JP3849763B2 - ディスク式記録再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディスク式記録再生装置に係り、とくにディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(コンパクトディスク)やDVDのような光ディスクから成るディスク状記録媒体を用いて記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置が音楽や映像の記録再生に広く用いられている。さらにはこのようなディスク状記録媒体はコンピュータ等の情報処理装置の記憶装置として用いられている。
【0003】
この場合に上記のディスク状記録媒体はトレーに載置されるとともに、トレーが引出し位置から記録再生位置に引込まれる。そしてこの状態で回転駆動部を構成するターンテーブルが下方から上昇し、トレーからディスク状記録媒体を浮上がらせて回転駆動させる。このような状態においてディスク状記録媒体に対して光学ピックアップを半径方向に移動させながら記録あるいは再生を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような光ディスクから成るディスク式記録再生装置において、とくに高密度記録を行なうDVRにおいては、ダスト等による光ディスクの汚損を防止するために、光ディスクをケース内に収納したカートリッジを用いることになる。一般にカートリッジのケースは開口を備え、この開口を不使用時にシャッタによって閉じるとともに、記録再生位置に装着したならば上記シャッタを開き、これによって光学ヘッドによるアクセスを可能にする。
【0005】
従ってカートリッジを用いるディスク式記録再生装置においては、カートリッジが記録再生位置にローディングされるのに同期してシャッタが完全に開放されるようにすることが好ましい。ここでシャッタはその閉鎖状態が中途半端な状態であっても必ず完全に開放されなければならない。また記録再生を終ってカートリッジを取出す際に、ケースの開口をシャッタによって確実に閉める必要がある。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、カートリッジが記録再生位置に装着されるとケースの開口が完全に開かれ、カートリッジが記録再生位置から取出された場合にはケースの開口がシャッタによって完全に閉鎖されるようにしたディスク式記録再生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、ディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置において、
前記トレーによって前記カートリッジを記録再生位置へ移動させるときに前記カートリッジのシャッタを開放するとともに、前記トレーによって前記カートリッジを引出し位置へ移動させるときに前記カートリッジのシャッタを閉鎖するシャッタ開閉機構を具備し、
該シャッタ開閉機構は前記カートリッジの側面に接して前記シャッタを開閉するラックと、前記シャッタの開放時における開度の不定を吸収する第1の位相ずれ矯正部材と、前記シャッタの閉鎖時における開度の不定を吸収する第2の位相ずれ矯正部材とを具備し、
前記シャッタ開閉機構のラックが前記カートリッジのケース側のセグメントギヤに噛合うとともに、前記第1の位相ずれ矯正部材と前記第2の位相ずれ矯正部材とがそれぞれ前記ケース側の第1の係合部と第2の係合部とにそれぞれ係合して前記シャッタの開閉を行なうことを特徴とするディスク式記録再生装置に関するものである。
【0008】
ここで前記カートリッジがディスク状記録媒体を収納する中シェルを具備し、該中シェルに前記シャッタが回動自在に取付けられ、しかも前記中シェルの一側部に前記セグメントギヤと前記第1の係合部と前記第2の係合部とが設けられ、前記開閉機構が前記中シェルの一側部に沿って接線方向に移動すると前記中シェルがケース内で回転して前記カートリッジの開口を前記シャッタが開閉するようにしてよい。
【0009】
また前記開閉機構の第1の位相ずれ矯正部材と前記ラックの端部との間の長さが前記カートリッジ側の前記第1の係合部と前記セグメントギヤの端部との間の円弧長よりも大きくなるようにしてよい。また前記開閉機構の第1の位相ずれ矯正部材と前記ラックの端部との間の長さが前記カートリッジ側の前記第1の係合部と前記セグメントギヤの端部との間の円弧長よりも、前記ラックおよび前記セグメントギヤの歯のピッチをpとしたときに、0.2p〜0.5p長くなるようにしてよい。また前記ラックと前記セグメントギヤの歯のモジュールが0.7であってよい。また前記セグメントギヤのピッチサークルと前記ラックのピッチサークルとが接する位置よりも深い位置で前記セグメントギヤと前記ラックとが噛合うようにしてよい。
【0010】
また前記カートリッジのケースの側面の切欠きの軸線方向の寸法に対して前記第2の位相ずれ矯正部材の軸線方向の寸法を小さくし、前記トレー上に前記カートリッジが載置されている状態および前記トレーから前記カートリッジが支持手段によって浮上った状態で前記第2の位相ずれ矯正部材が前記切欠きと干渉しないようにし、前記開閉機構の前記カートリッジに対する退避ストロークの後退位置においてなお前記第2の位相ずれ矯正部材の先端部が前記ケースの切欠き内にあるように前記開閉機構の後退ストロークを設定してよい。また前記開閉機構が後退した状態であって前記第2の位相ずれ矯正部材の先端部が前記中シェルの第2の係合部から外れた状態でしかも前記カートリッジのケースの内側に干渉しない状態で存在するように前記開閉機構の退避ストロークが設定してよい。
【0011】
また前記ケースにロックレバーが回動自在に設けられ、該ロックレバーが前記中シェルの被ロック部と係合することによって該ロックレバーが前記中シェルがシャッタを開放する方向に回転するのを阻止し、しかも前記開閉機構に押圧用突部が設けられ、該押圧用突部は前記シャッタが完全に開かれた状態で前記ロックレバーをロック解除方向に押圧して前記中シェルの回転負荷を軽減するようにしてよい。
【0012】
また前記開閉機構の長さ方向の両端がそれぞれ弾性手段を介してカートリッジ側に付勢され、前記開閉機構の一端がカートリッジの切欠き内において移動方向に対して傾斜していても前記ラックが前記セグメントギヤに噛合うようにしてよい。また前記開閉機構の前記ラック、前記第1の位相ずれ矯正部材、および前記第2の位相ずれ矯正部材が開閉ベース上に取付けられるとともに、それぞれ別々の弾性手段によってカートリッジ側に付勢されてよい。
【0013】
本願に含まれる発明の好ましい態様は、シャッタ開閉機構の位相ずれ矯正部材とラックの1歯目との間の寸法をカートリッジの中シェルの側面の係合用凹部とセグメントギヤの1歯目との間の円弧状の長さよりも長くし、これによってとくに位相ずれ矯正部材と係合用凹部との間のガタによる差分を吸収するようにしたものであって、理想移動距離(ギヤモジュール×整数)よりも長くしている。
【0014】
またシャッタ開閉機構のラックとカートリッジの中シェルのセグメントギヤの噛合い深さの方向の位置関係を互いに両者のピッチサークルが接する位置関係にはせず、むしろばねによってシャッタ開閉機構のラックギヤをカートリッジの中シェルのセグメントギヤに深く噛合うようにし、これによって噛合いの外れを防止するようにしている。またシャッタ開閉機構の開閉ベースの長さ方向の両端の背面側をそれぞればねで押すことによって、カートリッジの中シェルのセグメントギヤの噛合い方向に対して開閉ベースのラックの法線が一致しない場合であって片端がカートリッジの切欠き内において傾斜していても噛合いを確保できるようにしている。またシャッタ開閉機構の開閉ベースに対してラックおよび前後の位相ずれ矯正部材を互いに別部材から構成するとともに、ラックおよび一対の位相ずれ矯正部材をそれぞれ独立にばねによってシャッタ側に押圧することにより、トレーあるいはカートリッジの部品寸法のばらつきを吸収してラックとセグメントギヤとの確実な噛合いを達成し、これによってシャッタの開閉動作の信頼性を高めている。
【0015】
またカートリッジの側面の切欠きに対してラックおよび一対の位相ずれ矯正部材の軸線方向の寸法を、トレーによるカートリッジの搬送時とベースユニットによるチャックアップ動作の完了後における高さ方向の移動量以上に小さくすることによって、カートリッジのシャッタが開放された状態でシャッタ開閉機構の先端部がカートリッジの外形投影面積の外側まで移動することを不要にしている。
【0016】
またカートリッジの中シェルをシャッタが閉じた状態でロックするロックレバーの被押圧部に作用する押圧用突部をシャッタ開閉機構の開閉ベースに設け、完全にシャッタが閉じた状態において上記押圧用突部によってカートリッジ側のロックレバーをロック解除方向に押込むようにしており、これによってシャッタが完全に開放された状態からシャッタが閉じる方向に中シェルが回転する際におけるシャッタ開閉機構のとくに後側の位相ずれ矯正部材の負荷を軽減するようにしている。
【0017】
このような態様のディスク式記録再生装置は、トレーによってカートリッジを記録再生位置と引出し位置との間で移動させるようにしたディスク式記録再生装置におけるシャッタの開閉機構に適用され、とくにシャッタの開閉動作の信頼性の向上に大きく貢献することになる。とくにトレーおよびカートリッジの部品寸法のばらつきを吸収し、確実なシャッタの開閉動作を実現することになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1)構成の説明
図1および図2は本願発明の一実施の形態に係るディスク式記録再生装置の全体の構成を示すものであって、この装置は偏平な直方体状をなす外筐10を備えている。なお図1および図2に示すように、ここでは上部を開放して示している。そしてこの外筐10の前面側の開口を閉塞するフロントパネル11には横長開口12が形成され、この横長開口12によって引出し可能にトレー13が外筐10内に組込まれるようになっている。
【0019】
トレー13はそのほぼ中央部にカートリッジまたはベアディスクを受入れる凹部14を有するとともに、凹部14を横切るように縦方向に延びる開口15が形成されている。この開口15の奥側にはU字状の切込み16が連設され、手前側には半円形の切込み17が形成されている。
【0020】
またトレー13上であってそのの奥側の側部には駆動ユニット18が設けられ、さらに駆動ユニット18を駆動するためのモータ19が取付けられている。トレー13は外筐10の内側であってその両側の段部20によって摺動可能に支持されるとともに、駆動ユニット18の出力端を構成するピニオンが段部20の下側のラック21と噛合い、これによって図1および図2に示すように、横長開口12に対して引出しおよび収納自在に自走するようになっている。
【0021】
上記外筐10の底板の上部には図3〜図6に示すようなベースユニット25が設けられている。ベースユニットは板金製のシャーシから構成され、そのほぼ中央部にはブラケット26を介して回転駆動部を構成するターンテーブル27が設けられている。ターンテーブル27はその下側のモータによってダイレクトに駆動されるようになっている。
【0022】
またベースユニット25は上記ターンテーブル27に対してその手前側にDVD用ピックアップ31が、奥側にDVR用ピックアップ32が配されている。ここでDVD用ピックアップ31はガイドロッド33と送りねじ34とによってその両側が支持されるとともに、送りねじ34がステッピングモータ35によって回転駆動され、これによって光ディスクの半径方向に移動されるようになっている。
【0023】
これに対して奥側のDVR用ピックアップ32は両側の一対のガイドロッド37、38によって案内されるようになっており、しかもDVR用ピックアップ32を光ディスクに対してその半径方向に移動させるための送りねじ39が設けられている。この送りねじ39はステッピングモータ40によって駆動されようになっており、しかも送りねじ39はピックアップ32のナット41に螺合されている。
【0024】
またベースユニット25上にはその前方の両側に一対のサポートロッド45が立設されるとともに、後方の両側には一体にサポートアーム46が連設されている。これらのサポートロッド45およびサポートアーム46はベースユニット25が昇降機構によって上昇すると、トレー13の開口47、48から突出するようになり、これによってトレー13上に載置されるDVR用カートリッジ51をその4つのコーナの部分で下面から支持するようになっている。
【0025】
次にカートリッジ型のディスク状記録媒体であるDVR用カートリッジ51に設けられているシャッタを開閉する機構について説明する。図13に示すようにこの記録再生装置は外筐10の底板上にチャッキングスライダ56を備えている。チャッキングスライダ56は外筐10の両側板の内側に位置するとともに、両側のスライダ56は連結板57によって結合されている。そして連結板57には長孔58が形成されるとともに、この長孔58が外筐10の底板上に螺着されたねじを受入れ、これによって摺動動作するようになっている。また両側のチャッキングスライダ56にはそれぞれ一対ずつのカム溝59が形成されている。
【0026】
上記カム溝59はベースユニット25の両側にそれぞれ植設されているピン60を受入れるようになっている。しかもピン60の先端部は外筐10の内側の表面に形成されている縦溝61に係合され、これによってチャッキングスライダ56が前後に移動するとベースユニット25が昇降動作を行なうようになっている。また一方のチャッキングスライダ56の内側の表面にはラック21が形成され、このラック21が上記トレー13の駆動ユニット18の出力端を構成するピニオンと噛合うようになっており、これによってトレー13はモータ19の出力によって自走しながら記録再生位置と引出し位置との間を移動するようになっている。
【0027】
上記左右一対のチャッキングスライダ56の内の一方のスライダ56の上部には図14〜図17に示すようなシャッタ開閉機構65が取付けられている。このシャッタ開閉機構65は図14および図15に示すように開閉ベース66を備えるとともに、長さ方向の両端には保持部67を備えている。そしてこれらの保持部67がばね68を受入れるようになっている。ばね68はこのベース66をチャッキングスライダ56から離間するように付勢している。また開閉ベース66はその一端に突部69を備えている。
【0028】
上記開閉ベース66にはその長さ方向の中間位置にラック71が取付けられる。ラック71はその長さ方向の両端にそれぞれ係合爪72を備え、これらの係合爪72が開閉ベース66の係合孔73に係合されるようになっている。しかもラック71は一対のばね74によってベース66の表面から突出するように付勢される。
【0029】
さらに上記開閉ベース66にはその長さ方向の一端であって前端側の部分に位相ずれ矯正部材75を備えている。この矯正部材75は一対の係合爪76を備え、これらの係合爪76が係合孔77に係合されるとともに、ばね78によって突出する方向に付勢されている。またベース66の後端側には別の位相ずれ矯正部材79が取付けられ、その両端の係合爪80がベース66の係合孔81に係合されている。またこの位相ずれ矯正部材79はばね82によって飛出す方向に付勢されている。
【0030】
上記シャッタ開閉機構65の開閉ベース66上に設けられている位相ずれ矯正部材75とラック71の1歯目との間の図14Bにおける距離Aは後述するカートリッジの内側シェル101の係合用凹部110とセグメントギヤ109の1歯目との間のピッチサークルの円弧状の長さよりも長く設定されている。これはラック71と位相ずれ矯正部材75、79を有する開閉ベース66が直線運動を行なうのに対してセグメントギヤ109と係合用凹部110とを有する内側シェル101が回転運動を行なうのと、位相ずれ矯正部材75とカートリッジ51側の係合用凹部110との間のガタを吸収するためである。
【0031】
ここで両者の長さの差はラック71あるいはセグメントギヤ109の歯のピッチpとしたときに、0.2p〜0.5pの範囲内であることが好ましく、とくに約p/3の値が好適である。このようにシャッタ開閉機構65側の位相ずれ矯正部材75とラック71との間の距離Aをやや長くすることによって、カートリッジ51の内側シェル101の回転によるシャッタ板100の開閉動作が円滑に行なわれる。
【0032】
なおシャッタ開閉機構65の位相ずれ矯正部材75とラック71の1歯目との間の距離を長くする代りに、位相ずれ矯正部材75を開閉ベース66に取付ける構造を変更して距離の差を吸収するようにしてもよい。すなわち開閉ベース66に対して位相ずれ矯正部材75を開閉ベース66の長さ方向に微小量だけ摺動可能にするか、あるいはまた開閉ベース66に対して位相ずれ矯正部材75を首振り可能にしてよい。
【0033】
なお開閉ベース66に対する後側の位相ずれ矯正部材79の取付けについても、同様にこの位相ずれ矯正部材79を開閉ベース66に対して摺動可能あるいは首振り可能に取付けるようにしてよい。このような構成によれば、位相ずれ矯正部材75、ラック71、および位相ずれ矯正部材79のカートリッジ51の内側シェル101の係合用凹部110、セグメントギヤ109、および被ロック部108に対する係合がそれぞれ確実に行なわれるようになり、円滑なシャッタ板100の開閉動作が可能になる。
【0034】
このような開閉ベース66にラック71と位相ずれ矯正部材75、79を備えるシャッタ開閉機構65は図13に示すようにチャッキングスライダ56に取付けられるとともに、図21に示すようにトレー13の移動によってこのトレー13の下側に侵入し、図22および図23に示すように開閉ベース66に設けられているラック71、位相ずれ矯正部材75、79がトレー13のスリット64によってこのトレー13の凹部14の内側に臨むようになっており、これによってDVR用カートリッジ51にアクセスするようになっている。
【0035】
トレー13の下面にはとくに図24〜図27に示すように上記シャッタ開閉機構65の摺動位置に臨むようにカム85と突当て86とがそれぞれ設けられている。カム85はシャッタ開閉機構65をカートリッジ51から離間させるように作用し、これに対して突当て86は逆にシャッタ開閉機構65がカートリッジ51に近接するように押圧するようになっている。
【0036】
次に上記のようなシャッタ開閉機構65によって開閉されるDVR用カートリッジ51のシャッタの構造について説明する。図28はこのカートリッジ51のディスク状記録媒体の収納部よりも下側の部分の構成を示したものであって、カートリッジ51のケースの下側部分が下側シェル90から構成されている。下側シェル90にはDVR用ピックアップ32のアクセスを可能にする開口91が形成されている。
【0037】
また下側シェル90の開口91の一方の側部にはピン92が植設され、このピン92にロックレバー93が開閉自在に支持されている。ロックレバー93はその一端にロック部94と弾性片95とを備え、これに対して反対側の部分が被押圧部96になっている。このようなロックレバー93はとくにそのロック部94が後述する内側シェルのロックを行なうようにしている。また下側シェル90の上面には一対の開閉ピン97が設けられている。
【0038】
このような下側シェル90の上部に一対のシャッタ板100が配される。シャッタ板100は内側シェル101の下面にそれぞれ支点ピン102を介して回動自在に支持されている。しかもそれぞれのシャッタ板100にはスリット103が形成され、これらのスリット103が下側シェル90の表面の開閉ピン97と係合し、これによって内側シェル101の回転に連動してシャッタ板100の開閉動作が行なわれるようになっている。すなわちシャッタ板100は下側シェル90上において内側シェル101が回転動作をすると、図29〜図38に示すように運動して開口91を開放するようにしている。内側シェル101を逆方向に回転させると、図38〜図29に示すように、開口91がシャッタ板100によって閉鎖される。
【0039】
上記下側シェル90上において回転運動を行なう内側シェル101には下側シェル90の開口91とほぼ整合する開口106が形成されている。また内側シェル101の外周部のリブには被ロック部108が形成されるとともに、この被ロック部108に対して円周方向に若干ずれた位置にセグメントギヤ109が形成され、さらにこのセグメントギヤ109に対して所定の角度ずれた位置に係合用凹部110が形成されている。これらの被ロック部108、セグメントギヤ109、および係合用凹部110に上記シャッタ開閉機構65がアクセスしながらカートリッジ51に対して相対的に摺動動作することによって、シャッタ板100の開閉動作が行なわれる。
【0040】
(2)動作の説明
次に以上のような構成に係る記録再生装置の動作について説明する。図2に示すトレー13の凹部14にDVR用カートリッジ51が載置された状態でこのトレー13が外筐10内に引込まれた場合には、DVR用カートリッジ51が図7〜図9に示すようにこの装置に装着される。このときにステッピングモータ35および送りねじ34によってDVD用ピックアップ31がDVR用カートリッジ51の外周側であってトレー13の前方側の部分に退避する。そしてこのときにはDVR用カートリッジ51はベースユニット25上の一対のサポートロッド45と一対のサポートアーム46とによってそれぞれ支持される。これらのロッド45およびアーム46は何れもベースユニット25の上昇動作によってトレー13の開口47、48を通してトレー13の凹部14上に臨み、DVR用カートリッジ51を正しく位置決めする。
【0041】
これに対してベアディスク52がトレー13の凹部14に載置された状態でトレー13が引込まれると、トレー13は外筐10内に引込まれる。このときのベアディスク12のベースユニット25上における位置関係は図10〜図12に示すようになる。すなわちこの場合にはステッピングモータ40によって送りねじ39がDVR用ピックアップ32をトレー13の奥側の部分に退避させる。すなわちベアディスク52に対してその外周側にDVR用ピックアップ32が位置する。言換えれば、ベアディスク52の投影面積の内側にDVR用ピックアップ32の少なくともレンズの部分が入らないように退避させる仕組になっている。そしてステッピングモータ35によって送りねじ34を介してDVD用ピックアップ31がベアディスク52の下面に位置することになる。このような状態においてターンテーブル27によってベアディスク52が回転駆動され、このベアディスク52に対して記録および/または再生が行なわれる。
【0042】
このように本実施の形態の記録再生装置は、DVD/CD、DVRの2つの互いに互換性のないフォーマットのディスク状記録媒体を使用することができる記録再生装置である。ここでベースユニット25は板金あるいは樹脂によって形成され、この装置の筐体10内に設けられている。そしてベースユニット25上においてDVD/CD用の光学ピックアップ31を手前側あるいは前方側に配するとともに、DVR用光学ピックアップ32を奥側に配するようにしている。これに対して光ディスク回転用モータはターンテーブル27とともに共通化して単一のものを用い、このターンテーブル27を中心に上記2種類の光学ピックアップ31、32をターンテーブル27の円周方向に180度ずれた位置でそれぞれ光ディスクの半径方向に移動自在にしている。なお2種類の光学ピックアップ31、32はそれぞれ独立にチルトおよび位置調整を可能にしている。
【0043】
ここでとくに装置内に侵入する可能性のあるダストに対して弱い高密度記録のためのフォーマットの光学ピックアップであるDVR用ピックアップ32を外筐10に対して奥側に位置するようにベースユニット25の後方に配置することによって、ダスト対策を可能にしている。なおここで2種類の光学ピックアップ31、32が移動するガイド33、37、38の何れかの主軸または副軸について、少なくとも1本を共通化させるようにすると、部品点数の削減が図られる。
【0044】
またこの装置はDVD/CDから成るベアディスク52を用いる場合には、DVR用ピックアップ32がベアディスク52に対して当らないようにするために、平面的にターンテーブル27とは反対側に移動するようにDVR用ピックアップ32の移動のためのガイドロッド37、38を設けている。これらのガイドロッド37、38はDVR用ピックアップ32がDVR用カートリッジ51にアクセスし、このカートリッジ内の光ディスクに対して半径方向に移動させるために必要な部品であるが、その長さを少し長くするだけでDVR用ピックアップ32の退避機構を完成している。
【0045】
逆にDVR用カートリッジ51を使用する場合には、DVD/CD用のピックアップ31がDVR用カートリッジ51と干渉しないように、ここではターンテーブル27に対して反対側の外周側に移動するようにガイドロッド33および送りねじ34の長さを長くしている。ガイドロッド33および送りねじ34はDVD用ピックアップ31がベアディスク52にアクセスするために必要な部品であるが、その長さを少し長くするだけで、このDVD用ピックアップ31の退避を可能にしている。
【0046】
なお上記実施の形態においては、一対の光学ピックアップ31、32の配置をターンテーブル27の円周方向に対して180度ずれた位置であってベースユニット25の手前側と奥側とに配するようにしているが、2種類の光学ピックアップ31、32の配置関係は必ずしも180度対向である必要はない。すなわち90度直交する方向に2つのピックアップ31、32を移動可能に配するようにしてよく、あるいはまた両者の移動方向の交差する角度を60度等の任意の角度に設定することが可能である。これら2種類の光学ピックアップ31、32の移動方向の配置は、外筐10あるいはベースユニット25内の他の部品の配置との関係において適宜選択できるものである。
【0047】
次にDVR用カートリッジ51をローディングして記録再生位置へ移動したときに、このカートリッジ51のシャッタ板100が開放される動作について説明する。図18に示すようにトレー13を引出した状態でその凹部14内にカートリッジ51を載置する。そしてこの後にトレー13を駆動部18によって駆動しながら自走させ、図19および図20に示すように外筐10内に引込む。このときにチャッキングスライダ56の上端に取付けられているシャッタ開閉機構65がトレー13のスリット64によってトレー13の凹部14に臨むようになる(図19、図20、図22、図23参照)。すなわちトレー13が引込まれると図21に示すようこのトレー13の後端側からシャッタ開閉機構65が相対的にトレー13の下側に侵入する。
【0048】
そしてトレー13が自走しながら記録再生位置側へ移動するに従って図22および図23に示すように、シャッタ開閉機構65はトレー13のスリット64の外側を摺動することになり、このときにシャッタ開閉機構65のラック71、一対の位相ずれ矯正部材75、79がともにトレー13のスリット64によって凹部14内に臨むようになる。このようなシャッタ開閉機構65のトレー13に対する相対的な移動によって、このトレー13によってローディングされるDVR用カートリッジ51のシャッタ板100が開放される。
【0049】
なおシャッタ開閉機構65によるDVR用カートリッジ51のシャッタ板100の開閉動作の際に、図26に示す突当て86がシャッタ開閉機構65の開閉ベース66を背面側から押圧し、これによってスリット64を通してトレー13の凹部14内に開閉ベース66が突出するように押圧する。これに対してシャッタ開閉機構65による開閉動作を終了したならば、カム85が図27に示すようにシャッタ開閉機構65を後退させ、これによってこのシャッタ開閉機構65がスリット64から後退し、トレー13の凹部14から逃げるようになる。なおこのときに突当て86は開閉ベース66に設けられている凹部87内に受入れられる。
【0050】
シャッタ開閉機構65によるDVR用カートリッジ51のシャッタ板100の具体的な開閉の動作を図29〜図38によって説明する。カートリッジ51を搭載したトレー13を外筐10内に引込むように自走させると、まず開閉ベース66の先端部によってロックレバー93の被押圧部96が押され、ロックレバー93がピン92を中心として時計方向に回動して内側シェル101のロックが解除され、やがて図29に示すようにシャッタ開閉機構65の先端側の位相ずれ矯正部材75がカートリッジ51の側面の溝の部分に侵入する。そしてシャッタ開閉機構65の相対的な移動によりカートリッジ51の内側シェル101の係合用凹部110に図30に示すように位相ずれ矯正部材75が係合する。これによって内側シェル101が下側シェル90に対して図31に示すように時計方向に回転される。
【0051】
内側シェル101は図28に示すように支点ピン102を介して一対のシャッタ板100を開閉自在に支持するとともに、このシャッタ板100のスリット103が下側シェル90の内表面に設けられているピン98に係合されているために、内側シェル101が回転されるとこれによって図31〜図36に示すようにシャッタ板100が内側シェル101に対して支点ピン102を中心として回動運動を行ない、これによって内側シェル101の開口106を開放する。
【0052】
図31に示すように位相ずれ矯正部材75は内側シェル101が比較的小さな角度回動されている内はその係合用凹部110に係合されているものの、開閉ベース66のラック71が内側シェル101のセグメントギヤ109に図32に示すように噛合うと、この位相ずれ矯正部材75が内側シェル101の係合用凹部110から離脱する。従ってこの後は開閉ベース66の移動によってラック71がセグメントギヤ109と係合しながら内側シェル101を同じ方向に回動させることになり、これによってシャッタ板100が内側シェル101の開口106を徐々に広くようになる(図33参照)。
【0053】
図34に示すように内側シェル101が図29に示す位置から約40度開かれると開閉ベース66の後側の位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の被ロック部108に係合する。従ってこの後は主として後側の位相ずれ矯正部材79が内側シェル101を時計方向に回転させるようになる。そして図35に示す状態を経て図36に示すように約50度内側シェル101が回転されると、シャッタ板100は開口106を完全に開放する。
【0054】
そしてさらにこの内側シェル101が開閉ベース66の後側の位相ずれ矯正部材79によって時計方向に回転されると、図37に示すように開放された内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とがほぼ完全に整合するようになる。なおこのときに内側シェル101の被ロック部108は真横の位置にある。そしてこの状態でロックレバー93のロック部94が内側シェル101の突部111の終端に係合し、開放状態で内側シェル101がロックされる。
【0055】
そしてこの後に図25および図27に示すように、トレー13の裏側のカム85が開閉ベース66の突部69を押戻し、これによってこのシャッタ開閉機構65を退避させる。従って図38に示すようにシャッタ板100が完全に開放されるとともに内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とが整合された状態で、シャッタ開閉機構65がカートリッジ51から離間する。
【0056】
なおシャッタ板100を閉じる動作は上記とは逆の動作によって行なわれる。すなわち図20に示すように記録再生位置に移動されたトレー13を引出して図18に示すように引出し位置へ移動させるのに連動して、トレー13に搭載されているDVR用カートリッジ51のシャッタ板100が閉じるようになっている。
【0057】
この動作は逆に図38〜図29の順序で行なわれる。すなわちまず開閉ベース66の後端の突部125によってカートリッジ51のロックレバー93の被押圧部96が押され、内側シェル101の突部111のロックレバー93によるロックが解除される。そしてその後に開閉ベース66の後側の位相ずれ矯正部材79がまず内側シェル101の被ロック部108と係合して内側シェル101を反時計方向に回転させる。そして位相ずれ矯正部材79が被ロック部108から離間する前にセグメントギヤ109がラック71によって押されて同方向に回転する。そして最後には前方の位相ずれ矯正部材75が内側シェル101の係合用凹部110に係合しながら最初の回転位置へ復帰させ、内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とがずれるとともに、一対のシャッタ板100が内側シェル101の開口106を完全に閉鎖するようになる。
【0058】
図38に示されるようにカートリッジ51のシャッタ板100が完全に開かれた状態からトレー13を引出し方向に移動させると、図38〜図29に示すようにシャッタ開閉機構65が相対的にカートリッジ51の側面を上方へ移動することになる。そして図37および図36に示すように開閉機構65が少し移動を開始した状態で上述の如く、開閉ベース66の押圧用突部125がカートリッジ51側のロックレバー93の被押圧部96を押圧し、これによってロックレバー93をピン92を中心として時計方向に回動させ、ロック部94を内側シェル101の突部111の終端から離脱させる。従ってこれにより、ロックレバー93が中シェル101の回転を阻害しないようになる。
【0059】
ロックレバー93は内側シェル101が大きな力で反時計方向に回動されるとロツク部94が突部111の上へ乗上げるようになっているものの、このときに大きな負荷を要する。ところがシャッタ開閉機構65のベース66の押圧用突部125によって予めロックレバー93をロック解除方向に回動させておくことにより、内側シェル101の反時計方向への回転の負荷を大幅に軽減することができ、これによってシャッタ板100の閉鎖動作が円滑に行なわれることになる。
【0060】
ここでカートリッジ51のシャッタ板100が図29および図30に示すように完全に内側シェル100の開口106を閉じた状態ではなく、図31あるいは図32に示すように開口106が半開状態でローディングが行なわれた場合のシャッタ板100の開放動作について説明する。この場合にはシャッタ開閉機構65の前方の位相ずれ矯正部材75が完全に機能しないで開放動作が行なわれる。すなわち位相ずれ矯正部材75が必ずしも内側シェル101の係合用凹部110に係合せず、むしろセグメントギヤ109に係合したり、あるいはまた位相ずれ矯正部材75が開放動作を行なわない。そしてシャッタ開閉機構75のラック71が直接内側シェル101のセグメントギヤ109に係合して内側シェル101を時計方向に回転させる。従ってこの場合にはシャッタ100が完全に閉じた状態でのローディング動作の場合に比べてシャッタ100の開放動作が早く行なわれる。
【0061】
そしてこの後にさらにシャッタ開閉機構65の開閉ベース66がカートリッジ51の側面を相対的に摺動し、ラック71がセグメントギヤ109から離れた状態で、シャッタ開閉機構65の位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の外周部のセグメントギヤ109と被ロック部108との間の突部の上面を摺動する。上述の如く位相ずれ矯正部材79はばね82によって押圧されてリミッタ機能が付与されているために、このリミッタ機能によって内側シェル101の外周面上をスリップしながら最終的には図35に示すように位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の被ロック部108に噛合う。
【0062】
すなわち位相ずれ矯正部材79の内側シェル101の外周面上の相対的なスリップによって半開状態のシャッタ板100の開閉ストロークの誤差を吸収する。従って図37および図38に示すように、最終的には位相ずれ矯正部材79によって強制的にシャッタ板100が全開状態になる。すなわちシャッタ板100が半開状態でトレー13上に載置されてローディングが行なわれても、必ずカートリッジ51のシャッタ板100は図38に示すように全開状態で記録再生位置へ移動され、円滑な記録再生動作が可能になる。
【0063】
次に図38に示すようにシャッタ板100が全開状態ではなく、例えば図35あるいは図36に示すように部分的に閉じられた状態でトレー13によって記録再生位置から引出し位置へ移動された場合について考察する。この場合においては、位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の被ロック部108に係合して内側シェル101を回動させる動作が不完全であったりこの動作が行なわれず、開閉ベース66上のラック71が内側シェル101のセグメントギヤ109を反時計方向に回動させる。
【0064】
そしてこの後に前方の位相ずれ矯正部材75が内側シェル101のセグメントギヤ109と係合用凹部110との間の外周面上を摺動する。このような後側の位相ずれ矯正部材75の内側シェル101の外周面上の摺動動作によって、シャッタ板100の半開状態の不定ストロークを吸収する。そして最終的には図30に示すように開閉ベース66の前側の位相ずれ矯正部材75が正しく内側シェル101の係合用凹部110に係合した状態で内側シェル101の開口106がシャッタ板100によって完全に閉じられる。従って半開状態でDVR用カートリッジ51の排出を行なっても、完全にシャッタ板100によって閉じられた状態で排出される。
【0065】
このようにシャッタ開閉機構65を利用してDVR用カートリッジ51の内側シェル101を回転させ、これによってシャッタ板100の開閉動作を行なうようにしている。ここでシャッタ開閉機構65のラック71と内側シェル101のセグメントギヤ109の位置関係を両者のピッチサークルが互いに接する理想ピッチ距離関係にはせず、むしろ開閉機構65側のばね68、74によってラック71をカートリッジ51側へ押圧することによって、深い噛合いを達成し、これによって両者の間の噛合いの外れを防止している。
【0066】
またシャッタ開閉機構65のラック71の与圧を2個のばね71によって行なうことにより、セグメントギヤ109との噛合い方向に対してラック71の移動方向に対する法線が一致しない場合であって、ラック71の一端がカートリッジ51側の切欠き118内において傾斜した状態であってもラック71とセグメントギヤ109との噛合いを達成している。
【0067】
またシャッタ開閉機構65のラック71、位相ずれ矯正部材75、79をそれぞればね74、78、82によってカートリッジ51側に与圧することによって、トレー13によってカートリッジ51を搬送する機構において、とくにトレー13やカートリッジ51の部品寸法のばらつきを吸収し、これによってシャッタ開閉機構65のラック71とセグメントギヤ109との確実な噛合いを達成し、シャッタ板100の開閉動作を確実に行なうようにしている。
【0068】
このように本実施の形態のディスク式記録再生装置におけるシャッタ開閉機構65は開閉ベース66と、排出時にシャッタ板100を全閉させる前方側の位相ずれ矯正部材75と、ローディング時にシャッタ板100を全開させる後側の位相ずれ矯正部材79と、カートリッジ51の内側シェル101のセグメントギヤ109と噛合ってこの内側シェル101を回動させるラック71とから構成されている。
【0069】
ここでシャッタ開閉機構65はトレー13の記録再生位置への引込み動作によって、トレー13上のカートリッジ51の側面を相対的に摺動することによって、カートリッジ51の側面に露出する内側シェル101のセグメントギヤ109および係合用凹部110を捕えて内側シェル101を回動させ、この内側シェル101に回動自在に支持されている一対のシャッタ板100を開放する。
【0070】
そしてシャッタ板100の全開後においてはトレー13の裏面に設けられているカム85によってシャッタ開閉機構65をカートリッジ51の側面から離脱させ、これによってカートリッジ51に対するガタ寄せを解除する。従ってこの後にカートリッジ51のケース内におけるディスクのチャッキング時にケースの位置決めを阻害することがない。
【0071】
またトレー13を記録再生位置から引出し位置へ移動させる工程において、ケース内のディスクのチャッキングを解除した後に開閉ベース66に設けられた圧縮コイルばね68の力によって再びシャッタ開閉機構65がカートリッジ51の側面に押当てられ、これによってカートリッジ51に対するガタ寄せを行なう。そしてトレー13の排出が始まるとトレー13の引込み時とは逆方向の工程で上述の如く一対のシャッタ板100が閉じられ、そしてシャッタ板100によって内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とがともに全閉された後にトレー13の排出が行なわれる。これによってケース内の光ディスクの汚損を防止している。
【0072】
またこのディスク式記録再生装置はトレー13によって記録再生位置に引込まれたカートリッジ51を図7〜図9に示すようにベースユニット25上の一対のサポートロッド45とサポートアーム46とによって高精度に支持している。このときにカートリッジ51の下側シェル90はトレー13の凹部14の表面から約1mm浮いた状態になっている。そしてこのような状態において上側から押圧機構によってカートリッジ51を分離して弾性的に押圧している。
【0073】
図39〜図41は上記シャッタ開閉機構65による開閉動作の際におけるシャッタ開閉機構65のカートリッジ51に対する退避動作を示している。すなわちここではDVR用カートリッジ51の側部の切欠き118に対してラック71、一対の位相ずれ矯正部材75、79の軸線方向の寸法をトレー13によるカートリッジ51の搬送時とベースユニット25によるチャックアップ動作完了時の高さ方向の移動量以上に小さくすることによって、シャッタ板100が開放された状態で、シャッタ開閉機構65の先端部がカートリッジ51の外形投影面積の外側に移動する必要なしに、カートリッジ51の保持部とシャッタ開閉機構65の高さ方向の移動機構を設けるようにしている。
【0074】
図39はカートリッジ51がトレー13の凹部14上に載置された状態を示しており、この状態で開閉機構65の位相ずれ矯正部材79が図37に示すようにカートリッジ51の内側シェル101の被ロック部108に係合される。
【0075】
この後にトレー13がさらに記録再生装置側へ引込まれると、このトレー13に設けられているカム85によって図40に示すように開閉ベース66が右方に後退され、この開閉ベース66に取付けられている位相ずれ矯正部材79は後退し、内側シェル101の被ロック部108から離脱する。ところがこの状態においてもなお位相ずれ矯正部材79はカートリッジ51の上下のシェル117、90の切欠き118内に位置している。すなわちカートリッジ51の投影面積の内側に位置している。
【0076】
このような状態でチャッキングスライダ56がトレー13の引込み方向とは逆方向に押出され、このチャッキングスライダ56のカム溝59によってベースユニット25が上方に押上げられると、図41に示すようにカートリッジ51はトレー13の凹部14から上方に浮上がる。なおこのときにカートリッジ51はサポートロッド45とサポートアーム46とによって支持される。そしてこのような状態において図41に示すように、シャッタ開閉機構65の位相ずれ矯正部材79はカートリッジ51の切欠き118内を下方に移動するものの、この位相ずれ矯正部材79はなお切欠き118の下面よりも上側に位置しており、両者の間に隙間が存在する。
【0077】
従ってこのような構造によれば、シャッタ開閉機構65のカートリッジ51に対する図41における右方への退避のストロークを小さくすることが可能になる。
【0078】
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願に含まれる発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態は光ディスクと一対の光学ピックアップ33、34から成る光学ヘッド装置によって構成される装置に関するものであるが、本願の発明はこのような構成のみに限定されるものではなく、光磁気ディスクや磁気ディスク、静電容量ディスク等の記録媒体と、この記録媒体に対して記録および/または再生を行なうヘッド装置の組合わせから成る装置に広く適用可能である。
【0079】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、ディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置において、トレーによってカートリッジを記録再生位置へ移動させるときにカートリッジのシャッタを開放するとともに、トレーによってカートリッジを引出し位置へ移動させるときにカートリッジのシャッタを閉鎖するシャッタ開閉機構を具備し、該シャッタ開閉機構はカートリッジの側面に接してシャッタを開閉するラックと、シャッタの開放時における開度の不定を吸収する第1の位相ずれ矯正部材と、シャッタの閉鎖時における開度の不定を吸収する第2の位相ずれ矯正部材とを具備し、シャッタ開閉機構のラックがカートリッジのケース側のセグメントギヤに噛合うとともに、第1の位相ずれ矯正部材と第2の位相ずれ矯正部材とがそれぞれケース側の第1の係合部と第2の係合部とにそれぞれ係合してシャッタの開閉を行なうようにしたものである。
【0080】
従ってこのようなディスク式記録再生装置によれば、シャッタ開閉機構のとくにラックによってカートリッジのケース側のセグメントギヤを駆動することによって、シャッタを確実に開閉することが可能になる。またシャッタの開放時における開度が不定の場合においても、第1の位相ずれ矯正部材の作用によってこの開度の不定を吸収し、正しくシャッタを全開の状態にでき、またシャッタの閉鎖時に開度が不定の場合においても、第2の位相ずれ矯正部材によって上記シャッタの開度の不足を吸収することが可能になり、これによって信頼性の高いシャッタの開閉動作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク式記録再生装置の要部斜視図である。
【図2】同トレーを引出した状態の斜視図である。
【図3】ベースユニットの平面図である。
【図4】ベースユニットの側面図である。
【図5】ベースユニットの正面図である。
【図6】ベースユニットの斜視図である。
【図7】DVR用カートリッジを装着したベースユニットの平面図である。
【図8】同側面図である。
【図9】同斜視図である。
【図10】ベアディスクを搭載したベースユニットの平面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】同斜視図である。
【図13】チャッキングスライダの取付けを示す分解斜視図である。
【図14】シャッタ開閉機構の正面図、底面図、および背面図である。
【図15】シャッタ開閉機構の分解斜視図である。
【図16】同外観斜視図である。
【図17】シャッタ開閉機構の分解平面図である。
【図18】トレーを引出した状態のシャッタ開閉機構の配置を示す外観斜視図である。
【図19】トレーを引込んだ状態のシャッタ開閉機構の配置を示す外観斜視図である。
【図20】同シャッタ開閉機構が後退した状態の斜視図である。
【図21】トレーの底部に対するシャッタ開閉機構の導入動作を示す斜視図である。
【図22】シャッタ開閉機構が下側に引込まれたトレーの斜視図である。
【図23】同シャッタ開閉機構が後退した状態の斜視図である。
【図24】トレーの底部を示す裏側の要部斜視図である。
【図25】シャッタ開閉機構を後退させた状態のトレーの裏側の斜視図である。
【図26】突当てによるシャッタ開閉機構の前進動作を示すトレーの底面図である。
【図27】カムによるシャッタ開閉機構の後退動作を示すトレーの底面図である。
【図28】DVR用カートリッジのシャッタ支持機構を示す要部分解斜視図である。
【図29】シャッタの開放を開始する直前の状態を示す平面図である。
【図30】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図31】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図32】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図33】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図34】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図35】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図36】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図37】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図38】シャッタが完全に開放された状態を示す平面図である。
【図39】シャッタ開閉機構の要部縦断面図である。
【図40】シャッタ開閉機構を後退させた状態の要部縦断面図である。
【図41】カートリッジをトレーから浮上がらせた状態のシャッタ開閉機構の要部縦断面図である。
【符号の説明】
10‥‥外筐、11‥‥フロントパネル、12‥‥横長開口、13‥‥トレー、14‥‥凹部、15‥‥開口、16‥‥U字状切込み、17‥‥半円形の切込み、18‥‥駆動ユニット、19‥‥モータ、20‥‥段部、21‥‥ラック、25‥‥ベースユニット、26‥‥ブラケット、27‥‥ターンテーブル、31‥‥DVD用ピックアップ(光学ヘッド)、32‥‥DVR用ピックアップ(光学ヘッド)、33‥‥ガイドロッド、34‥‥送りねじ、35‥‥ステッピングモータ、37、38‥‥ガイドロッド、39‥‥送りねじ、40‥‥ステッピングモータ、41‥‥ナット、45‥‥サポートロッド、46‥‥サポートアーム、47、48‥‥開口、51‥‥DVR用カートリッジ、52‥‥ベアディスク、56‥‥チャッキングスライダ、57‥‥連結板、58‥‥長孔、59‥‥カム溝、60‥‥ピン、61‥‥縦溝、64‥‥スリット、65‥‥シャッタ開閉機構、66‥‥開閉ベース、67‥‥保持部、68‥‥ばね、69‥‥突部、71‥‥ラック、72‥‥係合爪、73‥‥係合孔、74‥‥ばね、75‥‥位相ずれ矯正部材(前)、76‥‥係合爪、77‥‥係合孔、78‥‥ばね、79‥‥位相ずれ矯正部材(後)、80‥‥係合爪、81‥‥係合孔、82‥‥ばね、85‥‥カム、86‥‥突当て、87‥‥凹部、90‥‥下側シェル、91‥‥開口、92‥‥ピン、93‥‥ロックレバー、94‥‥ロック部、95‥‥弾性片、96‥‥被押圧部、97‥‥開閉ピン、100‥‥シャッタ板、101‥‥内側シェル、102‥‥支点ピン、103‥‥スリット、106‥‥開口、108‥‥被ロック部、109‥‥セグメントギヤ、110‥‥係合用凹部、111‥‥突部、117‥‥上側シェル、118‥‥切欠き、119‥‥スリット、120‥‥凹部、125‥‥押圧用突部
【発明の属する技術分野】
本発明はディスク式記録再生装置に係り、とくにディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(コンパクトディスク)やDVDのような光ディスクから成るディスク状記録媒体を用いて記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置が音楽や映像の記録再生に広く用いられている。さらにはこのようなディスク状記録媒体はコンピュータ等の情報処理装置の記憶装置として用いられている。
【0003】
この場合に上記のディスク状記録媒体はトレーに載置されるとともに、トレーが引出し位置から記録再生位置に引込まれる。そしてこの状態で回転駆動部を構成するターンテーブルが下方から上昇し、トレーからディスク状記録媒体を浮上がらせて回転駆動させる。このような状態においてディスク状記録媒体に対して光学ピックアップを半径方向に移動させながら記録あるいは再生を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような光ディスクから成るディスク式記録再生装置において、とくに高密度記録を行なうDVRにおいては、ダスト等による光ディスクの汚損を防止するために、光ディスクをケース内に収納したカートリッジを用いることになる。一般にカートリッジのケースは開口を備え、この開口を不使用時にシャッタによって閉じるとともに、記録再生位置に装着したならば上記シャッタを開き、これによって光学ヘッドによるアクセスを可能にする。
【0005】
従ってカートリッジを用いるディスク式記録再生装置においては、カートリッジが記録再生位置にローディングされるのに同期してシャッタが完全に開放されるようにすることが好ましい。ここでシャッタはその閉鎖状態が中途半端な状態であっても必ず完全に開放されなければならない。また記録再生を終ってカートリッジを取出す際に、ケースの開口をシャッタによって確実に閉める必要がある。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、カートリッジが記録再生位置に装着されるとケースの開口が完全に開かれ、カートリッジが記録再生位置から取出された場合にはケースの開口がシャッタによって完全に閉鎖されるようにしたディスク式記録再生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、ディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置において、
前記トレーによって前記カートリッジを記録再生位置へ移動させるときに前記カートリッジのシャッタを開放するとともに、前記トレーによって前記カートリッジを引出し位置へ移動させるときに前記カートリッジのシャッタを閉鎖するシャッタ開閉機構を具備し、
該シャッタ開閉機構は前記カートリッジの側面に接して前記シャッタを開閉するラックと、前記シャッタの開放時における開度の不定を吸収する第1の位相ずれ矯正部材と、前記シャッタの閉鎖時における開度の不定を吸収する第2の位相ずれ矯正部材とを具備し、
前記シャッタ開閉機構のラックが前記カートリッジのケース側のセグメントギヤに噛合うとともに、前記第1の位相ずれ矯正部材と前記第2の位相ずれ矯正部材とがそれぞれ前記ケース側の第1の係合部と第2の係合部とにそれぞれ係合して前記シャッタの開閉を行なうことを特徴とするディスク式記録再生装置に関するものである。
【0008】
ここで前記カートリッジがディスク状記録媒体を収納する中シェルを具備し、該中シェルに前記シャッタが回動自在に取付けられ、しかも前記中シェルの一側部に前記セグメントギヤと前記第1の係合部と前記第2の係合部とが設けられ、前記開閉機構が前記中シェルの一側部に沿って接線方向に移動すると前記中シェルがケース内で回転して前記カートリッジの開口を前記シャッタが開閉するようにしてよい。
【0009】
また前記開閉機構の第1の位相ずれ矯正部材と前記ラックの端部との間の長さが前記カートリッジ側の前記第1の係合部と前記セグメントギヤの端部との間の円弧長よりも大きくなるようにしてよい。また前記開閉機構の第1の位相ずれ矯正部材と前記ラックの端部との間の長さが前記カートリッジ側の前記第1の係合部と前記セグメントギヤの端部との間の円弧長よりも、前記ラックおよび前記セグメントギヤの歯のピッチをpとしたときに、0.2p〜0.5p長くなるようにしてよい。また前記ラックと前記セグメントギヤの歯のモジュールが0.7であってよい。また前記セグメントギヤのピッチサークルと前記ラックのピッチサークルとが接する位置よりも深い位置で前記セグメントギヤと前記ラックとが噛合うようにしてよい。
【0010】
また前記カートリッジのケースの側面の切欠きの軸線方向の寸法に対して前記第2の位相ずれ矯正部材の軸線方向の寸法を小さくし、前記トレー上に前記カートリッジが載置されている状態および前記トレーから前記カートリッジが支持手段によって浮上った状態で前記第2の位相ずれ矯正部材が前記切欠きと干渉しないようにし、前記開閉機構の前記カートリッジに対する退避ストロークの後退位置においてなお前記第2の位相ずれ矯正部材の先端部が前記ケースの切欠き内にあるように前記開閉機構の後退ストロークを設定してよい。また前記開閉機構が後退した状態であって前記第2の位相ずれ矯正部材の先端部が前記中シェルの第2の係合部から外れた状態でしかも前記カートリッジのケースの内側に干渉しない状態で存在するように前記開閉機構の退避ストロークが設定してよい。
【0011】
また前記ケースにロックレバーが回動自在に設けられ、該ロックレバーが前記中シェルの被ロック部と係合することによって該ロックレバーが前記中シェルがシャッタを開放する方向に回転するのを阻止し、しかも前記開閉機構に押圧用突部が設けられ、該押圧用突部は前記シャッタが完全に開かれた状態で前記ロックレバーをロック解除方向に押圧して前記中シェルの回転負荷を軽減するようにしてよい。
【0012】
また前記開閉機構の長さ方向の両端がそれぞれ弾性手段を介してカートリッジ側に付勢され、前記開閉機構の一端がカートリッジの切欠き内において移動方向に対して傾斜していても前記ラックが前記セグメントギヤに噛合うようにしてよい。また前記開閉機構の前記ラック、前記第1の位相ずれ矯正部材、および前記第2の位相ずれ矯正部材が開閉ベース上に取付けられるとともに、それぞれ別々の弾性手段によってカートリッジ側に付勢されてよい。
【0013】
本願に含まれる発明の好ましい態様は、シャッタ開閉機構の位相ずれ矯正部材とラックの1歯目との間の寸法をカートリッジの中シェルの側面の係合用凹部とセグメントギヤの1歯目との間の円弧状の長さよりも長くし、これによってとくに位相ずれ矯正部材と係合用凹部との間のガタによる差分を吸収するようにしたものであって、理想移動距離(ギヤモジュール×整数)よりも長くしている。
【0014】
またシャッタ開閉機構のラックとカートリッジの中シェルのセグメントギヤの噛合い深さの方向の位置関係を互いに両者のピッチサークルが接する位置関係にはせず、むしろばねによってシャッタ開閉機構のラックギヤをカートリッジの中シェルのセグメントギヤに深く噛合うようにし、これによって噛合いの外れを防止するようにしている。またシャッタ開閉機構の開閉ベースの長さ方向の両端の背面側をそれぞればねで押すことによって、カートリッジの中シェルのセグメントギヤの噛合い方向に対して開閉ベースのラックの法線が一致しない場合であって片端がカートリッジの切欠き内において傾斜していても噛合いを確保できるようにしている。またシャッタ開閉機構の開閉ベースに対してラックおよび前後の位相ずれ矯正部材を互いに別部材から構成するとともに、ラックおよび一対の位相ずれ矯正部材をそれぞれ独立にばねによってシャッタ側に押圧することにより、トレーあるいはカートリッジの部品寸法のばらつきを吸収してラックとセグメントギヤとの確実な噛合いを達成し、これによってシャッタの開閉動作の信頼性を高めている。
【0015】
またカートリッジの側面の切欠きに対してラックおよび一対の位相ずれ矯正部材の軸線方向の寸法を、トレーによるカートリッジの搬送時とベースユニットによるチャックアップ動作の完了後における高さ方向の移動量以上に小さくすることによって、カートリッジのシャッタが開放された状態でシャッタ開閉機構の先端部がカートリッジの外形投影面積の外側まで移動することを不要にしている。
【0016】
またカートリッジの中シェルをシャッタが閉じた状態でロックするロックレバーの被押圧部に作用する押圧用突部をシャッタ開閉機構の開閉ベースに設け、完全にシャッタが閉じた状態において上記押圧用突部によってカートリッジ側のロックレバーをロック解除方向に押込むようにしており、これによってシャッタが完全に開放された状態からシャッタが閉じる方向に中シェルが回転する際におけるシャッタ開閉機構のとくに後側の位相ずれ矯正部材の負荷を軽減するようにしている。
【0017】
このような態様のディスク式記録再生装置は、トレーによってカートリッジを記録再生位置と引出し位置との間で移動させるようにしたディスク式記録再生装置におけるシャッタの開閉機構に適用され、とくにシャッタの開閉動作の信頼性の向上に大きく貢献することになる。とくにトレーおよびカートリッジの部品寸法のばらつきを吸収し、確実なシャッタの開閉動作を実現することになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1)構成の説明
図1および図2は本願発明の一実施の形態に係るディスク式記録再生装置の全体の構成を示すものであって、この装置は偏平な直方体状をなす外筐10を備えている。なお図1および図2に示すように、ここでは上部を開放して示している。そしてこの外筐10の前面側の開口を閉塞するフロントパネル11には横長開口12が形成され、この横長開口12によって引出し可能にトレー13が外筐10内に組込まれるようになっている。
【0019】
トレー13はそのほぼ中央部にカートリッジまたはベアディスクを受入れる凹部14を有するとともに、凹部14を横切るように縦方向に延びる開口15が形成されている。この開口15の奥側にはU字状の切込み16が連設され、手前側には半円形の切込み17が形成されている。
【0020】
またトレー13上であってそのの奥側の側部には駆動ユニット18が設けられ、さらに駆動ユニット18を駆動するためのモータ19が取付けられている。トレー13は外筐10の内側であってその両側の段部20によって摺動可能に支持されるとともに、駆動ユニット18の出力端を構成するピニオンが段部20の下側のラック21と噛合い、これによって図1および図2に示すように、横長開口12に対して引出しおよび収納自在に自走するようになっている。
【0021】
上記外筐10の底板の上部には図3〜図6に示すようなベースユニット25が設けられている。ベースユニットは板金製のシャーシから構成され、そのほぼ中央部にはブラケット26を介して回転駆動部を構成するターンテーブル27が設けられている。ターンテーブル27はその下側のモータによってダイレクトに駆動されるようになっている。
【0022】
またベースユニット25は上記ターンテーブル27に対してその手前側にDVD用ピックアップ31が、奥側にDVR用ピックアップ32が配されている。ここでDVD用ピックアップ31はガイドロッド33と送りねじ34とによってその両側が支持されるとともに、送りねじ34がステッピングモータ35によって回転駆動され、これによって光ディスクの半径方向に移動されるようになっている。
【0023】
これに対して奥側のDVR用ピックアップ32は両側の一対のガイドロッド37、38によって案内されるようになっており、しかもDVR用ピックアップ32を光ディスクに対してその半径方向に移動させるための送りねじ39が設けられている。この送りねじ39はステッピングモータ40によって駆動されようになっており、しかも送りねじ39はピックアップ32のナット41に螺合されている。
【0024】
またベースユニット25上にはその前方の両側に一対のサポートロッド45が立設されるとともに、後方の両側には一体にサポートアーム46が連設されている。これらのサポートロッド45およびサポートアーム46はベースユニット25が昇降機構によって上昇すると、トレー13の開口47、48から突出するようになり、これによってトレー13上に載置されるDVR用カートリッジ51をその4つのコーナの部分で下面から支持するようになっている。
【0025】
次にカートリッジ型のディスク状記録媒体であるDVR用カートリッジ51に設けられているシャッタを開閉する機構について説明する。図13に示すようにこの記録再生装置は外筐10の底板上にチャッキングスライダ56を備えている。チャッキングスライダ56は外筐10の両側板の内側に位置するとともに、両側のスライダ56は連結板57によって結合されている。そして連結板57には長孔58が形成されるとともに、この長孔58が外筐10の底板上に螺着されたねじを受入れ、これによって摺動動作するようになっている。また両側のチャッキングスライダ56にはそれぞれ一対ずつのカム溝59が形成されている。
【0026】
上記カム溝59はベースユニット25の両側にそれぞれ植設されているピン60を受入れるようになっている。しかもピン60の先端部は外筐10の内側の表面に形成されている縦溝61に係合され、これによってチャッキングスライダ56が前後に移動するとベースユニット25が昇降動作を行なうようになっている。また一方のチャッキングスライダ56の内側の表面にはラック21が形成され、このラック21が上記トレー13の駆動ユニット18の出力端を構成するピニオンと噛合うようになっており、これによってトレー13はモータ19の出力によって自走しながら記録再生位置と引出し位置との間を移動するようになっている。
【0027】
上記左右一対のチャッキングスライダ56の内の一方のスライダ56の上部には図14〜図17に示すようなシャッタ開閉機構65が取付けられている。このシャッタ開閉機構65は図14および図15に示すように開閉ベース66を備えるとともに、長さ方向の両端には保持部67を備えている。そしてこれらの保持部67がばね68を受入れるようになっている。ばね68はこのベース66をチャッキングスライダ56から離間するように付勢している。また開閉ベース66はその一端に突部69を備えている。
【0028】
上記開閉ベース66にはその長さ方向の中間位置にラック71が取付けられる。ラック71はその長さ方向の両端にそれぞれ係合爪72を備え、これらの係合爪72が開閉ベース66の係合孔73に係合されるようになっている。しかもラック71は一対のばね74によってベース66の表面から突出するように付勢される。
【0029】
さらに上記開閉ベース66にはその長さ方向の一端であって前端側の部分に位相ずれ矯正部材75を備えている。この矯正部材75は一対の係合爪76を備え、これらの係合爪76が係合孔77に係合されるとともに、ばね78によって突出する方向に付勢されている。またベース66の後端側には別の位相ずれ矯正部材79が取付けられ、その両端の係合爪80がベース66の係合孔81に係合されている。またこの位相ずれ矯正部材79はばね82によって飛出す方向に付勢されている。
【0030】
上記シャッタ開閉機構65の開閉ベース66上に設けられている位相ずれ矯正部材75とラック71の1歯目との間の図14Bにおける距離Aは後述するカートリッジの内側シェル101の係合用凹部110とセグメントギヤ109の1歯目との間のピッチサークルの円弧状の長さよりも長く設定されている。これはラック71と位相ずれ矯正部材75、79を有する開閉ベース66が直線運動を行なうのに対してセグメントギヤ109と係合用凹部110とを有する内側シェル101が回転運動を行なうのと、位相ずれ矯正部材75とカートリッジ51側の係合用凹部110との間のガタを吸収するためである。
【0031】
ここで両者の長さの差はラック71あるいはセグメントギヤ109の歯のピッチpとしたときに、0.2p〜0.5pの範囲内であることが好ましく、とくに約p/3の値が好適である。このようにシャッタ開閉機構65側の位相ずれ矯正部材75とラック71との間の距離Aをやや長くすることによって、カートリッジ51の内側シェル101の回転によるシャッタ板100の開閉動作が円滑に行なわれる。
【0032】
なおシャッタ開閉機構65の位相ずれ矯正部材75とラック71の1歯目との間の距離を長くする代りに、位相ずれ矯正部材75を開閉ベース66に取付ける構造を変更して距離の差を吸収するようにしてもよい。すなわち開閉ベース66に対して位相ずれ矯正部材75を開閉ベース66の長さ方向に微小量だけ摺動可能にするか、あるいはまた開閉ベース66に対して位相ずれ矯正部材75を首振り可能にしてよい。
【0033】
なお開閉ベース66に対する後側の位相ずれ矯正部材79の取付けについても、同様にこの位相ずれ矯正部材79を開閉ベース66に対して摺動可能あるいは首振り可能に取付けるようにしてよい。このような構成によれば、位相ずれ矯正部材75、ラック71、および位相ずれ矯正部材79のカートリッジ51の内側シェル101の係合用凹部110、セグメントギヤ109、および被ロック部108に対する係合がそれぞれ確実に行なわれるようになり、円滑なシャッタ板100の開閉動作が可能になる。
【0034】
このような開閉ベース66にラック71と位相ずれ矯正部材75、79を備えるシャッタ開閉機構65は図13に示すようにチャッキングスライダ56に取付けられるとともに、図21に示すようにトレー13の移動によってこのトレー13の下側に侵入し、図22および図23に示すように開閉ベース66に設けられているラック71、位相ずれ矯正部材75、79がトレー13のスリット64によってこのトレー13の凹部14の内側に臨むようになっており、これによってDVR用カートリッジ51にアクセスするようになっている。
【0035】
トレー13の下面にはとくに図24〜図27に示すように上記シャッタ開閉機構65の摺動位置に臨むようにカム85と突当て86とがそれぞれ設けられている。カム85はシャッタ開閉機構65をカートリッジ51から離間させるように作用し、これに対して突当て86は逆にシャッタ開閉機構65がカートリッジ51に近接するように押圧するようになっている。
【0036】
次に上記のようなシャッタ開閉機構65によって開閉されるDVR用カートリッジ51のシャッタの構造について説明する。図28はこのカートリッジ51のディスク状記録媒体の収納部よりも下側の部分の構成を示したものであって、カートリッジ51のケースの下側部分が下側シェル90から構成されている。下側シェル90にはDVR用ピックアップ32のアクセスを可能にする開口91が形成されている。
【0037】
また下側シェル90の開口91の一方の側部にはピン92が植設され、このピン92にロックレバー93が開閉自在に支持されている。ロックレバー93はその一端にロック部94と弾性片95とを備え、これに対して反対側の部分が被押圧部96になっている。このようなロックレバー93はとくにそのロック部94が後述する内側シェルのロックを行なうようにしている。また下側シェル90の上面には一対の開閉ピン97が設けられている。
【0038】
このような下側シェル90の上部に一対のシャッタ板100が配される。シャッタ板100は内側シェル101の下面にそれぞれ支点ピン102を介して回動自在に支持されている。しかもそれぞれのシャッタ板100にはスリット103が形成され、これらのスリット103が下側シェル90の表面の開閉ピン97と係合し、これによって内側シェル101の回転に連動してシャッタ板100の開閉動作が行なわれるようになっている。すなわちシャッタ板100は下側シェル90上において内側シェル101が回転動作をすると、図29〜図38に示すように運動して開口91を開放するようにしている。内側シェル101を逆方向に回転させると、図38〜図29に示すように、開口91がシャッタ板100によって閉鎖される。
【0039】
上記下側シェル90上において回転運動を行なう内側シェル101には下側シェル90の開口91とほぼ整合する開口106が形成されている。また内側シェル101の外周部のリブには被ロック部108が形成されるとともに、この被ロック部108に対して円周方向に若干ずれた位置にセグメントギヤ109が形成され、さらにこのセグメントギヤ109に対して所定の角度ずれた位置に係合用凹部110が形成されている。これらの被ロック部108、セグメントギヤ109、および係合用凹部110に上記シャッタ開閉機構65がアクセスしながらカートリッジ51に対して相対的に摺動動作することによって、シャッタ板100の開閉動作が行なわれる。
【0040】
(2)動作の説明
次に以上のような構成に係る記録再生装置の動作について説明する。図2に示すトレー13の凹部14にDVR用カートリッジ51が載置された状態でこのトレー13が外筐10内に引込まれた場合には、DVR用カートリッジ51が図7〜図9に示すようにこの装置に装着される。このときにステッピングモータ35および送りねじ34によってDVD用ピックアップ31がDVR用カートリッジ51の外周側であってトレー13の前方側の部分に退避する。そしてこのときにはDVR用カートリッジ51はベースユニット25上の一対のサポートロッド45と一対のサポートアーム46とによってそれぞれ支持される。これらのロッド45およびアーム46は何れもベースユニット25の上昇動作によってトレー13の開口47、48を通してトレー13の凹部14上に臨み、DVR用カートリッジ51を正しく位置決めする。
【0041】
これに対してベアディスク52がトレー13の凹部14に載置された状態でトレー13が引込まれると、トレー13は外筐10内に引込まれる。このときのベアディスク12のベースユニット25上における位置関係は図10〜図12に示すようになる。すなわちこの場合にはステッピングモータ40によって送りねじ39がDVR用ピックアップ32をトレー13の奥側の部分に退避させる。すなわちベアディスク52に対してその外周側にDVR用ピックアップ32が位置する。言換えれば、ベアディスク52の投影面積の内側にDVR用ピックアップ32の少なくともレンズの部分が入らないように退避させる仕組になっている。そしてステッピングモータ35によって送りねじ34を介してDVD用ピックアップ31がベアディスク52の下面に位置することになる。このような状態においてターンテーブル27によってベアディスク52が回転駆動され、このベアディスク52に対して記録および/または再生が行なわれる。
【0042】
このように本実施の形態の記録再生装置は、DVD/CD、DVRの2つの互いに互換性のないフォーマットのディスク状記録媒体を使用することができる記録再生装置である。ここでベースユニット25は板金あるいは樹脂によって形成され、この装置の筐体10内に設けられている。そしてベースユニット25上においてDVD/CD用の光学ピックアップ31を手前側あるいは前方側に配するとともに、DVR用光学ピックアップ32を奥側に配するようにしている。これに対して光ディスク回転用モータはターンテーブル27とともに共通化して単一のものを用い、このターンテーブル27を中心に上記2種類の光学ピックアップ31、32をターンテーブル27の円周方向に180度ずれた位置でそれぞれ光ディスクの半径方向に移動自在にしている。なお2種類の光学ピックアップ31、32はそれぞれ独立にチルトおよび位置調整を可能にしている。
【0043】
ここでとくに装置内に侵入する可能性のあるダストに対して弱い高密度記録のためのフォーマットの光学ピックアップであるDVR用ピックアップ32を外筐10に対して奥側に位置するようにベースユニット25の後方に配置することによって、ダスト対策を可能にしている。なおここで2種類の光学ピックアップ31、32が移動するガイド33、37、38の何れかの主軸または副軸について、少なくとも1本を共通化させるようにすると、部品点数の削減が図られる。
【0044】
またこの装置はDVD/CDから成るベアディスク52を用いる場合には、DVR用ピックアップ32がベアディスク52に対して当らないようにするために、平面的にターンテーブル27とは反対側に移動するようにDVR用ピックアップ32の移動のためのガイドロッド37、38を設けている。これらのガイドロッド37、38はDVR用ピックアップ32がDVR用カートリッジ51にアクセスし、このカートリッジ内の光ディスクに対して半径方向に移動させるために必要な部品であるが、その長さを少し長くするだけでDVR用ピックアップ32の退避機構を完成している。
【0045】
逆にDVR用カートリッジ51を使用する場合には、DVD/CD用のピックアップ31がDVR用カートリッジ51と干渉しないように、ここではターンテーブル27に対して反対側の外周側に移動するようにガイドロッド33および送りねじ34の長さを長くしている。ガイドロッド33および送りねじ34はDVD用ピックアップ31がベアディスク52にアクセスするために必要な部品であるが、その長さを少し長くするだけで、このDVD用ピックアップ31の退避を可能にしている。
【0046】
なお上記実施の形態においては、一対の光学ピックアップ31、32の配置をターンテーブル27の円周方向に対して180度ずれた位置であってベースユニット25の手前側と奥側とに配するようにしているが、2種類の光学ピックアップ31、32の配置関係は必ずしも180度対向である必要はない。すなわち90度直交する方向に2つのピックアップ31、32を移動可能に配するようにしてよく、あるいはまた両者の移動方向の交差する角度を60度等の任意の角度に設定することが可能である。これら2種類の光学ピックアップ31、32の移動方向の配置は、外筐10あるいはベースユニット25内の他の部品の配置との関係において適宜選択できるものである。
【0047】
次にDVR用カートリッジ51をローディングして記録再生位置へ移動したときに、このカートリッジ51のシャッタ板100が開放される動作について説明する。図18に示すようにトレー13を引出した状態でその凹部14内にカートリッジ51を載置する。そしてこの後にトレー13を駆動部18によって駆動しながら自走させ、図19および図20に示すように外筐10内に引込む。このときにチャッキングスライダ56の上端に取付けられているシャッタ開閉機構65がトレー13のスリット64によってトレー13の凹部14に臨むようになる(図19、図20、図22、図23参照)。すなわちトレー13が引込まれると図21に示すようこのトレー13の後端側からシャッタ開閉機構65が相対的にトレー13の下側に侵入する。
【0048】
そしてトレー13が自走しながら記録再生位置側へ移動するに従って図22および図23に示すように、シャッタ開閉機構65はトレー13のスリット64の外側を摺動することになり、このときにシャッタ開閉機構65のラック71、一対の位相ずれ矯正部材75、79がともにトレー13のスリット64によって凹部14内に臨むようになる。このようなシャッタ開閉機構65のトレー13に対する相対的な移動によって、このトレー13によってローディングされるDVR用カートリッジ51のシャッタ板100が開放される。
【0049】
なおシャッタ開閉機構65によるDVR用カートリッジ51のシャッタ板100の開閉動作の際に、図26に示す突当て86がシャッタ開閉機構65の開閉ベース66を背面側から押圧し、これによってスリット64を通してトレー13の凹部14内に開閉ベース66が突出するように押圧する。これに対してシャッタ開閉機構65による開閉動作を終了したならば、カム85が図27に示すようにシャッタ開閉機構65を後退させ、これによってこのシャッタ開閉機構65がスリット64から後退し、トレー13の凹部14から逃げるようになる。なおこのときに突当て86は開閉ベース66に設けられている凹部87内に受入れられる。
【0050】
シャッタ開閉機構65によるDVR用カートリッジ51のシャッタ板100の具体的な開閉の動作を図29〜図38によって説明する。カートリッジ51を搭載したトレー13を外筐10内に引込むように自走させると、まず開閉ベース66の先端部によってロックレバー93の被押圧部96が押され、ロックレバー93がピン92を中心として時計方向に回動して内側シェル101のロックが解除され、やがて図29に示すようにシャッタ開閉機構65の先端側の位相ずれ矯正部材75がカートリッジ51の側面の溝の部分に侵入する。そしてシャッタ開閉機構65の相対的な移動によりカートリッジ51の内側シェル101の係合用凹部110に図30に示すように位相ずれ矯正部材75が係合する。これによって内側シェル101が下側シェル90に対して図31に示すように時計方向に回転される。
【0051】
内側シェル101は図28に示すように支点ピン102を介して一対のシャッタ板100を開閉自在に支持するとともに、このシャッタ板100のスリット103が下側シェル90の内表面に設けられているピン98に係合されているために、内側シェル101が回転されるとこれによって図31〜図36に示すようにシャッタ板100が内側シェル101に対して支点ピン102を中心として回動運動を行ない、これによって内側シェル101の開口106を開放する。
【0052】
図31に示すように位相ずれ矯正部材75は内側シェル101が比較的小さな角度回動されている内はその係合用凹部110に係合されているものの、開閉ベース66のラック71が内側シェル101のセグメントギヤ109に図32に示すように噛合うと、この位相ずれ矯正部材75が内側シェル101の係合用凹部110から離脱する。従ってこの後は開閉ベース66の移動によってラック71がセグメントギヤ109と係合しながら内側シェル101を同じ方向に回動させることになり、これによってシャッタ板100が内側シェル101の開口106を徐々に広くようになる(図33参照)。
【0053】
図34に示すように内側シェル101が図29に示す位置から約40度開かれると開閉ベース66の後側の位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の被ロック部108に係合する。従ってこの後は主として後側の位相ずれ矯正部材79が内側シェル101を時計方向に回転させるようになる。そして図35に示す状態を経て図36に示すように約50度内側シェル101が回転されると、シャッタ板100は開口106を完全に開放する。
【0054】
そしてさらにこの内側シェル101が開閉ベース66の後側の位相ずれ矯正部材79によって時計方向に回転されると、図37に示すように開放された内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とがほぼ完全に整合するようになる。なおこのときに内側シェル101の被ロック部108は真横の位置にある。そしてこの状態でロックレバー93のロック部94が内側シェル101の突部111の終端に係合し、開放状態で内側シェル101がロックされる。
【0055】
そしてこの後に図25および図27に示すように、トレー13の裏側のカム85が開閉ベース66の突部69を押戻し、これによってこのシャッタ開閉機構65を退避させる。従って図38に示すようにシャッタ板100が完全に開放されるとともに内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とが整合された状態で、シャッタ開閉機構65がカートリッジ51から離間する。
【0056】
なおシャッタ板100を閉じる動作は上記とは逆の動作によって行なわれる。すなわち図20に示すように記録再生位置に移動されたトレー13を引出して図18に示すように引出し位置へ移動させるのに連動して、トレー13に搭載されているDVR用カートリッジ51のシャッタ板100が閉じるようになっている。
【0057】
この動作は逆に図38〜図29の順序で行なわれる。すなわちまず開閉ベース66の後端の突部125によってカートリッジ51のロックレバー93の被押圧部96が押され、内側シェル101の突部111のロックレバー93によるロックが解除される。そしてその後に開閉ベース66の後側の位相ずれ矯正部材79がまず内側シェル101の被ロック部108と係合して内側シェル101を反時計方向に回転させる。そして位相ずれ矯正部材79が被ロック部108から離間する前にセグメントギヤ109がラック71によって押されて同方向に回転する。そして最後には前方の位相ずれ矯正部材75が内側シェル101の係合用凹部110に係合しながら最初の回転位置へ復帰させ、内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とがずれるとともに、一対のシャッタ板100が内側シェル101の開口106を完全に閉鎖するようになる。
【0058】
図38に示されるようにカートリッジ51のシャッタ板100が完全に開かれた状態からトレー13を引出し方向に移動させると、図38〜図29に示すようにシャッタ開閉機構65が相対的にカートリッジ51の側面を上方へ移動することになる。そして図37および図36に示すように開閉機構65が少し移動を開始した状態で上述の如く、開閉ベース66の押圧用突部125がカートリッジ51側のロックレバー93の被押圧部96を押圧し、これによってロックレバー93をピン92を中心として時計方向に回動させ、ロック部94を内側シェル101の突部111の終端から離脱させる。従ってこれにより、ロックレバー93が中シェル101の回転を阻害しないようになる。
【0059】
ロックレバー93は内側シェル101が大きな力で反時計方向に回動されるとロツク部94が突部111の上へ乗上げるようになっているものの、このときに大きな負荷を要する。ところがシャッタ開閉機構65のベース66の押圧用突部125によって予めロックレバー93をロック解除方向に回動させておくことにより、内側シェル101の反時計方向への回転の負荷を大幅に軽減することができ、これによってシャッタ板100の閉鎖動作が円滑に行なわれることになる。
【0060】
ここでカートリッジ51のシャッタ板100が図29および図30に示すように完全に内側シェル100の開口106を閉じた状態ではなく、図31あるいは図32に示すように開口106が半開状態でローディングが行なわれた場合のシャッタ板100の開放動作について説明する。この場合にはシャッタ開閉機構65の前方の位相ずれ矯正部材75が完全に機能しないで開放動作が行なわれる。すなわち位相ずれ矯正部材75が必ずしも内側シェル101の係合用凹部110に係合せず、むしろセグメントギヤ109に係合したり、あるいはまた位相ずれ矯正部材75が開放動作を行なわない。そしてシャッタ開閉機構75のラック71が直接内側シェル101のセグメントギヤ109に係合して内側シェル101を時計方向に回転させる。従ってこの場合にはシャッタ100が完全に閉じた状態でのローディング動作の場合に比べてシャッタ100の開放動作が早く行なわれる。
【0061】
そしてこの後にさらにシャッタ開閉機構65の開閉ベース66がカートリッジ51の側面を相対的に摺動し、ラック71がセグメントギヤ109から離れた状態で、シャッタ開閉機構65の位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の外周部のセグメントギヤ109と被ロック部108との間の突部の上面を摺動する。上述の如く位相ずれ矯正部材79はばね82によって押圧されてリミッタ機能が付与されているために、このリミッタ機能によって内側シェル101の外周面上をスリップしながら最終的には図35に示すように位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の被ロック部108に噛合う。
【0062】
すなわち位相ずれ矯正部材79の内側シェル101の外周面上の相対的なスリップによって半開状態のシャッタ板100の開閉ストロークの誤差を吸収する。従って図37および図38に示すように、最終的には位相ずれ矯正部材79によって強制的にシャッタ板100が全開状態になる。すなわちシャッタ板100が半開状態でトレー13上に載置されてローディングが行なわれても、必ずカートリッジ51のシャッタ板100は図38に示すように全開状態で記録再生位置へ移動され、円滑な記録再生動作が可能になる。
【0063】
次に図38に示すようにシャッタ板100が全開状態ではなく、例えば図35あるいは図36に示すように部分的に閉じられた状態でトレー13によって記録再生位置から引出し位置へ移動された場合について考察する。この場合においては、位相ずれ矯正部材79が内側シェル101の被ロック部108に係合して内側シェル101を回動させる動作が不完全であったりこの動作が行なわれず、開閉ベース66上のラック71が内側シェル101のセグメントギヤ109を反時計方向に回動させる。
【0064】
そしてこの後に前方の位相ずれ矯正部材75が内側シェル101のセグメントギヤ109と係合用凹部110との間の外周面上を摺動する。このような後側の位相ずれ矯正部材75の内側シェル101の外周面上の摺動動作によって、シャッタ板100の半開状態の不定ストロークを吸収する。そして最終的には図30に示すように開閉ベース66の前側の位相ずれ矯正部材75が正しく内側シェル101の係合用凹部110に係合した状態で内側シェル101の開口106がシャッタ板100によって完全に閉じられる。従って半開状態でDVR用カートリッジ51の排出を行なっても、完全にシャッタ板100によって閉じられた状態で排出される。
【0065】
このようにシャッタ開閉機構65を利用してDVR用カートリッジ51の内側シェル101を回転させ、これによってシャッタ板100の開閉動作を行なうようにしている。ここでシャッタ開閉機構65のラック71と内側シェル101のセグメントギヤ109の位置関係を両者のピッチサークルが互いに接する理想ピッチ距離関係にはせず、むしろ開閉機構65側のばね68、74によってラック71をカートリッジ51側へ押圧することによって、深い噛合いを達成し、これによって両者の間の噛合いの外れを防止している。
【0066】
またシャッタ開閉機構65のラック71の与圧を2個のばね71によって行なうことにより、セグメントギヤ109との噛合い方向に対してラック71の移動方向に対する法線が一致しない場合であって、ラック71の一端がカートリッジ51側の切欠き118内において傾斜した状態であってもラック71とセグメントギヤ109との噛合いを達成している。
【0067】
またシャッタ開閉機構65のラック71、位相ずれ矯正部材75、79をそれぞればね74、78、82によってカートリッジ51側に与圧することによって、トレー13によってカートリッジ51を搬送する機構において、とくにトレー13やカートリッジ51の部品寸法のばらつきを吸収し、これによってシャッタ開閉機構65のラック71とセグメントギヤ109との確実な噛合いを達成し、シャッタ板100の開閉動作を確実に行なうようにしている。
【0068】
このように本実施の形態のディスク式記録再生装置におけるシャッタ開閉機構65は開閉ベース66と、排出時にシャッタ板100を全閉させる前方側の位相ずれ矯正部材75と、ローディング時にシャッタ板100を全開させる後側の位相ずれ矯正部材79と、カートリッジ51の内側シェル101のセグメントギヤ109と噛合ってこの内側シェル101を回動させるラック71とから構成されている。
【0069】
ここでシャッタ開閉機構65はトレー13の記録再生位置への引込み動作によって、トレー13上のカートリッジ51の側面を相対的に摺動することによって、カートリッジ51の側面に露出する内側シェル101のセグメントギヤ109および係合用凹部110を捕えて内側シェル101を回動させ、この内側シェル101に回動自在に支持されている一対のシャッタ板100を開放する。
【0070】
そしてシャッタ板100の全開後においてはトレー13の裏面に設けられているカム85によってシャッタ開閉機構65をカートリッジ51の側面から離脱させ、これによってカートリッジ51に対するガタ寄せを解除する。従ってこの後にカートリッジ51のケース内におけるディスクのチャッキング時にケースの位置決めを阻害することがない。
【0071】
またトレー13を記録再生位置から引出し位置へ移動させる工程において、ケース内のディスクのチャッキングを解除した後に開閉ベース66に設けられた圧縮コイルばね68の力によって再びシャッタ開閉機構65がカートリッジ51の側面に押当てられ、これによってカートリッジ51に対するガタ寄せを行なう。そしてトレー13の排出が始まるとトレー13の引込み時とは逆方向の工程で上述の如く一対のシャッタ板100が閉じられ、そしてシャッタ板100によって内側シェル101の開口106と下側シェル90の開口91とがともに全閉された後にトレー13の排出が行なわれる。これによってケース内の光ディスクの汚損を防止している。
【0072】
またこのディスク式記録再生装置はトレー13によって記録再生位置に引込まれたカートリッジ51を図7〜図9に示すようにベースユニット25上の一対のサポートロッド45とサポートアーム46とによって高精度に支持している。このときにカートリッジ51の下側シェル90はトレー13の凹部14の表面から約1mm浮いた状態になっている。そしてこのような状態において上側から押圧機構によってカートリッジ51を分離して弾性的に押圧している。
【0073】
図39〜図41は上記シャッタ開閉機構65による開閉動作の際におけるシャッタ開閉機構65のカートリッジ51に対する退避動作を示している。すなわちここではDVR用カートリッジ51の側部の切欠き118に対してラック71、一対の位相ずれ矯正部材75、79の軸線方向の寸法をトレー13によるカートリッジ51の搬送時とベースユニット25によるチャックアップ動作完了時の高さ方向の移動量以上に小さくすることによって、シャッタ板100が開放された状態で、シャッタ開閉機構65の先端部がカートリッジ51の外形投影面積の外側に移動する必要なしに、カートリッジ51の保持部とシャッタ開閉機構65の高さ方向の移動機構を設けるようにしている。
【0074】
図39はカートリッジ51がトレー13の凹部14上に載置された状態を示しており、この状態で開閉機構65の位相ずれ矯正部材79が図37に示すようにカートリッジ51の内側シェル101の被ロック部108に係合される。
【0075】
この後にトレー13がさらに記録再生装置側へ引込まれると、このトレー13に設けられているカム85によって図40に示すように開閉ベース66が右方に後退され、この開閉ベース66に取付けられている位相ずれ矯正部材79は後退し、内側シェル101の被ロック部108から離脱する。ところがこの状態においてもなお位相ずれ矯正部材79はカートリッジ51の上下のシェル117、90の切欠き118内に位置している。すなわちカートリッジ51の投影面積の内側に位置している。
【0076】
このような状態でチャッキングスライダ56がトレー13の引込み方向とは逆方向に押出され、このチャッキングスライダ56のカム溝59によってベースユニット25が上方に押上げられると、図41に示すようにカートリッジ51はトレー13の凹部14から上方に浮上がる。なおこのときにカートリッジ51はサポートロッド45とサポートアーム46とによって支持される。そしてこのような状態において図41に示すように、シャッタ開閉機構65の位相ずれ矯正部材79はカートリッジ51の切欠き118内を下方に移動するものの、この位相ずれ矯正部材79はなお切欠き118の下面よりも上側に位置しており、両者の間に隙間が存在する。
【0077】
従ってこのような構造によれば、シャッタ開閉機構65のカートリッジ51に対する図41における右方への退避のストロークを小さくすることが可能になる。
【0078】
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願に含まれる発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態は光ディスクと一対の光学ピックアップ33、34から成る光学ヘッド装置によって構成される装置に関するものであるが、本願の発明はこのような構成のみに限定されるものではなく、光磁気ディスクや磁気ディスク、静電容量ディスク等の記録媒体と、この記録媒体に対して記録および/または再生を行なうヘッド装置の組合わせから成る装置に広く適用可能である。
【0079】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、ディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置において、トレーによってカートリッジを記録再生位置へ移動させるときにカートリッジのシャッタを開放するとともに、トレーによってカートリッジを引出し位置へ移動させるときにカートリッジのシャッタを閉鎖するシャッタ開閉機構を具備し、該シャッタ開閉機構はカートリッジの側面に接してシャッタを開閉するラックと、シャッタの開放時における開度の不定を吸収する第1の位相ずれ矯正部材と、シャッタの閉鎖時における開度の不定を吸収する第2の位相ずれ矯正部材とを具備し、シャッタ開閉機構のラックがカートリッジのケース側のセグメントギヤに噛合うとともに、第1の位相ずれ矯正部材と第2の位相ずれ矯正部材とがそれぞれケース側の第1の係合部と第2の係合部とにそれぞれ係合してシャッタの開閉を行なうようにしたものである。
【0080】
従ってこのようなディスク式記録再生装置によれば、シャッタ開閉機構のとくにラックによってカートリッジのケース側のセグメントギヤを駆動することによって、シャッタを確実に開閉することが可能になる。またシャッタの開放時における開度が不定の場合においても、第1の位相ずれ矯正部材の作用によってこの開度の不定を吸収し、正しくシャッタを全開の状態にでき、またシャッタの閉鎖時に開度が不定の場合においても、第2の位相ずれ矯正部材によって上記シャッタの開度の不足を吸収することが可能になり、これによって信頼性の高いシャッタの開閉動作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク式記録再生装置の要部斜視図である。
【図2】同トレーを引出した状態の斜視図である。
【図3】ベースユニットの平面図である。
【図4】ベースユニットの側面図である。
【図5】ベースユニットの正面図である。
【図6】ベースユニットの斜視図である。
【図7】DVR用カートリッジを装着したベースユニットの平面図である。
【図8】同側面図である。
【図9】同斜視図である。
【図10】ベアディスクを搭載したベースユニットの平面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】同斜視図である。
【図13】チャッキングスライダの取付けを示す分解斜視図である。
【図14】シャッタ開閉機構の正面図、底面図、および背面図である。
【図15】シャッタ開閉機構の分解斜視図である。
【図16】同外観斜視図である。
【図17】シャッタ開閉機構の分解平面図である。
【図18】トレーを引出した状態のシャッタ開閉機構の配置を示す外観斜視図である。
【図19】トレーを引込んだ状態のシャッタ開閉機構の配置を示す外観斜視図である。
【図20】同シャッタ開閉機構が後退した状態の斜視図である。
【図21】トレーの底部に対するシャッタ開閉機構の導入動作を示す斜視図である。
【図22】シャッタ開閉機構が下側に引込まれたトレーの斜視図である。
【図23】同シャッタ開閉機構が後退した状態の斜視図である。
【図24】トレーの底部を示す裏側の要部斜視図である。
【図25】シャッタ開閉機構を後退させた状態のトレーの裏側の斜視図である。
【図26】突当てによるシャッタ開閉機構の前進動作を示すトレーの底面図である。
【図27】カムによるシャッタ開閉機構の後退動作を示すトレーの底面図である。
【図28】DVR用カートリッジのシャッタ支持機構を示す要部分解斜視図である。
【図29】シャッタの開放を開始する直前の状態を示す平面図である。
【図30】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図31】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図32】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図33】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図34】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図35】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図36】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図37】シャッタの開放動作を示す平面図である。
【図38】シャッタが完全に開放された状態を示す平面図である。
【図39】シャッタ開閉機構の要部縦断面図である。
【図40】シャッタ開閉機構を後退させた状態の要部縦断面図である。
【図41】カートリッジをトレーから浮上がらせた状態のシャッタ開閉機構の要部縦断面図である。
【符号の説明】
10‥‥外筐、11‥‥フロントパネル、12‥‥横長開口、13‥‥トレー、14‥‥凹部、15‥‥開口、16‥‥U字状切込み、17‥‥半円形の切込み、18‥‥駆動ユニット、19‥‥モータ、20‥‥段部、21‥‥ラック、25‥‥ベースユニット、26‥‥ブラケット、27‥‥ターンテーブル、31‥‥DVD用ピックアップ(光学ヘッド)、32‥‥DVR用ピックアップ(光学ヘッド)、33‥‥ガイドロッド、34‥‥送りねじ、35‥‥ステッピングモータ、37、38‥‥ガイドロッド、39‥‥送りねじ、40‥‥ステッピングモータ、41‥‥ナット、45‥‥サポートロッド、46‥‥サポートアーム、47、48‥‥開口、51‥‥DVR用カートリッジ、52‥‥ベアディスク、56‥‥チャッキングスライダ、57‥‥連結板、58‥‥長孔、59‥‥カム溝、60‥‥ピン、61‥‥縦溝、64‥‥スリット、65‥‥シャッタ開閉機構、66‥‥開閉ベース、67‥‥保持部、68‥‥ばね、69‥‥突部、71‥‥ラック、72‥‥係合爪、73‥‥係合孔、74‥‥ばね、75‥‥位相ずれ矯正部材(前)、76‥‥係合爪、77‥‥係合孔、78‥‥ばね、79‥‥位相ずれ矯正部材(後)、80‥‥係合爪、81‥‥係合孔、82‥‥ばね、85‥‥カム、86‥‥突当て、87‥‥凹部、90‥‥下側シェル、91‥‥開口、92‥‥ピン、93‥‥ロックレバー、94‥‥ロック部、95‥‥弾性片、96‥‥被押圧部、97‥‥開閉ピン、100‥‥シャッタ板、101‥‥内側シェル、102‥‥支点ピン、103‥‥スリット、106‥‥開口、108‥‥被ロック部、109‥‥セグメントギヤ、110‥‥係合用凹部、111‥‥突部、117‥‥上側シェル、118‥‥切欠き、119‥‥スリット、120‥‥凹部、125‥‥押圧用突部
Claims (11)
- ディスク状記録媒体をケース内に収納したカートリッジをトレーによって記録再生位置へ移動させ、ヘッドによって記録および/または再生を行なうようにしたディスク式記録再生装置において、
前記トレーによって前記カートリッジを記録再生位置へ移動させるときに前記カートリッジのシャッタを開放するとともに、前記トレーによって前記カートリッジを引出し位置へ移動させるときに前記カートリッジのシャッタを閉鎖するシャッタ開閉機構を具備し、
該シャッタ開閉機構は前記カートリッジの側面に接して前記シャッタを開閉するラックと、前記シャッタの開放時における開度の不定を吸収する第1の位相ずれ矯正部材と、前記シャッタの閉鎖時における開度の不定を吸収する第2の位相ずれ矯正部材とを具備し、
前記シャッタ開閉機構のラックが前記カートリッジのケース側のセグメントギヤに噛合うとともに、前記第1の位相ずれ矯正部材と前記第2の位相ずれ矯正部材とがそれぞれ前記ケース側の第1の係合部と第2の係合部とにそれぞれ係合して前記シャッタの開閉を行なうことを特徴とするディスク式記録再生装置。 - 前記カートリッジがディスク状記録媒体を収納する中シェルを具備し、該中シェルに前記シャッタが回動自在に取付けられ、しかも前記中シェルの一側部に前記セグメントギヤと前記第1の係合部と前記第2の係合部とが設けられ、前記開閉機構が前記中シェルの一側部に沿って接線方向に移動すると前記中シェルがケース内で回転して前記カートリッジの開口を前記シャッタが開閉することを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記開閉機構の第1の位相ずれ矯正部材と前記ラックの端部との間の長さが前記カートリッジ側の前記第1の係合部と前記セグメントギヤの端部との間の円弧長よりも大きくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記開閉機構の第1の位相ずれ矯正部材と前記ラックの端部との間の長さが前記カートリッジ側の前記第1の係合部と前記セグメントギヤの端部との間の円弧長よりも、前記ラックおよび前記セグメントギヤの歯のピッチをpとしたときに、0.2p〜0.5p長くなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記ラックと前記セグメントギヤの歯のモジュールが0.7であることを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記セグメントギヤのピッチサークルと前記ラックのピッチサークルとが接する位置よりも深い位置で前記セグメントギヤと前記ラックとが噛合うことを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記カートリッジのケースの側面の切欠きの軸線方向の寸法に対して前記第2の位相ずれ矯正部材の軸線方向の寸法を小さくし、前記トレー上に前記カートリッジが載置されている状態および前記トレーから前記カートリッジが支持手段によって浮上った状態で前記第2の位相ずれ矯正部材が前記切欠きと干渉しないようにし、
前記開閉機構の前記カートリッジに対する退避ストロークの後退位置においてなお前記第2の位相ずれ矯正部材の先端部が前記ケースの切欠き内にあるように前記開閉機構の後退ストロークを設定することを特徴とする請求項2に記載のディスク式記録再生装置。 - 前記開閉機構が後退した状態であって前記第2の位相ずれ矯正部材の先端部が前記中シェルの第2の係合部から外れた状態でしかも前記カートリッジのケースの内側に干渉しない状態で存在するように前記開閉機構の退避ストロークが設定されることを特徴とする請求項7に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記ケースにロックレバーが回動自在に設けられ、該ロックレバーが前記中シェルの被ロック部と係合することによって該ロックレバーが前記中シェルがシャッタを開放する方向に回転するのを阻止し、
しかも前記開閉機構に押圧用突部が設けられ、該押圧用突部は前記シャッタが完全に開かれた状態で前記ロックレバーをロック解除方向に押圧して前記中シェルの回転負荷を軽減することを特徴とする請求項2に記載のディスク式記録再生装置。 - 前記開閉機構の長さ方向の両端がそれぞれ弾性手段を介してカートリッジ側に付勢され、前記開閉機構の一端がカートリッジの切欠き内において移動方向に対して傾斜していても前記ラックが前記セグメントギヤに噛合うことを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
- 前記開閉機構の前記ラック、前記第1の位相ずれ矯正部材、および前記第2の位相ずれ矯正部材が開閉ベース上に取付けられるとともに、それぞれ別々の弾性手段によってカートリッジ側に付勢されることを特徴とする請求項1に記載のディスク式記録再生装置。
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