JP3849745B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体に装着された複数の現像器により、フルカラー等の2色以上の多色現像を行う現像装置を備えた、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置の技術分野に属し、特に、現像器の現像ローラが感光体に当接した状態で現像を行う接触現像方式の画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、回転体に装着された複数の現像器により、フルカラー等の2色以上の多色現像を行う現像装置を備えた画像形成装置が種々開発されている。この画像形成装置は、画像形成時に回転体を回転させて各現像器の現像ローラを順次現像位置に設定して感光体の潜像を各色毎に順次現像して画像を形成するようになっている。
【0003】
従来のこの種の画像形成装置には、通常時現像ローラを感光体から離間させておき、現像時に現像ローラを感光体に当接させて現像を行う接触現像方式の画像形成装置がある。この接触現像方式の画像形成装置では、現像ローラが感光体に対して接離するため、この現像ローラの接離によって感光体が損傷するおそれがあるが、この感光体の損傷は、現像ローラを回転状態で感光体に対して接離させると抑制される。そこで、感光体の損傷を防止するために、現像ローラを必ず回転させた状態で感光体に対して接離させる必要がある。
【0004】
このように、現像ローラが感光体へ当接する際に現像ローラを回転状態にするために、現像器の駆動モータの駆動力を現像ローラへ伝達する方法として、従来は、
(a) 固定された、駆動モータの駆動力が伝達される駆動ギアと、移動可能に設けられた、現像ローラ側の現像ローラ駆動ギアとを、現像時に噛み合わせる方法、
(b) 揺動可能に設けらた、駆動モータの駆動力が伝達される駆動ギアと、現像ローラ側の現像ローラ駆動ギアとを、現像時に揺動可能な駆動ギアを揺動させることで噛み合わせる方法、
(c) 駆動モータの駆動力が伝達される駆動ギアと、現像ローラ側の現像ローラ駆動ギアとを、現像時にロータリ等の回転体の回転力で噛み合わせる方法、
が採られている。
【0005】
一方、このような画像形成装置においては、工場から出荷された後、最初に初期化を行う必要がある。この初期化を行うにあたっては、現像ローラを所定の現像位置で駆動させるため、接触現像方式の画像形成装置では、前述のように感光体の損傷を防止するために、工場出荷時に予めダミーのトナーを現像ローラに塗布し、このダミートナーの潤滑作用で感光体の損傷を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現像ローラに現像器駆動モータの駆動力を伝達する前述の(a)の方法では、ギアとギアとが接触あるいは離間する動作の範囲でしか動力伝達を行うことができないため、ニップがある場合等には現像ローラが十分に回転しない前に感光体に当接してしまうおそれがある。また、(b)の方法でも、(a)の方法と同様にギアとギアとが接触あるいは離間する動作の範囲でしか動力伝達を行うことができないため、現像ローラが十分に回転しない前に感光体に当接してしまうおそれがある。更に、(c)の方法では、ロータリの回転と現像ローラの回転とを切り替えるときに現像ローラの回転が停止したり、あるいは所定回転数以上にならない場合がある。
【0007】
このように、前述の従来の(a)ないし(c)のいずれの方法でも、現像ローラが感光体に対して接離する際に回転していない場合や十分に回転していない場合があり、感光体に対する現像ローラの接離時に感光体の損傷を十分にかつ確実に防止することが困難なものとなっている。
【0008】
また、前述の従来の画像形成装置では、初期化における感光体の損傷の防止のために、工場出荷時に予めダミートナーを現像ローラに塗布するようにしたのでは、工場出荷にあたってダミートナーの塗布作業が必要となり、出荷時の作業が煩雑になるばかりでなく、現像用のトナー以外にダミートナーが必要となりコストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、現像ローラを確実に回転させた状態で感光体に対して現像ローラを接離させ、また現像ローラを所定回転数以上に設定した状態で感光体に対して現像ローラを接離させることのできる画像形成装置を提供することである。
本発明の他の目的は、初期化のための作業を簡単にできる安価な画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明は、回転体に装着され、感光体に対して接離可能な現像ローラをそれぞれ有する複数の現像器を備え、非現像時に前記現像ローラを前記感光体から離間させ、現像時に現像器駆動モータの駆動力を、現像器駆動力伝達手段を介して前記現像ローラに順に伝達するとともに、前記回転体の回転で前記現像ローラを順に前記感光体に当接する現像位置に移動しかつ前記回転体の回転停止でこの現像位置に設定することにより多色現像を行う画像形成装置において、前記現像器駆動力伝達手段が、前記回転体と同心状にかつ回転可能に設けられるとともに現像器駆動モータの駆動力で画像形成動作中は常時回転する各現像器に共通の中心ギアと、前記中心ギアに常時噛合するようにして各現像器毎に回転可能に設けられ、それぞれの前記現像ローラに前記現像器駆動モータの駆動力を伝達するための現像器駆動ギアと、前記現像ローラと一体回転可能に設けられた現像ローラ駆動ギアと、現像ローラ駆動ギアに動力を伝達する中間動力伝達歯車機構と、前記現像器駆動ギアと前記中間動力伝達歯車機構とを連結および連結解除するカップリングと、このカップリングの連結および連結解除を制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記回転体の回転により前記感光体に当接しようとする現像ローラが前記感光体と当接する前記現像位置になる前に前記カップリングを連結するとともに、この現像ローラが前記現像位置から移動して前記感光体から離間した後に前記カップリングを連結解除し、更に、前記制御手段が、前記回転体と同心の円弧状に形成されたカムにより構成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2の発明は、前記回転体が、前記制御手段が前記カップリングを連結して前記現像ローラが所定回転数以上になったときに、この現像ローラを前記現像位置に設定して前記感光体に当接させることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記回転体が、前記制御手段が前記カップリングを連結して前記現像ローラが所定回転数以上になりかつ所定時間が経過した後に、この現像ローラを前記現像位置に設定して前記感光体に当接させることを特徴としている。
【0012】
更に、請求項4の発明は、前記回転体が、前記制御手段が前記カップリングを連結して前記現像ローラが所定回転数以上にあるときに、この現像ローラを前記現像位置から移動して前記感光体から離間させることを特徴としている。
更に、請求項5の発明は、前記回転体が前記各現像ローラをいずれも前記感光体と当接しない位置に設定した状態で、前記制御手段または他の手段で前記カップリングを連結することにより初期化を行うことを特徴としている。
【0013】
【作用】
このように構成された請求項1の発明の画像形成装置においては、制御手段により、感光体に当接しようとする現像ローラがこの感光体と当接する現像位置になる前にカップリングが連結され、現像ローラに現像器駆動モータの駆動力が確実に伝達されるようになる。これにより、現像ローラは常に確実に回転した状態で感光体に当接するので、感光体に当接する際は現像ローラにトナー層が形成されていて、現像ローラはこのトナー層を介して感光体に当接するようになる。また、制御手段により、感光体に当接した現像ローラが現像位置から移動して感光体から離間した後にカップリングが連結解除され、現像ローラへの現像器駆動モータの駆動力伝達が確実に遮断されるようになる。これにより、現像ローラは常に確実に回転した状態で感光体から離間するので、現像ローラはトナー層を介して感光体から離間するようになる。その場合、制御手段がカムで構成されているので、現像ローラが感光体に対して現像ローラの回転状態で簡単にかつ確実に接離するようになる。その場合、カムが回転体と同心の円弧状に形成されているので、回転体の回転に応じてより正確にカップリングが制御されるようになる。
したがって、現像ローラは常に確実に回転してトナー層が形成された状態で感光体に対し接離するようになるが、その際トナー層のトナーが潤滑剤として機能するので、感光体の損傷が防止される。
【0014】
また、請求項2の発明においては、現像ローラが常に所定回転数以上で回転した状態で感光体に当接するようになる。これにより、現像ローラはトナーがより一層確実に供給された状態で感光体に当接するので、現像ローラの当接時の感光体の損傷がより確実に防止される。
更に、請求項3の発明においては、現像ローラが確実に所定回転数以上で回転した状態でかつ所定時間が経過した後に感光体に当接するようになる。これにより、トナーが現像ローラへ均一に分散されてトナー層が現像ローラに均一に形成されるとともに、現像ローラの回転変動が少なくなるので、感光体の損傷がより確実に防止される。
【0015】
更に、請求項4の発明においては、現像ローラが常に所定回転数以上で回転した状態で感光体から離間するようになる。これにより、現像ローラはトナーがより一層確実に供給された状態で感光体から離間するので、現像ローラの離間時の感光体の損傷がより確実に防止される。
更に、請求項5の発明においては、複数の現像ローラがいずれも感光体と当接しない状態で、各現像ローラに現像器駆動モータの駆動力が確実に伝達され、現像ローラは回転するようになる。したがって、感光体に損傷を与えることなく、工場出荷後に画像形成装置の初期化が簡単に行われるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を模式的かつ部分的に示す図、図2は、図1における左側面図である。なお、図1には図2に示されている構成要素の一部が、また図2には図1に示されている構成要素の一部がそれぞれ省略されている。
【0017】
図1に示すように、この例の画像形成装置1はロータリ式現像装置2を備えており、このロータリ式現像装置2は、回転可能に設けられたロータリ3と、このロータリ3に支持された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像器4,5,6,7とを備えている。これらの各現像器4,5,6,7はロータリ3の周方向にこれらの順に時計回りでかつ等間隔で配設されており、それぞれ、現像ローラ4a,5a,6a,7aと供給ローラ4b,5b,6b,7bとを備えている。そして、ロータリ3が回転することで、これらの各現像器4,5,6,7は、それらの現像ローラ4a,5a,6a,7aが順次感光体(以下、OPCともいう)8に当接されるようになっている。なお、各色の現像器4,5,6,7の配設順序は、前述の順序に限定されることなく任意に設定される。しかし以下の説明では、説明の便宜上、前述の色の順序、つまり、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒の順で各現像器4,5,6,7が配設されているものとする。
【0018】
また図1および図2に示すように、画像形成装置1は、更に、ロータリ3を回転駆動するためのロータリ駆動モータであるステッピングモータ9と、このステッピングモータ9の駆動力をロータリ3に伝達するためのロータリ駆動力伝達手段10と、各現像器4,5,6,7の現像ローラ4a,5a,6a,7aを回転駆動するための現像器駆動モータ12と、各現像器4,5,6,7毎に設けられ、現像器駆動モータ12の駆動力を各現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび各供給ローラ4b,5b,6b,7bにそれぞれ伝達する各現像器駆動力伝達手段11Y,11M,11C,11Kとを備えている。
【0019】
ステッピングモータ9は、電流制御でホールド電流に設定することによりモータへの供給電流を供給したまま停止することが可能であり、これにより位置設定を簡単に行うことができるようになる。
ロータリ駆動力伝達手段10は、ステッピングモータ9の回転軸に一体回転可能に取り付けられたロータリ駆動ギア10aと、このロータリ駆動ギア10aに常時噛合するロータリ駆動中間ギア10bと、ロータリ3に同心状にかつこのロータリ3と一体に設けられるとともにロータリ駆動中間ギア10bに常時噛合するロータリギア10cとを備え、ステッピングモータ9の駆動力を減速してロータリ3に伝達するようになっている。ロータリ3およびロータリギア10cの回転軸3aは画像形成装置1のフレーム13に回転可能に支持されている。
【0020】
また、各現像器駆動力伝達手段11Y,11M,11C,11Kはいずれも同じ構成を有しており、ともに、現像器駆動モータ12の回転軸に一体回転可能に取り付けられた現像器モータ駆動ギア11oと、ロータリ3に同心状にかつこのロータリ3と独立して回転可能にロータリ3の回転軸3aに設けられた中心ギア11aと、ロータリ3に軸方向に相対移動可能にかつ相対回転可能にそれぞれ各現像器4,5,6,7毎に設けられるとともに中心ギア11aに軸方向に相対移動可能に常時噛合する現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKと、各現像ローラ4a,5a,6a,7aの各回転軸にそれぞれ一体回転可能に取り付けられた各現像ローラ駆動ギア11c(現像ローラ5a,6a,7aの各現像ローラ駆動ギアは、図示省略)と、これらの各現像ローラ駆動ギア11cにそれぞれ常時噛合する各第1現像器駆動中間ギア11d(現像ローラ5a,6a,7aの各現像ローラ駆動ギアに噛合する各第1現像器駆動中間ギアは、図示省略)と、各供給ローラ4b,5b,6b,7bの各回転軸にそれぞれ一体回転可能に取り付けられるとともに各第1現像器駆動中間ギア11dにそれぞれ常時噛合する各供給ローラ駆動ギア11e(供給ローラ5b,6b,7bの各供給ローラ駆動ギアは、図示省略)と、これらの各供給ローラ駆動ギア11eにそれぞれ常時噛合する各第2現像器駆動中間ギア11f(供給ローラ5b,6b,7bの各供給ローラ駆動ギアに噛合する各第2現像器駆動中間ギアは、図示省略)と、これらの各第2現像器駆動中間ギア11fに同心状にかつ一体回転可能に設けられた各第3現像器駆動中間ギア11g(供給ローラ5b,6b,7bの各供給ローラ駆動ギアに各第2現像器駆動中間ギアを介して歯車連結される各第3現像器駆動中間ギアは、図示省略)と、これらの各第3現像器駆動中間ギア11gにそれぞれ常時噛合する各第4現像器駆動中間ギア11h(供給ローラ5b,6b,7bの各供給ローラ駆動ギアに各第2および第3現像器駆動中間ギアを介して歯車連結される各第4現像器駆動中間ギアは、図示省略)と、各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKにそれぞれ設けられた各駆動側カップリング部材11i(現像器駆動ギア11bM,11bC,11bKの各駆動側カップリング部材は、図示省略)および各第4現像器駆動中間ギア11hにそれぞれ設けられ、各駆動側カップリング部材11iがそれぞれ係脱可能な各従動側カップリング部材11j(現像器駆動ギア11bM,11bC,11bKの各駆動側カップリング部材に対応する各従動側カップリング部材は、図示省略)からなる各カップリング11k(現像器駆動ギア11bM,11bC,11bKの各駆動側カップリング部材を構成要素とする各カップリングは、図示省略)と、各駆動側カップリング部材11iを各従動側カップリング部材11jから離脱させる方向にそれぞれ常時付勢する各リターンスプリング11m(現像器駆動ギア11bM,11bC,11bKの各駆動側カップリング部材を付勢する各リターンスプリングは、図示省略)と、フレーム13の所定位置に設けられるとともに各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKの軸方向移動を制御するカム11nとを備えている。なお、リターンスプリング11mは図2には模式的に示されているため、その取付は詳細に示されていないが、ロータリ3と各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKとの間に設けられ、各従動側カップリング部材11jを前述のように付勢することが可能であれば、どのような取付でもよい。
【0021】
第1現像器駆動中間ギア11d、供給ローラ駆動ギア11e、第2現像器駆動中間ギア11f、第3現像器駆動中間ギア11g、および第4現像器駆動中間ギア11hにより、本発明の中間動力伝達歯車機構が構成されている。
カム11nは、図1から明らかなようにロータリ3と同心の円弧状に形成されている。また、図2から明らかなようにこのカム11nは、傾斜面からなり各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKおよび各駆動側カップリング部材11iを、それぞれ各従動側カップリング部材11jの方へ徐々に案内移動させる係合方向ガイド部11n1と、各駆動側カップリング部材11iを各従動側カップリング部材11jにそれぞれ係合させかつ係合状態に保持させる係合部11n2と、各駆動側カップリング部材11iを従動側カップリング部材11jから離脱する方向へそれぞれ徐々に案内移動させかつその係合を解除する係合離脱方向ガイド部11n3とからなっている。
【0022】
このカム11nによって各カップリング11kが連結されることで、中心ギア11aに伝達される現像器駆動モータ12の駆動力が各現像器駆動力伝達手段11Y,11M,11C,11Kを介して、各現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび各供給ローラ4b,5b,6b,7bに伝達され、これらの両ローラが回転するようになっている。
【0023】
次に、このカム11nによる各カップリング11kの連結、連結解除の制御および現像器駆動モータ12の駆動力による各現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび各供給ローラ4b,5b,6b,7bの回転制御について説明する。この説明にあたっては、便宜上、今回OPC8に当接しようとする現像ローラをイエローの現像器4の現像ローラ4aとする。なお、図1に示す状態ではイエローの現像ローラ4aはOPC8に既に当接して現像位置の状態、つまりロータリ3の回転位置E(以下、単に位置Eという、他の回転位置も同じ)にあるが、このカム11nによる制御の説明は、黒の現像器7の現像ローラ7aがOPC8に当接する位置Eにあり、イエローの現像ローラ4aがこの位置Eにない状態から始める。
【0024】
黒の現像器7の現像ローラ7aが位置Eにあるときは、イエローの現像器4の現像ローラ4aは位置Aにあるとともに、現像器駆動ギア11bYは位置Cにある。このとき、黒の現像器以外の現像器4,5,6にそれぞれ対応する現像器駆動ギア11bY,11bM,11bCの回転軸11bY1,11bM1,11bC1がいずれも完全にカム11nの領域外にあり、これらの現像器4,5,6に対応する各カップリング11kは連結解除状態となっている。したがって、黒以外の他の現像器駆動ギア11bY,11bM,11bCは回転停止している。なお、黒の現像器7に対応するカップリング11kが連結状態にあるので、黒の現像器駆動ギア11bKは回転している。
【0025】
この状態でロータリ3が矢印で示す時計方向に回転して、今までOPC8に当接していた黒の現像器7の現像ローラ7aがOPC8から離間した後、現像器駆動ギア11bYの回転軸11bY1(二点差線で図示)が位置Fに回転移動し、その端部が係合方向ガイド部11n1に当接する。このとき、今回OPC8に当接しようとするイエローの現像ローラ4aは位置Bにあって、OPC8に当接する位置Eには到達していない。ロータリ3の引き続きの回転にしたがって、回転軸11bY1がこの係合方向ガイド部11n1の斜面に沿ってガイドされることで、現像器駆動ギア11bYおよび駆動側カップリング部材11iを従動側カップリング部材11jの方へ徐々に案内移動させる。
【0026】
次いで、ロータリ3が更に同方向に回転して、回転軸11bY1(二点差線で図示)が位置Gに回転移動すると、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jに係合開始し、現像器駆動ギア11bYが噛合している中心ギア1aに伝達されている現像器駆動モータ12の駆動力が、イエローの現像器駆動力伝達手段11Yを介してイエローの現像ローラ4aおよび供給ローラ4bに伝達され、両ローラ4a,4bが回転開始する。このとき、現像ローラ4aは位置DにあってOPC8に当接する位置Eには到達していない。
【0027】
ロータリ3が更に同方向に回転すると、回転軸11bY1の端部が係合部11n2に当接して、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jに完全に係合し、現像器4に対応するカップリング11kが連結されかつこの連結状態に保持される。このとき、現像器駆動モータ12の駆動力により現像ローラ4aおよび供給ローラ4bは回転中となっている。ロータリ3が更に同方向にして現像器駆動ギア11bYおよび回転軸11bY1(点線で図示)が位置Hに回転移動すると、現像ローラ4aが位置Eの現像位置に回転移動し、他の制御手段によりロータリ駆動用のステッピングモータ9が停止し、ロータリ3の回転が停止する。このときには、現像器駆動ギア11bYの回転軸11bY1の端部が係合部11n2に当接したままであり、現像器4のカップリング11kは連結状態に保持され、現像ローラ4aおよび供給ローラ4bの回転は継続している。
このように、現像ローラ4aはOPC8の当接する前に回転を開始し、所定回転後にOPC8に回転しながら当接して現像位置に設定されるようになっている。
【0028】
次に、イエローの現像が終了すると、ステッピングモータ9が再び駆動してロータリ3が再び同方向に回転し、現像ローラ4aは所定回転後に回転しながらOPC8から離間する。その後、回転軸11bY1の端部が係合部11n2から係合離脱方向ガイド部11n3に移行する。これにより、リターンスプリング11mのばね力で、現像器駆動ギア11bYおよび駆動側カップリング部材11iは、回転軸11bY1の端部がこの係合離脱方向ガイド部11n3の斜面に沿ってガイドされながら、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jから離脱する方向へ徐々に移動し、駆動側カップリング部材11iと従動側カップリング部材11jとの係合解除動作が開始する。
【0029】
更に、ロータリ3が同方向に回転して、回転軸11bY1(二点差線で図示)が位置Iに回転移動すると、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jから係合解除し、カップリング11kが連結解除する。これにより、現像器駆動モータ12の駆動力が現像ローラ4aおよび供給ローラ4bに伝達されなくなり、両ローラ4a,4bの回転が停止する。しかし、現像器駆動ギア11bYおよび駆動側カップリング部材11iは回転軸11bY1の端部がこの係合離脱方向ガイド部11n3の斜面に沿ってガイドされながら、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jから離隔する方向へ徐々に移動し続ける。そして、ロータリ3が更に同方向に回転して、回転軸11bY1が位置Jを超えると、回転軸11bY1の端部は係合離脱方向ガイド部11n3から離間し、現像器駆動ギア11bYはカムの制御領域から完全に外れる。
【0030】
マゼンタの現像器5、シアンの現像器6および黒の現像器7の各カップリング11kの連結、連結解除の制御、および現像器駆動モータ12の駆動力による各現像ローラ5a,6a,7aと各供給ローラ5b,6b,7bの回転制御も、これらの順に、このカム11nによってイエローの現像器4の場合と同様にして行われるようになっている。
【0031】
次に、このように構成されたこの例の画像形成装置1の画像形成時の作動について説明する。
図1では、イエローの現像器4の現像ローラ4aがOPC8に当接した状態で示されているが、各現像器4,5,6,7の現像ローラ4a,5a,6a,7aは、非現像時にはいずれもOPC8から離間した位置に保持されている。すなわち、イエローの現像器4aが位置Aと位置Bとの間に位置した状態で、ロータリ3が停止保持されているとともに、各カップリング11kが連結解除状態に保持されている。
【0032】
画像形成のため画像形成装置1が作動開始されると、この画像形成装置1の中央処理装置(CPU)により、ステッピングモータ9および現像器駆動モータ12がともに駆動される。現像器駆動モータ12の駆動で中心ギア11aが回転するので、この中心ギア11aに常時噛合する各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKが回転する。したがって、画像形成動作時には、中心ギア11aおよび各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKは常時回転している。また、同時にステッピングモータ9の駆動でロータリ3が時計方向に回転し、イエローの現像器駆動ギア11bYの回転軸11bY1が位置Fの方へ回転移動する。
【0033】
回転軸11bY1が位置Fを超えると、前述のようにカム11nの係合方向ガイド部11n1により駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jの方へ移動し、回転軸11bY1が位置Gを超えると、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jに係合開始し、現像ローラ4aおよび供給ローラ4bがともに回転を開始する。これにより、トナーが供給ローラ4bから現像ローラ4aに供給され、図示しないトナー規制部材により現像ローラ4aの表面に所定厚のトナー層の形成が開始される。回転軸11bY1がカム11nの係合部11n2に移行すると、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jに完全に係合し、イエローのカップリング11kが完全に連結される。
【0034】
ロータリ3が更に同方向に回転して所定時間経過後に回転軸11bY1が位置Hにくると、現像ローラ4aが現像位置であるOPC8に当接する位置Eになるとともに、ロータリ3の回転が停止する。現像ローラ4aが回転を開始してから現像位置となるまでに所定時間経過し、現像ローラ4aの回転立ち上がり時間に余裕があるため、現像ローラ4aが現像位置になったときには、現像ローラ4aが所定回転数以上で回転している。したがって、現像ローラ4aへトナーが均一に分散してこの現像ローラ4aの表面に所定厚のトナー層が確実に形成されているとともに、現像ローラ4aがOPC8に当接したとき、OPC8の損傷が防止される。これにより、現像ローラ4aは所定量のトナーをOPC8の方へ搬送し、OPC8上の潜像のイエローの現像が行われる。OPC8上の、現像されたイエローの画像は中間転写媒体14に中間転写される。
【0035】
また、イエローの現像ローラ4aが位置Eになったときには、図1に示すように次のマゼンタの現像器5の現像ローラ5aが位置Aになっているとともに、マゼンタの現像器5の駆動ギア11bMおよびその回転軸11bM1が位置Cになっている。
イエローの現像が終了すると、再びロータリ3が同方向に回転し、現像ローラ4aが回転しながらOPC8から離れる。回転軸11bY1が位置Iにくると、カップリング11kが連結解除し、現像ローラ4aおよび供給ローラ4bの回転がともに停止する。
【0036】
ロータリ3の更なる回転で、マゼンタの現像器5の駆動ギア11bMの回転軸11bM1が位置Fを超えると、前述のイエローの現像器4の場合と同様にカム11nの係合方向ガイド部11n1によりマゼンタの現像器5の駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jの方へ移動し、回転軸11bM1が位置Gを超えると、駆動側カップリング部材11iが従動側カップリング部材11jに係合開始し、現像ローラ5aおよび供給ローラ5bがともに回転を開始する。以後、イエローの現像器4による現像動作の場合と同様にして、マゼンタの現像器5による現像動作が行われることにより、OPC上の潜像に対してマゼンタの現像が行われ、OPC上の現像されたマゼンタの画像が中間転写媒体14に中間転写される。
【0037】
続いて、イエローの現像器4によるイエローの現像と同様にして、シアンの現像器6によるシアンの現像および黒の現像器7による黒の現像が対応するロックのみを作動しないことにより順に行われ、それぞれの現像された画像が中間転写媒体14に中間転写される。そして、中間転写媒体14に中間転写された4色の画像が色合わせされて、図示しない転写器で転写紙に転写し、定着器で定着することでフルカラーの画像形成が行われる。
【0038】
ところで、ユーザーが工場から出荷された画像形成装置1を使用する前に、画像形成装置1を初期化する必要がある。この画像形成装置1の初期化を行う場合、現像ローラの接触によるOPCの損傷を防止するために現像ローラへ所定量のトナーを供給して現像ローラの表面にトナー層を形成しておかなければならない。そこで、この例の画像形成装置1は、更に、4本の現像ローラ4a,5a,6a,7aがともにOPC8に接触しない位置でロータリ3を停止させた状態で、これらの現像ローラ4a,5a,6a,7aをともに回転させることで所定量のトナーを各現像ローラ4a,5a,6a,7aに供給するようにしている。
【0039】
すなわち、図1に示すように4本の現像ローラ4a,5a,6a,7aがともにOPC8に接触しない各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKの任意の位置に、それぞれ初期化位置KY,KM,KC,KKが設定されている。更に、図3に示すようにこれらの初期化位置KY,KM,KC,KKにそれぞれ対応して、電磁ソレノイド15がフレーム13に各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKの回転軸11bY1,11bM1,11bC1,11bK1をカップリング11kが連結する方向に押圧可能に設けられている(位置KY以外の位置に設けられた電磁ソレノイド15は図示省略)。
【0040】
そして、工場から出荷されてきた画像形成装置1を初期化するにあたり、まず、スッテピングモータ9が駆動されてロータリ3が回転し、各現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKがそれぞれ初期化位置KY,KM,KC,KKにきたとき、CPUによりスッテピングモータ9の駆動が停止されてロータリ3の回転が停止する。次に、CPUにより、現像器駆動モータ12が駆動されて中心ギア11aが回転するとともに、各電磁ソレノイド15が作動されて各カップリング11kが連結する。したがって、各現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび各供給ローラ4b,5b,6b,7bがともに回転し、各現像ローラ4a,5a,6a,7aにトナーが供給されてそれらの表面に所定厚のトナー層が形成される。これにより、画像形成装置1はOPC8を損傷させることなく短時間で初期化される。
【0041】
このように、この例の画像形成装置1によれば、現像ローラ4a,5a,6a,7aをOPC8にそれぞれ当接させる際、これらの現像ローラ4a,5a,6a,7aをいずれも常に回転させた状態でOPC8に当接させることができ、しかもその場合、現像ローラ4a,5a,6a,7aを常に所定回転数以上で回転させた状態でOPC8に当接させることができる。また、現像ローラ4a,5a,6a,7aをOPC8からそれぞれ離間させる際、これらの現像ローラ4a,5a,6a,7aをいずれも常に回転させた状態でOPC8から離間させることができ、しかもその場合、現像ローラ4a,5a,6a,7aを所定回転数以上で回転させた状態でOPC8から離間させることができる。これにより、OPC8に対する現像ローラ4a,5a,6a,7aの接離時に、現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび供給ローラ4c,5c,6c,7cが回転しているので、現像ローラ4a,5a,6a,7aの表面に所定厚のトナー層を形成することができる。したがって、OPC8に対してトナー層を介して現像ローラ4a,5a,6a,7aを接離させることができ、トナーが潤滑剤として機能することで、OPC8の損傷を効果的に防止できる。
【0042】
また、カム11nの設置位置を適宜自由に設定することで、現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび供給ローラ4c,5c,6c,7cの回転駆動位置を自由に設定することができ、しかもOPC8に対して現像ローラ4a,5a,6a,7aが当接するまでの時間に余裕があるので、現像ローラ4a,5a,6a,7aへトナーを均一に分散させることができる。そのうえ、現像ローラ4a,5a,6a,7aに負荷変動があっても、現像ローラ4a,5a,6a,7aの回転立ち上がり時間に余裕があるため、現像ローラ4a,5a,6a,7aがOPC8に当接する前に所定回転数以上の現像ローラ4a,5a,6a,7aの回転数をより確実に得ることができ、また、現像ローラ4a,5a,6a,7aの回転変動も少なくできる。したがって、高画質の画像を形成することができるとともに、画像形成装置1を高寿命にすることができる。
【0043】
更に、現像ローラ4a,5a,6a,7aおよび供給ローラ4c,5c,6c,7cを現像位置を含む所定領域のみで回転駆動し、それ以外の領域では回転を停止しているので、回転駆動によるトナーの散りを抑制することができる。
更に、本例の画像形成装置1によれば、各カップリング11kの制御をカム11nで行っているので、OPC8に対して現像ローラ4a,5a,6a,7aを回転状態で簡単にかつ確実に接離させることができる。その場合、カム11nをロータリ3と同心の円弧状に形成しているので、ロータリの回転に応じてより正確にカップリング11kを制御することができる。
【0044】
更に、本例の画像形成装置1によれば、工場から出荷後の初期化において、現像ローラ4a,5a,6a,7aがいずれもOPC8に当接しない位置で、これらの4本の現像ローラ4a,5a,6a,7aを駆動させて、各現像ローラ4a,5a,6a,7aの表面にそれぞれトナー層を確実に形成することができるので、OPC8に損傷を与えることなく、短時間で初期化を行うことができる。また、これにより、従来工場出荷時に行っていたダミーのトナーを各現像ローラ4a,5a,6a,7aの表面に塗布する必要がなくなるので、工場出荷におけるダミートナーの塗布作業が不要となり、出荷時の作業が簡単になる。
更に、ダミーのトナーが不要になることで、コストを低減できるとともに、画像形成のためのトナーのみを用いるようになるので、トナーリサイクルが可能となる。
【0045】
なお、前述の例では、現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bK、駆動側カップリング部材11iおよび回転軸11bY1,11bM1,11bC1,11bK 1をそれぞれ軸方向に一体に移動させるようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、駆動側カップリング部材11iおよび回転軸11bY1,11bM1,11bC1,11bK1をそれぞれ現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKに対して一体回転可能にかつ軸方向に相対移動可能に設けるとともに、現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKは軸方向に相対移動不能に設ける(回転は可能)ようにすることもできる。
【0046】
また、前述の例では、各カップリング11kの連結および連結解除をカム11nによって制御するようにしているが、カップリング11kの連結および連結解除は他の制御手段で制御することもできる。例えば、ロータリ3に電磁ソレノイドを設け、この電磁ソレノイドの電磁力で直接駆動側カップリング部材11iを軸方向に移動させるようにして、カップリング11kの連結および連結解除を制御することもできる。
【0047】
同様に、図3に示す電磁ソレノイド15では、画像形成装置1の初期化時に、電磁ソレノイド15の電磁力をプランジャの推力に変えて各カップリング11kを連結をするようになっているが、ロータリ3に電磁ソレノイドを設け、この電磁ソレノイドの電磁力で直接駆動側カップリング部材11iを軸方向に移動させるようにすることもできる。
【0048】
更に、画像形成装置1の初期化時に、現像器駆動ギア11bY,11bM,11bC,11bKの回転軸11bY1,11bM1,11bC1,11bK1が位置Gから位置Hまでの間の所定の位置にあるときにロータリ3を停止させ、その回転軸の現像器駆動ギアによって現像器駆動モータ12の駆動力が伝達される現像ローラを回転させることで、画像形成装置1の初期化を行うようにすることもできる。このときにも各現像ローラ4a,5a,6a,7aがいずれもOPC8に当接していないので、OPCを損傷させることなく初期化を行うことができ、電磁ソレノイド15を不要にできる。ただし、この場合には、前述の例のように各現像ローラ4a,5a,6a,7aを同時に回転させることはできなく、各現像器4,5,6,7毎にロータリ3を停止させて、各現像ローラ4a,5a,6a,7aを順に個別に回転させることになる。
【0049】
更に、前述の例では、本発明を中間転写媒体を有するフルカラーの画像形成装置に適用して説明しているが、本発明は、2色以上の単色カラーの画像形成装置等の複数の現像器が回転体に装着され、かつ現像ローラが感光体に当接する画像形成装置であればどのような画像形成装置にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、現像ローラを常に確実に回転した状態で感光体に対して接離するようにしているので、感光体に対する現像ローラの接離時には、現像ローラの表面にトナー層を形成することができる。これにより、感光体に対してトナー層を介して現像ローラを接離させることができ、トナーが潤滑剤として機能することで、感光体の損傷を効果的に防止できる。したがって、高画質の画像を形成できるとともに、画像形成装置の寿命を向上できる。
しかも、制御手段をカムで構成しているので、感光体に対して現像ローラを回転状態で簡単にかつ確実に接離させることができる。その場合、カムを回転体と同心の円弧状に形成しているので、回転体の回転に応じてより正確にカップリングを制御することができる。
【0051】
特に、請求項2の発明によれば、現像ローラを常に所定回転数以上で回転した状態で感光体に当接させているので、現像ローラにトナーをより一層確実に供給することができ、現像ローラの当接時の感光体の損傷をより確実に防止できる。更に、請求項3の発明によれば、現像ローラを常に確実に所定回転数以上で回転した状態でかつ所定時間が経過した後に感光体に当接させているので、トナーを現像ローラへ均一に分散させることができるとともに、現像ローラの回転変動を抑制できる。これにより、現像ローラにトナー層を均一に形成できるとともに、現像ローラの回転変動を少なくできるので、感光体の損傷をより一層確実に防止できる。したがって、より一層高画質の画像を形成することができるとともに、画像形成装置を更に高寿命にすることができる。
【0052】
更に、請求項4の発明によれば、現像ローラが常に所定回転数以上で回転した状態で感光体から離間させているので、現像ローラにトナーをより一層確実に供給させた状態で現像ローラを感光体から離間でき、現像ローラの離間時の感光体の損傷をより一層確実に防止できる。
【0053】
更に、請求項5の発明によれば、複数の現像ローラをいずれも感光体と当接させない状態で回転できるようにしているので、感光体に損傷を与えることなく、工場出荷後に画像形成装置の初期化を短時間で簡単に行うことができる。また、これにより、従来工場出荷時に行っていたダミーのトナーを各現像ローラの表面に塗布する必要がなくなるので、工場出荷におけるダミートナーの塗布作業を不要にでき、出荷時の作業を簡単にすることができる。
【0054】
更に、ダミーのトナーが不要になることで、コストを低減できるとともに、画像形成のためのトナーのみを用いるようになるので、トナーリサイクルが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を模式的かつ部分的に示す図である。
【図2】 図1における左側面図である。
【図3】 図1における位置KY,位置KM,位置KC,位置KKにおける径方向に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…現像装置、3…ロータリ、4…イエローの現像器、5…マゼンタの現像器、6…シアンの現像器、7…黒の現像器、4a,5a,6a,7a…現像ローラ、4b,5b,6b,7b…供給ローラ、8…感光体(OPC)、9…ステッピングモータ、10…ロータリ駆動力伝達手段、11Y,11M,11C,11K…現像器駆動力伝達手段、11a…中心ギア、11bY,11bM,11bC,11bK…現像器駆動ギア、11bY1,11bM1,11bC1,11bK1…回転軸、11i…駆動側カップリング部材、11j…従動側カップリング部材、11k…カップリング、11n…カム、11n1…係合方向ガイド部、11n2…係合部、11n3…係合離脱方向ガイド部、12…現像器駆動モータ、13…フレーム、14…中間転写媒体、15…電磁ソレノイド、E…現像ローラのOPCへの当接位置
Claims (5)
- 回転体に装着され、感光体に対して接離可能な現像ローラをそれぞれ有する複数の現像器を備え、非現像時に前記現像ローラを前記感光体から離間させ、現像時に現像器駆動モータの駆動力を、現像器駆動力伝達手段を介して前記現像ローラに順に伝達するとともに、前記回転体の回転で前記現像ローラを順に前記感光体に当接する現像位置に移動しかつ前記回転体の回転停止でこの現像位置に設定することにより多色現像を行う画像形成装置において、
前記現像器駆動力伝達手段は、前記回転体と同心状にかつ回転可能に設けられるとともに現像器駆動モータの駆動力で画像形成動作中は常時回転する各現像器に共通の中心ギアと、前記中心ギアに常時噛合するようにして各現像器毎に回転可能に設けられ、それぞれの前記現像ローラに前記現像器駆動モータの駆動力を伝達するための現像器駆動ギアと、前記現像ローラと一体回転可能に設けられた現像ローラ駆動ギアと、現像ローラ駆動ギアに動力を伝達する中間動力伝達歯車機構と、前記現像器駆動ギアと前記中間動力伝達歯車機構とを連結および連結解除するカップリングと、このカップリングの連結および連結解除を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記回転体の回転により前記感光体に当接しようとする現像ローラが前記感光体と当接する前記現像位置になる前に前記カップリングを連結するとともに、この現像ローラが前記現像位置から移動して前記感光体から離間した後に前記カップリングを連結解除し、
更に、前記制御手段は、前記回転体と同心の円弧状に形成されたカムにより構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記回転体は、前記制御手段が前記カップリングを連結して前記現像ローラが所定回転数以上になったときに、この現像ローラを前記現像位置に設定して前記感光体に当接させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記回転体は、前記制御手段が前記カップリングを連結して前記現像ローラが所定回転数以上になりかつ所定時間が経過した後に、この現像ローラを前記現像位置に設定して前記感光体に当接させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記回転体は、前記制御手段が前記カップリングを連結して前記現像ローラが所定回転数以上にあるときに、この現像ローラを前記現像位置から移動して前記感光体から離間させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記回転体が前記各現像ローラをいずれも前記感光体と当接しない位置に設定した状態で、前記制御手段または他の手段で前記カップリングを連結することにより初期化を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の画像形成装置。
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