JP2013031415A - 肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法 - Google Patents

肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】肉牛の未利用部位を原料として、加齢に伴う老化防止の働きを担う機能栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む食品の製造方法を提供する。
【解決手段】(1)肉牛の未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱、分解酵素を投入し酵素分解し溶解物を得る第1の工程。(2)分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得る第2の工程。(3)ろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された精製抽出液を得る第3の工程。(4)電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熱濃縮して殺菌・濃縮し溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮し濃縮液を得る第4の工程。(5)デキストリン粉末/ラクトース粉末を添加し乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させた白色粉末状の機能栄養食品を得る第5の工程からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、肉牛(例えば、和牛)の未利用部位を原料とし、この原料から抽出して得た、加齢に伴う老化防止の働きのある機能栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む食品の製造方法に関するものである。
ムコ多糖であるコンドロイチン硫酸は細胞結合組織の主要成分を形成し、(1)体細胞組織に保水性、潤滑性、弾力性を与える、(2)関節・靱帯・腱の弾性、円滑性を保つ、(3)皮膚のみずみずしさを保つ、などの生理作用、効能を果たしている。
一方、コラーゲンは、皮膚、骨などに多く存在する生体構造の骨格を形成するタンパク質であり、体内のタンパク質の30%程度を占めている。コラーゲンは、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジンという種類のアミノ酸を多く含み、(1)皮膚コラーゲンの代謝促進、(2)関節炎の緩和(スムーズな曲げ伸ばしのための弾力性を保つ)、(3)骨の強化、などの働きを担っている(非特許文献1)。
コンドロイチン硫酸は、加齢とともに体内でつくられる量は減少し、減少すると皮膚の保湿性や関節の潤滑性が失われ、老人性の皺、関節痛の原因となる。また、コラーゲンも、加齢とともに不足していく。このため、コンドロイチン硫酸、コラーゲンとも、細胞環境を維持し、皮膚の保水性を保つためには補給(補充)を欠かすことができない(非特許文献1)。この点、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをサプリメント単体として摂取する場合、腸よりの吸収性は良好とはいえず、排せつされる分も多い。
和牛は外国牛に比べると脂肪にオレイン酸(不飽和脂肪酸)を多く含んでおり、オレイン酸には血中の善玉コレステロールを下げずに悪玉コレステロールだけを下げる作用がある。オレイン酸が多い脂肪の融点は低く、オレイン酸の割合の多寡が牛肉のおいしさを示す指標の一つになるといわれている。オレイン酸の割合は牛肉の部位によって異なるが和牛の未利用部位にも相応のオレイン酸などの栄養成分が含まれているが、通例、未利用部位は廃棄処分されることが多く十分に活用されていない実情にある。
ところで、乳を乳酸菌、酵素などで凝固させて得られる食品としてチーズが知られており、その種類も多い。ヨーロッパでは古くから各地でチーズがつくられ立地条件に応じて独特のチーズが生まれており(非特許文献2)、その一種として、原産国がノルウエーである山羊乳を用いたイエトスト[gjetost:山羊乳チーズ;「gjet(イエト)」は山羊、「ost(オスト)」はチーズの意味]が知られている。また、ナチュラルチーズ(natural cheese)の一種として、脱脂乳を用いて得られるカッテージチーズ(cottage cheese)も知られている。
このうち、イエトストは、例えば山羊乳と牛乳の乳清(ホエー)を加熱し煮詰めて作られ、30〜38%程の脂肪含有率を有しており、ホエーに含まれる乳糖が加熱工程で焦げるため茶褐色でキャラメルの様な風味があり甘く濃厚な食感を持つが、山羊乳を原料の一つとする場合は量産化が難しいとともに、変質しやすいため商品管理も難しい。
また、カッテージチーズは、脱脂乳を原料とし、酸もしくはレンネット(rennet;子牛の第四胃から抽出して得た凝乳酵素剤)でカゼイン(casein)を凝固させ熟成させないで食べる軟質チーズであり、水分を相当量(80%程度)含み保存性に欠ける。
カッテージチーズ様食品(カッテージチーズは、味は淡白でわずかな酸味があり軟質のチーズであり、このカッテージチーズに似た食味・食感を有する食品)として、原料に対して高収率を目的とし、液卵白に有機酸及びゲル化剤を添加した混合液を、加熱凝固処理した後破砕して得られるようにしたカッテージチーズ様食品が提案されている(特許文献1)。
特開2008−271868公報
東京新聞2010年7月12日第4面 東洋経済新報社発行に係る「牛乳・乳製品の実際知識(第6版)」第159〜174頁
本発明は、肉牛、例えば、和牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等の通例廃棄処分されることが多い未利用部位を活用し、未利用部位を原料とし加工処理することにより加齢に伴う老化防止の働きに寄与するコンドロイチン硫酸、コラーゲンを抽出して機能栄養成分を含む食品とし、肉牛の未利用部位に付加価値を付けることを可能とする食品が得られること、および、この機能栄養成分を含むイエトスト(チーズ)様の食品とすることにより保存性に優れかつサプリメント単体として摂取する場合に比べ吸収性が良好であり機能栄養成分を腸より効率よく吸収することを可能とする食品が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
したがって本発明の目的は、肉牛の未利用部位を原料として有効に活用し、加齢に伴う老化防止の働きを担う機能栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む食品の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、肉牛の未利用部位を原料として有効に活用し、加齢に伴う老化防止の働きを担う機能栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含むとともに、保存性に優れかつサプリメントに比べ吸収性が良好であり機能栄養成分として腸よりの吸収効率のよいイエトスト(チーズ)様の食品の製造方法を提供することにある。
本発明に係る、肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法は、次の第1の工程乃至第5の行程を含んで構成される。この製造方法によれば、加齢に伴う老化防止の働きを担う機能栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む食品が得られる。
(1)肉牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等から選ばれた未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともに分解酵素を投入して酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得る第1の工程。
(2)得られた溶解物をさらに分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得る第2の工程。
(3)得られた抽出液をさらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された精製抽出液を得る第3の工程。
(4)精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熱濃縮して殺菌・濃縮し溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮し濃縮液を得る第4の工程。
(5)濃縮液にデキストリン粉末/ラクトース粉末を添加し乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させた白色粉末状の機能栄養食品を得る第5の工程。
また、本発明に係る肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法は、次の第1の工程乃至第9の行程を含んで構成することもできる。この製造方法によれば、加齢に伴う老化防止の働きを担う機能栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含むとともに、保存性に優れ日常の食品として機能栄養成分を摂取することを可能とするイエトスト様の食品が得られる。
(1)肉牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等から選ばれた未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともに分解酵素を投入して酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得る第1の工程。
(2)得られた溶解物をさらに分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得る第2の工程。
(3)得られた抽出液をさらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された精製抽出液を得る第3の工程。
(4)精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熱濃鏥して殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した濃縮液を得る第4の工程。
(5)濃縮液にデキストリン粉末/ラクトース粉末を添加し乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させ白色粉末状の機能栄養食品を得る第5の工程。
(6)乳清を加熱・凝固し濃縮して濃縮乳清を得る第6の工程。
(7)得られた濃縮乳清に、乳糖と第1〜5の行程を経て得られる機能栄養食品の粉末を加え60〜90℃で14〜15時間攪拌する第7の工程。
(8)加熱し焦臭をつけ獣臭を消した牛脂をさらに加えて均一になるように混練して混練物を得る第8の工程。
(9)混練物を型詰めし10〜20℃にて120〜210日静置して熟成させイエトスト様食品を得る第9の工程。
上記構成を備えた本発明によれば、次の効果を奏する。
(1)肉牛の未利用部位を原料として有効に活用し、加齢に伴う老化防止の働き(機能)を担う栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む食品の製造方法が得られる。
(2)肉牛の未利用部位を原料として有効に活用し、加齢に伴う老化防止の働き(機能)を担う栄養成分であるコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含むとともに、保存性に優れ機能栄養成分を油脂成分と蛋白により担持させ日常の食品として機能栄養成分を腸より吸収摂取することを可能とするイエトスト様の食品の製造方法が得られる。
本発明に係る機能栄養成分を含む食品の製造方法を示し、第1の実施例の工程図である。 本発明に係る機能栄養成分を含む食品の製造方法を示し、第1の実施例のフロー図である。 本発明に係る機能栄養成分を含む食品の製造方法を示し、第2の実施例のフロー図である。 本発明に係る機能栄養成分を含む食品の製造方法を示し、第2の実施例のフロー・ダイアグラムである。
実施例の説明に先立ち本発明を総括的に説明する。
肉牛の未利用部位を原料として抽出して得たコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む機能栄養食品は、次の(1)〜(5)の処理を経ることにより得られる(図1、図2参照)。
(1)肉牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等から選ばれた未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともに分解酵素を投入して酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得た。
(2)得られた溶解物をさらに分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得た。
(3)得られた抽出液をさらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、黒ビール色(淡黄色)に脱色された精製抽出液を得た。
(4)精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熟濃縮して殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮したコーヒー色の濃縮液を得た。
(5)濃縮液にデキストリン粉末/ラクトース粉末を添加しスプレードライヤーで一瞬で乾燥させることにより、コンドロイテン硫酸、コラーゲンをデキストリン粉末/ラクトース粉末に吸着させ担持された白色粉末状の機能栄養食品を得た。
また、コンドロイチン硫酸、コラーゲンを含むチーズ様の機能栄養食品は、次の(1)〜(9)の処理を経ることにより得られる(図3、図4参照)。
(1)肉牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等から選ばれた未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともに分解酵素を投入して酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得た。
(2)得られた溶解物をさらに分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得た。
(3)得られた抽出液をさらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された精製抽出液を得た。
(4)精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熱濃縮して殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した濃縮液を得た。
(5)濃縮液にデキストリン粉末/ラクトース粉末を添加し乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させ白色粉末状の機能栄養食品を得た。
(6)乳清を加熱・凝固し濃縮して濃縮乳清を得た。
(7)得られた濃縮乳清に、乳糖と第1〜5の行程を経て得られる機能栄養食品の粉末を加え60〜90℃で焦がさないように14〜15時間攪拌し続けた。
(8)加熱し焦臭をつけ獣臭を消した牛脂をさらに加え生地が均一になるように混練して混練物を得た。
(9)混練物を型詰めし10〜20℃にて120〜210日静置して熟成させイエトスト様食品を得た。
肉牛の未利用部位は、例えば、斜軸ニーダ装置を用いて3〜5mm程度に粉砕し機能栄養成分の抽出効率を上げるとよい。
分解酵素として、例えば、パパインプロテアーゼ、ケラチナーゼを加えるとよいが、パパインプロテアーゼは肉質を柔らかくするために加え、また、ケラチナーゼは右巻き三重らせん構造しているコラーゲンの大きな分子を切断し整えるために加える。
溶解物を分離するためにデカンタを用いたが、デカンタは、デカンタろ過液と脂肪分を分離するのに有効に寄与する。
濃縮液の濃度は、Brix45度を越えると苦味が生じるため、濃縮液の濃度はBrix45度以下とすることが肝要である。
肉牛の未利用部位の加工途中で得られる生成物である濃縮液に含まれるコンドロイチン硫酸、コラーゲンは、デキストリン粉末、ラクトース粉末の糖に吸着させ担持させた状態で機能性栄養食品を構成する。
イエトスト様食品を製造するにあたり、乳清を加熱凝固させ濃縮してからコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む機能栄養食品の粉末と乳糖を加え60〜90℃で14〜15時間攪拌する。60℃未満では生地が固まらず、一方90℃は生地が焦げつくため、また14時間未満では生地に緻密性と粘性が出ないため、乳清を加熱凝固させ濃縮してからコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む機能栄養食品の粉末と乳糖を加える温度と時間は60〜90℃で14〜15時間とするとよい。
また、イエトスト様食品を製造するにあたり、混練物に食塩を投入して生臭さを取るようにしてもよく、牛脂とともに甘味を付けるために蜂蜜を加えてもよい。
また、イエトスト様食品を製造するにあたり、牛脂の量が全重量の15%を超えると味がくどくなり、5%より少なくなるとキャラメルの様な風味なくなるので加える牛脂の量は全重量の5〜15%とするとよい。
また、イエトスト様食品を製造する原料のひとつに乳糖を用いているが、乳糖の量は天然の牛乳糖の分布量に合わせて原料全体の10〜20%程度とするとよい。
さらに、イエトスト様食品では原料のひとつに乳糖を用いているが、乳糖に含まれるガラクトースの機能(神経細胞を構築する神経伝達物質のひとつで、天然で吸収性の高いガラクトースは乳のラクトースに最も多く含まれている)に着目し選定している。
以下は、本発明の実施例についての説明である。実施例1、2(実施例1、2は、段落番号0018にいう第1の実施例に該当)に機能栄養食品の製造方法を、実施例3〜5(実施例3〜5は、段落番号0018にいう第2の実施例に該当)にイエトスト(チーズ)様の機能栄養食品の製造方法を示す。
実施例1:
乳酸菌製剤などの生菌製剤(プロバイオティックス)無投与の和牛の未利用部位100kg(腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮の各部位20kgの計100kg)を斜軸ニーダ装置を用いて3〜5mm程度に粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともにパパインプロテアーゼ、ケラチナーゼ等の分解酵素を投入し軟骨分離装置にかけて回転遠心分離して軟骨を分離し、その後50℃で180分間ほど酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得た。得られた溶解物をさらに三相分離型のデカンタにかけて水溶性成分と脂肪分と固形分とに分離し、デカンタろ過液、脂肪分、残渣物に分離した。次に、デカンタろ過液に珪藻土を添加し、さらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された透明な精製抽出液を得た。次に、この精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析しペースト状で苦味がある純粋アミノ酸液を得た。さらに、この純粋アミノ酸液を減圧加熱濃縮装置にかけて90℃にて殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した調味料液ともなる濃縮液を得た。そしてさらに、この濃縮液にデキストリンを添加しスプレードライヤにて乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させた白色粉末状の機能栄養食品を得た。また、この白色粉末を打錠機にて高圧力で打錠することにより錠剤状に形成した機能栄養食品を得た。
実施例2:
乳酸菌製剤などの生菌製剤(プロバイオティックス)無投与の和牛の未利用部位120kg(アキレス、腱、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎の各20kgの計120kg)を実施例1と同様に斜軸ニーダ装置を用いて3〜5mm程度に粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともにパパインプロテアーゼ、ケラチナーゼ等の分解酵素を投入し軟骨分離装置にかけて回転遠心分離して軟骨を分離し、その後50℃で180分間ほど酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得た。得られた溶解物をさらに三相分離型のデカンタにかけて水溶性成分と脂肪分と固形分とに分離し、デカンタろ過液、脂肪分、残渣物に分離した。次に、デカンタろ過液に珪藻土を添加し、さらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された透明な精製抽出液を得た。次に、この精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析しペースト状で苦味がある純粋アミノ酸液を得た。さらに、この純粋アミノ酸液を減圧加熱濃縮装置にかけて90℃にて殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した調味料液ともなる濃縮液を得た。そしてさらに、この濃縮液にデキストリンを添加しスプレードライヤにて乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをラクトースの糖に吸着させ担持させた白色粉末状の機能栄養食品を得た。また、この白色粉末を打錠機にて打錠することにより錠剤状に形成した機能栄養食品を得た。
比較例1:
野生の猪の腱、筋肉、内蔵の各30kgの計90kgを実施例と同様に斜軸ニーダ装置を用いて3〜5mm程度に粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともにパパインプロテアーゼ、ケラチナーゼ等の分解酵素を投入し軟骨分離装置にかけて回転遠心分離して軟骨を分離し、その後50℃で180分間ほど酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得た。得られた溶解物をさらに三相分離型のデカンタにかけて水溶性成分と脂肪分と固形分とに分離し、デカンタろ過液、脂肪分、残渣物に分離した。次に、デカンタろ過液に珪藻土を添加し、さらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された透明な精製抽出液を得た。次に、この精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析しペースト状で苦味がある純粋アミノ酸液を得た。さらに、この純粋アミノ酸液を減圧加熱濃縮装置にかけて90℃にて殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した調味料液ともなる濃縮液を得た。そしてさらに、この濃縮液にデキストリンを添加しスプレードライヤにて乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをラクトースの糖に吸着させ担持させた白色粉末状の機能栄養食品を得た。また、この白色粉末を打錠機にて打錠することにより錠剤状に形成した機能栄養食品を得た。
実施例1、2並びに比較例1において得られた抽出収量100kg当たりの調味濃縮液と乾燥粉末(機能栄養食品)のそれぞれの抽出収量を表1に示す。
Figure 2013031415
実施例1、2では比較例1に比べ、調味濃縮液、乾燥粉末(機能栄養食品)とも抽出収量が多く、また調味濃縮液に対する乾燥粉末(機能栄養食品)の抽出収量も多い。実施例1と実施例2抽出収量を比較すると、実施例2の未利用部位からの抽出率の方が実施例1に比べ高い値を示した。
さらに、実施例1、2において得られた機能栄養食品の100g中の栄養成分(ムコ多糖、グリシン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸)の割合を表2に示す。
Figure 2013031415
上記のとおり、実施例1、実施例2とも比較例1に比べ機能栄養成分の抽出率が高いが、実施例1と実施例2で得られた粉末状の機能栄養食品を栄養成分を比較すると、ムコ多糖、グリシン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸のいずれにおいても、実施例1の方が実施例2に比べ高い値を示した(ムコ多糖は1.33倍、グリシンは結合分で1.17倍、遊離分で4倍、ヒドロキシプロリンは1.03倍、グルタミン酸は結合分で1.7倍、遊離分で6.7倍)。
実施例3〜5、比較例2,3:
乳清を加熱凝固させ濃縮してから実施例1のコンドロイチン硫酸、コラーゲンを含む機能栄養食品の粉末と乳糖を加え60〜90℃の弱火で焦げつかないようにかき混ぜながら14〜15時間攪拌し攪拌物を得た。この攪拌物に、軽く火を通して焦げ臭をつけた牛脂を加え均一に練り混練物を得た。この混練物を直方体のステンレス容器(200g〜4kg)に入れ室温10〜20℃に維持しながら120〜210日熟成させ濃いキャラメル色の引き締まった緻密な生地で粘性の高いイエトスト(チーズ)様食品を得た。
実施例3〜5、比較例2、3において加えた乳清、機能栄養食品、乳糖、牛脂の各分量を表3に示す。
Figure 2013031415
イエトスト(チーズ)様食品は、原料150kgから50〜60kg得られた。
また、イエトスト(チーズ)様食品の熟成期間は、ハード系チーズの熟成期間より短かった。
実施例3〜5で得られたイエトスト(チーズ)様食品は微生物の醗酵はないが油脂成分と蛋白がよくなじみ、室温で10ヶ月置いても風味が変わらず、また、かびの発生も認められなかった。

Claims (3)

  1. 次の第1の工程〜第5の行程を含んで構成される、肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法。
    (1)肉牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等から選ばれた未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともに分解酵素を投入して酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得る第1の工程。
    (2)得られた溶解物をさらに分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得る第2の工程。
    (3)得られた抽出液をさらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された精製抽出液を得る第3の工程。
    (4)精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熱濃縮して殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した濃縮液を得る第4の工程。
    (5)濃縮液にデキストリン粉末/ラクトース粉末を添加し乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させた白色粉末状の機能栄養食品を得る第5の工程。
  2. さらに、次の第6の工程〜第9の行程を含んで構成される、請求項1に記載の肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法。
    (1)乳清を加熱・凝固し濃縮して濃縮乳清を得る第6の工程。
    (2)得られた濃縮乳清に、乳糖と第1〜5の行程を経て得られる機能栄養食品の粉末を加え60〜90℃で14〜15時間攪拌する第7の工程。
    (3)加熱し焦臭をつけ獣臭を消した牛脂をさらに加えて均一になるように混練して混練物を得る第8の工程。
    (4)混練物を型詰めし10〜20℃にて120〜210日静置して熟成させイエトスト様食品を得る第9の工程。
  3. 次の第1の工程〜第9の行程を含んで構成される、肉牛の未利用部位を原料として抽出して得た機能栄養成分を含む食品の製造方法。
    (1)肉牛の腱、内蔵、骨、ソトヒラ、皮、アキレス、ゼラチン様部分、テール、肉くず、硬頚椎、筋肉等から選ばれた未利用部位を粉砕し、粉砕物を加水加熱するとともに分解酵素を投入して酵素分解し未利用部位を溶解した溶解物を得る第1の工程。
    (2)得られた溶解物をさらに分離機にかけて水溶性成分と脂肪分とに分離しろ過された抽出液を得る第2の工程。
    (3)得られた抽出液をさらにろ過フィルタを通過させてコンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド、アミノ酸を含み、脱色された精製抽出液を得る第3の工程。
    (4)精製抽出液を電気透析機にかけて電気透析し、さらに減圧下で加熱濃縮して殺菌・濃縮し、溶液中の固形分濃度がBrix45度となるまで濃縮した濃縮液を得る第4の工程。
    (5)濃縮液にデキストリン粉末/ラクトース粉末を添加し乾燥させることにより、コンドロイチン硫酸、コラーゲンをデキストリンの糖に吸着させ担持させ白色粉末状の機能栄養食品を得る第5の工程。
    (6)乳清を加熱・凝固し濃縮して濃縮乳清を得る第6の工程。
    (7)得られた濃縮乳清に、乳糖と第1〜5の行程を経て得られる機能栄養食品の粉末を加え60〜90℃で14〜15時間攪拌する第7の工程。
    (8)加熱し焦臭をつけ獣臭を消した牛脂をさらに加えて均一になるように混練して混練物を得る第8の工程。
    (9)混練物を型詰めし10〜20℃にて120〜210日静置して熟成させイエトスト様食品を得る第9の工程。
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