JP3847413B2 - 手術用はさみ鉗子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を把持する把持機能付の手術用はさみ鉗子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から行われてきた、いわゆるオープン式の外科手術は侵襲が大きく、患者に多大な負担をかけることから、近年、オープン式の外科手術に代わり、より低侵襲で傷口が小さくて済む、内視鏡を利用したいわゆる内視鏡下外科手術が幅広く行われるようになってきた。
【0003】
内視鏡下外科手術はその特性として低侵襲で傷口が小さくて済み、術後の回復も早く、後遺症も少ない等の長所が多い反面、体内の小さな領域・空間内で処置を行うことから手術操作が煩雑・面倒となってしまうという欠点がある。
【0004】
このような内視鏡下外科手術の1つに内視鏡下血管摘出術というものがある。この手技は下腿の皮下にトンネルを作成し、そのトンネル内で血管を周囲組織から剥離・切断することにより血管を摘出するという手技である。この手技の中で、摘出すべき血管から分岐している側枝血管を結紮・切断する操作がある。この操作は内視鏡の観察下で次のような手順で行われる(図1参照)。
【0005】
▲1▼把持鉗子等の器具を用いて皮切口からトンネル内に図示しないクリップ装置を導入し、クリップ1により摘出すべき血管2から分岐している側枝血
管3を結紮する。
▲2▼皮切口を通じてクリップ装置をトンネル内から抜去する。
▲3▼皮切口からトンネル内にはさみ鉗子4を挿入し、側枝血管3を切断する。
【0006】
▲4▼皮切口を通じてトンネル内からはさみ鉗子4を抜去する。
このように従来の内視鏡下血管摘出術においては皮切口から鉗子類を2度挿脱しなければならず、その手術操作の煩雑さを招いていた。
【0007】
このような処置に関しては、実公昭52−47344号公報で提案されているようなはさみ鉗子が利用できる。このはさみ鉗子は刃部の側部にポリープを把持する把持片を併設したものであり、ポリープを切断すると同時に、その把持片でポリープを把持するようにしたものである。このようなはさみ鉗子を血管摘出術に利用する場合、切断しようとする側枝血管を刃部で切ると同時に体内に残る方の切断端部を把持することになる。また、把持している方の血管からの出血を止める方法としては鉗子に高周波電流を通電して止血を行うことが考えられる。
【0008】
しかし、このようなはさみ鉗子を側枝血管の処置に用いる場合、血管にテンションがかかっていると、血管に切込みが生じると同時にその切込み部から側枝が引きちぎられることがある。このような状態になると、側枝血管は把持される以前に把持部をすり抜け、結果的に血管を把持できなかったり切断できないことが起こる。
【0009】
血管を把持できないと側枝血管の切断した端部から血液が流出し、術野が血液に埋没して手術がきわめてやりにくくなる。
さらには術後の血腫等の合併症を引き起こす可能性が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、最初に血管などの生体組織を確実に把持し、その後に生体組織を切断することができると共に、煩雑な手術操作が1本の器具で済み、手術操作が簡便であり、かつ手技の簡略化が図れる手術用はさみ鉗子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生体組織を切断する手術用はさみ鉗子において、開閉自在な第1及び第2のものからなり、支軸により軸支された一対の刃体を有し、この一対の刃体を閉じて生体組織を切断するはさみ部と、上記はさみ部に隣接して上記第1の刃体及び第2の刃体にそれぞれ設けられた、上記第1の刃体の裏面に形成された第1の把持面と、第2の刃体から上記第1の刃体の裏面側に延出して上記第1の把持面に対して所定の間隔を空けて向き合う第2の把持面とからなり、上記第1の把持面は上記はさみ部の閉動作時に上記第1の刃体と一緒に動き、上記第2の把持面は上記第2の刃体の刃先前方へ突き出す高さを有し、上記はさみ部の閉動作時に上記第2の刃体と一緒に動き、上記第1の把持面と上記第2の把持面は上記はさみ部により切断しようとする生体組織を、上記第1の刃体及び第2の刃体を閉じる動作により、上記生体組織の切断を開始する以前に上記第1の把持面と上記第2の把持面との間に形成される間隔内で狭持する組織把持部と、を具備したことを特徴とする手術用はさみ鉗子である。
他の発明は、上記組織把持部に上記組織把持部により把持した状態での生体組織に高周波通電が可能な高周波通電部を設けたことを特徴とする手術用はさみ鉗子である。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図2及び図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
(構成)
第1実施形態は前述の血管摘出術に用いられる手術用はさみ鉗子に係り、この手術用はさみ鉗子10は図2で示すように、硬性挿入シース11を有し、この挿入シース11の先端に取着したホルダ12に、はさみ部13を組み付けてなる。ホルダ12の先端側部分は左右に分かれて平行に対峙する一対の支持片14を形成してなり、この一対の支持片14の先端部間には支軸15を架設している。そして、この支軸15に対して一対の刃体16,17を軸支することにより上記はさみ部13を構成する。はさみ部13の刃体16,17は開閉操作機構18を介して上記挿入シース11内に挿通した操作ロッド(図示せず)により開閉駆動させられるようになっている。
【0013】
開閉操作機構18は例えばリンク機構からなり、このリンク機構は刃体16,17の各基端部と、これらの基端部にそれぞれ連結された一対のリンク片19からなり、リンク片19の他端は図示しない継手を介して上記操作ロッドの先端に接続されている。そして、挿入シース11の手元に設けられた図示しない操作部によりその操作ロッドを押し引きすることにより上記開閉操作機構18を介して上記はさみ部13の刃体16,17の両方を回動して開閉操作するようになっている。
尚、刃体16,17を開閉させる機構はこれに限らず、また、刃体16,17を回動することなく直線移動させたりその一方のみを移動させたりして開閉させるものであってもよい。
【0014】
上記はさみ部13の一方の刃体16は一枚の長い板状に形成され、かつ他方の刃体17の方に位置する一端縁に刃部21を形成している。他方の刃体17は上記刃体16の方に位置する一端縁に刃部22を形成している。そして、刃体16,17はその刃部21,22を噛み合せたときにすり合う面(すり合せ面)を平らな表面としてなり、その裏面側に斜面を形成して刃部21,22を形成している。
【0015】
刃体17は下側に位置しており、その刃体17の峰部には断面略L型の枠状の組織挟持部材25がすり合せ表面側に突き出して設けられている。この組織挟持部材25は刃体17の峰部からすり合せ表側に垂直に延びる底壁部26と、この底壁部26の延出端から立ち上がる組織挟持片部27とからなり、組織挟持片部27は刃体17のすり合せ表面に適当な間隔をあけて向き合っている。また、組織挟持片部27の、底壁部26からの高さはその刃体17の刃部22の高さに比べて高く形成されている。
【0016】
組織挟持片部27の高さはその刃体17の刃先前方へ突き出す高さがあり、その結果、刃体16と刃体17が噛み合う際、刃体16と刃体17の稜線(刃)が一致するとき、つまり組織が切断開始されるときより以前に組織挟持片部27が刃体16の裏面に向き合い、その組織挟持片部27の壁面(把持面)と刃体16の裏面(把持面)との間に組織を挟持するようになっている。つまり、刃体16の裏面とこれに対応する組織挟持片部27により組織を挟持する把持部(把持手段)を構成している。
【0017】
また、組織の切断が開始される前に、刃体16の裏面と組織挟持片部27の壁部が向き合うときの両把持面の間隔は血管摘出術用のものの場合、最大で0.3mm以下に設定されている。この両把持面の間隔は、実験的な裏付けによれば、0.3mm以下が望ましい。
【0018】
組織が切断開始される前に向き合う、刃体16の裏面と組織挟持片部27の壁面の両把持面または少なくとも一方の把持面には組織滑り防止用の溝28が設けられている。この実施形態では図3で示すように両方の把持面に溝28がそれぞれ形成されている。溝28は刃体16,17のブレード方向に沿って長い溝でも点状の穴でもよく、一般的には凹凸面によって形成する。
【0019】
組織把持部を形成する刃体16と組織挟持部材25の少なくとも一方の部材は導電性材料によって形成され、これを通じて把持する組織に高周波電流を供給できるようになっている。硬性挿入シース11にはそのための図示しない高周波通電ラインが組み込まれている。
【0020】
尚、組織挟持片部27に関して刃体16と対向する稜線部分は挟持した組織を傷つけないように面取りが施されている。同様に組織挟持片部27と対向する刃体17の部分も挟持する組織を傷つけないように面取りが施されている。また、組織損傷防止のために刃体16,17の他の角部分等も面取りが施されている。
【0021】
(動作)
このような手術用はさみ鉗子10を用いて内視鏡下血管摘出術を行う場合、次のようにして行われる。皮切口からトンネル内に手術用はさみ鉗子10を導入し、図3(a)で示すように刃体16,17を開いて、その刃体16,17の間に摘出すべき血管2から分岐している側枝血管3を位置させる。
【0022】
そして、刃体16,17を閉じ、側枝血管3を切断するが、側枝血管3の組織が切断開始する前に側枝血管3の組織は図3(b)で示すように、刃体16側の把持面と、刃体17側の組織挟持片部27の把持面との間における最大間隔0.3mmの隙間部分に挟持されることにより保持される。
【0023】
このように挟持部に側枝血管3の組織を挟持した後、さらに刃体16,17を閉じ込んでいくと、図3(c)で示すように、その刃体16と刃体17の各刃部21,22がすり合わされ、側枝血管3の組織が切断される。つまり、側枝血管3の組織は挟持された保持状態で切断される。
【0024】
側枝血管3の組織が切断した時点で、図3(d)で示すように、組織切断端の一方が刃体16と組織挟持片部27との間で挟持されており、この挟持に当たってはその把持面に滑り防止用の溝28があるため、組織が滑って抜け落ちることがなく、確実に保持される。
【0025】
また、血管やリンパ管等、その臓器の管腔内を体液が流れるような組織部位を切断する場合、切断端を把持したままその器具の把持部に高周波を通電することにより切断端部を閉塞する処置を行う。
【0026】
(効果)
従来方法では複数の手術器具を用いて行ってきた血管摘出術における側枝血管の切断処置が、この実施形態では単一器具で連続した一緒の動作で把持と切断が行えるようになる。このため、器具の挿脱などの操作が減少し、手術の操作の簡便化が大幅に図れる。また、明るく見易い術野の確保が可能となる。
【0027】
また、血管やリンパ管等、その臓器の管腔内を体液が流れるような組織部位を切断する場合、切断端を把持したままその器具の把持部に高周波を通電することにより切断端部を閉塞でき、血液やリンパ液などの体液の流出が防止でき、かつこの場合も把持と切断と閉塞の複数の操作が1つの器具で行うことができる。もちろん、この場合にも明るく見易い術野の確保が可能となる。
【0028】
また、組織滑り防止用の溝28により把持部に組織を確実に把持し、鉗子からの組織の脱落が無くなり、確実な切断や切断端の閉塞等を行うことが可能となると共に、合併症を極力防止することが出来る。
【0029】
また、心臓血管バイパス術に使用する大伏在静脈を摘出する際に側枝を高周波電流により焼灼後に切断しようとした場合、大伏在静脈本管も高周波電流の影響を受けるが、本発明による手術用はさみ鉗子の場合、体内に残る側枝を把持し、高周波電流で焼灼することで、本管へのダメージを与えずに体内に残る側枝断端の止血が可能となる。
【0030】
[第2実施形態]
(構成)
この第2実施形態は前述した第1実施形態と次の点が異なる。すなわち、手術用はさみ鉗子10における挿入シース11が操作部に対して軸まわりに回転可能となっている点である。
(動作)
このような構成にすれば、摘出しようとする血管に対して側枝血管が左右どちらの方に分岐していても、手術用はさみ鉗子10の挿入シース部11を回転させることにより無理なくその側枝血管の切断、止血の処置が行える。
【0031】
(効果)
側枝血管の分岐方向に合わせた複数の手術用はさみ鉗子を用意する必要がなく、1種類の鉗子で摘出血管全長にわたって側枝血管の処置が可能となる。よって右分岐用/左分岐用はさみ鉗子10の入れ替え作業がなくなり、手術の簡便性が向上する。
【0032】
[第3実施形態]
図4を参照して本発明の第3実施形態を説明する。
(構成)
第1実施形態のものと異なる点のみ記す。刃体16の裏面部に刃体16の刃部21の刃先よりも先まで突き出す高い壁部を有する組織支持部31を設けたものである。組織支持部31と、組織挟持部材25の組織挟持片部27との間で、組織の切断開始がなされるかなり以前において生体組織をはさみ込むようにする。また、組織挟持片部27と組織支持部31の各把持面にも滑り防止用の溝を形成することが望ましい。組織挟持片部27と組織支持部31の把持面間の間隔も処置する組織を確実に挟持しやすい間隔とする。
【0033】
(動作)
手術用はさみ鉗子10の両刃体16,17の間に生体組織を入れて刃体16,17を閉じていくと、まず、生体組織は組織挟持片部27と組織支持部31との間で挟み込まれて保持される。このとき、刃部21,22はまだ生体組織に触れていない。よって組織に切断する力は全く働いていない。その後、さらに刃体16,17を閉じて締めていくと、刃部21,22により予め保持された生体組織の切断がなされる。
【0034】
(効果)
本構成によれば、必ず、生体組織に切断する力が加わる前に、組織挟持片部27と組織支持部31との間で生体組織が確実に挟持される。よって、切断する生体組織にテンションが掛かっているような場合で、生体組織に刃先が触れた時点で組織が引き裂かれるといった状態でも確実な切断端の把持が可能となる。
【0035】
[第4実施形態]
図5を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
(構成)
この第4実施形態は前述した第1実施形態と次の点が異なる。刃体16の裏面部にはゴムやスプリング等の弾性部材35を設け、この弾性部材35の先端には組織把持時の生体組織のすべりを防ぐための溝36を有した断面略L型の組織把持部材37が突設されている。組織把持部材37の把持面は刃体16の刃部21の刃先よりも先まで突き出す高さがある。
【0036】
一方、下側に位置する刃体17に設けた組織挟持部材25はその組織挟持片部27の先端面が組織把持部材37の把持面に対向する把持面となっており、この把持面には組織把持時の生体組織のすべりを防ぐための溝38が形成されている。そして、組織把持部材37の把持面と組織挟持部材25の把持面の間で生体組織を把持するようになっている。また、組織把持部材25と組織把持部材37の両方とも高周波通電が可能となっている。
【0037】
(動作)
刃体16と刃体17の間に生体組織を入れて挟み込んでいくと、まず、図5 (a)で示すように組織把持片部27と組織把持部37との間によって生体組織を挟み込んで把持する。さらに挟み込んでいくと、組織把持片27を支持している弾性部材35が圧縮される。これにより組織の把持力が向上する。その後で図5(b)で示すように生体組織が切断される。刃体16と刃体17とで生体組織を切断する際には生体組織の把持力が強い状態にある。
【0038】
(効果)
弾性部材35の弾性力を利用して生体組織を把持しているため、生体組織に対して無理な力は働かず、生体組織を座滅させるような損傷を与えることがない。
【0039】
[第5実施形態]
図6を参照して本発明の第5実施形態を説明する。
(構成)
第1実施形態のものと異なる点のみ記す。すなわち、生体組織を挟持する2片の、刃体16と組織挟持片部27の把持面部分にそれぞれ挟持した生体組織に接するようにバイポーラ電極41を設ける。バイポーラ電極41は周囲の部材に対して絶縁部材42により絶縁されている。尚、第3実施形態では組織挟持片部27と組織支持部31の両把持面部分にバイポーラ電極41を設ける。また、第4実施形態では組織挟持片部27と組織把持部材37の両把持面部分にバイポーラ電極41を設ける。
【0040】
(動作)
切断後、把持した生体組織に高周波を通電して止血を行う場合、挟持した部分の生体組織にのみに電流が流れる。
【0041】
(効果)
高周波通電による組織の熱損傷が把持した部分に限定され、その他の部分には組織変化が起こらない。よって、摘出する生体組織には組織変化が無く、摘出する生体組織を別の部位への移植を行っ場合の適合性が増す。
【0042】
[第6実施形態]
図7を参照して本発明の第6実施形態を説明する。
(構成)
第1実施形態を異なる部分についてのみ記す。この実施形態では刃体16の峰部に上記組織挟持部材25と逆向きの断面略L型枠状の第2の組織挟持部材51を設け、この第2の組織挟持部材51の天井部52とこの先端から垂下する組織挟持片部53によって、他方の組織挟持部材25の組織挟持片部27の上端からその裏面を覆うようにしたものである。第2の組織挟持部材51の垂下する組織挟持片部53と、組織挟持部材25の組織挟持片部27の裏面との間で形成される隙間も血管摘出術の場合、その把持する生体組織に適合する0.3mm以下とする。つまり、組織挟持部材25,51で形成される2つの隙間部分はそれぞれ0.3mm以下とする。
【0043】
(動作)
生体組織を切断する場合、切断する生体組織を2ヶ所の隙間で挟み込むこととなる。
(効果)
生体組織の把持が2ヶ所で行うため、生体組織をより一層確実に把持することが可能となる。
【0044】
[第7実施形態]
図8を参照して本発明の第7実施形態を説明する。
(構成)
第1実施形態と異なる部分についてのみ記す。つまり、組織挟持部材25を含めた刃体17と、これに対向する刃体16において、生体組織を挟持する部分以外の少なくとも一部に絶縁部材61を設けた。この絶縁部材61は樹脂やセラミック等の絶縁性素材を接合しても、絶縁性塗料を塗布(コーティング)してもよい。
【0045】
(動作)
高周波電流は把持された組織部にのみに通電され、周辺組織に電流が流れない。
【0046】
(効果)
切断閉塞のために高周波通電を行った際、刃体16,17が周囲の生体組織に接触していてもその部分が焼灼されることが無く、より安全な手術が可能となる。
【0047】
<付記>
1.生体組織を切断する手術用はさみ鉗子において、生体組織を切断するはさみ部と、このはさみ部に隣接して生体組織を把持する把持部を設け、上記はさみ部と上記把持部はその把持部により生体組織を把持した状態で上記はさみ部により生体組織を切断する動作を行うように構成したことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
【0048】
2.生体組織を切断する手術用はさみ鉗子において、生体組織を切断するはさみ部に隣接して生体組織を把持する把持部を設け、この把持部により生体組織を把持した後、はさみ部により生体組織を切断する動作が行われることを特徴とする手術用はさみ鉗子。
3.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、最初に把持部により生体組織を把持した後、はさみ部により生体組織を切断する動作が一挙動の操作で行われることを特徴とする手術用はさみ鉗子。
4.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、把持部の、生体組織を把持する把持位置の高さが、はさみ部の切断位置の高さよりも高く、把持部で把持した後、生体組織を切断することを特徴とする手術用はさみ鉗子。
5.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、生体組織を把持する把持部における複数の把持面部分の少なくとも1つに組織滑り防止用の溝を設けたことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
【0049】
6.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、把持部の少なくとも一方の部材を弾性部材により支持したことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
7.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、生体組織の挟持部を複数箇所設けたことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
8.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、把持部と、はさみ部は、手術用はさみ鉗子の挿入方向に対して略直角方向に配置されていることを特徴とする手術用はさみ鉗子。
【0050】
9.第8項に記載の手術用はさみ鉗子であって、操作部に対して把持部と、はさみ部を支持する挿入部が操作部に対して挿入部の軸まわりに回動可能なことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
【0051】
10.第1,2項に記載の手術用はさみ鉗子であって、生体組織を把持する部分に高周波通電が可能なことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
11.第10項に記載の手術用はさみ鉗子であって、モノポーラ通電が可能なことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
12.第10項に記載の手術用はさみ鉗子であって、バイポーラ通電が可能なことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
13.第10項に記載の手術用はさみ鉗子であって、先端の刃体のうち組織を把持する部分以外の少なくとも一部に絶縁部材を設けたことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、最初に血管などの生体組織を確実に把持し、その後に生体組織を切断するため、生体組織を簡単かつ確実に切断することができる。良好な状態で切断することができるため、術後の血腫等の合併症を引き起こす可能性も少なくできる。さらに、従来、煩雑な手術操作が1本の器具で簡便に行うことができる。しかも、手術時問の短縮もなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡下血管摘出術の説明図。
【図2】第1実施形態に係る手術用はさみ鉗子の先端部付近の斜視図。
【図3】上記手術用はさみ鉗子を用いて内視鏡下血管摘出術を行う手順の説明図。
【図4】第3実施形態に係る手術用はさみ鉗子のはさみ部の、生体組織を把持する状態を示す断面図。
【図5】第4実施形態に係る手術用はさみ鉗子のはさみ部の、生体組織を把持する状態と、生体組織の切断状態を示す断面図。
【図6】第5実施形態に係る手術用はさみ鉗子のはさみ部の、生体組織を把持して生体組織を切断した状態を示す断面図。
【図7】第6実施形態に係る手術用はさみ鉗子のはさみ部の、生体組織を把持して生体組織を切断した状態を示す断面図。
【図8】第7実施形態に係る手術用はさみ鉗子のはさみ部の、生体組織を把持して生体組織を切断した状態を示す断面図。
【符号の説明】
2…血管、3…側枝血管、10…手術用はさみ鉗子、11…挿入シース、
12…ホルダ、13…はさみ部、16,17…刃体、21,22…刃部、
25…組織挟持部材、27…組織挟持片部、28…溝。

Claims (2)

  1. 生体組織を切断する手術用はさみ鉗子において、
    開閉自在な第1及び第2のものからなり、支軸により軸支された一対の刃体を有し、この一対の刃体を閉じて生体組織を切断するはさみ部と、
    上記はさみ部に隣接して上記第1の刃体及び第2の刃体にそれぞれ設けられた、上記第1の刃体の裏面に形成された第1の把持面と、第2の刃体から上記第1の刃体の裏面側に延出して上記第1の把持面に対して所定の間隔を空けて向き合う第2の把持面とからなり、上記第1の把持面は上記はさみ部の閉動作時に上記第1の刃体と一緒に動き、上記第2の把持面は上記第2の刃体の刃先前方へ突き出す高さを有し、上記はさみ部の閉動作時に上記第2の刃体と一緒に動き、上記第1の把持面と上記第2の把持面は上記はさみ部により切断しようとする生体組織を、上記第1の刃体及び第2の刃体を閉じる動作により、上記生体組織の切断を開始する以前に上記第1の把持面と上記第2の把持面との間に形成される間隔内で狭持する組織把持部と、
    を具備したことを特徴とする手術用はさみ鉗子。
  2. 上記組織把持部により把持した状態での生体組織に高周波通電が可能な高周波通電部を上記組織把持部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の手術用はさみ鉗子。
JP13226897A 1997-05-22 1997-05-22 手術用はさみ鉗子 Expired - Fee Related JP3847413B2 (ja)

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