JP3846359B2 - 光デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システム等に使用される光デバイスに関し、特に、ミラーを使用して空間的に光信号を反射する光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
通信トラヒックの増大に伴い、光ファイバを伝送路とする光通信の普及はますます加速してきている。これに伴い、基幹系のOXC(オプティカル・クロス・コネクト)及びメッシュ型ネットワークにおけるOADM(オプティカル・アド・ドロップ・モジュール)等、ノードシステムの付加価値が高まり、その中でキーとなる光デバイスへの期待も大きくなってきている。
【0003】
中でも、光スイッチは、光信号を電気信号に変換することなく、そのままの形で高速にスイッチングすることができるため、システムコストを大幅に低減できるというメリットを持ち、ノード技術の核となるデバイスとして位置づけられている。
【0004】
このような光デバイスの従来技術としては、米国特許第6300619B1号公報に開示されたものがある。図12はこの文献に記載された光デバイスを示す。ポリシリコンの堆積により形成したミラー17とフレーム91とがバネ32により連結され、フレーム91とミラー固定部20a,20bとはバネ30により連結されている。ミラー固定部20a,20bは、夫々梁19a,19bと、梁26a,26bとを介してベースとなるシリコン基板13に連結されている。そして、梁19a,19b、26a,20bを熱変形で反らせることにより、シリコン基板13上から、ミラー17、フレーム91、バネ30、32、及びミラー固定部20a,20bからなるミラー構造体が、Z軸方向(紙面に垂直の方向)に浮かび上がるようになっている。
【0005】
このミラー17の下側のシリコン基板13上に電極パッド(図示せず)を形成しておき、ミラー17と電極パッドとの間に電圧を印加し、生じる静電気力で、このミラー17を回転駆動させる。ミラー17はバネ30、32の2軸(X軸、Y軸)を中心に駆動され、ミラー17に照射された光信号を任意の方向に反射させることで、空間的に光路スイッチングを行う。
【0006】
この可動ミラーの基本構造を表した従来の技術として、米国特許第6275326B1号公報に開示されたものがある。図13はこの公報に記載された光デバイスの構造を示す。基板13上に1対の電極17が配置されており、基板13の上方に、適長間隔をおいて可動ミラー15が設置されている。可動ミラー15は、バネ19によって支持されている。ここで、電極17に通電し、電極17と可動ミラー15との間に静電気力を発生させることで、可動ミラー15をバネ19の軸周りに回転駆動することができる。
【0007】
しかしながら、このような従来の可動ミラーには、種々の問題点がある。先ず、第1に、ミラーを駆動させるために大電圧が必要であるという問題点がある。このミラーの駆動源である静電力は、コンデンサとなる面積に比例し、ギャップの2乗に反比例する。しかし、この種の可動ミラーを用いたデバイスでは、一般的にマイクロミラーを使用しており、その直径も1mm以下となる。このため、有効な電極面積は、極小さな領域に限られてしまう。更に、ミラーの駆動角度が大きいほど反射光を飛ばせるエリアが広がり、光デバイスとしての性能は向上するが、ミラーが大きく回転すると、電極側の基板とミラーが接触してしまう。このため、結果的にギャップもある程度広く取らざるを得なくなる。このような状況から、静電力型アクチュエータとしての効率が悪くなるため、ミラーの駆動に大電圧が必要になる。
【0008】
2つ目の問題点は、ミラーの沈み込みがあるということである。ミラーは前述のように、電極間に働く静電力で引き寄せられるが、これが、完全にモーメントとしてバネに働けば、バネ軸周りに正確に回転駆動する。しかし、ミラーを電極側に垂直に落とそうとする成分も当然働くため、バネが回転方向にねじれるのではなく、ミラーが沈み込む方向にたわんでしまう。ある程度電圧を大きくしていくと、ミラー全体が電極基板上に落下してしまう可能性がある。極端な場合には、ミラーと電極基板とが相互に吸着してしまい、復帰することができなくなり、可動ミラーとしての機能を失ってしまう虞もある。
【0009】
3つ目の問題点は、ミラーを支持するバネの回転剛性を極端に弱くする必要があることから、1μmから2μm幅の極狭バネを製作する必要があり、製造が極めて困難であるということである。このバネの剛性を弱くする理由は、上記2つの問題点を改善するためである。即ち、バネの回転剛性を落とすことで、大電圧化を抑制し、またミラーの沈み込みも低減させようとするものである。
【0010】
上記3つの問題点を改善するための従来技術として、International Conferrence of Optical MEMS 2001において発表された「Single Crystalline Mirror Actuated Electrostatically by Terraced Electrodes With High-Aspect Ratio Torsion Spring」 by Renshi Sawada @NTT Telecommunications Energy Laboratoriesがあげられる。
【0011】
この光スイッチでは、前述の光スイッチと同様に、電極とミラーとを、あるクリアランスを設けて配置し、静電力でミラーを回転駆動する。図14はこの光スイッチの構造を示す図である。この従来技術においては、SOI(Silicon On Insulator)基板のデバイス層にミラーを形成している。ミラーの形成にあたっては、デバイス層101にミラー102及びバネ103のパターニングを行い、裏打ち材106をエッチングすることによって、ミラー構造体を形成している。一方、電極側は、段地107を形成し、この段地107に沿って電極108を配置する。また、段地続きに電極基板に掘り込み109をいれている。次いで、このミラー構造体を電極基板104に支柱105を介して接合して、光デバイスが完成する。
【0012】
この構造では、段地沿いに電極が配置されるため、静電気力を発生するコンデンサーの面積を有効に稼ぐことができる。また、段地沿いに掘り込みを入れることで、ミラーが回転した場合に、ミラーと電極基板が接触することを防ぐことができる。このため、コンデンサのギャップを小さくし、かつミラーの回転量を大きくとることができる。更に、段地の頂上にはピボットを設け、ミラーの沈み込みを防止している。
【0013】
しかし、ここでも、問題点が存在する。先ず、電極に段地を設けるためには、複数回のマスクパターニング工程とエッチング工程を繰り返す必要がある。また、段地の深さが深いほど、このパターニングには、長深度の露光技術及び複雑な凹凸へのレジスト塗布工程など、難易度の高い工程が必要になる。従って、生産性が悪化してしまう。
【0014】
更に、ミラーの沈み込みをピボットにより防止しようとすると、ミラーとピボットとが接触してミラーの沈み込みを防止していることから、ピボットの磨耗は避けられない。また、磨耗の際に発生するごみが、配線のショート及びミラーの動作障害等を引き起こす虞もある。
【0015】
これらの問題点を解決するための方法として、用途は光スイッチとは異なるが、特開2001−290099号公報及び特開2001−13443号公報に開示された両面電極タイプのガルバノマイクロミラーがある。図15はこの公報に記載されたガルバノマイクロミラーを示す。ミラー31に対し、ミラーの下方に電極パッド32a、32bを配置し、ミラーの上方に電極パッド33a、33bを配置して、上側の電極と下側の電極の双方で発生する静電気力を使用してミラーを駆動する構造を採用している。このように、ミラー31に対し、上下方向から引っ張り合うことにより、駆動力を増加させ、更に上下方向の力を相殺し、ミラーの沈み込み及び落下問題を解決することができる。
【0016】
しかし、この種のミラーにおいては、ミラーの上側に設けた電極33a、33bが、ミラーへの光信号入射経路を遮断してしまうため、電極をミラー31の反射面となる領域よりも十分外側に配置する必要がある。このため、ミラー31には、その電極に対向する位置に、タブ状の張り出し34a、34bを設ける必要が生じる。このため、ミラーの回転半径は拡大し、可動範囲を狭めてしまう。前述のように、このような光デバイスでは、ミラーの可動範囲を広くとれることが重要な性能であるため、このように、ミラーの外部に形状を張り出すことは、大きなデメリットとなってしまう。
【0017】
また、この公報に記載されたガルバノミラーのように、1個のミラーでデバイスとして成立するものはよいが、光スイッチのように、数百乃至数千個の規模でミラーをマトリクス状に配置する必要がある場合は、上側の電極配線は、ミラーへの光信号入射経路を避けて引き回す必要があり、配線設計が困難である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の光デバイスにおける1つ目の課題は、ミラーを駆動するために大電圧を必要とすることである。この理由は、この種の可動ミラーを用いたデバイスでは、一般的にマイクロミラーを使用しており、有効な電極面積は、極めて小さな領域に限られてしまう。更に、ミラーが大きく回転すると、電極側の基板とミラーとが接触してしまう。このため、結果的にギャップもある程度広く取らざるを得なくなる。このような状況から、静電気力型アクチュエータとしての効率が悪くなるため、ミラーの駆動に大電圧が必要になる。
【0019】
従来技術の光デバイスにおける2つ目の課題は、可動ミラーが、回転時に沈み込むことである。この理由は、静電気力には、ミラーを電極側に垂直に落とそうとする力成分も存在するため、ミラーを支持するバネが、沈み込む方向にたわんでしまうからである。
【0020】
従来技術の光デバイスにおける3つ目の課題は、ミラーを支持するバネの回転剛性を著しく弱くする必要があることから、極めて幅が狭いバネを製作する必要がある。このため、その製造が困難である。この理由は、上記2つの課題を改善するため、バネの回転剛性を落とすことで、大電圧化を抑制し、またミラーの沈み込みも低減させようとするからである。
【0021】
従来技術の光デバイスにおける4つ目の課題は、電極基板の構造が複雑化することである。この理由は、上記1つ目〜3つ目の課題を克服するための、電極基板に段地を設け、ここに電極パターンを形成するためである。
【0022】
従来技術の光デバイスにおける5つめの課題は、ミラー沈み込み防止のために設けたピボットが磨耗し、かつ発塵することである。この理由は、ミラー沈み込み防止のために設けたピボットが、ミラーと接触することで、その沈み込みを防止する構造になっているからである。
【0023】
従来の光デバイスにおける6つ目の課題は、ミラーの可動範囲が狭まることである。この理由は、上記1つ目〜5つ目の課題を解消するために、ミラーをその上面側と下面側の双方から静電気力で引き合うことにより駆動する方式としたからである。この場合に、上面側(光入射側)は、ミラー反射面の外側に静電気力を発生させる電極を設ける必要があり、このため、ミラー外形が大きくなってしまう。結果的に、ミラーの回転半径が大きくなり、可動範囲を狭めることになってしまう。
【0024】
従来の光デバイスにおける7つ目の課題は、ミラーをマトリクス状に配置した場合の大規模集積化化が困難であることである。この理由は、ミラーの上側の電極配線は、光信号の入射経路を避けて配置する必要があり、スペースの不足から、引き回しが困難になるためである。
【0025】
このように、従来の光デバイスでは、低電圧で、かつミラーの沈み込みが生じない駆動が困難であるために、構造が複雑化し、製造プロセスの難易度を上げる結果となっていた。また、低電圧化及び沈み込み防止を目的として両面電極を使用した場合は、ミラーの可動範囲の低下及び光デバイスの大規模集積化の阻害という問題点を発生させてしまっていた。
【0026】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、単純な構造で、低電圧駆動を可能とし、更にミラーの沈み込みを防止すると共に、ミラー可動範囲が広く、大規模集積化が可能な光デバイスを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光デバイスは、可動ミラーと、この可動ミラーの両端を支持することにより、その可動ミラーを中空に浮遊した状態とする一対のバネと、その可動ミラーの周縁部の表面上方において、その可動ミラーへの光信号入射経路上に設けられた2個の上側電極を備え、その2個の上側電極のそれぞれと可動ミラーとの間でコンデンサを構成して、静電気力で可動ミラーを駆動させる上側ミラー駆動装置と、前記可動ミラーの裏面下方において、前記2個の上側電極に対して可動ミラーを挟んでそれぞれ対角の位置に設けられた2個の下側電極を備え、その2個の下側電極のそれぞれと可動ミラーとの間でコンデンサを構成して、静電気力で可動ミラーを駆動させる下側ミラー駆動装置とを含み、
前記上側ミラー駆動装置が光信号を透過する透明の材料で形成されており、
前記上側ミラー駆動装置の一方の上側電極に通電するとともに、その通電した上側電極の対角に位置する下側電極に通電することにより、前記可動ミラーを駆動させることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係る光デバイスは、次の構成とすることもできる。その光デバイスは、一部又は全部に磁性体が被着された可動ミラーと、その可動ミラーの両端を支持することにより、その可動ミラーを中空に浮遊した状態とする一対のバネと、その可動ミラーの周縁部の表面上方において、その可動ミラーへの光信号入射経路上に設けられた2個の上側コイルを備えて、その上側コイルと可動ミラーとの間の電磁力によって可動ミラーを駆動させる上側ミラー駆動装置と、前記可動ミラーの裏面下方において、前記2個の上側コイルに対して可動ミラーを挟んでそれぞれ対角の位置に設けられた2個の下側コイルを備え、その2個の下側コイルのそれぞれと可動ミラーとの間の電磁力によって可動ミラーを駆動させる下側ミラー駆動装置とを含み、
前記上側ミラー駆動装置が光信号を透過する透明の材料で形成されており、
前記上側ミラー駆動装置の一方の上側コイルに通電するとともに、その通電した上側コイルの対角に位置する下側コイルに通電することにより、前記可動ミラーを駆動させることを特徴とする。
【0030】
また、例えば、光信号を透過する側の前記ミラー駆動装置は、前記2個の電極が形成された基板を備え、その基板およびその基板に形成されている2個の電極が、光信号透過性の材料で形成されている。
【0032】
また、例えば、光信号を透過する側の前記ミラー駆動装置は、前記2個のコイルが形成された基板を備え、その基板およびその基板に形成されている2個のコイルが、光信号透過性の材料で形成されている。
【0033】
前記基板は、例えば、ガラス基板であり、前記電極及びコイルは、例えば、ポリシリコン製である。
【0034】
また、例えば、前記可動ミラーは、ハウジング内に密封されており、前記1対のミラー駆動装置は、前記ハウジングの一部により構成されている。そして、例えば、前記ハウジング内に大気以外の気体又は液体が封入されている。また、前記ハウジングは、電磁シールド材により形成することができる。
【0035】
更に、前記ミラー駆動装置は、前記基板上に駆動回路が搭載することができる。そして、本発明の光デバイスは、光スイッチ、スキャンシステム、プリンタ又はディスプレイに使用することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る光デバイスを示す斜視図、図2はそのミラー1の動作を示す正面図、図3はその分解斜視図、図4は本実施形態の光デバイスの動作を示す断面図である。本実施形態の光デバイスは、ミラー1の周縁部の上方に、1対の電極パッド2a、2bが、ミラー1に平行に、かつミラー1から適長間隔を離隔させて配置され、ミラー1の周縁部の下方に、1対の電極パッド3a、3bが、ミラー1に平行に、かつミラー1から適長間隔をおいて配置されている。上方の電極パッド2a、2bはミラー1を間に挟んで夫々下方の電極パッド3a,3bと対向している。これにより、上側の電極と下側の電極の双方で発生する静電気力を使用してミラーが駆動されるようになっている。
【0037】
ミラー1は電極パッド2aと電極パッド2bとが対向する方向に直交する方向の端部にて、バネ7a、7bを介して、アンカー6a、6bにより支持されている。また、各電極パッド2a、2b、3a、3bは、夫々配線12a,12b、13a、13bにより外部に電気的に引き出されるようになっている。
【0038】
次に、この光デバイスの製造方法について説明し、その具体的な構造について説明する。図3に示すように、下側電極基板4は、その表面に酸化膜等の絶縁膜が施されたシリコン基板である。この下側電極基板4に、シリコン基板をディープドライエッチすることにより、支柱5a、5bを形成する。この支柱5a、5bの高さが、下側電極によるコンデンサのギャップに相当する。なお、この支柱5a、5bの形成方法としては、このほかに、ポリイミド樹脂及びガラス基板等のシリコン以外の物質を貼り合せることによっても形成することができる。
【0039】
次に、この支柱付きの電極基板4に電極パッド3a、3b及び配線13a、13bを形成する。電極パッド3a、3bは、アルミニウム、ポリシリコン又は金等の導電性の材料を成膜した後、これをパターニングすることにより形成することができる。
【0040】
この下側電極基板4の支柱5a、5b上に、ミラー1を搭載する。ミラー1は、電極基板と同様にシリコンを使用して作製する。このとき、ミラー1、バネ7a、7b及びアンカー6a、6bをシリコンを使用して一体的に形成する。しかし、各部材を別体で形成した後、各部材を接合して形成することも可能である。例えば、ミラー1をシリコンで形成し、バネ7a、7bとアンカー6a、6bをアルミニウム等の金属材料により形成することもできる。
【0041】
そして、アンカー6a、6bを支柱5a、5bに重ね、両者を接合することにより、ミラー1をバネ7a、7bを介して懸架した状態に支柱5a、5bにより支持する。この場合に、電極パッド3a、3bはミラー1の裏面の縁部の下方にミラー1と平行に配置され、電極パッド3a、3bとミラー1の裏面との間に静電気力が印加されるようになっている。
【0042】
その後、同様にして作成した上側電極基板8をミラー1の上方に配置する。但し、この上側電極基板8はミラー1に対して光信号が入射してくる側に設置されるため、光信号を透過する透明の材料で形成されている。即ち、上側電極基板8は透明ガラス基板であり、この上側電極基板8の下面に、ポリイミド樹脂を貼り合わせた後、このポリイミド樹脂をエッチングして支柱9a、9bを形成する。この支柱9a、9bの高さが、上側電極によるコンデンサのギャップに相当する。
【0043】
次に、この支柱が形成された上側電極基板8の下面に、電極パッド2a、2b及び配線12a、12bを形成する。この電極パッド2a、2b及び配線12a、12bはポリシリコン等の導電性を有すると共に、光信号透過性の材料を成膜し、これをパターニングすることにより形成することができる。
【0044】
次いで、この上側電極基板8をミラー1上に搭載する。このとき、支柱9a、9bを夫々アンカー6a、6bに重ね、両者を接合することにより、上側電極基板8とミラー1と下側電極基板4とを相互に組み立てる。これにより、アンカー6a、6bは支柱5a、5bと支柱9a、9bとの間に挟持されて固定され、ミラー1はバネ7a、7bを介して中空に浮遊した状態に保持される。なお、上側電極基板8の電極パッド3a、3bもミラー1の縁部の上方にて、ミラー1に平行に配置され、電極パッド3a、3bとミラー1との間に静電気力が印加されるようになっている。
【0045】
次に、上述の如く構成された本実施形態の光デバイスの動作について説明する。図4に示すように、先ず、電極パッド2aと、それと対角に位置する電極パッド3bに通電し、ミラー1との間に静電気力を発生させる。そうすると、ミラー1は、電極パッド2a、3bとミラー1とが静電引力で引きつけあい、図示のように反時計方向に揺動する。バネ7a、7bには捻れが生じる。この場合に、通電電圧を調節することにより、静電引力とバネ7a、7bのバネ反力との釣り合いにより、ミラー1の傾斜角度を所定の角度に制御することができる。これにより、透明の上側電極基板8を透過して入射してくる信号光Sを所定の方向に反射することができる。そして、通電電圧を制御することよりミラー1の傾斜角度を制御でき、これにより、信号光Sの反射方向を任意の方向に制御することができる。
【0046】
本実施形態においては、上側電極基板8(支柱9a、9bを含む)、電極パッド2a、2b及び配線12a、12bが透明材料で形成されているので、光信号Sはこの上側電極基板8を透過してミラー1に入射するので、ミラー1には従来のような張出部を設ける必要がなく、ミラーの大型化を回避できると共に、ミラー1の回転半径も小さく、可動範囲が広い。また、信号配線の取り回しも容易であり、光デバイスの大規模集積化が可能である。
【0047】
図5(a)乃至(d)は、ミラーの可動範囲を従来の光デバイスと比較して示す断面図である。図5(a)に示すように、本実施形態に係る光デバイスの場合には、電極パッド2a、2b及び配線12a、12bが透明材料で形成されているので、光信号を透過するため、ミラー1自体は円板状をなし、その全域で光信号を反射することができ、余分な張出部を設ける必要がない。このため、ミラー1の周縁の回転半径Raが小さく、ミラー1が揺動可能な最大傾斜角度θaは大きい。これに対し、図5(b)に示すように、従来の光デバイスの場合には、電極パッド51a、51bが光信号透過性ではないため、ミラーの上方の基板部分には光信号を入射させるための開口部が必要であると共に、ミラー自体には、円板状の反射面の他に、電極パッド51a、51bと対向するための張出部52を設ける必要がある。このため、ミラーの回転半径Rbは大きく、従って、ミラーが最大限揺動することができる最大傾斜角度θbが小さい。このため、本実施形態の場合には、従来の光デバイスよりもミラーの可動範囲が広い。
【0048】
また、仮に、ミラーの可動範囲を本実施形態と従来の光デバイスとで同じである(傾斜角度θ)とした場合、図5(c)の本実施形態の光デバイスにおいては、ミラーと下部電極基板との間隔Gcが小さい。これに対し、図5(d)に示す従来の光デバイスの場合には、張出部52が存在するために、ミラーと下部電極との間隔Gdが大きくなる。つまり、Gc<Gdであり、本実施形態の場合には、光デバイスを小型化することができる。このため、本実施形態においては、ミラーの駆動電圧も低減することができる。
【0049】
なお、上述の実施形態においては、ミラー1は1対のバネ7a、7bにより支持された1軸回転ミラーである。しかし、この構造では、スキャンできる反射光の範囲は、1直線上にならざるを得ない。しかし、図6に示すように、ミラー1を2対のバネ7a、7bで支持する2軸回転ミラーとすることにより、信号光の反射角度のより精細な制御が可能となる。
【0050】
ミラー1は、例えば、直径が500μm、厚さが20μmである。ミラー1の周囲には、フレーム10がこのミラー1を取り囲むようにして配置されている。アンカー6a、6bとフレーム10とが、1対のバネ7a、7bにより連結されて、フレーム10がアンカー6a、6bに支持されている。そして、アンカー6a、6bの対向方向に直交する方向のミラー1の端部とフレーム10とが同様に1対のバネ7a、7bにより連結されて、ミラー1がフレーム10に支持されている。また、下部電極パッド3a乃至3dはミラー1の円周方向における4等配の位置に配置されている。1対の下部電極パッド3a、3bはアンカー6a、6bの対向方向に直交する方向に対向するように配置され、1対の下部電極パッド3c、3dはアンカー6a、6bの対向方向に対向するように配置されている。なお、上部電極基板の上部電極パッド(図示せず)も上述の下部電極基板の下部電極パッドと同様にミラー1の円周方向の4等配の位置に配置されている。
【0051】
このように構成された光デバイスにおいては、例えば、電極パッド3bとこの電極パッド3bと対角の位置に配置された上部電極基板の電極パッドに電圧を印加し、静電引力により、ミラー1を電極パッド3bに近づく方向に揺動させる。これにより、ミラー1は図4と全く同様に傾斜する。なお、フレーム10も同様に傾斜する。一方、電極パッド3cとこの電極パッド3cと対角の位置に配置された上部電極基板の電極パッドに対して電圧を印加すると、フレーム10は傾斜せず、ミラー1のみが静電気力によりアンカー6a、6bの対向方向に傾斜する。更に、隣接する電極パッド、例えば、電極パッド3b、3cの双方と、これらの電極パッドと対角の位置に配置された上部電極基板の電極パッドに対して電圧を印加すると、ミラー1とフレーム10の双方が傾斜し、ミラー1はアンカー6a、6bが対向する方向に対して鋭角の方向を揺動軸として傾斜する。この鋭角の角度は、電極パッド3bと電極パッド3cに印加する電圧の大きさに依存し、相互に同一である場合は、基本的には、アンカー6a、6bが対向する方向に45°傾斜する方向を揺動軸として傾斜する。
【0052】
なお、バネ7a乃至7dの形状は、図1においては、直線状のビード状をなす簡素なものであるが、図6においては、ジグザグ状に折れ曲がりがついたものである。このように、折れ曲がりを有することにより、捻りやすいものとなっている。図6に示すバネ7a、7bの具体的形状としては、例えば、長さが300μm、バネの折り数が3ターン、バネの厚さが3μm、幅が7μmである。また、コンデンサのギャップを規定する支柱5a、5b、9a、9bの高さは、例えば、夫々100μmである。また、印加電圧は、上側電極基板の電極パッドと、下側電極基板の電極パッドの双方に、同時に例えば50V印加する。これにより、例えば、ミラー1の傾斜を10°に保持することができる。
【0053】
このようなミラーの傾斜角度を、片側の電極パッドのみで同様に得ようとすると、電極パッドには、倍の電圧を印加する必要があると共に、図7に示すように、ミラー1の全体が電極パッド側(基板側)に沈み込み、バネの軸中心が基板側に移動してしまい、ミラー1の揺動中心が変動するため、ミラー1が所望の傾斜角度で揺動しなくなる。このような挙動がおきると、ミラーの姿勢制御が難しくなるだけでなく、大きな電圧をかけていったときに、ミラー全体が電極上へ落下してしまうエラーモードが発生する。
【0054】
これに対し、本発明の実施形態では、図8に示すように、ミラーを挟んで上下に位置する上側電極基板と下側電極基板から、同時に静電力が発生するため、上下方向の力成分Fは相殺され、完全に回転モーメント成分2RFcosθ(R:作用半径、θ:ミラー回転角)だけが働き、ミラー1は、バネの軸周りに回転し、かつ電極パッドが設けられた基板側に落下するようなエラーを発生することがない。
【0055】
また、本発明の実施形態では、従来技術の片側電極構造と異なり、同じ電圧でも2倍の静電引力を発生できる。このことを表したミラー回転角度と発生力の相関関係を図9に示す。図9は、横軸にミラー回転角度θ、縦軸に発生力Fをとって両者の関係を示すグラフ図である。SEFは片側だけの電極で発生した静電気力を示し、WEFは上下両側の電極で発生した静電気力を示す。図中の各曲線は、電極によって発生した静電気力を示しており、ミラーの回転角が増すと、コンデンサのギャップが小さくなるため、ほぼ2次曲線を描いて大きくなってく。一方、図中の直線は、バネによる反力を示しており、バネの反力は、ミラーが回転してねじれが生じると、ねじれ量に比例して大きくなっていく。このときの比例係数は、バネの剛性に相当するバネ係数になる。
【0056】
図9からわかるように、片側だけの電極で発生した静電力SEFと、上下両側の電極で発生した静電力WEFは、ほぼ2倍の静電力の違いをもつ。なお、この種の静電駆動構造体では、バネの反力と静電気力の関係は、(静電気力)>(バネの反力)であることが必須となる。仮にバネの反力の方が大きいミラー回転角が存在すると、静電気力でそれを制御してミラーを固定することができない。図中、直線で示したKθと2Kθは、夫々、各静電気力に対し、バネとして許容できる最大の剛性を有する場合のバネ反力である。このように、静電気力を2倍にできることでバネの剛性も2倍にできる。また、図9には示していないが、従来の両面電極のミラーに対しても、本実施形態においては、図5(c)、(d)で説明したいように、低電圧化が得られているため、同様にバネ剛性を高くすることができる。
【0057】
バネの剛性を大きくできることは、製造プロセス的にも極めてメリットが大きい。本実施形態では、バネの厚さを3μm、幅を7μmとしたが、従来の片側電極では、バネの厚さは2μm以下であることが要求され、また、安定した制御を期待するのであれば、1μm以下にする必要がある。このように極端に剛性の低いバネを作製する必要が生じ、製造プロセスでは、歩留まりの低下、また製品としても、信頼性の低下といった、深刻な問題が発生する。
【0058】
このように、本発明では、ミラーの可動範囲を拡大し、ミラーの駆動電圧を低電圧化し、ミラーの沈み込み及び落下を防ぎ、更に、バネ剛性の許容値を上げることができ、これにより、製造プロセスの安定化、製品の高信頼性化を実現できる。
【0059】
図10は上述の本実施形態の可動ミラーを有する光デバイスを、光スイッチとして使用した場合のモジュール全体の構成を示す。ファイバーアレー21から光信号が光スイッチに入射される。入ってくる光信号は、ファイバーアレー21と対向して配置されるミラーアレー22に照射される。ここで、ミラーアレー22は、上述してきたミラーがアレー状に多数配置された構造になっている。ミラーは、前述のような動作にて、入射光を所定の方向に反射させる。この反射光は、さらに次のミラーアレー23に入り、ここでまた、所定の方向に反射され、ファイバーアレー24に集められる。この動作により、ファイバーアレー21に入ってきた信号光を、目的のファイバーアレー24に送りだし、スイッチングを完了する。
【0060】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図11は本実施形態の光デバイスを示す。本実施形態においては、上側電極を利用して、ミラー構造体をパッケージングしたものである。
【0061】
この種の光デバイスでは、ミラーの駆動する領域へのゴミ及び水分の混入とか、外部からの電磁力の影響などの外乱を受けること等は、誤動作及び故障の原因となり、問題となることが多い。そこで、図11に示す本発明の他の実施形態では、上側電極基板8と上側電極パッド2a、2bに光信号透過性材料を使用すると共に、基板4,8及び壁部11により、ミラー1を気密的又は水密的に密閉し、外部からのゴミ及び水分の混入を防止する。また、この外側を完全に覆った外壁部11を電磁シールド材とすることで、外部からの電磁力外乱を防ぐことができる。
【0062】
更に、本発明の第3の実施形態として、上記第2の実施形態で示した密閉空間に、光信号の劣化を防ぐためのマッチング材を注入することができる。例えば、光信号が光ファイバーから出力される場合は、光ファイバと共通の屈折率をもつマッチングオイルを注入することで、その効果が実現できる。
【0063】
本発明の第4の実施の形態として、図11に示すように、上側電極基板8上にICなどの駆動回路部品25を搭載し、光デバイスとしてモジュール化することができる。このことは、モジュールの省スペース化、構造の簡易化、製造工程の削減などのメリットをもつことができる。
【0064】
なお、上述のミラーの駆動装置は、静電気力による駆動手段に限らず、種々の駆動手段を採用することができる。即ち、このミラーの駆動を静電気力によるものから、電磁力又は熱ひずみ応力など、別のエネルギーによるものに変えることもできる。例えば、電磁力であれば、ミラー又はその一部を磁性体で作成し、上側電極と下側電極の代わりに、導電性コイルを使用することにより、電磁力により、ミラーを揺動させることができる。いずれにしても、本発明では、ミラーの駆動力を静電力に限定するものではなく、上下方向の力成分を相殺する働き方をする力エネルギーであれば適用可能とする。
【0065】
【発明の効果】
以上、詳述した本発明によれば、ミラーの表面側と裏面側とから駆動力を発生させ、少なくとも片方の駆動装置を、光信号を透過するものとすることにより、ミラー反射面に入射してくる光信号を駆動装置が遮断してしまうことがなく、光信号の入射経路であるミラー反射面の直上に駆動装置を配置することができる。このため、従来のようにミラーの外側に張り出す余分な張出部を設ける必要がなく、ミラーの回転半径を小さくすることができ、結果的にミラーの駆動範囲を拡大することができる。
【0066】
また、電極パッドに光信号透過性の材料を使用したことから、ミラーの光信号入射側の電極配線への制約がなくなり、光デバイスの大規模集積化が容易となる。
【0067】
更に、ミラーの表面側と裏面側の双方から、ミラーに対する駆動力を印加すると共に、ミラーの回転半径が小さいことから、ミラーとミラーの上方又は下方に配置された駆動装置との距離を狭くすることができるため、駆動電圧を低電圧化することができる。
【0068】
更にまた、ミラー駆動に加わる力の上下方向の力成分を相殺し、ミラーの沈み込み及び落下を防止することができ、バネを中心とする回転軸の変位を防止して、ミラーを正確に揺動駆動させることができ、ミラーの姿勢制御を安定させることができる。
【0069】
更にまた、ミラーの上下から駆動力を発生させることで、ミラーを支持するバネの剛性を上げることが可能となり、バネの製造プロセスを容易にすることができる。
【0070】
更にまた、上下に施された駆動機構を、そのまま、ミラー構造体を密閉する外壁の一部とすることで、モジュールを高信頼性化することができる。
【0071】
更にまた、この上下に施された駆動機構に、そのまま、ICチップなどの駆動回路部品を搭載することで、モジュールの省スペース化及び製造工程の簡略化を果たすことができる。
【0072】
更にまた、上記ミラー構造体を密閉した空間に、光信号の損失を低減するマッチングオイルを注入することにより、光デバイスとしての性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光デバイスを示す斜視図である。
【図2】同じく、そのミラーの動作を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の光デバイスの組み立て斜視図である。
【図4】本実施形態の動作を示す断面図である。
【図5】(a)乃至(d)は本実施形態の効果を説明する断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る光デバイスを示す平面図である。
【図7】ミラーの沈み込みを説明する図である。
【図8】本発明の効果を説明する図である。
【図9】図8において、傾斜角度θとミラーに印加される力Fとの関係を示すグラフ図である。
【図10】本発明の実施形態の適用例を示す図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図12】従来の光デバイスを示す図である。
【図13】従来の他の光デバイスを示す図である。
【図14】従来の更に他の光デバイスを示す図である。
【図15】従来の更に他の光デバイスを示す図である。
【符号の説明】
1:ミラー
2a、2b、3a、3b:電極パッド
4:下側電極基板
5a、5b、9a、9b:支柱
6a、6b:アンカー
7a、7b、7c、7d:バネ
8:上側電極基板
S:信号光
10:フレーム
12a、12b、13a、13b:配線
21、24:ファイバーアレー
22、23:ミラーアレー
25・・・ミラー駆動回路部品

Claims (12)

  1. 可動ミラーと、
    この可動ミラーの両端を支持することにより、その可動ミラーを中空に浮遊した状態とする一対のバネと、
    その可動ミラーの周縁部の表面上方において、その可動ミラーへの光信号入射経路上に設けられた2個の上側電極を備え、その2個の上側電極のそれぞれと可動ミラーとの間でコンデンサを構成して、静電気力で可動ミラーを駆動させる上側ミラー駆動装置と、
    前記可動ミラーの裏面下方において、前記2個の上側電極に対して可動ミラーを挟んでそれぞれ対角の位置に設けられた2個の下側電極を備え、その2個の下側電極のそれぞれと可動ミラーとの間でコンデンサを構成して、静電気力で可動ミラーを駆動させる下側ミラー駆動装置とを含み、
    前記上側ミラー駆動装置が光信号を透過する透明の材料で形成されており、
    前記上側ミラー駆動装置の一方の上側電極に通電するとともに、その通電した上側電極の対角に位置する下側電極に通電することにより、前記可動ミラーを駆動させることを特徴とする光デバイス。
  2. 一部又は全部に磁性体が被着された可動ミラーと、
    その可動ミラーの両端を支持することにより、その可動ミラーを中空に浮遊した状態とする一対のバネと、
    その可動ミラーの周縁部の表面上方において、その可動ミラーへの光信号入射経路上に設けられた2個の上側コイルを備えて、その上側コイルと可動ミラーとの間の電磁力によって可動ミラーを駆動させる上側ミラー駆動装置と、
    前記可動ミラーの裏面下方において、前記2個の上側コイルに対して可動ミラーを挟んでそれぞれ対角の位置に設けられた2個の下側コイルを備え、その2個の下側コイルのそれぞれと可動ミラーとの間の電磁力によって可動ミラーを駆動させる下側ミラー駆動装置とを含み、
    前記上側ミラー駆動装置が光信号を透過する透明の材料で形成されており、
    前記上側ミラー駆動装置の一方の上側コイルに通電するとともに、その通電した上側コイルの対角に位置する下側コイルに通電することにより、前記可動ミラーを駆動させることを特徴とする光デバイス。
  3. 光信号を透過する側の前記ミラー駆動装置は、前記2個の電極が形成された基板を備え、その基板およびその基板に形成されている2個の電極が、光信号透過性の材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  4. 光信号を透過する側の前記ミラー駆動装置は、前記2個のコイルが形成された基板を備え、その基板およびその基板に形成されている2個のコイルが、光信号透過性の材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光デバイス。
  5. 前記基板は、ガラス基板であることを特徴とする請求項3又は4に記載の光デバイス。
  6. 前記電極は、ポリシリコン製であることを特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
  7. 前記コイルは、ポリシリコン製であることを特徴とする請求項4に記載の光デバイス。
  8. 前記可動ミラーは、ハウジング内に密封されており、前記上側および下側ミラー駆動装置は、前記ハウジングの一部により構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光デバイス。
  9. 前記ハウジング内に大気以外の気体又は液体が封入されていることを特徴とする請求項8に記載の光デバイス。
  10. 前記ハウジングは、電磁シールド材により形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光デバイス。
  11. 前記ミラー駆動装置は、駆動回路を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の光デバイス。
  12. 光スイッチ、スキャンシステム、プリンタ又はディスプレイに使用されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光デバイス。
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