JP3850631B2 - ディスク装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD、DVD、光磁気ディスクなどの各種ディスクが供給されるディスク装置に係り、特にディスクをターンテーブル上に位置決めできる位置決め部材が設けられたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来のディスク装置を示す断面図である。
【0003】
このディスク装置では、駆動ベース121にスピンドルモータ122が設けられ、その回転軸123が駆動ベース121の上方へ突出し、回転軸123にターンテーブル124が固定されている。前記駆動ベース121に対向するクランプベース125には開口部125aが形成されている。この開口部125aに上方からクランパ126が挿入され、クランパ126の上端に形成されたフランジ126aが前記クランプベース125の上面に支持されている。またクランプベース125には板ばねなどの弾性部材127が設けられ、この弾性部材127により前記クランパ126がターンテーブル124の方向へ付勢されている。
【0004】
図12に示すように、両ベース121と125が互いに離れている状態で、ターンテーブル124とクランパ126との間にディスクDを挿入できる間隔H0の隙間が形成される。前記隙間内にディスクDが挿入され、ディスク中心穴D1がターンテーブル124上に位置決めされると、クランプベース125が下降し、ディスクDの中心穴D1がターンテーブル124に嵌合してディスクDがクランプされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この種のディスク装置では、移送ローラの移送力により前記ターンテーブル124とクランパ126との間にディスクDが移送される。このとき移送されてきたディスクの中心穴D1がターンテーブル124に一致するように、ディスクDの位置決めを行う必要がある。この位置決めの一般的な構造は、ディスクDの移送方向の前方に位置決め部材が設けられ、前記ディスクDの移送方向の先端が前記位置決め部材に当たったときに、前記中心穴D1がターンテーブル124に一致できるようにしている。
【0006】
この位置決め手段では、前記ディスクの中心穴D1がターンテーブル124に一致したときに、前記位置決め部材がディスクDの縁部に当たっているため、そのままターンテーブル124でディスクを駆動すると、ディスクDと位置決め部材とが摺動することになる。そこで、ディスクDがターンテーブル124上にクランプされたときに、前記位置決め部材をディスクから離して退避させることが好ましい。
【0007】
しかし、前記位置決め部材をディスクDから退避させる動作は、ディスクのクランプ完了とタイミングを合わせることが必要であるため、位置決め部材を退避させるためには、タイミングを設定できる複雑な機構が必要になる。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、位置決め部材でディスクを位置決めした後にディスククランプにタイミングを合わせて位置決め部材を退避させることができ、しかも機構を複雑にすることなく前記退避動作を可能としたディスク装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、小径ディスクまたは大径ディスクの中心部を支持して回転駆動するターンテーブルと、小径のディスクと大径のディスクのいずれであっても前記ターンテーブルへ送ることが可能な移送手段と、小径ディスクが移送されたときにこの小径ディスクの縁部当たって小径ディスク前記ターンテーブルに位置決めされる位置決め部材と、
前記位置決め部材を小径ディスクの縁部が当たる位置で拘束し、大径ディスクが供給されたときには、前記位置決め部材の拘束を解除して大径ディスクの移送を可能とするロック部材と、大径ディスクの挿入力を受けて前記ロック部材を前記拘束を解除する方向へ動作させる種別検知部材と、
前記ターンテーブルへ小径ディスクまたは大径ディスクをクランプするクランパと、前記クランパをクランプ状態に設定するクランプ駆動部材とが設けられ、
前記ロック部材で拘束されている前記位置決め部材で小径のディスクが位置決めされた後に、前記クランプ駆動部材によって前記クランパがクランプ方向へ移動させられ、このときの前記クランプ駆動部材の移動力が、前記種別検知部材を介して前記ロック部材に伝達され、前記ロック部材に設けられた退避駆動部によって、前記位置決め部材が小径ディスクから離されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、移送されたディスクが位置決め部材で位置決めされるが、ディスクがクランパでクランプされる際に、このクランパを動作させるクランプ駆動部材の移動力により前記位置決め部材がディスクから離れて退避位置へ移動する。よって、ディスククランプと位置決め部材の退避動作とをタイミングを合わせて設定できる。またクランプ駆動部材の移動力を利用して位置決め部材を退避させているため、位置決め部材を退避させるための動力伝達機構も簡単になる。
【0012】
この場合、好ましくは、前記ロック部材には、前記位置決め部材を拘束する拘束部と前記位置決め部材を退避させる退避駆動部とが連続して形成されている。
【0013】
上記のように位置決め部材を小径ディスクの位置決め位置で拘束するロック部材を用い、クランプ駆動部材でこのロック部材を動作させて、位置決め部材を退避させているため、退避のための別個のレバーなどを設けることが不要である。
【0016】
クラン駆動部材の移動力が種別検知部材を介してロック部材に伝達されることにより、種別検知部材およびロック部材とで構成される種別検知手段を利用して位置決め部材を退避位置へ移動させることができる。
【0017】
また、前記クランプ駆動部材は、クランパを支持するベースのベース面に沿って移動し、その移動力でクランパをターンテーブルの方向へ押圧するものであり、前記ロック部材は前記クランプ駆動部材と共に前記ベース面上に設けられているものとして構成できる。
【0018】
クランプ駆動部材がベース面に沿って移動するものであり、ロック部材なども同様にベース面に配置されているものであると、ベース表面の構造を薄型化できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態として薄型のディスク装置の分解斜視図、図2は小径ディスクが挿入され位置決めされる直前の状態を示す平面図、図3は小径ディスクが位置決めされた状態を示す部分平面図、図4は大径ディスクが移送される途中の状態を示す平面図、図5は大径ディスクが位置決めされた状態を示す部分平面図、図6はディスク挿入待機状態での下部ベース側の機構を示す平面図、図7はその一部を示す平面図、図8はディスク装着完了時の下部ベース側の機構を示す平面図、図9(A)(B)はディスククランプ動作を説明する図1のIX矢視の側面図、図10はディスククランプ手段のクランプ完了時の状態を示す平面図、図11(A)(B)はディスクのクランプ動作を示す部分断面図である。
【0020】
図1および図9に示すように、このディスク装置は駆動ベースとなる下部ベース1と、クランプベースとなる上部ベース(可動ベース)2とが上下に重なり合って組み立てられ、前記下部ベース1と上部ベース2との間に、Y1へ向けてディスクが挿入される。図6と図8に示すように、前記下部ベース1と上部ベース2とが組み合わされた機構ユニットがシャーシ3内に設置される。下部ベース1とシャーシ3との間には、弾性支持手段4が設けられている。この弾性支持手段4では、前記シャーシ3の底面上にオイルまたはエアーが収納されたゴム袋のダンパー4aが固定され、前記下部ベース1の下面に固定された支持軸4bが前記ダンパー4a内に弾性支持されている。
【0021】
このディスク装置は車載用などに適しており、ディスクの記録または再生を行っているときには、下部ベース1と上部ベース2とが組み合わされた機構ユニットが前記シャーシ3上で弾性支持状態になる。ただし、前記機構ユニット内にディスクが挿入されるときおよびディスクが排出されるときには、後に説明するロック手段110により、シャーシ3上で下部ベース1がロック状態となる。
【0022】
前記下部ベース1、上部ベース2およびシャーシ3が組み合わされたディスク装置はX方向の幅寸法とY方向の奥行き寸法が、いわゆる1DINサイズ内に収納可能であり、Z方向の高さ寸法は、1DINサイズの半分以下である。例えば自動車のダッシュボードやインストルメントパネルなどに埋設されて設置される場合、1DINのスペース内に前記ディスク装置と、他の装置例えばMD装置、ラジオチューナ、表示部材の収納装置などが重ねて設置可能になっている。
【0023】
このディスク装置には、例えば直径が8cmの小径ディスクDSと、例えば直径が15cmの大径ディスDLの双方を挿入可能である。前記各ディスクDSおよびDLは、CD、DVD、CD−ROM、CD−RAM、光磁気ディスクなどである。
【0024】
図11(A)(B)に示すように、前記下部ベース1の中央部にはディスク駆動手段5が向けられている。このディスク駆動手段5では、前記下部ベース1の下面にスピンドルモータ6が固定されており、その回転軸6aが下部ベース1の上面に突出し、この回転軸6aにターンテーブル7が固定されている。前記ターンテーブル7には、ディスクの下面を位置決めする受けフランジ7aと、周囲にテーパ案内面が形成された案内ハブ7bとが設けられている。また前記下部ベース1には、前記ターンテーブル7に設置されたディスクからのデータを再生するまたは記録する光ヘッド(図示せず)が設けられている。
【0025】
(ディスククランプ手段の構造)
前記ディスク駆動手段5の上方に対向する部分では、前記上部ベース2にディスククランプ手段10が設けられている。図1、図10および図11(A)(B)に示すように、このディスククランプ手段10は、上部ベース2に形成された開口部2a内に設置されている。この開口部2aの周囲2箇所には支持穴2b,2bが形成されている。前記上部ベース2の上面で且つ前記開口部2aの周囲にはクランプ駆動部材13が設けられている。このクランプ駆動部材13は、薄い金属板で形成されたものであり、複数箇所に折曲片13a,13aが一体に折り曲げ形成されている。前記上部ベース2にはX方向に延びるスリット2c,2cが複数箇所に形成され、前記折曲片13a,13aが前記スリット2c,2c内に挿入されて、前記クランプ駆動部材13はX方向へ摺動自在に支持されている。
【0026】
図1に示すように、クランパ支持体11は薄い金属板でリング状に形成されたものであり、その2箇所には上方に向けて軸12,12が固定されている。クランパ支持体11は、上部ベース2の開口部2a内に下から装着され、このとき軸12,12が、開口部2aの周囲に形成された支持穴2b,2bへ下から挿入される。その結果、図10に示すように、前記クランパ支持体11は、上部ベース2の開口部2a内に位置し、且つ前記クランプ駆動部材13の下側に設置される。そして、前記クランパ支持体11は、前記軸12,12と支持穴2b,2bとの挿通により上下方向(Z方向)へ昇降動作自在である。
【0027】
前記クランパ支持体11には中心穴11aが開口している。また、X2側に隆起部が形成されて、この隆起部に雌ねじ穴11bが形成され、X1側には上方へ折り曲げられたフック形状の一対の係止突起11c,11cが設けられている。
【0028】
クランパ14は合成樹脂製であり、ディスク押圧部14aの上部周囲には支持フランジ14bが一体に形成されている。前記ディスク押圧部14aの下面には、前記ターンテーブル7の案内ハブ7bに対向する逃げ凹部14cが形成され、クランパ14の中心の上面にはピボット14dが一体に形成されている。このクランパ14は、上部ベース2の開口部2a内に設置された前記クランパ支持体11の上に載せられる。すなわち、図11(A)に示すように、前記クランパ14のディスク押圧部14aが前記クランパ支持体11の中心穴11a内に挿入され、前記支持フランジ14bがクランパ支持体11の中心穴11aの周囲部の上面に乗せられる。
【0029】
そして、前記開口部2a内に位置する前記クランパ支持体11と前記クランパ14が、支え体15により支えられる。この支え体15は全体がばね性ステンレス板、燐青銅板などの板ばね材料で形成されている。支え体15のX2側の端部には取付片15aが設けられ、他方のX1側の端部には一対の係止片15b,15bが折り曲げ形成されている。Y方向の両側では、互いに逆の方向で且つ下方向に延びる第1の弾性部材となる第1の弾性腕15c,15cが一体に形成されている。また支え体15の中心部分には、下向きに折り曲げられた第2の弾性部材となる第2の弾性腕15dが一体に形成されている。
【0030】
前記のように、クランパ支持体11がクランプ駆動部材13の下に設置され、クランパ支持体11の上にクランパ14が設置された後に、上部ベース2の上方から前記支え体15が設置される。そして、前記係止片15b,15bが前記係止突起11c,11cの下側に掛止された状態で、前記取付片15aに挿入されたねじ15eが雌ねじ穴11bに螺着される。
【0031】
これにより、前記クランパ支持体11と前記支え体15は、両部材間にクランパ14を挟んだ状態で一体に固定されるが、このとき、前記第1の弾性腕15c,15cが、撓んだ状態で上部ベース2上の支持面2d,2e上に当たるため、前記支え体15およびこれに固定されているクランパ支持体11に上向きの付勢力が与えられて、前記クランパ支持体11のY1とY2側の側部上面が、前記クランプ駆動部材13の下面に密着させられる。同時に第2の弾性腕15dが、前記クランパ14の中心上面の前記ピボット14dに当たり、クランパ14に下向きの付勢力が与えられ、クランパ14の支持フランジ14bが、前記クランパ支持体11の中心穴11aの周囲部分に上方から密着させられる。
【0032】
図1と図10、図11に示すように、前記クランパ支持体11には、X1方向の端部に上方への隆起部11dが一体に形成されており、X方向の中間部で且つY1側とY2側の側部には、一対の逃げ穴11e,11eが形成されている。
【0033】
一方、前記クランプ駆動部材13にはX1側の端部に第1の押圧部13bが下方向(Z2方向)へ向けて折り曲げられており、またY1側とY2側の側部には一対の第2の押圧部13c,13cが下向きに折り曲げられている。
【0034】
図11(A)では、クランプ駆動部材13がX1方向へ移動し、第1の押圧部13bが、クランパ支持体11の隆起部11dから離れ、第2の押圧部13c,13cがクランパ支持体11の逃げ穴11e,11e内に位置している。このとき、支え体15およびクランパ支持体11は第1の弾性腕15c,15cによって持ち上げられており、クランパ支持体11はクランプ駆動部材13の下面に密着している。
【0035】
図11(B)は、後に説明する昇降切換え手段により上部ベース2が下部ベース1の方向へ下降した状態を示している。この下降動作によりクランパ14とターンテーブル7とでディスクの中心部が挟持される。さらにクランプ駆動部材13がX2方向へ移動すると、前記クランプ駆動部材13の第1の押圧部13bがクランパ支持体11の隆起部11dに乗り上がり、第2の押圧部13c,13cがクランパ支持体11の逃げ穴11e,11eから外れてクランパ支持体11の上に乗り上がる(図10参照)。よって、クランパ支持体11はターンテーブル7の方向へ押し下げられる。よって、クランパ支持体11がクランパ14から下方へ離れ、支え体15の第2の弾性腕15dの加圧力がクランパ14に作用し、ターンテーブル7とクランパ14とで、ディスクが弾性的に挟持されるようになる。
【0036】
図1に示すように、機構ユニットのX1側の側部には、前記クランプ駆動部材13をX1−X2方向へ移動させるクランプ切換え手段が設けられている。このクランプ切換え手段は、上部ベース2に取付けられた方向変換アーム16、および前記下部ベース1と上部ベース2との間に取付けられた連動アーム17とから構成されている。
【0037】
前記方向変換アーム16は金属板でL字形状に形成されたものであり、軸18により前記上部ベース2上で水平方向へ回動できるように支持されている。また方向変換アーム16と上部ベース2との間には、引張りスプリングが掛けられ、前記方向変換アーム16は常に反時計方向へ付勢されている。前記方向変換アーム16の一方の腕の先端は、連結ピン21によって前記クランプ駆動部材13に連結されている。また方向変換アーム16の他方の腕は、上部ベース2のX1側の縁部に臨み、下方向へ折り曲げられている。そしてこの他方の腕の端部には連結溝16aが形成されている。
【0038】
図1および図9に示すように、上部ベース2のX1側の側部には下方向へ折り曲げられた側板2fが設けられ、この側板2fには支持軸22が固定されている。前記連動アーム17はほぼ三角形状であり、その下部には支持穴17aが開口し、この支持穴17aが前記支持軸22に挿通されることにより、前記連動アーム17は上部ベース2の前記側板2fに回動自在に支持されている。
【0039】
前記連動アーム17には、X2方向に延びる連結ピン23と連動ピン24が固定されている。前記連結ピン23は、前記方向変換アーム16に形成された連結溝16a内に挿入されている。また前記下部ベース1のX1側には側板1aが上向きに折り曲げられている。この側板1aにはY方向が長手方向となる連動長穴1bが開口しており、前記連動ピン24は前記連動長穴1b内に挿入されている。
【0040】
図9(A)に示すように、上部ベース2が下部ベース1に対してZ1方向へ上昇し、下部ベース1と上部ベース2とが離れているときには、連動アーム17が図9において反時計方向へ回動している。このとき方向変換アーム16が水平面で時計方向へ回動し、図2に示すように、方向変換アーム16に連結されている前記クランプ駆動部材13がX1方向へ移動させられる。図9(B)に示すように、上部ベース2がZ2方向へ下降して上部ベース2が下部ベース1に接近すると、前記連動アーム17が時計方向へ回動し、図10において方向変換アーム16が反時計方向へ回動させられる。その結果、クランプ駆動部材13がX2方向へ移動させられ、前記のクランプ動作が行われる。
【0041】
(ディスク移送手段および位置決め手段の構造)
図1と図9に示すように、前記上部ベース2のY2側前部で且つX方向の両側部には、下方向へ直角に折り曲げられた小側板2g,2gが設けられ、それぞれの小側板2g,2gに互いに同軸上に位置する支持穴2h,2hが形成されている。前記上部ベース2の前部下側にはローラ支持部材25が設けられている。このローラ支持部材25は金属板で形成され、X方向の両側部には側片25a,25aが上方へ直角に折り曲げられている。
【0042】
前記側片25a,25aの外面には支持軸26,26が突出しており、前記小側板2g,2gに形成された支持穴2h,2hに回動自在に支持されている。前記ローラ支持部材25と下部ベース1との間には引張りスプリング27が掛けられており、前記ローラ支持部材25は図9(A)に示すように常に時計方向へ付勢されている。前記ローラ支持部材25の前記側片25aと側片25aとの間の底面はガイド面25bとなっており、このガイド面25bと前記上部ベース2との間にディスクの挿入・排出口28が形成されている。またローラ支持部材25のY2側前端の下面には突起29が設けられている。この突起29は前記ローラ支持部材25の下面にピンが固定されることで形成されている。
【0043】
前記ローラ支持部材25のX方向の両側部では、Y1方向の後方へ延びる支持片25c,25cが互いに平行に設けられている。移送ローラ31を支持するローラ軸32の両端は、前記支持片25c,25cに回動自在に支持されている。ローラ軸32の一方の端部には、前記支持片25cの外側において歯車(図示せず)が固定されており、図6に示す下部ベース1に設けられたモータ81の動力が前記ローラ軸32に伝達されて、前記ローラ軸32および移送ローラ31が正逆両方向へ回転駆動される。また前記上部ベース2の下面には、前記移送ローラ31に対向する対向パッド33が固定されている。この対向パッド33は、合成樹脂などの低摩擦材料で形成されている。
【0044】
図9(A)に示すように、上部ベース2が下部ベース1から上方へ離れている状態では、前記引張りコイルスプリング27の引張り力により前記ローラ支持部材25が時計方向へ回動している。このとき移送ローラ31には前記対向パッド33方向へ圧接する付勢力が作用する。また、ローラ支持部材25のY2側端部が下方向へ回動し、前記ガイド面25bはY2方向へ向けて下向きに傾斜し、前記挿入・排出口28が大きく開かれる。この状態で前記挿入・排出口28からディスクが挿入されると、このディスクは前記移送ローラ31と対向パッド33との間で挟まれ、移送ローラ31の回転力でY1へ移送される。また移送ローラ31が逆方向へ回転すると、ディスクは挿入・排出口28からY2方向へ排出される。
【0045】
図9(B)に示すように、上部ベース2が下部ベース1と接近する方向へ下降すると、前記突起29が下部ベース1上に設けられた回動部材101(図6参照)の上面に当たるために、上部ベース2の下降動作に追従してローラ支持部材25が反時計方向へ回動させられる。その結果、移送ローラ31が対向パッド33から離れる方向へ下降し且つディスクDから離れる。またY2方向前端では、ローラ支持部材25のガイド面25bと上部ベース2との間の隙間である前記挿入・排出口28が狭くなる。
【0046】
このディスク装置では、前記移送ローラ31によって、小径ディスクDSと大径ディスクDLのいずれか一方が搬送されて、下部ベース1と上部ベース2との間に移送されていく。ただし、下部ベース1上には図11に示すターンテーブル7が1個だけ設けられ、このターンテーブル7で前記2種類の径のディスクの双方を駆動可能となっている。よって、上部ベース2には、前記大径ディスクDLと小径ディスクDSの双方の中心部を前記ターンテーブル7上に位置決めするためのディスク位置決め手段40が設けられている。
【0047】
図1および図2に示すように、上部ベース2の上面での装置奥側(Y1側)では、一対の位置決めアーム41と43がそれぞれ支持軸42と44により水平方向へ回動自在に支持されている。位置決めアーム41には部分歯車41aが形成され、位置決めアーム43には部分歯車43aが形成され、両部分歯車41aと43aが互いに噛み合っている。この部分歯車どうしの噛み合いにより、両位置決めアーム41と43は同時に且つ逆方向へ回動する。
【0048】
前記位置決めアーム41のアーム先端には、位置決め部材として下方に延びる位置決め突起47が設けられ、位置決めアーム43のアーム先端にも、位置決め部材として下方に延びる位置決め突起48が設けられている。それぞれの位置決め突起47と48は、軸部材が位置決めアーム41と43に固定されることで形成されている。上部ベース2には前記支持軸42と44を中心とする円弧軌跡に沿う円弧スリット2i,2iが形成されており、前記位置決め突起47と48は、前記円弧スリット2i,2iから上部ベース2の下向へ延びている。
【0049】
一方の位置決めアーム41と上部ベース2上のピン45との間には反転ばね46が掛けられている。図1および図2の状態では、各位置決め突起47,48がY2方向へ移動して安定するように、前記反転ばね46から位置決めアーム41に付勢力が与えられている。図5に示すように、移送される大径ディスクDLにより前記位置決め突起47と48がY1方向へ押されて各位置決めアーム41と43が回動すると、前記反転ばね46の付勢力の方向が反転し、各位置決め突起47と48がY1方向へ移動して安定するように、位置決めアーム41に対して付勢力が与えられる。
【0050】
また、上部ベース2のY1側の縁部には、前記上部ベース2を形成する金属板の一部を折り曲げて形成された一対の位置決め部材49,49が設けられており、この位置決め部材49,49は上部ベース2の下面から下へ延びている。大径ディスクDLが挿入されたときには、前記位置決め部材49,49にディスクDLが当たることで、ディスクDLが位置決めされる。なお、前記位置決め部材49,49は、前記上部ベース2と別体に形成されたものをねじなどで固定したものであってもよい。
【0051】
図1および図2に示すように、上部ベース2の上面のX2側には、種別検知部材51が支持軸52により回動自在に支持されている。この種別検知部材51は金属板で形成されたアーム状である。この種別検知部材51と上部ベース2との間には引張りスプリング53が掛けられており、この引張りスプリング53の引張り力により、種別検知部材51は時計方向へ付勢されている。
【0052】
前記種別検知部材51のY2側先端部には、下向きに延びる検知突起54が設けられている。この検知突起54は、前記検知部材51の下面に軸を固定することで形成されている。上部ベース2の前部には、前記支持軸52を中心とする円弧軌跡に沿う円弧スリット2jが形成されており、前記検知突起54は前記円弧スリット2jを経て上部ベース2の下方へ突出している。
【0053】
上部ベース2の上面の装置奥側(Y1側)には位置決めロック部材55が設けられている。この位置決めロック部材55にはガイドピン56,56が固定され、このガイドピン56,56は、上部ベース2にX方向に向けて形成されたガイドスリット2k,2k内に挿入されている。よって位置決めロック部材55はX方向へ直線的に摺動自在であり、また前記種別検知部材51と連結ピン57によって連結されている。
【0054】
前記位置決めロック部材55には、前記位置決めアーム43に固定された位置決め突起48が入り込む溝が形成されている。この溝は、X方向に延びる拘束部55aと、この拘束部55aに連続し且つX1方向へ向うにしたがってY1方向へ傾斜する退避駆動部55bとを形成している。
【0055】
前記種別検知部材51のX1側の側部には、X2方向に向うにしたがってY2方向へ変位する付勢溝51aが形成されている。前記クランプ駆動部材13のX2側の端部には、拘束ピン58が設けられており、クランプ駆動部部材13がX2方向へ移動すると、前記拘束ピン58が前記付勢溝51a内に入り込むようになる。
【0056】
(ディスク装填検知手段の構造)
図1、図2および図3に示すように、上部ベース2の下面で且つディスク挿入方向奥側(Y1側)にはディスク装填検知手段60が設けられている。このディスク装填検知手段60には検知部材61が設けられている。この検知部材61はアーム状であり、先端には検知突起61aが一体に形成されている。図2に示すようにディスクの挿入を待機している状態では、前記検知突起61aが前記一対の位置決め突起47と48の間に位置し、前記移送ローラ31の移送力で小径ディスクDSが送り込まれてきたときに、前記小径ディスクDSの挿入方向の縁部が前記検知突起61aに当たるようになっている。
【0057】
前記検知部材61の基端部には連結ピン61bが一体に形成されている。また前記検知突起61aと前記連結ピン61bとの中間にはカム穴61cが形成されている。前記一方の位置決めアーム41に設けられた前記位置決め突起47は前記カム穴61c内に摺動自在に挿入されている。すなわち前記位置決め突起47は、上部ベース2に形成された円弧スリット2iおよび前記カム穴61cを通過してさらに下方に延びている。また、前記連結ピン61bとカム穴61cとの間には変動ピン61dが一体に形成されている。前記上部ベース2には、小さな円弧状の移動穴2mと2nが連続して形成されており、前記変動ピン61dは、上部ベース2の下側から前記移動穴2mと2n内に挿入されている。
【0058】
また、前記上部ベース2の上面には始動部材62が支持軸63により回動自在に支持されている。前記始動部材62の一方の端部には連結溝62aが形成され、前記検知部材61の連結ピン61bが前記連結溝62a内に挿入されている。前記始動部材62と上部ベース2との間には引張りスプリング64が掛けられており、この引張りスプリング64により始動部材62は反時計方向へ付勢されている。よって、前記検知部材61には、前記引張りスプリング64の付勢力が間接的に与えられ、検知部材61は時計方向へ付勢されている。
【0059】
図2に示すディスクの挿入待機状態では、前記位置決め突起47がY2方向へ移動して反転ばね46で安定させられているが、このとき前記位置決め突起47は、検知部材61のカム穴61cのX1側の端部61c1に移動している。このとき前記引張りスプリング64の付勢力を受けている検知部材61は、前記位置決め突起47を支点として時計方向へ回動するように付勢されている。上部ベース2に形成された移動穴2mは図2の位置にある位置決め突起47を中心とする円弧状であり、変動ピン61dは移動穴2mのX1側の端部に位置している。
【0060】
図3に示すように、小径ディスクDSがY1方向へ搬送されて、ディスクDSが前記位置決め突起47と48に当たって位置決めされるときに、ディスクDSが検知突起61aをY1方向へ押し、図3に示すように、変動ピン61dが移動穴2m内を移動する範囲で、前記検知部材61が位置決め突起47を支点として反時計方向(CCW)へ回動させられる。その結果、始動部材62は支持軸63を中心として時計方向へ(CW)方向へ回動させられる。
【0061】
大径ディスクDLが搬送されてくると、図5に示すように、位置決め突起47と48がディスクDLに押されてY1方向へ移動し、位置決めアーム41と43はそれぞれ支持軸42と44を中心として互いに逆方向へ回動する。前記位置決め突起47が検知部材61のカム穴61c内を摺動することで検知部材61が反時計方向へ回動させられる。このとき、最初は連結ピン61bを支点として検知部材61が反時計方向(CCW)へ回動し、変動ピン61dが移動穴2n内をY1方向の終端まで移動する。その後に検知部材61は前記終端へ移動した変動ピン61dを支点としてさらに反時計方向(CCW)へ回動し、このとき始動部材62が支持軸63を中心として時計方向(CW)へ回動させられる。
【0062】
このように、小径ディスクDSが搬送されて位置決めが完了したとき、および大径ディスクDLが搬送されて位置決めが完了したときのいずれにおいても前記始動部材62が時計方向へ回動させられる。
【0063】
(始動伝達手段の構造)
図1と図2に示すように、前記始動部材62の端部は、上部ベース2のX1側の側部に形成された切欠き2p内を経て上部ベース2の下側へ延びている。そして前記始動部材62の先端には下方へ延びる始動ピン65が固定されている。この始動ピン65は下部ベース1の下面まで延びている。前記始動部材62と、前記下部ベース1の下面に設けられた機構とで始動伝達手段70が形成されている。
【0064】
図6、図7および図8は、下部ベース1側において前記始動伝達手段70を構成している機構を示している。なお前記各機構は下部ベース1の下面に配置されているものであるが、図6と図8では、各部材をいずれも実線で示している。
【0065】
図6に示すように、下部ベース1の下面では、第1の伝達部材71と第2の伝達部材72が共通の支持軸73に回動自在に支持されている。第1の伝達部材71には前記支持軸73を中心とした円弧状の連結穴71aが形成され、第2の伝達部材72には前記連結穴71a内に挿入される連結片72aが折り曲げ形成されている。第1の伝達部材71にはばね掛け片71bが、第2の伝達部材72にはばね掛け片72bが形成され、両ばね掛け片71bと72bとの間に連結ばね74が掛けられている。この連結ばね74は引張りコイルスプリングであり、その付勢力により第1の伝達部材71に対して第2の伝達部材72が時計方向へ引かれており、前記連結片72aが前記連結穴71aの図示左側の縁部に当たることにより両伝達部材71と72は一体に動作できるようになっている。
【0066】
ただし、図7に示すように、例えば第1の伝達部材71が拘束されているときに、第2の伝達部材72を反時計方向(CCW)へ回動させる力が作用したとき、前記連結ばね74が伸びることで、第1の伝達部材71と第2の伝達部材72の互いに逆方向への回動を許容することができる。
【0067】
第1の伝達部材71には連結溝71cが形成されており、前記始動部材62から下方へ延びる前記始動ピン65は前記連結溝71cに挿入されている。
【0068】
下部ベース1の下面には第3の伝達部材76が支持軸77により回動自在に支持されている。前記第3の伝達部材76は3つの腕を有する回動アームであり、1つの腕の端部に設けられた連結ピン78は、前記第2の伝達部材72の連結溝72cに挿入されて連結されている。他の1つの腕の先端には、図8に示すラック94を押圧する始動押圧部76aが形成されている。他の腕の先端には、規制突起79が設けられている。この規制突起79は前記第3の伝達部材76にピンを固定することにより形成されている。
【0069】
図6に示すように、下部ベース1の下面には駆動手段80が設けられている。この駆動手段80は、動力源であるモータ81と、このモータ81の出力軸に設けられたウォーム歯車82と、このウォーム歯車82の動力を伝達する減速歯車列83とを有している。そして下部ベース1の下面には大径の第1の駆動歯車84と小径の第2の駆動歯車85が一体に設けられており、この一体化された両歯車が支持軸86に回転自在に支持されている。前記減速歯車列83からの動力は前記第1の駆動歯車84に伝達され、第1の駆動歯車84と第2の駆動歯車85が一緒に回転駆動される。
【0070】
ディスクの挿入待機状態からディスクが挿入されたことが検知されると、モータ81が始動して、前記第1の駆動歯車84と第2の駆動歯車85が反時計方向(CCW)へ一定の回転数で回転させられ、これはディスクがターンテーブル7上に設置されるまで継続する。ディスクを排出するときには、前記と逆に第1の駆動歯車84と第2の駆動歯車85が時計方向(CW)へ一定の回転数で回転させられる。
【0071】
図示省略するが、前記第1の駆動歯車84の回転動力は伝達歯車群を介して、前記移送ローラ31のローラ軸32に固定された歯車に伝達される。よって、前記第1の駆動歯車84が反時計方向へ回転し続ける間、移送ローラ31は反時計方向すなわちディスクを装置内へ送り込む方向へ回転し続ける。逆に第1の駆動歯車84が時計方向へ回転し続ける間、前記移送ローラ31は時計方向すなわちディスクに排出力を与える方向へ回転し続ける。
【0072】
下部ベース1の下面には、前記始動伝達手段70からの始動伝達力を受けたときのタイミングによって、前記駆動手段80で始動させられる切換え手段90が設けられている。
【0073】
前記切換え手段90には切換え伝達部材91が設けられている。この切換え伝達部材91には複数箇所にガイド軸92が設けられ、下部ベース1にX方向へ直線的に形成された長穴1c内に前記ガイド軸92が挿入されて、前記切換え伝達部材91がX方向へ直線的に移動自在に設けられている。前記切換え伝達部材91上には一対のピン93,93が固定されている。前記切換え伝達部材91上にはラック94が設けられ、このラック94に形成されたX方向へ延びる差動長穴94a,94aが前記ピン93,93に摺動自在に挿通されている。よって、前記ラック94は前記切換え伝達部材91上において前記差動長穴94aの長さ範囲内でX方向へ移動可能である。前記ラック94のX2側の端面と、切換え伝達部材91上の突出片91aとの間には押圧ばね95が介装されており、この押圧ばね95により、前記ラック94は切換え伝達部材91上でX1方向へ押されている。
【0074】
前記切換え伝達部材91には、Y1方向に延びる拘束アーム91bが一体に設けられており、その縁部は前記第3の伝達部材76に設けられた規制突起79に対向している。そして前記拘束アーム91bのX1側先端のY1側縁部が拘束部91cとなっている。
【0075】
前記切換え伝達部材91と前記下部ベース1との間には反転ばね97が掛けられている。図6では前記反転ばね97によって前記切換え伝達部材91に対してX1方向への付勢力が与えられて切換え伝達部材91は図6に示す位置で安定している。前記第3の伝達部材76の始動押圧部76aによって、ラック94がX2方向へ押されると、ラック94と前記第2の駆動歯車85が噛み合って、ラック94および切換え伝達部材91がX2方向へ駆動される。この移動が完了すると、図8に示すように反転ばね97の付勢方向が反転し、切換え伝達部材91にX2方向の付勢力が与えられて切換え伝達部材91が図8の位置で安定する。
【0076】
図6に示すように、下部ベース1の前部上面には回動部材101が支持軸102により回動自在に支持されている。この回動部材101には前記支持軸102を中心とするピッチ円を有する部分歯車101aが形成されている。下部ベース1の上面の前記回動部材101に隣接する位置には反転歯車103が支持軸104により回転自在に支持されており、この反転歯車103は前記部分歯車101aに噛み合っている。
【0077】
前記切換え伝達部材91のY2側の側部には、切換えラック98が設けられている。この切換えラック98は下部ベース1の上面に臨んでおり、前記反転歯車103と噛み合っている。図6に示すように、前記切換え伝達部材91がX1側へ移動していると、その移動力が切換えラック98から前記反転歯車103を介して前記回動部材101に伝達され、回動部材101が時計方向へ回動させられる。逆に、図8に示すように前記切換え伝達部材91がX2方向へ移動させられると、回動部材101は反時計方向へ回動する。
【0078】
図1と図6および図8に示すように、下部ベース1と上部ベース2のX1側の側部には昇降切換え部材106が設けられている。この昇降切換え部材106にはY方向へ延びる案内長穴106a,106aが形成されている。前記下部ベース1の側板1aの外面には一対のガイド軸107,107が設けられている。前記案内長穴106a,106aが前記ガイド軸107,107に挿通されることで、前記昇降切換え部材106は、前記下部ベース1の側板1aの外側でY1−Y2方向へ直線的に往復移動自在とされている。
【0079】
図6に示すように、前記昇降切換え部材106のY2側の端部にはX2に延びる駆動長穴106bが形成されており、前記回動部材101に設けられた駆動突起105が前記駆動長穴106b内に摺動自在に挿入されている。よって、回動部材101が図6の状態から反時計方向へ回動して図8の状態に至る間に、前記駆動突起105によって、前記昇降切換え部材106がY2方向へ移動させられる。
【0080】
図1および図9に示すように、前記上部ベース2の側板2fの外面には案内軸108,108が固定されている。前記昇降切換え部材106には、Y1方向に向けて下降する傾斜角度を有する昇降案内穴106c,106cが形成されており、前記案内軸108,108は前記昇降案内穴106c,106c内に摺動自在に挿入されている。前記回動部材101によって前記昇降切換え部材106がY2方向へ駆動されると、図9(A)から図9(B)へ至る経過で示されるように、前記昇降案内穴106c,106cによって上部ベース2が下部ベース1に接近する方向へ駆動される。
【0081】
下部ベース1と上部ベース2とが組み合わされた機構ユニットと、前記シャーシ3との間にはロック手段110が設けられている。前記回動部材101にはロック突起101bが一体に形成されており、図6に示すディスクの挿入待機状態では、前記ロック突起101bが前記シャーシ3の隆起部3aに当接し、機構ユニットのY2方向への移動が拘束される。
【0082】
また図1および図6に示すように、前記昇降切換え部材106の外面には一対のロック突起106d,106dが一体に形成されている。図6の状態では、このロック突起106d,106dがシャーシ3の側板から内側へ突出した突出片3bの下に入り込み、機構ユニットがシャーシ3上で上方へ動かないように拘束される。
【0083】
そして、図8に示すようにターンテーブル7上でのディスクの装着が完了したときに、前記ロック突起101bとロック突起106dがそれぞれシャーシ3の隆起部3aと突出片3bから離れ、機構ユニットはシャーシ3内で前記弾性支持手段4により弾性支持された状態となる。
【0084】
なお、機構ユニットのX2側の端部にも同様に、回動部材101および昇降切換え部材106が設けられ、前記切換え伝達部材91により駆動される。すなわち前記上部ベース2はX1側とX2側の両側部で前記昇降切換え部材106により昇降駆動され、またロック手段110では、前記両側部で機構ユニットがシャーシ3に対して拘束される。また他の場所にはディスクの挿入待機状態において、機構ユニットがY1方向へ動かないように拘束するロック突起が設けられている。
【0085】
次に前記ディスク装置の一連の動作を順に説明する。
(ディスクの挿入待機状態)
ディスクの挿入を待機している状態では、図2に示すように、種別検知部材51が時計方向へ回動しており、また位置決めアーム43は時計方向へ、位置決めアーム41は反時計方向へ回動している。よって各位置決め突起47と48は円弧スリット2i,2iのY2側の端部に位置している。
【0086】
図2に示すように、ディスク装填検知手段60を構成する検知部材61は引張りスプリング64の付勢力で時計方向へ回動させられており、検知突起61aが前記位置決め突起47と48との間に位置している。このとき始動部材62は反時計方向へ回動している。したがって、始動伝達手段70では、図6に示すように、第1の伝達部材71と第2の伝達部材72が互いに連結ばね74で引き合った状態で連結され、両伝達部材71と72は共に反時計方向へ回動している。したがって、第3の伝達部材76は時計方向へ回動しており、第3の伝達部材76に形成されている始動押圧部76aはラック94から離れている。
【0087】
図6に示すように切換え手段90では、切換え伝達部材91がX1方向へ移動した状態で、反転ばね97により安定させられている。この切換え伝達部材91の上に設けられているラック94は、押圧ばね95によってX1方向へ押されて差動長穴94aの長さ分だけ、切換え伝達部材91上でX1方向へ移動している。よってラック94は第2の駆動歯車85と噛み合っていない。
【0088】
前記切換え伝達部材91がX1方向へ移動しているため、切換えラック98により反転歯車103が反時計方向へ回動させられ、よって回動部材101は時計方向へ回動させられている。この回動部材101に設けられた駆動突起105によって昇降切換え部材106はY1方向へ移動させられている。
【0089】
昇降切換え部材106がY1方向へ移動しているため、図9(A)に示すように、昇降切換え部材106の昇降案内穴106c,106cの右端に案内軸108,108が位置しており、上部ベース2は下部ベース1から上方へ離れている。
【0090】
このとき、図9(A)に示すように、連動アーム17が反時計方向へ回動しているため、図2では、方向変換アーム16が時計方向へ回動し、よってクランプ駆動部材13はX1方向へ移動させられている。よってディスククランプ手段10では、図11(A)に示すように、支え体15の第1の弾性腕15c,15cによって、この支え体15およびこれに連結されたクランパ支持体11がディスクの挿入を妨げない高さに持ち上げられている。
【0091】
また、図9(A)に示すように、ローラ支持部材25は時計方向へ回動しており、ローラ支持部材25のガイド面25bと上部ベース2との間で形成される前記挿入・排出口28は大きく開いている。また移送ローラ31は引張りスプリング27の付勢力により対向パッド33に弾圧されている。
【0092】
また、図6に示すように、ロック手段110では、回動部材101のロック突起101bが、シャーシ3の隆起部3aに当たり、昇降切換え部材106に設けられたロック突起106d,106dがシャーシ3の側板に設けられた突出片3bの下側へ入り込んでいるため、下部ベース1と上部ベース2とが組み合わされた機構ユニットはシャーシ3内で拘束されたロック状態である。
【0093】
(ディスクの位置決めおよび装填検知動作)
挿入・排出口28からディスクが挿入されると、下部ベース1と上部ベース2との間に設けられている光学検知手段により検知され、制御回路から図6に示す駆動手段80のモータ81に始動指令が出される。このときモータ81の回転力はウォーム歯車82から減速歯車列83を経て第1の駆動歯車84に伝達され、第1の駆動歯車84と第2の駆動歯車85が反時計方向(CCW)へ連続的に駆動される。
【0094】
前記第1の駆動歯車84の回転動力は図示しない動力伝達歯車列を介して図9(A)に示す状態のローラ軸32に伝達され、ローラ軸32が反時計方向へ駆動される。ディスクが移送ローラ31と対向パッド33との間に送り込まれると、前記移送ローラ31の回転力でディスクが装置奥方(Y1方向)へ移送されていく。
【0095】
小径ディスクDSの場合、挿入・排出口28の中央部から挿入されたときは、ディスク縁部が検知突起54に当たることなく、すなわち種別検知部材51が動くことなく小径ディスクDSがY1方向へ移送される。小径ディスクDSがX2側に片寄った位置から挿入された場合には、移送ローラ31によりY1方向へ移送される過程で、ディスクの縁部の円形状により検知突起54がX2方向へ押され種別検知部材51が反時計方向へ回動させられる。ただし、小径ディスクDSがY1方向へ移送される途中で、小径ディスクDSの縁部が検知突起54から離れるため、種別検知部材51は引張りスプリング53により時計方向へ回動した状態に戻される。
【0096】
よって小径ディスクDSが装置内部へ移動させられたときには、種別検知部材51により位置決めロック部材55がX2方向へ移動させられた状態であり、位置決めロック部材55に形成されている拘束部55aによって一方の位置決め突起48が拘束されている。よって位置決めアーム43が図2の状態から回動することがなく、部分歯車43aと部分歯車41aを介して噛み合っている他方の位置決めアーム41も回動しない。よって位置決め突起47と48は上部ベース2の円弧スリット2i,2i内において挿入・排出口側(Y2側)の位置で動かないように規制されている。
【0097】
小径ディスクDSがY1方向へ移送されると、その前方の縁部が前記位置決め突起47と48に当たり、両位置決め突起47と48によりディスクDSがX方向の中央に至るようにセンタリングされる。例えば小径ディスクDSがいずれか一方の位置決め突起47または48に先に当たった場合には、送り力を受けている小径ディスクDSが前記位置決め突起を支点として回動しながらY1方向へ進み、一対の位置決め突起47と48に当たった時点でセンタリングが完了する。このとき小径ディスクDSの中心穴がターンテーブル7の案内ハブ7bにほぼ一致する。
【0098】
小径ディスクDSが位置決め突起47と48とでセンタリングされたとき、図3に示すように、小径ディスクDSのX方向の中心部の先端がディスク装填検知手段60を構成する検知部材61の検知突起61aに当たり、この検知突起61aがY1方向へ押される。よって、カム穴61cの端部61c1に位置している位置決め突起47を支点として検知部材61が反時計方向(CCW)へ回動させられ、検知部材61と連結されている始動部材62が時計方向(CW)へ回動させられる。
【0099】
次に、図4に示すように、挿入・排出口28から大径ディスクDLが挿入され、この大径ディスクDLが移送ローラ31と対向パッド33とで挟まれて、移送ローラ31の回転力によりY1方向へ移送されるときには、大径ディスクDLの移送方向前方の円形の縁部により検知突起54がX2方向へ押されるため、種別検知部材51が支持軸52を中心として反時計方向へ回動する。このとき種別検知部材51と連結されている位置決めロック部材55がX1方向へ移動させられる。よって大径ディスクDLの移送方向の先端縁部が位置決め突起47と48の位置へ至ったときには、位置決めロック部材55の拘束部55aが位置決め突起48から離れ、位置決めアーム43が自由状態になっている。
【0100】
よって、図5に示すように、移送ローラ31により大径ディスクDLがY1方向へ移送されていく間、大径ディスクDLの移送方向の先端縁部により位置決め突起47と48がY1方向へ押され、位置決めアーム41は時計方向へ、位置決めアーム43はこれと連動して反時計方向へ回動する。
【0101】
この間、位置決め突起47が検知部材61のカム穴61c内を摺動し、よって検知部材61が連結ピン61bを支点として反時計方向(CCW)へ回動させられ、変動ピン61dが上部ベース2の移動穴2nに沿って移動する。
【0102】
大径ディスクDLの先端縁部が図1および図4に示す位置決め部材49,49に当たる位置まで移送されると、大径ディスクDLの中心穴がターンテーブル7とほぼ一致する。この時点で、図5に示すように、検知部材61は、移動穴2nの縁部に至った変動ピン61dを支点としてさらに反時計方向へ回動させられ、連結ピン61bを介して始動部材62が支持軸63を中心として時計方向(CW)へ回動させられる。
【0103】
なお、大径ディスクDLによって位置決め突起47と48が押され、各位置決めアーム41と43がある程度の角度回動すると、反転ばね46の付勢力の作用方向が反転し、位置決めアーム41に時計方向への回動付勢力が作用し、位置決めアーム41は時計方向へ、位置決めアーム43は反時計方向へ回動した状態で安定させられる。また大径ディスクDLが前記位置決め部材49,49に当たって位置決めされた時点で、図5に示すように、大径ディスクDLのY2側の縁部は検知突起54から離れる。よって種別検知アーム51は引張りスプリング53の付勢力により時計方向へ回動させられ、また位置決めロック部材55はX2方向へ移動させられ、位置決めロック部材55のX1側の端部55cが前記位置決めアーム43にX2方向で対向するに至る。
【0104】
(始動伝達動作および切換え動作)
前記のように小径ディスクDSの中心がターンテーブル7の中心にほぼ一致し、あるいは大径ディスクDLの中心がターンテーブル7の中心にほぼ一致すると、前記のように検知部材61により始動部材62が時計方向へ回動させられる。
【0105】
始動部材62の前記回動は、始動ピン65によって、下部ベース1の下面の始動伝達手段70に伝達される。すなわち始動部材62の時計方向の回動により、始動ピン65はY1方向へ移動するため、図6に示す第1の伝達部材71と第2の伝達部材72との組み合わせ体は、共通の支持軸73を支点として時計方向へ回動させられる。このとき、第2の伝達部材72は連結ピン78によって第3の伝達部材76に連結されているため、第3の伝達部材76は反時計方向へ回動させられ、第3の伝達部材76に形成された始動押圧部76aによりラック94がX2方向へ押される。
【0106】
押されたラック94は差動長穴94aの範囲内で切換え伝達部材91上をX2方向へ移動し、ラック94が第2の駆動歯車85に噛み合う。この時点で第2の駆動歯車85が反時計方向へ回動し続けているため、この回転力によってラック94および切換え伝達部材91がX2方向へ図8の位置まで移動させられる。
【0107】
切換え伝達部材91がX2方向へ移動する途中で、反転ばね97の付勢力の作用方向が反転し、切換え伝達部材91にはX2方向の付勢力が作用し、切換え伝達部材91が図8の位置で安定する。このとき切換え伝達部材91の移動完了が図示しない検知スイッチなどで検知され、モータ81が停止させられる。
【0108】
なお、切換え伝達部材91が図6の位置からX2方向へ移動し始めた直後に、拘束アーム91bの先端の拘束部91cが規制突起79に当たるため、第3の伝達部材76は反時計方向へ回動させられた状態で拘束される。したがって、第1の伝達部材71と第2の伝達部材72との組み合わせ体が時計方向へ回動した状態で拘束され、上部ベース2の上では、始動部材62が時計方向(CW)へ回動した状態で保持され、検知部材61も図3に示す状態に保持される。
【0109】
よって、図3に示すように、小径ディスクDSのY1方向の移送力により検知部材61が反時計方向へ回動させられた時点で、検知部材61が保持されることになる。よって、その後に小径ディスクDSがターンテーブル7上に確実にクランプされるまでの間に、引張りスプリング64の付勢力が与えられている検知部材61の検知突起61aによって小径ディスクDSが図3の位置から図2の位置までY2方向へ戻されることがない。よってクランプ完了前に小径ディスクDSの中心穴がターンテーブル7の案内ハブ7bから外れることがなく、小径ディスクDSのターンテーブル7へのクランプ動作を確実に行うことができる。
【0110】
なお、大径ディスクDLが装填された場合は、図5に示すように位置決めアーム41が反転ばね46の付勢力で時計方向へ回動した姿勢で安定し、位置決め突起47とカム穴61cとの係合により検知部材61も図5の姿勢で安定する。しかもこのとき検知突起61aは大径ディスクDLから離れている。よって大径ディスクDLの場合には、検知部材61がクランプ完了前のディスクDLにY2方向への押し戻り力が作用することはない。
【0111】
切換え伝達部材91が図6の位置から図8の位置まで移動する間、切換えラック98により反転歯車103が時計方向へ回動させられ、反転歯車103と噛み合う部分歯車101aを有している回動部材101が反時計方向へ回動させられる。このとき回動部材101の駆動突起105により駆動長穴106bにY2方向への移動力が与えられ、昇降切換え部材106が図8の位置まで移動させられる。
【0112】
昇降切換え部材106がY2方向へ移動させられると、図9(B)に示すように、昇降切換え部材106に形成された昇降案内穴106c,106cによって上部ベース2に設けられた案内軸108,108が下降させられ、上部ベース2が下部ベース1へ向けて下降させられる。
【0113】
また、図8に示すように、回動部材101が反時計方向へ回動することによりロック突起101bがシャーシ3の隆起部3aから離れ、また昇降切換え部材106に形成されたロック突起106dが、シャーシ3の突出片3bの下からY2方向へ抜け出る。よってロック手段110では、下部ベース1と上部ベースとからなる機構ユニットがシャーシ3上にて弾性支持手段4で弾性支持された状態となる。
【0114】
(ディスククランプ動作)
図9(A)に示すように、上部ベース2と支持ベース1とが離れているときは、連動アーム17が反時計方向へ回動し、図2に示すように、方向変換アーム16が時計方向へ回動しており、前記クランプ駆動部材13はX1方向へ移動させられている。
【0115】
この待機状態では、図11(A)に示すように、クランプ駆動部材13の第1の押圧部13bが、クランパ支持体11の隆起部11dから離れ、第2の押圧部13c,13cがクランパ支持体11の逃げ穴11e,11e内に位置している。よって、支え体15の第1の弾性腕15c,15cが上部ベース2の支持面2d,2eに与える弾性力の反力で支え体15が持ち上げられており、この支え体15に固定されているクランパ支持体11は、上部ベース2の開口部2a内でクランプ駆動部材13の下面に密着させられている。また支え体15の第2の弾性腕15dにより下方へ向う付勢力を受けているクランパ14は、その支持フランジ14bがクランパ支持体11の中心穴11aの周囲上面に密着させられている。
【0116】
図11(A)の状態では、前記のようにクランパ14を支持している上部ベース2が下部ベース1から離れているので、クランパ14のディスク押圧部14aと、下部ベース1に設けられたターンテーブル7との間に、ディスクが通過できる間隔が開けられている。
【0117】
前記のように、昇降切換え部材106がY2方向へ移動し、図9(B)に示すように上部ベース2が下部ベース1の方向へ下降する際、上部ベースと共にクランパ14が下降し、また、ディスクが、移送ローラ31と対向パッド33とで挟持されたまま上部ベース2とともに下降させられる。
【0118】
図9(B)に示すように、上部ベース2の下降が完了した時点で、ディスクの中心穴がターンテーブル7の案内ハブ7bに嵌まり、またターンテーブル7の案内ハブ7bの上端がクランパ14の下面に開口する逃げ凹部14c内に入り込んで、ターンテーブル7の受けフランジ7aと、クランパ14のディスク押圧部14aの下面とでディスクの挟持が完了する。このように、下部ベースが下降した時点で、ディスクの挟持が完了し、あるいは少なくともディスクの中心穴がターンテーブル7の案内ハブ7bに装着され、ディスクが動かない状態となる。
【0119】
また図9(B)に示すように上部ベース2が下降する動作に連動して連動アーム17が時計方向へ回動し、上部ベース2の上面では図10に示すように、方向変換アーム16が反時計方向へ回動させられ、クラン駆動部材13がX2方向へ移動させられる。
【0120】
よって、図11(B)に示すように、前記クランプ駆動部材13の第1の押圧部13bがクランパ支持体11の隆起部11dに乗り上がり、第2の押圧部13c,13cがクランパ支持体11の逃げ穴13c,13cから外れてクランパ支持体11の上に乗り上がる。よって、クランパ支持体11はターンテーブル7の方向へ押し下げられ、クランパ支持体11の中心穴11aの周囲部分がクランパ14の支持フランジ14bから離れる。よって、支え体15の第2の弾性腕15dの付勢力を受けているクランパ14がディスクに弾性的に加圧される。
【0121】
以上のクランプ動作では、上部ベース2が下降し、ターンテーブル7とクランプ14とでディスクが挟まれた直後に図11(B)に示すように、クランパ支持体11がクランパ14から離れて、クランパ14がディスクに弾性力により押圧される。ただし、上部ベース2が図11(A)から図11(B)の位置まで下降するのと同時に、クランプ駆動部材13によりクランパ支持体11が下降させられて、図11(B)に至る前の時点で、クランパ支持体11がクランパ14から離されるような動作タイミングであってもよい。
【0122】
この実施の形態では、上部ベース2が下降してクランパ14が下がり、さらにクランプ駆動部材13の水平方向の移動力により、クランパ支持体11がクランパ14から離されるため、上部ベース2の下降移動力が小さくても、クランパにディスク押圧のための弾性力を与えることができる。
【0123】
ここで、小径ディスクDSが装填されたときには、前記一対の位置決め突起47と48とでディスクDSがセンタリングされ、そのまま前記クランプ動作に移行する。よってそのまま小径ディスクDSをターンテーブル7により回転させると、ディスクの周縁部が位置決め突起47と48と摺動することになる。そこでこの実施の形態では、図10に示すようにクランプ駆動部材13がX2方向へ移動したときに、クランプ駆動部材13に設けられた拘束ピン58が、種別検知部材51の付勢溝51a内に入り込み、これにより種別検知部材51がわずかに時計方向へ回動させられる。
【0124】
よって、種別検知部材51により位置決めロック部材55がX2方向へわずかに移動させられ、位置決めロック部材55に形成された退避駆動部55bが位置決め突起48に移動力を与える。よって位置決めアーム43は図3に示すように小径ディスクDSのセンタリングが完了した状態よりもわずかに反時計方向へ回動させられ、位置決め突起48が小径ディスクDSの縁部から離れる。前記位置決めアーム43と共に位置決めアーム41も時計方向へ回動させられるため、位置決め突起47も小径ディスクDSから離れる。よって小径ディスクDSは位置決め突起47と48と摺動することなく回転させられる。
【0125】
一方、大径ディスクDLの場合は、前記位置決め部材49,49に当たった状態でディスク中心がターンテーブル7の中心よりもややY1方向へ移動して位置決めされる。そして大径ディスクDLの中心穴がターンテーブル7の案内ハブ7bに挿通されるとき案内ハブ7bの上部周辺のテーパ面により大径ディスクDLがややY2方向へ戻されながらセンタリングされる。よってクランプが完了した時点で、大径ディスクDLの縁部は前記位置決め部材49,49から離れる。
【0126】
すなわち大径ディスクDLの位置決めに用いられる位置決め部材49,49は上部ベース2に一体に形成されたものであり、小径ディスクDSの位置決めに用いられる位置決め突起47,48のように動作機構中に設けられたものではないため、案内ハブ7bのテーパ面の形状に応じて、ターンテーブル7の中心と位置決め部材49の固定位置との寸法関係を高精度に保つことにより、ディスククランプが完了した時点で、大径ディスクDLの縁を位置決め部材49,49から離すことができる。
【0127】
前記のようにして小径ディスクDSまたは大径ディスクDLがターンテーブル7とクランパ14とでクランプされた後、図9(B)に示すように、上部ベース2の下降に伴ってローラ支持部材25が反時計方向へ回動し、移送ローラ31がディスクの下面から離れる。
【0128】
よってスピンドルモータ6によりターンテーブル7を回転させることができ、ディスクが回転駆動されて、光ヘッドにより再生動作または記録動作が可能になる。
【0129】
(ディスク排出動作)
ディスクの排出指令が出されると、スピンドルモータ6が停止してディスクの回転が止まる。その直後に、図6に示すモータ81が始動し、減速歯車列83を介して第1の駆動歯車84と第2の駆動歯車85が時計方向へ回動させられる。また第1の駆動歯車84によって、図9(B)に示すように、ディスクから離れた位置にある移送ローラ31が時計方向へ回転させられる。
【0130】
前記第2の駆動歯車85が時計方向へ回転すると、図8に位置しているラック94がX1方向へ戻され、これと共に切換え伝達部材91がX1方向へ移動させられて図6の位置に戻され、その時点でモータが停止する。切換え伝達部材91が図6の位置まで移動させられる間、昇降切換え部材106がY1方向へ戻され、上部ベース2が上方へ移動し、ディスクに対するクランプが解除される。また移送ローラ31と対向パッド33とで挟まれたディスクがターンテーブル7の案内ハブ7bから持ち上げられ、ディスクが移送ローラ31により挿入・排出口28方向へ移送させられて排出される。
【0131】
小径ディスクDSを排出するときには、前記昇降切換え部材106がY1方向へ移動することにより、図2に示す待機状態に復帰する。
【0132】
一方、大径ディスクDLが排出されるときには、図5の状態からディスクDLが移送ローラ31によりY2方向へ移動させられる際、ディスクDLのY2側の縁部により検知突起54が押され、種別検知部材51が反時計方向へ回動させられる。よって位置決めロック部材55が図5の位置からX1方向へ移動させられ、位置決めロック部材55のX1側の端部55cにより位置決めアーム43が押され、位置決めアーム43が強制的に時計方向へ回動させられる。これに連動して位置決めアーム41が反時計方向へ回動させられるが、このとき反転ばね46の付勢力が反転させられ、その付勢力で位置決めアーム41が反時計方向へ回動させられ、これに連動して位置決めアーム43が時計方向へ回動させられて、各位置決め突起47,48は図4に示す挿入待機状態に復帰させられる。
【0133】
ここで小径ディスクDSの場合には、ディスクのY2方向の縁部が挿入・排出口28に至った時点で、ディスクDSが検知部材61の検知突起61aから離れるが、大径ディスクDLの場合には、ディスクのY2方向の端部が挿入・排出口28に至った時点では、検知部材61は図4に示す待機位置まで復帰できていない。
【0134】
よって、Y2方向へ排出されようとする大径ディスクDLのY2側の先端が人の手などの障害物に当たってディスクDLが強制的に停止させられると、検知部材61が図5に示すように反時計方向へ回動したままで拘束される。よって、始動部材62が時計方向(CW)へ回動したままの停止させられ、下部ベース1の機構においては、図8の状態が維持されて、第1の伝達部材71と第2の伝達部材72との組み合わせ体は時計方向へ回動し、第3の伝達部材76は反時計方向へ回動した状態で停止させられる。一方、移送ローラ31とディスクがスリップし、あるいは移送ローラ31とローラ軸32とがスリップ回転することで、モータ81は回転し続けるため、第2の駆動歯車85によってラック94および切換え伝達部材91がX1方向へ移動させられる。そして、図7に示すように反時計方向へ回動している第3の伝達部材76の始動押圧部76aにラック94が当たり、ラック94により始動押圧部76aが押されて第3の伝達部材76が強制的に時計方向へ回動させられる。
【0135】
このとき図7に示すように、始動ピン65によって第1の伝達部材71が時計方向へ拘束された状態で、第3の伝達部材76によって第2の伝達部材72が反時計方向へ回動させられる。そして、連結ばね74が伸びることにより、第1の伝達部材71と第2の伝達部材72が互いに反する方向へ回動させられる。この第1の伝達部材71と第2の伝達部材72の分離動作により、始動伝達手段70がロック状態となることを回避できる。
【0136】
この実施の形態では、挿入・排出口28から排出される大径ディスクDLが障害物に当たっても機構がロック状態にならないため、前記挿入・排出口28のすぐ前方(Y2側)に筐体のディスク挿入口を配置することが可能であり、装置のY方向の奥行き寸法を短くできる。
【0137】
【発明の効果】
本発明では、位置決め部材をディスクから退避させる動作を、ディスククランプにタイミングを合わせて行うことができる。よって、位置決め部材が退避したときにディスクを確実にクランプすることができる。またクラン駆動部材やロック部材などを用いて位置決め部材を退避位置へ移動させているので、位置決め部材を退避させるための特別な伝達機構が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態として薄型のディスク装置の分解斜視図、
【図2】小径ディスクが挿入され位置決めされる直前の状態を示す平面図、
【図3】小径ディスクが位置決めされた状態を示す部分平面図、
【図4】大径ディスクが移送される途中の状態を示す平面図、
【図5】大径ディスクが位置決めされた状態を示す部分平面図、
【図6】ディスク挿入待機状態での下部ベース側の機構を示す平面図、
【図7】下部ベース側の機構の一部を示す平面図、
【図8】ディスク装着完了時の下部ベース側の機構を示す平面図、
【図9】(A)(B)はディスククランプ動作を説明する図1のIX矢視の側面図、
【図10】ディスククランプ手段のクランプ完了時の状態を示す平面図、
【図11】(A)(B)はディスクのクランプ動作を示す部分断面図、
【図12】従来のディスククランプ装置を示す断面図、
【符号の説明】
1 下部ベース(駆動ベース)
2 上部ベース(クランプベース)
3 シャーシ
5 ディスク駆動手段
7 ターンテーブル
10 ディスククランプ手段
11 クランパ支持体
13 クランプ駆動部材
13b 第1の押圧部
13c 第2の押圧部
14 クランパ
15 支え体
15c 第1の弾性腕(第1の弾性部材)
15d 第2の弾性腕(第2の弾性部材)
16 方向変換アーム
17 連動アーム
41,43 位置決めアーム
47,48 位置決め突起(位置決め部材)
51 種別検知部材
54 検知突起
51a 付勢溝
55 位置決めロック部材
55a 拘束部
55b 退避拘束部
58 拘束ピン
106 昇降切換え部材(昇降切換え手段)
106c 昇降案内穴

Claims (3)

  1. 小径ディスクまたは大径ディスクの中心部を支持して回転駆動するターンテーブルと、小径のディスクと大径のディスクのいずれであっても前記ターンテーブルへ送ることが可能な移送手段と、小径ディスクが移送されたときにこの小径ディスクの縁部当たって小径ディスク前記ターンテーブルに位置決めされる位置決め部材と、
    前記位置決め部材を小径ディスクの縁部が当たる位置で拘束し、大径ディスクが供給されたときには、前記位置決め部材の拘束を解除して大径ディスクの移送を可能とするロック部材と、大径ディスクの挿入力を受けて前記ロック部材を前記拘束を解除する方向へ動作させる種別検知部材と、
    前記ターンテーブルへ小径ディスクまたは大径ディスクをクランプするクランパと、前記クランパをクランプ状態に設定するクランプ駆動部材とが設けられ、
    前記ロック部材で拘束されている前記位置決め部材で小径のディスクが位置決めされた後に、前記クランプ駆動部材によって前記クランパがクランプ方向へ移動させられ、このときの前記クランプ駆動部材の移動力が、前記種別検知部材を介して前記ロック部材に伝達され、前記ロック部材に設けられた退避駆動部によって、前記位置決め部材が小径ディスクから離されることを特徴とするディスク装置。
  2. 前記ロック部材には、前記位置決め部材を拘束する拘束部と、前記退避駆動部とが連続して形成されている請求項記載のディスク装置。
  3. 前記クランプ駆動部材は、クランパを支持するベースのベース面に沿って移動し、その移動力でクランパをターンテーブルの方向へ押圧するものであり、前記ロック部材は前記クランプ駆動部材と共に前記ベース面上に設けられている請求項または記載のディスク装置。
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