JP2003217797A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2003217797A
JP2003217797A JP2002318550A JP2002318550A JP2003217797A JP 2003217797 A JP2003217797 A JP 2003217797A JP 2002318550 A JP2002318550 A JP 2002318550A JP 2002318550 A JP2002318550 A JP 2002318550A JP 2003217797 A JP2003217797 A JP 2003217797A
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ceramic
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heater
temperature
heater plate
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JP2002318550A
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English (en)
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Yasutaka Ito
康隆 伊藤
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックヒータから支持容器等への熱の流
出を抑制してセラミック基板の温度を均一化することが
できるセラミックヒータを提供すること。 【解決手段】 セラミック基板の表面または内部に発熱
体を設けてなるセラミックヒータであって、上記セラミ
ック基板の側面の面粗度が、JIS B 0601 R
max=0.1〜200μmであることを特徴とするセ
ラミックヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体産業におい
て使用され、主として半導体ウエハの加熱に使用される
セラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、半導体ウエハ上に感光性
樹脂をエッチングレジストとして形成し、半導体ウエハ
のエッチングを行う工程等を経て製造される。この感光
性樹脂は液状であり、スピンコーターなどを用いて半導
体ウエハ表面に塗布されるのであるが、塗布後に溶剤等
を飛散させるため乾燥させなければならず、塗布した半
導体ウエハをヒータ上に載置して加熱することになる。
従来、このような用途に使用される金属製のヒータとし
ては、アルミニウム板の裏面に発熱体を配置したものが
採用されている。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければなら
ない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨
張により、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に
載置した半導体ウエハが破損したり傾いたりしてしまう
からである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くする
と、ヒータの重量が重くなり、また、かさばってしまう
という問題があった。
【0004】また、発熱体に印加する電圧や電流量を変
えることにより、加熱温度を制御するのであるが、金属
板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒータ板
の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題
もあった。
【0005】そこで、特開平9−306642号公報、
特開平4−324276号公報、特開平7−28046
2号公報、米国特許第5643483号等に記載されて
いるように、基板として熱伝導率が高く、強度も大きい
非酸化物セラミックであるAlNを使用し、このAlN
基板の表面または内部に発熱体が形成されたセラミック
ヒータが提案されている。このようなセラミックヒータ
は、通常、シールリングを介して支持容器に嵌め込まれ
て使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの試験では、このようなセラミックヒータのウエハ
加熱面の外周に温度不均一部分が発生するという意外な
問題が発生した。また、特にセラミック基板を支持容器
に嵌め込まず載置する場合には、セラミック基板の側面
が露出するため、該側面からセラミック粒子に起因する
パーティクルの脱粒の問題が発生した。
【0007】ウエハ加熱面の温度の不均一という問題
は、側面とシールリングとの接触面積に関係しており、
側面の面粗度を小さくしすぎると、上記接触面積が大き
くなり熱がシールリングを介して伝導するため、セラミ
ックヒータの外周部に低温領域が生ずるものと考えられ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、こ
のような従来技術の問題について鋭意検討した結果、セ
ラミック基板の側面を一定範囲に粗化することにより、
シールリングを介してセラミック基板を嵌め込む場合に
は、シールリングとの接触部分を点接触として、セラミ
ック基板の温度を均一化することができることを見い出
した。
【0009】また、シールリングにセラミック基板側面
が接触せず露出する場合には、側面の面粗度が大きすぎ
ると、あたかも側面が放熱フィンのような効果を奏して
外周に温度不均一部分が発生してしまったり、パーティ
クルが発生するが、面粗度を一定以下にすることでこの
ような問題も解決することができることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明のセラミックヒータは、セラ
ミック基板の表面または内部に発熱体が設けられてなる
セラミックヒータであって、セラミック基板の側面の面
粗度が、JIS B 0601 Rmax=0.1〜2
00μmであることを特徴とする。
【0011】本発明のセラミックヒータによれば、側面
部分が上記のように一定の範囲で粗化されているので、
セラミック基板が支持容器に嵌め込まれた場合、セラミ
ック基板側面における支持容器との接触を点接触とする
ことができ、セラミックヒータから支持容器への熱の伝
導を抑制してセラミック基板の温度を均一化することが
できる。
【0012】上記側面の面粗度が大きすぎると、シール
リングに接触している場合であっても放熱フィンのよう
な効果を奏してしまい、熱が放熱してセラミック基板の
外周部分に低温領域が生じてしまう。一方、面粗度が小
さすぎると、シールリングとの接触面積が大きくなり、
また、シールリングがない場合でも、側面と接触してい
る空気の滞留がないため、逆に放熱性が上がってしま
い、結局セラミック基板の外周部分に低温領域が生じて
しまう。
【0013】即ち、セラミック基板の放熱性を抑制する
側面の粗度に関する特定の範囲が存在することを本発明
者らは知見したのである。本発明では、最高温度と最低
温度の温度差は180℃で0.5℃、400℃で8℃
(2%)、500℃で20℃(4%)程度であれば実用
に耐えられると考えており、このような範囲を達成する
ためには、セラミック基板の側面の面粗度を、Rmax
=0.1〜200μmとすればよい。望ましくは、Rm
ax=0.5〜200μmである。
【0014】また、上記セラミック基板は、熱伝導率が
高く、ヒータ板の表面温度を発熱体の温度変化に迅速に
追従させることができ、ウエハ加熱面の温度を良好に制
御することができるとともに、機械的な強度が大きいの
で、ヒータ板が反ったりすることはなく、その上に載置
した半導体ウエハが破損するのを防止することができ
る。
【0015】本発明のセラミックヒータにおいて、前記
セラミック基板は、支持容器に嵌め込まれていることが
望ましく、窒化物セラミック、炭化物セラミックまたは
酸化物セラミッックであることが望ましい。また、前記
セラミックヒータは、半導体ウエハ加熱用であることが
望ましく、前記セラミック基板の厚さは、1.5mmを
超えることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータは、セ
ラミック基板の表面または内部に発熱体が設けられてな
るセラミックヒータであって、セラミック基板の側面の
面粗度が、JIS B 0601 Rmax=0.1〜
200μmであることを特徴とする。
【0017】図1は、本発明のセラミックヒータの一例
を模式的に示す平面図であり、図2はその一部を示す部
分拡大断面図である。セラミックからなる基板(以下、
ヒータ板ともいう)11は、円板状に形成されており、
発熱体12は、ヒータ板11のウエハ加熱面11bの全
体の温度が均一になるように加熱するため、ヒータ板1
1の底面に同心円状のパターンに形成されている。
【0018】また、これら発熱体12は、互いに近い二
重の同心円同士が1組として、1本の線になるように接
続され、その両端に入出力の端子となる外部端子13が
金属被覆層12aを介して接続されている。また、中央
に近い部分には、半導体ウエハ19を運搬等するリフタ
ーピン16を挿通するための貫通孔15が形成され、さ
らに、測温素子を挿入するための有底孔14が形成され
ている。なお、図1〜2に示したセラミックヒータ10
において、発熱体12はヒータ板11の底部に設けられ
ているが、ヒータ板11の内部に設けられていてもよ
い。以下、本発明のセラミックヒータを構成する部材等
について詳細に説明する。
【0019】本発明のセラミックヒータ10では、ヒー
タ板の材料として、窒化物セラミック、炭化物セラミッ
クおよび酸化物セラミックを用いているが、これは、熱
膨張係数が金属より小さく、薄くしても、加熱により反
ったり、歪んだりしないため、ヒータ板11を薄くて軽
いものとすることができるからである。
【0020】また、ヒータ板11の熱伝導率が高く、ま
たヒータ板自体薄いため、ヒータ板11の表面温度が、
発熱体の温度変化に迅速に追従する。即ち、電圧、電流
量を変えて発熱体の温度を変化させることにより、ヒー
タ板11の表面温度を良好に制御することができるので
ある。ヒータ板の材料として、窒化物セラミックを用い
る場合に、特に、セラミックヒータが上記特性に優れ
る。
【0021】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとして
は、炭化珪素、炭化チタン、炭化硼素等が挙げられる。
さらに、上記酸化物セラミックとしては、アルミナ、コ
ージェライト、ムライト、シリカ、ベリリア等が挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。これらのなかでは、窒化アルミニウムが最
も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いか
らである。
【0022】ヒータ板11の側面11cは、ヒータ板1
1の側面11cから支持容器への熱の伝導によりウエハ
加熱面の外周部の温度が低下するのを防止するため、J
ISB 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.1
〜200μm、望ましくは0.5〜200μmになるよ
うに粗化処理が施されている。
【0023】上記面粗度Rmaxが0.1未満である
と、側面部分が露出している場合には、側面部分に空気
の滞留が全くなくなり、側面に次々と新しい空気が接触
して空気が熱を奪ってしまうため温度が低下しやすくな
り、側面がシールリングに接触している場合には、シー
ルリングとの接触面積が大きくなり、熱がシールリング
を介して伝導するため温度が低下しやすくなる。また、
Rmaxが0.5μm未満であっても、やはり、シール
リングとの接触が面接触に近くなるため、ヒータ板の側
面からシールリングへ熱が伝導しやすく、ウエハ加熱面
の外周部の温度の低下を防止するのが困難となる場合が
ある。一方、上記面粗度のRmaxが200μmを超え
ると、粗化処理自体が困難となるだけでなく、放熱フィ
ンのような作用によって放熱性が上がってしまい、やは
り外周部の温度の低下を防止するのが困難となるから。
【0024】即ち、ヒータ板とシールリングとの接触の
有無にかかわらず、Rmax=0.1〜200μm、望
ましくは0.5〜200μmになるように調整すること
により、外周部の温度の低下を防止することができる。
【0025】また、面粗度をRmax=200以下に調
整することでセラミック粒子の脱落を防止してパーティ
クルの発生を抑制することができ、さらに、セラミック
基板を急速昇温した場合に外周と内部との温度差に起因
して、セラミック基板にクラックが発生するのを防止す
ることができる。上記面粗度は、Rmax=1〜20μ
mが最適である。粗化面から脱粒してパーティクルが発
生することを防止するためである。
【0026】粗化処理の方法としては、特に限定される
ものではないが、例えば、アルミナ、、ジルコニア、S
iC等からなる粒子を側面に吹き付けるサンドブラスト
処理が挙げられる。また、♯50〜♯800のダイヤモ
ンド砥石を使用して側面を研磨したり、ダイヤモンドス
ラリーを用いてポリシングした後に、上記サンドブラス
ト処理を行う方法を用いてもよい。
【0027】上記セラミックヒータのヒータ板11の厚
さは、0.5〜25mmが好ましい。0.5mmより薄
いと、強度が低下するため破損しやすくなり、25mm
を超えると温度追従性が低下する。より好ましくは、
1.5mmを超え5mm以下である。5mmより厚くな
ると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する傾
向が生じ、一方、1.5mm以下であると、側面の面積
自体が小さいため、セラミックヒータの外周の温度低下
という問題自体が発生しにくく、また、強度が低下して
破損する場合があるからである。なお、特開平2000
−21961号公報には、一定の側面面粗度を持った静
電チャックが開示されているがセラミックヒータに関す
る技術ではない。
【0028】本発明のセラミックヒータにおけるセラミ
ック基板の直径は150mmを超えるものが望ましく、
特に200mm以上が好適である。このような直径が大
きいものほど外周の温度低下が著しいからである。
【0029】本発明のセラミックヒータでは、半導体ウ
エハをセラミック基板のウエハ載置面に接触させた状態
で載置するほか、半導体ウエハを支持ピンなどで支持
し、セラミックス基板との間に一定の間隔を保って保持
する場合や、セラミック基板に貫通孔が設けられ、この
貫通孔にリフターピンが挿入されて、ウエハを保持する
場合がある。このリフターピンを上下することにより、
搬送機からウエハを受け取ったり、ウエハをセラミック
基板上に載置したり、ウエハを支持したまま加熱したり
することができる。
【0030】セラミック基板の表面または内部に形成さ
れる発熱体12は、少なくとも2以上の回路に分割され
ていることが望ましい。回路を分割することにより、各
回路に投入する電力を制御して発熱量を変えることがで
き、半導体ウエハの加熱面の温度を調整することができ
るからである。
【0031】発熱体12のパターンとしては、例えば、
同心円、渦巻き、偏心円、屈曲線などが挙げられるが、
ヒータ板全体の温度を均一にすることができる点から、
図1に示したような同心円状のものが好ましい。
【0032】発熱体12をヒータ板11の表面に形成す
る場合には、金属粒子を含む導体ペーストをヒータ板1
1の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層を形
成した後、これを焼き付け、ヒータ板11の表面で金属
粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属の焼結
は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融着
していれば充分である。ヒータ板の表面に発熱体を設け
る場合は、加熱面は発熱体形成面の反対側である。ヒー
タ板が熱拡散の役割をするため加熱面の温度均一性を向
上させるからである。
【0033】ヒータ板11の表面に発熱体を形成する場
合には、発熱体の厚さは、1〜30μmが好ましく、1
〜10μmがより好ましい。また、ヒータ板11の内部
に発熱体を形成する場合には、その厚さは、1〜50μ
mが好ましい。
【0034】また、ヒータ板11の表面に発熱体を形成
する場合には、発熱体の幅は、0.1〜20mmが好ま
しく、0.1〜5mmがより好ましい。また、ヒータ板
11の内部に発熱体を形成する場合には、発熱体の幅
は、5〜20μmが好ましい。
【0035】発熱体12は、その幅や厚さにより抵抗値
に変化を持たせることができるが、上記した範囲が最も
実用的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程大き
くなる。発熱体12は、ヒータ板11の内部に形成した
場合の方が、厚み、幅とも大きくなるが、発熱体12を
内部に設けると、加熱面と発熱体12との距離が短くな
り、表面の温度の均一性が低下するため、発熱体自体の
幅を広げる必要があること、内部に発熱体12を設ける
ために、窒化物セラミック等との密着性を考慮する必要
性がないため、タングステン、モリブデンなどの高融点
金属やタングステン、モリブデンなどの炭化物を使用す
ることができ、抵抗値を高くすることが可能となるた
め、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くしてもよ
い。そのため、発熱体12は、上記した厚みや幅とする
ことが望ましい。
【0036】発熱体12は、断面形状が矩形であっても
楕円であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏
平の方がウエハ加熱面に向かって放熱しやすいため、加
熱面の温度分布ができにくいからである。断面のアスペ
クト比(発熱体の幅/発熱体の厚さ)は、10〜500
0であることが望ましい。この範囲に調整することによ
り、発熱体12の抵抗値を大きくすることができるとと
もに、加熱面の温度の均一性を確保することができるか
らである。
【0037】発熱体12の厚さを一定とした場合、アス
ペクト比が上記範囲より小さいと、ヒータ板11のウエ
ハ加熱方向への熱の伝搬量が小さくなり、発熱体12の
パターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、
逆にアスペクト比が大きすぎると発熱体12の中央の直
上部分が高温となってしまい、結局、発熱体12のパタ
ーンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従っ
て、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、1
0〜5000であることが好ましいのである。
【0038】発熱体12をヒータ板11の表面に形成す
る場合は、アスペクト比を10〜200、発熱体12を
ヒータ板11の内部に形成する場合は、アスペクト比を
200〜5000とすることが望ましい。発熱体12
は、ヒータ板11の内部に形成した場合の方が、アスペ
クト比が大きくなるが、これは、発熱体12を内部に設
けると、加熱面と発熱体12との距離が短くなり、表面
の温度均一性が低下するため、発熱体12自体を偏平に
する必要があるからである。
【0039】発熱体12をヒータ板11の内部に偏芯し
て形成する場合の位置は、ヒータ板11の加熱面に対向
する面(底面)に近い位置で、加熱面から底面までの距
離に対して50%を超え、99%までの位置とすること
が望ましい。50%以下であると、加熱面に近すぎるた
め、温度分布が発生してしまい、逆に、99%を超える
と、ヒータ板11自体に反りが発生して、半導体ウエハ
が破損するからである。
【0040】また、発熱体12をヒータ板11の内部に
形成する場合には、発熱体形成層を複数層設けてもよ
い。この場合は、各層のパターンは、相互に補完するよ
うにどこかの層に発熱体12が形成され、ウエハ加熱面
の上方から見ると、どの領域にもパターンが形成されて
いる状態が望ましい。このような構造としては、例え
ば、互いに千鳥の配置になっている構造が挙げられる。
なお、発熱体12をヒータ板11の内部に設け、かつ、
その発熱体12を一部露出させてもよい。
【0041】導体ペーストとしては特に限定されない
が、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラ
ミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤など
を含むものが好ましい。
【0042】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を
有するからである。上記導電性セラミックとしては、例
えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0043】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0044】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、発熱体12と窒化物セラミック等と
の密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることが
できるため有利である。
【0045】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0046】導体ペーストには、金属粒子に金属酸化物
を添加し、発熱体12と金属粒子および金属酸化物とを
焼結させたものとすることが望ましい。このように、金
属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、ヒ
ータ板である窒化物セラミック等と金属粒子とをより密
着させることができる。
【0047】金属酸化物を混合することにより、窒化物
セラミック等との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や窒化物セラミック等の表面は、わ
ずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜
同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子
と窒化物セラミック等とが密着するのではないかと考え
られる。また、ヒータ板を構成するセラミックが酸化物
セラミックの場合は、当然に表面が酸化物からなるの
で、密着性に優れた導体層が形成される。
【0048】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。
【0049】これらの酸化物は、発熱体12の抵抗値を
大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミック等と
の密着性を改善することができるからである。
【0050】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミッ
ク等との密着性を改善することができる。
【0051】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して発熱体1
2を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好
ましい。
【0052】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、ヒータ板
の表面に発熱体12を設けたヒータ板11では、その発
熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添
加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ
/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制
御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0053】発熱体12がヒータ板11の表面に形成さ
れる場合には、発熱体12の表面部分に、金属被覆層1
2aが形成されていることが望ましい。内部の金属焼結
体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためであ
る。形成する金属被覆層12aの厚さは、0.1〜10
μmが好ましい。
【0054】金属被覆層12aを形成する際に使用され
る金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されない
が、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、
ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、
ニッケルが好ましい。
【0055】発熱体12には、電源と接続するための端
子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体12
に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止する
からである。接続端子としては、例えば、コバール製の
ものが挙げられる。
【0056】なお、発熱体12をヒータ板11の内部に
形成する場合には、発熱体表面が酸化されることがない
ため、被覆は不要である。発熱体12をヒータ板11内
部に形成する場合、発熱体の一部が表面に露出していて
もよく、発熱体12を接続するためのスルーホールが端
子部分に設けられ、このスルーホールに外部端子が接
続、固定されていてもよい。
【0057】外部端子13を接続する場合、半田として
は、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使
用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜
50μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充
分な範囲だからである。
【0058】また、図2に示したように、ヒータ板11
に貫通孔15を設けてその貫通孔15にリフターピン1
6を挿入し、半導体ウエハを図示しない搬送機に渡した
り、搬送機から半導体ウエハを受け取ったりすることが
できる。
【0059】以上、説明したような構成のセラミックヒ
ータは、通常、支持容器に設置されて使用されることが
多い。図3は、セラミックヒータが支持容器に嵌め込ま
れた状態を模式的に示した断面図である。支持容器30
は、主として薄い金属材料により形成され、有底円筒形
状の構造を有し、平板状の底部31を備え、円筒の上端
部分が内側に折れて縁部36を構成している。そして、
縁部36の上にシールリング37が載置、固定され、こ
のシールリング37に円板形状のセラミックヒータ20
が嵌め込まれている。
【0060】セラミックヒータ20は、底部に発熱体2
2が設けられ、中央部分には、セラミックヒータ20上
に載置される半導体ウエハを支持し、上下動させるため
のリフターピンを挿通する貫通孔25が形成されてい
る。
【0061】一方、支持容器30の底部31には、セラ
ミックヒータ20の貫通孔15とともにリフターピンを
挿通するためのピン挿通スリーブ32、および、冷却エ
アー等を供給し、排出するための冷媒供給口33、冷媒
排出口34が設けられているとともに、発熱体22の端
部に接続された外部端子23からのコード38を通すた
めのシールパッキング39を備えている。
【0062】支持容器30は、シールリング37にセラ
ミックヒータ20を嵌め込んだ状態でその内部に冷却エ
アーを流すことができるように気密構造となっており、
通常は特段の加工を施さない。
【0063】次に、本発明のセラミックヒータの製造方
法について説明する。まず、ヒータ板11の底面に発熱
体が形成されたセラミックヒータ(図1〜2参照)の製
造方法について説明する。
【0064】(1) ヒータ板の作製工程 上述した窒化アルミニウムなどのセラミックの粉末に必
要に応じてイットリア(Y23 )等の焼結助剤、N
a、Caを含む化合物、バインダ等を配合してスラリー
を調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法
で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧するこ
とにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作
製する。
【0065】次に、生成形体に、必要に応じて、半導体
ウエハを運搬等するためのリフターピンを挿入する貫通
孔となる部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための
有底孔となる部分等を形成する。
【0066】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、ヒータ板11を作製する
が、焼成後にそのまま使用することができる形状として
もよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気
孔のないヒータ板11を製造することが可能となる。加
熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、例えば、窒
化物セラミックでは、1000〜2500℃である。こ
の後、サンドブラスト等により、ヒータ板11の側面に
粗化処理を施す。側面のみでなく、ヒータ板11の底部
の外周部に粗化処理を施してもよい。
【0067】(2) ヒータ板に導体ペーストを印刷する工
程 導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からな
る粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリ
ーン印刷などを用い、発熱体を設けようとする部分に印
刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。発熱
体は、ヒータ板全体を均一な温度にする必要があること
から、図1に示すような同心円状からなるパターンに印
刷することが望ましい。導体ペースト層は、焼成後の発
熱体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形
成することが望ましい。
【0068】(3) 導体ペーストの焼成 ヒータ板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼
成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼
結させ、ヒータ板11の底面に焼き付け、発熱体12を
形成する。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好
ましい。導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加し
ておくと、金属粒子、ヒータ板および金属酸化物が焼結
して一体化するため、発熱体とヒータ板との密着性が向
上する。
【0069】(4) 金属被覆層の形成 発熱体12表面には、金属被覆層12aを設けることが
望ましい。金属被覆層12aは、電解めっき、無電解め
っき、スパッタリング等により形成することができる
が、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
【0070】(5) 端子等の取り付け 発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための端
子(外部端子13)を半田で取り付ける。また、有底孔
14に銀ろう、金ろうなどで熱電対を固定するか、ある
いは、ポリイミド等の耐熱樹脂を用いるか、封止ガラス
(鉛系ガラス)を400〜500℃で加熱溶融させて封
止し、セラミックヒータの製造を終了する。この後、セ
ラミックヒータは、図3に示した支持容器30のシール
リング37に嵌め込まれ、ヒータとして使用される。
【0071】次に、ヒータ板11の内部に発熱体12が
形成されたセラミックヒータの製造方法について説明す
る。 (1) ヒータ板の作製工程 まず、窒化物セラミック等のセラミックの粉末をバイン
ダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いて
グリーンシートを作製する。
【0072】上述したセラミック粉末としては、例え
ば、窒化アルミニウムなどを使用することができ、必要
に応じて、イットリア等の焼結助剤、Na、Caを含む
化合物等を加えてもよい。また、バインダとしては、ア
クリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも1種が望ま
しい。
【0073】さらに溶媒としては、α−テルピオーネ、
グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。こ
れらを混合して得られるペーストをドクターブレード法
でシート状に成形してグリーンシートを作製する。グリ
ーンシートの厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
【0074】次に、得られたグリーンシートに、必要に
応じて、半導体ウエハを運搬等するためのリフターピン
を挿入する貫通孔15となる部分、熱電対などの測温素
子を埋め込むための有底孔となる部分、発熱体を外部の
端ピンと接続するためのスルーホール18となる部分等
を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成した
後に、上記加工を行ってもよい。また、焼結体を得た
後、これらの加工を行ってもよい。
【0075】(2) グリーンシート上に導体ペーストを印
刷する工程 グリーンシート上に、発熱体を形成するための金属ペー
ストまたは導電性セラミックを含む導体ペーストを印刷
する。これらの導体ペースト中には、金属粒子または導
電性セラミック粒子が含まれている。
【0076】タングステン粒子またはモリブデン粒子の
平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子径
が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペ
ーストを印刷しにくいからである。このような導体ペー
ストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミッ
ク粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロー
ス、ブチルセロソルブ、ポリビニラールから選ばれる少
なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、
α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも
1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペ
ースト)が挙げられる。
【0077】(3) グリーンシートの積層工程 導体ペーストを印刷していないグリーンシートを、導体
ペーストを印刷したグリーンシートの上下に積層する。
このとき、上側に積層するグリーンシートの数を下側に
積層するグリーンシートの数よりも多くして、発熱体の
形成位置を底面の方向に偏芯させる。具体的には、上側
のグリーンシートの積層数は20〜50枚が、下側のグ
リーンシートの積層数は5〜20枚が好ましい。
【0078】(4) グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ートおよび内部の導体ペーストを焼結させる。加熱温度
は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、
10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲
気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、
窒素などを使用することができる。この後、サンドブラ
スト等により、ヒータ板の側面に粗化処理を施す。側面
のみでなく、ヒータ板の底面の外周部に粗化処理を施し
てもよい。
【0079】なお、焼成を行った後に、測温素子を挿入
するための有底孔を設けてもよい。有底孔は、表面研磨
後に、サンドブラストなどをブラスト処理を行うことに
より形成することができる。また、内部の発熱体と接続
するためのスルーホールに外部端子13を半田層等を介
して接続し、加熱してリフローする。加熱温度は、20
0〜500℃が好適である。さらに、測温素子としての
熱電対などを有底孔に挿入し、銀ろう、金ろうなどで取
り付け、ポリイミドなどの耐熱性樹脂で封止し、セラミ
ックヒータの製造を終了する。この後、セラミックヒー
タは、図3に示した支持容器30のシールリング37に
嵌め込まれ、ヒータとして使用される。
【0080】なお、本発明のセラミックヒータでは、静
電電極を設けて静電チャックとして使用することがで
き、また、表面にチャップトップ導体層を設け、内部に
ガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプ
ローバとして使用することができる。
【0081】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) (1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)1
00重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重
量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールか
らなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を
作製した。
【0082】(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
【0083】(3) 加工処理の終った生成形体を1800
℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mm
の窒化アルミニウム板状体を得た。次に、この板状体か
ら直径210mmの円板体を切り出し、セラミック製の
板状体(ヒータ板11)とした。この成形体にドリル加
工を施し、半導体ウエハのリフターピンを挿入する貫通
孔15となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14
となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成
した。このヒータ板11の側面11cを平均粒子径5μ
mのアルミナのサンドブラストで処理し、側面11cに
JIS B 0601で、Rmax=7μmの凹凸を形
成した。
【0084】(4) 上記(3) で得たヒータ板11に、スク
リーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターン
は、図1に示したような同心円状のパターンとした。導
体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形
成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS
603Dを使用した。この導体ペーストは、銀−鉛ペー
ストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量
%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量
%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重
量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであ
った。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン
片状のものであった。
【0085】(5) 次に、導体ペーストを印刷したヒータ
板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の
銀、鉛を焼結させるとともにヒータ板11に焼き付け、
発熱体12を形成した。銀−鉛の発熱体は、厚さが5μ
m、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であっ
た。
【0086】(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製し
たヒータ板11を浸漬し、銀−鉛の発熱体12の表面に
厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)12aを析出さ
せた。
【0087】(7) 電源との接続を確保するための外部端
子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀
−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層
を形成した。ついで、半田層の上にコバール製の外部端
子13を載置して、420℃で加熱リフローし、外部端
子13を発熱体の表面に取り付けた。
【0088】(8) 温度制御のための熱電対をポリイミド
で封止し、セラミックヒータ10を得た。
【0089】(実施例2〜7)側面の処理条件を下記の
ようにして実施した以外は、実施例1と同様にしてセラ
ミックヒータを製造した。側面の面粗度Rmaxを下記
の表1に示す。 実施例2:♯200のダイヤモンド砥石で側面を研磨し
た後、平均粒径200μmのSiCでサンドブラスト処
理を行った。 実施例3:♯200のダイヤモンド砥石で側面を研磨し
た。 実施例4:♯400ののダイヤモンド砥石で側面を研磨
した。 実施例5:♯800のダイヤモンド砥石で研磨を行っ
た。 実施例6:平均粒径0.5μmのダイヤモンドペースト
(マルトー社製)でポリシングを行った。 実施例7:平均粒径0.25μmのダイヤモンドペース
ト(マルトー社製)でポリシングを行った。
【0090】(実施例8)SiC製のセラミックヒータ
の製造 (1) SiC粉末(平均粒径:1.1μm)100重量
部、焼結助剤のB4 Cを0.5重量部、アクリル系バイ
ンダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプ
レードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
【0091】(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。 (3) 加工処理の終った生成形体を1900℃、圧力:2
0MPaでホットプレスし、厚さが3mmのSiCセラ
ミック基板を得た。次に、この板状体の表面から直径2
10mmの円板体を切り出し、側面を平均粒径5μmの
アルミナのサンドブラストで処理し、面粗度Rmax=
7μmのセラミック基板とした。 (4) このセラミック基板に、ガラスペースト(昭栄化学
工業社製 G−5177)を塗布して、1000℃に加
熱して厚さ1μmのSiO2 の膜を形成した。
【0092】この成形体にドリル加工を施し、シリコン
ウエハのリフターピンを挿入する貫通孔となる部分、熱
電対を埋め込むための有底孔となる部分(直径:1.1
mm、深さ:2mm)を形成した。
【0093】(5) 上記(4) で得たセラミック基板に、ス
クリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パター
ンは、図2に示したような同心円状のパターンとした。
導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール
形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストP
S603Dを使用した。この導体ペーストは、銀ペース
トであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量
%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量
%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重
量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであ
った。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン
片状のものであった。
【0094】(6) 次に、導体ペーストを印刷したセラミ
ック基板を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中
の銀、鉛を焼結させるとともに基板に焼き付け、発熱体
を形成した。銀−鉛の発熱体は、厚さが5μm、幅2.
4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0095】(7) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(6) で作製し
た基板31を浸漬し、銀−鉛の発熱体12の表面に厚さ
1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させた。
【0096】(8) 電源との接続を確保するための端子を
取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田
ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピンを載置
して、420℃で加熱タフローし、端子ピンを発熱体の
表面に取り付けた。
【0097】(9) 温度制御のための熱電対を有底孔14
に嵌め込み、セラミック接着剤(東亜合成社製 アロン
セラミック)を埋め込んで固定しセラミックヒータを得
た。このセラミックヒータ10を支持容器上に側面が露
出するように固定した。
【0098】(実施例9〜13)側面の処理条件を下記
のように設定した以外は、実施例8と同様にしてセラミ
ックヒータを製造した。側面の面粗度Rmaxを下記の
表1に示す。 実施例9 :♯200のダイヤモンド砥石で、側面を研
磨した後、平均粒径200μmのSiCでサンドブラス
トを行った。 実施例10:♯200のダイヤモンド砥石で側面を研磨
した。 実施例11:♯400ののダイヤモンド砥石で側面を研
磨した。 実施例12:♯800のダイヤモンド砥石で研磨を行っ
た。 実施例13:平均粒径0.5μmのダイヤモンドペース
ト(マルトー社製)でポリシングを行った。
【0099】(比較例1)実施例1と同様にしてセラミ
ックヒータを製造したが、セラミック基板の側面を側面
を0.1μmのダイヤモンドペースト(マルトー社製)
でポリシングして面粗度をRmax=0.05μmとし
た。
【0100】(比較例2) (1) 実施例1と同様にしてセラミックヒータをを製造し
た後、側面を平均粒径250μmのアルミナのサンドブ
ラストで処理し、側面11cにJIS B 0601
で、Rmax=210μmの凹凸を形成した。
【0101】(比較例3)実施例8と同様にしてセラミ
ックヒータを製造したが、セラミック基板の側面を側面
を0.1μmのダイヤモンドペースト(マルトー社製)
でポリシングして面粗度をRmax=0.05μmとし
た。
【0102】(比較例4)実施例8と同様にしてセラミ
ックヒータを製造したが、ヒータ板を製造した後、側面
を平均粒子径250μmのアルミナのサンドブラストで
処理し、側面にJIS B 0601で、Rmax=2
10μmの凹凸を形成した。
【0103】実施例および比較例にかかるセラミックヒ
ータを図3に示した支持容器30のシールリング37に
嵌め込み、セラミックヒータに通電した後、中心部分の
温度を400℃および500℃まで上昇させ、中心部分
と外周部との温度差ΔTをサーモビュア(日本データム
社製 IR−16−2012−0012)で測定した。
また、パーテクルの発生の有無を目視で確認し、さら
に、400℃まで45秒で昇温して割れが発生するか否
か確認した。その結果を表1に示した。
【0104】
【表1】
【0105】実施例1〜13で得られたセラミックヒー
タでは、ΔT(400℃)=5〜8℃、ΔT(500
℃)=7〜20℃と中心部分と外周部分の温度差は余り
なかったが、比較例1〜4で得られたセラミックヒータ
では、ΔT(400℃)=12〜18℃、ΔT(500
℃)=15〜25℃と中心部分と外周部分とで大きな温
度差が発生した。また、比較例にかかるセラミックヒー
タでは、400℃までの急速昇温により、割れが発生
し、さらに、比較例2、4ではセラミックヒータを嵌め
込む際に粗化面から脱粒してパーティクルが発生した。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体ウエ
ハ加熱用セラミックヒータによれば、側面部分が好適に
粗化されているので、セラミックヒータから支持容器や
空気中への熱の伝導を抑制してセラミック基板の温度を
均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体ウエハ加熱用セラミックヒータ
の一例を模式的に示す底面図である。
【図2】図1に示した半導体ウエハ加熱用セラミックヒ
ータの一部を模式的に示す断面図である。
【図3】半導体ウエハ加熱用セラミックヒータが設置さ
れた支持容器を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 セラミックヒータ 11 ヒータ板 11a 底面 11b ウエハ加熱面 11c 側面 12 発熱体 12a 金属被覆層 13 外部端子 14 有底孔 15 貫通孔 16 リフターピン 19 半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA04 AA06 AA08 AA10 AA13 AA21 AA34 BB06 BB14 BC03 BC04 BC12 CA02 HA04 HA10 JA10 3K092 PP09 QA05 QB02 QB18 QB30 QB75 QB76 QC02 RF03 RF11 RF17 RF22 TT30 VV22 5F046 KA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の表面または内部に発熱
    体が設けられてなるセラミックヒータであって、前記セ
    ラミック基板の側面の面粗度が、JIS B 0601
    Rmax=0.1〜200μmであることを特徴とす
    るセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 前記面粗度は、JIS B 0601
    Rmax=0.5〜200μmである請求項1に記載の
    セラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板は、支持容器に嵌め
    込まれてなる請求項1または2に記載のセラミックヒー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板は、窒化物セラミッ
    クである請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミック
    ヒータ。
  5. 【請求項5】 前記セラミック基板は、炭化物セラミッ
    クまたは酸化物セラミッックである請求項1〜3のいず
    れか1に記載のセラミックヒータ。
  6. 【請求項6】 前記セラミックヒータは、半導体ウエハ
    加熱用である請求項1〜5のいずれか1に記載のセラミ
    ックヒータ。
  7. 【請求項7】 前記セラミック基板の厚さは、1.5m
    mを超える請求項1〜6のいずれか1に記載のセラミッ
    クヒータ。
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