JP3850806B2 - 弱活性又は不活性のアルカリホスファターゼ突然変異体の作製、及び酵母におけるその発現 - Google Patents

弱活性又は不活性のアルカリホスファターゼ突然変異体の作製、及び酵母におけるその発現 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、弱活性又は不活性の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体を組換え手法により産生及び発現する方法に関する。さらに本発明は、高活性アルカリホスファターゼをコードし、かつ弱活性しか示さないか又は不活性であるアルカリホスファターゼをコードするように部位特異的突然変異誘発により改変された核酸配列に基づいて作製されたコドン最適化DNAに関する。本発明はまた、酵母細胞における発現のために変異型DNAをベクターに挿入する方法、及び酵母におけるアルカリホスファターゼ突然変異体の発現方法に関する。
【0002】
アルカリホスファターゼ(AP)は、原核生物(例えば大腸菌など)及び真核生物(例えば哺乳動物など)に存在する、二量体の亜鉛含有非特異的ホスホモノエステラーゼである(McCombら、1979 Alkaline phosphatases Plenum Press, New York)。種々のアルカリホスファターゼの一次構造を比較することにより、それらの相同性が高いことが示されている(大腸菌APと哺乳動物APとの相同性は25〜30%である。Millan, 1988 Anticancer Res. 8, 995-1004;Harris, 1989 Clin. Chim. Acta 186, 133-150)。
【0003】
ヒト及び高等動物において、APファミリーは4つのメンバーから構成され、それらは異なる遺伝子座にコードされている(Millan, 1988 Anticancer Res. 8, 995-1004;Harris 1989 Clin. Chim. Acta 186, 133-150)。アルカリホスファターゼファミリーには、組織特異的AP(胎盤AP(PLAP)、生殖細胞AP(GCAP)及び小腸AP(IAP))と、主に肝臓、腎臓及び骨に存在する非組織特異的AP(TnAP)がある。
【0004】
既知のAPの重要な特性として、哺乳動物APはその触媒活性が大きく異なり、大腸菌APと比較してKcat値が10〜100倍高いことがある。哺乳動物APの中でも、ウシ小腸由来のAP(bIAP)は最も高い比活性を示す。bIAPは、この特性のため、生化学的用途、例えば対応する酵素複合体の診断用試薬としての用途、又はDNAの脱リン酸化において非常に有用である。ウシ小腸由来のアルカリホスファターゼには異なる比活性レベルを有する種々のものが存在することが記載されている(EP 0955 369;及びManesら(1998), J. Biol. Chem. 273 No. 36, 23353-23360)。現在までに、種々の真核細胞系、例えばCHO細胞(bIAP I:WO 93/18139;Weissigら、1993, Biochem. J. 260, 503-508)及びCOS細胞(ヒト胎盤AP:Bergerら、1987 Biochemistry 84, 4885-4889)、又はバキュロウイルス発現系(ヒト胎盤AP:Davisら、1992, Biotechnology 10, 1148-1150)において、低活性(最大3000U/mg)の真核生物アルカリホスファターゼの組換え発現が記載されている。高活性(比活性>3000U/mg)を示すウシ小腸由来APのCHO細胞における発現もまた記載されている(bIAP II、III及びIV:Manesら、1998, J. Biol. Chem. 273 No. 36, 23353-23360)。しかしながら、上記発現系におけるアルカリホスファターゼの発現には、発現率が低いという欠点があり、このため真核生物アルカリホスファターゼの組換え手法による製造は非経済的となっている。
【0005】
真核生物アルカリホスファターゼを原核生物発現宿主、例えば大腸菌において発現させることは原理的には可能である(ヒト胎盤AP:Beck及びBurtscher, 1994 Protein Expression and Purification 5, 192-197)。しかし、原核生物で発現されたアルカリホスファターゼは、複合体化させる方法に応じて異なる酵素複合体の調製に特に必要とされるグリコシル化をうけていない。
【0006】
アルカリホスファターゼは、抗体との複合体の形態で酵素複合体として使用されることが多い。この場合、アルカリホスファターゼは、特定の抗原に対する抗体と複合体化される。この抗原は、最初に第1反応において容器の壁に固定化された抗体と結合し、該抗体は、標的抗原上の、抗体−AP複合体が認識するエピトープとは異なるエピトープを認識する。続いてこの抗体−抗原複合体は、第2反応において抗体−AP複合体の結合により検出される。このような試験では擬陽性結果が頻繁に生じるが、これは抗体−AP複合体が容器の壁又は一次抗体に非特異的に結合することにより生じる。このような干渉作用は、干渉作用抑制タンパク質として不活性又は弱活性のAP変異体を含む複合体を過剰に添加することにより防止することができる。しかし、干渉作用抑制タンパク質として特に特異的に作用させるためには、AP変異体は、低活性又は不活性であると同時に、同じ三次及び四次構造を本質的に有している必要がある。
【0007】
従って、本発明は、部位特異的突然変異誘発を利用して、干渉作用抑制タンパク質として、非常に弱活性である又は完全に不活性であるが、そのアミノ酸配列はわずかに改変されるのみで三次及び四次構造はできる限り変化しないアルカリホスファターゼの突然変異体を作製することを目的とする。また本発明は、発現率が高いために対応するアルカリホスファターゼ突然変異体を経済的に製造することが可能な、グリコシル化真核生物アルカリホスファターゼ突然変異体を製造するための強力かつ安定な発現方法を開発することをも目的とする。
【0008】
本発明は、真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体であって、以下の:・突然変異が導入される配列が配列番号2に対し少なくとも77%の相同性を有すること、
・該突然変異体が野生型と比較して100分の1以下に低減した活性を有すること、及び
・該突然変異体が以下に示す突然変異(これらの突然変異の位置は配列番号2における位置に対応して定められている)の1つ以上を有すること:
Asp42のAsn、Val、Ala又はSerへの置換;
Ser92のAla、Gly、Val又はLeuへの置換;
Ser155のAla、Gly、Val又はLeuへの置換;
Glu311のGln、Asn、Leu、Ile又はMetへの置換;
Asp316のAsn、Val、Ala又はSerへの置換;
His320のAsn、Phe、Asp又はTyrへの置換;
Gly322の、Aspより大きい任意のアミノ酸(例えばPhe、Trp、Arg、Lys、Glu、Gln、His、Tyr又はIle)への置換;
Asp357のAsn、Val、Ala又はSerへの置換;
His358のAsn、Phe、Asp又はTyrへの置換;
His432のAsn、Phe、Asp又はTyrへの置換、
を特徴とする、前記突然変異体に関する。
【0009】
アミノ酸配列の突然変異は、所望の位置にある天然アミノ酸が他の任意のアミノ酸に交換されることであって、その交換は正確な三次及び四次構造への折りたたみを妨害しないが機能的ではないものとして理解される。
【0010】
突然変異が導入される配列(野生型配列)は、例えばヒトの小腸AP又はヒトの胎盤APとすることができる。さらに、低活性又は高活性のウシ小腸由来のAPもまた本発明における野生型APとして包含される。これらの酵素は全て配列番号2に対して少なくとも77%の相同性を有する。相同性は、ソフトウエア「Open VMS Vax Version V6.2」(著作権 (c) 1982-2001, Genetics Computer Group, Inc.(Oxford Molecular Group, Inc.の完全子会社)著作権所有、このソフトウエアを利用した研究を公表する場合は次を引用する必要がある:Wisconsin Package Version 10.2, Genetics Computer Group (GCG), Madison, Wisc.)により決定した。
【0011】
突然変異が導入されるアミノ酸の位置は、配列番号2の天然アルカリホスファターゼのアミノ酸配列(シグナル配列なし)を基準として記載している。しかし、記載するアミノ酸の位置は、他のウシアルカリホスファターゼ又は他の生物由来のアルカリホスファターゼにも置き換え可能である。この変更は、タンパク質内の高度に保存された機能を有するアミノ酸に影響を及ぼし、それゆえそれぞれのアミノ酸配列に従ってその位置を合わせることが必要となる。
【0012】
DNA配列の特異的突然変異誘発とは、PCR突然変異誘発法により1つ以上のコドンを変化させることを意味する。この方法においては、配列番号3に示されるコドン最適化遺伝子の塩基トリプレットにおいて必要最小限のコドンのみを変化させ、最も好ましい場合には一塩基のみを変化させる。
【0013】
請求項1に記載する本発明の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体は、以下に示す突然変異(これらの突然変異の位置は配列番号2における位置に対応して定められている)の1つ以上を有することが好ましい:
Asp42のVal又はAsnへの置換;
Ser92のAla又はGlyへの置換;
Ser155のAla又はGlyへの置換;
Glu311のGln又はLeuへの置換;
Asp316のVal又はAsnへの置換;
His320のAsn又はPheへの置換;
Gly322のPhe又はLysへの置換;
Asp357のVal又はAsnへの置換;
His358のAsn又はPheへの置換;
His432のAsn又はPheへの置換。
【0014】
上述した本発明の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体に関して、野生型配列を有する酵素は7000U/mgを超える比活性を有することが好ましい。さらに、DNA配列は、7000U/mgを超える比活性を有する真核生物アルカリホスファターゼ突然変異体をコードし、かつ真核生物アルカリホスファターゼ突然変異体のアミノ酸配列のうち1若しくは数個の位置で改変されたアミノ酸配列をコードするDNA配列が得られるように数個の位置で特異的に突然変異が導入された遺伝子に基づく遺伝子配列であることが好ましい。ここで上記突然変異は比活性の実質的〜完全な低減をもたらすものである。
【0015】
本発明の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体において、該突然変異体は、野生型酵素と比較して1000分の1以下に低減されたAP活性を有することが特に好ましい。さらに、本発明の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体において、該突然変異体は対応する野生型酵素と比較して1000分の1以下に低減された活性を有することが好ましい。本発明の上記突然変異体においては、比活性の低減が検出限界より低いことが特に好ましい(実施例4に記載の活性試験により測定した場合)。
【0016】
本発明において好適なものとして以下のアミノ酸位置が明らかにされた:Asp316/His320/His432(亜鉛原子1の結合パートナー)、Asp42/Asp357/His358(亜鉛原子2の結合パートナー)、Ser155/Glu311(マグネシウム原子の結合パートナー)、Ser92(ヒドロキシル基は基質上での求核攻撃のために脱プロトン化される)(Ma及びKantrowitz (1994), J. Biol. Chem. 16 pp. 31614-31619;Maら(1995), Protein Science, 4,pp, 1498-1506;Kimura及び Kikuta (2000) JBIC, 5, pp. 139-155;Stecら(2000), JMB 299 pp. 1303-1311)、並びにGly322(比活性に関して重要である;EP 0 955 369)。本発明によると、上記の位置は、単一突然変異として考慮されてもよいし、又は二重、三重又は多重突然変異として上記位置の可能な組合せ全てを考慮してもよい。特に配列番号4〜7に示される変異型アミノ酸配列が好ましく、配列番号4は92位に単一突然変異(Ser92Ala)を有し、配列番号5は322位に単一突然変異(Gly322Phe)を有し、配列番号6は320位及び322位に二重突然変異(His320Asn/Gly322Phe)を有し、配列番号7は92位、320位及び322位に三重突然変異(Ser92Ala/His320Asn/Gly322Phe)を有する。それぞれのDNA配列は配列番号8〜11に示される。
【0017】
本発明はまた、本発明の上記突然変異体をコードするDNAに関する。更に本発明は、本発明の核酸配列を含むベクターに関する。特には配列番号4〜7より選択される核酸配列を含むベクターである。適当なベクターは当業者に公知であり、例えば、pPICZαA、B、C;pPICZ、pPICZ-E、pPICZα-E;pPIC6、pPIC6αA、B、C;pGAPZ、pGAPZαA、B、C;pPIC9;pPIC9K、pPIC3.5、pPIC3.5K、pAO815、pMET、pMETαA、B、C;pYES-Dest52、pYES2.1/V5-His-TOPO、pYC2-E、pYES2.1-E;Yesベクター系、pTEF1/Zeo、pTEF1/Bsd、pNMT-TOPO(例えばInvitrogen)などが挙げられる。対応する遺伝子配列は、例えば、市販されており(Invitrogen)、AOX1プロモーターの制御下にて本発明の配列番号8〜11に示される遺伝子配列を含むベクターpPICZαA又はpPIC9Kにクローニングされている。本発明に従って調製されるベクターの例を以下に記載する:ベクターpNaAP31-1(図1)及びpNaAP31-2(図2)。上記ベクターは、それぞれpPICZαA(pNaAP31-1)及びpPIC9K(pNaAP31-2)に配列番号8に示される遺伝子配列がクローニングされたものである。
【0018】
ベクターpNaAP31-1及びpNaAP31-2は、本発明に従って調製されるベクターとしての関連性は同等である。なぜなら、最終産物となるクローンはこの両方のベクターのコピーを含むことになるためである。
【0019】
本発明に従って得られる発現ベクターは、酵母の種々の菌株、例えばピヒア・パストリスに形質転換され、そのゲノム中に安定に組み込まれることが好ましい。酵母ゲノムへの安定な組込みは、特に、例えば弱活性又は不活性のアルカリホスファターゼ突然変異体を大容量の発酵槽で製造する場合に選択圧が必要ない点で有利である。ゲノムへの安定な組込みとは、発現ベクターが相同組換えにより例えばピヒア・パストリスのゲノム中に組み込まれ、そのためそれが酵母ゲノムの永続的な構成要素として世代を越えて遺伝することを意味する(Cregg, J.M.ら、Mol. Cell. Biol. 5 (1985), 3376-3385)。
【0020】
別の本発明の発明主題は、本発明のベクターの1つを用いて形質転換した酵母株である。酵母宿主としては、メタノール資化性酵母、例えば酵母であるピヒア・パストリス(Pichia pastoris)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ヤロウヴィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)が特に好適である。宿主菌株としてピヒア・パストリスを使用するすることが特に好ましい。また上記ベクターの1つを用いてピヒア・パストリスX-33株を形質転換することが特に好ましい。
【0021】
本発明はまた、酵母細胞において本発明の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体を作製する方法に関し、該方法は、以下のステップ:
a) 本発明の遺伝子配列を異なるベクターにクローニングするステップ;
b) 酵母を形質転換するステップ;
c) アルカリホスファターゼを発現させるステップ;及び
d) アルカリホスファターゼを精製するステップ
を含み、以下の(i)〜(vi):
(i)第1ベクターが、第1選択マーカーに対する耐性遺伝子を有すること;
(ii)該耐性遺伝子及び所望の遺伝子配列がゲノム中に組み込まれた形質転換体を、低濃度の第1選択マーカーを含む栄養培地での増殖により選択すること;
(iii)多重形質転換により該遺伝子のコピー数を増大させ、それにより多重形質転換体を、選択圧を強めた栄養培地での増殖により選択すること;
(iv)第2選択マーカーに対する耐性遺伝子を有する第2ベクターを添加すること;
(v)多重形質転換により該遺伝子のコピー数を増大させ、それにより多重形質転換体を、選択圧を強めた栄養培地での増殖により選択すること;並びに
(vi)該遺伝子配列及び選択マーカー耐性遺伝子についてそれぞれ数個のコピーがゲノム中に安定に組み込まれたクローンを選択すること;
を特徴とする。
【0022】
本発明の方法においてはメタノール資化性酵母細胞を使用することが好ましく、酵母細胞としてはピヒア・パストリスを使用することが特に好ましい。
【0023】
更に、本発明の方法においては、次のベクター:pPICZαA、B、C;pIZCZ、pPICZ-E、pPICZα-E;pPIC6、pPIC6αA、B、C;pGAPZ、pGAPZαA、B、C;pPIC9;pPIC9K、pPIC3.5、pPIC3.5K、及びpAO815(Invitrogen)より選択されるベクターに本質的に対応するベクターを使用することが好ましい。
【0024】
メタノール資化性酵母における変異型遺伝子配列のコピー数は多重形質転換により増大させることができ、それと同時に、適当な選択マーカー(例えばZeocin(登録商標)又はGeneticin(G418)などの抗生物質)を用いた選択圧の増大を行うと、その後、発現ベクターの数個のコピーがゲノム中に安定に組み込まれたクローンのみが生存可能となる。選択マーカーとして使用する高濃度の抗生物質に対する耐性を獲得するために、クローンはより多くの量の耐性タンパク質を産生する必要がある。これは、例えば、それぞれのAP突然変異体(例えばアルカリホスファターゼ突然変異体Ser92Ala)の発現カセットと共に、選択マーカーとして用いる抗生物質に対する耐性遺伝子を含有する、発現ベクターを、多数組み込むことにより達成することができる。
【0025】
高発現率を示す強力かつ安定な発現方法で、また同時に経済的な収量で、アルカリホスファターゼの突然変異体を製造するという目的は、以下に記載する方法により達成した。
【0026】
本発明に従って突然変異体を作製するために、特異的突然変異誘発を以下の通り行った。すなわち、ウシアルカリホスファターゼの突然変異体をコードし、かつ合成により調製された遺伝子に基づいて、互いに相補的な又は重複するオリゴヌクレオチドを、配列番号3と比較して1若しくは数個の塩基の位置にて変化しているように設計した。続いて、PCR反応においてこれらのプライマーのうちの1つを、後述する5'又は3'プライマーと対にして用いたところ、AP遺伝子が所望の塩基変化を含む2つの部分断片として増幅された。
【0027】
次に、アガロースゲル電気泳動を利用して2つの部分断片を解析し、ゲルからQIAquickゲル抽出キット(QIAGEN)を用いて予想された長さを有する産物を単離し、さらにPCR反応において合成することにより完全な遺伝子産物を生成した。PCR反応の最初の5サイクルは、全長遺伝子の5'末端及び3'末端にてプライマーを添加せずに行った。その結果、最初は2つの部分断片から、予想された長さの遺伝子産物の断片がほんのわずか形成されるにすぎなかった。アニーリング温度は重複領域の融解温度に応じたものとした。続いて、末端プライマーを添加し、融解温度が最も低いプライマーのアニーリング温度に従ってアニーリング温度を高めた。その後、さらに25サイクル行って予想された長さの遺伝子断片を増幅した。
【0028】
PCR混合物をアガロースゲル電気泳動により分析し、予想されたサイズの遺伝子断片を単離した(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)。
【0029】
対応するPCR断片のクローニング、ピヒア・パストリスにおける形質転換、及び対応するAP突然変異体の発現については実施例2に記載する。
【0030】
組換えアルカリホスファターゼ突然変異体は、基本的に当業者に公知の抽出法、例えば"Protein Purification",Springer Publishers, Robert Scopes編 (1982)に記載の方法により生物資源から単離することができる。純粋なバンド産物は、適当なクロマトグラフィー法、特に疎水性カラム材料及び陽イオン交換体を使用する方法などにより得ることができる。
【0031】
上述したように、本発明が初めて、AP活性が非常に低減している又はAP活性を全く示さないが、ウシ小腸由来の組換えアルカリホスファターゼ突然変異体の特性に相当する特性を有する、哺乳動物(例えばウシ小腸)由来の組換えアルカリホスファターゼ突然変異体の酵母における経済的な製造を可能にする方法を開示する。これらの突然変異体は、APを標識として使用する免疫学的試験手法(例えばMTP-ELISA)における干渉作用抑制タンパク質として特に有用である。
【0032】
実施例1:
ウシアルカリホスファターゼの突然変異体をコードする合成 DNA 配列の突然変異誘発
PCR反応を利用して所望の塩基トリプレットに突然変異誘発するために、対応する改変塩基配列を有し、かつ互いに相補的であるか又は部分的に重複して相補的であるオリゴヌクレオチドを設計した。続いて、これらのオリゴヌクレオチドを5'プライマー5'-hAP(配列番号12)又は3'プライマー3'-hAP(配列番号13)の対応するパートナーとして用いた。この5'プライマー及び3'プライマーは、それぞれウシアルカリホスファターゼの突然変異体をコードする遺伝子の5'末端及び3'末端にハイブリダイズするものである。このようにして、第1反応においては変異型遺伝子配列を2つの部分断片として増幅した。ここで第1部分断片は3'末端に突然変異を有し、第2部分断片は5'末端に突然変異を有し、第1部分断片の3'末端における短い塩基配列は第2部分断片の5'末端における短い塩基配列と同一である。
【0033】
続いて第2のPCR反応において上記2つの部分断片を融合させて全長産物を生成した。このために、最初は配列番号12及び13に示す5'-hAP及び3'-hAPプライマーを用いないでPCR反応を開始し、5サイクル行った。数個の全長産物の分子がこの過程で生成される。この5サイクルにおけるアニーリング温度は、2つの部分断片の重複領域の融解温度に応じたものである。続いて、配列番号12及び13に示す5'及び3'プライマーを添加し、アニーリング温度を融解温度がより低いプライマーの融解温度に合うように変更し、さらに25サイクル行って全長産物を増幅させる。
【0034】
単一突然変異体 Ser92Ala を生成する突然変異誘発
単一突然変異体Ser92Alaを生成するために、配列番号3の塩基トリプレットTTG(高活性ウシアルカリホスファターゼの最初のアミノ酸をコードする)を基準とした274-276位における塩基トリプレットTCTをGCTに変異させた。この目的のために、互いに部分的に相補的なプライマー5'-S92A(配列番号14)及び3'-S92A(配列番号15)を設計した。続いて、配列番号3に示す遺伝子配列を鋳型として用い、プライマー対5'-hAP及び3'-S92A、並びに5'-S92A及び3'-hAPを互いに別々に用いて最初のPCR反応を開始した。その結果、変異型遺伝子配列は最初に2つの部分断片として増幅された。これらの部分断片は、アガロースゲルで分析し、アガロースゲルから単離した(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)後、第2のPCR反応において用いた。この第2PCR反応においては、2つの部分断片が上述したように融合されて全長産物が生成した。このようにして生成された変異型遺伝子配列をPCRクローニングベクター(PCRクローニングキット−平滑末端、Roche Diagnostics)を用いてクローニングし、制限分析及び配列決定により解析した。
【0035】
単一突然変異体 Gly322Phe を生成する突然変異誘発
単一突然変異体Gly322Pheを生成するために、配列番号3の塩基トリプレットTTG(高活性ウシアルカリホスファターゼの最初のアミノ酸をコードする)を基準とした964-966位における塩基トリプレットGGTをTTTに変異させた。この目的のために、互いに部分的に相補的なプライマー5'-G322F(配列番号16)及び3'-G322F(配列番号17)を設計した。続いて、配列番号3に示す遺伝子配列を鋳型として使用し、プライマー対5'-hAP及び3'-G322F、並びに5'-G322F及び3'-hAPを互いに別々に使用して最初のPCR反応を開始した。その結果、変異型遺伝子配列は最初に2つの部分断片として増幅された。これらの部分断片をアガロースゲルで分析し、アガロースゲルから単離した(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)後、第2のPCRの反応で使用した。この第2PCR反応においては、上述したように2つの部分断片が融合されて全長産物が生成した。このように生成された変異型遺伝子配列をPCRクローニングベクター(PCRクローニングキット−平滑末端、Roche Diagnostics)を用いてクローニングし、制限分析及び配列決定により解析した。
【0036】
二重突然変異体 His320Asn/Gly322Phe を生成する突然変異誘発
二重突然変異体His320Asn/Gly322Pheを生成するために、配列番号3の最初の塩基トリプレットTTG(高活性ウシアルカリホスファターゼの最初のアミノ酸をコードする)を基準とした958-960位及び964-966位の塩基トリプレットをそれぞれCATからAATに及びGGTからTTTに変異させた。このために互いに部分的に相補的なプライマー5'-H320N/G322F(配列番号18)及び3'-H320N/G322F(配列番号19)を設計した。続いて、配列番号3に示される遺伝子配列を鋳型として使用しプライマー対5'-hAP及び3'-H320N/G322F、並びに5'-H320N/G322F及び3'-hAPを互いに別々に用いて最初のPCR反応を開始した。その結果、変異型遺伝子配列は最初に2つの部分断片として増幅された。これらの部分断片は、アガロースゲルで分析し、アガロースゲルから単離した(QIAquickゲル抽出キット,Qiagen)後、第2のPCR反応において使用した。この第2PCR反応においては、2つの部分断片が上述したように融合されて全長産物が生成した。このようにして生成された変異型遺伝子配列をPCRクローニングベクター(PCRクローニングキット−平滑末端,Roche Diagnostics)を用いてクローニングし、制限分析及び配列決定により解析した。
【0037】
三重突然変異体 Ser92Ala/His320Asn/Gly322Phe の作製
三重突然変異体Ser92Ala/His320Asn/Gly322Pheは、単一突然変異体Ser92Ala及び二重突然変異体His320Asn/Gly322Pheを組み合わせることにより作製した。この目的のため、上記2つの変異型遺伝子配列をそれぞれPCRクローニングベクター(PCRクローニングキット−平滑末端、Roche Diagnostics)にクローニングしたものを、制限エンドヌクレアーゼMunI及びAsp718でそれぞれ別々に切断し、制限処理した混合物をアガロースゲル電気泳動により分離した。MunIはトリプレットSer92位置とHis320位置との間で切断する。アガロースゲル中から、単一突然変異体Ser92Alaからは約3700塩基長のベクター断片が単離され、二重突然変異体His320Asn/Gly322Pheの変異型遺伝子配列の3'側領域の約900塩基長の断片が単離された。これら2つの断片を次のステップで1つに連結した。得られた遺伝子配列は配列決定により確認した。
【0038】
実施例2 :
ピヒア・パストリスのための発現ベクター pPICZ α A への変異型遺伝子配列のクローニング
制限エンドヌクレアーゼEcoRI及びAsp718を用いて制限処理することにより、確認された変異型遺伝子配列をPCRクローニングベクターから切り出し、制限処理した混合物をアガロースゲル電気泳動を利用して分離させ、アガロースゲルから約1480塩基長の断片を単離(QIAquickゲル抽出キット,Qiagen)した。続いて、この変異型遺伝子配列をEcoRI及びAsp718で直鎖化した発現ベクターpPICZαAから得られたベクター断片と連結した。制限エンドヌクレアーゼEcoRI及びAsp718に必要な切断部位は、コード配列の上流及び下流にそれぞれ制限エンドヌクレアーゼEcoRI及びAsp718の認識配列を有するプライマー5'-hAP及び3'-hAPによって、変異型遺伝子配列中に組み込んだ。これにより得られたアルカリホスファターゼ突然変異体のための発現ベクターは以下のように命名された:pNaAP31-1(Ser92Ala)、pNaAP43-1(Gly322Phe)、pNaAP51-1(His320Asn/Gly322Phe)及びpNaAP6-1(Ser92Ala/His320Asn/Gly322Phe)。上記ベクターにおいて、変異型遺伝子配列はAOX 1プロモーター(ピヒア・パストリス由来のアルコールオキシダーゼ1のプロモーター)の制御下にある。このプロモーターはメタノールにより誘導可能であり、サッカロミセス・セレビシエ由来のα因子のシグナルペプチドの後に正確な読み枠でクローニングされる。このようにして挿入された遺伝子断片を、続いて制限分析及び配列決定により塩基配列に誤りがないことを確認した。こうして得られた、真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体をコードする配列番号8〜11に示される変異型遺伝子配列の1つをそれぞれコードする発現ベクターの一例として、pNaAP31-1を示す(図1参照)。
【0039】
ピヒア・パストリスにおける変異型遺伝子配列を含有する発現ベクターの形質転換
変異型遺伝子配列を含有する発現ベクターでピヒア・パストリスX-33株を形質転換し、そのゲノム中に組み込みを行うために、最初にSacI(Roche Diagnostics GmbH)を用いてベクターを直鎖化した。Gene Pulser II(Biorad)を用いてエレクトロポレーションにより形質転換を行った。
【0040】
このために、ピヒア・パストリス野生型株のコロニーを5mlのYPD培地(Invitrogen)に接種し、30℃にて振とうしながら一晩インキュベートした。続いてこの一晩培養液を200mlの新鮮なYPD培地(Invitrogen)に1:2000となるよう接種し、OD600が1.3〜1.5に達するまで30℃にて振とうしながら一晩インキュベートした。細胞を遠心(1500×g/5分)し、ペレットを200mlの氷冷滅菌水(0℃)に懸濁した。細胞を再度遠心(1500×g/5分)し、100mlの氷冷滅菌水に再懸濁した。この細胞を再度遠心分離してから10mlの氷冷(0℃)1Mソルビトール(ICN)に再懸濁した。また再度細胞を遠心分離した後、0.5mlの氷冷(0℃)1Mソルビトール(ICN)に再懸濁した。以上のようにして得られた細胞を氷上で維持し、すぐに形質転換に使用した。
【0041】
上記の細胞80μlに約1μgの直鎖化発現ベクターDNAを加え、この混合物を全て氷冷(0℃)エレクトロポレーションキュベットに移し、氷上でさらに5分間インキュベートした。次にキュベットをGene Pulser II(Biorad)に移し、1kV、1kΩ及び25μFで形質転換を行った。エレクトロポレーションの後、上記の混合物に1mlの1Mソルビトール(ICN)を加え、続いてその100〜150μlを100μg/mlのZeocin(登録商標)(Invitrogen)を含有するYPDS寒天プレート(Invitrogen)に播いた。次にプレートを30℃にて2〜4日間インキュベートした。
【0042】
クローンをラスタ型MD(最少デキストロース)プレートに接種し、さらに解析した。増殖したクローンを採取し、20μlの滅菌水に再懸濁し、17.5Uの溶解酵素(lyticase、Roche Diagnostics GmbH)で37℃にて1時間かけて溶解させ、適当な変異型遺伝子配列を含有する発現カセットが正確に組み込まれていることをPCRにより直接確認した。
【0043】
その後、形質転換において完全な発現カセットがゲノム中に組み込まれているクローンを発現実験において使用した。
【0044】
実施例3:
アルカリホスファターゼ突然変異体の発現
陽性クローンを3mlのBMGY培地(Invitrogen)に接種し、30℃にて振とうしながら一晩インキュベートした。次に、600nmにおける光学密度(OD)を測定し、OD600が1となるように10mlのBMMY培地(Invitrogen)に接種した。BMMY培地(Invitrogen)は、AOX 1プロモーターを介してアルカリホスファターゼ突然変異体の発現を誘導するメタノール(Mallinckrodt Baker B.V.)を含有する。
【0045】
振とうフラスコを振とうしながら30℃にてインキュベートし、サンプルを24時間毎に取り出してOD600を測定し、アルカリホスファターゼ突然変異体の発現について活性試験を行った。各時点においてその後の誘導のために0.5%メタノール(Mallinckrodt Baker B.V.)を供給した。発現実験は96時間にわたり実施した。
【0046】
実施例4:
アルカリホスファターゼ突然変異体の活性試験
実施例3で得られる発現培養物の500μlアリコートを取り出し、OD600を測定し、細胞を遠心した。上清を保存し、細胞ペレットを細胞溶解のためにOD600に従って所定量のY-PERTM(50〜300μl、Pierce)に再懸濁し、室温にて1時間振とうした。次に、溶解物を遠心(15000×g/5分間)して細胞破砕物を分離し、上清を新たな反応容器に移した。その後、5μlの溶解物を活性試験に使用した。
【0047】
活性試験は、以下の原理に従って行う。
【0048】
Figure 0003850806
405nmにおける吸光度の上昇を測定した。
【0049】
50μlの4-ニトロフェニルリン酸溶液(0.67mol/l 4-ニトロフェニルリン酸,ナトリウム塩(Roche Diagnostics GmbH))を3mlのジエタノールアミンバッファー(1mol/lジエタノールアミン(Merck)pH9.8、0.5 mmol/l MgCl2(Riedel de Haen))に添加し、この混合物を37℃にてインキュベートした。続いて、5μlの溶解物を添加して反応を開始し、37℃における吸光度の変化を3分間測定し、これよりΔA/分 を算出した。
【0050】
続いて、下記式に従って活性を算出した:
【数1】
Figure 0003850806
【0051】
同様にして発現培養物の培地上清の活性を測定した。この場合、50μlの上清を用いて反応を開始したが、0.5mM ZnCl2をさらに添加した。続いて、係数xを使用しないで活性を算出した。配列番号3に示される高活性アルカリホスファターゼを発現するクローンの上清を陽性対照として使用し、標的遺伝子を含有しない最初のベクターpPICZαAを用いて形質転換したクローンを陰性対照として使用した。
【0052】
以下に記載する通り、突然変異体の残存活性を本活性試験により測定した:
単一突然変異体Ser92Ala:比活性が約5000分の1に低減した
単一突然変異体Gly322Phe:比活性が約2500分の1に低減した
二重突然変異体His320Asn/Gly322Phe:比活性が約10000分の1に低減した(ほぼ検出限界)
三重突然変異体Ser92Ala/His320Asn/Gly322Phe:比活性が約10000分の1に低減した(ほぼ検出限界)。
【0053】
実施例5:
ウエスタンブロットによる AP 突然変異体の発現の検出:
細胞溶解後の未濃縮上清又は粗抽出物10μlを10%SDSゲル(Novexプレキャストゲル、Invitrogen)にアプライし、電場を印加して存在するタンパク質をサイズに従って分離させた。このように分離したタンパク質をニトロセルロース膜(Novex(登録商標) Western Transfer Apparatus XCell IITM Blot Module、Invitrogen)にブロッティングした。ブロッティング後、この膜を20mlの高純度水を用いた5分間の洗浄で2回洗浄し、続いて10mlのブロッキング溶液(Invitrogen)中で30分間振とうした。次に、この膜を再度20mlの高純度水で5分間2回洗浄し、その後、抗体1(抗AP-ウサギ(Rockland Inc.)を10mg/mlのストック溶液から5000倍希釈したもの)を含む10mlのブロッキング溶液(Invitrogen)中で1時間インキュベートした。続いて、この膜を各回20mlの抗体洗浄溶液(Invitrogen)を用いた5分間の洗浄により4回洗浄した後、10mlの2次抗体溶液(抗ウサギ抗体を含む、Invitrogen)と共に30分間インキュベートした。その後、膜を各回20mlの抗体洗浄溶液(Invitrogen)を用いた5分間の洗浄により4回洗浄し、各回20mlの高純度水を用いた2分間の洗浄により3回洗浄した。続いて、染色のために膜を色素溶液(発色基質、Invitrogen)と共に1〜60分間インキュベートした。インキュベーション時間は染色の度合に応じて変更する。最適な染色の後、膜を各回20mlの高純度水を用いた2分間の洗浄により3回洗浄し、続いて膜を室温で乾燥させた。高純度水以外の溶液は全てInvitrogen社製のWestern Breeze発色免疫検出キットのものであり、インキュベーションステップは全て室温にて行った。実験手順は製造業者の説明書に従った。
【0054】
実施例6 :
多重形質転換による発現率の増大
次に、エレクトロポレーションのために発現実験からの最良のクローンを実施例2に記載のように調製し、1μgの直鎖化発現ベクターDNAで再度形質転換し、形質転換混合物を1000〜2000μg/mlのZeocin(登録商標)(Invitrogen)を含むYPDS寒天プレート(Invitrogen)に播いた。以上のようにして、発現ベクターの数個のコピーが組み込まれ、従って各耐性遺伝子(この場合にはZeocin(登録商標))の数個のコピーがゲノム中に組み込まれたクローンのみが増殖可能な程度に選択圧を増大させる。Zeocin(登録商標) 耐性タンパク質は、ストレプトアロテイカス・ヒンダスタヌス(Streptoalloteichus hindusstanus)のブレオマイシン遺伝子の産物であり(Chalmels, T.ら、Curr. Genet. 20 (1991), 309-314;Drocourt, D.ら、Nucleic Acids Research 18 (1990), 4009)、これが化学量論的濃度比でZeocin(登録商標)と結合することにより、Zeocin(登録商標)に対する細胞耐性が確立する。YPDS寒天プレートにおけるZeocin(登録商標)の濃度が高くなると、細胞は、Zeocin(登録商標)と量的に結合して増殖可能となるために耐性タンパク質を多く生成する必要がある。これは、例えば耐性遺伝子の複数個のコピーがゲノム中に組み込まれた場合に可能となる。上述したようにラスタ型MDプレートにクローンを接種し、実施例2に記載したようにPCR分析により各発現カセットが正確に組み込まれていることを同様に調べた。続いて、実施例4及び5に記載のようにこれらのクローンをAP活性試験又はウエスタンブロット分析により再度試験した。
【0055】
実施例7:
第2の選択圧を用いた発現率の増大
Zeocin(登録商標)濃度を2000μg/ml以上に増大させても、アルカリホスファターゼの突然変異体の発現率の増大にはつながらない。実施例6で得られた、最大発現率を示し第2の選択圧(好ましくはG418(Roche Diagnostics GmbH))により選択された発現クローンのゲノム中にさらなる発現ベクターを組み込むことによって、アルカリホスファターゼの突然変異体をコードし、かつ酵母における発現のためのコドンが最適化されている配列番号8〜11に示される遺伝子のコピー数を発現クローンにおいてさらに増大させた。このために、AOX 1プロモーター、サッカロミセス・セレビシエ由来のα因子のシグナルペプチド、配列番号8〜11に示されるアルカリホスファターゼ突然変異体のコドン最適化遺伝子、及びAOX 1転写終結領域からなる、pNaAP31-1由来の発現カセット全体を適当に選択したプライマーを用いたPCRにより単離し、これを後述するようにベクターpIC9Kに組み込んだ。このベクターは、ピヒア・パストリスのゲノムへの組み込みをG418(Roche Diagnostics GmbH)により選択することができる。この場合に使用したプライマー5' expr及び3' exprは、配列番号20及び配列番号21の配列を有するものである。
【0056】
PCR調製物をアガロースゲル電気泳動により解析し、予想されたサイズを有する遺伝子断片を単離し(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)、SacI及びNotI(Roche Diagnostics GmbH)を用いて再度切断した後、またアガロースゲルから単離し(QIAquickゲル抽出キット、Qiagen)し、これを、SacI/NotI(Roche Diagnostics GmbH)で直鎖化したpPIC9Kから単離したベクター断片に連結した。これにより各々の発現ベクターからの発現カセット全体がpPIC9K中に同じ形態で存在することになった。挿入された断片を制限分析及びフランキング領域を用いた配列決定により調べた。得られたアルカリホスファターゼ突然変異体の発現ベクターをpNaAP31-2(Ser92Ala)、pNaAP43-2(Gly322Phe)、pNaAP51-2(His320Asn/Gly322Phe)及びpNaAP6-2(Ser92Ala/His320Asn/Gly322Phe)と称した。
【0057】
エレクトロポレーションのために、実施例2に記載のようにZeocin(登録商標)を選択マーカーとして用いた多重形質転換により得られたAP突然変異体の発現率が最も高いクローンを調製し、さらに、実施例2に記載のように1μgのベクター断片pNaAP31-2及びSacI(Roche Diagnostics GmbH)で直鎖化した誘導体を用いて形質転換した。続いて形質転換調製物を、(G418耐性を生じるように)1Mソルビトール(ICN)中で4℃にて1〜3日間保存し、次にこの100〜200μlを1、2又は4mg/mlのG418(Roche Diagnostics GmbH)を含有するYPDプレート(Invitrogen)に播いて30℃にて3〜5日間インキュベートした。得られたクローンを、真核生物アルカリホスファターゼ突然変異体の発現の増大に関する活性試験を用いて上述の通り再度調べた。
【0058】
配列番号1〜21の配列内容の凡例
配列番号1:シグナル配列を含まない、高活性ウシAPをコードする天然DNA配列
配列番号2:高活性ウシAPのアミノ酸配列
配列番号3:高活性APをコードする合成遺伝子のDNA配列。制限切断部位EcoRIはコード配列の上流に位置し、制限切断部位Asp718はコード配列の下流に位置する。
【0059】
配列番号4:APの単一突然変異体Ser92Ala(野生型:高活性ウシAP)のアミノ酸配列
配列番号5:APの単一突然変異体Gly322Phe(野生型:高活性ウシAP)のアミノ酸配列
配列番号6:APの二重突然変異体His320/Gly322Phe(野生型:高活性ウシAP)のアミノ酸配列
配列番号7:APの三重突然変異体Ser92Ala/His320/Gly322Phe(野生型:高活性ウシAP)のアミノ酸配列
配列番号8:APの単一突然変異体Ser92Alaをコードする合成遺伝子のDNA配列。切断部位EcoRI及びAsp718はそれぞれコード配列の上流及び下流に位置する。
【0060】
配列番号9:APの単一突然変異体Gly322Pheをコードする合成遺伝子のDNA配列。切断部位EcoRI及びAsp718はそれぞれコード配列の上流及び下流に位置する。
【0061】
配列番号10:APの二重突然変異体His320Asn/Gly322Pheをコードする合成遺伝子のDNA配列。切断部位EcoRI及びAsp718はそれぞれコード配列の上流及び下流に位置する。
【0062】
配列番号11:APの三重突然変異体Ser92Ala/His320Asn/Gly322Pheをコードする合成遺伝子のDNA配列。切断部位EcoRI及びAsp718はそれぞれコード配列の上流及び下流に位置する。
【0063】
配列番号12〜21:プライマーとして使用したDNA配列
【0064】
略語
YPD:酵母ペプトンデキストロース
YPDS:酵母ペプトンデキストロースソルビトール
BMGY:緩衝化グリセロール複合培地
BMMY:緩衝化メタノール複合培地
MTP:マイクロタイタープレート
【0065】
【配列表】
Figure 0003850806
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【図面の簡単な説明】
【図1】 pICZαA (Invitrogen)に配列番号8に示される変異型遺伝子配列を結合させた発現ベクターpNaAP31-1のプラスミド地図を示す図である。
【図2】 pIC9K (Invitrogen)に配列番号8に示される変異型遺伝子配列を結合させた発現ベクターpNaAP31-2のプラスミド地図を示す図である。

Claims (3)

  1. 真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体であって、以下の(i)
    及び(ii):
    (i) 野生型と比較して100分の1以下に低減した活性を有しており、但し該野生型の配列(突然変異が導入される配列)が、配列番号2であること、及び
    (ii) 以下に示す突然変異(これらの突然変異の位置は配列番号2における位置に対応して定められている)の1つ以上を有すること:
    Ser92 Ala Gly Val 又は Leu への置換;
    His320 Asn Phe Asp 又は Tyr への置換;
    Gly322 の、 Asp より大きい任意のアミノ酸への置換
    を特徴とする、上記突然変異体。
  2. 請求項1に記載の真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体をコードする組換えDNA。
  3. 酵母細胞において真核生物アルカリホスファターゼ(AP)の突然変異体を作製する方法であって、以下のa)〜e)のステップ:
    a) 下記の (1) 及び (2)
    (1) 野生型と比較して 100 分の1以下に低減した活性を有しており、但し該野生型の配列(突然変異が導入される配列)が、配列番号2であること、及び
    (2) 以下に示す突然変異(これらの突然変異の位置は配列番号2における位置に対応して定められている)の1つ以上を有すること:
    Ser92 Ala Gly Val 又は Leu への置換;
    His320 Asn Phe Asp 又は Tyr への置換;
    Gly322 の、 Asp より大きい任意のアミノ酸への置換;
    を特徴とする真核生物アルカリホスファターゼの突然変異体をコードする組換え遺伝子配列を調製するステップ
    b) 上記の遺伝子配列を異なるベクターにクローニングするステップ;
    c) 酵母を形質転換するステップ;
    d) APの突然変異体を発現させるステップ;及び
    e) アルカリホスファターゼを精製するステップ
    を含み、
    かつ、以下の(i)〜(vi):
    (i) 第1ベクターが、第1選択マーカーに対する耐性遺伝子を有すること;
    (ii) 該耐性遺伝子及び所望の遺伝子配列がゲノム中に組み込まれた形質転換体を、低濃度の第1選択マーカーを含む栄養培地での増殖により選択すること;
    (iii) 多重形質転換により該遺伝子のコピー数を増大させ、それにより多重形質転換体を、選択圧を強めた栄養培地での増殖により選択すること;
    (iv) 第2選択マーカーに対する耐性遺伝子を有する第2ベクターを添加すること;
    (v) 第2ベクターでの多重形質転換により該遺伝子のコピー数を増大させ、それにより多重形質転換体を、選択圧を強めた栄養培地での増殖により選択すること;及び
    (vi) 該遺伝子配列及びそれらの選択マーカー耐性遺伝子についてそれぞれ数個のコピーがゲノム中に安定に組み込まれたクローンを選択すること;
    を特徴とする、上記方法。
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