JP3851692B2 - ヒータ内蔵型セラミックセンサ - Google Patents

ヒータ内蔵型セラミックセンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ等のヒータ内蔵型セラミックセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、チタニア等の酸化物半導体を検出素子とする酸素センサ等のガスセンサは、抵抗発熱ヒータを埋設したセラミック基板に検出素子を接合・一体化した構造を有している。このような検出素子にセラミックを用いたガスセンサ(以下、セラミックセンサともいう)は、未焼成のセラミック製のシート(セラミックグリーンシートともいう)の表面に抵抗発熱体粉末のペーストを用いて所定のヒータパターンを複数形成した後、これに別のセラミックグリーンシートを積層し、各々上記ヒータパターンが含まれるように、そのセラミックグリーンシートの積層体を切断により分割してグリーン基板成形体を作り、さらにその基板成形体を焼成することにより製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなヒータ内蔵型セラミックセンサにおいては、基板がセラミックスで構成されている関係上、熱応力等に対する耐久性には十分考慮を払う必要がある。この場合、特に問題となるのは、熱応力を生じやすいヒータ近傍部分の基板の表面状態であり、例えばセラミックグリーンシートの積層体を切断した際に、その切断面に傷が生じていたりすると、その傷が焼成後のセラミック基板にも残留し、これが破壊の起点となって基板強度が低下してしまう問題があった。
【0004】
本発明の課題は、特にヒータが内蔵されたセラミック基板がヒータによる過度の加熱によってもクラックが生じにくいヒータ内蔵型セラミックセンサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上述の課題を解決するために、本発明のセラミックセンサは、セラミック基板の面に、酸化物半導体により構成された検出素子部が一体形成されるとともに、該セラミック基板中にその検出素子部を加熱するためのヒータを内蔵した構造を有し、かつそのセラミック基板は、側面の表面粗度が30μmRmax以下とされたことを特徴とする。本発明者らは、ヒータ内蔵型セラミックセンサにおいて熱応力等に対する基板強度を高める上で、該セラミック基板の側面の表面粗度を30μmRmax以下とすることが特に有効であることを見い出し、それによって耐久性に優れたセラミックセンサを実現することに成功したのである。なお、ここでいう表面粗度は、日本工業規格B−0601により測定された表面粗度の最大高さRmaxを意味する。
【0006】
セラミック基板の側面の表面粗度が30μmRmax以上になると、ヒータによるセラミック基板の通電加熱時等において、基板に割れやクラック等の不具合が生じやすくなる。その理由は次のように推測される。ヒータを内蔵したセラミック基板は加熱開始直後において、そのヒータ近傍の基板表面で放熱条件に差が生じる。特に表面粗度が大きいと熱が集中しやすくなる場所が発生し、その場所を中心にクラックが生じると考えられる。特に積層界面が外部に露出する側面においては、熱集中によるクラックの発生が起きやすい。なお、該表面粗度は、より望ましくは26μmRmax以下とするのがよい。また、上記表面粗度は、その中心線平均粗さ(Ra)を15μmRa以下、望ましくは13.3μmRa以下とするのがよい。
【0007】
上記セラミックセンサは、具体的には、セラミックグリーンシートの表面に、抵抗発熱体粉末のペーストを用いて所定のヒータパターンを複数形成し、セラミックグリーンシートの前記ヒータパターンの形成側に別のセラミックグリーンシートを積層し、各々上記ヒータパターンが含まれるように、該セラミックグリーンシートの積層体を切断により分割して基板成形体を作り、さらにその基板成形体を焼成することにより製造することができる。この場合、セラミックグリーンシートに基づく部分がセラミック基板となり、またヒータパターンに基づく部分がヒータとなる。積層体を切断した切断面はセラミック基板の上下面に比べて表面粗度が大きく、熱の集中が起きてクラックが生じやすいが、本発明においてはその表面粗度を30μmRmax以下とすることでクラックの発生を防止することができる。
【0008】
上述のような構成のセラミックセンサにおいて、セラミック基板の側面の表面粗度を30μmRmax以下とするためには、焼成後のセラミック基板の側面を研磨により平滑化することも考えられるが、焼成前、すなわちグリーン成形体の段階で対応する端面部を平滑に仕上げておくほうが経済的には有効である。この場合、該端面部が、セラミックグリーンシート積層体(以下、単に積層体ともいう)の切断により形成されることから、その切断精度の向上を図ることが肝要となる。
【0009】
例えば、その切断の具体的な方法としては、打抜きダイと打抜きパンチとの間に積層体を配置し、その状態で打抜きパンチを打抜きダイのダイ孔に対し相対的に進入させて、積層体から所定の部分を打ち抜く方法、あるいは回転刃等の切断刃を用いて切断する方法が挙げられる。そして、前者の方法では、グリーンシートを形成しているコンパウンドの硬度、打抜速度及び打抜荷重の調整により、また後者の方法では、同じくコンパウンドの硬度と切断速度との調整により、その切断面を平滑化して、焼成後の対応面(すなわち、基板の側面)の表面粗度を上記範囲のものとなるように調整することが可能となる。
【0010】
ところで、酸化物半導体で構成された検出素子部をセラミック基板に接合した上記セラミックセンサにおいては、該検出素子部とセラミック基板との間の接合力を高めるために、その接合面において両者にまたがるように、多数のアルミナ小球等のセラミック小粒状物を分散した状態で埋設することが行われている。この場合はセラミックセンサは、セラミック基板の所定の領域に多数のセラミック小粒状物が分散固定され、そのセラミック小粒状物が固定された領域においてセラミック基板の板面に対し検出素子部が接合された構造を有するものとなるが、特にこのようなセラミックセンサにおいては、該セラミック基板の板面のうち、上記側面側の縁を含む所定幅の部分に、セラミック小粒状物が固定されていない領域を形成するようにすることが、その側面の表面粗度を小さくするためには重要である。
【0011】
まず、図11(a)に示すように、セラミックグリーンシートの積層体(S)に対し、各々グリーン成形体となるべき複数の積層体部分(G)を、検出素子部の接合が予定された領域(素子接合領域:A)が互いに隣接するように複数設定し、次いで、それら素子接合領域Aにまたがるように有機溶剤を塗布し、セラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダを部分的に溶解ないし膨潤させて、その塗布面を粘着層とする。
【0012】
次に、隣接する複数の素子接合領域Aを一体的に覆う大きさのシリコンゴムシート(R)にセラミック小粒状物を分散・保持させ、これを積層体(S)に重ね合わせて圧着することにより、図11(b)に示すように、保持されたセラミック小粒状物(P)が各素子接合領域Aに転写される。その後、該セラミックグリーンシート(S)は切断ないし打ち抜きにより、複数のグリーン成形体(G)に分割される。そして、得られたグリーン成形体(G)を焼成することにより、素子接合領域にセラミック小粒状物(P)が分散固定されたセラミック基板が形成される。そして、そのセラミック基板の板面の該素子接合領域(A)に、酸化物半導体粉末を含有したペーストを盛り、その後これを二次焼成することにより、上記ペースト部分が焼結されてセラミック基板にセラミック小粒状物を介して接合され、検出素子部となる。
【0013】
ところで、上記方法においては、図11(b)に示すように、セラミック小粒状物(P)の転写領域が、互いに隣接する素子接合領域(A)にまたがって一体的に形成され、グリーン成形体(G)に分割するための切断線(C)は、該転写領域を横切って形成されることとなる。このとき、図12(a)に示すように、切断線(C)上に位置するセラミック小粒状物(P)が、切断刃(あるいは打抜きパンチ)により押し下げられ、これがグリーン成形体(G)の側面(切断面)に多数の溝状の傷(Y)を作るので、焼成後のセラミック基板の対応する側面の表面粗度が大きくなってしまう問題がある。また、これとは別に次のような問題が生ずることもある。すなわち、検出素子部としての酸化物半導体層は、焼成後の上記セラミック基板の素子接合領域に相当する位置に、該酸化物半導体の粉末を含有するペーストを盛り、これを二次焼成することにより形成されるのであるが、図12(c)に示すように、セラミック基板(H)の側面に傷(Y’)が形成されていると、上記ペースト(L)が該溝(Y’)を伝って液だれを起こしやすくなる。
【0014】
そこで、積層体の上記切断線に沿って、セラミック小粒状物を付着させない領域を形成すれば、セラミック小粒状物の押し下げによる切断面への傷の形成が防止され、結果としてセラミック基板の対応する側面に傷が形成されにくくなり、その表面粗度を小さくすることができる。そして、このようにして製造されたセラミックセンサにおいては、上記側面側の縁を含む所定幅の部分に、セラミック小粒状物が固定されていない。
【0015】
セラミック小粒状物が固定されない上記領域(以下、粒状物非固定領域という)の幅は、グリーン成形体の段階において、少なくとも切断刃(あるいは打抜きパンチ)の通過を許容する程度の幅を確保しておく必要がある。従って、切断刃又は打抜きパンチの寸法により、接合阻止層の最適の幅は変化することとなるが、一つの目安としては前述のセラミック小粒状物の平均粒子径よりも大きく設定することが望ましいといえる。接合阻止層の幅がこれよりも小さくなると、切断時においてセラミック小粒状物と切断刃あるいは打抜きパンチとの干渉が生じやすくなり、該粒状物の押し下げによる傷発生を防止する効果が不十分となる。
【0016】
また、粒状物非固定領域を形成する具体的な方法としては、例えば以下の手法を採用することができる。すなわちセラミックグリーンシートあるいはその積層体(以下、両者を総称してセラミックグリーンシートという)の表面に、セラミック小粒状物を固着したい領域に、グリーンシートに含有されるバインダを溶解又は膨潤させる性質を有した粘着誘起液体を塗布することにより粘着層を形成し、その状態で該表面にセラミック小粒状物を接触させることにより、セラミックグリーンシートとセラミック小粒状物とを上記粘着層を介して接合するとともに、粘着誘起液体の塗布に先立って、セラミックグリーンシートの表面のうち、粒状物非固定領域に予定された部分には、粘着誘起液体に対して不溶性又は難溶性の材料で構成された接合阻止層を予め形成するようにする。これにより、グリーン成形体表面の接合阻止層の形成部分においては、バインダと粘着誘起液体との接触が該接合阻止層により阻止されるので粘着層が形成されず、結果としてセラミック小粒状物は該領域には付着しないこととなり、粒状物非固定領域を能率よくかつ確実に形成することができる。
【0017】
上記接合阻止層は、その形成材料を所定の溶媒に溶解又は分散させた塗料を用いて、グリーンシートの表面に、例えばスクリーン印刷等によりパターン印刷することにより、極めて能率よくしかも高精度で形成することができる。また、接合阻止層を形成する材料は、前述の通り粘着誘起液体に対して不溶性又は難溶性の材料とする必要がある。この場合、「難溶性」とは、前記粘着誘起液体に対する溶解度が、被接合体に対する粘着・保持能力を生じない程度のものであることをいう。なお、接合阻止層を形成する材料の粘着誘起液体に対する溶解度は、少なくとも上記バインダ成分に比べて小さなものでなければならない。例えばセラミックグリーンシートは、一般に親油性のバインダを用いて製造されるが、この場合は粘着誘起液体は、そのバインダを溶解又は膨潤させる性質を有した有機溶剤を主体とするものが使用される。また、接合阻止層は、親水性の材料により形成される。なお、接合阻止層は、焼成工程における焼成温度において分解又は蒸発する材料により形成しておけば、最終的な焼成体に接合阻止層の成分が残留しなくなるので都合がよい。
【0018】
なお、接合阻止層を構成する上記親水性の材料としては、例えばアラビアゴムを主体とするものが使用できる。また、アラビアゴム以外にも、セロゲン(商品名:第一工業製薬(株))、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、澱粉等、水に可溶で、有機溶剤には溶解しにくい性質を有した各種有機物質を使用することができる。また、粘着誘起液体として使用される有機溶剤に溶解しないものであれば、特に親水性を有さない材質を使用することもできる。
【0019】
一方、粒状物非固定領域は、例えば金属等で構成されたマスク部材を用いてセラミックグリーンシートの所望の表面部分をマスキングし、次いでセラミック小粒状物を転写することで、該マスキング部分におけるセラミック小粒状物の付着を阻止する方法によっても形成できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのヒータ内蔵型セラミックセンサ(以下、単にセラミックセンサという)50の構造を模式的に示したものである。すなわち、セラミックセンサ50は、例えば酸素検出用のものであり、アルミナ等により横長方形に形成されたセラミック基板36の上面の、その一方の端部側に切欠き状の段付部36aを形成し、その段付部36aにおいて該セラミック基板36の板面に凹部34を形成するとともに、該凹部34を包含する領域にチタニア等の酸化物半導体により構成された検出素子部41が接合・一体化されている。また、セラミック基板36の厚さ方向中間部には、その検出素子部41からの出力を取り出すためのリード部37が、その板面長手方向に沿って埋設形成されている。また、このリード部37の末端部は、セラミック基板36の上記検出素子部41が形成されているのとは反対側の端面部に一端が埋設され、かつ該端面から突出する端子部9に接続されている。
【0021】
一方、セラミック基板36には、上記検出素子部41の直下位置に対応してこれを取り囲む形状に形成されたヒータ38が、その板厚方向中間部において埋設されており、これに通電するためのリード部39が、同じく該セラミック基板36に埋設されてその板面長手方向に延びるとともに、その末端部が、前述のリード部37に対応するものと同様の端子部12に接続している。
【0022】
次に、セラミック基板36の板面36bには、その縁部を除く所定の領域に、セラミック小粒状物としての多数のアルミナ小球21が分散固定され、そのアルミナ小球21が固定された領域(以下、素子接合領域という)Aに検出素子部41が接合されている。このアルミナ小球21は、セラミック基板36と検出素子部41との接合面において、両者にまたがって食込みを生ずるように固定されており、その接合強度を向上させる役割を果たしている。
【0023】
そして、このセラミック基板36の幅方向両側の側面36cは、その表面粗度が30μmRmax以下、望ましくは26μmRmax以下に調整されている。そして、その板面36bにおいて、素子接合領域Aの側面36c側の縁を含む所定幅(例えば0.09〜0.20mm)wの部分に、アルミナ小球21の固定されていない領域、すなわち粒状物非固定領域60が形成されている。
【0024】
上記セラミックセンサ50は、ヒータ38に通電することにより検出素子部41を所定の温度に加熱し、その状態で検出素子部41を検出対象となる雰囲気に暴露することにより、雰囲気中の酸素をその表面に吸着させ、該吸着に伴う検出素子部41の電気抵抗変化を例えば電圧変化の形で出力させる。検出素子部41の電気抵抗は、その表面への酸素の吸着量、すなわち雰囲気中の酸素濃度に応じて変化することから、センサの出力電圧は雰囲気中の酸素濃度を反映したものとなる。
【0025】
ここで、ヒータ38の通電発熱に伴い急激な温度上昇がセラミック基板36中に生じても、セラミック基板36の側面36cの表面粗度が30μmRmax以下とされていることから、局部的な加熱による熱応力の集中が起きにくく、ひいてはクラック等も生じにくい。
【0026】
図2〜図8は、上記セラミックセンサ50の製造方法の一例を示す工程説明図である。該センサ50は、そのセラミック基板が、複数のセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートという)を積層してこれを焼成することにより製造されるいわゆる積層形セラミックセンサとして構成されるのであるが、図2はその製造に用いられるグリーンシートの一例を平面図により示している。すなわち、該グリーンシート1は、アルミナ粉末とポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース、ポリエチレングリコール等の親油性バインダとを混練して方形シート状に成形したものであり、1枚のグリーンシート1から多数のセンサ50を製造するために、切断線2によって複数の横長方形のシート部分3に分割されることが予定されている。
【0027】
また、各シート部分3は、そのシート面の一端側が検出素子の接合領域(以下、素子接合領域という)23(図4等)として使用されるようになっており、そこには後述するように、検出素子の原料となる酸化物半導体粉末ペーストの保持用凹部4’(図4等)を形成するための、貫通窓部4が形成されている。そして、長方形状のグリーンシート1の中心線O(図2)を挟んでその両側に、それぞれ複数の上記シート部分3が、その幅方向に互いに隣接するように、かつ貫通窓部4の形成側が中心線Oに関して外側となるように配列している。さらに、グリーンシート1の中央には、上記中心線Oに沿う方形の貫通窓部5が形成されている。
【0028】
図3に示すように、グリーンシート1の一方のシート面には、アラビアゴム水溶液をスクリーン印刷することにより、接合阻止層6が形成されている。該接合阻止層6は、各シート部分3の貫通窓部4の形成側端部において、縦横の切断線2に沿う所定幅、例えば後述する被接合体としてのアルミナ小球の平均直径値よりも大きな幅となるように形成されており、その厚さは1〜10μmの範囲で設定されている。
【0029】
また、上記グリーンシート1とは別に、これとほぼ同様の大きさ及び形状を有するグリーンシート7及び10を作製し、前者には検出素子のリード部となる金属ペーストパターン層8を、後者には内蔵ヒータ及びそのリード部となる金属ペーストパターン層11を、それぞれスクリーン印刷等により形成する。そして、各金属ペーストパターン層8及び11の端部に対応する位置に通電用の端子部9及び12をそれぞれ配置して、上記グリーンシート1,7,10を上側からこの順序で積層する。このとき、グリーンシート1の貫通窓部4は下面側がグリーンシート7により塞がれて凹部4’(図4等)を形成する。また、グリーンシート7の金属ペーストパターン層8は、その端子部9と反対側の端部が上記凹部4’内に位置するものとされる。さらに、グリーンシート7,10には、グリーンシート1の窓部5と同じ大きさ及び形状の窓部13及び14が、それぞれ対応する位置に形成されており、上記積層状態において端子部9及び12を、それら窓部5,13,14内においてシートの板面方向に突出させるようになっている。
【0030】
なお、グリーンシート1,7,10を積層する際には、これに先立ってシート7の上面及びシート10の上面に、前記バインダを溶解する性質を有したnブチルアルコール、フタル酸nブチル、ヒマシ油等の有機溶剤(粘着誘起液体)が塗布され、図3(c)に示すように、それによって該バインダが溶解・軟化して粘着層15,16がそれぞれ形成される。グリーンシート1,7,10は、この粘着層15及び16により互いに接合されることとなる。
【0031】
また、グリーンシート1の上面全面にも有機溶剤が塗布されて粘着層17が形成されるが、接合阻止層6の形成部分においては上記有機溶剤へのバインダの溶解が阻止されて、粘着層17は形成されない。この状態において、グリーンシート1の上面には、その中央部と、凹部4’に対応する両端位置とにそれぞれ窓部19及び18aが形成された別のグリーンシート18(図4(a)、(b))が積層される。この状態で、その積層体22が、例えば加熱式プレス機等により、温度40℃〜60℃でその積層方向に加圧されて一体化される。その後、図4に示すように、グリーンシート1の、凹部4’が形成されている両端部分、すなわち窓部18aに囲まれた素子接合領域23には、図4(a)に示すような、一方のシート面全面にアルミナ小球(例えば平均粒径140〜180μmのもの)21を圧着等により分散・保持させたシリコンゴムシート20が、図5に示すように、その保持面側がグリーンシート1の上面と対向するように加圧して重ね合わされる。
【0032】
このとき、図5(図4(a)のA−A断面に対応)に示すように、シリコンゴムシート20は柔軟であるため、上記加圧に伴いそのシート面が凹部4’を含めた素子接合領域23(グリーンシート1)の面形状に追従して変形し、これに保持されたアルミナ小球21は素子接合領域23(グリーンシート7により形成される凹部4’の底面を含む)の全面に押し付けられる。ここで、素子接合領域23のうち、接合阻止層6の形成されていない部分には前述の粘着層17(図3(c))が形成されているため、アルミナ小球21はシリコンゴムシート20側から素子接合領域23に転写され、該粘着層17によってグリーンシート1及び7の表面に接合される。一方、図6に示すように、接合阻止層6の形成部には粘着層17が形成されていないことから、アルミナ小球21は転写されない。
【0033】
次に、上記積層体22からシリコンゴムシート20を取り除くことにより、図7(a)に示す積層体22’が得られる。すなわち、同図(b)に示すように、各シート部分3に一対一に対応して、グリーンシート1及び7の各凹部4’及びその周辺部には、アルミナ小球21の転写領域25が接合阻止層6により隔てられた状態で形成される。そして、その積層体22’を、隣接する転写領域25同士を互いに隔てる接合阻止層6において、図示しない打抜きパンチにより長穴状の貫通孔30が形成されるように打ち抜き、次いで切断線2に沿って切断することにより、図7(c)に示すように、それぞれセラミックセンサとなるべき基板成形体31に分離する。このとき、隣接する転写領域25同士は、アルミナ小球21が固着されていない接合阻止層6内において打抜きにより切断・分離されることから、アルミナ小球21が打抜きパンチにより押し下げられることが回避され、ひいては得られる基板成形体31の、アルミナ小球21の転写領域25に対応する側面部分に傷等がほとんど生じず、セラミック基板36の側面36cの表面粗度を30μmRmax以下とすることができる。
【0034】
上述のような基板成形体31は、所定の温度で脱バインダ処理後、温度1500〜1600℃で焼成することにより、図8に示す焼成体35となる。すなわち、グリーンシート1,7,10及び18で構成された部分は一体化して、前述の凹部4’に対応する凹部34を有するセラミック基板36となり、転写領域25のアルミナ小球21は、セラミック基板36の上面側にその下側部を食い込ませた状態で一体化され、前述の素子接合領域Aを形成する。また、接合阻止層6はアラビアゴムで構成されているため、焼成によりほぼ完全に分解・蒸発する。一方、前述の金属ペーストパターン層8及び11は、それぞれ焼結されてリード部37、ならびにヒータ及びそのリード部38,39となる。
【0035】
そして、図8に示すように、この焼成体35に対しその素子接合領域Aに、酸化物半導体粉末、例えばチタニア粉末を溶剤及びバインダとともに混練したペーストを盛り、ペースト層40を、凹部34内に入り込むように形成する。その状態で、これを温度1050〜1200℃で二次焼成することにより、図1(a)に示すように、ペースト層40のチタニア粉末が焼結されて検出素子部41となり、該検出素子部41がセラミック基板36と一体化されたセラミックセンサ50が得られる。
【0036】
なお、上記製造方法において粒状物非固定領域60は、例えば図9に示すように、セラミックグリーンシート1の表面のうち、該粒状物非固定領域60に予定された部分を金属等で構成されたマスク部材61によりマスキングし、次いでセラミック小粒状物を転写することにより、該領域へのセラミック小粒状物の接合を阻止する方法によっても形成できる。
【0037】
またセラミック基板36の側面部の表面粗度が30μmRmax以下となるように、これを平坦に仕上げるためには、上記粒状物非固定領域60を形成することのほか、セラミックグリーンシート積層体を切断して基板成形体31(図7(c))を得る際の、その切断精度の向上を図ることも有効である。例えば、図10に示すように、打抜きダイ70で積層体Qを挟み、その状態で打抜きパンチ72を打抜きダイ70のダイ孔71に対し相対的に進入させて、積層体Qから所定の部分Dを打ち抜く方法を用いる場合、平滑な打抜き面(切断面)が得られるように、グリーンシートを形成しているコンパウンドの硬度あるいは打抜き速度を調整することが望ましい。例えば、打抜き速度を一定以上に大きくし過ぎると、打抜き面が荒れて基板の表面粗度を前述の範囲に維持できなくなることがある。一方、打抜きパンチ72にヒータ72aを設け、該パンチ72を介してグリーンシートを加熱することにより、これを部分的に軟化させた状態で打抜きを行えば、グリーンシートの変形抵抗が減少して打抜きを行いやすくすることができ、ひいてはその打抜き面をさらに平滑化できる場合がある。また、打抜き時においてシートそのものを暖めておき、シートを十分に軟化させてから打ち抜くことによっても打抜断面の平滑化を図ることができる。
【0038】
【実施例】
アルミナ粉末と、バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂と所定量の溶媒とを混練することにより得られたスラリーを用いてセラミックグリーンシートを作り、これを用いて図1に示すセラミックセンサ50を各種作製した。なお、アルミナ小球21は、その平均粒子径が160μmのものを使用した。また、得られたセンサの段付部36aにおける厚さは1.25mm、幅は3.8mmであり、その側面36cに沿う粒状物非固定領域60の幅wを0.09〜0.20mmの範囲で各種設定した。なお、ヒータ38は、白金ペーストをスクリーン印刷することにより形成されたものであり、電圧12Vでの消費電力は約10Wである。
【0039】
以上の各センサを各wの値毎に10ずつ用意し、日本工業規格B0601に示された方法により表面粗度を測定して、そのRmax及びRaの平均値を算出した。次いで、各センサを16〜29Vの各種電圧で1分間通電し、セラミック基体36に割れが生じてヒータ38が断線したときの電圧の最小値(Min)及び平均値(F)により、その耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003851692
【0041】
すなわち、粒状物非固定領域60の幅wを0.07mm以下とした試料番号7及び8のセンサは、表面粗度が本発明の範囲である30μmRmaxを超えており、断線時の電圧値が低く耐久性に問題があるのに対し、wを0.09〜0.2mmとした試料番号1〜6のセンサでは、その側面36cの表面粗度が30μmRmax以下となり、断線時の電圧値も26V以上と、良好な耐久性を示していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒータ内蔵型セラミックセンサの一例を示す側面断面図及び部分平面図。
【図2】本発明のセラミックセンサの製造方法の一例を示す工程説明図。
【図3】図2に続く工程説明図。
【図4】図3に続く工程説明図。
【図5】図4に続く工程説明図。
【図6】図5に続く工程説明図。
【図7】図6に続く工程説明図。
【図8】図7に続く工程説明図。
【図9】粒状物非固定領域を形成するための別の方法を示す説明図。
【図10】グリーンシートの積層体を打ち抜きにより分割する方法を示す説明図。
【図11】従来のセラミックセンサの製造方法を示す説明図。
【図12】その問題点の説明図。
【符号の説明】
1,7,10,18 セラミックグリーンシート
21 アルミナ小球(セラミック小粒状物)
23 素子接合領域
36 セラミック基板
36c 側面
41 検出素子部
50 ヒータ内蔵型セラミックセンサ
60 粒状体非固定領域

Claims (3)

  1. 板状のセラミック基板の上面に、酸化物半導体により構成された検出素子部が一体形成されるとともに、該セラミック基体中にその検出素子部を加熱するためのヒータを内蔵した構造を有し、
    前記セラミック基板は、セラミックグリーンシートの切断により形成されて、上下面よりも表面粗度が大きく且つ外部に露出する側面を有しており、
    該側面の表面粗度が30μmRmax以下とされたことを特徴とするヒータ内蔵型セラミックセンサ。
  2. 前記セラミックセンサは、セラミックグリーンシートの表面に、抵抗発熱体粉末のペーストを用いて所定のヒートパターンを複数形成し、
    前記セラミックグリーンシートの前記ヒータパターンの形成側に別のセラミックグリーンシートを前記ヒータパターンを覆うように積層し、
    該セラミックグリーンシートの積層体を切断により分割して、各々前記ヒータパターンが含まれるように基板成形体を作り、
    その基板成形体を焼成することにより製造した板状の前記セラミック基板は、
    前記セラミックグリーンシートの積層体の前記切断により形成されて、上下面よりも表面粗度が大きく、且つ外部に露出する側面を有しており、
    前記切断によって形成された側面の表面粗度が30μmRmax以下とされた請求項1記載のセラミックセンサ。
  3. 前記セラミック基板の板面には、その所定の領域に多数のセラミック小粒状物が分散した状態で固定され、
    そのセラミック小粒状物が固定された領域において前記セラミック基板の板面に対し、前記検出素子部が接合されるとともに、
    前記セラミック基板の板面のうち、前記側面側の縁を含む所定幅の部分に、前記セラミック小粒状物が固定されていない領域が形成されている請求項1又は2に記載のセラミックセンサ。
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