JP3851427B2 - 二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、下水道等のトンネル内をシールド工法等によって一次覆工した後に、ガラス繊維強化プラスチックモルタル管(FRPM)等の内挿管によって二次覆工する際に、内挿管と一次覆工との間に裏込め材を充填するために、
内挿管に取り付けられる注入体の固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道等のトンネルをシールド工法によって一次覆工した後に、FRPM等の内挿管によって二次覆工する際には、内挿管とシールド等の一次覆工との間に裏込め材が充填される。裏込め材は、一次覆工と内挿管との間の全体にわたって充填する必要があるために、一次覆工と内挿管との間に裏込め材を充填する際の裏込め材の充填圧力を厳密に管理する必要がある。
【0003】
内挿管と一次覆工との間に裏込め材を充填する方法として、両者の間に、塩化ビニル等によって構成された裏込め材充填用のパイプを配置して、そのパイプの先端の吐出口から裏込め材を吐出することによって充填する方法がある。この場合には、一次覆工と内挿管との間にパイプを配置して、吐出口とは反対側の端部からパイプ内に裏込め材が供給される。この場合には、パイプの吐出口が、一次覆工と内挿管との間に位置されるために、パイプの吐出口から吐出される裏込め材の圧力を管理することができない。そのために、パイプ内に裏込め材が供給されるパイプの端部にて、供給される裏込め材の圧力を管理するようになっている。しかしながら、このように、パイプに供給される裏込め材の圧力は、吐出口から吐出される裏込め材の圧力とは必ずしも一致せず、その結果、一次覆工と内挿管との間の全体にわたって裏込め材を充填できないおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、内挿管の周面に、周面を貫通する注入口を設けて、内挿管の内部から注入口を通して裏込め材を充填する方法も実施されている。この場合には、内挿管の周面に設けられた注入口に、裏込め材が供給される裏込め材注入用ホースの端部を固定するための注入体が取り付けられる。そして、注入体に取り付けられた裏込め材注入用ホースから、一次覆工と内挿管との間に充填される裏込め材の圧力が直接管理される。これにより、一次覆工と内挿管との間の全体にわたって裏込め材が確実に充填される。
【0005】
内挿管に設けられた注入口に取り付けられる注入体は、通常、鉄によって筒状に構成されている。このような注入体は、内挿管の注入口内に挿入されて、注入体の周囲に、ハンドレイアップ法によってガラス繊維強化樹脂層を積層することにより、内挿管に対して一体的に取り付けられるようになっている。
このように、鉄製の注入体では、内挿管に取り付ける作業が容易ではないという問題がある。しかも、鉄製の注入体とガラス繊維強化樹脂層との接着性にも問題がある。このために、裏込め材のヒビ割れ部分からの浸水、内挿管内からのSO2
ガスの発生等によって鉄製の注入体が腐食すると、注入体とガラス繊維強化樹脂層との界面にて剥離が進行するおそれがある。注入体とガラス繊維強化樹脂層との界面での剥離が進行すると、地中の水が、その剥離部分を通って、内挿管内に漏水するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、内挿管の注入口に対して容易に取り付けることができ、しかも、内挿管と一次覆工との間に裏込め材を充填した後に、容易に止水することができる二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法は、 二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入 用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、注入体の本体に設けられたフランジ部に、内挿管の周面側に向かって縮径し、かつ貫通する小孔を穿孔し、内挿管の周面及び注入体のフランジ部に接着剤を塗布し、このフランジ部と前記内挿管周面とを互いに圧接したのち、接着剤を硬化させることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法は、二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、裏込め材注入体が、前記注入口に嵌合される円柱状をした嵌入部と、この嵌入部の一方の端部にその注入口の周囲の内挿管の周面に突き当てられるように設けられたフランジ部とが合成樹脂により一体形成され、しかも軸心部に貫通孔設けられその貫通孔の内周面にネジ溝が設けられた注入体本体と、この注入体本体の嵌入部内にネジ結合されるキャツプ本体とを具備し、前記フランジ部に、内挿管の周面側に向かって縮径し、かつ貫通する小孔を穿孔し、内挿管の周面及び注入体のフランジ部に接着剤を塗布し、このフランジ部と前記内挿管周面とを互いに圧接したのち、接着剤を硬化させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法は、二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、一端部外周面が一端側になるにつれけて縮径されたテーパー面状とされ、このテーパー面にネジ溝が形成された嵌入部の他端に円筒状の連結部が設けられ、嵌入部における連結部側の端部にフランジ部が設けられ、軸心部に貫通孔が設けられた注入体本体と、一端部内周面が前記ネジ溝形成テーパー面にネジ結合されるネジ溝形成テーパー面とされ、同上一端部の外周面が一端側になるにつれて順次外径が小さくなるテーパー状にされた抜け止め体を備えた注入体の抜け止め体を一端部の外周面に抜け止めリングを嵌合した状態で内挿管の注入口を通って内挿管の外周側に配置し、前記注入体本体の嵌入部を内挿管の注入口に注入口内周面との間にOリングを嵌合して挿入し、前記抜け止め体の一端部内周面のネジ溝を前記嵌入部の一端外周面のネジ溝にネジ結合し、このネジ結合により抜け止め体の一端部及び抜け止めリングを拡径し、この拡径した抜け止めリングを内挿管の注入口の周囲に係止させると共に注入体本体のフランジ部を内挿管における注入口の周囲の内周面に圧接させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法は、二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、一端部外周にネジ溝が形成された嵌入部の他端に円筒状の連結部が設けられ、嵌入部における連結部側の端部にフランジ部が設けられ、軸心部に貫通孔が設けられた注入体本体と、注入体本体の一端部外周面にネジ結合される抜け止め体とからなり、抜け止め体の周面を貫通して複数の係合体を放射方向にスライド可能に設けた注入体の抜け止め体側を注入体本体の嵌入部外周にOリングを嵌合した状態で内挿管の注入口に挿入し、注入体本体と抜け止め体とをネジ結合し、このネジ結合と共に係合体を抜け止め体の外周側にスライドさせて係合体を内挿管の注入口の周囲に係止させると共に注入体本体のフランジ部を内挿管における注入口の周囲の内周面に突き当てることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1(a)は、本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は、内挿管に取り付けた状態での(a)のA−A線における断面図、(c)は、その動作説明のための(a)のB−B線における断面図である。この注入体10は、図1(b)に示すように、下水道等のトンネルをシールド工法等によって一次覆工した後に、FRPM等の内挿管20によって二次覆工する際に、内挿管20と一次覆工との間に裏込め材を充填するために、内挿管20に設けられた注入口21に取り付けられる。
【0013】
注入体10は、内挿管20の注入口21内に、内挿管20の外周側から取り付けられる注入体本体11と、注入体本体11に対して着脱可能になったキャップ体12とを有している。注入体本体11は、内挿管20の注入口21に挿入される円柱状の嵌入部11aと、この嵌入部11aの一方の端部に、この嵌入部11aの周囲に広がるように設けられたフランジ部11bとを有している。
【0014】
注入体本体11の嵌入部11aおよびフランジ部11bは、合成樹脂によって一体的に成形されている。フランジ部11bは、嵌入部11aとは同心状態で、嵌入部11aが設けられた端部とは反対側に先細り状になった四角錐台状に構成されている。フランジ部11bは、内挿管20に設けられた注入口21に嵌入部11aが挿入された際に、注入口21の周囲の外周面に圧接されるように、円弧状に湾曲している。
【0015】
嵌入部11aおよびフランジ部11bの軸心部には、貫通孔11cが設けられている。この貫通孔11cは、嵌入部11a側の端面の内径が、フランジ部11b側の端面の内径よりも大きくなった円錐台形状に構成されており、その内周面には、全周にわたってネジ溝11dが設けられている。ネジ溝11dが形成される嵌入部11aの内周面は、ガラス長繊維によって補強されている。
【0016】
注入体本体11は、耐蝕性の高いガラス繊維強化樹脂(FRP)、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等によって構成されるが、特に、機械的強度に優れ、また、内挿管20としてFRPMが使用される際にはFRPMとの接着性に優れたポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、あるいはFRPが好ましい。
【0017】
嵌入部11aのネジ溝11dをガラス長繊維によって補強する場合には、注入体本体11の射出成形に際して、金型のコア部にガラス長繊維を巻き付けて、樹脂を射出成形すればよい。
【0018】
キャップ体12は、注入体本体11に設けられた貫通孔11cと同様の円錐台形状をしており、その外周面には、貫通孔11cの内周面に設けられたネジ溝11dとネジ結合されるネジ溝12aが全周にわたって設けられている。
【0019】
このような構成の二次覆工用裏込め材の注入体10は、シールド工法等によってトンネルの内周面が一次覆工された後に、FRPM等の内挿管20を一次覆工内に挿入した後に、一次覆工と内挿管との間に裏込め材を充填する際に、内挿管20に取り付けられる。内挿管20に注入体10を取り付けるに際して、内挿管20の周面には、注入口21が軸方向に適当な間隔をあけて設けられる。そして、内挿管20に設けられた各注入口21に、本発明の注入体10がそれぞれ取り付けられる。
【0020】
各注入体10は、キャップ体12を注入体本体11から取り外した状態で、内挿管20の外周側から、注入体本体11の嵌入部11aが注入口21内に挿入されて、フランジ部11bが内挿管20の外周面に突き当てられることによって、内挿管20に取り付けられる。そして、フランジ部11bが、内挿管20における注入口21の周囲の外周面に、接着剤によって水密状態に接着される。
【0021】
このような状態で、注入体本体11の貫通孔11c内に裏込め材注入用のホースの端部が挿入されて、貫通孔11cの内周面に設けられたネジ溝11dにネジ結合されることにより固定される。裏込め材注入用ホースは、内挿管20内を挿通されて、他方の端部から、その内部に裏込め材が供給される。裏込め材注入用ホース内に供給された裏込め材は、注入体本体11の貫通孔11cに取り付けられた裏込め材注入用ホースの端部から、内挿管20と一次覆工との間に注入され
る。
【0022】
このとき、注入体本体11に取り付けられた裏込め材注入用ホースの端部近傍に圧力計が取り付けられて、内挿管20と一次覆工との間に注入される裏込め材の充填圧力が管理される。
【0023】
内挿管20と一次覆工との間に裏込め材が充填されると、裏込め材充填ホースが注入体本体11から取り外されて、キャップ体12が、注入体本体11の貫通孔11c内に挿入され、キャップ体12の外周面に設けられたネジ溝12aと注入体本体11の貫通孔11c内周面に設けられたネジ溝11dとがネジ結合される。これにより、注入体本体11の貫通孔11cが止水される。
【0024】
この場合、注入体本体11の貫通孔11cに設けられたネジ溝11dは、ガラス長繊維によって補強された状態になっているために、裏込め材注入用ホースの端部を着脱させる際に破損するおそれがない。
【0025】
また、図2に示すように注入体本体11の貫通孔11cに設けられたネジ溝部14は、金属インサートで形成されていても、裏込め材注入用ホースの端部を着脱させる際に破損するおそれがない。なお、ネジ溝部14とフランジ部11bの接触面は、図2に示したように、凹凸をつけておくと、止水がより確実になる。
【0026】
また、注入体本体11の貫通孔11cを、より確実に止水するために、キャップ体12のネジ溝12aと、注入体本体11の貫通孔11cに設けられたネジ溝11d(又はネジ溝部14)との間に、シール性を有する接着剤が介在される。
【0027】
なお、キャップ体12のネジ溝12aと、注入体本体11の貫通孔11cに設けられたネジ溝11d(又はネジ溝部14)との間を止水性を確実にするために、シール性を有する接着剤に替えて、図3に示すように、Oリング13を使用するようにしてもよい。
この場合には、注入体本体11の嵌入部11aにおける貫通孔11cの端部に、Oリング13が嵌入される溝部11eが設けられるとともに、キャップ体12の端部にフランジ部12bが設けられて、溝部11e内のOリング13が、キャップ体12のフランジ部12bによって押圧される。
【0028】
図4は、本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。この注入体30は、内挿管20に設けられた注入口21内に、内挿管20の内部から取り付けられる注入体本体31と、注入体本体31に対して着脱可能になったキャップ体32とを有している。注入体本体31は、内挿管20の注入口21内に挿入される円筒状の嵌入部31aと、嵌入部31aの一方の端部に設けられたフランジ部31bとを有している。フランジ部31bは、内挿管20における注入口21の周囲の内周面に圧接されるように、嵌入部31aの周囲に同心状態で正方形状に広がっている。フランジ部31bは、内挿管20の内周面に圧接された際に、内挿管20の内周面からの突出量が小さくなるように、比較的薄く形成されている。
【0029】
注入体本体31の軸心部には、貫通孔31cが設けられている。貫通孔31cは、フランジ部31bが設けられた端面における内径が、他方の端面における内径よりも大きくなった円錐台形状になっており、その内周面にはネジ溝31dが全周にわたって設けられている。
【0030】
注入体本体31の嵌入部31a内には、外周面の全面にネジ溝32aが設けられたキャップ体32が嵌入されてネジ結合されるようになっている。
【0031】
このような構成の注入体30は、キャップ体32を注入体本体31から取り外した状態で、内挿管20の内周側から、内挿管20の注入口21内に、注入体本体31の嵌入部31aが挿入されて、フランジ部31bが内挿管20の内周面に突き当てられる。そして、フランジ部31bが、内挿管20における注入口21の周囲の内周面に、接着剤によって水密状態に接着される。
【0032】
その後、注入体本体31の貫通孔31c内に裏込め材注入用ホースの端部が挿入されて、ネジ結合されることにより固定され、内挿管20と一次覆工との間に裏込め材が充填される。内挿管20と一次覆工との間に裏込め材が充填されると、裏込め材注入用ホースの端部が注入体本体31から取り外されて、キャップ体32が、注入体本体31の貫通孔31c内に挿入される。そして、キャップ体32の外周面に設けられたネジ溝32aと注入体本体31の貫通孔31c内周面に設けられたネジ溝31dとがネジ結合されることにより、注入体本体31の貫通孔31cが水密状態に止水される。
【0033】
なお、このような構成の注入体30を使用する場合には、一次覆工と内挿管20との間に裏込め材注入用ホースを配置した後に、内挿管20に設けられた注入口21内に注入体本体31を取り付けて、注入体本体31に設けられた貫通孔31c内に裏込め材注入用ホースを固定するようにしてもよい。
【0034】
図5は、本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態の他の例を示す断面図である。この注入体40は、内挿管20の注入口21に取り付けられる注入体本体41と、この注入体本体41に連結される抜け止め体43とを有している。
注入体本体41は、内挿管20の内周側から注入口21内に挿入される嵌入部41aと、嵌入部41aに対して内挿管20の内部に進出するように取り付けられた円筒状の連結部41fとを有している。嵌入部41aおよび連結部41fの軸心部には貫通孔41cが挿通している。貫通孔41cは、連結部41fにおける内径が、嵌入部41aにおける内径よりも大きくなっている。嵌入部41aにおける連結部41f側の端部には、内挿管20における注入口21の周囲の内周面に圧接されるフランジ部41bが設けられている。
【0035】
内挿管20の注入口21に挿入される嵌入部41aには、内挿管20の注入口21内周面との間を水密状態にシールするOリング44が嵌合されている。
【0036】
注入体本体41における嵌入部41aの先端部外周面は、先端側になるにつれて縮径したテーパー状になっており、その外周面に、ネジ溝41dが形成されている。また、注入体本体41における連結部41fの内周面には、裏込め材注入用ホースの端部が取り付けられるネジ溝41eが設けられている。
【0037】
注入体本体41の嵌入部41aにおける先端部外周面のネジ溝41dには、円筒状の抜け止め体43が嵌合されている。抜け止め体43は、注入体本体41側の端部内周面が、注入体本体41側になるにつれて順次内径が小さくなったテーパー状になっており、そのテーパー面にネジ溝43aが設けられている。そして、このネジ溝43aが、注入体本体41における嵌入部41a先端部外周面に設けられたネジ溝41dにネジ結合されている。
【0038】
抜け止め体43における内周面にネジ溝43aが設けられた端部外周面も、注入体本体41側になるにつれて順次外径が小さくなったテーパー状になっており、その外周面に、抜け止めリング45が嵌合されている。
【0039】
抜け止め体43は、抜け止めリング44が嵌合された状態で、内挿管20の注入口21を通って内挿管20の外周側に配置され、抜け止め体43の端部内周面に設けられたネジ溝43aが、注入体本体41の嵌入部41aにおける先端部外周面に設けられたネジ溝41dにネジ結合されるようになっている。この場合、抜け止め体43は、適当な周り止め具46によって周り止めされた状態で、注入体本体41の嵌入部41aがネジ結合される。
【0040】
注入体本体41の嵌入部41aがネジ結合される抜け止め体43の端部は、注入体本体41の嵌入部41aに設けられたネジ溝41dがテーパー状になっているために、ネジ溝41dがネジ結合されることによって、順次、拡径される。これにより、抜け止めリング44も拡径され、抜け止めリング44が、内挿管20における注入口21の周囲に係合した状態になる。
【0041】
このような状態で、注入体本体41の連結部41fに、裏込め材注入用ホースの端部がネジ結合されて、注入体本体41および抜け止め体43の内部を通って、内挿管20と一次覆工との間に裏込め材が充填される。
【0042】
内挿管20と一次覆工との間に裏込め材が充填されると、裏込め材注入用ホースの端部が、注入体本体41の連結部41fから取り外される。そして、連結部41fの内周面に設けられたネジ溝41eにキャップ体42がネジ結合される。
これにより、注入体本体41の貫通孔41cは止水状態とされ、このような状態で、内挿管20と一次覆工との間に設けられた裏込め材が硬化される。
【0043】
このようにして、内挿管20と一次覆工との間の裏込め材が硬化されると、注入体本体41における嵌入部41a先端部外周面のネジ溝41dと、抜け止め具43の端部内周面に設けられたネジ溝43aとのネジ結合が解除され、注入体本体41が、抜け止め体43から取り外される。この場合、注入体本体41の嵌入部41aに嵌合されたOリング43も一体的に取り外される。これにより、内挿管20の内周面は、凹凸のない平滑な状態とさる。
【0044】
図6は、本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態の他の例を示す断面図である。この注入体50は、図5に示す注入体40の注入体本体41と同様の構成の注入体本体51を有しており、注入体本体51の嵌入部51aにOリング54が嵌合されている。そして、注入体本体51の連結部51f内周面のネジ溝51eにキャップ体52のネジ溝52aがネジ結合されるようになっている。
注入体本体51の連結部51fに設けられたフランジ部51bは、内挿管20の内周面に突き当てられる。
【0045】
本実施の形態では、注入体本体51の嵌入部51a外周面に設けられたネジ溝51dにネジ結合される抜け止め体53に、複数の係合体53bが、抜け止め体53の周面を貫通して放射方向にスライド可能になった状態で、周方向に適当な間隔をあけて設けられている。各係合体53bは、抜け止め体53の内周面に設けられたネジ溝53aが、注入体本体51の嵌入部51a外周面に設けられたネジ溝51dにネジ結合されると、それぞれが、抜け止め体53の外周側にスライドされる。これにより、各係合体53bは、内挿管20の外周面に係合された状態になる。その他の構成は、図5に示す注入体40と同様になっている。
【0046】
図7は本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の他の一例を示し、その固定方法を説明する平面図、図8はそのC−C断面図である。
本実施の形態では、二次覆工用裏込め材の注入体60に注入体本体61に設けられたフランジ部61bに、内挿管20に形成された注入口側に向かって縮径し、且つ貫通する小孔65を穿孔する。小孔65は、注入体60のフランジ部61b全体に穿孔され、位置に偏りがないようにあけられている。
【0047】
次に、内挿管20の及び注入体60の接着面に接着剤を塗布し、内挿管20と注入体60とを互いに圧着する。小孔65はフランジ部61bを内挿管20に圧着する際に接着剤が喰み出してくる程度の大きさにしておくとよい。このようにすることで、図9に示すように、接着剤66は小孔65内に喰み出し、接着剤66が硬化するまで内挿管20と注入体60を保持する。接着剤66が硬化すると、内挿管20と注入体60とが互いに固定される。
このようにすることにより、小孔65内に喰み出した接着剤66により、アンカー効果が生じ、注入体60の固定が確実に行える。
【0048】
接着剤66は、内挿管20と注入体60に対して接着性がよいもので、且つ小孔65への充填性の高いものを適宜選定すればよく、例えば内挿管20としてFRPMが使用される際にはFRPMとの接着性に優れた構造用エポキシ樹脂が好ましい。
【0049】
図10は本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法の他の一例を示す断面図である。この実施の形態においては、接着剤66が小孔65内に喰み出すまでは、図7〜9に示した固定方法と同様であるが、接着剤66が硬化する前に小孔65内にビス67を差し込み、内挿管20と注入体60を固定する。この例において、ビス67の材質は、接着剤66との接着性に優れたものが好ましく、例えば、内挿管20としてFRPMが使用され、接着剤66に構造用エポキシ樹脂が使用される場合においては、ビス67はFRP製であることが好ましい。
このようにすることにより、さらに内挿管20と注入体60とを強固に固定することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法では、このように、合成樹脂製の注入体本体が、内挿管に設けられた注入口に容易に取り付けられるようになっており、しかも、確実に止水状態とすることができる。
【0051】
請求項1−2に係る二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法では、二次覆工用裏込め材の注入体のフランジ部に、内挿管に形成された注入口側に向かって縮径し、且つ貫通する小孔を穿孔し、内挿管及び該注入体に接着剤を塗布し、内挿管及び注入体を互いに圧着した後、接着剤を硬化するものであるから、接着剤のアンカー効果により注入体60の固定が確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図、(c)は、(a)のB−B線における断面図である。
【図2】 本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図3】 本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。
【図4】 本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。
【図5】 本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。
【図6】 本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】 図6は本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の他の一例を示し、その固定方法を説明する平面図である。
【図8】 図6のC−C断面図である。
【図9】 内挿管と注入体とが固定されている状態を示す図6のB−B断面図である。
【図10】 本発明における二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法の他の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 注入体
11 注入体本体
11a 嵌入部
11b フランジ部
11c 貫通孔
11d ネジ溝
11e 溝部
12 キャップ体
12a ネジ溝
13 Oリング
14 ネジ溝部(金属インサート)
20 内挿管
21 注入口
30 注入体
31 注入体本体
31a 嵌入部
31b フランジ部
31c 貫通孔
31d ネジ溝
31e 溝部
32 キャップ体
32a ネジ溝
40 注入体
41 注入体本体
41a 嵌入部
41b フランジ部
41c 貫通孔
41d ネジ溝
41e ネジ溝
41f 連結部
42 キャップ体
42a ネジ溝
43 抜け止め体
44 Oリング
50 注入体
51 注入体本体
51a 嵌入部
51b フランジ部
51c 貫通孔
51d ネジ溝
51e 溝部
51f 連結部
52 キャップ体
52a ネジ溝
60 注入体
61 注入体本体
61b フランジ部
61c 貫通孔
65 小孔
66 接着剤
67 ビス
Claims (4)
- 二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、注入体の本体に設けられたフランジ部に、内挿管の周面側に向かって縮径し、かつ貫通する小孔を穿孔し、内挿管の周面及び注入体のフランジ部に接着剤を塗布し、このフランジ部と前記内挿管周面とを互いに圧接したのち、接着剤を硬化させることを特徴とする二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法。
- 二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、裏込め材注入体が、前記注入口に嵌合される円柱状をした嵌入部と、この嵌入部の一方の端部にその注入口の周囲の内挿管の周面に突き当てられるように設けられたフランジ部とが合成樹脂により一体形成され、しかも軸心部に貫通孔設けられその貫通孔の内周面にネジ溝が設けられた注入体本体と、この注入体本体の嵌入部内にネジ結合されるキャツプ本体とを具備し、前記フランジ部に、内挿管の周面側に向かって縮径し、かつ貫通する小孔を穿孔し、内挿管の周面及び注入体のフランジ部に接着剤を塗布し、このフランジ部と前記内挿管周面とを互いに圧接したのち、接着剤を硬化させることを特徴とする二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法。
- 二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、一端部外周面が一端側になるにつれけて縮径されたテーパー面状とされ、このテーパー面にネジ溝が形成された嵌入部の他端に円筒状の連結部が設けられ、嵌入部における連結部側の端部にフランジ部が設けられ、軸心部に貫通孔が設けられた注入体本体と、一端部内周面が前記ネジ溝形成テーパー面にネジ結合されるネジ溝形成テーパー面とされ、同上一端部の外周面が一端側になるにつれて順次外径が小さくなるテーパー状にされた抜け止め体を備えた注入体の抜け止め体を一端部の外周面に抜け止めリングを嵌合した状態で内挿管の注入口を通って内挿管の外周側に配置し、前記注入体本体の嵌入部を内挿管の注入口に注入口内周面との間にOリングを嵌合して挿入し、前記抜け止め体の一端部内周面のネジ溝を前記嵌入部の一端外周面のネジ溝にネジ結合し、このネジ結合により抜け止め体の一端部及び抜け止めリングを拡径し、この拡径した抜け止めリングを内挿管の注入口の周囲に係止させると共に注入体本体のフランジ部を内挿管における注入口の周囲の内周面に圧接させることを特徴とする二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法。
- 二次覆工内に挿通された内挿管の周面に形成された注入口に裏込め材注入体を取付け、この注入体に裏込み材注入用ホースの端部を固定して内挿管と二次覆工との間に裏込め材を充填する際の裏込み材注入体の固定方法であり、一端部外周にネジ溝が形成された嵌入部の他端に円筒状の連結部が設けられ、嵌入部における連結部側の端部にフランジ部が設けられ、軸心部に貫通孔が設けられた注入体本体と、注入体本体の一端部外周面にネジ結合される抜け止め体とからなり、抜け止め体の周面を貫通して複数の係合体を放射方向にスライド可能に設けた注入体の抜け止め体側を注入体本体の嵌入部外周にOリングを嵌合した状態で内挿管の注入口に挿入し、注入体本体と抜け止め体とをネジ結合し、このネジ結合と共に係合体を抜け止め体の外周側にスライドさせて係合体を内挿管の注入口の周囲に係止させると共に注入体本体のフランジ部を内挿管における注入口の周囲の内周面に突き当てることを特徴とする二次覆工用裏込み材の注入体の固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30026397A JP3851427B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-10-31 | 二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法 |
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JP12852497 | 1997-05-19 | ||
JP9-128524 | 1997-05-19 | ||
JP9-6732 | 1997-05-19 | ||
JP30026397A JP3851427B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-10-31 | 二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法 |
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JPH1136790A JPH1136790A (ja) | 1999-02-09 |
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ID=27277316
Family Applications (1)
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JP30026397A Expired - Lifetime JP3851427B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-10-31 | 二次覆工用裏込め材の注入体の固定方法 |
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JP (1) | JP3851427B2 (ja) |
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KR100399404B1 (ko) * | 2000-04-06 | 2003-09-26 | 주식회사 산하이앤씨 | 터널 배면 공동 그라우팅 주입방법 및 그 장치 |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP30026397A patent/JP3851427B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH1136790A (ja) | 1999-02-09 |
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