JP3848428B2 - 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂からなる無架橋発泡粒子を製造するための原料となるポリプロピレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂からなる発泡粒子を製造するに際し、目的とする発泡粒子の製造時の発泡性の改良及びできあがった発泡粒子の剛性を高めるために、予めポリプロピレン系樹脂粒子に、変性、例えばスチレンモノマ−を含浸させた後にグラフト重合により含浸させるなどの処理をおこなったものを使用することが有効であるとされている。
この発泡体に、ポリプロピレン系樹脂本来の耐熱性及び腰が強いことなどの特性を十分に残して、これに良好な発泡性及び剛性の特性を付加するためには、できあがった変性樹脂中のポリスチレンの含有割合を3〜35重量%程度にするすることが好ましいとされてきた。そして、コストの低減及びリサイクル時の取扱いの利便性のことを考えると、樹脂を架橋すること、つまり架橋剤を使用して樹脂が架橋構造を有するように処理することは、好ましいことではないこととされてきた。
しかしながら、架橋されていない状態の変性樹脂粒子で、変性樹脂中のポリスチレンの含有成分の割合を3〜35重量%程度とすると、できあがった発泡粒子の気泡が微細化し、微細化することにより型内で成型するときに表面平滑性のある成型体を得ることができないという問題点があった。特に、密閉容器内で変性樹脂粒子を、変性樹脂粒子との相溶性に乏しい二酸化炭素のような無機ガス発泡剤と共に分散媒に分散させて加熱処理して、容器外の低圧の状態のところに放出することにより発泡粒子を得る方法では、特にその傾向が顕著であった。
本発明出願前の発明においては、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン樹脂の割合が、70対30あるいは60対40の場合には、架橋を行っている(特公昭59−40164号公報、実施例18及び19)。この発明において、架橋を行わない場合には、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン樹脂の割合は40対60である(同公報、実施例1)。このような架橋を行った従来例としては、このほかにも特公平3−67537号公報、特公昭58−113230号公報及び特公昭62−190236号公報などがある。
また、無架橋の従来例としては、特公平3−33186号公報がある。この発明では、ポリプロピレン系樹脂/ポリスチレン樹脂の割合が51/49、60/40(実施例1及び2)である。
また、上記公知文献の実施例のいずれにも共通していることは、10時間の半減期を得るための分解温度が74℃以上のラジカル重合剤が使用されており、かつ95℃以上のグラフト重合温度条件が採用されているという点である。
しかしながら、分散媒中でポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体を含浸させた状態で、分散媒中に添加したラジカル重合開始剤を分解させることにより、ポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体をグラフト重合して、[ポリプロピレン系樹脂含有量]/[ビニル系単量体からなる重合体含有量]の比が97〜65重量%/3〜35重量%である発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を製造するに当り、上記した公知文献の例に示された条件を採用して得られた変性ポリプロプレン樹脂粒子からでは、発泡粒子製造時に発泡粒子の気泡の微細化を防止することができず、満足できる結果を得ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、発泡粒子の気泡微細化を防止する発泡粒子を製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、分散媒中でポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体を含浸させた状態で、10時間の半減期を得るための分解温度が70℃以下のラジカル重合開始剤を分散媒中で分解させることにより、ポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体のグラフト重合を90℃未満の温度に保持して完結させて成る、[ポリプロピレン系樹脂含有量]/[ビニル系単量体からなる重合体含有量]の比が97〜65重量%/3〜35重量%である発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を、密閉容器内に発泡剤と共に収容し、次いで低圧部に放出させることを特徴とする発泡粒子の製造方法であり、
請求項2は、前記密閉容器内に融着防止剤を共存させることを特徴とする請求項1に記載の発泡粒子の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂としては、プロプレンの単独重合体、プロピレン・エチレン(エチレン成分0.5〜8重量%)ランダム共重合体、プロプレン・エチレン(エチレン成分3〜18重量%)ブロック共重合体、プロピレン・ブテン−1(ブテン−1成分2〜15重量%)ランダム共重合体、プロピレン・エチレン(エチレン成分0.3〜5重量%)・ブテン−1(ブテン−1成分0.5〜20重量%)ランダム共重合体、プロピレン・ヘキセン−1(ヘキセン−1成分2〜6重量%)ランダム共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン−1(4−メチルペンテン−1成分1〜8重量%)ランダム共重合体等の結晶性ポリマー;これらのポリマーどうしのブレンド物;これらのポリマーに他のポリマー、たとえばポリエチレン樹脂、エチレン・プロピレンラバー等を50重量%以下の割合でブレンドしたブレンド物があげられる。
ポリプロピレン系樹脂は、粒子の形状のものが用いられる。通常粒径が、0.1mm〜3mmの範囲のもの又は、粒子重量が0.1〜20mg/個の範囲のものが用いられる。
【0006】
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂粒子に含浸させグラフト重合するビニル系単量体としては、剛性付与の観点からスチレン系単量体が好ましい。スチレン系単量体としては、スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−メチルスチレン及びアルフアメチルスチレンなどを挙げることができる。
【0007】
次に、本発明の方法で使用されるポリプロピレン系樹脂粒子に、ビニル系単量体をグラフト重合する方法の具体例を以下に示す。
まず、オートクレーブ内に、水等の水性媒体、ポリプロピレン系樹脂粒子、ビニル系単量体及び分散剤を仕込み、密閉した後にオートクレーブ内容物を撹拌しつつ加熱して、ポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体を充分含浸させる。この際の加熱温度は、通常70〜120℃程度が採用される。また、上記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコ−ル、メチルセルロ−ス、燐酸三カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが用いられる。これらの分散剤は、一般に、水性媒体である水に対して0.01〜50重量%添加される。
次に、オートクレーブ内容物を50℃以下となるまで冷却する。冷却後、オートクレーブ内にラジカル重合開始剤を添加し、密閉した後、再度加熱してグラフト重合を生起させる。この時の加熱温度が本発明においては最も重要な点である。
【0008】
一般に、発泡粒子製造のために使用されるポリプロピレン系樹脂粒子への単量体のグラフト重合反応は、従来例に見られるように90℃を越える95℃程度の温度条件下に行なわれてきた。これは、重合開始剤の取り扱いやすさ及びグラフト重合時間の短縮化を考慮してのことである。本発明では、重合反応の温度を、90℃未満、好ましくは50℃〜89℃で行う。このようにして得られる変性ポリプロピレン樹脂粒子を用いて、発泡粒子を製造した場合には、気泡の微細化を防止することができる。90℃を超える場合には、気泡の微細化を避けることができない。
ビニル系単量体がポリプロピレン系樹脂粒子は含浸した状態で樹脂粒子内部に入り込み、グラフト重合反応は樹脂粒子の内部で生起する。その結果、ビニル系単量体によるグラフト変性ポリプロピレン樹脂粒子が得られる。この様にして得られる発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子は無架橋のものである。
【0009】
本発明においては、上記したような比較的低温でのグラフト重合反応を効率よく実施するために、ラジカル重合開始剤として、10時間半減期温度が70℃以下のものを用いる事が必要である。
このようなラジカル重合開始剤としては、具体的には、
ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;
1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート;
ジ(2−エトキシヘキシルパーオキシ)ジカーボネート;
ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート;
t−ブチルパーオキシネオデカノエート;
t−ヘキシルパーオキシピバレート;
t−ブチルパーオキシピバレート;
オクタノイルパーオキサイド;
ラウロイルパーオキサイド;
ステアロイルパーオキサイド;
イソブチリルパーオキサイド;
α,α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン;
クミルパーオキシネオデカノエート;
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート;
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート;
ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート;
ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート;
t−ブチルパーオキシネオデカノエート;
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド;
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド;
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;
スクシニックパーオキサイド;
2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン;
1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;
t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;
等の有機過酸化物を挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、ビニル系単量体100重量部に対して2.0〜10重量部が好ましい。
【0010】
グラフト重合は、上記温度にて3〜12時間程度保持することで完結する。冷却後、無架橋(沸騰キシレン不溶のゲル分率が0.5重量%以下のものを意味する)の変性ポリプロピレン樹脂粒子は、オートクレーブ内から取り出され、洗浄され、乾燥され、その後、発泡粒子の製造に使用される。
尚、グラフト重合反応により得られるポリプロピレン系樹脂とビニル系単量体からなる重合体の割合は、ポリプロピレン系樹脂65〜97重量%、ビニル系単量体からなる重合体35〜3重量%であり、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂70〜95重量%、ビニル系単量体からなる重合体30〜5重量%である。ポリプロピレン系樹脂の含有量がこの範囲未満のときは耐熱性と腰の強さが低下してしまい、逆にこの範囲を超えるときには剛性付与の改質効果に乏しいものとなる。
【0011】
このようして得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子からの発泡粒子の製造は次のような条件の下で行われる。
変性ポリプロプレン樹脂粒子(以下、変性粒子ということもある)、水等の分散媒、発泡剤及び分散剤等を密閉容器内に入れ、該変性粒子の軟化温度以上に加熱して変性粒子内に発泡剤を含浸させてから、密閉容器の一端を開けて変性粒子と水を低圧部に放出させる常法で行えば良い。なお、前記の樹脂軟化温度はASTM−D−648に規定されている荷重4.6Kg/cm2の条件で測定される軟化温度である。
発泡剤には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1−ジフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン、1,2,2,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフロロエタン等の揮発性発泡剤、又は窒素、空気、二酸化炭素、アルゴン等の無機ガス系発泡剤が使われるが、環境面で問題がなく安価な二酸化炭素や空気等の無機ガス系発泡剤が好ましい。また、発泡剤使用量は一般に変性粒子100重量部に対し2〜50重量部であり、発泡倍率や発泡温度を考慮して前記範囲内で適宜定めれば良い。
上記分散媒は、該変性粒子を溶解しない水、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等の液体であり、その使用量は一般に変性粒子総重量の1.5〜10倍、好ましくは2〜5倍である。また、通常は分散媒として水が使われる。
変性粒子を分散媒に分散させ、加熱下に発泡剤を該変性粒子に含浸させる際には、変性粒子の相互融着を防ぐために融着防止剤が使われる。融着防止剤は分散媒に不溶な無機系又は有機系の高融点物であり、平均粒径0.001〜70μm、好ましくは0.001〜30μmの微粉体である。そして、通常の発泡体製造時には、カオリン、タルク、マイカ、アルミナ、チタニア、水酸化アルミニウム等の無機系融着防止剤が使われる。また、融着防止剤の添加量は変性粒子使用量の0.01〜10重量%程度が望ましい。
前記の融着防止剤添加の際は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を分散助剤として用いることが好ましく、その添加量は変性粒子使用量の0.001〜5重量%程度が望ましい。
得られる発泡粒子の嵩倍率は、一般に5〜60倍程度のものが得られる。特に20倍程度のものが良好な結果をもたらす。
得られる発泡粒子の平均気泡径は、200〜500μmである。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の実施例により、さらに詳しい内容を示す。
発泡粒子の嵩倍率の測定および平均気泡径の測定は次の通りである。
(1)嵩倍率の測定
発泡粒子をメスシリンダーに入れて見掛けの体積A(cm3)を測定する。
次にその時の発泡粒子の重量B(g)を測定する。嵩倍率Cは、次の式より求める。
Figure 0003848428
(2)平均気泡径(D)の測定
無作為に選んだ発泡粒子をほぼ中心部で切断し、その切断面を顕微鏡に写し出した画面上又は顕微鏡写真上にて、直線上の任意の気泡壁から別の任意の気泡壁までの任意の長さ(L)の直線上に存在する気泡数(N)を数え、次の式により求める。ただし、該直線の始点は任意の気泡壁とし、終点は別の任意の気泡壁とし、始点と終点との間には少なくとも10個の気泡が存在するようにする。
D=1.62×(L÷N)
【0013】
実施例1
融点140℃、MFR(メルトフローレート)9g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン成分 4.0重量%)100重量部に水酸化アルミニウム0.05重量部を混合した後、口径40mmの単軸押出機に供給し、220℃で溶融混練後、押出機先端に設けられた口径2mmφ×16穴のダイスよりストランド状に引取りカットし、1個あたり約2mgのミニペレットを調製した。得られたミニペレット100重量部とスチレンモノマー11.1重量部、水300重量部、分散剤として三リン酸カルシウム15重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を密閉し、開放できる圧力容器に仕込み200rpmでの撹拌下、約2℃/分で90℃まで昇温し約2時間保持した後、50℃まで冷却を行った。次いで上記圧力容器内にビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(10時間半減期温度40.8℃)(日本油脂(株)製、商品名パーロイルTCP)を6.5重量部投入し、200rpmでの撹拌下、約2℃/分で65℃まで昇温し約5時間保持した後、40℃まで冷却を行ない、圧力容器を開放して容器内容物を取りだし、固体成分を濾別した後、0.1規定塩酸溶液で固体成分を洗浄し、約60℃の乾燥機で24時間乾燥を行うことで変性樹脂粒子を得た。変性ポリプロピレン樹脂粒子中に含まれるビニル単量体からなる重合体の成分比率は10重量%であった。
次に得られた変性粒子を発泡に供するにあたって次の操作を行った。得られた変性粒子100重量部と水300重量部、分散剤としてカオリン3重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、及び炭酸ガス8重量部を密閉し、開放できる圧力容器に仕込み200rpmでの撹拌下、約2℃/分で141℃まで昇温し約15分間保持した後、更に約2℃/分で昇温し146℃で15分間保持した。次に容器内を加圧空気の導入により、圧力を40kg/cm2Gに保ちながら、内容物を容器の一端から大気中に放出して発泡粒子を得た。
得られた発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は400μmであり、良好な発泡粒子を得ることができた。
【0014】
実施例2
スチレンモノマ−添加量を53.8重量部に変更した以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比率は、35重量%であった。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったところ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は300μmであり、良好な発泡粒子を得ることができた。
【0015】
実施例3
ラジカル重合開始剤として、ラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度61.6℃)(日本油脂(株)製、商品名パ−ロイルL)に変更し、同添加量を6.0重量部に変更、更にグラフト重合温度を85℃とした以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比率は、10重量%であった。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったところ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は200μmであり、良好な発泡粒子を得ることができた。
【0016】
比較例1
ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度73.6℃)(日本油脂(株)製、商品名ナイパーBW)に変更し、同添加量を4.5重量部に変更し、グラフト重合温度を95℃とした以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比率は、10重量%であった。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったところ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は150μmであり、気泡径が細かくなりすぎて、好ましい発泡粒子を得られなかった。
【0017】
比較例2
ラジカル重合開始剤として、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度90.0℃)(日本油脂(株)製、商品名パ−ヘキサ3M)に変更し、同添加量を3.2重量部に変更し、更にグラフト重合温度を110℃とした以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比率は、10重量%であった。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったところ、嵩倍率は20倍であり、平均気泡径は130μmであり、気泡径が細かくなりすぎて、好ましい発泡粒子を得られなかった。
【0018】
比較例3
スチレンからなるビニル系単量体使用量を150重量部に変更した以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比率は、50重量%であった。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったところ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は180μmであり、発泡径が細かくなりすぎて、好ましい発泡粒子を得られなかった。
【0019】
比較例4
グラフト重合温度を95℃とした以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比率は、10重量%であった。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったところ発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は150μmであり、気泡径が細かくなりすぎて、好ましい発泡粒子を得られなかった。
以上の実施例および比較例をまとめて表1に示した。
尚、表1中の「グラフト状態」の評価は以下の基準に基づくものである。
○…変性粒子の表層部にスチレン単独重合体が明らかに堆積していない場合
×…変性粒子の表層部にスチレン単独重合体が明らかに堆積している場合
【0020】
【表1】
Figure 0003848428
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明により得られる無架橋の発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を用いて発泡粒子の製造を行うと、ポリプロピレン系樹脂の特性である耐熱性および腰の強さを残し、ビニル系樹脂のポリスチレン系樹脂の特性である剛性を兼ね備え、発泡粒子の気泡微細化を防止した発泡粒子を得ることができる。そのような発泡粒子は、例えば気泡内に1気圧の空気の成分のみを含有しているような場合、すなわち型内成型時の加熱で一般に二次発泡しにくいと考えられるような場合であっても、型内成型時に良好な二次発泡性を示す。しかも、通常では考えられないほどの低スチーム圧力(低温)でそれが可能である。具体的には、スチレングラフト変性されていないポリプロピレン系樹脂(融点134℃)からなる嵩発泡倍率が30倍の発泡粒子(気泡内は1気圧の空気のみ含むもの)の場合、成型時のスチーム圧力として少くとも2.4kg/cm2Gは必要であるが、同一のポリプロピレン系樹脂に本発明の方法でスチレンをグラフト変性して得た同じ発泡倍率、同じ気泡内圧の変性発泡粒子の場合、成型時のスチーム圧力は1.7kg/cm2G以下とすることができる。

Claims (2)

  1. 分散媒中でポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体を含浸させた状態で、10時間の半減期を得るための分解温度が70℃以下のラジカル重合開始剤を分散媒中で分解させることにより、ポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体のグラフト重合を90℃未満の温度に保持して完結させて成る、[ポリプロピレン系樹脂含有量]/[ビニル系単量体からなる重合体含有量]の比が97〜65重量%/3〜35重量%である発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を、密閉容器内に発泡剤と共に収容し、次いで低圧部に放出させることを特徴とする発泡粒子の製造方法。
  2. 前記密閉容器内に融着防止剤を共存させることを特徴とする請求項1に記載の発泡粒子の製造方法。
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