JP3850740B2 - 乳由来の非タンパク態窒素化合物、l−カルニチンの濃縮方法、l−カルニチン濃縮物及びその利用 - Google Patents

乳由来の非タンパク態窒素化合物、l−カルニチンの濃縮方法、l−カルニチン濃縮物及びその利用 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳原料に含まれる非タンパク態窒素化合物であるL−カルニチンの高度濃縮、あるいは分離、回収法、及び食品への応用に関するものである。詳細に云えば、本発明は、チーズ製造時等に副生するホエイ限外濾過透過液等をサッカロミセス属酵母、または乳糖発酵性酵母によりアルコール発酵させて得られる発酵産物、またはそのL−カルニチン濃縮物を食品素材として活用することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チーズ等を製造する際、生乳の約90%ものホエイ(乳清)が生じる。このホエイには多くの乳糖及びホエイタンパク質が含まれる。このホエイは、限外濾過処理等でホエイタンパク質を回収後、濃縮して析出する乳糖を回収するなど更なる利用が図られている。しかし、その脱乳糖されたホエイ限外濾過透過液はそのまま廃棄、または濃縮、乾燥して畜産飼料の素材として用いられているに過ぎず、この副産物の用途開発、有効利用が望まれていた。
【0003】
L−カルニチンは、分子量161.21の化合物であり、体内で脂肪を燃焼させるのに不可欠な物質で、ビタミンBTとも呼ばれている。脂肪の分解産物の一つである長鎖脂肪酸は、主にミトコンドリア内で燃焼されてエネルギー源として利用される(β酸化)。しかし、長鎖脂肪酸はミトコンドリア内に単独で入ることはできず、L−カルニチンと結合してアシルカルニチンとなって初めてミトコンドリア内膜を通過することができる。したがって、組織中のL−カルニチンが不足すると脂肪の利用が妨げられると言われている。
【0004】
L−カルニチン(L−γ−トリメチルアミノ−β−ヒドロキシ酪酸)は生体内でアミノ酸のリジンとメチオニンから合成される。しかし、生体内で合成されるL−カルニチン量は代謝回転される全体量の25%に過ぎず、残りの75%は食物由来である。通常、年長児や成人の場合、内因性のL−カルニチン量だけで十分とされているが、健常児でも空腹時には体内脂肪の分解が亢進して、アシルCoAが増加し、その結果エステル化されたL−カルニチンも増加する。アシルカルニチンは、遊離L−カルニチンとは異なり、尿中に容易に排泄されやすくL−カルニチン不足の状態となりやすい。このようにL−カルニチンはミトコンドリアにおける脂肪酸代謝に関与し、エネルギー生産に重要な成分であるため、アスリート向け食品やダイエット用食品への利用が期待される。更に、最近の研究でL−カルニチンが脳の老化防止に有効であることも示唆されており、高齢者向け食品への応用も可能である。
【0005】
カルニチンには左旋性のL−カルニチンと、その光学異性体である右旋性のD−カルニチンとが存在する。化学合成法で製造されるL−カルニチン、あるいは微生物や酵素による変換工程を含む製造法を用いて生産されるL−カルニチンは合成品とみなされ、医薬品以外への利用は認められていない。ちなみにD−カルニチンは天然には存在せず、人間が利用できないばかりか、L−カルニチンの作用を拮抗的に阻害するため有害であるとされている。尚、L−体とD−体の混合物であるカルニチンのラセミ体の長期投与による副作用も報告されている。
【0006】
L−カルニチンを含む食品として、例えば牛乳が知られているが、その含量は約3mg/100gと低い。一方、畜肉及び魚肉では比較的含量が高く、例えば牛肉には約130mg/100gのL−カルニチンが含まれる。しかし、特有の味や臭いがあり、また色や物性の点で扱い難い等の欠点があった。
【0007】
ほ乳類の乳、及び乳製品を原料とするL−カルニチンの調製法に関しては数多くの研究がなされている。例えば、乳又は乳製品を限外濾過処理する工程で得られる透過液を原料とし、電気透析装置、イオン交換樹脂、ナノ膜濾過装置等を使用したL−カルニチンの分離・精製法が報告されている。しかし、乳及び乳製品中に微量に含まれるL−カルニチンの分離・精製を行うには上述の電気透析処理、膜処理、クロマトグラフィー等の装置導入が必要であり、そのランニングコストを含めると多大な費用がかかる。また、複数の分離装置を組合わせることが必要であり、その分離操作・工程が煩雑になること、更にL−カルニチンの分離・精製に伴い多量の副産物が生じてしまうという大きな問題が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような技術の現状に鑑み、食品用途にも利用可能なL−カルニチンを効率的に濃縮、回収するシステムを新規に開発する目的でなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、各方面から検討の結果、医薬品のみでなく食品用途にも利用できるよう、合成法ではなく天然物からの分離、濃縮法によることとした。そして本発明者らは、天然物について広範囲に検討した結果、チーズ製造時等に生成する大量のホエイを限外濾過処理してホエイタンパク質を回収したり更に乳糖を回収したりしているが、限外濾過透過液やそれから乳糖を回収した残渣といった副生物については、格別の用途がないものとされ、廃棄又は飼料素材としての用途程度しか利用されていないのに改めて着目した。
【0010】
そして、本発明者らは、ホエイ限外濾過透過液、脱乳糖限外濾過透過液について研究した結果、これら副生物には非タンパク態窒素化合物であるL−カルニチンという有用成分が含まれている点に着目し、また、これらの副生物が天然物由来であって安全性にも問題がない点にも鑑み、これら副生物からL−カルニチンを濃縮、分離、回収することの可能性についての着想を得た。
【0011】
そこで、本発明者らは、乳原料からL−カルニチンを効率よく高度に濃縮する方法を開発するという技術課題を設定し、先ず上記した副生物について鋭意研究した結果、ホエイ限外濾過透過液をサッカロミセス属酵母あるいは乳糖発酵性酵母等によりアルコール発酵させたところ、乳由来のL−カルニチンを簡便に、さらに安価で高度濃縮することが可能であることを見出し、更に研究の結果、遂に本発明をなすに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、乳又は乳製品の限外濾過処理で生じる副産物(透過液)その他乳由来原料を、サッカロミセス属酵母あるいは乳糖発酵性酵母等によりアルコール発酵させ、乳由来の非タンパク態窒素化合物、L−カルニチンを濃縮、回収する方法に関するものである。
【0013】
本発明は、また、上記方法により得られる発酵産物の製法、さらにアルコール発酵により得られる発酵産物とその分離、分取された有用物質を食品等へ添加することに関するものである。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0015】
本発明においては、原料として乳原料を使用する。乳原料としては、乳由来の原料がすべて使用され、例えば乳、乳製品、これらの副産物の少なくともいずれか1種が使用される。本発明に使用する乳、乳製品には制限はなく、生産量の多い牛乳や山羊乳等の生乳、脱脂乳等の乳、れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、ホエイ(乳清)、ホエイを乾燥させたホエイ粉等、各種の乳製品が広く使用される。
【0016】
また、これらの副産物としては、乳や乳製品製造や調製の際に副生するものすべてを指称するものであって、例えば、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)を製造する際に得られる副産物、ホエイをUF処理してホエイタンパク質を製造する際に得られる副産物(ホエイ限外濾過透過液)、それから乳糖を分離した残液(脱乳糖限外濾過透過液)、その他カゼインやホエイタンパク質を膜処理やクロマトグラフィー処理によって分離する際に副生する副産物等が挙げられる。カゼインは、pH調整や酵素処理等の方法で凝集させ、分離除去することも可能である。なお、上記した各種乳原料から乳糖を部分的に除去したものも、本発明における乳原料として使用することができる。また、本発明においては、これら乳原料を濃縮、ペースト化、乾燥、粉末化、希釈等各種処理して得た処理物も乳原料として使用することができる。
【0017】
出発原料としては、上記に挙げた乳又は乳製品、及びその副産物のいずれもが自由に使用できるが、カゼイン又はホエイタンパク質の製造時、あるいはチーズ製造時には、多量の膜透過液や圧搾液(ホエイ)が廃棄されているため、その有効利用が強く望まれていたところ、廃棄処分されているこれら副産物には、特に乳由来の非タンパク態窒素化合物の一つであるL−カルニチンが豊富に含まれている点に着目し、これら副産物を原料としてL−カルニチンを製造することに成功した本発明は、L−カルニチンの効率的濃縮の観点のみならず、重要な資源の有効利用の観点、及び廃棄物の処理更にその有効利用の観点、換言すれば公害防止ないし環境保護の観点からも非常に卓越したものである。
【0018】
これら副産物は、ホエイの処理時に副生するものであって、上記原料で、例えば生乳よりチーズを製造する際、添加した乳酸菌や凝乳酵素のレンネットによりカゼインタンパク質等が凝集する。この凝集物(カード)を圧搾し、熟成させたものがナチュラルチーズである。チーズ製造時には、生乳の約10%のカードと約90%のホエイが得られる。このホエイは約5〜10%の可溶性固形分を含んでおりホエイタンパク質、乳糖、ミネラル等が多く含まれる。このホエイより、膜処理等でホエイタンパク質が回収され、更にこの膜透過液(ホエイ限外濾過透過液)を濃縮、冷却して乳糖結晶を析出させて乳糖の一部を回収した「脱乳糖限外濾過透過液(DLP)」が得られる。これは固形分20〜30%の淡黄色の液体であり乳糖以外に、乳由来の非タンパク態窒素化合物の一つであるL−カルニチンを多く含んでいる。
【0019】
乳糖の一部を除去したとはいえ、DLPはまだ糖質(乳糖)を含んでいる。そこで本発明者らは、DLP中の糖質を除去し、L−カルニチンを含む非タンパク態窒素化合物を濃縮することは効率的である点にはじめて着目し、それを実現するために各方面から検討の結果、乳由来の有効成分の濃縮を目的に、DLPを酵母でアルコール発酵処理し、該副産物中の乳糖をエタノール及び炭酸ガスに変換、除去することにより有用成分の比率を高めることを可能とすることに成功した。
【0020】
DLP又はその乾燥物は、濃縮あるいは水で希釈して、ブリックス糖度を5〜35%程度に調整する。栄養源として硫酸アンモニウム、アンモニア水、尿素などの窒素源、更に必要であれば、過リン酸石灰、リン酸アンモニウム等のリン酸塩を加える。pHを3〜9の範囲に調整して加熱殺菌する。冷却した後、酵母等を加えアルコール発酵させる。発酵温度は5〜45℃が望ましい。使用する酵母としては、サッカロミセス属酵母、乳糖発酵性酵母の1種又は2種以上を併用することができる。
【0021】
サッカロミセス属酵母としては次のものが例示される:サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0224、サッカロミセス・フォルモセンシス(Saccharomyces formosensis)IFO 0126、サッカロミセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)IFO 1265、サッカロミセス・エリプソイデュウス(Saccharomyces ellipsoideus)IFO0213、サッカロミセス・サケ(Saccharomyces sake)IFO 0309。
【0022】
また、本発明においては、市販されている酵母、自由に入手できる酵母も使用可能であって、次のものが例示される:例えば清酒酵母(協会7号酵母、協会9号酵母、協会10号酵母)、ワイン酵母(ブドウ酒1号酵母、ブドウ酒3号酵母、ブドウ酒4号酵母等)、ビール酵母、パン酵母等の実用酵母、その他アルコール発酵に常用される酵母が適宜使用可能である。
【0023】
更に、本発明においては、乳糖発酵性酵母も使用することができ、例えばアルコール性発酵乳であるクーミスやケフィアの製造に用いられるクルイベロミセス属菌が使用可能であって、市販品のほかに次のものが例示される:クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)IFO 1090、クルイベロミセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)IFO 1777その他。
【0024】
しかし、サッカロミセス属酵母の多くは、乳糖をそのまま資化できない。そのため、上記のサッカロミセス属酵母を使用する場合には、発酵処理前にラクトース分解酵素であるラクターゼ(β−ガラクトシダーゼということもある。)を添加し、DLP中の乳糖をグルコースとガラクトースに酵素分解する必要がある。作成した仕込み液を加熱殺菌、冷却後、ラクターゼを加えて酵素処理を行う。酵素処理温度としては10〜80℃が好ましい。使用するラクターゼとしては、例えば、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)由来のラクターゼが挙げられ、市販品も適宜自由に使用可能である。
【0025】
酵素処理と同時に乳糖含量は減少し、グルコース及びガラクトース含量が増加する。酵素処理は数時間で終了し、乳糖含量0.5%以下、好ましくは0.3%以下を目安に乳糖をほぼ完全に分解する。その後、発酵温度まで冷却し、サッカロミセス属酵母を添加しアルコール発酵させる。この酵母処理工程は乳糖発酵性酵母を用いた場合は不要である。
【0026】
発酵が進むにつれて、発酵液のブリックス糖度は低下する。発酵終了は、発酵開始からのブリックス糖度変化が1〜25%を目安とするが、有用成分の残存を考慮するとブリックス糖度変化が0.1〜0.6%/30分間の時点での発酵終了が好ましい。
【0027】
発酵終了後、加熱により酵母及び酵素を失活し、遠心分離、膜処理等を用いて菌体分離、清澄化し、更に殺菌、濃縮することにより、本発明の「発酵産物」が得られる。発酵によって生じた炭酸ガス及びエタノールは加熱処理工程で容易に除くことができる。発酵産物の糖含量は低下しており、L−カルニチンを含む非タンパク態窒素成分の高度濃縮が可能となる。また、発酵産物をイオン交換樹脂、あるいは合成吸着樹脂等で処理して、乳由来の有用成分を分離、回収することも可能である。
【0028】
また、DLPの発酵物(発酵液、発酵上清又はそれらの処理物)に対して、イオン交換樹脂や合成吸着樹脂等の手段を利用することで、発酵物に含まれる有機酸等を除去し、無色のL−カルニチン含有組成物を得ることができる。イオン交換樹脂を用いる処理の方法としては、例えば、発酵上清をそのまま又は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加してpHを調整後にイオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、カルニチンとその他の夾雑物とを分離する。使用するイオン交換樹脂としては、イオン交換基がスルフォン酸基、リン酸基、カルボキシメチル基、ジエチルアミノ基、及び4級アミノエチル基等が使用可能であり、陽イオン交換樹脂でも陰イオン交換樹脂でも共に使用が可能である。また、合成吸着樹脂(三菱化学(株)のダイヤイオン、セパビーズなど)を利用する場合では、発酵上清をそのまま又はpHを調整後に樹脂を充填したカラムに通液することにより、無色のカルニチン含有組成物を得ることも可能である。
【0029】
陰イオン交換樹脂を使用した場合、発酵物中の乳酸やクエン酸等の有機酸は陰イオン交換樹脂に吸着される。逆に、カルニチンは吸着されない性質を利用して、カルニチンを含む非吸着画分を回収することで、有機酸等を除去しカルニチンの濃縮が可能である。
陽イオン交換樹脂を使用した場合、カルニチンは陽イオン交換樹脂に吸着されるので、有機酸等の非吸着物質を十分に分離した後、塩酸、水酸化ナトリウム及び塩化ナトリウム等の溶液でカルニチンを溶出し回収する。
また合成吸着樹脂を使用した場合も、カルニチンは合成吸着樹脂に吸着されないので、呈色物質を除去し、無色のカルニチンを含む非吸着画分を回収することもできる。
【0030】
このようにして得られたL−カルニチン濃縮物は、そのままで食品素材として使用できるが、必要あれば、これをペースト状に濃縮、あるいは乾燥してもよく、そのためには減圧濃縮、凍結濃縮、凍結乾燥等の常法が適宜使用できる。得られるL−カルニチン濃縮物の風味は良好であり、安全で優れた食品素材である。L−カルニチン濃縮物は、食品素材として他の食品に配合して使用できるほか、食品素材としてそのまま市販したり、使用したりすることができる。また、食品として使用するほか、それ自体で又は常用される他の成分を配合して、栄養剤やL−カルニチン剤としてサプリメント用途に使用することもできる。もちろん、これを食品素材として各種の食品の製造や調理にも使用可能であって、その際通常の食品原料と同様に取扱えばよく、この点においてもすぐれている。
以下、本発明の実施例について述べる。
【0031】
【実施例1】
DLPの乾燥物22kgを温水で希釈し、仕込み液中の窒素源を補う目的で硫酸アンモニウム200gを加えた。次いでクエン酸を添加し、仕込み液をブリックス糖度11%、pH5.0とし、パン酵母の発酵至適範囲内の条件とした。pHについては5以上での発酵も可能であるが、一般細菌の増殖抑制の目的で弱酸性域とした。発酵後の有用成分の濃縮等の効率を考えると仕込み液濃度を高めるのが好ましいが、一般的なパン酵母の発酵至適濃度範囲はDLPの場合でブリックス糖度で7〜17%である。仕込み濃度を高くするに連れて糖度及び浸透圧が高まり、酵母による発酵は抑制される。更に発酵時のエタノール濃度の上昇で酵母自体の死滅が起こるため、仕込み濃度をブリックス糖度で11%とした。高糖度用、耐浸透圧性のある酵母、更にぶどう酒や日本酒等の製造で用いられているアルコール耐性酵母を使用することで高濃度仕込みは可能である。
【0032】
仕込み液を85℃にて加熱殺菌し50℃まで冷却後、Aspergillus oryzae由来のラクターゼ(天野エンザイム(株)「ラクターゼアマノF」)を0.1%添加し酵素処理を行った。サッカロミセス属酵母であるパン酵母は、菌体内にβ−ガラクトシダーゼを有していないため、乳糖をそのまま資化することができない。そのためパン酵母を用いる場合は、ラクターゼ処理が不可欠である。ラクターゼにより、仕込み液中の乳糖はグルコースとガラクトースに分解される。酵素処理を50℃で6時間施し、仕込み液中の乳糖含量を0.3%以下にした。
【0033】
その後、30℃まで冷却し、パン酵母(オリエンタル酵母工業(株)「サフ・インスタントイースト赤」)を0.25%添加し発酵させた。酵母は、DLP中の糖(グルコース及びガラクトース)を資化してエタノールと炭酸ガスを発生するため、発酵が進むに連れてブリックス糖度とpHは低下した。尚、グルコースとガラクトースでは、パン酵母内での糖の代謝系及びその利用速度が異なるため2段階の発酵となる。つまり、パン酵母はグルコースの利用を終えてから、ガラクトースを利用する。発酵終了を、30分経過時のブリックス糖度変化が0.1%の時点とした。これにより含まれるL−カルニチン等の有用成分の減少を最小限に抑えることが可能となる。発酵終了後、85℃にて酵母及び酵素を失活し、発酵液に含まれる酵母菌体等の不溶性成分をけい藻土を用いた全自動圧搾濾過機及びフィルタープレスで除いた。その後、濾液を殺菌及び減圧濃縮して発酵産物12kgを得た。得られた発酵産物に含まれるL−カルニチンの分析を行い、牛乳とその含量を比較した(表1)。
【0034】
Figure 0003850740
【0035】
【実施例2】
実施例1の方法により、DLPよりパン酵母を用いてDLPの発酵液を調製した。この発酵液より遠心分離(1800G×20分)で酵母菌体を除去し発酵上清を得た。この発酵上清300gを陰イオン交換樹脂(ダイヤイオン PA308(OH型)、三菱化学(株)、100ml)を充填したカラムに通液し、陰イオン交換樹脂に有機酸等の夾雑物を吸着させる一方で、カルニチンを含む一部の非吸着成分を回収した。その結果、処理前に比べカルニチン含量は約2〜3倍にたかめられた(表2)。
【0036】
Figure 0003850740
【0037】
【実施例3】
実施例2で用いた発酵上清300gを合成吸着樹脂(ダイヤイオン HP-20、三菱化学(株)、100ml)を充填したカラムに通液し、合成吸着樹脂に呈色物質等の夾雑物を吸着させ、カルニチンを含む非吸着画分を回収した。その結果、カルニチンはほぼ全量回収され、無色透明のDLP発酵物が得られた(表3)。
【0038】
Figure 0003850740
【0039】
【実施例4】
実施例2で用いた発酵上清300gを陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK216、三菱化学(株)、100ml)を充填したカラムに通液し、陽イオン交換樹脂にカルニチンを吸着させ、有機酸等の非吸着成分を十分に洗浄後、2Nの水酸化ナトリウム溶液で溶出し、カルニチンを含む一部の溶出画分を回収した。その結果、処理前に比べカルニチン含量を3倍程度に高められた。
【0040】
【実施例5】
DLPの乾燥物22kgを温水で希釈し、実施例1と同様に仕込み液を作成した。使用する乳糖発酵性酵母は、菌体内にβ−ガラクトシダーゼを有しており、乳糖をそのまま資化することが可能である。そのため、実施例1の酵素処理を必要としない。しかし、乳糖発酵性酵母はパン酵母のように多量の入手が困難である。そのため、少量の凍結乾燥菌を購入するか、また保有している菌株を継代する必要がある。さらに、本発酵前に少量の菌株を適当な培地を用いて賦活化及び増菌し、発酵スターターを作成する必要がある。
【0041】
乳糖発酵性酵母(K.fragilis IFO 1777)をYM(グルコース−酵母エキス−ペプトン−マルトース)培地200mlに接種し、本酵母の賦活化及び増菌を目的に30℃で3日間ほど静置培養させた。その後、更にYM培地2000mlに静置培養液を添加し、増菌を行った。この時、仕込み液での発酵スターターの添加菌数が108CFU/mlとなるように増菌処理を繰り返し行った。仕込み液の初発菌数が少ないと、発酵時間は延長する。また仕込み液濃度の増加に応じて初発菌数を増やす必要がある。増菌終了後、遠心分離により菌体を回収し、発酵スターターを調製した。尚、酵母菌体の賦活化及び増菌処理に用いる培地はYM培地に限らず、その他適当な培地の利用も可能であり、また効率化のためにpH制御下での通気培養も可能である。
【0042】
仕込み液を85℃にて加熱殺菌し30℃まで冷却後、発酵スターター(乳糖発酵性酵母K. fragilis IFO 1777)を仕込み液に添加し発酵させた。乳糖発酵性酵母は、DLP中の乳糖をそのまま資化してエタノールと炭酸ガスを発生するため、発酵が進むに連れてブリックス糖度とpHは低下した、発酵終了を、30分経過時のブリックス糖度変化が0.1%の時点とした。これにより含まれるL−カルニチン等の有用成分の滅少を最小限に抑えることが可能となる。発酵終了後、85℃にて酵母を失活し、発酵液に含まれる酵母菌体等の不溶性成分をけい藻土を用いた全自動圧搾濾過機及びフィルタープレスで除いた。その後、濾液を殺菌及び減圧濃縮して発酵産物12kgを得た。
【0043】
【実施例6】
乳糖発酵性酵母(K.lactis IFO 1090)を用いて実施例5と同様に増菌処理及び仕込み液の発酵処理を行った。最終的に濃縮して発酵産物12kgを得た。
【0044】
【実施例7】
実施例1で得られたカルニチン濃縮物を用い、表4に示す配合組成により、常法に従ってチーズを作成した。
【0045】
(表4)
ナチュラルチーズ(無塩) 246g
水 33g
乳化剤 6g
香料 3g
DLP発酵産物 12g
【0046】
作成した組成物(プロセスチーズ)は、25g当たり(市販されている6Pチーズの1個分)DLP発酵産物1gを含んでいる。
【0047】
【実施例8】
実施例1で得られたカルニチン濃縮物を用い、表5に示す配合組成により、常法に従ってトリガラスープを作成した。
【0048】
(表5)
鶏がらスープの素(顆粒) 20g
水 960g
重炭酸ソーダ 2g
DLP発酵産物 20g
【0049】
作成した組成物(トリガラスープ)を100g食することによりDLP発酵産物2gを摂取することが可能である。
【0050】
【実施例9】
実施例5で得られた発酵産物を固形分20%に溶解後、電気透析装置に供して、液温を30℃に保ちながら電気伝導度が5mS/cmとなるまで脱塩した。得られた液を加熱殺菌後、減圧濃縮し、脱塩発酵産物6kgを得た。
【0051】
【実施例10】
実施例9で得られた食品素材を用い、表6に示す配合組成により、常法に従ってフルーツゼリーを作成した。
【0052】
(表6)
グレープフルーツジュース 500g
水 750g
砂糖 150g
ゲル化剤 19g
レモン果汁 19g
DLP発酵産物 62g
【0053】
作成した組成物(グレープフルーツゼリー)は、一食150gで発酵産物6gを摂取することが可能である。
【0054】
【実施例11】
実施例9で得られた食品素材を用い、表7に示す配合組成により、常法に従ってトマトスープを作成した。
【0055】
(表7)
トマトピューレ 350g
水 1020g
砂糖 60g
小麦粉 20g
タマネギ粉 4g
重炭酸ソーダ 2g
粉末白コショウ 0.1g
DLP発酵産物 60g
【0056】
作成した組成物(トマトスープ)は、一食200gで発酵産物8gを摂取することが可能である。
【0057】
【実施例12】
実施例9で得られた食品素材を用い、表8に示す配合組成により、常法に従って流動食を作成した。
【0058】
(表8)
乳たんぱく濃縮物 48g
食物繊維 140g
食用油 26g
コーンスープ粉末 2g
水 830g
DLP発酵産物 45g
【0059】
作成した組成物(流動食ポタージュ味)は、一食250gで発酵産物10gを摂取することが可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、乳あるいは乳製品より得られる副産物中のL−カルニチンを、酵母によるアルコール発酵によって簡便に、安価に高度濃縮することが可能である。さらに得られた発酵産物、及びその有用物質濃縮物を食品に利用することも可能である。この食品素材は天然物由来であり、副作用もなく安全に食せる。
【0061】
また、この発酵産物、又はその中の有効成分を食品に利用することにより、乳あるいは乳製品より生じる副産物の有効利用を今まで以上に図ることが可能である。

Claims (6)

  1. 脱乳糖限外濾過透過液(DLP)をサッカロミセス属酵母又は乳糖発酵性酵母を用いてアルコール発酵処理すること、を特徴とする乳由来の非タンパク態窒素化合物であるL−カルニチンの濃縮方法。
  2. サッカロミセス属酵母によるアルコール発酵処理に先立ち、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)処理を行うこと、を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 乳糖発酵性酵母は、あらかじめ賦活化および増菌処理して、発酵スターターとしておくこと、を特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 乳糖発酵性酵母がクルイベロミセス属酵母であること、を特徴とする請求項1又は3に記載の方法。
  5. アルコール発酵処理した後、加熱処理又は固液分離処理すること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. アルコール発酵処理した後、イオン交換樹脂及び/又は合成吸着樹脂で処理すること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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