JP3847061B2 - 赤外通信用led - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発光層材料としてガリウム砒素をその主たる材料として用いたLEDに関し、とくに赤外線でもって通信手段となした赤外通信用LEDに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のLEDの構成を図5にて説明する。同図において、11はガリウム砒素(GaAs)基板であり、このGaAs基板11の上に一導電型半導体層12と逆導電型半導体層13とを順次積層し、さらに逆導電型半導体層13の上に逆導電型半導体オーミック電極14を形成し、GaAs基板11の裏面に一導電型半導体オーミック電極15を形成する。
【0003】
一導電型半導体層12と逆導電型半導体層13はMOCVDまたはLPEによって成長させる。また、逆導電型半導体オーミック電極14と一導電型半導体オーミック電極15とでもって一対の電極をなす。
【0004】
そして、このようなLEDでは、逆導電型半導体オーミック電極14と一導電型半導体オーミック電極15との間に電圧を印加し、電流を流すことによって、発光ダイオードとして発光させる。
【0005】
かかるLEDを基本構成とするが、実際には1枚のGaAs基板にLED素子を単位として、それらを複数個設け、その際に各LED素子として逆導電型半導体オーミック電極14と一導電型半導体オーミック電極15とを形成する。その後にダイシング等の方法で切断し、これによって、各素子が分離される。そして、これら各LED素子に対しダイボンディング、ワイヤーボンディング、エポキシ樹脂のコートなどを行なって、LEDとする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、低消費電力型LED、とくに低駆動電圧型LEDの需要が高まっており、それを用いて赤外通信用LEDとする場合には、電源の電圧を下げることで消費電力が小さくなるが、このような駆動電圧を低減するためには次の技術が提案されている。
【0007】
すなわち、発光ダイオードの駆動電圧は駆動させる電流値、素子抵抗ならびに発光ダイオードのしきい値によって決まるが、駆動させる電流値を小さくするためには、LEDの発光効率を上げればよく、これによって必要な出力を得るために要する電流を少なくすることができる。
【0008】
素子抵抗に関しては、主に素子が保有する抵抗と、電極とのオーミック抵抗とによって決定されるので、駆動電圧を小さくするために、それぞれの抵抗を小さくすればよい。しかし、近年一般的に使用されている材料においては顕著な差が生じるまでには至っていない。
【0009】
ダイオードのしきい値については、クラッド層を含めた発光層のバンドギャップでもって決められ、駆動電圧を小さくするために発光層は可能な限りバンドギャップが小さくした方がよい。そのために、赤外通信用LEDの場合には、GaAsを発光層に用いるよりもバンドギャップの小さいInGaAsといった材料を用いる方が有利である。
【0010】
しかしながら、InGaAsと、通常、クラッド層に用いるAlGaAsとの間には格子定数に差があり、しかも、InGaAsとAlGaAsとの最適成長温度が異なり、これによって、熱変動によるダメージを受けやすく、良質でかつ良好な結晶を得ることがむずかしいという課題がある。
【0011】
したがって本発明は叙上に鑑みて完成されたものであり、その目的は一導電型半導体層と逆導電型半導体層との界面における熱的影響をなくすことで、熱変動によるダメージを小さくして、高品質かつ高信頼性の赤外通信用LEDを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は発光効率を向上させ、さらに素子抵抗を低減させ、しかも、ダイオードのしきい値を低減させ、これによって駆動電圧を大幅に低減させ、低消費電力化を達成した赤外通信用LEDを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の赤外通信用LEDは、基板上に電子注入層を含む一導電型半導体層とInGaAs/GaAs歪超格子構造の発光層を含む逆導電型半導体層と逆導電型半導体オーミック電極とを順次形成し、さらに前記基板の裏面に一導電型半導体オーミック電極を形成し、前記一導電型半導体層と前記逆導電型半導体層との間に、一導電型不純物を含有する3層以下の一方の層領域およびInGaAs/GaAs超格子構造の他方の層領域からなるInGaAs/GaAs歪超格子層を介在させるとともに、このInGaAs/GaAs歪超格子層の前記一方の層領域を前記一導電型半導体層の前記電子注入層の一部と成し、前記他方の層領域を前記逆導電型半導体層の一部と成して前記発光層を構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る本発明の赤外通信用LEDは、前記一導電型半導体層がバッファ層を含み、前記電子注入層と前記バッファ層との間にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層を挿入したことを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に係る本発明の赤外通信用LEDは、基板上に電子注入層を含む一導電型半導体層とInGaAs/GaAs歪超格子構造の発光層を含む逆導電型半導体層と逆導電型半導体オーミック電極とを順次形成し、さらに前記一導電型半導体層の一部およびその上の前記逆導電型半導体層をエッチング除去して段差部を設けるとともに、この段差部の露出面に一導電型半導体オーミック電極を形成し、前記一導電型半導体層と前記逆導電型半導体層との間に、一導電型不純物を含有する3層以下の一方の層領域およびInGaAs/GaAs超格子構造の他方の層領域からなるInGaAs/GaAs歪超格子層を介在させるとともに、このInGaAs/GaAs歪超格子層の前記一方の層領域を前記一導電型半導体層の前記電子注入層の一部と成し、前記他方の層領域を前記逆導電型半導体層の一部と成して前記発光層を構成したことを特徴とする。
【0016】
さらに請求項4に係る本発明の赤外通信用LEDは、前記一導電型半導体層がバッファ層を含み、前記電子注入層と前記バッファ層との間にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層を挿入したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤外通信用LEDを図1〜図4および図6〜図8により説明する。これら図1〜図4はいずれも本発明の赤外通信用LEDの断面図であり、請求項1に係る赤外通信用LEDは(例1)にて図1でもって説明し、請求項2に係る赤外通信用LEDは(例2)にて図2により説明する。同様に請求項3に係る赤外通信用LEDおよび請求項4に係る赤外通信用LEDは、それぞれ(例3)(例4)にて図3、図4にて説明する。また、図6〜図8は本発明に係るLEDのバンドギャップを示す図である。
(例1)
図1に示す赤外通信用LED(A)において、1は基板であり、この基板1の上に一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3とを順次積層し、逆導電型半導体層3の上に逆導電型半導体オーミック電極4を形成している。また、基板1の裏面に一導電型半導体オーミック電極5を形成している。
【0018】
本発明においては、さらに一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3との間にInGaAs/GaAs歪超格子層6を介在させるが、このInGaAs/GaAs歪超格子層6は2種類の層領域からなり、一方の層領域2dを一導電型半導体層2の一部となし、他方の層領域を逆導電型半導体層3の一部となしている。
【0019】
以下、具体的に詳述する。基板1はガリウム砒素(GaAs)、シリコン(Si)などの単結晶絶縁基板もしくは単結晶半導体基板から成る。単結晶半導体基板の場合、(100)面を<011>方向に2〜7°オフさせた基板などが用いられる。
【0020】
一導電型半導体層2はバッファ層2aと電子注入層2cとInGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dとを順次積層した構成である。
【0021】
バッファ層2aはガリウム砒素などで形成され、電子注入層2cはアルミニウムガリウム砒素などで形成される。
【0022】
バッファ層2aの厚みは約0.5〜4μm程度に、電子注入層2cの厚みは約0.2〜1μm程度にすればよい。
【0023】
また、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dはInGaAs層もしくはGaAs層の双方の種類の層を組合せて積層して、層は3層以下が望ましい。
【0024】
いずれの積層構成であっても、各層の膜厚は50Å〜300Åの範囲にすればよい。InGaAs(インジウムガリウム砒素)の層を形成した場合には、Inの組成はInxGa1−xAsにて表すと、x=0.05〜0.3にするとよい。
【0025】
バッファ層2a、電子注入層2c、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm3程度含有する。また、この時電子注入層2cのAlの組成はAlxGa1−xAsにてx=0.1〜0.5程度に形成する。
【0026】
逆導電型半導体層3は、発光層3a、クラッド層3b、およびオーミックコンタクト層3cを順次形成することで構成される。
【0027】
発光層3aはInGaAs/GaAs歪超格子構造を取る。この歪超格子は膜厚がそれぞれ50Å〜300Åであり、インジウムガリウム砒素のInの組成はx=0.05〜0.3、層数はそれぞれが5〜15層である。また、発光効率を向上させるためにGaAs層にAlAsを混晶させてもよい。
【0028】
このような発光層3aは、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dと同一である必要はなく、同一でない部分では膜厚やInの組成などが相違してもよい。
【0029】
クラッド層3bは、電子の閉じ込め効果と光の取り出し効果を考慮してアルミニウム砒素(AlAs)とガリウム砒素(GaAs)との混晶とされる。
【0030】
発光層3aとクラッド層3bは亜鉛(Zn)などの逆導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm3程度含有し、オーミックコンタクト層3cは亜鉛などの逆導電型半導体不純物を1×1019〜1020atoms/cm3程度含有する。
【0031】
オーミックコンタクト層3cはガリウム砒素などから成る。
【0032】
クラッド層3bは0.2〜2μm程度の厚みに形成し、オーミックコンタクト層3cは0.01〜0.1μm程度の厚みに形成するとよい。
【0033】
逆導電型半導体オーミック電極4と一導電型半導体オーミック電極5は金、金ゲルマニウム合金などから成り、厚み1μm程度に形成される。
【0034】
そして、上記構成の赤外通信用LED(A)の光学的バンドギャップは図6に示すとおりであり、逆導電型半導体オーミック電極4と一導電型半導体オーミック電極5の間に電流を流すことによって発光させる。
【0035】
かくして本発明の赤外通信用LED(A)によれば、一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3との間にInGaAs/GaAs歪超格子層6を介在させるに当り、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dを一導電型半導体層2の電子注入層2cの一部となし、他方の層領域を逆導電型半導体層3の一部となして発光層3aを構成したことで、一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3との界面における熱的影響がなくなり、熱変動によるダメージが小さくなり、また、図6に示すInGaAs/GaAs歪超格子層6のバンドギャップ構成にしたことで、発光効率が向上し、発光強度が上がり、さらに素子抵抗が低減し、しかも、ダイオードのしきい値が低減し、その結果、駆動電圧が低減した赤外通信用LEDとなる。
【0036】
また、図7に示すバンドギャップに示すとおり、上記のような赤外通信用LED(A)において、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dにAlAsを混晶させてもよく、これにより、発光層3a以外の部分にてバンドギャップを大きくし、発光層3aでの閉じ込めの効果を高めることができ、さらに発光効率が向上し、駆動電圧をいっそう下げることができる。
【0037】
さらにまた、図8に示すバンドギャップに示すとおり、上記のような赤外通信用LED(A)において、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dにAlAsを混晶させるに当り、その混晶の比を各層内で変調させてもよく、とくに発光層3a側から電子注入層2cへ向かって、Al組成が大きくなるようにすれば、電子がスムーズに発光層3aに注入され、その結果、発光効率がいっそう向上し、素子抵抗がさらに低減し、ダイオードのしきい値も低減し、駆動電圧をもっとも低減することができる。
(例2)
本例の赤外通信用LED(B)においては、(例1)の赤外通信用LED(A)に対し、バッファ層2aと電子注入層2cとの間に、AlGaAs/GaAsブラッグ反射層7を介在させている。その他の構成は赤外通信用LED(A)と同じである。
【0038】
このAlGaAs/GaAsブラッグ反射層7は屈折率の異なるAlGaAsとGaAsを1/4波長の光学的厚さでもって交互に積み重ね、反射鏡として用いるものであり、発光層3aから基板1側へ放射される光を、光取出し側に反射する役目を担っている。
【0039】
このAlGaAs/GaAsブラッグ反射層7は、層数がそれぞれ3〜15層であり、AlGaAsのAlの組成はAlxGa1−xAsにてx=0.5〜0.9程度、望ましくは0.5〜0.7程度に形成するとよい。このようにAl組成を下げることによって、反射層7の抵抗が非常に小さくなる。
【0040】
かくして本発明の赤外通信用LED(B)によれば、一導電型半導体層2の内部にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層7を設けたことで、裏面に向かった光を反射させ、これによって発光効率がさらに向上し、発光強度も上がり、駆動電圧を低減させることができた。
(例3)
本例の赤外通信用LED(C)においては、(例2)の赤外通信用LED(B)に対し、一導電型半導体層2の一部をエッチング除去し(このエッチング処理を行なうと、その上の逆導電型半導体層3もエッチングすることになる)、これによって段差部を設けるとともに、この段差部の露出面に一導電型半導体オーミック電極5を形成している。なお、図2に示す赤外通信用LED(B)と同一箇所には同一符号を付す。
【0041】
赤外通信用LED(C)においては、一導電型半導体層2は、バッファ層2a、オーミックコンタクト層2b、AlGaAs/GaAsブラッグ反射層7、電子注入層2cおよびInGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dを順次積層した構成である。
【0042】
オーミックコンタクト層2bはガリウム砒素などからなり、0.5〜4μm程度の厚みである。
【0043】
また、AlGaAs/GaAsブラッグ反射層7、電子注入層2c、InGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm3程度含有するのに対し、オーミックコンタクト層2bはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1019atoms/cm3程度含有させるとよい。
【0044】
この例では、一導電型半導体オーミック電極5とオーミックコンタクト層2bとの界面付近上にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層7を配置している。
【0045】
かくして赤外通信用LED(C)によれば、上記構成のように、一導電型半導体層2の一部をエッチング除去して段差部を設けるとともに、この段差部の露出面に一導電型半導体オーミック電極5を形成したことで、基板1と一導電型半導体層2との界面付近を電流が流れなくなり、これによって素子抵抗が低下し、その結果、駆動電圧を低減させることができた。
(例4)
上記の赤外通信用LED(C)においては、一導電型半導体層2は、バッファ層2a、オーミックコンタクト層2b、AlGaAs/GaAsブラッグ反射層7、電子注入層2cおよびInGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dとを順次積層した構成であるが、本例の赤外通信用LED(D)においては、そのような積層順序に代えて、一導電型半導体層2は、バッファ層2a、AlGaAs/GaAsブラッグ反射層7、オーミックコンタクト層2b、電子注入層2cおよびInGaAs/GaAs歪超格子層6の一方の層領域2dを順次積層し、これによって、段差部の露出面より下側にAlGaAs/GaAs反射層7を配した構成とする。
【0046】
このような赤外通信用LED(D)によれば、電流はオーミックコンタクト層2bだけを流れて、電子の注入層2cに到達することになり、これによって逆導電型半導体オーミック電極4と一導電型半導体オーミック電極5の間にて電流の経路を短くしたことでもって発光させたことで、素子抵抗を顕著に低下させ、駆動電圧を低減させることができた。
【0047】
[赤外通信用LED(C)および(D)の作製方法]大きな基板1の上に一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3から成る島状半導体層を複数形成し、各逆導電型半導体層3の一部をエッチングし、これによって一導電型半導体層2の一部をエッチング除去して段差部を設けるとともに、この段差部の露出面に一導電型半導体オーミック電極5を接続形成し、さらに各逆導電型半導体層3の上に逆導電型半導体オーミック電極4を接続形成する。
【0048】
上記のエッチングは硫酸過酸化水素系のエッチング液を用いたウェットエッチングやCCl2F2ガスを用いたドライエッチングなどがある。
【0049】
また、上記の一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3から成る島状半導体層は、MOCVD法などで順次積層して形成する。
【0050】
これら一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3を形成するには、基板温度を400〜500℃に設定し、アモルファス状のガリウム砒素膜を200〜2000Åの厚みにて形成し、その後、基板温度を600〜900℃にまで上げることで得られる。
【0051】
このMOCVD法を使用するには、原料ガスとしてはTMG((CH3)3Ga)、TEG((C2H5)3Ga)、アルシン(AsH3)、TMA((CH3)3Al)、TEA((C2H5)3Al)などが用いられる。
【0052】
導電型を制御するためのガスとしては、シラン(SiH4)、セレン化水素(H2Se)、TMZ((CH3)3Zn)などが用いられ、キャリアガスとしては、H2などがある。
【0053】
また、一導電型半導体オーミック電極5と逆導電型半導体オーミック電極4は、Au、AuGeなどを蒸着法やスパッタリング法で形成してパターニングする。
【0054】
その後、各LED素子ごとにダイシング等の方法にて切断し、分離する。そして、各LED素子に対しダイボンディング、ワイヤーボンディング、エポエシ樹脂のコートを行なうことで、赤外通信用LEDとなる。
【0055】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の赤外通信用LEDによれば、電子注入層を含む一導電型半導体層とInGaAs/GaAs歪超格子構造の発光層を含む逆導電型半導体層との間に、一導電型不純物を含有する3層以下の一方の層領域およびInGaAs/GaAs超格子構造の他方の層領域からなるInGaAs/GaAs歪超格子層を介在させるとともに、このInGaAs/GaAs歪超格子層の一方の層領域を一導電型半導体層の電子注入層の一部と成し、他方の層領域を逆導電型半導体層の一部と成して発光層を構成したことで、発光層のInGaAs/GaAs歪超格子が成長温度変調等による影響を受け難くなり、発光効率を高めた高品質かつ高信頼性の赤外通信用LEDが提供できた。
【0056】
さらに本発明の赤外通信用LEDによれば、一導電型半導体層の電子注入層とバッファ層との間にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層を挿入したり、あるいは一導電型半導体層の一部およびその上の逆導電型半導体層をエッチング除去して段差部を設けるとともに、この段差部の露出面に一導電型半導体オーミック電極を形成した構成にしたり、さらにはその一導電型半導体層の電子注入層とバッファ層との間にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層を挿入したことで、発光効率を向上させ、さらに素子抵抗を低減させ、しかも、ダイオードのしきい値を低減させ、これによって駆動電圧を低減でき、その結果、低消費電力化を達成することができた。
【0057】
そこで、次のような使用例がある。
・本発明の赤外通信用LEDをリモコン装置に用いることで、たとえば、テレビやオーディオ、ビデオ、AV機器などのスイッチングやチャンネル設定に使用するリモコン装置であれば、その電源用の乾電池の使用本数を減らすことができる。
・また、本発明の赤外通信用LEDの点灯でもって、信号灯とするような場合であれば、それに使用する電源電力が小さくなり、これに伴って電源装置を小型化でき、携帯用の小型信号灯となり、近年の市場ニーズに適している。
・さらにまた、本発明の赤外通信用LEDを各種情報であるデジタル信号の伝送手段として使用する場合でも、それを駆動する電源装置の小型化に伴って、機器自体も小さくなり、たとえばさらに小型化したモバイルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の赤外通信用LEDの断面図である。
【図2】 本発明の他の赤外通信用LEDの断面図である。
【図3】 本発明のさらに他の赤外通信用LEDの断面図である。
【図4】 本発明の他の赤外通信用LEDの断面図である。
【図5】 従来の赤外通信用LEDの断面図である。
【図6】 本発明の赤外通信用LEDの光学的バンドギャップ図である。
【図7】 本発明の他の赤外通信用LEDの光学的バンドギャップ図である。
【図8】 本発明のさらに他の赤外通信用LEDの光学的バンドギャップ図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・一導電型半導体層、3・・・逆導電型半導体層、4・・・逆導電型半導体オーミック電極、5・・・一導電型半導体オーミック電極、6・・・InGaAs/GaAs歪超格子、7・・・AlGaAs/GaAsブラッグ反射層
Claims (4)
- 基板上に電子注入層を含む一導電型半導体層とInGaAs/GaAs歪超格子構造の発光層を含む逆導電型半導体層と逆導電型半導体オーミック電極とを順次形成し、さらに前記基板の裏面に一導電型半導体オーミック電極を形成し、前記一導電型半導体層と前記逆導電型半導体層との間に、一導電型不純物を含有する3層以下の一方の層領域およびInGaAs/GaAs超格子構造の他方の層領域からなるInGaAs/GaAs歪超格子層を介在させるとともに、このInGaAs/GaAs歪超格子層の前記一方の層領域を前記一導電型半導体層の前記電子注入層の一部と成し、前記他方の層領域を前記逆導電型半導体層の一部と成して前記発光層を構成したことを特徴とする赤外通信用LED。
- 前記一導電型半導体層がバッファ層を含み、前記電子注入層と前記バッファ層との間にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層を挿入したことを特徴とする請求項1記載の赤外通信用LED。
- 基板上に電子注入層を含む一導電型半導体層とInGaAs/GaAs歪超格子構造の発光層を含む逆導電型半導体層と逆導電型半導体オーミック電極とを順次形成し、さらに前記一導電型半導体層の一部およびその上の前記逆導電型半導体層をエッチング除去して段差部を設けるとともに、この段差部の露出面に一導電型半導体オーミック電極を形成し、前記一導電型半導体層と前記逆導電型半導体層との間に、一導電型不純物を含有する3層以下の一方の層領域およびInGaAs/GaAs超格子構造の他方の層領域からなるInGaAs/GaAs歪超格子層を介在させるとともに、このInGaAs/GaAs歪超格子層の前記一方の層領域を前記一導電型半導体層の前記電子注入層の一部と成し、前記他方の層領域を前記逆導電型半導体層の一部と成して前記発光層を構成したことを特徴とする赤外通信用LED。
- 前記一導電型半導体層がバッファ層を含み、前記電子注入層と前記バッファ層との間にAlGaAs/GaAsブラッグ反射層を挿入したことを特徴とする請求項3記載の赤外通信用LED。
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