JP2847071B2 - 犬または猫の卵巣摘出術用鉗子 - Google Patents

犬または猫の卵巣摘出術用鉗子

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JP2847071B2 JP33091296A JP33091296A JP2847071B2 JP 2847071 B2 JP2847071 B2 JP 2847071B2 JP 33091296 A JP33091296 A JP 33091296A JP 33091296 A JP33091296 A JP 33091296A JP 2847071 B2 JP2847071 B2 JP 2847071B2
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敏彦 筒井
一眞 山根
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、雌犬や雌猫の避
妊手術に際して使用される卵巣摘出術用の鉗子に関す
る。
【0002】
【技術的背景】現在、雌犬や雌猫の避妊手術は、卵巣と
子宮を摘出する卵巣子宮摘出術と、卵巣だけを摘出する
卵巣摘出術が施術されている。特に前者の施術は、子宮
を体内に残しておくと術後に子宮疾患が生じるとの理由
から確立されたものであり、具体的には、腹壁を大きく
切開して卵巣と子宮を体内から引張り出し、子宮頸を挟
んでその上下を、挟持部が真直ぐな普通の鉗子で挟持す
る。そして、子宮頸の下部をメスで切断し縫合するとい
う術法である。しかしながら、子宮は卵巣から分泌され
るホルモンによって支配されているため、卵巣さえ摘出
しておけば、子宮は次第に萎縮して子宮疾患は生じない
ことが明らかになってきた。このことから、最近、卵巣
だけを摘出する後者の施術も行われるようになってき
た。
【0003】この卵巣摘出術を犬の場合について簡単に
説明すると、図4に示したように、まず、腹壁kを切開
して卵巣aが被装された卵巣嚢bを中心とした卵巣門c
を体内から引張り出し、動脈dを避けて間膜eの中央部
を開孔する。そして卵巣嚢bを挟んで該開孔部gを交点
としたV字状に二本の糸hを掛渡し結紮する(図4(1),
(2) )。このように結紮したら卵巣嚢bを切除し、さら
に糸同士を結び付ける(図4 (3))。一方の施術が完了
したら他側卵巣嚢bも同様の手法にて摘出し、しかるの
ち腹壁kを閉鎖して施術を終了させる。
【0004】しかしながら、この両者の術法は、メス、
針、縫合糸といった従来から存在する手術道具を使用し
ているため、結紮の具合によっては糸が解けて動脈から
大量の血が流出したり、術後、他の臓器に縫合糸が癒着
するといった問題点が指摘されていた。特に犬の場合
は、猫のように卵巣が裸状態で他の組織と結合している
のではなく、前記したように卵巣を完全に被装した卵巣
嚢と呼ばれる組織が他の組織と結合している。上記した
卵巣摘出術ではこの卵巣嚢ごと切除しているわけである
が、卵巣を摘出したにも拘らず発情が認められることが
あり、この原因としては、施術する際に外部から卵巣を
視認しない術法であるがゆえに、卵巣の一部を取り残し
たものと考えられている。
【0005】そこで、本件発明者は、針、縫合糸を必要
とせず、かつ、犬のように卵巣嚢で完全に被装された卵
巣でも卵巣のみを切除できる卵巣摘出術を新規に開発し
た。この施術を犬の場合について簡単に説明すると、ま
ず、腹壁を切開して体内から卵巣嚢を引張り出し所望の
手段で固定する。次に卵巣嚢に開設されているスリット
(裂け目)の両端を少し切開し、このスリットから卵巣
嚢を反転させて内包された卵巣を露出させる。この状態
を所望の手段で保持してから電気メスで卵巣だけを切除
する。そして、保持状態を解除して反転状態の卵巣嚢を
元の状態にもどす。さらに固定を解除することで、この
卵巣嚢は靭帯の引張力によって体内の元の所定位置にも
どる。このようにして一方の施術が完了したら他側卵巣
も同様の手法にて摘出し、腹壁を閉鎖して施術を終了さ
せる。この術法によれば、従来の卵巣摘出術のように卵
巣に付随する組織まで取ってしまうことがない、特に犬
の場合は切開部が卵巣嚢の内側になるため術後に他の組
織に癒着する虞がない、電気メスを使用することで縫合
糸の必要がない、といった有利な効果を奏するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この新
規な卵巣摘出術で施術する際に、卵巣を保持する道具が
従来からある挟持部が真直ぐな鉗子しかなかったため、
繭状の卵巣のみを安定して保持することが極めて困難で
あり、他の関係ない組織まで切開する虞があった。そこ
で、本発明は本件発明者が開発した卵巣摘出術を、容易
に、かつ、スピーディに行える犬または猫の卵巣摘出用
鉗子を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、鋏形に開閉動可能に構成され犬
または猫の体内から引張り出された卵巣を電気メスで切
除する際に卵巣下方近傍を挟持する鉗子であって、卵巣
下方近傍を挟持する一対の挟持部が支点の軸支方向と同
一方向に卵巣形状に沿った湾曲形状に形成されたことを
特徴とする。この技術的手段によれば、卵巣形状に沿っ
た湾曲形状に形成された挟持部で卵巣近傍を挟持して卵
巣を安定して保持する(請求項1)。また、上記の挟持
部横断面が、一対の噛合する凹凸状に形成されたことを
特徴とする。この技術的手段によれば、被挟持部である
卵巣近傍の組織を卵巣方向凹凸状に挟持することで、卵
巣に向かって走っている動脈の血流を完全に遮断する。
さらに、これらの犬または猫の卵巣摘出用鉗子が、導電
材で構成されていることを特徴とする。この技術的手段
によれば、該鉗子に電気メスを接触させると電気メスに
作用している高周波電気が該鉗子を介して被挟持部(組
織)に作用する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明をする。図1及び図2は、本発明にかか
る犬または猫の卵巣摘出術用鉗子の実施形態を例示し、
図3は、本発明にかかる鉗子を使用した犬の卵巣摘出術
の施術工程を例示している。図中、符号1は、犬または
猫の卵巣摘出術用鉗子である。
【0009】犬または猫の卵巣摘出術用鉗子1は、図1
及び図2に示すように、一対の導電材で開閉可能に構成
された鋏型を呈してなり、先端に向かって漸次細くなる
ように、かつ、支点13の軸支方向と同一方向に略繭形状
の卵巣aに沿った湾曲形状に形成されると共にその横断
面が一対の噛合する凹凸状に形成された噛合部12,12'を
有した挟持部11と、支点13と指掛け14の中途部に開閉方
向内側に設けられ挟持状態を保持する一対の側面視鋸刃
状の掛止部15,15'とを備え、挟持部11が卵巣下方近傍を
挟持した際に基端側の掴持部16が腹壁kから離間するよ
うに所望角度傾斜して形成されている。この掛止部15,1
5'は、手術用鉗子において具備される周知構造のもの
で、該鉗子1を閉動させていくと掛止部15,15'同士が漸
次係合して所望の開き角で固定可能になっており、固定
を解除するときは、該鉗子1の開閉方向に直交する方向
に掴持部16を広げるように付勢しながら開動すること
で、掛止部15,15'同士の係合が解かれるようになってい
る。
【0010】次に、この鉗子1を使用した犬の卵巣摘出
術を図3を参照しながら説明する。まず、腹壁kを切開
して卵巣aが被装された卵巣嚢bを体内から引張り出し
て所望の手段(図示せず)で腹筋fと靭帯nを固定する
(図3(1) )。次に卵巣嚢bに開設されているスリット
(裂け目)b1の両端を少し切開し、このスリットb1から
卵巣嚢bを反転させて内包された卵巣aを露出させる。
反転させた卵巣嚢bと露出された卵巣aとの間を本発明
にかかる該鉗子1で挟持固定する(図3(2) )。このと
き卵巣近傍の組織を卵巣方向凹凸状に挟持することにな
るため、卵巣に向かって走っている動脈dの血流を完全
に遮断している。
【0011】そして、卵巣aに沿うように電気メス(図
示せず)を入れて卵巣aだけを摘出する(図3(3) )。
卵巣aを摘出したら、挟持状態の該鉗子1に電気メスを
接触させて被挟持部(組織)を焼き着け止血部pを形成
させる。そして、該鉗子1を外してから反転状態の卵巣
嚢bを元の状態に戻す(図3(4) )。しかるのち腹筋f
と靭帯nの固定を解除することで、卵巣嚢bは靭帯nの
引張力によって体内の元の所定位置にもどる。このよう
にして一方の施術が完了したら他側卵巣も同様の手法に
て摘出し、腹壁kを閉鎖して施術を終了させる。なお、
猫の場合は、犬のように卵巣が卵巣嚢で被装されていな
いため、上記した卵巣嚢を反転する工程が省略されて行
われる。
【0012】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したから下
記の利点がある。請求項1によれば、腹壁上方から卵巣
形状に沿った湾曲形状に形成された挟持部で卵巣近傍を
挟持して卵巣を安定保持するから、卵巣を電気メスで切
除する際に他の組織を切開することなく容易に、かつ、
スピーディに施術できる。請求項2によれば、被挟持部
である卵巣近傍の組織を卵巣方向に凹凸状に挟持するこ
とで、卵巣に向かって走っている動脈の血流を完全に遮
断するから、完全に止血された環境条件で施術すること
ができる。請求項3によれば、鉗子を導電材で構成し
て、該鉗子に電気メスを接触させることで電気メスに作
用している高周波電気が該鉗子を介して被挟持部(組
織)に作用するから、卵巣摘出後に電気メスを該鉗子に
接触させることで被挟持部が封き着き、焼き切った切開
部(卵巣摘出部)とあわせて二重の止血部を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる犬または猫の卵巣摘出術用鉗子
の斜視図
【図2】同(A)−(A)拡大断面図(挟持部横断面)
【図3】本発明にかかる鉗子を使用した卵巣摘出術の施
術工程図
【図4】他の卵巣摘出術の施術工程図
【符号の説明】
1…卵巣摘出術用鉗子 11…挟持部 16…掴持部
12…噛合部 13…支点 14…指掛け 15,15'…掛止部 a…卵

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋏形に開閉動可能に構成され犬または猫
    の体内から引張り出された卵巣を電気メスで切除する際
    に卵巣下方近傍を挟持する鉗子であって、卵巣下方近傍
    を挟持する一対の挟持部が支点の軸支方向と同一方向に
    卵巣形状に沿った湾曲形状に形成されたことを特徴とす
    る犬または猫の卵巣摘出術用鉗子。
  2. 【請求項2】 上記挟持部横断面が、一対の噛合する凹
    凸状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の犬ま
    たは猫の卵巣摘出術用鉗子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の犬または猫の卵
    巣摘出術用鉗子が、導電材で構成されていることを特徴
    とする犬または猫の卵巣摘出術用鉗子。
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