JP5206086B2 - 電動式ブレーキ倍力装置 - Google Patents
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Description
プライマリピストンを電動機により、例えばインプットロッドとの間に相対変位が生じないようにストローク制御するとき、ブレーキ液圧Pmはインプットロッドの0起点からのストロークSiに対して図7にA1により示すごとく一定倍力比で上昇させることができる。
この場合、回生制動分だけブレーキ液圧Pmを低下させる必要があり、かかるブレーキ液圧Pmの低下に際し上記の電動式ブレーキ倍力装置にあっては、特許文献1にも記載されている通り、プライマリピストンを電動機によりインプットロッドに対し相対的に制限範囲内(回生制動ギャップの範囲内)で戻しストロークさせることによってブレーキ液圧Pmを低下させるのが常套である。
この場合プライマリピストンは、インプットロッドが上記の回生制動ギャップSgだけストロークして(Si=Sgとなって)プライマリピストンに当接するまで初期ストローク位置Sp=Sgを保ち、ブレーキ液圧Pmを発生させない。
インプットロッドが上記の回生制動ギャップSgを越えてストロークする間(インプットロッドストローク位置SiがSi>Sgである間)、インプットロッドはプライマリピストンを押動し、これによるプライマリピストンのストロークでブレーキ液圧Pmは、倍力されることなく図7にA2で示す特性をもって発生する。
つまり、電動機によるプライマリピストンのブレーキ液圧上昇方向へのストロークが不能になる全負荷点(全負荷状態)が存在する。
Boまではプライマリピストンが電動機によってインプットロッドに追従するようストロークされ得ることから、ブレーキ液圧Pmは太い破線Bで示すように前記のA1特性をもって倍力下に上昇する。
インプットロッドがプライマリピストンに対し相対的に回生制動ギャップSg分だけストロークし、インプットロッドストロークSiがSpmax(全負荷点でのプライマリピストンストローク開始位置)となる図7のB1において、インプットロッドはプライマリピストンに当接し、以後プライマリピストンがインプットロッドにより押動されてストロークする。
ちなみに前記したところから明らかなように、インプットロッドがプライマリピストンに対し相対的に回生制動ギャップSg分だけストロークしてプライマリピストンに当接した時のストローク位置Spmax以前におけるプライマリピストンのストローク位置SpはSp=Sg+Siであり、それ以後におけるプライマリピストンのストローク位置SpはSp=Siである。
全負荷点(全負荷状態)を迎えるBoから、かかる全負荷点(全負荷状態)のままインプットロッドがプライマリピストンに対し相対的に回生制動ギャップSg分だけストロークしてプライマリピストンに当接するB1まで間、
インプットロッドがストロークしているのに(ブレーキペダルの踏み込みストロークが増しているのに)ブレーキ液圧Pmが上昇しないこととなり、
当該ブレーキ液圧不変ストローク域がブレーキ操作フィーリングに違和感を与えるという問題を生ずる。
ブレーキ操作力を入力されてストロークする入力部材と、該入力部材に追従するよう電動機でストロークされてブレーキ液圧を上昇させる出力部材とを、該出力部材が前記入力部材に対し制限範囲内で戻し方向相対ストローク可能となるようにして具え、
前記出力部材を前記電動機により前記入力部材に対し相対的に前記戻し方向へストロークさせることによって前記ブレーキ液圧を低下させ得るようにした電動式ブレーキ倍力装置を基礎前提とし、
前記電動機による出力部材のブレーキ液圧上昇ストロークが不能になる全負荷点へ向かうにつれて前記出力部材を前記電動機により前記戻し方向へストローク制御するよう構成したことを特徴とするものである。
全負荷点へ向かうにつれて出力部材を電動機により戻し方向へストローク制御するため、
全負荷点を迎えた時においては入力部材に対する出力部材の戻し方向相対ストローク可能量が上記の制限範囲よりも縮小されていることとなり、当該全負荷点で出力部材の戻し方向相対ストローク可能量に起因して生ずるブレーキ液圧不変ストローク域を小さくし得るか、若しくは無くすことができ、ブレーキ液圧不変ストローク域の存在に伴うブレーキ操作フィーリングへの違和感を緩和することができる。
図1は、タンデムマスターシリンダ1に一体結合して構成した、本発明のー実施例になる電動式ブレーキ倍力装置2の縦断側面図である。
タンデムマスターシリンダ1のシリンダ本体3と、電動式ブレーキ倍力装置2のブースタハウジング4とを、相互に同心に配して結着し、これらシリンダ本体3およびブースタハウジング4の結着部を貫通するよう配置して、これらシリンダ本体3およびブースタハウジング4の中心部に、出力部材としてのプライマリピストン5を設ける。
プライマリピストン5の右端(後端)はブースタハウジング4内に摺動自在に嵌合し、該プライマリピストン5の右端(後端)における中空孔内に、入力部材であるインプットロッド7を摺動自在に挿置する。
セカンダリピストン6とシリンダ本体3の底壁との間にはリターンスプリング13を縮設し、このリターンスプリング13は、セカンダリピストン6とシリンダ本体3の底壁との間に画成されたシリンダ室14内に収納する。
かくしてセカンダリピストン6は、リターンスプリング11,13のバネ力が釣り合う図示の非作動ストローク位置に弾支される。
図示するセカンダリピストン6の非作動ストローク位置において、リザーバタンク15に通じさせてシリンダ本体3に設けたブレーキ液供給ポート18と、シリンダ室14との間を連通させるためのリリーフポート19をセカンダリピストン6の左端(前端)に形成する。
そしてシリンダ本体3には更に、シリンダ室12,14に通じさせてブレーキ液圧出口ポート21,22を形成し、これらポートよりブレーキ液圧Pmを液圧ブレーキ装置の2ブレーキ系へ出力可能とする。
これら中立スプリング23,24は、インプットロッド7をプライマリピストン5に対し相対的に、中立スプリング23,24のバネ力が釣り合う図示の中立位置に弾支する。
かかる中立位置のインプットロッド7に対し相対的にプライマリピストン5が、回生制動ギャップSgの制限範囲内で戻しストローク(図の右向きストローク)を行い得るよう、インプットロッド7に、プライマリピストン5と衝接する大径肩部7aを設定する。
電動機25は、ブースタハウジング4内に固設した環状ステータ25sと、この環状ステータ25s内におけるロータ25rとよりなり、
一対の軸受26a,26bを介してロータ25rをブースタハウジング4内に回転自在に支承することにより電動機25を構成する。
そしてスラスト部材9と、ブースタハウジング4との間には、スラスト部材9を図の右方へ附勢するリターンスプリング29を縮設する。
なお、リターンスプリング29から遠いスラスト部材9の端面には複数個の軸線方向ガイドロッド9bを突設し、これらガイドロッド9bをブースタハウジング4に摺動自在に挿通させて、スラスト部材9を回転不能にすると共に軸線方向へは変位可能にする。
ブレーキペダル32を踏み込まない非作動時は、電動機25がスラスト部材9(従ってプライマリピストン5)を図示の非作動ストローク位置となす回転位置にある。
ブレーキペダル32が踏み込まれると、プッシュロッド33を介してインプットロッド7が図示の非作動中立位置から図の左方へ押し込まれるようストロークする。
プライマリピストン5の上記ストロークおよびシリンダ室12内のブレーキ液圧Pmに応動してフリーピストン型式のセカンダリピストン6も同方向にストロークし、当該セカンダリピストン6のストロークは、リリーフポート19をブレーキ液供給ポート18から遮断してシリンダ室14を封じ込め室となし、セカンダリピストン6の上記ストロークと相まってシリンダ室14内に同じブレーキ液圧Pmを発生させ、このブレーキ液圧Pmをポート22から出力する。
一例を挙げると、スラスト部材9(プライマリピストン5)をインプットロッド7に対し、これとの間に相対変位を生じないよう追従させるべく電動機25でストローク制御する場合、
ブレーキ液圧Pmを図7にA1で示すように、インプットロッドの0起点からのストロークSiに対して一定倍力比で上昇させることができる。
この場合、回生制動分だけブレーキ液圧Pmを低下させる必要があり、さもなくば制動力が要求制動力に対して過剰になる。
かかるブレーキ液圧Pmの低下に際し上記の電動式ブレーキ倍力装置2においては、上記のごとくインプットロッド7に追従するよう電動機25でストローク制御したスラスト部材9(プライマリピストン5)を電動機25の逆回転によりインプットロッド7に対し相対的に制限範囲内(回生制動ギャップSgの範囲内)で戻しストロークさせ、これによりブレーキ液圧Pmを要求通り上記の回生制動分だけ低下させ得る。
ブレーキ液圧Pmを倍力作用により、例えば図7のA1特性に沿い上昇させている途中で、スラスト部材9(プライマリピストン5)が電動機25によってインプットロッド7に追従ストロークされ得なくなる全負荷点を迎えると、
この時から(図7のBo参照)、インプットロッド7がプライマリピストン5に対し相対的に回生制動ギャップSg分だけストロークしてプライマリピストン5に当接する(図7のB1参照)までの間、
インプットロッド7がストロークしているのに(ブレーキペダル32の踏み込みストロークが増しているのに)ブレーキ液圧Pmが上昇しないブレーキ液圧不変ストローク域が発生し、これがブレーキ操作フィーリングを悪化させるという問題を生ずる。
次のステップS13においては、ペダルストロークセンサ42の検出値を読み込み、ステップS14においては、このペダルストロークセンサ42の検出値からインプットロッド7のストローク位置Siを算出する。
次のステップS16においては、図3に例示する予定の目標減速度マップをもとに、インプットロッド7のストローク位置Si(運転者が要求している減速度を表す)から、車両の目標減速度Gを算出する。
ステップS18においては、全負荷点でのプライマリピストンストローク開始位置Spmaxが設定値以上か否かをチェックする。
なお、全負荷点プライマリピストンストローク開始位置Spmaxは図7からも明らかなように全負荷点の大きさを表し、全負荷点プライマリピストンストローク開始位置Spmaxが大きいということは、全負荷点が大きいことを意味する。
ここで、全負荷点プライマリピストンストローク開始位置Spmaxの大小判定に資する上記の設定値は、全負荷点がアンチスキッド制御開始液圧(制動ロック液圧)相当値以上か否かを判定するための設定値とする。
このステップS19においては、インプットロッド7のストロークSiに対しプライマリピストン5のストロークSpを遅れ気味に追従させつつ(回生制動ギャップSgを縮小させつつ)、全負荷点で丁度回生制動ギャップSgが零となるよう電動機25によるプライマリピストン5のストローク制御を行わせ、図7に太い実線Cで示すブレーキ液圧Pmの変化を生じさせるようなプライマリピストン特性(プライマリピストン特性Cと言う)用のプライマリピストンストローク位置Spを
Sp=Sg+{1−(Sg/Spmax)}Si
の演算により求める。
B1の全負荷点においてプライマリピストン特性A2によるブレーキ液圧変化特性に滑らかに連続することとなり、全負荷点においてインプットロッドストローク位置Siが変化しているのにブレーキ液圧Pmが変化しないというようなブレーキ液圧不変ストローク域が発生するのを回避することができる。
この算出に際しては、図4に例示する特性に対応した二次元マップをもとに、ブレーキペダル踏み込み速度(ブレーキ操作力増大速度)Vpから回生制動ギャップ縮小補正係数αを検索により求める。
ここで設定速度Vpoは、制動による減速度を優先させるべき急ブレーキ域におけるブレーキペダル踏み込み速度(ブレーキ操作力増大速度)Vpの下限値とする。
ステップS23においては、ステップS19につき前述した回生制動ギャップSgの縮小程度を上記の回生制動可能減速度Rgに応じ補正するのに用いる回生制動ギャップ縮小補正係数βを算出する。
この算出に際しては、図5に例示する特性に対応した二次元マップをもとに、回生制動可能減速度Rgから回生制動ギャップ縮小補正係数βを検索により求める。
図5から明らかなように、回生制動可能減速度Rgが微少設定値Rgo未満で、回生制動分のブレーキ液圧低下(プライマリピストン5の戻しストローク)が不要な領域においては、回生制動ギャップ縮小補正係数βを1となし、
Rg≧Rgoでは、回生制動可能減速度Rgが大きいほど、回生制動ギャップ縮小補正係数βを1から0に向け低下させて、回生制動ギャップSgの縮小程度を小さくすることにより、回生制動分のブレーキ液圧低下(プライマリピストン5の戻しストローク)用の回生制動ギャップが確実に確保されるようになす。
Sp=[Sg+{1−(Sg/Spmax)}Si]×α×β
の演算により求める。
依然として、太い破線Bで示す従来のブレーキ液圧値よりも、インプットロッドストロークSiに対するプライマリピストンストロークSpの追従遅れ分ΔPm'だけブレーキ液圧Pmを低くする。
このブレーキ液圧不変ストローク域を、太い破線Bで示す従来の特性に較べて小さくすることができる。
次のステップS26においては、この目標減速度Gγを回生制動と、図1に示すマスターシリンダ1からのブレーキ液圧Pmによる摩擦制動とで実現すべく、回生制動力/摩擦制動力配分制御を実行する。
この回生制動力/摩擦制動力配分制御に当たっては、回生制動ギャップSgの縮小に伴う図7の制動力低下ΔPm(ΔPm')を回生制動により補償するよう、回生制動力および摩擦制動力の配分を決定する。
この場合、前記したステップS19〜S25をバイパスすることから、これらステップによる回生制動ギャップSgの縮小制御は行われず、図7に太い破線で示す特性Bに沿って変化するブレーキ液圧Pmが出力される。
プライマリピストン5を電動機25によりインプットロッド7に対し相対的に回生制動ギャップSgの範囲内で戻しストロークさせてブレーキ液圧Pmを低下させるための当該回生制動ギャップSgが全負荷点へ向かうにつれて縮小されるようプライマリピストン5を電動機25によりストローク制御するため(ステップS19〜ステップS24)、
全負荷点を迎えた時においては上記の回生制動ギャップSgが零にされるか、少なくとも縮小されていることとなり、当該全負荷点で回生制動ギャップSgに起因して生ずるブレーキ液圧不変ストローク域を図7のC特性により示すごとく無くすか、少なくとも同図の特性C'特性により示すように小さくすることができ、ブレーキ液圧不変ストローク域の存在に伴うブレーキ操作フィーリングへの違和感を緩和することができる。
このようなときはプライマリピストン特性が、図7の特性C、若しくはこれに近い特性に沿ってブレーキ液圧Pmを変化させることとなり、
かかる条件下で優先させるべき、ブレーキ液圧不変ストローク域のない、若しくはブレーキ液圧不変ストローク域の小さな、違和感のない、若しくは違和感の少ないブレーキ操作フィーリングを実現することができる。
このようなときはプライマリピストン特性が、図7の特性Bに沿ってブレーキ液圧Pmを変化させることとなり、
かかる条件下で、ブレーキ液圧不変ストローク域の解消による良好なブレーキ操作フィーリングよりも優先させるべき、速やかで十分なブレーキ液圧Pmの上昇を実現することができる。
ブレーキペダル踏み込み速度Vp(ブレーキ操作力の増大速度)が遅い場合はプライマリピストン特性が、図7の特性C、若しくはこれに近い特性に沿ってブレーキ液圧Pmを変化させることとなり、
かかるブレーキ操作で優先させるべき、ブレーキ液圧不変ストローク域のない、若しくはブレーキ液圧不変ストローク域の小さな、違和感のない、若しくは違和感の少ないブレーキ操作フィーリングを実現することができる。
ブレーキペダル踏み込み速度Vp(ブレーキ操作力の増大速度)が速い場合はプライマリピストン特性が、例えば図7の特性C'に沿ってブレーキ液圧Pmを変化させることとなり、
かかる速いブレーキペダル踏み込み速度Vp(ブレーキ操作力の増大速度)のもとで、ブレーキ液圧不変ストローク域の解消による良好なブレーキ操作フィーリングよりも優先させるべき、速やかで十分なブレーキ液圧Pmの上昇を実現することができる。
回生制動ギャップSgの前記縮小によっても、この回生制動ギャップSgが、回生制動分のブレーキ液圧低下を行い得なくなるまで小さくされたり、0にされることがなく、車両制動力が要求に対して過大になるのを回避することができる。
回生制動ギャップSgの前記縮小によっても、車両全体の制動力が低下されるような事態には至らない。
なお、かかる制動力低下の補償は、回生制動に限られず、車載されたブレーキシステムのどれを併用しても良いのは言うまでもない。
ステップS19が図7に太い実線で示すプライマリピストン特性C用のプライマリピストンストローク位置Spを
Sp=Sg+{1−(Sg/Spmax)}Si
の演算により求め、
ステップS21が、ブレーキペダル踏み込み速度(ブレーキ操作力増大速度)Vp<Vpo(図4参照)を受けて回生制動ギャップ縮小補正係数αを1となし、
ステップS23が、回生制動可能減速度Rg<Rgo(図5参照)を受けて回生制動ギャップ縮小補正係数βを1となすとき、
プライマリピストン5を、ステップS19で求めたストローク位置Spにされるよう電動機25でストローク制御し、回生制動ギャップSgが全負荷点で丁度零にされるようにしたから、
図7に太い実線Cで示すようにブレーキ液圧Pmを発生させることができ、ブレーキ液圧不変ストローク域がほとんど無い良好なブレーキ操作特性を実現することができる。
2 電動式ブレーキ倍力装置
3 シリンダ本体
4 ブースタハウジング
5 プライマリピストン(出力部材)
6 セカンダリピストン
7 インプットロッド(入力部材)
8 リターンスプリング
9 スラスト部材
11,13 リターンスプリング
12,14 シリンダ室
15 リザーバタンク
16,18 ブレーキ液供給ポート
17,19 リリーフポート
23,24 中立スプリング
25 電動機
27 ボールナット
28 ボールネジ
29 リターンスプリング
31 ダッシュボード
32 ブレーキペダル
33 プッシュロッド
41 レゾルバ
42 ペダルストロークセンサ
Claims (7)
- ブレーキ操作力を入力されてストロークする入力部材と、該入力部材に追従するよう電動機でストロークされてブレーキ液圧を上昇させる出力部材とを、該出力部材が前記入力部材に対し制限範囲内で戻し方向相対ストローク可能となるようにして具え、
前記出力部材を前記電動機により前記入力部材に対し相対的に前記戻し方向へストロークさせることによって前記ブレーキ液圧を低下させ得るようにした電動式ブレーキ倍力装置において、
前記電動機による出力部材のブレーキ液圧上昇ストロークが不能になる全負荷点へ向かうにつれて前記出力部材を前記電動機により前記戻し方向へストローク制御するよう構成したことを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。 - 請求項1に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
前記出力部材の戻し方向ストローク制御は、該制御による出力部材の戻し方向ストローク量を、前記全負荷点が小さいほど大きくするものであることを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。 - 請求項1または2に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
前記出力部材の戻し方向ストローク制御は、該制御による出力部材の戻し方向ストローク量を、前記ブレーキ操作力の増大速度が遅いほど大きくするものであることを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
前記出力部材の戻し方向ストローク制御は、該制御による出力部材の戻し方向ストローク量を、回生制動分のブレーキ液圧低下用に前記出力部材の前記戻し方向相対ストローク可能量が残存するよう決定するものであることを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
前記出力部材の戻し方向ストローク制御による出力部材の戻し方向ストロークに伴う制動力低下を、電動式ブレーキ倍力装置付きブレーキ装置以外のブレーキシステムにより補償するよう構成したことを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。 - 請求項2〜5のいずれか1項に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
前記全負荷点が設定値未満であり、且つ、前記ブレーキ操作力の増大速度が、ブレーキ操作による減速度を優先的に実現すべき急ブレーキ域におけるブレーキ操作力増大速度の下限値に定めた設定速度未満であり、且つ、車両運転状態によって決まる利用可能な回生制動力により得られる回生制動可能減速度が微小設定値未満で回生制動分のブレーキ液圧低下が不要であるとき、前記出力部材の戻し方向ストローク制御は、該制御による出力部材の戻し方向ストローク量を、前記入力部材に対する出力部材の戻し方向相対ストローク可能量が前記全負荷点で零にされるよう決定するものであることを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。 - 請求項6に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
前記入力部材に対する出力部材の戻し方向相対ストローク可能量が前記全負荷点で零になるようにするための前記出力部材のストローク位置Spは、前記制限範囲をSgとし、前記入力部材のストローク位置をSiとし、前記出力部材の全負荷点でのストローク開始位置をSpmaxとしたとき、
Sp=Sg+{1−(Sg/Spmax)}Si
の演算により求めるよう構成したことを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
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