JP2004214214A - セラミックヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコンウエハ等の被加熱物を加熱した際、その温度が全体的に均一になるように加熱することができるセラミックヒータを提供すること。
【解決手段】 抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、上記セラミック基板の厚さばらつきが、上記セラミック基板の平均厚さの−3〜3%であることを特徴とするセラミックヒータ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主に、半導体の製造や検査のために用いられるセラミックヒータ(ホットプレート)に関する。
エッチング装置や、化学的気相成長装置等を含む半導体製造・検査装置等においては、従来、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒータやウエハプローバ等が用いられてきた。
ところが、このような金属製のヒータは、以下のような問題があった。
まず、金属製であるため、ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければならない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨張により、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に載置したシリコンウエハが破損したり傾いたりしてしまうからである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くすると、ヒータの重量が重くなり、また、嵩張ってしまうという問題があった。
また、発熱体に印加する電圧や電流量を変えることにより、加熱温度を制御するのであるが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題もあった。
そこで、特許文献1には、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい窒化物セラミックや炭化物セラミックを使用し、これらのセラミックからなる板状体(セラミック基板)の表面に、金属粒子を焼結して形成した発熱体を設けてなるセラミックヒータが開示されている。
特開平11−40330号公報
このようなセラミックヒータでは、加熱の際に熱膨張しても、セラミック基板に反り、歪み等は発生しにくく、印加電圧や電流量の変化にする温度追従性も良好であった。
しかしながら、このセラミックヒータを用いてシリコンウエハ等の被加熱物を加熱すると、その加熱面に温度ばらつきが生じやすく、このような温度のばらつきが生じた場合には、シリコンウエハ等が熱衝撃により破損するという問題があった。
また、近年のシリコンウエハ等の被加熱物の大口径化等に伴って、より直径の大きいセラミックヒータが求められている。また、直径の大きいセラミックヒータでは、厚さが従来と同じであると熱容量が大きくなってしまうため、その厚さの薄いものが求められている。
しかしながら、セラミック基板の加熱面の温度ばらつきは、セラミックヒータの直径が大きくなるほど、また、その厚さが薄くなるほどに顕著になる。
本発明者らは、上述した問題点に鑑み、加熱面の温度ばらつきが小さく、シリコンウエハ等の被加熱物が熱衝撃により破損することもないセラミックヒータを得ることを目的として鋭意研究を行った結果、この加熱面の温度ばらつきの一因は、セラミック基板の厚さのばらつきにあり、その厚さのばらつきを、セラミック基板の平均厚さに対して一定の範囲内に収めることにより、加熱面を均一な温度に制御することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、
上記セラミック基板の厚さのばらつきが、上記セラミック基板の平均厚さの−3〜3%であることを特徴とするセラミックヒータである。
抵抗発熱体に電流を流して発熱させた際、熱はセラミック基板中を伝搬して、加熱面に到達する。熱が伝搬する時間はその距離に依存するため、セラミック基板に厚さのばらつきがあると、抵抗発熱体から加熱面まで熱が伝搬する時間に差が生じる。また、厚さにばらつきがあると、一定面積当たりのセラミック基板の体積に場所による差が生じるため、一定熱量が発生しても、その部分の到達温度に差が生じ、その結果、加熱面に温度のばらつきが発生するものと考えられる。
しかしながら、本発明のセラミックヒータは、上記の通り、セラミック基板の厚さのばらつきを、セラミック基板の平均厚さの−3〜3%の範囲内に調整しているので、抵抗発熱体からセラミック基板の加熱面まで熱が伝搬する時間や、一定面積当たりのセラミック基板の体積に、場所による差が殆ど生じず、そのため、セラミック基板の加熱面の温度を均一にすることができ、熱衝撃によるシリコンウエハ等の被加熱物が破損するのを防止することができる。
本発明のセラミックヒータにおいて、上記抵抗発熱体が、セラミック基板の表面に形成されている場合は、上記抵抗発熱体が形成された面の反対側面を加熱面としたものが望ましく、また、上記セラミック基板の内部に上記抵抗発熱体が形成されている場合は、上記抵抗発熱体は、加熱面の反対側の面から厚さ方向に60%以下の位置に形成されていることが望ましい。
また、本発明のセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板は円板であり、その直径は190mmを超え、その厚さは25mm以下であることが望ましい。
本発明のセラミックヒータによれば、セラミック基板の厚さのばらつきが、そのセラミック基板の平均厚さに対して−3〜3%であるので、セラミック基板の加熱面での温度ばらつきを抑制することができ、被加熱対象物であるシリコンウエハ等を均一な温度に加熱することができる。
本発明のセラミックヒータは、抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、
上記セラミック基板の厚さのばらつきが、上記セラミック基板の平均厚さの−3〜3%であることを特徴とする。
図1は、本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示す底面図であり、図2はその一部を示す部分拡大断面図である。
セラミック基板11は、円板状に形成されており、抵抗発熱体12は、セラミック基板11のウエハ加熱面11aの全体の温度が均一になるように加熱するため、セラミック基板11の底面11bに同心円状のパターンに形成されている。
また、これら発熱体12は、互いに近い二重の同心円同士が1組として、1本の線になるように接続され、その両端に入出力の端子となる外部端子13が金属被覆層12aを介して接続されている。また、中央に近い部分には、シリコンウエハ9を運搬等するリフターピン16を挿通するための貫通孔15が形成され、さらに、測温素子を挿入するための有底孔14が形成されている。
なお、図1〜2に示したセラミックヒータ10において、抵抗発熱体12はセラミック基板11の底部に設けられているが、セラミック基板11の内部に設けられていてもよい。以下、本発明のセラミックヒータを構成する部材等について詳細に説明する。
本発明のセラミックヒータ10において、セラミック基板11は、加熱面11aを均一な温度に制御するため、その厚さのばらつきが、セラミック基板11の平均厚さの−3〜3%になるように調整されている。
ここで、「厚さのばらつき」とは、セラミック基板の厚さが場所によって異なる場合に、厚さの平均値と厚さの最も厚い部分または厚さの最も薄い部分との差をいい、この「厚さのばらつき」はセラミック基板の表面(裏面)に現れる巨視的な表面のうねり等に起因して発生する。
本発明では、その最小の厚さと最大の厚さとが、これらを平均した厚さに対して−3〜3%の範囲内となるように調整されている。
従って、抵抗発熱体からセラミック基板の加熱面まで熱が伝搬する時間や、一定面積当たりのセラミック基板の体積に場所による差が殆ど生じず、その結果、セラミック基板の加熱面の温度を均一にすることができる。
セラミック基板11の厚さのばらつきが上記範囲を外れる場合には、抵抗発熱体12から放出された熱が加熱面11aに到達する時間に関して、場所による差が生じるとともに、この熱が伝搬する一定面積当たりのセラミック基板11の体積にも場所による差が生じるため、加熱面11aに温度ばらつきが発生する。
上記厚さのばらつきの範囲は、−1〜+1%が望ましい。
この厚さのばらつきが殆ど0に近い場合には、加熱面が完全な平面に近いため、加熱面に直接シリコンウエハ9等の被加熱物を載置して加熱すると、シリコンウエハ9等の被加熱物と加熱面11aとが完全に密着して真空状態となり、大気圧がかかってシリコンウエハ9等の被加熱物が剥がれなくなるため、あらかじめシリコンウエハ9等の被加熱物をある程度離間させてから加熱することが望ましい。
本発明のセラミックヒータでは、シリコンウエハ9等の被加熱物をセラミック基板11の加熱面11aに接触させた状態で載置して加熱するほか、図2に示すように、セラミック基板11に貫通孔15を設け、この貫通孔15にリフターピン16を挿入し、このリフターピン16でシリコンウエハ9等の被加熱物を保持することにより、セラミック基板11より一定の距離離間させた状態で被加熱物を加熱してもよい。
また、このリフターピン16を上下させることにより、搬送機からシリコンウエハ9等の被加熱物を受け取ったり、被加熱物をセラミック基板11上に載置したり、被加熱物を支持したまま加熱したりすることができる。
さらに、セラミック基板に凹部や貫通孔等を形成し、この凹部等に先端が尖塔状または半球状の支持ピンを先端がセラミック基板の表面よりわずかに突出した状態で挿入、固定し、シリコンウエハ9等の被加熱物をこの支持ピンで支持することにより、セラミック基板との間に一定の間隔を保って保持してもよい。
図3は、本発明の他の実施形態である、セラミック基板の内部に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータの抵抗発熱体の近傍を模式的に示した部分拡大断面図である。
図示はしていないが、図1に示したセラミックヒータと同様に、セラミック基板21は、円板形状に形成されており、抵抗発熱体22は、セラミック基板21の内部に、図1に示したパターンと同様のパターン、すなわち、同心円形状のパターンに形成されている。
また、抵抗発熱体22の端部の直下には、スルーホール28が形成され、さらに、このスルーホール28を露出させる袋孔27が底面21bに形成され、袋孔37には外部端子23が挿入され、ろう材24で接合されている。
また、図3には示していないが、外部端子23には、例えば、導電線を有するソケットが取り付けられ、この導電線は電源等と接続されている。
このような内部に抵抗発熱体22が形成されたセラミックヒータにおいても、セラミック基板の厚さのばらつきをセラミック基板11の平均厚さの−3〜3%になるように調整することにより、抵抗発熱体からセラミック基板の加熱面まで熱が伝搬する時間や、一定面積当たりのセラミック基板の体積に、場所による差が生じず、セラミック基板の加熱面の温度を均一にすることができる。
本発明のセラミックヒータにおいて、セラミック基板の表面に抵抗発熱体を設ける場合は、加熱面は抵抗発熱体形成面の反対側であることが望ましい。セラミック基板が熱拡散の役割を果たすため、加熱面の温度均一性を向上させることができるからである。
また、上記抵抗発熱体をセラミック基板の内部に形成する場合は、上記抵抗発熱体は、加熱面の反対側の面から厚さ方向に60%以下の位置に形成されていることが望ましい。60%を超えると、加熱面に近すぎるため、上記セラミック基板内を伝搬する熱が充分に拡散されず、加熱面に温度ばらつきが発生してしまうからである。
抵抗発熱体をセラミック基板の内部に形成する場合には、抵抗発熱体形成層を複数層設けてもよい。この場合は、各層のパターンは、相互に補完するようにどこかの層に抵抗発熱体が形成され、加熱面の上方から見ると、どの領域にもパターンが形成されている状態が望ましい。このような構造としては、例えば、互いに千鳥の配置になっている構造が挙げられる。
なお、抵抗発熱体をセラミック基板の内部に設け、かつ、その抵抗発熱体を一部露出させてもよい。
本発明のセラミックヒータにおけるセラミック基板は、円板であることが望ましく、その直径は190mmを超えるものが望ましい。このような直径が大きいものほど加熱面での温度ばらつきが大きくなるからである。
また、本発明のセラミックヒータのセラミック基板の厚さは、25mm以下であることが望ましい。上記セラミック基板の厚さが25mmを超えると温度追従性が低下するからである。また、その厚さは、0.5mm以上であることが望ましい。0.5mmより薄いと、セラミック基板の強度自体が低下するため破損しやすくなる。より望ましくは、1.5を超え5mm以下である。5mmより厚くなると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する傾向が生じ、一方、1.5mm以下であると、セラミック基板中を伝搬する熱が充分に拡散しないため加熱面に温度ばらつきが発生することがあり、また、セラミック基板の強度が低下して破損する場合があるからである。
本発明のセラミックヒータ10では、セラミック基板11の材料としてセラミックを使用している。これは、セラミックは、熱膨張係数が金属より小さく、また、機械的強度に優れるため、薄くしても、加熱により反ったり歪んだりせず、セラミック基板11を薄くて軽いものとすることができるからである。
また、セラミック基板11の熱伝導率が高く、またセラミック基板11自体薄いため、熱容量が小さくなり、その結果、セラミック基板11の表面温度が、抵抗発熱体12の温度変化に迅速に追従する。即ち、電圧、電流量を変えて抵抗発熱体12の温度を変化させることにより、セラミック基板11の表面温度を良好に制御することができるのである。
上記セラミックとしては特に限定されず、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物セラミック等を挙げることができる。
セラミック基板11の材料として、これらのなかでは、窒化物セラミックを用いる場合に、特に、セラミックヒータが上記特性に優れる。
上記窒化物セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとしては、炭化珪素、炭化チタン、炭化硼素等が挙げられる。さらに、上記酸化物セラミックとしては、アルミナ、コージェライト、ムライト、シリカ、ベリリア等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、窒化アルミニウムが最も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
セラミック基板の表面または内部に形成される抵抗発熱体は、少なくとも2以上の回路に分割されていることが望ましい。回路を分割することにより、各回路に投入する電力を制御して発熱量を変えることができ、シリコンウエハの加熱面の温度を調整することができるからである。
抵抗発熱体のパターンとしては、例えば、同心円、渦巻き、偏心円、屈曲線などが挙げられるが、セラミック基板全体の温度を均一にすることができる点から、図1に示したような同心円状のものか、または、同心円形状と屈曲形状とを組み合わせたものが好ましい。
抵抗発熱体をセラミック基板の表面に形成する場合には、金属粒子を含む導体ペーストをセラミック基板の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層を形成した後、これを焼き付け、セラミック基板の表面で金属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属の焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融着していれば充分である。
セラミック基板の表面に抵抗発熱体を形成する場合には、抵抗発熱体の厚さは、1〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。また、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成する場合には、その厚さは、1〜50μmが好ましい。
また、セラミック基板の表面に抵抗発熱体を形成する場合には、抵抗発熱体の幅は、0.1〜20mmが好ましく、0.1〜5mmがより好ましい。また、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成する場合には、抵抗発熱体の幅は、5〜20μmが好ましい。
抵抗発熱体は、その幅や厚さにより抵抗値に変化を持たせることができるが、上記した範囲が最も実用的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程大きくなる。抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に形成した場合の方が、厚み、幅とも大きくなるが、抵抗発熱体を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体との距離が短くなり、加熱面の温度の均一性が低下するため、抵抗発熱体自体の幅を広げる必要があること、内部に抵抗発熱体を設けるために、窒化物セラミック等との密着性を考慮する必要性がないため、タングステン、モリブデンなどの高融点金属やタングステン、モリブデンなどの炭化物を使用することができ、抵抗値を高くすることが可能となるため、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くしてもよい。そのため、抵抗発熱体は、上記した厚みや幅とすることが望ましい。
抵抗発熱体は、断面形状が矩形であっても楕円であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の温度分布ができにくいからである。
断面のアスペクト比(抵抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)は、10〜5000であることが望ましい。
この範囲に調整することにより、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることができるとともに、加熱面の温度の均一性を確保することができるからである。
抵抗発熱体の厚さを一定とした場合、アスペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板の加熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発熱体のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、抵抗発熱体のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、10〜5000であることが好ましいのである。
抵抗発熱体をセラミック基板の表面に形成する場合は、アスペクト比を10〜200、抵抗発熱体12をセラミック基板の内部に形成する場合は、アスペクト比を200〜5000とすることが望ましい。
抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に形成した場合の方が、アスペクト比が大きくなるが、これは、抵抗発熱体を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体との距離が短くなり、表面の温度均一性が低下するため、抵抗発熱体自体を偏平にする必要があるからである。
上記導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
上記金属粒子としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。
上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体と窒化物セラミック等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。
導体ペーストには、金属粒子に金属酸化物を添加し、抵抗発熱体と金属粒子および金属酸化物とを焼結させたものとすることが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板である窒化物セラミック等と金属粒子とをより密着させることができる。
金属酸化物を混合することにより、窒化物セラミック等との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミック等の表面は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミック等とが密着するのではないかと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラミックが酸化物セラミックの場合は、当然に表面が酸化物からなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B)、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、抵抗発熱体12の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミック等との密着性を改善することができるからである。
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B)、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが望ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミック等との密着性を改善することができる。
上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱体12を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、セラミック基板の表面に抵抗発熱体12を設けたセラミック基板11では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
抵抗発熱体がセラミック基板の表面に形成される場合には、抵抗発熱体の表面部分に、金属被覆層が形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
抵抗発熱体には、電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止するからである。接続端子としては、例えば、コバール製のものが挙げられる。
なお、抵抗発熱体をセラミック基板の内部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。抵抗発熱体をセラミック基板内部に形成する場合、抵抗発熱体の一部が表面に露出していてもよく、抵抗発熱体を接続するためのスルーホールが端子部分に設けられ、このスルーホールに外部端子が接続、固定されていてもよい。
外部端子13を接続する場合、半田としては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充分な範囲だからである。
次に、本発明のセラミックヒータの製造方法について説明する。
まず、セラミック基板11の底面に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータ(図1〜2参照)の製造方法について、図4(a)〜(c)に基づいて説明する。
(1)セラミック基板の作製工程
上述した窒化アルミニウム等のセラミックの粉末に必要に応じてイットリア(Y)等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物、バインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。
次に、生成形体に、必要に応じて、シリコンウエハ9等の被加熱物を運搬等するためのリフターピン16を挿入する貫通孔15となる部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔14となる部分等を形成する。
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、セラミック基板11を作製する(図4(a)参照)が、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。また、例えば、上下より加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないセラミック基板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、例えば、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
なお、通常は、焼成を行った後に、貫通孔15や測温素子を挿入するための有底孔14を設ける。貫通孔15等は、表面研磨後に、SiC粒子等を用い、サンドブラスト等のブラスト処理を行うことにより形成することができる。
この後、上記焼結体表面を♯100〜♯800の粗さのダイヤモンド砥石を用いて研磨することにより、その厚さのばらつきが、その平均厚さの−3〜3%となるように調整する。この研磨方法としては、初めに、焼結体の外周部を固定し、荷重をかけずに焼結体の自重のみでこの焼結体を研磨する。その後、上記研磨面を基準面にし、ワックスを用いて研磨面を治具に貼り付け、反りを矯正しながら、0.05〜10MPaの荷重をかけつつ研磨を行うことにより、上記焼結体の厚さのばらつきを上記範囲内に調整することができる。
上記ダイヤモンド砥石が♯800よりも大きいと、その粗さが小さすぎるため、焼結体表面のうねりを研削しきれず、一方、♯100よりも小さいと、その粗さが大きすぎるため、砥石が振動して、これがうねりとなってしまう。
ダイヤモンド砥石は、ダイヤモンドを電着させて製造する。
このとき、上記ダイヤモンド砥石の回転数は、50〜300min−1(50〜300rpm)であることが望ましい。
(2)セラミック基板に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、抵抗発熱体を設けようとする部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。抵抗発熱体は、セラミック基板全体を均一な温度にする必要があることから、図1に示すような同心円状からなるパターンに印刷することが望ましい。
導体ペースト層は、焼成後の抵抗発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成することが望ましい。
(3)導体ペーストの焼成
セラミック基板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、抵抗発熱体12を形成する(図4(b)参照)。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、金属粒子、セラミック基板および金属酸化物が焼結して一体化するため、抵抗発熱体とセラミック基板との密着性が向上する。
(4)金属被覆層の形成
抵抗発熱体12表面には、図2に示したように、金属被覆層12aを設けることが望ましい。金属被覆層12aは、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。なお、図4には、金属被覆層12aを示していない。
(5)端子等の取り付け
抵抗発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための端子(外部端子13)を半田を介して取り付ける(図4(c)参照)。また、有底孔14に熱電対を入れ、ポリイミド等の耐熱樹脂等を用いて封止し、セラミックヒータの製造を終了する。
次に、セラミック基板11の内部に抵抗発熱体12が形成されたセラミックヒータ(図3参照)の製造方法について、図5(a)〜(d)に基づいて説明する。(1)セラミック基板の作製工程
まず、窒化物セラミック等のセラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。
上述したセラミック粉末としては、例えば、窒化アルミニウムなどを使用することができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物等を加えてもよい。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート50を作製する。
グリーンシート50の厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
次に、得られたグリーンシート50に、必要に応じて、シリコンウエハ等の被加熱物を運搬等するためのリフターピンを挿入する貫通孔25となる部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、抵抗発熱体を外部の端子ピンと接続するためのスルーホール28となる部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
(2)グリーンシート上に導体ペーストを印刷する工程
グリーンシート50上に、抵抗発熱体を形成するための金属ペーストまたは導電性セラミックを含む導体ペーストを印刷し、導体ペースト層220を形成し、貫通孔にスルーホール28用の導体ペースト充填層280を形成する。
これらの導体ペースト中には、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。
タングステン粒子またはモリブデン粒子の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
このような導体ペーストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられる。
(3)グリーンシートの積層工程
導体ペーストを印刷していないグリーンシート50を、導体ペーストを印刷したグリーンシート50の上下に積層する(図5(a)参照)。
このとき、導体ペーストを印刷したグリーンシート50が積層したグリーンシートの厚さに対して、底面から60%以下の位置になるように積層する。
具体的には、上側のグリーンシートの積層数は20〜50枚が、下側のグリーンシートの積層数は5〜20枚が好ましい。
(4)グリーンシート積層体の焼成工程
グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシート中のセラミック粉末および内部の導体ペースト中の金属等を焼結させる(図5(b)参照)。
加熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用することができる。
なお、通常は、焼成を行った後に、測温素子を挿入するための有底孔やリフターピンを挿通するための貫通孔25、スルーホール28を露出させる袋孔27を形成する。貫通孔25や有底孔は、表面研磨後に、サンドブラスト等をブラスト処理を行うことにより形成することができる。
この後、上記焼結体表面を♯100〜♯800の粗さのダイヤモンド砥石を用いて研磨することにより、その厚さのばらつきが、その平均厚さの−3〜3%となるように調整する。この研磨方法としては、はじめに、焼結体の外周部を固定し、荷重をかけずに焼結体の自重のみでこの焼結体を研磨する。その後、上記研磨面を基準面にし、ワックスを用いて研磨面を治具に貼り付け、反りを矯正しながら、0.05〜10MPaの荷重をかけつつ研磨を行うことにより、上記焼結体の厚さのばらつきを上記範囲内に調整することができる。このとき、上記ダイヤモンド砥石の回転数は、50〜300min−1(50〜300rpm)である。また、上記ダイヤモンド砥石が♯800よりも大きいと、その粗さが小さすぎるため、焼結体表面のうねりを研削しきれず、一方、♯100よりも小さいと、その粗さが大きすぎるため、砥石が振動して、これがうねりとなってしまう。
ダイヤモンド砥石は、ダイヤモンドを電着させて製造する。
(5)端子等の取付け
内部の抵抗発熱体22と接続するため、スルーホール28の露出した部分に半田ペーストを塗布した後、袋孔27の内部に外部端子23を挿入し、加熱、リフローすることにより外部端子13を接続する。加熱の際の温度は、200〜500℃が好適である。
さらに、測温素子としての熱電対などを有底孔に挿入し、ポリイミドなどの耐熱性樹脂等で封止し、セラミックヒータの製造を終了する。
なお、本発明のセラミックヒータでは、静電電極を設けて静電チャックとして使用することができ、また、表面にチャップトップ導体層を設け、内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバとして使用することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)外部に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造(図4参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
(3)加工処理の終った生成形体を1800℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さがほぼ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。
次に、この板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック製の板状体(セラミック基板11)とした。この成形体にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピン16を挿入する貫通孔15となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した(図4(a))。
(4)次に、#220のダイヤモンド砥石を有するロータリー研削旋盤を用い、(3)で得られた板状体の研磨を行ったが、その際、まず、セラミック基板11の外周部を固定し、圧力をかけずに、上記板状体の自重のみで上記板状体の片面を100min−1(100rpm)の回転速度で研磨する。次いで、この研磨処理を行った面を基準にして、ワックス(マルドー製 グリーンワックス)を用いて治具に研磨面を固定して反りを矯正し、0.1MPa(1kgf/cm)の圧力をかけながら、100min−1(100rpm)の回転数で回転させてから両面を同時に研磨した。
(5)上記(4)で得た板状体に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円状のパターンとした。
上記導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
(6)次に、導体ペーストを印刷したセラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板11に焼き付け、抵抗発熱体12を形成した(図4(b))。銀−鉛の抵抗発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7Ω/□であった。
(7)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(6)で作製したセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体12の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)12aを析出させた。
(8)電源との接続を確保するための外部端子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、Ag−Sn半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。
次いで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、700℃で加熱リフローし、外部端子13を抵抗発熱体12の表面に取り付けた(図4(c))。
(9)温度制御のための熱電対をポリイミドで封止し、セラミックヒータ10を得た。
次に、得られたセラミックヒータ10のセラミック基板の平均厚さ、最小厚さ、最大厚さ、および、厚さのばらつきを以下の方法で測定した。即ち、
(a)上記(4)の工程を経たセラミック基板の任意の端部の点を選び、その端部からセラミック基板の中心に向かって5mmの位置の厚さをマイクロメータで正確に測定し、この厚さを基準の厚さとした。また、厚さを測定したポイントを起点として、表面の凹凸を測定した。
(b)形状測定器(京セラ社製 商品名ナノウェイ)を用い、セラミック基板の上記基準点を起点とし、セラミック基板の中心を通り他端部の手前5mmまでの線状部について表面の凹凸を測定した。ここで、セラミック基板の端部5mmづつを除いたのは、シリコンウエハを載置し、加熱する際、この部分は温度のばらつきが問題とならない部分であるからである。
(c)次に、セラミック基板の反対側面について、上記(b)と同様に、基準点を起点として表面の凹凸を測定した。
(d)上記(b)、(c)で得られたデータは、セラミック基板の表裏で丁度同じ箇所の凹凸を示しているので、上記基準の厚さと上記データとを組み合わせることにより、セラミック基板の特定の線状部分の厚さのデータを得ることができる。
また、得られたデータより平均厚さT、最小厚さ、最大厚さのデータを得ることができる。
(e)上記基準点とは異なる9点を選択し、上記(a)〜(d)と同様の測定を行うことにより、セラミック基板の合計10箇所についてその平均厚さ(T〜T10)を測定した。なお、各基準点の間隔はなるべく均等になるようにした。
(f)得られたT〜T10の平均値をセラミック基板の平均厚さTとし、T〜T10の最小厚さおよび最大厚さをそれぞれセラミック基板の最小厚さおよび最大厚さとした。また、このセラミック基板の厚さのばらつきは、下記の式(1)に示したようにして計算した。
セラミック基板の厚さのばらつき(%)=〔(厚さの測定値の最大または最小値−厚さの平均値)×100〕/厚さの平均値・・・・・(1)
上記得られたセラミック基板の平均厚さ、最小厚さ、最大厚さ、および、厚さのばらつきを下記の表1に示した。
(実施例2)内部に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造(図5参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2)次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの端子ピンと接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
(3)平均粒径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
平均粒径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。
この導体ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、図1に示したような同心円パターンとした。また、端子ピンを接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。
上記処理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚、130℃、8MPa(80kgf/cm)の圧力で積層した。
(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa(150kgf/cm)で3時間ホットプレスし、厚さがほぼ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを215mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの導体層を有するセラミック基板を得た。
この後、ドリル加工により、リフターピンを挿通する貫通孔25および有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
(5)次に、#220のダイヤモンド砥石を有するロータリー研削旋盤を用い、まず、セラミック基板を外周部を固定し、圧力をかけずに、上記板状体の自重のみで(4)で得られた板状体の片面を100min−1(100rpm)の回転速度で研磨した。次いで、研磨処理を行った面を基準にし、ワックス(マルトー製 グリーンワックス)を用いて治具に研磨面を固定して反りを矯正し、0.1MPa(1kgf/cm)の圧力をかけながら、100min−1(100rpm)の回転数で回転させ、両面を同時に研磨した。この結果、内部に厚さ6μm、幅10mmの導体層を有する、厚さのばらつきの少ないセラミック基板を得た。
(6)さらに、スルーホール用の貫通孔の一部をえぐり取って凹部とし、この凹部にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の端子ピンを接続させた。また、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、その内部に導体層として抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造を完了した。
このセラミックヒータのセラミック基板の平均厚さ、最小厚さ、最大厚さ、および、厚さのばらつきについて、実施例1と同様にして測定した。
その結果を下記の表1に示した。
(比較例1)表面に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造
#220のダイヤモンド砥石を有する両面研削旋盤を用い、0.1MPa(1kg/cm)の圧力をかけながら100min−1(100rpm)の回転速度で両面研磨を行ったほかは、実施例1と同様にして、セラミックヒータを製造した。
得られたセラミックヒータのセラミック基板の平均厚さ、最小厚さ、最大厚さ、および、厚さのばらつきを下記の表1に示した。
(比較例2)内部に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造
#220のダイヤモンド砥石を有する両面研削旋盤を用い、0.1MPa(1kg/cm)の圧力をかけながら100min−1(100rpm)の回転速度で両面研磨を行ったほかは、実施例2と同様にして、セラミックヒータを製造した。
得られたセラミックヒータのセラミック基板の平均厚さ、最小厚さ、最大厚さ、および、厚さのばらつきを下記の表1に示した。
次に、実施例1、2および比較例1、2で得られたセラミック基板の抵抗発熱体に通電して、その加熱面の温度を300℃に昇温した後、シリコンウエハの最高温度と最低温度とをサーモビュア(日本データム社製 IR−16−2012−0012)により測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2004214214
実施例1、2で得られたセラミックヒータのセラミック基板では、その平均厚さに対する厚さのばらつきは、最大で−2.6〜1.7%であり、加熱されたシリコンウエハの最高温度と最低温度との差は9℃以下と小さく、シリコンウエハをほぼ均一に加熱することができたが、比較例1、2で得られたセラミックヒータのセラミック基板では、その平均厚さに対する厚さのばらつきは、最大で−6.0〜+6.0%と大きなものとなっており、加熱されたシリコンウエハの最高温度と最低温度との差も17℃と大きい。
本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示す平面図である。 図1に示したセラミックヒータの拡大断面図である。 本発明のセラミックヒータの他の一例を模式的に示す平面図である。 (a)〜(c)は、図1に示したセラミックヒータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。 (a)〜(d)は、図3に示したセラミックヒータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
符号の説明
9 シリコンウエハ
10 セラミックヒータ
11 セラミック基板
11a 加熱面
11b、21b 底面
12、22 抵抗発熱体
13、23 外部端子
14 有底孔
15、25 貫通孔
16 リフターピン
24 ろう材
27 袋孔
28 スルーホール

Claims (5)

  1. 抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、
    前記セラミック基板の厚さのばらつきが、前記セラミック基板の平均厚さの−3〜3%であることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記抵抗発熱体は、セラミック基板の表面に形成され、
    前記抵抗発熱体が形成された面の反対側面を加熱面とした請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に形成され、
    前記抵抗発熱体は、加熱面の反対側の面から厚さ方向60%以下の位置に形成された請求項1に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記セラミック基板は円板であり、その直径は190mmを超える請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記セラミック基板の厚さが25mm以下である請求項1〜4のいずれか1に記載のセラミックヒータ。
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