JP3852286B2 - ブレーキシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブレーキ倍力装置によりブレーキ液圧を倍力するブレーキシステムに関し、より詳しくは、ブレーキ倍力装置が全負荷点に達した以降においてもそれ以前と同様に倍力することが可能なブレーキシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキ倍力装置が全負荷点に達した以降においてもブレーキ液圧を倍力することが可能なブレーキシステムは知られている(特開平10−152041号公報)。上記特開平10−152041号公報の図2および図3に示された実施例では、マスタシリンダとホイールシリンダとの間のブレーキ液通路に電磁圧力制御弁22およびポンプ16等を設けてあり、ポンプ16の液圧を電磁圧力制御弁22よりもホイールシリンダ側となるブレーキ液通路に作用させるようにしている。これにより、ブレーキ操作力に対してブレーキ液圧を大きくすることができるとともに、ブレーキ倍力装置の助勢限界(全負荷点)以降においてもブレーキ力を倍力させることができ、しかも、ブレーキ倍力装置の圧力源の失陥等によりブレーキ倍力装置が倍力できない場合においても必要なブレーキ力を得ることができる。
また、上記特開平10−152041号公報の図13、14には、上記図2および図3における電磁圧力制御弁22の代りに機械式の圧力制御弁150を設けた実施例が開示されている。この図13、図14の実施例においても、ブレーキ倍力装置の助勢限界(全負荷点)以降においてもブレーキ力を倍力させることができる。
さらに、ブレーキ倍力装置が全負荷点に達した以降においてもブレーキ液圧を倍力することが可能なブレーキシステムとして、上記の他に例えば特開平10−35477号公報が知られている。この特開平10−35477号公報のシステムは、マスタシリンダおよびブレーキ倍力装置の他に、マスタシリンダにおけるリヤ側に配置した助勢限界時用中間液圧制御装置154等を備えている。これにより、ブレーキ倍力装置の助勢限界(全負荷点)以降においてもブレーキ力を倍力させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平10−152041号公報の図2および図3に開示されたシステムでは、各種のセンサや電磁圧力制御弁等を必要とするのでブレーキシステムの構成が複雑で高価になるという欠点があった。また、この特開平10−152041号公報の図13,図14に開示されたシステムでは、ブレーキ倍力装置の圧力源の失陥等によりブレーキ倍力装置が倍力できない際に助勢ができないという欠点があった。
他方、特開平10−35477号公報のブレーキシステムでも、ブレーキ倍力装置の圧力源の失陥等によりブレーキ倍力装置が倍力できない際に助勢ができないという欠点があった。
そこで、本発明の目的は、比較的簡単な構成によってブレーキ倍力装置の助勢限界(全負荷点)以降においてもブレーキ力を倍力させることができるとともに、ブレーキ倍力装置の圧力源の失陥等によりブレーキ倍力装置が倍力できない際にも助勢することが可能なブレーキシステムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ハウジング内に設けたマスタシリンダピストンが前進することによりマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、ブレーキ操作部材に連動して作動されて出力を発生させ、この出力により上記マスタシリンダピストンを前進させる負圧式倍力装置と、上記マスタシリンダピストンを前進させて上記マスタシリンダ圧を増圧させる増圧手段とを備え、
上記増圧手段が上記マスタシリンダピストンを前進させる付勢力と上記負圧式倍力装置の出力によって上記マスタシリンダピストンを前進させる付勢力との合計した付勢力を、上記ブレーキ操作部材に対する入力と比例するように構成し、
さらに、上記マスタシリンダピストン内に上記マスタシリンダ圧を受圧する反力ピストンを移動自在に設けて、上記マスタシリンダ圧を上記反力ピストンと負圧式倍力装置とを介してブレーキ反力として上記ブレーキ操作部材に伝達するように構成し、
また、上記負圧式倍力装置は、シェル内に摺動自在に設けた略筒状のバルブボディと、このバルブボディに連結され上記シェル内を定圧室と変圧室に区分するパワーピストンと、上記バルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸を介して上記ブレーキ操作部材に接続された弁プランジャと、この弁プランジャに形成した大気弁座と、上記バルブボディの内周部に形成した真空弁座と、上記バルブボディ内に設けられて上記大気弁座と真空弁座に接離する弁体と、軸部に貫通孔を有し、リヤ側の端部を上記バルブボディと一体に連結されるとともにフロント側の端部を上記マスタシリンダピストンに連動させた出力軸とを備えており、
上記マスタシリンダピストンは上記出力軸を介して上記バルブボディに連動させてあり、また、上記反力ピストンと上記弁プランジャとの間となる上記出力軸の貫通孔内に中間ロッドを摺動自在に配置し、上記反力ピストンに作用するマスタシリンダ圧による反力は、上記中間ロッド、弁プランジャ、入力軸を介して上記ブレーキ操作部材に伝達されるように構成し、
さらに、上記反力ピストンをフロント側に向けて付勢するジャンピングスプリングを上記マスタシリンダピストン内に配置して、上記負圧式倍力装置の非作動状態においては上記ジャンピングスプリングの付勢力によって反力ピストンを上記中間ロッドから離隔させるとともに、上記負圧式倍力装置が作動されてマスタシリンダ圧が上昇すると上記ジャンピングスプリングが圧縮されて上記反力ピストンが上記中間ロッドと当接するようにしたものである。
【0005】
このような構成によれば、負圧式倍力装置が、その助勢限界(全負荷点)に達した以降においても、それ以前と同様の比率によってマスタシリンダ圧を発生させることができる。また、負圧式倍力装置の負圧源が失陥して負圧式倍力装置が倍力できない場合であっても、負圧式倍力装置の負圧源が正常な場合と同様にマスタシリンダ圧を発生させることができる。
したがって、比較的簡単な構成によってブレーキ倍力装置の助勢限界(全負荷点)以降においても、ブレーキ力を倍力させることができるとともに、ブレーキ倍力装置の圧力源の失陥等によりブレーキ倍力装置が倍力できない際にも助勢することが可能なブレーキシステムを提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例に基づいて本発明を説明すると、図1乃至図2において、本発明に係るブレーキシステム1は、ブレーキペダル2の踏力を倍力して出力する負圧式倍力装置3と、この負圧式倍力装置3の出力により作動されてマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダ4と、マスタシリンダ4からマスタシリンダ圧を供給されてブレーキ作動を行うホイールシリンダ5〜8と、ブレーキ液を貯溜するリザーバ11と、さらにマスタシリンダ4におけるリア側に設けられてマスタシリンダ圧を増圧する増圧手段12とを備えている。
負圧式倍力装置3は、図2に詳細に示すように、出力軸13とそれに嵌合させた中間ロッド14およびそのリア側に配置した緩衝部材15の構成を除いて従来公知のものと同じ構成を備えている。すなわち、シェル16内に概略筒状のバルブボディ17を摺動自在に設けてあり、このバルブボディ17の外周部にパワーピストン18およびダイアフラム21を取付けている。このダイアフラム21の前後に定圧室Aおよび変圧室Bを構成してあり、定圧室Aには負圧源から常時負圧が導入されている。上記バルブボディ17内に従来公知の弁機構22を収納している。この弁機構22は、バルブボディ17内に摺動自在に嵌合されるとともに入力軸24に連結された弁プランジャ25と、バルブボディ17の内周部に形成した真空弁座26とそれに接離する弁体27とによって構成した真空弁28と、弁プランジャ25のリア側に形成した大気弁座31とそれに接離する弁体27とによって構成された大気弁32とを備えている。
【0007】
本実施例の出力軸13は従来のものとは異なり、軸部に貫通孔を穿設して筒状に形成している。この出力軸13のリア側の外周部に環状突起13aを形成してあり、その環状突起13aをバルブボディ17の環状突起17aに嵌着するとともに、出力軸13のリア側の端面13bを上記環状突起17aの端面に当接させている。他方、出力軸13のフロント側の端部は、マスタシリンダ4側のプライマリピストン33におけるリア側の内周部に嵌合している。このように本実施例の出力軸13は、バルブボディ17と一体に連結してあり、実質的にバルブボディ17の一部を形成している。
後に詳述するが、本実施例のマスタシリンダ4のプライマリピストン33も軸方向に貫通孔を穿設して筒状に形成してあり、このプライマリピストン33および出力軸13の内部にわたって中間ロッド14を摺動自在に嵌合している。出力軸13の内径は、弁プランジャ25のフロント側の端部の外径とほぼ同じ寸法にしている。そして、出力軸13のリア側の内方に弾性体からなる円柱状の緩衝部材15を嵌合してあり、この緩衝部材15を中間ロッド14のリア側の端部と弁プランジャ25のフロント側の端部とで挟持している。
以上の説明から理解できるように、本実施例では、従来のものとは異なり、バルブボディ17の環状突起17aの端面と出力軸13の端面13bとの間にリアクションディスクを設けていない。そのため、負圧式倍力装置3が作動された際のマスタシリンダ4からのブレーキ反力は、中間ロッド14、緩衝部材15、弁プランジャ25および入力軸24を介してブレーキペダル2に伝達される。中間ロッド14に作用するポンプ71の脈動は、緩衝部材15によって吸収されて弁プランジャ25には伝達されないようになっている。なお、緩衝部材15は省略しても良く、その場合には、中間ロッド14のリア側の端部を弁プランジャ25のフロント側の端部に直接当接させれば良い。
ブレーキペダル2が踏込まれていない非作動状態では、バルブボディ17等はリターンスプリング34によって図示非作動位置に位置している。この状態では、弁体27は真空弁座26から離隔して真空弁28が開放されており、他方、弁体27は大気弁座31に着座して大気弁32が閉鎖されている。
この状態からブレーキペダル2が踏込まれると、入力軸24および弁プランジャ25が前進されるので、弁体27は真空弁座26に着座して真空弁28が閉鎖される一方、弁体27は大気弁座31から離隔して大気弁32が開放される。これにより、変圧室Bに大気が導入されるので、定圧室A内の負圧と変圧室B内の大気との差圧によりパワーピストン18およびバルブボディ17等が前進され、出力軸13から出力される。この出力軸13の出力によってマスタシリンダ4のプライマリピストン33が前進してマスタシリンダ圧が発生する。このとき、マスタシリンダ4からの反力は、反力ピストン35、中間ロッド14、緩衝部材15、弁プランジャ25および入力軸24を介してブレーキペダル2に伝達され、マスタシリンダ圧は、図3に示すようにブレーキペダル2ヘの入力に対応するように制御される。すなわち、後に詳述するプライマリピストン33内に設けられた反力ピストン35に作用するマスタシリンダ圧による作用力とブレーキペダル2ヘの入力とがバランスするようにマスタシリンダ圧が制御される。
【0008】
次に、本実施例のマスタシリンダ4は、図2に詳細に示すように、タンデムタイプのものであり、従来公知のものと同様に、ハウジング41内のリア側に配置したプライマリピストン33と、フロント側に配置したセカンダリピストン36とを備えている。マスタシリンダ4のハウジング41には、軸方向の各部において内径が異なる大径孔41Aを穿設するとともに、この大径孔41Aから連続してリア側の端面に貫通する小径孔41Bを穿設している。
セカンダリピストン36は、従来と同様に概略カップ状に形成してあり、大径孔41Aにおけるフロント側の内周部に摺動自在に嵌合している。
これに対して本実施例のプライマリピストン33は、従来のものとは異なり、全体として段付の円筒状に形成してあり、このプライマリピストン33の段付貫通孔内にジャンピングスプリング92、リテーナ91およびスリーブ42をフロント側から順次挿入してスリーブ42のリア側の端部を段部端面33aに当接させて、その状態でリテーナ48によって固定させている。このスリーブ42の貫通孔内に反力ピストン35を摺動自在に挿入するとともに、スリーブ42のフロント側の端面に当接している従来公知のプライマリピストン用リターンスプリング53のリテーナ52と反力ピストン35の間に反力ピストンリターンスプリング37を弾装させる。このとき、ジャンピングスプリング92の付勢力の方が反力ピストンリターンスプリング37の付勢力より大きく設定しておく。したがって、非作動状態では、リテーナ91はスリーブ42のリア側端面に当接し、反力ピストン35がそのリテーナ91に当接した状態になっている。なお、反力ピストン35には、シール部材55が設けてあり、反力ピストン35の外周とスリーブ42の内周との液密を保持している。
【0009】
プライマリピストン33は、軸方向のフロント側を大径部33Aとする一方、リア側を小径部33Bとしてあり、上記大径部33Aと小径部33Bとの間の外周部に大径部33Aより大径の環状突起33Cを形成している。プライマリピストン33のフロント側の大径部33Aおよび環状突起33Cがハウジング41の大径孔41Aに摺動自在に挿入されるとともに、プライマリピストン33のリア側の小径部33Bがハウジング41の小径孔41Bに摺動自在に挿入されている。ハウジング41の大径孔41Aの軸方向中央部にカップシール44が設けてあり、このカップシール44によりプライマリピストン33のフロント側の大径部33Aの外周面と大径孔41Aの内周面との液密が保持され、プライマリピストン33の環状突起33Cの外周部に設けられたシール部材45により環状突起33Cの外周面と大径孔41Aの内周面との液密が保持される。さらに、ハウジング41の小径孔41Bにカップシール46が設けられ、これによりプライマリピストン33の小径部33Bの外周面とハウジング41の小径孔41Bの内周面との液密が保持されている。
上述のスプリング53のリテーナ52は、従来公知のように軸方向に伸縮自在になっており、セカンダリピストン36とスリーブ42との間に取付けられている。このリテーナ52のフロント側の半径方向部とリア側の半径方向部との間にリタースプリング53を弾装している。また、セカンダリピストン36のフロント側とハウジング41の底面との間にリターンスプリング54が弾装されている。したがって、非作動状態では、セカンダリピストン36とプライマリピストン33は、大径孔41A内の最もリア側となる図示非作動位置に位置している。
そして、プライマリピストン33の環状突起33Cよりリア側のハウジング41の大径孔41Aの内部空間によって増圧室56を形成しており、プライマリピストン33とセカンダリピストン36との間のハウジング41の大径孔41Aの内部空間により第1の液圧室62が形成され、セカンダリピストン36よりフロント側のハウジング41の大径孔41Aの内部空間により第2の液圧室65が形成されている。また、プライマリピストン33の大径部33Aの外周面とハウジング41の大径孔41Aの内周面との間でカップシール44とシール部材45との間の環状空間57はハウジング41の通路41aを通ってリザーバ11に連通している。
【0010】
プライマリピストン33の小径部33Bの内方に上記中間ロッド14のフロント側の外周部が摺動自在に挿入されており、中間ロッド14の外周に設けられたシール部材47によってプライマリピストン33の小径部33Bの内周面と中間ロッド14の外周面との液密を保持している。また、プライマリピストン33の小径部33Bのリア側の端面は、負圧式倍力装置3の出力軸13のフロント側の端面に当接しており、中間ロッド14のリア側の端面は、緩衝部材15のフロント側の端面に当接しており、中間ロッド14のフロント側の端面は、非作動位置では、反力ピストン35のリア側の端面と所定の隙間を持った位置にある。
上記増圧室56は、ハウジング41に設けられた軸方向通路41j、半径方向通路41iを介して連通孔82に接続され、さらに導管83およぴポンプ71から増圧室56へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁を通ってポンプ71の吐出側に接続されている。また、ハウジング41の半径方向通路41iは、逆止弁としてのカップシール81、通路41hを介してリザーバ11に接続されており、リザーバ11から増圧室56へのブレーキ液の流れのみを許容している。さらに、上記増圧室56は、プライマリピストン33とスリーブ42の半径方向孔79を介して第1の液圧室62に接続されており、非作動状態では、増圧室56と第1の液圧室62は連通している。
【0011】
プライマリピストン33の大径部33Aにおけるフロント側の位置に、第1の液圧室62である内部空間と外周部を連通する半径方向孔33bを穿設してあり、図示非作動状態では、半径方向孔33bの外方側の開口部は、カップシール44のリア側の端面を軸方向に跨ぐ位置に位置している。この非作動状態では、半径方向孔33bは、カップシール44のリア側のプライマリピストン33の外周面とハウジング41の大径孔41Aの内周面との間の環状空間57および半径方向孔41aを介してリザーバ11に接続されている。
また、第1の液圧室62は、ハウジング41の半径方向孔41b、41cおよび環状孔41dを介して第1吐出口63に連通し、導管64を介してホイールシリンダ7、8に連通している。したがって、作動時、プライマリピストン33が前進してプライマリピストン33の半径方向孔33bがカップシール44を横切ると、第1の液圧室62にマスタシリンダ圧が発生し、第1の液圧室62内のブレーキ液が第1吐出口63および導管64を介してホイールシリンダ7、8に供給されるようになっている。
セカンダリピストン36のフロント側の位置には、第2の液圧室65である内部空間と外周部とを連通する半径方向孔36aが穿設されており、図示非作動状態では、半径方向孔36aの外方側の開口部は、カップシール58のリア側の端面を軸方向に跨ぐ位置に位置している。この非作動状態では、半径方向孔36aは、カップシール58のリア側のセカンダリピストン36の外周面とハウジング41の大径部41Aの内周面との間および半径方向孔41fを介してリザーバ11に接続されている。
また、第2の液圧室65は、第2吐出口66および、導管67を介してホイールシリンダ5、6に連通している。したがって、作動時、セカンダリピストン36が前進してセカンダリピストン36の半径方向孔36aがカップシール58を横切ると、第2の液圧室65にマスタシリンダ圧が発生し、第2の液圧室65内のブレーキ液が第2吐出口66および導管67を介してホイールシリンダ5、6に供給されるようになっている。
【0012】
プライマリピストン33の外周面とハウジング41の大径孔41Aの内周面との間の環状空間57は、プライマリピストン33の半径方向孔33d、スリーブ42の外周の環状溝42aおよび軸方向孔42bを介してスプリング92の室に連通しており、スプリング92の室は常時リザーバ11に連通している。
なお、本実施例では、導管64、67の途中に、アンチスキッド制御を行う従来公知の液圧制御手段68、68をそれぞれ設けている。この液圧制御手段68、68は、ポンプ71、71と、それらを作動させるモータ72と、ポンプ71,71と導管64、67とを接続する導管73、74と、導管64、67に設けた複数の電磁開閉弁75等を備えている。そして、図示しない制御装置によってモータ72、電磁開閉弁75の作動を制御することによりアンチスキッド制御を行うことができるようになっている。また、本実施例では、増圧室56にブレーキ液を供給するポンプ71を上記アンチスキッド制御用のポンプと兼用しており、上記ポンプ71の吐出側を導管83を介して増圧室56に連通させるとともに、上記マスタシリンダ4の第1吐出口63とホイールシリンダ7、8とを接続する導管64の上記液圧制御手段68よりマスタシリンダ4側と、上記ポンプ71の吸込側を接続する導管84を設け、この導管84に常閉の電磁開閉弁85を設けている。
【0013】
本実施例の増圧手段12は、上記増圧室56と、これにブレーキ液を供給する上記ポンプ71と、このポンプ71の吸込側にブレーキ液の供給を行う電磁開閉弁85と、プライマリピストン33に設けられたスリーブ42や反力ピストン35等により構成されており、上記スリーブ42と反力ピストン35により上記増圧室56に供給されるポンプ71の液圧を制御する増圧手段12の制御弁を構成している。
また、本実施例では、図1に示すように、ブレーキペダル2が踏込まれたことを検出するスイッチ86を設けてあり、このスイッチ86は、ブレーキペダル2が踏込まれたことを検出すると、図示しない制御装置に出力するようになっている。さらに、負圧式倍力装置3の変圧室B内の圧力を検出する圧力センサ87を設けてあり、負圧式倍力装置3の変圧室B内の圧力を上記図示しない制御装置に出力するようになっている。この上記図示しない制御装置は、上記スイッチ86や圧力センサ87からの入力に応じて、ポンプ71や常閉の電磁開閉弁85の作動を制御する。
さらに、本実施例では、非作動状態での上記マスタシリンダ4のプライマリピストン33内の上記反力ピストン35が半径方向孔79を開放させた状態からこの半径方向孔79を完全に閉鎖するまでの上記負圧式倍力装置3の入力軸24の軸方向の移動距離を、上記負圧式倍力装置3の真空弁座26に弁体27が着座するまでの上記入力軸24の非作動位置からの軸方向の移動距離より大きく設定している。
【0014】
----(作動説明)
以上の構成における本実施例の作動について説明する。この実施例は、ブレーキペダル2が踏込まれていない非作動状態においては、ブレーキシステム1の各構成要素は図1および図2に示す非作動位置にあり、ポンプ71は駆動されておらず、電磁開閉弁85は閉鎖されている。負圧式倍力装置3は、真空弁28が開放されており、大気弁32は閉鎖されており、定圧室Aと変圧室Bはともに負圧に維持されている。また、マスタシリンダ4は、増圧室56が第1の液圧室62に連通しており、第1および第2の液圧室62、65はともにリザーバ11に連通しており、第1および第2の液圧室62、65および増圧室56は大気圧になつている。
【0015】
この非作動状態からブレーキペダル2が踏込まれると、負圧式倍力装置3の入力軸24および弁プランジャ25が前進されるので、真空弁28が閉鎖される一方、大気弁32が開放される。これにより、変圧室Bに大気が導入されるので、定圧室Aと変圧室Bとに差圧が生じ、パワーピストン18、バルブボディ17、出力軸13等が前進し、負圧式倍力装置3が作動して、出力軸13によりマスタシリンダ4のプライマリピストン33を前進させる。すると、プライマリピストン33の半径方向孔33bがカップシール44を横切ると第1の液圧室62にマスタシリンダ圧が発生する。この第1の液圧室62に発生したマスタシリンダ圧によりセカンダリピストン36も前進し、セカンダリピストン36の半径方向孔36aがカップシール58を横切ると第2の液圧室65にもマスタシリンダ圧が発生するようになる。
この第1および第2の液圧室62、65に発生したマスタシリンダ圧は、導管64、67を介してホイールシリンダ5、6、7、8に供給される。
この第1の液圧室62に発生したマスタシリンダ圧は、プライマリピストン33内の反力ピストン35に作用し、反力ピストン35をリア側に押すが、マスタシリンダ圧による反力ピストン35を押す力がジャンピングスプリング92の付勢力より小さい内は、反力ピストン35は動かない。第1の液圧室62のマスタシリンダ圧が上昇して、反力ピストン35を押す力がジャンピングスプリング92の付勢力より大きくなると、反力ピストン35はリア側に後退して中間ロッド14に当接する。すると、反力ピストン35に作用しているマスタシリンダ圧による反力が、中間ロッド14、緩衝部材15、弁プランジャ25および入力軸24を介してブレーキペダル2にブレーキ反力として伝達される。これによりブレーキペダル2への入力に応じてマスタシリンダ圧が制御されるようになる。つまり、反力ピストン35に作用する第1の液圧室62のマスタシリンダ圧による作用力と入力軸24に作用する入力とがバランスするように第1の液圧室62のマスタシリンダ圧が制御される。また、反力ピストン35が中間ロッド14に当接した時点が運転者に始めて反力が伝達される図3のJで示す従来一般にいわれているジャンピングの時点となる。本実施例では、ジヤンピングスプリング92の付勢力を変更することで容易にジャンピング特性を変更することができる。
【0016】
このとき、プライマリピストン33の前進に伴い増圧室56の容積が増加するが、第1の液圧室62と増圧室56とは、プライマリピストン33の半径方向孔79を介して連通しているので、この半径方向孔79を介して第1の液圧室62のブレーキ液がまたは逆止弁のカップシール81を介してリザーバ11のブレーキ液が増圧室56に供給され、増圧室56の液圧は、最終的には第1の液圧室62と同じ液圧になる。このように、ブレーキペダル2への入力に応じてマスタシリンダ4の第1および第2の液圧室62、65にマスタシリンダ圧が発生し、それが導管64、67を介してホイールシリンダ5、6、7、8に供給されてブレーキ作動が行われる。
【0017】
さらに、ブレーキペダル2への入力が増加し、負圧式倍力装置3の作動が全負荷点近くになり、変圧室Bの圧力が所定の圧力になると、圧力センサ87からの入力とブレーキペダル2の作動を検出するスイッチ86からの入力により図示しない制御装置は、ポンプ71を作動させるとともに電磁開閉弁85を開放させる。
これにより、マスタシリンダ4の第1の液圧室62のブレーキ液は、電磁開閉弁85とポンプ71を介して増圧室56に供給されるようになるが、増圧室56は、プライマリピストン33の半径方向孔79を介して第1の液圧室62に連通しているので、増圧室56に供給されたブレーキ液は第1の液圧室62に還流されるのみで、第1の液圧室62や増圧室56の液圧は変化しない。さらに、入力が増加し、負圧式倍力装置3が全負荷点を越えると、入力軸24と弁プランジャ25は前進を始め、緩衝部材15、中間ロッド14を介してプライマリピストン33内の反力ピストン35を前進させる。すると、反力ピストン35によりプライマリピストン33の半径方向孔79が絞られるようになり、増圧室56に供給されているポンプ71の吐出液の第1の液圧室62への還流が絞られるので、増圧室56の液圧が上昇する。この上昇した増圧室56の液圧によりプライマリピストン33はフロント側に押されるので、第1の液圧室62のマスタシリンダ圧は上昇する。このように、本実施例では、負圧式倍力装置3が全負荷点を越えた助勢限界以降においても、増圧室56にポンプ71の液圧を供給することにより入力に対するマスタシリンダ圧の傾きを全負荷点以前と同じ傾きでマスタシリンダ圧を上昇させることができ、ブレーキ力を倍力させることができるようになる。
【0018】
負圧式倍力装置3の負圧源の失陥等により負圧式倍力装置3への供給負圧が低下している場合には、負圧式倍力装置3は、正常なときよりも小さな入力で全負荷点になってしまい、十分な倍力が行われないが、正常なときより小さな入力で負圧式倍力装置3の変圧室Bの圧力は所定の圧力になるので、上記と同様に増圧手段12が作動してマスタシリンダ4のマスタシリンダ圧を上昇でき、ブレーキ力を倍力させることができるようになる。このように、本実施例では、負圧式倍力装置3によるマスタシリンダ4のプライマリピストン33への付勢力と増圧手段12によるプライマリピストン33への付勢力の合計の付勢力によりマスタシリンダ圧が発生し、そのマスタシリンダ圧がブレーキペダル2への入力に応じて制御されるようになるので、負圧式倍力装置3の助勢限界(全負荷点)以降でもブレーキ力を倍力させることができるとともに、負圧式倍力装置3の負圧源の失陥等により供給負圧が低下した際にも助勢することができる。
【0019】
----(第2実施例)
次に、図4および図5は、本発明の第2実施例を示したものであり、上記第1実施例に対し、プライマリピストン33とその内部構成およびポンプ構成が異なるものである。そこで、上記第1実施例と同じ構成の部材には同じ付番を付け、その説明は省略する。
本第2実施例では、負圧式倍力装置3の構成は、第1実施例と全く同じ構成になっており、マスタシリンダ4のプライマリピストン33の内部構成が第1実施例とは異なっている。
図5に示すように、マスタシリンダ4のプライマリピストン33は、内部に段付貫通孔を有し、軸方向のフロント側を大径部33Aとし、リア側を小径部33Bとしてあり、上記大径部33Aの外周部の所定位置に大径部33Aよりも大径の環状突起33Cを形成している。プライマリピストン33の小径部33Bの内方に中間ロッド14のフロント側の外周部にシール部材47を装着して小径部33Bの内周面と中間ロッド14の外周面との液密を保持しながら、摺動自在に嵌合している。
プライマリピストン33の大径部33Aの上記段付貫通孔に、スリーブ42をフロント側から挿入して、このスリーブ42のリア側の端面を貫通孔の段部端面33aに当接させ、環状のリテーナ48を上記スリーブ42のフロント側の端面に当接させ、環状部材51を上記貫通孔に嵌合してリテーナ48に当接させてスリーブ42とリテーナ48をプライマリピストン33と一体に固定している。
【0020】
スリーブ42の内周部のリア側に、スプール43を摺動自在に挿入してあり、上記スリーブ42の内周部のフロント側で上記スプール43のフロント側に反力ピストン35が摺動自在に挿入してある。この反力ピストン35とスプール43との間にジャンピングスプリング37が弾装されており、非作動状態では、反力ピストン35のフロント側の端面はリテーナ48のリア側に当接しており、スプール43のリア側の端面はプライマリピストン33の段付貫通孔の段部端面33aに当接している。上記スプール43には貫通孔が設けられており、上記中間ロッド14のフロント側の小径部14aが、その貫通孔に挿入され、その小径部14aの先端は、反力ピストン35のリア側の端面に面している。また、非作動状態では、スプール43のリア側の端面と中間ロッド14の段部14bとの間には隙間が設けられている。
【0021】
プライマリピストン33の大径部33Aの環状突起33Cよりリア側の外周面とハウジング41の大径孔41Aの内周面との間の内部空間を増圧室56とし、この増圧室56は、ハウジング41の軸方向通路41jおよび半径方向通路41iを介して連通孔82に連通しており、この連通孔82は、後述するポンプ101の吐出側に接続されている。さらに、上記増圧室56は、プライマリピストン33とスリーブ42にわたって設けられた半径方向孔79を介してスリーブ42内の内部室77に連通している。この半径方向孔79は、非作動状態では、上記増圧室56と内部室77を連通し、作動時スプール43が中間ロッド14により作動してフロント側に移動すると上記スプール43が半径方向孔79の内方の開口を塞いで増圧室56から内部室77へのブレーキ液の流れを絞るように構成されている。すなわち、上記スプール43、スリーブ42および半径方向孔79により増圧手段12の制御弁を構成している。
さらに、スリーブ42の内部室77は、スリーブ42とプライマリピストン33とにわたって設けられた半径方向孔78を介してプライマリピストン33の大径部33Aの外周面とハウジング41の大径孔41Aの内周面との間でハウジング41側に設けられたカップシール44とプライマリピストン33の環状突起33C部に設けられたシール部材45との間の環状液室57に連通し、さらに、ハウジング41の半径方向孔41aを介してリザーバ11に連通している。したがって、非作動状態では、増圧室56は、半径方向孔79、内部室77、半径方向孔78、環状液室57および半径方向孔41aを介してリザーバに連通している。
【0022】
また、本第2実施例は、図4に示すように上記第1実施例とは、増圧室56ヘブレーキ液を供給するポンプの構成が異なっている。上記第1実施例では、ポンプをアンチスキッド制御用のポンプ71と兼用した構成にしているが、本第2実施例では、アンチスキッド制御用のポンプ71を駆動させるモータ72で駆動はするが、アンチスキッド制御用ポンプ71とは別個の増圧室56へのブレーキ液供給用ポンプ101を設けている。このポンプ101の吐出側は、ポンプ101から増圧室56へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁と導管102を介して増圧室56に接続し、ポンプ101の吸込側はリザーバ11からポンプ101へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁と導管103を介してリザーバ11に接続されている。
本第2実施例のその他の構成は、上記第1実施例と同じである。
【0023】
-----(作動説明)
以上の第2実施例の作動を以下に説明する。図4および図5に示す非作動状態よりブレーキペダル2を踏込み負圧式倍力装置3を作動させると、負圧式倍力装置3の出力軸13の前進によりマスタシリンダ4のプライマリピストン33が前進して第1の液圧室62にマスタシリンダ圧が発生し、それによりセカンダリピストン36が前進して第2の液圧室65にもマスタシリンダ圧が発生し、そのマスタシリンダ圧が導管64、67を介してホイールシリンダ5、6、7、8に供給される。このとき、プライマリピストン33の前進により増圧室56の容積が増加するが、スリーブ42の半径方向孔79は開放されているので、その半径方向孔79を介してや、逆止弁のカップシール81を介してリザーバ11のブレーキ液が増圧室56に供給されるので、増圧室56は大気圧のままである。
この作動開始時には、入力軸24、弁プランジャ25の前進により中間ロッド14も前進するが、中間ロッド14の段部14bはスプール43には当接せず、小径部14aの先端も反力ピストン35に当接していない。この状態で、第1の液圧室62のマスタシリンダ圧が上昇すると、マスタシリンダ圧は反力ピストン35に作用し、このマスタシリンダ圧による反力ピストン35への作用力がスプリング37の付勢力より大きくなると、反力ピストン35は後退して中間ロッド14の小径部14aの先端に当接して、反力ピストン35へのマスタシリンダ圧による反力が中間ロッド14、緩衝部材15、弁プランジャ25、入力軸24を介してブレーキペダル2にブレーキ反力として伝達される。これにより、上記第1実施例と同様に第1の液圧室62のマスタシリンダ圧は、入力に応じた液圧に制御される。この反力伝達開始時点がいわゆるジャンピングであり、スプリング37の付勢力を変更することで容易にジャンピング特性を変更できる。
【0024】
ブレーキペダル2の入力が大きくなり、負圧式倍力装置3が全負荷点近くになると、変圧室Bの圧力を検出する圧力センサ87とブレーキペダル2の作動を検出するスイッチ86からの入力により図示しない制御装置がポンプ101を駆動させる。この状態では、スリーブ42の半径方向孔79は十分に開いているので、増圧室56に供給されるポンプ101からのブレーキ液は、半径方向孔79、内部室77、半径方向孔78、環状液室57および半径方向孔41aを介してリザーバ11に還流されるので、増圧室56には液圧は発生しない。
さらに、入力が上昇して、負圧式倍力装置3が全負荷点になると、入力軸24、弁プランジャ25が前進するので、中間ロッド14が前進して段部14bがスプール43に当接してスプール43が前進して半径方向孔79を絞るようになる。
これにより、増圧室56に液圧が発生し、この液圧によりプライマリピストン33を押すようになるので、上記第1実施例と同様に助勢限界(全負荷点)以降でもブレーキ力を倍力させることができる。また、負圧式倍力装置3の負圧源失陥等により供給負圧が低下した場合でも、正常時と同様にブレーキ力を倍力することができる。以上のように、上記第1実施例では、増圧手段12によりマスタシリンダ4の第1の液圧室62内のブレーキ液を電磁開閉弁85、ポンプ71を介してマスタシリンダ4内の増圧室56に供給し、この増圧室56に供給されたブレーキ液を第1の液圧室62に還流させるプライマリピストン33の半径方向孔79を絞ることにより増圧室56に第1の液圧室62より高い液圧を発生させ、その液圧によりプライマリピストン33を押してマスタシリンダ圧を増圧させるようにしているが、本第2実施例では、リザーバ11のブレーキ液をポンプ101を介してマスタシリンダ4内の増圧室56に供給し、この増圧室56に供給されたブレーキ液をリザーバ11に還流させるプライマリピストン33の半径方向孔79を絞ることにより増圧室56に液圧を発生させ、この液圧によりプライマリピストン33を押してマスタシリンダ圧を増圧させるようにしたものである。この第2実施例では、増圧室56にブレーキ液を供給するポンプ101をアンチスキッド制御用ポンプ71とは別個に設けているのでアンチスキッド制御に影響されずに増圧手段12を作動させることができる。その他の効果は、第1実施例と同じである。
【0025】
----(第3実施例、第4実施例)
次に、上記第1実施例や第2実施例では、負圧式倍力装置3が全負荷点近くになるとポンプ71、101を駆動させ、負圧式倍力装置3の全負荷点以降で増圧手段12を作動させるようにしているが、第3実施例および第4実施例として、スイッチ86がブレーキペダル2の踏込みを検出すると、制御装置が増圧手段12のポンプ71、101等を駆動させて増圧手段12の増圧作動を開始するようにしても良い。
第3実施例は、第1実施例に対し上記作動になるようにしたもので、スイッチ86がブレーキペダル2の踏込みを検出すると、制御装置がポンプ71を駆動させるとともに電磁開閉弁85を開放させるようにしたものである。
これにより、ブレーキペダル2が急激に踏込まれる急制動時においては、負圧式倍力装置3では変圧室Bへの大気の導入が遅れマスタシリンダ圧の上昇が遅れる場合があるが、本第3実施例では、ブレーキペダル2の踏込みと同時に増圧手段12が作動開始するので、迅速にマスタシリンダ圧を上昇させることができ、ブレーキペダル2が急激に踏込まれる急制動時の応答性を向上させることができる。
【0026】
第4実施例は、第2実施例に対し上記作動になるようにしたもので、スイッチ86がブレーキペダル2の踏込みを検出すると、増圧手段12のポンプ101を作動させるようにしたもので、この第4実施例でも上記第3実施例と同様の効果を得ることができる。
【0027】
-----(第5実施例)
次に、図6は、本発明の第5実施例を示したものであり。この第5実施例では、上記第1実施例に対しマスタシリンダ4内の増圧室56ヘブレーキ液を供給するポンプの構成のみが異なっている。そこで、上記第1実施例と同じ構成の部材には同じ付番を付け、その説明は省略する。
すなわち、上記第1実施例のブレーキシステム1は、アンチスキッド制御を行う従来公知の液圧制御手段68を備え、マスタシリンダ4内の増圧室56ヘブレーキ液を供給するポンプをアンチスキッド制御用のポンプ71と兼用し、そのポンプ71の吸込側とマスタシリンダ4の第1の液圧室62とホイールシリンダ7、8を接続する導管64の上記液圧制御手段68よりマスタシリンダ側を電磁開閉弁85を介して接続しているが、本第5実施例のブレーキシステム1は、アンチスキッド制御を行う液圧制御手段を備えておらず、マスタシリンダ4内の第1の液圧室62とホイールシリンダ7、8を接続する導管64とマスタシリンダ4内の増圧室56とを接続する導管83に上記導管64から上記増圧室56へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁203、204と、モータ202で駆動するポンプ201を備えている。本第5実施例のその他の構成は、第1実施例と同じである。また、本第5実施例の作動も第1実施例とほぼ同じである。
この第5実施例は、アンチスキッド制御等の液圧制御手段を備えていないブレーキシステムに適用できる。その他の効果は、上記第1実施例と同じである。
【0028】
-----(第6実施例)
次に、図7は、本発明の第6実施例を示したものであり。この第6実施例では、上記第1実施例に対しマスタシリンダ4内の増圧室56ヘブレーキ液を供給するポンプ71の吸込側の構成のみが異なっている。そこで、上記第1実施例と同じ構成の部材には同じ付番を付け、その説明は省略する。
すなわち、上記第1実施例のブレーキシステム1は、マスタシリンダ4内の増圧室56ヘブレーキ液を供給するポンプをアンチスキッド制御用のポンプ71と兼用し、そのポンプ71の吸込側とマスタシリンダ4の第1の液圧室62とホイールシリンダ7、8を接続する導管64の上記液圧制御手段68よりマスタシリンダ側を電磁開閉弁85備えた導管84を介して接続しているが、本第6実施例のブレーキシステム1は、電磁開閉弁85を削除し、上記液圧制御手段68のサンプ装置を機械式切換弁付きサンプ装置301とし、上記導管84のポンプ71側を上記機械式切換弁付きサンプ装置301の切換弁に接続したものである。
上記機械式切換弁付きサンプ装置301は、ピストン302、このピストン302を付勢するスプリング303、サンプ装置301内から導管84へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁の機能を有する切換弁304とピストン302に設けられ上記切換弁304の開閉を行う押圧部材305を有しており、サンプ装置301にブレーキ液が蓄圧されていないときには、ピストン302はスプリング303により図で上方に動いて押圧部材304により切換弁304は開となり、サンプ装置301にブレーキ液が蓄圧されると、ピストン302はスプリング303に抗して下方に動いて切換弁304は閉になるように構成されている。その他の構成は、第1実施例と同じである。
この第6実施例では、ブレーキペダル2を踏込み、マスタシリンダ4の第1の液圧室62にマスタシリンダ圧が発生すると、この第1の液圧室62のブレーキ液は、導管84と開いている切換弁304を介して上記サンプ装置301に供給され、所定量のブレーキ液が蓄圧されるとピストン302はスプリング303に抗して図で下方に動き切換弁304は閉となる。ブレーキペダル2が戻され、マスタシリンダ圧が0になると、サンプ装置301に蓄圧されたブレーキ液は、逆止弁の機能を有する切換弁304を開いてマスタシリンダ4に戻される。このように、ブレーキ作動毎にサンプ装置301には、ブレーキ液が蓄圧されるようになるので、増圧手段12のポンプ71が作動すると直ちにサンプ装置301に蓄圧されたブレーキ液が増圧室56に供給されるようになる。この第6実施例の効果は、第1実施例と同じである。
【0029】
-------(他の実施例)
次に、図8から図11は、それぞれ本発明に関するさらに別の実施例を示したものである。上述した各実施例においては、真空式倍力装置3の出力軸13にマスタシリンダ4のプライマリピストン33を嵌着していたが、図8から図11に示した各実施例においては、真空式倍力装置3の出力軸13とプライマリピストン33との間に寸法調整手段としてのスペーサ19を介在させる一方、緩衝部材15を省略して中間ロッド14と弁プランジャ25を当接させるようにしている。その他、図8から図11に示す各実施例においては、プライマリピストン33の内部の制御弁等を適宜改良したものである。
先ず、図8に示した第7実施例を説明すると、この第7実施例は、図2に示した第1実施例の一部を改良したものである。
すなわち、プライマリピストン33におけるリア側の大径孔33fにリア側からリング状のスペーサ19を嵌合して、大径孔33fの段部端面に当接させている。そして、このスペーサ19のリア側から上記大径孔33f内に、出力軸13におけるフロント側の筒状部13cを挿入し、かつそのフロント側の端部をスペーサ19に当接させている。大径孔33fのリア側にはストッパリング20を取り付けてあり、これによって、スペーサ19が大径孔33fから脱落しないようにしている。
このように、この第7実施例では、プライマリピストン33と出力軸13は、スペーサ19を介して連動するように構成されている。本実施例では、軸方向寸法(厚さ)が異なる複数のスペーサ19を準備しておき、その中から適切な寸法のものを選択して、上記大径孔33fに嵌合するようにしている。これにより、非作動状態におけるプライマリピストン33の軸方向の停止位置を調整できるようになっている。
なお、上記スペーサ19を省略し、その代わりに出力軸13の筒状部あるいはプライマリピストン33の大径孔33fにねじ部を形成して、そこに円筒状をした調整部材を螺合するようにしても良い。
【0030】
また、この実施例では、中間ロッド14と弁プランジャ25とを直接当接させてあり、中間ロッド14の外周部には2つのシール部材47,47を装着している。このように、シール部材47,47を2つ設けたことにより、中間ロッド14の外周部とプライマリピストン33の内周部との間の液密を確実に保持できるようにしている。
さらに、本実施例では、中間ロッド14として軸方向寸法が異なる複数の種類のものを準備しており、その中から適切な寸法のものを選択するようにしている。これによって、非作動状態における中間ロッド14と反力ピストン35との間隙を調整することができ、それによって反力ピストン35が半径方向孔79を絞るまでのロスストロークを調整することができる。
なお、非作動状態における中間ロッド14と反力ピストン35との間隙を調整する手段として、次のような構成であっても良い。つまり、円板状をした厚さの異なる調整部材を用意しておき、その中から適切な厚さのものを選択して中間ロッド14のリア側の端部と弁プランジャ25との間に介在させるようにしても良い。また、中間ロッド14の小径部14aにおねじ部を形成して、そこに袋ナット状の調整部材を螺合させるようにしても良い。
次に、この第7実施例においては、図2におけるリング状のリテーナ48の代わりに段付円筒状の固定部材48を用いてスリーブ42をプライマリピストン33の内周部に固定している。より詳細には、スリーブ42を嵌合した位置よりもフロント側となるプライマリピストン33の内周部は、段付のめねじ部としている。一方、固定部材48の外周部にはおねじ部を形成してあり、この固定部材48を上記プライマリピストン33の内周部のめねじ部に螺合し、かつ固定部材48のリア側の端面をスリーブ42に当接させている。このようにして固定部材48によってスリーブ42をプライマリピストン33の内部に固定している。
固定部材48とセカンダリピストン36とにわたってリターンスプリング53とリテーナ52を設けている。なお、固定部材48の端面には軸方向孔48aを穿設して、その前後が連通できるようにしてあり、また、固定部材48におけるフロント側には、プライマリピストン33の半径方向孔33bの位置にあわせて半径方向孔48bを形成している。
また、この実施例では、セカンダリピストン36側のリターンスプリング54の内方に上記リテーナ52と同じ構成のリテーナ49を設けている。
また、この実施例では、反力ピストン35におけるフロント側の外周部に環状溝35cを形成するとともに、この環状溝35cから連続させて反力ピストン35の内部に断面T字形の連通路35dを形成している。この環状溝35cとプライマリピストン33の半径方向通路79とが軸方向において重合する量が変動することにより、半径方向通路79を絞る制御弁を構成している。
また、図2に示した実施例では、定圧室Aと変圧室Bがそれぞれ1つだけの負圧式倍力装置3を用いていたが、この図8に示した第7実施例では、定圧室Aと変圧室Bとを2組備えたタンデムタイプの負圧式倍力装置3を採用している。
【0031】
さらに、本実施例においては、第1液圧室62内の液圧が作用するプライマリピストン33の第1液圧室62側の受圧面積と増圧室56側の受圧面積の差をセカンダリピストン36の受圧面積と同一となるように設定している。この他の構成は、図1および図2に示した第1実施例と同じであり、同一の番号を付して説明は省略する。
本実施例において、プライマリピストン33の受圧面積を上述したように設定する理由は次のとおりである。つまり、図2、この図8および後述する図9の実施例では、第1液圧室62と増圧室56とが連通する構成となっているので、作動時プライマリピストン33がストロークすると、第1液圧室62内のブレーキ液は、ホイールシリンダ7、8に供給されるとともに、増圧室56にも供給される。したがって、ホイールシリンダ7、8に従来と同じブレーキ液量を供給するためには、増圧室56にブレーキ液が供給される分だけ余分にプライマリピストン33をストロークさせなければならず、ペダルストロークが増加してペダルストローク特性が変化してしまう。
そのため、ペダルストローク特性を従来と同じにするためにプライマリピストン33の受圧面積を上述したように設定したものである。
すなわち、従来では第1液圧室と第2液圧室の液圧を同じにする等のためにプライマリピストンとセカンダリピストンの受圧面積を同じにしているが、この図8および図9の実施例では、プライマリピストン33の第1液圧室62側の受圧面積と増圧室56側の受圧面積の差をセカンダリピストン36の受圧面積と同じにしたので、従来と同じペダルストロークでホイールシリンダ7、8に従来と同じブレーキ液量を供給することができるようになり、ペダルストローク特性を従来と同じにすることができる。
また、プライマリピストン33は、第1液圧室62側の受圧面積と増圧室56側の受圧面積の差に第1液圧室62の液圧が作用する作用力と負圧倍力装置3の出力とがバランスするのでペダル踏力に対する第1液圧室62の液圧は従来と変わらず、ペダル踏力に対するマスタシリンダ液圧特性も従来と同じにすることができる。
なお、図5および後述する図10、図11の実施例においては、第1液圧室62と増圧室56との連通しない構成となっているので、図5、図10および図11の実施例においては、プライマリピストン33の第1液圧室側の受圧面積と増圧室側の受圧面積の差をセカンダリピストン36の受圧面積と同一にする必要はない。
この図8に示した第7実施例によれば、上述した作用、効果のほかに図2に示した実施例と同様の作用効果を得ることができことは勿論である。
【0032】
-----(第8実施例)
次に、図9に示した第8実施例について説明すると、この第8実施例は上記図8に示した第7実施例の固定部材48を改良したものである。
すなわち、この第8実施例では、カップ状の固定部材48を用いており、この固定部材48をフロント側からプライマリピストン33の内周部に圧入して、固定部材48の端面をスリーブ42に当接させている。これによって、スリーブ42をプライマリピストン33の内部に固定している。また、固定部材48の端面には、軸方向の貫通孔48aを穿設して、端面の前後の空間部を連通させている。
また、この第8実施例では、中間ロッド14の外周部には、シール部材47を1つだけ装着している。
さらに、このこの第8実施例では、図示しないリザーバをマスタシリンダ4よりもフロント側に離隔して設けてあるので、リザーバとマスタシリンダ4の半径方向孔41a,41fとを連通させるために、従来公知の接続手段50を用いている。その他の構成は、図8に示した第7実施例と同じなので、同一番号を付して説明は省略する。
このような構成の第8実施例においても、上述した第7実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0033】
-----(第9実施例)
次に図10は本発明の第9実施例を示したものであり、この第9実施例は、上述した図5に示した実施例の改良である。
すなわち、この第9実施例では、図8に示した実施例と同様に、プライマリプストン33と出力軸13の筒状部13cとの間にリング状のスペーサ19を介在させている。これにより、非作動状態におけるプライマリピストン33の軸方向の停止位置を調整できるようになっている。
また、中間ロッド14の外周部には、2つのシール部材47、47を装着しているので、中間ロッド14の外周部とプライマリピストン33の内周部との間の液密を確実に保持することができる。さらに、この実施例では、図5における緩衝部材15は省略して中間ロッド14と弁プランジャ25は直接当接させている。
この第9実施例においても、中間ロッド14として長さの異なるものを複数よいしておき、適切な長さのものを選択してプライマリピストン33の内周部に嵌合するようにしている。これによって、非作動状態における中間ロッド14の端部14bとスプール43との間隙を調整することができ、それによってスプール43が半径方向孔79の内方側の開口を絞るまでのロスストロークを調整することができる。
さらに、本実施例ではスプール43の外径を軸方向全域において同じにする一方、スプール43のフロント側の外周部に環状溝43aとそれから連続する半径方向孔43bを形成している。スプール43が軸方向に移動することにより、上記環状溝43aと半径方向孔79とが軸方向で重合する量を調整されて半径方向孔79の絞り量が調整されるようになっている。
また、この実施例では、図5におけるリテーナ48、環状部材51の代わりに単一の固定部材48を用いてスリーブ42をプライマリピストン33の内部に固定している。より詳細には、環状の固定部材48の外周部にねじ部を形成する一方、プライマリピストン33の内周部にめねじ部を形成している。そして、固定部材48をプライマリピストン33の内周部に螺合させるとともに、固定部材48の端面をスリーブ42に当接させてあり、それによってスリーブ42をプライマリピストン33の内周部に固定している。また、反力ピストン35のフロント側の端面を固定部材48の端面によって支持している。なお、リターンスプリング53のリア側の端部は上記固定部材48に当接させている。
また、この実施例では、第2液圧室65側のリターンスプリング54の内方に従来公知のリテーナ49を設けている。そのほかの構成は図5に示した実施例と同じなのであり、対応する部材には同じ部材番号を付して説明は省略する。
このように構成とした第9実施例によっても、上述した作用、効果のほかに図5に示した実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0034】
-------(第10実施例)
次に図11は本発明の第10実施例を示したものであり、この実施例は上記図10の第9実施例における固定部材48等を改良したものである。
すなわち、この第10実施例では、カップ状の固定部材48を用いており、この固定部材48をプライマリピストン33の内周部に圧入し、かつ固定部材48のリア側の端面をスリーブ42のフロント側の端部に当接させている。これによって、スリーブ42をプライマリピストン33の内周部に固定している。また、この固定部材48の端面によって反力ピストン35の端面を支持している。なお、固定部材48の端面には貫通孔48aを穿設してあり、固定部材48の前後の空間部を連通させている。
この第10実施例では、中間ロッド14の外周部に単一のシール部材47を装着している。また、この実施例では、真空倍力装置3のバルブボディ17およびパワーピストン18の形状とそれらの連結構造を図10に示した第9実施例のものと少し異ならせている。
さらに、この実施例では、図示しないリザーバをマスタシリンダ4よりもフロント側に離隔して設けてあるので、リザーバとマスタシリンダ4の半径方向孔41a,41fとを連通させるために、従来公知の接続手段50を用いている。その他の構成は、図10に示した実施例と同じなので、同一番号を付して説明は省略する。
このような構成の第10実施例においても、上述した第9実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成により負圧式倍力装置が助勢限界(全負荷点)に達した以降においても、また、負圧式倍力装置の負圧源失陥等により供給負圧が低下した場合においても、十分な倍力機能を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体の構成図。
【図2】図1の要部を示す拡大断面図。
【図3】図1に示したブレーキシステムによる入力とマスタシリンダ圧との関係を示す特性線図
【図4】本発明の第2実施例を示す全体の構成図。
【図5】図4の要部を示す拡大断面図。
【図6】本発明の第5実施例を示す全体の構成図。
【図7】本発明の第6実施例を示す全体の構成図。
【図8】本発明の第7実施例を示す断面図。
【図9】本発明の第8実施例を示す断面図。
【図10】本発明の第9実施例を示す断面図。
【図11】本発明の第10実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ブレーキシステム 2 ブレーキペダル
3 負圧式倍力装置 4 マスタシリンダ
5〜8 ホイールシリンダ 11 リザーバ
12 増圧手段 14 中間ロッド
33 プライマリピストン 35 反力ピストン
42 スリーブ 43 スプール
56 増圧室 62 第1の液圧室
71、101、201 ポンプ 85 電磁開閉弁
86 入力スイッチ 87 圧力センサ
301 サンプ装置

Claims (12)

  1. ハウジング内に設けたマスタシリンダピストンが前進することによりマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、ブレーキ操作部材に連動して作動されて出力を発生させ、この出力により上記マスタシリンダピストンを前進させる負圧式倍力装置と、上記マスタシリンダピストンを前進させて上記マスタシリンダ圧を増圧させる増圧手段とを備え、
    上記増圧手段が上記マスタシリンダピストンを前進させる付勢力と上記負圧式倍力装置の出力によって上記マスタシリンダピストンを前進させる付勢力との合計した付勢力を、上記ブレーキ操作部材に対する入力と比例するように構成し、
    さらに、上記マスタシリンダピストン内に上記マスタシリンダ圧を受圧する反力ピストンを移動自在に設けて、上記マスタシリンダ圧を上記反力ピストンと負圧式倍力装置とを介してブレーキ反力として上記ブレーキ操作部材に伝達するように構成し、
    また、上記負圧式倍力装置は、シェル内に摺動自在に設けた略筒状のバルブボディと、このバルブボディに連結され上記シェル内を定圧室と変圧室に区分するパワーピストンと、上記バルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸を介して上記ブレーキ操作部材に接続された弁プランジャと、この弁プランジャに形成した大気弁座と、上記バルブボディの内周部に形成した真空弁座と、上記バルブボディ内に設けられて上記大気弁座と真空弁座に接離する弁体と、軸部に貫通孔を有し、リヤ側の端部を上記バルブボディと一体に連結されるとともにフロント側の端部を上記マスタシリンダピストンに連動させた出力軸とを備えており、
    上記マスタシリンダピストンは上記出力軸を介して上記バルブボディに連動させてあり、また、上記反力ピストンと上記弁プランジャとの間となる上記出力軸の貫通孔内に中間ロッドを摺動自在に配置し、上記反力ピストンに作用するマスタシリンダ圧による反力は、上記中間ロッド、弁プランジャ、入力軸を介して上記ブレーキ操作部材に伝達されるように構成し、
    さらに、上記反力ピストンをフロント側に向けて付勢するジャンピングスプリングを上記マスタシリンダピストン内に配置して、上記負圧式倍力装置の非作動状態においては上記ジャンピングスプリングの付勢力によって反力ピストンを上記中間ロッドから離隔させるとともに、上記負圧式倍力装置が作動されてマスタシリンダ圧が上昇すると上記ジャンピングスプリングが圧縮されて上記反力ピストンが上記中間ロッドと当接することを特徴とするブレーキシステム。
  2. 上記反力ピストンから上記中間ロッド、弁プランジャ、入力軸を介して上記ブレーキ操作部材に上記反力が伝達される反力伝達経路に緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。
  3. 上記増圧手段は、上記マスタシリンダのハウジング内に設けられて上記マスタシリンダピストンに面する増圧室と、この増圧室にブレーキ液を給送するポンプと、上記マスタシリンダピストンに設けられて上記増圧室と上記マスタシリンダの液圧室とを連通させるブレーキ液通路を絞る制御弁を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキシステム。
  4. 上記反力ピストンが、上記制御弁の上記ブレーキ液通路を絞る弁体を兼用することを特徴とする請求項3に記載のブレーキシステム。
  5. 上記増圧手段は、上記マスタシリンダのハウジング内に設けられて上記マスタシリンダピストンに面する増圧室と、この増圧室にブレーキ液を給送するポンプと、上記マスタシリンダピストンに設けられて上記増圧室とリザーバとを連通させるブレーキ液通路を絞る制御弁を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキシステム。
  6. 上記制御弁の弁体が非作動位置から上記ブレーキ液通路を完全に閉鎖するまで移動するときの上記入力軸の非作動位置からの軸方向の移動距離を、上記負圧式倍力装置の非作動時の真空弁座とこの真空弁座に接離する弁体との軸方向隙間より大きく設定したことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載のブレーキシステム。
  7. 上記パワーピストンの出力伝達部材と上記マスタシリンダピストンとの間に、上記マスタシリンダの非作動位置を調整する調整手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。
  8. 上記マスタシリンダは、上記増圧室に面するプライマリピストンおよびこのプライマリピストンのフロント側に配置したセカンダリピストンとを有するタンデムタイプのマスタシリンダであって、上記プライマリピストンの液圧室側受圧面積と増圧室側の受圧面積との差が上記セカンダリピストンの受圧面積と同じであることを特徴とする請求項3に記載のブレーキシステム。
  9. 上記増圧手段は、上記マスタシリンダの液圧室から出力された上記ブレーキ液通路内のブレーキ液を上記ポンプで増圧して上記増圧室に供給するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキシステム。
  10. 上記増圧手段は、リザーバに貯溜されたブレーキ液を上記ポンプで増圧して上記増圧室に供給するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキシステム。
  11. 上記ポンプとして、アンチスキッドブレーキ制御用のポンプを用いたことを特徴とする請求項3から請求項5のそれぞれに記載のブレーキシステム。
  12. 上記ブレーキ操作部材の作動を検出するスイッチと、上記負圧式倍力装置の変圧室の圧力を検出する圧力センサとを設けて、上記ブレーキ操作部材の作動を検出するとともに、上記変圧室の圧力が設定圧以上になったことを検出したときに、上記ポンプを駆動させることを特徴とする請求項3から請求項11のいずれかに記載のブレーキシステム。
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