷重印加部の上部のみに設け、一方向と直交する他方向に延在する第2、第4の腕部を荷重印加部の下部のみに設けたため、荷重印加部に揺動動作による荷重が印加された場合でも腕部を捩じるような偶力が作用することを防止して荷重印加部に第1乃至第4の腕部にZ方向以外の分力が作用しにくい構成にでき、各方向の分力Fx,Fy,Fz及び偶力Mx,My,Mzが干渉しにくくなる。よって、各方向の分力Fx,Fy,Fzを高精度に検出することが可能になる。
【0065】
また、請求項5記載の発明によれば、第1乃至第6の検出部材が歪ゲージであり、少なくとも第3の検出部材と第4の検出部材または第3の検出部材と第5の検出部材とを同一のフィルムに形成したため、各腕部及び枠部に生じた歪から各分力を測定することが可能になり、各腕部及び枠部の形状によって計測精度を確保することが可能になると共に、複数の歪ゲージを所定の検出位置に正確に貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる多分力検出器の一実施例を示す斜視図である。
【図2】多分力検出器の平面図である。
【図3】図2中A−A線に沿う縦断面図である。
【図4】図2中B−B線に沿う縦断面図である。
【図5】多分力検出器10の起歪体の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は背面図、(D)は断面A−O−Bの縦断面図である。
【図6】腕部14を拡大して示す平面図である。
【図7】A−A断面を示す断面斜視図である。
【図8】多分力検出器の組み立て完了状態を示す図であり、(A)は底面図、(B)は側面図である。
【図9】各方向の分力を検出するためのブリッジ回路を示す図であり、(A)は分力Fxを検出するブリッジ回路を示す回路図、(B)は分力Fyを検出するブリッジ回路を示す回路図、(C)は分力Fzを検出するブリッジ回路を示す回路図である。
【図10】多分力検出器の変形例1を示す平面図である。
【図11】多分力検出器の変形例2を示す平面図である。
【符号の説明】
10,90,100 多分力検出器
12 荷重印加部
14〜17 第1乃至第4の腕部
18 枠部
18とを有する。
22〜25(Sz1〜Sz4) Z方向歪ゲージ
26〜29 くびれ部
32〜35 凹部
38a〜41a,38b〜41b 鍔部
44〜47 第1乃至第4の梁部
50〜53(Sy1〜Sy4) Y方向歪ゲージ
56〜59(Sx1〜Sx4) X方向歪ゲージ
60 起歪体
66〜69 空間
70〜72 第1乃至第3のケーブル挿通孔
80,81 ダイヤフラム
102〜105(Mx1〜Mx4),108〜111(My1〜My4),114〜117(Mz1〜Mz4) 偶力検出歪ゲージ
120〜123 フィルム

Claims (5)

  1. 垂直方向からの荷重が印加される荷重印加部と、
    一端が該荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する第1乃至第4の腕部と、
    前記荷重印加部を囲むように形成され、前記第1乃至第4の腕部の他端に結合された枠部と、
    互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する第1、第2、第3の検出部材と、
    を備えてなる多分力検出器において、
    一方向に延在する第1、第3の腕部を前記荷重印加部の上部のみに設け、
    前記一方向と直交する他方向に延在する第2、第4の腕部を前記荷重印加部の下部のみに設けたことを特徴とする多分力検出器。
  2. 前記第1乃至第4の腕部に第3の検出部材を設け、前記第1の検出部材を前記枠部のX方向の側面に設け、前記第2の検出部材を前記枠部のY方向の側面に設けたことを特徴とする請求項1記載の多分力検出器。
  3. 前記第1、第2、第3の検出部材は、歪ゲージであることを特徴とする請求項2記載の多分力検出器。
  4. 垂直方向からの荷重が印加される荷重印加部と、
    一端が該荷重印加部を支持するように結合され水平な4方向に延在する第1乃至第4の腕部と、
    前記荷重印加部を囲むように形成され、前記第1乃至第4の腕部の他端に結合された枠部と、
    互いに直交するX方向、Y方向、Z方向の分力Fx,Fy,Fzを測定する第1、第2、第3の検出部材と、
    X軸、Y軸、Z軸周りの偶力Mx,My,Mzを測定する第4、第5、第6の検出部材と、を備えてなる多分力検出器において、
    前記第1乃至第4の腕部に第3の検出部材及び第6の検出部材を設け、
    一方向に延在する第1、第3の腕部を前記荷重印加部の上部のみに設け、
    前記一方向と直交する他方向に延在する第2、第4の腕部を前記荷重印加部の下部のみに設けたことを特徴とする多分力検出器。
  5. 前記第1乃至第6の検出部材は、歪ゲージであり、少なくとも第3の検出部材と第4の検出部材または第3の検出部材と第5の検出部材とを同一のフィルムに形成したことを特徴とする請求項4記載の多分力検出器。
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